俳優の佐藤浩市が主演を務めるテレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル『Aではない君と』(9月21日 21:00〜)の出演者が24日、明らかになった。同作は薬丸岳の同名小説を実写化。大手建設会社に勤める吉永圭一(佐藤)は、離れて暮らす中2の息子・青葉翼が同級生への殺人容疑で逮捕されたことから、息子の心の叫びに耳を傾け、事件の真相を探っていく。天海祐希が、翼の起こした事件を担当する弁護士・神崎京子を演じる。殺人容疑で逮捕される息子・翼役には、子役オーディションを勝ち抜いた期待の新人、杉田雷麟(らいる)が決定。杉田は『「この世界で食ってくのか?」主演の佐藤浩市さんに、初対面で聞かれました。〝はい〟と即答しました。そんな僕に「俺と関わる場面ならお前が納得行くまで何度でも付き合ってやる」とも言ってくれました。とにかく嬉しかったです!」と語る。また吉永の元妻・青葉純子役に戸田菜穂、吉永の恋人・部下である野依美咲役に市川実日子が出演。さらに吉永家族を追う週刊誌記者・中尾俊樹役に、プライベートでも佐藤浩市と親交の深い俳優の山本耕史、吉永が最初に頼る弁護士・長戸光孝役に八嶋智人、吉永の息子が働く居酒屋の店主・井川役に寺島進、家庭裁判所調査官・瀬戸調査官役に安田顕、被害者少年の父である弁護士・藤井智康役に仲村トオル、そして吉永の父・吉永克彦役に山﨑努と、映画並の豪華キャストが集合した。稲田秀樹プロデューサーは「正直、今どきのテレビには似合わない内容で、普通ならまず通らない企画です。着想から色々と紆余曲折がありましたが、今回、豪華なキャストと制作陣を得て、ようやく実現にこぎ着けることが出来ました」と振り返る。「撮影前、塚原監督とは、そんな難しい内容だからこそエンタテインメントであることを忘れずに作りましょうとも話しました。今、完成品を前にして、その志は報われたと感じています」と語った。○戸田菜穂コメント何が何でもやりたい役でした!加害者家族を演じることは苦しくて苦しくて毎日がモノクロの世界でした。あらゆる親子に観ていただきたいです。できれば学校でも観てもらいたい。子供と一緒に生きていくということ、あらためて考えさせられる魂の叫びのような作品です!○市川実日子コメント撮影現場で幾度となく聞こえてきたのは、深い溜息と、このドラマで起きる事件や登場人物の選択、台詞についての会話でした。他の現場と違うのは「自分だったら……」という心の奥底まで掘るような尽きない対話が、自然と続いていくことでした。遠くで起きた特別な事件は、自分にとって全く無関係ではないものなのかもしれない。たとえ、ニュースの中や物語のことでも、人は無意識にそう捉えるものなのかもしれない。そんなことを感じる現場のまなざしでした。○山本耕史コメント台本を読んでテレ東らしく攻めているなと感じました。こういう深いテーマのドラマが制作されにくくなっている昨今、僅かでもこの作品に参加できたのは貴重な財産になりました。ぜひ多くの方々にご覧頂けることを願っています。○八嶋智人コメント僕にも小学五年生の息子がいます。現代社会に住む子供達はいろんな意味で窮屈だろうと親として感じる事があります。コンプライアンスなんて言葉が独り歩きし、子供の世界にまで影響を与え、様々な問題はより深く闇の中に潜むようになる。このドラマはそんな場所にいる子供達と大人達を丁寧に結び付ける物語だと僕は思っています。もちろん事件を追う事が軸になっていますが、親子ならば他人事ではない物語として見届けて欲しいです。○寺島進コメント僕がプライベートでもお付き合いしている佐藤浩市さん、この芸能界でも一番信頼できるプロデューサーと、こういう女性監督が増えていくといいドラマがもっと増えるだろうなと思える監督のタッグで作る今作。この作品は、子供、家族を持ってる人間にとってとても大事な事を伝える内容になっていると思います。家族を持ってる人、これから家族を持つ人、結婚する人、家族団欒、幅広くどんな方が見ても、いち人間だったら色々気付き、そして感じる所が沢山ある作品だと思うので、老若男女、一人でも多くの人に観てもらいたいなと思います。○安田顕コメント脚本を拝読し、涙が滲みました。数日の現場への参加でしたが、出演者、スタッフの皆さまの真摯な向き合い方に、作品への思い、意義を感じました。参加できて、光栄です。多くの方々に、届きますように。○仲村トオルコメントもし自分の子供が人を殺す、もしくは人に殺される、そのことを想像しようとしても、脳が拒絶するのかイメージすることはとても難しかったです。これほど重く難しい原作をテレビドラマにしようという志に自分も参加したいと思いました。撮影最終日の佐藤浩市さんのたたずまいにこの作品の重みの凄さを改めて感じました。その重み故に、観てくださった方の心の奥底に深く残る作品になっていると思います。
2018年08月24日真実に反した、労働者の主張昨今、残業代請求やパワハラ等の労働問題で、労働基準監督署に駆け込む新入社員を含む若手社員が急増したように思います。使用者側に非があるケースであれば良いのですが、真実に反した相談内容なのではないかと疑問に思わざるを得ない事例もよく見られます。今回は、社内で不正を働いた社員を懲戒解雇懲戒解雇をされた社員が、『不正を働いた覚えなどない。証拠もない。にもかかわらず不当に解雇された』として労働基準監督署に駆け込む会社側の落ち度(長時間労働やパワハラ等)により精神疾患を発症したとして労災認定を受けるさらに、会社に対し、多額の慰謝料や未払給与等の請求という事例について触れたいと思います。 近年ハードルが低くなった、労働問題の弁護士介入ひと昔前まで、使用者と労働者との紛争に弁護士が介入してくることが現在ほど多くありませんでした。社員に不正がある場合に限らず、能力不足等の事情により解雇をした場合においても弁護士が介入して裁判所で争われるといった事態を心配することはあまりなかったのでしょう。しかし、貸金業者の相次ぐ倒産により、いわゆる過払いバブル時代にこれをよりどころとしていた弁護士の業績が悪化し、残業代請求や不当解雇による損害賠償請求という労使問題に弁護士が積極的に介入するようになってきたことも要因の1つであることは否めません。弁護士によっては、法律相談料や最初にいただく着手金はいずれも無料とし、実際に会社から支払を受けることができた場合にその一部を報酬としていただくというような価格設定をしているところもあり、弁護士に相談しようという心理的ハードルがかなり下がっている実情もあろうかと思います。 不正をした社員を懲戒処分にした結果、会社が慰謝料を請求される恐れがある弁護士介入により労働審判や裁判に持ち込まれるケースでは、会社が行った解雇処分が有効と判断されるケースは極めて稀です。解雇、特に懲戒解雇処分に関して、法的には非常に厳しい要件が課されています。解雇処分よりも軽い戒告・減給・停職等の懲戒処分を段階的に踏んで指導の機会を経てもなお改善されない、かつそれが一目で分かる証拠を残しておかないと、懲戒解雇処分は無効とされてしまうケースがほとんどというのが実情。能力不足を理由に懲戒解雇をすることを裁判所が有効と認められることは、まずほとんどありません。 横領や詐欺、背任等の会社に直接損害を与えるような不正事例を行なった社員に対しては懲戒解雇も有効と認められることが多くあります。しかしそれには、「不正の事実」を証拠で証明することが必要です。証拠の確保ができないまま不当解雇をしてしまえば、証拠も十分でないのに見込みだけで安易に下した不当解雇と判断せざるを得なくなり、被害を受けたはずの会社が不正を働いた従業員に対して、多額の慰謝料や未払給与等を支払うこととなるケースが増加してきているのです。使用者からすると常軌を逸した事態です。しかし、このような事態が増えてきているのが現実です。それでは、不正などを働いた社員を懲戒としたい場合、会社としては、どのようなことに気をつけて懲戒解雇処分を下せば良いのでしょうか。 【社員の不正事実の調査方法】(およそ事実調査一般に共通します)下記は不正事実の発生から懲戒解雇処分に至るスキームと段階ごとの留意点です。概略についてのみ記しますが、参照ください。1.調査体制と調査方針・スケジュールの確立2.客観証拠の収集【どのような証拠が必要か?】請求書、注文書、納品書、契約書、見積書、稟議書、決算書、出金伝票、帳簿類、メール、その他連絡文書等金銭の流れが分かる預金通帳等リベートを取得したことが分かる証拠あるいはリベートの費消先の分かる証拠が必要。※会社の損害の穴埋め等、会社に還流している部分は横領や不法行為とはならない可能性あり。3.自宅待機命令のタイミング【調査期間中の自宅待機命令】原則として賃金支払い義務あり就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠隠滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由が存する場合には支払い義務を免れる(日通名古屋製鉄作業株式会社事件名古屋地判平3・7・22)4.当事者及び関係者からの一斉同時聴取【事情聴取の手法】事実調査に熟練した弁護士に依頼、それができない場合には2名で聴取騙されない、性悪説に立つ。全く信じていないという演技も必要。なるべく録音する客観証拠をぶつけるタイミングは工夫が必要。手の内を見せない。自白の獲得は、極めて重要人は、利益誘導でしか自白をしない信頼関係の「舞台」を設定する工夫は重要聴取者、情報集約者、処分者等の役割分担の工夫も一案客観証拠の収集を視野に入れながら聴取する弁護士の同席を認める必要はない聴取内容は、なるべく一問一答式で、実際の話し言葉を忠実に再現した書面を作成の上、署名・押印を求める。本人が頑なに拒否する部分は、そのまま盛り込んであげることで、書面の信用性が高まる。録音していない場合には、自筆の書面も提出させる否認している場合にも、後で新たな弁解を出させないために、あるいは、主張の矛盾を浮き彫りにするために、その証拠化は重要5.事実認定と処分方針の確定6.弁明手続の実施処分の見込とその理由となる事実を本人に説明の上、十分に弁解を聞いた上で最終処分を下すべき。これを怠ると、処分が無効となる可能性がある。7.懲戒解雇解雇後の本人の調査協力は得られないので(逃げた者勝ちになる可能性が高い)、その前段階、社員の身分を有する間の早い段階での調査と証拠の確保が決定的に重要。任意の証拠提出依頼を繰り返し、ありとあらゆる証拠を早期に確保すべきである。調査協力及び拒否に関する規程類の整備も考慮に値する。【モデル就業規則】第○条従業員の調査協力義務1.会社は、コンプライアンス違反の疑いを察知したときは、当該事実の有無、その内容等について必要な調査を行う。2.従業員は、前項に基づき会社が必要性を認めて適宜の方法により実施する調査に協力する義務を負い、正当な理由なく調査への協力を拒んではならない。3.会社は、第1項に基づく調査に際し、必要に応じ、従業員に対し、自宅待機を命じることができる。8.刑事告訴、民事訴訟等の手続選択告訴して刑事手続を先行させられると楽。捜索は、刑事事件でしかできないし、100万円を超える場合には、弁償しないと実刑になる可能性が高く、否認せずに認めて、必死に弁済しようとする動機が一気に高まる。刑事記録の入手が可能になるし、警察・検察と弁護士が連携して、強制執行に必要な情報の入手も可能となる。告訴先は、所轄の刑事二課か、検察庁の特別刑事部。民事裁判官は、刑事手続以外での証拠収集の限界や、横領や背任等の経済事犯犯の認定方法を必ずしも正確に理解しているとは限らない。さいごに〜リスクを軽減するために〜前項で述べたような事実調査を実施し、不正等の事実を証明できる証拠をきちんと確保した上で懲戒処分を下したとしても、必ず有効になるという保証はありません。その処分の有効無効は裁判官の判断に委ねられているためです。つまり、使用者は常に抱えるリスクについて考えなければなりません。手を尽くしても払拭し切れないリスクに対しては保険が有効であり、唯一のリスク軽減の手段といえます。「保険でカバーできる部分は大胆かつ実務的に。保険でカバーできない部分は法的にプロテクトしつつ慎重に。」これがリスク管理の基本的な考え方であり、私たちが使用者にアドバイスする上でも常に心がけていることです。最後に、近時急増する労使問題で使用者側が裁判所で敗訴するリスク等に備える各種保険が売り出されていますので、その一部を紹介いたします。 ~雇用慣行賠償責任保険(EPLI)の活用の検討~ ・不当解雇を含む無効な懲戒処分、セクハラ・パワハラ、名誉毀損等での損害賠償金(不当解雇による未払給与含む)及び弁護士費用を含む裁判費用をカバー・東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険会社、チューリッヒ保険会社等で商品化している 執筆/シティ総合法律事務所(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。社員の不正等に絡む労使問題の裁判所の実情と対応のコツはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月17日俳優の斎藤工、ドラマーで俳優の金子ノブアキ、お笑いタレントの永野、映像作家の清水康彦が21日、都内で行われたトークイベント「チーム万力 presents ショートフィルムの未来地図」に出席した。トークイベント「チーム万力 presents ショートフィルムの未来地図」に出席した斎藤工、永野、金子ノブアキ、清水康彦同イベントは、24日まで開催されている「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2018」の一貫として行われたもので、この日登壇した斎藤工、金子ノブアキ、永野、清水康彦監督が、映像制作プロジェクトチーム「チーム万力」を結成し、彼らのオリジナルショートフィルム『LOHAS』、『ZERO-焼きそばしかないキャバクラ』、『ドラマ・手から光の出る魚屋さん』、『宮本』の4本が同イベントで上映された。チーム万力の結成について斎藤が「永野さんのネタは、テレビで皆さんが見ているもの含めて、とてもかっこいいと思っているメンバーが集まりました。それを映像に展開していこうという共通認識を持って必然的に集まった人たちだと思います」と明かし、永野とは清水の結婚式で出会ったという金子は「永野さんが余興で出てきてクソヤバイなと、すごいやつだなと思ってそれから大好きになりました」と説明。この日公開された4本の作品は、すべて永野の原案を短編映画にしているが、その魅力を金子が「鬱屈しているところで生まれる爆発みたいなエネルギーというか、マイノリティーが持っているエネルギーを感じました」と語り、イベント中に頻繁に「衝動的」「感覚的」という言葉を口にした永野は「こういう映像って、クイズじゃないんですよ。答え合わせの確認ではないので、皆さんが勝手に思えばいいんです。僕はずっとそういう感じで映画や音楽を観たり聴いたりしてきましたから」と持論を展開した。そんな4人が結成したチーム万力が、オリジナル長編映画『万力』を製作すると発表。本作は斎藤と永野による企画で、プロデュース・主演を斎藤、脚本を永野が書き下ろし、音楽を金子が担当、来年の公開を予定している。2016年の春に出演した『東京ガールズコレクション』で体験したことが原案だという永野は「自分の劣等感もそうですけど、生きていて感じる違和感や衝動といったもの全部積んで作るなら万力しかないと言ったら皆さん共感してくれました。軽いテーマではないです。美醜を究極までエグッてやろうというのがこの映画です」と解説した。そのアイデアを絶賛した斎藤は「日本で普通の映画を立ち上げようとするとコンプライアンスが立ちはだかります。この映画は多分通らない企画ですが、逆に通らない時がチャンスで、なぜ通らないんだということを映像に踏襲し、先に日本より外に放つという新しい法則を打ち出せるんじゃないかと思っています。イチ映画ファンとして重要なプロジェクトになっていくと思いますよ。見たことがない世界で普遍的なテーマにしたいですね」と意欲を見せていた。
