10月24日(月)より開催される「第35回東京国際映画祭」において、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督が、黒澤明賞を受賞したことが分かった。日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していきたいとの願いから、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として本年、14年ぶりに黒澤明賞が復活。これまで、スティーヴン・スピルバーグ監督、山田洋次監督、侯孝賢監督らが受賞した同賞。今年は、山田監督、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選考。その結果、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』などを手掛け、アカデミー賞監督賞をはじめとした数々の映画賞を獲得。最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』はヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定しているイニャリトゥ監督。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した『淵に立つ』、最新作の『LOVE LIFE』は先日のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、満場の喝采で迎えられた深田監督の2名に決定。イニャリトゥ監督において選考委員からは、デビュー作『アモーレス・ペロス』で世界の目をメキシコ映画に向けさせ、その後アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞しながらも、作品ごとに常に新しい試みに精力的に挑戦している姿勢が評価に値するということで受賞が決定。深田監督においては、作品性が若手映画監督として優れている点や、世界に向けて将来の活躍が期待される日本人監督である点などに加え、映画製作活動以外での精力的な活動についても評価の声が高いことから今回の受賞が決定した。なお、黒澤明賞の授賞式は10月29日(土)に帝国ホテルにおいて開催予定だ。「第35回東京国際映画祭」は10月24日(月)~11月2日(水)日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。「TIFFCOM2022」は10月25日(火)~27日(木)オンライン開催。(cinemacafe.net)
2022年10月08日「第35回東京国際映画祭」黒澤明賞の受賞者が、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督に決定した。東京国際映画祭は、日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していきたいとの願いから、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、本年14年ぶりに黒澤明賞を復活させた。過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞。今年は、山田洋次監督、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により、受賞者はイニャリトゥ監督と深田監督に決定した。イニャリトゥ監督は、2000年に『アモーレス・ペロス』で長編映画監督デビューし、同作で第53回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門、第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。以降『バベル』(2006年)、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)、『レヴェナント: 蘇えりし者』(2016年)と精力的に作品を発表しアカデミー賞監督賞をはじめとした数々の映画賞を獲得。最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は、本年度ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定しており、11月より一部劇場でも公開される。選考委員からは、デビュー作『アモーレス・ペロス』で世界の目をメキシコ映画に向けさせ、その後アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞しながらも、作品ごとに常に新しい試みに精力的に挑戦している姿勢が評価に値するということで、本年度の受賞が決まった。なお、イニャリトゥ監督は東京国際映画祭では2009年に審査委員長を務めており、それ以来の参加となる。深田監督は、2016年『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞し、同作で2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営危機に陥るミニシアターが続出したことに対し、同じく映画監督の濱口竜介らとともに全国の小規模映画館支援のためのクラウドファンディング『ミニシアター・エイド基金』を立ち上げるなど、若手映画監督としての枠を超えた活動も行っている。最新作の『LOVE LIFE』は、先日のヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、満場の喝采で迎えられたのは記憶に新しい。今回、選考委員からも作品性が若手映画監督として優れている点や、世界に向けて将来の活躍が期待される日本人監督である点などに加え、映画制作活動以外での精力的な活動についても評価の声が高く、今年度の受賞者として決定した。黒澤明賞の授賞式は10月29日(土)に帝国ホテルにおいて開催される予定だ。<第35回東京国際映画祭 開催概要>開催期間:2022年10月24日(月)~11月2日(水)会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区公式サイト: <TIFFCOM2022 開催概要>開催期間:2022年10月25日(火)~27日(木)(※オンライン開催)公式サイト:
2022年10月07日ミニシアター“シネマカリテ”が贈る魅惑の映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション(R)2021」(略して「カリコレ(R)2021」)が、7月9日(金)~8月5日(木)の4週間に渡り開催されることが決定した。2014年の第1回開催から好評を得ている「カリコレ」。7回目を迎える今年、1弾ではジャンルや国境を越えた選りすぐりの新作9作品、旧作1作品の全10タイトルが決定。澄み切った夏の空の下、軽快に外へ飛び出したアリスを描いたメインビジュアルは、例年同様イラストレーターの田中梓氏による描き下ろしとなっている。オープニング作品はレトロ・フューチャー感たっぷり今年のオープニング作品は、電子楽器を手にした若き女性ミュージシャンの挑戦を描いた『ショック・ドゥ・フューチャー』(シネマカリテにて8月27日公開)。デジタル楽器としてのシンセサイザーが普及し始め、世界中のミュージシャンが新しい音楽の可能性を探り、日本ではYMOが結成された70年代後半。パリを舞台に、電子楽器を手にし、新しい音楽の可能性を探り求めた若き女性ミュージシャンの姿をレトロ・フューチャー感あふれる映像でエモーショナルに描いた青春音楽映画。主演はアレハンドロ・ホドロフスキーを祖父に持ち、モデルとしても活躍するアルマ・ホドロフスキー。電子音楽ファンには見逃せない注目作の先行プレミア上映からスタートする。新作9作品、旧作1作品がラインアップVFXを駆使し、スーパースケールで人類VSエイリアンの攻防を描くSFバトル・アクション超大作『インベイド』。異星人の侵略により、滅亡の淵に追いつめられた人類。世界の運命を握る“レインフォール”の謎とは?ホラー作品は、故障した車の修理費を稼ぐため、廃れたテーマパーク“ウィリーのワンダーランド”での清掃を引き受けた男が、悪夢のようなアニマトロニクスの人形たちと死闘を繰り広げるニコラス・ケイジ主演のホラー・アクション『Willy’s Wonderland』(原題)。1つ怪談を話し終える度に1本ずつ蝋燭を消していくと恐ろしいことが…!