奨学金が返済できず、「自己破産」する人が過去5年間で延べ1万5,000人にのぼったと、2月12日「朝日新聞」が報道した。破産した人のうち半数は、保証人の親や親族だった。 「学生の2人に1人が利用しているといわれる『日本学生支援機構』の奨学金は、大部分が『貸与型』。つまり返済が長期にわたる“借金”です。また住宅ローンなどと違い、返済能力がわからないときに借りるため、返済不可能となるリスクがとても高いんです」 そう話すのは、’13年「奨学金問題対策全国会議」を設立し、著書に『「奨学金」地獄』がある岩重佳治弁護士だ。 「『借りたら返すのが当然』という声もありますが、この問題は個人の力で解決できるものではありません。『学費の高騰』『親の収入の減少』『雇用崩壊』といった、社会的要因が引き起こしているのです」(岩重さん) “奨学金地獄”という事態を避ける方法として、岩重さんは返済の必要がない「給付型奨学金」を勧めている。「給付型」の奨学金は、おもに民間企業や記念財団などが行っている。 《トヨタ女性技術者育成基金》では、将来ものづくりに関わるエンジニアをめざす女子学生(理系1年)に月5万円を、《鷹野学術振興財団》は、科学技術関係の学部や大学院生に向けて年60万円を給付している。 体育学を専攻し、スポーツ種目で自他ともに認める力量を有していることなどを条件に、月5万円以内(1年)を給付しているのは、《ヨネックススポーツ振興財団》。外食、ホテル、観光、医療・福祉などのホスピタリティ産業に就きたい学生に月2万円の給付をする《江頭ホスピタリティ事業振興財団》もある。 50年を迎える歴史がある《朝日奨学会》。新聞配達をしながら最大4年で520万円(ほかに給料を支給・冷暖房完備の部屋を無料で提供)を給付するという制度で、これまで9万3,000人もの学生が制度を利用しているという実績も。 いずれも条件が付いているが、国内には1万を超える独自の奨学金があるので、自分に合った制度がある可能性は高い。 また、地方自治体のなかには、“奨学金地獄”問題を解決するため、独自の支援策を展開しているところがある。 支援策の多くは、大卒者などの地方定住による“地域創生”を狙った「奨学金返還支援制度」で、現在、20県が運営している。 たとえば、富山県では《富山県奨学金返還助成制度》を’16年にスタート。県内の指定企業に就職することを条件に、奨学金を最大全額肩代わりしてくれる。ただし、その対象は理工系の大学院生や薬学部生にとどまる。 対象者の条件をぐんと広げたのが、秋田県の県内就職者(’17年4月以降)に向けた《奨学金返還助成制度》。 「県内の民間企業に就職する奨学金を返還する学生のほぼすべてに対して、最大で3年間60万円を援助します。他県の制度よりも、条件がゆるく、募集人員の制限がなく、正規雇用以外の方や既卒者も対象にしているのが特徴です」(あきた未来創造部担当者) 前出の岩重さんは、「給付型奨学金」についてこう語る。 「自治体や志望校、民間企業が取り組む『給付型』は、『成績優秀者』『指定校のみ』など条件が厳しいものが多く“狭き門”というのが現状ですが、自分に合うものがないか探してみてください」
2018年02月25日現在、日本テレビ系で放送中の『先に生まれただけの僕』。櫻井翔ふんする教育現場のことなどなにひとつ知らない若きビジネスマンが旧態依然とした学校に風穴をあけていく奮闘劇です。ただし、その大筋だけで見てしまうのはちょっともったいない。学園が舞台なのでティーン向けに思われがちですが、このドラマは違います。むしろ子どものいる親ほど意義深い内容になっているからです。■社会の理不尽や格差を伝えることの意義とは5話までの個人的な見解ですが、もっとも考えさせられたのが、「社会の本音と建て前」をどこまで子どもに伝えるべきかということ。本音と建て前は、「社会のいいところ、悪いところひっくるめてのリアル」と言い換えていい。もっといえば、はたして自分はいまの現実社会の“明と暗”を子どもにきちんと伝えることができているかということです。本ドラマの主人公で新米校長の鳴海涼介は、社会に“理不尽や格差”があることを生徒たちに隠しません。ちょっと前のめりの性格もあってか自分が良かれと思ったら、ネガティブなことも生徒にズバズバ伝えていきます。●デジタル万引の愚かさと罪ある生徒がコンビニエンスストアで漫画の全ページをスマホで写真に撮るデジタル万引をしでかしたとき。担当教師は、メールをみていただけとしらを切る生徒を、注意にとどめて一度見過ごす選択をします。本音のところでは追求しなくてはならないと思っているが、ここは穏便に済ます建て前を選択するのです。対して、鳴海はどうか? 生徒を責めることはないが、「デジタル万引の愚かさと罪」を徹底的に説明。漫画家の著作権のこと、お店が被害をこうむること、価値あるものには対価が必ず生じることなど安易な隠ぺいには走らずに、きちんと説明することで反省を促していきます。●企業の有名大学採用の現実あるときは大学進学を前にした3年生に、学歴が及ぼす就職の現実を話します。「うちの学校の学力でいける大学は、たかがしれている。そういう大学に入っても、残念ながら就職に有利になるとはいえません。企業は採用する際、優秀な大学の生徒をポイントに置いている現実がある。ですから、みなさんは人間力で勝負しなければならない」と。●奨学金が借金である覚悟家庭の事情で大学進学をあきらめかけた生徒に対して、担任は奨学金制度があることを報せ、大学進学を進めます。でも、鳴海は奨学金はじつは借金で、大学卒業したらすぐに返済が始まること、それで苦しむ学生が多い現実を伝えます。それでこう問います。「その覚悟があるか」と。■理想論だけでは子どもは不安を増すだけなのか?たしかにいずれも厳しい言葉です。夢も希望もない(笑)。その言葉を受けた登場人物たちもはじめは戸惑いを隠せません。ただし、ドラマ上ではありますが、いずれも生徒たちは現実をきちんと受け止め、自分という人間について考えをめぐらせます。先行きが不透明な時代。世界情勢をみてもけっして楽観視はできない。いま、社会に厳然とある現実は、それがたとえひどいことであっても変に包み隠さず、子どもには伝えるべきではないのだろうかということ。むしろへんな理想論や絵空事だけ伝えていると、結果として子どもたちにわからないことの不安感を与え、かえって将来像を描きづらくさせているのではないだろうかという心配です。厳しい現実であっても情報を与えないことによって、きちんと物事を考える機会を奪ってしまっているのではないだろうか。親としてどう行動すべきなのか、突き付けられている気がします。■危険を遠ざけてしまう親の立場を見直すべき?ふり返ってみると、社会人になったとき、“これは学生時代に知っておきたかった”“子どものころに教えてほしかった”といった仕事や社会の常識があります。逆に“夢が壊れるので知りたくなかった”という経験をした人もいるかと思いますが…。いざ自身が親の立場になってみると、すっかり抜け落ちて子どもに伝えていない。わが子かわいさか、どうしても起きそうな危険や危惧されることをいち早く察知して、そこから子どもを遠ざけようとしがちです。それでいて子どもになんでダメなのか聞かれると、“悪いことは悪いんだ”“これはいいことなんだからやっておきなさい”と、具体性に欠ける説明ですましがちです。私自身も思い返すと、そんな対応をした記憶がちらほら…。ただ、そこは子ども。もし現実を伝えるならば、実例をあげてしっかり説明してあげなければならない。あいまいな説明では、大人ならなんとなく察しますが、子どもは納得できない。もちろん、時と場合をしっかり考えることが必要になるでしょう。鳴海はいい意味で、子どもを子ども扱いしません。人として向き合う。人生の先輩として社会のリアルを伝えていく。それがいま必要ではないか? このドラマからはそんなメッセージが聞こえてくるようです。もちろんこれが正解かはわかりません。ただ、やはり、現実の厳しさはいずれ体験するもの。いましきりに“説明責任”という言葉が報じられますが、われわれは大人として、子どもに説明責任を果たしているのか? 現実を見せないままでいいのか? そんな問いがなげかけられているように思います。今後、どんな展開を見せるかわかりません。でも、本ドラマは大人が子どもに伝えるべき社会の現実のひとつの目安、ひとつの指針を与えてくれるような気がします。