2018年06月22日マーゴット・ロビーが主演する最新作『死の谷間』が、6月23日(土)より日本公開。この度、残念ながら本編からカットされてしまったシーンを収録した特別映像がシネマカフェにて公開された。あらすじ死の灰に覆われた世界で、たった一つ放射能汚染を免れた小さな谷(=第2のエデン)に住む女性アン・バーデンは、唯一の生存者だと思い、愛犬とともに1日1日をただ過ごしている。ある日、見たことのない車両と宇宙服のような防護服を着た黒人男性ジョンを発見。男は汚染された滝壺で水浴びをしたことで体調を崩すが、彼女の救護によって一命を取り留める。男の体調が回復すると、2人はひとつ屋根の下で自然と共同生活を始める。科学者で宗教観も考え方も異なる男の生活に戸惑いを感じるアンだったが、生活するうちに2人の距離は縮まっていく。しかし、もう一人の生存者である白人男性ケイレブが現れたことで、彼らの生活は一変する――。『コンプライアンス 服従の心理』のクレイグ・ゾベルが監督を務める本作は、1976年にエドガー・アラン・ポー賞を受賞したロバート・C・オブライエンの「死の影の谷間」(評論社刊)が原作。核汚染を免れた奇跡の谷“第2のエデン”で、1人の女と2人の男が繰り広げるSFサスペンスだ。主人公の農娘アン・バーデンを演じるのは、『ターザン:REBORN』『スーサイド・スクワッド』に出演し、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』では本年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたマーゴット・ロビー。また、科学者のジョンを『それでも夜は明ける』『ドクター・ストレンジ』のキウェテル・イジョフォー、謎の炭鉱夫ケイレブを、『スタートレック』シリーズのクリス・パインが演じている。今回到着した未公開映像では、マーゴット演じるアンとキウェテル演じるジョン、そしてクリス演じるケイレブの3人が水辺で楽しそうにはしゃぐ中、たくましい上半身を露わにしたケイレブが、アンをバックハグする場面が収録。さらに、3人が食事やお酒を楽しみながら、談笑したり、ダンスしたり…といったシーンも登場。どちらも一見楽しそうだが、それぞれの微妙な視線や表情も気になってしまう映像だ。『死の谷間』は6月23日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2018年06月09日日本を代表する俳優・役所広司が主演を務める『孤狼の血』が5月12日より公開された。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描く本作の情報をおさらい!■原作は“警察小説 ×『仁義なき戦い』”と称された柚月裕子のベストセラー2015年に発売され、瞬く間にベストセラーとなった柚月裕子の小説「孤狼の血」。醜悪なテーマを正統派のサスペンスに仕上げた「臨床真理」でデビューを飾り、同作で 「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。上川隆也主演でドラマ化もされた「検事の本懐」では第15回大藪春彦賞を受賞するなど、丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、いま最も注目されるミステリー作家・柚月氏。その中でも「孤狼の血」は暴力団組織間の激しい抗争を描いている故、“警察小説 ×『仁義なき戦い』”と称され、「第69回日本推理作家協会賞」受賞、「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位、さらに「第154回直木賞」にノミネートされるなど高い評価を受けている。映画化発表会見に登壇した柚月氏は「『仁義なき戦い』なくしてこの小説はありえなかった」と『仁義なき』シリーズを送り出した東映での映画化に感慨深げに語り、「活字でなくては成り立たないミステリーの部分、難しい表現が実現するのか?」と期待を口にしていた。監督を務めるのは『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と犯罪や警察内部の腐敗を扱った作品を送り出してきた白石和彌。「R15+」指定をつけ、「変なコンプライアンスを気にしたり、自主規制をせず、やれることを逃げずにやる」と誓いを立てていた監督。本作はコンプライアンスを過度に重視する日本の映像業界と現代社会に対する新たなる挑戦となった。■あらすじ物語の舞台は、昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。所轄署に配属となった日岡秀一は、暴力団との癒着をうわさされる刑事・大上章吾とともに、金融会社社員失踪事件の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に戸惑う日岡。失踪事件を発端に、対立する暴力団組同士の抗争が激化し――。■気になるキャストは?常軌を逸した捜査を行なう主人公・大上章吾役の役所広司と、大上とコンビを組む日岡秀一役の松坂桃李を始め、クラブのママ・高木里佳子に真木よう子、県警の監察官・嵯峨大輔に滝藤賢一、下部には所轄の刑事・土井秀雄に田口トモロヲ、暴力団・五十子会の組長・五十子正平に石橋蓮司、暴力団「尾谷組」の若頭・一之瀬守孝に江口洋介らが集結。そのほか、安芸新聞の記者・高坂隆文に中村獅童、全日本祖國救済同盟の代表・瀧井銀次にピエール瀧、加古村組の構成員・吉田滋に音尾琢真、尾谷組の構成員・永川恭二に中村倫也、暴力団五十子会若頭・野崎康介に竹野内豊が演じる。■警察じゃけん、何してもええんじゃ――血湧き肉踊る予告編役所広司演じる大上の衝撃的なセリフから、耳にこびりつく怒号と銃声…。吼え、叫び、抗う。日本が誇る豪華キャストによる魂と魂のぶつかり合い!命を賭けた男たちの熱き戦いが幕を開け、生き残るのは誰なのか。正義とは何なのか。喰うか喰われるかの世界で生きる男たちが描かれている。■アングラな世界を生きる男たちは情熱的で色気さえ感じる…「“血湧き肉踊る”映画」というコピーが表すように、怒号や銃声などが飛び交い、荒々しさが際立つ本作。映画公開決定から役所さん始め様々なビジュアルが公開されてきた。それぞれのキャラクターが内に秘めた静かな想いや、自身を奮い立たせているかのような真っすぐな視線…そんなビジュアルには“男の色気”さえも感じるのだ。■松坂桃李、劇中で役所広司が使用する“あるもの”を貰って大興奮!劇中では、役所さんが演じる大上刑事のzippoライターが登場するそうで、松坂さんは「今回、この作品で、役所さんのライターがあるのですが、それをもらったのです」とタキシードのポケットからzippoライターを取り出した。「まだ観ていない方はどういうことかはわからないと思うのですが、きっと観終わったときには、『うわあ、うらやましい』と思うような濃厚な関係性の中でやらせてもらえたことは僕の中では宝物でした」と役所さんとの共演に歓喜!それを受け、役所さんも「今回はほとんど一緒のシーンが多かったので楽しかったです。共演者として頼もしい俳優さんで、素晴らしい俳優さんだと思いました」と共演を振り返りながら、松坂さんを絶賛した。■ヒットすれば続編も?白石監督が語る先日行われた外国特派員協会会見では原作者・柚月氏と白石監督が参加。原作は3部作という点について、続編があるとしたら白石監督に監督してほしいか?という問いに柚月氏は「もちろんです」と即答。その言葉に白石監督も「柚月先生がこの原作を書いてくださったからこそこの映画ができましたし、『孤狼の血』がヒットしてくれれば是非続編も撮影したいと思います!」と話していた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会
2018年05月12日女優の高橋由美子さん(44)が、先日所属事務所との契約を終了し、今後はフリーで活動することが明らかとなりました。 高橋さんは今年3月に飲食店経営の男性と不倫関係にあったとスクープされ、その際の動画での言葉遣いや態度が悪いと、多くの人に衝撃をあたえました。 「理性を欠いた時間を過ごしてしまったのは確かです」と謝罪したものの、“酒癖の悪い女”という印象を残してしまった彼女。『女性自身』が両親への取材を行ったところ、現在は反省と傷心から実家にひきこもっているようです。 女優業は引退せず今後も活動を続けていきたいという彼女。しかし立ちはだかるのは“女性の不倫”という、男性のソレに比べまだまだ特別感とイメージの悪さがつきまとう高い壁です。 ■ゲス不倫から振り返る男と女の復帰の難しさ ここ最近はセクハラなどの男尊女卑やコンプライアンスに厳しくなりつつあるとはいえ、イメージに引きずられる芸能界ではまだまだその差が感じられるのが現状。そのなかの1つが、芸能界における「男の不倫」と「女の不倫」の扱いと復帰の難しさではないでしょうか。 2016年にスクープされたベッキーさんの不倫から、長期間不倫報道が過熱していた時期がありました。現在は注目度も下がったとはいえ、その際報じられた男女のその後を比べると、女性の復帰ハードルの高さがあるのは歴然です。 <不倫報道された女性> ・斉藤由貴さん(女優)半年間休業後舞台などを中心に復帰。4月からテレビドラマにも復帰。 ・田中萌さん(アナウンサー)現在はネットTV出演や早朝番組のナレーション出演などにとどまっている。 ・ベッキーさん(タレント)2016年早々に不倫が発覚。同年5月に特番やスカバー番組での復帰を果たしつつ、現在は地上波のゲストなどに出演するまで回復。ただしスクープ前の地上波MCなどの出演はまだかなっていない。 ・矢口真里さん(タレント)不倫発覚後に離婚、1年5カ月の休業の末復帰。今年3月に当時不倫関係だった男性と再婚。 <不倫報道された男性> ・川谷絵音(歌手)妻と離婚。無期限休業を宣言したものの、半年後に歌手活動を再開。 ・袴田吉彦(俳優)現在当時の不倫をネタにしたタレント業を積極的におこなう。 ・ファンキー加藤(歌手)とくに謹慎などはなし。 ・宮崎謙介(政治家)政治家として辞任後、現在は政治家タレントとして活動。 印象的だったものを今回は抜粋しましたが、男性のほうが不倫を“ネタ”にして復帰する例が圧倒的に多いのも特徴です。ファンの増減は男女どちらもあるとは思いますが、女性のほうが「より真摯な反省」を求められているように感るのはなぜなのでしょう。 ■男は“オイタ”女は“本気”そのイメージが女を苦しめる 「据え膳食わぬは男の恥」ということわざもあるように、昔は男の浮気はある程度は仕方のないものと人々の間で認知されていました。しかし時代は男女が同じように働き、する人は男女どちらも浮気する時代になりました。 それなのに復帰後に女性が不倫をネタや失敗に変えられないのは、見る人の中で“女性の浮気を冗談に変えられないある種の差別的な価値観”が根付いているからではないでしょうか。 今回の高橋由美子さんの不倫の話に戻ります。彼女はスクープされる前から、元美少女アイドルの酒豪ぶりが凄いとして話題に登っていた人物です。砕けたイメージがあるので正統派女優としての復帰はハードルが高い反面、袴田吉彦さん(44)のような100%ネタに変えて批判も笑いに取り込むくらいの勢いは作りやすいものです。 高橋さんがタレントとしての面白さを開花させることは、女性の不倫問題が抱える難しさを払拭する1つのキッカケにもなる。そう思うと、このままふて寝して引退なんてことにはなってほしくないのです。 『20世紀最後の正統派アイドル』として誕生した彼女は、21世紀の女性が抱える価値観の壁を越えられるのか。テレビでガハハと笑う日を、筆者は野次馬根性も持ちつつ待ちたいと思います。
2018年05月10日映画界の巨匠イングマール・ベルイマン監督の『夏の夜は三たび微笑む』から着想し、ミュージカル界の同じく巨匠スティーヴン・ソンドハイムが作曲・作詞を手掛けたミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』が、4月8日に東京・日生劇場で開幕した。主人公のデジレ役に大竹しのぶ、その元恋人フレデリック役に風間杜夫。日本を代表する俳優同士の27年ぶりの共演が、なんとミュージカルで実現したことでも話題を呼ぶ。また演出は、自身も女優・歌手で、本作出演経験のある英国人マリア・フリードマンが務める。チケット情報はこちら19世紀末のスウェーデン。弁護士フレデリック(風間)は、18歳の若妻アン(蓮佛美沙子)との結婚生活が11か月経過した今も彼女に手が出せずにいる。前妻との息子ヘンリック(ウエンツ瑛士)は、年下の義母アンに密かに恋心を抱いている。ある日、フレデリックとアンは芝居を観に行くが、その主演女優はフレデリックのかつての恋人デジレ(大竹)。デジレとフレデリックは14年ぶりに接近するが、デジレにもカールマグナス伯爵(栗原英雄)という恋人が。既婚の彼はデジレと堂々と不倫中で、あろうことか妻シャーロット(安蘭けい)に、デジレとフレデリックの関係を探らせる。奇妙な縁で結ばれた6人はやがて、デジレの母と娘が住む郊外の屋敷で顔を揃え……。北欧の短い明るく暖かな時期を思わせる薄明るい照明の下で、登場人物たちがワルツを踊っている幕開き。パートナーを替えながら舞う様子が、これから繰り広げられる波乱の恋愛模様を暗喩しているかのよう。登場人物は誰もが、特に恋愛においては、自分の気持ちに正直だ。義母への秘めた恋であるはずのヘンリックでさえ、彼女を前にすると想いがあふれ出てしまう(当人のアンだけ気づいていない)。正直な感情と、複雑な人間関係。アンバランスな両者を取り持つのが、ミュージカルといえど安易な“歌い上げ”を許さぬ、ソンドハイム独特の難解なメロディラインだ。風間・蓮佛らミュージカル初挑戦組もベテランも、“音階のパズル”とでも呼びたい独特のピッチへの苦労は想像に難くないが、ソンドハイム2作目にして楽曲を自分のものにしている大竹をはじめ、いわゆる“芝居歌”を歌える芝居巧者で固めた布陣が吉と出ている。結果、メロディの複雑さに阻まれることなく、正直な肉声が切々と届いてくるのだ。演出のフリードマン曰く、「この物語は間違った相手と恋に落ち、最終的には正しい相手と結ばれるというお話」。今のコンプライアンス社会ではとても真似できないおとぎ話かもしれないが、自分に正直な人間とはかくもチャーミングなものかとハッとさせられ、わずかな勇気をもらった気がする。公演は4月30日(月・祝)まで同劇場にて。5月には大阪・梅田芸術劇場メインホール、静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール、富山 オーバード・ホールでも上演される。チケットはいずれも発売中。(取材・文:武田吏都)
2018年04月11日薬ってそもそも何だろう?出典 : 私たちは、誰もが心や体のバランスを崩すことがあり、そのためにつらい体験をすることがあります。病気やけがを治したり、心や体のバランスを取り戻したりするために「薬」が用いられることがあります。薬の歴史は古く、紀元前には、草や木の根、一部の動物や鉱物などが薬として使用されてきました。しかし薬は、適切な状態に対して使用されなければ、利益をもたらすことも害をもたらすこともあります。そこで、薬を使うことは、現在の患者さんの病状を正確に診断し、それに対して処方すること、すなわち医学の専門的領域として発展してきたのです。現代の日本では、主にヒトや動物の病気の診断・治療・予防に使うものを薬機法という法律で定め、医薬品と呼んでいます。今日の医薬品は、漢方薬のように植物や動物などの生薬により生産されているものもありますが、多くは化学的に合成された薬品です。製薬会社はさまざまな候補物質を作成し、薬理学的活性や動物実験などによって、その物質が「薬」の候補となり得るかどうかを調べています。そのなかで有効性と安全性の両面で優れていると考えられる物質が、開発候補となります。これは製薬会社が合成した候補の中のほんの一握りの物質であり、慎重な検討のもと、開発候補(治験薬)が選定されるのです。しかし、実際にヒトで安全であるのか、患者さんで有効であるのかは、明らかではありません。第Ⅰ相試験では、健康人を対象にして治験薬が投与され、その体内での動態や安全性が検証されます。これをクリアした場合に、第Ⅱ相試験が実施されます。この試験では、試験への参加同意の得られた比較的少数の患者さんに対して、治験薬の安全性とともに、投与量と効果の関係が検討されます。第Ⅲ相試験では、第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、より大きな規模で有効性と安全性が調べられます。このとき、仮に患者さん100人に治験薬を使用したところ、80人に有効であったということがあっても、この薬が有効であるかどうかは分かりません。第Ⅱ相、第Ⅲ試験では、プラセボ、つまり治験薬とみかけは変わらず薬効成分のない薬との有効性と安全性を比較することが普通です。プラセボは有効成分がないのだから効果も副作用もないだろうと考えるでしょう。しかし、実際にはプラセボでも効果や副作用があるように感じることがあります。人のからだは不思議で、薬と信じて服用すると、その安心感から自然治癒力を引き出すことがあります。このような効果を「プラセボ効果」と言います。この「プラセボ効果」と「薬の候補の効果」を、医者も患者さんも分からないという条件の下で、有効性と安全性を調べ、プラセボに比べて薬の候補が有意な効果を認め、安全性にも問題が無い場合に薬の候補となるのです。最終的には、これらの臨床試験の結果を踏まえて、規制当局が薬として承認することになります。このようなステップを経て開発された新薬には特許があります。新しく合成した化学物質には「物質特許」がありますし、その効能・効果には「用途特許」があります。それ以外に、製造方法に与えられる「製法特許」、製剤上の新しい工夫に関する「製剤特許」です。原則6年間がたつと、物質特許と用途特許は切れて、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の生産が可能になります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ薬効成分を有しており、服用後の血中濃度の変化が同等であることが求められています。しかし、製法特許や製剤特許は切れていないため、ジェネリック医薬品のメーカーにより製法は様々で、薬効成分以外の成分は異なっている場合もあります。したがって、先発医薬品とジェネリック医薬品が全く同じ、というのは事実ではないのですが、国全体としては医療費を抑制していくことが急務ですし、ジェネリック医薬品メーカーも、より質が高いジェネリック医薬品の提供や安全性情報の提供などに努めています。ドラッグストアなどで一般の人が自分の判断で使用することのできる一般用医薬品もあります。このなかには薬剤師からの指導、文書での情報提供の要否や努力義務によって、第1類、第2類、第3類などの指定があります。軽い身体不調に対して自分で手当てするというセルフメディケーションも現在推奨されている方法の一つです。しかし、この記事でこれからご紹介する向精神薬は、医療機関でしか処方できない医薬品がほとんどです。