井上道義&読売日本交響楽団によるマーラー『大地の歌』が、2022年1月28日(金)に、東京芸術劇場コンサートホールにて開催される。井上道義は、マーラーの交響曲第8番『千人の交響曲』(2018年)と交響曲第3番(2019年)で、国内外から著名ソリストを集めただけでなく、史上初となる首都圏音楽大学の合同コーラスを結成。常にベストを追求しチャレンジ精神を忘れない”老青年”マエストロ、井上が読売日本交響楽団を指揮し、続編として交響曲『大地の歌』を取り上げる。ソリストには、第3番に続き井上が全幅の信頼を寄せるアルトの池田香織。そして、テノールに、2020年当劇場での『ラ・トラヴィアータ』(アルフレード役)で日本人離れした圧倒的な声量と音楽性を披露した宮里直樹をキャスティングし、万全の布陣で臨む。さらにマーラー同様、20世紀を代表するシンフォニストの一人、シベリウスによる最後の交響曲である第7番、ケルン放送交響楽団とブルターニュ交響楽団、東京芸術劇場の共同委嘱作品となる藤倉大“Entwine”をプログラミング。 “Entwine”は今回が有観客としては世界初演となる。チケットは現在発売中だ。■公演概要「東京芸術劇場Presents読売日本交響楽団演奏会」日程:2022年1月28日 (金)19:00 開演(ロビー開場 18:00)会場:東京芸術劇場 コンサートホール曲目:藤倉大:Entwine (日本初演)*ケルン放送交響楽団・ブルターニュ交響楽団との国際共同委嘱作品シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105マーラー:『大地の歌』*アルト、テノール独唱と大オーケストラのための交響曲*歌詞:ハンス・ベトゥゲの詩集『シナの笛』から指揮:井上道義アルト:池田香織テノール:宮里直樹管弦楽:読売日本交響楽団
2021年12月03日オペラ歌手の中丸三千繪によるクリスマスリサイタル『MICHIE NAKAMARUソプラノリサイタル〜Starly Christmas2021〜』が2021年12月11日(土)、東京・紀尾井ホールで開催される。中丸の歌声はもちろん、俳優の石田純一を迎えたトークなどが楽しめるようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、思うようにコンサートができなかった。その間、中丸は、決して“停滞”していたわけではなく、「これまでのキャリアを振り返ったり、勉強し直したりする時間」だったといい、今回のリサイタルは「自分の原点に戻るようなものにしたい」と話す。プッチーニの『トゥーランドット』や『ラ・ボエーム』など、オペラ・アリアを中心にプログラムを構想中だ。「コンクールで歌った曲を、今更歌うのは恥ずかしいと思っていたんです。西洋の難しい曲にどんどん挑戦していかないといけないと思っていたんですよね」と明かす中丸だが、今年6月に最愛の母・アイ子さんが亡くなったことを契機に考えが変わる。それは「難しくて知らない曲をやるよりも、いつもCDで聴く曲や昔から歌っている曲を聴くとファンは安心するのよ」という母の言葉を思い出したからだといい、『月の沙漠』など「母が好きだった曲を歌うのもいいかな」。今回は、石田純一とのトークも予定。石田とはテレビ番組での共演経験があり、スポーツジムで顔を合わせたり、ワインを共に嗜む仲でもあるという中丸は「よくマスコミに切り取られるような強烈な一面ではなくて、もっと自然体で、イタリアと音楽が好きな石田さんとのトークを楽しんでほしい」と語っていた。小澤征爾指揮の『エレクトラ』でデビューしてから35年。中丸は言う。「ファンの方々には本当に感謝しています。私が弱気になったときも、私の演奏が間違った方向に行っているときも、励まし、厳しく育ててくださった。これまでも、そしてこれからも、コロナ禍を生き抜いて、一緒に頑張っていきたい」。そのほかの出演者は安達朋博、松本蘭。公演は12月11日(土)昼12時開場、13時開演。チケット料金はS席 8,800円(全席指定/税込み/未就学児入場不可)。●プロフィール/中丸三千繪オペラ歌手。1987年イタリアに渡り、各国のコンクールにて数々の栄冠を得て、イタリアオペラ界の最高峰とされるミラノ・スカラ座と出演契約を結んだ後、オペラ歌手のコンクールとしては世界で最も権威のある「マリア・カラス・コンクール」で史上初の日本人の優勝を果たす。日本各地で小児がんの子どもを支援するチャリティー・コンサートを行う。近年では、2019年6月に開催されたG20で、日本を代表して歌声を披露した。(取材・文:五月女菜穂)
2021年12月02日待ちに待った上演がついに幕を開けた。11月18日(木)、新国立劇場のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》新制作が初日を迎えた。ザルツブルク・イースター音楽祭とザクセン州立歌劇場、そして東京文化会館(東京都)との共同制作。コロナ禍で昨年の公演が中止。さらに今年8月に延期されていた東京文化会館の上演も初日直前に中止が発表されたとあって、オペラ・ファンの期待はいっそう高まっていた。ワーグナー唯一の喜劇。中世の徒弟制度をベースに、新しい価値観を持つ歌(芸術)をめぐる、保守派とリベラル派の対立と新旧の交代を描く。主人公の靴屋の親方ザックスは、これが初役というドイツのバリトン、トーマス・ヨハネス・マイヤー。圧巻だった。第2幕と第3幕の2つのモノローグの深い声と表現は実に瞑想的だし、机に足を投げ出して座りベックメッサーを手のひらで転がすチョイ悪な演技も痛快。魅力的なヒロイン、エーファの林正子の存在感も際立つ。特に第3幕。年配のザックスの優しさに惹かれる気持ちと決別するように彼への感謝を伝える歌は感動的で、ぐいぐいと引き込まれる。エーファ役の重要さを再認識させられる熱演だった。幕切れ直前、旧弊にこだわる年寄りどもを蹴散らすような、「男気」あるふるまいもお見逃しなく。ベックメッサーには、この役を最も多く歌っているというアドリアン・エレート。何をやらせても上手い人だ。歌自体が物語のキーとなるヴァルター役には新国立劇場初登場のヘルデンテノール、シュテファン・フィンケ。ダーヴィットの伊藤達人、マグダレーネの山下牧子、そして豪華メンバーが揃ったマイスタージンガーの親方衆ら、日本勢の充実もうれしい。イェンス=ダニエル・ヘルツォークの演出は、物語を現代のオペラ劇場に置き換えた。回り舞台を駆使して、劇場の客席や舞台裏、支配人室や靴工房が次々に入れ替わり、視覚的にも楽しい。ザックスは劇場の支配人。履物係から叩き上げで支配人まで昇り詰めたのだろう。第2幕ではベックメッサーだけが中世の吟遊詩人のいでたちで現れる。意地の悪い守旧派の彼だが、それもまた演技ということか。芸術監督・大野和士の音楽は終始ゆったりめのテンポながら常に推進力を失わない。巨匠の風格が漂った。管弦楽は東京都交響楽団。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》は12月1日(水)まで全5公演。新国立劇場オペラパレスで。(取材・文:宮本明)
2021年11月19日2022年1月8日(日)に上演される東京芸術劇場の「コンサートオペラ」第8弾は、プーランク《人間の声》とビゼー《アルルの女》の2本立て。指揮者の佐藤正治が取材陣を前に抱負を語った(11月16日・東京芸術劇場)。リヨン国立歌劇場の首席コレペティトールを務めるなど、フランスの劇場で10年のキャリアを持つ佐藤。5回目の登場となるこのシリーズではターゲットを「フランスもの」に絞って取り組んできた。佐藤「プーランクは大好き。ハーモニーの使い方、人間の内面を描く音の引き出し方が実にうまい」《人間の声》は登場人物がソプラノ一人だけのモノオペラで、3曲しかないプーランクのオペラの最後の作品。別れた恋人と電話しながら徐々に精神が錯乱し、自ら命を絶つ女。客席の私たちは、彼女の歌だけで電話相手の声や姿、二人の過去の関係までも想像する。演じるのは近年引く手あまたの森谷真里。あっという間に日本を代表するプリマドンナに駆け上ったライジング・スターだ。佐藤「複雑な役をどう演じてくれるか。とても楽しみ」そしてさらなる目玉が《アルルの女》。この劇音楽の本来の姿である芝居付き全曲上演という試みなのだ。日本ではおそらく上演例がないという。クラシック・ファンなら誰もが知っている名曲だけれど、ほとんどの場合、それはオーケストラ組曲として抜粋された一部の曲にすぎない。フルートとハープで有名な〈メヌエット〉に至っては他のオペラから引用された音楽で、劇音楽の原曲には含まれていない。佐藤「有名な音楽が戯曲のストーリーと結び付くことで、あ、こういう効果のある音楽だったのか!と感じていただけるはず。芝居付きの上演は、フランスでも目にしたことがない。向こうの友人に今度日本でやるよと話したら、それは面白い、何語でやるんだ?と興味津々だった」今回は動きのない朗読劇としての上演だが、主演に名優・松重豊を起用しているのが大きな話題を呼んでいる。音楽は全27曲・約45分。フルサイズだと2時間以上になる台本を、佐藤自身の構成と日本語訳で約90分に縮小して上演する。組曲版よりもサイズの小さな、オリジナル・スコアに近い編成で聴けるのも貴重な機会になりそう。管弦楽は佐藤が2005年に創設した手兵のザ・オペラ・バンド。「初めての試みで、発見も挑戦もある」と期待を口にする佐藤。新年早々、未体験の新しい刺激いっぱいの舞台になりそうだ。(取材・文:宮本明)