2017年11月17日櫻井翔主演ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)第1話が放送された。タイトルは“未来を生きる子供たちのために教師は何を教えるべきか?”。コメディタッチで笑いもありながら、メインテーマとなった“奨学金問題”を含め、子どもを抱えるママにとっていろいろと考えさせられる、なんとも深い内容だった。■サラリーマンと教師にある感覚差とは総合商社・樫松物産に務める鳴海涼介(櫻井翔)は、相手の懐に飛び込む持ち前の営業力で、業績不振だった青森支社を黒字に導いた。だが、慕っていた上司の失脚により、赤字経営の京明館高校を立て直すべく校長として出向することになる。いわゆる左遷というヤツだ。35歳という若さとルックスの良さ、短すぎる校長あいさつで生徒たちの心をわしづかみにした鳴海は、高校を黒字にするためには生徒を増やす必要があると考える。そこで特進クラスの担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)を連れて学習塾へ営業に回るが「優秀な子が、京明館さんを選ぶ理由がありません」などと返され、あえなく撃沈。だが、それが現実だろう。人気校にするには生徒を変える必要がある。そのためにはまず先生の意識を変えなくてはならないのだが、経営難に陥っているにもかかわらず「教材費をケチるのか」「またお金の話?」と文句ばかり言う教師たち。鳴海は培った営業ノウハウを生かして「学校はビジネスだ」と力説するも、教師たちとの間にある感覚のズレに絶句するのだった。■奨学金は大きな借金。この現実を伝えることは正しいのか?今回、おもに描かれたのは奨学金問題。父親がくも膜下出血で倒れた男子生徒の進路について、真柴が「大学は奨学金をもらって行けば良い」と話したことが始まりだった。じつは鳴海自身、中学時代に父親が他界したため奨学金を借りて大学に通い、毎年3万円の奨学金を払い続けていた。そして、その支払は10年先まで続くという。鳴海は男子生徒に「奨学金は大きな借金だ」と言い、何が起るかわからない世の中で「『君の代わりがいない』と言われるような、人に必要とされるような力を身に付けていかなきゃならないんだ。いまの君にその覚悟があるなら、奨学金もらって大学に行け」と説く。一瞬、感動しているかのように見えた生徒だったが、「聞きたくなかった」「無理だよ~」と逃げるように去ってしまう。現実を伝えることが正しいと信じて疑わなかった鳴海が、教育の難しさに打ちのめされる瞬間だった。■ママ世代も考えたい「奨学金問題」のリアルママ向けの家計相談コラムなどを読んでいても、“月3万円の奨学金の返済が家計に重くのしかかっている”といった悩みをよく見かける。新入社員の給料は安く、非正規社員であればなおのこと。結婚して家庭を持てば、生活費はもちろん、子育てにお金もかかる。そこに奨学金ときたら、厳しい現実は容易に想像できる。ドラマで描かれたように、給付型以外の奨学金は借金であり、それを返していくには覚悟がいる。そんな現実を「聞きたくなかった」というのは高校生の本音なのかもしれない。それに対して「甘い」という人もいるだろうし、「高校生のうちから、借金の重さなんて認識できない」と反論する人もいるはずだ。実際、ドラマ終了後にはSNS上で、奨学金を返済しているという当事者らを中心に、三者三様の意見があがっていた。ママ友と話していると「大学に行くなら、奨学金で行ってもらう」と話す人もいる。それぞれ家庭の教育方針や事情があるし、わが家の子どもも奨学金を借りることになるかもしれない。ドラマでは奨学金について教師がどう伝えるかということが課題とされていたが、個人的には奨学金を借りた場合に起こりうる現実を、親が子どもにどう教えていくかも重要ではないかと感じた。奨学金問題は、社会全体が解決に向けて注力するべき課題である。でも、毎日を過ごすことに手一杯になりがちなママたちは、いずれ訪れる子どもの未来でありながら、この問題についてどれほど真剣に考えているだろうか。鳴海の話にショックを受けた高校生もいるだろうが、同じようにショックを受けたママ世代もいるはず。実際、筆者もそのひとりだ。「なんとかなる」と目をそらさずに、莫大(ばくだい)な教育費をどう工面するのか…物語はそんな現実についても、あらためて考えさせてくれた気がする。■櫻井翔の代表作!? 2つの魅力をばっちり堪能できる社会問題に切り込んでいながら、随所にちりばめられたコメディ要素のおかげで、重さと軽さがのバランスが絶妙だった『先僕』。スーツ姿が様になる櫻井の緩急ある演技も見どころで、頭が切れてカッコイイ&ちょっぴりオトボケという櫻井の良さが一度に堪能できるぜいたくさもありがたい。鳴海校長が、商社マンとしてもっともらしいことを熱く語れば、「ここは学校だ」と一蹴されてしまう。櫻井の鳩が豆鉄砲を食ったような顔には思わず笑ってしまったが、このまま経営難が続いてよいはずもない。これからどんな風に鳴海校長が、先生たちの意識改革を行っていくのかワクワクする。さすがは『ガリレオ』『HERO』(ともにフジテレビ系)の福田靖脚本だと納得するとともに、これは櫻井翔の代表作になるのではと期待大!10月21日に放送される第2話のテーマは“スクールカースト”。次回も、教育の現場で起きているさまざまな問題について、私たちに考えるキッカケを与えてくれそうだ。
2017年10月19日先日、児童養護施設で育つ子どもたちの為の奨学金プログラム「カナエール」の「夢スピーチコンテスト2017」を拝聴してきた。この大会の趣旨については、公式サイトで以下のように説明されている。なんらかの事情で親と生活できず、児童養護施設で生活した子どもたちの大学等の進学率は26.5%。また、進学できても学業とアルバイトの両立は厳しく、経済的理由等により中退してしまう割合は26.5%と、全国平均の3倍近くにもなります ※1。※1 NPO法人ブリッジフォースマイル2016年調べカナエールは夢や進学への思いを語るスピーチコンテストの出場を条件に、返済不要の奨学金を、プロジェクトへの寄附とコンテストのチケット販売を原資に給付します。120日間、スピーチコンテストに向けて3人の社会人ボランティアとのチームで取り組むことで、進学してからの「意欲」と「資金」の両面をサポートすることを目的としています。2017年も東京・横浜・福岡の3会場にてスピーチコンテストが開催されます。引用元: 大会実行委員長の植村百合香さんは、スピーチの中で「社会的養護を必要とする子どもたちの顔が見えない問題がある」とお話された。社会的養護、というあまり聞き慣れない言葉。どういう意味かというと、保護者による養育が難しい子どもや、それが適切でない子どもを、公的責任の元に保護、養育の支援を行うことだそうだ。たしかに、家庭の中で起きていることは外からは見えにくい。だからこそ、立場の弱い子どもが、ともすれば命を落としかねない事態が起きてしまうこともある。今回、10人の子ども達のスピーチの中でも、彼らが施設に辿り着くまでに経てきた壮絶な体験が語られた。エスカレートする実の親からの虐待の中で、ある夜ついに首に手をかけられ、自ら決意して家を飛び出し、警察に飛び込んだ女の子。ひとり親だった母親が彼氏と暮らすために家を出てしまい、小学生のころから幼い妹の世話を家ですべて担っていた高校生の男の子(警察が家にやってきて保護されることになったのだという)。自分以外の家族が皆精神的な病を抱えており、家で生活ができないという女の子。本人の聡明さや、周りの大人たちのさまざまな努力で、彼らは今無事に施設と繋がり、安心できる環境下で生活できているということに、大きな救いを感じた。もちろん、児童養護施設の中のことだって、家庭の中と同じように見えにくい。 「社会的養護を必要とする子どもの顔は見えにくい」という問題は、一方では子ども達のプライバシーを守るために必要なバリアでもあって、必要な「見えにくさ」でもある。けれど、このスピーチコンテストで子ども達から語られた夢の中に、将来は児童養護施設の職員になりたいと語った子が複数いたことからも、少なくとも目の前の彼らはきっと、こうなりたいと自分の未来を重ねることのできる、信頼できる大人に出会えたのだろうと思えた。