ロエベ(LOEWE)から、アメリカ人芸術家のケン・プライスにインスパイアされたカプセル コレクションが登場。「ハンモック バッグ」や「パズル バッグ」など含む新作アイテムを、2020年11月12日(木)より全国のロエベ ブティックほかにて発売予定。毎年クリスマスシーズンのため、クラフト・アーティストとのコラボレーションによって特別なアイテムを展開しているロエベ。2020年は、アメリカ人芸術家のケン・プライスにインスパイアされたプレイフルなカプセル コレクションを用意する。ケン・プライスのカラフルな世界を落とし込んだカプセル コレクションケン・プライスは、1930年代に生まれ、伝説的なフェルス・ギャラリーでの展示をきっかけとし、1960年代にアメリカ国内での名声を確立した。彼が作りだすのは、明るい色使いの小さなセラミック彫刻。メキシコの土器をはじめ、伝統的な民族陶器などを着想とする作品は、ユーモアとたっぷりのエネルギーを感じさせる。1980年代初頭の作品にインスパイアロエベのクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンは、そんな彼の作品の中から、1980年代初頭、ニューポートビーチにあるレストラン「La Palme」の依頼で制作されたという20枚の手描きセラミックプレートに着想を得て、今回のコレクションを完成させた。レザー小物やウェアには、「ヤシの木」、「イースター島」、「LAシリーズ」、および「Happy’s Curios」展で使用されたモチーフが様々な手法で取り入れられている。カラフルな絵画に染まるアイコンバッグレザー小物には、レザーのパーツをパズルのように当てはめることで模様を作り出すマルケトリー製法によって、ケン・プライスの色彩の世界を表現。ロエベを象徴する「パズル バッグ」や「ハンモック バッグ」などのアイコンバッグには、さらにインターシャの技法を加えて、ヤシの木が立ち並ぶ景色や、海沿いや都会の景色を表情豊かに表現している。また、エネルギー溢れる「イースター島」シリーズは、「バルーン バッグ」と「クッション バンブー トート」のキャンバス部分だけでなく、キャンバス地のポーチにもプリントされている。プレイフルなメンズ・ウィメンズウェアウェアのラインナップは、メンズ・ウィメンズともにバリエーション豊か。シルクシャツやスウェット、フーディ、Tシャツ、ウォッシュドデニムパンツ、ドローストリングスカート、シャツなどにも、彼のカラフルな絵画をプリントで落とし込んだ。カシミアカーディガンは、同じモチーフがインターシャで再現されている。ヤシの木の形を模したスカーフは、纏うだけでハッピーな気持ちになれそうなアイテムだ。東京・大阪で期間限定ストアまた、伊勢丹新宿店と大阪の阪急うめだ本店にて2020年12月2日(水)から8日(火)まで、銀座三越にて12月9日(水)から15日(火)まで、期間限定ストアを開催。限定アイテムとして、ライトブルーを基調に「ヤシの木」や「イースター島」をデザインした「ハンモック バッグ」が発売される。渋谷パルコの店頭でステッカー配布渋谷パルコでは、11月23日(月・祝)まで1階のロエベ店頭にてステッカーを配布。ステッカーには、モデル、女優、アーティストとして多方面で活躍する田中シェンによるイラストが描かれているほか、アナグラムやアイコンバッグのデザインも用意している。【詳細】ケン・プライス カプセル コレクション発売日:2020年11月12日(木)取り扱い:ロエベ ブティックおよびロエベ公式オンライン ブティック■アイテム価格例パズル バッグ 360,000円ハンモック スモール バッグ 366,000円バスケットバッグ 93,000円コンパクト ジップ ウォレット 91,000円フーディ 112,000円カーディガン 112,000円Tシャツ 36,000円〈限定バッグ〉ハンモック スモール イースター バッグ 366,000円 ※期間限定ストア限定販売■期間限定ストア・伊勢丹新宿店本館1階 ザ・ステージ会期:2020年12月2日(水) ~ 8日(火)住所:東京都新宿区新宿3-14-1・阪急うめだ本店 1階「コトコトステージ11」会期:2020年12月2日(水)~8日(火)住所:大阪府大阪市北区角田町8-7・銀座三越 本館1階 GINZAステージ会期:2020年12月9日(水)~15日(火)住所:東京都中央区銀座4-6-16■渋谷パルコ ステッカー配布期間:~2020年11月23日(月・祝)場所:渋谷パルコ 1階 ロエベ店頭住所:東京都渋谷区宇田川町15-1※なくなり次第終了
2020年11月14日《ice forms VII》2008年《New Ocean:thaw 》、2001年の制作用スチル Courtesy of the artist © Doug Aitkenこのたびエスパス ルイ・ヴィトン東京は、アメリカ人アーティスト、ダグ・エイケンによる没入型インスタレーション《New Ocean: thaw》を紹介する展覧会を11月13日から2021年2月7日の期間にて開催いたします。本展は、これまで未公開のフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品を東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウルのエスパス ルイ・ヴィトンで展示する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環であり、国際的なプロジェクトを通じて、より多くの人々に所蔵作品に触れる機会を提供することを目指しています。ダグ・エイケンの作品は、写真、彫刻、建築的介入から、映画、サウンド、シングルおよびマルチチャンネル・ビデオ作品、インスタレーションまで多岐にわたります。逆説的に抽象的なエイケンの芸術は、人物像と風景を中心に据え、単純な視覚的知覚の境界を超えた、ほぼ身体的ともいえる感覚特性を帯びています。没入型プロジェクション《New Ocean: thaw》は、アラスカの詩情溢れる広大さへの新たな視点を提示し、19世紀のパノラマで表現されたような自然の広大さに対するロマンティックな感情に迫りますが、作品を取巻いているのは、気候変動、大災害、氷河融解といった現代の状況です。フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品を紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として展示されるこの壮大な作品は、今回エスパス ルイ・ヴィトン東京のためにアーティストによって再構成されました。フォンダシオン ルイ・ヴィトンについてフォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そして現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。2014年10月の開館以来、600万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。また、フォンダシオンは、東京、北京、ミュンヘン、ヴェネツィア、ソウルに設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムのアーティスティック・ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。(c)Louis Vuitton/Daici Ano会期:2020年11月13 日(金) - 2021年2月7日(日)開館時間: 12:00 - 20:00休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準じます。 入場無料・予約不要会場内の混雑防止のため、入場をお待ちいただく場合がございます。* 休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準じます。エスパス ルイ・ヴィトン東京 / Espace Louis Vuitton Tokyo〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ ヴィトン表参道ビル 7F東京メトロ 銀座線・半蔵門線 ・千代田線 表参道駅 A1 出口から徒歩3 分#EspaceLV#CollectionFLV#fondationlouisvuitton企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年11月06日是枝裕和監督との対談も話題となったケン・ローチ監督の最新作『家族を想うとき』をはじめ、これから公開される、夫婦や家族の様々な形と絆を描いた3作品をピックアップ。夫婦やカップルで一緒に映画館で鑑賞したら、感想をじっくりと語り合いたくなる珠玉作ばかりとなっている。時代に翻弄される英国の家族を描く『家族を想うとき』2016年カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、日本でも大ヒットを記録した『わたしは、ダニエル・ブレイク』。この傑作を最後に、一度は表舞台から降りたケン・ローチ監督だが、同作のリサーチ中に社会の底辺で目の当たりにした“現実”が彼の心の中に生き続け、いつしか“別のテーマ”として立ち上がり、どうしても撮らなければならないという使命へと駆り立てた。労働者階級に寄り添ってきた名匠が引退表明を撤回して最新作で描いたのは、グローバル経済が加速しているいま、世界のあちこちで起きている働き方問題と、急激な時代の変化に翻弄される現代家族の姿。個人事業主とは名ばかりで、理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父。そんな父を少しでも支えようと互いを思いやり、懸命に生き抜く母と子どもたち。日本でも日々取り上げられている労働問題や家族の姿とも重なり、観る者はこの家族の美しくも力強い絆に、激しく胸を揺さぶられるだろう。ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか12月13日(金)より全国にて順次公開。時と国を超えた壮大な家族の物語『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』ゴールデン・グローブ賞を含む38の賞を受賞した大ヒットドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」。その企画・脚本・製作総指揮を手掛けるダン・フォーゲルマンが、何十年もの歳月、2つの大陸、2つの言語にまたがる壮大な家族の物語を書き上げ、自らメガホンを取り映画化した『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』。キャストは、オスカー・アイザック、オリヴィア・ワイルド、オリヴィア・クック、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラスと実力派俳優が総出演。愛ゆえの葛藤、家族との別れ、一瞬のあやまち、運命のいたずら――。誰もが人生の旅路で出会う悲しみを真正面から描き、その悲劇に押しつぶされそうになっても、必ず喜びの瞬間を見つけることができると伝えてくれる感動のストーリーを紡ぎ出す。11月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。2組の夫婦関係の“新たな意義”『冬時間のパリ』『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』などで知られるフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤスの最新作『冬時間のパリ』。紙からデジタルへ、テクノロジーの進化と共に変化を迫られるパリの出版業界を舞台に、編集者と女優、作家と政治家秘書という、2組の夫婦の愛の行方を軽妙なタッチで描き出す。出演は、是枝裕和監督『真実』も話題の大女優ジュリエット・ビノシュや、監督としても活躍する『セザンヌと過ごした時間』のギヨーム・カネ、ポスト・ジェラール・ドパルデューと称される『女っ気なし』『セラヴィ!』のヴァンサン・マケーニュ、人気コメディエンヌのノラ・ハムザウィ、そして『木と市長と文化会館』で主演を務めたパスカル・グレゴリーが思わずニヤリとさせられる役どころで出演。「互いの関係に新たな意義を見出し、受け入れ合う夫婦を語りたいと思った」と語るアサイヤス監督の脚本は、洗練された会話とユーモアに満ちており、迷える男女の愛のドラマとパリの出版業界を共鳴させながらも、“パリのいま”を鮮やかに活写する。まるでウディ・アレン作品を思わせるような、“フランス的、人生の愉しみ方”がたっぷりと詰まった、小粋で洒脱な大人のラブストーリー。12月20日(金)よりBukamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019冬時間のパリ 2019年12月20日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIMEライフ・イットセルフ未来に続く物語 2019年11月22日TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2018 FULL CIRCLE PRODUCTIONS, LLC, NOSTROMO PICTURES, S.L. and LIFE ITSELF AIE. ALL RIGHTS RESERVED