2021年11月19日オペラ(OPERA)が、2021年クリスマスコスメとして、「リップティント N」「カラーリングマスカラ」の限定色を、2021年12月1日(水)に発売する。“宇宙”に着想した特別なレッドメイクオペラの人気コスメ「リップティント N」「カラーリングマスカラ」から、クリスマス限定色が登場。いずれも「コズミック(COSMIC RED)」をテーマに、果てしない宇宙のエネルギーと、幻想的なきらめきをイメージした特別なレッドカラーを提案する。「リップティント N」ティントタイプの「リップティント N」は、ひと塗りで美しい発色と、ピュアな質感を叶える人気リップスティック。唇そのものが色づいたような自然な血色感が魅力で、“リップクリーム”のようにスルスル伸びる、滑らかな付け心地でも人気を集めている。そんな「リップティント N」のクリスマス限定色「110 コズミックレッド」は、澄んだ赤にクリーンなブルー&グリーンのグリッターを加えているのが特徴。ミステリアスな煌めきを放つ美しいレッドカラーで、魅惑的な口元を演出してくれる。「カラーリングマスカラ」一方「カラーリングマスカラ」は、2021年11月に新発売されたばかりのカラーマスカラ。1,000円台と手に届きやすい価格帯ながら、ひと塗りで、見たままの発色を叶える優秀アイテムとなっている。限定色「101 ミッドナイトレッド」は、深みのあるレッドに、繊細な赤パールを重ねたディープレッド。奥行きのある色づきで、パッと視線をキャッチする印象的な目元へと仕上げてくれる。【詳細】オペラ2021年クリスマスコスメ発売日:2021年12月1日(水)「リップティント N」1,650円<限定1色>「カラーリングマスカラ」1,650円<限定1色>【問い合わせ】イミュカスタマーセンターTEL:0120-371367
2021年11月15日11月18日(木)初日の新国立劇場のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(新制作)でソプラノ林正子が演じるエーファは、男たちを夢中にさせる魅力的なヒロインだ。「ワーグナーには珍しく、リリックなソプラノの声で歌える可愛いイメージの役。でもイェンス=ダニエル・ヘルツォークさんの演出と大野和士さんの音楽が引き出すのは、可愛いだけでない、彼女の根底にあるものです。私は、ワーグナーはエーファの中にヴェーゼンドンク夫人の姿を描いていると思うんです。恋人ではなく、永遠に自分のものにできないマドンナ。だからきれいに歌うだけでなく、所々ドスの利いた声を入れたり、勇気を持って冒険していいのではないかと思っています。あまりクセの強いエーファはよくないですが、人間くささは、ありだと思うので」ヴェーゼンドンク夫人はワーグナーの不倫の恋人。彼女の詩による《ヴェーゼンドンク歌曲集》の旋律が《トリスタンとイゾルデ》に転用されているのは有名だ。《マイスタージンガー》第3幕には、その《トリスタン》の断片が登場する。若いエーファに心惹かれる男やもめザックスが、《トリスタン》の登場人物マルケ王を引き合いに、彼女に諦めを語る場面。「お稽古で、ザックス役のトーマス・ヨハネス・マイヤーさんが本当に泣いていて。それを見たら、彼の気持ちに応えないエーファが申し訳なくて、私も何度歌っても心が痛みます。この場面は見どころにしていただけるとうれしいです」ワーグナーを歌う時はいつも、圧倒的なオーケストラの力を感じて、まずその流れを邪魔せず歌うことに腐心するという。しかし。「《マイスタージンガー》では、あまりそれを考えないのです。歌がオケを凌駕するように書かれた作品だと思います」聴衆はもちろん、出演者たちにとっても待望の上演だ。ザルツブルク・イースター音楽祭とザクセン州立歌劇場、そして東京文化会館との国際共同制作。昨年、及び今年8月の上演予定もコロナ禍で中止となった。「今回、夏と完全に同じキャストではないので、乗れなかった人たちの気持ちも全部胸に抱いて歌いたいと思います。4時間半の長丁場ですが、私自身、自分が出ていないシーンにもこんなに感情移入できるのかと驚くぐらい楽しいプロダクション。今までにない《マイスタージンガー》現代演出の決定版だと思います。絶対に損はさせませんのでぜひ!」新国立劇場オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の公演情報はこちら(文:宮本明)■新国立劇場オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」日程:2021年11月18(木) ~ 12月1日(水)会場:新国立劇場 オペラパレス (東京)
2021年11月11日「全国共同制作オペラ」の一環として新制作上演される日本オペラの名作、團伊玖磨《夕鶴》[10月30日(土)東京芸術劇場コンサートホールほか]。主役つうでロール・デビューを果たすのがソプラノ小林沙羅だ。いつかは演じたいと願っていた待望の初役。清楚な容姿と可憐な歌声は役のイメージにぴったりだけれど、今回はそのイメージ、つまり白い雪景色の中の美しいつう像自体を捉え直すことになりそう。「演出の岡田さんが目指しているのは、それを打ち崩すようなイメージ。白いつうではない。鶴でさえない。先入観を一度消さないと先に進めないなと思っています」演劇界の鬼才・岡田利規が初めてオペラ演出を手がける舞台。もともと演劇少女だった小林は、小学生ながらに坂東玉三郎主宰の大人向けの演劇塾に参加して直接指導も受けたという経歴の持ち主。演劇への関心はオペラ歌手の中でも人一倍だ。しかしその彼女をしても岡田の舞台作りには新鮮な驚きがいっぱいだという。「ドキッとしたのは、『そこは僕にとってはどうでもいい』という言葉です。たとえば、つうが本当に与ひょうを愛しているのかどうか。演じる私にとってはとても大事なのですが、岡田さんはどちらでもいいと。大事なのはお客さんに本質を伝えることであって、その本質を語るための周りの部分はどうでもいい。もちろん役を演じるうえでは大事なことだけれども、そこから出発するのではなく、お客さんに何かを届けるために最後に必要になる部分。役の心理を深く読み込んで、自分自身とリンクさせるやり方とはまったく逆の方向からの役作りを求められているんだなと強く感じました」そうやって取り組む中で、彼女自身の楽譜の捉え方や音楽の表現も少し変わったという。感情を無にして歌うことで新しいものが見えてきた。「私は表現イコール感情だと思っていたところがあったのですが、じつは表現はもう楽譜に書かれていて、楽譜をきちんと歌っていけば、そこに表現が生まれてくる。それが音楽の本質なんじゃないか。感情はあとから乗ってくればいい。これも今までのやり方とは逆の、私にとって新しいことであり、必要なことだと思っています」つう役は声楽技術的にはけっしてハードルが高くはないが、表現は難しく、師の高橋大海からも「歌い手として熟してから歌わないとダメ」と釘を刺されていたという。それがまさに今。岡田とともに、新しいつう像を生み出してくれそうだ。(文・宮本明)
