アメリカとメキシコの“麻薬カルテル”の実態を描き出す衝撃的なドキュメンタリー『カルテル・ランド』の本編映像の一部が公開になった。悪化する街を守るために自分たちで銃を手にとり、カルテルと戦う自警団の姿が、極めて近い場所から記録されている。『カルテル・ランド』本編映像本作の舞台は、メキシコのミチョアカン州と、米国の国境地帯で、このほど公開された映像に登場するのは、ミチョアカン州で暮らす市民だ。彼らは地域の人々を苦しめ、従わなければ見せしめに命を奪う麻薬カルテルに立ち向かうために、自警団を結成。映像には市民が武装し、カルテルの隠れ家や拠点を急襲する場面が描かれる。この地域に警察がいないわけではないが、人々は自ら武装して街を守る自警団を支持。彼らのまとめ役を務める医師のホセ・ミレレスは英雄として扱われる。カメラは自警団に密着し、彼らの命がけの行動の一部始終を極めて近い場所で撮影。その生々しい映像に圧倒されるはずだ。また、映画ではミレレスと自警団が規模を拡大していく中で、彼らと麻薬組織の間に癒着や賄賂が横行していく場面や、意見の対立による内部分裂の顛末を記録。正義と悪の境界線が揺らいでいく過程を、鋭いまなざしで描き出していく。『カルテル・ランド』5月7日(土)シアター・イメージフォーラムほかで公開
2016年04月28日2014年11月に亡くなった映画俳優・高倉健に迫る長編ドキュメンタリー映画『健さん』の製作が発表になった。写真家・映画監督の日比遊一がメガホンを執り、マイケル・ダグラスやジョン・ウーらのインタビューを通し、日本が生んだ稀代の映画俳優の知られざる姿を浮き彫りにする。その他の写真『健さん』は、外国映画にも積極的に出演し続けた高倉健の俳優としての在り方に焦点を当てた記録映画で、ダグラスは『ブラック・レイン』で共演した当時の思い出や撮影秘話を初めて明かし、大の高倉健ファンを公言し、『君よ憤怒の河を渉れ』の西村寿行による同名原作を再映画化する『追捕 MANHUNT』(香港=中国合作・邦題未定)を監督するジョン・ウーは、健さんへの思いを存分に語っているという。そのほか、『ブラック・レイン』の撮影監督を務めたヤン・デ・ボンや、高倉健が出演したハリウッド映画『ザ・ヤクザ』で脚本を担当したポール・シュレイダー、そして40年来の付き人である西村泰治氏が、高倉健の貴重なプライベートのエピソードの数々を紹介する。日比監督は「高倉健さんという一人の人間の在り方は、どんなに時代が変わっても日本人として忘れてはならない矜持そのものだと思います。健さんファンに観ていただきたいのはもちろん、“健さん”を知らない若い世代の人たちにとっても“映画俳優、高倉健”との忘れられない出会いになることを、心から願っております」とコメントを寄せており、インターナショナルな視点から、映画の美学、日本人の美学、ひいてはアジアの美学を紐解いていくドキュメンタリー映画になるという。『健さん』2016年全国公開
2016年04月12日三代目J Soul BrothersのNAOTO、小林直己、ELLY、山下健二郎、岩田剛典、今市隆二、登坂広臣が5日に開催されたドキュメンタリー映画『Born in the EXILE ~三代目J Soul Brothersの奇跡~』の完成披露試写会にそろって出席した。その他の画像彼らにとって初となるドームツアーの模様を舞台裏も含めてカメラでとらえた本作。メンバーのインタビューを交えつつ、メンバーたちのここまでの道のりを描き出していく。冬の寒空の下、多くのファンがレッドカーペット脇に陣取る中、メンバーはスーツ姿で登場しファンの歓声に応える。リーダーのNAOTOは「いま、僕らがあるのは応援してくださるみなさんのおかげ。これまでの僕らの軌跡をみなさんと共有し、これからも一緒に歩いて行きたいという思いで作った映画です」と呼びかける。今市と登坂は主題歌『Born in the EXILE』の歌詞を共作。この試みについて今市は「どうなるんだろう?思いや表現はどう合うのかな?と心配でしたが、いざ(それぞれが書いた)歌詞を出したら、伝えたい思いは同じで『いい作品になる』と実感しました」と手応えを口にする。登坂も「最初にHIROさんから『してみたら?』と言われたときは絶対無理だと思ったけど、打ち合わせもほとんどなしでスタジオで書いたものを照らし合わせたとき、ドキドキしたけどビビっと来ました!」とふたりのフィーリングが見事に重なり合ったと振り返る。小林は、この楽曲そして映画のタイトルに言及し「本当に僕らの内側が映ってます。恥ずかしいところや見せたことのないところを楽しんでいただくと共にタイトルの意味が映し出されるので感じていただけたら」と語り、岩田はここで映し出される昨年を振り返り「グループとして単独ドームツアーやアルバムのミリオンを達成し、たくさんの夢を叶えさせてもらっら1年でした」と充実の表情。山下は「僕らの巣や仕事しているところなどいろんな顔が見られます」と語り、なんと、自宅での様子まで映し出されているというELLYも「普段の7人が見られます!」と映画をアピールした。『Born in the EXILE~三代目J Soul Brothersの奇跡~』2月12日(金) 全国ロードショー
2016年02月05日ロックバンド「RADWIMPS」のドキュメンタリー映画『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』が3月の公開に先駆け、キーアートが解禁された。野田洋次郎、桑原彰、武田祐介、山口智史の4人からなるロックバンド「RADWIMPS」。ボーカルの野田さんの創り出す独特の歌詞と音楽性で多くのファンを魅了し続け、昨年10周年を迎えた。本作は、昨年10月から行われたフランスや台湾など5か国6公演のアジア・ヨーロッパツアーと、「ゲスの極み乙女。」「いきものがかり」「Mr.Children」など彼らがリスペクトする豪華アーティストを招いて行われた国内の胎盤(対バン)ツアー、そして10周年の集大成とも言える幕張メッセでのワンマンライブを追ったドキュメンタリー作品。ツアー直前にメンバーの一人山口さんが突然の活動休止を発表し、サポートドラマーらを迎え、果敢にライブに挑んでいく舞台裏の姿などが、インタビューを交えながら綴られている。監督は、今年公開予定の『ドクムシ』なども手がける今最も注目を集める新進気鋭の女性監督・朝倉加葉子が務めている。今回解禁されたキーアートは、新体制で挑んだライブの1シーンが描かれた一枚。「つながりを断ち切って、人は生まれてくるんだよ。」というキャッチコピーが、映画タイトルの「HESONOO」と連動し、10周年を迎え次の10年へ向けて“新たに生まれ変わろうとするRADWIMPS”を表現したキーアートとなっている。『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』は3月11日(金)~24日(木)全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月22日『ライオン・キング』『バンビ』『ジャングル・ブック』、そして最新作『ズートピア』まで、動物を主人公にした数々のアニメーションやドキュメンタリーを製作し続けるディズニーが贈る、大自然のドキュメンタリー映画シリーズ『ディズニーネイチャー』が、3月16日(水)よりリリースされることが決定。ウォルト・ディズニーの遺志を引き継ぎ、動物や自然の現在の姿を深く追いながらも、大人も子どもも楽しめるこのドキュメンタリーシリーズから本邦初公開の予告編映像が到着した。『ディズニーネイチャー』は、1948~60年の間、多くのドキュメンタリー映画を製作し、11作品ものアカデミー賞作品を世に送り出したウォルト・ディズニーの、「自然破壊や希少動物の絶滅が進む現代において、地球は最高のエンターテイメントであり最大のミステリーである」という遺志を受け継いだドキュメンタリー映画シリーズ。大自然の中に生きる動物の家族を中心に、その親子の愛情、仲間、外敵たちとの闘いなど、知られざる彼らの生態を細かく撮影し、美しい映像で生命の営みを綴っていく。ナレーションは、オリジナル版ではメリル・ストリープ、サミュエル・L・ジャクソンらハリウッド俳優陣が担当、日本語版では宮崎あおい、谷原章介、木村多江、小澤征悦、青木裕子といった豪華俳優&タレントが担当している。今回、初解禁となったのは、『ディズニーネイチャー/サバンナを生きる百獣の王』と『ディズニーネイチャー/クマの親子の物語』の2本の予告編映像。まず、大自然で繰り広げられるチーターやライオンの親子愛に迫った『サバンナを生きる百獣の王』では、シングルマザーで5匹の子どもを抱える勇敢なチーター・シタと、5匹の息子を持つライオン・カリを中心に、“家族を守る”という使命をまっとうする勇敢な母親の姿が映し出されていく。常に危険と隣合わせの日々を生きる動物たちの緊迫感、美しくも厳しい大自然、そして、命の尊さや、百獣の王たちの誇りなどを余すところなく収めおり、壮大なサバンナの映像は息を飲むほど圧巻!また、『クマの親子の物語』では、過酷な環境で成長する新米ママのスカイと幼い2匹の小熊スカウトとアンバー。彼らの四季の折々の姿を、足かけ2年をかけて撮影した貴重な映像が到着。厳しい大自然を舞台に、無償の愛を注ぐ母親クマに迫っていく。美しくも厳しい大自然に生きる、動物たちの親子愛を捉えた大迫力の映像を、まずはこちらから確かめてみて。『ディズニーネイチャー』 シリーズ ブルーレイ+DVDセットは3月16日(水)より発売開始(※全作品一斉デジタル配信開始)。(text:cinemacafe.net)