日本人なら1度は耳にしたことのある怪談「百物語」にインスパイアされて製作されたニュージーランド発のショッキング・ホラー『怪談百物語』も登場。また、今年のカリコレはアクションも凄い。一見平凡なドアマンとして働く女性が、強盗集団に襲われると一転、元海兵隊としての特殊スキルを武器に敵を追い詰めていく!ロサンゼルスを拠点に活躍する北村龍平監督のもと、ルビー・ローズを筆頭にジャン・レノ、伊藤英明ら豪華キャストが集結したアクション大作『ドアマン』。歴史的小説「オリヴァー・ツイスト」を現代風に映画化、最強の怪盗チームが幻の名画奪還作戦に挑む『スティーラーズ』がお目見え。若手俳優の中でも今後が注目されるジュード・ロウの息子ラフ・ロウを始め、イギリスを代表する名優マイケル・ケインら豪華キャストで放つアクション・エンターテインメント。韓国からは、子どもの手術代を稼ぐため、死体処理という闇の仕事を請け負ったトラック運転手(ユ・ヘジン)の前に突然現れた連続殺人鬼を追う警察官。死体を荷台に載せた運転手の究極の選択を描くクライム・スリラーの傑作『トラック』が登場。さらに、コンテンポラリーダンサーと革新的なピアニスト、そして若き振付師との恋の行方を描いた『High Strung Free Dance』(原題)は、2016年のカリコレにて上映され大ヒットを記録した『ハートビート』の続編。旧作からは、“ハリウッドに嫌われ、愛された男”巨匠ロバート・アルトマンが、映画業界の内幕を風刺と皮肉たっぷりに暴き出し、カンヌ国際映画祭にて最優秀監督賞&男優賞に輝いたブラック・サスペンス『ザ・プレイヤー』(92)が上映される。「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(R)2021」は7月9日(金)~8月5日(木)までシネマカリテにて開催。(text:cinemacafe.net)
2021年04月28日新型コロナウイルスの影響により劇場公開が5月22日(金)に延期となった『ホドロフスキーのサイコマジック』が、配給元アップリンクの運営するオンライン映画館「アップリンク・クラウド」にて先行配信決定。おうちで映画を楽しみながら、各地の映画館を支援できる「寄付込みオンライン先行上映」となる。本作は『エンドレス・ポエトリー』や『ホドロフスキーのDUNE』などで知られる、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の集大成。これまで彼が創り上げてきた作品の映像表現が、いかに“サイコマジック”という技法によって貫かれているかを解き明かしていく。今回の「寄付込みオンライン先行上映」は本来の公開日4月24日(金)より、アップリンクの運営するオンライン映画館「アップリンク・クラウド」にて本作を期間限定でストリーミング配信、その売上から映画館への支援として、本作の上映を予定している全国の映画館へ均等に分配する、という仕組み。また同日より、本作の公開を記念したオリジナルグッズをオンラインで先行販売。本作のタイトルロゴがあしらわれたTシャツに加え、本作にも登場する『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』のTシャツとトートバッグ、全15種のシークレット缶バッジを取り揃えている。『ホドロフスキーのサイコマジック』は4月24日(金)より「アップリンク・クラウド」にて先行配信。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ホドロフスキーのサイコマジック 2020年5月22日よりアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開©SATORI FILMS FRANCE 2019 ©Pascal Montandon-Jodorowsky
2020年04月17日4月16日(木)開業予定の映画館「アップリンク京都」のオープニング企画が発表された。「アップリンク京都」は、京都市中京区の複合施設「新風館」地下1階にオープンする新たな映画館。異なるデザインコンセプト計4スクリーン、215席(予定)を有し、こだわりのフードメニューなども用意。映像ギャラリー、壁面ギャラリー、マーケットも備え、映画を観ない方も楽しめる新たなカルチャースポットとなる。今回の開業に際し、オープニング特集として「見逃した映画特集 in KYOTO」と題し、113本を超える映画を一挙上映する特集を実施。歴代カンヌ最高賞から短編インディーズまで、6週間に渡って上映していく。『ホドロフスキーのサイコマジック』公開を記念した「アレハンドロ・ホドロフスキー監督特集」として『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』などの上映、『愛がなんだ』『そこのみにて光輝く』などを上映する「現代日本映画選集」、「現代アメリカ映画選集」、「LGBTQ映画選集」、「ロウ・イエ監督特集」、「カンヌ国際映画祭パルムドール選集」などが組まれている。また、オープニング作品にはカトリーヌ・ドヌーヴ出演の『アンティークの祝祭』や、『衝動ー世界で唯一のダンサオーラ』、『コロンバス』、『れいわ一揆』、『クリシャ』がラインアップ。ほかにも、ポップアップスペースでは写真展「アニエスベー:写真家、アーティストとカーディガンプレッション/...des photographes...des artistes et le cardigan pression」を開催。カーディガンプレッションの誕生40周年を記念し、1986年に開催された写真展の新しいコレクションを展開。デヴィッド・リンチやオマー・ビクター・ディオプなど14か国から招待されたアーバンコンテンポラリーのアートシーンで活躍する写真家とアーティストに、ブランドのタイムレスなカーディガンと共に“carte blanche” =白紙委任状を渡し、40×60cmに統一された大きさで自由に撮り下ろされた作品からセレクトされた約30点を展示する。「アップリンク京都」は4月16日(木)オープン。「見逃した映画特集 in KYOTO」は4月17日(金)~5月28日(木)実施。(cinemacafe.net)
2020年04月01日渋谷・吉祥寺の劇場を3月28日(土)と3月29日(日)全日休館としたアップリンクでは、運営するオンラインの映画館「アップリンク・クラウド」にて、配給作品60本を購入から3か月間2,980円(税込)で観ることができる配信キャンペーンをスタートした。現在、東京都が感染者の爆発的拡大(オーバーシュート)の重大局面を迎えているという報道、小池百合子都知事の今週末の外出自粛要請を受け「アップリンク渋谷」「アップリンク吉祥寺」を3月28日(土)、29日(日)を休館。浅井隆アップリンク代表によれば、「映画館の感染リスクという問題ではなく、人々の行動、特に無症候性キャリア(サイレントキャリア)が起こす人混みでの人から人への感染を防ぎ、オーバーシュートを起こさないことに少しでも役立てばという理由から」という。そこで、外出を控える映画ファンのため、「アップリンク・クラウド」では、『わたしはロランス』などグザヴィエ・ドラン関連作品、『ホドロフスキーの DUNE』などアレハンドロ・ホドロフスキー関連作品、『ブラインド・マッサージ』などロウ・イエ監督作品、黒沢清監督『アカルイミライ』などの邦画、ドキュメンタリー『氷上の王、ジョン・カリー』など、配給作品60本が見放題となる。「外出しなくても映画は観れる!オンライン映画館でアップリンクの映画が60本見放題!」は 3月28日(土)よりスタート。価格:2,980円(税込)購入より3か月間(text:cinemacafe.net)
