くらし情報『「赦し」の尊さを考えさせるオペラ』

2016年10月12日 17:00

「赦し」の尊さを考えさせるオペラ

物語の神髄を伝えるために重要な役として浮上してきたのが、黙役であるトルコ太守セリムだという。俳優の宍戸開さんが演じる。

「オペラの序曲で、セリムが南アフリカ時代にどういう目にあい、どういう人間関係を経験して今に至るかを、パントマイムや合唱の方の芝居で表現する予定です。モーツァルトのオペラで、これほど黙役が大きい意味をもつものは存在しないんですよ。歌わない役の「赦し」がこのオペラの大きなテーマになっている…だからこそ婚約者への貞節を誓うコンスタンツェの信念の強さが意味をもつんです。セリムが許すことで、心の中で犠牲にしなければならなかったもの…たとえば復讐心といったものを表していかなければと思います。「赦す」って、生ぬるいことではないんですよ」

指揮者の川瀬賢太郎さんは、長い間年上の指揮者としか仕事をしてこなかった田尾下さんにとって、一回りも年下世代のマエストロ。川瀬さんからの質問には、こんな答えが。

「どこで演出のアイデアを考えるか? というと、場所は関係なく楽譜を見ているときに色々思いつきます。特にオーケストラのフルスコアを見ていると色々なイメージが湧くんですよ。モーツァルトで一番好きなオペラは、『フィガロの結婚』で、次に川瀬さんとやりたいのも『フィガロ』がいいですね。

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