「薬が効く」ってどういうこと?出典 : 風邪を引いたら風邪薬を飲む、熱が出たら解熱剤を飲む、というのは、幼い頃から当たり前のようにやってきたことで、何の疑問も持たないでしょう。しかし、風邪薬を飲んだから病気が治ったのでしょうか?実際のメカニズムは、それほど単純ではありません。初期の風邪には、葛根湯を飲んで体を温めたり、免疫機能を高めたりすることがあります。これは、身体自体に備わっている風邪を治す機能を後押ししているのです。風邪で病院を受診し、抗生物質を処方されることもあるでしょう。最近では風邪に対してお決まりのように抗生剤を処方されることはなくなってきています。これは風邪の多くがウイルスによるもので、抗生物質は無効であるばかりか、抗生物質の効かない耐性菌を作ったり、腸内の細菌叢のバランスを崩してしまうからです。しかし、風邪をこじらせた場合には、細菌感染を合併していることが、採血の結果や咽頭ぬぐい液の培養によって確かめられることがあります。このような場合には、細菌を殺す(殺菌)あるいは細菌の増殖を抑える(静菌)ことを目的として抗生物質が処方されることがあります。これは原因療法といってもよいでしょう。原因療法とは異なり、症状を軽減する目的で薬が処方される場合もあります。それを対症療法といいます。対症療法というと、なにか原因を踏まえないつけ焼き刃の治療法のように聞こえるかもしれません。しかし、症状を緩和することで、日常生活の質が改善したり、別の治療的アプローチが有効に機能することがあるとしたら、対症療法も一つの治療法というべきでしょう。総合感冒薬(いわゆるかぜ薬)をみると、頭痛を軽減したり、鼻づまりを治したり、痰を出しやすくする一方、咳を止めたり、熱を下げたりする成分が入っています。これらは、風邪を治すというよりも対症療法として、その間の苦痛を軽減し、食事がとれたり、睡眠がとれることで体力の消耗を抑えることによって、身体の回復を助けようとする薬です。発達障害における薬の効き方出典 : 発達障害に対して薬物療法はしばしば行われることですが、発達障害自体を完全に治癒させる薬物療法はありません。発達障害における薬物療法は、対症療法であると言えます。注意欠如・多動症(ADHD)の中核的な症状である多動性—衝動性、不注意に対して、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用のプロフィールが異なっており、患者さんの状況や薬物への反応性に応じて使い分けられます。ADHD症状が軽減すると、全体を見渡して判断したり、順序立てた行動ができるようになったり、感情的になることが少なくなったりしますが、そのような思考や感情表出のパターンが本人にとっては新しい体験であったりします。また、保護者の方にとっても、「この子らしくない」とみえ、戸惑うこともあるでしょう。本当のその子らしさは、ADHDの症状が消えてみるとみえてくるものなのですが、それまでの間は戸惑いの方が大きいものです。日本では薬にまつわる否定的な表現も多くあります。薬に頼る、薬漬け、薬から卒業する、といった具合です。薬を使うことがネガティブに感じられ、本人や家族の努力不足であるかのような表現に聞こえる方もいるかもしれませんね。このような背景には、精神医学的な問題は、根性で立ち直るべき、といったような精神主義的な考え方があるのかもしれません。ADHDの治療においても、薬物療法か、薬物療法をしないかといった対比で語られがちです。ですが、これもそのような単純な図式では語れません。その子が行動上の問題を抱えているとき、望ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすためにはどうすればよいか、行動療法の考え方に基づいて最もよい対応を相談することが大切です。また、そのためのスキルを、ペアレント・トレーニングとして学ぶことも可能でしょう。また、学校や家庭で起こった現実的な困りごとについて、現実的な解決や調整を図ることも大切です。しかし、そのような行動変容を期待するとき、本人の動機付けを高めることも大切ですし、何よりも本人や家族が衝突ばかりを経験しており、疲弊しているようでは効果的な介入を期待できません。ADHDの子どもは小さな報酬に対して、脳の中の報酬系(快と感じる行動を選択しようとする脳の働き)が活性化されにくいと言われています。つまり、言葉で褒められただけでは行動が動機づけられにくく、食べ物やゲーム、お小遣いのようなわかりやすい報酬にしか反応しない傾向があるのです。しかし、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)を服用すると、小さな報酬に対しても報酬系の活性化が見られるという研究結果が報告されています。このことは、行動療法を行う場合にも、これまでには動機づけられなかったような小さなフィードバックに対しても、子どもたちが動機づけられる可能性を示しています。薬物療法は行動療法と相乗的に効果をもたらす可能性があるといえます。また、自閉スペクトラム症(ASD)の易刺激性に対しては、リスペリドン(リスパダール®)やアリピプラゾール(エビリファイ®)といった抗精神病薬が使用されます。易刺激性とは、かんしゃく、人への攻撃的な言動、自傷、気分の変わりやすさとして観察される感情のコントロールの難しさです。しかし、易刺激性の精神医学的な意味は必ずしも明確ではありません。薬剤は、抑うつ症状や気分の波、衝動性、こだわり、感覚過敏などのさまざまな面で効果を示している可能性があります。他方、易刺激性の背後には、相手の気持ちや社会的文脈を読み取りにくい、見通しを持ちにくい、コミュニケーション障害といった認知特性や対処スキルの乏しさがあります。薬物療法の実施がその子の社会適応状況を一時的に改善したとしても、そのうえで認知特性に応じた支援やスキル獲得を目指した援助を実施する必要があります。どういう場合に子どもに薬物治療を行うの?出典 : 発達障害という診断を受けたからと言って薬物療法を受けなければならないわけではありません。発達障害自体を治癒する薬はなく、薬物療法が唯一の治療的アプローチでもありません。そうすると、薬物療法は、どういう子どもの状態が対象になるのか、ということが問題になります。子どもが抱えている問題について、さまざまな治療的アプローチを行った上でなおも残存する問題があり、薬物療法を実施することが、その子の問題の解決を促進すると考えられ、かつ、本人や家族がその治療を望む場合に、薬物療法が開始されることになります。実際に薬物療法を実施し、そのことによって期待される効果が得られるか、効果と副作用のバランスを見て、その治療がポジティブな結果をもたらすと考えられる場合に薬物療法は継続され、その治療が不利益の方が大きいと考えられた場合には、薬物療法は中止されることになります。薬物療法を継続された場合でも、問題が解決し、薬物療法を継続しなければならない理由がなくなってきたならば、薬物療法を中止することになるでしょう。薬物療法を開始する前に大切なことは、いま困っている問題がどのような背景であるのか、ということを見立てることです。たとえば、クラスのなかが騒がしく、いつも話し声が聞こえたり、たちあるく人がいる状況では、その子が不注意になってしまうのは当たり前のことです。その子が不注意だからといってADHD治療薬を使用しても十分な効果があるはずはありません。その状況が、学校や家庭などの複数の場面で発達水準に認められるという診断基準に立ち返り、本当にADHDといえるのかを検討する必要があります。発語がない自閉スペクトラム症の子どもがかんしゃくを起こしているならば、自分の思いが伝えられない状況で起こっているのか、こだわりが崩される状況の中で起こっているのかなどを確認し、コミュニケーション支援や周囲の対応や環境の作り方を考えることが先で、まず抗精神病薬を使えばいい、ということではありません。そのような見立てのためには、その状況について、親御さんや周囲の大人と医師が話し合いを行うことが大切ですし、その見立てを共有する中で、薬物療法の是非についても議論されるはずです。十分な見立てのないまま「問題行動」に対して薬物療法が実施されるとしたら、それはデメリットしかもたらさないでしょうし、漫然とした薬物療法が継続されることとなります。発達障害の治療に使われる代表的な薬出典 : の中核症状である多動性—衝動性、不注意を軽減する薬剤として、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチンは、小児のみならず成人に使用可能ですが、現時点ではグアンファシン徐放錠は小児にのみ使用可能です。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用の現れ方が異なっています。メチルフェニデート塩酸塩|PMDAアトモキセチン塩酸塩|PMDAグアンファシン|PMDA古くから発達障害に適応を有する薬剤として、ピモジド(オーラップ®)があります。添付文書によれば「小児の自閉性障害、精神遅滞に伴う下記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状」に有効とされており、これだけをみるとあたかも万能薬のようにみえてしまいます。ですが、当時と現在では適応症の決められ方が異なっており、この薬剤が他の抗精神病薬に比べて広範な効果を特別に示すとは考えられていません。この薬剤は、心電図のQT時間を延長させる作用があり、特に高用量では致死的な不整脈を起こすことがあります。そのため、最近では使用の機会が少なくなっています。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に使われる薬には、前述のとおりリスペリドン、アリピプラゾールがあります。使用する用量は低用量から中用量であり、鎮静を期待する量を使用することは好ましくありません。一般的には、うつ病や強迫症、その他の不安症に対して用いられる薬剤です。自閉スペクトラム症やADHDに抑うつ症状を伴うことがありますし、自閉スペクトラム症に強迫症状や社交不安などの不安症状を伴うこともあります。これらの症状に効果を示す可能性はありますが、逆にいらいらとした気持ちを高めたり、死にたい気持ちが高まることもありますので、注意が必要です。自閉スペクトラム症に伴う強迫症状には、抗精神病薬の方が有効なこともあります。気分の波やいらいら、感覚過敏などを伴う場合に使用されることがあります。気分安定薬の多くは抗てんかん薬としても使用されます。一般的に使用されるベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬は、脱抑制といって、興奮を強めたりすることがあるので、特に小児では避けられることが多い薬剤です。自閉スペクトラム症に伴う不眠には、メラトニンの有効性を示す報告が多くあります。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながすホルモンです。日本では、メラトニン受容体に作用するラメルテオン(ロゼレム)が使用可能です。ベンゾジアゼピン系でない薬剤では、オレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサント(ベルソムラ)が使用可能ですが、小児における有効性と安全性のデータが報告されていません。リスペリドン|PMDAピモジド|PMDAアリピプラゾール|PMDAラメルテオン|PMDAスボレキサント|PMDA発達障害の子どもへの薬物療法を行う際に気を付けたいこと出典 : 治療決定についての考え方は、昔と大きく変わってきました。以前は医師が専門的知識に従って治療方針を決定し、患者はそれに従うものでした。薬物療法についても、医師の指示通りに患者が薬を飲むかというコンプライアンス(服薬遵守)が問題とされてきました。近年では、医師は専門的知識に基づいて治療決定に必要な情報を提供し、患者がその方針を決定するものに変化し、その方針への積極性もアドヒアランスという言葉で表現されるようになっています。子どもの場合、法的には保護者が意思決定を行うことになりますが、保護者が決めた意思決定に子どもを従わせるというのは現実的にも不可能なことです。最近では、子どもにおいても自己決定を尊重し、子どもには子どもにわかる範囲の最大限の説明を行い、積極的な同意(アセント)を得ることが求められています。その子どもがわかる範囲というのは、その子の年齢だけでなく、知的な水準やそのパターンによっても異なってきます。病名や薬剤名を伝えるというよりも、その薬がどのような影響(効果、副作用、日常生活に期待される変化)をもたらし得るのか、実際にどのような薬剤(色、味、剤型など)なのか、いつまで服用するのか、など、わかりやすく説明し、子どもの意思を最大限尊重する必要があります。副作用のモニタリングも大切です。とはいえ、発達障害の診療に訪れる子どもは、すでに「お注射はされない」「お話だけ」などと説得されていることもありますし、検査が苦手な子も多く、専門医療機関が少ない現状の中で、子どもに嫌われたくないという医療機関側の思いも相まって、本来期待されるよりも少ないモニタリング頻度になっていることが多いでしょう。それらのモニタリングも含めて治療の枠組みとして説明しておくことが大切かもしれません。一方、モニタリングは採血や心電図など、本人の負担のある検査ばかりではなく、体重、脈拍、血圧、日々の様子など、さまざまな観察で行うべきものもあります。その点についても親御さんと医師で話し合っておく必要があります。まとめ発達障害の治療において、薬物療法だけですべてが解決することはありません。解決したい子どもの行動の成り立ちを医師と家族が一緒に見立て、環境調整や行動療法などと組み合わせることが大切です。いま何のために薬を飲んでいるのか、子どもと保護者、主治医が目的を共有し、その後の効果と副作用を見極めながら、薬物療法を継続していくか否か、意志決定していく必要があります。
2018年04月02日※この記事はウェブメディア「EPOCH MAKERS」の提供記事です。井上聡|Satoru InoueThe Inoue Brothers共同代表1978年、コペンハーゲン生まれ。グラフィックデザイナーとしてデンマークで活躍した後、2004年に2歳下の弟・清史とアートスタジオ「The Inoue Brothers/ザ・イノウエ・ブラザーズ」を設立。日本の繊細さと北欧のシンプルさへの愛情を融合させたデザイン。そして、いいものを作って社会を前進させる「ソーシャルデザイン」にこだわる。今年1/25に初の書籍『僕たちはファッションの力で世界を変える ザ・イノウエ・ブラザーズという生き方』を出版。▶︎インタビュー&文:別府大河▶︎現場写真:Natsuko&別府大河▶︎TOP写真デザイン:山田水香▶︎写真提供:The Inoue BrothersPhoto by Robert Lawrence in AndesPhoto by Robert Lawrence in Andesデザインムーブメントのカラクリー「Style can’t be mass-produced…(スタイルは大量生産できない)」僕はこのコピーが大好きで。The Inoue Brothersのどのプロジェクトを見ても、まずどれもカッコいい。とにかく心が動かされるんですよね。僕たちがやるのはソーシャルデザインだけど、その前提としてクリエイティブにものすごく力を入れているんです。どれだけ社会的に素晴らしい活動をしても、人の心を打てなかったら結局は届きませんから。あと、そういうものをつくっていると共感してくれる人が増えて、自然と感度の高い人たちが集まって来てくれるんですよね。しかも多くの場合、「お金」ではなく「物やスキル」を交換して創作していて。だから、あんなクオリティの高い映像をつくるのも、お金はほとんどかかっていないんですよ。「ギャラは払えないけど、交通費とホテル代を出すから一緒に来てくれない?」これが、世界屈指のフォトグラファーや映像ディレクターとのやりとりで。ースピード感が凄まじいですね。デンマークのいいところは、スキルさえあればすぐにチャンスが巡ってくるところ。なぜなら、国の社会経済が発展しているので、流通が整備されていて、ネットワークが張り巡らされているから、クオリティの高い仕事をしたら瞬く間に有名になれるんですよ。しかも、国が小さくて人口も少ないから競争相手も多くない。さらに地理上、デンマークはヨーロッパ大陸と北欧の結節点にあるから、もともとインターナショナルなマインドもある。何をやっても否定されない文化も根づいている。こういう環境だからこそ、デンマークにはいいデザイナーやアーティストが育っているんだと思います。そして、僕もその恩恵を受けたひとりなんです。Photo by Robert Lawrence in Andes葛藤。そして新たな挑戦へPhoto by Robert Lawrence in Pacomarcaー実際にトップまで駆け上がった聡さんだからこそ説得力があります。その後、どういう経緯でThe Inoue Brothersをつくったんですか?デンマークの頂点が見えてきて、次はヨーロッパ、世界へと進もうとしていたときに、仕事に違和感を抱くようになったんです。仕事の内容や規模が大きくなっていくほど、打ち合わせは契約書の確認になっていき、デザインはまず最初にコンプライアンスに準じないといけなくなったり。「全然自由にクリエイティブな仕事できないじゃん」って。弟もヴィダルサスーンで当時史上最年少でアートディレクターに就任。華々しい活躍の裏で、彼も似たような不満を抱えていたんです。