今回は、フォローアップミルクが必要かどうか迷ったときのお話をします。 フォローアップミルクは必要?フォローアップミルクは、牛乳の代用品として製造開発された食品です。母乳の代用品として製造開発された育児用ミルクとは異なります。 牛乳はたんぱく質やカルシウムが多く含まれているため、消化機能が未発達な赤ちゃんは消化に負担がかかり、また鉄分の含有量が少なく鉄欠乏性貧血を予防する観点から、厚生労働省策定の「授乳・離乳の支援ガイド」では1歳すぎてから飲むことが望ましいとされています。そこで、たんぱく質の量を少なく、カルシウムや鉄などを添加して離乳食で不足しがちな栄養成分を補うことを目的に製造開発されたのがフォローアップミルクです。 妊娠・出産・子育てをテーマにした書籍や雑誌、webサイトに「フォローアップミルクはいつから与える?」「余ったフォローアップミルクの利用方法」という見出しがあるために、フォローアップミルクは与えるべきものとして受け止めてしまうこともあるでしょう。 離乳食が順調に進んで、よく食べている子にはフォローアップミルクは必須ではありません。離乳食が順調に進まない場合でも、母乳や育児用ミルクがよく飲めていればフォローアップミルクは必須ではありません。離乳食を開始してからも、母乳や育児用ミルクはもちろん与え続けていいですし、フォローアップミルクに切り替えたり、追加して与える必要はありません。 フォローアップミルクはなぜ売っているの?赤ちゃんに飲ませる育児用ミルクは、母乳の代わりに与えるものです。そのため、母乳の成分にできる限り近づけた母乳代用品として製造販売されています。 フォローアップミルクは、前述したように牛乳の代わりに与えるものとして開発されたものです。離乳食を開始する月齢以降の乳児は生理的に鉄分が不足しがちであること、牛乳に含まれる鉄分が少ないことから、鉄分を補う食品としてフォローアップミルクは販売されています。 製造販売する乳業会社は、フォローアップミルクは離乳食を1日3回十分な量を食べるようになった生後9カ月以降に使用すること、離乳食がまだ十分に進んでいないうちに母乳や育児用ミルクをフォローアップミルクに切り替えることは間違いであることも説明しています。ただし、母乳育児の赤ちゃんは特に鉄欠乏になりやすいので、うまくフォローアップミルクを併用すると良いでしょう。 子どもの栄養について心配な場合は、小児科あるいは居住地の保健所や保健センターの保健師・助産師・栄養士へ相談しましょう。 フォローアップミルクを与えるべきか悩んだら離乳食は、母乳や育児用ミルク以外の食べ物から成長に必要な栄養を補うものです。また、自分の口から食べて、舌や歯ぐき、歯をじょうずに使って飲み込むという咀嚼や嚥下を学ぶ機会でもあります。 液体だけではなく固形物の食事へ置き換えていく大切な時期なので、「離乳食を思うように食べてくれないから」「離乳食だけでは栄養が足りないような気がするから」という理由でフォローアップミルクを使用する必要はありません。 フォローアップミルクを与えるべきか悩む場合は、小児科あるいは居住地の保健所や保健センターの保健師・助産師・栄養士へ相談しましょう。 もしフォローアップミルクを買って余ったら各乳業会社のホームページでは、フォローアップミルクを使った離乳食の調理方法が紹介されているので参考にしましょう。ただし、フォローアップミルクの風味は、個人の好き嫌いが分かれます。フォローアップミルクを利用して作った離乳食を、子どもがすすんで食べない場合は、無理強いしないように気をつけましょう。 また、子どものために開発されたフォローアップミルクが、まるで大人にとっては完全なる栄養補助食品のように説明するwebサイトやレシピの紹介サイトが存在しますが、子どもと大人では必要な栄養量は異なり、消化吸収には個人差があります。過度な期待はせず、大人も子どもと同じようにバランスの良い食事から栄養を摂りましょう。 一度開封したフォローアップミルクがたくさん余っていても、衛生的な視点から他の親子へ譲ることはやめましょう。また、「フォローアップミルクは必要?」と悩む親を増やさないためにも、未開封のフォローアップミルクをフリマアプリなどで売買することはやめましょう。 まとめ離乳食を順調に食べられていれば、フォローアップミルクは必須ではありません。子どもの成長を促すために必要な栄養素を不足させないことは大切ですが、過剰に与える必要はありません。 <参考>・厚生労働省授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)・乳幼児健康診査身体診察マニュアル - 国立成育医療研究センター平成30年3月・nfant and young child feeding in emergencies (Version 3.0)・災害時における乳幼児の栄養~災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き旧版の日本語訳(改訂版は現在翻訳中) 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年10月30日絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションやスキンシップなど大切な役割を果たします。でも、赤ちゃんが低月齢のころは絵本を読んであげても意味がわからないので、効果がないと思っている人もいるかもしれません。そこで今回は読み聞かせを開始する時期やコツについて解説します。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせするのはいつから?個人差はあるものの、赤ちゃんが言葉を覚え出すのは1歳前後とされています。このころから、赤ちゃんは短い単語を使って感情表現をするようになり、1歳半ごろから赤ちゃんは語彙を増やしていき、短い文章を作って話し始めるのが一般的です。そうなると簡単な絵本の内容も理解できるようになります。「言葉を覚えさせる」「お話を楽しんでもらう」という意味では、1歳半を目安にして読み聞かせをするのが効果的です。 ただし、「1歳半にならないと読み聞かせは無意味」というわけではありません。読み聞かせには学習以外の効果も多くあります。たとえば、読み聞かせは赤ちゃんと親のコミュニケーションの場です。親からやさしく語りかけることで赤ちゃんは安らぎを覚えます。また、親も赤ちゃんへの愛情を確認できる時間となります。また、本を身近な存在として認識させることで、将来的な読書への抵抗感を少なくすることもできます。言葉がわかるようになっても、絵本そのものを嫌いでは読み聞かせはおこなえません。赤ちゃんが絵本の内容をわからない時期でも、読み聞かせは積極的におこないましょう。 読み聞かせを始める時期には特に「いつから」という制限はありません。0歳児に対しても、簡単な内容の絵本を読み聞かせる意味はあります。また、0歳児は言葉や物語は追えなくても絵の印象だけなら楽しむことができます。絵本にはユニークな表現もたくさんあるので、音で絵本を記憶していく赤ちゃんも少なくありません。親と一緒にいろいろな絵が移り変わる時間を過ごすのは、大切なスキンシップになります。まずは図書館や本屋に一緒に行って、赤ちゃんが好きそうなものを探してみると良いでしょう。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせする効果は?絵本の読み聞かせのメリットとしてはまず、「情緒の安定」が挙げられます。赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても親が読む声をずっと聞いていて、感覚的に気持ちのいい時間を過ごせます。優れた絵本は優れた文章で書かれているため、親の読む声も耳触りがよくなります。安心感のある時間をたくさん持つことで赤ちゃんの情緒は安定していきます。また、成長したときに感情表現が豊かで、他者への共感能力が高くなりやすいでしょう。 次に、「好奇心の芽生え」も重要なポイントです。家族に囲まれた日常ではなく、まったく知らない世界を赤ちゃんは絵本でのぞきます。その結果、赤ちゃんは好奇心が刺激され、キャラクターや世界観などを「もっと知りたい」と思うようになります。こうした感情は、成長したときの学習意欲や向上心へとつながり、芸術的な視点を養ううえでも大切な機会となります。 そして、「親子のきずなの再確認」も読み聞かせでできます。絵本は親から子に物語を読み聞かせることで、テレビではできないコミュニケーションが生まれます。同じ物語でも、親が工夫して読み上げれば、そのたびに赤ちゃんは違う感想をもつはずです。赤ちゃんは絵本の内容こそ覚えていなくても親から愛情を注がれた記憶は残っていくので、良好な親子関係を築く礎ができていきます。 赤ちゃんの絵本の読み聞かせ方のポイント読み聞かせするうえでのポイントは、赤ちゃんに「感想を求めない」ことです。赤ちゃんは絵本を読んでいる間、素直に楽しんでくれているはずです。しかし、感想を聞くのは意見の強要になってしまう恐れがあり、赤ちゃんはストレスを覚えてしまいがちです。場合によっては、絵本そのものへの嫌悪感につながりかねません。 読み聞かせが終わったら、「おもしろかったね」と声をかける程度で十分です。