施設に移って以来、2年間も会っていないという母親に「産んでくれてありがとう」と壇上から告げる子。自分を虐待していた母親も、そうでないときは優しく、大好きだったと語る子。親を亡くし、後ろ盾もないが、夢があって大学に進学したい、経済的な不安があるが頑張っていくと強い口調で決意を示す子。彼らが家庭で負った傷を少しずつ癒やしながら将来を見据えている姿は本当に立派で、素晴らしかったけれど、同時に、ここまでの寛容さ、強さを子どもに強いてしまう私たち大人の不甲斐なさを思うととにかく申し訳なく、頑張ってね、とエールを送るのだって無責任なような気がして、後ろめたさが拭えなかった。こういう複雑な思いはつい、産みの親を単純に悪者にし、同時に自分を善人にすることで消化しようとしてしまいそうになるけれど、じゃあそれで子どもが救われるのかというと当然ながらそんなことはなくて。大人にだって、家庭の外にはさまざまな生きづらさがあって、ふとしたきっかけで、そのしわ寄せが非力で無抵抗な子ども達に降りていく。だから、子ども達が家庭の中で抱える問題の多くは、社会にいる大人達の問題でもある。子ども達が、産まれてから最初に身を置く、「家庭」という小さな世界の中で、まずは肉体的、精神的に傷つかないこと。そして、残念ながらそういうことが起きてしまったとしても、いち早く外からそれに気づけること。安心して暮らせる別の場所があること。その先に“それでも”産んでくれてよかった、生きていてよかった、と言ってもらえるような、可能性を感じられる社会があること。そういった環境を用意するのはやっぱり私達大人の責任で、同時にそうやって用意された環境というのは大人にとっても生きやすいものになるのだろうと思う。* * *ところで、過去7年間に渡って続いてきた「カナエール」は、今年をもって奨学生募集を終了するとのこと。理由は、この数年で返済不要の奨学金が自治体を中心に増え、今年度より文部科学省が給付型奨学金を設置するなど、大学進学への道は、子ども達にとって以前よりも選びやすいものになってきているからだそうだ。とはいえ、運営母体であるNPO法人ブリッジフォースマイルは引き続き活動を継続されているので、もっと良く知りたいと思った方は NPO法人ブリッジフォースマイル にアクセスしてみてください。困難な状況に最初の一石を投じ、継続的な活動で状況を大きく改善させてこられた「カナエール」運営の皆さん、本当にお疲れ様でした。イラスト:片岡泉
2017年07月19日教育費のなかでももっとも負担が大きいと言われるのが大学生の時期。今では約半数の大学生が奨学金を利用していると言われています。また、大学卒業後に就職できずに返済ができないということも問題になっています。そこでママとパパに調査! あなたは奨学金を借りる予定ですか?Q.奨学金、あなたのご家庭はどうする?1.借りている・借りる予定 36.9%2.借りていない・借りない予定 31.5%3.未定 31.6%借りている・借りる予定という人が36.9%といちばん多いのですが、借りていない・借りない予定や未定という人もそれぞれ3割程度いるという結果になりました。■借金するくらいなら大学に行かなくてもいい奨学金というと聞こえはいいですが、やっぱり借金には変わりありません。借りないで進学するのがいちばん! どうしても借りるくらいなら明確な夢やビジョンがない限り、行かなくてもいいのではと考える人も。「20代前半から何百万もの借金をさせるわけにはいかない。返済まで20年くらいかかるんですよね? それじゃ結婚も難しくなる」(山口県 50代男性)「母子家庭ですが、奨学金を借りるつもりはありません。生活も切りつめて貯金をしています」(東京都 40代女性)「借金ですよね。なんとなくみんなも行くから自分もというだけなら、奨学金を借りてまでと思ってしまいます」(千葉県 50代女性)■2人以上いると正直借りないと無理子どもが複数いる人や年齢が近い人は大学生の期間が重なることも。そうなるともうお手上げという人も多いようです。地方の場合は学費だけでなく下宿代などもかかることを考えると奨学金も止むを得ないのかもしれません。「可能なかぎり大学の授業料は払ってあげたいけど、子ども2人分は正直しんどいです」(神奈川県 40代女性)「母子家庭なので、大学に行きたいなら自分の力で行きなさいと言ってあります。できる限りのフォローはしていくつもりですが」(神奈川県 40代女性)「3人の子どもがおり田舎のため、進学の際には必ず一人暮らしになります。もし、3人が進学し、学費と生活費の両方になると奨学金の貸付利用をしないと難しいです」(三重県 40代男性)■奨学金を背負う気持ちで進学を自身の体験から、大学に行くのなら奨学金を背負うくらいの気持ちで行ってほしいという親もいました。なんとなく行くのではなく、目的意識やビジョンを持って大学には行ってほしいですね。「私自身が奨学金で大学を出ました。仕送りもなくバイトと奨学金で学生生活を送りました。意識を高く持ち学業に臨めたと思っています。子どもには責任や意欲を持って臨んでもらうべく、大学以上の学費は奨学金を使わせるつもりです」(千葉県 30代女性)Q.奨学金、あなたのご家庭はどうする?アンケート回答数:9870件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年07月05日来年度から始まる給付型奨学金が話題だが、貸与型では、その返済に苦しむ人がまだ多いのが現状。そこで今回、新たに始まる予定の救済策を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。 【1】’17年度生向け所得連動型 これまでも、奨学金を借りた本人の年収が300万円以下の場合、申請すると返済額をゼロに猶予してもらえる仕組み自体はあった。だが、返済方法は毎月決められた一定額を返す『定額返済』しかなかった。 「無利子奨学金を来年度から受ける学生を対象に『所得連動型』と呼ばれる返済制度が始まります。本人の年収から各種控除を除いた所得の9%を返済額とするものです」 たとえば、月5万4,000円の無利子奨学金を4年間借りるAさんのケースで見てみると、返済総額は259万2,000円となり、従来の定額返済では15年間、月々1万4,400円を返済することになる。 「Aさんが所得連動型を選んだとします。年収が200万円だと各種控除後の所得は約62万円です。1年間の返済額は所得の9%ですから、約5万5,800円。月に換算すると約4,650円と、定額返済よりかなり楽な返済額です。Aさんが年収300万円に昇給すると、月々の返済額は約8,900円に増えます。さらに、年収が500万円になると月々の返済額は約1万8,500円になり、定額返済の月1万4,400円を超えます。そのまま所得連動型を続けることも、途中で定額返済に変更することも可能です。逆に、Aさんの年収が100万円に下がって、各種控除後の所得がゼロになっても、月2,000円は返済しなければなりません。もちろん、申請すれば、年収300万円以下の猶予制度は利用できます」 【2】既卒者向け減額制度 すでに卒業している人は「所得連動型」が選べないため、文部科学省は来年度から、従来の返済額減額制度を拡充する予定だ。 「現在の減額制度は、最長10年間、返済額を2分の1に引き下げるものでした。来年度からは、最長15年間、返済額を3分の1か、2分の1に引き下げることができます。減額制度は、年収325万円以下なら、有利子奨学金でも無利子奨学金でも利用できます。有利子の場合、期間が延びると利子がかさみ返済総額は増えるものですが、増えた分の利子は国が負担し、本人の返済総額は変わりません」 しかし、これらの制度は返済の免除ではない。本人が亡くなるか、障害などで返済ができないと認められるまで、返済は続く。荻原さんは奨学金について、こう語る。 「奨学金とはいえ、貸与型は“教育ローン”と認識しましょう。借金と考えると、日本学生支援機構の利率は、昨年3月の卒業生で0.16%(基本月額にかかる利率固定方式)。『国の教育ローン』の1.81%と比べても相当低いです」
