2.5次元系舞台で女性ファンを中心に絶大な人気を誇る佐藤流司、佐藤永典、赤澤燈ら若手俳優たちが主演の映画『Please Please Please』が、2017年1月14日(土)よりシネマート新宿、イオンシネマ板橋ほかにて公開されることが決定した。地方都市でデート詐欺や架空請求詐欺などをして、日々を空虚に過ごす兄弟を中心に、彼らの仲間たちや騙された女性たち、また彼らから搾取し、翻弄される大人たちを、リアルに、時にファンタジックに描いた本作。監督・脚本を務めるのは、『私の悲しみ』でTAMANEW WAVEグランプリ&女優賞の2冠の偉業を達成し、佐々木希主演『縁(えにし)The Bride of Izumo』がハワイ国際映画祭、上海国際映画祭に正式招待された堀内博志。堀内監督が温めていた青春映画の企画に、旬のイケメン若手俳優が集結。デート詐欺で若い女を騙す兄・シンジ役に、ミュージカル「刀剣乱舞」シリーズの加州清光役や、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」うちはサスケ役など、人気作品に多数出演し、2.5次元舞台を代表する俳優のひとりとまで呼ばれる佐藤流司。仲間たちと架空請求詐欺を企む弟・ナオ役に、ミュージカル「テニスの王子様」でデビューすると数々の舞台・映画に登場し、2017年1月期ドラマ&舞台の「男水!」に出演する実力派俳優、佐藤永典。2人が数奇な運命に翻弄される兄弟を熱演。そして、シンジの詐欺仲間・アオイ役には、「Messiah メサイア」シリーズをはじめ「美男高校地球防衛部LOVE!活劇!」箱根有基役、歌劇「明治東亰恋伽」泉鏡花役、そして「男水!」にも出演する赤澤燈が配役。2.5次元を中心に女性ファンを魅力する若手俳優の彼らが、3人の等身大の若者をいかに演じるか、期待が高まる。映画『Please Please Please』は2017年1月14日(土)よりシネマート新宿、イオンシネマ板橋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月13日俳優のオダギリジョーが10月21日(金)、東京・テアトル新宿で行われた主演作『オーバー・フェンス』(佐藤泰志原作)のヒット御礼舞台挨拶に、メガホンをとる山下敦弘監督とともに出席した。9月17日(土)に全国32スクリーンで封切られ、佐藤氏の原作を映画化した『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』を超えるオープニング記録をたたき出した本作。同日、都内で初日舞台挨拶が行われたが、オダギリさんは新作映画『エルネスト』(阪本順治監督)の撮影でキューバにおり、“主演なのに初日舞台挨拶に不在”という珍事も巻き起こった。キューバでの撮影を終えたオダギリさんは、直接、本作が上映された釜山国際映画祭に参加し「時差ボケもあって、何も覚えていない」と現地でもマイペースだったのだとか。「監督たちと一緒に飲んで、まるで漫画に出てくるような千鳥足になったらしくて(笑)。その記憶すらない」と迷惑をかけた山下監督を前に、バツの悪そうな表情だった。原作は1990年、41歳の若さでこの世を去った佐藤氏の生涯最後の芥川賞候補作。執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校で過ごした実経験をもとに執筆された。職業訓練校に通いながら失業保険で暮らす主人公・義男(オダギリさん)が、同じ訓練校に通う仲間の代島と出かけたキャバクラで、鳥の動きを真似る風変わりなホステス・聡に出会う…。代島を松田翔太が、聡を蒼井優が演じている。「ヒットしていると聞き、本当にありがたい気持ち」とオダギリさん。自身にとっては30代最後の作品でもあり、「面白い台本に出会い、実際に出演してみるといい作品に仕上がった。僕にとってはベストな形でしたね。キャストの皆さんもすばらしかったし、スタッフの方々も同世代が多かったので、とてもやりやすい現場だった」と作品への深い思い入れを語った。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月21日孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作の最終章を、オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら注目のキャストで映画化した『オーバー・フェンス』。ちょっぴりこじれた大人たちを描く本作から、メガホンをとった山下敦弘監督もイチ押しだという“最もファニーな(面白い)瞬間”の本編シーンがシネマカフェにて解禁となった。都内上映館のテアトル新宿では、初日舞台挨拶に主演のオダギリさんがまさかの欠席にもかかわらず(?)、初日・2日目と全回満席を達成、前作『そこのみにて光輝く』を大幅に超えるヒットを記録している本作。今回解禁された映像は、失業保険を受け取りながら職業訓練校に通う白岩(オダギリさん)が、偶然出会った風変わりな女・聡(蒼井さん)のアルバイト先である遊園地に会いに行くシーンから切り取られたもの。遊具の空中ブランコに少年が1人で乗るなか、白岩と聡の会話が繰り広げられていく。白岩は、職業訓練校で行われるソフトボールの大会に聡を誘い、「聡のためにホームラン打つからさ、見に来いよ」とカッコつけて言葉を掛けるが、実は聡は、白岩がその前に元妻(優香)と会っていたことを知っていた。そして、白岩に感情をぶつけ、空中ブランコの前から走って立ち去ってしまうのだ。そんなシリアスなシーンにも関わらず、空中ブランコはむなしく回り続け、少年は「ちょっと!」「助けて!」「おじさん!」とSOS。回り続ける少年を見て、白岩は聡を追いかけるべきか、空中ブランコを止めてやるべきか、しどろもどろになる…という、何ともシュールでファニーな瞬間の映像となっている。どこか危なっかしい大人たちが恋をしたり、自身を見つめ直していったりする姿を真摯にとらえた本作には、本映像のように思わずクスッとしてしまうシーンも散りばめられており、彼らの人間くささをより浮き彫りにさせている。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月24日離婚を経験し、東京から故郷の函館へと逃げるようにして帰って来た40の男が、人との深い関わりを避けながらも、どうしても逃げられない人と人とのぶつかり合いを経験しながら成長していく姿を描く『オーバー・フェンス』。自らと同年代の主人公・白岩を情けなく滑稽に、だからこそ現実味たっぷりに体現するのはオダギリジョー。孤高の作家とも称される佐藤泰志の短編小説の世界観を、映像化に際し豊かに広げた脚本に惚れこんだという彼に、作品に寄せる思いを語ってもらった。『オーバー・フェンス』は、オダギリさんが、39歳で挑んだ30代最後の作品。同年代を演じるというところにも、強い思いがあったという。「僕、山下敦弘監督を含め、同年代のスタッフが多く、お話をいただいたとき、何となくそういう世代感のようなものがひっかかったんです。これまでは、ちょっと変わった役や作品を選んできたかなという思いがあったので、地方都市にいる、ごく普通の40歳という人物をどれだけ深堀できるだろうかということも魅力でした」。これまで、個性的な役を多く演じてきたオダギリさん。エキセントリックな役柄は、インパクトが強く、迫力があるだけに、役者として旨味も大きいはず。一方で、普通の男を演じる魅力についてこう話した。「40代の男は、20代の若者と比較したときに、明らかに出るものが違うと思うんです。例えば、雲を見ているときでも、20代が雲を見ていればすごく爽やかで夢を見ているようなすがすがしいものを感じるけれど、40代なら“あれ?悲しいことでもあったのかな”とか観ている側が勝手に解釈を変えてくれる。つまりこちらの芝居次第で、清々しくも、悲しくも見せられるし、ぐんと可能性を広げられるということでもあると思うんです。それがきっと40代の面白さ。同じ年の山下監督と、白岩という同年代の役の人間臭さをどんどん深めて行って、男の情けなさとか、頼りなさとか、滑稽さとか、そういったいろいろなことを深めていけたらいいなと思ったんです」。エキセントリックな役が多かった時期は、どちらかというとオリジナリティを大切にしていたそうだ。「自分にしかできない芝居をと考えていましたね。誰もできない発想、誰も表現できない個性、というところに面白さを感じていたんです。今回は真逆ですね。普遍的な40代のあり方を追求し、それが普遍的であればあるほど、こういう40代っているよねというところに落ち着くのが面白かった。いままでやってきたのとは、違うベクトルで演技を組み立ていきましたね。ある年齢に達した男の人が持っている男性性を表現したかった。普遍的なものを演じたいと言うよりも、この作品ではそれが面白いと思ったんです」。劇中、男の情けなさ、ずるさを自分なりに表現してみたいと、監督と話し合い、自らのアイディアを実践することもあったとか。「こういうことをすると、女性がイラッとするだろうなと思って、やらせてもらったくだりもあります。そういう滑稽さとか、人間のずるい部分とか、自分勝手な部分も、この役なら活かせる気がして。そういう細かい部分が白岩の幅をどんどん広げていける気がして。人間の綺麗な面ばかり並べても、表面的な作品にしかならない気がしているんです。ムカついたり、イラッとしたりと、観ている人の感情にひっかかる、そんな要素を入れるように心がけました」。確かに、白岩の言動には“男の人ってこういうことするんだよな”という部分が、良きにつけ悪しきにつけ、浮かび上がります。だからこそ、女性の観客は白岩に呆れることもあるはず。でも、それは男性が知らないうちにしでかしてしまう種類のもの。オダギリさん自身が客観的にそこを理解できるというのは、男性として珍しいのでは?「そうかもしれませんね。気づくには気づくんでしょう、僕は(笑)。気付かないところもいっぱいあるんでしょうけれど。いままで女性がなぜ怒っているのかわからないこともいっぱいあったし。ただ、こういう返事をしたらずるいよなと思いながら、そう返事するということもいままでいっぱいあった。そういうことがいまになって活かせるのかもしれません。きっと相手のリアクション、相手の気持ちみたいなものを、注意して感じようとして育ったからかな。いい子でいたかった子どもって、相手の出かたとか、距離感とかすごく測る。きっと自分もそういうところから、人との関係性の構築の仕方を始めているような気がしています。僕も、いい子でいたいタイプの子どもでしたね。母と2人きりだったし、ちゃんとしなさいと言われ続けて育ちましたから」。劇中、白岩は幾度も“自分は最低な人間なんだ”と笑いながら言い、それを言いわけにして人間関係から逃げている。いまいる場所から、どうしても飛び立てないもどかしさに、絶望しているかのように。「人との距離を保っておくのが一番楽なんですよね。そうやって予防線を張ることで、傷つけ合わずにすむから」。本作では、傷つくのが嫌で人と距離を保っていた白岩が、容赦なく心に入り込んで来る聡というまっすぐな女性との出会いによって、何かを乗り越えていく様に、ある種の爽快さが感じられる。