9月17日(土)より汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「モードとインテリアの20世紀展」。パナソニック社の社業に親和性のあるとされる「建築・住まい」「工芸・デザイン」の切り口でこれまで企画展をしてきたこの美術館にとって「ファッション」を取り扱うことは初めてのことだそう。ファッションデザイナー、森英恵の故郷・島根県立石見美術館所蔵の貴重なファッションを多数取り揃えた展覧会は小規模ながら非常に見応え十分です。特に今回は2つの点に注目して展覧会を見ていきましょう!時代毎に特徴のあるインテリアとファッションの変遷19世紀の「ベルエポック」の名残から戦後の「ミッドセンチュリー」と言われる1900年代〜1960年代のハイファッションとインテリアがまとめられている本展。章立ては年代毎に分かれており、それぞれの象徴的なインテリアとともに当時を彩った実物のハイファッションを鑑賞することができます。ポイントは写真を見てお分かりの通り、各年代のドレスたちの後ろの巨大パネル。激動の時代とされる20世紀において、ファッションの大きなキーワードとされているのが「簡素化」という言葉です。19世紀までコルセットできつく締め上げていた身体を解放し、華美な装飾が洗練されていったという傾向が今日に至ります。映画『タイタニック』のヒロイン、ローズを想像してもらうとイメージしやすいでしょうか。なかでも、1960年代の章で飾られていた下の写真は、かつて日比谷にあったエール・フランス航空の東京営業所のイラスト画。シャルロット・ペリアンというフランス人建築家による内装デザインです。この絵で描かれているイームズチェアは美術館内にもあるので、鑑賞中の一休みに座っていただけます。ぜひ探してみてくださいね。島根県立石見美術館所蔵の100点を超える貴重なファッションコレクションの数々森鴎外ゆかりの作品を重点的に所蔵している島根県立石見美術館ですが、森英恵氏の故郷ということもあり、ドレスなどの服飾資料をはじめファッション雑誌やファッション写真など所蔵品のバラエティは多岐に渡ります。それらが東京に来ているのは非常に貴重な機会!年代物のドレスの裾や襟ぐりなどのディテール、360度見れるからこそ実際にその細やかさを間近で見ることができます。百聞は一見に如かずと書くことが執筆者にとって怠慢だとしても、これらファッションの数々は実際に目にしていただくことには始まりません。せめてお写真だけでもお伝えせんとこちらに掲載していきたいと思います。下の写真は、戦後の1940年代後半〜1950年代に発表されたクリスチャン・ディオールやバレンシアガのオートクチュール。裾や襟ぐりの繊細さはもちろん、布を贅沢に使ったデザインはまるで戦後の開放感を表現しているようにも感じられ、ため息ものです。創刊まもない雑誌『ヴォーグ』も、クリスチャン・ディオールが1947年春夏コレクションにて発表した「ニュー・ルック」の特徴を色濃く反映しています。もちろん本展覧会のラストの部屋には森英恵氏の名を世界に轟かせた有名なドレスも展示されています。戦後、敗戦国であるが故に日本商品が米国デパートなどで蔑まれているという惨状を知った彼女らしい、ジャポニズム溢れる鮮やかな色彩には目を奪われてしまいます。今回、第2章の20-30年代の部屋のみ、特別に撮影可能となっています。1920年代といえば『華麗なるギャッツビー』の時代。アールデコに代表されるように豪華絢爛な時代、女性の内面美を表現したシャネルや、老舗メゾンのランバンなど、当時の衣装が贅沢に展示されている部屋となっていますので、ぜひ写真に収めてみてはいかがでしょう。今やすっかり「ライフスタイル」の言葉が浸透し、”着ること” を生活とリンクさせることが当たり前になりましたが、こうして100年に渡る変遷を辿るといつの時代も社会情勢にトレンドは大きく影響を受けてきたという一貫性が見えてくるかもしれません。だからこそ、ファッションの変遷を見つめること、そして現代における「何」がトレンドに影響しているのか?とアンテナを張り続けることが、今後のファッションの在り方を見据える手がかりになるかもしれません。「モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」会 期 : 2016年9月17日(土)~11月23日(水・祝)休館日 : 毎週水曜日 ※ただし11月23日は開館主 催 : パナソニック 汐留ミュージアム、毎日新聞社特別協力 : 島根県立石見美術館後 援 : フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会協力 : TOKYO MXHP Text. Midori Tokioka
2016年11月13日先日、記者会見の模様(「記者会見には蒼井優さんも登壇。今年の東京国際映画祭は10月25日から始まります!」)もお伝えした東京国際映画祭が開催間近となりました。チケット発売はいよいよ今週末の15日正午から!そこで、上映200作品を超える映画祭期間中に、ROBE読者の皆さんに観ていただきたい注目映画を5作品をご紹介します。また、先日日本外国特派員協会(FCCJ)にて行われた岩井俊二監督の記者会見の様子もお届け。この映画祭での上映を逃したら日本での鑑賞はできないかもしれない作品もあるので、ぜひお見逃しなく!1.『ダイ・ビューティフル』ジュン・ロブレス・ラナ監督 / コンペティション 部門 / ヒューマンドラマ、コメディ(以下、監督名 / 東京国際映画祭出展部門 / ジャンル を記載)ビューティ・コンテスト出場を生業とするトランスジェンダーのトリシャが亡くなる。死後も美しくありたいという彼女の願いを、友人たちは叶えようとする…。笑いとポジティブな姿勢に貫かれた、驚愕の感動作。TIFFで女優賞に輝いた『ある理髪師の物語』(’13)の監督最新作。 