2017年03月06日新しい年になって、1ヶ月半。とはいえ、母親にとっては学年末でもあるこの時期は、どちらかというと、「一年の締めくくり」感が漂う季節でもありますね。新年度の準備といっても、4月以降の予定が読めず、予定が立てづらかったりと、母親にとっては何ともやきもきする季節です。わが家も今年は小学校卒業、そして中学入学という節目の年なので、この春はイベント三昧。今は、卒業へ向けての準備に、親子それぞれが忙しいという毎日です。「給付型奨学金」先行して一部4月から支給予定子どもの成長は嬉しいものですが、それと共に、かかってくるのが教育費。節目の年は、それをなおさら実感します。しかし、吉報です! 子育て世代の家計の負担を減らすために、かねてから切望されていた大学の教育費のための「給付型奨学金」、つまり返済の必要のない奨学金が、漸く平成30年度から導入される見込みとなりました。通う大学の国公私立別、また自宅から通うのか、そうでないかによって配慮されることになりますが、月額3万円を軸に支給されるようになる予定です。「私立で・自宅以外からの通学」の学生については、先行して来年度、つまり今年4月から支給される予定なのです。また、これまで一定以上の成績をとっていることが条件であった「無利子奨学金」も、成績基準を実質なくして、約130万人が有利子・無利子のいずれかの奨学金を受け取ることができる見込みとなりました。成績が優秀でありながらも、授業料の納付がむずかしい「授業料減免対象者」を、国公私立合わせて1万2千人増やす予定。都道府県が実施する「高校生等奨学給付金」と合わせて、義務教育を終えた後の、高等教育での教育の費負担が少しでも減らされる方向で国が動いています。これらすべて「予定」としたのは、今、国会で来年度、つまり4月からの2017年度予算案が審議中。これが成立しなければ、正式にスタートということにはなりませんが、ほぼ、この点においては「案」通り決まる見込みです。学費を稼ぐために勉強よりアルバイトをするという悪循環実は大学の授業料は、バブル真っ只中の1986年と比較すると、国公私立共1.8倍程度に増えています。一方、名目賃金は、1995年を100とすると、2012年は87(米180.8、欧149.3)で、賃金は下がっているのも事実。親世代が苦しいし、学費を稼ぐために、勉強よりアルバイトに忙しい学生も決して少なくありません。なぜ大学で学ぶのかという意欲や目が必要ですが、可能性のある若者には、できるだけ勉学に勤しんでほしいと思います。大学でも、退学者を減らすために、相談体制を設けたりなど努力をしていますが、それだけに、直接経済的にサポートを得られる制度は、有難いものです。子どもにかかる経済的負担の軽減がないと、勤労世代の消費も増えません。それらを総合的に考えると、増えていく高齢者の対策だけでなく、教育費への国の支出がもっとあっても良いと思います。それと同時に、大学へ行って何を勉強するのか、将来、それをどう生かしていくのかをしっかり考えて、進学してほしいと思います。
2017年02月15日奨学金で大学へ行っても、その後就職ができないなどの理由から返済遅延や返済滞納する若者が急増しているという問題が起こっています。そんななか、給付型奨学金という新たな制度についての検討がされています。学びたい意欲のある子どもや親にとってはうれしい限りのこの制度について、親たちの意見を聞いてみました。Q.給付型奨学金、どう思う?1.評価できる 68.0%2.評価できない 6.4%3.わからない・どちらとも言えない 25.6%68%の親たちが給付型奨学金を評価できると回答しました。わからない・どちらとも言えないという人も審査や基準がクリアになれば賛成という人がほとんどという結果に。■貧困の連鎖を断ち切るきっかけに勉強が好きで学ぶ意欲があるのに、経済状況が原因で大学進学をあきらめなければならない、そんな子どもたちは世の中で救ってあげるべきだという意見が多くありました。今問題になっている貧困の連鎖を断ち切るためにも、給付型奨学金制度を確立してほしいとの声が。「親が貧乏だから大学を諦める、そんな世の中ではなくなってほしい」(埼玉県 30代女性)「シングルマザーはどんなに頑張っても家計にゆとりが出るまでにはいたりません。うちの娘は勉強が好きみたいなのですが、塾に行かせてあげる余裕などないのです。きちんと基準を決めた上で、貧困の家庭の子どもたちにもっと支援できる世の中になってほしいと願っています」(神奈川県 40代女性)「お年玉の一部は子どもに渡しています。残りは貯金。貯金額が10万円ごとに定期預金に変更しています」(兵庫県 40代女性)「親の貧困が原因で子どもに奨学金返済という借金を背負わせるのは、頑張っている親にとってもストレスです。貧困の連鎖にならなぬようにしてあげたいです」(神奈川県 50代女性)■しっかりとした基準や審査が必要給付型にするからにはもちろんしっかり授業を受け、勉強してほしいもの。さらには偏差値の高い大学のみにするべきなどの意見もありました。「大学に行って遊んでいるような人には支給してほしくない。ちゃんと授業を受ける、学ぶ意思のある人だけにする基準が必要だと思う」(宮崎県 40代女性)「制度の中身が大事だと思います。一生懸命努力をして成績を維持する方なら応援してあげたいです! 努力を怠って遊びに使うようになってしまった場合は、打ち切りし返却するような制度も併せてあってほしいです」(茨城県 40代女性)「まず、大学のレベルも考えてほしい。今の時代、高校卒業の子どもの数より、大学側が応募している数の方が多いのです。選ばなければどこの大学でも行ける時代」(神奈川県 40代女性)■奨学金経験者が感じる返却の壁自分自身が奨学金を借りていたという人からは、返済の長さと大変さについてのコメントがありました。給付型になることでやる気がある子がたくさん大学に行ける世の中でありたいですね。「自分の奨学金をついこないだまで返していました。長かったです。給付型はありがたいですね。本当に学びたい志がある子には可能性を広げてあげてほしいです」(千葉県 30代女性)「私自身、奨学金を借りて進学しました。10年かけて返済しましたが、私のときにもこの制度があったら、良い意味でやる気が出たかもしれない」(神奈川県 40代女性)Q.給付型奨学金、どう思う?アンケート回答数:3552件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年01月25日“浪速のエリカ様”こと上西小百合衆議院議員(33)が、またもや炎上しています。事の発端は、2018年から開始される大学生らを対象にした返済不要の“給付型奨学金”について、上西議員がTwitter上で『私は給付型奨学金については大反対です』と表明したこと。その理由について、『幸せの前提がお金持ちだと言うのもどうかと思いますが、仮にそうだとしても大学行けばなんとかなるなんて甘い。稼ぐなら中学から働いたって稼げます。本当に勉強したいなら社会に出てからだってできます。親の見栄で無理やり学校に行かされる事がないように』と説明しました。また、他のツイートでは『大学に行けばなんて、今時馬鹿の発想ですよ』と発言。上西議員のツイートを受け、『あなたは中卒 あるいは高卒でお金を稼いでそのお金で私立大学へ行ったのですか?』という質問が投げかけられると、上西議員は『違います。家が裕福でしたから大学まで行きました。それどころか3000万以上の貯金もあったので、そこから選挙資金を出せたので、今現職の国会議員です』と回答して物議をかもしました。この上西議員の一連のツイートにネット上では批判の声が殺到しています。●給付型奨学金に反対する上西議員の「家が裕福でしたから大学まで行きました」発言にネット大炎上『裕福な家庭に育ったから、現実を何も分かっていないんでしょうね。こんな人が議員やってるなんて』『世間知らずのただのバカ女。知性も教養も微塵も感じられない』『本当に中卒で働いている人たちは、このツイートをどんな気持ちで見ているのだろうか』『そんなこと言うなら今の地位も金も親の支援も全部捨てて、ゼロからやり直してみろよ』『なんて知性の低い発言なんだ。自分が大学で教育も教養も身につけられなかったからって、“大学=無意味”という結論にすんな』『こんな人が国民の代理で政治やってるの?一般世間と考えがズレすぎていてびっくりだわ』『中卒で稼げるとか行ってるけど、自分は親の金で大学出て今は税金で暮らしてんじゃん。一切自分で稼いでないよね?』『国民全員がお前みたいに裕福じゃないんだよ!自分本位でしか物事考えられないなら議員辞めろ!』『こいつ見てると、政治家って本当に金さえあれば簡単になれるんだなって思った』『お願いですから、貧困家庭の現状をその目で見てきてください。二度と同じことは言えないと思いますよ』などなど、ネット上では上西議員の発言に批判が殺到しています。これまでも度々過激な発言で炎上している上西議員。世間からあえて嫌われるような発言をしているようにも思えますが、その本意はどこにあるのでしょうか。【画像出典元リンク】・上西(うえにし)小百合(@uenishi_sayuri)(Twitter)/●文/ぶるーす(芸能ライター)