2016年01月06日「世紀を超えて愛され続ける服には、とてつもないパワーがある」と常々思っていました。天才デザイナーたちの映画を観ていると、なぜかすごく元気になれるのです。服を着るということは、何気ない習慣でありながら、肉体を守ることであり、自己表現であり、それをまとわないと外へ出られないという、社会生活を送るための装置でもあります。つまり着ることは生きること。いつだって違う自分になりたい! そんなチャレンジングな気持ちを鼓舞してくれる映画を観て、自分をリフレッシュしませんか? お薦めの3本をご紹介します。その結果、あなたももれなくファッショニスタ(お洒落上級者)に…。媚びない女らしさに開眼「ココ・アヴァン・シャネル」1883年生まれのガブリエル・ボヌール・シャネル(本名。ココは愛称)が、1909年、帽子のアトリエを開いて創業したシャネル。100年以上経った今も大人気なのはご存じの通り。「アメリ」で人気を得たオドレイ・トトゥ演じる本作は、1971年に87歳で亡くなったシャネルが孤児院で育った子供時代から、男性遍歴を経て、起業して成功するまでの若い時期を描いています。だからこそ、生きる息吹とピュアなエネルギーが素晴らしい。将校エティエンヌ・バルサン(ブノワ・ポールブールド)は、上流生活を体験させてくれたけれど、彼女の出自を恥じて周囲に隠し、実業家ボーイ・カペル(アレッサンドロ・ニボラ)が彼女に夢中になると、嫉妬してプロポーズ。「誰とも結婚しない」と彼女は宣言しますが、愛するボーイは事故死してしまい…。男の庇護なしに女性が生きられなかった時代、媚びない彼女がかっこいい! でも、愛する男から尊敬され愛されるのですよ。衣装がシャネル全面協力なのも魅力的。女性は羽飾りの付いた帽子にロングドレスが全盛の時代、海辺で見かけた漁師のボーダーTシャツに、男物を半端丈にカットした黒いパンツ、ツイードのジャケットというスタイルは、今すぐ真似したいほど。彼女のシーンだけ現代に見えるのが、さすがシャネルです。初めて老舗メゾンのアトリエが公開された「ディオールと私」1947年、クリスチャン・ディオールがメゾンを設立以来、輝かしい歴史と伝統を誇るディオール。2012年、ジル・サンダーでメンズ担当だったラフ・シモンズがクリエイティブ・ディレクターに就任し、パリ・コレまでの8週間を描いたのがこの映画です。フェミニンでエレガントなディオールに、シンプルでミニマリストといわれる彼が抜擢されたのはかなりの驚きでした。しかし、ラディカルなアプローチを貫いて、果敢に挑むラフ。衝撃的なのは、ディオール全面協力のもと、グラン・メゾンの中枢であるアトリエに初めてカメラが入ったこと。ディオールと刺繍された白衣のスタッフたちの動きが、ドキュメンタリーとは思えないほど見事です。現在もオートクチュールの伝統を守り続けるのは、シャネルとディオールだけですから、彼らの誇りも当然なのですが…。オートクチュール・ディレクターのカトリーヌが大事なフィッティングに欠席し、「穏やかな僕も限界」と嘆くラフに、「シーズンごとに5000万円注文する顧客の要請で出張していたの。お金がないとコレクションどころかメゾンも存続できない」と主張する彼女の言葉が印象的でした。全身全霊を傾けてドレスを作り上げる人々の緊張感に満ちた日々に密着した、感動のファッション・ドキュメンタリー。必ずやパワーをもらえるはずです。「イヴ・サンローラン」ピエール・ニネの緻密な演技がスゴい!1957年、ディオールの死後、21歳で後継者となったイヴ・サンローラン。彼を描いたこの映画も、イヴ・サンローラン財団率いるピエール・ベルジェによる初公認作品です。つまり、本物の衣装がふんだんに登場し、しかも当時のモデルは小柄で服が小さいため、そのサイズに合うモデルを選んで登場させ、それどころか、サンローランの住居や仕事場が提供され撮影が行われたという、奇跡のような映画なのです。何よりも感動するのは、イブ・サンローランを演じるピエール・ニネの役作り。伝記やドキュメンタリーで学び、デッサンやモード全般、素材の触り方まで特訓を受けたほか、毎日、3、4時間はサンローランの肉声を聞いて5か月、話し方を徹底的に叩き込んだそう。50年にわたって繊細な彼を公私ともに支え続け、実際の恋人でもあったベルジェが「似てるというより彼そのもの。仕草や声に至るまで…」とインタビューで語っているのですから驚きます。同性愛が非常に違和感なく描かれているのも特徴的で、新しいと思いました。「男同士でラブシーンを演じるのはどんな気分? とよく聞かれるけど、この物語に感動したからこそ、自然に演じられたと思う。ただのラブストーリーといえるほどね」とニネ。サンローランの革命的なデザイン、波乱の人生、知られざる私生活に息を飲む貴重な作品です。また、2015年12月からベルトラン・ボネロ監督の映画「サン ローラン」(主演/ギャスパー・ウリエル)も公開されました。見比べてみるのも楽しいかもしれません。いかがでしたでしょうか? ブランド品なんて興味ない…という方もおられるかもしれませんが、この3本を観ると、デザイナーへのリスペクトを感じてしまうから不思議です。着る喜び、生きる楽しさを謳歌して、明日の美しさへと紡いでいけたらと思います。
2016年01月06日11日(金)公開される『わたしはマララ』は、昨年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女マララ・ユフスザイの素顔に迫るドキュメンタリー映画で、監督は『不都合な真実』でオスカーを受賞したデイヴィス・グッゲンハイムだ。その他の画像女子は教育を受けてはいけないというタリバン勢力の命令に反して学校に通い続け、頭を撃たれたマララは、奇跡の回復の後、家族とイギリスで暮らしている。グッゲンハイムは、一家に18か月密着し、撮影取材をした。「映画化権を取得したプロデューサーが、デイヴィスという男が監督するからと伝えていたので、僕が彼女の家のベルを押すと、みんな大歓迎してくれたよ。一家は僕を信頼してくれた。僕は彼らのような人を知らなかったし、彼らも僕のような人を知らない。でも、すごくオープンになってくれたんだ」と、グッゲンハイムは初対面の日を振り返る。自宅や学校はもちろん、グッゲンハイムは、マララがケニヤの難民キャンプを訪れる時にも同行した。「ケニヤの子たちはキリスト教徒。パキスタン人はムスリムだ。あの子たちは、マララが誰かなんて知らない。ムスリムの難民ですら、彼女を知らなかった。でも、彼女が話し始めると、すぐにみんなと心がつながったんだ。そういう時、彼女は最高の幸せを感じる。彼女は、18歳の誕生日にまたケニヤに行ってあの子たちと会いたいといったよ。マララは、そういう子なんだ」スクールバスで銃撃され、死の境をさまよった上、パキスタンに戻ってきたら殺すと宣告を受けているマララ。そんな彼女が「銃は私の意志を変えない」という堂々のスピーチをするシーンは感動的だ。彼女の苦悩があまり描かれていないという批判も、北米公開時には一部から出たが、グッゲンハイムによると、彼女がどうしても語りたがらなかったらしい。「マララは、学校に行きたいのに行けないほかの少女や難民の少女たちのことを思っているんじゃないかな。今、辛い思いをしている子がたくさんいるのに、不満を言うことはしたくないんだろう。彼女が文句を言う姿を、僕は一度たりとも見なかった。僕らは、くだらないことで文句を言うよね。スープがぬるすぎる、とかね(笑。)僕はそこに美しさを見た。死を間近に体験すると、何が一番大事なのかがわかるのかもしれないね」『わたしはマララ』12月11日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー取材・文:猿渡由紀
2015年12月07日『オーシャンズ』のジャック・ペラン監督とジャック・クルーゾ監督が手がける新たなネイチャードキュメンタリー映画『シーズンズ2万年の地球旅行』が来年1月に公開されることが決定し、特報映像が公開になった。これまで世界各国で生きる動植物たちの姿を捉えた作品は数多く存在したが、本作はタイトル通り、2万年もの“時”も扱う新しいネイチャードキュメンタリーになるという。特報映像名優にして映画製作者としても信頼を集めるペラン監督とクルーゾ監督は『WATARIDORI』や『オーシャンズ』など全世界を舞台にした壮大な作品を発表してきたが『シーズンズ…』では4年の構想期間と、約40億円もの製作費を投じて、氷河期が終わってから現在までの2万年もの時を動物の目線から捉えるという。このほど公開された特報映像では過酷な大自然で生きる動物たちのいきいきとした姿が次々に登場。スタッフは臨場感のある映像を獲得するために世界初の無音小型バギーを開発するなど、撮影手法についても徹底的に改良を重ねたようで、特報映像も目の前に動物がいるような迫力を味わうことができる。本作は、第28回東京国際映画祭の特別招待作品での上映が決定しており、クルーゾ監督が6年ぶりに来日する予定だ。『シーズンズ2万年の地球旅行』2016年1月、TOHOシネマズ 日劇ほか全国拡大ロードショー(C)2015 Galatee Films - Pathe Production - France 2 Cinema - Pandora Film - Invest Image 3 - Rhone-Alpes Cinema - Winds - Pierre et Vacances
2015年10月07日ヴィヴィアン・マイヤーという写真家のことは、もちろんご存じありませんよね? 生涯で15万枚以上の作品を残しながら、一度も発表することなく、乳母や家政婦として働き、2007年、オークションで偶然ネガが発見されるまでは、その存在をまったく知られることなく、2009年に83歳でこの世を去った、変わり者の女性のことは。彼女のネガを競り落とした青年が、写真の一部をブログにアップすると爆発的な人気が出て驚き、プリントを売って製作費を稼ぎながら、謎だった彼女を探す旅に出て、彼女を知る人々のインタビューも含め、ドキュメンタリーで描いたのがこの映画。まさに、事実は小説よりも奇なり! 今まで、こんな不思議な魅力の映画は観たことがありません。乳母だった彼女が死後、写真家として脚光を浴びるまでの旅路その青年がシカゴ在住の監督、ジョン・マルーフです。歴史の資料としてシカゴの風景写真を探している時、地元のガラクタや中古家具を扱うオークションハウスで、古い革張りの箱に入ったネガを落札。撮影者はヴィヴィアン・マイヤーとあるけれど、知らない名前で、検索してみても1件もヒットなし。初めてヒットしたのは、それから2年後、彼女がつい数日前に亡くなった、という死亡記事でした。そこから、彼は生前のヴィヴィアンを知る人物を探し当てるのですが、その人はなんと「彼女は僕のナニー(乳母)だった」と…。乳母だった人が、なぜこんなに優れた写真を撮影できたのか? 彼のヴィヴィアンを探す旅が始まります。生涯独身だった彼女の晩年の生活を援助していたのは、かつて彼女が乳母を務めていた家族でした。彼らのおかげで、さらに膨大なネガ、未現像フィルム、8mmや16mmの映像素材、カセットテープ、それどころか、ブラウス、コート、帽子、靴、レシートに書いたメモの類いまでを入手。そして、ジョンの旅はフランスにまで及びます。