2021年10月18日日本オペラの金字塔、團伊玖磨《夕鶴》を劇作家・岡田利規が演出、主役つうにソプラノの小林沙羅が初挑戦する話題の舞台の上演まで1か月。「全国共同制作オペラ」の記者会見が開かれた(9月28日・東京芸術劇場)。岡田利規は海外でも評価の高い、現代の日本を代表する演劇人。これがオペラ初演出だ。岡田「オペラの演出とは何をすることなのかを見つけたいと思っている。音楽は抽象的な表現形式と思っていたが、じつはオペラは、物語や意味、登場人物の心理など、ほぼすべてを音楽が寄り添って描写していて、そこに演出が関わる必要がない。僕はそこに関わるのが演出だと思っていたので、では代わりに何をするのか。それを見つけられたら楽しい。片鱗は見つけつつある」《夕鶴》は1952年の初演以来、800回以上(2011年の集計)という破格の上演回数を誇る国民的オペラだ。「鶴の恩返し」や「鶴女房」として親しまれている民話をもとにした物語。岡田はそれを現代の私たちの物語として描く。岡田「資本主義に絡め取られてずぶずぶになっていく人間たちに問いかける。そういう物語」そのために、つうの亭主である〝普通の人間〟の与ひょうをキーパーソンとして、われわれ観客を彼に投影する。これは音楽的にも理にかなっているはず。オペラは管弦楽の前奏に出る「与ひょうの主題」で始まり、最後も同じ主題で幕を閉じる。《夕鶴》は与ひょうの物語でもあるのだ。舞台装置も衣裳も現代的。台本にはないダンサーも出演して表現の幅を広げる。つう役の小林沙羅は、中学生の頃からいつか演じたいと憧れていた念願の役だと語る。しかし、ずっとふくらませてきたこの役のイメージを、岡田との稽古のなかでいったんリセットして、ゼロから作り上げているのだそう。小林「今まで感情で歌ってきたのを、感情を一度無にして、そこからどう作っていこうかと歌い出すと、歌も変わってくるし、今まで見えなかった《夕鶴》の面白さがたくさん見えてきている」与ひょう役には美声のテノール与儀巧。与ひょうをそそのかす運ず役と惣ど役に寺田功治(バリトン)と三戸大久(バス・バリトン)。ダンスに岡本優と工藤響子。《夕鶴》は、10月30日(土)の東京芸術劇場コンサートホールを皮切りに、愛知県刈谷市(2022年1月)、熊本市(同2月)と全国3都市を巡演する。指揮は辻博之(東京)と鈴木優人(刈谷、熊本)。(文:宮本明)
2021年09月29日オペラ(OPERA)から、新作アイメイク「カラーリングマスカラ」と「アイカラーペンシル」が登場。2021年11月19日(金)より、プラザ(PLAZA)・ミニプラ(MINiPLA)にて先行発売される。“夢見るカラーアイメイク”を提案<夢見るカラーアイメイク>をテーマにした新作は、自然界にある“うっとりする色”に着想した、抜け感のあるカラーアイメイクを提案。ファッションやムードに合わせて、アイメイクも気軽に“色チェン”できる、豊富なカラーバリエーションを揃えているのも魅力的だ。「カラーリングマスカラ」「カラーリングマスカラ」は、ひと塗りで、見たままの発色を叶えるカラーフィルムマスカラ。鮮やかな発色ながらも、洗練された色づきで、つけたての美しいカラーが一日中持続。また繊細で短いまつ毛も残らずキャッチするスリムブラシを採用しているため、根元から毛先までしっかりと色づけて、一本一本際立つ美しい仕上がりを叶えてくれる。カラーラインナップ気になるカラーは、空や大地、可憐な花々にインスパイアされた全5色。いずれもカラーパールがもたらす繊細な奥行きで、抜け感のある眼差しを演出してくれる。01 ディープパープルさりげない色っぽさが深く繊細にゆらめく、ダークトーンのパープル02 コッパーブラウン可憐さと存在感が同居する、光で明るくきらめく洒落ブラウン03 ブルー冴えた空のような自由なムードをまとえる、軽やかでクリアなブルー。04 ダスティピンクほのかなくすみ感が、大人っぽい可愛さのエッジーピンク05 テラコッタオレンジ<限定色>ヘルシーなオレンジに、テラコッタの赤みをブレンドした垢抜けカラー「アイカラーペンシル」一方「アイカラーペンシル」は、色とりどりの繊細なカラーパールを高配合した、繰り出しペンシル型アイライナー。自然に艶めくカラーラインは、ワンストロークでラインを描くのはもちろん、ほんのりぼかしてアイシャドウとして楽しむのもおすすめだ。また汗やこすれに強いウォータープルーフ処方のため、一日中“よれない”きれいな発色もキープしてくれる。カラーラインナップカラーは、大人可愛いカラーメイクが楽しめる全5色。肌に溶け込むようなグロウな質感で、プレイフルなムードをプラスしてくれる。01 ブラウンレッドブラウンニュアンスで品よくなじむ、エッジィな深みレッド02 ピンクグロウ艶っぽく煌めき自然と馴染む、大人可愛いグロウな抜け感ピンク03 マンダリン熟れた果実のような渋みが大人っぽい、ビタースイートなつやめきオレンジ04 シマーホワイト<限定色>濡れて煌めく朝露のように、冷たくアイシーな抜け感ホワイト05 イノセントゴールド<限定色>繊細なパールが優しく瞬く、柔らかなくすみ感が洗練されたゴールド【詳細】・カラーリングマスカラ 全5色(うち限定1色) 各1,650円・アイカラーペンシル 全5色(うち限定2色) 各1,650円先行発売日:2021年11月19日(金)~プラザ、ミニプラ、イミュ公式オンラインストア【問い合わせ】イミュカスタマーセンターTEL:0120-371367
2021年09月12日透明感と深みを両立イミュ株式会社の展開する化粧品ブランド「オペラ」から、「リップティント N」の新色が2021年9月8日(水)から発売された。秋の新色は夢見心地のアースカラー「Dreaming Earth」をテーマに、自然界にある色からインスパイアを受けたダークニュアンスカラー4色だ。光や影を受けて表情を刻々と変えるナチュラルでドラマティックな自然界の色を使い、こっくりと豊かな深みと透明感あふれる質感で唇を魅力的に演出する。人気ブラウンカラーの復刻も新作のカラーラインナップは、果実やナッツの色を思わせる「10 ボルドーブラウン」「11 フィグ」「12 プラムピンク」「13 トープ」の全4色で、価格は各1,650円(税込)。「10 ボルドーブラウン」は、シックなブラウンに、果実のような赤みを差した、透明感溢れる可愛いダークカラー。2021年1月21日に限定発売され即完売した203「ブラウンフィグ」の復刻色だ。透明感のある発色が1日続き、植物性のスクワランを高配合し、かさついた唇にも塗りやすく、潤いをキープする。マスクに色移りしにくいティント処方で、無香料のため香も気にならない。(画像はプレスリリースより)【参考】※オペラ スペシャルサイト
2021年09月09日柔軟な表現力と、それを可能にする巧みな技術。彼女の歌を聴くといつも幸福な気持ちになる。ソプラノの森麻季がライフワークとして取り組むリサイタル・シリーズ「愛と平和への祈りを込めて」が今年も9月に行われる[9月12日(日)東京オペラシティコンサートホール]。2001年9月、ワシントン・ナショナル・オペラ《ホフマン物語》にオランピア役で出演しているとき、米国同時多発テロに遭遇した。数年後、広島の原爆記念公演で歌った舞台上で、抑えきれずにさまざまな思いが込み上げてくるのを経験して、節目ごとに祈りの気持ちと向き合うこの企画を準備。スタートしたのは、はからずも2011年、東日本大震災の半年後の9月だった。「今年で11回目。その間も毎年のように、どこかで災害があったり、海外では戦争が起こったり。それなのに私たちは忙しい毎日の中で、それに向き合う機会がなかなかありません。音楽を通して、つらい体験をされた方々に思いを馳せ、一緒に前を向いて生きる気持ちになれるような、一人ひとりが平和に感謝する2時間にしていただければと願っています」今回はアニヴァーサリー・イヤーの作曲家を軸に据え、ロシア音楽も初めて集中的に取り上げる。「このリサイタルは毎回、新しいことに挑戦する緊張感もあって、私自身の1年の節目になっています。今回もほとんどが初めて取り組む作品ばかり。ツェムリンスキー(生誕100年)の《トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌》は、コンサートではあまり演奏されないけれど、とても素敵な歌です。ロシアの音楽は憂いや悲しみがあって、日本人の琴線に触れる魅力があります。あえてヴォカリーズを2曲。有名なラフマニノフの《ヴォカリーズ》とグリエールの《コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲》。グリエールは一度聴いてすっかり惚れ込んでしまいました。旋律だけで聴く方それぞれの情景を浮かべながら、ロシアの音楽の魅力を楽しんでもらえたらと思います。でもこのプログラム、聴いているぶんには素敵なのですが、全部を歌い切るのはかなり大変なんです(笑)」コンサートには「虹の彼方に」という副題が付けられている。「虹は幸運の印。アメイジング・グレイスからストラヴィンスキーまで、虹のように色とりどりのキャラクターの曲を楽しんでいただけると思います」雨が降るから虹が出る。彼女の歌が美しい祈りの虹を架けてくれるはずだ。(宮本明)
