41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の最高傑作を、ドラマや映画の出演が絶えない綾野剛を主演に迎え映画化された『そこのみにて光輝く』が4月19日(土)より公開される。このほど、綾野さん演じる“愛を捨てた男”と池脇千鶴演じる“愛を諦めた女”の出会いが垣間見える、本作の予告編が到着した。本作で綾野さんが演じるのは、ある出来事をきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごす男・佐藤達夫。ある日、パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)と知り合う。拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように佇む一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会う。達夫と千夏は互いに心惹かれ、距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。それでも、一途な愛を貫く達夫のまっすぐな想いに揺れ動かされる千夏。千夏の魂にふれたことから、達夫の現実が静かに色づきはじめ、達夫は失いかけていたこの世界への希求を取り戻していく。そんなとき、ある事件が起こる…。函館の一瞬の夏を舞台に、どん底の中で運命の出会いを果たす男女を描いた本作。今回届いた予告編には、儚げな“ゆらぎ”のある存在感を放つ綾野さんを始め、『ジョゼと虎と魚たち』に匹敵する情感あふれる演技を見せる池脇さん、天使のように無垢で危うげな佇まいの菅田さんら出演者の演技のぶつかり合いが印象的な映像となっている。第2回三島由紀夫賞の候補となった佐藤さんの『海炭市叙景』に続く最高傑作と言われる「そこのみにて光輝く」の発刊から24年を経て待望の映画化を実現させたのは、『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞を受賞し高い評価を得てきた呉美保監督。これまでの作品で見せてきたアットホームな筆致から一転、ざらついた絆の行方を素手で掴まえる硬質な映像文体で、まったく新たな境地を開拓した。生きる目的を見失った男と愛を諦めた女との出会い、そして底辺で生きる家族を慈しむような眼差しで描いた本作。こちらの予告編から旬の俳優陣が体を張って演じた渾身の演技を覗いてみて。『そこのみにて光輝く』は4月19日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:そこのみにて光輝く 2014年春、テアトル新宿ほか全国にて公開
2014年02月05日佐藤健主演の映画『るろうに剣心』の舞台あいさつが13日に名古屋で行なわれ、佐藤と大友啓史監督が登壇した。その他の写真『るろうに剣心』は、1994年から『週刊少年ジャンプ』に連載され、コミックの累計発行部数は5000万部を突破、テレビアニメ化もされた人気作。かつては“人斬り抜刀斎”として恐れられるも、維新後に殺さずの誓いを立てた伝説の剣客・緋村剣心(佐藤)が、様々な人との出会いを通じて、自らの生きる道を見出していく姿を描く。子どもの頃、リアルタイムでテレビアニメの放送を見ていたという佐藤は「ハードルは高かったです。僕自身がこのアニメを好きだったし、誰もが知っているマンガっていうのがわかっていたので、剣心を演じるっていうのがどれだけ高いハードルかっていうのは、最初から意識していました。でも、このハードルを超えられないならやらない方が良いと思った」と役への想いを告白。大友監督は「彼は自分から高いハードルを設定していた。そこに時間や場所を用意してあげれば、どんどん吸収していっていた」と称賛した。本作には本格的なアクションシーンが多く登場するが、大友監督は「今回は、時代劇の“殺陣”ではなく、“ソード(刀)アクション”と呼んでいます。“斬り合い”というのは人間とのぶつかり合いなので、そこにはドラマがある。今回はアクション俳優ではなく、健くんはじめ、素晴らしい役者たちが練習して演じた、CGに頼らない、汗を感じる生身のアクションになっています」と語った。また司会者から、この日を心待ちにしていたファンが開場の11時間前から列を作っていたことを聞くと佐藤は「マジっすか!? 暑いなか…。お水飲んでくださいね(笑)」と声をかけ、「この映画を楽しみにしていただいていたと思いますが、みなさんに見ていただけるのが本当にうれしいです」と笑顔を見せた。『るろうに剣心』8月25日(土)全国ロードショー※8月22日(水)、23日(木)、24日(金) 先行上映
