夏休み。子供たちのオペラデビューにぴったりの作品が上演される[8月5日(土)6日(日)東京芸術劇場シアターイースト]。昨年ルクセンブルクで初演されたばかりの《アトランティス・コード》。演出を手がけるのは、ドイツを拠点に活躍する菅尾友。タイトルは「アトランティスの暗号」の意。しかし本作は、1万年前に海中に沈んだ伝説の島を描いたSFアドヴェンチャーではない。母子の成長の物語。「お母さんと息子の関係が中心で、そこにファンタジーの要素が入り込んできます。少年の成長。それを通してお母さんも学ぶという、非常に面白い物語です。音楽は現代的な音で書かれていますが、それが違和感なく、感情や物語のシチュエーションがすごくよくわかるように作られています」ドイツ人の作曲家フランク・シュヴェマーと台本作家ミヒャエル・フロヴィンのコンビによる作品。「10年ほど前に、彼らの《ロビン・フッド》という子供向けの作品を一緒にやって衝撃を受けました。巧みな言葉遊びと、その言葉に密接して書かれた音楽の面白さ。二人と一緒に作った新作の《アトランティス・コード》を、ぜひ日本の子供たちにも楽しんでもらいたいと思っていました」言葉遊びを感じてもらうためには日本語翻訳が必須となる。日本語台本も菅尾が手がけた。「難問でした(笑)。さいわい作曲家と作家と近い関係で、彼らが何を目指しているのかはわかっているので、ドイツ語を直訳するだけではなく、日本の感覚に置き換えて意訳したり、別の面白い方法を考えて。ミヒャエルも、東京の地名に変えた日本用に改訂した台本を書いてくれました」ルクセンブルクの初演も菅尾が演出しているが、今回はそれとは別の新プロダクション。「カラフルで楽しい強い舞台。大人たちも本当に楽しめると思います」母と二人、貧しく暮らす少年は、読み書きに軽い障害があって苦労している。ある日アトランティス島の謎が書かれた本と出会った彼は、本の力で現れた不思議なアトランティスの住人との交流の中で、文字を読めるようになり、失われた島の謎を読み解こうとする。謎が明らかになると、人類によって再び滅ぼされてしまうと心配する不思議な生き物。一方、本を売れば金持ちになれると目論む母親。思いは三者三様だ。少年を反中洋介(テノール)、母親を柳原由香(ソプラノ)、不思議な世界の生き物を宮地江奈(ソプラノ)が演じる。5人編成の小オーケストラ。指揮は齋藤友香理。(宮本明)
2023年07月28日日本で最も長い歴史を持つ交響吹奏楽団「オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ(Shion)」が、創立100周年を記念して、CMや映画でも有名なカール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」の吹奏楽バージョンに挑む。祝100周年!オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ 特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」 チケット情報「おお、フォルトゥーナ(運命の女神よ)!」。一度聴いたら忘れられないド迫力の合唱で始まり、力強いリズムの繰り返しで命の喜びを歌う「カルミナ・ブラーナ」が、オーケストラを吹奏楽に替えたフルバージョンで上演される機会はめったにない。合唱と児童合唱、3人のソロ歌手、2台ピアノと打楽器群は原曲のまま、吹奏楽ならではの圧倒的な輝かしさを体験できる。Shionは1923(大正12)年、元陸軍第四師団軍楽隊の有志が「大阪市音楽隊」として結成した。大阪市民に愛されて洋楽普及に貢献し、「大阪市音楽団」へ改称。2014年に民営化し、現在の名前に。吹奏楽コンクール課題曲の参考演奏や、選抜高校野球大会の入場行進曲収録も担当している。指揮を務める大植英次は、小・中・高校時代に吹奏楽に打ち込み、打楽器、トロンボーン、フルート、ホルンに親しんだブラス・ファンでもある。「Shionはブラスアンサンブルの頂点に立つ団体。仲間意識がタイトで固有のサウンドを持った、大阪の宝、日本の宝」と語る。曲目はほかに吹奏楽コンでおなじみの「大阪俗謡による幻想曲」、「ダフニスとクロエ」。吹奏楽・合唱に打ち込む子供たちにもお勧めしたい、必聴のコンサートだ。《第61回大阪国際フェスティバル2023》祝100周年!オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ 特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」チケット発売中Pコード:239-024■開催日時9月2日(土) 15:00開演(14:00開場)■会場フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)■出演者吹奏楽:オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ指揮:大植英次合唱:大阪フィルハーモニー合唱団、岸和田市少年少女合唱団独唱:老田裕子(ソプラノ)、清水徹太郎(テノール)、青山貴(バリトン)■曲目オルフ:「カルミナ・ブラーナ」(吹奏楽編曲版/マス・キレス編)大栗裕:大阪俗謡による幻想曲ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲(吹奏楽編曲版/佐藤正人編)※バルコニーBOX席、学生席は取り扱いなし。未就学児童は入場不可。
2023年07月27日坂本龍一の作品を、クラシック界で活躍する若き俊英たちが演奏するコンサートが8月29日(火)に東京オペラシティ コンサートホールにて開催される。ピアニストの中野翔太とヴァイオリニストの成田達輝。ふたりが坂本と初めて会ったのは、2022年9月のことだった。中野翔太(Pf)、成田達輝(Vn)成田「坂本さんが東京芸術大学の学生時代に書いたヴァイオリン・ソナタと弦楽四重奏曲を録音するとのことで、ヴィオラ奏者の安達真理さんから声がかかりました。僕の場合、坂本さんといえば、YMOのファンだった母がピアノで弾く『Energy Flow』を小さい頃からいつも聴いていた思い出があって。僕はバッハの音楽にはじめて触れたのとほぼ同時期に、坂本さんの音楽を聴いていたのだと思うと、まるで自分にとっての“音楽の父”のように感じる存在でした」中野「僕にとっても坂本さんは特別な存在です。僕は15歳からアメリカに留学したのですが、なぜ日本人である自分が西洋の音楽をやっているのか、意味を見出せなくなって、壁にぶち当たっていた時期がありました。そんなとき、ふと坂本さんの音楽が耳に入ってきて、“あ、こういうことなんだ”と思ったんです。言葉にするのが難しいですが、今までの自分の悩みが小さなものに感じられました。それから坂本さんの音楽にどんどん惹き込まれていきました」今回のコンサートでは、そのヴァイオリン・ソナタを聴くことができる。1970年に作曲され、ほとんど人前で演奏されることのなかった作品だ(1984年の演奏が録音として残っている)。中野「おそらく皆さんがイメージするような坂本さんの作風ではなく、現代音楽的な響きのなかに、ラヴェルやドビュッシーをはじめさまざまな音楽の要素が詰め込まれている感じ。若き日の坂本さんの“やってやる!”という音楽に対する情熱があふれ出ているような作品です」成田「無駄のない、高度な作曲テクニックで書き上げられた形式的な第1楽章、能のすり足を思わせるような第2楽章、そして血潮がほとばしるような鮮烈さをきわめた第3楽章。ギラギラしたものを感じます」LEO(箏) (C)NIPPON COLUMBIAさらに特別ゲストとして、同じく坂本をリスペクトする箏アーティスト、LEOを迎え、「戦場のメリークリスマス」「M.A.Y in the backyard」をトリオで披露。「ラストエンペラー」「The Sheltering Sky」といったおなじみのメロディから、ウクライナのヴァイオリニストとコラボした「Peace for Illia」など最新の楽曲まで、“作曲家・坂本龍一”の本質を伝えるコンサートとなるに違いない。アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2023-2024若き俊英たちによる戦場のメリークリスマス8月29日(火) 13時30分東京オペラシティ コンサートホール■チケット情報出演中野翔太(Pf)、成田達輝(Vn)、LEO(箏)曲目坂本龍一:戦場のメリークリスマスラストエンペラーPeace for IlliaソナタA Flower is not a Flower文:原典子
