2016年12月27日 03:22
読めば必ず行きたくなる!現代の美的感覚を生んだ系譜をたどる、箱根・ポーラ美術館「Modern Beauty展」
同時期に三菱一号館美術館にて開催中の「Paris オートクチュール 世界に一つだけの服」も然り、実際に自分の目で見るということと、紙面や画面など “資料” の中で見ることは、雲泥の差。作者の思いや当時の社会情勢(作品を作る上で影響された物事)を鑑みた上で作品を鑑賞することで、より気になっていたものが好きになり、好きだったものをより深く理解するきっかけになりますよね。
わたしが展示でいちばん印象的だったものは、20世紀初頭のフランスにて使われていたという洗面セット。上下水道の発達していなかった時代に水を溜めて身体を洗っていたらしいのですが、その謂わば風呂桶とも言おうものが白磁に花の絵、一目見たら巨大なNoritakeと見まごう繊細さ。不便こそのものを大切にする生活の知恵を垣間見た気がしました。
"どんぐり型” のような形態をしている建物自体も楽しめるポーラ美術館。少しずつ初夏へと向かい森に光が満ちる今の時期、ポーラ美術館で文化的デートなんてプランもたまには新鮮ですね!
ポーラ美術館2002年に神奈川県箱根町に開館。ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年間にわたり収集した、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、化粧道具など約1万点を収蔵。