2012年08月14日第65回毎日映画コンクールの授賞式が華やかなグリーンカーペットイベントに続いて開催され、各受賞者が壇上で喜びを語った。授賞式後には報道陣向けの会見の時間もとられ、極悪非道な殿様役で男優助演賞を受賞した稲垣吾郎(『十三人の刺客』)が“悪役への目覚め”を熱く語る一幕も!スポニチグランプリ新人賞を受賞した徳永えり(『春との旅』)は、壇上で過酷な撮影をふり返りつつ、小林政広監督に感謝の弁。さらに、共演者の仲代達矢とのエピソードとして「撮影が本当につらくて、この映画で女優をやめようかとも思うくらい追い詰められましたが、仲代さんが『君は女優らしくないし、華があるかないかで言ったらない!だからこそ女優を続けなさい』とおっしゃってくださった」と明かし、さらなる飛躍を誓った。同じく新人賞受賞の遠藤要(『イエローキッド』)は、両親の離婚や母の死を経て、荒れた生活を送っていたが、ある老人ホームで芝居を公演し、それがきっかけで俳優の道を志したと語り、自身が関わってきた多くの人々への感謝の言葉を述べた。女優助演賞の夏川結衣(『孤高のメス』)は「(成島出)監督がすごい思いを込めた作品であり、俳優、スタッフが同じ方向を向いてやることができた」と充実した表情で喜びのコメント。続いて、客席からの「おめでとう!」という大歓声を浴びつつ登壇した稲垣さんは「初めての極悪非道な役で、脚本読んでびっくりして『(周囲に)どう思われるかな?』と思ったんですが、三池監督からは『こんな楽しい役はないから、好きに気持ちよく演じて』と言われた」と明かし、最後に「毎日新聞、良い新聞!」と付け加え、会場の笑いを誘った。さらに式後の会見では、出演後の周囲の反応について「(SMAPの)メンバーには『地だね』と。香取くんには『素の吾郎ちゃんだね』とか、ひどいことを言われました」と苦笑い。とはいえ、役柄は気に入っているようで「いつもメンバーにいじめられて『お前はMだ』と言われてるんですが、Sの部分が出てきましたね」とノリノリ。今後もこうした悪役を演じたいと意欲的に語っていた。『キャタピラー』で女優主演賞を受賞した寺島しのぶは、本作の若松孝二監督を引き合いに「監督のような激動の人生を送れるかは分かりませんが、情熱は持ち続けたい」と力を込めた。そして『孤高のメス』で男優主演賞に輝いた堤真一は「こうした場にいると、日本映画の諸先輩方の思いがあって、自分はその上に立たせてもらっているんだということを改めて感じます。今後、もっと深く、愛情を持って、そして自分を磨いて映画に関わっていきたい」と真摯な表情で語り、会場の喝采を浴びた。そして、稲垣さん同様に「毎日新聞、良い新聞」と付け加え、再び会場は笑いに包まれた。映画界の発展に貢献した女優に贈られる田中絹代賞を受け取った江波杏子は、デビュー当時の17歳のときに、田中さんが監督を務めた『流転の王妃』の撮影現場に行ったという思い出を語り、大女優の名を冠した賞の受賞を喜んだ。そして、今年の本映画賞で、最高賞に当たる栄えある日本映画大賞に輝いたのは、妻夫木聡、深津絵里主演の『悪人』。壇上に上がった李相日監督は「役者を追い込み、彼らの力が大きな力になりました。全員で掴み取った作品なので、キャスト・スタッフを代表してこの賞をいただきます」と感慨深げにトロフィーを受け取り笑顔を見せた。