自分一人では超えられない壁だって、誰かとの出会いによって、ときには傷つきながらでも越えられるかもしれないというメッセージが鮮烈だ。聡がしきりに鳥の求愛行動を真似するのも印象的。さらには、鳥が空を飛ぶシーンも時折さしはさまれていて、柵も塀も、国境も関係なく飛んで行ける鳥が自由の象徴のように登場している。「聡という女性はとても純粋。ぶつかるときは、本気でぶつかるんです。白岩がずっとぬるま湯の中で、いい距離感を保っていこうと思っていたのに、それが通じなかった。彼女のペースに巻き込まれていくというか」。できれば、誰だって傷つかずに生きていきたい。現代は、摩擦を避ける傾向が顕著で、直接的に関わるのではなく、ネットなどヴァーチャルな繋がりを好む人も増えている。白岩にも、無意識のうちに鎧を着る、そんな現代性も見て取れる。でも、どんなに人との間に柵を作ろうとしても、人は人と関わらずには生きて行けず、いやがうえにも影響し合ってしまう。その部分を強調するかのように、劇中では人との関わりの重要性を反映させているアナログなコミュニケーションが繰り返し登場するのも新鮮だった。「携帯やPCを使うシーンはないですね。白岩が通う職業訓練校の場面では、たばこを吸いながら喫煙室で雑談を交わしたり、休憩時間にみんなで教官の悪口をぶつぶつ言いながら野球をしたりしている。野球もチームプレイのスポーツで象徴的。家を建てるという職業訓練所での授業内容も、チームワークを象徴するものですよね。離婚して、東京から函館に戻るときに、ゼロから出直すつもりだった白岩。人間関係をすべてシャットアウトした状況で戻って来たのに、人間関係を持たざるを得なかった。そこから、生きると言うことはこういうことなんだと学ぶんです。監督は、どちらかというと群像劇にしたいとおっしゃっていたので、そのつもりでいたんですが、群像劇の中から生まれる人と人との温度のあるぶつかり合いと、聡の情熱的な熱量の高いぶつかり、その両方を通して白岩が成長していく物語と言えるのかもしれません」。ヘアメイク:砂原由弥(YOSHIMISUNAHARA)スタイリスト:西村哲也(TETSUYA NISHIHARA)(text:June Makiguchi/photo:Nahoko Suzuki)
2016年09月21日「ぴあ」調査による2016年9月17日のぴあ映画初日満足度ランキングは、大今良時のベストセラーコミックを映画化したアニメーション『映画「聲の形」』がトップに輝いた。その他の画像本作は、“いじめ”や“障がい”といったテーマを題材に、少年少女たちの青春を描いた感動ストーリー。物語は、小学生の主人公・石田将也と転校生で聴覚障がいを持つ西宮硝子の出会いから始まる。互いに歩み寄れないまま高校生になったふたりが再会を果たし、過去の自分や周囲の人々と向き合っていく様が描かれる。劇場に訪れた原作ファンからは、「ボリュームのある漫画が2時間に上手くまとまっていた」「どのシーンも丁寧に作られている。涙をこらえるのが大変だった」「原作と異なるシーンも満足できる仕上がりだった」「キャラクターの面白さもしっかり出ていた」と好評。一方で、原作は知らないが「予告編を観て気になった」という観客も多く、「思っていたより深い作品」「登場人物ひとりひとりが人間臭くてリアルに感じた」「登場人物それぞれの個性や考えに共感することもあった。見ごたえのある作品」などのコメントが寄せられた。“見ごたえのある作品”を作り出したのは、数々の人気を輩出してきた京都アニメーション。『映画 けいおん!』『たまこラブストーリー』など青春ドラマを多数手掛けており、本作でも少年少女の悩みや葛藤がリアルに描写されている。主人公たちと同じ10代の観客からは「いじめる側が、いじめられる側になってしまうシーンは心に刺さった」(19歳)、「主人公が過ちを償っていく姿が心に染みた。自分と重なる部分もあった」(15歳)、「いじめる側、いじめられる側の関係の変化が感動的」(16歳)などの声が寄せられた。なお、満足度ランキングは、佐藤泰志の原作小説をオダギリジョー、蒼井優の共演で描く『オーバー・フェンス』が2位に、『悪人』の李相日監督が再び作家・吉田修一の長編小説を映画化した『怒り』が3位に入っている。(本ランキングは、9/17(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『映画「聲の形」』公開中
2016年09月20日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら、いま注目の実力派俳優たちが集結した、『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(呉美保監督)に続く故・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。先日9月17日(土)に初日を迎え、舞台挨拶が行われたが、なんと主演のオダギリさんがキューバでの撮影のために不在。代わりにオダギリさんの等身大パネルが登場し、キューバから届いたメッセージを松田さんが代読、会場に爆笑を巻き起こした。この日の初日舞台挨拶には、蒼井さんと松田さん、北村有起哉、満島真之介、松澤匠、山下敦弘監督が登場。まずは、満島さんが「オダギリさんが今日来られないので、みんなでパネルをだそうぜって翔太さんが提案して」と等身大パネルを持って現れ、ほかのキャストも笑いながら登壇した。オダギリさんとのラブシーンや鳥の求愛ダンスなど、印象的なシーンを数々演じた蒼井さんは、無事に初日を迎えたことに、「(この映画が)この世界に誕生する日を楽しみにしすぎていました」と喜びのコメント。また、松田さんは「この作品に参加できて本当に心がいっぱいです。撮影中、実は、代島という役を演じるのに何かモヤモヤしていました。でも映画を観たら、すごくポジティブになっていて、本当に好きな映画になりました。嬉しい限りです」と語り、満島さんも「初日嬉しいです!僕はデビュー作がテアトル新宿で公開され、舞台挨拶もここでした。その作品以来の初日舞台挨拶で嬉しいです!」と感慨深げ。蒼井さん、松田さんはそろって31歳の誕生日を迎えたばかり。30代のスタートとして節目となる作品になったのでは、と聞かれた蒼井さんは、「“何が好きで何があまり好きではないかを教えてくれた作品”になりました。私はこの映画と同じくらいの規模の映画からキャリアがスタートしましたが、改めて、小さな幸せのお話が好きなんだなと思いました。オダギリジョーさんの主演としての立ち位置を拝見していたら、もし次に主演をやらせていただく機会があれば、こんな距離感でやりたい、と思いました」と真摯にコメント。松田さんは、「監督も、オダギリさんや蒼井さんも、いつかお仕事したいと思っていた人たちでした。たまたま、代島という役柄を演じることが、腑に落ちない時があったけど、楽しい撮影の中で、“この立ち位置で正解なんだな”と思ったことがありました。代島は、接着剤みたいな存在で、代島がいないとまとまらない。そう思えてから熱が入ってきました。こんな気持ちになれて、俳優として成長できてるのかなと思わせてくれた映画でした」と、言葉を強めてふり返った。そして、満島さんがマイクを差し出す中、松田さんが「すべりそうになっても僕のせいじゃないですよ(笑)」と前置きしながら、オダギリさんからのメッセージを代読。「公開初日に主演がいないというのは聞いたことがない、まさに前代未聞の状況で、謝ることしか出来ませんが…この事態をもしも良く捉えようとするならば…ある意味マンネリ化していた初日舞台挨拶の在り方に新たな光を射したのかもしれませんね……」とオダギリさんらしい観点で(?)お詫びのコメント。さらに、函館ロケの思い出として、「朝市に行ったときのこと。カニの味噌汁を頼んだらサービスで付いて来たのがシンプルな味噌汁で、なぜか味噌汁がふたつになったことも、いまとなっては大感謝です。いままさにキューバで体重を10kg落としゲリラ戦を撮影している最中なので、余計にふたつの味噌汁なんて大大感謝です。あ~味噌汁の味」との言葉に爆笑が起こっていた。オール函館での撮影には、満島さんも「みんなでお酒を飲んで語り合いましたし、そのおかげで先輩方とも仲良くなれました。蒼井さんなんて一緒のシーンは全くなかったのに、密度濃く一緒にいました」と明かし、「先ほどお味噌汁のお話もありましたが、僕も海鮮丼を思い出したり、撮影以外のことを思い出します。参加できて良かった。おごっていただいてありがとうございます」と思い出を語った。最後に、山下監督は「このスタッフ・キャストでこのタイミングで作ることができて、良かったです。大事な作品になりました、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』の両監督にも感謝ですし、佐藤泰志さんの原作にも感謝です。いまそれを実感していました。僕にとって特別な映画だし、力のある作品になったと思います」と手応えを覗かせる。本作は、先日発表された第21回釜山国際映画祭をはじめ、台湾Shine Film Festival、香港アジア映画祭、サンディエゴアジア映画祭、ハワイ国際映画祭、第2回上海日本映画展など、続々と映画祭への参加が決まっている。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月20日女優・麻生久美子らが、俳優・オダギリジョーの主演映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)についてコメントを寄せた。同作は『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志の原作による「函館三部作」最終章。妻(優香)に見限られて故郷・函館に戻った白岩(オダギリ)が、失業保険で暮らしながら職業訓練校に通う中でホステス・聡(蒼井優)と出会い、孤独と絶望の心情が徐々に変化していく様を描く。オダギリと麻生といえば、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』シリーズ(06年/07年)で主人公とヒロインだった間柄。かつてのパートナーの主演作を「登場人物たちの心の闇に引きずり込まれそうで怖くなった。もう見たくない、でも何回も見たいような忘れられない作品」と表現し、「自分はこういう感情に蓋をしているんだろうかとふと考えてしまう」と自身の心の動きと重ね合わせた。一方、『海炭市叙景』に出演した女優・南果歩は「ヤッター! 思わず拳を振り上げるほどに心躍るラストに、生きる突破口を見た」と結末を評価。『そこのみにて光輝く』の呉美保監督も「男が女を包み込んだ瞬間、血液が体中を激しくめぐり、涙があふれました。大切なひとと何度でも見たい映画です」と称賛の言葉を送っている。■著名人から寄せられたコメント呉美保監督(映画監督)「男が女を包み込んだ瞬間、血液が体中を激しくめぐり、涙があふれました。大切なひとと何度でも見たい映画です」南果歩(女優)「三度よみがえる佐藤泰志の世界。大人になるのが、こんなにも息苦しく切ないなんて、あの頃は夢にも思っていなかった。しかし屈託無く笑えない大人にも、ほんの一言が、誰かとの関わりが、フェンスを越える力になる。