2016年12月21日こんにちは。教育ライターのyossyです。近年、奨学金制度に関する報道を新聞・ニュース等で見かけることが増えました。学生時代に学費が払えずに貸与型の奨学金を利用したけれど、卒業後も返済ができずに苦しむケースが増えているというのです。では、どうして困る若者が増えているのでしょうか。その背景や、検討中の新しい奨学金制度に関してご紹介します。●奨学金問題が起こっている背景に子どもの貧困&雇用の不安定日本の学費は世界的にみても比較的高い水準にあると言われています。しかし、平均給与は下がっており、子どもの貧困が問題になっている状態。「大学まで行って学びたい」と思うと、重い負担を強いられることになるのです。教育費に困ったときに、まず思い浮かべるのが「奨学金制度」ですよね。特に、日本学生支援機構の奨学金が有名です。文部科学省によれば、実に学生等の約4割が利用している とのこと。奨学金には一部に給付型(返済の必要がないもの)もありますが、多くの人は貸与型(返済する必要があるもの)を利用しています。しかし、近年非正規雇用者が増加していることも問題になり、雇用が不安定。誰もが「卒業して働き出せば返せる」という時代ではなくなってしまいました。日本学生支援機構によれば、平成26年度末時点で、1日以上返済を延滞している人は全体の約9%。延滞のきっかけが家計の収入低下や支出増加である場合が多く、継続して延滞している理由として“本人の低所得”を挙げる人が半数以上います。少しでも状況を打開するため、日本学生支援機構は大学別に未返済率を公表することも発表(2017年度より)。奨学金返済に関して物議を醸しているのです。●所得に連動して返済額が変わる? 新たに導入が検討される奨学金制度のポイントこういった状況をふまえて、国は新たな奨学金制度の創設を検討しています。マイナンバー制度が導入されたことも手伝って、いわゆる『新所得連動返還型奨学金制度 』に関する議論を重ねているのです。いったんは、平成29年度の無利子奨学金新規貸与者から導入することを目指しています。しかし、現在でも一定の条件を満たせば、・家計が厳しい世帯の無利子奨学金を受けている学生が、卒業後に一定収入を得るまでは返済期限を猶予する制度(所得連動返還型無利子奨学金制度)・返済額を減額して返済期間を延長する制度(減額返還制度)などの救済措置があります。これでは不十分なのでしょうか?『所得連動返還型無利子奨学金制度』と『新所得連動返還型奨学金制度』は名前が似ていますね。何が違うのか、ポイントをみていきましょう。●(1)『所得連動返還型無利子奨学金制度』(現行制度)・年収300万円を超えると、収入に関わらず一定額で返還開始(一部控除あり)・学生時代の世帯(主に父母)が低所得の場合のみ適用される●(2)『新所得連動返還型奨学金制度』(平成29年度より導入が検討されている制度)・学生時代の世帯の所得状況は関係しない・所得が一定額を超えるまでは最低返還月額の2,000円を返還・一定額を超えると、所得に応じた返還額とするこれまでは、世帯の収入(主に両親の経済状況)によってそもそも適用にならないという人もいました。新制度が開始すれば、本人の経済状況のみで返済額が決定される ようになります。また、年収300万円というラインを少し超えただけで、「家計が苦しいのに定額返済しなければいけない」という状況が改善されるというわけですね。----------新制度はまだ検討中で、解決しなければいけない問題も多くありますが、困っている学生や卒業後の若者たちが、少しでも楽になってほしいものです。【参考リンク】・新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について(第一次まとめ) | 文部科学省()・平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 | 日本学生支援機構()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年04月30日●貸与利率で注意することは?いまや大学生の過半数が受給しているという奨学金(日本学生支援機構「学生生活費調査(平成24年度)」)。返済不要の給付型奨学金でない限り、奨学金は返済しなければなりません。日本学生支援機構の奨学金は、無利息の第一種奨学金と有利息の第二奨学金がありますが、いずれも貸与型。奨学金といえど借入金なのです。独身時代は問題なく返済できても、学生時代の負債を40歳近くまで払い続けると思うと、重荷も感じますね。できる限り効率よく、上手に返済する方法を検討してみましょう。○貸与利率は申請時点ではわからない!?借入金を効率的に返済するための鉄則は、ムダな利息を払わないこと。しかしながら、日本学生支援機構の奨学金制度は一般的なローン返済と異なる点が数々あり、貸与利率もそのひとつ。第二種奨学金の貸与利率は奨学金申請時点の利率ではなく、貸与が終了した時点の利率を用います。つまり、申請時点では借入金に対する利息の金額が分からないため、毎回の返済金額は概算しか分かりません。4年後に貸与が終了して、初めて毎回の返済金額が確定するという仕組みです。そのうえ、「利率固定方式」及び「利率見直し方式」といった付利方式は、奨学金を申し込む際に選択しなければなりません。4年後にそれぞれの利率を確認するときに「違う方を選べば良かった…!」と後悔することもあり得ます。付利方式は申込時に選択した後でも、貸与期間が終了する年度の一定期間前までなら変更可能。まだ貸与中という人は市場金利等をチェックしながら、変更の検討をするようにしましょう。※写真は本文と関係ありません●おすすめの返済方法は?さて、奨学金の返済は13年~20年と長くかかります。一般的に「返済期間が長い」=「払う利息が多い」となります。奨学金の返済方法は、毎月支払う「月賦返還」、あるいは借入総額の半分は月払い、残り半分は半年ごと(1月と7月)に支払う「月賦・半年賦併用返還」の2つから選択します。ボーナス時にまとまった金額を返済することは、それだけ早く返すということで、支払利息を減少できます。できれば併用払いを選択したいですね。ところが、奨学金を申し込み、返還誓約書を提出するときにどちらかを決めなければならず、返済中には変更できません。○繰り上げ返済のメリットは?それなら繰り上げ返済を利用してみましょう。繰り上げ返済は残額全部でなく、一部でも可能です。一部返済の場合は期間短縮となり、繰り上げ期間分の利息が免除されます。また、一般的なローンと異なり、繰り上げ返済をしても手数料がかからないのは、大きなメリットです。繰り上げ返済をする際には申し込みが必要となりますが、併用払いのように半年ごとに6か月分をまとめて返すのも良いでしょう。あるいはボーナス等のまとまった収入があるときに、10~20万円でも返せれば、利息免除と早期完済の効果が得られます。例えば毎月1万5,000円返している人がボーナスで20万円返済するなら、約13カ月分を先に返すことになり、それに対する利息がなくなります。完済時期も約13カ月早まるのは嬉しいですね。20歳代後半から30歳代になって、結婚・子育てなどライフプランの変化が起こるときに困らないために、効率よく返済していってください。※写真は本文と関係ありません筆者プロフィール:武田明日香(たけだ あすか)エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!
