滋賀県立陶芸の森陶芸館にて3月5日(土)~6月9日(木)「ジャパン・スタイルー信楽・クラフトデザインのあゆみ」展を開催
産地では、新しい生活様式に対応すべく、火鉢に代わる大物製品の開発に注力している。熊倉が取り組み、東京(丸善)で発表されたガーデン・ファニチャーはその集大成といえよう。
滋賀県立信楽窯業試験場(デザイン=熊倉順吉)「ガーデン・オブジェ」
◆Section4 出会いと交流のなかで-育まれた新たな息吹
日根野と出会い彼のデザイン論に触発され、信楽では若い作家を中心に、輸出陶磁器デザインコンクールなど対外的な活動が活発化、産地に新たな息吹が育まれてゆく。彼らは〈青陶会〉や〈七陶会〉を結成、展覧会や講評会を開き、行政の支援で市場調査にも取り組むなど、実践的な活動を通して、産地のデザインの在り方を模索しはじめる。彼らは後に伝統工芸や美術工芸、クラフトそして陶の造形など、それぞれの道を歩みはじめてゆく。
鈴木茂至「一輪生」
◆Section5 ニューノーマル時代の〈やきもの〉と暮らし
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの社会は大きく変わりつつある。家庭での時間をいかに豊かに過ごしてゆくのか。それは生活文化の根幹を担うクラフトデザインの課題ともいえよう。世界中の人々がかつてない生活を強いられているいま、いかに信楽の若いクラフト作家は現代の〈ジャパン・スタイル〉を表現しているのか。