20世紀最高のストリート写真家の謎めいた数奇な人生彼女を知る人々は、口々に「変り者」「秘密主義」「孤独な人だった」と語りますが、彼女が写真を大量に遺していたことは誰も知りません。フランス訛りから、フランス人だとも思われていたヴィヴィアン。彼女の両親は、彼女が幼い時に離婚しているのですが、ある時期、ヴィヴィアンは母親の母国であるフランスと行き来していたことが判明します。ジョンが南フランスの村を訪ね、彼女が現像屋に「光沢でなくつや消しで」などと、プリントの指示を細かく出していたことを知り、発表するつもりがなかった写真を世に出してしまって悪かったかも… と懸念していた彼が勇気づけられるシーンは印象的でした。プロの写真家たちから「彼女は真の写真家」「驚くべき洞察力」「発表していれば成功できたのに…」と評されるヴィヴィアンの写真。ニューヨーク、ロンドン、パリを始め、世界各地を巡回中の展覧会は、その美術館史上最高の動員となったり、全米での写真集の売り上げNO.1を記録したり。なぜ発表しなかったのか、謎は深まるばかりです。引きこもって溜め込んだ新聞紙に埋もれて暮らした晩年ザンバラ髪に男物のシャツとだぶだぶのコート、足元はアーミーブーツで、愛機ローライフレックスを首から下げ、ファインダーを上から覗き込み、被写体に体当たりで撮影していたヴィヴィアン。彼女が好んで撮るのは、スラム街の人々、泣いている子供、堵殺場など、人間の負の側面を思わせる写真。ただの浮浪者にしか見えない男の写真を購入した、俳優ティム・ロスの「最貧の姿の男なのに幸せそうなんだ」という言葉が刺さります。ハッとさせられる視点や構図は、ダイアン・アーバスやブラッサイを思わせますが、長く住まわせてもらっていた部屋には、美術関係の書籍はなく、足の踏み場もないほど新聞が堆積していたとか。グロテスクで不条理な事件、人間の愚かさが露呈した事件に興味津々だったという彼女には、ジャーナリスティックな感性、作家のカポーティめいた好奇心があったのかもしれない、と思ったり。アーティストとしてはアウトサイダーだったヴィヴィアンの人生が、ミステリアスなまま、心の奥底に沈殿して離れません。作品を公表していたら、20世紀の写真史を変えていたかもしれないヴィヴィアン・マイヤーを、この映画を観て、あなたも探す旅に出てみませんか? 「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」▼予告編監督:ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル出演:ヴィヴィン・マイヤー、ジョン・マルーフ、ティム・ロス 他2015年10月10日(土) シアター・イメージ・フォーラムほか全国順次ロードショー
2015年09月29日ファッション雑誌を見始めた頃、日本の雑誌は「1ヶ月間着回しコーディネート術」とか「痩せて見えるパンツスタイル」といった実用的な記事が多いのに、外国雑誌は「不思議の国のアリスのお茶会に招かれて」「鳥の背中に乗って世界を巡る旅」といったファンタジックな特集が載っていてびっくり! 5キロ痩せて見える、5歳若く見えるハウツー記事も役立つけれど、もっと違う美意識のレッスンがあるんだなあ、と思ったものです。そんな記事を載せる最たる雑誌がVOGUEでした。1892年、アメリカで創刊以来、世界各国で発売されているハイファッションの最先端、ファッショニスタ垂涎の雑誌。歴代の名物編集長は映画にもなっていて、セレブ並みの人気者に。そんなカリスマ編集長の登場する映画を3本ご紹介しましょう。この秋のお洒落心に火が点くこと、間違いありません。元フレンチ・ヴォーグ編集長カリーヌ・ロワトフェルドの生き方が潔く美しい▼マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ監督:ファビアン・コンスタン出演:カリーヌ・ロワトフェルド, スティーブン・ガン, カール・ラガーフェルドその美貌から18歳でモデルとしてのキャリアをスタート、20代で「ELLE」の編集者、スタイリストに転身し、40代でフランス版「VOGUE」の編集長に就任以来、2011年まで10年間務めたカリーヌの顔は、どこかで見たことがある人が多いのではないでしょうか?50代になってもスッと伸びた美脚にピンヒール。パリコレのフロントロー(最前列)の常連で、パパラッチされるスナップ写真では、爪先をやや内側に向けた立ち姿が有名でした。そんな彼女が、新雑誌「CR」を創刊するまでのドキュメンタリーがこの映画。「大勢が足を引っ張ろうとする」業界で、「ファッションは夢の世界。ファンタジーは私の本質よ」という姿勢からブレずに、苦心しながら夢を実現していく彼女の生き方が素敵です。夫がいて2児の母。「仕事も夫も愛してる」と言いながら、世界中のデザイナーたちからミューズとあがめられるエレガントでセクシーなカリーヌの魅力は、実は素直でピュアな人間性。そこが伝わる映画です。「誰にでも敬意を払うのが素晴らしい。自分が特別で重要な存在だと感じさせてくれるの。だから、みんなが彼女に尽くしたくなる」とは、彼女のアシスタントの弁。「いつか飽きられるわ」とサラッと笑いながら、ハイヒールで歩き続けるカリーヌの姿は、私たちに生きる勇気と美意識を問い直させてくれるでしょう。現アメリカン・ヴォーグ編集長アナ・ウィンターはファッション界のリーダー▼THE SEPTEMBER ISSUE ファッションが教えてくれること監督:R.J.カトラー出演:アナ・ウィンター, グレイス・コディントン, シエナ・ミラーショーを見る間も外さない黒いサングラス、金髪のボブヘア、女性らしい色合いのヒザ下丈のワンピースかプリーツスカート…アメリカ版ヴォーグ編集長、アナ・ウィンターも、常にスタイルが決まっている女性です。イギリス出身ですが、アメリカのハーパース・バザーやイギリス版ヴォーグでもキャリアを積み、1988年から現職。映画「プラダを着た悪魔」に登場する鬼編集長のモデルにもなった彼女は、同時に、3000億ドルのファッション産業で最も重要な人物、映画スターよりも注目の的、といわれています。この映画は、アナを中心にニューヨークのヴォーグ編集部が、2007年、ファッション誌の新年号といわれる重要な9月号を出版する様子を描いたドキュメンタリー。アナの片腕のクリエイティブディレクター、グレイス・コディントンと写真をめぐって対立したり、シエナ・ミラーの表紙撮影では豪華なヨーロッパロケが組まれたり、締め切り5日前にグレイス担当の特集が撮り直しになったり、ハラハラドキドキで目が離せないおもしろさ!“氷の女”と呼ばれるほどクールで仕事第一のアナですが、映画内のインタビューで「強みは決断力、弱みは子供たち」と答える一面も。セレブ文化が世界的流行になることを予見し、ファッションも生き方の一部だと示し、30年近く編集長を務め続けるアナ。垣間見せる情熱的な笑顔が美しく、生き方にもインスパイアされます。それにしても現在、アナは60代、グレイスは70代で現役バリバリ。そこからして元気になれると思いませんか?元アメリカン・ヴォーグ名物編集長ダイアナ・ヴリーランドがぶっ飛んでる!▼ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ監督:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド出演:ダイアナ・ヴリーランド真紅のドレスで赤いソファに横たわる真っ赤な部屋は、彼女のリビングルーム。そのDVDのカバーからして、ただならぬ異才を放っているダイアナ・ヴリーランドは、1989年に亡くなるまでアメリカのファッション界に君臨した、まさにアイコン的存在です。キャリアのスタートは戦前。シャネルを着てセントレジス・ホテルで踊っていたら、ハーパース・バザーの編集長、カーメル・スノウから「お洒落ね。仕事しない?」とスカウト。ハーパース・バザーの黄金時代を築き、良妻賢母風で退屈だったファッションを一変させます。ハーパース・バザーで25年間、ファッションエディターを務め、オードリー・ヘプバーン主演の映画「パリの恋人」に登場する編集長のモデルにも。1962年、ライバル誌ヴォーグへ。彼女自身が芸術品といわれるほどクリエイティブな企画で、エジプトロケやヒマラヤロケ、モデルを象と撮影したり、モデルに豹を演じさせたり、ミック・ジャガーを初めてファッション誌に起用したり、垢抜けない娘を女王に仕立てたり、ヌード撮影も…。信じられないほど斬新でダイナミックな企画は、未だに語り継がれるほど。そんなダイアナが1983年、80歳の時、作家のジョージ・プリンプトンに回顧録を依頼した時のインタビュー映像を中心に、周囲の人々へのインタビューで構成されたのが、この貴重な映画です。「自分で磨かなきゃダメよ。肌もポーズも歩き方も、興味の対象も教養も」「新しい服を着ているだけではダメ! その服でいかに生きるかなの」「人生は一度きりよ。やりたいことをやらなきゃ」と、彼女の力強い言葉が背中を押しまくります。人生で迷った時や落ち込んだ時に、間違いなく“活”を入れてくれる1本です。