LGBTをはじめとしてジェンダーへの考え方も大きく変わってきた今においてとてもタイムリーな映画じゃないかなと思います。「女性性」や「美」というワードは、これまで以上にその定義に広がりを見せはじめています。過去作『ある理髪師の物語』も根柢にはアイデンティティーや自由、セクシュアリティーといった要素があったとのことで、今回はよりそういった要素が強そうな作品です。 2.『太陽を掴め』中村祐太郎監督 / 日本映画スプラッシュ 部門 / ラブストーリー、青春、ミュージック吉村界人×浅香航大×岸井ゆきの、新鋭・中村祐太郎監督が描く、89分間の“真っ赤な青春群像劇”。 心揺さぶる激唱で伝える、ヒリつくように純真な「青春×音楽」映画が誕生! #吉村界人#太陽を掴め 続きはサイトで 吉村界人さん(@kaito_.yoshimura)が投稿した動画 - 2016 8月 6 6:36午前 PDT先日の記者会見に登壇された松居大悟監督が3年前にエントリーしていたということからもお分かりの通り、青田買い必至の部門=「日本映画スプラッシュ 部門」。特に注目したいのがこの『太陽を掴め』です。演者・制作ともにフレッシュな才能溢れる今作ですが、俳優(アーティストといったほうが適切)の吉村界人氏から日本の演劇界はしばらく目が離せないのでは?ぼくのりりっくのぼうよみのMV出演も記憶に新しいところですね。office-saku所属というのも納得の、まるで松田優作と尾崎豊を彷彿とさせる強烈な個性を放っています。荒削りという言葉がいま最も似合う圧倒的な彼の世界観は、Instagram(@kaito_.yoshimura)でチェックしておきましょう。3.『ザ・ネオン・デーモン(原題)』ニコラス・ウィンディング・レフン監督 / 特別招待作品 / サスペンスロスに出てきたばかりの若いモデル、ジェシーは一見素朴だが、誰もがその存在に目を奪われる特別な魅力をもった女の子。エージェントの目にも留まり、トップデザイナーのショーにも出るなど順調な道を歩みだすジェシー。しかし、仲良くなったヘアメイクのルビーと彼女の友達は、ジェシーに対して嫉妬を募らせていき、やがてジェシー自身もトップを目指すうち、全てを見失っていく…。『ドライヴ』で世界中を魅了したニコラス・W・レフン監督が、究極のヒロイン、エル・ファニングを迎え、悪夢のようなモデル業界を艶やかに描いた、カンヌでも話題騒然となった待望の最新作。ファッション文脈でROBE読者としては外せない作品。すでに2017年1月の日本公開が決定している本作ですが、一足先にこのTIFFで鑑賞してしまいましょう!エル・ファニングの圧倒的魅力がファッションモデル界の残酷さを美しく描き切ってくれている模様です。「僕は美しく生まれたわけではないから、"美しい" ということはファンタジーなんだ」と語るレフン監督とエルの対談を収めたi-D Meets: Elle Fanning x Nicolas Winding Refnのショートムービは必見です。 4.『ミスター・ノー・プロブレム』ヒューマンドラマ / メイ・フォン監督 / コンペティティション大戦中の重慶で戦争と無縁の生活を送る富裕層、農場を任される番頭、そこに闖入する青年らを中心に、3幕の寓話がスタイリッシュなモノクロ画面で味わい深く描かれる。ロウ・イエ監督作の脚本家として著名なメイ・フォンが、長編第1作として1943年の短編小説を監督。アジア映画の特徴の一つとして、プログラミング・ディレクターも語っていたのが、「モノクロ映画」。映像のデジタル技術の発展に逆行するかのように昨今広がりを見せているそうです(かといってモノクロフィルムで撮影しているとは限らないところが "今" である証拠)。 5.『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』岩井俊二監督 / Japan Now 部門 / 青春小学生の典道(山崎裕太)、祐介(反田孝幸)、純一(小橋賢児)らは、花火を横から見ると丸いのか、平べったいのかという素朴な疑問を持ち、花火大会の夜その答えを見つけに近くの灯台に行くことを計画する。一方、なずな(奥菜 恵)はその日、典道か祐介のどちらかプールでの勝者とカ・ケ・オ・チすることを企てた…。本映画祭にて単独特集が組まれている岩井監督の名を世間に轟かせることとなった作品。ロケ地の千葉県海上郡飯岡町(現在の旭市)は、ドラマ『モテキ』で満島ひかり演じる中柴いつかも巡ってましたね。この作品は1993年当時テレビドラマの一編として放映され、1995年に再編・映画館上映された変わり種。物語の前後半でパラレルワールドがたどるストーリー展開は45分とは思えぬ奥深い展開です。極め付けは、ファミコン、スラダン、セーラームーンといった90年代初頭のトレンドワードが随所にちりばめられた台詞の数々。当時から確立されていたいたかのような岩井美学の詰まった映像もあいまって、思わず「あの頃の自分」と重ね合わせてしまうはず。四半世紀近い時間がもたらすノスタルジーに、大人は誰もが胸が苦しくなることでしょう。 FCCJにて行われた岩井俊二監督の記者会見の様子東京国際映画祭に先駆け都内のFCCJにて、岩井俊二監督の記者会見が行われました。「正解の定義は難しいと思いながら作っている」「映画市場が活性化することで、アート映画が作りやすくなる」「アニメもすごくつくりたいんですよ」など言葉の節々に深い想いを込めながら回答される岩井監督に、海外プレスも熱い視線を向けていました。当日プレス向けに上映された『リップヴァンウィンクルの花嫁』でも、初見のプレスが多いなか、鑑賞中声を出して笑っている場面が数多く見受けられました。今後はよりアジアでの作品作りも積極的に行っていくとのことで、すでに中国市場を見据えた作品作りが進行中とのことです。岩井監督は、先月韓国での『リップヴァンウィンクルの花嫁』公開に合わせたプロモーションにて、日本人として初めて韓国キー局のニュース番組(NHKのニュースウォッチ9のような放送番組だそう)にゲストで招待されています。