2023年07月20日富士山の麓に世界的なピアニストたちが集い、開催されるピアノフェスティバル「富士山河口湖ピアノフェスティバル2023」が9月15日(金)より4日間の日程で開催される。同フェスティバルで昨年、一昨年と中心的な役割を果たしてきたピアニストの辻井伸行が今年の開催に向けた思いを語った。「富士山河口湖ピアノフェスティバル2023」のチケット情報はこちら辻井は「毎年伺う中で、河口湖は僕にとって自然のなかでゆったりとした時間を得られる場所になりました。見え隠れする富士山を感じたり、鳥の声や風の音など自然が作り上げる『曲』のようなものを毎回楽しみにしています」と自然豊かな富士山麓での演奏への特別な思いを口にする。「河口湖円形ホール」での100名限定プレミアム・リサイタル、富士山の見える3000人収容のホール「河口湖ステラシアター」でのショパン GALAなどに出演するが「100名限定のコンサートは、普段では味わえないような距離感で、演奏しながらお客様と互いの息づかいが聴こえるほどです。距離が近いと一体感も増すので自分自身もこの空気感を楽しんでいます」と語り、曲目に関しても「河口湖の自然や空気、そして距離の近さを感じてもらえるような選曲にしてみました」と明かす。毎年行ってきた地元の子どもたちのための音楽教室は今年も実施する予定だ。「子どもたちと音楽について一緒に考え、演奏を間近で見てもらうことや、実際に共演することで、楽しそうな表情や気持ちがとても伝わってきます。これをきっかけに演奏会に足を運ぶようになり、将来の音楽家が現れるかもしれないと思うと今からワクワクしますね。今後も続けていきたい活動です」と熱意を口にする。ゲストとして、レ・フレール (斎藤守也・斎藤圭土)、清水和音、ファジル・サイ、三浦舞夏、三浦文彰ら多彩な顔触れが集う。「レ・フレールさんと初めてお会いしたのは、『THE PIANIST!』というツアーで、その時に聴いたブギウギがとても楽しそうで、即興で弾いていたらレ・フレールさんがそれを聴いていて『一緒にやってみる?』と誘ってくれまして、飛び入りでアンコールに入り3人で演奏しました。ファジルさんとは、中学生の時にコンサートに行き、楽屋で挨拶させてもらえる機会があり、そこでピアノを弾かせてもらったのが出会いでした。コンサートではブラック・アースを聴いて、変わった内部奏法にとても衝撃を受けたのを覚えています。久しぶりの共演で、しかも自然の中で2組の演奏を聞けるのが楽しみです。もしかしたら、一緒に何か…などフェスならではのことが起きるかもしれないですね」取材・文:黒豆直樹
2023年07月19日新国立劇場の開場25周年シーズンの最後を飾るオペラは、芸術監督・大野和士指揮のプッチーニ《ラ・ボエーム》。開幕初日を観た。隙のないハイレベルの上演。ようやく復活し始めた威勢のいい「ブラヴォー!」も飛び交い、客席は沸いた[6月28日(水)新国立劇場オペラパレス]。粟國淳演出の舞台は2003年に制作された定評あるプロダクション。今回で7度目の上演。オーソドックスな正攻法で、作品の魅力をストレートに伝えてくれる。幕開け。紗幕に映したパリの街並みの遠景からロドルフォたちの屋根裏部屋にズームインする視線の移動が上手い。第2幕のカルティエ・ラタンは、背景の建物がするすると動いて風景が鮮やかに変わる。すべて人力だそう。お見事!高名なスター歌手よりも実力派の若手を揃えたキャスト。声も容姿も粒揃いで、奏功していた。貧しいお針子ミミが、あまりに成熟した声で聖母のようにすべてを包み込んでしまったり、売れない詩人ロドルフォがヒロイックすぎるテノールだったりすると、音楽的には爽快でも、ドラマ的には違和感がある。その点、初来日のアレッサンドラ・マリアネッリのミミは可憐でフレッシュ。まっすぐな声が運命に立ち向かう意思の強さも感じさせる。METなどで活躍するスティーヴン・コステロも甘く軽やかなテノールで、ロドルフォの“若さ”をリアルに表現していた。〈冷たい手を〉のハイCはたっぷりフェルマータで!もう一方のカップルのヴァレンティーナ・マストランジェロ(ムゼッタ)と須藤慎吾(マルチェッロ)、さらに親友の駒田敏章(ショナール)、フランチェスコ・レオーネ(コッリーネ)もすこぶる好演。共に青春を送るリアルなチーム感さえ通う。親密なアンサンブルが楽しく、高水準だ。大野の音楽ドライブは絶妙。気持ちよく歌わせすぎてもたれることも、流れに重きを置くあまりに性急になることもなく、歌手陣と東京フィルハーモニーをリードした。終幕のミミの臨終シーン。力なくつぶやくミミの背後で、オーケストラが二人の出会いの〈冷たい手を〉を回顧する。徐々に楽器が減っていき、最後に残ったソロ・ヴァイオリンが途絶えると、ミミが眠るようにこと切れる。客席の全員が知っている結末なのに、あちこちからすすり泣きが聞こえる。音楽の力。オペラを観る醍醐味だ。《ラ・ボエーム》はこのあと7月8日(土)まで残り4公演。なお上演の模様はインターネット配信でも視聴可能(新国立劇場のオペラ公演では初の生ライヴも)。詳細は劇場サイトへ。文:宮本明
2023年06月30日1万人が大阪城ホールに集い、ベートーヴェンの「第九」を合唱する『サントリー1万人の第九』。1983年に始まった年末恒例のコンサートが、41回目の開催。昨年は約2000人の合唱団を迎え、投稿動画や中継合唱を含めて、のべ12167人が参加した。そして今年、2019年以来4年ぶりに生の"1万人の第九合唱団"が復活する。コロナ規制が緩んだ今、専門家のアドバイスを下に開催を決定、合唱団員も募集中だ。25年連続で総監督・指揮を務める佐渡裕が『サントリー1万人の第九』に賭ける思いを、その出会いから語った。「『1万人の第九』を指揮して四半世紀が経ちます。一回だけ!と約束して引き受けたのですが、そこには僕の想像をはるかに超えた"人のちから"がありました。人間って捨てたもんじゃない、と。『第九』の参加者はプロではないけど、一人一人、それぞれのいろんな人生を背負って今がある。魚屋さんの歌があり、主婦の歌がある。それが1万人集まるから素敵なんです。僕はそこに、皆さんがイメージするような、かしこまって聴くクラシック音楽とは違う、音楽の可能性とおもしろさを感じました」。30代後半、ヨーロッパでの活躍が始まった頃の佐渡の思いに火が付いた。指揮台で受ける1万人の大合唱の力。それは「すごいエネルギーですよ。初めて指揮をした時は1回で体重が3キロ落ちました。僕が少しでもブレると、そのブレが1万倍になって揺り戻される。僕もそれなりの覚悟を持って指揮台に立ちます。コロナ禍ではそれが体感できませんでしたが、目の前の空気が震えて作る1度きりの音楽に、1回目と同じ気持ちで臨みたいと思います」。今年のテーマは"ブラボーの復活"。「ブラボーって、演奏が終わったあとに、それまでのすべての時間をたたえ合う言葉。その場で作る音楽だけでなく、コロナで人と会えなかった時間なども含めて、何とか乗り越えて来たよね、皆でまた次に向かおうね、というエネルギーになってほしいと思い、テーマとしました。4年ぶりの大阪城ホールを今年は新生一万人で熱狂させて、それぞれが自分史上最大と自信を持って言えるぐらいの『第九』にしたいです」。一緒に歌ってみたい人へ。「『一万人の第九』の感動の90%ぐらいは、実は練習する、その道のりにあると思っています。親子や夫婦でレッスンに通ったり、同じクラスの人と音楽を通して友達になれるのも醍醐味です。もうひとつは、講師の人たちがユニーク!知らない国の言葉、知らない国の音楽を、頑張って是非習得してください。さぁ、一緒にブラボーに向かいましょう!」。取材・文:高橋晴代『サントリー1万人の第九』日程:2023年12月3日(日) 午後3時開演(午後2時開場)会場:大阪城ホール【合唱団員募集中!】応募条件・詳しいスケジュールは
2023年06月26日住友生命いずみホールのレジデント・オーケストラ、いずみシンフォニエッタ大阪(ISO)が、7月8日(土)に第50回の定期演奏会を迎える。ISOは2000年に現音楽監督で作曲家の西村朗の提唱で発足。プログラムアドバイザーに作曲家の川島素晴、常任指揮者に飯森範親を迎え、ほぼ1年に2回のペースで定期演奏会を行って来た。いずみシンフォニエッタ大阪 チケット情報ISOのレパートリーは主に20世紀以降の現・近代の作品。集客が難しいこの分野で活動する団体は全国的にも少なく、20年以上に及ぶ実績は1つのメルクマールを示すものといえる。これまでに14曲の海外作曲家の作品を日本初演。25曲の邦人作曲家の作品(後述の西村作品を除く)の世界初演を行うなど、現代音楽シーンに大きな役割を果たしている。また積極的な新作委嘱によって、藤倉大、酒井健治、坂東祐大ら国際的な才能をいち早く関西に届けてきた功績も評価されるべきだろう。今回は50回の記念に因み「生誕60,70,80,90,100年特集」。生誕100年のリゲティの『ミステリー・オブ・マカーブル』を冒頭に生誕90年のペンデレツキ、生誕80年の池辺晋一郎、そして生誕70周年を迎える西村朗の委嘱新作、ヴァイオリン、ハープ、クラリネットのための三重協奏曲『胡蝶夢』を置くプログラムだ。西村作品のISOでの初演は13曲目。その多くが代表作と呼べるものだけに今回も聴き逃せない。また生誕60年は指揮者の飯森範親。公演タイトルのこのユーモアに溢れた感覚もISOの持ち味の1つである。公演に先立って行われた記者会見には西村朗と飯森範親が出席。西村が「ここに来ないと聴けない音楽を演奏するということを、50回続けて来た。将来どのように引き継がれていくかわからないが、われながらよくやって来たといえるくらいのことはやって来た感慨がある」と振り返れば、飯森も「これまで西村作品も含め31曲の初演をここで振らせていただいた。指揮者の自分にとっても大きな財産、大きな意義、大きなウェイトを占める存在」とISOの重要性を強調した。さらに西村は新作に触れ、「老荘思想の荘子の寓話『胡蝶の夢』から。作曲家として70年を夢の中にいるように生きてきた私ともう一方の生活者としての私、そして本性としての私を3つの楽器とオーケストラで描いた作品。ISOでの作曲は私の全存在を賭けた仕事であり、あと少しで書き終わるがそれとともに自分自身が作品の中に吸い込まれていくような思いもある」と語った。日本を代表する2人の音楽家が、ISOにそれぞれの人生の一部を重ねたかのような姿が印象的な会見だった。文:逢坂聖也