2015年09月14日100年後の私たちの食べものって、どうなっているの? 大林千茱萸(おおばやし・ちぐみ)監督の映画『100年ごはん』は、そんな不安や疑問に、ある答えを提示してくれます。先日、銀座で行われたホールフード協会主催(タカコナカムラさん主宰)の映画上映会では、 “奇跡のリンゴ” で知られる農業家の木村秋則さんも駆けつけ、未来の食について熱く語ってくださいました。木村さんが伝えようとしていること、映画『100年ごはん』のこと、大林監督とタカコナカムラさんのトークショーなど、イベントの内容とともにご紹介します。木村秋則さんが語る「土と、愛情が育むほんものの食」「すべての農作物は、太陽、水、土、そして愛情が必要なんです。愛情は見えないかもしれない、でもこれが一番大事なんです」何度も挫折を繰り返しながら、自然栽培によるリンゴを生み出した木村秋則さんの言葉には、ズシリと響く重みがありました。農薬や除草剤、化学肥料を使わない果樹の生産は不可能と言われながらも、さまざまな困難を乗り越え成し遂げた木村さん。その夢の実現の秘密は、土にありました。「雑草があるから、土ができているんだ。それに気づくのに6年かかりました」雑草によって土は夏の間も適温を保ち、冬は腐葉土となってフカフカになる。大豆を一緒に植えることで土中の微生物が育つ、そんな自然のままの土のサイクルが、りんごを育ててきたといいます。また木村さんが昔ながらの農法にこだわるのには、理由がありました。「農薬や化学肥料に頼って作る現代の作物は、栄養価も下がっているのです。科学技術庁の『日本食品標準成分表』でもそれは明らかです。たとえば1951年と2000年で比較すると、ほうれん草のビタミンAは8,000IUだったのが、約50年後には700IU、1/10以下に。ミカンのビタミンCは、2,000IUから33IUに。私たちは昔のように食物から栄養を摂ることが難しくなっているんですね。これは大変なことです」今、私たちがやるべきは「次世代に伝える畑を作ること」だと木村さん。大分県臼杵市の、土からはじまる畑づくり木村さんの奇跡が、少しずつ全国に拡がりをみせているなか、大分県の臼杵(うすき)市では、次世代の畑のための土づくりが行われています。無化学合成農薬・無化学肥料の野菜作りを推進するため、2010年から元気な土づくりを始めたのです。映画『100年ごはん』は、その過程を描いたドキュメンタリー映画です。「健康な土で育った “ほんまもん農作物” を、未来の子供たちのために作っていきたい」という市をあげての情熱が、さまざまな人たちを動かしていきます。※「ほんまもん農作物」=臼杵市で認定している農産物の認定制度上映方法が実にオリジナルで、【映画を観て + 共に食事をし + 語り合い + 土に触る】という、五感で体験する上映会を、全国100カ所近くで行っています。100年後の未来も、おいしいごはんが食べられるのかな?あの大林宣彦監督の長女で、料理家でもある大林千茱萸(おおばやしちぐみ)監督が、映画撮影を開始したのは2009年。自ら汗を流してほんものの野菜作りに奔走する前市長からのラブコールに応え、監督することを決めたそう。映画は4年がかりで、120時間の撮影を経て完成されました。映画では、臼杵市役所、市民、教育委員会、給食センター、農協、有機JAS認定機関、加工業者、飲食業者、実際に土を耕す生産者、野菜を買う消費者、そして野菜を食べる子供たち…取り組みの経過とともに、それぞれの日常で少しずつ変化していく人たちが登場します。そしてリアルなドキュメンタリーと同時平行で、現在の「ワタシ」と、100年後の未来の「アナタ」がファンタジーのように言葉を交わし、私たちにいくつもの疑問を投げかけます。はたして100年後の未来も、おいしいごはんが食べられるのかな? と。農薬のこと、気候変動、農家の担い手減少と食料自給率の問題など、いま、私たちの食にまつわる不安はいろいろ。だからこそ、100年後の未来のために、いまからできることを始めなくては。そんなことを考えてしまいます。「映画にさまざまな立場の人が登場するのは、ご覧になった皆さんの立場に寄り添い、他人事ではなく、“自分事”として捉えてもらえたら…という想いから。これから私たちは未来ために何をどう選択していけばいいのか? 臼杵市の例を描いていますが、各地でこうした力強い動きが始まっていることを知って欲しいのです。『はじめの1歩は100歩分!』がこの映画のキーワードなのですが、まずは “知ること” が “はじめの1歩” 。そして映像の行間にある “何か” を感じて、皆さんが暮らしを考えるきっかけとしていただけたら嬉しいです」(大林千茱萸監督)「食だけでなく、食と暮らし、環境まで広い視野で考えて欲しいとの気持ちから活動を続ける私たち。この映画には、まさに同じテーマが描かれていると共感しました。ぜひこの機会に、これからの食のあり方について関心を持っていただけたら」(ホールフード協会 タカコナカムラさん)映画鑑賞のあとは、ホールフード協会 タカコナカムラさんによるオーガニックフードをつまみながら、参加者みんなで意見交換しながら交流も。五感で楽しみ、感じるイベントとなりました。映画『100年ごはん』の予告編はこちら。全国各地で、自主上映会が開催されています。開催情報および予告編はHPにて。 映画『100年ごはん』【プロフィール】木村秋則(きむらあきのり)1949年、青森県中津軽郡岩木町生まれ。木村興農社社長。弘前実業高校卒。川崎市のメーカーに集団就職するが、「農業を手伝ってほしい」という父の説得により、1年半で退職する。1971年から家業のリンゴ栽培を中心に農業に従事。農薬で家族が健康を害したことをきっかけに無農薬・無肥料栽培を模索する。10年近く無収穫、無収入になるなど苦難の道を歩みながら、ついに無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功し「奇跡のリンゴ」と呼ばれている。現在はリンゴ栽培のかたわら、全国、海外で農業指導を続けている。 大林千茱萸(おおばやしちぐみ)東京都生まれ。「天皇の料理番」元宮内庁東宮御所大膳課主厨・渡辺誠氏に師事し、料理家としても活躍。西洋食作法講師・ホットサンド倶楽部主催と様々な肩書きを持つ。11歳で『ハウス/HOUSE』(1977)原案。14歳より映画感想家として、文筆業開始。大林宣彦監督作品では、メイキングや音楽コーディネートなどを担当。AKB48の「So long!」(2013) MVでは数エピソードの脚本・演出を行う。うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテストでは審査員を務める。本作が単独監督初デビュー作品となる。著者に「ホットサンドレシピ100」(シンコーミュージック刊)、責任編集本には「リュック・ベッソン」(キネマ旬報社刊)など。 大林千茱萸 Facebookページ タカコナカムラ日本CI協会リマ・クッキングで桜沢里真にマクロビオティック料理を師事。渡米。全米を遊学後、Whole Foodの概念に出会う。2003年東京・表参道にて「Brown Rice Café」のメニュープロデュース。2006年7月独立後、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ、「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を開校。「塩麹」「50℃洗い」のブームの火付け役としてテレビ雑誌で活躍。2013年「ベジブロスをはじめよう」(角川マガジンズ)をきっかけに、「ベジブロス」ブームを起こしている。食と暮らしと環境を次の世代へバトンを渡す活動として、2008年5月「ホールフード協会」も設立。一般社団法人ホールフード協会代表理事。近著は『AGEためないレシピ』(パンローリング)など話題の著書多数。
2015年09月11日開幕を2日前に控えた現地時間8日、アレサ・フランクリンのドキュメンタリー『Amazing Grace』が、トロント映画祭の上映ラインナップから外されることになった。映画祭事務局が発表した。「トロントの観客が、このすばらしい芸術作品を観られなくなったことを、とても残念に思います」と映画祭側はコメントしている。その他の情報『Amazing Grace』は、故シドニー・ポラック監督の作品。ポラックが2008年に亡くなった後、プロデューサーのアラン・エリオットが完成させた。だが、1972年の映像をフランクリンの許可なしに使用しないということにポラックが同意していたにも関わらず、映像が使われたとして、先週金曜日にフランクリン側は、公開差し止めを求める訴訟を起こした。これに伴い、テルライド映画祭での上映も中止され、10月に予定されていたシカゴでの試写もキャンセルになっている。文:猿渡由紀
2015年09月09日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)と、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul GAULTIER)のドキュメンタリーDVDがそれぞれ9月16日に発売される。斬新な発想で多くの人々を魅了してきたファッション界の先駆者、アレキサンダー・マックイーン。今回発売されるDVD「The legacy of Alexander Mc Queen」(3,800円)では、初期の作品から、アレキサンダー・マックイーンの死の直後にパリにて限定のプレスのみで行われた10-11AWコレクションのショーまでを、その都度行われていた本人のインタビューなどを交えて収録。ロボットがモデルの衣装にスプレーを吹き付けた99-00SSの伝説のショーや、06-07AWのケイト・モスのホログラム立体映像、斬新な格子柄が印象的な09-10AWコレクションなどの貴重な映像が収められている。一方、「ジャンポール・ゴルチエ」のドキュメンタリーDVD「JEAN-PAUL GAULTIER AT WORK」(3,800円)では、ジャンポール・ゴルチエ本人が、80年代から現在までの厳選したショーを映像で振り返りながらデザイン手法を解説するという、業界人必見の映像となっている。ファッションショーやテレビ出演よりも、自らの手で服作りをすることを大切にするジャンポール・ゴルチエ。実際にモデルの体に纏わせながらデザインをする様子など、彼の服作りにおける発想から制作までの過程が、実演・再現によって描き出されている。