2021年08月13日劇団四季によるミュージカル『オペラ座の怪人』。その制作に携わるプロフェッショナルに密着します。ここでは、“衣裳”の制作スタッフに注目!俳優が自身の役に没入できるよう衣裳でサポート。ミュージカル『オペラ座の怪人』が日本に上陸して30年以上。長く愛され、何度もロングランされている作品だけに、衣裳も丁寧なメンテナンスが必須とされる。「主役の怪人のマントは初演時のものが今も使われています。俳優が大切に扱ってくれているおかげもありますが、重要なのは日々のメンテナンス。クリーニングは月に2回専門業者に依頼。男性のワイシャツなどは、俳優にも手伝ってもらいながら終演後に劇場の洗濯機で洗っています」ドレスの装飾のビーズが一つ取れただけでも、舞台の機構に挟まり故障や事故に繋がる可能性が。そのため公演の前後の時間はつねに補強や修繕に充てているそう。また本番中、常時舞台袖にスタンバイし、俳優の早替えの手伝いを行うのも衣裳さんのお仕事。「畳み方にも着替えやすい工夫があります。ドレスはドーナツ型に畳んでおき、中心に俳優が入るだけで着られるようになっていたり。大人数が同時に着替える場面では、俳優同士で着せつけてもらう場合も。着替えの段取りを覚えてもらうよう、開幕前に早替え稽古というのもしています」当然、傷めば新調することも。「新調する時は、デザインを変えず今までより高いクオリティのものを目指しています。俳優が芝居により集中できるよう、スカートに入っている針金をカーボンに替え軽量化したり、裏地を通気性のあるメッシュ素材にしたり。ただ、重量感が出ないと見た目が安っぽくなることもあるので、そのバランス感が重要なんですが」本作の衣裳チーフに就いてから、あらためて19世紀のヨーロッパの服飾史を学んだという村上さん。「調べると、いかに史実に忠実なデザインかわかります。とくにカルロッタ(オペラ座のプリマドンナ)には当時の最新ファッションが取り入れられている。そこに彼女のプライドの高さやおしゃれに敏感な性格が表れているんです」今の仕事に就いたのは、幼い頃の観劇体験が根底にある。「過去の自分のように、私も新たな一歩を踏み出す誰かの手助けになれていたらいいなと思います」ロングラン公演に対応できるよう、劇団四季ならではの工夫も。ロングラン公演を行っているため、劇団四季では一つの役を複数の俳優が演じている。そのため、一つの衣裳を複数キャストが着回せるよう複数のホックを付け、いろんな体型に対応。写真のピンクとブルーのドレスは、「マスカレード」の場面のクリスティーヌのもの。衣裳部屋にあるミシンは必ず糸がかけてあり、不測の事態が起きた時すぐに縫えるようにしている。【本番!】写真・荒井 健作品で使用される衣裳の数々。なかには重さが約7kgもあるドレスも。衣裳デザイン画。日本初演時、この絵を元に衣裳が製作された。衣裳部屋は床山部屋の並び。劇団四季 ミュージカル『オペラ座の怪人』19世紀半ばのパリ。オペラ座に隠れ住む怪人(=ファントム)と、彼がその才能を見初めた歌姫クリスティーヌをめぐる壮大なラブストーリー。現在、清水建設ミュージカルシアター JR東日本四季劇場[秋]にて上演中。2022年1月10日千秋楽。写真・阿部章仁村上佳穗さん劇団四季 舞台美術部 衣裳所属『オペラ座の怪人』衣裳チーフ。幼い頃に舞台衣裳の仕事に憧れ、服飾の学校へ進学。在学中から小劇場の衣裳を手がけ、卒業後に専門学校を経て現職。入団8年目。※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年08月13日ヨーロッパで大人気のファンタジー、子どものためのオペラ《ゴールド!》~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり(レオナルド・エヴァース作曲)が8月12日(木)・13日(金)に上演される(東京芸術劇場シアターイースト)。東京都と都響主催のサラダ音楽祭の一環。2012年にオランダで初演された作品で、これが日本初演。貧しいヤーコプが不思議な魚を助けたことから始まるさまざまな奇跡と「幸福」をめぐる家族の物語。原作はグリム童話の『漁師とおかみさん』で、主人公の漁師が男の子に替えられている。演出と日本語訳を手がけるのはドイツを拠点に活躍する演出家・菅尾友。「ドイツでは本当にどこに行っても上演されているという感じで、多くの劇場がそれぞれ独自のプロダクションを作っています。頻繁に取り上げられるだけあって、よくできているんです。オペラの入口として非常にわかりやすいうえに、いろいろ考える契機になる深い作品だと思います」というように、「考える」がポイント。優しくてわかりやすいことはもちろん大事だけれど、必要なのは子どもたちがそこから何を感じるか。「この作品は自分に何を問いかけているのだろう?」と考えるところまで広がってほしいのだと語る。「もっとオペラを見てみたい、また劇場へ行ってみたいと思ってくれるのが、僕としては一番うれしいこと。子どもたちだけでなく、一緒に見る大人も楽しめるように作りたいですね」《ゴールド!》では、客席が参加する場面もあって、会場は一体となって盛り上がる。「会場の子どもたちが波の音を作ることが、楽譜に指定されています。ただ、実際にどんな音をどうやって出すかは上演する側にまかされているので、いろいろ工夫したいと思っています」出演者はソプラノの柳原由香と打楽器の池上英樹の二人だけ。「柳原さんはオペラ歌手なのですが、ドイツでは演劇の公演にも出ているぐらい、演技力も非常に素晴らしい方で、この作品に適役です」オペラはけっして古くないと力を込める。「じつはオペラには新しい作品がどんどん生まれています。新しい、すごく生きた表現が試されているジャンルなんですね。その『いま』の作品に肌で触れていただくチャンス。ぜひご覧ください」夏休みの旅行はまだ計画しづらい状況だけれども、《ゴールド!》は、本当の幸福というものについて、一緒に考える機会を与えてくれる、絶好の家族イベントになりそうだ。(宮本明)■子どものためのオペラ『ゴールド!』~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり8月12日(木)・13日(金) 東京芸術劇場シアターイースト※チケットは予定枚数終了■音楽祭メインコンサート8月13日(金) 東京芸術劇場コンサートホール子供のためのオペラ『ゴールド!』のチケットは予定枚数終了。音楽祭メインコンサートはチケットぴあにて8月11日(水)18時まで販売中。
2021年08月06日ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET=メト)の世界最高峰の最新オペラ公演を大スクリーンで楽しむMETライブビューイング。毎年夏の恒例となっているアンコール上映が、今年も東劇/シネ・リーブル池袋にて開催されることが発表された(池袋では初上映)。ミュージカル『ライオン・キング』の演出で知られるジュリー・テイモアによるモーツァルトの『魔笛』や、恋の騒動を描いたレハールのロマンティック・コメディ『メリー・ウィドウ』など、オペラ・デビューにぴったりの作品が楽しめるのは嬉しい限り。さらには、コロナ禍によって1年半の休館を余儀なくされたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET=メト)が、本年9月の再オープンを発表したこともビッグニュースだ。まずは、オペラ三昧が楽しめる「アンコール上映2021」に期待したい。『魔笛』(c)Richard Termine/Metropolitan Opera●METライブビューイングアンコール2021 9/3(金)~9/23 (木・祝)東劇 (東京/東銀座) 13作上映シネ・リーブル池袋(東京/池袋)10作上映
2021年08月04日日本を代表するオペラ歌手たちがオペラやクラシックの名曲を届ける配信番組「うたすき! 届けたいうたがある」が、8月13日(金)に配信されることが発表になった。番組に出演するオペラ歌手の嘉目真木子(ソプラノ)、声優で歌手の新田恵海が番組について語った。第1回目となる今回は、“魔法少女はオペラの夢を見る!?”をテーマに選曲されたガラコンサート形式の音楽番組で、普段のコンサートでは叶わない構成とアーティストたちの組み合わせが実現。「魔法少女まどか☆マギカ」や「ファンタジア」にも登場する「アヴェ・マリア」のグノー版とシューベルト版の聞き比べや、モーツァルトの傑作オペラ『魔笛』などをピアノの演奏と歌で聴かせる。歌を披露するのは嘉目をはじめとする、種谷典子(ソプラノ)、市川浩平(テノール)、杉浦隆大(バリトン)の4人のオペラ歌手。嘉目は、「安心して共演できる仲間たち。歌の実力はもちろんですが、オペラに出てくる登場人物を演じ分けられる個性的な方ばかりです」とニッコリ。宮本亞門演出のオペラにも多く出演している嘉目は、今年9月上演予定の『魔笛』でヒロイン、パミーナを再演する。番組でもパミーナ役で「愛を感じる男の人たちには」を披露。すばらしい歌声を先取りで堪能することができる。音楽大学声楽コース出身の新田が、番組MCを務める。一番好きなオペラ作品は『魔笛』で、大学時代は「夜の女王のアリア」を試験で歌ったこともあるそうだ。「このような配信番組でオペラ歌手の方とご一緒するのは初めて。オペラをどんな気持ちで歌われているのか、作品の好きなところとか。オペラを知らない方でも楽しめるようにお話をお聞きできたら」と意気揚々。トークコーナーでは普段聞けない話も飛び出しそうだ。嘉目は『魔笛』の他に、ドヴォルザーク『ルサルカ』の「月に寄せる歌」も披露。「ピアノがすごく流麗で、まるで水のせせらぎのような音階になっているので、そこにも注目していただけたら」と見どころを紹介した。今回ピアノ演奏を担当するのは、キーボーディストの園田涼。「初めてのリハ-サルで、“お、そうくるのかって(笑)”。アプローチの仕方がクラシックと違ってすごく面白かったです」と畑が異なる初共演の化学反応も楽しみだ。嘉目は「クラシックにはお堅いイメージがあると思う。でも意外とそんなこともなくて、日常にあふれている音楽が多かったりするし、気軽に楽しんでいただけるものと伝われば」と番組をアピール。新田は、「コンサートホールで生のクラシックを全身で味わえるその日まで、この番組でクラシックを好きになってもらえたら嬉しいです」と締めくくった。