2020年03月27日映画界には、何十年かに一度、世界がひれ伏す俳優が現れる。ジェームズ・ディーン、オードリー・ヘプバーン、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオ…狂おしいほど美しく、ときに儚く、しかしその存在はまばゆく――。街も空も緑も、共演者さえ、スクリーンに映る全てが彼/彼女を引き立てる装置になる。今現在、その“最旬”にいるのがティモシー・シャラメだ。唯一無二の表情、演技力、オーラを持つ“奇跡”の存在フランス人の父とアメリカ人の母を持つ彼は、現在23歳(ちなみに『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートは高校の同級生)。子役として数々のCMやドラマに出演し、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(’14)で注目を浴びる。その後『マイ・ビューティフル・デイズ』(’16)などを経て、『君の名前で僕を呼んで』(’17)で大ブレイク。21歳にしてアカデミー賞主演男優賞候補入りを果たした。彫刻のように整った顔立ち、あどけなさと成熟さを併せ持つ表情、憂いを帯びた瞳、そして隠し切れないくらいに無垢で清純な色気。揺れる心情をミリ単位で体現する演技力の高さはもちろんだが、何と言ってもスクリーンの中の彼は、息づかいが聞こえるほどに「生きて」いる。奇跡という概念が擬人化したら、きっとこんな姿かたちをしているのだろう――。恥ずかしげもなくそう言い切ってしまえる逸材だ。続く『レディ・バード』(’17)で、人気を確固たるものとしたシャラメ。2019年には、日本公開作がなんと6本にも及んだ。ブレイク前夜に出演したSF『シークレット・チルドレン禁じられた力』(’15)、ドラッグ依存症の青年役に挑んだ『ビューティフル・ボーイ』(’18)、ナイーブな青年がドラッグの密売人へと脱皮を遂げる姿を熱演した『HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ』(’17)、クリスチャン・ベールと共演した西部劇『荒野の誓い』(’17)、Netflixの歴史大作『キング』(’19)、教師に恋心を抱く高校生をみずみずしく表現した『マイ・ビューティフル・デイズ』(’16)。出演順は前後しているのだが、彼の演技のクオリティが非常に安定しているため、過去の作品であっても「粗さ」や「硬さ」は感じられない。それもまた、シャラメの大きな特長といえよう。Instagramのフォロワーは450万人を突破し、世界的な知名度も急上昇中。この先の公開待機作では、さらなる躍進が決まっている。今後の出演作に要注目まずは、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督、プライベートでも仲の良いシアーシャ・ローナンと再タッグを組む『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』。名作小説「若草物語」の再映画化で、エマ・ワトソン、『ミッドサマー』(’19)のフローレンス・ピュー、ローラ・ダーン、メリル・ストリープといった実力派の女優陣と共演を果たした。本作では、四姉妹と交流する御曹司に扮している。そして『メッセージ』(’16)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が“いわくつきの大作”に取り組んだ『Dune』(原題)。アレハンドロ・ホドロフスキー、デヴィッド・リンチ、リドリー・スコットといった鬼才たちをもってしても満足な形で映像化できなかったSF長編『デューン』に、主演として挑む。『ドクター・スリープ』(’19)の怪演が記憶に新しいレベッカ・ファーガソン、ジェイソン・モモア、ゼンデイヤ、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ハビエル・バルデム、シャーロット・ランプリングが出演予定だ。さらに、『グランド・ブダペスト・ホテル』(’14)のウェス・アンダーソン監督の新作『The French Dispatch』(原題)。20世紀のフランスを舞台にした物語のようだ。本作にも、驚異的な豪華キャストが集結。レア・セドゥ、シアーシャ・ローナン、ケイト・ウィンスレット、ティルダ・スウィントン、ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー、クリストフ・ワルツ、ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、フランシス・マクドーマンド…シャラメは、彼らとどんな化学変化を起こすのだろうか。この3本だけでも十二分にすさまじいのだが、その後に『君の名前で僕を呼んで』の続編が控えている。その全てで主役、ないし重要な役どころを演じているのも驚異的だ。名だたる役者たちと渡り合う実力だけでなく、さらに上に行く「魅力」を備えているシャラメ。規格外の速度で成長を続ける彼が、この先どこまで駆け上がっていくのか、正直全く予想がつかない。ただ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(’16)や『スパイダーマン』に落選してしまうなど、これまでのキャリアは決して成功一色ではなかった。しかしだからこそ、悔しさを乗り越えたシャラメの視界は今、かつてないまでに良好だ。夢を体現する者を「スター」と呼ぶなら、彼ほどその称号がふさわしい者はいないだろう。ティモシー・シャラメの伝説は、まだ始まったばかりだ。(SYO)
2019年12月24日映画館「アップリンク京都」が2020年6月11日(木)、京都・烏丸御池の新商業施設「新風館」内にオープンする。ミニシアター「アップリンク」が京都に進出1993年に映画の配給会社としてスタートした「アップリンク」が手掛ける同館は、2005年より東京・渋谷で運営しているミニシアター「アップリンク渋谷」、2018年末に吉祥寺パルコ地下2階にオープンした「アップリンク吉祥寺」に次ぐ、3館目の映画館。世界の映画祭で話題の作品をはじめ、アート系作品、インディーズ作品など、大作からアングラ作品までを幅広く配給・上映する「アップリンク」は、多くの映画ファンに愛されるミニシアターだ。地下鉄・烏丸御池駅に直結関西初進出となる「アップリンク京都」のオープン場所は、隈研吾が建築デザインを監修する「新風館」。同施設は地下鉄・烏丸御池駅に直結し、アジア初進出となる「エースホテル京都」の出店も決まっている。その地下1階に位置する「アップリンク京都」は、レトロモダンな地下鉄の駅をイメージしたロビーと、それぞれ73席、60席、44席、38席のコンパクトな4つのスクリーンで構成。シアターの他、映像ギャラリー、壁面ギャラリー、マーケットを備えており、映画鑑賞に加えてカルチャースポットとしても楽しめる。漢方由来の「伊良コーラ」やクラフトビール、添加物の少ないソーセージを使ったホットドッグなど、こだわりのドリンク&フードにも注目だ。各スクリーンで異なる内装と、独自のサウンドシステム各スクリーンには、それぞれコンセプトの異なる内装を採用。また「アップリンク吉祥寺パルコ」でも好評を得ている、ブルーノート東京にもスピーカーを提供している「田口音響研究所」のスピーカーと、フィレンツェに本社と自社工場を置く「パワーソフト社」のパワーアンプを使った独自の音響システムを導入する。「見逃した映画特集 in KYOTO」など特集上映オープニングを記念し、「見逃した映画特集 in KYOTO」と題した100本を超える映画を一挙上映する特集や、『ホドロフスキーのサイコマジック』公開を記念した『アレハンドロ・ホドロフスキー監督特集』といった特集上映を開催。オープン後も、「現代アメリカ映画選集」や「カンヌ国際映画祭パルムドール選集」、「鳥肌立つ音響体験映画」など、ユニークな切り口からセレクトされた映画を上映していく。アニエスベーの写真展示もさらに、「アップリンク京都」のギャラリースペースと、新風館1階のポップアップスペースで連動した写真展「アニエスベー:写真家、アーティストとカーディガンプレッション」も開催される。アニエスベー(agnès b.)のアイコニックなアイテム「カーディガンプレッション」をテーマにした写真作品の展示が行われる。施設情報アップリンク京都オープン日:2020年6月11日(木)※当初2020年4月16日(木)のオープンを予定していたが、延期となった。住所:京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町 586-2 新風館 地下1階スクリーン数:4スクリーン座席数:計215席(スクリーン1 - 73席 / スクリーン2 - 60席 / スクリーン3 - 44席 / スクリーン4 - 38席)■オープニング特集上映・「見逃した映画特集 in KYOTO」 2020年6月12日(金)~9月10日(木)・『ホドロフスキーのサイコマジック』公開記念:アレハンドロ・ホドロフスキー監督特集 6月12日(金)~7月30日(木)・「アップリンク配給傑作選」6月11日(木)■オープニング作品『衝動ー世界で唯一のダンサオーラ』 (監督:エミリオ・ベルモンテ/出演:ロシオ・モリーナ) 6月11日(木)~『コロンバス』 ( 監督:コゴナダ/出演:ジョン・チョウ) 6月11日(木)~『劇場版 ごん – GON, THE LITTLE FOX –』(監督・脚本・美術・木彫・アニメート:八代健志)6月11日(木)~『栄光のマイヨジョーヌ』 (監督 :ダン・ジョーンズ、 マーカス・コブレディック 出演:エステバン・チャベス) 6月11日(木)~■写真展「アニエスベー:写真家、アーティストとカーディガンプレッション / …des photographes…des artistes et le cardigan pression」(すべて日程未定)会場:1階ポップアップスペース、地下1階「アップリンク京都」内ギャラリースペース