2015年08月06日事実を映し出すドキュメンタリー映画はとても興味深い。現実にこんなことが起きているのか、地球上にこんな景色があるのか、自分の知らないことであればあるほどのめりこんで見てしまうものだ。けれど、ものすごく昔、ドキュメンタリーは退屈な映画だと思っていたことがある。おそらく学生時代に眠くなるような、まったく興味を持てないようなドキュメンタリーを見たからではないかと…。一旦、記憶に刻まれてしまうとそれを面白いものとして塗りかえることはなかなか難しい。塗りかえるにはマイナスをプラスにするほどのドキュメンタリーと出会わなくてはならない。たとえば、ヴィム・ヴェンダース監督の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』はそのひとつだった。そして、彼が新たに世に送り出す『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』もまた素晴らしい。セバスチャン・サルガドとは写真家の名前。世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られる稀代のアーティスト。その彼が撮った一枚の白黒写真──住む場所を追われ難民となったトゥアレグ族の“盲目の女性”の写真と出会い心奪われたヴェンダース監督は、サルガド生涯最後のプロジェクト「Genesis」の全貌を追い、彼がこれまでに撮ってきた写真と写真家になるまでのヒストリーや写真家として世界を飛びまわる日々についてインタビュー。それらを繋ぎ合わせてドキュメンタリーに仕上げた。サルガドって誰?という人であっても、この1本を見ればサルガドがどういう人物なのか、どういう活動をしてきたのか、どれだけ人を惹き付ける写真を撮るのかが分かる。圧倒的な写真と映像に釘付けになるだろう。「ギリシャ語で“フォト”は光、“グラフィン”は書く・描く」であるから「フォトグラファー(写真家)とは“光で描く人”を指す」というセリフが一番最初に登場する。そこから先は、次から次へと力強い写真が映し出される。モノクロを基調とした写真の数々は例外なく力強いものばかり。行ったことのない国、地域。知らない民族、伝統。知っているけれど見たことのない動物たちの生態、一瞬の表情。自然の美しさと驚異──もう、驚きの連続だ。ヴェンダースが1枚の写真と出会い心を突き動かされたように、この1本のドキュメンタリー『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』はきっと見た人の心を刺激する。(text:Rie Shintani)
2015年08月04日「Perfume」の今年第2弾となるのシングル「STAR TRAIN」が、「Perfume」初のドキュメンタリー映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』の主題歌として今秋リリースされることが決定した。結成15周年、メジャーデビュー10周年を記念して制作され、2014年に3回目の開催となったアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地を回ったワールドツアー「Perfume WORLD TOUR 3rd」と、世界最大規模のフェス「SXSW 2015」の様子に密着したドキュメンタリー『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』。すでに国内外問わず話題の本作では、圧巻のパフォーマンスで海外各地のオーディエンスを熱狂させた3人の素顔や、これまで「Perfume」があまり見せることのなかった舞台裏の模様など、彼女たちの努力と成功の裏側に迫る完全密着ドキュメンタリーに仕上がっている。このほどリリースが決定した新曲「STAR TRAIN」は、ドキュメンタリー制作スタッフの熱い想いから、自身を題材とした初の映画を快諾したメンバーが、映画主題歌となる新曲を制作するにあたり自らを見つめ、プロデューサー中田ヤスタカ氏に直接想いの丈を伝え完成した楽曲。これまでの15年間、ひたむきな努力で未来を生み出してきた3人の魅力がつまった、渾身の一曲に仕上がっている。プロデューサーの中田さんは「メジャーデビュー10周年おめでとうございます。あっという間の10年、色んなことが変わったように見えて僕らは何も変わりません。これからも最新の作品が最高の作品になるよう力を合わせていきましょう」と、今後も「Perfume」の3人と素晴らしい音楽を届けてくれうであろう力強いコメントをしている。日本のみならず海外でもその人気は高まるばかりの「Perfume」。新曲「STAR TRAIN」、そしてアニバーサリーイヤーに公開されるドキュメンタリー映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』と合わせて、今後も「Perfume」から目が離せそうにない。『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』は10月31日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月01日hide生誕50周年に合わせて制作された、ドキュメンタリー『JUNK STORY』の海外展開プロジェクトが、クラウドファンディングサービス「Makuake」で30日(木)18時よりスタートした。衝撃的な死から17年経った今も尚、多くの人に愛され、慕われ続けるミュージシャン・hide。彼の生き様、足跡、思いが描かれたドキュメンタリーとして公開された『JUNK STORY』は、5月23日に国内で上映され大きな反響を呼び、「ぴあ映画初日満足度ランキング」では1位に輝いている。今回クラウドファンディングサイト「Makuake」にて立ち上げられたプロジェクトは、当初予定していた海外展開の規模拡大を目指すもの。日増しに大きくなる海外での上映を求める声を受けて、根強いファンが多い台湾・香港・韓国などのアジア圏内、最近ジャパンカルチャーに関心の高いフランス・ドイツなどのヨーロッパ、そしてhideの海外進出の夢でもあったLAをはじめとした北米、といったような地域での上映を目指す。集められた資金は、劇場での上映を始め、番組での放送やネットでの配信、そしてDVD化やブルーレイ化などに使用され、プロジェクトのサポーターには、海外展開活動レポートが送られてくるほか、海外版のエンドロールへの名前記載、海外版のDVDやオフィシャルサポーター専用オリジナルピンバッジのプレゼント、さらにはトークイベントつきの海外版上映会イベントへの招待などの特典を受け取ることができる。ミュージシャンや関係者など、hideを知る様々な30名を超える人物のインタビューを新たに撮影し、約1,000時間に及ぶ過去映像の見直し作業、膨大な写真群の整理などを経て制作されたという本作。「歌謡大賞とかレコード大賞はいらないけど、俺はグラミー賞を取る!」というhideの想いを引き継ぐ本作が、海外でどういった評価がされるのか、大いに期待がかかる。「hideドキュメンタリー映画『JUNK STORY』海外上映公式サポーター募集」プロジェクトは「Makuake」にて資金調達中。(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日世界最大のインターネット映像配信ネットワーク「Netflix」にて、「ローリング・ストーンズ」のギタリスト、キース・リチャーズの軌跡を描くドキュメンタリー『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエンス』(原題)が9月18日 (金) より全世界独占配信されることがこのほど決定した。『バックコーラスの歌姫たち』で第86回アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したモーガン・ネヴィルが監督を務める本作は、アカデミー賞とエミー賞の受賞歴があるRadical Media(『ニーナ・シモン~魂の歌』、『フォッグ・オブ・ウォー』) が製作を手掛け、キース・リチャーズの真の姿を美しく映し出し、作曲家、ギタリストそしてエンターテイナーとしてのキースの音楽の起源に迫る。「ローリング・ストーンズ」時代から最新のソロレコードまで、キースの成長を促し、影響を与えた人物や場所を巡る作中では、作品を次々と発表し人気を博した絶頂期の貴重な記録映像から、気さくでありながら、時には深く考え込むキースのインタビュー映像、そして人々に愛されるキースが伝説になるまでの長く独特な道のりを収録した貴重な作品に仕上がっている。監督のモーガン・ネヴィルは「もしロックンロールのマウント・ラッシュモア(ラッシュモア山)があるなら、キースの顔は間違いなく刻まれることでしょう。彼はいつでもロック・ミュージックの魂を体現しています。その光も闇もすべてを。そしてキース・リチャーズは、とても真面目な人間で、ユーモアや知識、そして知性を備えた人物でした。この映画には、ありのままのキースが映し出されています。」と語っている。キース・リチャーズの音楽と社会的影響力の変遷を、エレクトリック・ブルース、カントリー・ホンキー・トンク、サザン・ソウルなど彼が影響を受けた音楽や、さらには現在影響を受けている音楽と共に辿る本作。ロック・ミュージックの“リヴィングレジェンド”の素顔に迫るドキュメンタリーとして、大きな注目を集めそうだ。『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエンス』(原題)は9月18日 (金) より「Netflix」にて配信。日本での配信は2015年予定。(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日フリーダ・カーロという画家を知っていますか? 1907年メキシコ生まれ。6歳の時に小児マヒを患って右足は短いまま、18歳で電車とバスの衝突事故に遭い、バスの折れた鉄柱が下腹部を貫通。脊椎、鎖骨、右足、骨盤の骨折で一時は医者にも見放され、生還しても47歳で亡くなるまで後遺症に苦しみ、それでも情熱的に描き続けたフリーダのことを。死後50年を経て、フリーダ・カーロ博物館からの依頼で彼女の遺品を撮影することになったのが、原爆で亡くなった人々の衣服を撮影した写真集「ひろしま」などで著名な世界的写真家、石内都さんでした。石内さんをテーマに映画を撮りたいと念願していた小谷忠典監督が、メキシコで石内さんに同行してカメラを回し、さらにメキシコの歴史や文化にも分け入って撮影した映画が、この魅力的で貴重な「フリーダ・カーロの遺品」です。遺品なのに、まるでフリーダが生きているかのよう! 偉大な画家というより、一人の女性としてフリーダを甦らせた石内さんは、普遍的な“女の人生”を私たちに突きつけます。女性として芸術家として、共通点を持つこの二人を、生と死の境を越えて活写した小谷監督にお話を伺いました。自分の傷に気づかせてくれた石内さんをテーマに、映画を撮りたい学生の頃から石内さんのファンで、いつか彼女の映画を撮りたいと思っていた小谷監督がインスパイアされたのが、石内さんが身体の傷を撮った写真集「scars」でした。「10年位前、結婚したいと思ったバツイチの女性に子どもがいて、その子の父親になりたいと思った時、引っかかるものがあったんです。それが何かはわからなかったけれど、石内さんの写真を見た時、自分の傷に気づかされて。