愛あるセレクトをしたいママのみかた

筋肉バカと既読無視【彼氏の顔が覚えられません 第19話】

ウーマンエキサイト
3月もようやく半ばを過ぎた。「イズミちゃん、もう食べないのかい?」夕飯を半分残して箸を置くと、叔父さんがそう聞いてきた。

筋肉バカと既読無視【彼氏の顔が覚えられません 第19話】

画像:(c)cristovao31 - Fotolia.com



「うん。もうお腹いっぱい」


「ダメだよちゃんと食べなきゃ。大きくなれないぞ!」


「叔父さん、私もう大学生。大きくなる必要なんて」


「…いや、その、背じゃなくて、ね」


と、私の胸に視線がいく。それに気づいて、箸を振り上げる。


「バカ、スケベ、ヘンタイ」


「わぁ、冗談だって! そんなに怒んなくても…」


「怒るよ。
ちょっと、母さんも何とか言ってやってよ。この筋肉バカのオッサンに」


「イズミ、叔父さんに向かってそんな暴言吐いちゃだめでしょ。それに、箸を武器みたいにして持つなんてお行儀が悪いわ。そんな風に野蛮なコに育てた覚えはありません」


「ちょ、なにそれ、母さん。叔父さんのセクハラ発言は許していいの?」と、母は首を横に振る。


  • 1
  • 2

この記事のキーワード