もしも赤ちゃんが気に入ってくれたなら、感想を求めなくても笑顔になったり、繰り返し読んでほしがったりといった反応があるでしょう。 「赤ちゃんと触れ合いながら読む」ことも大切です。読み聞かせはスキンシップの時間でもあるので、ひざに乗せたり、隣に寝たりしておこなうのが理想的です。こうした習慣を続けると、赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても「お母さんやお父さんと触れ合える時間」だと思ってくれるようになります。そして、読み聞かせの時間が好きになり、将来的には本そのものに興味を持ってくれます。また、親子が仲良くなるためにも欠かせない時間になるでしょう。 月齢別のおすすめ絵本生後10カ月ほどで、赤ちゃんは絵本を玩具のように捉えて楽しむことができるようになります。しかし、この時点ではまだ物語までは追えません。赤ちゃんにとって身近なものをモチーフにしたシンプルな絵本を読み聞かせるのがぴったりです。 たとえば、野菜や果物などの「食べ物」の絵本は、赤ちゃんが見たことがある絵が多く、親しみをもって見ることができます。また、乗り物の絵本も愛されやすいジャンルです。電車や車を絵本で知った赤ちゃんは、実際に自分が乗る立場になったときに感動を覚えてくれます。知的好奇心を育むうえでも、適した絵本といえるでしょう。 1歳を超えたあたりから、赤ちゃんは簡単な物語にも反応できるようになっていきます。身近なテーマを好むのは変わらないものの、リズム感やユーモアをともなったフレーズが載っている絵本をおもしろがってくれるでしょう。さらに、音が流れる仕様になっていたり、歌が出てきたりする絵本も人気です。これらの絵本はリラックス効果があるだけではなく、音感を養うこともできます。そして、1歳半ごろからは知育絵本を取り入れるのも効果的です。ごはんや着替えといった生活習慣を楽しみながら学べる絵本によってマナーを教えてあげるのもいいですね。 注意点としては、絵本選びが親の自己満足にならないことです。優先するべきは赤ちゃんの好みであり、苦手な本を無理に読まされても赤ちゃんは心から楽しめず、読み聞かせという行為そのものが苦痛に変わっていくかもしれません。赤ちゃんの好きなジャンルを意識して本を選びましょう。 まとめスキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。10カ月経ったころから赤ちゃんは言葉を習得し始めるので、そのあたりを目安に読み聞かせを始めてみましょう。また、赤ちゃんが読んでいて共感できる内容は時期によって変わっていきます。最初は身近なモチーフの絵本から入り、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。 ■参考・厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのために」・文部科学省「絵本で子育てを楽しく」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医
2019年10月08日今回は、卵アレルギーについての説明と離乳食を進める過程で卵を与えるときの注意点についてお話しします。 離乳食を進める過程に卵アレルギー=卵白アレルギーは起こりやすい人間の体には、体内の異物を追い出そうとする仕組みがあります。口から食べたものはこの仕組みが働きにくくなっていますが、特定の食品にはうまく働かないことがあります。これを食物アレルギーといいます。 原因となる食品を食べてすぐに湿疹やかゆみが現れるため即時型アレルギーとも呼ばれます。ときに重症のアナフィラキシーを起こすこともあります。乳幼児では、年齢とともに耐性が出てきますが、与え方や調理方法に工夫が必要です。 即時型アレルギー:食物アレルギーの典型。原因食物の摂取後2時間以内にアレルギー反応による症状(湿疹や蕁麻疹、かゆみ、鼻水、くしゃみ、目の充血など)を示す。 アナフィラキシー:原因食物の摂取後、数分~数時間以内にアレルギー反応による症状(全身に湿疹や蕁麻疹が出現、かゆみ、息苦しい、喘鳴、嘔吐、ときに意識レベルの低下) 離乳食を進める段階で、食物アレルギーを起こすことが多い食品は鶏卵です。卵黄と卵白ではタンパク質の種類が違い、卵白のタンパク質がアレルギーの原因であることが多いため、卵アレルギー=卵白アレルギーと考えます。 食物アレルギーだからといって離乳食を遅らせる必要はありません。かゆみなどの症状があれば、医師と相談し離乳食を進めます。 卵を開始するときは、20分ぐらい加熱しごはん粒1/10サイズから卵アレルギーの原因となる卵のタンパク質は加熱することでアレルギー源としての働きは弱まります。卵黄は大丈夫でも、生卵や半熟卵、加熱時間の短い卵白ではアレルギー症状が出ることがあります。 卵を初めて食べさせるときは離乳食を開始して1カ月以上経過してから(およそ生後6~7カ月ごろから)、赤ちゃんの体調が良いときに新鮮な卵を20分間加熱して固ゆでした卵黄、もしくは炒り卵をごはん粒の10分の1程度にしましょう。 初めて卵を食べさせるときや量を増やすときは、アレルギー症状が出てもすぐに受診できるように小児科が開院している時間帯(平日の昼間など)に与えるようにしましょう。 ※参考:日本小児アレルギー学会鶏卵アレルギー発症予防に関する提言2017年 卵を開始するときは卵黄から卵アレルギーの原因となるタンパク質は、加熱することでアレルギー源としての働きは弱まります。卵黄は大丈夫でも、生卵や半熟卵、加熱時間の短い卵白ではアレルギー症状が出ることがあります。初めて卵を食べさせるときは離乳食を生後5~6カ月ごろに開始して、つぶしたおかゆから与え、慣れてきたら野菜、果物を、さらに慣れてきたら固ゆでした卵黄を与えます。卵は新鮮なものを選び、かたゆでした卵黄をすりつぶして多めの水分でのばしたものを耳かき1杯程度にして与え、少しずつ増やしていきます。初めて卵を与えるときや量を増やすときは、アレルギー症状が出てもすぐに受診できるように小児科が開院している時間帯(平日の昼間など)で、赤ちゃんの体調が良いときに与えるようにしましょう。 生後7~8カ月ごろは卵黄1個~全卵1/3個、9~11カ月ごろは全卵1/2個、1歳~1歳6カ月ごろは全卵1/2~2/3個を目安に与えます。 卵アレルギーかも? と思ったら卵の加熱時間や加熱温度によってアレルギー源が弱くならず、アレルギー症状が現れることがあります。例えば、おかゆやうどんを卵とじにする場合や卵焼きを焼く場合、茶碗蒸しやプリンを加熱する場合はしっかり中まで火を通すことが大切です。ただし、しっかり火を通したつもりでもアレルギー源が弱くなっておらず、アレルギー症状が出てしまうことがあります。症状が出た場合は、小児科医あるいはアレルギー専門医の診察を受けましょう。重症度によっては、卵を完全に除去する必要がない場合もあります。また、少しずつ卵が食べられるようになっても赤ちゃんの口の周囲だけが赤くなる場合は、卵のタンパク質が肌に付着して炎症を起こしている可能性があります。その場合は、医師の指示のもと、肌を守るために口の周りにワセリンを厚めに塗ってから食べるようにすることがあります。 卵を除去したほうがいいと医師が判断した場合は、卵の代わりに肉・魚・大豆でタンパク質を補うようにしましょう。卵と卵を含む加工食品、その他の鳥の卵(うずらの卵など)は離乳食で与えないように気をつけましょう。 ハンバーグなどのつなぎなどは、片栗粉などのでんぷん、すりおろしたじゃがいもやれんこんで代用します。離乳食の準備が負担にならないように卵不使用の肉や魚の加工食品、調味料、ホットケーキミックスなどをじょうずに使いましょう。なお、卵に含まれるタンパク質と、鶏肉や魚卵に含まれるタンパク質は異なるため、鶏肉や魚卵を除去する必要はありません。 授乳中の母親が卵を食べることを控える必要はありません赤ちゃんが卵アレルギーと診断されても、授乳中の母親が卵を食べるのを控えたり、食べないようにする必要はありません。両親や上のお子さんに食物アレルギーがあった場合でも、母親が卵を食べることを制限する必要はありません。赤ちゃんが重症な卵アレルギーだったとしても、母親は卵を含む菓子類やパン類は食べてもかまわないことが多いです。 今のところ、妊娠中や授乳中の母親が特定の飲食物やサプリメントを摂取することで赤ちゃんのアレルギーを予防できる確実な方法はありません。 食物アレルギーを確実に予防できる方法はありません卵に限らず、食物アレルギーを確実に予防できる方法はありません。乳幼児期に発症した卵・牛乳・小麦などのアレルギーは3歳までに約50%、5−6歳までに約60−70%が治ります。※参考:食物アレルギー研究会食物アレルギーの診療の手引き2017 食物アレルギーに限らずアレルギーは遺伝と環境によって発症すると考えられています。生まれて間もない時期から赤ちゃんの肌を清潔に保湿して健やかに保つことや、赤ちゃんの肌に食物アレルギーを起こす食品が触れないようにすることで、アレルギー性の湿疹を予防できることがわかっています。離乳食を開始するよりも前から湿疹がある場合は、湿疹の治療を優先しながら離乳食を進めたほうがいいこともあります。湿疹や離乳食の進め方については、小児科医やアレルギー専門医へ相談しましょう。 