2019年11月22日EXILE/EXILE THE SECONDのパフォーマー・橘ケンチが監修を務める「LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI」において、橘自身が魅了されたという福井県嶺北の食材と日本酒を提供する「越前福井フェア」「黒龍酒蔵の会」が実施されることになり、11月5日に橘が会見に出席した。橘は福井との関わりを持つことになったきっかけについて、以前、「錦織」という名で同じ場所で店舗が営まれていた際に「何度か福井の人々がいらしてくださって、『福井に遊びに来てください』と言われて、何度か足を運び、すっかり魅了されました」と明かす。ちょうど「IZAKAYA AOBADAI」をオープンするタイミングということもありフェアの実施を決めたという。自身、何度も福井を訪れ、飲食店や酒蔵、名所にも足を運んだが「福井の食材って東京にいるとあまり聞かないかもしれないけど、実際に訪れると、全てがおいしいんです」と強調!とくに11月6日には越前ガニ漁が解禁となるが、同店舗でもイチオシのメニューはやはり越前ガニ!「地酒と合わせていただければ。8種類くらいメインがあって、日替わりで変わっていくことになると思います。(期間中)全部で20種類くらいは体験できると思います」と語った。単に食材を東京の店で紹介するだけにとどまらず、福井の町おこしにも積極的な橘。雑誌の企画で自ら福井の歩き方マップの作成にも携わっており「東京からだと3時間くらいで着きますが、それくらいかけていく価値がある場所です。土日の小旅行に最適」とアピール。さらに北陸新幹線の福井県内(敦賀)開業が4年後の2023年に迫っていることに触れ「いま、(福井では)いろんな準備が進んでいるので、僕ももっと足を運んで魅力を伝える手助けをするなど何かしら貢献ができたら」と語っていた。10月1日にはかねてより交際していた女性との入籍を発表したが「いろんな人から(祝福の声を)いただいて、嬉しいです」とニッコリ。まだ夫婦で福井を訪れたことはないそうだが「いつか行きたいです。(現地で訪れたい場所は)まずは自分が作成したアップをたどるところから(笑)」と思いを馳せていた。取材・文・写真=黒豆直樹「LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI」越前福井フェアは11月9日より開催。
2019年11月05日今年のカンヌ国際映画祭にて審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、オスカー前哨戦ともいわれるトロントやニューヨークなど各映画祭で絶賛&受賞を重ねているポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』。来る第92回アカデミー賞でも有力視されている本作は、近年、名匠や気鋭監督たちがこぞって取り上げる国境を越えた共通のテーマを浮き彫りにしている。全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という、相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、すでに韓国では1,000万人突破、フランスでは160万人突破ほか、各国で動員記録を塗り替える驚異的な盛り上がりをみせている。ソン・ガンホが父親を演じるキム一家は、窓を開ければ目の前に地面、日の光もほとんど入らず、水圧が低いために家の一番高い位置にトイレが鎮座する“半地下”の家での生活から抜け出せずにいる。彼らの極貧生活が、豪邸をかまえるパク社長一家との出会いでどのように変化していくのか、気になるところだ。そんな本作は貧富格差はもちろん、学歴社会、雇用問題など…いま世界が直面している問題への痛烈な批判を内包しつつ、ユーモア、サスペンス、アクションなど、あらゆる要素を融合させながら、ツイストの効いた展開で超一級のエンターテインメント作品として描かれている。ポン・ジュノ監督はカンヌの受賞式で、「世界の人たちにどこまで伝わるかがわからなかった。だが家族の問題というのは、どこの国でも共通なのだと思った」と語った。次に挙げる作品群もまた、いま世界が注目する監督がそれぞれ全く異なったアプローチで描く、貧富の両極化の中でもがく“どこにでもいる普通の人々”の姿。決して他人事ではない普遍性のあるテーマだからこそ、個性豊かな作品を貫く共通テーマに注目してみてほしい。●カンヌ、昨年のパルムドール『万引き家族』是枝裕和監督(’18)様々な“家族のかたち”を描き、今年はカトリーヌ・ドヌーヴやジュリエット・ビノシュらを迎えた『真実』が公開される是枝監督が、実際の事件に着想を得て“犯罪でしか繋がれなかった家族の絆”を描いた。昨年、カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めた女優ケイト・ブランシェットから「見えない人々(Invisible People)に声を与えた」と評された本作を、是枝監督は「社会的、政治的問題を喚起する目的で映画を作ったわけではない」としながらも、「通常の枠を超えて多くの人のところに届いている」と実感を込めて語っていた。●ヴェネチアで最高賞『ジョーカー』トッド・フィリップス監督(公開中)「バットマン」の悪役ジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックスを主演に迎え、オリジナルストーリーで描いた。ゴッサムシティという架空の街を舞台にしながら、両極化が進み、理不尽がまかり通る社会体制からはみ出した存在にフォーカスしている点も興味深い。第79回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞を受賞し、アカデミー賞の最有力候補の1つとされている。フィリップス監督はヴェネチアの記者会見で、アーサー/ジョーカーという存在について「彼のゴールはあくまで『人々を笑わせたい』、『世界に喜びをもたらしたい』ということだったんだ。でもそれが様々な出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ」と、格差社会をはじめとする様々な要因がジョーカー誕生の背景にあることを明かしていた。●全米で記録樹立『アス』ジョーダン・ピール監督(公開中)『ゲット・アウト』でアカデミー賞脚本賞に輝いたジョーダン・ピール監督の最新作。自分たちとそっくりな存在と対峙する、裕福な黒人一家の恐怖を描いたサスペンススリラーだ。全米では前作を上回る、週末興行収入ランキング初登場1位を記録。オリジナル・ホラー作品のオープニング記録、オリジナルR指定作品のオープニング記録の歴代1位をそれぞれ更新した。ピール監督は、本編冒頭に象徴的に登場する“貧困層やホームレスを救おう”と銘打った1986年のチャリティーイベント「ハンズ・アクロス・アメリカ」に触れ、「その頃から、アメリカの貧富の差は拡大していった。貧困層もホームレスも急激に増えていった」とふり返っている。●カンヌ・ある視点部門グランプリ『ボーダー 二つの世界』アリ・アッバシ監督(10月11日公開)醜い容姿のせいで孤独を抱えながらも人並外れた嗅覚を持つ女性が、奇妙な男との出会いにより人生を変える事件に巻き込まれる様を描く。善悪、美醜、性別、貧富…様々なものに境界線が引かれた世界のいまを浮き彫りにし、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門のグランプリ受賞。イラン系デンマーク人の新鋭アリ・アッバシ監督と、『ぼくのエリ 200歳の少女』原作者のヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが共同で脚本を手掛けた本作。監督は「この作品は自分自身のアイデンティティを選ぶことができる人についての映画」とその魅力を語っている。●引退を撤回して描きたかった物語『家族を想うとき』ケン・ローチ監督(12月13日公開)第69回カンヌ国際映画祭(2016年)のパルムドール受賞作『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していた英国の巨匠ケン・ローチが、それを撤回してまで描きたかったのは“現代の家族の姿”。第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された。夫は宅配業者とフランチャイズ契約を結んだ個人事業主、妻はパートタイムの介護士。ギリギリの生活を送る主人公家族は、「ウーバーイーツ(Uber Eats)」などのギグエコノミー(インターネットを通じて単発の仕事を受注する)の浸透や、コンビニのフランチャイズ店オーナーの24時間営業問題、ブラックバイトや過労死にも繋がる長時間労働問題など、いまの日本にも通じるタイムリーさも。ローチ監督は是枝監督とNHKの番組で対談を行い、『誰も知らない』や『万引き家族』に「通じるものがある」と語っている。『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アス 2019年9月6日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2018 UNIVERSAL STUDIOSジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”ボーダー 二つの世界 2019年10月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開©Meta_Spark&Kärnfilm_AB_2018家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019
2019年10月14日EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチ監修によるガイド小冊子『SAIJO SAKE TOURISM』が完成したことを受け、9月27日(金)よりフリーペーパーとして配布が開始されることが発表。あわせて、橘のコメントが公開された。この度完成したガイド小冊子『SAIJO SAKE TOURISM』は、経済産業省の委託事業であり、2018年に起こった西日本豪雨被害に対する復興支援プロジェクト『HASHIWATASHI PROJECT』のプロデュース支援事業の一環として進められたもの。橘はプロデューサーとして一般公募された中国エリアの企業の中から、岡山県・丸本酒造及び広島県・賀茂泉酒造の2酒蔵会社と取組みを実施。岡山の丸本酒造とは田植えと稲刈を共に行い、無農薬田復活のサポートを行っており、広島では賀茂泉酒造を含めた東広島市西条の魅力を再発見すべくこの1冊を介してPRを担った。まず1月に橘自身が視察のために西条を訪問し、関係各所との協議を重ねながら、賀茂泉酒造・前垣氏からの「改めて西条のいいところを発信することで街を活性化させて、西日本豪雨の風評被害を含めて拭い去って欲しい」という言葉を受けてガイドブックの制作を提案。7月の再訪時には、「世代を問わず街のみなさんと共に冊子を創り上げたい」という橘の想いから、西条酒造協会に加えて広島大学の学生団体maho Labo.の協力の元、編集チームを組んだ上で人と人が想いを醸す醸華町の取材を行った。【関連リンク】 maho Labo.()実際に『SAIJO SAKE TOURISM』のページをめくると、西条や安芸津エリアの酒蔵紹介に始まり、注目のスポットも掲載している他、西条酒造協会の8蔵を巡った証としてスペシャル・ラベル・ステッカー“SAKE BREWERY LABEL”を貼りつけるページもあるなど、手に取った読者自らでこの本を完成させることができるという趣向が凝らされている。また橘は、「今後は酒造協会やmaho Labo.のみなさんにこの本をお預けして、よきタイミングで新しい情報を更新しながら受け継いでいっていただけたら嬉しいです」と、日々活性化していく街と同様にガイドブック自体もアップデートできる余地を残して地元に託すことを表明した。配布は9月27日(金)より、主に東広島市及び西条の関係施設にてスタートする。部数は限定10,000部で、東京銀座のひろしまブランドショップTAUやLDH kitchen IZAKAYA AOBADAIでも一部取り扱う予定だが、数に限りがあるとのことなので、気になった方は早めのチェックが必要だ。さらに、『SAIJO SAKE TOURISM』の配布開始告知と時を同じくして、東広島を舞台に、例年2日間でおおよそ25万人もの日本酒好きが集まる『酒まつり2019』の2日目、10月13日(日)の出演決定もアナウンスされている。ぜひこの秋は『SAIJO SAKE TOURISM』や『酒まつり2019』をきっかけに東広島市及び西条の魅力を再発見してみるのはいかがだろうか。橘のコメントは下記。■橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)西条は酒の都としてクローズアップされることが多いと思うんですが、この1冊は日本酒だけのものにはしたくありませんでした。