2016年03月31日中央労福協(労働者福祉中央協議会)は2月29日、奨学金の利用実態や問題点を明らかにするためのアンケート調査の結果を公表した。調査は2015年7~8月に勤労者を対象に行われ、1万3,342の有効回答を得た。○「知っている」人が少ない奨学金制度の内容奨学金制度について示した7項目について「知っている」の比率をみると、「貸与人数・金額は有利子の方が多い」が 44.6%で最も多いが、それでも半数に満たない。以下、「日本人への奨学金は貸与型しかない」(39.5%)と「返還の期限を猶予する制度がある」(38.6%)が4割弱、「自宅等へ電話等の督促が行われる」(27.5%)と「3カ月以上の延滞はブラックリスト」(23.5%)、「延滞は年5%の延滞金が賦課される」(22.3%)が2割台、「教員の返済免除制度は廃止された」(16.0%)が1割台という結果に。多くの人が日本学生支援機構の奨学金制度の内容をそれほどわかっていない。○34歳以下の奨学金制度利用者が2人に1人学生時代の奨学金制度の利用状況をみると、若い層ほど「利用した」が多くなっており、34歳以下では「利用した」が 53.2%と、2人に1人が制度を利用する結果となっている。なお、奨学金制度を利用した際の奨学金の返還条件や滞納リスクなどについての理解度では、「あまり理解していなかったと思う」(32.9%)と「まったく理解していなかったと思う」(8.2%)を合わせた「理解していなかった」が4割強を占め、リスクを十分に理解しないまま借りる人が少なくなかった。○奨学金の返還、「苦しい」が正規37%、非正規56%奨学金の借入総額は、平均312.9万円で、月の返還額の平均は約1万7,000円。ただし、借入総額が「500万円以上」も1割みられ、これらの層では月3万円以上の返還をしている人が4割を占めている。34歳以下の人に聞いた奨学金返還の負担感については「少し苦しい」が27.7%、「かなり苦しい」が11.3%で、これらを合わせた「苦しい」が4割近くに及ぶ。なお、雇用形態別で「苦しい」の比率をみると正規でも36.8%、非正規労働者では56.0%と半数を超える。○奨学金返済による生活設計への影響は?奨学金の返還が生活設計に影響を及ぼしているかどうかをライフイベントごとにたずねた結果、「影響している」の比率は、「結婚」が31.6%で最も高く、「持ち家取得」(27.1%)と「仕事や就職先の選択」(25.2%)、「子育て」(23.9%)、「出産」(21.0%)も2割台となっている。このうち、「結婚」に注目して借入総額別でみると、正規労働者では500万円以上、非正規労働者では200万円以上の借り入れがあると「影響している」が約半数を占めるようになる。
2016年03月04日日本労働組合総連合会は20日、「大学生・院生の保護者の教育費負担に関する調査」の結果を発表した。期間は10月6日~10月8日。対象は大学生または大学院生の父母1,000名。○大学の年間授業料、平均103.6万円大学在学中の費用を聞いたところ、「年間の授業料(施設維持費・実習費など含む)」は「100万円~125万円未満」(29.0%)が最多だった。以降、「50万円~75万円未満」(28.2%)、「75万円~100万円未満」(12.2%)が上位にあがった。「0円」・「不明」を除いた平均額は103.6万円だった。学校種別の平均額は、「国公立」は67.5万円、「私立文系」が103.8万円、「私立理系(医歯薬除く)」が133.0万円、「私立 医・歯・薬学」が204.6万円となった。「奨学金を利用しているか」を聞くと、31.7%が「利用している」、68.3%が「利用していない」と回答した。世帯年収別に利用割合をみると、世帯年収が下がるにつれ利用率は高くなり、「200万円~400万円未満」の層が61.5%で最多となった。奨学金を利用している人に対して、「卒業までの借入総額(予定額)」を聞いたところ、最多は200万円~250万円未満」(30.5%)。平均額(不明を除いて算出)は301.8万円となった。「奨学金のタイプを提示し、どの程度望ましいか」を聞くと、76.3%で「無利子の奨学金」が最多に。次いで、「給付型(返済義務がない)の奨学金」(73.6%)、「地元に就職した場合、返済(全部または一部)が免除される奨学金」(61.2%)と続いた。「家庭の所得と教育・大学進学の関係について」の内容を提示し、自身の気持ち・考えにあてはまるものを選択してもらった。「そう思う」(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)の割合が最多となった項目は「高所得世帯の子どものほうが、大学までの教育環境に恵まれていると思う」(91.4%)だった。次いで、「子どもを大学で学ばせるための費用は高いと思う」(90.3%)、「所得の高低にかかわらず同水準の教育を受けられるようにするべきだと思う」(81.0%)となった。
2015年11月25日大学に進学している学生の約半分が受給している奨学金。大学卒業後、就業してからも返済している人が多いのではないでしょうか。ご自身のライフプランに合わせ、奨学金を返済していくことが重要なポイント。今一度奨学金について見直してみましょう。○独身時代は問題なくても……日本学生支援機構の「学生生活費調査(平成24年度)」によると、大学(4年生昼間部)に進学している学生のうち52.5%の人が何らかの奨学金を受給しています。奨学金の種類や額にもよりますが、奨学金の返済は、開始から終了するまで12年から20年という長期間続く支出。読者の皆さんの中にも、現在奨学金を返済しているという人も多いでしょう。例えば、大学4年間にわたり月額5万円を利息付の第二種奨学金で貸与を受けていたとします。利息は「利率固定方式」と「利率見直し方式」のうち申し込み時に選択した一方で計算されますが、利率固定方式を選択した場合、貸与終了時に決定された利率が返還が終了するまで適用されます。現在の固定方式の年利率は0.69%と低めですが、現在返済中という方の中には1.5~1.9%の利率が適用されている人もいるでしょう。総額240万円の貸与を受けた場合、返済期間は15年間となり、毎月約15,000円の返済義務が課されているでしょう。夫婦共に同条件で貸与を受けている場合は、毎月約3万円が家計の固定支出として出て行くことになります。独身時代は各自問題なく返済できていたとしても、20歳代後半から30歳代になって、結婚・子育て・ファミリーカーへの買い替え・マイホームの購入など、ライフプランの中で支出項目および金額が大きく変化してくると、現在の家計や将来への貯蓄にも影響を及ぼしかねません。特に女性が奨学金を受給していた場合で、出産・育児などで一時的にでも収入が途絶えると、3万円の支出は家計への影響度も高いです。しかし家計が厳しいからといっても、返済を甘く見るのはNG。延滞金(平成27年現在、年5%)が課されたり、長期滞納者には法的措置も取られます。個人信用情報機関に登録され、俗に言うブラックリストに載るのもその1つです。慌てて滞納分を払っても、一旦ブラックリストに載ると5年間は抹消されません。クレジットカードや住宅ローンを申込みたくても拒否されてしまう可能性もあるのです。そのためにも返済を怠らず、家計全体で必要な支出や貯蓄をする工夫が必要です。今一度家計を見直し、毎月の出費に無駄がないか確認しましょう。通話料や外食費など縮小できる支出は縮小していきましょう。共働きのうちは早く完済することを目標に、ボーナスなどで繰上げ返済を検討するのもその1つです。繰上げ返済は一部でも全部でも可能ですが、一部返済の場合は期間短縮となり、繰上げ期間分の利息が免除されます。ただし他に返済すべきローンがある場合は、奨学金にこだわる必要はありません。借入金利・返済期間・残高を考慮して節約効果が最も高いものを繰上げ返済するようにします。夫婦の一方が育児に専念する期間がある場合は、奨学金の返済が家計を圧迫してしまう可能性もあります。仕事復帰までの間の奨学金返済を減額する「減額返還制度」も検討してみましょう。一定期間返済を停止して先送りにする「返還期限猶予」という方法もあります。いずれも申請をして承認を受ける必要がありますが、延滞にならないので安心です。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール武田明日香エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)