それを機に、僕はデザイン会社を解散し、2004年に弟と貯金をすべてつぎ込んで「The Inoue Brothers」を設立。Photo by Robert Lawrence in Andes「クライアントのもとで仕事はしない」「投資家も入れない」、そして「単なるデザインではなく、社会に貢献するソーシャルデザインをしよう」とだけを決めて始動。大量生産が社会を破壊するのが明らかになりつつあった当時。アメリカの電気自動車メーカー「テスラ」、デンマークなら風力発電機メーカー「ヴェスタス」らが先導して、社会問題をデザインで解決する「ソーシャルデザイン」の世界的なムーブメントが僕らを後押ししてくれたんですよね。でも今思えば、僕らを動かしたのはそれだけじゃなかった。ソーシャルデザインを突き詰めていくと、その思想はデンマークデザインの根本でもあったんですよ。People’s DesignPhoto by Robert Lawrence in Andesー「ソーシャルデザイン」と「デンマークデザイン」はどういったつながりがあるんですか?レジェンドと言われるデンマークのデザイナーには共通して、「People’s Design(人のためのデザイン)」という考え方があったからだと思います。無駄なものを削ぎ落とし、余計なコストをかけない。機能性を大切にして、値段が高くても一生使えるように長持ちさせる。彼らの作品は、使う人の姿をどこまでも想像して、愛情を込めてつくられているんです。ーなぜそもそもデンマークのデザイナーにはそういった考え方があったんですか?デンマークが農業国家だからだと思いますね。国民の大半は農家。仕事熱心で、道具が好き、道具には機能性を重視します。日中は外の寒い畑で働いたら、夜は家に帰って家族と心地いい時間を過ごしたい。だから、落ち着く暖色の明かりの中で、お気に入りの家具と過ごすライフスタイルが育まれました。それらすべてのデザインの主人公は「人」。物は「人生と家族と環境」を楽しむための道具だったんです。奥さんのUllaさんはとてもチャーミング。レジェンドたちがさらに面白いのは、職人気質の傾向が強まりつつあった中で、ある程度の量産を始めたこと。素晴らしいものを数少ない人に楽しんでもらうより、たくさんの人にいい家具を使って素敵な人生を送って欲しい。そういった思いから、アーネヤコブセンらデザイナーは、質を保ちながらも工場で生産できるようにした。デンマークデザインは、どこまでも「人のためのデザイン」だったんですよね。だからこそ今もなお、世界中でこんなにも多くの人々に愛されているんだと思います。Photo by Robert Lawrence in Andes光があれば影があるPhoto by Robert Lawrence in Andesー洞察が深くて面白いです。デンマークのデザインは、「人のため」の積み重ねだったんですね。一方で、デンマークのデザインは現在、かなり大企業化していますが、それはどういうことなんですか?実はそこにもデンマークらしさが滲み出ているんです。デンマークの強みといえば、デザイン以外に貿易があります。この歴史をひも解くと、デンマークの負の側面が見えてくるのと同時に、この国の本当の魅力がわかってくるんですよ。デンマークは海賊ヴァイキングの名残か、常にその時に一番強いところと組む性質があるんです。「ヒトラーが強そうだからヒトラーと組もう」「ヒトラーが負けそうだから次はイギリスだ」と。たとえば、アメリカのブッシュ大統領がイラクを攻撃し始めた時、全世界で唯一株価が跳ね上がったのが、デンマーク最大の貿易会社「A.P. モラーマースク」。理由は、アメリカの武器を運ぶのがマースク。戦後、建物を直す物資を運ぶのもマースク。だから僕らの周りは全員マースクが嫌い(笑)。Photo by Robert Lawrence翻って、今のデンマークのデザイン。これがここまで売れ始めたきっかけは、日本とアメリカでの北欧ブームが大きいと思います。それを機にどんどん商業化して、今やほとんどの有名なデザイン会社はアラブか中国の投資家が持っている状況。デンマークのデザインは、一番強いところ(=お金持ちのアラブや中国)と組んだことによって、自らの手を離れて形骸化してしまった。だから、「人のためのデザイン」が生まれたのもデンマークの文化だし、そうでなくなってしまってるのもデンマーク人の昔からの考え方だと思うんです。デンマークが面白いのは、こんなにも善悪がはっきりしてるところなんですよ。Photo by Isa JacobPhoto by Isa Jacobすべては「信頼」からPhoto by Robert Lawrence in Andesーこんなインタビューは初めてで、刺激的です(笑)。聡さんはデンマークのことを客観的に観察しながらも、デンマークの素晴らしいところを受け継いで活動しているところが面白いですね。The Inoue Brothersはソーシャルデザインにこだわろう、「人のためのデザイン」を突き詰めようと立ち上げましたが、特に当てがあったわけではありませんでした(笑)。そんな時、デザイン会社を解散したばかりの僕を、ある研究者が見つけてくれたのがきっかけでした。その人の研究内容は「アルパカの毛皮は世界一高級なのに、アルパカと共に生きる人々はなぜ南米で一番貧しいのか?」。彼が10年以上研究して出した結論は「原因は、ブランディングとデザインが発達していない教育」でした。そこで僕に「交通費が自腹でよければ、すべて案内するから来ないか?」と。僕はふたつ返事で「行きます」。Photo by Robert Lawrence in Andes|研究者のAlonsoPhoto by Robert Lawrence in Andes35時間かけてたどり着いたアンデスは、標高5000メートルの高地。着いてまもなく、生活すらままならないはずの人たちが、家からパンなどあらゆるものを出してきて、すごく温かくおもてなしをしてくれたんです。それはあまりにも衝撃的で、感動的で。僕はデザインを教えに行ったはずなのに、本当の愛や人生で大切なものを彼らから学んで帰国。すぐさま弟にそのことを伝え、2ヶ月後、次はふたりでアンデスへ行き、アルパカセーターのプロジェクトはスタート。毛の刈り方を指導し、世界最高級のセーターを実際に見せるなど様々な試行錯誤の末、普通は40〜50年はかかると言われている最高級のアルパカセーターの制作を10年で実現に成功し、たくさんの方々に届けられるようになりました。そして現在、僕たちはアルパカセーターと同じように、自分たちが本当にいいと思った鹿児島の陶器をフランス人アーティストとコラボでつくったり、東北で白いTシャツを生産過程にこだわってつくったり、世界でも希少なローコットンから衣服を作るプロジェクトも進めてます。もちろん全部ダイレクトトレードで。Photo by Robert Lawrence in AndesPhoto by Robert Lawrence in Andesー幅広い活動をされながらも、The Inoue Brothersの軸は本当にブレませんよね。すべての活動のベースは「信頼」なんです。生産者やクリエイターとの信頼関係があることはもちろんのこと、僕らは流通の人とも絶対に価格交渉しません。僕らに提案してくれた価格は、きっと職人さんが悩み抜いて出してくれたもの。もし下げるとなると、その職人さんの仕事のクオリティが落ちてしまう。アンデスの山奥でも日本だろうとデンマークだろうと、これは僕らの普遍的な哲学です。クオリティの高いものをつくるには、仲間の信頼に応えてこちらも信頼することが大切だと信じています。だからこそ、デンマークデザインはレジェンドたちのコラボレーションによってここまで発展した。そして、僕らも彼らのように、こんなシンプルでカッコいいやり方で、「人のためのデザイン」を生み出し続けていきます。The Inoue Brothers…出版記念「デンマーク育ちのクリエイター兄弟が紡ぐ本当のエシカルと新しい生き方」EPOCH MAKERSコラボイベント会期2018年03月06日(火)定員50名時間19:00~20:30(開場18:45~)ゲスト井上聡さん 、石井俊昭さん、 別府大河さん場所TSUTAYA TOKYO ROPPONGI 2F 特設イベントスペース参加費書籍購入で無料 or 500円共催・協力PHP研究所申込方法Facebookイベントページより「参加」ボタンを押す
2018年03月02日“警察小説×『仁義なき戦い』”と評される柚月裕子の小説を、役所広司主演で映画化する『孤狼の血』。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描く本作から、この度本予告映像が公開された。なお、この映像は3月1日(木)より順次劇場掛けを予定している。今回公開された予告編では、役所さん演じる大上章吾から衝撃的なセリフが飛び出し、怒号や銃声などが響きわたる。さらに、松坂桃李演じる日岡秀一をはじめ、江口洋介、石橋蓮司、真木よう子、滝藤賢一、中村獅童など豪華キャストたちの姿も確認できる。本作は、昨今コンプライアンスを過度に重視する日本の映像業界と現代社会に対する新たなる挑戦であり、数々の衝撃作を世に送り出してきた東映が放つ超衝撃作。今回の映像からもその衝撃が伺える。『孤狼の血』は5月12日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会
2018年03月01日ぶりっ子妄想キャラの誠子さんと、元ヤンキーで男前キャラの渚さん。両極端の個性でブレイク中の尼神インター。全国区の人気を獲得した売れっ子の胸中とは、いかに?「テレビに出続ければ、いつかは飽きられる」(渚)、「大胆な変化は必要だなって」(誠子)関西での実績と人気を引っ提げて上京しても、東京進出した途端、足踏みしてしまう。そんな芸人も少なくない中、芸歴10年目の節目で東京に進出し、見事、ブレイクを果たした尼神インター。劇場での出番直後に行われたインタビューでは、さっきまで舞台で大きな笑いを起こしていた張本人たちとは思えないほど、淡々としていておだやか。今の人気に舞い上がることもなく、自分たちの立ち位置を冷静に見ていました。――突然ですけど、おふたりの肌がすごくキレイ。スキンケアやメイクのこだわりは?誠子:ありがとうございます♪化粧はほとんどしないんですけど、スキンケアはこだわってるんですよ。最近は、リッチな化粧水を惜しみなく使えるようになりました(笑)。美容院は、“あゆ”と同じ表参道のお店に通ってます。――そのスウェット、たしか女優の吉岡里帆さんも着ているブランドですね。誠子:本当に!?うわ~、めっちゃ嬉しい。SNSにあげなきゃ。渚:(興味なさげに)メイクは自分でやってます。メイクさんにしてもらうと気を遣っちゃうんで、ならセルフでいいやと。――美容院で話しかけられるのも苦手ですか?渚:すぐ寝ます。なのにすごい話しかけてくるんですよ。美容師さんも仕事なんでしょうけど、プライベートを話したり、裏話みたいなことを期待されるのがイヤなんです。聞かれると、ホンマのことしか答えられないから。正直に話してるのに「意外ですね」とか返されると、「じゃ、何て答えてほしかったんやろ?」とも思う。だったら、目つぶっとこうと。――ちょっとお話を聞いただけでも、おふたりのキャラの違いが鮮明です。渚:お互いの中にある要素が、わかりやすく出てるってことだと思います。作ったキャラクターは続かないから。普段から、例えば腹が立ったら、全部素直に出します。誠子:渚は、常に感情表現がガチなんです。怒った時は100レベルで怒って、ちゃんと引く。100か0かみたいなところがあって、バランスがとれてます。私には、「オラァ~!」って感情は全然ないんですけど。――今、お笑い界もコンプライアンスとは無縁でいられないですよね。やりにくくないですか?渚:たしかに制限は多いけど、昔のテレビの現場を知っているわけじゃないし、とくに窮屈ではないです。まあ、見てる人が楽しいんかなと思うことはありますね。――渚さんがダウンタウンの浜田雅功さんなど、大物をも果敢にどつくのはすごく面白いです。でも「さすがにこの人はヤバいな」と躊躇することは?渚:ないです。イラッとしたその瞬間に、そのまま手が出てます。手加減もしないです。確信を持ってどつくことはありますけどね。たぶん私が女やから、先輩に噛みついても許されるんですよ。背も小さいし。見てる人たちも「こいつがどんだけ暴れても怖くない」って、無意識のうちに脳で安心してるんじゃないですかね。――女芸人でよかったと?渚:そうですね。誠子:私も女芸人として、得したことしか思いつかないです。絶対的に男の芸人の方が面白い人が多いのに、どの番組でも「1枠は女芸人が欲しい」「女の子がカラダを張ってるのが面白い」と呼んでもらえるんで。女の子であることにだいぶ助けられてます。渚:でも、恋愛のことを聞かれるのは困る。「女は常に恋してる」と思われてんのかな。――申し訳ないんですけど、やっぱり恋愛事情は気になります。渚:私、そこに対して興味がないから、聞かれたとしても、求められてる答えを言えないんです。一生懸命好きな人を探す意味もわからんし、人見知りだから合コンも苦手。好きな人ができたら、ふつうに「います」って言うけど、今は「いてないです」としか答えられないし、答えた後の「そうですか…」って、残念がられるあの感じも息苦しい。誠子:私はKinKi Kidsと堤真一さんが好きなので、ぜひ、共演したいです♪渚:こうやって答えてくれる相方がいるのはありがたいですね。コンビじゃなかったら、間違いなくこの仕事、続けられてないです。――渚さんは、女性にモテそうですよね。渚:女の人からファンレターやSNSにメッセージをもらうことはあります。「返しません」と言ってるんですけどね。「腕組んで写真撮ってください」って言われることもあるなあ。頼まれれば撮りますけど、愛想はよくないですよ。――こうして大量の露出が続く現状をどう考えてますか?誠子:「ブレイクしましたね」と言われても、「いえいえ、とんでもない」って感じで。運よく流れにのって、東京でもお仕事させてもらえてるのは、ただただラッキーだから。ただ、ある程度、テレビに出してもらえるようになってはいるので、ガラッと違うこともしないといけないと思ってます。最近、「それはせえへん」って自分たちで決めつけないようにしてるんです。例えば、ボケとツッコミを交代するくらい大胆なことをしてもいいのかも。渚:テレビって、出ればいいというわけでもないんかなと思いますね。いつかは飽きられるだろうし、私たちはずっと出続けられる枠じゃない。でも、たいして深く考えてないです。どういう時代になるかもわからないのに、考えても答えは出ないですし。だから、来たお仕事を楽しくさせてもらって、あとは、給与明細を見てマネージャーさんとはしゃぐ!――お給料が増えて、贅沢したことは?誠子:中目黒に家賃12万円の部屋を借りたこと。中目は、私のバイブル『ロンバケ』のロケ地なんですよ。ほんとうにどこを歩いても素敵!だって、フレッシュネスバーガーが2つもあるんですよ。ドラマティックな恋が生まれる予感がします!渚:私はひとり暮らしで寂しくなるのがわかってたので、知ってる人が多い幡ヶ谷にしました。ひたすら近所で飲んでます。――NSC出身ですが、通いはじめる前に、イメージする芸人像はあったんですか?誠子:当時はまだ、自分がそれほどブスやという認識がなくて、ツッコミをやろうと思ってました。千鳥のノブさんみたいに、言葉巧みにツッコミをやるぞと。渚:誠子はコンビを解散しては組み直してたんですけど、どのコンビでも面白かった。――同期の星みたいな?渚:うーん…そうなのかな。ですね、はい(苦笑)。――(笑)。互いに相方を変え続けてたのに、尼神インターが続いたのは、手応えがあったから?誠子:NSCは面白い順に、A、B、Cにクラス分けされるんです。私たちはAにはいけなかったけど、すぐBに上がれて、先生の評価も同期の反応もよかったし、いけるかなという感触はありました。――真面目に通ってました?誠子:ちゃんと通ってました。渚:私は、体操とか発声練習の授業はあんまり。滑舌悪いし、どうせ早口言葉も言われへんし、行かんとこうと。――今、ネタを作っているのは誠子さんですよね。誠子さんが意識していることや、渚さんからリクエストすることは?誠子:渚は台詞覚えが苦手なんで、削ぎ落とせるだけ落としてます。渚:私からは何もないです。面白いと思ってやるだけです。たった3分のネタの中で、ものすごく計算して、ネタを作る人は大変やなと思いますよ。初めてネタを出す時はドキドキもするだろうし、そのプレッシャーに、私は勝てない。――では、ネタを作る人・誠子さんをねぎらうことも?渚:…1回もないです(笑)。誠子:ネタで揉めないのは、私の作ったものを面白いと思ってくれてるから。それは伝わってます。あまこういんたーNSCの同期生で、2007年コンビ結成。‘15年、オールザッツ漫才優勝。右・渚、1984年8月6日生まれ、兵庫県尼崎市出身。ツッコミ。NSCの入学金を貯めるため、約5年間、大工をしていた。左・誠子、1988年12月4日生まれ、兵庫県神戸市出身。ボケ。「M-1」のチュートリアルを見て漫才のカッコよさに目覚め、芸人を志す。‘18年の抱負は「念願の女優業。芸人にありがちなヒロインのブスな友達役ではなく、桐谷美玲さんとかが演じるような本当のキレイどころをやりたい。相手役は高橋一生さんで」(誠子)。「ショベルカーとフォークリフトの運転資格取得。軽鉄材を切る工具の資格はあるけど、知名度が低いんで、次はメジャーなやつを取りたい」(渚)※『anan』2018年2月7日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2018年01月31日ブルゾンちえみ(27)やにゃんこスター、カミナリにサンシャイン池崎(36)……新顔がお茶の間をにぎわせた’17年。