なぜなら、そこに生きている人や自然、いろんなものがクロスオーバーしている様を落とし込みたかったから。それを最も象徴するのが日本酒という捉え方でした。そうして世代を問わず多様な考え方に触れた時に、改めて誰もが活気を持って生きている街だと実感しました。もしも手に取ってくださったみなさんが醸華町のいたるところにあるわくわくする気配を少しでも感じ取ってくださったら嬉しいです。そして、さらに活性化していく街同様に、この小冊子が受け継がれていくものとなればと願っています。■LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI『西条酒蔵フェア』橘監修による注目の新店舗LDH kitchen IZAKAYA AOBADAIでは、『SAIJO SAKE TOURISM』の配布開始を受けて東広島市西条の酒蔵フェアを開催。期間は日本酒の日10月1日(火)から『酒まつり2019』閉幕の翌10月14日(月・祝)まで。催事名:LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI『西条酒蔵フェア』実施店舗:LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI期間:2019年10月1日(火)~14日(月祝)予定【関連リンク】 LDH kitchen IZAKAYA AOBADAI『西条酒蔵フェア』()■『酒まつり2019』小冊子『SAIJO SAKE TOURISM』でフォーカスした東広島市を舞台に、2日間でおおよそ25万人近い来客者がある日本酒界の一大イベント。“La chic(らしく)”をテーマに開催される2019年は、HASHIWATASHI PROJECTや酒サムライとしての繋がりを含め、橘がポスターやホームページといった公式ビジュアルを担った。橘のトークイベントへの出演は10月13日(日)。イベント名:『酒まつり2019』開催日:2019年10月12日(土)及び10月13日(日)会場:JR西条駅周辺【関連リンク】 『酒まつり2019』()
2019年09月24日ソーイ(soe)は、アーティストの中村ケンゴとコラボレーションしたウェアを、2019年9月21日(土)からM.I.U.にて行われる「ソーイによる中村ケンゴ展」にて発売する。中村ケンゴは、Eメールで使われる顔文字やワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットといった現代社会を象徴するモチーフを、日本画の技法を用いて表現するアーティスト。コラボレーションアイテムとして、顔文字を解体して散りばめたような「心文一致」シリーズのプリントをあしらったコートやシャツが登場する。また、アーカイブ作品をコラージュしたフライトジャケットやボディバッグなども展開される。M.I.U.では、「ソーイによる中村ケンゴ展」を2019年9月21日(土)から9月29日(日)まで開催。また、コラボレーションを記念して「中村ケンゴによるソーイ展」を銀座のギャラリー・MEGUMI OGITA GALLERYにて10月4日(金)から10月12日(土)まで開催する。両会期ともに、ソーイと中村ケンゴがタッグを組んだ限定スーベニアアイテムが用意される。【詳細】ソーイ×中村ケンゴ発売日:2019年9月21日(土)展開場所:M.I.U.(東京都目黒区青葉台3-18-10 1F)・プリントコート 112,000円・プリントフライトジャケット 78,000円・プリントシャツ 36,000円・ボディバッグ 39,000円■「ソーイによる中村ケンゴ展」期間:2019年9月21日(土)~9月29日(日)開場時間:12:00~20:00会場:M.I.U.■「中村ケンゴによるソーイ展」期間:2019年10月4日(金)~10月12日(土)開場時間:11:00~19:00休廊日:日・月・祝日会場:MEGUMI OGITA GALLERY住所:東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
2019年09月23日第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されたケン・ローチ監督作『家族を想うとき』から、予告編と新場面写真が到着した。『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していたローチ監督が、それを撤回してまで描きたかったのは、グローバル経済が加速する中で変わっていく人々の働き方と、時代の波に翻弄される「現代の家族の姿」。理不尽なシステムによる過酷な労働の中で、社会の下層から這い上がれない家族を通し、現代社会への「怒り」を描く。今回到着した映像は、30秒と短いながらも美しく力強い家族の絆を感じさせる。本部の上司に「勝つのも負けるのもすべて自分次第。できるか?」と確認され不安な表情の父リッキー。想像以上に過酷な働き方に疲弊していくリッキーとマイホーム購入を夢見て介護福祉士として必死に働くアビーという、忙しい両親とのすれ違い生活に寂しい思いを募らせていた息子セブは、「父さんみたいな負け犬にならない」と暴言を吐くなど、問題行動を起こすようになってしまう。そして、息子のために急遽仕事を休んだリッキーに対し「仕事に穴を開けるなら制裁金100ポンドだ」と追い討ちをかけてくる上司に、家族を守ろうと必死に声を荒げるアビーといった姿も。一変して、車の中で楽しそうに踊る家族や、配送を手伝った娘ライザと父とのシーンなど、幸せそうなひとときも描かれている。また予告編と併せて公開された場面写真には、リッキーの険しい表情や、アビーが仕事で介護をしている場面。さらに、配送の合間にトラックの荷台でリッキーとライザが談笑したり、食卓を囲む幸せそうな家族が切り取られている。『家族を想うとき』は12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019
2019年09月16日日本でも大ヒットとなった『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していたイギリスを代表するケン・ローチ監督が、引退宣言を撤回して手掛け、第72回カンヌ国際映画祭で世界中から絶賛された最新作『Sorry We Missed You』(原題)の邦題が『家族を想うとき』に決定し、ビジュアル&海外版予告が解禁。さらに、NHK「クローズアップ現代+」では是枝裕和監督との対談が実現していることが分かった。父リッキーは、マイホーム購入の夢をかなえるためにフランチャイズの宅配ドライバーとして独立。母アビーはパートタイムの介護士として、時間外まで1日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高校生の長男セブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせてゆく。そんななか、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう――。個人事業主とは名ばかり、理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父。そんな父を少しでも支えようと互いを思いやり懸命に生き抜く母と子どもたち。日本でも日々取り上げられている労働問題と重なる物語は、名匠が引退宣言を撤回してまで描きたかった、加速するグローバル経済の中で変わっていく市井の人々の働き方と、時代の波に翻弄される現代の家族の姿を映し出す。この度解禁された日本版ビジュアルは、イギリスの美しい夕暮れの田園風景を背景に、主人公リッキーたちが並ぶ家族4人の写真がメイン。皆で過ごす時間が減りながらも、互いを思いやり懸命に生きる彼ら。「本当はもっと一緒に過ごしたい」というストレートな想いを凝縮した、「毎日、抱きしめて」というコピーが添えられている。また、9月17日(火)のNHK「クローズアップ現代+」では、ケン・ローチ監督と是枝監督の対談の様子を収めた【是枝裕和×ケン・ローチ “家族”と“社会”を語る】を放送予定。ロンドンで行われた対談では、ローチ監督を師と仰ぐ是枝監督の思い、お互いのキャストへの演出へのこだわりや、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『万引き家族』と共に現代社会の片隅で生きる人々を描いてパルム・ドールを受賞した両監督が「映画が不寛容な社会にできること」をテーマに熱く語る。『家族を想うとき』は12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。「クローズアップ現代+」【是枝裕和×ケン・ローチ “家族”と“社会”を語る】は9月17日(火)22時~NHK総合にて放送予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019
2019年09月09日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Lust For Life』Ed Van Der Elskenオランダ人写真家、エド・ファン・デル・エルスケンのカラー作品の全貌を見渡す初めての写真集。エド・ファン・デル・エルスケンはモノクロ作品で世界的に有名になったが、実際には作品の多くはカラーで作られていたという。1950年代初頭にパリでカラー写真を始め、60年代後半までに旅行記などほぼカラーのみで撮るように。本書はファン・デル・エルスケンのカラー・フォトグラファーとしての進化を辿り、作品を美術史の文脈に置く。比較的知られていない未公開の画像に加えて、オランダ写真美術館による2年間に及ぶファン・デル・エルスケンのスライド復元大規模プロジェクトについても詳しく解説する。【書籍情報】『Lust For Life』写真:Ed Van Der Elsken出版社:Lecturis言語:英語ハードカバー/256ページ/290×240mm発刊:2019年価格:6,200円(為替により変動)■Shelfオフィシャルサイトで『Lust For Life』を購入する
2019年08月31日カンヌ国際映画祭パルムドールに輝く『秘密と嘘』やヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『ヴェラ・ドレイク』などで知られるイギリスの巨匠マイク・リー監督。寡作ながら発表する作品が常に世界的な評価を受ける監督が、新作『ピータールーマンチェスターの悲劇』では1819年にイギリスで起きた虐殺事件を扱った。なぜ、いま200年前の史実に目を向けたのか? リー監督が電話インタビューに応じてくれた。今回、彼が主題にした“ピータールーの虐殺”は、1819年8月16日にイギリス・マンチェスター、セント・ピーターズ・フィールドで起きた。この日、同地の聖ピーターズ広場では、経済の悪化で苦境にあえぐ労働者たちを対象にした集会が開かれた。当日の主は、カリスマ的な活動家として名をはせていたヘンリー・ハントの演説。それもあって6万人をこえる労働者たちが広場に集まったという。ただ、あくまで参加したのは市井の人々で武器なども持ってはいない。労働者にも選挙権などを求める、平和的なデモでしかなかった。ところがそこにサーベルを振り上げた義勇軍とライフル武装した軍隊が乱入。市民に多大な犠牲者が出た。リー監督自身、マンチェスター出身ながら、この事件のことをあまり知らなかったという。「マンチェスターで育ってきたけど、ほんとうにあまり知らなかったんだ。もちろん、こういう事件があったことは聞いていたんだけど、詳細については曖昧な形でしかしらなかったんだよ」事の重大さからすると教科書に載ってても不思議ではないのだが? 「教えている学校もある。でも、教えていない学校もある。おっしゃる通り、イギリス中の学校で教えられるべき、または教科書で説明されていないといけない事件だと思う。でも、実際はそうなっていないんだ」ここにこそ、実は自身が描く理由があったという。「イギリスの学校では、たとえばヘンリー8世には奥さんは何人いたかとか、何年にはこんなことがあったとか習うわけです。ただ、イギリスの体制にとっての汚点はあまり深く触れられない。たとえば、イギリスはインドを植民地にしていたことは触れられる。でも、インドに対して自分たちがどれほどひどいことをしたかは教えられない。ただ、これはイギリスに限ったことではないんじゃないかな。自国に都合の悪いことというのはとかく目をつぶってしまうものだ。だからこそ、この史実を描こうと思ったんだ」これだけの史実をまとめるのはそうとうな困難だったことは想像に難くない。「このプロジェクトは2014年にスタートした。まず最初の段階はリサーチ。この事件を様々な角度から調査した。これに2年半の時間が費やされた。それからキャスティングにとりかかって、ここにも多くの時間がかかった。そのあと、ご存知かもしれないけど、私はいわゆるスタンダードな脚本というものを作らない。俳優たちに実際に演じさせて、リハーサルをしながら脚本を作っていく。この作業を経ての脚本を作っていく過程に半年かかった。そして16週間の撮影を経て、ポストプロダクションに3、4カ月ぐらい。毎回のことだけど映画作りというのは時間がかかるんだよ。