自分には、父親がアルコール依存症という問題がずっとあったのですが、そのことと向き合わないと進めないんだなと」父親の理想像を追い求め、実際の父親とぶつかっていた自分が、石内さんの写真を見たことによって理想が崩れ、父親を一人の人間として受け容れられるようになったとか。その変化は非常に大きく、後に小谷監督は、自身の家族を撮った映画「LINE」のパンフレットで石内さんにコメントを依頼します。今回、彼女をテーマに映画を撮りたいと連絡した時は、たまたま石内さんがメキシコに旅立つ2週間前だったとか。「まさか、メキシコへ行ってフリーダを撮ることになるとは、全然思ってなかったです。こんなすごいプロジェクトを見過ごすわけにはいかないでしょう! とプロデューサーを説得し、石内さんの到着した2、3日後、どうにかメキシコに降り立ちました」フリーダ個人の奥にあるメキシコの歴史や文化を投影青く塗られた壁が印象的な、通称“青い家”。フリーダ・カーロの生家であり、夫の画家ディエゴ・リベラと結婚生活を送り、最期の時を迎えた場所、フリーダ・カーロ博物館の陽光の当たる中庭や、風通しのよさそうな明るい室内で、石内さんが撮影しています。何万点もある遺品の中から、即決で選び、撮らないものは「アディオース!」と除けていく姿勢の軽々と楽しげなこと。そのキュレーションの見事なこと。「石内さんも、最初はフリーダ個人を捉えていたんですけれど、遺されたものの中にある色彩とか質感、ディテールから、フリーダ個人より、もっと奥にあるメキシコの歴史とか文化に、どんどん着眼されていったんです。ただの記録では映画にする意味がないので、そういった石内さんの目には見えない仕事も可視化するというか、映像で伝えたいなあという思いがあったので、翌年、もう一度メキシコを訪れたんです」フリーダの母親の出身地オアハカで死者の祭りを撮影し、フリーダが日常的に愛用した伝統衣装テワナドレスを作る刺繍家の女性たちを取材するなど、映像に民俗色豊かな色彩感と文化の奥行が加わりました。テワナドレスは母から子へと受け継がれるとか。女性の手仕事も脈々と受け継がれ、「着物と同じね」と石内さんが撮影中に共感するシーンも。フリーダの強さは日常をちゃんと送っている生命力の強さ「フリーダは衣装持ちですが、その中でもテワナドレスは圧倒的に多い。痛みをあれだけ抱えた人だったので、衣装に守られているという感覚があったんじゃないでしょうか」1937年ヴォーグに載った時に着ていたグリーンのブラウスが、お洒落で驚きました。「自分をアピールするために、戦略的だったとは思うんですけれど、それだけじゃなく本当に大事にしていたんでしょうね。ただ、彼女はセルフプロデュースが本当に上手い人だと思います。本人は身長150cm足らずなのに、あれだけ大きく見せるというか、強く見せるというのは、衣装の力が大きいと思いますね」フリーダは、洗練された独自の感覚でテワナドレスを注文していたので、現地の刺繍家たちからは、あれは伝統本来のものではない、と言われているようです。「センスいいですよね。石内さんも着物を着崩して着るんですけれど、本当にかっこいいと思います」石内さんが淡々と撮影した写真は、光や風と柔らかく重なり合って、まるで家族の遺品をファミリーで見ているような親密な日常感に繋がってくるから不思議です。「石内さんもおっしゃってましたが、フリーダはいろいろセンセーショナルな物語を抱えていましたけれど、彼女の強さはそういうものじゃなく、あれだけの障害を抱えながら、ちゃんと日常生活を送っていた強さだと。映画でも、フリーダの日常の生命力を描きたいと思っていました。彼女は衝撃的な絵を描いていますが、タッチとか見るとすごく繊細で可愛らしかったりするんですよね。実物を見ると、よりそれは感じました」そんなフリーダの遺品を、あちらのスタッフが「こんなところで撮るの?」と驚くほど、石内さんはカジュアルに撮影していたとか。「ものを撮ってる感覚ではなく、身体としてものを撮れる人だから、フリーダ像を一回とっぱらって、もう一回、普遍的な女性というものを立ち上げるんだという意識は、最初から持っていたと思うんです」と小谷監督。撮影中も、「フリーダ、そうだったの」と話しかけながら撮影していたという石内さん。メキシコに行く前から話しかけていたそう。「フリーダ、呼んでくれてありがとう」と。そんな女性二人の息吹が伝わってくる「フリーダ・カーロの遺品」、自分に投影して観てみませんか? きっと新しい発見があり、生きる勇気が湧いてくるはずです。ドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 ― 石内都、織るように』2015年8月からシアターイメージフォーラムほか 全国順次公開監督・撮影:小谷忠典 出演:石内都 予告編: 小谷忠典(こたに・ただすけ)1977年大阪出身。絵画を専攻していた芸術大学を卒業後、ビュジュアルアーツ専門学校大阪に入学し、映画製作を学ぶ。『子守唄』(2002)が京都国際学生映画祭にて準グラン プリを受賞。『いいこ。』(2005)が第28回ぴあフィルムフェスティバルにて招待上映。初劇場公開作品『LINE』(2008)から、フィクションやドキュメンタリーの境界にとらわれない、意欲的な作品を製作している。最新作『ドキュメンタリー映画100万回生きたねこ』(2012)では国内での劇場公開だけでなく、第17回釜山国際映画祭でプレミア上映後、第30回トリノ国際映画祭、 第9回ドバイ国際映画祭、第15回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭、サラヤ国際ドキュメンタリー映画祭、ハンブルグ映画祭等、ヨーロッパを中心とした海外映画祭で多数招待された。映画写真 ©ノンデライコ2015
2015年07月24日今年で結成15周年、メジャーデビュー10周年を迎えたPerfume初のドキュメンタリー映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』が10月に公開されることが決定した。彼女たちが昨年から今年にかけて行ったワールドツアーに密着した作品だ。その他の情報Perfumeは近年、日本だけでなく海外でも活動を行っており、ハイクオリティなパフォーマンスと、最新テクノロジーを駆使したステージングが高い評価を集めている。今回の映画は、彼女たちが行った『Perfume WORLD TOUR 3rd』と『SXSW 2015』への参加にカメラが密着し、世界各国で熱狂的な支持を集める彼女たちの姿と、知られざる苦悩、ステージの裏側を描き出す。映画について、あ~ちゃんは「やっと叶ったアメリカ公演のわたしたちPerfumeのドキュメンタリーをそのまんま映画にしてもらいました。信頼しているスタッフさんと一緒にまわったので、本当に自然な私達が収められています」と言い、のっちは「えー、この映画では、わたくしがロンドンLIVEという大舞台で、盛大かつ豪快に間違えている一部始終が、本人解説付きで大画面でご覧になれます」と宣言。かしゆかは「私たち三人だけじゃ決して成り立たない、支えてくれて、力をくれるたくさんの方々のおかげでライブが出来ているということ、その人たちがいるから頑張れるということを改めて感じさせてくれる映画になりました。Perfumeをつくる全てが詰まっていると言っても過言ではない!…と思います!(笑)」とコメントしている。『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』10月31日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
2015年07月22日レアル・マドリードのスター選手クリスティアーノ・ロナウドのドキュメンタリー映画が製作されていることがわかった。本人がツィッターで明らかにしたもの。タイトルは『Ronaldo』。撮影はすでに終了しており、現在ポストプロダクションの作業に入っている。その他の情報映画は、1年をかけてロナウドを追うもので、マドリード、リスボン、アメリカ、ブラジルなどで撮影されたとのことだ。監督は、英国アカデミー賞受賞監督のアンソニー・ウォンケ。ユニバーサル・ピクチャーズが配給する。北米公開は今年秋の予定。文:猿渡由紀
2015年06月11日「ぴあ」調査による2015年5月22日、23日のぴあ映画初日満足度ランキングは、hide初のドキュメンタリー映画『hide 50th anniversary FILM JUNK STORY』がトップに輝いた。2位にしげの秀一原作の『頭文字D』を3部作で映画化する第2弾『新劇場版「頭文字D」 Legend2-闘走-』が、3位に海洋アクション・アドベンチャー『パイレーツ』が入った。その他の写真1位の『hide 50th anniversary…』は、1998年に急逝してから17年。今なお絶大な人気を誇り、音楽シーンに多大な影響を与え続けているhideの素顔に迫った記録映画。出口調査では、「とにかく涙が止まらなかった。解散シーンは涙なしでは観られないほど感動した」「映像を通して熱量を感じることができる良い映画だった」「みんなのコメントによってhideの生前の姿が浮き彫りになっていく構成がいい。hide自身が少年時代を語るところに一番グッときた」「hideの生い立ちを映していくので、知らない人にこそ観てほしい」「亡くなったとき本当にショックで、この10年くらい曲を聴けなかったが、hideさんが50歳を迎えるこのタイミングで喪が明けてきたように思う。hideさんの物語は終わったわけではない。これからも続いていくということが伝わってきた」などの感想が寄せられた。2位の『新劇場版 頭文字D…』は、最速を謳う高橋兄弟と主人公・藤原拓海の公道バトルを描いた『…Legend1-覚醒-』に続く第2弾。観客からは「ハチクロとGT-Rのバトルシーンは前作よりも迫力満点でカッコよくてドキドキした」「主人公の成長していく過程がいい。画がキレイで、映画版ならではの迫力とスピード感に満足」「『頭文字D』の魅力が出ていて引き込まれた。声優さんたちも躍動感ある演技で世界観を作り出していた。次回作が楽しみ」という声が上がり、男性客を中心に支持を集めた。(本ランキングは、5月22日(金)、23日(土)に公開された新作映画12本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)(C)HEADWAX ORGANIZATION CO.,LTD.(C)2015 hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」製作委員会
