ハ・ロン湾photo:ひさほ ゆう4年間世界遺産巡りの旅をした世界遺産イェーイ!が、お届けする連載第4弾はベトナム北部の世界遺産でございます!!ベトナムには、8つの世界遺産があるのですが、今回ご紹介するのは、ベトナム北部にある以下4つの世界遺産です。・ハ・ロン湾 (自然遺産)・ハノイ-昇龍(タン・ロン)皇城遺跡の中心地 (文化遺産)・胡朝の要塞 (文化遺産)・チャン・アンの景観美関連遺産群 (複合遺産)この4つの世界遺産はベトナムの首都ハノイ近郊を拠点として観光することができます。文化遺産2件、自然遺産1件、複合遺産(文化と自然両方の基準を満たす)1件とバラエティ豊富なのがすごい!世界遺産には、文化遺産と自然遺産と複合遺産の3種類があり、東南アジアでは全世界遺産36件中、文化遺産22件、自然遺産13件、複合遺産1件!となっています。(2015年5月現在)件数の少ない自然遺産、そして東南アジア唯一の複合遺産まで観光できるとはすごいことなのです!そんなわけで日本からの直行便もあるハノイにビューンと飛んで4つの世界遺産を観光しちゃいましょう!記事の最後にセカイェが行くならこんな日程とルートで行きますってのも勝手に書いちゃいまーす!イェーイ!1. ハ・ロン湾(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「地球の歴史」photo:ひさほ ゆうハ・ロン湾の「ハ」は「降りる」、「ロン」は「龍」を意味しています。昔、天から龍が降りてきて侵略者たちを撃退した際に、辺りの山が砕け、深い谷ができ、そこに海水が流れ込んでハ・ロン湾の景観ができたという伝説を持っている世界遺産です。大小様々な形をした島が無数にあり、その景観は中国の桂林にも例えられ「海の桂林」とも言われてます。ハ・ロン湾は、ハノイからの日帰りクルーズツアーが人気!ハノイからクルーズの船乗り場までバスで4時間弱かけて行き、昼頃に乗船し、船から奇岩を見学したり、ランチを食べたり、洞窟の中を歩いたりして夕方頃に下船し、再びハノイに戻ります。色鮮やかにライトアップされたティエンクン洞窟photo:ひさほ ゆうカルスト地形特有の鍾乳石が美しい!ライトアップがカラフルなのに少々驚くかもしれません。洞窟って涼しいイメージですが、中は意外と蒸し暑いのにもびっくり!ゴリラ岩photo:ひさほ ゆう横から見るとゴリラっぽいので、そのように呼ばれています。ハ・ロン湾にはこのように不思議な形をした岩や島が多く、それぞれに面白い名前がつけられています。こんな感じでボートから絶景奇岩を堪能できます!実はハ・ロン湾ツアーには船の上で1泊するツアーもあるので、夕陽のハ・ロン湾とか月夜のハ・ロン湾を見てみたいですね!・アクセス羽田からハノイまで直行便で約5時間半。ハノイからの日帰りもしくは1泊2日のクルーズツアーに参加するのが一般的。ハノイから船乗り場があるバイチャイまではバスで約4時間弱。・必要日数ハノイからの1日ツアーに参加する場合早朝から夜まで丸一日必要なので、ハノイに2泊3日はしたいところ。2. ハノイ-昇龍(タン・ロン)皇城遺跡の中心地(文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「文明の証拠」、「出来事や宗教、芸術」こちらは、ハノイ中心部旧市街の西側、ホーチミン廟から歩いて約15分のところにある、アクセス良好な世界遺産!かつて栄えたベトナム王朝の美しい皇城や発掘の現場を見ることができます。ハノイはその昔タン・ロン(昇龍)と呼ばれ、長い間政治の中心地であり続けました。そのため中国などから影響を受けた各時代の遺跡が残されているのが特徴です。端門photo:ひさほ ゆう第一城壁にある正門。登ることができるので、ぜひ登って上からの眺めを楽しんで下さい!よーく見ると屋根の上には龍がいますよ!ハ・ロン湾も龍に由来していますし、ベトナムでは龍は特別なものとされています。敬天殿photo:ひさほ ゆうこちらの龍の手すりの石階段の上に皇帝の宮殿があったそうです。この龍の階段を境にして上段が皇帝の政庁、下段が役人の政庁と分けられていました。その他2002年に国会議事堂を移転するために土地の調査をした時に発見されたホアンディウ考古遺跡などもあり、8世紀以降の柱の土台や井戸を見ることができます。・アクセスハノイ市内。ホーチミン廟から徒歩約15分。・必要日数ハノイ滞在数時間でも観光できます!!3. チャン・アンの景観美関連遺産群(複合遺産)登録基準: 「伝統的集落」、「自然の景観美」、「地球の歴史」photo:ひさほ ゆうベトナム北部世界遺産めぐりのハイライト!東南アジア唯一の複合遺産チャンアンでございます! チャンアン一帯は、石灰岩で構成された大地が水に浸食されてできたカルスト地形です。ハ・ロン湾のように海に沈んでいた時代もありましたが、現在は隆起によって地上に出ていることから「陸のハ・ロン湾」とも呼ばれています!こういった自然の景観美などだけではなく、渓谷内の洞窟から約3万年前の人類の生活の跡が発見されたことなどにより文化遺産としても認められ、2014年に複合遺産として登録されました。そんな複合遺産チャンアンは、ハノイからバスで1時間半のところにあるニンビンから手漕ぎのボートに乗って観光するのが一般的。ハノイから車で4時間弱のところから船に乗るハ・ロン湾よりも、実はアクセス良好なんです!ニンビンからは同じく複合遺産チャンアンの一部として登録されている古都ホアルーにも立ち寄ることができます。お寺の見学もできます!photo:ひさほ ゆう船を下船しての寺院見学などもあり、参拝もできます。船にずっと乗りっぱなしではないので小さな子供でも飽きずに楽しめそうですね。このような感じでボートツアーは大体3時間くらいで終了します。古都ホアルーphoto:ひさほ ゆうニンビンの市内から約6kmのところにある古都ホアルー。11世紀、ハノイに遷都されるまでは、ホアルーに都があったのです。こちらの写真は当時の皇帝ディン・ティエン・ホアンの祠の門です。古都ホアルーも世界遺産として登録されているので、ぜひ足を延ばして観光したいところです。チャンアン観光の拠点となるニンビンの郊外には「エメラルダ・ニンビン・リゾート&スパ」というリゾートホテルもありますよ!・アクセスハノイからニンビンまでバスで約1時間半。ニンビンからボートツアー。ハノイからの日帰りツアーも便利。丸一日でハノイからニンビンに移動しボートツアー、ホアルー観光をして夕方にハノイに戻ります。・必要日数ニンビン拠点であれば1泊。ハノイ拠点の場合は丸一日必要なので、ハノイに2泊したいところ。4. 胡(ホー)朝の要塞(文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「建築技術」ハノイから南へ車で約3時間、ベトナムのタインホア州に胡朝の要塞が残されています。この地には1400年から1407年という短い間ですが、胡朝という王朝の首都が置かれていました。ハノイが都であった時代が長いのですが、実はその間に色々あったのです!そんなわけで、短命で中国(明)に滅されてしまった胡朝ですが、その建築技術は大変高く、要塞の四方に作られた堅牢な石造りの門や城壁などが残されています。南門photo:ひさほ ゆう城壁も残されています!photo:ひさほ ゆう近くには博物館もあり瓦などが展示されています。世界遺産に登録されていますが、この門は普通に近くに住んでいる方々が利用しています。門の上に登ることもできるのですが、見渡す限り田んぼが続いていたりのどかな風景が広がっています。ハノイからのんびり足を延ばしてみたいですね!・アクセスハノイから車で3時間。車のチャーターが便利。チャンアンも観光するのであれば、チャンアン観光の拠点となる街、ニンビンに泊まって日帰りで胡朝の要塞に行くのがおススメ。ニンビンからタインホアという街までバスで約1時間半。タインホアから胡朝の要塞までバスで約1時間。・必要日数ハノイ、ニンビンどちらを拠点としても、移動と観光合わせて丸一日かかるので、1泊2日必要。最後にセカイェだったらこんな風にベトナム北部の世界遺産をまわりたい!という日程表です!セカイェツアー日程表 6泊7日ベトナム北部4つの世界遺産を巡る旅1日目:東京→ハノイ ハノイからニンビンにバスで移動 ニンビン泊2日目:胡朝の要塞とホアルー観光 ニンビン泊3日目:チャンアンクルーズ ニンビン泊4日目:ニンビン→ハノイ バスで移動 タンロン遺跡観光 ハノイ泊5日目:ハ・ロン湾クルーズ1日目 クルーズ泊6日目:ハ・ロン湾クルーズ2日目 ハノイ市内観光 ハノイ泊7日目:ハノイ→東京初日は頑張ってニンビンまで移動してニンビンで少しのんびり。チャンアンクルーズは天気の良い日に行きたいので、3日目の天気が悪かった場合はもう一泊ニンビンに泊まって回復を待ち、その後のハ・ロン湾ツアーを日帰りのツアーに変更します!チャンアンとハ・ロン湾はツアーを利用しますが、それ以外の宿や移動は自分で手配するので少し余裕のある日程となっています。(text : 世界遺産イェーイ!鈴木かの子)※記事中の情報は、全て2015年5月現在のものです。※参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム>バックナンバーはこちら
2015年06月02日クリエイト・レストランツは5月27日、京都・四条河原町に抹茶専門店「MACCHA HOUSE 抹茶館」(京都府京都市)をオープンした。同店は、シンガポールや香港を始め、アジア圏を中心に12店舗を展開している。伝統的な日本の抹茶文化を海外展開すると共に、海外でアレンジされた抹茶文化を日本に逆輸入し、"JAPAN SECOND WAVE"というコンセプトで展開していくとのこと。海外でアレンジされたオリジナルメニューの他、日本国内限定のオリジナル抹茶ドリンクやスイーツを提供する。ドリンクメニューには、客の目の前でたてた抹茶を使用するという。同店では、京都の老舗茶商「森半」の抹茶を使用している。ドリンクメニューとしては、和菓子付きの「森半抹茶」(全3種・各500円)のほか、アメリカ・ニューヨークで人気という「カスタマイズ抹茶ラテ」(550円~)も提供。厳選した抹茶3種(抹茶萬歳・抹茶みどり・抹茶あおい)とミルク3種(ミルク・豆乳・アーモンドミルク)をそれぞれ自由に選んで自分だけの"オリジナルブレンド"を注文できるメニューとなる。抹茶とマスカルポーネチーズを使用したスイーツ「抹茶ティラミス」(550円)も提供する。すっきりとした味わいに仕上がっており、器に升を使用することで、ヒノキの香りが抹茶の味や香りを引き立てるとのこと。その他にも、パフェや純氷のかき氷、フードメニューの「おばんざい八種御膳」(850円)なども取りそろえる。なお、同店の営業時間は10:00~22:00(21:30ラストオーダー)。席数は26席で、無休となる。※価格は全て税別
2015年05月27日○世界遺産データ『タリンの歴史地区』(文化遺産)。エストニア。1997年登録。世界遺産を紹介する仕事をしていてつらいのが、「どの世界遺産が一番好きですか? 」という質問です。好きなところがたくさんあるので、とてもひとつに絞りきれません。ですから、「自然遺産では○、遺跡であれば○」とジャンル別にご紹介するようにしています。ただ、強いて好きな世界遺産を3つあげるとするならば、ひとつにはこの『タリンの歴史地区』を挙げたいと思います。なんといっても、中世から続く街並みがそのまま残っているのですから! この街を訪れた時には、大切にしたい宝箱を発見したような気になりました。てくてくとお散歩をするのに最適の大きさですし、ちょっと脇道にそれるとかわいらしいカフェや雑貨屋に出合えます。フィンランドの首都ヘルシンキからは日帰りの船旅も可能です。ぜひタリンにも足をのばしてみてください。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年05月25日ANAクラウンプラザホテル京都(京都府京都市)は5月20日~9月3日の期間限定で、同ホテル屋上にてビアガーデン「KYOTO SKY BAR(京都スカイバル)」を開催する。同ビアガーデンでは、通常は開放されない同ホテルの屋上を期間限定で特別に開放。世界遺産「二条城」を眺めながら、景色と料理を楽しめるという。アラカルトメニューを一品一品オーダする"オーダースタイル"が特徴で、「ロティサリーチキン」(1,300円~)やバーベキューセット(3,500円)、「パーティーセット」(3,000円)などを取りそろえる。飲み放題プランは2時間2,200円。祝日を除く毎週月曜日はレディースデーとして、女性は2時間1,500円となる。また、1,000円で計1,100円分の引換券として使える"ビアガーデンサマーチケット"も販売している。※価格は全て税込