大人になるのも悪くはない。いや、大人になったからこそ、その力が掛け替えのないものだと知るのだ。ヤッター!思わず拳を振り上げるほどに心躍るラストに、生きる突破口を見た」清川あさみ(アーティスト)「人は大人になるとバランスをとる生き物。ただ何かが欠けているということは、究極にピュアだということだとも。時には人生の中でそれに振り回されてみる事も大事な宝物が見つかるキッカケになるのかもしれない」若木信吾(写真家)「目の前で人がはじけたり、泣き崩れたり、キレたりするのを観て、これは自分のことではないと思うか、この人たちのおかげで自分が同じことをせずにすんだと思うか。いずれにせよ自分の内側になにかが降り積もっていくのは避けられない」加藤登紀子(歌手)「オダギリジョーは本当にいい!その体温から、むなしさや、耐えられない切なさや、狂おしいほどのいとしさが、確かに伝わる。虚無感の中にキラキラとした光を見ようとした、作家 佐藤泰志の世界が、見事に描けている!」韓英恵(女優)「幼かったときより、純粋さがいつの間にかすり減って、笑うことも泣くことも怒ることも愛することも、無駄に我慢することが増えた。だから、感情むきだしに生きる彼らは壊れていない。むしろ壊れてしまったのは私たちの方なのかもしれません。お互い傷を追いながらも、求愛する白岩とさとしの本能に、最後まで震えました。観た人みんなが大切な人に会いたくなる、そんな映画でした」平間至(写真家)「退屈な日常の中、線香花火のようにじわじわと燃える男と女。どんな平凡な毎日も恋愛と言う花火によってコントラストを高めていく。恋愛の原点を思い出させてくれる映画」武藤昭平(勝手にしやがれ)「例えば映画『カッコーの巣の上で』のように、そして自由に空を飛ぶ鳥のうように。そのフェンスを越えていくさりげない人たち。なんか、すごくジーンときました。生きるということ」辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)「本能的に、刹那的に生きている男女だけが、恋愛サインに気付くことができるのでしょう。この作品を観るとさび付いていた求愛センサーが稼働しそうです」河本準一(次長課長)「日常生活なドキュメントを見てるぐらい全ての人が自然でした。40歳を過ぎた人が『もうどうでもいいや』ではなく、学校に通ったり恋愛したり本気で言い合ったり、無理をするのではなく今できることをやって行く。自然体で生きる爽快感を感じました。無理してる所はうまく息抜きしながら生きていけたらいいなとも思いました。オダギリジョーという男は40歳を過ぎたのでこの作品に出会ったんだと思います」(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年09月09日『マイ・バック・ページ』『味園ユニバース』などで知られる山下敦弘監督がオダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら注目のキャストで描く映画『オーバー・フェンス』。このほど、大ヒット中の『シン・ゴジラ』にも出演する映画監督・塚本晋也が、声だけながら本作にカメオ出演を果たしていることが判明し、その本編シーンが解禁となった。「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く、孤高の作家・佐藤泰志による“函館三部作”の最終章を原作にした本作。職業訓練校に通いながら失業保険で暮らす孤独な男・白岩役にオダギリさん、白岩と恋に落ちる女性・聡(さとし)役に蒼井さん、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田さん、さらに北村有起哉、満島真之介など豪華キャストが競演。美しく壊れかけた男と女の愛の物語を紡いでいく。そんな本作からこのたび解禁となったのは、観た人の誰もが「気づかなかった!」という塚本監督のカメオ出演シーンの本編映像。塚本監督といえば、国内外でいまなお高い評価を受けるカルト作『鉄男』(’89)や、戦後70年となる昨年、『野火』で「毎日映画コンクール」や「日本映画プロフェッショナル大賞」などを多数受賞し、俳優としても活躍。『シン・ゴジラ』では対策本部内の生物学者役で出演しており、先日の“女性限定鑑賞会議”にも登壇して話題となった。届いた映像では、オダギリさん演じる白岩が、元妻(優香)の父親から届いた手紙を読んでいるシーンを映し出す。その夜、聡に自宅のアパートまで送ってもらった後、白岩が暗闇の中でひとり、元義父からの手紙を開けてみると、そこには辛辣な内容が…。「娘ももう、そちらに返す気は全くありません」「今後のことは一切口出し無用に願います」「直接連絡をとるようなことはしないでいただきたい」と、容赦のない言葉が連なっている。妻との結婚生活を諦め、地元・函館に戻ってきた白岩の身には非常にこたえる内容。かねてから山下監督と交流のある塚本監督は、今回偶然が重なって出演が実現し、厳格な父親の声で、娘の元夫を激しく叱責する名演技を見せている。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月30日堺正章、森星、「平成ノブシコブシ」吉村崇の3人とゲストが料理に挑むバラエティ「新チューボーですよ!」に、俳優の松田翔太がゲストとして登場。「エビのチリソース」作りに挑戦しながらクールな中に隠された意外な素顔を見せる。意外にも料理好きだという松田さんはスープ作りに大ハマりしているそう。そんな松田さんがMC陣にオススメするスープとは? また今年フジロックに参加した松田さんの独特なフェスの楽しみ方にMC陣は呆然。海外まで赴くという本格的な趣味などスタジオ唖然のエピソードを披露してくれる。またインテリアを一新したという松田さんのインテリアへのこだわりや、スタジオだけでは語りきれないという好きな女性のタイプなど、クールな印象の松田さんの意外な素顔が満載の放送をお楽しみに。そんな松田さんだが9月には出演作が2作立て続けに公開される。4月から放送された主演ドラマの映画化作品となる『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』は9月3日(土)より全国にて公開。東京在住の密入国異邦人たちの秘密組織「ディアスポリス」を舞台にした物語で、映画では原作漫画「ディアスポリス -異邦警察-」で最も人気のあるエピソードのひとつ「ダーティイエローボーイズ編」を映像化。浜野謙太、柳沢慎吾、康芳夫、須賀健太、ラッパーのOMSB、安藤サクラらが共演する。またオダギリジョー、蒼井優らと共演する映画『オーバー・フェンス』が9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。本作は佐藤泰志の函館三部作最終章となる同名小説の映画化作品。函館の職業訓練校を舞台にした失業保険で暮らす主人公と風変りなホステスの恋愛模様が描かれる。松田さん、オダギリさん、蒼井さんのほか優香、北村有起哉、満島真之介らも出演。松田さんの新たな一面が見られる「新チューボーですよ!」は8月27日(土) 午後11時30分~TBS系で放送。(笠緒)
2016年08月27日俳優・オダギリジョー主演映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)の特別映像が公開され、『鉄男』シリーズなどでも知られる監督で、『シン・ゴジラ』の間准教授を演じていることでも話題の塚本晋也監督がカメオ出演していることが明らかになった。原作は、映画化されてきた『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志氏による「函館三部作」の同名タイトルで実体験に基づいて執筆された最終章(『黄金の服』に収録)。『マイ・バック・ページ』(11年)や『リンダ リンダ リンダ』(05年)で知られる山下敦弘監督がメガホンを取る。主人公は、家庭を顧みず妻(優香)に見限られ、故郷の北海道・函館に戻りつつも実家へ顔を出さず、職業訓練校に通いながら暮らす男・白岩(オダギリ)。彼はある日、訓練校の仲間にキャバクラへ連れて行かれ、風変わりな若いホステス・聡(蒼井優)と出会い、強く引かれていく。公開された映像で描かれているのは、白岩が暗いアパートで独り、元妻の父親から届いた手紙を読んでいるシーンだ。元義父からの手紙は、書き出しから「君の無責任で冷たい仕打ちには腹も立ち、娘ももうそちらに返す気は全くありません」という辛辣(しんらつ)な文言が。いら立ちを隠せない白岩は、ポケットから取り出したライターで手紙に火を放つ。さらに、手紙に書かれているのは「今後のことは一切口出し無用に」「子供については一応君は父親だが会わせる気はなく、もし異論があるならば法的に異議を申し立てるよう」「今後いかなる音信は不要で直接連絡をとるようなことはしないでいただきたい」といった突き放した言葉の数々。反感を燃やすかのように、白岩のつけた火は鮮やかな色を放ちながら手紙を灰にしていく。塚本監督のカメオ出演とは、この元義父の声。厳格な父の役で、娘の元夫を激しく叱責する演技を見せている。『シン・ゴジラ』(公開中)でも主要な役どころで登場するなど俳優としても活躍する塚本監督だが、偶然が重なり、かねてより交流のあった山下監督とのタイミングも合ったことで、このカメオ出演に至った。なおTwitterにおいても、このシーンの一部が公開されており「#オーバーフェンスこれ誰クイズ」というハッシュタグで、声の主が誰か当てるキャンペーンが行われたが、「大杉漣さん?」「松尾スズキさん?」といった解答もある中、塚本監督だと正答している視聴者も見られる。(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年08月27日宮沢りえが死にゆく母の熱い想いを体現する、家族の愛の物語『湯を沸かすほどの熱い愛』。このほど、本作から、頼りないけど、なぜか憎めない愛すべき“お父ちゃん”を好演するオダギリジョーの、ピンクのエプロン姿が解禁となった。自主製作映画『チチを撮りに』が、国内外10を超える映画祭で絶賛された中野量太監督の待望の商業映画デビューとなる本作。主演に『紙の月』で日本アカデミー賞ほか各主演女優賞を総なめにした宮沢さんを迎え、余命わずかの“死にゆく母と、残される家族の愛と絆”という普遍のテーマを、想像できない展開と驚きのラストで紡ぎだし、涙と生きる力がほとばしる物語を作り上げた。そんな本作で、会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ“お母ちゃん”である双葉を熱演する宮沢さんに対し、銭湯「幸の湯」の主でありながら、家業も家族もほったらかしにしてどこかへ消えてしまったダメ夫の“お父ちゃん”の幸野一浩を演じているのが、オダギリさん。今回解禁となったのは、夫の行方を追う双葉が、ついにその居所を突き止め、突然、訪問するシーンだ。1年も会っていない夫との対面に、緊張を隠せない双葉。しかし、扉を開けて出てきたのは、なんとも気が抜ける、おたま片手にピンクの可愛らしいエプロンをまとった夫の姿!