離乳食を開始して、食物アレルギーかもしれないと思ったときは、すぐに小児科あるいはアレルギー専門医に診てもらいましょう。何をどのくらい食べたのか、どのような症状が出たのかをメモや写真でもいいので持参して受診しましょう。 原因となる食品を除去した方がいいのかなど、どのように離乳食を進めていくかについては、医師の診断が重要です。医師は卵の調理方法によるアレルギー症状の現れやすさを参考に、食べられる範囲を決めていきます。親の判断で除去はせず、赤ちゃんがアレルギー症状に悩まされることのないように医師と相談しながら離乳食を進めていきましょう。 まとめ親同士の口コミやインターネット上の情報には、食物アレルギーについて医学的根拠のない内容や体験談が含まれていて、正しい知識や必要な情報にたどり着くまで時間がかかることがあります。離乳食の進め方について相談したい場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師・栄養士・助産師へ相談しましょう。食物アレルギーかな? と思ったら小児科医やアレルギー専門医のいる医療機関を受診しましょう。 参考:厚生労働省授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版日本アレルギー学会日本小児アレルギー学会鶏卵アレルギー発症予防に関する提言 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年09月30日今回は、抱っこと抱き癖、そして泣き止ませについてお話しします。 「抱っこ」は、ごく自然な行動です親が赤ちゃんの欲求に応じて触れ合うことは、赤ちゃんの体の発育、知能や精神的な発達、心の安定、人格の形成に大きな影響を及ぼすことが、多くの研究によって明らかになっています。親やお世話をしてくれる人との触れ合いが少ないと、赤ちゃんの情緒面に影響するという研究もあるので親子の触れ合いを大切にしていきましょう。赤ちゃんの欲求に応じて触れ合うには「抱っこ」が基本です。遥か昔から、安全のために母親が赤ちゃんを「抱っこ」してきました。赤ちゃんの脳には親に抱っこされたいという欲求があり、母親は赤ちゃんの泣き声に反応するように進化してきました。人間の暮らす環境は変化していますが「抱っこ」することは人間の本能的行動です。 「抱っこ」は自然な行いですが、親には負担になることもあります。生まれて間もないころや赤ちゃんが自分で動き回れるようになるまでは、泣き止ませるために「抱っこ」以外の方法を親が見つけ出すのに苦労することもあります。赤ちゃんの成長と共に、話しかけたり、絵本を読み聞かせたり、おもちゃで遊ぶなど「抱っこ」以外の方法で泣き止むように成長していきます。 赤ちゃんの欲求に応じるには、親やお世話をする人の心身に余裕が必要です。母親だけが悩んだり、家族の誰か一人に無理強いするものでもありません。抱っこひも・スリング・ベビーラップなどを活用する、おすわりできるようになったら抱っこからおんぶへ切り替えるなど赤ちゃんの成長に合わせて方法を変えてみるのも良いでしょう。 抱き癖って何?妊娠・出産・子育てをテーマにした書籍や雑誌、webサイトには、抱き癖に関する情報が数多くあります。「抱き癖がつくのはいつから?」「抱き癖を治す方法は?」という見出しがあふれ、日常的に抱っこすることが悪いことのように印象を与える情報が目につきやすいでしょう。しかしながら、「抱き癖」には医学的根拠はなく、言葉自体も医学用語ではありません。「抱き癖」という言葉は、1946年にアメリカで出版された「スポックマン博士の育児書」に書いてある理論をもとに使われるようになった時代的背景があります。この育児書では、子どもの自立を促すために、泣いても抱っこせずに泣かせたほうがいいとする理論を推奨していました。世界的なベストセラーになりましたが、この育児書にある多くの理論に医学的根拠はなく、子どもの成長発達にとって有害であることが近年の研究でわかっています。 この育児書が和訳され、日本国内で出版された1960年代以降、子どもの自立を促すための育児論が正しい育児方法かつ一般的な育児方法として、子育て世代へ広がりました。そのため、当時の子育て世代から現代の子育て世代へ、抱き癖は悪いものという認識が引き継がれているところがあります。抱っこに奮闘する子育て中の親に対して、祖父母世代から「抱き癖がついたら大変だよ」と言われることもあるかもしれませんが、やさしいおせっかいとして受け取って聞き流しましょう。 抱き癖とサイレントベビーは関係ある?時代は移り変わり、1990年代に入ってから、親子の触れ合いや絆は大切で抱き癖は悪いものではないと認識されるようになりましたが、今度は「赤ちゃんが泣いているのに応じないとサイレントベビーになる」という育児論が国内で浸透し始めました。 しかしながら「サイレントべビー」も「抱き癖」と同様に医学用語ではなく、医学的根拠のない育児論のなかで作られた言葉です。抱き癖やサイレントベビーの責任が母親だけに押し付けられる理論も間違っています。「抱き癖」が子どもの自立が妨げるわけではありませんし、「サイレントベビー」になることを防ぐために「抱き癖」をつける必要があるわけでもありません。 赤ちゃんの抱っこや泣きについて悩んだときは?抱っこしないと泣き止まなくて困っている、泣き止まないことが病気ではないかと感じる、あまり泣いたり笑ったりしないから心配など、赤ちゃんの抱っこや泣きについて思い悩むときは、小児科、居住地の保健所や保健センターの保健師や助産師、子ども家庭支援センターなどの相談窓口へ相談しましょう。 まとめ過去の育児論や医学的根拠のない育児方法を持ち出して、子育ての不安を煽る情報に振り回されないように気をつけましょう。抱っこや赤ちゃんの泣きに関する困りごとや悩みごとは、小児科、居住地の保健所や保健センターの保健師や助産師、子ども家庭支援センターなどの相談窓口へ相談しましょう。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2019年08月27日そろそろ赤ちゃんが欲しいけれど、なんとなく自然の流れに任せているという人もいるのではないでしょうか。残念ながら、人間は妊娠しやすい生き物ではありません。若く健康な男女がタイミングを合わせても妊娠できる確率は1回で約3割と言われています。さらに男女共に年齢を重ねることで自然妊娠の確率は下がってきます。このコラムでは妊娠力を高めるための体づくりや食べものについて紹介します。 妊娠確定までの流れ性交渉をし、卵子と精子がうまく受精すると受精卵が、約1週間かけて子宮内に着床します。この状態で、妊娠が成立したといえます。このときはまだ妊娠の自覚症状はほとんどありません。妊娠4週以降になると生理の遅れなどに気づき始めます。体温が高めになり、だるさ、吐き気や胃もたれを感じる場合もあります。妊娠~5週では、超音波検査のときに胎嚢が確認できます。そして妊娠6週頃に心拍が確認できて、はじめて妊娠確定という状態になります。 ■受精から着床までの流れ↓↓↓ 妊娠しやすいタイミングはいつ?排卵されてから月経がはじまるまでの「黄体期」といわれる期間は、約14日間といわれています。月経周期は人それぞれ違いますが、次回の月経開始予定日から約14日前に排卵が起こることが予測できます。 また、女性の体温は月経から始まる低温期と、排卵以降の高温期の2つを繰り返します。基礎体温をはかっていると低温期から高温期に移る前に体温がぐっと下がる時期があり、この時期に排卵が起こる可能性が高いともいわれています。最も妊娠しやすいのは排卵日の1日前から排卵日です。続いて排卵日の3日前~排卵日翌日も妊娠の確立が高くなる時期です。 妊娠しやすい体づくりとは妊娠しやすい体づくりのためには、まず、女性ホルモンを整える必要があります。ホルモンは血液によって運ばれる物質です。そのために、「全身の血行をよくする」ことから始めてみましょう。日ごろから、適度な運動を取り入れることは大切です。足をあげて自転車こぎをしたり腹筋を鍛えたりといったエクササイズを行うことや、ウォーキングなどの適度な運動を行うことは、全身の血行がよくなり筋力も維持されるので、基礎体温も高まり代謝がよくなります。特に、骨盤内への血行が良くなると卵巣や子宮などの機能も高まります。また、妊娠にストレスは厳禁ですが、運動後、副交感神経が優位になることでリラックス効果が高まるために、運動が妊娠しやすい体に有効ともいわれています。 普段から良い姿勢を心がけ、できるだけ同じ姿勢を続けないようにしましょう。長時間の運転やパソコンでのデスクワークの際には、一時間ごとに立ってストレッチをするなど、体を動かすように気をつけてください。ぴったりしたジーンズやタイトスカートなど体を締めつけるような衣服も避けましょう。 「体を冷やさない」ことも大事です。クーラーのよく効いた部屋など寒いと感じる場所に長時間いると、下半身の血行障害が起こりやすくなります。足首などを温めたり、ストレッチをしたりと対策をとるようにしましょう。 逆に男性の場合は「温めすぎ」に注意してください。精巣の温度が上がりすぎると精子をつくる機能が低下します。冬場に長時間コタツにあたる、サウナに長居するなどは良くない例です。また、座ったまま同じ姿勢で長時間ゲームをする、テレビを視聴するのもよくありません。