2019年10月26日映画配給や映画館の運営を軸とするアップリンクが、これまでに製作・配給した映画のオリジナルグッズを展開する「UPLINK Archives」をスタートさせることが分かった。「UPLINK Archives」第1弾は、画家フランシス・ベイコンの生涯を、恋人ジョージ・ダイアーとの関係を通して描くダニエル・クレイグ出演『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』(ジョン・メイブリー監督)と、ティルダ・スウィントン主演『ザ・ガーデン』(デレク・ジャーマン監督)をフィーチャーしたスペシャルアイテムを販売。なお、『ザ・ガーデン』は、セレクトブティック「Sister」とのコラボレーションアイテムとして展開する。さらに、グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『エンドレス・ポエトリー』、ルシール・アザリロヴィック監督の『エヴォリューション』をイメージしたグッズも展開する。ほかにも、パルコ地下にあるアップリンク吉祥寺限定で「UPLINK Archives」番外編も展開。『真珠のボタン』とSisterのコラボTシャツと古着を合わせて特別な1枚に仕立てたアップサイクルコレクション「Sister Remake for UPLINK吉祥寺」も販売するという。「UPLINK Archives」は8月10日(土)より、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、Sister(店舗&オンライン)にて販売開始。(cinemacafe.net)
2019年08月12日映画『宵闇真珠』が、2018年12月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国の劇場にて順次公開される。クリストファー・ドイル監督作、奇病に侵された少女と異邦人の出会いの物語香港最後の漁村である珠明村を舞台にした本作は、奇病に侵された16歳の少女が、村を訪れたある異邦人との出会いをきっかけに、世界を知っていく物語。監督を務めたのは、映画史に燦然と輝く傑作を多数撮ってきた撮影監督のクリストファー・ドイルだ。その仕事で特に有名なのは、90年代に香港映画ブームの火付け役となった名匠ウォン・カーウァイとのタッグ。独特の色彩をはじめとする唯一無二の映像美にファンの多いウォン・カーウァイ作品の中で、『恋する惑星』『花様年華』といった名作の数々の撮影を手がけている。繊細なカメラワークと色彩美が誘う郷愁夕暮れの洞穴や廃墟で神々しい輝きを見せる少女の白い肌、言葉の通じない異邦人との出会いを通して目覚める少女の自我、時が止まったような村と巨大建造物が織りなすコントラスト。ガス・ヴァン・サント、ジム・ジャームッシュ、アレハンドロ・ホドロフスキーといった数々の名監督と仕事を共にしてきたドイルが、本作でも香港最後の漁村をフォトジェニックな風景として捉え、繊細なカメラワークと色彩美で観客の郷愁を誘う。主演オダギリジョー×アンジェラ・ユン日光を浴びるとやせ細ってしまうという奇病に侵されたヒロインを演じるのは、知性と美貌を併せ持つ次世代のアジアンビューティー、アンジェラ・ユン。そして、その少女と出会う異邦人役を、ワールドワイドに活躍する日本の実力派俳優、オダギリジョーが務める。あらすじ陽に当たることのできない少女、どこからともなくやってきた異邦の男。それは、本当の居場所、本当の自分に気づかせてくれた唯一無二の出会い。香港最後の漁村、珠明村。幼少時から日光にあたるとやせ細って死んでしまう病気だと言い聞かせられ、太陽から肌を隠して生活する16歳の少女は、透き通るような白い肌の持ち主。村人たちからは「幽霊」と呼ばれ、気味悪がられている。日没後、肌を露出し、お気に入りの音楽をお気に入りの場所で楽しむことが、少女にとって唯一孤独を癒やす手段だった。ある日、どこからともなくやってきた異邦の男と出会った少女は、今まで知ることのなかった自身のルーツに触れていくことになるのだが…。作品情報映画『宵闇真珠』公開日:2018年12月15日(土)出演:オダギリジョー、アンジェラ・ユン監督:ジェニー・シュン監督&撮影:クリストファー・ドイル(『エンドレス・ポエトリー』)原題:白色女孩英題:THE WHITE GIRL
2018年10月15日『恋する惑星』など数々の名作を生んできた撮影監督、C.ドイルの新作『宵闇真珠』の日本版予告編とポスターが公開となった。主演にオダギリジョー、ヒロインにはアンジェラ・ユンを迎え、香港を舞台に撮影された。舞台は香港のはずれにある、漁村。そこで暮らすある少女は、太陽の光を浴びるとやせ細ってしまうと父親に言い聞かせられて育ち、透き通るような白い肌の持ち主だった。ある日、漁村に1人の男がやってくる。この異邦人と出会ったことで、少女の世界は広がっていく。白い肌を持つ少女役を演じるのは、アンジェラ・ユン。その東洋的な美しさで、次世代のアジア人女優としての注目が集まっている。また異邦人の男役は、オダギリジョーが演じる。どこからともなくやってきた謎の男という役柄を、独特のミステリアスな雰囲気と持ち前の演技力で演じきって見せた。幻想的なシーンの中で、少女の異邦人の出会いが描かれる。撮影監督を務めるC.ドイルは、『恋する惑星』や『花様年華』などのウォン・カーウァイ監督らとタッグを組み、90年代からの映画界を牽引してきた。最近では、アレハンドロ・ホドロフスキーとともに製作した『エンドレス・ポエトリー』が話題となった。まさにこの『宵闇真珠』は、どこか懐かしい90年代の香りが漂いつつも、新しさも感じる作品となっている。公開された予告編では、「誰もがこの物語の主人公だ。自分の存在に疑問を抱き、誰かに認められたい…そんなあなたの映画」というC.ドイルのコメントから始まる。圧倒的な映像美とともに映し出される幻想的なシーンの数々。オダギリジョー演じる異邦人が少女に「僕に似てる」と話しかける。そんな2人のやりとりを垣間見ることができる。また同時に日本版ポスターも公開された。真珠の首飾りをして横たわる少女と、舞台である香港の漁村をバックに遠くを見つめる異邦人・オダギリジョーが印象的だ。「私のお城を見つけたのは、見ず知らずの旅人だった」というコピーは、さらにこの作品のミステリアスな魅力を助長させるものとなっている。『宵闇真珠』は12月よりイメージ・フォーラムほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年10月12日2018年11月16日より全米公開される『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の続編となるシリーズ第2弾のタイトルが『Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald』(原題)に決定、邦題を『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』として2018年冬に全国公開されることになった。J.K.ローリングが生み出した『ハリー・ポッター』シリーズと同じ世界観で、魔法生物学者の魔法使いニュート・スキャマンダーを主人公にした新たな冒険の旅を描く本シリーズ。引き続き脚本はローリングが執筆、デイビッド・イェーツ監督のもと、『ハリー・ポッター』シリーズ第1作目より魔法界のホームグラウンドとなっているワーナー・ブラザースの英国リーブスデン・スタジオにて現在も撮影中。『ハリー・ポッター』のファンを大いに喜ばせる、原作・映画シリーズとの驚きのつながりも用意される予定だ。また、今回は舞台をニューヨークからロンドンの魔法界に移し、その先にはパリの魔法界も待ち受けるとか。前回のラストで逃げ出した闇に傾倒する魔法使いゲラート・グリンデルバルドを止めるために、若きダンブルドアがニュートに協力を求めることになるという。ニュート役を務めるのはもちろんエディ・レッドメイン、彼の仲間の闇祓いティナ・ゴールドスタイン役はキャサリン・ウォーターストン、その妹のクイニー役はアリソン・スドル、“人間”のジェイコブ・コワルスキー役にダン・フォグラーが引き続き登場。