毎日映画コンクール受賞一覧日本映画大賞:『悪人』日本映画優秀賞:『春との旅』監督賞:三池崇史(『十三人の刺客』)外国語映画ベストワン賞:『息もできない』男優主演賞:堤真一(『孤高のメス』)女優主演賞:寺島しのぶ(『キャタピラー』)男優助演賞:稲垣吾郎(『十三人の刺客』)女優助演賞:夏川結衣(『孤高のメス』)スポニチグランプリ新人賞:遠藤要(『イエローキッド』)/徳永えり(『春との旅』)田中絹代賞:江波杏子脚本賞:佐藤有記(『ヘヴンズ ストーリー』)撮影賞:近藤龍人(『海炭市叙景』)音楽賞:ジム・オルーク(『海炭市叙景』)美術賞:近藤成之(『武士の家計簿』)録音賞:中村淳(『十三人の刺客』)アニメーション映画賞:『カラフル』TSUTAYA映画ファン賞:『THE LAST MESSAGE 海猿』(日本映画部門)/『エクリプス/トワイライト・サーガ』(外国映画部門)特別賞:高峰秀子■関連作品:エクリプス/トワイライト・サーガ 2010年11月6日より丸の内ルーブルほか全国にて公開TM & © 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会 武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会THE LAST MESSAGE海猿 2010年9月18日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン ROBOT ポニーキャニオン 東宝 小学館イエローキッド 2010年1月30日よりユーロスペースほか全国にて順次公開CATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会ヘヴンズ ストーリー 2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開© 2010 ヘヴンズ プロジェクト十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会息もできない 2011年1月22日よりシネマライズにて期間限定公開春との旅 2010年5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:毎日映画コンクールタキシードの稲垣吾郎に大歓声!三池監督は銀色ジャケットで登場【シネマモード】2011年、注目なのは誰?2010年映画ファンが選ぶベストムービー洋画大作を抑えあの邦画がNo.1に輝く!日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…
2011年02月08日第23回東京国際映画祭(TIFF)でコンペティション部門に出品された日本映画2作のうちのひとつ『海炭市叙景』。その才能を高く評価されつつも生前、不遇を囲った作家・佐藤泰志の遺作となった小説を映画化した本作。自身も北海道の出身である熊切和嘉監督は、佐藤さんが実際に作品のモチーフとした北海道の函館市でロケを行い、静かな、そして確かな“生”の物語を積み上げていった。TIFFでの上映を記念して、熊切監督と谷村美月、南果歩、そして熊切作品の常連、竹原ピストルに話を聞いた。決して大きな事件が起こるわけでもドラマチックな何かがあるわけでもない。海炭市で暮らす市井の人々の暮らしが綴られる。――まずはキャストのみなさんに。最初に脚本を読み、物語に触れたときの印象は?そしてこの作品に「出たい」と思ったポイントは?南:私が出ているエピソードは、連れ添ったある夫婦が少しずつ噛み合わなくなっていき、でも一つ屋根の下に暮らしている、という物語。読みながら、シナリオに書いてある以前の2人の心の遍歴、ここには書いていない時間を感じることができたんです。原作も読んでいたんですが「あぁ、いい本だな」と素直に思いました。それはほかのエピソードも同じで、出てくる人々の人生が感じられるんですね。熊切監督がこのお話をどう撮るのか?そこも興味津々でした(笑)」。谷村:私は、まず脚本を読む以前から、熊切監督と一緒にお仕事をさせていただきたいという気持ちがすごくあったんです。それでお話を読んでみて、こういう“雰囲気”、“空気”を持った作品にずっと出たかったけど、これまで縁がなくて…どちらかというと役柄に対して分かりやすい作品が多かったというか。だから素直に自分で出たいと思える作品で熊切監督に声を掛けていただけてすごく嬉しかったです。竹原:僕もまず「やった!また熊切さんの作品に出させてもらえるぞー!やるやる!」って感じでして(笑)。そこから読んでみて、こういう話か。