長時間精巣の血管が圧迫されることで活性酸素がたまり、精巣の温度も高くなるので精子の質を落としてしまいます。 妊活中のおすすめの食べ物妊娠しやすい体づくりのために、妊活中の食べものはとても大事です。きちんとバランスのとれた食事をとり、偏食を避けるようにしてください。野菜を中心に、肉、魚、卵などのたんぱく質を取り入れ、バランスよく食べることが大事です。その上で、妊娠力を高めるために女性に積極的にとってもらいたいものは、ビタミンです。 ビタミンB6、ビタミンEには女性ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスを整える働きがあります。また、月経前症候群のさまざまな症状を和らげる働きもあるといわれています。さらには血液循環を改善し、生理痛を和らげます。 そして、ビタミンB群の一種であるパントテン酸はストレス緩和作用のある副腎皮質ホルモンの合成・促進に関与しています。 ビタミンB6は、かつお・さんま・まぐろなどの魚類、ビタミンEはナッツ類、パントテン酸はアボカドや卵類に含まれています。 さらに、妊娠する前から「葉酸」を適度にとると、胎児異常を減らせることが最近分かってきました。妊娠を望むのであれば、日ごろから積極的に、野菜など葉酸を多く含む食品摂取を心がけましょう。また、妊活中はできるだけ禁煙し、お酒も控えめにしてください。 まとめ赤ちゃんがほしいと思って、すぐに授かれるのは幸運なケースです。赤ちゃんをのぞむ場合は早めに準備をするにこしたことはありません。バランスのよい食事や適度な運動を心がけ、夫婦ともに妊娠しやすい健康的な体づくりを始めましょう。一般に1年以上避妊せずに夫婦生活を送っても妊娠にいたらない場合は不妊の可能性があります。夫婦でよく相談して、必要であれば産婦人科へ相談・受診したり、不妊治療に進んだりすることも考えてみましょう。 参考・妊活のはじめてガイド5 | ロート製薬・葉酸について|エレビット (Elevit)|バイエル薬品 監修者:医師 医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事長 浅川 恭行 先生1993年 東邦大学医学部卒業、1999年 東邦大学大学院医学研究科博士課程修了。浅川産婦人科の院長を務めるほか、日本産婦人科医会 幹事、東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科学講座 客員講師、鶴見大学歯学部 産婦人科学講座 非常勤講師として活躍。
2019年07月26日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。お盆が過ぎた後にやってくる“残暑バテ”を防ぐための方法を知るために、医師に相談してきました。青森県内で唯一、人口が伸びている地域として知られる六戸町にある沼田医院の医院長で、 小児科・内科医の沼田知明先生にお話を伺ってきました。沼田先生は、長年にわたり乳幼児検診に携わっておられ、町の学校保健会長として多くの子どもたちのために活動されている先生です。●残暑バテの原因と症状残暑バテが起こってしまう原因を沼田先生に聞いてみました。『自律神経のバランスが悪くなっている状態が引き起こしていると思います。自律神経は、自分の体をうまい具合に調整するように動いている神経です。ただ、意識してコントロールできない・調整できない神経でもあります。この神経のバランスが崩れてしまうと、心身の不調が出てきます。そこに、夏の暑さや悪天候が続いたことで湿度が高くなっていることも要因となります。さらに、仕事やお盆休みの活動といった体力的な面も関係しています』さまざまなことが関係して心身共に不調となるということがわかりました。症状は、どのようなものがあるのでしょう。『自律神経のバランスを崩してしまうと、食べられない・飲めないなどの消化器系、めまいや頭痛などの循環器系、その他に寝付きが悪かったり不眠になってしまったりすることが起こります。心の面では、鬱っぽくなってしまったりイライラしたりということもあります』自律神経のバランスが崩れると、体と心だけでなく免疫力の低下にもつながる そうです。うまく保っていけるように早めに回復することが大切だということがわかりますね。●自律神経を調節する「食事」「睡眠」「運動」について私たちはどんなことに注意すればよいかを、沼田先生に聞いてみました。『自律神経のコンディションを整えるということです。自律神経は自分で意識して調節できませんが、意識できる部分から少しずつアプローチをして、自律神経を修復させていくことはできます』先生から、アプローチしていける大切なポイントを教えてもらいました。1つ目は“食事”です。『バテているというのは、疲労の状態です。体力をつけなければいけません。ですから、肉魚卵などのタンパク質を意識して取るようにします。そして、疲労を回復させるためにビタミン類(B1、Cなど)も取りましょう。サプリメントや飲み物などを活用しても構いません』2つ目は“睡眠”です。『睡眠は大切です。大人なら6~7時間、子どもなら8~9時間、幼児などの小さい子であれば10時間程度が必要となります。ただし、過剰な睡眠は良くありません。逆効果です。休日だからと寝てばかりでは、自律神経をますます乱すことになります』睡眠の質を上げることも大切とのことでした。暑いからといって、エアコンや扇風機でむやみに冷やすようなことはせず、自分の体にあった温度で過ごすようにする とよいそうです。『寝る前に、ぬるめのお風呂につかったり、シャワーを浴びたりするなどの寝やすくするための工夫も必要です』また先生は、体内時計のリセットも大切だと話します。『人の体内時計は、24時間よりも1時間多い25時間です。だから、どうしてもズレが生じてしまいます。それを修復する方法は、朝起きて日の光を浴びることです。そうすれば、目から日光が入り脳内物質が分泌され、体内時計がリセットされます』3つ目は“運動”です。『自律神経を回復させるためには適度に体を動かすことが大切です。バテているとどうしても横になりたいという気持ちになりますが、ウォーキングしたり子どもと公園で遊んだりするなど、適度に体を動かすことが自律神経を回復させることにつながります。体がだるいと横になった方がいいと思われがちですが、回復させたいのなら朝起きて、適度に体を動かす方が自律神経の修復にアプローチをかけやすくなるのです』とのことでした。以上の「食事」「睡眠」「運動」の3つに気をつけることで、残暑バテはずいぶん楽になってきます。●面倒な気持ちになってしまったときの対策「暑い」「湿度が高い」などの気候的な要因や、仕事や家事育児の疲れなどさまざまなことが関係して、「面倒くさい」という気持ちになってしまうことがあります。そのようなときはどのようにしたらよいかということを教えてくださいました。『大切なのは、プラスのイメージを持つことです。・食事を作るのが面倒→「栄養が取れる料理で家族が喜んでくれる!」・子どもと散歩や公園→「疲れているのに動けている自分はすごい!」「子どもの成長が見られてうれしい」など。心がワクワクするような気持ちを持つ、または気持ちを切り替えることで心の健康につながります。プラスのイメージを持ったり、ちょっと見方を変えたりするだけでもいいです』とのことでした。疲れていると、プラスに考えるのは難しいこともありますよね。そんなときは、現状を別の角度から見るようにしてみる といいかもしれません。もうすぐ夏休みが終わります。子どもも起床や学習、登校などに「面倒くさい」と言うようになるでしょう。そんなときも、親が子どもに対してプラスな言葉をかけてあげることで、子どもの考え方を変えるきっかけになります。二学期早々に、登校することが億劫でなくなることにつながると思えば、プラスなイメージの会話をすることができるはずです。●おわりに残暑バテは、だるかったり頭痛がしたりして横になっていたいものですよね。それをプラスの考え方をして、「食事」「睡眠」「運動」を大切にして自律神経の乱れを修復することが大切だとわかりました。“疲れているから動かないじゃなくて、疲れているからこそ動いてプラスなことを考える”ということが大切だと理解できたように感じます。【監修/沼田知明医師】『沼田医院』医院長/小児科・内科医・沼田医院●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/神山みき(れんくん)