そして、ジョニー・デップがマグル(人間)よりも魔法使いのほうが優れているという思想を持つグリンデルバルド役を続投し、今回新たに若き日のアルバス・ダンブルドアをジュード・ロウが演じる。さらに、エズラ・ミラー演じるクリーデンス・ベアボーン、前作では写真だけだったゾーイ・クラヴィッツ演じるリタ・レストレンジも登場、主人公ニュートの兄で戦争の英雄として知られる闇祓いのテセウス・スキャマンダーをBBCドラマ「戦争と平和」などで知られるカラム・ターナーが務める。今回タイトルとともに解禁された、魔法がかかったように“動く”ビジュアルには、ニュート役のエディら登場人物が勢揃い。気になるのは、ニュート(エディ)とグリンデルバルド(ジョニー)、そしてダンブルドア(ジュード)が杖を持ち、その先には光が灯っているが、グリンデルバルドのほうから不穏な黒い煙が巻き起こり、全員が消えたかと思うと、一瞬、あの「死の秘宝」を形づくっていること。また、グリンデルバルドとダンブルドアが両端の相対する位置に立ち、ニュートの兄テセウス(カラム)と婚約者リタ(ゾーイ)の親しげな姿も。前作で未確認の結末を迎えたクリーデンス(エズラ)の隣には、魔法動物に変えてしまう“呪いの血”の運び屋マレディクタス(クラウディア・キム)がいることも気にかかる。さらに、韓国の人気俳優キム・スヒョンが魔法サーカスの若手人気スターに扮し、『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場した錬金術師ニコラス・フラメルをチリの巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーの息子ブロンティス・ホドロフスキーが演じることもアナウンスされているが…。このビジュアルと、“グリンデルバルドの罪”という原題を見るかぎり、ジョニー演じるゲラート・グリンデルバルドが物語の大きなカギを握ることになりそう。そして、ジュード演じる若きダンブルドアは、ホグワーツ魔法魔術学校で変身術の先生をしているという。『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は2018年冬、全国にて公開(2018年11月16日より全米・全英公開)。(text:cinemacafe.net)
2017年11月17日今年で第30回という節目の年を迎える「東京国際映画祭」が、10月25日(水)~11月3日(金・祝)に開催される。この度その開催に先立ち、30回記念「特別招待作品」ラインナップが発表され、本日9月16日(土)より本映画祭の予告編も劇場にて上映が開始されることが分かった。記念すべき本年のオープニング作品には、荒川弘の人気漫画を原作に、「Hey! Say! JUMP」山田涼介主演で実写映画化した『鋼の錬金術師』。山田さんが主人公・エド役を演じるほか、本田翼、ディーン・フジオカ、松雪泰子、佐藤隆太など豪華キャストが集結していることでも話題だ。さらに今年は、第30回オープニングスペシャルとして、チェン・カイコーが監督を務めた日中共同製作映画史上最大のビッグプロジェクトとして注目される『空海-KU-KAI-』の特別フッテージがオープニングセレモニーにて上映。こちらは、唐の時代、日本から遣唐使として中国へ渡った僧侶・空海が、詩人・白楽天とともに歴史を揺るがす巨大な謎に迫るというストーリー。染谷将太が空海役を演じている。そのほかには、アレハンドロ・ホドロフスキー監督作『エンドレス・ポエトリー』、流牙シリーズの集大成といっても過言ではない、栗山航ら身体能力の優れた俳優陣で贈る『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA』、シャーリーズ・セロンら豪華キャストが声をあて、日本を舞台に描くストップモーションアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』、第74回ベネチア映画祭脚本賞を受賞した究極のクライム・サスペンス・ドラマ『スリー・ビルボード・アウトサイド・エビング、ミズーリ』(原題)、同じく第74回ベネチア映画祭にて金獅子賞受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題)、全国高校写真部の日本一を決める実在の大会「写真甲子園」を映画化した『写真甲子園 0.5秒の夏』。「関ジャニ∞」丸山隆平が元泥棒役で映画単独初主演する『泥棒役者』、広瀬アリスが巫女役を務める『巫女っちゃけん。』、アジアを代表するチャン・チェンが日本のSABU監督のもと主演を務め、第67回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された『Mr Long/ミスター・ロン』、第27回山本周五郎賞・第151回直木三十五賞の候補になった伊吹有喜の同名小説を完全映画化した『ミッドナイト・バス』、ギヨーム・ルナール監督作『MUTAFUKAZ』、世界的音楽家・坂本龍一に5年間密着取材し実現したドキュメンタリー作品『Ryuichi Sakamoto: CODA』、そして『オーシャンズ11』のスティーヴン・ソダーバーグ監督の復帰作『ローガン・ラッキー』がラインナップ。またクロージング作品には、元アメリカ副大統領アル・ゴアが地球温暖化問題に警鐘を鳴らす注目のドキュメンタリー映画『不都合な真実2:放置された地球』が上映される。「第30回東京国際映画祭」は10月25日(水)~11月3日(金・祝)の期間で開催。(cinemacafe.net)■関連作品:泥棒役者 2017年11月、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開(C) 2017「泥棒役者」製作委員会
2017年09月16日10月25日~11月3日に東京・六本木ヒルズを中心に開催される第30回東京国際映画祭(TIFF)の「特別招待作品」のラインナップが16日に発表された。オープニング作品は、荒川弘氏の人気漫画をHey! Say! JUMP・山田涼介主演で実写映画化した『鋼の錬金術師』。クロージング作品は、元アメリカ副大統領アル・ゴア氏が地球温暖化問題に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画『不都合な真実 2:放置された地球』に決定した。また、今年は第30回オープニングスペシャルとして、巨匠チェン・カイコー監督作品、日中共同製作映画史上最大のビッグプロジェクトとして注目される『空海-KU-KAI-』の特別フッテージがオープニングセレモニーにて上映される。オープニング作品『鋼の錬金術師』のほか、日本からは「牙狼<GARO>」シリーズ最新作『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA』、全国高校写真部の日本一を決める実在の大会「写真甲子園」に焦点を当てた『写真甲子園 0.5秒の夏』、関ジャニ∞・丸山隆平の映画単独初主演作『泥棒役者』、広瀬アリスが巫女役で主演を務める『巫女っちゃけん。』、伊吹有喜の小説を原田泰造主演で映画化した『ミッドナイト・バス』が選出された。また、世界的音楽家・坂本龍一を追った日米合作のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』も上映される。○第30回東京国際映画祭 「特別招待作品」ラインナップ一覧オープニング作品『鋼の錬金術師』(監督:曽利文彦)クロージング作品『不都合な真実 2:放置された地球』(監督:ボニー・コーエン/ジョン・シェンク)『エンドレス・ポエトリー』(監督:アレハンドロ・ホドロフスキー)『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA』(監督:雨宮慶太)『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(監督:トラヴィス・ナイト)『スリー・ビルボード・アウトサイド・エビング、ミズーリ(原題)』(監督:マーティン・マクドナー)『シェイプ・オブ・ウォーター(原題)』(監督:ギレルモ・デル・トロ)『写真甲子園 0.5 秒の夏』(監督:菅原浩志)『泥棒役者』(監督:西田征史)『巫女っちゃけん。』(監督:グ スーヨン)『Mr Long/ミスター・ロン』(監督:SABU)『ミッドナイト・バス』(監督:竹下昌男)『MUTAFUKAZ』(監督:ギヨーム・ルナール)『Ryuichi Sakamoto: CODA』(監督:スティーブン・ノムラ・シブル)『ローガン・ラッキー』(監督:スティーヴン・ソダーバーグ)