2015年05月21日世界に数ある世界遺産の中でも、誰でも自由に入浴できる"世界遺産の公衆浴場"はひとつしかない。トルコ? タイ?? いえいえ、実は和歌山県にあるのだ。それも、約1,800年前に発見されたという日本最古の温泉なんだとか。どんな温泉なのか、車を走らせて行ってみた。○熊野本宮大社の湯垢離場その温泉は和歌山県田辺市にある「湯の峰温泉」。湯の峰温泉へは熊野本宮大社から車で15分程度で、公共交通機関を利用するならJR紀勢本線新宮駅からバスで約1時間というアクセスになる。細い山道の先に開けた温泉街は、旅館が14軒、飲食店・土産屋がともに3軒と、こぢんまりとした素朴な味わいがある。街の中心には湯の谷川が流れており、川からはもくもくと湯気が立ち上っている。湯の峰温泉には2種類の公衆浴場があるが、世界遺産に登録されているのは「つぼ湯」の方。湯の峰温泉は熊野本宮大社の南西約2kmの山間にある湯垢離場(ゆごりば)で、薬師信仰の地でもあるという。参詣者の記録によると、12世紀初期には湯屋が置かれていたことが確認されている。このつぼ湯は、湯の谷川の河原に建つかやぶき屋根の中にある。2~3人入るといっぱいになってしまうため、入浴は30分交代の予約制だ。つぼ湯の営業時間は6:00~21:30だが、筆者は観光客の多いゴールデンウィーク中だったこともあり、午後の予約は16:00ですでに予約がいっぱいに。「朝一で入浴を! 」と考えたところ、「5:00から並んでいる人もいますよ」ということだったので、その夜は早めに就寝することにした。○1日で7変化するにごり湯翌朝、同じように5:00から並ぶ人もいるかと思い、それより10分程度早く起きて受付前に行くと、すでに並んでいる人が。タッチの差で一番風呂を明け渡してしまったが、6:00までの間にすでに10組程度並んでいたことを考えれば、早く起きたことはいい判断だったように思われる。特に混みあっていたこともあってか、この時は30分よりも早めの交代をお願いされた。番台で番号札を受け取り、いよいよ世界遺産の湯である。天然岩をくりぬいて作られた湯船はつるつるで、さわり心地も気持ちがいい。ほのかに硫黄が香る湯は、1日で7色に変化するという。筆者が訪れた時はうっすらと青みがさしたにごり湯だったが、これがどんな風に変わるのか想像するのも楽しい。湯は熱いため入るのには少々気合が必要だが、そばには加水用の蛇口があり、自由に温度を調整できる。「薄めすぎたな」と思っても足元からどんどん湯が湧いてくるので、しばらくするとじわりと熱い湯へ。つぼ湯そのものの風情と相まって、「日本最古の温泉」「世界遺産」というスペシャルな温泉はより一層神秘を感じられた。なお、 つぼ湯の入湯料(770円)を払うと、隣接された「一般公衆浴場」(250円)か「くすり湯」(390円)のどちらか好きな方に無料で入ることができる。つぼ湯で風情と湯を楽しみ、くすり湯で身体を伸ばしてじっくり湯を楽しむ、という2度おいしい楽しみ方ができるのも魅力のひとつ。また、温泉水を購入することもできるので、ポリタンクの持参もオススメだ(10L=100円)。○手作り温泉玉子に熊野古道散策も街の中心部には手すりで囲われた源泉自噴口があり、そこでは温泉玉子やゆで野菜を作る光景も。周辺の飲食店や土産屋で玉子などが売られているのはそのためだ。温泉玉子の目安は11~13分程度。源泉自噴口には常時、温泉玉子が出来上がるのを待っている人たちがいるので、「どちらからいらしたんですか? 」などと会話を楽しんでみるのもいいだろう。また、この湯の峰温泉は全て未舗装路となった熊野古道「赤木越」の起点でもある。赤木越は船玉神社辺りに続く「赤木越分岐」までの5.9kmで、通常、熊野本宮大社を出発して赤木越を歩く、または、湯の峰温泉を出発して「中辺路」に合流し、小広峠に抜けるルートとなる。赤木越を5分程度歩いてみるだけでも、熊野の自然は十分感じられるはず。一歩ずつ踏みしめて、古の旅人たちの想いに馳せてみるのも楽しいひとときだ。※記事中の情報・価格は2015年5月取材時のもの。価格は税込
2015年05月21日「明治日本の産業革命遺産」に対して、世界遺産への登録可否を調査する国際的な諮問機関「イコモス」が5月4日、日本政府に対して登録勧告を行った。2014年に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」に続き、今年も産業遺産の推薦となる。8県にまたがる23資産からなる遺産だが、全体で見た時には具体的にどのような魅力があり、世界遺産になることでどう変わるのだろうか。世界遺産に詳しい世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局の研究員・本田陽子さんにうかがってみることにした。―2014年は「富岡製糸場と絹産業遺産群」が登録されましたが、2015年も日本から、新たな遺産の登録の動きがすすんでいますね。「『明治日本の産業革命遺産』ですね。日本が幕末から明治にかけて近代化を進めていく上で特に大きな役割を果たした、製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業に関連する遺産です。2014年に登録された『富岡製糸場と絹産業遺産群』に続いて、2015年も産業遺産の推薦となりました。異なるのは、富岡が軽工業だったことに対して、今回は重工業である点です。ヨーロッパ以外の地域では一番早く、しかも短期間で近代化したことが評価されています」。―5月4日に行われた勧告では、名称の変更が求められたようですが、これはどんな理由からなんでしょうか?「もともと遺産名は『明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域』だったのですが、遺産価値をより明確にするために『明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』とすることをイコモスから求められています。このような遺産名の変更は、2013年に富士山が登録勧告されたときにもありました。そして『富士山─信仰の対象と芸術の源泉』になっています。ただし、いま提示されている遺産名だと、長崎県の『旧グラバー住宅』や山口県の『萩城下町』『松下村塾』あたりは、立ち位置が少し分かりにくいかもしれません。日本の主要産業の近代化に貢献しているという意味では、これらも工場などの施設と同様に価値があるとみなされているんですよ」。―この遺産ならでは、という特徴はなにかあるのでしょうか?「実は、これまでの日本の世界遺産とは異なる点がいくつかあるのが注目ポイントです。ひとつは8県にまたがっている点です。これまで、『白川郷・五箇山の合掌造り集落』や『紀伊山地の霊場と参詣道』のように、隣り合っている複数の県から登録されたというケースはあったのですが、今回は九州の5県と山口県に加えて岩手県、静岡県にまたがります。共通した価値をもっていれば、必ずしも地理的に隣り合っていなくても世界遺産になるケースがあるのですが、登録されれば日本では初のケースとなります。これを専門用語で『シリアル・ノミネーション』と呼んでいます」。―そのほかの、これまでに登録されている日本の遺産と違うところとは何でしょう?「日本で初めてのケースなのですが、構成資産の中に現役で稼働している工場が含まれている点です。北九州市の八幡製鐵所や三菱長崎造船所が該当します。稼働中ですから、管理する企業は大半の公開を制限しているわけです。一方で世界遺産には、教育や広報の側面も求められます。自分たちの社会の中で生きている地域の資産として学び伝えることも大切な役割とされているのです。生産現場に見学者を入場させることは現実的に考えられないので、どこまで開放公開して遺産の価値を伝えていくか、ということに現在試行錯誤しているところですね」。―稼働中ということは、保存の面でもいろいろ難しそうですね。「その通りです。施設を使用していけば当然どんどん劣化していきます。そもそも、通常日本の文化遺産は文化財保護法で保護されることが求められるのですが、稼働中の施設はその法律の対象外となるのです。そのため文化財保護法ではなく、港湾法や景観法を適用しています。ただこれらの法律は、施設の保護を目的としているわけではないので、実際に世界遺産登録されるとなると、どう運用していくのかは正直なところ未知数ですね。そのあたりは大きな課題と言えます」。―海外には、稼働中の産業遺産が世界遺産となっているケースはあるのでしょうか?「数は少ないのですがあるにはあります。スイスとイタリアにまたがる『アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道』や『インドの山岳鉄道群』などは現在運行しています。また、イタリアの『クレスピ・ダッダの企業都市』は、登録時には紡績工場が稼動していました」。―2015年に「明治日本」が世界遺産に登録される勝算はどのくらいあるのでしょうか?「私の個人的な見解にはなりますが、登録の可能性はかなり高いと思います。これまでに諮問機関から登録勧告をされて、それが世界遺産委員会の審議でひっくり返ったということはほとんど前例がないんですね。ただ過去には、イスラエルの『ダンの三連アーチ門』が、登録勧告をされつつも国境問題などを理由に審議を先送りされたケースがあります。今回、『明治日本』に対して、韓国人が強制徴用された施設があることから韓国政府が反発しています。イスラエルのケースと単純に比較することはできませんが、これからそのあたりがうまく調整されればと思います」。―登録されればどんなメリットがありますか?「2015年に続きまた産業遺産の登録ということで、まさに日本の『ものづくり大国』のルーツを知ることができるいい機会になると思います。また、施設が日本各地に点在していることから、遺産価値を点ではなくて面でみたり、関連性をつなげてゆくという楽しみがある遺産だと思います。登録勧告が出た直後からすでに各地の施設は観光客が急増しているようですが、それぞれの地域が活性化することにもつながりますし、岩手県の釜石が含まれていることから(『橋野鉄鉱山・高炉跡』)、震災後の復興にも貢献することが期待されています。私もこれまでに23の構成資産のうち3分の1ほどは訪問しているのですが、時間をかけて少しずつ訪問していって、各地の魅力を発見したいと思っています」。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。
2015年05月18日京都センチュリーホテルは5月15日~9月15日の期間限定で、屋外型チャペル「CHAPEL LEHUA(チャペル レフア)」前ガーデン(京都府京都市)にて、夏季限定「星空テラス~Cafe & Bar」をオープンした。同企画は2012年に初開催され、今年で4年目の開催となる。天体望遠鏡等の光学機器メーカー・ビクセンの「宙(そら)ガール」とのコラボレーション企画で、望遠鏡などの設置も行うとのこと。同店では、「ロマンティックな『空間』と『食』」を提供する。ドリンクメニューとしては、惑星をテーマに、「マーズ(火星)」「ジュピター(木星)」「ヴィーナス(金星)」など、「星空テラス」限定のオリジナルカクテルを用意。ノンアルコールカクテルも用意しているという。フードには、洋食や和食、スイーツプレートなどのメニューを同ホテルの各レストランからラインアップ。「自家製和牛のローストビーフ」(2,000円)や「自慢のお出汁と料理長厳選の季節の食材で丁寧に作り上げたおばんざいセット」(1,500円)などを提供する。また、同店に来店した人はビクセンの天体望遠鏡、双眼鏡、天体観測ベッド「ソラリラ」なども無料で使用できるため、星空を眺めながらカフェを利用できるとのこと。ほかにも、女性限定でモエ・エ・シャンドンとのコラボレーション企画も行う。同社のシャンパン「モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル」や「星空テラス限定カクテル」を含む約20種類のドリンクが飲み放題(120分)となる「モエ・エ・シャンドンフリードリンクプラン」を女性限定で3,500円(サービス料込)の特別価格で提供する。同企画は、5月の金・土・日曜日および6月の月・火・水曜日の限定開催。7月は浴衣で来店した人限定で行う。なお、通常価格は4,500円(サービス料込)となる。「星空テラス~Cafe & Bar」の営業日時は、5月15日~17日および22日~24日、5月29日~9月15日の18:00~21:30(フードラストオーダー20:30・ドリンクラストオーダー21:00)となる。※価格は全て税込