この後、双葉がどんな行動をとったのかはご想像におまかせするが、余命わずかと宣告され、やりのこしたことを全てやりきるために行動を起こす双葉が、ようやく見つけた夫はなぜ、こんな姿なのだろうか…?この9月には孤高の作家・佐藤泰志原作、山下敦弘監督の『オーバー・フェンス』公開も控えているオダギリさん。俳優として常に新しい役柄に挑戦し続け、時には三枚目キャラも見事に演じ切る彼は、40代をむかえて、いまや日本映画界になくてはならない存在となっている。そんなオダギリさん演じるダメ男の一浩をなぜか憎めないのは、その根底に、やはり家族への熱い愛情を感じるから。中野監督は、オダギリさんとの撮影をふりかえり「現場でのオダギリさんとのやり取りは、とても面白かったです。演出するというより、次はどんな演技プランでいくかを、2人でほくそ笑みながら企んでいた感じです。オダギリさんは、二枚目でも、三枚目でも、その人間の魅力を醸し出せる特別な俳優だと思っています」と語る。「余命わずか」と宣告された“お母ちゃん”のため、頼りないけど愛すべきお父ちゃんが再び家族と繋がっていく奮闘の日々には、エールを贈りたくなるはずだ。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月23日オダギリジョー、蒼井優、さらに松田翔太ら、日本映画界を牽引する豪華キャストが集結し、『そこのみにて光輝く』の原作者で孤高の作家・佐藤泰志の函館三部作最終章を映画化する『オーバー・フェンス』。先日、第21回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への正式出品が発表された本作の、予告編と本ビジュアルが解禁となった。家庭をかえりみなかった男・白岩は、東京から故郷の函館に戻り、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る聡と名乗る、風変りな若いホステスと出会う――。本作は、原作者・佐藤氏が執筆活動を諦めかけたころ、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説を、『マイ・バック・ページ』『味園ユニバース』など闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘監督が映画化。届いた予告編では、妻と別れて函館に戻ったアラフォー男・白岩が通う、鬱屈とした職業訓練校の様子から始まり、白岩を演じるオダギリさんのナレーション「あのころの俺には何もかもわずらわしかった。ただ働いて、ただ死んでいく。それが残りの人生だと思っていた…」と自らのすさんだ生活を語り始める。そんな白岩が、鳥の求愛ダンスをする風変りなホステスの聡に出会う。その後、暗闇で激しいキスを交わす2人…。続いて、オダギリさんが函館で1人でいる理由が明かされていく。最終日に撮影を行い、オダギリさん、蒼井さん共に、計算を超えた俳優である以前の人間と人間のぶつかり合いになったという2人の激しいケンカシーンだ。聡が自分の怒りを抑えられず物を投げつけ、窓ガラスを割るほどのケンカ。さらに、聡が「もう死んだみたいに生きなくてもいいと思ったのに」と泣き叫んだり、白岩が元妻(優香)に再会した直後に歩きながら号泣しうずくまったり…むきだしの恋愛模様が描かれていく。そしてラストは、「狂った俺とお前と、一緒に生きてみないか」と白岩から聡にあてた、それでも共に生きていきたいと願う、オダギリさんのナレーションが胸に迫る。また、職業訓練校には、白岩に一緒にキャバクラを経営しないかと誘う代島(松田さん)や、ワケありの過去を持つ原(北村有起哉)、冷めた目つきでタバコを吸う森(満島真之介)なども登場。「もっとうまく生きられるはずだった」と思いながら生きる、こじれた大人たちの恋愛と日常。彼らは、自身の見えない“フェンスを越える”ことができるのか。心がざわつく予告編となっている。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月13日作家・佐藤泰志氏の生涯最後の芥川賞の候補となった小説を映画化した『オーバー・フェンス』の東京プレミア上映会が7月28日(木)、テアトル新宿にて行われ、出演するオダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら総勢8名が登壇し、華やかな一夜となった。杖をついて登場したオダギリさんは、「これ、腰痛めただけでファッションじゃないので、あまり気にしないでください」と苦笑しながらコメントするも、最後には「ロケンロール!」と言い杖の先端にあしらわれた髑髏をかざし、盛り上げることも忘れなかった。本作は、孤高の作家・佐藤氏原作の『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(呉美保監督)に続く、函館三部作最終章。結婚生活が破たんし、職業訓練校に通う孤独な男が、一人の女と出逢い変化していく姿を描いた物語。主人公を演じたオダギリさんと魂でぶつかり合うような恋に落ちていく女性を演じた蒼井さんは、本作が20代最後の役になった。蒼井さんは、「すごく難しい役だったので、『つかめたぞ』という瞬間がないまま撮影を終えました。できあがりを観るのがすごい不安でした」と心境を吐露し、「だけど、実際観てみると私の存在どうこうではなく、素晴らしい脚本と監督とキャストやスタッフがいれば、こんなに自分の中で大切に思える作品があるんだなと改めて気づかされて。これを大切に、30代をつき進もうかしら、と思える作品でした」と、心を込めて語った。一方、劇中で二人を出会わせる立場となった松田さんは、撮影現場でも似たような苦労があったそうで、「僕が二人を出会わせる役なんですけど、とにかく二人が人見知りなので全然しゃべってくれないし、弁当も違うところに行っちゃうし(笑)」と、撮影2日目にして苦労があったと明かした。松田さんは、「ここは俺が行かなきゃと勇気を振り絞ってオダギリさんの横に行き『弁当一緒に食いませんか?』と言いました。僕が突破するとぐっと盛り上がっていたので、役割は果たせたのかな」と頭をかいていた。上映会には、そのほか北村有起哉、満島真之介、松澤匠、鈴木常吉、山下敦弘監督が登壇した。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(cinamacafe.net)
2016年07月28日オダギリジョーを主演に、蒼井優、松田翔太、満島真之介、優香、北村有起哉ら実力派キャストたちで描く、孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。7月12日(火)、佐藤氏の故郷であり、本作のロケ地である函館にて最速完成披露上映会が開催、舞台挨拶にオダギリさん、満島さんと山下敦弘監督が登壇し、急遽参加することになった蒼井さんの登場とともに、会場は大盛り上がりを見せた。本作は、わずか41歳で自ら命を絶った佐藤氏が、小説家としての生活を諦めかけた時期に函館の職業訓練校で過ごした日々の経験を基に執筆、1985年に生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説が原作。没後20年を経て改めて評価され、相次いで映画化された『海炭市叙景』(’10)、『そこのみにて光輝く』(’14)に続く“函館三部作”と言われている。この日、函館市芸術ホールで行われた本作の日本最速上映の舞台挨拶では、豪華キャストが登場すると、割れんばかりの歓声が巻き起こり、急遽決まった蒼井さんの登壇は観客には知らされていなかったため、うれしいサプライズとなった。まずは、オダギリさんが「こんばんは」と挨拶すると、大きな拍手が。「こんばんは、と言っただけで拍手をいただけて嬉しいです。函館の方々の温かさと寛容さですよね。函館三部作の最終章に当たる作品なので、みなさまからの期待も感じずにはいられないのですが、きっと、応えることができる作品になったと思います。みんな、そう思っていると思います」と胸を張ってコメント。蒼井さんも本作への参加を「とても光栄」と語り、「函館のみなさんは、放っておくところは放っておいてくれるし、応援をくれるときはしっかり応援してくださる。とても心地よく撮影ができました。感謝しています」と語り、撮影は「難しい役でしたし、甘い言葉をいただける現場ではなかったので不安でしたが、自分がどうこうではなくてシーンの中にある空気が物語を進めていく、ということがとても日本映画らしいと思いました」とふり返った。また、満島さんは、「今日蒼井さんがサプライズで来たことで必要がなくなった満島です(笑)」と、やや自虐気味に(?)挨拶。「沖縄出身なのでゆかりがない町ですが、何度か函館に足を運び、いいなと思っている中で今回のお話をいただきました。だから撮影がない日もずっと函館で遊んでいました」とコメント。さらに、「実は僕、スポーツバカだった高校生のときにオダギリさんの映画を観まして。それがきっかけで、ここの世界に入ることになりました。作品は、『HAZARD』です。しかも、その映画でオダギリさんがCDを出したんですが、それも買ったんですよ!」とまさかの告白。オダギリさんが「本当に?なんで言わなかったの?」と応じると、「言いましたよ!それで函館で『HAZARD』にサインしていただいたんですよ。僕これまでサインしてもらったことなくて、だから今日は函館でオダギリさんと2人で舞台挨拶ができると分かってすっごく嬉しかった。でも蒼井さんが来て、正直ステージに出て行きづらかった(笑)」と、オダギリさんへの叶わぬ“愛”を明かし、笑いを誘った。ようやく完成披露上映を迎えたことについて、山下監督は「ちょうど1年前に撮影して、過酷なスケジュールでしたが、函館の方には本当に協力いただきました」と感謝を述べ、「今日観てもらった方々には、各々何かを感じてもらえたらいいなと思います。いろんな切り口のある映画なんです。白岩(オダギリさん)と聡(蒼井さん)の物語だけど、みんなが主役の映画です。役者たちがスゴイ芝居をしています」と、豪華俳優陣に太鼓判を押した。山下監督とは同い年というオダギリさんは、「この映画は30代の最後の作品です。20代の頃に山下監督と作っていたら、こうはならなかったと思うし、お互いに何十年かこの映画の世界で生き抜いて、結果、いま40歳で出会った。いまの自分だから醸し出るものを、いまの監督だからたくさん切り取ってもらえたと思います。同い年だから伝わるところ、同じように感じるところもあったと思う。それがこの作品だったことが嬉しいです」とふり返る。さらに、「全く計算を通り越した不思議な、とんでもないシーンができました。役者をやってきて、出せてなかったものがたくさん詰まっているし、蒼井さんとのシーンもそう。蒼井さんじなかったらこうはなっていない。30代を締めくくる記念すべき作品になりました」と感慨深げに語った。一方、蒼井さんは「オダギリさんとは『蟲師』でご一緒しましたが、お互いに人見知りが激しすぎてほとんど話さなかった。2人だけで控室っていう時間があったんですが、地獄のような時間でした(笑)。オダギリさんに嫌われてるんだろうな、って思った」と吐露。すぐさまオダギリさんが「嫌ってなかったんですよ!」