すでに中韓を中心にアジアではカルト的人気を誇る岩井作品。しかしながら『Love Letter』が公開された1995年当時、政治的理由により韓国の放送電波に日本語を流せず予告編が放映できなかったそうです。その出来事を踏まえ、「韓国でニュース番組に招待いただいたように、日本と他国とを繋ぐ "きっかけ" になることが使命だとしたら、映画を作り続けることでそれを務めていきたい」と述べられていました。長い時間をかけ作品で国と国が分かり合えることこそ、 "アート" が持つ最大の魅力ですね。東京国際映画祭期間中は、各作品に監督自ら登壇されることが予定されています。「劇場公開当時はいつも胃が痛いが、映画祭での上映は自分にとってもヴァケーションのようで楽しみ」と仰る監督と、過去作品を一緒に楽しめる貴重な機会になること間違いなしです。 東京国際映画祭のスケジュールを公式サイトで確認!→() いかがでしたか?これらのほかにも、オープニング作品にはメリル・ストリープとヒュー・ジャックマンが来日することで話題の『マダム・フローレンス! 夢見るふたり(原題:Florence Foster Jenkins)』、トニ・コレットとドリュー・バリモアの女同士の友情が眩しい『マイ・ベスト・フレンド(原題:MISS YOU ALREADY)』そして、アジア・インディーズのミューズとして各国国際映画祭で注目を集める杉野希妃監督・主演の『雪女』など注目作品が目白押し。東京国際映画祭のチケットは10月15日(土)12:00〜 東京国際映画祭公式サイトよりご購入いただけます。 第29回 東京国際映画祭 (Tokyo International Film Festival)〈会期〉2016年10月25日(火)〜11月3日(木・祝)〈チケット販売開始時期〉一次販売 10月15日(土)12:00~二次販売 10月22日(土)12:00~※ 上映スケジュールは現在未定※ 詳細は東京国際映画祭公式サイトよりご確認ください〈部門紹介〉◆コンペティティブ・コンペティション部門※ 今年のコンペティション部門はのべ1,502作品の応募を勝ち抜いた16作品を上映・アジアの未来 部門・日本映画スプラッシュ 部門◆ショーケース・特別招待作品 部門・Japan Now 部門・ワールド・フォーカス 部門◆クローズアップ・国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA 部門・日本映画クラシックス 部門・ユース 部門(TIFFチルドレン/TIFFティーンズ)Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2016年11月13日突然ですがみなさん、歌舞伎に興味はありますか?「興味はあるけど、敷居もチケットも高い…」と諦めてしまっている方々へのとっておきのイベントが、第29回東京国際映画祭会期中に開催されました。その名も【 歌舞伎座スペシャルナイト 】。歌舞伎をみる機会の少ない若者はもちろん、日本語のわからない外国人向けに、よりエンターテイメント色を強めた歌舞伎のイベントです。このイベントの人気は毎年チケット販売開始とともに完売してしまうほど。そこで、初めてでも歌舞伎を楽しめるポイントを4つにまとめてお届け!ぜひ、歌舞伎座スペシャルナイトに参加した気分でチェックしてみてください。スペシャルナイトへ行けなかった人もラストにとっておきの情報をお伝えします!1."歌舞伎" の新しさをたのしむ東銀座にある歌舞伎座の前を通過したことはあっても館内まで入ったことは無いという方がほとんどなのではないでしょうか。 歌舞伎座では廊下に有名な画家の絵が展示されていたり、ゆったりとした座席に座れたり、本物の花道を見れたりと貴重な経験ができます。そもそも歌舞伎は日本固有の演劇で伝統芸能の1つ。ルーツは戦国時代(!)にまで遡り、江戸時代の初期に京都や江戸で流行し今日に至ります。いまではすっかり伝統的なコンテンツとなっていますが、近年では『ONE PIECE』や『あらしのよるに』などアニメ・漫画を原作とした演目で再注目され、新たなエンターテイメントとして新規のファンを開拓しつつあります。2."弁士" の語りで無声映画の名作をたのしむ"弁士" とは、無声映画の職業的解説者のこと。無声映画の劇中で役者の台詞や状況などを事細かに説明しながら役を演じます。歌舞伎座スペシャルナイトで上映されたのは、『血煙高田の馬場 (1928)』と『忠臣蔵 (1926・デジタルリマスター最長版)』という無声映画期の名作と呼ばれる2本。それぞれ6分・50分ほどの短編ですが、普段観ようと思ってもなかなか観れる映像ではありません。これが歌舞伎座という貴重な場で鑑賞できるのもこのイベントならでは。しかもそれぞれ弁士を務められたのは、前者は古舘伊知郎氏、後者は片岡一郎氏という豪華な顔ぶれ!『血煙高田の馬場』新作歌舞伎の題材にもなった中山安兵衛(堀部安兵衛)の高田馬場の決闘を描く『血煙高田の馬場』を "現代版弁士" として "喋り屋" 古舘伊知郎氏が登壇。こちらは、伊藤大輔 監督、大河内傳次郎 主演で、約1巻分(わずか6分ほど)しか残っていない作品にもかかわらず、息もつかぬ古舘さんの弁士ぶりに会場は爆笑に次ぐ爆笑の嵐!(c) 2016 TIFF『忠臣蔵』まるで古舘氏との対比を描くのような弁活ぶりに舌を巻いたのは、プロ弁士・片岡一郎氏。上映作品はこれまた歌舞伎とのゆかりも深い『忠臣蔵』です。大石内蔵助を演じるのは、日本最初の国民的大スターといわれる尾上松之助 (1875 - 1926) で、昨年京都で発見されたフィルムを今回は世界初のデジタルリマスター版で公開!片岡さんによる一人何役もの語りと生演奏が相まり、これまで知らなかった無声映画の楽しみ方について触れることが出来た気がしました。