2015年05月15日京都センチュリーホテルは6月30日まで、同ホテルのスイーツブティック「joie joue(ジョアジュー)」(京都府京都市)にて夏のフルーツを使用したスイーツ5種を販売している。同店では、ケーキの新作4種に加え、昨年好評を博したというマンゴーを使用したロールケーキ「来る来る小夏」も復活販売する。それぞれのケーキには、マンゴー・オレンジ・パイナップル・ピンクグレープフルーツ・バナナなど夏が旬のフルーツをトッピング。生地にはココナツ、クリームにはマンゴーがアクセントのクリームを使用するなど、細部にまで夏のフルーツをあしらった。「ココトロピック」(540円)は、軽く焼き上げたココナツのダコワーズに、パッションとバナナ、マンゴーのピュレとサワークリーム、カスタードクリームを組み合わせたケーキ。「オランジュブラン」(540円)はオレンジジュレとサワーミルククリームのムースケーキで、底にはビスキュイを敷いて香ばしく仕上げた。暑い季節でもさっぱりと味わえるスイーツとのこと。「モンテリマールピスタチオ」(540円)は、濃厚なピスタチオムースに、ピンクグレープフルーツとハチミツで漬けたグレープフルーツピールを添えた一品。アーモンド、ドレンチェリー、グレープフルーツピールにユズのミンチをトッピングした。「マンゴープリン」(480円)は、ココナツミルクのブランマンジェと濃厚なマンゴープリンを組み合わせたスイーツとなる。復活販売となる「来る来る小夏」(1,296円)は、フロマージュを入れたクリームとトロピカルマンゴーを軽い生地で巻きこんだロールケーキで、手土産にもぴったりとのこと。※価格は全て税込
2015年05月13日女優の原田知世が、5月8日、京都最古の神社のひとつで、世界文化遺産でもある上賀茂神社の「世界文化遺産 上賀茂神社 式年遷宮記念文化事業 Supported by AGF Blendy」立ち上げ発表会に出席。この日ふるまわれた京都の名水・神山湧水を使用した“世界にひとつの珈琲”に舌鼓を打ち、頬をほころばせていた。スペシャルサポーターの原田さんは、この日、緑のドット柄が鮮やかな初夏を感じさせる和装姿で登壇し、会場に華を添えた。この日発表された「式年遷宮記念文化事業」は、原田さんが長年にわたりCMイメージキャラクターを務める「Blendy」などのコーヒー事業を展開するAGFがサポート。神山湧水を使用して開発されたというコーヒー「神山湧水珈琲」を、5月(9日、10日)、7月(25日、26日)、10月(17日)の計5日間にわたって上賀茂神社で提供する。原田さんは、「歴史ある上賀茂神社から湧き出る清らかな水を使った神山湧水珈琲を、先程飲ませていただきました。澄んだ香りと深い味わいがありました。ジャパニーズコーヒーを支えているのは“水”であるということを再確認しました。みなさまもぜひ、上賀茂神社にてこの貴重な珈琲を味わっていただければ幸いです」とコメントを寄せていた。
2015年05月08日「壺の部分を落とし穴のようにして虫をパクリ!」食虫植物ウツボカズラ(キナバル自然公園にて)photo:Miho Shimizu4年間世界遺産巡りの旅をした「世界遺産イェーイ!」がお届けする連載第3弾は、マレーシアの自然遺産でございます!!マレーシアの国土は「マレー半島南部」と「ボルネオ島の北部」で構成されております。ボルネオ島の北部には、ブルネイという小さな国も位置しています。前回の記事では、マレー半島にあるマレーシアの文化遺産2つについてご紹介しましたが、今回は、熱帯雨林のジャングルが広がるボルネオ島にある「キナバル自然公園」と「グヌン・ムル国立公園」という2つの自然遺産についてご紹介致します! (さらに…)グヌン・ムル国立公園登録基準: 「自然の景観美」、「地球の歴史」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」洞窟探検を楽しもう! photo:マレーシア政府観光局グヌン・ムル国立公園は、標高約2,400mのムル山を中心としたカルスト地域です。ここではドラクエさながらの洞窟探検に、キャノピー・ウォーキング(吊り橋を歩く)に、トレッキングなど大自然を体感できるんです!グヌン・ムル国立公園を観光する拠点となるムルは、コタ・キナバルから飛行機を乗り継いで(曜日によっては直行便あり)行くようなところですが、それだけに豊かな自然が広がっています。ボートに乗って洞窟の入り口へGo! photo:マレーシア政府観光局公開されている洞窟は整備されているので中を歩いたりすることができます。洞窟探検はガイドの同行が義務付けられているため、ツアーに参加するのが一般的!ムルを拠点にして、主な洞窟を1日でまわるツアーなどがオススメです。絶対に見逃せないのは夕暮れ時のドラゴンダンス! photo:マレーシア政府観光局夕方頃になるとディア洞窟から、な、何と、数百万匹!のコウモリ達が食べ物を求めて出てくるのです。その姿はまるで巨大なドラゴンが空に登っていくようなことからドラゴンダンスと呼ばれています。夕方スコールが降って見られなくなる可能性もあるので、ドラゴンダンスを見るには、ムルに2泊くらいして予備日を作っておきたいところです。ムルには、ムル・マリオット・リゾートという高級リゾートホテルもあるのでホテルライフも楽しめますよ!ディア洞窟に行く途中には、約500mのキャノピー・ウォークがあります。人数が制限されているので、早めに予約しましょう!また上級者向けには、3泊4日かけてムル山を登るツアーや、石灰岩から成る奇岩がナイフのようにそびえ立っているピナクルスを望むアピ山に2泊3日かけて登るツアーなんかもあります。こちらは歩いて川を渡ったりちょっとアドベンチャーな感じなので、アウトドア上級者にお勧めです。・アクセスコタ・キナバルからグヌン・ムル国立公園の拠点となるムルまで、週3回直行便があり約1時間。直行便がない曜日はミリという都市などを経由して約2時間。・必要日数主要な洞窟をめぐるツアーに丸1日かかるのでムルに1泊はしたいところ。ドラゴンダンスの予備日として2泊3日あると安心。山登りをするならそれに応じた日数が必要。ブルネイの世界遺産実は、ブルネイには世界遺産はありません!東南アジアでは、ブルネイとシンガポールが世界遺産を保有していないのです。ブルネイは2011年に世界遺産条約を締約しましたが、暫定リスト(世界遺産への候補案件)に登録されている物件は今のところありません。美しいモスクに豊かな熱帯雨林もあるブルネイ。未来の世界遺産を探しに行ってみたいですね!※記事中の情報は、全て2015年4月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、マレーシア政府観光局)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム>バックナンバーはこちら
2015年05月07日イコモス(ICOMOS/International Council on Monuments and Sites、国際記念物遺跡会議)は5月4日、日本が世界遺産に推薦している「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口、岩手、静岡の8県の23資産)全てに関して、世界遺産リストに「記載」すべきだと勧告した。ただし、現状の名称は「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」となっているが、イコモスとしては「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更した上で登録することがふさわしいとしている。今後、6月28日~7月8日までドイツで開かれる世界遺産委員会において正式に決定となり、日本の遺産については、7月3日~5日の間に審議される見通しとなっている。今回の遺産が世界遺産に登録された場合、日本国内では19件目、また、『富士山―信仰の対象と芸術の源泉』『富岡製糸場と絹産業遺産群』に続く、3年連続での登録となる。加えて今回登録されれば、現在も稼働中の施設を含めた国内初めてのケースとなる。
2015年05月04日紀陽銀行は27日、創立120周年を記念した大阪地区における地域社会向け貢献活動の一環として、「世界遺産登録応援定期預金~百舌鳥・古市古墳群~」の取扱いを開始した。期間は9月30日まで。同定期預金を取扱うことにより、地域の人たちに百舌鳥・古市古墳群に対する認知度を高めてもらうとともに、世界遺産登録推進への気運を盛り上げていきたいとしている。また、この世界遺産登録応援定期預金は、顧客から預け入れられた総額の0.01%相当額を、同行より堺市世界文化遺産登録推進基金に寄付(顧客の負担はない)をする商品となっており、顧客の預け入れが世界遺産登録への応援につながるものとなっているという。紀陽銀行では、銀行をこえる銀行を目指すべく、今後も地元に密着した社会貢献活動に積極的に取り組んでいくとしている。○「世界遺産登録応援定期預金~百舌鳥・古市古墳群~」の商品概要対象:個人の顧客預入期間:1年預入金額:20万円以上募集総額:200億円。200億円に到達次第終了適用金利:スーパー定期(スーパー定期300)1年もの店頭表示金利+0.20%(税引前)満期時の取扱い:自動継続方式(元金継続・元利継続)預金種類:スーパー定期(スーパー定期300)寄付額:取扱終了後、定期預金預入総額の0.01%相当額寄付先:堺市世界文化遺産登録推進基金取扱店舗:大阪府下店および奈良県下店(関西国際空港出張所・インターネット支店を除く)。ATMでは、預け入れできない
2015年04月27日写真提供:インドネシア共和国観光省来月5月から10月までの期間、ユネスコの世界遺産に登録されているプランバナン寺院群の中心となる寺院、ロロ・ジョングラン寺院の屋外ステージ(Outdoor Theater)でジャワの伝統芸能であるラーマヤナ舞踊劇が上演される。(さらに…)
2015年04月20日4月の京都といえば、シーズン真っ只中。あらゆるところで美しい桜が堪能できる季節です。そんな中、4月6日に「幻想的な神社・寺院で古都の春を堪能 桜の京都 幽玄の世界『能』を撮る1泊2日の旅」が開催されました。こちらは、「第3回ニッコールレンズフォトツアーご招待キャンペーン」の一環で、キャンペーン期間中にニコンの「NIKKORレンズ」「1 NIKKORレンズ」を購入された方を対象に、抽選で招待した企画。フォトツアーにはプロのカメラマンが同行し、直接レクチャーをしてもらえるというカメラ女子にとっては夢のような旅なのです。ツアーの行き先は、台湾や沖縄など計18ツアーで、今回は京都のツアー「桜の京都 幽玄の世界『能』を撮る1泊2日の旅」に参加してきました。このツアーの講師は、写真家の熊切大輔さん。1日目はまず、京都タワー内ホテルに集合し、参加者たちの自己紹介や撮影レクチャーが行われました。当選した参加者たちは、東京や長野、大阪など全国各地から来ており、初心者から長年の経験者まで、カメラ歴もさまざま。「テーマを決めて撮るのがポイントです。京都のガイドブックを作るというのはどうでしょうか。見開きページや人物の表情、食べ物の写真などのカットを想像して撮影に臨みましょう。普段とは違う表現にチャレンジできるといいですね」と熊切先生。その後バスで八坂神社円山公園まで移動し、自由行動でさっそく各自撮影に入ります。あいにくの雨でしたが、“はんなりとした京都”を味わえる日に。撮った写真を熊切先生に見てもらい、アドバイスを受ける参加者も。ちなみに今回のツアーで核となる被写体は「能」。なんと両足院を特別に貸し切って、能を撮影できるというスペシャルな企画! 熊切先生からは「能というアクションが激しいものは、動きを予想しないと撮れません。ISO感度をあげ、シャッタースピードもあげ、心構えをしてシャッターチャンスを待ちましょう」というアドバイスがありました。参加者からは、「普段、撮影できない能を貸し切りで、しかもプロのカメラマンが講師を務めてくれるというのが魅力に思い、東京から参加しました。自分ではなかなか体験できないことばかりで、楽しかったです」「能を撮るのは予想以上に難しかったですが、とてもいい経験になりました」など、好評の声が挙がりました。その後も高台寺など京都のスポットを巡り、写真撮影。夕食時には、講評会が開かれ、さらに2日目は伏見稲荷大社などで撮影が行われました。フォトツアーを企画したニコンの担当者は「“旅”という撮影の場と、“先生に教わる”という機会をお客様にご提供をして、より一層、写真を撮ることを好きになってもらいたいという趣旨で開催しました。毎回大好評で、今後もこういった企画をやれればと思っています」とコメント。熊切先生も「こういうツアーでは新たな場所に行けるので、僕自身も楽しいです」と話しました。最後に、ニッコールレンズの魅力について「キレのある豊富なレンズ郡で、絵作りの幅を広めてくれます。レンズによって肉眼を超えた世界を体験できますね。女性におすすめなのは、単焦点のレンズ郡。比較的リーズナブルな1.8というシリーズというものがあり、これはボケ味の効いた絵が作りだせるので、テーブルフォトやお花の写真などに向いています。一眼レフも割とコンパクトに、そして軽量化され、機能も良くなったりしている。もっと気軽に楽しんでもらえるんじゃないかな」と熊切先生。プロのカメラマンに写真のレクチャーを受けられる贅沢な撮影ツアーに参加したかった方も多いのでは? 今後、同様のキャンペーンが開催されるかもしれませんので、情報は随時チェックしておきたいところ。またカメラに興味がある方も、これを機会にぜひ気軽に始めてみてはいかがでしょうか。・ニコン 公式サイト