2015年10月07日小学生向けプログラミング教育事業を行うCA Tech Kidsは9月24日、沖縄県の地元企業2社と共同し、プログラミング学習のための奨学金制度「CA-Frogsキッズプログラマー奨学金」を設立し、奨学生2名を採択したと発表した。「CA-Frogs キッズプログラマー奨学金」は、沖縄のIT人材を育成・輩出するためのプログラミング学習奨学金制度。CA Tech Kidsのほか、シーエー・アドバンス、レキサス、沖縄県内の中学生~大学生をシリコンバレーへ派遣し次世代リーダーの育成を目指す教育プログラム「Ryukyufrogs」との四者共同で実施する。今回、奨学生として採択されたのは、上原匠人君(金城小学校5年生)と譜久原理樹人君(宜野湾小学校5年生)。2名は小学生向けプログラミングスクール「Tech Kids School」沖縄那覇校にて、半年間・計約100時間のプログラミング学習を行う予定。開発ツール「Xcode」を使ったiPhoneアプリ開発や、HTMLやJavaScriptを用いたWebアプリ開発を学び、12月には奨学生自身が企画・開発したオリジナルの作品をプレゼンテーションする発表会を行うという。学習に係る諸費用はシーエー・アドバンスおよびレキサスが負担し、奨学生は無償で学習することができる。将来的には、同プログラムで学習した奨学生を、「Ryukyufrogs」を通じてシリコンバレーに派遣し、高度なリーダー育成につなげていきたい考えだ。
2015年09月24日高2女子です。奨学金だけで大学へ進学できるか心配です。こんにちは。わたし、真由子といいます。高校2年生です。両親と大学生の姉と暮らしています。先日、両親と姉が、姉が20歳になったために納付しなければならなくなった国民年金の保険料を、どうやって工面するか話し合いをしているのを聞いてしまいました。日頃から、我が家の家計が苦しいのはわたしも知っているので、話し合いをしていることには別に驚かなかったけど、聞いているうちに、このままだと、お金が足りなくて妹のわたしは大学に行けない、なんてことになるんじゃないかと心配になってきました。両親は、わたしのために学資保険に入ってくれているんですが、わたしが高校に進学した時に、その学資保険から出た「お祝い金」を、姉の大学の入学金に流用した“前科”があって、このまま両親を当てにしていて本当に大丈夫なのか正直不安です。そこで、最悪、両親からの支援がなくても、自分の力だけで大学へ行くことってできるのかどうか、調べてみることにしました。自分の力だけで進学するとなると、まず思い浮かぶのは奨学金かなと思うので、とりあえず奨学金について調べて、わかったことを書いていこうと思います。はじめに、パソコンで「奨学金」を検索してみたら、学校や自治体、企業、それにいろいろな団体が独自の奨学金制度を運営していて、とても全部は把握できそうもありませんでした。例えば、ある有名大学で利用できる奨学金の数は250種類以上あるそうです。なので、とりあえず一番有名な、「独立行政法人 日本学生支援機構」が運営している奨学金貸付制度について調べていきます。日本学生支援機構の奨学金まず、「日本学生支援機構」、といっても、お父さんもお母さんも知りませんでした。両親が大学生だった頃は「日本育英会」という名前だったそうです。当時から、「奨学金」といえば日本育英会だったそうなので、相当歴史は古いみたいです。次に、「奨学金」は、勉学を奨励するお金、と読めるし、友達のなかには、返済しなくてよいお金、と思っている子もいます。確かに返済しなくてよい奨学金もあり、そういう奨学金のことを「給付型」と呼ぶそうですが、日本学生支援機構の奨学金は「貸与型」で、必ず返済しなければいけません。日本学生支援機構の奨学金には3つの種類があります。(1)第一種奨学金→利息がつかない。貸与金額は表2を見てください。(2)第二種奨学金→利息がつく(大学在学中は無利息)。(3)入学時特別増額貸与奨学金→利息がつく(大学在学中は無利息)。10万円、20万円、30万円、40万円、50万円から選択。このうち、(3)の「入学時特別増額貸与奨学金」だけを単独で申し込むことはできません。希望する人は、第一種、第二種奨学金とあわせて申し込むことになります。また、入学時特別増額貸与奨学金は、低所得などの理由で日本政策金融公庫の「国の教育ローン」を利用できない人を対象とした奨学金です。今回奨学金について調べているとき、よく比較されていたのが、今出てきた日本政策金融公庫の国の教育ローンだったので、日本学生支援機構の奨学金との違いがわかるように表にしてみました。今は、両親の支援なしに大学に行く方法を考えているので、保護者が対象の国の教育ローンは除外し、日本学生支援機構の奨学金についてのみ、もう少し調べます。「第一種奨学金(無利息)」だけでは志望大学に行けない日本学生支援機構の奨学金のうち「第一種奨学金」は利息がつかないのですが、この第一種奨学金で支給される金額は、国公立大学へ自宅から通う場合で月に4万5千円、自宅外から通学する場合で5万1千円、私立大学へ自宅から通う場合で5万4千円、自宅外から通学する場合で6万4千円と決められています。ほかに、国公立・私立、自宅・自宅外の区別なく、3万円を選択することもできます。わたしは、志望大学をまだはっきり決めていないんですが、自宅通学できる私立大学の理科系学部にする可能性が高いので、仮に第一種奨学金を借りたとすると、月に5万4千円、4年間で約259万円貸与されることになります。※1志望大学が決まっていないので、私立大学理科系学部の平均的な学費を、文部科学省が公表しているデータから算出してみると、入学金が必要な初年度が約150万円、2年生からは約123万円で、4年間で合計約519万円かかることがわかりました。※2この結果から、第一種奨学金だけで志望大学に行くことはできないことがわかります。不足額は、同じ文部科学省のデータから、私立大学理科系学部の平均的な入学金は26万5千595円だということがわかったので、入学時特別貸与奨学金を30万円利用すると、残りは230万円(519万円-259万円-30万円=230万円)となります。4年間で230万円必要ということは、月額では約4万8千円となり、これを第二種奨学金で借りればいいことになります。第二種奨学金は、月額3万円、5万円、8万円、10万円、12万円のいずれかから選択できるようになっているので、わたしの場合、5万円を選択すれば、あまり借りすぎたり、不足し過ぎたりせず、奨学金を利用できそうです。