無声映画は音声、音響、セリフなどが全く入っていない映画。映像と弁士の交わり方によって、全く印象が変わるライブ感満載の映画体験でした。※ "弁士" による無声映画鑑賞は東京国際映画祭の特別コンテンツとなります。(c) 2016 TIFF3.女性よりも女性らしい、女方舞踊をたのしむ歌舞伎俳優は全員男性なので、女性役を演じるのはもちろん男性。今年の【 歌舞伎座スペシャルナイト 】では尾上菊之助が登場し、女方舞踊『鷺娘(さぎむすめ)』を披露。20分ほどながら、鳥である鷺が娘に姿を変じて踊るその嫋やかな舞いに、会場がすっかり引き込まれていました。女方は女性より女性らしく、その所作は見習うべき?!(c) 2016 TIFF4.演目以外チケットをたのしみつくす【 歌舞伎座スペシャルナイト 】のチケットの値段はお一人様 10,000円。これだけ聞いて「高い…」と感じた方、いますよね? しかしながら結論から言うと、値段以上にコスパの良いチケットなのです!・この日のためだけのスペシャルな演目(今年は "弁士" と 『鷺娘』 が注目されました)・この日のためだけの特製お弁当付き(毎年このお弁当を楽しみに来場されるお客様も多いのも納得のクオリティ!)舞台でのライブ感はその瞬間のみ観れる最高のなまもの、それにプラスして「この日のためだけ」というスペシャル感。これで10,000円は高いでしょうか?そのほかにも、場外の壁には大山忠作、東山魁夷といった画家から、佐藤可士和といったデザイナーまで著名人のクリエーションが飾られ、開演前やインターミッションの間に気軽にギャラリー気分が味わえるのも見逃せません。通常の演目では歌舞伎座のみ《 幕見席 》という幕ごとのチケット販売もしています。一等席は20,000円近くする高額だけれども、一幕見席の相場は800円〜2,000円程度。比較的安価なので、映画館に行く感覚と似た感覚で気軽に足を運べそうです。来年が待ちきれないみなさんは、11月の歌舞伎をまずは幕見席で挑戦してみてはいかが? 歌舞伎座Address〒104-0061 東京都 中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー (Google Mapsへ飛ぶ)公式HP / チケットWeb松竹 Text. Midori Tokioka, Rika Takahashi
2016年11月13日ポーラ美術館所蔵の『レースの帽子の少女』が撮影可能になったニュースも新しいルノワール。ルノワールと40歳の年齢差をもちながら師弟関係を築いた梅原龍三郎とのふたりの関係を描いた展示会『拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え』が現在、東京・三菱一号館美術館にて開催中です。みどころ1パリで才能開花した「画壇のライオン」梅原龍三郎梅原龍三郎は、1888年に染物問屋の次男として京都に誕生。浅井忠に師事したのち渡仏。パリのアカデミージュリアンに入学しますが、ほどなくしてルノワールと師弟関係を築くことに。現地で学んだ油画に日本のテイストを取り入れることで、大胆なタッチに色鮮やかな世界観をもつ特有の作品を数多く世に発表しました。本展では彼とルノワールとの師弟関係を特集しています。みどころ2ルノワールとの”奇妙な”師弟関係20世紀初頭、パリのルノワールの自宅がふたりの出会いの場になりました。出会った当時ルノワールはすでに還暦を過ぎ(上写真参照)。痩せ型でヒゲが生えてて、晩年は車椅子で生活していたルノアールは、年齢よりも老いてみられることが多かったそう。梅原はルノワールから技術的なことを1から教わらず、それでも彼の趣味(テイスト)についてはしっかり理解していた模様。ルノワールの《バラ》を彼の好きな18世紀のアンティークの額に額装していたというストーリーも、奇妙ながら微笑ましい逸話です。みどころ3ピカソやジョルジュ・ルオー、同時代の貴重な絵画も生存中も作品が売れていた梅原は、画家にありがちな "貧乏な一生" を送ったアーティストではありませんでした。稼いだ資金を元手に、数多くの絵画を蒐集したコレクターとしても知られています。浅井忠に師事したことで影響を受けた大津絵や、交友のあったピカソやジョルジュ・ルオーら20世紀を代表する貴重な作品も数多く展示されています。(※両者ともに著作権有効のため媒体掲載不可です。ぜひ直接美術館でご覧ください。)おまけ10月30日まで無料バスが走行中、ヴァーチャルツアーも現在開催中(10月22日〜10月30日)の EDO TOKYO NIPPON アートフェス2016開催に伴い、無料バスが走行中。出光美術館、三井記念美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーを無料バスで巡回することができます。(1周30分)バス運行期間:10/22~10/30 11:00-18:00(木・金は19時まで)※10月24日(月)は全館休館。バスも運休。秋風に吹かれてアートをめぐるデートができるのもいまの季節ならではの楽しみ方。行ったことないからデート場所には選べない!という方は、事前にヴァーチャルツアー(動画は「三菱一号館美術館名品選2013」展の風景になります)で下見で抜かりなく。「拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え」会 期 :2016年10月19日(水)〜 2017年1月9日(祝・月)主 催 : 三菱一号館美術館、朝日新聞社協賛 : 大日本印刷企画協力: キュレイターズ『拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え』公式HPへ 三菱一号館美術館Address〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2Open10:00〜18:00(※入館は閉館の30分前まで)休館日毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館) 三菱一号館美術館 公式HPへ Text. Midori Tokioka