2023年06月23日イタリアを代表する指揮者の一人ミケーレ・マリオッティが来日し、東京交響楽団でタクトを取る。オペラの国イタリアでごく若い頃から頭角を表し、昨年からローマ歌劇場の音楽監督を務めるマリオッティは、現在ミラノ・スカラ座に君臨するリッカルド・シャイーがイタリア音楽界のトップだとすれば、その次のポジションにあるマエストロだ。ローマ歌劇場の今シーズン開幕に指揮したプーランク《カルメル会修道女の対話》も非常に高い評価を得た。マリオッティの演奏へのアプローチには二つの大きな特徴がある。一つは楽譜の読み込みだ。楽譜を原典として掘り下げる姿勢により、曲の真価が再現されて立ち昇ってくる。そして、そこに独特のインスピレーションを注ぐことによって音楽が命を宿す。そのマリオッティが世界的に広く知られているのがロッシーニ オペラ・セリアの演奏だ。メトロポリタン歌劇場の《湖上の美人》、ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバルで大評判となり、来シーズンにはスカラ座でも指揮をする《ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)》などはその代表だろう。国外ではオペラが多いマリオッティだが、イタリアではシンフォニーも数多く手がけている。長年音楽監督を務めてきたボローニャ歌劇場、ローマ歌劇場のコンサート・シーズンに加え、RAI国立交響楽団やサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団などで幅広いレパートリーを指揮してきた。中でもマリオッティが大切にしているのがシューベルトの音楽だ。シューベルトはロッシーニのほぼ同世代の作曲家であり、シューベルトが生涯を過ごしたウィーンはロッシーニが席巻していた時代にあった。それに加え、古典派からロマン主義への発展に大きく寄与したシューベルトの先進的な音楽性と、内気で詩的なところがある世界観は、マリオッティの個性と親和性があるように感じられる。そういう意味でマリオッティは、クラウディオ・アバドにも共通する点があるかもしれない。アバドと共通するといえば、共演者からの信頼がある。マリオッティの、オペラ歌手やソリストへの全力での献身は、彼らから最良のものを引き出して魔法の時間を生み出す力がある。今回の演目では萩原麻未とのモーツァルト ピアノ協奏曲に注目したい。そしてマリオッティのシューベルト「ザ・グレイト」の解釈は、高い実力のある東京交響楽団との演奏で聴衆に新鮮な喜びをもたらすに違いない。井内美香(音楽ジャーナリスト)《第711回 定期演奏会》6/24(土) 18:00開演サントリーホール 大ホール(東京)《川崎定期演奏会 第91回》6/25(日) 14:00開演ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川)
2023年06月02日新国立劇場の《サロメ》(R.シュトラウス)が5月27日(土)に幕を開ける。舞台リハーサルを取材した。劇場の開場2シーズン目の2000年に新制作上演された故アウグスト・エファーディング演出の舞台は、再演を繰り返している人気レパートリーで、これが7度目の上演。劇場を代表するプロダクションのひとつだ。ヘロデの宮殿はタマネギ・ドームの巨大テント。ヨハナーンが幽閉されている井戸も巨大で、ロープで引き上げて開閉する蓋がついている。舞台装置はほぼこの2つだがインパクト大。圧倒的な主役であるサロメ役は、新国立劇場初登場のブルガリアのソプラノ、アレックス・ペンダ。ドラマティックで強靭な声を持つ16歳の王女というキャラクターが要求される難役だ。強いけれどもしなやかさも併せ持ったペンダの声は、小柄な体躯とあいまって、16歳とはいかないまでも、サロメの若さを感じることができた。しかしそれ以上に共感できたのは、リアルタイムで進む1幕100分のドラマの中で、少女が狂気の魔女に刻々と変貌していく様子を、説得力のある表現で演じていたこと。官能的な「7つのヴェールの踊り」のあと、ヨハナーンの首を所望する無表情な歌と演技にはぞっとした。一方の主役とも言えるヨハナーン役はこちらも新国立劇場初登場のトマス・トマソン。話題を呼んだ昨秋の東京交響楽団の演奏会形式の《サロメ》でも同役を好演していたが、やはり舞台上演の面白さは格別。井戸から声だけが聴こえていた彼が姿を現して歌う時の威厳や精悍さには、サロメならずとも魅了されるはず。アメリカのスター歌手ジェニファー・ラーモアがサロメの母ヘロディアスを歌っているのにも注目だ。いかにも憎々しい悪女ぶりを見せつける。なお、このプロダクションではヨハナーンの生首の造形がとてもリアルで怖いのだが、今回は客席からはあまり見えないような演技プランに変わっていたのでちょっと安心。演奏はシュトラウスなどドイツ・オペラを得意とするコンスタンティン・トリンクス指揮の東京フィルハーモニー。4管超の巨大オーケストラを3管編成に縮小した版での上演。音楽が濃厚なので、一度聴くとなかなか抜けない。帰り道、作品に登場するいくつもの動機が、頭の中にヘビロテで渦巻き続けた。新国立劇場の《サロメ》は6月4日(日)まで全4公演。新国立劇場オペラパレスで。文:宮本明新国立劇場オペラ「サロメ」のチケット情報はこちら■新国立劇場オペラ「サロメ」※東京公演後、札幌にて上演2023年5月27日(土) ~ 6月4日(日)新国立劇場オペラパレス (東京)管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団2023年6月11日(日)・13日(火)札幌文化芸術劇場hitaru (北海道)管弦楽:札幌交響楽団
2023年05月26日エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)とケースイス(K-Swiss)は、初コラボレーションスニーカー「クラシック GT(CLASSIC GT)」を、ネペンテス系列店などで販売。“左右非対称アッパー”の初コラボスニーカー初のコラボレーションとなる今回は、ケースイスのオールレザーシューズ「クラシック」をベースに採用。シューレースを通すDリングアイレットやサイドの5本ライン、特徴的なつま先の「スリーピーストゥ」といったアイコニックなディテールはそのままに、“左右非対称”のユニークなデザインに仕上げている。アッパーは、艶のあるスムースレザーと、マットなスエードを外側・内側にそれぞれ採用。左右で異なる位置に配し、素材の質感の違いをデザインとして生かしている。また、シューレスには、エラスティック・シューレース&アジャスターを備え、機能面もアップデートしている。なお、カラーは、定番のホワイト、ブラックに加え、上品なブラウンの3色を用意する。【詳細】エンジニアド ガーメンツ×ケースイス「クラシック GT」19,800円発売日:2023年5月12日(金)展開店舗:エンジニアド ガーメンツ、ネペンテス(東京、大阪、博多)、サウス2 ウエスト8、オンラインストアカラー:スノーホワイト、チップマンク(ブラウン)、ブラックサイズ:US6.5~11
2023年05月15日1990年ショパン国際コンクールに歴代日本人として最年少で入賞。以来、クラシック界のトップアーティストとして常に注目を浴び続けるピアニスト・横山幸雄。彼が「自分にとってショパンと並ぶ、演奏活動の柱の一つ」と語るのがベートーヴェンだ。5月21日(日)、福岡シンフォニーホールで行なわれる「ベートーヴェン 5大ピアノ・ソナタ」は、2017年に同ホールで行なわれ大絶賛された公演の再演。今回は、スペシャルゲストにヴァイオリニストの千住真理子を迎え、 夢の共演による『クロイツェル』が実現する。「ベートーヴェンは子どもの頃から好きでした。彼が作品番号を付けて発表した全楽曲を約10か月にわたるシリーズで演奏した20代後半が、演奏家として彼の作品に集中的に取り組んだ最初。以降、2020年の生誕250年に向け、2013年から年1回のベートーヴェン・シリーズを始め、通常のリサイタルでも度々演奏してきました。コロナ禍と重なった2020年の年末にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を2日間にわたり連続演奏した事で、より深く凝縮してベートーヴェンと向かい合うことができたように感じます。彼は耳が聞こえなくなった音楽家として超人的なエピソードも多い人物。20代の頃は同じ人間とは思えない存在でしたが、公演の準備期間約3カ月を経て、『ベートーヴェンもやはり人間。彼がもつあらゆる人間的な側面が、様々な楽曲の端々に全て現れている』と捉えられるようになったのは大きかったです。今は、ベートーヴェンの人生と彼が創った芸術作品を、いかに磨いて、伝えていけるかを考えながら演奏しています」。千住と共演する『クロイツェル』の披露も今回のコンサートの見どころだ。「ピアノとヴァイオリンが対等に対峙するこの楽曲は、彼の金字塔のひとつ。その後“ヴァイオリン・ソナタ”と呼ばれる形式を確立した歴史的な曲でもあります。今回のプログラムは3部構成で、第1部最初の『悲愴』から第3部最後の『熱情』まで全て、28歳から34・5歳までの約7年間に書かれたもの。聴力を失いながら作曲家として生きる決意をし、私たちもよく知る名曲を次々と生み出していった時期で、『クロイツェル』は作曲順でもちょうど真ん中にあたるため、千住さんに登場頂く第2部で演奏するにもぴったりだと考えました」。プログラムには、耳の病を乗り越えていったベートーヴェンと、コロナ禍を乗り越えていかなければならない私たちという現代のテーマも重ね合わせたという。「演奏会にもようやく心置きなく足を運べるようになり始めたこの時期に、人間が持っている潜在的な能力やエネルギーをひしひしと感じさせてくれるベートーヴェンの作品群から何かを感じ取って頂き、明日への活力につなげていただけたら」と力強く締めくくった。公演は5月21日(日)福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)にて。チケットは発売中。