ただ、今回はリサーチには相当な綿密さと詳細さが求めたから、時間はかかったね」作品を見てどうしても感じてしまうのは無力感。権力者が弱者を圧し潰す社会構造は今も昔も変わらない。その事実に愕然とするが、リー監督はどう向き合っていたのだろう? 「さっき、このプロジェクトは2014年に始まったといったけど、そのときは、ピータールーの虐殺を描いて、ここまで既視感を覚えるような社会状況になっているとは想像していなかった。ほんとうに今、世界は極右やナショナリズムの台頭で、どんどん悪い方向へ進んでいる。寛容な社会とは程遠い。私自身、無力感にさいなまれているよ。ただ、それでも前を向かないといけない。自分たちに何ができるのか?それを問い続けなければならない」また、許しがたい“怒り”が作品に充満している。「私自身、虐殺そのものにも、治安判事たちをはじめとした権力側にいる人間たちの怒りを感じている。彼らの行為は許しがたい。それが映っているんじゃないかな。それにしても、この事件の顛末を見ていると、権力を持つ者には正気はないのかと思うよね」先ほど触れたように、リー監督は、いわゆる脚本を最初は用意しない。俳優とのリハーサルを重ねる中で脚本を作り上げていく。このスタイルを変えようとは思わないのだろうか? 「その質問は彫刻家に油絵をなんで描かないのか?といっているようなものだよ(苦笑)。このスタイルは私がデビューから続けてきたアートであり、技であり、手法だ。私は脚本家であり、映画作家。両方の役割をしながら、いつも思うのは俳優たちの可能性なんだ。彼らには無限の可能性がある。私が自宅でひとり考えて書いたことよりも、俳優に演じてもらって出てくるアイデアのほうが信じられないぐらいすばらしいものが生まれてくる。それがわかっているからね。新しいやり方を模索するのははっきり言って時間の無駄。これからもたぶんこのスタイルでいくと思うよ」気づけば彼も70代の半ばを超えた。歳が近いイギリスの巨匠といえば、ケン・ローチ、スティーヴン・フリアーズがいる。3人は同じBBCテレビ出身でもある。「ふたりはいい友人で盟友だ。ケン・ローチは紛れもなく世界的な巨匠であり、社会の現状に常にアプローチして、鋭いメッセージを発する作品を発表している。ある意味、彼はいま世界の何をみるべきか、何を知るべきか、何について考えればいいか、その方向を明確に示してくれる映画人といっていいだろう。一方、僕は彼よりももっとワイドでオープンというかな。ある問題を提示することで、いろいろなことを考えるきっかけを与えたいと思っている。そういうタイプの作家だと思う。対してフリアーズは僕とローチの折衷というかな。ある問題があったら、こういう解釈があると、新たな視点や発見を提示するタイプだと思う。僕らがBBCテレビにいた1970~80年代初頭というのは、すばらしい時代で。すごく自由で政治や社会的なことに批判をするような作品も作れた。映画でもできないことがBBCのテレビではできたんだ。すごくこれは私たちにとってラッキーだった。たぶん3人とも自身の基礎になっているんじゃないかな」『ピータールー マンチェスターの悲劇』公開中取材・文:水上賢治
2019年08月09日映画『家族を想うとき』が、2019年12月13日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。カンヌ・パルムドール受賞、ケン・ローチ監督最新作メガホンを握るのは、映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』でカンヌ国際映画祭 最高賞パルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督。これまで労働者や移民、貧困など社会問題に焦点を当て、社会的弱者を取り巻く現実、明日を生きようとする人々の懸命な姿を捉えた作品を世に送り出してきたケン・ローチ監督だが、『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していた。“働いても働いても報われない”英国家族の物語監督が引退宣言を撤回してまで、本作『家族を想うとき』で描きたかったのは、グローバル経済が加速する中で変わっていく人々の働き方と、時代の波に翻弄される「現代の家族の姿」だ。物語の舞台は、イギリス北東部ニューカッスル。マイホーム購入を夢みて働く父・リッキーとホームヘルパーとして働き家計を助ける母・アビー。そして愛する息子セブ、娘ジェーンの4人家族が主人公だ。父リッキーは、大手配送業者のフランチャイズの下請けドライバーとして働き、母アビーはホームヘルパーとして朝から晩まで働く。理不尽なシステムによる過酷な環境下では、働いても働いても、社会の下層から這い上がれない報われない日々が続いている。社会への「怒り」、働き方への疑問。両親が懸命に働く中、子供たちはどんどん寂しさを募らせていくのだった…。日本でも日々取り上げられている労働問題と重なり、観る者は現代社会が失いつつある家族の美しくも力強い絆に、激しく胸を揺さぶられるだろう。あらすじイギリス、ニューカッスルに住むある家族。父のリッキーはマイホーム購入の夢をかなえるために、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立。 母のアビーはパートタイムの介護福祉士として、時間外まで 1 日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高 校生のセブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせてゆく。そんななか、リッキーがある事件に巻き込まれてしまうーー。【作品情報】映画『家族を想うとき』公開日:2019年12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開監督:ケン・ローチ脚本:ポール・ラヴァティ出演:クリス・ヒッチェンズ、デビー・ハニーウッド、リス・ストーン、ケイティ・プロクターphoto: Joss Barratt, Sixteen Films 2019
2019年05月24日第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、3度目の最高賞パルムドール受賞も囁かれているケン・ローチ監督作『Sorry We Missed You』(原題)が、12月13日(金)より日本でも公開されることが決定した。イギリス、ニューカッスルに住むある家族。父リッキーはマイホーム購入を夢みて、大手配送業者のフランチャイズの下請けドライバーとして働き出す。母アビーはホームヘルパーとして朝から晩まで働く毎日。次第に家族で過ごす時間が減って行き、息子セブと娘ジェーンは寂しさを募らせてゆく…。本作は、第69回カンヌ国際映画祭にて最高賞パルムドールを受賞した『わたしは、ダニエル・ブレイク』のケン・ローチ監督の最新作。『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していたが、引退宣言を撤回してまで監督が描きたかったのは、時代の波に翻弄される“現代の家族の姿”――。これまで、労働者や社会的弱者に寄り添い、彼らを取り巻く現実と、それでも明日を懸命に生きようとする人々を描き続けてきたローチ監督。本作では、理不尽なシステムによる過酷な労働の中で、社会の下層から這い上がれない家族を通し、現代社会への「怒り」を描く。なお、脚本は『わたしは、ダニエル・ブレイク』『ジミー、野を駆ける伝説』で手を組んだポール・ラヴァティが手掛けた。『Sorry We Missed You』(原題)は12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年05月17日EXILE / EXILE THE SECONDの橘ケンチが主演を務める、舞台『魍魎の匣』のビジュアルが14日、公開された。同作は、京極夏彦による同名小説を舞台化。戦後間もない昭和20年代後半を舞台に、癖のある魅力的な登場人物と、民俗学や論理学、妖怪など様々な分野の薀蓄がぎっしりと詰め込まれた「百鬼夜行シリーズ」の中の1冊で、古本屋を営む「京極堂」こと中禅寺秋彦が「憑物落とし」を駆使して謎に包まれた事件を解き明かしていく。今回公開されたのは、橘演じる中禅寺秋彦のビジュアル。「憑物落とし」の際の京極堂を想起させる黒足袋と赤い鼻緒、着流しと晴明桔梗を染め抜いた羽織を身にまとった姿となっている。同作にはほか、内田朝陽(木場修太郎役)、高橋良輔(関口巽役)、北園涼(榎木津礼二郎役)、高橋健介(鳥口守彦役)、坂井香奈美(楠本君枝役)、吉川純広(久保竣公役)、平川結月(楠本頼子役)、井上音生(柚木加菜子役)、加藤里保菜(中禅寺敦子役)、田口涼(雨宮典匡役)、倉沢学(須崎太郎役)、津田幹土(増岡則之役)、船木政秀(青木文蔵役)、小林賢祐(福本役)、中原敏宏(里村絋市役)、新原ミナミ(寺田サト役)、花王おさむ(寺田兵衛役)、紫吹淳(柚木陽子役)、西岡德馬(美馬坂幸四郎役)が出演する。東京公演は、天王洲 銀河劇場にて6月21日〜30日。神戸公演はAiiA 2.5 Theater Kobeにて7月4日〜7月7日。(C)舞台「魍魎の匣」
2019年05月14日EXILE / EXILE THE SECONDの橘ケンチが21日、都内で行われた「未来日本酒プロジェクト事業発表会」に、賀茂泉酒造 代表取締役 副社長 前垣壽宏、丸本酒造 六代目当主 丸本仁一郎、ディスカバー・ジャパン 統括編集長 高橋俊宏とともに登場した。同プロジェクトは、昨年7月の西日本豪雨の被災地域の復興を目的に、「HASHIWATASHIプロジェクト」事務局が主催し、橘がプロデューサーに起用された。LDH アジアの担当として世界各地に行くたびに、「自分はまだまだ日本を知らないなと痛感する機会が多かった」という橘。日本酒の酒造を巡ることをライフワークにし、すでに50以上は回っているという。日本酒にのめり込み、ディスカバー・ジャパンでも連載を持っている橘のおかげで、高橋編集長は「若い女性の方のファンの方々からの日本酒の魅力への気づきを肌身に感じている」と明かした。前垣氏も「お酒の試飲会をしているときに、若い女性の方が来られて『広島に遊びに行きます』と。EXILEさんのパフォーマンスを見にいくということで、自慢げに『会ったことあります』と(橘の)写真を見せたら、驚かれて。『ケンチさん、酒サムライだよね』と知っていたし、普段接しない方に、魅力を届けていただける」と期待した。また丸本氏は「初めてお会いした時に雷に打たれたようなショックを感じました。香るようなオーラが出てらして」と絶賛。「日本酒をこれから引っ張っていくのに、人間力そのものが素晴らしい輝きだなと思った」と語ると、橘は「恐縮です」と照れた様子を見せていた。普段メンバーで集まって飲みに行くこともあるというが、特に多いのは「AKIRAとか、(小林)直己とか。TETSUYAに至っては地元が一緒で付き合いも長いので、ごはんに行くことも多いです」と明かす。普段の飲み会では「レモンサワーが多いかもしれない」というが、「それを日本酒に変えていこうかと思ってます」と野望を語った。
2019年02月21日「フォーブス」誌が「世界で最も稼いだモデルランキング」を発表し、ケンダル・ジェンナーがトップを飾った。同リストはモデルたちの2017年6月1日から2018年6月1日までの推定収入(税引き前)を集計し、ランキング化している。メイクブランド「カイリー・コスメティクス」で巨額の利益を生み出した、妹のカイリー・ジェンナーの収入の7分の1ほどではあるが、2位のカーリー・クロスと圧倒的な差をつけて1位となったケンダル。「エスティ ローダー」、「アディダス」、「カルヴァン・クライン」などの大手企業との契約金が収入の多くを占めるという。ケンダルは昨年も1位であり、収入もほぼ変わりなかった。昨年7位だったカーリーは今年は2位に。「スワロフスキー」のほか、ケンダルと同様に「エスティ ローダー」と「アディダス」の顔を務めている。今年は長年交際していたジョシュア・クシュナーと結婚し、公私ともに最高の1年だったに違いない。3位はクリッシー・テイゲンと、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーの2人。クリッシーは調理器具やレシピ本の販売、「リップ・シンク・バトル」の司会のギャラ、ロージーは「マークス&スペンサー」とのコラボラインや自身のビューティーサイト「ROSE INC.」での商品販売の収入が主。■世界で最も稼いだモデルトップ51位ケンダル・ジェンナー約25億円2位カーリー・クロス約15億円3位クリッシー・テイゲン約13億円3位ロージー・ハンティントン=ホワイトリー約13億円5位ジゼル・ブンチェン約11億円5位カーラ・デルヴィーニュ約11億円(Hiromi Kaku)