と返すと、蒼井さんは「松田翔太さんとか満島さんがいて、何度も飲みに誘ってくれて仲良くなりました」と、仲の良さが伺える現場での様子を明かしてくれた。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月13日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら日本映画界を担う豪華俳優陣が出演する『オーバー・フェンス』。この度、本作のクラウドファンディングがスタート。本日7月7日(木)より、応援団を募集をすることが分かった。家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。白岩は、なんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う。名前は聡。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。本作は、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く、孤高の作家・佐藤泰志原作の函館3部作の最終章。佐藤氏が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説が原作だ。監督には『マイ・バック・ページ 』『味園ユニバース』などを手掛ける山下敦弘。主人公・白岩役にオダギリさん、白岩と恋に落ちる女性・聡役に蒼井さん、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田さんなど豪華キャストが出演。ほかにも、脚本や音楽、撮影に照明にと国内外で高く評価された『そこのみにて光輝く』のスタッフ陣が再集結し、邦画界を支えるスタッフ・キャストが顔を揃えている。そして今回、本作の上映に向けて、クラウドファンディングサービス“Makuake”にて、一緒に作品を盛り上げてくれる応援団員を募集。支援者には、プロジェクトに応援団員として参加することで、映画をより一層体感して楽しめるようなイベントや、クラウド限定のリターンなどが用意されているようだ。また、星野秀樹プロデューサーからコメントが到着。「熊切和嘉監督をはじめとするスタッフ、俳優陣、函館市民の皆さんとともに映画『海炭市叙景』を作る体験が、自主映画制作時代の“スタッフ、キャスト、地域の方々”が一丸となる感覚を思い出し、またこういう映画作りがしてみたいなぁという純粋な気持ちが芽生え、第2弾として『そこのみにて光輝く』を作った後、自主映画的アプローチの映画作りの集大成として、また函館出身の佐藤泰志さんの原作小説の映画化3部作の最終章としても、一時代に“共通した匂いのある”作品群を残す映画運動のようなものをやってみたいという衝動に駆られました」と本作の製作経緯を語っていた。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年07月07日俳優・オダギリジョーが主演し、山下敦弘監督がメガホンを取る映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)の新たな場面写真が29日、公開された。原作は、映画化されてきた『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志氏による「函館三部作」の同名タイトルの最終章(『黄金の服』に収録)。主人公は、家庭を顧みず妻(優香)に見限られ、故郷の北海道・函館に戻りつつも実家へ顔を出さず、職業訓練校に通いながら暮らす男・白岩(オダギリ)。彼はある日、訓練校の仲間にキャバクラへ連れて行かれ、風変わりな若いホステス・聡(蒼井優)と出会い、強く引かれていく。ティザーポスターのビジュアルとしても採用された、楽しそうな白岩と聡の自転車2人乗りを写したものに加え、新たに公開された写真は5枚。聡がどこか満足いかない表情を見せている白岩との出会いを捉えたもの、ホステスである聡の職場で何かを見つめる代島(松田翔太)の横顔を捉えたものなど1人のカットのほか、もう一つの職場である遊園地で口論している聡と白岩の場面、離婚してからの再会となった白岩とその元妻の2人が港で話し込んでいるシーンを写したものもあり、劇中で描かれる多様な人間関係の一端を垣間見ることができる。(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年06月29日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太、優香をはじめ、日本映画界の誇るキャスト・スタッフが集い、大人の男女が紡ぐ愛を描く『オーバー・フェンス』。このほど、それぞれの男女の関係性を映し出すかのような、本作の場面写真がシネマカフェにいち早く到着した。妻に見限られて東京から故郷の函館に戻り、くすぶった毎日を過ごす男・白岩(オダギリジョー)。職業訓練校とアパートを往復しながら失業保険で暮らしていた彼はある日、同じ職業訓練校に通う代島(松田翔太)にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る風変りな若いホステス・聡(蒼井優)と出会う――。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続き、孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作最終章となる本作は、佐藤氏が執筆活動を諦めかけたころ、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説を映像化。『マイ・バック・ページ』『味園ユニバース』など、闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘監督をはじめ、脚本に高田亮、音楽に田中拓人、撮影に近藤龍人、照明に藤井勇といった『そこのみにて光輝く』のスタッフ陣が再集結した。今回一挙に解禁された場面写真は、ティザーポスタービジュアルにもなった、白岩(オダギリさん)と聡(蒼井さん)が2人で自転車に乗る楽しそうな写真や、白岩との出会いとなるシーンで、どこか不満げな表情でこちらを見る聡の姿、真っ直ぐな視線を投げかける代島(松田さん)の姿をとらえたもの。中には、聡のもうひとつの職場である遊園地で口論をする白石と聡の2ショットや、別れた妻(優香)と再会し、会話を交わす白岩の姿も…。何気ない日常生活の1シーンのようで、実力派俳優たちの見せる愁いを帯びた表情に、人々の織りなす人間模様や、白石と聡の愛の行く末を思わずにはいられない。壊れかけた男と女が紡ぐ、不器用な愛を描いた物語となる本作。懸命に生きようとする人々の息づかいと、その想いまで見えてくるような場面写真となっている。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月29日映画『オーバー・フェンス』が2016年9月17日(土)に公開される。原作は、佐藤泰志による同名の小説。彼が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞候補となった作品だ。『マイ・ バック・ページ』『味園ユニバース』など闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘監督が映像化をした。キャストには、主人公・白岩役にオダギリジョー、白岩と恋に落ちる女性・聡(さとし)役に蒼井優、そして白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田翔太など豪華キャストが出演。また脚本・音楽・撮影にも、国内外で評価された『そこのみにて光輝く』のスタッフ陣が再集結した。公開された特報では、人生を諦めかけ職業訓練校に通う白岩(オダギリ)と、ホステス・聡(さとし/蒼井)が、自転車に2人乗りをして函館の夜を駆け抜ける姿が収められている。白岩と聡が激しくぶつかり合うシーン、薄紫色の幻想的な夕空を眺めながら涙を流す聡、港で立ち尽くし泣き崩れる白岩の様子…。生々しい大人の恋愛を描く本作の、美しくも儚いストーリーが垣間見える映像となっている。■ストーリー家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。白岩はなんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う―。名前は聡(さとし)。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが...。【作品情報】公開日:2016年9月17日(土) テアトル新宿他全国公開監督:山下敦弘 / 脚本:高田 亮出演:オダギリジョー 蒼井 優 松田翔太 北村有起哉 満島真之介 松澤 匠 鈴木常吉 優香配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)©2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年06月09日ドラマ「重版出来!」やNHK Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」など、多方面で活躍を見せるオダギリジョーをはじめ、蒼井優、松田翔太など豪華キャストで贈る、孤高の作家・佐藤泰志原作の“函館三部作”最終章『オーバー・フェンス』。このほど、オダギリさんの心つかまれるナレーションに特報映像が解禁となった。家庭をかえりみなかった男・白岩(オダギリさん)は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島(松田さん)にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る風変りな若いホステス・聡(蒼井さん)と出会う。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんなふうに話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。本作は、原作者・佐藤泰志が函館の職業訓練校で過ごした自身の経験を基に執筆、1985年に生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説を、『マイ・バック・ページ』『苦役列車』など、闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘監督が映像化。原作は、映画化され、高い評価を受けた『海炭市叙景』(10’)、『そこのみにて光輝く』(14’)に続く“函館三部作”といわれている。解禁となった特報では、冒頭、人生を諦めかけ職業訓練校に通う白岩と、愛を求め続けるホステス・聡が、自転車に2人乗りをして函館の夜を駆け抜ける姿から始まる。聡の手からは白い羽が宙に舞い、2人の仲むつまじいとき流れに思わずうっとり。それに続くのは、聡のダンスシーン。