2021年07月16日大胆な読み替えが大きな話題を呼んでいる。新国立劇場のオペラ2020/2021シーズンを締めくくる新制作のビゼー《カルメン》が幕を開けた(7月3日初日)。斬新な演出でカルメンをロック・シンガーに仕立てたのはスペインのアレックス・オリエ。バルセロナ五輪の開会式も手がけた彼のオペラ演出は、一昨年、新国立劇場と東京文化会館がタッグを組んだプッチーニ《トゥーランドット》のスペクタクルな舞台でも強烈な印象を残した。第1幕はセビリャの衛兵詰所でも女工たちの働く煙草工場でもなく、鉄パイプで組まれた野外ライヴの特設ステージ。ホセたちが所属する日本の警察が配置されている。カリスマ・シンガーのカルメンは、胸元や手足にタトゥーを入れ、60年代風のドット柄の真っ赤なミニのドレス。マイクに向かって〈ハバネラ〉を歌う。さしづめ彼女の最大のヒット曲というところか。オリエによれば舞台の設定は現代の日本。東京で開催されるスペイン・イベントで闘牛のエキシビジョンが行なわれ、スペインからエスカミーリョやカルメンがやってきたのだ。現実の闘牛士もオフはもちろん私服だろう。第2幕の酒場リーリャス・パスティアに強面スーツで現れたエスカミーリョは、客たちに請われて矢沢永吉ばりのマイク・パフォーマンスで〈闘牛士の歌〉を歌う。第3幕はライヴ終演後の舞台裏。ステージ衣裳を着替えたカルメンがギターを爪弾きながら曲作りをする傍らで、ダンカイロたちが機材ケースに大量の白い粉を隠している。麻薬の密輸だ。警察はこれを捜査していたのか!最終場の闘牛イベント。歓呼の合唱に迎えられるのは闘牛士の行進ではなく、レッド・カーペットを歩く招待タレントたち。そして最後にエスカミーリョが、今度こそリアルな闘牛士の衣裳で、カルメンを連れて現れる。背後にホセの姿が不気味に浮かぶ……。奇抜ではあるが奇を衒ったいやらしさはない。なにより、案外わかりやすい。オペラ通も、初めて《カルメン》を見る人も、一級のエンタテインメントとして屈託なく楽しめるはず。題名役はフランス人メゾ・ソプラノのステファニー・ドゥストラック。フランス・オペラ、なかでもカルメンを最も得意とする注目歌手だ。豊かな声と繊細な表現力、そして大胆なコスチュームに負けない均整のとれたスタイルで、聴衆の耳と目を独占する。奔放なカルメンと対照をなす可憐なミカエラを歌った砂川涼子も充実の好演。ドン・ホセに村上敏明、エスカミーリョにフランスのバリトン、アレクサンドル・ドゥハメル。指揮はオペラ芸術監督の大野和士。東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、TOKYO FM少年合唱団の出演。いわゆるオリジナル版にあたる、セリフを多用したアルコア版(エーザー版)を用いての上演で、さらに歌の部分をセリフに変えるなどの改変を追加しているとのこと。7月19日まで。(宮本明)
2021年07月05日オペラ(OPERA)人気の「リップティント N」に、“アースカラー”の新定番色が仲間入り。2021年9月8日(水)より全国発売となる。オペラ「リップティント N」に“夢見心地”アースカラー「リップティント N」は、ひと塗りで美しい発色とふわっと柔らかなツヤ、透けるような質感を叶えてくれるリップスティック。唇そのものが色づいたかのような自然な血色感が魅力的で、ティントタイプなのでキレイな色が落ちずに長くつづく。植物性スクワランを高配合しているため、リップクリームのような塗り心地でストレスフリー。乾燥した唇にもスルスルと広がって、なめらかにフィットしてくれる。新色は「ドリーミング アース(Dreaming Earth)」をテーマに、自然界から着想した4色を揃えた。こっくり豊かな色味にダークニュアンスを効かせたカラーは、どれも“うっとりとした”気持ちにさせてくれる。カラーは全4色展開で、いずれも新定番色として、オペラのリップコレクションに加わる。オペラ リップティント N 新色4色10 ボルドーブラウン:シックなブラウンに、果実のような赤みを差した、透明感溢れる可愛いダークカラー。(限定色「ブラウンフィグ」の復刻カラー)11 フィグ:熟れたイチジクのようなピンクニュアンスのレッド。深みのある甘すぎない、果実の色。12 プラムピンク:青みピンクに、くすみニュアンスを足した大人のためのシックなプラム色。13 トープ:ナッツのようにほろ苦く、日差しのきらめきを感じる洗練ブラウンベージュ。<おすすめの使い方>1) 唇に2~3度塗りし、いつもより濃く塗る。2) 唇をすり合わせ、よく馴染ませる。3) 唇の上のオイル成分をティッシュに移すイメージで、軽くオフする。【詳細】オペラ リップティント N 新色4色 各1,650円(税込)発売日:2021年9月8日(水)取り扱い店舗:全国のバラエティショップ、イミュ公式オンラインストア【問い合わせ先】イミュ株式会社TEL:0120-371367(フリーダイヤル)
2021年06月07日東京芸術劇場、愛知・刈谷総合文化センター、熊本県立劇場が2021年全国共同制作オペラ「團伊玖磨 歌劇『夕鶴』」を新制作、および2021年10月から2022年2月にかけてそれぞれの劇場で上演することが決定した。本作は、木下順二の戯曲『夕鶴』をもとに團伊玖磨が作曲したオペラ。彼のオペラ作品の中で最も上演回数が多く、聴衆から愛され続けているこの作品を團伊没後20年記念として新演出で披露する。今回、この名作を手がけるのはオペラ初演出となる岡田利規。チェルフィッチュを主宰し、現代演劇の旗手としてヨーロッパの劇場から定期的に招聘されるなど、国内外で演劇・芸術・文学と多岐にわたる活動を続ける岡田が、これまでとは全く異なる新しい21世紀の『夕鶴』を創出する。出演は、2009年全国共同制作オペラ「トゥーランドット」(リュー)で頭角を現し、近年も野田秀樹演出の「フィガロの結婚」においてスザ女(スザンナ)役で高い評価を受けた小林沙羅が満を持して“つう”初役として登場。幼少期からバレエ、日舞などを習得してきた彼女の経験が活きた表現に期待が募る。さらに、今回の演出上でキーマンともいえる“与ひょう”には与儀巧が同じく初役として登場。天性の輝かしい声を持つ今が旬の寺田功治が“運ず”役でシリーズ初登場、さらに当シリーズに数多く出演し、歌って演じる歌手・三戸大久が“惣ど”役として脇を固める。指揮は、全国共同制作オペラで長年指揮を務める辻博之が10月の東京公演に登場。1月の愛知公演、2月の熊本公演には、バッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者でオルガン奏者、演出家、作曲家、プロデューサーと各方面で活躍する鈴木優人が参加する。歌劇『夕鶴』は2021年10月30日に東京公演を終えた後、2022年1月30日に愛知公演、2月5日に熊本公演を実施。うち、東京公演のチケットはすでに一般発売が開始されている。演出、出演者ともに最強の布陣で挑む、新演出の『夕鶴』に期待してほしい。團伊玖磨/歌劇『夕鶴』(新演出)10月30日 (土)14:00 開演会場:東京芸術劇場コンサートホール指揮:辻博之演出:岡田利規出演:小林沙羅(ソプラノ)、与儀巧(テノール)、寺田功治(バリトン)、三戸大久(バスバリトン)