2023年04月26日ブレゲ(Breguet)から、2023年新作腕時計「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」が登場する。「クラシック」2023年新作腕時計腕時計「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」は、ブレゲを代表する機能的な腕時計のコレクション「クラシック」の2023年新作ウォッチ。見やすさと個性を兼ね備えたアイコニックなディテールを踏襲しつつ、現代的でエレガントな腕時計に仕上げている。リアルな月のムーンフェイズ&レトログラード針の12か月表示「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」のダイヤルにはクル・ド・パリのホブネイル模様を施し、1時と2時の間に、手作業で仕上げたリアルな月のモチーフを配したムーンフェイズをレイアウト。ムーンフェイズの夜空を彩るブルーラッカーにはスパンコールを織り交ぜることで、角度によってきらめく、星のような輝きをプラスした。12か月の表示を担うのは、10時から12時に展開する弧に沿って反復するレトログラード針。穴の開いた丸いモチーフを先端に配した、ブルースティールのブレゲ針が時と分を指し示す。ホワイトゴールド&ローズゴールドのケースケースは、18K ホワイトゴールドとローズゴールドの2種類を用意。ホワイトゴールドケースのモデルにはミッドナイトブルーのアリゲーターレザーストラップを、ローズゴールドケースのモデルにはミステリアスブラウンのアリゲーターレザーストラップを組み合わせ、いずれも上品な表情に仕上げている。パーペチュアルカレンダー搭載、薄型「キャリバー502」「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」には、月の日数の違いや閏年を計算に入れ、カレンダーを正確に表示する時計機構のパーペチュアルカレンダーを搭載。ムーブメントには、最も薄型でありながら、高性能を発揮するよう設計された、カレンダー機構付きの「キャリバー502」を採用した。正確なカレンダー表示による使いやすさと、軽やかで快適な着け心地の両方を実現させている。サファイア・ケースバックからは、精巧な装飾仕上げのムーブメントを眺めることが可能。手作業のギヨシェ彫りでサーキュラー・バーリーコーン模様を施したゴールド製ローターや、コート・ド・ジュネーブ模様のブリッジなど、繊細に施された装飾や加工に注目だ。【詳細】ブレゲ「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」発売時期:2023年4月17日(月)販売店舗:直営ブレゲブティック(銀座、阪急うめだ本店、伊勢丹新宿店、日本橋三越本店)、全国正規代理店価格:11,572,000円ケース種類:18K ホワイトゴールド、18K ローズゴールドケース径:39mm/ケース厚:9.13mmムーブメント:自動巻、ゴールド製ローター機構:パーペチュアルカレンダー(日付、曜日、レトログラード式月、閏年)、ムーンフェイズ脱進機:シリコン製ホーンのインバーテッド・ストレートライン脱進機、シリコン製ひらひげゼンマイ防水:3気圧防水(30m)キャリバー:502.3.P振動数:3Hz(21,600振動/時)パワーリザーブ:45時間【問い合わせ先】ブレゲ ブティック銀座TEL:03-6254-7211
2023年04月22日オーケストラ奏者、ソリストに室内楽奏者として幅広い活躍を続けるヴァイオリニストの石田泰尚。圧倒的な個性と美しい音色、幅広い音楽性を持つ彼が、信頼する首都圏のオーケストラ奏者を集めて2014年に結成したのが弦楽アンサンブル「石田組」である。今年は彼らが昨年8月に行った演奏会のライヴ録音CDのリリース、そして28か所を巡る全国ツアーが決定し、さらに話題を集めそうだ。「現在60人ほどの“組員”がいますが、ツアーでは会場ごとに違う奏者が登場し、また演奏曲目も変わります。CDの曲も演奏しますが、録音したときとは違う奏者が演奏する場合もあるのでそれぞれ違った音色をお楽しみいただけると思いますし、収録曲以外の曲も色々と盛り込む予定です」石田組のコンサートは彼らが一番大切にしているクラシックを第1部、ロックや映画音楽、演歌など様々な楽曲が第2部で演奏される。そのプログラムの幅広さと曲ごとに変わる演奏スタイルが魅力である。「演奏中は特にジャンルの違いに合わせて演奏を変えるという意識はしていませんが、演奏曲が決定したらその曲を徹底的に聴き込んで、色々な奏法、音圧を試すということはします。あとはテンポやリズムの感じ方は大きく違うので、そこは大切にしていますね。映画音楽でテンポを揺らし過ぎたらおかしいですし、ロックは頭拍が大事なのでそこはぶれないように、というところなど。あとはリハーサルで組員から提案をもらうということもありますね。ある程度の方向性を定めたら、あとは本番でその時の空気感も感じながら演奏していく…という感じです。全員がオーケストラ奏者なので、お互いの音や空気を感じて演奏するというのは慣れていますし、毎回とても楽しく演奏させていただいています」今回リリースされるCDもハードロック・バンドのレインボーやクイーンの楽曲に「ニュー・シネマ・パラダイス」などの映画音楽を経てヴィヴァルディの「4つのヴァイオリンのための協奏曲」、バルトークの「ルーマニア民俗舞曲」などが演奏される色彩豊かなプログラム。改めて石田組の音楽性の広さ、その音色の多彩さを実感できることだろう。CD、生演奏両方でそれを堪能してほしい。なお、ツアーでは時々組長がサプライズをしかけることもある。それが何かを目撃すべく全国追ってみるのも楽しいかもしれない。「今回のツアーでは石田組として初めて北海道、秋田、仙台、福島、京都、佐賀、熊本、鹿児島を訪れます。色々なジャンルをお届けしますので、多くの方にお楽しみいただけるはずです。まずはぜひ一度お越しいただければ嬉しいです」
2023年04月19日クラシック史上最高のヒーローが登場するオペラは何かといえば、絶体絶命の姫君を救いに現れる白鳥の騎士が登場するワーグナーのオペラ『ローエングリン』だ。そのかっこよさと物語の面白さ、そしてその物語を包み込む音楽の素晴らしさはまさに破格。「結婚行進曲」や、「第3幕への前奏曲」などの名曲の数々に胸踊らせること間違いなしのこの作品は、ワーグナーのロマンチックな性格が遺憾なく発揮された作品であると同時に、最も親しみやすいワーグナー作品とも言えそうだ。この名作が、ついにMETライブビューイングに登場する。演出はワーグナー作品を手掛けて絶賛を浴びるフランソワ・ジラール。指揮はMET音楽監督のヤニック・ネゼ=セガンという強力コンビがタッグを組み、現代最高のテノール歌手の1人ピョートル・ベチャワが演じる「ローエングリン」を筆頭に、ワーグナーのスペシャリストがずらりと並ぶ豪華なキャストは要チェック。2023年3月18日にニューヨークメトロポリタン歌劇場(MET)で上演されたばかりの最新のステージを、大スクリーンで堪能したい。「絶体絶命の姫君を救った白鳥の騎士の正体やいかに⁉」ドイツ建国にまつわる伝説を題材にしたワーグナーの傑作を見逃すことなかれ。METライブビューイング2022-23ワーグナー『ローエングリン』4月21日(金)から27日(木)まで※東劇のみ5月4日(木)まで上映
2023年04月19日ルイ·ヴィトンは、モダンかつクラシックな、メンズサングラスの新しいコレクション、LV シグネチャー コレクションをローンチします。©LOUIS VUITTONタイムレスで普遍的な魅力を放つサングラスの 「LV シグネチャー」コレクションは、メゾンのトランク製造の伝統を反映したディテールを備えた軽量素材で作られており、すべてのスタイルのヒンジには、メタルに「LV」イニシャルが刻印されています。©LOUIS VUITTON©LOUIS VUITTON発売日:2023年4月27日(木)予定展開:ルイ・ヴィトン ストア及び公式サイトルイ·ヴィトンについて1854年の創業以来、ルイ·ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的という、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神を忠実に受け継いでいます。ルイ·ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家、アーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ、ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ·ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。