2017年09月16日『メイズ・ランナー』『レヴェナント: 蘇えりし者』のウィル・ポールターを主演に迎える『キッズ・イン・ラブ』。ロンドンを舞台にまばゆいほどのひと夏の恋、一生に一度きりのゴールデン・タイムをスタイリッシュ映像で切り取った青春ストーリーを描く本作から、この度、ポスタービジュアルと予告編が公開された。大学入学を控えた夏休み。ジャックの予定といえば、親が勝手に決めたインターンシップがあるくらい。いつも「人生にはもっと“何か”があってもいいはず!」と口にしながらも自ら行動はせず、冴えない日々を過ごしていた。しかし、そんなある日、美しいイブリンと出会ったことで、ジャックの人生は一変して輝き出す――。自由奔放なイブリンと、ハイクラスな仲間と過ごす刺激的で充実した日々。この華やかな世界が、ずっと続くと思っていた…。本作は冴えない日々が続く夏休み、ミステリアスな美少女との出会いから始まる物語。誰しもが経験したことのある恋の甘酸っぱさや、迷いながらも未来を選んでいく青年の成長を、淡く瑞々しく描いていく。主演を務めるのは、『メイズ・ランナー』で主人公トーマスと対立するギャリ―役や、『ナルニア国物語/第3章』『なんちゃって家族』『レヴェナント: 蘇えりし者』に出演するウィル。ヒロインには、鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーの孫娘で、女優・ミュージシャン・モデルとマルチな活躍を見せるアルマ・ホドロフスキー。またスーパーモデルでありながら、『スーサイド・スクワッド』で人間と魔女の間で揺れる多重人格者の“エンチャントレス”を演じているカーラ・デルヴィーニュなど、世界をリードする若きアイコンが集結している。このほど公開された予告編では、トムとジャックが美少女イブリンに声を掛けるシーンからスタート。仲間たちと過ごす楽しそうな日々が映し出される中、予告編ラストは「僕は君の何?」というジャックの問いで終了してしまう。気になるこの続きは…?ぜひ劇場で確かめてみて。『キッズ・イン・ラブ』は7月29日(土)よりカリテ・ファンタスティック!シネマコレクションにて公開。(cinemacafe.net)
2017年07月05日アレハンドロ・ホドロフスキー監督&脚本による映画『エンドレス・ポエトリー』が、2017年11月18日(土)より順次公開される。2014年に23年ぶりの新作となる自伝的作品『リアリティのダンス』と、製作されなかった幻の超大作ホドロフスキー版『DUNE』の顛末を追ったドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』が公開、その際の来日イベントではエネルギッシュな姿を見せるなど、90歳近い高齢とは思えない活躍も記憶に新しいホドロフスキー監督。本作は、『リアリティのダンス』の続編となるもので、舞台はホドロフスキーの故郷トコピージャから首都サンティアゴへと移る。様々な悩みや葛藤を抱えた青年時代のホドロフスキーが当時チリで出会った詩人、アーティスト、パフォーマーなど、アヴァンギャルドなカルチャー・シーンの人々との交流が、虚実入り交じった“マジック・リアリズム”の手法で描かれる。前作と同じく、ホドロフスキーの長男であるブロンティス・ホドロフスキーがホドロフスキーの父親役を、また青年となったホドロフスキー役を、末の息子であるアダン・ホドロフスキーが演じる。また撮影監督には、ウォン・カーウァイ監督作『恋する惑星』など、手持ちカメラの独特の映像で知られるクリストファー・ドイルが就任。ウォン・カーウァイのほか、ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントなど様々な監督の作品に携わってきたドイルが、本作で初めてホドロフスキー監督とタッグ組んだ。2017年2月に88歳の誕生日を迎えたホドロフスキー監督は、本作について次のようにコメントを残している。「『エンドレス・ポエトリー』は、われわれを取り巻く世界に潜むマジック・リアリズムを探求します。観た人が真の自分を発見する手がかりになる、まさに“生きること”への招待ともいうべき作品です」【作品情報】『エンドレス・ポエトリー』原題:Poesía sin fin公開日:2017年11月18日(土) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー撮影:クリストファー・ドイル出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ編集:マリリン・モンシューダビング:ジャン=ポール・フリエダビング補:ベンヤミン・ビヨー録音:サンディ・ノタチアニ、グアダリュプ・カシユス音楽:アダン・ホドロフスキー衣装:パスカル・モンタンドン=ホドロフスキープロダクションデザイン:アレハンドロ・ホドロフスキー美術:パトリシオ・アギュラー、デニス・リア=ラティノフ美術補:佐々木尚(c) Pascale Montandon-Jodorowsky
2017年05月26日ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』で2011年のカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、エル・ファニングを主演に迎えた『ネオン・デーモン』でも賛否両論を巻き起こしたデンマーク出身の映画監督ニコラス・ウィンディング・レフン。このほど、そのレフン監督に、彼の妻である女優リブ・コーフィックセンが迫ったドキュメンタリー映画『マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン』の日本公開が決定した。『ドライヴ』のレフン監督と主演のライアンが再タッグを組み、第2の『ドライヴ』として周囲からの期待を集めた『オンリー・ゴット』。お披露目となった2013年のカンヌ国際映画祭では、観客の想像を遥かに越えた映像美と過激なアクション描写で、上映後は絶賛の拍手喝采と非難の嵐が会場を真っ二つに引き裂いた。本作は、そんな『オンリー・ゴッド』撮影時のレフン監督に、公私共にパートナーである女優リブ・コーフィックセンが迫ったドキュメンタリー。静と動が入り乱れるヴァイオレンス、陶酔を誘う唯一無二の色彩感覚、そして計算しつくされた圧倒的な映像美で、ここ日本でも熱狂的なファンを持つレフン監督が、『オンリー・ゴッド』の撮影場所に選んだのは、祖国から遠く離れたタイだった。前作の世界的成功と周囲の期待、慣れない異国でのトラブル続きの撮影、仕事を捨てて撮影について来た妻との諍い、そして常に賛否が分かれる自らの映画への迷い…。さまざまなプレッシャーが彼を徐々に追い詰めていく――。『プッシャー』(’96)で、24歳のときに監督デビューしたレフン監督。同作は三部作として続編が製作され、カルト的作品を誇っている。トム・ハーディ主演『ブロンソン』や同郷のマッツ・ミケルセン主演『ヴァルハラ・ライジング』で、各国のメディアから「次世代ヨーロッパにおける偉大な映像作家」と称賛を浴び、2011年、ライアン主演の『ドライヴ』で世界的に知られるようになった。『オンリー・ゴッド』での慣れない異国での撮影、家庭内のトラブル、また周囲からのプレッシャーにより苦悩するレフン監督の貴重な素顔が観られるだけでなく、主演を務めたライアンや、『オンリー・ゴッド』でオマージュを捧げたアレハンドロ・ホドロフスキーといった著名な映画人との交流も描かれる本作。妻であり、女優であるコーフィックセンがとらえた、孤高の天才監督の真実の姿に注目だ。『マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン』は7月8日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて2週間限定モーニング&レイトショーにて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月17日自らの戦場体験を描いた2008年製作の『戦場でワルツを』がアカデミー賞外国語映画賞ノミネートをはじめ、世界中で大反響を呼んだアリ・フォルマン監督。いまや注目の映画作家となった彼が、新作『コングレス未来学会議』で『惑星ソラリス』の原作者スタニスワフ・レムのSF小説の映画化に挑んだ。その他の写真まず、最初に今回レムの原作『泰平ヨンの未来会議』を手にした理由を監督はこう明かす。「レムの小説を初めて読んだのは16歳のとき。すっかりトリコになってね。映画学校に進んだとき、今回の原作を再び手にとって、こう思ったんだ。“いつか映画化したい”と」いわば念願の映画化。ただ、共産主義体制の時代を現代のハリウッドに置き換えるなど、大胆に翻案している。