これまでに『花とアリス』や『フラガール』でもダンスを披露してきた蒼井さんの、美しく儚いダンスシーンの一部を、今回の特報では目にすることができる。その後、白岩と聡の激しくぶつかり合うシーンや、薄紫色の幻想的な夕空を眺めながら涙を流す聡、港で立ち尽くし泣き崩れる白岩の様子が流れ、生々しい恋愛の姿が垣間見える映像となっている。最後には、2人の満面の笑みと共に「美しく壊れかけた男と女の物語」のコピー、さらに「こんな空っぽな俺だけど愛させてくれないか」とオダギリさんの胸に迫るナレーションと、見えないフェンスの先を見つめるかのような表情が強烈な余韻を残す。全編に渡り、スコットランドの民族楽器バグパイプの音色が、傷ついた男女を優しく包み込むのも印象的だ。また、“両A面”のティザービジュアルは、幸せを感じさせる自転車に2人乗りする白岩&聡の一方、もう一面はオダギリさん、蒼井さん、松田さんの3人が何かを見つめる写真と函館のどこかもの悲しい風景を切り取ったビジュアルとなっている。『オーバー・フェンス』は9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月02日俳優・オダギリジョーが主演し、山下敦弘監督がメガホンを取る映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)の特報映像が2日、公開された。原作は、映画化されてきた『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志氏による「函館三部作」の同名タイトルの最終章(『黄金の服』に収録)。主人公は、家庭を顧みず妻に見限られ、故郷の北海道・函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら暮らしている男・白岩(オダギリ)。彼はある日、訓練校の仲間にキャバクラへ連れて行かれ、風変わりな若いホステス・聡(蒼井優)と出会い、強く引かれていく。特報の冒頭では、白岩と聡が、自転車に2人乗りして函館の夜を駆ける場面からスタート。聡が持っている白い羽をゆっくりと手放し、2人は甘い時間に浸る。続けて、聡はダンスも披露。白岩と聡が激しくぶつかり合うシーンや、薄紫色の夕空を眺めながら涙を流す聡、港で立ち尽くし泣き崩れる白岩の様子も映され、生々しい恋愛模様を垣間見ることができる。さらに終盤では、2人の満面の笑みと共に「美しく 壊れかけた 男と女の物語」のコピーが躍り、オダギリによる「こんな空っぽな俺だけど愛させてくれないか」とのナレーションが。最後には、虚空を見やる白岩の表情が映し出される。全編にわたって、バグパイプの音色が傷ついた2人を穏やかに包んでいる。(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年06月02日俳優・満島真之介らが、オダギリジョーの主演で山下敦弘監督がメガホンを取る映画『オーバー・フェンス』(9月公開)に出演することが明らかになり25日、劇中で演じるキャラクターを捉えた写真が公開された。原作は、映画化されてきた『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志氏による「函館三部作」の同名タイトルの最終章(『黄金の服』に収録)。主人公は、家庭を顧みず妻に見限られ、故郷の北海道・函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしている男・白岩(オダギリ)。毎日を無為に過ごしていた白岩はある日、訓練校の仲間にキャバクラへ連れて行かれ、風変わりな若いホステス・聡と出会い、強く引かれていく。満島と共に出演が発表されたのは、女優・優香と北村有起哉で、2人は山下監督作に初出演。満島は訓練校の生徒・森由人役を、優香は白岩の元妻・尾形洋子役を、北村は森と同じく訓練校の生徒・原浩一郎役を担当。公開された写真の中央では、森のタバコを吸う1シーンが映し出されている。逃げ場のなさから鬱屈(うっくつ)した表情が印象的だ。加えて洋子や原は、共に白岩の人生の過去と現在に関わり、函館の夏、同じ瞬間を生きる人間模様を捉えているという。訓練校で器用に作業をこなせず、度々鬼教官からの罵声を浴びている問題児の森を演じる満島は、自身の役柄を「自分にとって挑戦でした」と打ち明ける。それは、複雑なキャラクターであるがゆえに「悲しみ、孤独、僕の記憶の中にあるいろんな感情が森の行動に宿る気がしていた」からだ。本作については、「見る人、季節によっていろんな感じ方ができ、『今を生きている』そう強く感じられる映画」と表現している。優香は、現場を「山下監督の作品の中に、参加できる喜びと緊張が入り交じって、函館の風景や空気に触れながら、あっという間に過ぎていった数日間」と回顧。北村は、「ずっと皆で函館で合宿生活をしていたので、ファミリーのようでとても居心地がよかった」と満足気に振り返り、優香同様に「念願の山下監督ともついにご一緒できたのでうれしかった」と喜びの言葉を口にした。(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年03月25日『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く、佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら豪華キャストに加えて、この度新たに満島真之介、優香、北村有起哉の出演が決定した。家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。白岩は、なんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う。名前は聡。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。原作は、「そこのみにて光輝く」や「海炭市叙景」が映画化され話題を呼んだ作家・佐藤氏の「黄金の服」に所収される同名作で、佐藤氏が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞候補作品となっている。また監督には、『苦役列車』『味園ユニバース』など、闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・ 山下敦弘が務め、 脚本、音楽、撮影、照明は『そこのみにて光輝く』などで高い評価を受け続けるスタッフ陣が再集結している。キャストには、主人公・白岩役にオダギリさん、白岩と恋に落ちる女性・聡役に蒼井さん、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田さんと豪華キャストが顔を揃えた。そして今回新たに、オダギリさん演じる白岩らが通う職業訓練校の生徒・森由人役に、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」や、アニメ「僕だけがいない街」では声優にも挑戦し、今年大注目を集める俳優・満島さん、森と同じく職業訓練校の生徒・原浩一郎役に、「ラストホープ」「怪盗 山猫」などに出演する北村さん、白岩の元妻の尾形洋子役に、「悪夢ちゃん」や大河ドラマ「花燃ゆ」などに出演するマルチタレント・優香さんの配役が発表された。満島さん演じる森は、職業訓練校で器用に作業をこなせず、度々鬼教官からの罵声を浴びている問題児。怒りや悲しみの衝動はあるけど動けず、じっと耐え、深い闇を抱えた役どころだ。 そんな森役を演じることについて満島さんは、「自分にとって挑戦でした。悲しみ、孤独、僕の記憶の中にあるいろんな感情が森の行動に宿る気がしていたんです」と語り、また「今日、その瞬間にその感情がどこにいるか、この映画は観る人、季節によっていろんな感じ方ができ、 『今を生きている。』そう強く感じられる映画です」とコメントしている。また、北村さん演じる職業訓練校の仲間・原、優香さん演じる白岩の元妻・洋子は、共に白岩の人生の過去と現在に関わり、函館の夏、同じその瞬間を生きる人間模様が描かれている。かねてより山下監督のファンだと語る二人だが、北村さんは「念願の山下監督ともついにご一緒できたので嬉しかったです。本当に映画が好きな人たちが集まって作った映画ですね」と語り、また優香さんも「山下監督の作品の中に、参加出来る喜びと緊張が入り混じって、函館の風景や空気に触れながら、あっという間に過ぎていった数日間。山下組に初参加させていただき、素晴らしいキャストの皆さん、スタッフさんとご一緒出来たこと、本当に幸せです」と喜びを露わにしている。監督をはじめとする邦画界を支える豪華スタッフ・キャストたちが作り上げる愛の物語。今回のキャスト発表でさらなる話題を集めそうだ。『オーバー・フェンス』は9月、テアトル新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年03月25日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太を迎え贈る佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。この度、本作の特報映像が公開された。家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ東京から故郷の函館に戻りつつも、実家には顔を出さず職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。白岩は、なんの楽しみもなくただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。ある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、そこで鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う。名前は聡。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。原作は、『そこのみにて光輝く』や『海炭市叙景』が映画化され話題を呼んだ孤高の作家・佐藤氏の1989年に出版された「黄金の服」に所収される同名小説。 本作は、原作者が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて送った自身の経験を基に執筆し、最後の芥川賞候補作品となった作品だ。主人公・白岩役にオダギリさん、白岩と恋に落ちる女性・聡役には『家族はつらいよ』の公開が控える蒼井さん、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田さんという豪華キャストが集結している。監督には『苦役列車』『味園ユニバース』など闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘が務め、また『そこのみにて光輝く』の脚本を務めた高田亮を始めとする音楽、撮影、照明のスタッフ陣が再集結した。今回解禁された特報は、鬱屈とした乾いた空気が流れる職業訓練校のワンシーン。