2015年05月25日昨年のヴェネチア映画祭で栄誉金獅子賞を受賞したドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督。これまで精神疾患の犯罪者たちの矯正施設からパリの老舗ナイトクラブまで撮影してきた重鎮は、新作『ナショナル・ギャラリー~英国の至宝~』でターナーやレンブラントなどの絵画を所蔵する世界有数の美術館の世界へと足を踏み入れた。その他の画像毎回、通常は扉の閉ざされた場所へカメラを入れるワイズマン監督。聞くと美術館は1度トライしたかった場所だった。「あまりに昔のことでもう忘れてしまったけど(笑)、初めて美術館を訪れたのは中学生のころ。誰かの絵画が好きになったとかではなく、あの空間が好きでよく行くようになった。今も地元のボストン美術館にはよく行くし、海外を訪れた際も近くにいいミュージアムがあれば必ず足を運ぶ。それで実は1度、ある美術館に撮影を申し込んだことがあるんだ。でも、撮影料を要求されてね。私はそういう形で撮影や取材を一切したことがないから断ったんだ。それ以来、話はなく、もう縁がないと思いかけていた」その遠ざかっていたチャンスはふいに訪れる。「何年か前、旅先で偶然ナショナル・ギャラリーの職員に出会ってね。館長やキュレーターを紹介してくれて、彼らに私の過去の作品を見てもらったら、OKが出たんだ。私の作品は、ほとんどがこんな偶然の出会いから始まっている。人生って不思議だよね。撮影も偶然の積み重ねだ。狙って撮れるものなんてない」撮影は約12週間、1日12時間も美術館にはりついた。こうして出来た作品は、ミュージアムのスタッフから一般客、開館時間帯から閉館中、ギャラリー内から舞台裏までをくまなく記録。一連の作品同様にナレーションも音楽も使用せず、多角的な視点で捉えた映像のみでナショナル・ギャラリーに流れる時間、人とアートの関係、そこで働く人々の情熱といった美術館の日常そのものを静かに浮かびあがらせる。「私が常に作品のテーマに置くのは“場所”と“そこに集う人々”。そこから見えてくる何かがある。今回もそのテーマに変わりはない」85歳となった今も新作をコンスタントに発表しているワイズマン監督。今後について100歳を超え現役を続けるマヌエラ・オリヴィエラを例に聞くと「ああいう形で創作を続けられたら理想だ」と語り、力強くこう続けた。「どこまで続けられるかわからないけど、体の続く限り創作を続けていくつもりだよ」『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』1月17日(土)よりBunkamuraル・シネマほかにて公開※取材・文:水上賢治
2015年01月15日「ぴあ」調査による2014年12月5日、6日のぴあ映画初日満足度ランキングは、ロックバンドBUNP OF CHICKENのライブツアーを追ったドキュメンタリー『BUMP OF CHICKEN“WILLPOLIS 2014”劇場版』がトップに輝いた。2位に映画『リトル・ダンサー』のミュージカル版『ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー』が、3位に岸本斉史の人気コミックの劇場版第10弾となる最新作『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』が入った。その他の写真1位の『BUMP OF CHICKEN…』は、バンプが今年4月から7月にかけて行ったライブツアー“WILLPOLIS 2014”を追った記録映画。出口調査では「楽屋での様子など、普段見られない姿がたくさん出てくるのでファンにはたまらない! 影で大変な努力をしている彼らの姿は涙なしでは観られなかった」「メンバーの思いが伝わってくるような映画だった。本当はこういうことを考えていたんだ、とわかる場面もあって、更に彼らを応援したくなった」「音楽を中心とした構成でよかった。過去に行ったライブのドキドキ感や感動が思い出され、ライブに行ったような気持ちを味わえた」「ライブの時にはわからなかった演出が映画になることで緻密にわかった」など、10代から30代までのファンを中心に熱い支持を集めた。2位の『ビリー・エリオット…』は、偏見に負けず夢へとひたむきに進む少年と、家族の姿を描き、世界中で80以上の演劇賞を受賞した感動作。観客からは「バレエも歌声もパワフルで、ストーリーも感動的で楽しかった」「夢を持つ主人公に励まされた。バレエやタップなど、さまざまなダンスが観られたのもよかった」「実際に目の前で観ているような臨場感があって素晴らしい。特にラストは壮大で迫力があり、拍手をしてしまいそうになるくらい感動的だった」「生のミュージカルを観るのと違って、カメラが撮る映像を観るので、普段は気付かないような細かいところに目が行き、新しい見方が出来て新鮮だった」などの感想が寄せられた。(本ランキングは、12月5日(金)、6日(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2014年12月08日ドラマも映画もバラエティも日本びいきの私が、唯一海外モノにハマっているのがドキュメンタリー番組。『ディスカバリーチャンネル』『アニマルプラネット』『ヒストリーチャンネル』『ナショナルジオグラフィック』のどれを見ても、理屈抜きで楽しいのだ。ただ、同時に「日本のドキュメンタリー番組も、これくらい面白かったらいいのに……」とも思ってしまう自分がいる。海外のドキュメンタリー番組が、世界中の人に向けて作られたものである以上、スケールの大きさで劣るのは仕方ないとしても、理由はそれだけではないような気がする。今回は日本の番組制作現場を取材し続けてきた経験をもとに、その違いについて考えてみたい。○ドキュメンタリーでは食っていけないドキュメンタリーである以上、基本的に台本や演出があってはいけない。人間にしろ、動物にしろ、手を加えることなく、ありのままの姿を映したものが前提となる。その映像を編集するときに、作り手による何らかの意図が入るが、取材対象者が主役であることに変わりはない。例えば、『ディスカバリーチャンネル』で9月に放送を開始した『ザ・マンハント』。これは元アメリカ海軍兵士ジョエルが各国のエリート特殊部隊を相手に"ガチの鬼ごっこ"に挑むというもの。わずかな痕跡も見逃さない特殊部隊と、それを分かった上でトラップを仕掛けるジョエルとの緊迫した神経戦にハラハラドキドキさせられてしまった。ところで、「鬼ごっこ」と聞いて、日本のある番組を思い浮かべた人は多いのではないか。そう、『逃走中』である。タレントたちが賞金獲得を目指して逃げ回る同番組は、あくまでバラエティ番組であり、ある程度の演出が想定され『ザ・マンハント』と比べるのはアンフェアだ。しかし、『逃走中』の制作スタッフが、『ザ・マンハント』のようなドキュメンタリーにレベルアップさせられないというのは確かだ。両者の間にある大きな差は、察しの通りスタッフと予算。日本は撮影を手がける技術クルーの絶対数が足りない上に、何より生活がかかっているため、長期にわたる密着が難しい。「他の仕事もある中、どこまで追いかけるのか? どこでよしとするのか?」、決して「労力を惜しんでいる」というのではなく、労力に対する報酬が足りないから、結局できないのだ。例えば、日本でもパパラッチ系カメラマンは、スクープ写真さえ撮れれば引く手あまたであり、それなりの報酬を手にできるが、ドキュメンタリー映像はいいものが撮れても、発表の場も報酬も少ない。この十数年で民放地上波のドキュメンタリー番組が減ったことも向かい風となり、日本のドキュメンタリー番組は負のスパイラルに陥ってしまった。このような状況では、作り手たちが情熱を燃やせないのも仕方がないのである。○「わざわざ見る」土壌がないさらに、『逃走中』との比較から浮かび上がるのは、ドキュメンタリー番組を見る土壌。残念ながら日本には、『ディスカバリーチャンネル』などのような有料チャンネルを契約して「わざわざ見よう」「知的好奇心を満たそう」という人がまだまだ少ない。その点、「多数の加入者から定期的な収入を得て、制作費にあてられる」有料チャンネルは強い。例えば、『ディスカバリーチャンネル』が、『ザ・マンハント』のような骨太な企画に加え、「ネコを集めて群れにする」「トラックで渋滞に突っ込む」などのバカバカしい『怪しい伝説』シリーズを作れるのは、その土壌あってのことだ。日本のバラエティ番組でも、『水曜日のダウンタウン』や『探偵!ナイトスクープ』などで『怪しい伝説』シリーズと似たようなことをやっているが、やはりバラエティ番組という前提があり、深堀するのではなく、意図的に笑いを足しているのが伝わってしまう。見方を変えれば、日本のバラエティ番組は、海外に引けを取っていないとも言えるのだが、「もう1歩踏み込む、もう1枚壁をブチ破る」ことさえできれば、両立させられるのではないだろうか。○民放は報道に準じた番組ばかりでは日本のドキュメンタリー番組には、どのようなものがあるのか? 予算やスタッフの数が段違いのNHKは、長期取材が可能であり、全国支局との連携もできるため、常にたくさんの番組を制作している。その筆頭で25年もの放送歴を誇るのが『NHKスペシャル』。取り扱うテーマは、政治・経済、事件、歴史、生物、スポーツなど幅広い上に、数回にわたる大型シリーズもあり、海外の番組に引けを取っていない。昨年放送された佐村河内氏の特集でミソをつけたが、それだけで評価が揺らぐことはないだろう。一方、民放各局のドキュメンタリー番組は、報道に準じたテーマが目立つ。「事件や社会問題を取り上げ、取材を通して現実を浮かび上がらせようとしている」のだが、実際のところ報道番組のそれと見分けがつかないのだ。ちなみに、報道番組で大切なのは中立性だが、ドキュメンタリー番組は必ずしもそうでなくてもいい。ある人物の視点から徹底的に描いてもいいのだが、事実を紹介するだけにとどまり、本質を追い切れていない番組が多い。また、どうしても日本人の好きな"お涙ちょうだいモノ"ばかりになってしまうのも残念。「視聴者を感動の方向に誘導して、制作側の描いたシナリオ通りに落とし込んでいく」という予定調和的なフォーマットは、ドキュメンタリー番組の定義とは正反対だからだ。その他、「機材の差がありすぎる」「日本はナレーションやテロップが多い」など、日本と海外ではいろいろな違いがあるが、やはり重要なのは、作る側、見る側、それぞれの環境だろう。本来、ドキュメンタリー番組は、さまざまな人間に脚光が当たるものであり、家族そろって楽しめるもの。一人のテレビ好きとして、日本のドキュメンタリー番組が課題を克服し、世界各国からの称賛を受ける日が来てほしいと願う。■木村隆志コラムニスト、テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。