「原作の世界観を大切にしながら、現代に沿わないところは今に見合う形に変えることを決断した。現代を生きる人々に届けるわけだから」こうして生まれた物語は、ハリウッドで活躍する実力派女優のロビン・ライトが演じる女優のロビン・ライトが主人公。40歳を過ぎた彼女はその美貌も人気もピークを過ぎている。時を同じくして、ハリウッドは俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを自由に使い映画を作るシステムとビジネスを発明。女優生命と引き換えに巨額の金を手にした彼女の行く末が見つめられる。そこからはデジタル化の脅威、利益を追求する企業の暴走、バーチャルと現実の境界線など、といったさまざまな現代の問題が不思議と浮き彫りに。さらに現在の巨大スタジオが牛耳る映画産業にも大きな問いを投げかける。「今の社会、そして映画界について一石投じたかったのは確か。また、このままいくと今回の映画のように生身の俳優は必要なくなるかもしれないし、監督の存在だって危うい。僕自身はそうなるとは思っていないけどね。そのことを含めクリエイティヴの持つ力についても改めて考えたかった」主演のロビン・ライトについてはこう語る。「彼女は早い段階からこの作品に関わることを決意してくれた。脚本にあれこれと口を挟むこともなくてね。むしろ私がびっくりしたよ(笑)。ロビン・ライトという役を表現者として体現してくれた。すばらしい俳優だよ」本作でも世界的評価を受けたフォルマン監督。今後の動向が気になるが、先日、アレハンドロ・ホドロフスキー監督と会ったことが報じられた。「パリで会ったんだけど、すばらしい時間だった。未完の大作『DUNE』について話して、彼は最後にこんなことを言ったんだ。『この企画を実現に導くのは、どこからか現れるクレイジーなアニメーターだ』と。その人物が私だったらこれほど光栄なことはないよ(笑)」『コングレス未来学会議』6月20日より新宿シネマカリテほか全国公開(C)2013 Bridgit Folman Film Gang. Pandora Film, Entre Chien et Loup. Paul Thiltges Distributions. Opus Film. ARP
2015年06月19日俳優の斎藤工が忍者アクション『虎影』で主演を務め、持ち前の身体能力を活かした華麗なアクションに挑んだ。メガホンをとるのは、世界的に注目を浴び、実写版『進撃の巨人』で特殊造型プロデューサーも務める“異才”西村喜廣監督。昨年放送されたドラマをきっかけに、俳優としてブレイク中の斎藤にとっては、「オファーを断る理由がない。世間のイメージに反した僕の“本質”を見出してくれる」と全幅の信頼を寄せる存在だ。その他の画像数年前から親交があり、西村監督が手がけたゾンビアクション『ヘルドライバー』に武装警察の隊員役で出演したこともある。そんな両者の再タッグが実現した『虎影』は、斎藤演じる元最強の忍者・虎影が、愛する家族を人質にされ、やむなく命がけの財宝争奪戦に身を投じるというエンターテインメント作。「西村監督が持ち前の好奇心とクリエイティビティを駆使して忍者アクションを作る。それだけで、一映画ファンとしてワクワクする」(斎藤)。斎藤は華麗なアクションに加えて、“父親”として家族を守ろうとする姿を真摯に、ときにコミカルに演じており「虎影の実直さは、滑稽に見えるかもしれない。でも、どこか土の匂いがする男で、西村監督も僕のなかにある“土っぽさ”を捉えてくれた」と役柄に親近感を抱いている。さらに作品に対しても、「自分にとって『虎影』は名刺代わりであり、主演兼“宣伝マン”として、ずっと付き合い続けたいです」と熱き思いと強い覚悟を示した。もちろん、西村監督への信頼はさらに深まった。「今の映画業界から見れば、ジャンルムービー扱いされがちな作風ですが、根底には『誰もが楽しめる娯楽を目指す』という思いがあるし、家族の絆がテーマになっている。西村さんの作品や世界観は、例えば、アレハンドロ・ホドロフスキー監督がそうであるように、100年後でも残るもの。将来、ボックスセットが発売されたり、アートとして世界的な評価を獲得したりするのではないしょうか」(斎藤)。『虎影』6月20日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開取材・文・写真:内田 涼
2015年06月18日実話を基に家族の愛を知らずにいた女性と、まもなく命が尽きようとしている母親を取り巻く一家との出会いと別れを描いたメキシコ映画『マルタのことづけ』が、10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開となる。メキシコといえば、昨今、国境を越えて活躍するメキシコ出身の監督は数多い。『アモーレス・ペロス』でカンヌ国際映画祭・批評家週間部門「グランプリ」を受賞し衝撃の長編デビューを果たした、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、ブラッド・ピットや役所広司、菊地凛子などの日本人俳優も出演した『バベル』、ハビエル・バルデムが第63回カンヌ国際映画祭「主演男優賞」を受賞した『BIUTIFULビューティフル』でも知られている。また、『パシフィック・リム』で世界的に活躍する、日本のマンガ・アニメ・特撮が大好きなギレルモ・デル・トロ。さらに、メキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた『天国の口、終りの楽園。』や、ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品であった『ゼロ・グラビティ』で、第86回アカデミー賞最多7部門を受賞したアルフォンソ・キュアロンなど、いまやワールドワイドに活躍する名監督ばかり。そして、メキシコの新星女性監督クラウディア・サント=リュスが手がけた本作『マルタのことづけ』もまた、『髪結いの亭主』や『ぼくの大切なともだち』で知られるパトリス・ルコントが審査員長をつとめたヒホン国際映画祭で「審査員特別賞」を受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を受け、注目を集めている。ひとり暮らしで友だちも彼氏もいないクラウディアは、ある日、虫垂炎で緊急入院。偶然、隣同士のベッドになったことから知り合った、4人の子どもを持つシングルマザーのマルタから、退院後、自宅に招かれる。しっかり者の長女・アレハンドラ、フリーターの二女・ウェンディ、思春期真っ直中の三女・マリアナ、末っ子の男の子・アルマンド、それぞれが強烈な個性を持つ子どもたちと、自分を娘のように扱うマルタに戸惑いながらも、クラウディアは初めて家族の温もりと母の愛を知る。一方、死期の迫るマルタは、日々を生きることに全力を注いでいた…。本作は、メキシコ第2の都市・グアダナハラを舞台に、クラウディア監督が自らの実体験をもとに、“遺していく母”と“遺される子どもたち”を描いた感動作。「メキシコ映画あまり観たことない…」という人も多いかもしれないが、実はメキシコ映画の歴史はとても深く、20世紀初頭から今日まで、映画界をけん引してきた監督や俳優を多く輩出。日本でも、メキシコなどラテンアメリカの映画をいち早く紹介してきた「ラテンビート映画祭」は今年で開催11年目を迎え、年々盛況となっている。■映画界に大きな影響を与えたメキシコが育んだ巨匠たち先に挙げた監督たち以外にも、メキシコには世界の映画界に影響を与えた巨匠が多く存在する。特に、サルバドール・ダリとの共同監督作『アンダルシアの犬』(’28)や、第28回ヴェネツィア国際映画祭「金獅子賞」受賞し、あの人気ドラマの基にもなった『昼顔』(’67)のルイス・ブニュエル監督は、スペイン出身でありながらメキシコに帰化し、世界各国をまたにかけて映画を撮り続けた。また、ケティ・フラドは、メキシコ出身の女優として、メキシコやハリウッドで活躍。『真昼の決闘』(’52)でゴールデングローブ賞「助演女優賞」受賞。そして『折れた槍』(’54)でメキシコ人俳優として初めてアカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされ、晩年まで両国の作品に意欲的に出演していたことでも知られている。『エル・トポ』(’69)、『ホーリーマウンテン』(’73)などの代表作で知られるカルト映画の鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督は、チリ出身だが20年以上、メキシコシティに在住。最新作『リアリティのダンス』(’13)は日本でも公開され、さらに、志半ばで企画が頓挫したSF大河小説「デューン」の映画化の裏側を、ホドロフスキー本人を始めとする関係者の証言と貴重な資料で描いたドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』(’13)も各界から大絶賛を受けている。本作で長編デビューを飾ったクラウディア監督も、メキシコで映画を学んできたひとり。デビュー作にして、ルコント監督にも太鼓判を押され、トロント国際映画祭など数々の映画祭で受賞を重ねているのも、メキシコ映画界の歴史ある土台が影響しているといえるだろう。隠れた“映画大国”メキシコが育んだ新しい才能による本作を、ぜひあなたもその目で確かめてみて。『マルタのことづけ』は10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マルタのことづけ 2014年10月、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開