2017年08月30日医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアはこのほど、会員医師を対象に募集した「医学界・医師界における今年の漢字一文字」の結果を発表した。「2015年 医学界・医師界における今年の漢字一文字」は、11月23日~30日にかけて、同サイト内の「ポスティング調査」コーナーで募集していた。有効回答は2,936人。1位となった漢字は「偽」(107票)だった。「偽」は2013年、2014年に続き、3年連続で1位となっている。2014年末にSTAP細胞論文について報告書がまとめられ、STAP細胞の存在が否定されたことや、特定機能病院の取り消しにつながった大学付属病院でのずさんな医療・医療事故への対応、東京五輪エンブレムの白紙撤回などの世相も反映されたようだ。会員医師からは「STAP細胞騒動、杭(くい)打ちデータ偽装など、人の心をあざむく出来事が多すぎると感じる」(50代、消化器外科)、「群馬大学病院での手術後の死亡の件など、信頼を失った感じがする」(50代、一般内科)などのコメントが寄せられた。2位は「乱」(106票)で、1位の「偽」とはわずか1票差だった。世界各地でのテロ行為に加えて、医療事故調査制度や新専門医制度など医療制度改革での混乱を反映しているものとうかがえる。「精神保健指定医の申請において虚偽が見つかったことが思い出されました」(30代、精神科)という会員医師の意見があった。3位は「忍」(102票)。会員医師からは「勤務医の厳しい労働環境がますます悪化し、消費税の影響で病院収支も厳しく、ひたすら忍耐を強いられているため」(50代、呼吸器内科)などのコメントが寄せられている。医療費削減や厳しい勤務環境が反映した結果となった。4位は「戦」(97票)、5位は「変」(68票)、6位は「賞」(63票)、7位は「新」(56票)、8位は「安」(52票)、9位は「争」(50票)、10位は「爆」(47票)だった。
2015年12月17日医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアはこのほど、会員医師を対象に実施した「がん以外の病気でのセカンドオピニオン」についてのアンケート結果を明らかにした。調査機関は2月19日~25日。がん以外の病気において、患者から「他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われたことはあるか尋ねたところ、59.9%が「言われたことがある」と回答した。言われたことに対してどう思うか聞くと、87.4%が「言われたことがあるが、不快に感じない」と回答した。その理由としては「セカンドオピニオンは患者の当然の権利だと思う」「納得して治療を受けてもらいたい」などが挙げられた。また、「患者に勧めることもある」「むしろ他の医師の意見を知りたい」という意見も多かった。「不快に感じる」は12.6%。理由は「信頼されていないと感じる」というものが多いが「患者側の言い方にもよる」「紹介状を書く手間がかかる」といった意見もあった。セカンドオピニオンを聞きたいと言われたことがない医師は40.1%だった。もしも「セカンドオピニオンを聞きたい」と言われたとしたらどう思うか聞くと、84.0%が「不快に感じないだろう」と回答した。「自分が患者なら、他の医師の意見も聞きたい」「より客観的で多角的な診療が可能となると思う」といった意見が寄せられた。患者から「セカンドオピニオンを求めたい」と告げられた場合、その後の患者との信頼関係に影響があると思うか尋ねたところ、78.9%が「影響はない」と回答した。「悪い影響があると思う」は10.6%、「良い影響があると思う」は10.4%だった。「悪い影響があると思う」と回答した医師にその理由を聞くと、「本音をいえば他院に通院してほしい」「不快感はずっと残る」「十分な説明を何度も繰り返して行ったあとでのセカンドオピニオンは、信頼されていないと感じてしまう」などが挙げられた。「良い影響があると思う」の理由としては、「患者の不安に親切にこたえてあげられたら、より一層信頼関係が増すと思う」「セカンドオピニオンを受けた後、大多数は帰ってくるので、面倒でも信頼関係を悪くすることはないでしょう」といったものだった。
2015年07月21日メドピアはこのほど、同社が運営する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」に参加する7万人の医師ネットワークを対象に特別に実施した「医師の声」アンケート結果を明らかにした。同調査は4月24日~5月1日にかけて実施し、1,643名の有効回答を集めた。まず「梅雨の時期に気をつけた方がいい病気」について尋ねたところ、52.5%が「食中毒」と回答した。2位は「うつ病」(9.7%)、3位は「気管支喘息」(7.6%)となっている。1位となった「食中毒」について医師からは、「睡眠不足や過労で疲れている人だと少しの菌でも症状が重くなりやすい(40代、一般内科)」「食材や総菜の買い置きをよくする方は注意(50代、循環器外科)」「手洗い、消毒の徹底のほかに、加熱が無効な原因菌がいることも再認識する(30代、麻酔科)」などの注意点が挙げられた。「はじめて行く病院。ホームページのどこを見れば良い病院だとわかる? 」という問いに対して、最も多くの回答を集めたのは「症例数(診療実績)」(22.8%)だった。「病院の規模や医師数も大事だが、実際どれだけ診療しているかは大事な要素(30代、呼吸器内科)」といった理由が医師から寄せられている。健康診断で見つかりにくい危険な病気について尋ねたところ、「進行するまで症状が無く、一般の健康診断でも早期がんは見つからない(30代、救急医療科)」といった理由で、1位は「すい臓がん」(59.3%)だった。2位は「精神疾患(うつ病など)」(7.9%)、3位は「脳動脈りゅう(くも膜下出血)」(7.4%)となっている。すい臓がんに気づくための対策や予防策について聞くと、「健診の項目以外で腹部エコーやCTを追加で検査する(50代、腎臓内科・透析)」、「飲酒、肥満による糖尿病を避ける、禁煙。(60代、一般内科)」「背部中央の違和感が続くようなら、CA19-9を含めて検査する(50代、一般内科)」などが挙げられた。
2015年06月09日メドピアはこのほど、「医師自身の花粉症対策」についての調査結果を発表した。同調査は2月13日~19日、医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」の会員医師を対象にインターネット上で実施。1つ目の質問では3,916名、2つ目の質問では3,928名、3つ目の質問では3,900名より有効回答を得た。まず「いつ頃から花粉症の治療を始めるか」について聞くと、「2月」と回答した医師が最も多く、36%を占めた。2位以下には「何もしない」(25%)、「3月」(17%)が続いている。「2月」と回答した人のコメントには、「花粉飛散の2週間前で十分だと思います」(40代・耳鼻咽喉科)、「2月よりゴールデンウィークまで飲んでいます」(50代・産婦人科)などがあがった。また「何もしない」と回答した人からは、「マスクを着用するなどの予防だけで経過をみています」(40代・感染症科)、「症状がひどいときのみ、点鼻薬などで対処」(50代・一般内科)などの意見が寄せられた。続いて、「最も重要視している花粉の除去対策」について質問。その結果、「マスク」と回答した医師が最も多く、全体の41%にのぼった。次いで「空気清浄機」(16%)、「洗濯物を外干しにしない」(7%)があがっている。1位に選ばれた「マスク」には、「マスクでかなりの花粉を防ぐことができます」(60代・放射線科)、「各人の症状に応じてと思いますが、基本はこれでかなり違うと思います」(50代・小児科)、「物理的なシャットアウトなので、実効性があると考えています」(30代・整形外科・スポーツ医学)などの強い支持が集まった。最後に「自身で行っている、もしくは花粉症の家族に勧める花粉症の治療法」について聞いたところ、「薬物療法」と回答した医師は71%と大半を占めた。差をつけて2位以下には、「治療は何もしない」(11%)、「アレルゲン免疫療法」(1%)が続いている。中でも、抗ヒスタミン薬などを含む「ケミカルメディエーター受容体拮抗(きっこう)薬」を服用している医師が最も多く、57%。次いで「治療は何もしない」(11%)、「ステロイド薬」(5%)、「点鼻用血管収縮薬」(3%)があがった。「薬物療法」と回答した人からは、「基本的には抗ヒスタミン剤の内服。症状によってステロイドの点鼻の併用。重症の場合は手術療法も考慮」(40代・耳鼻咽喉科)、「抗ロイコトリエン薬が有効性が高く、何より副作用が少なく使いやすい」(50代・循環器内科)、「第二世代以降の抗ヒスタミン薬は眠気も少なく使いやすい」(60代・一般内科)など医師ならではの専門的な意見が見られた。