2018年12月14日松山ケンイチ(32)と染谷将太(25)が人気漫画を実写化したドラマ「聖☆おにいさん」に出演すると、各メディアで報じられた。 原作は累計発行部数1,600万部を誇る「モーニング・ツー」(講談社刊)に連載中のギャグ漫画。主人公は、ブッダとイエス・キリスト。世紀末を無事越えた2人が、都内でアパートをルームシェアしながら下界のバカンスを満喫するという内容だ。 松山がイエス役、染谷がブッダ役。さらには製作総指揮を俳優の山田孝之(34)がつとめ、監督を「銀魂」「勇者ヨシヒコ」シリーズで知られる福田雄一氏(49)がつとめるという。 「ドラマ化するものの、テレビではなく今年新たに立ち上がる動画配信サービスで配信予定だそうです。新規参入するということは、かなりの資金力を持ち話題になりそうなコンテンツもすでに仕込んでいることでしょう。原作ファンも満足いくような作品になりそうだと注目されています」(芸能記者) 松山といえば、12年のNHK大河ドラマ「平清盛」に主演。大河主演で俳優としての格がアップし、その後の出演作がことごとく注目されていた。そんななか16年には、カルト的な人気を誇ったギャグ漫画「珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-」の実写化に挑戦し話題を呼んだ。 「松山さんが原作の大ファンということもあり、主人公・山田太郎のリアリティをとことん追求しました。原作ではおなじみの全裸や尻出しにも、果敢に挑戦。ところがあまり周囲の評価は高くなく、松山さんはへこんでいました。そのため今回、『珍遊記』の“リベンジ”だと意気込んでいるようです」(映画業界関係者) キャストのみならずスタッフも話題になる面々が集結しており、完成作品が注目される。
2018年02月20日俳優の松山ケンイチと染谷将太が、ドラマ『聖☆おにいさん』に主演することが20日、わかった。松山がイエス、染谷がブッダを演じる。同作は中村光による人気ギャグ漫画を実写化。世紀末を無事越えたブッダとイエス・キリストが、東京・立川でアパートをルームシェアリングしながら下界のバカンスを満喫している様を描く。2013年には森山未來、星野源を声優に迎え、アニメーション映画が劇場公開された。大人気漫画のドラマ化というだけでも話題だが、今回は俳優の山田孝之が製作総指揮を務め、福田雄一が監督を務めることでも注目を受ける。2018年、新たに立ち上がる動画配信サービスにて配信を予定している。イエス役の松山は「福田さんがキリスト役の事は熟知してるので色々聞いて頑張りたいなと思っています」と一言。ブッダ役の染谷は「いつか実写でみたいなと思っていた聖☆おにいさんにまさか参加するとは思ってもみませんでした。しかも、ブッタ役で」と驚きを表す。「松山さん演じるジーザスとどんな掛け合いになるのか、想像するだけでニヤケてしまうのは俺だけでしょうか? まだ撮影もしていないのに、皆様に届ける日が楽しみでなりません」と期待を語った。製作総指揮の山田は「想像しただけでも失禁しそうです。 (少し出てますが)」と"うれション"。「既に悟りを感じさせるお二方の存在感は正にブッダとイエス。日頃の激務に追われる天界での生活から離れ、下界での生活をごゆるりとお過ごし頂きたく思いますが演出は福田雄一監督ですのでタダでは済まないことは容易に想像できます。アーメン」と祈った。監督・脚本を務める福田は「今まで何度も何度も出演をお願いして叶わなかった松山くんと染谷くんで、連載当初から念願だったこの原作を実写化出来ることが、ただただ幸せです!」と気合十分。原作の中村は「松山さんのアガペー溢れるお顔と、染谷さんのアルカイックスマイルが見られるのを、今から楽しみにしています」と期待を寄せた。
2018年02月20日第72回毎日映画コンクールのオープニングセレモニーと授賞式が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、各賞を受賞した菅田将暉、長澤まさみ、役所広司、田中麗奈、高杉真宙、伊東蒼、大林宣彦監督らが登場した。今年で72回目を迎える同賞は、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。1935年に創設された「全日本映画コンクール」を前進に、第2次世界大戦を経て1946年に現在の「毎日映画コンクール」がスタートした。以降、時代の変化とともに選考方法や賞の区分を変えながら、作品、俳優、映画スタッフ、アニメーション、ドキュメンタリーなど幅広い分野において顕彰を続けている。授賞式の前には映画ファンが見守る中、オープニングセレモニーが行われ、各賞を受賞した俳優陣やスタッフらが登壇して報道陣向けの写真撮影。一際目立ったのが、『幼な子われらに生まれ』で女優助演賞に輝いた田中麗奈で、「今日のためにオートプチュールを作らせていただきました」というセクシーなドレスの胸元から谷間をチラ見せして、男性の視線を釘付けにした。授賞式で受賞のコメントを求められた田中は「このような素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しいです。選考委員の皆様、映画を観てくださった皆様、関係者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。主演の旦那様である浅野忠信様に感謝と愛を送らせていただきます」と感激しきりで、「カメラが回ってないところでも皆と話し合ったり作り上げてそのまま本番だったシーンもあります。やっぱりチームに恵まれたということに尽きると思いますね」と『幼な子われらに生まれ』の製作スタッフとキャスト陣に改めて感謝した。オープニングセレモニーには登場しなかったものの、授賞式に登壇した役所広司は、『三度目の殺人』の出演で助演男優賞を受賞。同映画賞は、1995年に公開された『KAMIKAZE TAXI』以来となる受賞で「初めてもらった映画の賞が、毎日映画コンクールでした。それ以来、この賞に恥じないように映画の仕事を中心に20数年頑張ってきました。そして今回、是枝裕和監督と出会い、『三度目の殺人』でこの賞をいただくことができました。本当についている男だと思っています」と笑顔を見せていた。なお、各賞の受賞者は、以下の通り。■受賞一覧<作品部門>日本映画大賞:『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督日本映画優秀賞:『あゝ、荒野』岸善幸監督外国映画ベストワン賞:『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督<監督賞・脚本賞>監督賞:富田克也『バンコクナイツ』脚本賞:石井裕也『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<俳優部門>男優主演賞:菅田将暉『あゝ、荒野』女優主演賞:長澤まさみ『散歩する侵略者』男優助演賞:役所広司『三度目の殺人』女優助演賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』スポニチグランプリ新人賞:高杉真宙『散歩する侵略者』スポニチグランプリ新人賞:伊東蒼『島々清しゃ』田中絹代賞:水野久美<スタッフ部門>撮影賞:鎌苅洋一『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』美術賞:竹内公一『花筐/HANAGATAMI』音楽賞:Soi48(宇都木景一、高木紳介)・Young-Gほか『バンコクナイツ』録音賞:加藤大和、高須賀健吾『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<ドキュメンタリー部門>ドキュメンタリー映画賞:『三里塚のイカロス』代島治彦監督<アニメーション部門>アニメーション映画賞:『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督大藤信郎賞:『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明監督<TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞>日本映画部門:『忍びの国』中村義洋監督外国映画部門:『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督<特別賞>佐藤忠男(映画評論家)
2018年02月16日女優の長澤まさみ、俳優の菅田将暉が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた第72回毎日映画コンクール表彰式に登場した。第72回毎日映画コンクールで主演女優賞を受賞した長澤まさみ同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。主演女優賞には、黒沢清監督と初タッグを組んだ『散歩する侵略者』の長澤まさみが選ばれた。同映画賞の受賞は、2016年の『海街diary』で助演女優賞以来となる長澤。この日は赤系のスーツ姿で登壇して「私に演じさせようと思った黒沢監督に感謝しております」と初タッグを組んだ黒沢清監督に感謝の言葉を述べ、「まだまだ自分自身、このような賞をいただけるような器の人間だとは到底思っていません。ですが、この賞をいただいたことでまだまだ頑張ろうと日々精進していきたいと思っています」と自身に言い聞かせた。これまで数多くのキャラクターを演じてきた長澤は、過去と比べて「昔よりは自由に演じられるようになったというか、そういうことに向き合えるようになったと思います」とコメント。また、授賞式の前には大林宣彦監督と久しぶりに会ったといい、「『自分自身どういう人柄なのか、芝居に映し出されるものだよ』というお言葉をいただきました。そういうものが少しずつ出てきたかなとは思いますが、まだまだだと思っています」と大林監督から刺激を受けた様子だった。主演男優賞は、『あゝ、荒野』の菅田将暉が受賞。「まさかこんな賞をいただくなんて想定外でした。見てくださった皆さん、本当にありがとうございます」と観客に感謝し、「年間何百本と公開され、ベテランの役者さんが出ている中、選んでいただいて身に余る光栄ですごくうれしいです」と喜んだ。『あゝ、荒野』の岸善幸監督との関係にも触れて、「岸監督とは、この映画の前の映画(『二重生活』)で出会い、その時は2~3日の撮影だったんですが、『この人だ!』と感じるものがあったんです。それを雑誌のインタビューで『ロミオとジュリエットのようで、岸さんはジュリエットです」と言ったら、岸さんも気に入ってくれたのか、メールをくれる度に『ジュリエットより』と。それが若干気持ち悪いので、やめていただきたいんですけど」と話して会場の笑いを誘っていた。■受賞一覧<作品部門>日本映画大賞:『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督日本映画優秀賞:『あゝ、荒野』岸善幸監督外国映画ベストワン賞:『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督<監督賞・脚本賞>監督賞:富田克也『バンコクナイツ』脚本賞:石井裕也『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<俳優部門>男優主演賞:菅田将暉『あゝ、荒野』女優主演賞:長澤まさみ『散歩する侵略者』男優助演賞:役所広司『三度目の殺人』女優助演賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』スポニチグランプリ新人賞:高杉真宙『散歩する侵略者』スポニチグランプリ新人賞:伊東蒼『島々清しゃ』田中絹代賞:水野久美<スタッフ部門>撮影賞:鎌苅洋一『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』美術賞:竹内公一『花筐/HANAGATAMI』音楽賞:Soi48(宇都木景一、高木紳介)・Young-Gほか『バンコクナイツ』録音賞:加藤大和、高須賀健吾『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<ドキュメンタリー部門>ドキュメンタリー映画賞:『三里塚のイカロス』代島治彦監督<アニメーション部門>アニメーション映画賞:『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督大藤信郎賞:『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明監督<TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞>日本映画部門:『忍びの国』中村義洋監督外国映画部門:『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督<特別賞>佐藤忠男(映画評論家)