2023年04月18日新国立劇場25周年記念公演ヴェルディ《アイーダ》が4月5日(水)高らかに幕を開けた。新国立劇場オペラ「アイーダ」の公演情報はこちら25年前、大巨匠フランコ・ゼッフィレッリが新国立劇場のオープニング・シリーズために制作した絢爛豪華なプロダクション。以来5年ごとに上演を繰り返している、劇場の目玉レパートリーで、これで6度目の上演だ。この数年間に新国立劇場を訪れた人なら、エントランスに展示されている《アイーダ》舞台装置が絶好の撮影スポットだったのをご存知のはず。あれがそのまま舞台で使われているわけだ(なので現在エントランスのほうには「展示入れ替え中」の貼り紙が)。ゼッフィレッリ演出はやはり圧巻。象徴は言わずもがな、第2幕「凱旋の場」の大スペクタクル。舞台上に総勢300人が密に並ぶさまはコロナ拡大中には見られなかった光景だ。大合唱の声の圧に押されながら、オペラ完全復活をひしひしと感じるのはうれしい。おなじみの本物の馬も!すでに“伝説”となっているこの舞台。2019年に他界したゼッフィレッリと新国立劇場が残した、世界のオペラ界に誇れる偉業だと思う。壮麗な舞台に目を奪われずにはいられないが、音楽だけとってもヴェルディ円熟の極みにある傑作。前奏曲が鳴り始めた瞬間から、シンフォニックで有機的な音楽の線が次々に紡がれて緊張感が途切れることなく、4時間弱(休憩含む)の上演時間があっというまに感じる。キャストも充実。アイーダ役のセレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)は、リリックで細身の声がこの役では新鮮。第2幕のアリア〈私のふるさとよ〉の、コントロールされた繊細なピアニッシモの高音(C)がじつに印象的に響いた。豊かでふくよかな声と表現に引き込まれたのが、アムネリス役のアイリーン・ロバーツ(メゾ・ソプラノ)。感情の振り幅の大きいこの恋敵あってこそのアイーダ。両者の理想的な対照だった。そしてラダメス役のロベルト・アロニカ。新国立劇場芸術監督の大野和士が「今イタリアで3本の指に入る美声」と賞するテノールは、圧倒的な声量、輝かしい高音。のみならず、中域までつややかな響きを失わない。一本気な勇将の情熱と絶望を見事に歌った。1998年初演時のオリジナル・キャストで、ほぼ全回ランフィス役を歌っている妻屋秀和(バス)ら日本人歌手陣も贅沢な適材適所だ。深い感動を、じつに率直に得られる名プロダクション。それは何度見ても変わらない。残席僅少。今すぐチェック!(宮本明)■ぴあスペシャルデー(ぴあ貸切公演)対象公演日:4/13(木) 14:00開演新国立劇場オペラパレス (東京都)
2023年04月06日4月、「音楽堂ホリデーアフタヌーンコンサート」に出演するチェロの佐藤晴真。意外だけれど、神奈川県立音楽堂にはこれが初登場。しかし実は佐藤、この音楽堂を設計した建築家・前川國男のファンなのだそう。「木のホール」として親しまれる神奈川県立音楽堂は、前川の設計で1954年に開館。日本で初めての本格的な公立音楽ホールだった。「東京文化会館はじめ、前川國男さんの作った空間で弾くのは、演奏とは別の視点の楽しみがあります。コンクリート打ち放しも当時の前川建築の特徴のひとつですが、コンクリートという重たいイメージが、滑らかなカーブを描いて、柔らかで軽やかな印象になる。素材と質感のギャップに魅力を感じています」コンサートはピアニスト谷昂登との共演で、バッハ《無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調》、シューベルト《アルペジオーネ・ソナタ イ短調》、プロコフィエフ《チェロ・ソナタ ハ長調》と、ハ長調でイ短調をサンドした、きれいな平行調の構成のプログラム。「谷君との本格的な共演は今回が初めて。曲選びは毎回、誰と弾くのかを同時に考えます。彼の、まるいのに重い音がプロコフィエフにぴったりだと思い、まずそれをメインにすることに決めました。プロコフィエフのソナタは、すごくメロディックでロマンティック。懐が深いというのか、近代の作品ではありますけど、意外と聴きやすい作品だと思います。室内楽の枠組みの中で、でもシンフォニックに作られていて、そのバランスが、谷君の音と繋がるように感じました」ピアノとのアンサンブルに期待するのは、駆け引きならぬ“満ち引き”だという。「満ち引きというか、互いの会話、反応ですね。主役は音楽。その中で互いの反応合戦みたいな感じ(笑)。それによって音楽が一体となって完成するイメージです」日本のチェロ界の若きトップランナーは進化を続けている。コロナ禍を経て、音楽、演奏という営みが何百年も続いている奇跡に、あらためて感慨を覚えるようになったと、力みなく語る。「以前は漠然と舞台に立って、当たり前のように演奏していた。それが一度すべてストップしたことで、その文化の素晴らしさを日々再認識しています。音楽を楽しむ人、楽器を作る人、作品を作る人、それを楽譜として残す人……。演奏家の今も、さまざまな人々の営みの長い歴史の中にあるし、これからも続いていく。さらに大事に取り組もうと思うようになりました」深い、確かなまなざし。(宮本明)
2023年03月31日フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)は8月5日(土)、ヨーロッパで活躍する演出家、菅尾友が台本・演出を手掛ける「子どものためのオペラ『まほうのふえ』~パミーナ姫のたんじょうび~」を上演する。このオペラは2018年にザルツブルク音楽祭で上演され、好評を博したもの。ヒロイン、パミーナ姫を明日8歳の誕生日を迎える少女に設定するなど、モーツァルトの『魔笛』をベースに登場人物たちの年齢や関係を置き換え、オペラを初めて観る子どもたちが楽しみながらその奥深い魅力に触れることのできる作品になっている。日本語版は2019年にフェニーチェ堺小ホールで上演されているが、今回はオーケストレーションもバージョンアップ。同館初の自主制作作品として大ホールで上演する。子どものためのオペラ「まほうのふえ」~パミーナ姫のたんじょうび~チケット情報指揮はドイツ、マクデブルク市立歌劇場のカペルマイスターを務め、トリノ王立歌劇場および兵庫県立芸術文化センターほかで佐渡裕のアシスタントを務めた気鋭の瀬山智博。また美術・衣裳は菅尾と共に多くの作品を手掛け、ザルツブルク音楽祭でも本作品を担当したユリア・K・ベルントが務め、ファンタジーに溢れた舞台を創り上げる。管弦楽は大阪交響楽団。ヒロインのパミーナ姫をはじめ、夜の女王、タミーノ王子、パパゲーノにパパゲーナといったおなじみのキャラクターにはオーディションで選ばれたフレッシュな顔ぶれが揃う。2月24日、フェニーチェ堺大ホールで行われた制作発表記者会見には、瀬山智博とパミーナを歌う松原みなみ、夜の女王役の谷川あお、パパゲーナ役の辻本令菜(※辻のしんにょうの点はひとつ)、そしてドイツから菅尾友がリモートで登壇。菅尾は「約1時間というコンパクトな上演時間の中に子どもたちをオペラに誘うさまざまな工夫を込めた作品。物語の楽しさだけではなく『魔笛』が本来持つシリアスな部分や、ドラマティックな音楽の魅力も感じてほしい」と語った。また大役に臨む松原が「本番に向けてわくわくする気持ちが止まらない」と語れば、他の2人も「この素晴らしいホールで成長の機会をいただいたことに感謝」と声を揃えるなど、会場は華やかな雰囲気に。こうした中、瀬山は「『魔笛』は僕が20歳で初めて観て大きな感激を覚えたオペラ。『まほうのふえ』という作品を通して、モーツァルトの素晴らしさをすべてのお客さまに伝えられるように良いチームを創っていきたい」とステージへの意気込みを力強く語った。文:逢坂聖也