函館の短い夏、自転車に乗り走っていく一人の男の背中、オダギリさん演じる主人公の白岩が路面電車を横目に、職業訓練校へ通うだけの毎日を繰り返し過ごす男の姿が映し出されている。そしてフェンスの先、物憂げに何かを見つめる白岩の姿、赤い車の運転席から照れながらこちらに向けられる笑顔の蒼井さん演じる聡、色気ある佇まいでタバコを燻らせる松田さん演じる代島の姿が続けて登場。3人の視線が印象的な映像となっている。また冒頭から流れる独特の音楽が、函館の空気感を彷彿させるようだ。『オーバー・フェンス』は9月、テアトル新宿ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年01月28日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら実力派俳優が集結し、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』で知られる作家・佐藤泰志“函館三部作”の最終章の映画化に挑む『オーバー・フェンス』。このたび、2016年9月の公開決定に合わせ、Web初解禁となる劇中シーンが到着した。家庭をかえりみず、妻に見限られた男・白岩(オダギリジョー)。故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復でなんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ…。そう思っていたある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島(松田翔太)にキャバクラへ連れて行かれる。そこで出会った、鳥の動きを真似る風変りな若いホステス・聡(さとし/蒼井優)。どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。本作は、熊切和嘉監督がメガホンを取り、谷村美月、加瀬亮などが出演したオムニバス作品『海炭市叙景』、呉美保監督が手掛け、様々な映画賞を受賞したことで話題を呼んだ綾野剛主演『そこのみにて光輝く』に続き、孤高の作家・佐藤泰志原作の“函館三部作”最終章を満を持して映画化した。監督を務めるのは、『苦役列車』『味園ユニバース』などを手掛け、闇を抱えた人間たちを厳しくもあたたかい目線で描く名手・山下敦弘監督。そして脚本には高田亮、音楽・田中拓人、撮影・近藤龍人、照明・藤井勇ら『そこのみにて光輝く』などで高い評価を受け続けるスタッフ陣が再集結。邦画界を支えるスタッフ・キャストが「共に生きる」をテーマに圧倒的な底力で紡いだ、2016年注目の大人のラブストーリーが誕生した。今回到着した劇中シーンの画像は、オダギリさん演じる白岩が、自転車に乗り、何か遠くを見つめる姿。過去を引きずり、感情を深く押し込め、人と距離をとり生きている「愛の意味を知らない男」であるという白岩の、意味深げな表情に隠された感情が気になるシーンとなっている。オダギリさんの起用に当たり、星野秀樹プロデューサーは「立っているだけで心情が表現でき、映画になる俳優」と絶賛!山下監督も「いままで世代が若い主人公の作品を撮ることが多く、自分に近い等身大の主人公として、共感、親近感が湧く主人公は久しぶりだった。オダギリさんは最近の作品を観ていると、すごく素敵に年を重ねているなと思い、主人公・白岩を同世代の俳優の中で代弁してもらえるのは、オダギリさんしかいないと思った」とその魅力を熱く語っている。1990年に惜しくもこの世を去った佐藤氏が、自らの経験を元に執筆し、最後の芥川賞候補作品となった「オーバー・フェンス」。不器用に、それでも懸命に生きる人間の輝きを描く本作は、きっと多くの人の心の琴線にふれるはずだ。『オーバー・フェンス』は2016年9月、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月28日『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く、佐藤泰志三部作の最終章を映画化する『オーバー・フェンス』。この度、本作のキャストにオダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら実力派俳優陣が集結していることが明らかになった。妻子のためという名目で家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの行き来、そして2本の缶ビールとコンビニ弁当の日々だ。訓練校の実習と学科対抗ソフトボール大会の練習を惰性で繰り返す白岩は、仲間の代島に連れられ入ったキャバクラで、鳥の動きを真似る風変りな若いホステス・聡と出会うのだが…。本作は、函館の短い新緑の季節を舞台に人々が愛を探し求め、家族とは、夫婦とは、共に生きるとは…人間の普遍的なテーマに向き合う物語。『海炭市叙景』(’10)を熊切和嘉監督、第38回モントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞し、国内外問わず数々の映画賞を受賞した『そこのみにて光輝く』(’14)を呉美保監督が手掛けてきた。そして今回、佐藤泰志文学映画化の函館三部作最終章「オーバー・フェンス」(「黄金の服」所収 小学館)を『もらとりあむタマ子』『味園ユニバース』の山下敦弘監督が映画化に挑む。主演には、『FOUJITA』や「おかしの家」(TBS)で6年ぶりの連ドラ出演となる俳優・オダギリジョーが元サラリーマンの職業訓練校生・白岩義男を好演。ヒロイン・田村聡には、抜群の演技力と存在感を放ち続ける蒼井優。風変わりなホステス、“鳥になりたいと願う女”を体当たりで演じきる。また白岩に興味をもつ職業訓練校生の代島和久を、独特の空気感で人気を集める松田翔太が扮する。撮影は北海道 函館を中心に行われ2015年7月17日に無事クランクアップ。完成は2015年冬を予定している。<以下、キャストコメント>■オダギリジョー(白岩義男役)山下監督をはじめ、比較的に同年代のスタッフ。蒼井さんや松田さんをはじめ、個性が光るキャスト。撮影前からすごく楽しみにしていました。函館での1か月は合宿のような状況だったので、この作品の事だけに集中できたし、みんなで過ごす時間は劇中の関係性を見事に反映したり、より深めたり、貴重な時間でした。信頼できるスタッフとキャストと、共にこの作品に関われて幸せでした。愚作になるはずがないと確信しています。■蒼井優(田村聡役)長い間、この作品に出会うことを待ち続けていたような気が今しています。それくらい、この現場の過酷さも喜びも想像を絶するものでした。大切な仲間に出逢えたことに心の底の底から感謝します。■松田翔太(代島和久役)『オーバー・フェンス』には、吸い込まれるように呼ばれた気がしました。とても自然に集まったチームでした。ふり返ると、やはりこれは山下さんの作品なんです。こんな形もあるんだなあと、驚きましたし新鮮で真剣な山下組と共に函館で過ごした時間が、すでにかけがえのない時間となり、撮影を思い返すたび、幸せになります。このキャストとスタッフで撮影した本作品を、僕も一緒に期待して待ちたいと思います。『オーバー・フェンス』2016年、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月10日熊切和嘉監督『海炭市叙景』(’10)、第38回モントリオール世界映画祭 ワールド・コンペティション部門にて最優秀監督賞を受賞した『そこのみにて光輝く』(’14)。そして、2016年、佐藤泰志文学映画化の函館三部作最終章として、「オーバー・フェンス」の映画化が決定した。佐藤氏が小説を諦めかけ函館の職業訓練校での日々を送った際の経験をもとに執筆し、自身最後の芥川賞候補作品となった「オーバー・フェンス」(「黄金の服」所収 小学館)。メガホンをとるのは、最新作『味園ユニバース』のスマッシュヒットも記憶に新しい、山下敦弘監督。邦画界で最も新作を熱望され、全作品が話題となる山下監督が、函館の短い新緑の季節を舞台に“共に生きる”という普遍のテーマに向き合い、“幸せの意味を知らない男”と“鳥になりたいと願う女”の“大人のラブストーリー”という新境地に挑む。脚本は、『そこのみにて光輝く』で多くの映画祭で脚本賞を獲得した気鋭・高田亮。また、山下監督の盟友であり『天然コケッコー』、『マイ・バック・ページ』以来のタッグとなる近藤龍人が撮影を担う。『桐島、部活やめるってよ』など日本映画の先端を活写し、独自のフレームセンスで観客を魅了し続ける近藤氏は、<佐藤泰志・三部作>共通で撮影を務めている。今回の決定にあたり、山下監督は「映画は空っぽになってしまった一人の男と求愛し続ける女の話でもあるし、函館の職業訓練校に生きる無職の男たちの話でもあるし、もしかしたら若くして死んでしまった佐藤泰志自身の話になるのかもしれない…というか“話”に固執せず、その瞬間を生きている人間たちの映画にしたいと思う。そうすれば自ずと僕自身の話になるし、観ているあなたの話になっていくのではないかと思う」とコメントを寄せた。さらに、「『オーバー・フェンス』というタイトルが示す通り、見えないけどそこにある何かを越えていく映画にしたい」と意気込みを語った。『オーバー・フェンス』は2016年、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月16日毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が共催する、日本で最も歴史ある映画賞のひとつ「第69回毎日映画コンクール」。1月21日(水)、受賞作品並びに受賞者が発表され、最高賞にあたる日本映画大賞を熊切和嘉監督の『私の男』が受賞。さらに綾野剛・主演作『そこのみにて光輝く』が男優主演賞を含め最多4部門を受賞した。毎日映画コンクールは、映画業界団体、映画配給会社、映画評論家の投票によって決定するもので、俳優たちの演技や作品はもちろん、美術や照明や録音などの映像スタッフ、故人の名を冠する賞など、幅広い部門を設け顕彰を続けてきた。今回大賞に輝いたのは、桜庭一樹による直木賞受賞のベストセラーを熊切監督によって映画化された『私の男』。「第36回モスクワ国際映画祭」コンペティション部門で最優秀作品賞と最優秀男優賞(浅野忠信)をW受賞。さらにその後「ニューヨーク・アジア映画祭」では、二階堂ふみがライジング・スター賞を受賞するなど日本のみならず海外からも注目を集めた。また最多部門となったのは呉美保監督が手がける『そこのみにて光輝く』。日本映画優秀賞、監督賞(呉美保)、男優主演賞(綾野剛)、女優助演賞(池脇千鶴)と数々の賞を総なめにした。そのほか女優主演賞に『0.5ミリ』の安藤サクラ、男優助演賞に『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』の伊藤英明が受賞する中、スポニチグランプリ新人賞に輝いたのは、先日発表された「第38回日本アカデミー賞」でも新人賞を獲得した登坂広臣。「三代目J Soul Brothersrs from EXILE TRIBE」で活躍し、映画『ホットロード』では能年玲奈と共演し銀幕デビューを果たした。