2015年03月03日医系専門予備校「メディカルラボ」を運営するキョーイクはこのほど、全国の現役医師300名を対象に実施した「医学部受験と医師生活」に関する調査結果を発表した。調査期間は2014年11月25日~27日。○医師を志したのは「人を救う仕事に興味」を持ったから調査ではまず、医師を志す動機について質問したところ、「人を救う仕事に興味を持って(33.0%)」が最多となり、次いで「親など、身近な医療関係者が働いている姿をみて(23.0%)」、「成績が良かったので (22.7%)」が2割強で続き、職業としての魅力や成績の良さが、医師を志す後押しとなったことがわかった。また、「生物など、学問から興味を持って(17.7%)」、「(親や教師から)助言・アドバイスがあって(17.7%)」、「病気や怪我、死などを身近に経験して(14.7%)」、「収入面など、待遇に惹かれて(14.3%)」といった動機も1割台あったほか、少数ながら、ブラックジャックなどの「医療マンガをみて(5.0%)」と、漫画作品から影響を受けたという人も見受けられた。○現役医師9割超が、労働環境改善の必要性を実感次に、"医師の不足・偏在"と呼ばれる状況について、どの程度危機感を抱いているのか調査したところ、「医師の不足感・偏在感を感じるか」という質問に対して、「非常に感じる(34.0%)」「やや感じる(49.3%)」と、83.3%の人が「感じる」と回答した。また、"医師不足は深刻な課題だ"という問題意識についても、70.3%が「感じる」とのこと。医師の不在・偏在問題について、実感や危機感を抱いている人が多くいることが明らかとなった。では、医師の不足・偏在を改善するために、労働環境の改善や整備が必要だと感じている医師はどのくらいいるのだろうか。「"医師の労働環境改善"の必要性」を問う質問に対して、「感じる」と回答した人は91.7%にのぼった。また、「"女性医師が働きやすい環境整備"の必要性(出産後に復職しやすい環境づくりなど)」では82.0%が「感じる」とのこと。特に、女性医師は90.7%と非常に高く、男性医師の81.0%を10%近く上回った。○オフは、旅行やおいしいものを食べてリフレッシュ!医師の「オフの過ごし方」について尋ねたところ、「旅行に出かける(50.3%)」や「おいしいものを食べる(48.0%)」という人がそれぞれ5割近くとなり、日頃のストレス発散や気分転換のために、休日に旅行やおいしいものを食べたりしている医師が多いことがわかった。○女性医師の43.7%が、結婚後の復職に不安次に、医師の結婚事情について調べた結果、「医師の結婚相手探しは苦労することが多い」と感じている人は31.7%となり、「そう思わない(68.3%)」と考えている方が多数派であることが判明。また、医師同士で結婚したカップルは離婚しやすいと思うか聞いたところ、「そう思う(55.4%)」「そう思わない(44.6%)」と、「そう思う」派がやや多い結果に。そのせいもあってか、「医師以外の人と結婚をしたい(したかった)」人は66.6%と3人に2人の割合となった。続いて、「結婚相手には、専業主婦(主夫)になって欲しい(欲しかった)か」と質問したところ、およそ半数が「そう思う(48.3%)」と回答した。しかし、20代・30代の医師では、「そう思う」が26.6%に対し、「そう思わない」が73.3%と圧倒的に多く、若い医師はそのような希望が薄いことがわかった。さらに、結婚後、医師生活を続けられるか不安(不安だった)と思っている人は全体で15.6%だったが、女性医師に限って見てみると43.7%という結果に。女性医師の多くが、出産などで一度職場を離れてしまうと、なかなか復職できないイメージを抱いているようだ。(「メディカルラボ」調べ)
2015年01月14日エムティーアイはこのほど、同社が運営するスマートフォン向け健康Q&Aサイト「カラダメディカ」(月額・税込324円)のメニューに、睡眠専門外来医師による「睡眠相談」を追加した。同サイトは、電話やメールで24時間365日、ユーザーの質問や疑問に現役医師や看護師、薬剤師などが回答するというもの。今回、睡眠相談を追加した背景には、睡眠への社会的関心の高まりがあるという。厚生労働省が3月に「健康づくりのための睡眠指針2014」を11年ぶりに改定し、新たな指針を発表したことを受けて、「睡眠は健康を考える上でも大切な要素となっている」と同社。また、睡眠に悩む人は、生活習慣病やうつ病のリスクが高まるといった不眠と健康との因果関係も明らかになってきているという。一方で、睡眠は自分でコントロールしにくいため改善が難しく、最近では専門外来を訪れる人も多い傾向に。同サイトでも、睡眠に関する相談が多数寄せられてきていたという睡眠相談では、都内に睡眠専門外来を展開する「スリープクリニック」の遠藤拓郎院長をはじめとする、専門外来の医師がメールでの相談に回答する。睡眠についての素朴な疑問から専門的な質問まで、24時間以内に回答をもらうことができるという。平均回答時間は13分で、メールでの質問は1人につき1カ月3つまで相談可能とのこと(2014年1月~10月の実績)。
2014年12月02日医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、11月28日から12月7日、会員医師2,492人を対象に「医学界・医師界における今年の漢字一文字」を募集。調査の結果、「iPS細胞」研究に注目が集まったことにちなみ、”再生医療”を示す「再」が、最多の208票を得た。1位に選ばれた「再」に対するコメントでは、「2012年は、iPS細胞による再生医療元年だと思います。医学・医療界に与えたインパクトは最大ではないでしょうか(50代、一般内科)」や、「iPS細胞の研究で日本人がノーベル賞を獲得し、いよいよ再生医療の実用応用に拍車がかかり始めたので(50代、一般内科)」などの声があがっている。また、2位「賞」の主な選択理由は、山中伸弥(やまなかしんや)の京大教授のノーベル賞受賞から、3位「幹」は、iPS細胞の和名である「人工多能性幹細胞」からで、同教授の研究成果・ノーベル賞受賞に関連する上位3文字で、得票率の約20%を占めることとなった。2位「賞」には、「今年の唯一と言ってよい明るい話題が、山中教授のノーベル賞受賞だったので(30代、整形外科)」、3位「幹」には、「iPS細胞にちなんで、すべての細胞の根幹をイメージできるので(50代、呼吸器内科)」といったコメントが寄せられている。なお、4位以下は、「忍」「迷」「乱」「耐」と続き、慢性的な医師不足をはじめとする、過酷な医療現場や、医療を取り巻く社会情勢を反映する文字が選ばれた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日メドピアはこのほど、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」において、全国のMedPeer会員医師を対象に実施した「麻酔科医師の確保状況」に関する調査結果を発表した。調査期間は6月8日~14日で、有効サンプル数は2,637。「勤務施設での麻酔科医の確保状況について、最も近い選択肢はどれですか?」と尋ねたところ、「常勤医がいるので、確保に苦労していない(35%)」という回答が最多。「大学病院なので」「東京近辺では麻酔科医は飽和状態で、フリー麻酔科医の居場所は減少。が、実態は偏在化が激しいよう」などのコメントが挙げられた。「常勤医がいるが、足りないのでアルバイト医師がいる」は21%。「緊急は自家麻酔」「先行きの見えない状況」「なんとか調整している」「麻酔科医の少なさが手術数に影響している」といったコメントが見られた。「常勤医がいないので、すべてアルバイト医師」は13%。「大学病院や他院の医師にその都度依頼している」という声が多く、常勤医の確保が難しくなっているようだ。「その他」と回答した25%については、「常勤医がいるが、不足している」「本格的に麻酔医が必要な手術は、他の施設に依頼している」などのコメントを見られ、やはり厳しい状況がうかがえる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月21日メドピアはこのほど、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」において、全国のMedPeer会員医師を対象に実施した「麻酔科医師の確保状況」に関する調査結果を発表した。調査期間は6月8日~14日で、有効サンプル数は2,637。「勤務施設での麻酔科医の確保状況について、最も近い選択肢はどれですか?」と尋ねたところ、「常勤医がいるので、確保に苦労していない(35%)」という回答が最多。「大学病院なので」「東京近辺では麻酔科医は飽和状態で、フリー麻酔科医の居場所は減少。が、実態は偏在化が激しいよう」などのコメントが挙げられた。「常勤医がいるが、足りないのでアルバイト医師がいる」は21%。「緊急は自家麻酔」「先行きの見えない状況」「なんとか調整している」「麻酔科医の少なさが手術数に影響している」といったコメントが見られた。「常勤医がいないので、すべてアルバイト医師」は13%。「大学病院や他院の医師にその都度依頼している」という声が多く、常勤医の確保が難しくなっているようだ。「その他」と回答した25%については、「常勤医がいるが、不足している」「本格的に麻酔医が必要な手術は、他の施設に依頼している」などのコメントを見られ、やはり厳しい状況がうかがえる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月20日メディカルキューブが運営する医師専門転職・求人サイト「お医者さんはろおわあく」は、結婚相談所「婚活共済」との提携により、「ドクター限定~医師同士の結婚特別プラン」のプロデュース企画をスタートした。これまでの医師の結婚相談プランの多くは、医師と一般の女性との出会いをサポートするものだったが、同プランは「医師の男性」と「医師の女性」の出会いをアレンジするユニークなサービスだ。同サイトの幅広いネットワークと、「婚活共済」の結婚情報サービスにより、医師同士の出会いの場をアレンジし、「婚活共済」が結婚までのきめ細かなフォローをしていくとのこと。医療業界では女医が占める割合が年々増加傾向にあり、ますます結婚相手に同業者を希望する人が増えてきているそうだ。