2016年11月13日夏にお台場で開催され連日長蛇の列で賑わった「DMM PLANETS art by teamLab」をプロデュースしたチームラボが次なるクリエイションのパートナーに選んだのは、南仏発の化粧品ブランド「ロクシタン」。確立されたロクシタンの世界観と発祥の地プロヴァンスを五感で感じられるインスタレーション「デジタル プロヴァンス(Digital Provence Powered by teamLab)」を一足早く体験してきました。最後にとっておきのキャンペーン告知もあるのでお見逃しなく! (左)チームラボ 猪子さん(右)ロクシタンジャパン西口社長今回、ロクシタン新宿店ヴォヤージュ・アン・プロヴァンス内で発表されたのはフレグランスウォール、フラワーテーブル、デジタル プロヴァンス シアターと名付けられた3つのデジタルアート。世界中から愛されるブランドと先鋭的アート集団がタッグを組んだ空間で、デジタル プロヴァンスの旅に出かけましょう。①フレグランスウォール(1階)店頭すぐに設置されているディスプレイにはいきなり仕掛けが隠れています。前に立つとプロヴァンスの植物が表示されると同時にその香りも噴霧され、フレーバーを体感することができます。これは自撮りスポット!②フラワーテーブル(1階)ロクシタンの商品をテーブルモニターに置くと、原材料の植物イメージが表示される仕組み。どの植物が使われているか一目でわかるので店頭スタッフとの会話もこれまで以上に弾みそうです。③デジタル プロヴァンス シアター(4階)4階にあるデジタル プロヴァンス シアターは、20〜30人ほど入る空間。中央に置かれた大型テーブルにロクシタン製品を置くことで、その製品のキーとなる植物のビジュアルがテーブルや空間全体に広がります。壁に映し出されたプロヴァンスの美しい風景で、デジタル プロヴァンスを堪能することができました。テーブルから製品を外すとそれぞれの草花が散り混じり合う美しい演出に思わず見入ってしまいます。ここは動画タイムに決まり!おまけ:10月16日までの限定スペシャルメニュー今回のオープン記念で発表されたのが「ラベンダーブリュレコーン」。ロクシタンカフェ人気No.1のクリームブリュレをラベンダー風味にアレンジした今作は、シアター内で食べ歩きができるようにとコーンに詰めた粋なデザインがなんともうれしい限り。税込み500円のワンコインデザートです。テイクアウト専用ですが、2Fのロクシタンカフェでお求めいただけます。また、9月16日〜10月16日の期間内にオーガニックジュースがもらえるキャンペーンも実施されます。方法はとっても簡単なのでぜひ投稿して店頭で味わってみてくださいね!キャンペーン概要はこちら。デジタルプロヴァンスで気に入ったお写真をハッシュタグ #デジタルプロヴァンス をつけてSNSに投稿店舗スタッフに投稿画面を提示すると、果実を絞ったストレート果汁、オーガニックシュガー、フランスの井戸水を使用したシンプルな原材料でつくられたオーガニックジュースをプレゼント!今回の新しい試みについてロクシタンジャパンの西口社長は「ロクシタングループ全体の16%もの売上を占める日本市場において、今回のようなイノベーションをし続ける重要だと感じている」と述べていたのが印象的でした。ただ商品を買うならECで済んでしまうこのご時世。店頭でのインタラクティブな体験を通してブランドの世界観や背景を知れば、今まで以上に製品も愛してしまうこと請け負いです。ということで、記事を読んでいただくよりも一度体験に行くことを強くお勧めします! 『DIGITAL PROVENCE Powered by teamLab』Address東京都新宿区新宿3-17-5 盛成堂ビルTel03-5312-6864Open11:00〜21:00(ショップ) 10:00〜23:00(カフェ)※4階は12:00〜21:00(最終入場〜20:20)HPText. Midori Tokioka
2016年11月13日10月25日のオープニングイベントで始まった、第29回東京国際映画祭。初日のレッドカーペットをTVなどでみたという方も多いのでは?「映画祭なんて、どうせ映画業界人や映画ファンだけのイベントでしょ?」と思っている方々、たしかに激戦を勝ち抜いた国内外のアップカミングな作品を観ることができるこれ以上ないイベントではありますが、特にセレモニー関連は《ファッション》としても楽しめるイベントなのです。ミニマムにまとめた眉上バングヘア×真っ赤な振袖第29回東京国際映画祭のフェスティバルミューズを務めている黒木華(くろき はる)さんは、鶴をあしらえた艶やかな振袖。お色も赤い着物に金色の帯でお祝いムード満点です。ミニマムにまとめたヘアメイクが、より鮮やかさを引き立てています。椎名保ディレクタージェネラル、岩井俊二映画監督、そして安倍晋三内閣総理大臣らとともにレッドカーペットを闊歩。 ブラックのロングドレスでIラインを強調行定勲監督をはじめとし、熊本県出身者で制作したことでも話題の映画『うつくしいひと』からはヒロインの橋本愛さん。引きずるほどのフルレングスドレスと厚底シューズはマークジェイコブス、トレードマークでもある黒髪ボブで最大限にIラインを強調させています。ヴァーガンディー色のリップが、彼女のミステリアスな雰囲気にマッチ!ベストドレッサーは彼女で決まり!橋本愛さん(@ai__hashimoto)が投稿した写真 - 2016 10月 25 5:22午前 PDT ブルーグリーンのドレスは、水色ネイルでアクセント女優の安藤サクラさんは、胸元の開いたレーシーなステラマッカートニーのドレスでインタビュー対応していました。