今年はどんな芸人がブレークするのか?テレビから劇場まで知りつくす、’09年のM-1チャンピオンのパンクブーブーと、’15年のチャンピオンのトレンディエンジェルの2組が語ってくれた。 パンクブーブー・佐藤哲夫(41・以下哲夫)「’17年のM-1優勝のとろサーモンでしょ!」 トレンディエンジェル・斎藤司(38・以下斎藤)「M-1はどの賞レースより確実な切符だと思うし」 第1回のM-1チャンピオンの中川家に始まり、フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、チュートリアルなど、M-1優勝をきっかけにブレークした芸人は確かに多い。 パンクブーブー・黒瀬純(42・以下黒瀬)「優勝の翌朝、とろサーモンが生放送で漫才をしていたんですが、久保田(かずのぶ・38)は眠そうで声がめちゃくちゃ小さくて、ずっとテンションが低い。来た来た!クズ来たぜ!と思って(笑)。それで、その後に出演した番組では本番中に寝てしまった。裏切らない!ボク、こういう“狂気性”を持っている人が今後ブレークすると思うんですよ。だから’18年はとろサーモンが行くと」 そして、忘れてはならないのが、再ブレーク芸人だ。有吉弘行(43)やオリエンタルラジオなど、一度ブームが去ったあとに、新しい芸風で再び売れるパターンもある。 黒瀬「ボクが注目しているのはジョイマンの高木(晋哉・37)です。ツイッターでいいポエムを書いています。あとは、コウメ太夫(45)の毎日チクショー!(笑)」 哲夫「コウメ太夫のツイートを芸人が結構、楽屋でいじってるよね」 黒瀬「かなりのレベルまで来ましたよ。たとえば『登っていると思っていたら~、下ってました~、チクショー!』 一同(爆笑) 黒瀬「『三角だと思って見ていたら~、四角でした~、チクショー!』とか。もうなんでもOKになって。チクショー!の意味がわかんない。ちなみに、ツイッター上では、一般人の『ジョイマン消えた?』のつぶやきに、高木が『ここにいるよ』と返すのが恒例になっている」 最後に、今回参加した4人のなかで’18年にいちばんブレークしそうなのは――。 斎藤「昨年あたりから、たかしの“狂気性”が世の中に出てきているので、頑張ってほしいです。グループを卒業したアイドルの楽屋に行ってカギを閉め、『卒業したんだから、LINEを教えてよ』って迫ったと、そのコにテレビで暴露されていました」 トレンディエンジェル・たかし(31・以下たかし)「彼女も、番組で爪痕を残さないと、みたいなのがあったと思うんです……でも、それに関しては事実です」 一同(大爆笑) たかし「一字一句間違いない」 哲夫「たかしはコンプライアンスの線上を、綱渡りのように歩いている感じだな(笑)」 黒瀬「結局いちばんの狂気芸人はたかしですよ。今年ブレークするか?捕まるか?どっちかです!(笑)」
2018年01月13日バラエティ番組はもちろん、ニュースや教養番組もお笑い芸人が席巻している昨今。しかし、次から次に新しい顔が出てきて、話題に取り残されてしまう人も多いはず。そこで、’09年のM-1チャンピオンのパンクブーブーと、’15年のチャンピオンのトレンディエンジェルが、どこよりも早くこれからブレークする芸人を教えちゃいます。 パンクブーブー・黒瀬純(42・以下黒瀬)「’17年のM-1翌朝、優勝したとろサーモンが生放送で漫才をしていたんですが、久保田(かずのぶ・38)は眠そうで声がめちゃくちゃ小さくて、ずっとテンションが低い。来た来た!クズ来たぜ!と思って(笑)。それで、その後に出演した番組では本番中に寝てしまった。裏切らない!ボク、こういう“狂気性”を持っている人が今後ブレークすると思うんですよ。だから’18年はとろサーモンが行くと」 ’17年は、長らく実力派芸人として認められてきた千鳥がバラエティ番組で引っ張りだこに。また、’16年には、爆笑問題やくりぃむしちゅーが楽屋でいちばんおもしろいと言ってきた古坂大魔王(44)が「ピコ太郎」でブレーク。芸人が認める芸人はいつか売れるといわれている。 「芸人としては100点、人間としては0点」と評されるボケの久保田と、俳優としても活躍し、ボイスパーカッションなどの特技を持つツッコミの村田秀亮(38)のコンビ・とろサーモンも、芸歴15年目というM-1に出場できる最後のチャンスでの戴冠だった。 トレンディエンジェル・たかし(31・以下たかし)「ボクは同期のインポッシブルに期待しています。売れてほしいんですよ。毎月、蛭川(慎太郎・31)に電話で20万円貸してくれって言われるんで(笑)」 黒瀬「毎月!?」 たかし「はい。25日に返すって毎回言うんですよ。いつも25日としか言わない。何月か言わないんです」 黒瀬「(爆笑)。とろサーモンと同じように、インポッシブルも、やはり狂気性を持っています」 たかし「確かに狂気ブームは来るかもしれません!」 黒瀬「“狂気芸”で野性爆弾のくっきーさん(41)がブレークして、’18年はそれにとろサーモンの久保田の狂気性が続くんじゃないでしょうか。今年はお上品な芸がちょっと弱くなるんじゃないかと思っています」 トレンディエンジェル・斎藤司(38・以下斎藤)「おとなしくなったといわれるテレビ業界を、この2人が変えてくれるかも」 野性爆弾のくっきーは、白塗りにした顔に絵を描いた顔面モノマネや、「宇宙」「奥歯、前歯、銀歯」などの謎の歌詞の歌といった、常人には理解できないネタを売りにしてきた。だが、昨年原宿で開いた個展では1万人を動員するなど“くっきーワールド”は多くの人に受け入れられつつある。 近年コンプライアンスが厳しくなり続ける反動から、一般常識や既存のお笑いから“はみだした”芸人たちが求められるというのが4人の予想だ。 黒瀬「あと、“狂気枠”でいうと5GAPの秋本(智仁・41)かな」 パンクブーブー・佐藤哲夫(41・以下哲夫)「本物のクズだから、キャラクタークズじゃないから」 斎藤「隠していたハゲを、カミングアウトしましたね」 黒瀬「あいつがコンパ中にヅラを取ったら、女のコの顎が外れちゃって『えー!』ってなった。一緒にいた友達に『なに顎外してくれてんのよ!』って怒られたって」 哲夫「ハゲただけなのに(笑)」
2018年01月13日2017年も残すところあと3週間。今年も芸能界にはいろんなスクープがあり、世間を賑わせてくれました。振り返るといろんなことが起きたように感じますが、1つ1つのニュースを拾い上げると実はそこに傾向があるように思います。来年のトレンドにもつながる2017年のスクープについて考えていきましょう。 ■不倫熱は降下するも女性不倫にスポット! 昨年から続く不倫ニュースに対する強烈なバッシング。“ゲス不倫”が流行ったのも2016年ですから、多くの人にとって「他人の不倫は見飽きた」と満腹感を覚えるころです。しかし今年はネタとしてのおもしろ要素を足した不倫報道や女性の不倫報道など、新鮮さのあるスクープが注目されることが多かったです。 たとえば袴田吉彦さん(44)の“アパ不倫”。女性でいえば斉藤由貴さん(51)や元SPEEDで現在参議院議員の今井絵理子さん(34)、衆議院議員の山尾志桜里さん(43)など女性有名人の不倫が印象的でした。筆者は斉藤由貴さんの不倫に母と女の間で揺れる“心の闇”を感じましたが、みなさんはどうでしたか? ■2018年はラブラブブーム到来の予感!? 不倫の恋に対するバッシングや批判は落ち着いていくであろう2018年。そこで台頭が予想されるのは「熱愛を撮られるくらいならいっそ認める」という、スクープを逆手に取った“ラブラブアピール”です。すでにいしだ壱成さん(43)やお笑い芸人・にゃんこスターの2人が実践し、話題を呼んでいます。 もともとこの市場はぺこ&りゅうちぇるの独壇場だったのですが、2人は結婚。それに続くタレントがいない状態です。ラブラブ生活暴露には難しい準備が必要なく、うまくすれば好感度も上がる。別れた後の批判というリスクもあるのですが、2018年はラブラブアピールタレントが増えていくと筆者は予想します。 ■芸能人のキャリアパスには今後も注目が集まる! また2017年で特に多かったのが、芸能人の「電撃引退」です。引退といえば、堀北真希さん(29)、江角マキコさん(50)、元乃木坂46の橋本奈々未さん(24)など。出家した清水富美加さん(23)も一時は引退と報じられましたし、安室奈美恵さん(40)も来年引退が決定しております。 引退にあたっての問題があったなかったは別として、こう多くの芸能人が引退するというのは「芸能界に居続けるメリットが少なくなった」と感じているからではないでしょうか。恋愛すれば追いかけられ、SNSをやれば批判され、ちょっとした一言がすぐニュースになる。うんざりしてしまうのもわかります。 また今年は、若くしてセカンドキャリアをスタートさせる芸能人が多かったのも注目です。柴咲コウさん(36)や、ダレノガレ明美さん(27)は自身の会社を立ち上げ(柴咲さんが会社を立ち上げたのは正式には2016年)、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(44)もアメリカに会社を設立しています。 今まで芸能人の副業としては飲食店やサロン経営、自身のブランドプロデュースが多かったと思います。だた今後は芸能人としてテレビ出演したり広告でスポンサー収入を得るだけでなく、ブロガーとしてネット中心で活動したり経営者となって仕事をこなす人など「マルチ化」は間違いなく加速するでしょう。 なかには事業家としての側面をあえて売り出すことで、新たなポジションを取りにいく芸能人も増えるかも……。本当に起業で儲けているのかアピールとしての起業なのか、見る側の目も試されてくるでしょう。 ■あわせて芸能界のコンプライアンス マルチ化とあわせて来年以降も注目なのが、芸能界の透明化です。今年は西内まりやさん(23)やローラさん(27)など、事務所との関係が話題になった人も増加。芸能界の暗黙のルールが明るみになり、注目を集めました。その根本には、今までの事務所と芸能人の力関係が崩れているのかもしれません。 ただこの流れを逆手にとった動きも、起きてもおかしくありませんん。たとえばいわゆる芸能界の永遠の謎である“枕営業”について実名告白して、名前を売ろうとする人が出て来ることも考えられます。とはいえ、芸能界はやはり憧れの世界であって欲しい。きな臭い闇は、個人的に見たいとは思えません……。 世間でも働き方や生き方には注目が集まっていますが、同じ流れが芸能界にもあったのが興味深かった2017年。「芸能人として売れれば勝ち組」という旧来の考えは、もう通用しないのでしょう。今年の流れを反映し、来年はどんなニュースがありどんな人が注目されるのか。みなさんと見ていきたと思います。 <2018年ニュース予想> ラブラブアピール芸能人が増加する!会社起業するタレント・俳優が増え、実業家タレント枠が激戦に!芸能界のコンプライアンス化が注目され、“枕営業”経験者が実名告白しだす!
2017年12月09日主演・篠原涼子で贈る、現在放送中のフジテレビ系月9ドラマ「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」の第4話が、11月13日(月)今夜放送。この度、この第4話で“副音声企画”が行われることが決定し、前田敦子と「トレンディエンジェル」斎藤司が副音声を担当することが分かった。本作は、篠原さん演じる平凡な主婦・佐藤智子が新米女性市議となり、市政や社会問題と向き合っていく市政エンターテインメント。今夜放送の第4話では、智子に初めての議員報酬が支払われ、その額に驚くという場面から展開。念願の報酬をもとに焼き肉パーティーを企画し、あかねを迎えに来た平田和美(石田ゆり子)も交えて食事を開始。浮かれる佐藤夫婦に、来年は税金も上がると釘を指す和美は、もうひとつ懸念を抱えていた…というストーリー。またこの回では、本作の主題歌を担当する「AAA」のメンバー、宇野実彩子がゲスト出演することも先ほど発表された。そして今回、副音声企画に登場するのは、元グラビアアイドルのあおば市議会新人議員・小出未亜を演じる前田さんと、同じくあおば市議会新人議員の園田龍太郎を演じる斎藤さん。副音声収録後、「ドラマの内容に忠実に副音声をやってみましたので、よりドラマをおもしろく見られると思います!そうだよね、あっちゃん?」と斎藤さん。それを受けて前田さんは「いやいや、まったくのウソですよね…。ドラマと全然関係ないことばっかりしゃべってましたよ(笑)」と完全否定。さらに、「私が何回、“怖い”って言ったか…。数えてほしいぐらいです!」と言う前田さんに対し、「あっちゃん、あの“怖い”は、誤解を与えるからダメだよ!」「何してんのかって思われちゃうから!いまコンプライアンスとか本当に厳しいんだからね」と焦る斎藤さん。話を戻し、副音声をやってみた感想について前田さんは、「おもしろかったですね。私ずっと笑っていたので笑い声が邪魔にならないか心配ですね。大丈夫かな…。本編とはまったく関係ないことばっかりしゃべっちゃいましたね」と少し不安げな様子。斎藤さんは、「でも、本編に関わることもたまにはしゃべったじゃん!その辺りも踏まえてぜひドラマを見てほしいですね」とアピールしている。「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」は毎週月曜日21時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2017年11月13日*画像はイメージです:昨今大手企業の不正行為が相次いで発覚しています。いずれも日本を代表する企業であるだけに、その影響は計り知れないものがあります。一連の不正は、会社内で「当たり前」のような状態となっていた模様。それを見かねた一部の勇気ある社員が内部告発をしたことで、不正が明るみに出たようです。 ■意外と知られていない「内部告発」の方法自分の働いている会社の不正を告発することは、自らの首を絞めかねない行為。ほとんどの人が「見て見ぬふり」をしてしまうことでしょう。しかし、正義感などから、やはり「内部告発に踏み切るべきだ」と考える人もいるはず。この場合、周りの社員にバレないよう、密かに行動する必要があることは、皆さんご存知のとおりです。その一方で、「どこに、どうやって」告発をすれば良いのかは、あまり知られていません。仮に企業の不正を内部告発する場合、どのように進めれば良いのでしょうか?星野・長塚・木川法律事務所の木川雅博弁護士に解説していただきました。 ■内部告発はどのように行う?「最近も、性能データ数値、リコール件数、決算資料等の改ざん・ごまかしなどの企業の不正に関する報道が相次いでいます。従業員からの内部告発によって企業の不正や不祥事が明るみに出ることがありますが、原則として内部告発は実名で行うことになっているため、告発による不利益や報復をおそれてしまう方も多いかもしれません。そこで、実際に内部告発をしたいと思った場合にはどうすればよいかについて、制度を含めて簡単にお伝えしたいと思います」(木川弁護士) ■公益通報者保護制度(内部通報者保護制度)の存在「公益通報者保護法上の公益通報は、労働者が、不正目的ではなく、会社や役員・従業員等について生じている(まさに生じようとしている場合も含む)法令違反(コンプライアンス違反)行為を会社や外部に通報することです。公益通報者保護法や裁判例上、通報した人に対して降格・異動・解雇等の不利益行為を行ってはならないとされており、企業内の不祥事を発見した従業員が通報しやすくなっています」(木川弁護士) ■実際に内部告発をするときはどうしたらよいか「とはいえ、実際には不祥事が組織ぐるみで行われている場合などでは通報者に対する退職勧奨や不利益取扱いが行われてきたこともあります。法律は当事者間で紛争になってから守ってくれるものですので、事実上、不利益な扱いを受けない保証はありません。公益通報者保護法違反に対する罰則がないことも問題視されています。そこで、通報を検討している方が取り得る方法は2つあり、1つは匿名で通報をすることです。匿名通報は公益通報者保護法上の保護の対象になりませんが、理由のない不利益取扱いを受けた場合は裁判で争うことが可能できます。上司や会社を信用できない場合に様子見として会社上層部または外部に通報してみるのもいいかもしれません。そして、もう1つはその会社に見切りをつけて堂々と実名で通報を行うことです。昔とは違い、不正は明るみになりやすくなっていますのでその会社でキャリアを積んでも水の泡になる可能性が大いにあります。そのような会社は、残業代が払われないなど既に自分が被害を被っている場合がありますので、タイミングとコストを考慮して通報を行うのがよいでしょう。どこに、どのタイミングで通報するかについて迷われた場合は、第三者委員会や弁護士会の公益通報相談窓口へ相談するとよいです。結局、公益通報を行うこと自体によるメリットがない上、公益通報者保護法違反に罰則もなく、しかも、むしろ不利益取扱いを受けるリスクを背負うだけという点がネックだと思います。法改正もさることながら、どうしても社内での自浄作用が働かない場合には通報も選択肢の1つとして考えるような法令遵守行為が礼賛されるような社会になることを願います」(木川弁護士) 現状内部告発を行う場合は、会社からの不利益取扱いなどを受ける可能性があるようです。自分を守るためにも、告発の前に弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。 *取材協力弁護士:木川雅博 (星野・長塚・木川法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野・長塚・木川法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです* NOBUHIRO ASADA / Shutterstock