転職サポートだけでなく、ドクターの生活や医院運営をさまざまな角度からバックアップする同サイトでは、医師からの結婚に関する声に応えるため、結婚相談所「婚活共済」との提携により、ドクター同士の結婚をプロデュースすることになったという。応募受付は、同サイト内、特設申し込みフォームからのみとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月27日医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、4月18日~24日にかけて会員医師に対し「医師の喫煙と禁煙指導」についてのポスティング調査を実施した(科目限定)。1,597件の有効サンプルが寄せられた。今回の調査では、回答者の医師全体の約78%が非喫煙者で、喫煙者は全体の約21%。「患者に禁煙指導をしているかどうか」についての質問では、医師が非喫煙者の場合「禁煙指導を行っている」が一番多い割合で48%。理由については、喫煙指導を積極的に行っているというコメントよりも「患者さんの個性もあるのでケースバイケース」「禁煙を決意したら外来で相談にのれると伝えている」というものが多かった。続いて多い意見は医師が非喫煙者の場合「患者へ禁煙指導は行っていない」が30%。「しっかり説明してもほとんどの人はやめない」「喫煙は個人の嗜好の問題」といった意見が目立つ。一方、医師が喫煙者の場合「患者へ禁煙指導を行っている」は14%。「強くは言えないが、推奨はする」「禁煙外来で禁煙指導している」というコメントのほか、産婦人科医が「妊婦は絶対に喫煙をしてはいけないので指導している」、循環器内科医が「循環器的疾患がある人や悪性腫瘍がある人には特にすすめる」など、診療している科目ならではの理由も寄せられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日メドピア株式会社は、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」の会員医師に対して「外来患者の香水」についてアンケートを行った。8割以上の医師が「外来患者の香水について注意しない」という結果が出た。調査は4月16日~4月22日にかけて、MedPeer会員医師を対象にオープン回答型の「ポスティング調査」で実施。2,781件の有効サンプルが得られた。「外来患者の香水がきつい場合に注意しますか?」という問いに対して、82%が「注意しない」と回答。その理由として「個人の嗜好(しこう)の問題」、「医学的に問題無ければ、注意する理由がない」という意見が多かった。一方、「トラブルの原因になるので無視する」「職員なら注意するが、患者さんにはできない」というコメントも寄せられた。一方、「遠回しに注意する」は10%。その方法としては「看護師に注意してもらう」「注意書きを提示する」というものがあった。「はっきりと注意する」は3%で、理由は「ぜんそく外来なので発作を起こすことがある」「産婦人科ではつわりや化学療法でにおいに敏感な患者さんがいる」など、診療する科独特の事情があるようだ。また、香水のほかに、困ったにおいとして、タバコや体臭などを挙げた医師もいた。対策としては、「マスクをする」「消臭スプレーを使う」などのコメントがあった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月07日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイトMedPeerにて、同サイトの会員で、かつ麻酔に従事している医師を対象に「筋弛緩拮抗薬の使用状況」に関する調査を実施。その結果、29%の医師が「ネオスチグミンのみ使用している」と回答した。同調査の結果によると、「筋弛緩拮抗薬の使用状況」については「ネオスチグミンのみ使用」が29%で最多。「使い慣れている」「スガマデクスの使用経験がまだない」といった回答が多くみられた。「スガマデクスのみ使用している」は17%。「迅速に確実に筋弛緩状態から回復できる」「安全性に優れている」「薬価は高いが、効果は圧倒的に優れている」といったコメントが目立った。また、スガマデクスとネオスチグミンを併用していて、「ネオスチグミンの方が多い」は14%、「スガマデスクの方が多い」は13%。スガマデスクの薬価が高いので、状況によって使いわけているという声が多かった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月01日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイトMedPeerで、会員医師を対象に「NCD(※)への症例登録」について調査を実施した。調査の結果、半数以上がNCDに登録したことがないことが明らかになった。※NCDとは、臨床に関連する学会が連携し、医療の現状を把握するため設立された一般社団法人。調査は4月4日から10日まで、MedPeer会員医師を対象に「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチで実施。703件の有効回答が得られた。今回は診療科目を限定し、一般外科、人工臓器・移植外科、循環器外科、消化器外科、呼吸器外科、脳神経外科、乳腺・内分泌外科、泌尿器科、腫瘍外科、整形外科・スポーツ医学、形成外科、美容・アンチエイジング、小児外科、口腔外科、血管外科の医師対象に実施した。調査の結果、「NCDへの症例登録」について、「登録したことがない」と回答した医師が51%。泌尿器科、整形外科、脳神経外科の医師が目立つ。「要求されるデータ量が膨大で登録期限も短い。悪戦苦闘されている先生が多いと聞く」「かなり大変のようで正確に入力されるかどうかが問題」などの理由のほか、「NCD自体を知らなかった」というコメントもあった。一方、「自分で入力している」という回答は16%。「自分で管理しているがなかなか登録しにくい」「サイトの反応が遅い」といった不満があり、改善を求める声は多いようだ。「医療秘書など医師以外が入力している」も16%で「手術の片手間でできる仕事量ではない」「細かすぎる」「医師だけではとても無理」などの声が寄せられた。また、「途中であきらめた」と回答する医師も2%いた。その理由としては「大事なことなのだろうが、かなり負担になるので諦めた」「正確で詳細なデータには細部に及ぶたくさんの入力が必要で医師に余裕なない」などがあった。NCDとは、臨床に関連する学会が連携し、医療の現状を把握するため設立された一般社団法人。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月22日医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは、会員医師に対して「新薬の情報はどのように集めていますか?」というアンケートを行った。その結果、50%の医師が「MR」から情報を得ていると回答した。調査は、3月21日から3月27日に、MedPeer会員医師を対象に「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチで実施。2,561件の有効回答が得られた。「新薬の情報はどのように集めていますか?」という質問に対して、50%の医師が「MR」から情報を得ていると回答。その理由として「情報が早い」「聞きたいことが効率よく聞ける」「自分で調べる手間が省ける」といった意見が寄せられた。その一方、「自社の宣伝に偏りがち」「客観性に欠ける」といった意見もあった。MR以外から情報を収集すると回答した50%は「講演会」「製薬企業のホームページ」「学会誌」などから、能動的に情報を収集すると回答。全体的に、「新薬をすぐに使うわけではない」という意見が多く、採用までじっくり様子をみている様子がうかがえる。まずMRから情報収集し、その後、学会や講演会で調べるといった方法で多角的に情報を入手しているようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日メドピア株式会社は、同社が運営する医師コミュニティサイトMedPeerにて、同サイト会員である医師を対象とした調査を実施。「転職するとしたら何を重視しますか?」という問いに対し、「仕事に見合う収入(給与)」を重視する人の割合が一番多く、37%を占めることがわかった。同調査では、「仕事量と収入のバランス」と「仕事に対する正当な評価」を重視するという意見が目立った。特に、「まだしばらくは子供にお金がかかるので、経済的な条件を無視しての転職はあり得ない(50代、消化器外科)」、「以前はお金のことは考えませんでしたが、家族を持つとお金の重要性が高くなりますね(30代、一般内科)」といったコメントからも、家族を養うために、仕事に見合う収入を求めているということがわかる。次いで「家庭優先で働ける環境(22.8%)」を重視するという声が挙げられた。子どもを持つ母親からの声はもちろん、よりどころとなる家族を重視する人や、自分のペースで働きたいといった声が多い。以下、「人間関係(12.7%)」、「医師の人数が多い(過重労働にならない環境)(11.0%)」、「最先端の医療や医学が学べる(4.9%)」、「生命にかかわる患者の診療数(0.9%)」と続いた。