2018年02月16日俳優の高杉真宙、子役の伊東蒼が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた第72回毎日映画コンクール表彰式に出席した。第72回毎日映画コンクール表彰式でスポニチグランプリ新人賞を受賞した高杉真宙毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催する「毎日映画コンクール」。第72回を数える今年、新人俳優と女優に贈られる「スポニチグランプリ新人賞」に、高杉真宙と伊東蒼が選ばれた。黒沢清監督作品の『散歩する侵略者』での熱演が認められた高杉は「こうやって新人賞をいただけてうれしく思います」と笑顔を見せて、「『散歩する侵略者』では得体の知れない人物でしたが、宇宙人なんてなかなか見たことがないと思うんです。どう演じたらいいのか不安を感じていましたが、こうやって賞をいただけて、自分が少しでも宇宙人ぽくなっていたと安心することができました」とあいさつ。「今後も努力をして、サボらずにもっと色んな演技をし、またここに立ちたいと強く思いました」と意気込んだ。授賞式には、高杉のお祝いに駆けつけた黒沢監督も登壇。「美しさと男っぽさを同時に持っています。こういう感じの俳優はそういません。日本で素晴らしい役を演じてもらいたいですが、もっと広く世界を目指してもらいたいですね。香港のトニー・レオンみたいになるんじゃないかと思っています」と期待を寄せた。『島々清しゃ』で繊細な心の内面を熱演したのは伊東蒼。その演技は、共演した安藤サクラからも絶賛されて話題を集めた。スポニチグランプリ新人賞の受賞に「新人賞をいただけてすごくうれしいです。ありがとうございます」と笑顔を見せ、「撮影中は(伊東が演じた)うみちゃんのことで、新藤風監督や安藤サクラさんら共演者の方やスタッフさんに色んなことを教えてもらったお陰で最後までうみちゃんでいることが出来ました。この賞はみなさんからいっぱい応援してもらったからいただいた賞だと思っています」と話しながら涙を流し、「"伊東蒼"という名前を聞いた時、私の顔が浮かぶようにこれからもっと頑張りたいと思います」と更なる活躍に意欲を見せていた。■受賞一覧<作品部門>日本映画大賞:『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督日本映画優秀賞:『あゝ、荒野』岸善幸監督外国映画ベストワン賞:『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督<監督賞・脚本賞>監督賞:富田克也『バンコクナイツ』脚本賞:石井裕也『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<俳優部門>男優主演賞:菅田将暉『あゝ、荒野』女優主演賞:長澤まさみ『散歩する侵略者』男優助演賞:役所広司『三度目の殺人』女優助演賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』スポニチグランプリ新人賞:高杉真宙『散歩する侵略者』スポニチグランプリ新人賞:伊東蒼『島々清しゃ』田中絹代賞:水野久美<スタッフ部門>撮影賞:鎌苅洋一『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』美術賞:竹内公一『花筐/HANAGATAMI』音楽賞:Soi48(宇都木景一、高木紳介)・Young-Gほか『バンコクナイツ』録音賞:加藤大和、高須賀健吾『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』<ドキュメンタリー部門>ドキュメンタリー映画賞:『三里塚のイカロス』代島治彦監督<アニメーション部門>アニメーション映画賞:『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督大藤信郎賞:『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明監督<TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞>日本映画部門:『忍びの国』中村義洋監督外国映画部門:『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督<特別賞>佐藤忠男(映画評論家)
2018年02月16日第72回毎日映画コンクールの表彰式が2月15日(木)、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催された。■男優主演賞は『あゝ、荒野』の菅田将暉「まさかこんなに大きな賞をいただくとは本当に、想定外でした。この映画に関わった皆さん、そして観てくださった皆さん、ありがとうございます。この映画を撮影しているときは、こんなたくさんのフラッシュを浴びるなんて、思っていませんでしたし、年間で何百本も映画が公開されるなかで、選んでいただいたと思うと、身に余る光栄です。本当にすごくうれしいです。こういう場に立たせてもらったので、ちゃんとこれからも映画を通して、これからの未来や可能性…、いろんなものを僕自身、作っていければ、それが恩返しになるのかなと」。「岸(善幸)監督とご一緒するのは2度目ですが、初めてお会いしたときから何か運命的なものを感じていて、僕が取材などで勝手に『ロミオとジュリエットみたい』なんて言っていたら、それを聞きつけた岸監督がメールをくれるたびに『ジュリエットより』って書いてきて(笑)。あれはちょっと気持ち悪いので、やめてほしいですね(笑)」。■長澤まさみが『散歩する侵略者』で女優主演賞「この度は、名誉ある賞をいただき、大変光栄に思っております。ありがとうございます。この役を私に演じさせてみようと思ってくださった黒沢(清)監督、スタッフの皆さんに感謝しております。まだまだ、こういった賞に見合う器だとは到底思えていないので、受賞をきっかけに、次に進んで日々精進していこうと思います。昔に比べれば、より自由に演じることに向き合えるようになったのかなと…。いまの状況はとてもありがたいですし、期待に応えていけるように、頑張っていこうと思います。本日はありがとうございました」。■スポニチグランプリ新人賞に『散歩する侵略者』の高杉真宙「今回、こうした賞をいただき、うれしく思います。いま、すごく緊張していて、ここに立っていいのかなという気がしますね。『散歩する侵略者』では得体のしれない宇宙人を演じましたが、宇宙人って誰も見たことがないので(笑)、何が正解なのか模索しながら、不安な部分もありました。けれど、こうやって賞をいただくと、自分なりの宇宙人が演じられたのかと安心しています。もっともっと前に進んでいきたいなという気持ちなので、サボらずにいろんな演技をして、またここに立てればと強く思っています。目標は『また仕事したい』と思ってもらえる俳優になることです。それはすごく難しいことだと思うんですけど、自分が求められているものを120%出し切る仕事ができれば」。第72回毎日映画コンクール 選考結果作品部門日本映画大賞『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督日本映画優秀賞『あゝ、荒野』岸善幸監督外国映画ベストワン賞『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督監督賞・脚本賞監督賞富田克也『バンコクナイツ』脚本賞石井裕也『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』俳優部門男優主演賞菅田将暉『あゝ、荒野』女優主演賞長澤まさみ『散歩する侵略者』男優助演賞役所広司『三度目の殺人』女優助演賞田中麗奈『幼な子われらに生まれ』スポニチグランプリ新人賞高杉真宙『散歩する侵略者』、伊東蒼『島々清しゃ』田中絹代賞水野久美スタッフ部門撮影賞鎌苅洋一『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』美術賞竹内公一『花筐/HANAGATAMI』音楽賞Soi48(宇都木景一、高木紳介)、Young-G他『バンコクナイツ』録音賞加藤大和、高須賀健吾『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』ドキュメンタリー部門ドキュメンタリー映画賞『三里塚のイカロス』代島治彦監督アニメーション部門アニメーション映画賞『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督大藤信郎賞『夜明け告げるルーのうた』湯浅政明監督TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞日本映画部門『忍びの国』中村義洋監督外国映画部門『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督特別賞佐藤忠男(映画評論家)(text:cinemacafe.net)
2018年02月15日毎年恒例となった「2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン」が発表。個人賞では『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優が主演女優賞、『あゝ、荒野』『火花』などで主演を務めた菅田将暉が主演男優賞に選ばれ、日本映画ベスト・テン1位の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石橋静河、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』と主演作が続いた山田涼介がそれぞれ新人女優賞・男優賞を受賞した。1919(大正8)年に創刊され、“世界一の歴史を持つ”映画雑誌「キネマ旬報」による「キネマ旬報ベスト・テン」。今回で91回目を迎え、あの米アカデミー賞(2018年で第90回)を超える由緒ある映画賞としても知られる。日本映画第1位(作品賞)には石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、外国映画第1位(作品賞)にはケン・ローチ監督のカンヌ・パルムドール(最高賞)受賞作『わたしは、ダニエル・ブレイク』が選出。また、個人賞・主演男優賞の菅田さんは初の受賞となり、日本映画ベスト・テン3位に入った『あゝ、荒野』ヤン・イクチュンが助演男優賞でW受賞。ヤン・イクチュンは2010年度(第84回)の『息もできない』(外国語映画作品賞)以来の受賞で、外国人俳優の個人賞受賞は1993年度(第67回)『月はどっちに出ている』のルビー・モレノ以来となった。助演女優賞は『幼な子われらに生まれ』の田中麗奈が獲得した。蒼井優&菅田将暉から喜びのコメント到着2006年度(第80回)『フラガール』『ハチミツとクローバー』など3作品で助演女優賞を受賞して以来の受賞となった蒼井さんは、「今回の受賞を、私の周りの方々がとても喜んでくれて、ああ、多くの人にお世話になっていただけた賞なんだなと、改めて思いました。ありがとうございました」と真摯にコメント。2017年大活躍をみせた菅田さんは、「真ん中に立つことがひとつの目標だったので、こんな大きな賞をいただいたことに対して、気が引き締まります。これからもワンカットワンカット、真摯にやっていきます」と気持ちを新たに喜びを語った。■受賞結果【個人賞】日本映画監督賞大林宣彦『花筐/HANAGATAMI』日本映画脚本賞石井裕也『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』外国映画監督賞ケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』主演女優賞蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』主演男優賞菅田将暉『あゝ、荒野』『火花』『帝一の國』『キセキ-あの日のソビト-』助演女優賞田中麗奈『幼な子われらに生まれ』助演男優賞ヤン・イクチュン『あゝ、荒野』新人女優賞石橋静河『映画夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKSパークス』『密使と番人』新人男優賞山田涼介『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』【2017年第91回日本映画ベスト・テン】1位『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』2位『花筐/HANAGATAMI』3位『あゝ、荒野』4位『幼な子われらに生まれ』5位『散歩する侵略者』6位『バンコクナイツ』7位『彼女の人生は間違いじゃない』8位『三度目の殺人』9位『彼女がその名を知らない鳥たち』10位『彼らが本気で編むときは、』(次点:『ビジランテ』)【2017年第91回外国映画ベスト・テン】1位『わたしは、ダニエル・ブレイク』2位『パターソン』3位『マンチェスター・バイ・ザ・シー』4位『ダンケルク』5位『立ち去った女』6位『沈黙-サイレンス-』7位『希望のかなた』8位『ドリーム』9位『ムーンライト』10位『ラ・ラ・ランド』(次点:『残像』)【2017年第91回文化映画ベスト・テン】1位『人生フルーツ』2位『標的の島風(かじ)かたか』3位『やさしくなあに~奈緒ちゃんと家族の35年~』4位『ウォーナーの謎のリスト』5位『谺雄二ハンセン病とともに生きる熊笹の尾根の生涯』6位『沈黙―立ち上がる慰安婦』7位『米軍(アメリカ)が最も恐れた男その名は、カメジロー』8位『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』9位『まなぶ通信制中学60年の空白を越えて』10位『廻り神楽(かぐら)』(次点:『桜の樹の下』)なお、「2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン第1位映画鑑賞会と表彰式」は2月12日(月・祝)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PARKS パークス 2017年4月22日よりテアトル新宿、4月29日より吉祥寺オデヲンほか全国にて順次公開(C) 2017本田プロモーションBAUSわたしは、ダニエル・ブレイク 2017年3月18日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開(C) Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinema and TheBritish Film Institute 2016映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 2017年5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日(土)より全国にて公開(C) 2017「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会彼女がその名を知らない鳥たち 2017年10月、全国にて公開(C) 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
