泰緬鉄道に使用されたSL、C56型は、列車の運行には使用されないが、毎年11月末に開催されるカンチャナブリでの「クウェー川鉄橋週間」のイベントには、煙を出して登場する。
著者撮影 アユタヤ駅ではSLをじっくり見ることができる。
さて、「鉄分補給」活動のSL撮影であるが、日本での撮影とは異なる難しさもある。特に難しいのが、バンコクとアユタヤの間は、複線にさらに単線が追加された3線区間となっていて、列車がどの線路を走って来るか予想できないことである。タイ国鉄は日本の鉄道と同じように通常は左側通行であるが、この区間ではどの線路を走行するか決まっていない。SLの「のろし」(煙突の煙)の場所を見て、素早く撮影する角度を決めなくてはならない。
著者撮影 バンコク、アユタヤ間では右側通行で運行されることもある。
切符が確保しにくいSL列車は、日本からバンコクを訪れる観光客には、なかなか縁が遠い存在かもしれない。でも、もしバンコク滞在日がSLの運転日に重なっていたら、朝少し早起きをして、ファランポーン駅に日本製SLの雄姿をぜひ見に行って欲しい。客車9両を連結したSL列車は日本でも運行されていない。