2015年04月16日○世界遺産データ『アンコールの遺跡群』(文化遺産)。カンボジア。1992年登録。東京23区ほどもある敷地の中に点在する、カンボジアのクメール朝遺跡群。その中でも特に有名なのが『アンコールの遺跡群』のひとつ、アンコール・ワットでしょう。観光拠点となるシェムリアップからトゥクトゥク(三輪タクシー)で30分、はるかかなたからも、この5つの祠堂(しどう)が見え隠れするではありませんか! 後にも先にも、筆者が遺跡を見て興奮の叫び声をあげてしまったのはココだけです。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年04月09日photo:世界遺産イェーイ! ジョージタウンにある「カピタン・クリン・モスク」4年間世界遺産巡りの旅をした世界遺産イェーイ!が、お届けする連載第2弾はマレーシアでございます!!世界遺産も食も楽しいマレーシアはまた行きたい国の一つです。マレーシアの国土は「マレー半島南部」と「ボルネオ島の北部」で構成されております。マレー半島南部の先端にはシンガポール、ボルネオ島の北部にはブルネイが位置しています!そんなマレーシアには、4つの世界遺産があります。◯マレー半島---------------------1)メラカ(マラッカ)と、ペナン島のジョージタウンを合わせた「メラカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市」2)200万年前の遺跡を見ることができる「レンゴン渓谷の考古遺跡」※どちらも文化遺産◯ボルネオ島---------------------1)キナバル自然公園2)グヌン・ムル国立公園※どちらも自然遺産今回の記事では、マレー半島にある2つの文化遺産ついてご紹介していきたいと思います。最後に同じくマレー半島に位置するシンガポールの世界遺産についてもちょっとだけ触れちゃいまーす!イェーイ!■メラカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市(文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」まずちょっとだけマレーシアの歴史について触れてみます。マレーシアはまずアラブ、インドからのイスラム教徒の影響を受けイスラム化し、その後ポルトガル、オランダ、イギリスに統治されます。そしてイギリス東インド会社の東南アジア進出の拠点となると、働き手として中国やインドから多くの人がやってきて、イスラム文化、西洋文化、中国文化、ヒンドゥー文化が共存する独特の雰囲気を持つ街並みが形成されたわけです。世界中の船が行き交うマラッカ海峡沿いにあるマラッカとジョージタウンの2つの都市は、この多様な宗教、文化の共存を良く語っている(証言している)ということで世界遺産として登録されました!マレーシアで一番行きやすい世界遺産「マラッカ」マラッカはクアラルンプールからバスで2時間とアクセス良好!そんな古都マラッカには、15世紀にイスラム教国家マラッカ王国、そして16世紀にポルトガル、オランダ、イギリスに支配された時の建物が残されています。●オランダ広場photo:ひさほゆうマラッカで一番のメインとなるのは、オランダ広場でございます!このオランダ広場を中心としたエリアが世界遺産として登録されているのです。こちらの写真で、真ん中の教会が、オランダ建築の代表例とされるムラカ・キリスト教会で、右側の建物がオランダの旧総督邸であるスタダイスです!●サンチャゴ砦photo:ひさほゆうこちらは、1511年にポルトガルの総督によって建てられた砦。当時は高い塀で囲まれていましたが、現在は門と大砲が残されています。オランダ広場から歩いて行けますよ!他にもマラッカ王国時代のスルタン(王)の王宮を再現した建物「マラッカ・スルタン・パレス」、日本に初めてキリスト教を伝えたことで有名なフランシスコ・ザビエルの像が立つ「セント・ポール教会」なども近くにありまーす!マルチに楽しめる街ジョージタウン世界遺産、食、リゾートと全部楽しめちゃって、イェーイ!な街、それがジョージタウン!そんなジョージタウンはマレー半島の西部マラッカ海峡に浮かぶペナン島の東部にあります。ここには18世紀後半からのイギリス植民地時代の建物と、様々な文化が混じり合った街並みが残されています。●コーンウォリス要塞photo:世界遺産イェーイ!こちらは、1786年にイギリス東インド会社の総督フランシス・ライトが上陸したところに設けられた要塞にある大砲です。彼の上陸以後、ペナン島は東インド会社に譲渡され自由港として発展していったのです!●マハ・マリアマン寺院photo:世界遺産イェーイ!1883年に建てられたジョージタウンで最古のヒンドゥー寺院です。この寺院は「マスジット・カピタン・クリン通り」にあります。ここの通りはヒンドゥー教寺院あり、イスラム教のモスクあり、中国寺院ありと、ジョージタウン世界遺産観光のハイライトなんです。中国寺院、「ヤップ・コンシ」、「クー・コンシ」、マレーイスラムの「アチェ・モスク」、「カピタン・クリン・モスク(写真一番上)」などもこの通りにありまーす!暑い中の観光は体力を使うので、ちょこちょこ休憩して屋台で美味しい麺を食べたり、絶品カレーを食べたり、甘いコーヒー飲んだりしちゃいましょう!何を食べてもめっちゃ美味しいんですよ!ジョージタウンは、クアラルンプールから飛行機で1時間、バスや鉄道だと5時間~8時間程。photo:世界遺産イェーイ!■レンゴン渓谷の考古遺跡登録基準: 「文明の証拠」、「建築技術」マレー半島の緑あふれるレンゴン渓谷からは、200万年近くに及ぶ初期人類の生活の跡が発見されました。こちらは、アフリカ大陸以外では最も古い初期人類遺跡であり、その生活を現代に伝える貴重な世界遺産なんです!そんな貴重な先史時代の洞窟の壁画や、石器をレンゴン考古学博物館で見ることができます!●レンゴン考古学博物館入口photo:ひさほゆうクアラルンプールから車で約3時間、イポーからも車で約2時間かかります。車をチャーターするか、ツアーに参加するか、公共のバスを利用するかとなります。公共のバスの場合は、最寄りのバス停からかなり歩くことになるので、車かツアーが便利そうです。●人骨「ペラ・マン」photo:ひさほゆう博物館で最も有名なのは、東南アジアで最古の完全な人骨(ペラ・マン/約100万年前)です。その他にも岩絵や石器などが展示されております!■シンガポールの世界遺産本当はシンガポールの世界遺産をご紹介したいところだったのですが、実はシンガポールには世界遺産はありません!しかし2012年に世界遺産条約を締約し、「シンガポールの植物園(ボタニック・ガーデン)」が暫定リスト(世界遺産への候補案件)に入ったので、シンガポール初の世界遺産誕生も近いかもしれません!また先ほどご紹介したマレーシアのマラッカには頑張れば(車で片道約4時間)日帰りできるので、シンガポール拠点で世界遺産へ行くこともできますよ!(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、マレーシア政府観光局)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム>バックナンバーはこちら
2015年04月01日京都で史上最大規模となる、国際的な現代アート展覧会「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」が5月10日まで開催中だ。この国際展では世界の一線級で活躍する、36組38名の作家による作品が市内で一斉に展示される。全7会場を合わせた展示スペースは1万平方メートル以上。開催に先駆けてすべての参加アーティストは京都に招聘され、この地の歴史や文化から得たインスピレーションを元に、新たな作品に挑戦している。中でも、メイン会場となる京都市美術館では、総勢31組の作品を展示。ニューヨークを拠点に彫刻やドローイングなどを、作品の変化を通じて制作過程も含めて発表しているブラント・ジュンソー(Brandt Junceau)は今回、収蔵品の展示ケースに発想を得た人体像「Liebespaar」を出展する。一方、原爆の被害を受けた広島市立袋町小学校の外壁に残された被爆者のメッセージに着想を得た「カフェ・リトル・ボーイ」を展示するのは、公共空間や環境の変容に注目したインスタレーションやパフォーマンスを手掛けるジャン=リュック・ヴィルムート(Jean-Luc Vilmouth)。倉智敬子+高橋悟は、関係性と意味が解体された法廷、監獄の白い構造体、庭石、白い海図の配置によって、パラドキシカルな空間(コトバの迷路)を構築した「装飾と犯罪-Sense/Common」を展示する。また、今回がアジアでは初の展示となるグシュシュタヴォ・シュベリジョン(Gustavo Speridiao)は、米グラフ誌『LIFE』の写真集『The Great LIFE Photographers』に、言葉や絵をまるで落書きのように書き加えたドローイング作品を出展。社会理論学の領域から、詳細な調査と思想に基づく作品を生み出す徐坦(Xu Tan)は、京都での調査を元にしたビデオインスタレーションとテキストを組み合わせた読書空間「社会植物学-種と血筋」を展開する。その他の主な出展者はレクチャー/パフォーマンスという手法で、美術作品における約束事などの関係性を解体し、そのプロセス自体を作品化しているヘトヴィヒ・フーベン(Hedwig Houben)。ハプニングやパフォーマンスを通じて、マルコム・マクラーレン賞など様々なアート賞を受賞してきたラグナル・キャルタンソン(Ragnar Kjartansson)。サウジアラビアの若手芸術家集団「イブン・アシール」のリーダーにして、中東と西洋をつなぐ現代アートの非営利組織「エッジ・オブ・アラビア」の創設者アフメド・マータル(Ahmed Mater)など。また、会場の入り口には、やなぎみわが手掛けた巨大な移動舞台車が登場。大陳列室には高さ15mに及ぶ竹製の塔に、街の子供達が作った大量のオブジェが飾られた。これらの作品を見た後は、「アラビカ 京都」のポップアップカフェで一息つくことが出来る。なお、スタッフのユニフォームは、「クロスカンパニー」の石川康晴が手掛けた。一方で、もう一つの主会場となる京都府京都文化博物館では、名画や映画の登場人物などを自画像的に収めることで知られる森村泰昌の写真作品を展示。今回はベラスケスの傑作「ラス・メニーナス」などを収蔵するブラド美術館を舞台とした「侍女たちは夜に甦る」、作品が疎開された第2次世界大戦下のエルミタージュ美術館をテーマとした「Hermitage 1941-2014」の2点が出展される。これに、ドミニク・ゴンザレス=フォルステルを加えた、2名の作品が京都府京都文化博物館で公開される。その他、京都芸術センターでは、アーノウト・ミックが映像インスタレーションを発表。二条城の北に位置する堀川団地には、ピピロッティ・リストや笹本晃、ブラント・ジュンソーらの作品が展示される。更に、鴨川デルタにはスーザン・フィリップスによる音の作品が、大垣書店烏丸三条店ではショーウインドーにリサ・アン・アワーバックのアートが飾られる予定だ。なお、芸術祭に合わせて京都府京都文化博物館フィルムシアターでは、20作品以上のシネマ作品を公開。そのうちの一つが、アレクサンダー・ザルテン(Alexander Zahlten)の「アジアを照らさないミラーボール-日本映画のアジア」だ。今回のプログラムに合わせて、ザルテンは60年代から近年までの日本映画をピックアップ。それらの作品の中で、日本と外国がどのようにイメージされてきたかを検証。東アジアにおける複雑怪奇な近代史を、非当事者のザルテンが映画を元に紐解いていく。その他、森村泰昌とドミニク・ゴンザレス=フォルステルによるトークプログラム、蔡國強の「子どもダ・ヴィンチ」によるワークショップ、参加作家によるレクチャーなども行われ、現代アートの展示とともに京都をアーティスティックに盛り上げてくれそうだ。【イベント情報】PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015会場:京都市美術館、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店会期:3月7日から5月10日料金:一般1,800円、大学生/70歳以上1,000円休館日:月曜日(5月4日は開館。京都府京都文化博物は4月27日開館)