2018年01月11日劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人』で一人二役に挑む松山ケンイチさんが、舞台への思いを明かしました。今年3月にオープンした回転型劇場・IHIステージアラウンド東京。観客席が回る斬新な舞台機構とともに話題なのが、キャスト・脚本・演出を変えながら上演される劇団☆新感線『髑髏城の七人』のロングラン公演だ。第3弾となる今回、小栗旬さんや阿部サダヲさんが演じてきた捨之介に松山ケンイチさんが扮する。「再演とかリメイクって、僕のなかには前作をどうしたって超えられないイメージがあって、普段は腰が引けてしまうんです。でも今回は新感線の舞台にもう一度立たせてもらえる嬉しさの方が強くて、後のことはその時に考えればいいや、と」松山さんを捉えるのは、新感線の舞台の持つポジティブなエネルギー。「僕自身は冷めたところがある人間なんですが、新感線を観ると気分が持ち上げられて、頑張るぞって思える。自分もそっち側になりたいって気持ちにさせられるんです。そのぶん、演じる側にも魂が口から出るくらいのパワーが必要なんですが」『髑髏城の七人』は、天下を手中にしようと暗躍する髑髏党の野望を阻止すべく立ち上がる七人の男女を中心に描く新感線的時代劇。松山さんは、素朴な捨之介役と同時に、冷徹な髑髏党の党首・天魔王という真逆の役の、一人二役に挑む。「自分のなかでそれぞれ役のイメージはできてきているんですが、早替えと同時に、捨之介から天魔王に表現も脳味噌も一瞬にして切り替えないといけないのが難しいです」‘14年の新感線の『蒼の乱』を含め、舞台出演は3作目だが、「一度出てしまったら逃げ場がない」だけに「修行みたいな場」だと語る。「僕は普段カメラに向かって演技していますが、舞台では、お客さんの目ひとつひとつがカメラ代わりなんですよね。こっちに目を向けてもらいたいと思ったら、自分の演技で引き付けるしかない。それだけ技術を必要とする場だと思っています。表情や目線で演技しても、客席からはほとんど見えませんけれど、だからといって細かな芝居をおろそかにすれば空気や佇まいに出てしまうと思うんです。とはいえ、立ち回りのように、映像に比べて大きさを意識しないと伝わらない部分もある。そのさじ加減をどうするかが、いま課されている課題なのかな、と」松山さんは自身を「冷めている」と評するけれど、語る言葉の端々から受けるのは芝居への静かな熱。「仕事において、自分も充実しているという実感を得ることって、すごく大事だと思っているんです。そのためにも真剣にやらないと」まつやま・けんいち1985年生まれ、青森県出身。近作にドラマ『A LIFE~愛しき人~』、映画『聖の青春』。公開中の映画『関ヶ原』のほか9月23日公開の『ユリゴコロ』にも出演。城の絵図面を持っていることから髑髏党に追われていた沙霧(岸井ゆきの)は、通りがかりの浪人・捨之介(松山)に助けられる。傷の手当てのため色街・無界の里を訪れるが…。9月15日(金)~11月3日(金)豊洲・IHIステージアラウンド東京作/中島かずき演出/いのうえひでのり出演/松山ケンイチ、向井理、田中麗奈、橋本じゅん、山内圭哉、岸井ゆきの、生瀬勝久ほかS 席1万3000円サイド席1万2500円(共に税込み)ステージアラウンド 専用ダイヤルTEL:0570・084・617(10:00~20:00)※『anan』2017年9月13日号より。写真・網中健太スタイリスト・五十嵐堂寿ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON Inc.)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年09月09日11月に上海で開催予定の「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)」のファッションショーに、ケンダル・ジェンナーは出演しないようだ。先日、昨年ケンダルと一緒にランウェイを歩いたジジ&ベラ・ハディッド姉妹が、今年もショーに出演することが決定しSNSで興奮を爆発させた。2人の親友でもあるケンダルからも同じ報告を期待していたファンも多かったことだろう。しかし、過去2年に渡って「VSファッションショー」で活躍したケンダルは、「VS」とは異なる下着ブランド「La Perla(ラ・ぺルラ)」のイメージギャラクターに就任したことが明らかになった。「La Perla」は1954年に創業という古い歴史を誇るイタリアの高級下着ブランドだ。「TMZ.com」によれば、ケンダルは「La Perla」と数億円で契約を結んだとのこと。ケンダルはすでに「La Perla」のセクシーな下着に身を包む自分の画像を2枚SNSに掲載し、すっかり「La Perla」の顔になっている。「VS」と「La Perla」は同業のため、ケンダルが「La Perla」の顔である限り「VS」の羽根を背負うことはないのが悲しい現実。とはいえ、今年の「VSファッションショー」には去年のモデルたちのほとんどが再集結するとともに、カーリー・クロスが2年ぶりに出演することをSNSで報告している。ケンダルはいなくとも、ショーは大いに盛り上がりそうだ。(Hiromi Kaku)
2017年09月01日8月17日(木)に初日を迎える『幽劇』主演のダイに挑む橘ケンチを直撃!果たして、痛快スタイリッシュ“ゴースト”ギャングエンターテイメントとは?舞台『幽劇』チケット情報「描かれているのは人間ドラマで、それぞれが抱える物語がクロスオーバーしてひとつの結末に辿り着きます。アクションもあってエネルギーあふれる作品なので、僕らの乱れ散る姿を観てほしいです」初の殺陣にも挑戦している。「刀をしっかり持って演じることは初めてですが、スタイリッシュな動きを意識しています。でも全員がかっこよく戦うのではなく役に沿った殺陣なので、そういった細かいところまで観てほしいです」また、役作りについても、「舞台は客席の方が観たいところを観るものなのでどこから観られてもいいように、今回、ダイとしての立ち姿や歩き方、その場の居方みたいなものをテーマにしています。なぜ、そう在るのか?を考えることがダイを創ることになると思うから。僕自身がダンサーでパフォーマーでもあるので身体表現から入っていくのがあっているんです」と明かした。ダイは4人のギャングのリーダーで仲間を思い、その背中を押す存在だ。メンバーのイクオ(多和田秀弥)、シン(高橋健介)、メツ(田中涼星)について聞いた。「シンは信頼できる参謀的存在で、それがまた健介に似合ってる。メツはボウ(井阪郁巳)という可愛らしい下っ端がいて掛け合いがおもしろくて、でも熱い。イクオはとにかく弾けてます。秀弥は見た目と中身が全然ちがっていて、僕は最近、ますだおかだの岡田さんだと思ってます(笑)」初の共演者たちから大きな刺激を受けている。「桃仙役の荒木宏文くんは役に対する姿勢とか、すべてが役者として在ることに向かっていて、尊敬できる存在です。僕にとって誰かと出会うことがすべて財産で、互いの価値観を深めあい新しいものを生み出すことが喜びだと思っていて、今回もそういった関係を作ることができています。きっと、この舞台を観た方は全員、出演者のファンになってしまうんじゃないかな。それくらい濃くてすてきな空間を届けます」「日本に続き上海でも上演が決まり、海外進出も意識した新たなオリジナルコンテンツの誕生です。まずは初日に向けてギリギリまで煮詰めて、劇場を幽劇色に染めます」と、橘が意気込む本作は、8月17日(木)から23日(水)まで東京・日本青年館ホール 、9月1日(金)から3日(日)まで上海・虹橋芸術中心にて上演。取材・文:おーちようこ
2017年08月16日第二次世界大戦下、ヨーロッパ全土を恐怖に陥れたナチス高官の暗殺事件を描いた映画『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』。本作では、ハリウッドのみならず、日本のファンたちもアツい視線を送るキリアン・マーフィとジェイミー・ドーナンというイケメン俳優2人の豪華共演が話題。2人とも、今年は出演作が相次いでいる。本作は、第二次世界大戦のさなか、決死の覚悟でナチス高官ハイドリヒの暗殺を企てた実在の2人の青年を描いた緊迫の史実サスペンス。まず、吸い込まれるような青い瞳が印象的なキリアンは、アイルランド出身の現在41歳。ダニー・ボイル監督『28日後…』(’02)がきっかけでブレイク。その確かな演技力が早くから評価され、カンヌでパルム・ドールを受賞したケン・ローチ監督の『麦の穂をゆらす風』や、『インセプション』『ダークナイト』三部作といったクリストファー・ノーラン監督作品など、多くの名監督と仕事をしてきた。今年は、ノンストップ・ギャングバトル『フリーファイヤー』のほか、9月9日に公開するノーラン監督の最新作『ダンケルク』にも出演する。そんなキリアンが本作で演じるのは、祖国を守るため、打倒ナチスという使命感に燃える若き軍人、ヨゼフ・ガブチーク。ヨゼフが内に秘める情熱と、冴えわたる理性を見事に演じている。そして、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で謎多き若き実業家クリスチャン・グレイ役を演じ、世界中の女性を熱狂させたジェイミーは、北アイルランド出身の現在35歳。2014年には「世界で最もハンサムな顔100人」ランキングで見事1位を獲得したこともある。「X-ファイル」ジリアン・アンダーソンとの海外ドラマ「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」にも出演、この6月23日には禁断の第2章『フィフティ・シェイズ・ダーカー』が日本上陸する。2018年には主演作『ザ・ナインス・ライフ・オブ・ルイ・ドラックス』(原題)の日本公開が控えており、めざましい活躍をみせている。ジェイミーが本作で演じているのは、ナチス高官ハイドリヒ暗殺という重大な使命と愛する女性との間で揺れる同志ヤン・クビシュ。祖国を守るためとはいえ、人を殺さなくてはいけないということへの罪悪感や恐れ、そして愛する人と幸せを築きたいという切ない願いを持つヤンを繊細に演じきった。本作でも、この2人の雄姿と熱演から目が離せなくなりそうだ。『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は8月12日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦 2017年8月12日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開(C) 2016 Project Anth LLC All Rights Reserved
2017年06月13日第70回の記念大会の幕を閉じた、カンヌ国際映画祭。12日間の華やかな、ときに悲しいニュースもあった世界一の映画の祭典をふり返ってみよう。韓国のホン・サンス監督はコンペティション部門に『The Day After』(原題)、特別上映に昨年のカンヌ期間中に撮影されたイザベル・ユペール主演『KEUL-LE-EO-UI KA-ME-LA』(原題)の2本が入り、注目を集めた。というのも、どちらの作品にも出演している女優キム・ミニとホン・サンス監督の不倫が昨年発覚し、大きなスキャンダルに発展した経緯があるからだ。『The Day After』は夏目漱石の小説から題名を借りた、不倫を題材にしたコメディ・ドラマ。公式記者会見でホン・サンス監督は、キム・ミニに対し「彼女は素晴らしい女優ですし、私は彼女を愛しています」と、愛情をストレートに表現。レッドカーペットにも、堂々と手をつないで登場した。56歳の大物監督と、『お嬢さん』などの35歳の人気女優の熱愛ぶりは、華やかなカンヌらしい光景ともいえる。男優賞を受賞したホアキン・フェニックスは、授賞式に恋人ルーニー・マーラと参加。公の席に二人で姿を見せたのは初めて。受賞会見でも「カンヌにくる前、ガールフレンドに『カンヌは良い経験になるはずだ。きっとぼろくそに叩かれるだろうから』と話していたんだよ。それなのにまさか受賞してしまうなんて驚きだった」とルーニーの名前こそ出さなかったが、ご機嫌に語った。ちなみにルーニーは、2年前に『キャロル』で女優賞を受賞している。映画祭中盤の23日には、70回記念ソワレ(夜会)が開かれ、歴代の受賞者、審査員らが100名以上大集合。イザベル・ユペールの司会のもと、カトリーヌ・ドヌーヴ、ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、ウィル・スミス、ベネチオ・デル・トロ、マッツ・ミケルセン、ケン・ローチ、クロード・ルルーシュ、ジャン=ピエール・レオら錚々たる面々が顔を揃え、ハッピー・バースデーを合唱した。ソワレ前には前夜に起きたマンチェスター・テロ事件の被害者を悼み、1分間の黙祷が捧げられ、映画祭は公式に「文化イベントへの攻撃は許さない」と抗議声明を発表。カンヌ映画祭でも今年は空港と同じような金属探知機が設置されるなど警備は物々しかった。それでも20日にクリント・イーストウッドが登壇した『許されざる者』25周年記念上映終了直後には、危険物が発見される騒ぎがあった。また映画祭2日目には、カンヌを訪れていた釜山国際映画祭のキム・ジソク副委員長が心臓発作で客死という、不幸な出来事もあった。まだ57歳だった。71回目のカンヌには悲しい事件がないことを祈りたい。(photo / text:Ayako Ishizu)(photo / text:Ayako Ishizu)