映画『島々清しゃ』の舞台にもなっている沖縄県・慶良間諸島の海の色そのままのブルーネイルが絶妙なアクセントに。ROBEさん(@robetokyo)が投稿した写真 - 2016 10月 25 8:32午前 PDT オールブラックはフィンガーウェーブでさらなる優美さを演出 「東京国際映画祭に育てていただいたといっても過言ではない」と述べたのは、アジアで評価の高い杉野希妃監督。各ゲストが海外メゾンブランドを着こなすなか、TADASHISHOJIの優美なドレスで会場を魅了していました。フィンガーウェーブで決めた黒髪も相まって、まるで中国の夜会のような雰囲気がたまりません。 鶴はジャポニズム意識?大柄ドレスはメガネで〆るハリウッドから緊急来日したのは、大女優メリル・ストリープ。W主演をつとめたヒュー・ジャックマンの来日は叶わなかったけれども、1人でカーペットを歩く様子はさすがのオーラを放っていました。鶴をあしらった和風なドレスは、ヴァレンティノからチョイス。野暮ったい印象になりがちな大柄ドレスは、素直にメガネを合わせたキリッと仕上げています。抜け感のあるコーディネートからは、大人の余裕を感じさせます。これぞ大女優の貫禄!ヘアメイク・ドレス・靴・所作のどれをとっても、レッドカーペットは彼女たちをこれ以上なく魅力的に見せる技がたくさん詰められています。寒くなってファッションが面白くなる季節だからこそ、着こなしのインスピレーションをレッドカーペットから得るというのも楽しいはず!東京国際映画祭は11月3日まで東京・六本木ヒルズほか会場にて開催中。会期中は、ROBEのSNS(Twitter / Instagram)でアップする情報をぜひフォローしてみて。各SNSにて @robetokyo で検索!◆ ROBE的おすすめ映画をチェックする Text. Midori Tokioka
2016年11月01日芸術の秋!今年も東京国際映画祭2016(以下TIFF)の季節がやってきました。今年で29回目を迎えるこの映画祭は、六本木ヒルズを中心に約10日間行われるアジア最大規模の祭典です。早いもので、会期まで残り1ヶ月を切りました。そこでROBEでは、先日行われた記者発表会の様子と、注目プログラムのご紹介、と二部に渡ってみなさんに一足先にご情報をお届けします!東京国際映画祭とは?東京国際映画祭とは、1985年に始まった日本初の大規模な映画祭です。と同時に、「世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善し、検討する国際機関」である国際映画製作者連盟に、唯一公認されているアジアの映画祭になります。その昔は渋谷の文化村あたりで開催されていたこともあったとか。世界中からやってくる数千の応募作品を第一線の映画人が選出し、良質な上映作品たちが幾つかの賞を目指すという熱い約10日が繰り広げられます。これらは文化振興に大きな役割を果たしており、東京国際映画祭はコンセプトとして下記の4点を挙げています。・国内外へ向けた映画の情報発信基地・クリエイターに陽を当て、世界へ羽ばたくステージを作る・未来の映像作家・映画ファンの創出・誰もが参加したくなる映画祭また、 "陸の孤島" と揶揄されることもある六本木で行われることが少しネックとも言われている本映画祭ですが、近年では新宿の映画や歌舞伎座でも上映・イベント開催をしており、今年も六本木以外でも行われるイベントなどもあるので要チェックです。(情報は公式サイトニュースにて随時公開予定)記者会見には豪華ゲストが登壇記者会見には『アズミ・ハルコは行方不明』から松居大悟監督と主演女優の蒼井優さん、『雪女』から主演俳優の青木崇高さん、そして特集として細田守監督が、それぞれゲスト登壇されました。(左より 松居大悟さん、蒼井優さん、青木崇高さん)松居監督は3年前に『自分の事ばかりで情けなくなるよ』で日本スプラッシュ部門にノミネートされたことが、その後の作品制作におけるモチベーションにつながったとの事。今回も、コンペティション選手決定前に、他映画祭からの招待を蹴って東京国際映画祭一本に賭けたとの背景に、その意気込みと思い入れの強さをひしひしと感じました。初の東京国際映画祭参加となる蒼井優さんは、原作の面白さに惹かれ出演を決めたとのことを語っていらっしゃいました。青木さんは『雪女』のオファーが昨年の釜山国際映画祭期間中に、杉野希妃監督一行と食事を囲んでいるときだったと告白。取材陣から映画界における女性進出について聞かれると、監督・主演という二足の草鞋で臨む杉野希妃監督の姿勢に刺激を受けたことを述べ、「杉野さんだからかもしれないが、強いては女性ならではの強さ、のようなものなのかもしれない」と言及していました。注目プログラム〜2人の日本人監督特集〜昨年度より始まったJapan Now特集では岩井俊二監督を、そして特別プログラムとして「映画監督 細田守の世界 / THE WORLD OF MAMORU HOSODA」と題しアニメーション映画監督である細田守監督をフューチャーすることを発表。デビュー以来、その時々の若者の心情を、独特の美学で描き続けていることで名高い岩井俊二監督。監督の名を世間に轟かせたテレビドラマ(’95年に再編集・映画化)『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか? 』から最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の計5本が上映されます。また、「映画監督 細田守の世界 / THE WORLD OF MAMORU HOSODA」では、10/26〜10/30には細田守監督と、各日豪華対談が行われることに。登壇ゲストは『海街Diary』の映画監督・是枝裕和監督をはじめ映画界・美術界の著名人ばかり。細田守監督ファンはもちろん、クリエイター気質の皆さんはまたとない機会になること間違えなしです。