2014年10月22日RAMONESのドキュメンタリー映画『END OF THE CENTURY』が11月8日(土)から14日(金)まで東京・渋谷HUMAXシネマでリバイバル上映する。RAMONESは、1974年に結成されたアメリカの4人組パンクバンド。彼らの足跡に迫った同作は、RAMONESに在籍した全てのメンバーの赤裸々なインタビューに加え、ジョン・フルシアンテやSONIC YOUTHのサーストン・ムーアなど、RAMONESに影響を受けたアーティストが出演し、思いを熱く語っている。今回のリバイバル上映はRAMONESのメンバー、CJラモーンの来日公演開催を記念して行なわれる。同公演は、RAMONESのデビューアルバム『ラモーンズの激情』を全曲披露するという事が既にアナウンスされており、ファンの間で大きな注目を集めている。■CJラモーン来日公演11月4日(火)CLUB QUATTRO(東京都)11月5日(水)名古屋クラブクアトロ(愛知県)11月6日(木)梅田クラブクアトロ(大阪府)11月7日(金)広島・4.14 (広島県)開場18:00/開演19:00料金:前売5,800円(税込)【11月7日(金)広島公演のみ】開場18:30/開演19:00料金:前売 4,800円(税込)■映画『END OF THE CENTURY』上映期間:11月8日(土)~11月14日(金)劇場: 渋谷HUMAXシネマ(東京都)上映時間:103分
2014年09月26日1988年に結成され、米ヒップホップ界を代表するグループのひとつとして知られるア・トライブ・コールド・クエストの軌跡を追ったドキュメンタリー『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~』が11月3日(祝・土)より日本公開されることが決定した。ア・トライブ・コールド・クエストは、Qティップ、ファイフ・ドーグ、アリ・シャヒード、ジェロビ・ホワイトの4人からなるヒップホップ・グループ。ジャズやエレクトロの要素を大胆に取り入れたトラックと、MCの繰り出す巧みなラップで徐々にファンを増やし、現在では米ヒップホップ界を代表するグループのひとつとして多くのファンを抱えている。映画は、そんな彼らの過去と現在を、俳優としても活躍するマイケル・ラパポートが追ったドキュメンタリー作品で、メンバーはもちろん、コモン、ビースティ・ボーイズ、ザ・ルーツ、デ・ラ・ソウル、ジャングル・ブラザーズらが出演。劇中には日本公演の模様や、Qティップが東京を散策する場面も登場しており、日本のファンにはたまらない作品になりそうだ。なお、トラックメイカー/プロデューサーのマッドリブが映画音楽を手がけており、こちらも注目だ。また、日本公開に際しては、K DUB SHINEが字幕監修を担当することが決定している。『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~』11月3日(祝・土)ヒューマントラストシネマ渋谷にてレイトロードショー
2012年08月14日名匠ヴィム・ヴェンダースが、2009年にこの世を去った天才舞踊家ピナ・バウシュが遺した軌跡を捉えたアート・ドキュメンタリー『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』のブルーレイ/DVDが24日(金)にリリースされる。公開時は“アート映画”でありながら“3D映画”として注目を集めた作品だ。その他の写真本作は、舞踊界、演劇界に多大な影響を与えたピナ・バウシュの世界を捉えたドキュメンタリー。ブルーレイとDVDは2Dでの収録となるが、ヴェンダース監督がこだわり抜いた撮影によって、これまで客席では観ることのできなかった視点から、稀代の舞踊家ピナ・バウシュの世界を堪能できる。また、ソフト化に際して未公開シーンを特典として収録。劇映画や通常のドキュメンタリーの削除・未公開シーンは、前後の流れを断ち切られた“映像”でしかないが、ダンス・パフォーマンスを捉えた本作の未公開シーンは、上映時間の都合で収められたなかった“作品”として観ることのできるクオリティの高いものが揃っているという。劇場公開時は、ダンス愛好家だけでなく、一般の映画ファンからも好評を集めた本作だけに、ソフト化を機にさらに幅広い観客から支持を集めるのではないだろうか。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』コレクターズ・エディションブルーレイ 6825円(税込)DVD 5985円(税込)8月24日(金)発売発売元:ギャガ 販売元:ポニーキャニオン
2012年08月13日アイスランド出身の女性アーティスト、ビョークが英国プロデューサーのデイビッド・アッテンボローとタッグを組み、音楽ドキュメンタリー『Attenborough and Bjork:The Nature of Music』(原題)を製作することが決定した。同作は音楽の進化や人間と音楽の関係、今後テクノロジーがいかにその関係に影響を及ぼすのかといったテーマを追究した作品になるとのこと。監督を務めるのはルイーズ・フーパー、製作は『Katy Perry:Part of Me』(原題)や英ポップバンド「ブラー」のPVで定評があるパルス・フィルムズ社が担当。英チャンネル4で放送される。本作の製作総指揮を務めるルーカス・オチョア氏は、本作について「ビョークの革新的な音楽プロジェクト(である2011年の「バイオフィリア」)に端を発した企画」と言い、我々としてはビョークとこのドキュメンタリーを製作することができてとても興奮しています。ビョークはポップ・カルチャーにおいて最もアイコニックな存在で、ほかのどのアーティストもしないような斬新なことを試みる存在なんです」と作品への意気込みを語る。オチョア氏が言う通り、ビョークによるマルチメディア・プロジェクト「バイオフィリア」が強く影響しているという同作では、コトドリやヨシキリなどの鳥のさえずりやシロナガスクジラの鳴き声を織り交ぜて自然界における音楽の存在を表現するものになるようだ。ビョークとプロデューサーのアッテンボロー氏は昨年、3年ぶりの彼女のイギリス公演「マンチェスター・インターナショナル・フェスティバル」が開催された際に、同氏がイントロダクションやナレーションを担当するという形でコラボを実現している。ビョークは子供の頃に見たアッテンボロー氏によるザ・ローリング・ストーンズへのインタビュー映像を見て以来、彼を「私のロックスター」と高く評価しているとか。
2012年08月03日認知症にかかった実母の姿を記録したドキュメンタリー『毎日がアルツハイマー』が7月14日(土)から公開される。本作は『戦場の女たち』『THE ダイエット!』の関口祐加監督が自らカメラをまわして収めた映像をまとめた“長編動画”だ。予告編本作の主人公は、関口監督の実の母、ひろ子さん。2009年から認知症が進行し、記憶や判断力、理解力が徐々に失われつつあるのと同時に“喜怒哀楽”がハッキリとするようになってきたそうだ。そこで監督は約2年半にわたって母との日々を映像に記録し、時にシリアスで、時にコミカルな面も持つ本作を完成させた。本作はあえて“映画”とは呼ばず、“長編動画”と称している。そもそも本作で使用されている映像は、2010年からYoutubeで公開され、その累計視聴数は20万を突破。100時間以上におよぶ映像素材を93分にまとめたものが『毎日がアルツハイマー』だ。これまでもネット上で作品を発表したり、ネット経由で収集した映像を再編集して映画を製作するケースはあったが、ドキュメンタリー監督が“現在進行形”の記録を長期に渡って公開し、その反響を受けて劇場公開作が誕生するケースはまれだ。また、扱っている題材も、家族のあり方、避けられない老い、それでも訪れる日常の笑いやトラブルなど、幅広い観客に受け入れられる内容だけに、劇場公開を機に大きな注目を集めることになりそうだ。『毎日がアルツハイマー』7月14日(土)より ポレポレ東中野、銀座シネパトス、横浜ニューテアトルにて公開
2012年06月11日人気KPOPグループ、2PMと2AMのデビューから現在までを追ったドキュメンタリー映画『Beyond the ONEDAY ~Story of 2PM & 2AM~』の完成披露プレミア試写会が7日に都内で行われ、2PMのチャンソン、ニックン、ウヨン、ジュノ、ジュンス、2AMのジヌン、スロンと大道省一監督が、約15倍の倍率の中から選ばれた644人のファンの歓声に迎えられ登壇した。その他の写真本作は、韓国で“野獣アイドル”と称され日本でも絶大な人気を誇る2PMと、人気ヴォーカルグループ2AMの姿を追ったドキュメンタリー作品。舞台裏やプライベートが垣間見られる映像、インタビューを通して、同じオーディション番組からデビューした兄弟グループならではの絆や素顔を映し出している。挿入歌『No Goodbyes』の作詞作曲も手がけているジュンスは「練習生の時から一緒に練習をして共に過ごしてきたので、家族のような思い出がたくさんあります」と感慨深げ。印象に残っているエピソードを聞かれたウヨンは「水族館での撮影はメンバーと遊びに行った気分で、本当に楽しかったです」とコメント。ニックンは「屋形船に乗っているシーンが景色も綺麗で、食事も美味しく、とても雰囲気がよかった。次回機会があれば、家族と一緒に行ってみたい」と家族思いな一面をみせた。映画の見どころについて大道監督は「一番こだわったのはメンバーそれぞれの十人十色の顔です。そこにはかっこいい彼らや、可愛らしい彼らの顔はもちろん、日本という慣れない土地で活躍する彼らの苦悩も映し出しています」とアピールした。『Beyond the ONEDAY ~Story of 2PM & 2AM~』6月30日(土) よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
2012年06月08日