2015年03月27日寺院や神社で頂ける印や墨書のことを御朱印といい、もともとはお寺で納経した時に、その証として授与されるものでした。今では参拝の証として神社でも頂けるようになり、女性を中心に集める人が増加中!「神社=パワースポット」と言う人もいるほど、御利益を授かることができると言われている日本の神社。今回は「縁結びの御利益」と「美しい御朱印」両方が頂ける神社・3社を厳選してご紹介します。■恋愛成就の必勝アイテム多数あり! まずご紹介するのは 埼玉県にある川越氷川神社。こちらは、恋人との絆をさらに深める「よりそい守」、新たな出会いを応援する「であいこい守」などなど、恋に効くお守りがとにかく豊富。なかでも人気のお守り「縁結び玉」は、毎朝8時からいただけますが、数量限定なので注意。願いがかない、お礼に「縁結び玉」を返納しに来るカップルがあとを絶たないそう。御朱印には、「川越總鎮守」の文字が堂々と書かれています。“奉拝”の所にも注目を! 菱型の中に雲が描かれた雲菱の社紋がかわいい御朱印です。■美人三姉妹がギュッと結んでくれるふたりの縁 続いて、辺津宮、中津宮、奥津宮の三社からなる海の守護神・江島神社。恋愛祈願に御利益ありと女性からあつく信仰されています。パートナーとの良縁を築きたい人は、奉安殿の先にある御神木「むすびの樹」へ。この木は根がひとつで幹がふたつのイチョウの御神木。「むすびの樹」の目の前に奉納する絵馬には、彼と彼女の名前を書いてふたりの縁の強化を願います。江島神社の御朱印は、向い波に三枚のウロコが描かれた社紋、江島神社、琵琶の中に江の嶋神社の印が押されています。三枚のウロコは北条鱗と呼ばれる大名・北条家の家紋。北条家との縁の深さを表しています。■関西の恋愛最強サポーター! 奈良にある春日大社は全国に約3000ある春日神社の総本社。縁結びの祈願なら、境内の南側に鎮座する「夫婦大國社」へお参りしましょう。祭神は縁結びが得意な神様・大國様とその奥様。大國様の夫妻が、ひとつの社に祀られているのは全国で唯一とか。これ以上、強力なサポーターはいないでしょう!春日大社は春日山原始林を背景に鎮座する神社。250ヘクタールもの面積がある原始林は春日大社の神山として信仰の地となっていました。その雄大さを思わせる強い字が御朱印に書かれています。川越氷川神社 埼玉県川越市宮下町2-11 JR・東武東上線「川越駅」または西武新宿線「本川越駅」から東武バス「喜多町」下車徒歩5分 拝観時間/自由 拝観料/無料 江島神社 神奈川県藤沢市江の島2-3-8 小田急線「片瀬江ノ島駅」、江ノ島電鉄「江ノ島駅」、湘南モノレール「湘南江の島駅」各駅から徒歩約15~23分 拝観時間/奉安殿8:30~17:00 拝観料/無料(奉安殿 大人150円、中・高生100円、小学生50円) 春日大社 奈良県春日野町160 近鉄「奈良駅」から徒歩25分、または近鉄・JR「奈良駅」から奈良交通バス「春日大社本殿」下車すぐ 拝観時間/4~9月6:00~18:00、10~3月6:30~17:00 御本殿前特別参拝料/500 円 ■さらに縁結び最強神社を知りたい方は『御朱印でめぐる全国の神社~開運さんぽ~』をチェック! 今回ご紹介した“縁結びスポット”や“御朱印”についての詳細は、すべて『御朱印でめぐる全国の神社~開運さんぽ~』(ダイヤモンド社)に掲載しています。御朱印がすばらしい、御利益が凄い、と評判の神社を全国7万社から厳選しました。出雲大社をはじめ有名神社はもちろん、縁結び、金運、料理上達運、安眠運まで、御利益別に開運神社を徹底的に紹介。御朱印とは、神社の参拝マナー、知識ゼロからわかる古事記など、情報満載です。▼『御朱印でめぐる全国の神社~開運さんぽ~』の詳しい内容はこちらをチェック 公式サイト
2015年03月18日photo:世界遺産イェーイ!4年間世界遺産を巡る旅をした私達、世界遺産イェーイ!ことセカイェ夫婦が、1週間の休暇がとれた時に真っ先に旅行先の候補にあげる国、それがラオス!ゆったりとした雰囲気の中で、世界遺産を堪能しつつ、メコン川を眺めつつ、ラオスの国民的ビール、ビア・ラオを飲みたいイェイ!そんなラオスには、2つの世界遺産があります。北部にある煌びやかなワット(寺院)が美しい街の世界遺産「古都ルアン・パバン」と、南部のヒンドゥー教寺院の遺跡「チャムパーサックの文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺跡群」です。この2つの世界遺産は、北部と南部と離れていますが、両方とも東南アジアを悠々と流れるメコン川のすぐ側にあるんです!そこで、今回は、街歩きも遺跡巡りも楽しめちゃうラオスの世界遺産の紹介をしていきたいと思います。イェーイ!■古都ルアン・パバン (文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「建築技術」、「伝統的集落」ラオス北部の街ルアン・パバンは、ラオス最初の統一国家で上座部仏教を国教としたランサン王国の都として繁栄しました。多くの寺院が残るこの街は、街自体が世界遺産として登録されています。私達は、このルアン・パバンやベトナムのホイアンのように、街そのものが世界遺産の場所が大好きなんです。宿を一歩出たらそこは世界遺産!朝食を探しに行くついでに世界遺産が堪能できちゃうなんて世界遺産好きにはたまりません!そんなルアン・パバンで一番のメインとなるのが14世紀に創建された寺院「ワット・シェントーン」!photo:世界遺産イェーイ!ワット・シェントーンには、いくつか建物があるのですが、こちらは本堂!ラオスにあるお寺の屋根は、こんな感じで2段3段と重なっているのが特徴です。本堂の背面の壁には「マイ・トーン(黄金の木)」のモザイク画があるので必見です!(写真一番上)ちなみに、日差しが強くてめっちゃ暑かったので帽子を忘れずに!その他にも黄金のレリーフが素晴らしい寺院、ワット・マイや、ルアン・パバン市内を一望できる高さ150mの小高い丘プーシー、フランス植民地時代を思い起こさせるモダンなコロニアル建築など見どころ満載です。photo:世界遺産イェーイ!かつての宗主国フランスとラオス、両方の雰囲気が感じられるのがいいんです!photo:世界遺産イェーイ!市内中心地のサッカリン通りでは、早朝に僧侶達の托鉢を見ることができます。夜はナイトマーケットも出ているので、1日中楽しめるルアン・パバン。暑い観光を終えた後は、ビア・ラオで乾杯!ルアン・パバンはラオスの首都ビエンチャンから飛行機で1時間、バスですと10時間くらいです。タイ、ベトナムなどから直行便もあるので、他の国とセットで訪れるのもいいですね。■チャムパーサックの文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺跡群(文化遺産)登録基準:「文明の証拠」、「建築技術」、「出来事や宗教、芸術」かつてラオス南部チャムパーサック平原に住んでいたクメール人達は、カオ山を神の宿る地として信仰していました。そのカオ山のふもとに建てられたヒンドゥー教寺院、ワット・プーを中心とした遺跡群と、カオ山やメコン川を含む広い範囲が文化的景観の広がる地域として、世界遺産に登録されています。何と言ってもメインは、ヒンドゥー教寺院「ワット・プー」。ワット・プーは、参道、聖池から成る山麓部、大回廊十字型テラスなどがある中間部、そして本殿を擁する山腹部に分かれています。photo:Kimiharu Sato参道からはカオ山を望むことができます。photo:Kimiharu Sato上からの眺めもいい感じ!ワット・プーへは、ラオス南部の中心都市パークセーから日帰りすることができます。パークセーからワット・プーまでは、車をチャーターして約2時間。帰りのことを考えるとチャーターがオススメです。ツアーに参加するのも良さそうです。汗をかいて観光した後は、車でパークセーに戻りメコン川に落ちる夕日を見ながらやっぱりビア・ラオで乾杯!ワット・プーから一番近い街(10キロ程度)チャンパーサックに泊まることも可能で、泊まると早朝の托鉢も観光できます。パークセーまでは、北部の世界遺産ルアン・パバンから飛行機で約90分。短期の旅行でも2つの世界遺産を楽しめますよ!ラオスの世界遺産を全制覇だぜ、イェーイ!(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』)
2015年03月14日「前編」「中編」そしてこの「後編」で、デリー・ジャイプール・アーグラの3都市を1日1都市ずつ巡るインド弾丸ツアーを、世界遺産に寄せてレポートしています。2日目午前中にジャイプールの観光を終え、ツアー客を乗せたミニバンはいよいよ最後の地・アーグラを目指します。その途中、アーグラから1時間くらい手前のところで世界遺産『ファテープル・シークリー』に立ち寄りました。○コロコロ変わるムガル帝国ここはムガル帝国3代目の皇帝が遷都した都市です。そもそもムガル帝国ってなんなんでしょう。世界史の授業で聞いたかも? というぼんやりした記憶をお持ちの方がほとんどだと思います。長らくヒンドゥー教が信仰されてきたインドの地に、16世紀前半に乗り込んできたイスラム王朝です。ここでひとつ、とっておきの情報を披露しましょう。ムガル帝国が成立したのは1526年。「アイ(1)・ゴー(5)・ツー(2)・ム(6)ガール」、ほら一発で覚えられたでしょう?……痛い視線を感じつつ話を進めますと、ムガル帝国はその後300年近く続くのですが、人民はみんなヒンドゥー教徒なのでとってもアウェーなわけです。皇帝によっては人民との融和政策を図ったり、別の皇帝はイスラム教を強要したり、コロコロ対応が変わります。そして都もコロコロ変わっています。そのうちのいくつかが世界遺産になっている、という次第です。○占い師への感謝のために建てられた都『ファテープル・シークリー』は3代皇帝アクバルが築きました。ムガル帝国を代表する偉大な皇帝と言われています。領土も拡大し、人民からも人気があり、全てを手に入れたと思いきや、唯一の悩みは世継ぎに恵まれないことでした。ところが、シークリーという地に住む占い師が、子宝を授かると予言してその通りになったんです! アクバルはそれを記念して、占い師の住む小さな村に遷都しました。たった14年しか使われなかったんですけどね。偉大な皇帝たるもの、決断は素早く(気まぐれ? )というのがポイントなのでしょうか。廃虚となった後も打ち壊されることがなかったので、遺跡の保存状態が非常にいいです。アクバルがヒンドゥー教徒と融和を図ろうとしたことは建築からも見て取れます。この遺産に着いたのは閉館間際の夕暮れ時でした。そしてアーグラに到着して向かったのはホテル、ではなくお土産屋さんだったんですね~。そこで希望者はサリーなどの民族衣装をオーダーし、翌朝訪れる『タージ・マハル』に着ていきましょう、という流れになっていました。はい、筆者ももう空気を読んでオーダーいたしました! 「日本に帰ってからいつ着るんだ」などとカタイことを考えるのはやめて、布地を選び出すとはまってしまい、1時間近く悩んでしまいました。○タージ・マハルへいざ出陣!翌朝、例のお土産屋さんにまず立ち寄り、女性陣は仕立てあがった民族衣装に身を包みました。お互いを「似合うよー」とほめあいながらついに『タージ・マハル』へ。ここは5代皇帝シャー・ジャハーンが愛するお妃を失った悲しみから、20年という膨大な時間と途方もないお金をかけて造った霊廟です(詳しくは「世界で最も愛にあふれた世界遺産って? ただし、その後が……」を参照)。ガイドさんいわく、持ち物に制限があり厳格にチェックされるとのことで、ペンも本(紙類)も持ち込めませんでした。