「自分なら、最後にこういう決断はしないだろうな」という違和感を持ったんです。じゃあ実際、やってみたらどうなるか?という好奇心があってやってみました。――“違和感”を抱えつつ、実際に演じてみての感想は?竹原:絶対的に自分とは違う、そういう思いを持ちつつ演じてみて…やはりというべきか…やってみて切なくなりましたね。――監督はこの物語とどのように向き合い、どういう作品にしたいと考えていたのでしょうか?熊切監督:原作も映像的な部分が強いので、読んでいく内にイメージがわいてきましたね。そして何より原作に“嘘”がないんです。人間の綺麗なところも、汚いところも全てを肯定して描いていて、だからこそ存在感がある。僕も北海道出身で、以前から例えば家族や友人だったりという、地元の生活者の目線の物語を撮りたいと思っていたんです。そう思っていたところで、ちょうどこのお話をいただけました。――製作の過程や予算、公開の規模なども大手の大作とは全く異なる道のりを歩み、ここまでこぎつけた本作。作品が辿ってきたプロセスそのものが、どこか映画の内容とも重なるように感じられますが…。熊切監督:あまり確信を持って、狙ってそういう方向に持っていこうという意識はなかったです。ただ、状況でそうなっていったという感じで。でも、地元の方の佐藤さんへの思いは本当に熱い。その意思はしっかりと受け継ぎたいとは思ってました。だから、地元の方にも多く参加してほしいと思ったし…そういうひとつひとつの思いを積み重ねて作り上げていきましたね。――谷村さんは、印象深いシーンとして、兄(竹原さん)と2人で朝日を見るシーンを挙げています。また、監督の演出の印象を「ただ、そこにいるだけでいい」という言葉で表現されていましたね。谷村:説明するのが難しいんですが…(苦笑)。これまで私が参加してきた作品では、相手の役者さんがいようが映っていまいが、目線だけで芝居をする――つまり、お芝居の中でお芝居をしているような、そこに“ある”と見せかけるようなことが多かったんです。そういう中で熊切監督は、どれだけ時間がかかっても、そこに必要なもの、あるべきものを実際に用意する。逆に“素直にリアクションする”ということを難しく感じる現場でした(笑)。でも、そこで実際に朝日を見て「あぁ、人は実際に朝日を見たら、こういう反応をするんだな」というのを知ることができた。それは役者としてだけではなく、谷村美月としても。そういう状況にならないと自分は分からない、そういう発見がたくさんありました。――南さん、竹原さんにも改めて作品中、もしくは撮影で印象に残っている部分や全てを終えての思いなどを教えていただけますか?南:映画の中の何てことない電車の乗客の表情や、坂道を上がっていくうしろ姿…そういう日常のひとコマが随所にあるんですが、それがすごく好きです。同じ街に住んでいて、顔見知りだったりそうでなかったり、道ですれ違ったり。人生は交差しているようで、実は人とはなかなか交じり合えない、そんな真理が何気ないショットに出てくるんです。竹原:さっきも言いましたが、“違和感”をずっと持ちながらやっていて(笑)。全てが終わったとき「そうするしかなかったんだな、お前は」とは思わなかった。でも「それでしょうがなかったのかな」と思えるくらいには肯定できるようになってました。うまく言葉にできないけど、それがこの映画の優しさであり、魅力なのかな、と。出てくる人たちに「そうだ!それでいい!」とは言ってやれないけど「そうだよなぁ…生きるって、そうだよなぁ…」って共感してしまい「頼むから幸せになれよ、お前!」とそういう気持ちの入り方をしてしまう不思議な映画なんです。それが“何”なのか、言葉にはできない。だからこそ、見て感じてほしい。海炭市の街並み、人々の息づかいから――。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】加瀬亮映画初主演作と同じ脚本家作品に「光栄でプレッシャー」TIFFクロージングにハズレなし?『ザ・タウン』“監督”ベン・アフレックに称賛の声【TIFFレポート】『チェブラーシカ』原作者ビックリ?日本の観客は「大人ばかり」【シネマモード】今年はドレスも省エネ気味?