また、中島哲也監督の劇薬映画『渇き。』で“天使と悪魔の顔を持つ女子高生”という難役に挑んだ小松菜奈が受賞。その後も山下智久と『近キョリ恋愛』共演、さらに今年公開を控える実写映画化作品『バクマン。』でもヒロイン役を演じるなど今後のブレイク女優として注目を集める新人女優だ。表彰式は、2月10日(火)川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールにて行われる予定。<第69回毎日映画コンクール/受賞一覧>■日本映画大賞:『私の男』(熊切和嘉監督)【作品部門】■日本映画優秀賞:『そこのみにて光輝く』■外国映画ベストワン賞:『6才のボクが、大人になるまで。』【監督賞・脚本賞】■監督賞:呉美保(『そこのみにて光輝く』)■脚本賞:安藤桃子(『0.5ミリ』)【俳優部門】■男優主演賞:綾野剛(『そこのみにて光輝く』)■女優主演賞:安藤サクラ(『0.5ミリ』)■男優助演賞:伊藤英明(『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』)■女優助演賞:池脇千鶴(『そこのみにて光輝く』)■スポニチグランプリ新人賞:登坂広臣(『ホットロード』):小松菜奈(『渇き。』)■田中絹代賞:鈴木京香【スタッフ部門】■撮影賞:シグママコト(『紙の月』)■美術賞:林田裕至、佐久嶋依里(『喰女 -クイメ-』)■音楽賞:周防義和(『舞妓はレディ』)■録音賞:藤本賢一(『永遠の0』)【ドキュメンタリ―部門】■ドキュメンタリー映画賞:『SAYAMAみえない手錠をはずすまで』【アニメーション部門】■アニメーション映画賞:『ジョバンニの島』■大藤信郎賞:『澱みの騒ぎ』【TSUTAYA映画ファン賞】■日本映画部門:『るろうに剣心京都大火編/伝説の最期編』■外国映画部門:『アナと雪の女王』【特別賞】■野上照代(スクリプター)(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の男 2014年6月14日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「私の男」製作委員会そこのみにて光輝く 2014年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014 佐藤泰志 / 「そこのみにて光輝く」製作委員会渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会ホットロード 2014年8月16日より全国にて公開(C) 2014「ホットロード」製作委員会 (C) 紡木たく/集英社
2015年01月21日綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉ら豪華俳優陣を迎え、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の最高傑作を映画化した『そこのみにて光輝く』。第38回モントリオール世界映画祭で「最優秀監督賞」を獲得した本作。さらに来年2月には、第87回米国アカデミー賞の「外国語映画賞部門」日本出品作品にも選出されているが、現在その出品を応援するためのプロジェクトが進行中だ。本作の主人公は、ある出来事をきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごす男・佐藤達夫(綾野剛)。ある日、パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)と知り合う。拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように佇む一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会う。達夫と千夏は互いに心惹かれ、距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。それでも、一途な愛を貫く達夫のまっすぐな想いに揺れ動かされる千夏。千夏の魂にふれたことから、達夫の現実が静かに色づきはじめ、達夫は失いかけていたこの世界への希求を取り戻していく。そんなとき、ある事件が起こる…。毎年、世界中から多くの注目を集める米国アカデミー賞。その中でも、「外国語映画賞」は各国からハイクオリティな作品が集まる激戦区でもある。第87回米国アカデミー賞外国語映画賞のエントリーには、83か国。『そこのみにて光輝く』は日本の出品作として、この激戦を闘うことになる。本作を世界へ届けるべく、今回の応援プロジェクトのために、“オスカーキャンペーン事務局”も設立したようで、国内から盛り上げていきたいという強い想いがあるようだ。さらに現在、現地では投票者である匿名のアカデミー会員に向けて、毎日のように各国の作品の試写会が開催されており、本作も現地の状況を把握するためのリサーチ、現地での追加試写会の開催、作品の魅力についての広報活動を行っていく予定だそうで、その資金調達のために今回のクラウドファンディングに至ったよう。すでに目標の50万円は達成しているものの、現地での活動を考えると更なる応援が必要となりそうだ。『そこのみにて光輝く』応援プロジェクトは、クラウド・ファンディング・プラットフォーム「Makuake」にて進行中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:そこのみにて光輝く 2014年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014 佐藤泰志 / 「そこのみにて光輝く」製作委員会
2014年12月01日映画『そこのみにて光輝く』の試写会が4月10日(木)、原作者の佐藤泰志の母校・國學院大学で開催され、主演の綾野剛、呉美保監督が舞台挨拶に登壇。本作がモントリオール世界映画祭の「コンペティション部門」に出品されることも発表された。映画化された「海炭市叙景」など北海道・函館を舞台にした作品を発表し、芥川賞の候補に挙がるも、41歳で自ら命を絶った作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を映画化。函館の短い夏を背景に、過酷な日常を生きる女性を一途に愛する男の姿を描く。学生で埋まった会場に金髪の綾野さんが姿を見せると、割れんばかりの歓声に包まれた。綾野さんは大学への来訪を「場違い」と苦笑しつつ、「学業に専念されているところに来るのは恐縮でしたが、佐藤さんのことを知っていただくきっかけに微力ながらなればと思いお邪魔しました」と語った。箱根駅伝の大ファンとして知られる綾野さんだけあって、近年、たびたび箱根駅伝の本選に出場している同大学への訪問は心躍るものがあったよう。壇上に立てられた大学のロゴ入りの看板を見やり「よく選手がこれの前でインタビューとか受けてますよね。これを見てドキドキしてました」と語り、会場は笑いに包まれた。佐藤さんが自らを投影したと思われる主人公の達夫を呉監督と話しながら作り上げていったという綾野さん。「佐藤さんは本当はこうやって生きたかったのではないか?こうやって家族を思い、人を愛したかったのでは?というのを達夫から感じた」とも。演じる上では「この作品の(小さな)規模を逆手にとったアプローチ、メジャー作品やドラマでは許されないこともできた」と語り、「ノーメイクで髪は水で洗っただけ、毎晩飲んで、2日酔いで目も真っ赤、顔もむくんだ状態でした。“生”のままでやりたかったし、暴力シーンも全て、当てています」と本作に注いだ強い情熱をうかがわせた。学生から寄せられた質問で、綾野さんの“俳優として”の魅力を尋ねられた呉監督は「俳優としてではなく、男の人としての魅力を言いたい(笑)!」とあえて質問を変更し、「母性本能をくすぐりつつも年下の女性にも『付いて行きたい。守られたい』と思わせる!」と熱弁をふるった。また、就職活動中の学生からアドバイスを求められると、綾野さんは「影響されることを怖れず、変化することを怖れず、驕らず、大人に媚びず、謙虚に」とエールを送った。サプライズでモントリオール世界映画祭への出品を知らされると「こういうときの感情表現が下手なんです」と苦笑しつつも、「すごく嬉しいです。この作品は何かしらの形で評価されてほしいと思っていたので」と静かに喜びを口にしていた。『そこのみにて光輝く』は4月19日(土)より全国にて公開。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:そこのみにて光輝く 2014年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014 佐藤泰志 / 「そこのみにて光輝く」製作委員会
2014年04月10日俳優の綾野剛が3月3日(月)、都内で行われた主演作『そこのみにて光輝く』の完成披露試写会に出席。共演した池脇千鶴を「どんな芝居も受け入れてくれる安心感」「重鎮のオーラ」と評し、「同い年ですが僕は孫みたいなもの」と綾野さんらしい言葉で敬意を示した。幾度となく芥川賞候補に名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志(「海炭市叙景」)が残した唯一の長編小説を映画化。舞台挨拶には綾野さんと池脇さんに加えて、菅田将暉、呉美保監督(『オカンの嫁入り』)が出席した。日々を無為に過ごす無職男・佐藤達夫(綾野さん)は、粗野だが人懐こい青年・大城拓児(菅田さん)と知り合い、世間から取り残されたような一軒のバラックで暮らす彼の家族と出会う。そこには家族を支える千夏(池脇さん)が光り輝いていた。しかし、事件が起こり…。「この手の作品は、現場に入るまで未知数なので、感情もその場で作らないと」と役作りを語る綾野さん。全編、ノーメイクで整髪料も使っていないと言い「いままでのアプローチでは難しい役。新しいことに挑戦できた」と新境地の演技に手応え十分。「観終わった後はドンヨリすると思いますが、こういう映画があってもいいはず」とアピールした。綾野さんから「安心感がある」と評された池脇さんは、「現場でスタッフさんや私達と積極的に交流してくれて、作品そのものを高めてくれた」と綾野さんの人柄をコメント。「女性らしい不器用さや勇気がある役柄で、共感でき、難しいとは思わなかった。とにかく本(台本)を信じてぶつかれば大丈夫かな」と綾野さんの言葉通り、女優としての安定感は抜群だ。劇中には、綾野さんが菅田さんの頭をはたくシーンもあり「ここを叩けば大丈夫、というポイントを綾野さんはちゃんと知っている。でも次の日は、ちょっとクラっとしましたけど(笑)」(菅田さん)。過去2作で家族を描いた呉監督は「ラブストーリーがやりたかった」と話していた。『そこのみにて光輝く』は4月19日(土)から東京・テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開される。(内田涼(cinema名義))■関連作品:そこのみにて光輝く 2014年春、テアトル新宿ほか全国にて公開
2014年03月03日