ツアー中は始終ガイドさんのトークをメモしていたので、これには参りましたが仕方ないです。遺産保護の方法としてこういう考え方もあるのだな、と思いました。正門をくぐると『タージ・マハル』が目の前に姿を現します。思わずため息が漏れたのですが、この感覚、「アンコール・ワット」を目にした時にもありました。実物はあまりにも圧倒的で、地上にひらりと舞い降りた楽園のようでした。強制ではありませんが、カメラマンが5枚1,000円で撮影してくれるということで、はい、空気を読んで撮ってもらいました。「せっかく民族衣装を着てるんだし」と、自分なりに頑張ってポーズを作っては見たものの、受け取った写真はことごとく顔が能面のようでした……。写真一枚撮るのにもキャッキャキャッキャ盛り上がれる女子大生がうらやましい!○皇帝が8年間幽閉された悲しみの城今回のツアーの最後を締めくくる世界遺産は『アーグラ城』です(筆者はさすがに恥ずかしいので事前に服を着替えました)。ここはアクバルが築いた城で、『ファテープル・シークリー』に遷都する前に居城としていたところです。『タージ・マハル』から2kmほど離れているのですが、それぞれの位置からはお互いの姿を確認することができます。『アーグラ城』には、『タージ・マハル』を建てたシャー・ジャハーンが晩年に息子に幽閉され、日々『タージ・マハル』を遠くに眺めながら思いにふけった、という有名な「囚われの塔」があります。それから城の中には、『タージ・マハル』から離れれば離れるほどなぜか大きく見える、という摩訶不思議な場所がありますので、現地を訪れる人は必ずガイドさんに教えてもらってくださいね!その後はデリーへと戻り、あっという間に旅は終わりました。それぞれの世界遺産のイスラム様式やヒンドゥー様式の装飾が非常にすばらしく、ひたすら感動した3日間でした。しかしインドってどんなところ? という問いには何も答えることができません。今筆者に言えることは、インドの世界遺産はスゴイ、そしてガイドがイケメンだった、ということだけです。だからまた、アイ・ゴー・ツー・ムガール!世界遺産データ: ファテープル・シークリー(文化遺産)インド。1986年登録。「勝利の都」という意味をもつ。イスラム建築とインドの伝統様式を融合させた建造物群が評価された。この都市は水不足が深刻となり、1574年に遷都されて以降わずか14年で放棄された。世界遺産データ: タージ・マハル(文化遺産)インド。1983年登録。インド・イスラム建築の最高傑作と称される。世界各地から集められた職人が建設に関わり、中にはフランスの金細工師やイタリアの宝石工もいた。石材は1,000頭のゾウに運ばせたという。1632年に着工し、1653年に完成した。世界遺産データ: アーグラ城(文化遺産)インド。1983年登録。3代皇帝アクバルが16世紀半ばに首都アーグラに建設した城塞。赤砂岩の城壁に囲まれている。堅固な外部と対照的に内部は豪華で、シャー・ジャハーンが改築した白大理石の宮殿などがある。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年03月09日はるか古、平安の世の時代から、美しく装った王朝貴族たちが、めくるめく恋愛模様を繰り広げてきた京の都。京都の街角には、世界最古の長編ラブストーリー「源氏物語」から受け継がれてきた雅やかな恋の物語が、いまも息づいている気がします。都から足を延ばして訪れた嵯峨嵐山は、和歌の題材「歌枕」として多くの歌にも詠まれた、貴族たちのリゾートとして愛されてきた土地。冬は静寂に包まれた風情ある景観に身を置き、春は桜、秋には紅葉を愛で、夏は清らかな大堰川に小舟を浮かべて鵜飼いを楽しんだとか。悠久の歴史を感じさせる嵐山は、時を重ねてきた大人のふたりにこそ似合う旅先です。平安貴族の恋に思いを馳せながら、ともに歩んできたパートナーと、ふたりの“恋旅”物語を紡いでみませんか。願いが叶う石に祈りをこめて京都に来たなら欠かせないのが神社仏閣巡り。まず訪れたのは“約束を守ること”に霊験あらたかな神様として知られる「車折(くるまざき)神社」です。古来こちらでは石を尊び、現在では、石を模した円すい形の立砂がある「清めの社」は心身を浄化するパワースポットとして、神主がお祓いをした石が入ったお守り「祈念神石(きねんしんせき)」は願いごとを叶えるパワーストーンとして、厚く信仰されています。「商売繁昌・会社隆昌」にもご加護があるとされているため、彼との参拝もオススメ。願いが叶ったらお礼として石をひとつ奉納します。近い将来もう一度ふたりでお礼に行くことになるかもしれません。源氏物語の舞台になった“恋する神社”天照皇大神(野宮大神)がご祭神の「野宮(ののみや)神社」は、「源氏物語」の「賢木(さかき)の巻」にも登場する由緒あるお社。その昔、天皇の代理として伊勢神宮にお使えする斎王が出発前に身を清められた場所です。現在では「良縁結婚」や「子宝安産」にご利益のある“縁結びの神様”として人気が高く「野宮大黒天」のそばにある神石「お亀石」をなでながら願いごとをすると、一年以内に成就するといわれているとか。クヌギの木の皮を剥かずに使用する、日本最古の様式の「黒木鳥居」やクロモジの木の小柴垣は、当時の面影をいまに伝えているよう。光源氏が六条御息所に会いに訪れるドラマチックな一場面が目に浮かびます。月を眺めたい、嵐山のランドマーク承和年間(834-848年)に僧の道昌によって架橋されたという「渡月橋」。鎌倉時代に在位した亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る(曇りのない夜空に月がまるで橋を渡っているようだ)」と言われたことから、渡月橋と名付けられました。後年になって角倉了以により現在の位置に架けられますが、大堰川(桂川)の美しい流れは昔のまま。全長155mの風情ある姿は、嵐山を象徴する景観のシンボルになっています。木洩れ陽の差す、情緒ある散歩道竹林が多いことで知られる嵐山のなかでもひと際風情豊かなのが、「野宮神社」から「大河内山荘」へと続く300mほどの美しい散策路「竹林の道」です。青々としたみずみずしい竹が、天高くすくっと道の両側に立ち並んだ空間は、まるで時空を超えて平安の世にタイムスリップしたよう。耳を澄ますと、さわさわという葉ずれの音が心を落ち着かせてくれます。大切な人とふたりで歩いているだけで心地いい空間です。粋な俥夫さんの案内で、心弾むひとときをふたりの特別な体験を演出してくれるのが「えびす屋」の人力車。渡月橋を出発して竹林の道、野宮神社、落柿舎を観光して渡月橋に戻る30分貸し切りのコース「嵯峨野竹林の旅」(2名・¥9,000※税込)が人気です。いなせな法被姿の俥夫は、筋トレを欠かさないというキャリア5年の芝孝真さん。安定した走りと明るい口調のガイドに心が踊ります。車上から見る景色はいつもよりずっと目線が高く、新鮮な眺めを楽しむことができます。駅ナカの「足湯」でほっこり温まる嵐電嵐山駅は、電車に乗らなくても立ち寄りたい穴場スポット。中央ホームには、ほっこり和める「駅の足湯」があり、誰でも利用できます(1名¥200※税込)。オリジナルタオルつきで、散策の途中に立ち寄るのにぴったり。板塀と格子窓の建物も風情があります。駅構内は「キモノフォレスト」をテーマに、600本もの京友禅のポールが飾られています。夕暮れ時には中にライトが点り、色とりどりの京友禅の美しい柄が照らし出されるとか。京都の和スイーツで味わう新食感天龍寺の近くに本店を構える「京 嵯峨野 竹路庵」は、大阪を中心に7店舗を展開する“わらび餅”の名店。定番の「生わらび餅」(¥540※税込)はもちもちした口当たりと口溶けが魅力。沖縄の黒砂糖や宇治抹茶を練り込んだバリエーションもあります。甘いものが得意でない彼でも口に合いそうな、京菓子らしい上品な甘さです。昨年秋に登場した、わらび粉をふんだんに使った「特別仕立てわらび餅」(¥1,080※税込)は、もっちりと舌に弾んで豊かな風味があり、これまで体験したことのない新食感です。豆腐懐石の名店で「嵯峨とうふ」を満喫渡月橋の上流、嵐山公園内の岩肌にへばりつくように佇む「松藾庵」。かつて近衛文麿公の別邸だったという建物は、嵐山の自然に抱かれ、まるで時が止まったように昔のままの姿を見せています。書画家でもある女将の作品が飾られたアートな空間でいただけるのが、名物「嵯峨とうふ」が主役の豆腐懐石。「嵯峨とうふ」はにがりを使わないオリジナル製法でつくられ、絹ごし豆腐と木綿豆腐の中間くらいのやわらかさで、湯豆腐にぴったりとか。「源氏物語」の世界に誘われ、優雅で風流な文化を愛した平安貴族に思いを馳せながら旅する京都・嵐山。美しい景観や神社仏閣、食など京らしさを満喫する中でとりわけ魅了されるのは、現代に息づく和の伝統です。いつまでも大切に受け継ぎたい美しい和文化と、いつも身近にいてくれる大切な彼の魅力を再発見する旅に出かけませんか。■今回紹介したスポット・車折神社 ・野宮神社 ・えびす屋 ・嵐電 嵐山駅 駅の足湯 ・京 嵯峨野 竹路庵 ・松藾庵 京都 嵐山で見つけた、ステキなお土産をアノ人が紹介>>続きを読む 文/江藤詩文モデル/牛窪万里子
2015年02月23日パートナーとふたりきりでゆっくり旅をするのはひさしぶり…。そんな大切な時間をさらに特別にするお宿が、「水辺の私邸」がテーマの「星のや 京都」です。大堰川を上った嵐峡(らんきょう)の奥にこつ然と姿を見せるこちらは、嵐山の中心地「渡月橋」から小舟でわずか15分と、観光にも便利な立地ながら、船でしかアプローチできないという秘境のお宿。大堰川に屋形船を浮かべて、春は桜、秋は紅葉、夏は鵜飼いと、この地で遊んだ平安貴族のように、外界から隔絶された非日常空間で、四季折々に表情を変える自然に包まれます。非日常空間へ小舟に乗ってアプローチ“渡月小橋(とげつこばし)の南詰(みなみづめ)”。なんとも京らしい響きの橋のたもとに「星のや 京都」の船着き場があります。ここから屋形船を模した送迎の小舟に乗って大堰川をゆるゆる上ること15分。野生の川鵜と追いかけっこをしながら進むと、まるで水墨画のような絶景の中にひっそりと佇むお宿が現れます。水の音を聞きながら、読書を楽しむひとときこの地にもともとあった池を生かしてデザインされた「水の庭」に面したライブラリーラウンジ。大堰川を開削した京都の豪商・門倉了以の“水辺の私邸”で、書斎兼住居として使われていたというエピソードにちなんで「ライブラリー」と呼ばれています。書棚には美術書や写真集、“旅”や“京都”にまつわる書籍も多く並んでいます。座り心地のいいゆったりとしたローチェアに座り、さらさらと流れる水の音に耳を傾けながら、コーヒーやお茶を手に、ふたりで読書をする時間なんてのも…。和の伝統美と現代のくつろぎが融合した、ふたりだけの空間「星のや 京都」の客室はわずか25室。100年前に建てられた旅館をリノベーションしたもので、年を重ねてきた日本建築ならではの味わい深さがあります。デザインは、間取りもしつらえもさまざまな6タイプで、全室が“大堰川ビュー”という贅沢さ。こちらの客室は、和室と寝室が川沿いに並んだ特別室「月橋」。角部屋の和室は2面に雪見窓があり、時間の移ろいを感じられます。角竹をあしらった丸天井や欄干など、昔の意匠の美しさに魅了されます。畳が心地よい和室に置かれていたのは、世界初の「畳ソファ」。「伝統的な日本家屋は、正座したときの目線の高さで過ごすことで本来の持ち味を発揮する」というコンセプトで「ヒノキ工芸」が制作しました。闇に包まれはじめた客室を温かく照らすのは、芸術的な枠組みの「三浦照明」の灯り。真鍮製の枠組みは、すべて職人の手作業で生まれます。寝室の壁の仕上げには京唐紙「京からかみ丸二」が使われていて、やわらかな灯りに照らされ、伝統的な文様が浮かび上がります。 庭園文化の伝統を踏まえた、新しいランドスケープ伝統文化としての庭園づくりが、いまもなお受け継がれている日本。悠久の時を経て積み重ねられた伝統の上に“生きた空間としての庭”という新しいランドスケープデザインが誕生しました。敷地内には「奥の庭」と「水の庭」というふたつの庭園があります。伝統的な「方丈庭園」を思わせる「奥の庭」は、燻し瓦と白石により川の流れのような文様を表現。「水の庭」は日本庭園とは異なるスケールを採り入れて、日本的でありながら異国情緒を感じさせます。いつもと違う表情にときめく、京都ならではのアクティビティ「着だおれ」といわれるほど着物文化と縁が深い京都。「星のや 京都」では着物の着付けをしていただけます(要予約・¥7,700〜※税別)。季節や行き先、好みに合った着物を貸し出していただくこともできます(要予約)。室町時代に形成された香道は、茶道や華道と並ぶ芸道のひとつ。