第23回東京国際映画祭【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2010年10月28日第23回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品中の映画『海炭市叙景』が10月28日(木)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主要キャストの加瀬亮、谷村美月、熊切和嘉監督らが舞台挨拶に立った。小説家の故・佐藤泰志が、故郷・函館をモデルにした架空の寂れた地方都市で様々な事柄を背負いながら生きる人々の姿を描いた同名小説の実写化。劇中、5つのストーリーが描かれ「裂けた爪」で自身は不倫をし、再婚した妻による連れ子への虐待に悩む男を演じた加瀬さんは「日の当らない人たちばかりが出てきます。日陰で生きている人たちの息づかいを感じていただきたい」と呼びかけ。一方で「初めて映画で主演させてもらった『アンテナ』と今回の映画が同じ脚本家さん(宇治田隆史)で、あれから7年経ってやらせていただけたことを、プレッシャーもありましたが光栄に思いました」としみじみ。谷村さんは「まだ若い廃墟」でリストラされた兄と寂しい正月を迎える妹役。函館ロケについて「最初はザコ寝と聞いていたんですけど、向こうの方がビジネスホテルを用意してくれたり、主婦の方たちがご飯を用意してくれたりして、芝居に集中させていただきました。演じることがこんなに楽しかったのは初めてでした」と笑顔でふり返った。また「熊切監督とは、京王線でばったり会ったことがあって、いつか仕事をご一緒したいと思っていたのが叶いました」と意外な出会いを明かしていた。ほかに、南果歩、小林薫、三浦誠己が出席。同日、六本木ヒルズ内で記者会見、ティーチインも行われた。『海炭市叙景』は11月27日(土)より函館先行公開、12月18日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会■関連記事:TIFFインタビュー『海炭市叙景』南果歩×谷村美月×竹原ピストル×熊切和嘉TIFFクロージングにハズレなし?『ザ・タウン』“監督”ベン・アフレックに称賛の声【TIFFレポート】『チェブラーシカ』原作者ビックリ?日本の観客は「大人ばかり」【シネマモード】今年はドレスも省エネ気味?第23回東京国際映画祭【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2010年10月28日今年もまた、六本木ヒルズがひときわ華やぐ季節がやってきました。そう、東京国際映画祭が開幕しましたね。今年で23回目となる映画祭も、昨年同様、環境・エコロジーをテーマに様々な取り組みを行っていますが、その象徴的な存在がグリーンカーペット。映画祭につきもののレッドカーペットの代わりに敷き詰めたのが、環境に配慮したコンセプトを反映させたグリーンのカーペット。素材も回収されたペットボトルを使っているそう。今年もその上を、映画祭大使の木村佳乃、グリーンアンバサダーの杏らをはじめ、出品作品に関連したゲストたちが闊歩しました。中でも、超一級の存在感と迫力で他を寄せ付けなかったのがカトリーヌ・ドヌーヴ。今回は『8人の女たち』以来のタッグが話題となっている、フランソワ・オゾン監督作品『しあわせの雨傘』を持っての来日。堂々たるブラックの着こなしを日本のファンに見せてくれました。ドキッとするような透け感のあるシフォン素材のカシュクールドレス。フリフリ&フリンジの組み合わせは、やはり自分に相当自信がないと着ることのできない大胆なもの。デザイン自体はそれほど奇をてらったものではないけれど、素材と細部の飾りで、フォーマル感たっぷりに。こういう技は、日常の延長でちょっとした食事会やパーティに訪れる際に参考にしたいものです。そう、夜のお出掛けには、二の腕だって気にせず出しちゃいましょう!また、ドレスを着ることに慣れていそうな雰囲気を醸し出していたのは『海炭市叙景』の南果歩。薄いピンク色のドレープたっぷりのドレスは、ご本人の雰囲気にも合っていて素敵でしたが、何よりグリーンのカーペットにパッと花が咲いたような華やぎを加えました。