2017年11月13日社会に出たら、職場も貴重な出会いの場所のひとつ。しかし、会社内には“コンプライアンス”というものがあります。近年、これが厳しくなっていて、自分なりのアプローチ方法が実はコンプライアンスに引っ掛かっていたというケースがあるようです。今回は、コンプライアンスにギリギリ引っ掛かったNGモテテクをご紹介します。文・塚田牧夫制服を返すついでに「私が働いている会社が複数の店舗を持っている飲食店で。別の店舗にちょっと気になる男の子がいたんです。でも、それほど関わる機会もなく連絡先も聞けませんでした。ある日、私がその男の子がいる店舗にヘルプで入ることになりました。するとちょうどその日、彼が制服を忘れてしまっていて、私が予備の制服を貸したんです。そしたら“洗濯して返しますね”と言ってくれて。私がしばらくこの店舗に来る予定がないと伝えると、“じゃあ休みの日に返しに行きます”と。連絡先を交換して、ついでにご飯に行きました。ラッキー!しかし、これがコンプライアンスに引っ掛かってたみたいで……。休みの日に制服を持ち出すのってうちの会社ではアウトだったそうです。万が一紛失して悪用される恐れがあるからみたいですね。私的には、こんな事がダメなの?って感じでした」ヒロエ(仮名)/26歳お手伝いのお願いして二人きりに「私が勤務していた家電量販店での話なんですけど、電気屋さんって色んなメーカーの人が働いているんですね。とあるメーカーの販売員さんで同い年くらいの顔が超タイプの人がいたんです。ある日、商品の入荷がとても多く困っていて、彼のメーカーの商品が特に多かったのでちょっとお手伝いをお願いしました。売り場も空いていて、彼も手が空いてましたから快く引き受けてくれた。しばらくバックヤードで二人きりになれてラッキーって感じでした。でも、これがコンプライアンス違反でした。私たち量販店側の人間はメーカーさんに一切業務的な指示をする権限がないんです。たとえメーカーさんがご好意で快く引き受けてくれてもアウトはアウト。今まで他の男性社員は当たり前のようにメーカーさんに作業を手伝わせていたんですけど、ちょうどコンプライアンスが厳しく言われるようになった時期で、運がなかったですね」キヨミ(仮名)/28歳いつもより早く出勤して「私が配属された部署の上司は、年下だったんですけど大人っぽくて頼りがいがある素敵な人でした。彼は誰よりも早い時間に出勤して、一番遅く帰るくらいずーっと仕事していました。私がいつもの出勤時間よりも早く着いてしまった日があったんです。普段なら時間を潰してから出勤するけど、その日は“彼の仕事を手伝いたいな”と思ってそのまま出勤しました。彼は“助かるよ!”と簡単な仕事を与えてくれました。彼に喜ばれたり頼られたりするのが本当に嬉しくて、その日からいつもより早く出勤して手伝い、時間が来たら自分の仕事を始めるという日々が続きました。でも、これがコンプライアンス違反で指摘されちゃったんです。理由は勤務時間の大幅な超過でした。私は勤務時間は定時で報告していたんですが、タイムカードは到着して切っていたので、過度な残業をしたことになっていました。この件で彼にも迷惑を掛けてしまいましたが、逆にこれがキッカケで付き合うことになったので、結果的に良かったかなと思ってます」アイミ(仮名)/27歳コンプライアンスにギリギリ引っ掛かったNGモテテクをご紹介しました。このように、今までの環境では問題なかった行動が、会社の中では問題になってしまうケースがあります。あとから指摘されて後悔しても遅いので、事前にコンプライアンスと照らし合わせて行動してください。(C) number-one / Shutterstock(C) Viktoriia Sopel / Shutterstock(C) Photographee.eu / Shutterstock(C) sakkmesterke / Shutterstock
2017年11月09日お酒の失敗をすると、とにかくものすごく落ち込んで「あーもー二度とお酒なんて飲むものか!」と強く覚悟するわけですが、実際、女子のお酒の失敗なんて男子からしたらかわいいもんなことも多いようです。「お酒の失敗」と聞いて心当たりある人、これを読んで元気出して!今回は、10〜20代男子に協力してもらって「余裕で許せる女子のお酒の失敗」について聞いてみました。■1.すげー無礼な口調「普段はわりと丁寧な喋り方なのに、お酒で酔うとかなり砕けて「おめーよー!」みたいな話し方になる子はわりと好きよ。なんかかわいいじゃん」(公務員/23才)酔って失礼なことを言ってしまうというのは、お酒の失敗の典型例ですよね。でもこれも「女の子からならだいたいなんでもオッケー」という意見が多かったです。ありがたいですね(笑)。男子がやったら単に「失礼」の一言で終わってしまうようなものでも、「タメ語で話したかったのかと思うとなんか嬉しい」なんて声も。■2.ボディタッチ「酔ったらめっちゃ叩いてきたりしてくる子は大歓迎! ありがとうございます」(営業/24才)なに最後のお礼・・・・・・。酔ったがゆえのボディタッチは、もはや不可抗力ですよね。しょうがない!叩いたりのみならず、太ももなんかをエロく触るボディタッチは、された本人にすれば大歓迎なわけですが、それを見たまわりの人はきっとその後末代まで語り継ぐでしょうから、その辺のコンプライアンスとの兼ね合いは必要ですが。■3.下ネタ「酔っ払ったときの下ネタは、男子だとたいていドン引きされるのに、女子だとかなりウケがいいからうらやましいです」(運送/26才)どシラフの場で下ネタを言ってしまえば、さすがに女子でもひんしゅくを買うリスクがありますけれども、飲み会の席では、むしろ「誰か下ネタの口火切ってくんねーかなー」なんて男子は思ってたりするくらいですからね。適度な下ネタをサラッとぶち込んであげましょう!■4.暴露「下ネタに限らず、飲みの席ですごい秘密を暴露しちゃう子っているけど、そういうのは盛り上がるし、飲み会とかだとみんな神経壊れてるから、誰も引かないと思うんだよね」(大学生/19才)私も前に飲み会で他の子が「実はこんなところでしたことありまーす!」みたいなことを言いだして、そこからみんな暴露大会みたいになってめっちゃ盛り上がったなんてことがありましたね。みんなよく「面白いこと言え!」なんて言ったりしてるし、人の秘密を聞くのが好きなんですよね。■おわりにいろんなのが出ましたけど、結局、たいていのことはなにをしても無礼講ということで許されるわけです。やる方も酔ってるなら、やられる方も酔ってますからね(笑)。飲み会での出来事は、終わったら忘れるのが一番です。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年10月29日大手銀行の“監査役”が活躍する、原作・周良貨、漫画・能田茂による経済漫画「監査役 野崎修平」が、WOWOW連続ドラマW枠にて来年1月14日(日)よりドラマ化されることが決定。2014年10月放送の池井戸潤原作ドラマ「連続ドラマW 株価暴落」以来、WOWOWオリジナルドラマ2度目の出演となる織田裕二を主演に迎え、銀行の不正を徹底究明すべく行内の抵抗勢力に戦いを挑む、ひとりの銀行員の活躍を描く。おおぞら銀行地蔵通り支店長である野崎修平(織田裕二)は、正義感と人情味あるその人柄から行員や街の人々に好かれているものの、出世コースとは程遠い行員生活を送っていた。そんなある日、支店が閉鎖されることになると知らされる。出向を覚悟していた野崎のもとに人事異動の辞令が下る。その異動内容はなんと役員昇進である監査役への就任であった。監査役になった野崎は銀行内での不正を目の当たりにし、この銀行を変えると決意する。そして銀行が抱える「究極の闇」にたどり着く。そこには、現おおぞら銀行頭取・京極雅彦(古谷一行)の影が…。野崎に対抗すべく、京極が出向先から呼び戻した剛腕の行員・武田真吾(岸谷五朗)も加わり、銀行内で熾烈な戦いが繰り広げられる。やがて物語は銀行内にとどまらず、魑魅魍魎うごめく政界へも発展する。果たして、新任監査役・野崎修平は この巨大な闇に立ち向かうことができるのか?野崎の戦いが、いま始まる…。本作の舞台は、バブル経済が崩壊し金融当局が従来の政策を大転換させる“金融ビッグバン”に銀行業界が直面した1990年代末。当時の日本社会では、不良債権をひた隠す銀行、汚職に手を染めてでも権力を欲する政治家、株主総会にのさばる総会屋が幅を利かせ、まさに金と権力が渦巻いていた。ドラマは、そんな時代においても正義を貫くため奮闘するひとりの銀行員・野崎修平の活躍を描く痛快作だ。脚本は「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「連続ドラマW アキラとあきら」の前川洋一、監督は「連続ドラマW 楽園」の権野元が担当する。「株価暴落」で組織の論理に染まらず、自らの信念に忠実に突き進むバンカーを好演した織田さんが、本作では、持ち前の熱い正義感と人情、そして冷静な判断力で銀行の“悪”を暴いていく主人公・野崎を演じる。今回の出演決定に、織田さんは「『株価暴落』のときにプロデューサーと『また一緒にやれたらいいですね』と話していたので、本当に実現して嬉しいです」と語り、役柄について、「誠実で正義感溢れる真面目なキャラクターで、演じるのはとても難しいと感じています。監査役はこれまでのドラマでは見た事のない役どころです。コンプライアンスが重視される現在を先取りした原作だと感じており、やりがいがあります。20年前はいまと比べて、良くも悪くも人間臭さが色濃く出ている時代なので、その雰囲気を出せたらいいなと思っています」とコメント。そして、「僕が演じる野崎修平は不条理と戦う男です。でも彼は市井に生きる普通の男です。その男が勇気を出して行動することによって、周囲のひとりひとりを変え、やがて大きな組織すらも変えられる力になる。というメッセージがこのドラマの一番の見どころです。個性豊かな登場人物も多く、各話で大変なイベントがあり、僕も覚悟して演じています。ぜひ楽しみにしてもらえればと思います」と呼びかけた。また共演は、織田さんとは本作が初共演となる岸谷五朗と古谷一行。岸谷さんは、おおぞら銀行の関連会社・おおぞら興産社長から、おおぞら銀行頭取・京極により専務として呼び戻された豪腕実力者・武田真吾を、古谷さんは穏やかな外見とは裏腹でその実は冷徹な策士、政治家とも近く、権力を意のままに操る頭取・京極雅彦を演じる。それぞれが思惑を抱えながら対峙する、3人の演技合戦にも注目だ。「とても魅力的な作品に出会えた」と本作との出会いに感謝していると語る岸谷さんは、「織田さんは長年真摯に作品と向き合い難しい作品をクリアーしてきた俳優です。主人公の真っ直ぐさと織田さんの作品への取り組み情熱などがリンクするような気がして、楽しみにしております」とコメント。古谷さんも自身の役柄について「やり甲斐のある役」と語り、織田さんとの初共演について「すごく楽しみにしております」と期待を寄せている。また、ドラマ化決定のニュースとあわせて本作の特報映像も解禁!さらに、原作の「監査役野崎修平」の連載が終了してから14年の年月を経て、「グランドジャンプPREMIUM」10月25日(水)発売号にて「新・監査役野崎修平」として、新連載をスタートすることが明らかとなった。連続ドラマW「監査役 野崎修平」は2018年1月14日(日)22時よりWOWOWにて放送(全8話)。※第1話無料放送(cinemacafe.net)
2017年10月08日カリスマ脚本家・野島伸司によるHuluオリジナル連続ドラマ「雨が降ると君は優しい」で、佐々木希がセックス依存症の女性を演じる。ピュアなイメージのある彼女にとって、大きな、大きなチャレンジだ。なぜ衝撃的な題材に飛び込む勇気が持てたのか聞いてみると、「野島さんの脚本が素晴らしかった」と佐々木さん。一方の野島さんも、ヒロインを佐々木さんに託せたことに“運命”すら感じていた。本作は、心から愛し合いながらも、“妻のセックス依存症”という究極の試練を与えられた新婚夫婦・信夫(玉山鉄二)と彩(佐々木さん)の苦悩を描く悲劇的な純愛ドラマ。「高校教師」などタブーを打ち破るような作品から、人間の苦しみやそのなかでも愛することの美しさを描いてきた野島さん。彼が「本当に描きたかったもの」と熱を込めるのが本作だ。企画が本格的に始動するまで3年もの歳月を要したというが、野島さんは「コンプライアンス的に、地上波では難しいテーマなので。時間がかかってしまった」と打ち明ける。「『お蔵入りか?』と思ったことが3回くらいありました。アルコールもそうだし、“依存”というテーマがもうNGなんです。実際に苦しんでいる人たちがいるのに、地上波だとそういうものはやらないでと言われてしまう」。「僕はNG作家になってきている」と苦笑いを見せる野島さん。地上波では難しいものも、可能にするのが動画配信サービスだ。本作もHuluとタッグを組むことにより、追い風に乗った。「Huluでなければ描けなかった。そういう時代なので、いつまでも地上波でと言っていても仕方がない。世界的にはペイチャンネルなどの方がブレイクするものが作られてきています。僕としては良いソフトが残ればいいと思っているので、どこの媒体であれ、ソフトを残せる場所があってよかったなと思っています」と描きたいものをぶつけられる場所を得た喜びを語る。その熱意を聞いた佐々木さんは「この作品と役に出会えて本当にうれしい」と微笑む。役を受け取ったときには「戸惑いはありました」と言うが、「彩という女性が愛おしくてたまらなかった。守ってあげたい、なんとかしてあげたいと思った」と愛情を感じたそう。「依存症を抱えた役ですので、大きなチャレンジになるとは思いました。でもそれと同時に、やりがいも感じて。とにかくこの夫婦がどうなっていくのか見届けたかった」。野島さんの脚本に魅了され、一歩を踏み出した。佐々木さんのイメージを覆す役となるが、野島さんは「ぴったりだと思った」とにっこり。「当初から、彩のキャスティングが一番難しいとは思っていて。自分のやっていることに罪悪感を感じ過ぎても暗くなってしまうし、だからといって開き直っても感じが悪い(笑)。チャーミングさも持ち合わせなければいけないし、その絶妙なバランスがものすごく難しい」というように、彩という女性は病気と愛する人の間で悩み、もがく難役だ。しかし運命的な出会いが、佐々木さんと彩を結びつけた。「佐々木さんとは、とある会で初めて会って。立ち姿を見たときに、この感じだ!と思ったんです。ようやくHuluがこの企画をやってくれるということで、ちょうどキャスティングの段階に進んでいるときだったんです」と野島さんは、佐々木さんを一目見てビビビときたのだとか。佐々木さんは「そんなに挙動不審でしたか?」と笑いながら、「あまりにすごい方々ばかりが集まっていて。ドキドキしていたんです。そんななか、『希ちゃん、野島さんだよ』と紹介していただき、あの野島さんですか!?と驚いてしまって。緊張もしているし、なんだかふわふわとしてしまって。私、変な感じだったと思います」と瞳を輝かせながらふり返る。理想的ヒロインと相思相愛、奇跡的な巡り合いを果たした。撮影がスタートし、その抜擢は確信へと変わる。野島さんは「撮影が始まったら、その破壊力はすごいですよ。イメージがジャストフィットだと思った以上に、クリエイティブに役に寄り添っている。ものすごく頭のいい子だと思いました」と太鼓判。「うれしい!」と笑顔を弾けさせる佐々木さんは、「やっぱりとても難しい役。信夫といるときとクリニックにいるときはまったく別の顔を見せる。感情も不安定で、激しい。病気についてもいろいろ調べました」と作品にのめり込んでいる。セックス依存症という題材を通して、一体どんな愛が浮かび上がるのか?野島さんは「一途な愛」だと話す。佐々木さんも「玉山さんとも『もし自分の相手がそうだったら、それを背負えるのか?』という話をしていて。最後まで愛し抜く力や精神が、私にはあるのか?できるのか?と考えてしまいました」と愛について熟考するきかっけともなったそう。野島さんは「ラブストーリーというのは、『ふたりをハッピーにしない枷を作る』というのが、物語を作る上での基本。その枷として、考えうる最高難度のものを作った」と着想のきっかけを吐露し、「現実でも、自分をすごく好きになってくれた彼女が、別れたらすぐに次を見つけてしまったりする(笑)。あれはなんだったんだろうと思うことがあるけれど、本作のヒロインはそうではなくて。信夫に捨てられたら、ほかの男を見つけるという回路はない。別れてしまえば苦しまないで済むのに、別れられない。二人にとって、依存ってなんだろう?ということを描きたいと思っていました」と“描きたかった愛”について語る。野島さんの話を聞くにつれ、「野島さん作品は、のぞいてはいけない世界をのぞいているようなドキドキ感がある」と女優魂に火がついている様子の佐々木さん。女優・佐々木希が野島伸司のもと、新たな扉を開く――。「覚悟を持って、最後まで頑張ります!」と意気込むその笑顔は驚くほど輝き、彼女自身がその扉の向こうを楽しみにしているよう。描かれる愛の行く末とともに、佐々木さんの新境地に胸が高鳴る。(text:Orie Narita/photo:Nahoko Suzuki)