ここでは“香りを聞く”という雅びな遊び「聞香」を体験できます(40分・¥2,800※税別)。武家の流れを汲んだ「志野流」のお作法で、本格的なお道具を使って香炉を作り、香りを聞きます。伝統を大切に進化する新しい会席料理ゲストが自由に食事を楽しめるように、宿泊と食事をセットにしないのが「星のや 京都」のスタイル。お宿の外の食事処をご案内いただくこともできますが、実はこちらのレストランは、2013年版のミシュランで1ツ星を獲得するなど、評価が高い実力店なのです。お料理は、旬の素材や京料理の伝統的な技法を用いながら、世界のトレンドを反映したクリエイティブな会席料理。モダンなデザインのダイニングで、ゆっくりとしたひとときを過ごすことができます。深い静寂が訪れた嵐山の夜を、ふたりでもっと楽しみたい。そんなふたりにオススメなのが古い蔵をリノベーションした「Salon and Bar 蔵」。昼間はサロンとして、夜はバーとして利用できます。空気が澄み渡る冬の夜は「星空BAR」と名付けて特別な演出がされています(3月20日まで)。天井のライトがミラーテーブルに反射した空間は、まるで冬の星空に迷い込んだよう。国産を中心にラインナップしたウィスキーと、京都のショコラティエが手作りしたフレーバー・ショコラのマリアージュを堪能することができます。光のアートが演出するドラマティックな冬景色京都の新たな冬の風物詩として始まった、和の灯りと花の演出によるライトアップ「京都・花灯路」と「京都嵐山・花灯路」。嵐山全体が光に包まれるこの時期に、嵐峡の奥座敷「星のや 京都」でも、光のアート「星のや花灯路」を開催しています(3月20日まで)。「時忘れの冬景色」をテーマに、光、水、音、風が織りなす光の世界は、幻想的でロマンティックな空間です。京の中心部に滞在する“いつもの京都旅”とは違い、嵐峡の絶景のなか幻想的に姿を現す秘境のお宿「星のや 京都」まで足を延ばす旅。和の伝統美と現代の機能美が美しく共存したドラマティックな空間のなか、日常から解き放たれて心を踊らせたり、かけがえのない瞬間にときめいたり。大人のふたりだから味わえる“ほんものの贅沢”がここにあります。文/江藤詩文モデル/牛窪万里子
2015年02月23日京都には昔ながらの製法で作られた拘りの和スイーツや、伝統を受け継ぐ遊び心一杯のお土産が沢山あります。「おおきに~」という言葉の響きが余韻を残す京都の魅力。今回は京言葉にのせて京都・嵐山の「おいしゅう」(美味しい)、「かいらし」(かわいらしい)、「ほっこり」(落ち着く)な和スイーツと小物をご紹介します。1)京都の歴史を物語る「おいしゅう」菓子 老松「御所車」婚礼菓子、茶席菓子を中心とした「老松」。その起源は室町時代。中でも代表的な「御所車」は、丹波大納言のつぶ餡であっさりとした一口が「おいしゅう」お菓子。木型で押紋された「御所車」に雅な京都の歴史を感じます。2)ちりめん細工館でみつけた「かいらし」小物入れちりめんで作られた「かいらし」小物入れ。生地の模様を選ぶのも迷ってしまうほどです。1つ500円と、お土産のまとめ買いにもおすすめ。お気に入りのアクセサリーなどを入れて持ち歩ける小粋なお土産として喜ばれます。3)大河内山荘でしか味わえない「ほっこり」する最中嵐山観光では訪れたい人気スポットの1つ「大河内山荘」。「鶴屋吉信」が大河内山荘のために作った最中です。インゲン豆の餡を使った上品な甘さ。風光明媚な庭園を眺めながら「ほっこり」するお菓子の味は格別です。
2015年02月23日インド。そこそこ海外渡航歴がある筆者にとって、そこは未踏の地でした。ですが行ってきましたよ! 効率よく世界遺産を回るために、5日間のツアーを利用して。インドの文化遺産を大ざっぱに分けると、仏教がらみとそれ以外、ということになります。前回は「それ以外」にあたるデリーを含む3都市をめぐる「ゴールデン・トライアングル」を紹介しました。今回もその続きです。○街全体がピンクに染まった「ピンク・シティ」デリーの『レッド・フォート』から引きはがされるようにして、次に向かったのはジャイプールという都市です。デリーから車で6時間です。午前中に世界遺産観光、昼にカレーを食べて午後は6時間移動というスケジュールは、3日間連続で続きました……。ジャイプールは「ピンク・シティ」と呼ばれます。その名の通り、旧市街の建造物がピンク一色だからです。ピンクといってもショッキングピンクではなく、スモーキーな落ち着いたピンクです。そして、ジャイプールが面白いのは外観だけではありません。イギリスがインドを植民地化した際にこの地は自治が保たれたこともあり、伝統工芸の技術が継承されました。特にブロックプリントと言われる版画のような工法で染められたテキスタイルが有名です。柄もとってもかわいいし、他にも宝石の集積地なのですてきなジュエリーショップがあったり、ラクダの革でつくったカラフルなサンダルが売られていたり、女子は目移りすること間違いなし!○マハラジャのお城にクラクラする「マハラジャ」という言葉はみなさん聞いたことがあると思います。あ、ディスコじゃないですよ(古!)。"インドの王様"というイメージかと思いますが、皇帝のように全域を統率しているのではなく、各領土を支配している藩主を意味します。日本でいうところの戦国時代の大名のようなもの、といってもいいかもしれません。ジャイプールで早朝から目指したのは、そのマハラジャの城だった「アンベール城」です。ラージプート族によって築かれたインド北西部に点在する城砦は『ラジャスタンの丘陵砦群』として世界遺産に登録されており、そのひとつがアンベール城となります。ここの名物は「象タクシー」です。マハラジャも象に揺られたかどうかは分かりませんが、象に乗ってえっちらおっちらと麓から坂道を上がって丘陵上部にある城へと向かうのはテンションが上がります。標高があがるにつれ、周囲の山に築かれた城壁が目に入るのですが、『万里の長城』をほうふつとさせました。そして城に到着するのですが、まあ装飾のすばらしいことといったら! ラージプート族はヒンドゥー教を信仰していたので、建築様式はヒンドゥー様式をベースとしつつ、イスラム様式も融合した感じです。美しい城から下界を見下ろすのもとっても爽快です。マハラジャ気分を味わいたい方、ジャイプールへゴー!!○へんてこな公園……ではなく天文台が世界遺産に次に向かったのはジャイプールの街の中心部にある「ジャンタル・マンタル」。呪文みたいでしょう? サンスクリット語で"魔法の仕掛け"という意味だそうです。ここは18世紀にジャイプールに遷都したマハラジャが築いた天文台です。当時国家の未来を占う上で占星術は欠かせないものであり、そこで天文台が必要とされたということなのです。施設内はまるで児童が遊ぶ公園のような感じです。ジャングルジムや滑り台の代わりに様々な器具が置かれていると思ってください。他の名だたる世界遺産と比べてしまうと小物感は否めませんが(そもそも世界遺産は、観光地であるかメジャーであるかということは全く問いません)、世界でも当時最先端の天文観測装置であり最もよい保存状態であることを思うと、じわじわとスゴさが伝わってくるかもしれません。200年以上前に、マハラジャがこの地で太陽の位置を観測したり、様々な星の動きを観察して国の将来を思い描いていた、秘密基地のようなところだったのかもしれませんね。次なる地はアーグラ。なんといっても『タージ・マハル』です! その前にまた6時間移動しないと。トホホ……。世界遺産データ: ラジャスタンの丘陵砦群(文化遺産)インド。2013年登録。広大な砂漠地帯が広がるインド北西部に点在する、ラージプート族が築いた城塞のうち6カ所が登録されている。アンベール城は16世紀に築かれ、ジャイプールに遷都するまで都として繁栄した。世界で最も美しいと門と言われるガネーシャ門や「鏡の間」の美しい装飾は特に有名。世界遺産データ: ジャイプールのジャンタル・マンタル-マハラジャの天文台(文化遺産)インド。2010年登録。18世紀初頭にこの地を治めていたマハラジャ、ジャイ・シン2世によって建造された、20以上の建造物からなる天体観測施設群。レンズを通してではなく裸眼で星の動きを観察することが目的であり、建築や部材においても当時の最新技術が導入された。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年02月23日ジャン=ポール・エヴァン(JEAN-PAUL HEVIN)が、「フォリ ドゥ ショコラ」と題して新作ショコラを期間限定で発売する。このアイテムは世界最大規模のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2015」で先行販売されたもの。“世界遺産”“オリジン カカオ”“MOF(フランス国家最優秀職人章)”の三つのテーマを元に、計13点のショコラが提供される。ジャン=ポール・エヴァンブティックで2月16日から3月31日まで販売。世界遺産をテーマとした七つのショコラでは、進化し続けるブランドの味覚と、エヴァンが思い描く未来へのオマージュを表現。ボンボンショコラ「パトリモワンヌ ユニヴェルセル」(452円)では、ソバの花から採ったハチミツをガナッシュに加え、それをショコラノワールでコーティングした。更に、「ユズ」(714円)では柚子風味の爽やかなクレームに、トンカ豆のサブレのスパイシーな香りがマッチ。「サロメ」(674円)では、バニラムースの風味をビターなビスキュイショコラが引き立てている。その他、さくさくのクルスティアン、ビスキュイ、キャラメリゼしたクレームシブーストなどを重ねた「ゲランド」(697円)、キルシュに漬けたグリオットとビターなカカオムースが大人の味わいを演出する「アンジュ」(697円)、マンダリンの爽やかな後味とアクセントの胡椒がマリアージュした「ランコントル」(683円)と計5品のガトーが登場。これに、ジャン=ポール・エヴァンでは珍しいミルフィーユ「ミルフィーユ ショコラ」(882円)が加わり、ショコラを世界遺産と捉えたクリエートを締めくくる。一方、ショコラの原点となるカカオの魅力を追及した“オリジン カカオ”のテーマの元、豆の個性や産地を生かしたショコラも用意。ボンボンショコラ「オリジン カカオ」(452円)では、ショコラノワールのガナッシュに、マダガスカル産のカカオを使用した。更に、ベリーのような酸味が特徴のエクアドル産カカオを使った「タルト ショコイン エクアトゥル」(738円)、ナッツのような香ばしさとフローラルな香りが特徴のペルー産カカオを使用した「タルト ショコイン ペルー」(738円)、苦味の中にコーヒーやミルクキャラメルを思わせる味わいのコロンビア産カカオを使った「タルト ショコイン コロンビイ」(738円)と三つのタルトが提供される。また、“MOF”のテーマではヘーゼルナッツ風味のガナッシュに、アクセントとして柚子を加えた「MOF」(452円)に加え、エヴァンを代表するガトー「グアヤキル」(686円)が提供となる。このガトーではレシピを従来のものからリニューアルし、アーモンド風味のチョコレート生地と、ビターチョコレートのムースを積み重ねた。
2015年02月15日京都を舞台に世界の第一線で活躍する作家36組が参加するPARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015が、来月7日より開催する。京都市美術館と京都府京都文化博物館と市内の複数の会場が連携し、1万平方メートル以上の展示スペースが確保される。参加作家と、主な作品のラインナップが発表となった。『PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015』チケット情報メイン会場となる京都市美術館入り口にはやなぎみわが手がけた巨大な移動舞台車が出現。1階の大陳列室には、蔡國強が制作した高さ15メートルに及ぶ竹製の塔作品に京都の子どもたちが作った大量のオブジェが飾られるという大型作品が展開されるほか、桜の時期には花見を楽しめるカフェや大垣書店の手がける期間限定のブックショップが登場し、作品以外にも芸術祭を楽しめる要素も。また、1950年代に建てられた店舗併存集合住宅のモデル堀川団地には、ピピロッティ・リストらによる作品が出現、鴨川デルタにはドイツで活躍する美術家スーザン・フィリップスによる音の芸術作品が展開されるなど、京都のランドスケープを最大限活用し、馴染みある風景をアート空間に変貌させる。アーティスティックディレクターの河本信治は「準備期間の2年間を通し、参加作家のほとんどを京都に招聘しました。作家達は京都の歴史や文化遺産からだけでなく、人々の暮らし方を感じたり人々と対話する中で新しいビジョンを得たようです」と紹介。京都の景色とアートを楽しめる、他に類を見ない芸術祭となりそうだ。「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」は、2015年3月7日(土)から5月10日(日)まで、京都市美術館、京都府京都文化博物館ほかで開催される。チケットは発売中。