やはりハリウッド俳優・渡辺謙の妻ということで、フォーマルな席に参加する機会が多いせいでしょうか。隣にいた谷村美月も、爽やかな肌の出しっぷりが印象的。ボーイッシュな魅力があるから、少しぐらい肌を見せてしまっても、いやらしくなかったので好印象でした。また、海外TVドラマ「LOST」で世界的な知名度を獲得したキム・ユンジンも登場。残念ながら、選んだドレスの色は、グリーンの上では沈んでしまうブルー。レッドカーペットだったらきっと鮮やかに映えたでしょうに、痛い選択ミスとなってしまいました。全体的に、今年のグリーンカーペット・ファッションでちょっと気になったのは、ゲストたちのドレスもエコ傾向にあったということ。主流はブラックドレスで、いずれもデザインは控え目気味。肌の露出も少ない傾向にあり、フォーマルな印象は極めて低いものがほとんどでした。映画でエコに貢献しようという映画祭のコンセプトは素晴らしいものですが、やはりここ一番というときは、眩しいくらいに華やかであってほしいもの。しかも、女優同士が“張り合っているのではないか?”と思わせるほどに、挑戦的だったり、冒険心あふれるものだったり、攻撃的だったりすると、見ているこちらもワクワクしたりして。そういう意味では、胸元がぱっくり開いた赤いドレスと金髪が新鮮だったモデルの冨永愛、アイディア次第で、“無駄なくゴージャス”“エコ・リュクス”なんてこともできますからね。ぜひ、来年、いえ、クロージングでは、エコでリュクスなドレスの競演を目にしたいものです!(text:June Makiguchi)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFFしあわせの雨傘 2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】『チェブラーシカ』原作者ビックリ?日本の観客は「大人ばかり」【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」【TIFFレポート】創設者自ら試写会主催し鑑賞『ソーシャル・ネットワーク』会見【TIFFレポート】仲村トオル俳優デビュー25周年50度カクテル一気飲み「ファイヤー!」【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?
2010年10月27日第23回東京国際映画祭のコンペティション部門出品が決定している映画『海炭市叙景』に出演する谷村美月、南果歩、熊切和嘉監督らが9月30日(木)、東京・港区の六本木ヒルズ内で行われた同映画祭の公式会見に出席した。北海道・函館市出身の小説家・佐藤泰志氏の遺作となった同名作の映画化で、函館市をモデルにした架空の都市・海炭市とそこで人生を送る人々の姿を6編の物語で描いている。熊切監督と初タッグとなった谷村さんは「その場に立っていればいい、そこに存在していれば『演じよう、演じよう』としなくていい、不思議な現場でした。とても居心地が良かったです」と撮影をふり返ってニッコリ。南さんも「函館で1か月半、撮影をしてきましたが、このような形で世界に向けて発信できることになり、函館の方々と喜びを分かち合いたいです」と晴れやかな笑顔を見せた。北海道帯広市出身の熊切監督は「小さな出会いから始まった映画が大きな映画祭で上映されるのは嬉しい」と喜びの言葉。「とある地方都市の現実とそこに暮らす人々の姿を描いた作品です。多くの人々に何かを感じ取ってもらいたい」と話した。ほかに出演の竹原ピストルが出席。この日の会見には映画祭チェアマンの依田巽氏らが出席。本作を含むコンペ作品15本などの概要発表、審査員紹介などを行った。コンペ15本中、1本は未発表。第23回東京国際映画祭は10月23日(土)から31日(日)まで、東京・六本木ヒルズほかで開催。映画『海炭市叙景』は11月27日(土)より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開。(photo/text:Yoko Saito)「第23回東京国際映画祭」公式サイト■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF
2010年09月30日