2017年09月14日アラフォー以上が集まれば、「昔のテレビは面白かったなぁ」という声をよく聞くもの。規制の厳しくなった現代に比べてひと昔前のテレビは、どんな面白いことが起きるかわからない、“おもちゃ箱”や“びっくり箱”のような存在だったのだ。そして、1990年代のテレビドラマ界を面白くしていた功労者として、真っ先に思い浮かぶ一人が脚本家・野島伸司だ。この秋、Huluオリジナルドラマ「雨が降ると君は優しい」では、悲劇的純愛を綴るという野島氏。本ドラマの放送前に、いま一度、野島作品の魅力をふり返ってみたい。■伝説的ドラマを数々残す野島伸司野島作品のラインナップを改めて思い出してみると、「101回目のプロポーズ」では、浅野温子と武田鉄矢が演じる異色カップルによる男女の純愛を描き、「ひとつ屋根の下」では、江口洋介演じるあんちゃんと、それぞれに問題を抱えた兄弟たちの愛の物語に泣かされた。企画・原案を担当した「家なき子」では、少女の辿る壮絶な人生と、「同情するなら金をくれ!」というインパクト大のセリフで注目を集めるなど、老若男女を巻き込み、いまなお鮮烈な記憶として刻まれる伝説的ドラマを数々、世に放ったのだ。野島作品の最大の持ち味は、タブーに挑む姿勢だ。教師と生徒の禁断愛を描き、社会現象ともなったのが「高校教師」。ヒロインを演じた桜井幸子の儚げな美しさも印象的。教師と生徒の恋というだけでドキドキするのに、次第にヒロインと実父のただならぬ関係が明らかとなるなど、ショッキングな内容で視聴者を釘付けにした。いじめをテーマとし、「KinKi Kids」が二人揃って出演したドラマ「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」も忘れがたい。エスカレートするいじめから、いじめる側、いじめられる側の心理を浮き彫りにした。また、知的障害者の働く工場を舞台にした「聖者の行進」では、暴行や虐待を受ける弱者の気持ちに寄り添った。■止まらないざわざわ感…視聴者に訴えかける作品たちこれらのドラマに共通しているのが、「まさかこんな展開が!?」「次はどうなるの!?」と先の読めない、キャラクターにとっても容赦ない展開。野島ドラマは、何が起こるかわからない、見たことのないものを見せてくれるような“ざわざわ感”に満ちていた。これこそまさに冒頭で述べた、テレビ全盛期の面白さそのものだろう。「コンプライアンス重視」が叫ばれ、いまのテレビ界はタブーに切り込むことが難しくなった。それゆえに、毒っ気のない、ハッピーの約束された作品が多くなり、ちょっとした物足りなさを感じてしまうのも事実。物語が衝撃的であればあるほど、そこから浮かび上がる愛やメッセージは強烈に輝いていたように思うのだ。野島氏のような作家にとっては、地上波のテレビを舞台とすることは困難な時代。そこで彼が次なる表現の場として見つけたのが、Huluだった。世界に目を向けても、数々のクリエイターたちが発言権や表現の自由をぶつけられる動画配信サービスに興味を持ち始め、魅力的コンテンツが続々登場。ドラマの視聴スタイルも新時代に突入した。「雨が降ると君は優しい」では、“セックス依存症”という病を抱えた妻と、その事実を知った夫を主人公に据えた野島氏。どうやら野島節全開!とんでもない過酷な運命を背負ったキャラクターを生み出したものだ。一体、彼らがどんな愛を見せてくれるのか…。“ざわざわ感”とともに期待して待ちたい。(text:Orie Narita)
2017年09月13日2ヶ月で89,000個以上を売り上げた大人気シリーズ忙し過ぎる情報社会と、何かあるとすぐにコンプライアンス遵守と騒がれてしまう世知辛い世の中である現代。少しでも多くの人に、癒しのあるライフスタイルを提案しようと雑貨の企画販売事業を手掛ける株式会社ほんやら堂より、自宅でも手軽に温泉気分や温泉効果を楽しめるグッズ「温泉さん(ぬくいずみさん)」が発売されたのが2017年6月。8月時点での売り上げが89,000個以上だということからも、その人気ぶりがうかがえる。なぜそこまでこのキャラクターが受け入れられているのだろうか。そもそも、温泉いずみさん(ぬくいずみさん)シリーズとは?温泉いずみさん(ぬくいずみさん)シリーズの特徴まず、自宅でも手軽に温泉気分や効果を味わうためにはお風呂関係のグッズが欠かせない。粉末状だけではなく、湯の花やバスボールなど色々な種類から選択できる入浴剤は、ギフト商品にも入っており人気だ。さらに同キャラクターをあしらった足裏くぐり棒や、手ぬぐいをイメージしたタオルなども人気がある。特に、税別1,500円のギフトには桶がついており、遊び心も満載だ。また温泉いずみさん(ぬくいずみさん)のキャラクター設定が絶妙。昭和が時代背景である一家構成は、父・母・息子・娘と飼い犬「たまごちゃん」。いい加減でおおらかな家族が「大丈夫、大丈夫」と生活する姿が、現代社会では失われてしまった多くの懐かしい特質を彷彿させるため、人気を博しているのだという。夏が過ぎ、秋からは温泉シーズンの到来ともなる。今秋からはラインスタンプも販売される予定だというから、グッズと一緒に是非おさえておきたい。(画像はプレスリリースより)【参考】※温泉いずみさん(ぬくいずみさん)公式サイト※温泉いずみさん(ぬくいずみさん)プレスリリース(@Press)
2017年09月04日テレビ東京ほかで、毎週金曜24時52分~放送中の『デッドストック~未知への挑戦~』。この番組のプロデューサーである、テレビ東京の五箇公貴さんにお話を伺いました!テレビに映らないものこそが、一番怖いんです…。2016年、神谷町から六本木一丁目の新社屋に引っ越した、テレビ東京。その“引っ越し”をきっかけに、旧社屋のビデオ倉庫から、おびただしい量の廃棄テープが発見された。そのテープに写っていたのは、なんと怪奇現象!新人ADの常田大陸(村上虹郎)と駆け出しディレクターの二階堂早織(早見あかり)は、引き込まれるままに取材にのめり込んでいき…。どこまでが虚構で、どこまでが現実!?虚実ないまぜの世界に恐怖がひそむ、オリジナルホラードラマだ。「もともとは今回の脚本と監督も務めている三宅隆太さんと、“オリジナルホラー、やりたいね”って言ってたところに、社屋の引っ越しニュースが飛び込んできて。うちの局は、魚の骨まで出汁として使う性質なので(笑)、その設定を組み込むのがうちらしいし、美味しいだろうと。一方で、社屋移転と、神谷町の地下に必要ないビデオがたくさん捨てられていたのは本当。本当の設定の上に、フィクションのドラマが乗る。それがおもしろいと思うんです」と語るのは、この番組のプロデューサーである、テレビ東京の五箇公貴さん。ドラマの中には、過去に撮影された未確認映像が登場するのだが、そのザラついた昭和な質感が、尋常じゃないくらいリアルで怖い。「最近のテレビは“映っているものが全て”というのが主流で、グレーな部分のない番組が多いですが、僕としては、“映っていないけれど、そこにあるかもしれないもの”こそ、テレビのおもしろさだと思う。ホラー的な“よく見えない映像”も同じ。この番組を通じて、そういった“不確定要素”を楽しんでほしいです」実はテレ東、ホラードラマはほぼ初。ホラーのおもしろさとは?「怖い、痛いなど、人の生理に訴えかけるものって、言葉の説明がなくても伝わるんです。また、見えないところから何かが飛び出すっていうことも、国や時代を超えて怖いことだと思う。そのボーダーレスな感じがまずおもしろい。一時期に比べてホラーが下火なのって、テレビ業界のコンプライアンスの問題だと思うんですが、今誰もやっていないなら、そろそろ掘り起こしの時期な気がするし、だからこそ逆にやりたいと思うのも、作り手の性でもあって(笑)。世界的に人気を得たJホラーに、今っぽさをミックスしたドラマになれば、誰も見たことがないホラーが作れるのではないかと思う。夢は、アメリカのテレビ局などでのリメイクです。どこの国の局にも絶対、死蔵テープはありますからね」『デッドストック~未知への挑戦~』テレビ東京ほかで、毎週金曜24時52分~。監督は権野元(『ナイトヒーロー NAOTO』や『楽園』)、三宅隆太(『呪怨 白い老女』)。脚本は、加藤淳也(『クロユリ団地』)と三宅氏らが手がける。なんと、あのドキュメンタリー界の大御所、映画『FAKE』を撮った森達也氏が監督&出演をする回があるそう!!(C)「デッドストック~未知への挑戦~」製作委員会※『anan』2017年8月16・23日号より。(by anan編集部)
2017年08月17日みなさんはLINEにちゃんと鍵をかけていますか?「鍵かけてる人は浮気してる。やましいことないなら、かける必要ない!」なんて、付き合いはじめのラブラブ時期で、つい間違っちゃって、まるっとオープン開放中……なんてことはまさかないですよね?「仕事でも使ってるから、コンプライアンスの問題で!」とでも、なんとでも言って鍵かけておかないと、なんとなーくこっそりと見やがった嫉妬深い彼氏に、普通のことなのに「これ浮気じゃねーか!」なんて激怒される恐れも。彼氏というのは、みんな嫉妬深いものですから……。というわけで今回は、彼女のLINEをこっそり見た男が嫉妬してしまった“プチ浮気LINE”エピソードをご紹介します。文・塚田牧夫「ふふふふ。」「会社の男と、なんかいちゃいちゃした感じでLINEしてましてね……。デートしているとかではないんだけど、そのやりとりにムカつきましたよ。あれは、友達のやりとりじゃないですよ。男女のやりとりです! しかも、僕には使わないような、感じの喋り方しやがって。“山田さん、夏休みも出社して、こっちのグループの仕事しちゃえば? ふふふふ。”なんて言ってやがるんです! “ふふふふ。”ってなんですか!?そんな可愛い言い回し、僕とのやりとりで使ったことないですよ!? “笑”とか“w”とかですよ。まったくもー!」マイク(仮名)/28歳「昨日は楽しかったー!」「普通に、“昨日は楽しかったー!”と送っているんです。怪しくないですか? しかも、その男は、“またメールするね笑”って送って終わってるんです。おいおい、そのメール見せてみろ!ってムカつきましたけど、勝手にLINE見たとも言えないから、今めちゃめちゃ疑ってます。他に変わったところはないんですけどね。やっぱり怪しいですよね」トシユキ(仮名)/29歳「『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』観ましたー!」「仕事関係の男みたいなんだけど、“『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』観ましたー!”とLINEしてるのを発見して、超ムカつきましたね。いつ観たんだよ!? ホラー嫌いだから絶対観ない……って言ってたくせに! トム・クルーズやブラッド・ピットが好きなわけでもないくせに! そもそも洋画苦手って言ってたくせに!映画の話で盛り上がっていて、“また面白いの教えてくださいー”なんて。これって、口説いている? 口説かれてる? 彼氏がいるって話なんて、1つも出てこないし!」ソーメンじろう(仮名)/31歳彼女のLINEをコッソリ見て、「プチ浮気だろ」と勝手に嫉妬しちゃっている彼氏たちの話をご紹介しました。いやー、実際怪しいのもありましたね……! なんとも言えませんが、誤解だろうが発覚だろうが、見られても良いことはひとつもありませんので、やはりロックするに限りますね。(C) TORWAISTUDIO / Shutterstock(C) Antonio Guillem / Shutterstock(C) Stock-Asso / Shutterstock
2017年07月18日コンプライアンスが厳しい昨今、“セクハラ”なども気をつけなければいけませんが、結構仲良しな職場の仲良しグループだと、エグい会話をしていることも多いですよね。エッチな冗談、からかいも言える楽しい職場!……とはいっても、超えてはいけないボーダーラインはあるものです。今回は、男子たちが後輩女子から届いて「さ…さすがにこれはマズイだろ」と思ってしまった衝撃のLINEエピソードを暴露しちゃいます。文・塚田牧夫サキのブラ!「会社の女子メンバーだけでお泊まり会をやるとか言っていて、“写真でも送ってよ”と言ってはいたのですが。どうやら泥酔しているようで、始末が悪い状態で。“山田! サキのこと好きなんだろう?”とかウザくからんでくるし、挙句の果てには、“サキのブラ!”とか、ペロンとシャツをめくって、写真付きで!さすがにこれはマズイだろと思ったのですが、あとで“ネットで拾ったエロ画像ですよ”とか言い訳してた。本当かな!?」山田(仮名)/33歳キスしたくなっちゃった「入ってきたばかりの新入社員ですよ。いろいろと指導していたんですけど、あとで感謝と質問LINEがきたんだけど、なんか途中で変な雰囲気になってきて、“筧さんって、本当に優しいですよね”“仕事もできるし、”“なんか、上司って感じがしない雰囲気”“ぶっちゃけ内緒ですけど、今日隣で教えてもらっていたとき”“キスしたくなっちゃった”だって!最後のはマズイだろ! しかも、そこだけなんかタメ口なのが、生々しくないですか? 最近の女子っておそろしー」筧(仮名)/31歳トップ処女あげます!「営業チームの新人の子がすごいヤリ手で。早くも成績トップを競っていたんだけど、どうしても1位になりたいらしく、人材派遣業だったので、それにはより良い人を紹介する必要がある。僕は登録している人たちを営業さんに割り振る立場だったんですが、ある日、そのヤリ手の子からLINEがきて、“マサキさーん。良い人、こっちへくださいー”と。“良い人、あげてるやん”と返したのですが、“まだたりない”“お願い”と。“規定どおりにしているだけだから”と言っているのに、“ウソ。”“ミナミさんに甘いの知っている”“私にも甘くして”“私がトップとったら、トップ処女あげます!”ときた……。おいおい。社内枕かよ…。期待の新人だけど、さすがにそこまでやるのは反則ですわ。ということで、一応人事に報告しておきました」マサキ(仮名)/34歳後輩女子からきて、「さすがにマズイだろ」と男子が思ってしまったLINEを3つご紹介しました。なんとも最近の若い子は元気というか肉食というか……。恐ろしいものです。(C) DK samco / Shutterstock(C) Forewer / Shutterstock
2017年07月17日こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。数か月ほど前でしょうか、Twitterで「非正規社員はエレベーターの使用禁止」という会社があるとの投稿があり、話題になりました。するとその後、「うちの職場は非正規社員の社員食堂の利用が禁止されている」とか「非正規社員が役員クラスの人に挨拶すると管理職から怒られる」など、 明治期から戦前の身分制度を思わせるような話が相次いで投稿され、非正規社員に対して今わが国で起きている差別的な待遇がけっして珍しいものではないことが次第に明らかになってまいりました。そこで今回、筆者の周りで非正規社員として働いている人たちに、「実際にあった非正規社員差別」の例を聞くと同時に、その人たちが差別に負けないためにはどうしたらいいのか について考えてみました。理不尽な非正規社員差別を撲滅するために、ご一緒に考えてみませんか?●濡れ衣を着せる系の非正規社員差別は人として大問題筆者が聞き取りをすすめる中で意外なほど多かった非正規社員差別は、「濡れ衣を着せる」系の差別です。具体例を紹介しましょう。『個人情報が載った書類の紛失を、正社員の所属長によってアルバイトである自分のミスとして課長に報告された。本当は所属長による“うっかり忘れ”が原因だった』(30代男性、アルバイト)『「パッケージに破損がある商品を店頭に品出ししたのはパートのあんただろう」と朝礼の場でみんなの前で正社員のマネージャーから責められた。自分ではないと言ったら、「嘘をついてまで言い逃れしようとする。これだから非正規は困るんだ」と言われた』(40代女性、パート)このように立場の弱い非正規社員の人にミスの責任を押し付けたりありもしない濡れ衣を着せたりする ことは、正規だ非正規だを論じる以前に人として大問題です。その大問題が、わたしたちが思っているよりも高い頻度で日常的に起きているという感触が、聞き取りをすすめていく中で強くなった気がします。●職場の施設の利用を非正規社員にだけ不当に禁止することは法律に抵触する恐れがある「濡れ衣を着せる」系の差別以上に筆者が「多いな」と感じたのは、「正社員が自由に利用している職場の施設の利用を非正規社員にだけ不当に禁止する」という、「利用(使用)禁止」系の非正規社員差別です。下記のような事例を筆者は実際に聞き取りました。『自分の仕事場があるフロアのトイレを利用したら正社員の同僚から「派遣の人は上の階のトイレを使うのよ」と言われた。理由を聞いたら、「トイレでは派遣社員に聞かれていたら困る、正社員どうしの会話が交わされるので、派遣は正社員がほとんど利用しない上の階のトイレを使うことになってるのよ」ということだった』(20代女性、派遣社員)『無料の自動コーヒーサーバーをみんなが使っているので自分も使ったところ、「それは契約社員以上の人だけ飲んでいいの。パートさんは駄目なのよ」と注意された。パートだって同じ仕事に携わる仲間なのに、それはないんじゃないのと思った』(30代女性、パート)こういった「利用(使用)禁止」系の非正規社員差別ですが、筆者の学生時代以来の友人でもある弁護士のK氏(本人の希望で匿名とさせていただきます)に確認したところ、いずれのケースも『労働契約法20条』や『派遣法40条』等に抵触する恐れがある とのことでした。差別を被ったご本人たちにそれを伝えた結果、お二人とも勇気をもって会社のコンプライアンス室に相談し、その後トイレもコーヒーサーバーも利用できるようになったとのことでした。●経済学者が指摘する“今の日本企業の非正規社員差別は戦前回帰の『雇用身分社会』”説ところで、今のわが国の“働く現場”に存在するこのように不合理な「非正規社員差別」について、2015年の段階で一冊の本にまとめ、労働の現場から戦前のような“身分が固定化された社会”への回帰がはじまっている と指摘した経済学者がいます。