2014年10月01日恋愛でも人間関係でも、「本当はこうしたほうがいいんだろうな」と思っているのに、行動には移せないということ、誰にでもあるんじゃないでしょうか。「自分から素直に謝れば、相手も折れるはず」とか「こんな男には早く別れを告げたほうがいい」とか。理屈ではわかっていながら、なぜか体が動かない。それは頭で理解したつもりになっているだけで、心の深い部分では、このままでもいいんじゃないか…と思い込んでいるから、なのだそうです。かつて、ジョン・レノンやアンディ・ウォーホルをはじめ、世界中のアーティストを熱狂させた偉大な映画監督アレクサンドロ・ホドロフスキー。85歳の巨匠が、23年ぶりに発表した映画『リアリティのダンス』(7月12日公開)には、そんな私たちの心のスイッチを切り替えるヒントがたくさん隠されています。世界的に有名なタロット研究家でもあるホドロフスキー監督は、禅や瞑想、サイコセラピーなどの心理療法でも多くのファンを持つ人物。タロットカードの種類の一つ「マルセイユ版」を復刻したことでも知られています。日常的に人の悩みや問題を解決し、立ち直らせるために尽力している彼のスタンスは、映画制作にも最大限に活かされているそうです。7月13日(日)、そんな彼の最新作について、マルセイユ版タロットを扱うタロットリーダーの小川トモコさんが解説するトークイベントが開催されました。【小川トモコさんが語るホドロフスキー流タロットとサイコマジック】・大事なのは、常に“今”「『リアリティのダンス』は、いわば、タロットの過去カードの問題点を解決する映画」そう語る小川さんいわく、マルセイユタロットのリーディングにおいて、“過去・現在・未来”の3枚のカードを引いた際、“過去”や“未来”の問題は、本人の“今”の心にある問題点なのだそう。例えば、“過去”のカードが良くない状況を表しているとしたら、それは以前の苦しみから抜け出せていない証拠。過去のしがらみやこだわりが作用して、今の自分を悪い状況に追い込んでいるということになります。一方、“未来”のカードが悪い場合は、様々な不安や期待、思い込みなどが今の自分に作用して、思い通りに進もうとするのを阻害している、といったことを表します。「タロットリーディングとはカードを読み、相談者の過去のしがらみを変換させたり、未来に対する思い込みを解決することで、“今”を輝かせるためのサポートをすること。常に、一番大事なのは“今”です。輝く今を積み重ねることで、人生全体が輝くんです!」その瞬間・瞬間を全て納得して生きるのはとても難しいことですが、「輝く今を積み重ねていけば、人生が輝く」というのは確かにそうだろうな、とイメージできますよね。小川さんによると、“ホドロフスキー流タロット”や、彼オリジナルの心理療法“サイコマジック”は、その実現を目的とするものなのだそうです。・サイコマジックとは?「ホドロフスキー監督はタロットリーディングをする際、カードの象徴が相手の無意識に働きかけることで、事態が好転するよう導いています。ですが、悩みの根が深く、なかなか解決できない場合はサイコマジックを用いています」サイコマジックとは、相談者の話をよく聞き、相手の無意識と監督の無意識をコネクトし、監督の心に浮かんだことを実践してもらうこと。方法は人それぞれなのですが、例えば「綱渡りを習う」「牛の血を全身に浴び、そのまま出かける」など、実現の難しいことばかり。しかし、忠実にそれにトライすることで、“リアリティのダンス”(偶然の助け)が起き、実現したとき、問題も同時に解決に向かうという手法です。映画『リアリティのダンス』は、少年時代、威圧的な父親に苦しめられたというホドロフスキー監督が、原点に立ち返り、自分自身の過去を転換させるための作品。そこには、数多くのサイコマジックの実例が登場します。例えば、暗闇を恐れ、夜中に泣き出したホドロフスキー少年の全身に、母親が靴墨を塗って真っ黒に染めるシーン。闇に同化することで恐怖心を取り払うというのは、監督流の心理療法だと言います。その他にも、父親が病気になったときに母親がある方法で癒すシーンや、自らの中の“高圧的な父の象徴”を壊すことで問題を解決するシーンなど、いくつものサイコマジックが描かれていました。どれも印象的でショッキングな場面ではあるのですが、小川さんの「私たちは、彼の作った映画を観ることによって、そのサイコマジックを擬似的に体験することができるんです」という言葉を聞き、なるほどと納得させられました。・タロットカードの象徴も作品には、監督がフィリップ・カモワン氏と共に復元したマルセイユ版タロット「ホドロフスキー・カモワン・タロット」の象徴もたびたび登場します。“星の女神”や“皇帝”、“盃の女王”、そして“骸骨”などが現れるので、タロットの知識がある方は、見つけるだけでもワクワクするかもしれません。また、西洋魔術に影響を与えていると言われるユダヤの神秘思想「カバラ」の象徴が出てくる場面も。一度観た後、あのシーンには本当はどんな意味があったのか?と調べたり、詳しい人に話を聞いてみたりしたら、それも面白いんじゃないかと思います。もちろん、タロットやカバラのことがわからなくても十分に楽しめる作品なのでご安心を!何かしら決別したい過去を持っている人なら、誰でも無意識のうちでホドロフスキー少年に共感したり、その苦しみを自分のものとして捉え、彼と一緒に前進したい、過去のしがらみから抜け出したい、と思えるようになるんじゃないかなと。過去の苦しかった自分を癒し、そこから来る悩みを解決したい!と思うみなさん、ぜひこの映画を観て、“今”を輝かせるためのパワーを受け取ってくださいね!(文=編集J)◆小川トモコ京都のカフェオパール()店主/ホドロフスキーが復刻したマルセイユタロットを扱うタロットリーダー【『リアリティのダンス』公開記念イベント】◆元天井桟敷劇団員3人が語る寺山修司とホドロフスキー2014年7月20日(日)19:00上映スタート / 21:20トークスタートゲスト:安藤紘平、森崎偏陸、浅井隆(UPLINK社長)詳細・予約◆ホドロフスキー来日“撮って出し”インタビュー映像大公開!!2014年7月21日(月)19:00上映スタート /21:10“撮って出し”映像上映スタート詳細・予約◆タロットリーダーとしてのホドロフスキー、そしてカモワン・タロットの世界について2014年7月22日(火)19:00上映スタート / 21:10トークスタートゲスト:スキップ・スワンソン(カモワン・タロット認定講師)詳細・予約◆「アレ★アレ★シネマトーク」番外編!ホドロフスキーにまつわるアレ!2014年7月24日(木)19:00上映スタート / 21:20トークスタートゲスト:ロバート・ハリス(DJ・作家)、中島朋人(俳優・鉄割アルバトロスケット)、高橋キンタロー(イラストレイター)、佐々木誠(映像ディレクター/映画監督)詳細・予約『リアリティのダンス』■監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー■出演:ブロンティス・ホドロフスキー(『エル・トポ』)、パメラ・フローレス、クリストバル・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキー■音楽:アダン・ホドロフスキー■原作:アレハンドロ・ホドロフスキー『リアリティのダンス』(文遊社)■配給:アップリンク/パルコ(2013 年/チリ・フランス/130 分/スペイン語/カラー/1:1.85/DCP)(c) “LE SOLEIL FILMS" CHILE・“CAMERA ONE" FRANCE 20132014年7月12日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンク、キネカ大森ほか、全国順次公開
2014年07月19日