2021年06月02日現代を代表する作曲家カイヤ・サーリアホ(1952-)のオペラ『Only the Sound Remains-余韻-』の日本初演が目前だ(2021年6月6日:東京文化会館)。フィンランド出身の作曲家カイヤ・サーリアホの作風は、基本の管弦楽に電子音響が加わった視覚的なイメージを想起させる独特なサウンドにあり、彼女の作品は世界の主要オーケストラや歌劇場等で常に取り上げられる、極めて注目度の高いアーティストの1人だ。今回日本初演される『Only the Sound Remains-余韻-』は、能を題材に書き上げた4作目となるオペラ作品で、2016年にアムステルダムで世界初演され、その後、パリ・オペラ座など欧米でも上演されて絶賛された話題作だ。日本初演においては、新進気鋭の演出家アレクシ・バリエールと人気実力ともにトップクラスの振付家森山開次らを起用したヴェネツィア・ビエンナーレ等との国際共同制作による新しいプロダクションが披露される。サーリアホの持つ独特の世界観、そして、日本の伝統文化にも見出すことができる無限の空間を舞台、音楽、ダンス、映像の融合によって体現される刺激的なステージは見逃すことなかれ!■公演情報6月6日(日)東京文化会館大ホールオペラ『Only the Sound Remains -余韻-』
2021年06月02日6月26日(土)ザ・プリンス パークタワー東京にて「ハンサム四兄弟プレミアムディナー&コンサート」が開催される。「ハンサム四兄弟」は日本のオペラ界を代表するバリトンの宮本 益光(長男)、与那城 敬(次男)、近藤 圭(三男)、加耒 徹(四男)の4人で結成されている。今回の公演では「ハンサム四兄弟」として初めてディナー付きのコンサートを開催。当日は「ハンサム四兄弟」のアイデアを反映した本公演限定のスペシャルカクテルも提供される。ホテルならではの料理と飲みものを広々としたコンベンションホールで堪能した後、バカラのシャンデリアが煌めくボールルームへ会場を移し、コンサートを楽しめる構成となっている。新型コロナウイルス感染防止対策としてプリンスホテル独自に衛生・消毒基準を設けた「Prince Safety Commitment(プリンス セーフティー コミットメント)」に則って、観客に安全で清潔な空間で快適に過ごせるように準備されている。ディナー会場、コンサート会場ともに、テーブルや座席はソーシャルディスタンス確保のため、ゆったりと配置されている。公演のチケットと宿泊がセットとなっているプランも販売。ディナーとコンサートを楽しんだ後、歌声の余韻をそのままに宿泊も可能。(翌朝朝食付き)「ハンサム四兄弟」は普段バリトンという同じ声域で活動しているため、4人がそろって行うコンサートは非常に貴重な機会。歌唱のみならず、容姿、キャラクターを活かし、“ハンサムなバリトン4人”として結成された「ハンサム四兄弟」の公演は絶妙なトークにも定評があり、誰もが楽しめるクラシックコンサートではないだろうか。現在、チケット発売中。
2021年05月20日『オペラ』で大人気のリップティントシリーズから、5月19日に初夏限定色が発売。どことなく色気漂うヌディーカラー2色なので、発売前から売り切れの予感です。さらに『オペラ』がオススメする、マスクに色移りしにくいリップの塗り方もご紹介します。オペラ「リップティント N」から初夏限定色が2色発売!『オペラ』のリップティントシリーズは、発売当初から爆発的人気を誇っています。限定色は売り切れで手に入らないことも…そんな『オペラ』から、5月19日、初夏に向けた限定色が2色発売されます!初夏限定色は、さりげない色気と今っぽい可愛さが共存する、ヌーディなベージュとオレンジ。ひと塗りで美しく発色するのに、決して“濃く”感じさせない、透ける質感です。「リップティント N」は、唇の水分に反応して血色感を引き出すティント処方だから、マスクに色がつきにくく、自然な血色感が落ちずに続くので、ニューノーマルなライフスタイルにマッチします。まるでリップクリームのように、乾燥した唇にもスルスルとなめらかに伸び、内側から湧き出るような色っぽさを演出。ふわっと柔らかそうな唇で、思わず触れたくなるような仕上がりになります。オペラ リップティント N限定色 全2色 108グラムベージュ/109ヌードオランジェ 各¥1,6505月19日限定発売オペラ「リップティント N 限定色 108 グラムベージュ」「グラムベージュ」は、ヌーディなベージュに、ピンクのピグメントとイエローラメで温かみをプラス。媚びないオトナな色っぽさが漂う、グラムなヌードカラーです。オペラ「リップティント N 限定色 109 ヌードオランジェ」「ヌードオランジェ」は、自然な官能を感じるヌードなオレンジに、ちらっと光るピンクラメ。肌にスッとなじむので、さりげない色気とピュアな可愛さが魅力的です。マスクにつきにくいオススメの使い方『オペラ』がオススメする、マスク着用時でもリップがマスクにつきにくい使用方法ををご紹介します。1. リップティントを唇全体にまんべんなく、2~3度いつもよりたっぷりと濃いめに塗る。2. 「ん〜 ぱっ」と、唇の上下を合わせてリップをなじませる。3. ティッシュを優しく唇にあてて、表面のオイルをオフした後、マスクを着用する。塗った後にティッシュオフすることで、マスクへの着色を劇的に減らすことができます。マスク着用前の数秒でできるので、ぜひ試してみてください。リップティントでマスク生活をストレスフリーに過ごしましょう!マスクで口元が隠れる機会が多いけど、ドリンクを飲む時などマスクを外すこともあり、アイメイクとのバランスを考えると、リップは塗っておきたいもの。『オペラ』から発売される、初夏限定のリップティントで、夏のマスクメイクを楽しみましょう!【参考】5月19日(水)限定発売。オペラ「リップティント」の初夏限定色は、“粘膜カラー”。さりげない色気と旬の可愛さが共存する、ヌーディなベージュとオレンジ。‐PR TIMES文・三谷真美
2021年05月15日今や、発表されている公演の中止やキャスト変更が日常茶飯事のオペラ界だが、新国立劇場で4月18日(日)に初日を迎えるドニゼッティの《ルチア》は、予定されていた主役二人と指揮者の来日が実現した。ルチア役を歌うイリーナ・ルングに、14日間の厳しい待機(隔離)を経てついに翌日からリハーサルというタイミングで話を聞いた。ロシア出身だがイタリアに住み、ヨーロッパの一流歌劇場を中心に活躍しているソプラノだ。「オペラ歌手にとって独りで過ごす時間は珍しくありません。家族から離れ、旅から旅へというのが私たちの生活です。声を節約するために誰とも話さないで何日か過ごすこともあります。しかも私が住んでいるイタリアはロックダウンを繰り返し、何ヶ月もの間ほとんど外出ができない状態でしたから、ここ東京での隔離期間はそれほど苦になりませんでした。普通に聴衆が入っている劇場で最後に歌ったのは去年3月のことです。それ以降は極端な人数制限か、無観客のストリーミングで歌ってきました。観客を前にして再び歌える喜びは大きいです」ベルカント・オペラと呼ばれる、高度な歌唱技術が必要なレパートリーを歌える数少ないプリマ・ドンナの一人である。「ベルカント歌手は舞台の上でまったく動かずに歌だけ歌ったとしてもドラマを表現できねばなりません。コロラトゥーラという装飾歌唱を始めとする多彩なテクニックで、主人公のドラマを歌で表現するのです。《ルチア》はベルカント・オペラの最高峰。特に正気を失ったルチアが歌う〈狂乱の場〉と呼ばれる場面は、歌手にとってはもっとも難易度が高いですが歌い切った時の喜びは格別です。お客さんにとってはロマンチックな場面も多いですし、最高に美しいメロディーにあふれているので、オペラを知らない方にも魅力がよくわかる作品だと思います」無事に初日が開いたら日本の春を楽しみたいそうだ。「それから大好きなラーメンを食べて(笑)、日本の化粧品を買いたいです。ロシア女性は美容にはとても気を使うんですよ」劇場は舞台と客席のエネルギーの交換の場だという。「世界の演劇に改革をもたらしたといわれているロシアの演劇人スタニスラフスキーは『劇場はクロークから始まっている』と言ったそうです。観客は劇場に入る時に、“日常”というコートを脱ぎすてて別世界に入っていくという意味です。ぜひ劇場に来てください。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています」インタビュー/記事井内美香