2015年02月10日インド。そこそこ海外渡航歴がある筆者にとって、そこは未踏の地でした。バッグパッカー時代、インドでぼられたとかうざかったとかいう話を散々旅人から聞き、なんとなく敬遠していたのです。しかし、世界遺産的にはやはり外せません。2014年夏、ついにインドビザを取得しました。がタイミングを逸し2月3日にビザが切れるという事態に。せっかく時間もお金もかけてとったビザを無駄にしないためにも、有効期限内にインドに行くことにしました。○効率よく巡るならツアーをインドは仏教発祥の地です。インドの文化遺産を大ざっぱに分けると、仏教がらみとそれ以外、ということになります。今回は「それ以外」にしました。インドの首都・デリーを含む3都市をめぐる「ゴールデン・トライアングル」といわれる一帯です。各250kmずつ離れた3都市には多くの世界遺産が集中しています。そこを短期間で効率的に、かつリーズナブルに回るには、個人旅行よりもツアーが適していることが分かりました。筆者は団体行動があまり得意でないのでほとんどツアーを利用したことがないのですが、今回は素直にツアーを利用することにしました。5日間の超弾丸ツアーの始まりです!○力を誇示する赤い塔まずはデリーに降り立ちました。深夜に到着して翌日朝から市内観光です。世界遺産1カ所目は『デリーのクトゥブ・ミナールとその関連施設』。市内から10kmほど南に行ったところにあります。「クトゥブ・ミナール」は72.5mあり、インドに現存する最も高い石塔です。朝もやの中に赤い塔が見えてきました! 赤砂岩で作られているので、青空に映えます。今の感覚で言えば、高い建物といえばビルやタワー、灯台など何かしら用途があることが普通です。あるいはモスクの隅に建つミナレットなど装飾的な意味合いがある塔もありますが、この塔は権力を示すために築かれました。1200年頃、インドを征服した外国からの侵略者が戦勝記念に建てたのです。800年も前に、いったいどうやってこんなに高い塔を建てたのかと現地ガイドに尋ねたところ、遠方から傾斜をつけた坂道を作って石を運んだそうです。最終的には2km先から運んだとか! ピラミッドでも同様の説があります。○元祖タージ・マハルの霊廟とは?クトゥブ・ミナールの周辺施設には、インド最古のモスクなどいろんな見どころがあります。しかし、ツアーの宿命で駆け足で見学して、次は「フマユーン廟」へ。これは先ほどの遺産とは時代が異なり、16世紀にムガル帝国がインドを支配して以降の建造物です。今回のツアーでは、ムガル帝国期に建てられた遺産を多く見ることになっています。フマユーンは2代皇帝であり、その霊廟が世界遺産に登録されています。彼は図書館の階段から転落して亡くなってしまいました……。フマユーン廟にも赤砂岩が使われています。形は「タージ・マハル」に似ていると思いませんか? 左右対称でペルシア式庭園の中に霊廟が建てられるスタイルは、そのまま後のタージ・マハルに引き継がれました。大都会デリーの中で、緑豊かな霊廟はちょっとしたオアシスになっているのかもしれません。さらにデリーにはもうひとつの世界遺産、「レッド・フォート」という名前通り赤い城があるのですが、ここは時間の都合で外観のみでした。フェンスのはるかかなたに、メインゲートが見えています。せめてあと10分あれば門の正面から写真が撮れるのに……。非常に日本語が達者な現地ガイドさんも、ひきつって笑うしかなかった筆者を見て「なんで笑うの? 」と不思議そうでした。「日本人はツライときは笑うんです! 」。「はい、じゃあ次ね~」と情け容赦なく旅は進むのでした。世界遺産データ: デリーのクトゥブ・ミナールとその関連施設(文化遺産)インド。1993年登録。インド最初のモスクとクトゥブ・ミナールは、12世紀後半にデリーを征服し奴隷王朝を開いたアイバクがつくった建造物。敷地内には、築かれて800年たつ「さびない鉄柱」があることでも有名。世界遺産データ: デリーのフマユーン廟(文化遺産)インド。1993年登録。ムガル帝国2代皇帝フマユーンのため、王妃の命により1570年に完成した。インド初の本格的なイスラム廟建築で、ペルシア様式の融合もみられる。約1世紀後のタージ・マハルにも多大な影響を与えた。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年02月10日京都タワーは2月1日~28日、京都タワー・地上100メートルの展望室にて「真冬の七夕大作戦」と題したバレンタインイベントを開催する。○地上100mの神社で、バレンタインイベント開催同イベントは、京都タワー展望室の「たわわちゃん神社」にて開催される期間限定のバレンタイン企画で、同神社に"オリジナル七夕スポット"としてゴールドの笹が設置され、来場者は「たわわちゃん絵馬」に願いを託し、恋愛成就を祈願するというもの。願いを託された絵馬は下鴨神社(賀茂御祖神社)へ奉納され、ご利益を高めてもらえるとのことだ。また、期間中2月11日(14時05分~15時20分)には、毎年恒例となっている、京都タワーのマスコットキャラクター「たわわちゃん」から、東京タワーマスコットキャラクター「ノッポンブラザーズ」へのバレンタインプレゼントのお披露目会も開催される。開催日時は2月1日~28日の9時~21時(最終入場20時40分)。展望料金は大人700円、高校生620円、小・中学生520円、幼児150円、障がい者350円で、絵馬購入料金は300円(全て税込)。
2015年01月29日りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行はこのたび、19日より「ユネスコ70周年記念世界遺産コインシリーズ」の申込み受付を開始すると発表した。○記念コインの概要ユネスコ憲章の採択70周年を記念した貴重な世界遺産コイン近年、富士山、富岡製糸場などの登録が話題を集めた世界遺産を取り上げ、カナダ・オーストラリア・フランスの「山」「海」「街」をテーマとしたデザイン売上の一部が世界遺産を守り、未来へ引き継ぐ活動に役立てられるユネスコ(国際連合教育科学文化機関/UNESCO)を通じて、世界遺産の保護・保存および修復活動の基金として売り上げの一部が寄付される1月19日(月)から2月6日(金)まで、各銀行の本支店店頭に申込書類を設置。申込みしたコインの受け渡し時期や方法などについては、申込書類にて確認するか、輸入元(泰星コイン)に問合わせる。
2015年01月15日●国が星空を守っているレイク・テカポは、おとぎの国のような街だった!「星空を世界遺産に」。そんなロマンチックな取り組みを街、そして国が進めている場所がある。それが、ニュージーランドの南島の中央付近に位置するレイク・テカポだ。極上の星空を求めて、星をめぐる旅に出掛けてみた。○世界に誇れる星空保護区日本の旅行会社の中には、レイク・テカポの星空観賞をメインにしたニュージーランドツアーを企画しているところもあるが、個人でレイク・テカポに行くなら、南島のクライストチャーチ国際空港から車で約3時間半の道のりとなる。レイク・テカポは季節や時間によって色が変わる湖や、石造りの小さな教会「善き羊飼いの教会」があることでも知られている。街は高台の盆地に作られており、周囲を山脈で囲まれている。人口400人程度の小さな街は、おとぎ話などに出てくる"ひっそりとした隠れ里"のような印象を受けた。このレイク・テカポで「星空を世界遺産に」と構想したのには訳がある。レイク・テカポは空気が非常に澄んでおり、夜間の晴天率が高いことなど、世界的に見ても星空鑑賞に適した環境条件がそろっている。1965年には街の近くにマウントジョン展望台も設立された。レイク・テカポで2000年に始まった光害のない暗い環境保全の活動は、2013年にはニュージーランド首相から国の予算が振り分けられることで国の取り組みとなっている。現在、この活動には大勢の人が参加し、それぞれの分野で活動している。また、国際ダークスカイ協会が行っている世界中の暗い夜空の保護・保存を目指した取り組み「ダークスカイプレイス・プログラム」では、2012年にレイク・テカポを含めた「アオラキ/マウントクック国立公園とマッケンジー盆地周辺」が「ダークスカイ・リザーブ」に認定された。なお、2014年11月現在、同協会が世界を対象に定めているプログラムの認定地は、「ダークスカイ・コミュニティ」が8カ所、「ダークスカイ・リザーブ」が9カ所、「ダークスカイ・パーク」が20カ所である。●星が空を覆うレイク・テカポで南十字星に天の川、そしてオーロラも!?○あまりに身近にあった宝世界遺産への取り組みの最前線にいるのが、実はレイク・テカポで星に魅せられた日本人の小澤英之さんである。小澤さんはレイク・テカポでEarth&Skyを起こし、星空鑑賞ツアーを実施している。「私が『この星空を世界遺産にしたい』と言った時、地元の人に笑われてしまいました。地元の人にとってはあまりに身近にありすぎて、これが世界に誇れるニュージーランドの宝であることを自覚できなかったんだと思います。現在、世界遺産に向けてユネスコへの取り組みとともに、地元の人への働きかけをしているところですが、地元の人の中では世界遺産への取り組みに対して賛否が分かれています」「というのも、世界遺産になれば今よりももっと多くの観光客が街を訪れるというメリットがありますが、星空鑑賞のために光の制限が必要なため、ビジネス的にはデメリットになりえます。市民の協力なしでは世界遺産は夢のまままです。どのようにすれば地元の人にもメリットを感じてもらえるのか思案しながら、私たちはレイク・テカポの星空を見守っています」(小澤さん)。そんな小澤さんにもっとも星空鑑賞に適した時期はいつなのかうかがってみた。そもそも日本とニュージーランドは季節が逆であり、ニュージーランドでは12月~2月が夏、3月~5月が秋、6月~8月が冬、9月~11月が春となっている。小澤さんの感覚では、夏だと8割程度、冬だと6~7割程度の確率で星空鑑賞に最適な空に恵まれるという。ただ、満天の星を狙うなら冬の方がベストだそう。つまり、何日かレイク・テカポに滞在できるのであれば、冬にトライしてみるといいだろうが、限られた時間の中でレイク・テカポに訪れるなら、夏の方が星空に遭遇できる確率は高いようだ。ちなみに、「1日の中に四季がある」と言われるほど、ニュージーランドは1日の気温差が激しい。夏でも夜になると5度くらいまで下がる場合もあるので、しっかりとした防寒対策は必須だ。○南十字星にオーロラも!今回筆者は1夜だけの滞在でレイク・テカポを訪れたが、残念ながら空には雲が残っており、満月に近い頃だったため月明かりが強い夜となった。とはいえ、月が沈んで太陽が昇る4時15分~4時45分の間、雲が消えていることを願いながら鑑賞したのが下の写真である。「善き羊飼いの教会」の上に昇ったオリオン座は、北半球にある日本とは逆転して見える。ニュージーランドで見られる星といえば、南十字星(サザンクロス)である。南十字星は全天88星座の中で一番小さな星座であり、大航海時代以来、南極星を探すのに使われてきた。ニュージーランドでは地平線に沈むことなく、一年を通して南極星を見ることができる。ちなみに、ニュージーランドの国旗には4つの星で作る南十字星が描かれているが、オーストラリアやサモア、パプアニューギニア、ブラジルの国旗には5つ目の星も描かれている。また、南半球から肉眼で見ることができる小さな銀河「マゼラン雲」や、天の川(ミルキーウェイ)もぜひチェックしておきたい。さらに、レイク・テカポでは運が良ければオーロラも見ることができるという。淡い光のオーロラは現れる時間も気ままなため、夜の長い冬の方がチャンスが大きいと言える。ちなみに、北半球で見られるオーロラは「Aurora Borealis(northern lights)」、南半球で見られるオーロラは「Aurora Australis(southern lights)」と呼ばれている。山脈に囲まれた情緒ある街で、冷たい風を受けながらのんびり夜空を見上げる。ただそれだけでもロマンチックなのだが、そこに満天の星が広がっていたら、「これを世界遺産に!」と思わずにはいられなくなるかもしれない。※1NZドル=91.9円で換算。記事中の価格・情報は2014年12月取材時のもの
2015年01月14日