滋賀県立陶芸の森陶芸館にて3月5日(土)~6月9日(木)「ジャパン・スタイルー信楽・クラフトデザインのあゆみ」展を開催
方向性の違いにより同会は僅か数年で解散するが、ここでの日根野作三や柳宗理らの量産品の品質向上に向けた活動は、後に展開してゆくクラフトデザイン運動の先駆けとなる。
日本陶磁振興会(デザイン・描画=日根野作三)「色絵皿」
◆Section2 陶磁デザイナー・日根野作三との出会い
1958年に信楽窯業試験場長に就任した平野敏三は、手工芸品の海外進出を目指した日本手工芸品対米輸出推進計画(略称=マル手)を見据え、産地の伝統を活かしたデザイン開発に着手する。商工省陶磁器試験所出身の日根野作三と気鋭の作家として頭角を現していた熊倉順吉を嘱託に招聘。日根野は熊倉とともに、手仕事ならではのデザインが人間味豊かな暮らしに必要であることを説き、産地の特性を活かした指導で新局面を切り拓いてゆく。
滋賀県立信楽窯業試験場(デザイン=日根野作三)「灯籠」
◆Section3 産地の挑戦-試験場とクラフトデザイン運動
グッドデザイン商品選定の開始を契機に、デザインは最新の動向として産地に受容されてゆく。北欧デザインに精通した藤森健次をはじめ、評論家やバイヤーまた料理研究家など多彩な人々が信楽に集い、幅広い交流のなかでクラフトデザインが探求された。