同調査は、会員である医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチによって実施。調査期間は、2012年3月19日~3月25日。有効回答数は 2,545件。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月04日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、会員医師を対象に「患者誤認の経験はありますか?」と問う調査を実施した。調査手法は「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチで、調査期間は3月5日~3月11日、有効回答数は 2,658件。「患者誤認の経験はありますか?」という問いに対して、47%が「一度もない」と回答した。「同姓同名の方はPC画面にアラートがでる」「タイムアウトを励行している」「長く来ている人が多く、顔と病名をだいたい把握している」というコメントがあった。「年に一度くらいある(複数回経験している)」は27%。最も多いのは、違う患者が間違って診察室に入ってくることで、高齢者、認知症や難聴の患者、兄弟姉妹、双子、同姓同名などが多い。患者の勘違いや認知度もあるので、「フルネームで呼んでも完全には防げない」という意見も。誤認を防ぐための対策は、「患者さん自身に名乗ってもらう」「電子カルテに顔写真を張り込む」など。また、電子カルテの場合、「複数の患者の画面を同時に表示しない」ことで誤入力を回避している。「MedPeer」は、医師の会員制コミュニティサイト。医師同士のディスカッション、情報交換を目的としており、その仕組みを利用して各種医師向けリサーチ調査が可能。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月12日FP(ファイナンシャルプランナー)への相談の普及を目指す一般社団法人全国ファイナンシャルプランナー相談協会は、相談のプロFPに気軽な料金で個人相談ができるショップ『住宅と保険のFP相談センター』を、横浜および東京・本郷に、11日オープンした。『住宅と保険のFP相談センター』は、独立系FPによる、金融・保険商品の販売を前提としない公正な有料相談ショップ。住宅資金計画・住宅ローン・生命保険・火災保険を中心に相談経験の豊富な実力派FPが個人相談を担当し、初回3,150円(100分)と気軽に利用できる料金となっている。金融・保険商品の販売を前提とせず、ライフプランを熟慮した長期的な視点によるアドバイスと他社の無料相談についてのセカンドオピニオンも実施すること、 相談員は所定の相談実務経験を有する独立系FPである、全国FP相談協会の会員のみとなっていることが特長である。住宅と保険のFP相談センター 横浜店所在地 :神奈川県横浜市神奈川区栄町10-35 ポートサイドダイヤビル1階(株式会社NEXT内)営業時間:10:00~21:00TEL :0120-918-486住宅と保険のFP相談センター 東京本郷店所在地 :東京都文京区本郷3-32-10BR本郷3ビル3F(株式会社エフピー研究所内)営業時間:10:00~21:00TEL:0120-918-486【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月12日医師限定のSNS「MedPeer」を運営するメドピア株式会社では、「外来以外で医療相談を受け付けているか」についてインターネットリサーチを行った。メドピアに会員登録をしている医師を対象とした調査で、有効回答数は2,631件。「外来受診のみ」と回答した医師は全体の72%。「責任が持てない」「電話やメールでは誤解が生じる」「細かいニュアンスがやり取りできない」といった意見があった。一方、「かかりつけの患者さんの電話相談には応じる」というコメントも散見される。電話相談等のほとんどが無料で行われているが、電話相談費として徴収しているという回答もみられた。また、電話の対応は看護師が行っており、場合によって受診をすすめる、とした回答もあった。判断が間違っていた場合の責任の所在が不明となるため、電話相談は基本的には受け付けないという声も。電話相談やメールでのやり取りなどは、あくまでも外来による受診の入り口としてとらえている医師が多いようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月28日医師限定のSNS「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」で、医師会員を対象に「冬の血圧上昇に関する対応」に関する調査を実施。6割近くの医師から、一時的に降圧剤を増量しているという回答が出た。同調査は、医師コミュニティサイト「MedPeer」で、一般内科、総合診療、在宅医療、循環器内科、循環器外科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科・透析、整形外科・スポーツ医学、血管外科、家庭医療、薬剤の会員医師を対象に行われた。「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチで、2012年2月22日~28日に実施。有効回答数は1,363件だった。「冬の血圧上昇に関する対応」について、「一時的に降圧剤を増量または追加する」という回答は57%。その理由として「季節や病状に応じてコントロールする」「冬場など血圧上昇時には降圧剤を増量し、暖かくなって血圧が低下したら減量する」などの回答が寄せられた。それに対して「降圧剤の増量または追加をしない」は33%。「薬物に頼らないで生活を改善するように指導する」「極端に高めでない限り経過観察」という回答があった。そのほかの意見として、「画一的に増量や追加はしない。患者さんによってケース・バイ・ケース」「薬の切り替えや増量で血圧の低い時により低くなってしまうことは危険なので、急には変えない」という声もあった。
2012年03月26日医師限定のSNS「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」で、医師会員を対象に「救急車を利用する際の金銭負担関するアンケート」を実施。その結果、従来通り金銭負担はなしと答えた医師は約1割、有料・ケースによっては有料と答えた医師は約9割になることがわかった。同調査は、医師コミュニティサイト「MedPeer」で会員医師を対象に2012年2月24日~3月1日に実施。「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチによるもので、有効回答数は2,727件だった。救急車を利用する際の金銭負担について、「入院や緊急の処置をした場合など例外を除き有料が良い」という回答は48%。「すべて有料が良い」は40%で、何かしら患者に金銭的負担を求める医師は約9割だった。「明らかに軽症、緊急性がない場合、有料とすべき」「軽傷患者や、悪質なリピーターに負担を求める」といった意見があるほか、「一度料金を払ってもらい、本当に必要だった場合には返金する」「例外を設けると、現場が混乱しトラブルのもとになる」というコメントもあった。有料か無料かどうかの判断を行うことは、医師にとっては過大な負担になるようだ。また、「従来通り無料が良い」は9%。「有料にすると、重傷者の救急要請をちゅうちょさせてしまう」「お金で解決できる問題ではなく、モラルの問題なので教育・啓蒙が必要」というコメントが寄せられた。そのほかの意見としては、「公平に判断するのは難しい。死ぬかと思って救急車を呼んだものの、到着してみたらそれほどでもないということはよくあること」「収容先の確保は無料で、搬送代は有料という2段階の運用方法もあるのでは」というものがあった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月26日きれいの悩みを100人以上の医師が解決しますトレンダーズ運営の「キレイクリニックナビ(キレナビ)」がインターネット上で会員が医師に美容の悩みを相談できる「キレナビ診察室」を開設した。キレイクリニックナビは美容クリニックに関するキャンペーンチケットサイトだ。美容クリニックなどを検索できるようになっている。「キレナビ診察室」は、表参道の「衣理クリニック表参道」、銀座の「Theoryクリニック」、青山の「青山ホワイテリア」の各院長も含め、総勢113人の医師で構成されている。キレナビの会員は美容の悩みを一人の医師ではなく、複数の医師に相談できるようになっている。他の会員の悩みを閲覧することもできる。とどまらないキレイの悩み開設直後から「ほうれい線を目立たなくするには?」「ボトックス注射の効果とは?」「部分やせの最適な方法は?」「顔の産毛は脱毛した方がいいの?」などのキレイの悩みが多数寄せられて、それぞれに医師がアドバイスなどをしている。キレナビは現在関東版のみであるが、この「キレナビ診察室」開設で、関東に出迎えない人も有名な関東の美容医師に相談することができるようになった。元の記事を読む
2011年09月04日