2021年04月15日新国立劇場の新制作公演、ストラヴィンスキー《夜鳴きうぐいす》とチャイコフスキー《イオランタ》のダブルビル(二本立て上演)が4月4日(日)に初日を迎えた。入国規制のため演出のヤニス・コッコスが来日できず、パリからのリモート演出で作り上げた舞台。《夜鳴きうぐいす》はストラヴィンスキーの最初のオペラ。アンデルセンの童話が原作の短編で、人々の心を癒す鳴き声を持つ不思議なうぐいすが、最後にはその歌声で瀕死の王をも救う。その声は「真の芸術」の象徴でもあり、まやかしの芸術を象徴する機械仕掛けのメカうぐいすとの対峙も描かれる。三宅理恵(ソプラノ)のうぐいす役が大正解。いわば「声」そのものが主役という、歌い手の真価が問われそうな難役。透明感のあるやわらかなリリコに巧みなコロラトゥーラも織り交ぜて鮮やかに歌いきり、劇中の神秘の鳥さながらに、聴き手の心を癒してくれた。物語の案内人である漁師役の若いテノール伊藤達人の安定した美声も印象に残った。一方の《イオランタ》はチャイコフスキーの最後のオペラ。生まれながら目の見えないイオランタ姫が、偶然に出会った騎士ヴォデオンによって愛と光の世界を知り、二人は結ばれる。題名役のソプラノ大隅智佳子が終始圧倒的な存在感を示した。しっかりしたボディのある豊潤な声がじつに心地よく響く。父王ルネの妻屋秀和も貫禄の歌唱。ロシア・オペラらしい深いバスの魅力を見せつけてくれた。演出家コッコスは劇場サイトで公開されている「オペラトーク」で、時代も音楽の性格も異なるこの2作品は一見まったく似ていないが、その共通性にすぐに気づいたといい、2つのオペラがひとつの舞台作品となるよう、美術的な観点からも密かな橋渡しを施したと語っている。それを踏まえて舞台装置を眺めれば、両作品に通底する、類似の、あるいは不変のさまざなモチーフが仕掛けられているのに気づくはずだ。ゼロから新たに作り上げる新制作上演だけにリモートでの演出には困難もあったろうが、そんな、ダブルビルの「意味」を滑り込ませた心憎い演出。音楽的にも、知的な音楽作りに定評ある高関健のタクトが鮮やかに織りなすストラヴィンスキーとチャイコフスキーのコントラストが、まるであらかじめひとつの作品として意図されていたかのような錯覚さえ覚える。これもコッコス・マジックゆえかもしれない。2作品ともおとぎ話なので、退廃的な悲恋も愛憎渦巻く殺人も出てこない。表現主義絵画から飛び出してきたような2次元風の舞台美術やカラフルな衣裳も幻想的で、小さな子供でもまったく抵抗なく楽しめそうな、素敵なプロダクションだ。新国立劇場の《夜鳴きうぐいす/イオランタ》はこのあと4月6日(火)、8日(木)、11日(日)。初台の新国立劇場オペラパレスで。(宮本明)
2021年04月05日テノールの西村悟が新境地、ドイツ歌曲の世界に臨む。自身初のリート・リサイタル[3月31日(水)Hakuju Hall]でベートーヴェンの歌曲集とシューマン《詩人の恋》を歌う。コロナ禍による活動停止中、自宅でひたすら自分の声と向き合ううち、テクニックの進化に気づいたと語る。「声のコントロールです。若い頃はオケに負けない声の“圧”を出すことが前提でしたが、声を繊細に操るテクニックが身につき始めていることに気づいた。そんな自分の声だけで表現することに魅力を感じて、だったら歌曲を歌ってみようと」学生時代からイタリア・オペラひとすじだった西村。数年前から、宿命が彼をリートの世界に導いていたようだ。まずは2017年にびわ湖ホールの《ラインの黄金》でローゲを歌ったこと。「沼尻竜典さんのご指名。初のドイツ語オペラでした。ローゲはすべて語り口調のような、流暢なドイツ語が必要です。しかもドイツの大御所ミヒャエル・ハンペの演出。1年かけて徹底的に仕込まれ、最終的にはとても好評をいただきました」その翌年には、クラウス・フロリアン・フォークトのリート・リサイタルで衝撃を受けた。「彼はヒロイックな声でわーっと持っていくようなワーグナー歌いではなく、一本のラインの上で声を操るような感覚の現代的な歌い手。オペラ歌手のリートはいいなと、その時に思いました」そして、ドイツ語体験と自らの声の変化が徐々にリンクしてリート挑戦を思い描き始めた頃、ピアニストの仲道郁代から、彼女のリサイタルで《詩人の恋》を歌ってみないかと誘われた。「二つ返事でやらせていただきました。仲道さんの音から、僕が感じていたのと同じ景色が見えて、漠然としていた感覚が確信に変わりました」「僕の表現力はオペラで培ってきたものです。大劇場で歌うオペラは、表現を拡大する世界。一方、歌曲の繊細な世界でも、その表現を凝縮して届けることで、より幅が広がるんじゃないかと思っています」もうひとつ、物語性へのこだわりもオペラと繋がる。「特に《詩人の恋》。物語性がオペラと似ているように感じています。詩の言葉だけでなく、歌の旋律やピアノ伴奏からも物語の背景が見えてくる。僕の感じた背景を知っていただき、同じ目線で物語を見ることで、より面白く感じていただけると思います」いわばオリジナルの「標題」だ。そんな丁寧な姿勢からも、彼の「リート愛」がひしひしと伝わってくるではないか。西村悟の新たな顔、新鮮な《詩人の恋》を目の当たりにできそうだ。(宮本明)
2021年03月26日“東京のオペラの殿堂”新国立劇場の2021-22シーズンプログラムが発表された。新制作4演目を含む10作品は、まさにオペラ史上に残る名作のオンパレード。オペラファンから初心者までが楽しめる極めて魅力的なプログラムだ。コロナ禍によって出口の見えない状況に置かれた中で用意された10作品は、様々な困難を乗り越えながら新しい歴史を刻んできたオペラの歴史を紐解くことにも繋がるような演目とも言えそうだ。大野和士芸術監督による「新国立劇場と私は、来シーズンのプロダクションが本来の姿で上演されることを、まずは心より願っております。しかし、その日の到来するのが少しばかり遅くなったとしても、できる限りの最良の形で、皆様に喜びをお届けする劇場として一作一作に惜しみなく力を注いで参りたいと考えております」という言葉を起点に、新国立劇場の新たな扉が開かれる。●2021-22シーズン・ラインナップ・ロッシーニ:『チェネレントラ』(新制作)2021年10月・ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(新制作)2021年11月・12月・プッチーニ:『蝶々夫人』2021年12月・ワーグナー:『さまよえるオランダ人』2022年1月・2月・ドニゼッティ:『愛の妙薬』2022年2月・ヴェルディ:『椿姫』2022年3月・R.シュトラウス:『ばらの騎士』2022年3月・モーツァルト:『魔笛』2022年4月・グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』(新制作)2022年5月・ドビュッシー:『ペリアスとメリザンド』(新制作)2022年7月●2021-22ラインナップ紹介映像
2021年03月16日新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年の公演が中止となった「オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World」『ニュルンベルクのマイスタージンガー』東京文化会館公演&新国立劇場公演の復活上演が各々の主催者から発表された。「オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World」は、東京文化会館と新国立劇場が、〈東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会〉にあわせ、日本を代表する各地の劇場と連携して2年に渡り展開する国際的なオペラプロジェクトだ。2019年には、アジア(中国)が舞台となる『トゥーランドット』(プッチーニ作曲)を上演。2020年は、東京オリンピック・パラリンピック開催年に相応しい祝祭感を持つ大作『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(ワーグナー作曲)が予定されていた。今回の復活発表は、公演を待ち望んでいた多くのクラシックファンが待ち望んでいた朗報に違いない。新たな公演日程は以下の通り。(東京文化会館)2021年8月4日(水)14:00、7日(土)14:00、(新国立劇場)2021年11月18日(木)16:00、21日(日)14:00、24日(水)14:00、28日(日)14:00、12月1日(水)14:00*出演者等の公演詳細は、20 Japan↔Tokyo↔World」特設サイト参照。