2023年03月27日〈ありがとう〉と〈ようこそ〉を、心から!―首都圏で活躍する13のプロ・オーケストラから、この日のためにメンバーが集まって開かれる、幸せな音いっぱいの祝祭イベント《オーケストラの日》が帰ってきます。コロナ禍でやむなく中止が続いていたこの《オーケストラの日》、毎年3月31日(「ミミにいちばん」という語呂合わせでこの日になりました)を中心に開催される人気イベントです。日本オーケストラ連盟に加盟する全国のプロ・オーケストラが、初めてのかたにも親しみやすいコンサートをあれこれ展開、東京では、首都圏の全楽団からメンバーが集まった特別編成のオーケストラ〈オーケストラの日 祝祭管弦楽団〉が、この日だけのコンサートを開くほか、さまざまなイベントも併せて開催されます。この祝祭イベントが今春、4年ぶりにようやく開催できる!―コロナ禍でコンサートも軒並み中止になった日々から思えば、暗闇を抜けるような思いです。世界中の文化活動が大きな打撃をうけるなか、オーケストラも例外なく危機に立たされました。経済的な危機はもちろん、〈切磋琢磨しながら演奏し続けること〉でしか維持できない、独特のオーケストラ・サウンドを失う危機、もありました。さらに、コンサート中止の日々は、響きわたる音楽を同じ空間で味わう〈生演奏〉の喜びこそが、オーケストラの生命線でもある‥‥ということを、あらためて痛感させられたのです。誰もが本当に大変だったこの時期―それでも〈オーケストラ〉という文化を絶えさせないために、多くのかたが様々なかたちで、支援の手を差し伸べてくださったというそのお気持ちへ、〈素晴らしい音楽〉で、お返しのはじまりを少しだけでもまずお届けできる‥‥4年ぶりの開催には、なにより演奏家&スタッフたちの、常ならぬ強い思いがこめられています。しかし、〈感謝〉だけではありません。終わらぬコロナ禍のあいだ、世界は戦争の悲惨にも引き裂かれ続けています。オーケストラは〈平和〉への強い思いを―もちろん〈音楽〉を通して、しっかりとお伝えしていくでしょう。今回、〈オーケストラの日 祝祭管弦楽団〉は、指揮に迎えたキンボー・イシイと共に、ドヴォルザークの心おどる楽しい序曲《謝肉祭》や、鳥の歌も愛に包まれて響くワーグナーの《ジークフリート牧歌》、ベートーヴェンのおなじみ《田園》交響曲から後半と、大作曲家たちが音楽に託した、美しい自然への喜びと讃歌を響かせます。そして、チャイコフスキーの交響曲第5番から終楽章、厳しい運命にあらがう力と、突き抜けた先にあらわれる喜びの輝きとを、壮大なオーケストラ・サウンドで響かせる傑作を演奏します。開演前には、隣の小ホールで入場無料の弦楽四重奏ミニ・コンサート(0歳から入場可)や弦楽器体験コーナーなどお子さん向けの企画もあるので、ご家族連れでお気軽に、という明るいイベント。〈ありがとう〉と〈ようこそ〉を、これからも長く発信してゆく最初の一歩に、お立ち会いを。山野雄大(音楽評論家)
2023年03月23日現在、イギリスの名門オーケストラのひとつロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、5月に同フィルとともに来日公演を行う指揮者ヴァシリー・ペトレンコ。ロシア人の父、ウクライナ人の母のもとに生まれた彼は、昨年のロシアのウクライナ侵攻直後、この侵攻を今世紀最大の道徳的失敗と人道的災害のひとつだとして非難し、芸術監督を務めていたロシア国立交響楽団の芸術監督の地位を辞任しました。そんな彼が今回の来日公演プログラムのひとつとして選んだのは演奏時間が1時間を超えるショスタコーヴィチの大曲、交響曲第8番。この作品に対する想いと今この作品を演奏することの意義をペトレンコは次のように語っています。「ショスタコーヴィチの交響曲第8番は第二次世界大戦中の1943年に作曲されました。それはちょうどスターリングラードの戦いでソ連軍がドイツ軍を破り、勝利ムードにあったときでした。しかし、人道主義的な作曲家であったショスタコーヴィチは、その勝利の影で失われた一人ひとりの命に心を寄せていました。したがってこの曲は戦時下の民衆の苦難や戦いを表しているのだと思います。最後は、それまでの楽章の暴力的な音楽を経て、静かで穏やかに締めくくられますが、そこにはわずかな希望の兆しがあります。その意味でもとても今の時代にふさわしい曲だと思います。(Webマガジン「ONTOMO」より)」ショスタコーヴィチの感動的な代表曲にもかかわらず、100人に近い演奏者を要する大曲である故になかなか生演奏を聴く機会が少ないこの名作を、現代最高のショスタコーヴィチ指揮者とも賞賛されるヴァシリー・ペトレンコの指揮で生体験できる貴重なコンサートが東京と大阪で実現します。今、実際に起こっている様々な悲劇的な出来事に想いを寄せながら、今聴くべき作品、ショスタコーヴィチの交響曲第8番の生演奏をぜひ体感してください。2023年5月21日(日) 大阪・フェスティバルホール、5月23日(火) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場、5月26日(金) 東京・サントリーホールほかで公演を行う。
2023年03月15日秋に始まる新国立劇場2023/2024シーズンのオペラ演目が発表され、芸術監督の大野和士が会見に臨んだ(3月7日・新国立劇場オペラパレス・ホワイエ)。全9演目のラインアップ。新制作は以下の2演目。●プッチーニ《修道女アンジェリカ》&ラヴェル《子どもと魔法》(10月)沼尻竜典指揮/粟國淳演出大野芸術監督がレパートリー拡充の一環として掲げる、1幕オペラ2本構成の「ダブルビル」。「プッチーニの書いた最も聖なる音楽」(大野)である《修道女アンジェリカ》の主人公は、未婚の母ゆえにわが子と引き離された修道女。《子どもと魔法》はママの言いつけを守らない聞かん坊が主役。共通するテーマは「母と子の愛の強さ」と大野。●ヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》(11月)大野和士指揮/ピエール・オーディ演出待ちに待った新国初上演。大野が何度も電話して口説き落としたというエクサン・プロヴァンス音楽祭総監督オーディの演出。気鋭の現代彫刻家アニッシュ・カプーアとのコラボに期待。バスやバリトンが活躍する低重心の作品に、ロベルト・フロンターリ(シモン=バリトン)、リッカルド・ザネッラート(フィエスコ=バス)を得て万全の布陣。再演も充実。以下、大野の語った注目ポイントを日程順に。《こうもり》でアルフレードを歌う伊藤達人(特にそのウィーン訛りの台詞)。《エウゲニ・オネーギン》の指揮者ヴァレンティン・ウリューピンは元クラリネット奏者で新国初登場。《ドン・パスクワーレ》では、主役の世界的バス、ミケーレ・ペルトゥージらに並び日本の上江隼人(マラテスタ)も。《トリスタンとイゾルデ》は評判を呼んだデイヴィッド・マクヴィカー演出の13年ぶりの上演。「3番目の新制作と考えてよい」と大野。トルステン・ケール(トリスタン)、エヴァ=マリア・ヴェストブルック(イゾルデ)、エギルス・シリンス(クルヴェナール)、藤村実穂子(ブランゲーネ)らキャストも最高。《椿姫》には昨年急遽の出演ながら絶賛を博した中村恵理(ヴィオレッタ)が再登場。《コジ・ファン・トゥッテ》では女声3人、セレーナ・ガンベローニ(フィオルディリージ)、ダニエラ・ピーニ(ドラベッラ)、九嶋香奈枝(デスピーナ)のキャラクターの違いに注目。シーズン最後に《トスカ》をイタリア・オペラの巨匠マウリツィオ・ベニーニが振る。なお、チケット料金の値上げは残念な知らせ。演目によって異なるが、多くの演目でS席が29,700円、下限のD席が7,700円となる。(取材・文:宮本明)
2023年03月08日西欧の伝統的な音楽を聴ける、クラシックコンサート。ピアノやヴァイオリンの演奏会や、オペラ、交響楽団や管弦楽団による、シンフォニー・コンサートなどは、全国各地で開催されています。しかし、クラシックコンサートは「なんだか難しそう」というイメージを持たれやすく、興味があっても行きにくいと感じる人は少なくありません。『はじめてクラシックコンサートに行きましたレポート』ライター、よざひかる(@HikaruYoza)さんは、いつもと違う休日を過ごしたくて、初めてクラシックコンサートに行ってみたそうです。その時の感想をTwitterに投稿したところ、反響が寄せられました。はじめてクラシックコンサートに行きましたレポート pic.twitter.com/HuzaXMX4ix — よざ ひかる (@HikaruYoza) March 5, 2023 近所で『新日本フィルハーモニー交響楽団』による公演が行われていることを知り、足を運んだ、よざさん。クラシックコンサートというと、チケット代が高額な印象がありますが、2千円というお手頃な価格に驚いたといいます。会場では非日常的な雰囲気や、上品な観客たちに圧倒され、ちょっぴり不安になったものの、いざ公演が始まると生演奏の美しい音色に感動!ドラマチックに変化する曲調を楽しむことができ、想像がふくらんで思わず涙した場面もあったそうです。投稿にはクラシックファンからのコメントが相次いで寄せられています。・クラシックが好きだから、分かってもらえて嬉しい!『沼』へようこそ。・よく考えると同じ曲を楽譜通りにいろんな人が演奏してしていて、面白い世界ですよね。・初めてのクラシックコンサートで涙する感性がすごい!これから一緒に楽しみましょう!・こんな風に気楽な気持ちでいろんな人に見に行ってもらいたい。素敵なレポートでした。また、今回よざさんが観に行った『新日本フィルハーモニー交響楽団』のTwitterも、投稿に反応。よざさんの率直な感想を嬉しく感じたようです。よざ ひかる @HikaruYoza さまがご紹介くださった「すみだクラシックへの扉」、恐らく9月のこの回なのですが、小泉マエストロも清水和音さんも、オーケストラのメンバーも、特徴とらえてくださっていますよね(嬉しい・・・)公演写真©ヒダキトモコ pic.twitter.com/vCn8tafqqt — 新日本フィルハーモニー交響楽団 (@newjapanphil) March 7, 2023 公演後は、すっかりクラシック音楽にはまったという、よざさん。ちょっとしたきっかけから、好きなものが増えて、自分の世界が広がるのは素敵なことですね。漫画を読んで興味が湧いた人は、ぜひ一度、クラシックコンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年03月08日スターバックス(Starbucks)のチルドカップシリーズ「カフェラテ」、「エスプレッソ」、「クラシックティーラテ」がリニューアル。ドリンクはもちろん、パッケージも刷新し2023年3月7日(火)より発売される。カフェラテほどよい甘さのミルクに、香り高く上質なコーヒー。スターバックスらしいグリーンをベースにした爽やかなデザイン。エスプレッソコク深いエスプレッソの香りがポイント。さらにコーヒーをミルクが引き立てている。デザインはエスプレッソらしくブラックがベース。クラシックティーラテ華やかな紅茶の香りにフレッシュなミルクを組み合わせた。パッケージデザインは紅茶らしく、薄めの紅色にミルクを思わせる白を基調にしている。商品詳細「スターバックス カフェラテ」「スターバックス エスプレッソ」「スターバックス クラシックティーラテ」発売:全国のコンビニエンスストア・スーパーマーケット容量:200mlカップ希望小売価格:240円(税込)