この二つのプログラムに共通するのは、初期作品から最新作品までを一挙にスクリーンで上映されるという点。監督自身も「自分の作品を一挙に振り返る機会はそうそうない」と感慨深げに話されていましたが、更新されていく部分と変わらない “作風” を垣間見ることができること請け負いです。通過率1%を勝ち抜いた世界各国からの唯一無二の16作品今回のコンペティション部門では世界各国からのべ1,502作品もの応募があり、映画祭ではそのうち16作品が上映されグランプリを競います。(東京国際映画祭の部門については記事下記の概要を参照)それぞれのプログラムの発表が主に行われた今回の記者会見で垣間見えたのは、"変革" と "次世代へのバトンを受け渡そうという姿勢" のようなものでした。より開かれた環境下で、「場所」「著名人」を巻き込みながらより映画を知って深めていただきたい、という気概を感じました。だからこそ、ファッションの "越境" を謳うROBEでの記事執筆に意義があるように感じます。そういえば、昨年TIFF観客賞を受賞した『神様の思し召し(原題:God Willing)』や、チェット・ベイカーの波乱に満ちた人生を描いた『ブルーに生まれついて(原題:BORN TO BE BLUE)』はいくつかのミニシアターで鑑賞することができます。映画祭上映をきっかけに、シアター配給につながる確率高いという意味において、映画祭での上映はきっと作品にとっても非常に大きなターニングポイントになるはずです。ぜひその瞬間をお見逃しなく。第29回 東京国際映画祭 (Tokyo International Film Festival)〈会期〉2016年10月25日(火)〜11月3日(木・祝)〈チケット販売開始時期〉一次販売 10月15日(土)12:00~二次販売 10月22日(土)12:00~※ 上映スケジュールは現在未定※ 詳細は東京国際映画祭公式サイトよりご確認ください〈部門紹介〉◆コンペティティブ・コンペティション部門※ 今年のコンペティション部門はのべ1,502作品の応募を勝ち抜いた16作品を上映・アジアの未来 部門・日本映画スプラッシュ部門◆ショーケース・特別招待作品 部門・Japan Now 部門・ワールド・フォーカス 部門◆クローズアップ・国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA 部門・日本映画クラシックス 部門・ユース 部門(TIFFチルドレン/TIFFティーンズ)Text. Midori Tokioka
2016年10月07日〈 提案5W:こんなシチュエーションで『神様メール』を観れたら最高! 〉・WHEN(いつ):土曜のお昼すぎ・WHERE(どこで):こじんまりした映画館で・WHO(だれと):気のおけない女友達と・WHAT(なにを):『神様メール』を・WHY(どうして):映画館を通りがかったら可愛いメインビジュアルが目に入ったからこんな風に流れでふらっと観る機会があれば至極。『神様メール』とはそんな気楽な鑑賞をしていたい。もちろん鑑賞後はメールの受信ボックスチェックを忘れずに。突然だけど "神様" はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいる。妻の"女神" となぜか置物サイズになっている息子イエス・キリストと、10歳の娘エア。一見幸せそうに聞こえるけれど、この "神様" がそこらのダメ親父以上に最低な存在。家族に暴力を振るうわ、昼夜パソコンから人間に嫌がらせばかりして楽しんでいる。そんな "父" に嫌気のさしたエアは、人間に運命に縛られずに生きてほしいと思い"神様" のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ってしまう。もちろん、自分たちの寿命を知った人間たちは大パニック。奇跡を起こすには "女神" が好きな「18」の数の使徒を集めなくっちゃということで、"兄" の12人の使徒を引いた6人の使徒を探すべく、エアは一人ブリュッセルの街へと繰り出すのだった——……と、お世辞にも地に足がついているとは言い難い物語設定(!)に戸惑うものの、物語は思いの外にスッと入りこめる。その点において、主人公である10歳の少女・エアの果たす役割は大きいはず。物語は6人の使徒との出会いを順に追っていくため、鑑賞中置いていかれることもなく、もちろんユダのような裏切り者も登場しない。誰もが少しずつ欠けた状態で、刻々と減りゆく時間の中でエアに出会って救われていくのだ。観終わったら、あなたの受信ボックスにも寿命予告のメールが届いてるかも?もしそこに記載された寿命が明日だったら?50年後だったら?それがすぐでも後でも今日は今日。そんなことを思いながら重ねていたのは、故スティーブ・ジョブス氏がスタンフォード大学の卒業式スピーチで言っていたこの言葉。 "If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?"(もし今日が人生最後の日だとしたら、いまやろうとしていることって心からしたいこと?)毎日はこの言葉の自問自答の繰り返しかもしれないね。今日もしオフィスであなたに降りかかってきた災難も、どこかのモニター越しで "神様" が仕組んだ嫌がらせだと思えば、ちょっとした嫌なこともクスッと笑ってかわせそう。明けない夜がないように毎日は必ずやってくるのだ、どうせなら目一杯楽しみましょ!映画をより楽しむために!マルティーヌ役、カトリーヌ・ドヌーブ Official Interview — 『神様メール』では、主婦の役で登場していますが、今回のように比較的小さな役でも出演することはよくありますか?もちろん。私はこれまで、演じたいものだけを演じてきたの。シナリオを読み、面白いと思えば、主役でなくても引き受けるわ。長年そうしてきたように。— 今回この役を引き受けた理由を教えて下さい。まずはシナリオがよく出来ていました。