2017年05月31日5月17日(現地時間)から開催される第70回カンヌ国際映画祭。そのカンヌで昨年、大きな話題をさらったのが、ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』だ。悪ふざけが大好きな父ヴィンフリートと、コンサルタント会社で働く娘イネスが織り成すコメディドラマの傑作として大絶賛を受け、世界の映画批評家・映画ファンたちをとりこにした本作の監督マーレン・アデに注目した。■近年のカンヌ国際映画祭で目を引く女性監督の筆頭株先日、そのラインナップが発表された第70回カンヌ国際映画祭。パルムドール2度受賞のミヒャエル・ハネケをはじめ、フランソワ・オゾン、ファティ・アキン、ポン・ジュノ、トッド・ヘインズなど豪華な顔ぶれが並ぶ中、近年の注目すべき傾向のひとつとして、女性監督の活躍が目覚ましいことが挙げられる。日本からは『光』の河瀬直美が、日本人監督としては最多となる7度目のカンヌ。また、『ブリングリング』のソフィア・コッポラ、『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジーも新作を引っさげ参戦するなど、毎年、突出して光る女性監督たちの存在が話題を集める。昨年、アデ監督も監督3作目ながら『ありがとう、トニ・エルドマン』でカンヌを席巻し、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが審査委員長を務める今年は、審査員の1人として参加する。■本年度コンペティション部門の女性監督◇河瀬直美…『光』が選出。第50回カンヌ国際映画祭に出品された『萌の朱雀』で史上最年少の27歳でカメラドール賞(新人監督賞)を受賞。第60回カンヌ国際映画祭では『殯の森』が審査員グランプリを獲得。第62回では、女性として、アジア人としてはじめて、映画祭に貢献した監督に贈られる「金の馬車賞」を受賞。昨年は短編コンペティション部門と、シネフォンダシオン部門の審査委員長も務めた。テレビ東京系列のドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ国際映画祭」にも出演し、「私と一緒ならばカンヌに行ける」と山田さんに提言。その発言を具現化したような今回の選出が話題となった。◇リン・ラムジー…『You Were Never Really Here』(原題)で参加。『モーヴァン』(’02)が第55回カンヌ国際映画祭のユース賞ほか、各国映画祭で多数の賞を受賞。日本でも多くのファンを持つ『少年は残酷な弓を射る』も、同じくコンペに出品され高く評価を受けた。◇ソフィア・コッポラ…『The Beguiled』(原題)で参加。過去作『ロスト・イン・トランスレーション』(’03)、『ブリングリング』(’13)など人気作は数多い。■過去カンヌ国際映画祭受賞の女性監督◇ジェーン・カンピオン…第46回にて史上初の女性監督のパルムドール大賞に輝いた『ピアノ・レッスン』(’94)ほか、第66回カンヌ国際映画祭では短編コンペティション部門と、シネフォンダシオン部門の審査委員長を務め、翌年には第67回カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めた。◇ミランダ・ジュライ…自身が脚本・監督・主演を務めた『君とボクの虹色の世界』(’06)で第58回のカメラドール賞を受賞。前年のフィルムメイカー・マガジンでは「25人のインディーズ映画」の第1位に選出された。女優・監督業の他にもマルチメディアを活用した音楽やコンテンポラリーなどのパフォーマンスも行うアーティストとしても活躍。プライベートでは『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督と2009年に結婚している。◇アリーチェ・ロルヴァケル…監督・脚本を務めた第67回カンヌ国際映画祭で『夏をゆく人々』(’14)が審査員グランプリを獲得。◇デニス・ガムゼ・エルギュベン…日本でもスマッシュヒットした長編デビュー作『裸足の季節』により、第68回カンヌ国際映画祭でヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞。ハル・ベリーやダニエル・クレイグ出演の『Kings』、アカデミー賞女優アン・ハサウェイ主演『The Lifeboat』の製作も発表されている。■『ラ・ラ・ランド』『ムーンライト』を抑え、有力誌が最も評価した作品に昨年のカンヌの話題をかっさらった『ありがとう、トニ・エルドマン』。現地では、挨拶も早々に「トニ・エルドマン見た?」と、誰もがその名前を口にしたという。いたずら好きな父ヴィンフリートと、海外でコンサルタント会社に勤務する生真面目な娘イネス、父と娘2人の噛み合わない性格をコミカルに描き、そこからあふれ出る親の愛情、娘の想いに誰もが涙し、笑った。プレミア上映されたカンヌの会場では、地鳴りかと間違うほどの笑いに包まれたという。結果的に国際批評家連盟賞に留まったものの、パルムドールの『わたしは、ダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ監督)や、グランプリの『たかが世界の終わり』(グザヴィエ・ドラン監督)に引けを劣らない人気を獲得し、スクリーン・インターナショナルの歴代最高得点3.7(4.0満点)をマークしたほか、英米仏の有力誌がこぞって「2016年のベスト1」に選出したことで“観客にとってのパルムドール”と言わしめた。■才色兼備! 世界が認めたマーレン・アデ監督本作が長編3作目のアデ監督は、もともとプロデューサーとしてKomplizen Filmを設立。第62回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞をW受賞したミゲル・ゴメズ監督の『熱波』など数々の作品をプロデュースしてきた。監督・脚本家としては、00年と01年に1作ずつ短編を発表後、03年に発表した『Der Wald vor lauter Baumen』(原題)で長編デビューを果たす。この作品が第22回サンダンス映画祭審査員賞ワールド・シネマ部門のドラマティック賞受賞、ドイツ映画賞で最優秀映画賞にノミネートされたほか、ヨーロッパの各都市で開かれる映画祭で映画賞・主演女優賞などを受賞。続く『恋愛社会学のススメ』(’11)では、ある1組の恋人たちと、その周りの人々が織りなす現代的な人間関係を描き、長編2作目にして第59回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を2つ(審査員グランプリと女優賞)、さらにフェミナフィルム賞を受賞。世界25か国で公開され、ドイツ映画賞で3部門ノミネートも果たした。そして3作目となる本作は、自身の父親から発想を得て、脚本の執筆から、撮影、編集まで6年を費やしたという。コメディに挑戦することの難しさや、社会問題をさりげなく映し出す表現など、ごく自然に見える巧みな演出方法も高く評価を受けている。また、ブルガリアの精霊“クケリ”や、ホイットニー・ヒューストンの代表曲「GREATEST LOVE OF ALL」など、一見浮いて見えてしまいそうなキーワードも、無理なく映像の中に組み込んでいる。そんな本作は、カンヌの国際批評家連盟賞ほか、第29回ヨーロッパ映画賞作品賞、監督賞など5部門を獲得、第89回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、先月末、発表されたドイツ映画賞でも作品賞、監督賞など6部門を制した。アメリカ公開の際に、本作を観てすっかり惚れ込んだジャック・ニコルソンが、ハリウッド・リメイクを熱望。引退表明していたにも関わらず、撤回し、自ら父親役を演じるとか。アデ監督は、そのリメイク版にエグゼクティブプロデューサーとして参加する予定という。プライベートでは息子を持つ母であり、子どもの成長を見守る親の目線を、劇中の父・ヴィンフリートに投影させるなど、私生活も大切にしていることも分かるアデ監督。その一方で、映画業界で働くキャリアウーマンとしても世界で活躍し、まさに公私ともに逞しく生きる現代女性の象徴のような存在といえる。カンヌから生まれる女性監督の力は、年を重ねるごとに右上がりに上昇中。特に彼女の今後の活躍は、1秒たりとも目が離すことができなくなりそうだ。『ありがとう、トニ・エルドマン』は6月24日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ありがとう、トニ・エルドマン 2017年6月24日よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) Komplizen Film
2017年05月03日『ダンケルク』『フリー・ファイヤー』のキリアン・マーフィーと、『フィフティ・シェイズ・ダーカー』の公開が控えるジェイミー・ドーナンが初共演し、ナチス“第3の男”と呼ばれた高官暗殺事件を描く『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』が、8月12日(土)より公開されることが決定。そのポスタービジュアルが解禁となった。第二次世界大戦下、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれ、ナチス第三の実力者であるラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府はハイドリヒ暗殺計画を企て、ヨゼフ(キリアン・マーフィー)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら7人の兵士の暗殺部隊を、パラシュートによってチェコ領内に送り込む。ヨゼフとヤンはプラハの反ナチス組織や家族と接触し、暗殺計画を進めていく。ついに無謀なミッションは実行されるが、ハイドリヒ襲撃に憤慨したナチスは、常軌を逸する残虐な報復を始める――。本作は、アドルフ・ヒトラー、その側近ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ、“ナチスNO.3の男”といわれる高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺を遂行した男たちの過酷な運命を描いた緊迫の史実サスペンス。「観客から熱狂的に受け入れられた!」(「NEWYORKOBSERVER」)、「第二次世界大戦を描く新たな傑作!」(「Indie wire」)など、高い評価を受けている。1942年第二次世界大戦直下、ユダヤ人大量虐殺の実権を握り、その冷酷さから「金髪の野獣」と渾名されたナチス高官ハイドリヒが、若き兵士たちによって襲撃される。フリッツ・ラング監督作『死刑執行人もまた死す』(’43)、ルイス・ギルバード監督作『暁の七人』(’75)でも描かれたこの暗殺作戦の、壮絶な逃走劇と衝撃的な報復の全貌を新たに描き、当時から75年の時を経て、ついに日本公開。主演は、『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』ほかクリストファー・ノーラン監督作品やケン・ローチ監督の『麦の穂をゆらす風』など、確かな演技力が評価されているキリアンと、世界中で空前の社会現象を巻き起こした『フィフティ・シェイズ』シリーズのジェイミー。日本でも人気の高い2人が、ハイドリヒ暗殺を実行する兵士役で初共演。さらに、『博士と彼女のセオリー』のハリー・ロイド、『ザ・ウォーク』のシャルロット・ルボン、チェコ人女優アンナ・ガイスレロヴァーらが名を連ねている。また、併せて解禁となったビジュアルは、ナチスのマーク、ハーケンクロイツが印象的で、ハイドリヒによって運命を狂わされていく若者それぞれの姿が捉えられている。近年、映画界ではナチスやヒトラーを題材にした作品が相次ぎ、ハイドリヒの部下であるアイヒマンにまつわる映画も反響を呼んでおり、本作も大きな注目を集めそうだ。『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は8月12日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月05日