2023年03月03日コロナ禍を経て4年ぶりに復活するゴールデンウィークの音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」(以下LFJ)の記者会見が2月21日に東京国際フォーラムにて開催され、LFJアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンらが出席した。ゴールデンウィーク中の5月4日(金・祝)から5月6日(土)の開催となる今年のLFJだが、テーマはやっぱり「Beethoven ― ベートーヴェン」。もともと、15周年を迎えるはずだった2020年のLFJにて、ベートーヴェン生誕250周年を盛大に祝う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった経緯があり、今回、改めてこの偉大な作曲家の魅力を詰め込んだプログラムが組まれることになった。メイン会場となる東京国際フォーラムの各ホールには、マリア・マグダレーナ(※ベートーヴェンの母)、ジュリエッタ(※ベートーヴェンがピアノを教えていた伯爵令嬢)など、彼の人生に深く関わってきた女性の名が冠される。有料公演は50公演を予定。コロナ禍の影響による航空券の高騰もあり、海外のアーティストを多く招聘することが難しいこともあり、コロナ前と比べると数は減っているが、その分、広いホールでの公演数を増やす方向だという。また、世界中から集った有料公演出演アーティストが若手演奏家に直接指導を行なう「マスタークラス」も開催。例年、あまりの人気で整理券を求めて長蛇の列ができることを考慮し、今年から有料の事前予約制プログラムになるという。一方、有料公演出演のアーティストが参加するサプライズコンサートなどの無料のキオスクコンサートも地上広場で開催。2020年に続いてアンバサダーを務めるふかわりょうが“ROCKETMAN”として、ベートーヴェンを中心にクラシック楽曲をアレンジしたDJ公演も無料で開催される。交響曲(3番「英雄」、5番「運命」、6番「田園」、7番、9番)にピアノ協奏曲1~5番、ヴァイオリン協奏曲にピアノ・ソナタと人気の楽曲を3日間でカバー。福間洸太朗による新編曲&初演でピアノ3台6人が「トルコ行進曲」を奏でる「豪華6人ピアニストの競演!」、ヨアキム・ホースレイがクラシックとラテン音楽を融合させた「ハバナのベートーヴェン」、ルンバのリズムによる交響曲7番、宮川彬良によるシンフォニック・マンボ No. 5など、様々なアレンジでベートーヴェンを楽しめるのもLFJならではの魅力と言える。ルネ・マルタンは2005年から2019年までを「第1期」とした上で、今年のLFJを「新たな冒険」と語り、4年ぶりの復活の期待を口にしていた。「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023」は5月4日(金・祝)から6日(土)まで開催。チケットぴあでは3月2日(木)から抽選、3月11日(土)から先着受付開始。文:黒豆 直樹
2023年02月22日兵庫県立芸術文化センターは7月14日(金)から、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2023『ドン・ジョヴァンニ』を上演する。同プロデュースオペラがモーツァルトを採り上げるのは2017年の『フィガロの結婚』以来6年ぶり。2014年の『コジ・ファン・トゥッテ』と併せ、モーツァルトオペラの最高峰を形作るいわゆる「ダ・ポンテ三部作」がすべて上演されることになる。世界の第一線で活躍する歌手、そして日本を代表する歌手たちが結集するダブルキャストで全8公演が行われる。佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2023 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」チケット情報『ドン・ジョヴァンニ』はスペインの伝説に現れる色事師。放蕩の限りを尽くし、数々の女性を誘惑し、最後は地獄へ落ちる。モーツァルトと脚本家のダ・ポンテはこの物語をもとに喜劇でありながら悲劇の要素も内包し、恋愛心理の機微にも触れる魅力的なオペラを書き上げた。主人公が地獄へ落ちるクライマックスの怪奇な迫力などは、モーツァルトにしか書けなかった場面と言えるだろう。演出は同プロデュースオペラで『コジ・ファン・トゥッテ』『フィガロの結婚』を手掛けた元メトロポリタン歌劇場首席演出家のデヴィッド・ニース、また装置・衣裳をロバート・パージオラが担当。壮麗な美術や20世紀半ばをイメージしたという衣裳デザインの中、正統的で重厚なステージを創り上げる。2月15日には製作発表記者会見が行われ、佐渡裕とタイトルロールを歌うバリトンの大西宇宙、ドンナ・アンナを歌うソプラノの高野百合絵が登壇した。物語の中心となるドン・ジョヴァンニと3人の女性、ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ、ツェルリーナのとの関わりについて記者から問われた大西は「それぞれがこのオペラの中で現在と過去と未来を表しているようにも思える存在。最後に幸せになるのが誰かを考えてみると、この作品が書かれた時代が見えてくる気がする」と主役ならではの洞察を、また高野はドンナ・アンナの目線から「彼女自身、なぜ自分がドン・ジョヴァンニに惹かれているのか、父の仇でもある彼を憎んでいるのか惹かれているのか最後までわからなかったのではないか」と語り、主人公のミステリアスな魅力に迫った。こうした中、指揮を務める佐渡裕は「『ドン・ジョヴァンニ』はモーツァルトの二面性ともいうべき多彩な表情に溢れた作品。愛を語る甘美な旋律があるかと思えば非常にドラマチックな響きも現れるなど、美しいもの、恐ろしいものほかさまざまな要素が何重にも重なり合って構築されているオペラです。その音楽を劇場空間いっぱいに響かせて皆さまにお届けできることを楽しみにしています」と語り、公演への自信をうかがわせた。チケットは2月26日(日)発売。文:逢坂聖也
2023年02月21日外山啓介が昨年より行なってきたモーツァルト、ベートーヴェン、ショパンの3つのソナタを軸とした「《3つのソナタ》外山啓介 ピアノ・リサイタル」が3月26日に神奈川県立音楽堂にて開催される。「このプログラムはおそらく最後」と語るリサイタルを前に、外山に話を聞いた。モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第12番「葬送」、ショパンのピアノ・ソナタ第2番「葬送」を軸にした今回のプログラム。3人の偉大な作曲家によるソナタの“つながり”に、外山は以前から興味を持っていたという。「モーツァルトの『トルコ行進曲』は、ソナタでありながらソナタ形式ではなく、第1楽章に変奏曲を置くという新しい試みをしています。ベートーヴェンも同様に第1楽章に変奏曲を置いていますが、彼の音楽を語る上で、重要なポイントがピアノという楽器の進化です。私が教えている学生が『ガラケーからスマホくらいの変化』と言っていて『なるほど』と思いましたが(笑)、ベートーヴェンというのは、楽器の進化と共に音楽の幅をものすごく広げた作曲家なんですね。『葬送』は、重いタイトルですが、どこか前向きで、死を哀しみだけでなく、苦しみからの解放のように捉えているところが魅力的だと思います。一方で同じ『葬送』でもショパンのほうが死に対する哀しみや苦しみの重み、エネルギーの大きさを感じます。モーツァルト、ベートーヴェンと比べ、ショパンって『温故知新』、古典への回帰への思いが強いんです。良い意味での折り目の正しさ――きちんと枠があるからこそ、いろんなことが引き立つという魅力を感じさせてくれます。ひと言でクラシックと言っても長い歴史があり、その中で、過去の作曲家にリスペクトを表しつつ、自分なりの新しいものを生み出していくという姿勢に僕自身、感動を覚えていますし、3つのソナタを続けて聴くことで時代が巡っていることの面白さを感じていただければと思います」。ベートーヴェンのソナタとショパンのソナタの間には、ショパンのプレリュード第15番「雨だれ」、「ノクターン第7番」、「第8番」が組み込まれる。「ショパンのソナタが変ロ短調なので、そこにつながるもので始めたくて入れたのですが、『雨だれ』から『ノクターン第7番』へのcis-moll(嬰ハ短調)とDes-dur(変ニ長調)の流れは、今年のプログラムでも一番うまく組めたんじゃないかと思っています。そこから最後のソナタにつながっていく流れもすごく美しいのでぜひ聴いていただきたいです」昨年から行なってきたこちらのプログラムだが「おそらく、今回が最後になる」とのこと。「プログラムって決める時が一番楽しいんです(笑)。このプログラムにも随分苦しめられましたし(苦笑)、同時に救われもしました。これまでの経験を活かした熟成されたプログラムになると思いますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います」。文:黒豆直樹