一風変わったユーモアがあり、それが素敵だったしスカッとする陽気なお話だったの。ドルマル監督がこの人物を私に、と話してくれたとき、このおかしなアイデアをとても気に入ったのです。— シナリオでは、あなたが演じる裕福な主婦マルティーヌがゴリラと寝るシーンがあると分かったときはどう思いましたか?斬新な美女と野獣バージョンです。なぜこの役に挑もうと思ったのですか?実はその部分だけ、はじめは分かっていなかったの。ある夫婦がいて、夫が多忙なビジネスマンでという、よくある設定のお話だったのよ。それが、いきなりゴリラと出会い、一目惚れするという展開で、その素敵なお猿さんに会いに行ったり、ベッドインしたりと、非現実的なものが物語に収まっていくのがおかしくて、とにかく気に入ったのよ。— この役は一風変わっていますね。出演作中で最も奇妙な映画ですか?そんなことはないわ。理性的な方だと思う。日常では、皆もっと奇妙なことをするでしょう?ゴリラとベッドにいるだけで非現実的で、一風変わったワクワク感があった。そして同時に、現場はとてもいい雰囲気だったの。ドルマル監督は、感じがよく、優しく穏やかで、私にとってとても素敵な経験だったのよ。— 今後、挑戦してみたい役はありますか?いつも忘れないようにしていることはあるの。同じ路線を走らないように、前進し続けるということ。そもそも、賛辞をいただくことが私の原動力ではないし、一度もそうだったことはないのよ。やりたいものはたくさん頭の片隅にあるけれど、芝居か、音楽かは、わからない。ただ、変化のない路線を進まないために、挑戦すべきことは何かということをいつも考えているわ。 映画『神様メール』は、2016年5月27日よりTOHOシネマズ シャンテほかロードショー!ぜひ、劇場でご覧くださいね。 「神様メール」特製クリアファイルプレゼント映画公開を記念して「神様メール」特製クリアファイルを抽選で3名様にプレゼント!主人公エアと6人の使徒たちが描かれたファイルは持っているだけで運命が好転するかも?応募方法ROBE公式Twitter @robetokyo のキャンペーンツイートをリツイート締切5月31日(火)『神様メール (原題: Le tout nouveau testament)』(2015)監督: ジャコ・バン・ドルマルキャスト: ブノワ・ポールブールド、カトリーヌ・ドヌーブ、フランソワ・ダミアン、ヨランド・モロー、ピリ・グロワーヌ ほか★ 劇場情報: 公開予定映画館一覧はコチラAll pictures © 2015 - Terra Incognita Films/Climax Films/Après le déluge/Juliette Films Caviar/ORANGE STUDIO/VOO et Be tv/RTBF/WallimageText. Midori Tokioka
2016年06月10日観葉植物が置いてあると、なんだかリラックスできますよね。「私のデスクにも置いてみたいなあ」と思うこともあるのではないでしょうか。でも、観葉植物は日当たりを気にしないといけなかったり、定期的に水をやらないといけなかったりして、世話をするのはなかなか大変なもの。枯らさずにずっと育ててあげられる自信はない…。ではネットショップ「部屋とmidori」が販売している「midori」を置いてみてはいかがでしょうか?植物を育てるのが苦手でもまったく心配がいらない、ある理由があるのです。ネットショップ「部屋とmidori」は、まるで公園の芝のようなオリジナルハンドメイドの観葉植物「midori」を販売しています。仕事でパソコンのモニターばかり眺めていると、気分もカリカリしてくるし、首や肩だって疲れてきますよね。そんなとき観葉植物があれば、眺めているだけでも気持ちがふっと軽くなります。数ある観葉植物のなかから「midori」をおすすめする理由は、“人工芝”であるということ!植物を育てるとなると、毎日水やりなどの世話をしてあげる必要があったり、葉が散ったときに掃除をする必要があったりします。でも、人工芝ならそんな手間はいりません。「人工芝だと、やっぱりウソっぽいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、あなどるなかれ。色も質感も本物の植物そっくり! 人工芝だとはわからないほどです。微妙にちがう色や枯れ芝が混ざっていたりして、ゆたかな表情をみせてくれます。身の周りにかわいい自然があるだけで、楽しい気分で仕事ができるはず。あなたもぜひ部屋にハンドサイズ芝生「midori」を置いて、少しだけ華やかにしてみてください。・ 部屋とmidori
2016年04月08日まるで公園の芝生を切り取ってきたかのようなナチュラルなテイストが魅力のオリジナルグリーンのトレー「midori」を販売するネットショップ「部屋とmidori」から、今度は“水”をコンセプトにした新製品「Pool」が新登場した。人は海をただひたすらにぼーっと眺めたり、湖を見に行って周囲を散歩したり、水族館で水槽に泳ぐ魚たちを眺めたりするだけで、どこかコリ固まっていた心の疲れをリリースすることができる。やはり“水”が生命にもたらす癒し効果は抜群だ。「Pool」は、「卓上のプール」をコンセプトにしたオリジナルペンスタンド。コンクリートの土台にコーティング加工を2層付着させることで、きれいな光沢が生まれ、とろりとしたやららかな水の質感が表現されている。デスクワークの合間にふと眺めれば、まるで水槽の中を覗いているときのような無重力な気分に浸れるかも。どことなく愛着を抱かせるいびつなフォルムはハンドメイド製作によるもの。夜になれば、日中に貯めた光を放って、青白く光って、まるでナイトアクアリウムのように幻想的なシルエットが浮かび上がる。アクアリウムには手がでないけど、という人に、デスク周りにこんな癒し系の水のオブジェはいかが?(text:Miwa Ogata)
2015年01月21日