2021年02月27日文/RKRKリップが大人気の『オペラ』から、『リップティント N』のバレンタイン限定色と、『シアーリップカラー RN』の過去、即完売したカラーが限定で発売されます。今回の限定2色のテーマは、“甘いダークカラーの唇”。バレンタインらしい甘く大人っぽいブラウンカラーで、普段のメイクも一気に旬顔に仕上げてくれます。それぞれ色味や質感が異なるので、好みのカラーをチョイスしてください。ティントでは初のブラウンカラー!『オペラ リップティント N』¥1,500(税抜)マスクにつきにくいと人気の『リップティント N』は、高発色ながら透け感のある“ティントルージュ”です。限定色『ブラウンフィグ』は、熟れたフィグの赤みを感じられるボルドーブラウン。透明感があることでマットリップよりも柔らかな印象で、肌馴染みも抜群。マスクを着用するときは、唇に2~3度、いつもより濃いめに塗り、ティッシュオフするのがおすすめです。【商品情報】『オペラ リップティント N』価格:¥1,500(税抜)カラー:203ブラウンフィグ※限定色即完売したブラウンが復刻…!『オペラ シアーリップカラー RN』¥1,200(税抜)今回登場する『104カカオブラウン』は、2020年1月に発売し即完売となった人気カラー。深みのあるカカオにほんのりと赤が差されたチョコレートブラウンが、バレンタインらしくロマンティックな印象です。ひと塗りで高発色なのに、透明感もあるので、目元にカラーメイクを持ってきても馴染みが良いですよ。【商品情報】『オペラ シアーリップカラー RN』価格:¥1,200(税抜)カラー:104カカオキス※先行販売:2021年1月7日(木)~オペラ オンラインストア、バラエティショップPLAZA・プラザ、MINiPLA店頭で数量限定販売※全国販売:2021年1月21日(木)~全国のバラエティショップで数量限定販売自分へのご褒美にもしたい、限定BOXも『オペラ スペシャルギフトBOX』¥2,700(税抜)オンライン限定では、『リップティント N』の203 ブラウンフィグと『シアーリップカラー RN』の104 カカオキスの2本がセットになった特別なギフトBOXが登場!まるで高級チョコレートのようなBOXは、プレゼントにはもちろん、自分へのご褒美としてもぴったりです。【商品情報】『オペラ スペシャルギフトBOX』価格:¥2,700(税抜)[セット内容]・『リップティント N』203ブラウンフィグ・『シアーリップカラー RN』104カカオキス※2021年1月7日(木)正午12時より、オペラ オンラインストアで販売大人気の『オペラ』の限定カラーは、2本とも即完売の予感……!早めのチェックがおすすめです。【参考】今年のオペラのバレンタイン限定色は、“可愛く”仕上がる、質感違いの2色のブラウン。「リップティント」から、初のブラウンカラーが登場!「シアーリップカラー」からは、即完売した人気色が復刻。 - PR TIMES©︎オペラ
2021年01月09日ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET=メト)の世界最高峰の最新オペラ公演を大スクリーンで楽しむMETライブビューイングは、コロナ禍が続くなか、METの2020-21シーズンが残念ながら中止となってしまった。しかし、そんな今だからこそ、METの極上のオペラ公演を大スクリーンで楽しむ幸せを味わいたいと願う全国のファンに向けた素敵なプレゼントが用意された。2021年2月12日(金)より東劇・新宿ピカデリーほか全国の映画館で上映される「METライブビューイングプレミアムコレクション」は、これまでに上演された数々の舞台の中からの選りすぐりの名作が楽しめる極上のエンタテインメントだ。大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも使用された、ヒットメロディ満載の『カルメン』や、人生で一度は観るべき“泣けるオペラ”『椿姫』。サッカーの応援曲で知られる〈凱旋行進曲〉等の名曲が鳴り響く『アイーダ』などなど。絶対に見逃せない大人気演目6作が順次上映されるのだから楽しみだ。本編冒頭には、今回、日本のファンに向けて特別に収録した、スター歌手やMET音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンからのメッセージ映像も用意されるなど、特別感も満載。オペラファンはもちろん、オペラ初心者にも楽しめるプレミアム上映は、2021年の嬉しいお年玉に違いない。【METライブビューイング プレミアム・コレクション2021】第1作:《カルメン》(2009-10):2/12(金)~2/18(木)第2作:《メリー・ウィドウ》(2014-15):3/19(金)~3/25(木)第3作:《ワルキューレ》(2010-11):4/9(金)~4/15(木)第4作:《椿姫》(2018-19):5/21(金)~5/27(木)第5作:《セヴィリャの理髪師》(2006-07):6/18(金)~6/24(木)第6作:《アイーダ》(2018-19):7/30(金)~8/5(木)※()はシーズン名全作品1週間限定公開※東劇のみ2週上映《メリー・ウィドウ》は3週上映詳細は公式HP参照。★METライブビューイング公式HP
2021年01月01日冬の「オペラ」限定色イミュ株式会社が展開するメイクアップブランド「オペラ」より、大ヒットリップアイテムのバレンタイン限定色が2色登場。2021年1月21日(木)の発売に先駆け、公式オンラインショップおよび「PLAZA(プラザ)」、「MINiPLA(ミニプラ)」では、2021年1月7日(木)に先行発売される。限定色のテーマは、バレンタインにぴったりな“甘いダークカラーの唇”。深みのあるダークブラウン2色が、甘く大人っぽい唇を作り上げる。質感の異なる2色のダークブラウン限定色が発売されるのは、オペラで大ヒットを続ける2種のリップアイテム。美しい発色と透けるような質感が人気の「オペラ リップティント N」(税込1,650円)からは、「203 ブラウンフィグ」が登場。甘く熟したフィグのような、大人可愛いボルドーブラウンだ。一方まるでリップグロスのようなツヤと透明感が続く「オペラ シアーリップカラー RN」(税込1,320円)の限定色は「104 カカオキス」。赤みをしのばせた深みのあるチョコレートブラウンで、ロマンティックな唇を演出する。また発売を記念して公式オンラインショップでは、2色をセットにしたスペシャルギフトボックスが、2021年1月7日(木)正午より限定発売される。(画像はプレスリリースより)【参考】※「オペラ」公式サイト
2020年12月27日男女の混声コーラスグループ「フォレスタ」が2020年12月10日(木)、Bunkamuraオーチャードホールでコンサートを開く。ニューアルバム『フォレスタ珠玉の名曲集vol.1~あなたといるとき~』に収録されている曲を中心に披露する予定だ。BS日テレ『BS日本・こころの歌』(毎週月曜夜7時から放映中)の出演などで知られるフォレスタ。男性5人、女性6人からなるコーラスグループで、メンバー全員が音大出身だ。これまで毎週のようにコンサートを行なってきたフォレスタだが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今年はコンサートが中止にせざるを得なかった。そのため今回のコンサートに懸ける思いは強く、メンバーの澤田薫は「3月から約半年間、皆様の前で歌う機会が全然なかった。全力で歌って皆様に楽しんでほしい」と意気込む。吉田明未は「初めてオーチャードのステージに立たせていただいた時のことをよく覚えている。また再びその場に立たせてもらえる喜びと、コンサートを通じてお客様とコミュニケーションがとれる嬉しさを感じながら、1曲1曲大切に歌いたい」。小笠原優子も「オーチャード公演は、フォレスタにとって、まさに毎年1年の締めくくる位置づけの公演だった。今年は誰しもが味わったことない経験をして、大変な1年だったし、これからどうなるかも分からないけれど、ウキウキしたり、ワクワクしたりするような気持ちをなくしたくない」と語っていた。本公演は、11月4日にリリースされたニューアルバム『フォレスタ珠玉の名曲集vol.1~あなたといるとき~』に収録されている曲を中心に披露。『浜辺の歌』や『紅葉』といった叙情歌、『イヨマンテの夜』や『琵琶湖周航の歌』、『高原列車は行く』といった歌謡曲、恒例のカンツォーネメドレーなどを歌うという。大野隆は「僕たちのコンサートではあらゆるジャンルをやっているので、老若男女、幅広い世代の方に楽しんでいただけると思う。どの世代の人にも刺さる曲が必ずあると思うので、ぜひ皆様の心の歌を見つけに来ていただけたら」と話した。公演は12月10日(木)14時開演、東京・Bunkamura オーチャードホールにて。チケットは全席指定7000円。本公演はPIA LIVE STREAMによる配信(視聴券3500円)も実施。配信は12月16日(水)23:59までアーカイブ視聴が可能となる。いずれもチケットは発売中。取材・文:五月女菜穂
2020年12月03日