関西大学名誉教授の森岡孝二先生がその人で、森岡先生は著書である『雇用身分社会』(岩波新書、2015年)の中で、戦後の民主主義社会においては「労働者階級」という言葉で一括りにできた“働く人たち”が1980年代半ば以降の雇用の規制緩和に伴って変質して行き、同じ階級の中に「正社員」「限定正社員」「契約社員」「パート」「アルバイト」「派遣社員」といった雇用形態の違いによる“身分”が生まれて行った ことを指摘しました。この『雇用身分』による収入や付き合う人、食べる物や旅行先、着る服などの違いは学歴による違いなどよりも遥かに歴然としており、なおかつそれは固定化していて、今では広く使われるようになった『格差社会』という言葉の本質はこの『雇用身分社会』であると論じているのです。森岡先生はこの著書の段階ですでに(場合によっては実際の会社名をあげて)派遣社員が社員食堂を使えない事例や正社員とパートでは使うトイレが違う事例などを紹介しながら、戦前の『女工哀史』にみられるような奴隷労働が実は今“ブラック企業”や“ブラックバイト”といった形で復活しつつある ことも指摘しています。●非正規社員差別撲滅には「当たり前のこと」が守られる世の中に戻す必要があるさて、今回のテーマである「非正規社員に対する差別を撲滅する方法」ですが、森岡先生は『雇用身分社会』の中で、「ディセント・ワーク」という概念を提唱して、雇用身分による差別の撲滅を訴えています。「ディセント・ワーク(decent work)とは、「まともな雇用」「良識ある雇用」という意味であり、すなわちそれが「まともな世の中」「良識ある社会」にわが国を戻すうえで必要不可欠だと述べているのです。森岡先生の論を筆者なりに咀嚼して申し上げるならば、具体的にはまず1,000円にすら届かないような非正規社員の人たちの時給を“まともな”時給に法律で改めることでしょう。非正規社員の人たちが1か月間フルで働いても10万円台前半の月収にしかならないような現状は、その事実そのものがすでに「政策による非正規社員差別」です。これでは「まともな生活」ができるわけがありませんし、正社員の人たちが非正規の人たちを自然と見下してしまう大きな原因の一つになってしまっているように思われます。勤務先のコンプライアンス室に訴えて設備を正社員と同じように利用できるようになった二人の実例もご紹介しましたが、20代・30代の若い非正規社員の彼らが少しでも“まともな働き方”を手に入れることができるように、筆者のようなディセント・ワークを享受してきた世代の者が彼らの勇気を後押ししてあげる ことも必要かと思います。「おかしいものはおかしい」と声を上げる彼ら自身の勇気も大切です。でも一人一人の小さな勇気ある行動をより大きなうねりにして制度を改良するところまで行かないと、非正規社員への差別を撲滅することまでは難しいような気がします。【参考文献】・『雇用身分社会』森岡孝二・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/香南
2017年06月20日“警察小説×『仁義なき戦い』”と称され、日本推理作家協会賞に輝くなど高い評価を受けた柚月裕子の「孤狼の血」が映画化されることになり、主演の役所広司をはじめ、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介に白石和彌監督が記者会見に臨んだ。昭和63年の暴力団対策法の成立直前の広島県呉市を舞台にした本作。型破りの捜査方法で知られ、暴力団との癒着さえ噂される刑事・大上と彼とバディを組むことになった日岡が金融会社の社員失踪事件を担当することになるが、これをきっかけに対立する暴力団の抗争が激化し…。会見には原作者の柚月さんも出席したが、本作について「『仁義なき戦い』なくしてこの小説はありえなかった」と語り、『仁義なき』シリーズを送り出した東映での映画化に感慨深げ。「活字でなくては成り立たないミステリーの部分、難しい表現が実現するのか?」と期待を口にする。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と犯罪や警察内部の腐敗を扱った作品を送り出してきた白石監督は「韓国ノワールが全盛期を迎え、海外でもそういう作品が作られる中で、日本でなかなかそういう作品が作れないのは寂しい」と語り、4月中旬のクランクインを前に「変なコンプライアンスを気にしたり、自主規制をせず、やれることを逃げずにやると誓い、心を奮い立たせています」と闘志を燃やす。常軌を逸した捜査を行なう主人公・大上を演じる役所さんは「このテイストの映画をいま、日本でできるのは白石監督しかいない」と監督に全幅の信頼を寄せる。そして「僕も『仁義なき戦い』を若い頃に見てドキドキワククしました。このテイストは、東映で作らなければいけない。脚本を読んで、原作のカッコいいハードボイルドな世界に、白石監督の世界が足され、もっとアウトローになってます。警察もヤクザもみんな真剣に生きてて、人間くさいユーモアがあって魅力的です。大神はムチャクチャですが、彼なりの正義どれだけ伝わるか楽しみです」と撮影が待ちきれない様子。大上とコンビを組む日岡を演じる松坂さん。役所さんとはCM、そして映画『日本のいちばん長い日』でも共演してきたが、全編にわたってガッチリと共演するのはこれが初めて。「最初にお会いしたのが某CM(※ダイワハウス)で、最初は一瞬の絡みしかなくて、『そこまでだ、松坂!』と言われるんですけど、本名を呼ばれて嬉しくて、そのとき、いつかご一緒したいと思いました。今回、バディとして作品の中で生きられるのが嬉しいし、楽しみで仕方ないです」と笑顔を見せた。この日は、多くの会社や学校で入社式、入学式が執り行われたが、昭和の最後を生きる刑事を演じる松坂さんは、本作を現代の若者にどう見てほしいか?そして新社会人や新入生に向けてのメッセージを求められ「この作品を読んで、一人の男として胸が熱くなりました。これから違う環境に行く、新しい世代のみなさんも、熱い気持ちを持って、目の前にあることに向き合っていただければ!」とエール。役所さんは同じ問いかけに「映画が発する人間のエネルギーを感じてほしい。熱い人間を感じて、この世の正義について自分なりに考えて勉強してほしいと思います」と呼びかけた。真木さんは本作でクラブのママ・高木里佳子を、江口さんは暴力団「尾谷組」の若頭・一之瀬を、石橋さんは暴力団・五十子会の組長を演じる。このほか、所轄の刑事役で田口トモロヲ、県警の監察官役で滝藤賢一が出演することも発表された。映画『孤狼の血』は2018年公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月03日岡田将生主演のドラマ「不便な便利屋」の劇中に登場する短編映画「雪女」が3月4日(土)、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映され、人気バラエティ「水曜どうでしょう」の“ミスター”として知られ、本作の監督を務める鈴井貴之が舞台挨拶に登壇した。北海道発の人気番組で大泉洋をメジャーにした番組としても知られる「水どう」の“ミスター”こと鈴井監督が、出身地の北海道赤平市を舞台に製作したのがドラマ「不便な便利屋」。岡田さんは脚本家にして便利屋という役柄を演じ、町おこしのための映画作りを試みる。昨年末に続編となる、スペシャルドラマ「不便な便利屋 2016 初雪」が放送され、飯豊まりえがヒロインで参戦。その劇中で製作されたショートフィルムがこの「雪女」であり、赤平市を含む空知地域で明治期から言い伝えられてる雪女伝説をモチーフにしており、岡田さん、飯豊さんが出演している。赤平市は夕張市と同様に石炭産業で隆盛を誇った旧産炭地であり、この日は夕張市の鈴木直道市長も迎えて、旧産炭地の魅力をテーマにトークが展開された。赤平市が財政破綻の危機に陥った際、鈴井さんは町おこしのための話し合いに足を運んだこともあったという。だが出身者とはいえ、自身は札幌や東京を中心に活動する“よそ者”であることに葛藤を覚え「仲間にならなきゃ!と思って(赤平に)住居を構えました。いまは住民票も移しています」と完全に地元民となったことを明かす。同市内の1万坪もの広大な土地をわずか200万円で購入し、“アトリエ”と称した邸宅を構え、敷地内にフットサルのコートを作り、畑仕事などにも精を出す日々だという。鈴井さんは「旧産炭地は忘れられていくけど、戦後の日本の復興を支えたのは石炭。その街に残された人間はどうなるのか?忘れられてしまうのが悔しい」と語り、この思いが「不便な便利屋」の企画につながったと語る。劇中ではあえて自虐的に“名もなき町”となっているが鈴井さんは「名もなき町を復活させたい」と強い思いを口にする。撮影では市の全面協力を得て「『無理です』と1回も言われることなく」(鈴井さん)、都会では不可能な撮影を敢行。「冗談半分で『建物を燃やしたいな』と言ったら、市の担当者が『スキー場のチケット売り場、使ってないけど丸太小屋だからいいんじゃね?』って(笑)。ワクワクしました。台本ではボヤだったけど、大炎上させました。消防車が待ってたんだけど、ボヤと聞いてて、水を半分しか入れてなくて、給水しに戻った」と裏エピソードを明かす。放送後には、ドラマの便利屋の事務所を見に、たくさんの観光客がやってきたとのこと。鈴井さんは「逆説的に、地方のほうが面白いものが出てくる。コンプライアンスもあって、都会ではとんがったものを作るのは難しい。田舎は、普通の考えじゃやっていけない。『ない』からいろいろ考える。不便だから、便利屋を作ったんです」と地方ならではの都会にはないクリエイティブの可能性を熱く語る。「芸能界もそうですけど、“復活”したひとは強い。有吉さんも、ヒロミさんも坂上忍さんもそう!」とニヤリ。都の職員として東京から縁もゆかりもなかった夕張に派遣され、この地に魅力と可能性を感じて移住し、市長となった鈴木市長も、鈴井さんの考えに深くうなずいていた。協力:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会(text:cinemacafe.net)
2017年03月04日平成29年2月20日、削除代行業者が違法であるとの判決が出されました。ネット記事削除ビジネスの違法性認定東京地裁この裁判例にどのような意味があるのかを解説してみたいと思います。*画像はイメージです:そもそも「削除代行業者」って?「削除代行業者」とは、被害者に代わってサイト側に削除要請を行う業者です。インターネット上で、“ネット上の書き込みを削除します”という広告を目にすることがありますが、弁護士や法律事務所以外の事業者・法人が出しているものは、削除代行業者である可能性が極めて高いでしょう。 なぜ違法と判断された?削除代行が「法律事務」に該当するためです。「法律事務」を弁護士以外が行うことは、法律で禁止されています。 結果的に削除できれば、弁護士でも業者でもいいのでは?削除代行業者には何の資格もありませんし、国の監督が直接及ぶわけでもありませんから、適切に仕事をすることについて何の担保もないのです。そのような業者に、自分の権利義務や個人情報を預けることは非常に危険です。また、悪質な業者の中には、依頼者の誹謗中傷等の書き込みを自ら行って、延々と報酬をむしり取ろうとする者もいます。そのため、削除代行業者は徹底的に排除されなければならないのです。また、削除代行業者に依頼を続けることは、違法な業者に金銭を支払うことを意味しますので、コンプライアンスの観点からも問題です。 削除代行業者に支払った報酬は返金請求できる?削除代行業者に支払った報酬は、“全額”返金請求の対象になります。違法な事業であって契約が無効だからです。契約書に押印していても、返金が請求できます。また、削除に成功したため納得して報酬を支払ったという場合でも、返金請求が可能です。 自分が返金請求ができるかどうかはどう判断すればいい?・連絡の窓口が法律事務所でない・報酬支払先の口座名義が弁護士(弁護士法人)でないこのような場合は、ほとんどのケースで返金請求ができます。削除代行業者の中には、「削除要請は提携弁護士に依頼している」などとしているケースもありますが、そのような場合でも、上記にあてはまる場合は返金請求できる可能性が高いといえます。削除代行業者を現在利用している、又は過去にしたことがあるの方は、一度弁護士に相談されることをお勧めします。 *著者:弁護士 渡辺 泰央(四谷コモンズ法律事務所。インターネットトラブルやWEBに関する事案を多く取り扱う。運営サイト「WEBに関わる法律講座」)【参考】*朝日新聞DIGITAL:ネット記事削除ビジネスの違法性認定東京地裁【画像】イメージです*muhamad mizan bin ngateni / Shutterstock
2017年03月01日photo by 編集部実家がお寺という経歴を持つ八坂弁護士。東京都中野区にある「野方」で「マチベン」として活躍する彼に、和解という解決方法が難しいといわれる「行政トラブル」をどのように勝訴へと導いたのかを語ってもらいました。八坂 玄功(やさか もとのり)弁護士東京都中野区、西武新宿線「野方」駅にある「しいの木法律事務所」は、地元に密着した法律事務所で、現在、経験豊富な3名の弁護士が在籍している。所長の八坂玄功弁護士は、いわいる“マチベン”として地域住民のために弁護活動を行う傍ら、行政事件のエキスパートとして数多くの難事件を解決。自身の利益よりも、依頼者の利益を優先する人情派の弁護士である。 ■「行政トラブル」は訴訟を当事者以外の人をいかに巻き込むかがカギ___これまでに解決した事件の中で、もっともやりがいを感じたのはどんな時ですか?私は、行政事件や行政を相手とする事件を比較的多く請け負っています。比較的最近の事件では、千葉県松戸市が原告、NPO法人「コミュニティ・コーディネーターズ・タンク」が被告となった補助金相当額の損害賠償請求事件の弁護活動があります。この事件は、千葉県が厚生労働省の雇用創出助成金制度を利用するかたちで、県内各地に事業を募集。そこに応募し委託事業を行っていた松戸市の同NPO法人が、補助金を出していた松戸市から訴えられた事件です。千葉県のほうから助成金の要件などに間違いがあると指摘を受けた松戸市は、NPO法人側に詳しい事情を聞かないまま、すぐに3,000万円の助成金を県に返還してしまいました。それで即、 NPO法人に3,000万円返せといってきた乱雑な事件だったのです。私のほうに依頼があったのは、NPO法人側が一審で負けた後です。 NPO法人側は、高裁で過去の膨大な資料を証拠として提出し、やむをえない事情があったことなどを、相当丁寧に主張したことで、最終的には、ほぼ逆転勝訴で法人側に責任がないという判決を得ることができました。思い入れのある事件は色々ありますが、この事件は、なかなかやりがいがありましたね。 ___この事件を解決するために、どのような工夫をされましたか?住民訴訟や、行政相手の訴訟の多くは、支援者や応援団が沢山いて、裁判の傍聴人も多くの人数が集まってくれます。そういう人たちに、少し語弊があるかもしれませんが、有意義なかたちで裁判に向き合えるように工夫して弁護活動をしています。 事件の争点について、説明会や報告会をしばしば開催するなどして、直接の当事者だけではなくて、それを応援している人々に、事件の流れや争点、裁判で争う意義などを分かってもらい、一緒に力を合わせて戦うという雰囲気を醸成していくことが注意した点でもあるし、こうした事件をサポートする面白いところでもありますね。 ___行政事件を扱う件数は、他の弁護士事務所に比べると多いですか?多いと思います。行政事件というのは、和解で解決するということがめったにありませんので、ほぼ全ての事件が判決までいかなければいけません。したがって、かなり負担が重いのですが(笑)、勝つとうれしいですね。刑事事件で無罪判決を取るのに近いような感じがあるので、やりがいや面白みがあります。この分野は、これからも一生懸命やっていきたいと思っていますね。 ■制度認知が進んでいる「成年後見」はじめ、高齢者の法トラブルに注力___ほかに相談が増えている事案はありますか?高齢化社会が進んでいるので、やはり相続問題、高齢者の財産管理、成年後見などの件数が増えていると感じます。「成年後見(※)」については、制度の利用が普及してきて、だんだん認知されてきたことや、あるいは金融機関などが、企業におけるコンプライアンス強化によって、認知症の疑いがあるという人に成年後見を使うようにアドバイスせざるをえなくなってきていることも背景にあると思います。こうした増えている事案は、ニーズがあるということだと思いますので、今後もそういった事案に対しては力を入れていきたいと思っています。※成年後見…認知症などで判断能力が十分ではない方を法律的に支援・援助するための制度 *八坂弁護士のインタビュー記事解決が困難な「派遣社員の雇い止め」裁判…実家がお寺の弁護士が和解できた理由とは?相談者にはどんなメリットが?小さな法律事務所が「他士業と連携」する理由とは *取材協力弁護士:八坂 玄功(やさか もとのり)弁護士(1968年生まれ、大分県出身。岡山県立岡山芳泉高校卒業。東京大学理科2類入学。東京大学教育学部中退。東京弁護士会所属、司法修習第52期終了、2000年4月弁護士登録。2000年4月~2005年7月、代々木総合法律事務所に勤務し、2005年8月に「しいの木法律事務所」を開設して現在に至る。宅地建物取引主任者資格も保有。民事・刑事・家事・税務・経営・労働・相続問題など、どのような問題でも対応する弁護士として活動している。)*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年12月03日