2023年02月20日ウブロ(HUBLOT)から新作腕時計「クラシック・フュージョン オリジナル」コレクションが登場。創業当時のモデルをモダンな素材で再解釈した「クラシック・フュージョン オリジナル」「クラシック・フュージョン オリジナル」は、創業当時の1980年に発表されたモデル「クラシック」を再解釈したウォッチコレクション。高価なゴールドケースにシンプルなラバーストラップの組み合わせで話題を呼んだ「クラシック」の見た目はそのままに、モダンな素材使いで現代的に仕上げた。インデックスを排除したブラックラッカーのダイアルは、ブランドロゴ&ネームのみをあしらったシンプルなビジュアル。ベゼルには、ウブロを象徴するH型のビスを6つ施している。イエローゴールド・チタニウム・セラミック製の3つのケースケースの素材は、ウブロ創業者カルロ・クロッコのオリジナルデザインを反映したイエローゴールド、チタニウム、セラミックの3種類。それぞれ、42mm、38mm、33mmの3つのサイズを用意する。パワーリザーブ42時間の自動巻きムーブメント「HUB1110」搭載ムーブメントは、自社製自動巻きムーブメント「HUB1110」を搭載。パワーリザーブは、約42時間を誇る。【詳細】「クラシック・フュージョン オリジナル」価格例:・オリジナル イエローゴールド 42mm 3,091,000円・オリジナル チタニウム 38mm 1,012,000円・オリジナル ブラックマジック 33mm 935,000円<使用例>オリジナル イエローゴールド 42MMサイズ:42mmケース:サテン&ポリッシュ仕上げ18Kイエローゴールドベゼル:サテン&ポリッシュ仕上げ18Kイエローゴールド 6個のH型チタニウム製ビス防水性:5気圧(50m)クリスタル:反射防止加工を施したサファイアクリスタルダイアル:ブラックのポリッシュ仕上げストラップ:ブラックスムースラバーのストラップクラスプ:18Kイエローゴールド&ブラック加工のチタニウム製スペシャルフォールディングクラスプ■ムーブメント仕様HUB1110 自動巻きムーブメントパワーリザーブ:42時間【問い合わせ先】LVMH ウォッチ・ジュエリ-ジャパン ウブロTEL:03-5635-7055
2023年02月17日モーツァルトのオペラをヨーロッパの楽士たちの演奏に乗せて能、狂言、文楽の達人たちが演じる。そんな斬新な面白さで人気を博す『狂言風オペラ フィガロの結婚・管楽八重奏版』が3月10日(金)、大阪・大槻能楽堂と、3月12日(日)、東京・観世能楽堂で上演される。それぞれ昼夜の2公演。大阪は4年ぶり、東京は5年ぶりとなる待望の公演だ。狂言風オペラ「フィガロの結婚」チケット情報2002年より狂言を中心に演じられてきたこのシリーズに、能と文楽が合流したのが2018年のこと。芸術総監督に人間国宝の大槻文藏を迎え脚本・演出を笛方藤田流の故・藤田六郎兵衛が手掛けた舞台は、西洋と日本の芸能が出会うものとして高く評価された。が、折からのコロナ禍により、管楽合奏を担当するスイスの演奏団体クラングアートアンサンブルの来日が不可能に。『狂言風オペラ』は翌2019年、大槻能楽堂での再演を最後にしばしの沈黙を余儀なくされることとなる。(画像は2019年公演より)公演を望む声は多く「日本の演奏家を起用しては?」「録音では代替できないか?」といった提案も寄せられたという。しかし出演者一同は「洋の東西の芸能が同じ時間、空間を共有してこその『狂言風オペラ』」という見識に立ち、妥協することなく時期を待った。こうした中、2022年には『狂言風オペラ特別公演』も行われている。シューベルトの歌曲「魔王」をハイライトに、やや趣を異にした『特別公演』ではあったが、クラングアートアンサンブルからはメッセージが寄せられ、また能楽から大槻文藏、文楽から太夫、豊竹呂太夫、人形の桐竹勘十郎が舞台に上っての座談会では各人による『狂言風オペラ』継続への思いが語られた。それらは実に興味深く『狂言風オペラ』本編への期待をつなぐものとなった。こうした流れを経て行われる今回の公演である。ひさびさに来日するクラングアートアンサンブルも含め、それは出演者にとって一層の熱の入ったものとなることだろう。若い女中のスザンナに手を出そうとする伯爵にフィガロや伯爵夫人らが協力して一泡吹かせるという物語が、京の都を舞台に伯爵を中将在原平平(ありわらのひらひら)、伯爵夫人を北の方、橘の上に姿を変えて描かれる。豊竹呂太夫の語りと鶴澤友之助の三味線に乗せて桐竹勘十郎操る人形が身勝手な中将を演じれば、観世流シテ方、赤松禎友が女面、女装束で憂愁の橘の上を舞うといった具合。名人たちの至芸が繰り広げられる中、すべてをユーモラスな笑いにつなげてゆく野村又三郎ら狂言方の動きが圧巻だ。和洋の芸能を結集し、美しさと軽やかな笑いへ誘う「狂言風オペラ フィガロの結婚・管楽八重奏版」。その唯一無二の世界を堪能してほしい。チケットは発売中。文:逢坂聖也
2023年02月17日新国立劇場のワーグナー《タンホイザー》が1月28日(土)に幕を開けた。ハンス=ペーター・レーマン演出のプロダクションは、2007年に新制作され、今回が4度目の上演となる。氷のような透明な柱が移動して官能世界と現世を行き来する舞台(美術・衣裳:オラフ・ツォンベック)。いきなりのバレエ・シーン(東京シティ・バレエ団)がある版での上演で、美しく幻想的だ。充実の歌手陣。現代を代表するヘルデンテノール、ステファン・グールドの題名役がもちろん貫禄の出来栄えなのだけれど、それ以上にエリーザベト役のサビーナ・ツヴィラクに惹かれた。スロヴェニアのソプラノで新国立劇場初登場。第2幕から登場し、〈殿堂のアリア〉を歌い出してすぐ、声の表情の多彩さに聞き耳を立てた。役柄さながらどんどん聖性を増していき、第3幕の〈エリーザベトの祈り〉は神々しいほど。特に弱声の巧みさ・美しさは絶品で、あの深い祈りがあってこそ、直後のヴォルフラム(デイヴィッド・スタウト)の〈夕星の歌〉も引き立つというもの。ヴェーヌス役のリトアニアの若手メゾ・ソプラノ、エグレ・シドラウスカイテは初来日。余裕のある広い声域と濃厚な表現で存在感を示す。日本人キャストも頼もしい。日本が誇るバス妻屋秀和の領主ヘルマンはじめ、鈴木准(ヴァルター)、青山貴(ビーテロルフ)ら「歌びと」たちが、ソロでもアンサンブルでも際立った歌唱。短い出番ながら牧童役・前川依子の透明なソプラノも一服の清涼剤のようなインパクトを残している。合唱シーンも圧巻だった。いつもどおりの高水準の新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)。コロナ禍のオペラ上演はどこも、感染対策のため、人数を減らしたり、舞台裏で歌ったり、合唱シーンに工夫を強いられてきた。舞台いっぱいに広がった合唱の声の“圧”を浴びるのは久しぶりだ。しかも〈大行進曲〉や〈巡礼の合唱〉など、オペラ屈指の名合唱曲のある《タンホイザー》ならなおさら。やっぱりこうでなければ。オペラが戻ってきた!と感慨を深くした。指揮のアレホ・ペレスは新国立劇場初登場だが、二期会や読売日本交響楽団など日本でもすでに定評。正攻法のどっしりとしたワーグナーで、しかも緩むところがない。ピットの東京交響楽団も豊かなサウンドで応えていた。新国立劇場《タンホイザー》は2月11日(土・祝)まで全5公演。上演時間は約4時間(休憩2回含む)。(宮本明)
2023年01月31日神奈川フィルハーモニー管弦楽団と京都市交響楽団でコンサートマスターとして活躍する石田泰尚(いしだ やすなお)が2014年に企画・結成した弦楽アンサンブル「石田組」。彼らのアルバム『石田組 2023・春』が、満を持して4月26日(水)にリリースされる。「石田組」チケット情報また、アルバムの発売を記念した全国ツアー「石田組ツアー2023/2024『石田組』」のスケジュールも発表。5月3日(水・祝)の兵庫公演を皮切りに、北海道から九州まで全国各地での開催を予定している。「石田組」は、プログラムによって様々な編成で演奏をするスタイルを取っている。メンバー=“組員”は、“石田組長”こと石田泰尚が信頼を置く、首都圏の第一線で活躍するオーケストラメンバーを中心に公演ごとに召集。レパートリーはクラシックから映画音楽、ロックまで幅広いジャンルの名曲の数々を掲げ、組員各々の演奏スタイルが最大限に活きるプログラムが各地で設定される。目の前の公演、その時間、瞬間を最も大事にする石田泰尚が放つ緊張感に、卓越した技術で応える組員たちが創り出す、研ぎ澄まされた空間“ライヴ”に魅了されるファンが増幅中。ぜひ一度、「石田組」を体験してほしい。全国ツアーのチケットは順次発売開始。出演メンバーやプログラムも、決まり次第公式サイト()で発表されるのでチェックを!<石田泰尚よりメッセージ>聴いてくれるお客さんが一人でもいてくれる限り、目の前の1公演に全力投球です。仲間の素晴らしい演奏をぜひ聴きにきてください。
2023年01月31日