このように、第一種奨学金から月5万4千円、第二種奨学金から月5万円、それに入学時特別増額貸与奨学金30万円を受けることができれば、奨学金だけで志望大学へ進学することは可能だということがわかりました!よかった!ここまで調べた限りでは、奨学金を受けることができれば、両親の支援がなくても、なんとか自分の力だけで大学へ行けそうです!返済総額550万円、返済期間20年!次の問題は、月に10万4千円、入学時に30万円、合計529万2千円も借りて、果たして返済できるかどうかですよね、やっぱり。返済する時には利息が加算されますが、今回ネットでいろいろ調べた結果、日本学生支援機構の奨学金の利息は年利3%だと誤解している人が結構多いみたいでした。本当は、最大3%になる可能性がある、ということで、実際は、例えば今年(2015年)3月に卒業した人に適用される金利は、利率固定方式を選択した人で0.63%、利率見直し方式を選択した人で0.10%と、とても低い水準でした(入学時特別増額分についてはそれぞれ0.83%、0.30%)。仮に利率0.63%(入学時特別増額分は0.83%)として、日本学生支援機構のホームページで、わたしが借りる予定の529万2千円の返済方法をシミュレーションしてみると、毎月22,838円を20年間かけて返済するという結果になりました(最終月は22,907円)。ちなみに、返済総額548万1,189円のうち、利息分は18万9,189円でした。返済総額約550万円という金額がどのぐらいの値打ちなのか、高校生のわたしには正直ピンときません。家は買えないけど、車は買える、という感じでいいのかな。でも、返済が終わったら、自分は42歳か43歳になっているんだと思うと、やっぱり550万円という金額は、“ハンパじゃない!”ってことがわかります。月額22,838円という返済金額も、就職できれば返済可能な金額だとは感じるけど、結婚したり、子どもができたりするかもしれない20年という長い期間、無事に返し続けることができるのかは、自分でも全く予想がつかないです。仮に、返済ができなくなった場合どうなるかを調べてみると、連帯保証人に返済の請求が行われるほか、自分名義のクレジットカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなったり、また、給与や財産が差し押さえられたりすることがあるそうです。ただ、病気や失業などの事情で返済がむずかしくなった場合は、日本学生支援機構に申し出ることにより、返済月額の減額や、返済期限を猶予してもらえる制度を利用できることがあるそうです。返済が困難になったときは、黙って延滞しないで、すぐに支援機構に相談することが大切なようでした。このように、万一のときのセーフティネットがあるとはいえ、とにかく、奨学金を受けるからには、卒業したら絶対就職する、という強い決意が必要だと思いました。入学金だけは事前の準備が必要今回調べてみて、少なくとも平均的な学費の私立大学理科系学部に自宅から通う場合、奨学金だけで大学へ行くことはできそうだということがわかったのですが、一つだけ奨学金では賄えない費用がありました。日本学生支援機構の「入学時特別増額貸与奨学金」は、貸与されるのは入学後になります。だから、たとえ貸与されることが決まっても、入学金の支払いには間に合いません。入学金だけは、奨学金が貸与されるまで両親に一時立て替えてもらうか、事前にバイトでもして貯めておく必要があります。両親が加入してくれているわたしの分の学資保険が、中途解約されて姉の学費に流用されたりせず、無事に満期になったら、ぜひ入学金に充てたいです!さて、奨学金を借りることができれば、自力で大学へ行けそうなことはわかったし、あとは合格するだけだな~っと!!※1 「第一種奨学金」「第二種奨学金」とも、奨学金を申し込む人の学力・家計等について、日本学生支援機構が基準に照らし、予算の範囲内で決定するため、希望すれば必ず受けられるわけではありません。※2 文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月14日今や、学生の約5割が利用している奨学金制度。大学の学費値上げや、経済の低迷による親の収入低下などを原因に、利用者は増え続けています。ところが、卒業後奨学金の返済ができずに困窮する人が増えているのも現状です。具体的な返済例を見ながら、奨学金の注意点、危険性、賢い利用方法を考えてみましょう。○大学~大学院の6年間で400万円以上の額に日本学生支援機構が実施し、大学、大学院などへの進学を希望する人への学費の貸付制度、いわゆる「奨学金」の利用者が増えています。奨学金には、特に優れた学生を対象に、無利息で貸与される第一種奨学金、第一種よりもゆるやかな基準で、利息付で貸与される第二種奨学金の2種類があります。月々の貸付額は、第一種は学校の種別などによって異なり、私立大学へ自宅外から通学の場合は6万4,000円、自宅通学5万4,000円です。第二種の貸付額は、3万円~120万円までの5種類があり、必要に応じて選択をします。自宅外通学で私立の4年生大学、その後大学院の修士課程2年コースへ進んだとします。この6年間、第一種奨学金を受け続けた場合、大学4年間での借入総額が307万2,000円。大学院2年間で120万円になります(大学で月額6万4,000円、大学院で月額5万円借りた場合の試算)。第一種は無利息とはいえ、6年間で総額427万2,000円は相当な金額です。それぞれを月賦で返済すると、大学分の返済が返済期間18年で月額1万4,222円、大学院が返済期間12年で月額8,333円となります。返済が始まるのは大学院卒業後になり、大学、大学院分を合わせると、12年間は月額2万2,555円の返済が必要です。学校を卒業した後、安定した就職先を見つけられる保証はありません。無事就職できても、新卒の平均給与は20万円程度なので、月2万円を超える返済を続けるのは、大きな負担です。18年もの返済期間中には、結婚や住宅購入などのライフイベントもやってくるでしょう。マイホーム取得のローンを組みたくても、奨学金の返済が重く、やりくりの目途が立たないという事態も考えられます。そして奨学金の返済が滞ると、年10%の延滞金が課され、さらに返済が厳しくなります。滞納が3カ月続くと、個人信用情報機関のブラックリストに名前が掲載され、クレジットカードを作ったり、ローンを組むことが難しくなったりする可能性もあります。滞納が9カ月以上続くと一括払いを求められ、その後は財産差し押さえや裁判になるケースも。奨学金といえども、返済や取り立てに関しては民間の金融業者と変わらず、甘く見ると身を落とすことになりかねません。実際、奨学金の支払いができず、自己破産した事例もあるのです。奨学金を利用するなら、借り入れ前に返済額をシュミレーションして、返済計画を立てておきましょう。就職後は、生活に余裕ができるまで、実家やシェアハウスで暮らすなど、生活費を抑える努力も必要です。それでも返済が難しければ、奨学金の返済額を半額ずつにできる減額返還、一時的に返済をストップする返済猶予願いを速やかに提出しましょう。年収が300万円以下なら、申請によりこれらの措置を受けられます。ただし、返済額が減るわけではなく、返済期間が延びるだけです。全額返済の義務に変わりはありません。「卒業すればなんとかなる」と安易に考えず、自分の社会的信用と卒業後の約20年の生活に大きく影響するものだということをしっかり理解したうえで、上手に付き合っていくことが大切だといえるでしょう。○著者プロフィール大竹のり子エフピーウーマン代表取締役ファイナンシャルプランナー(CFP(R)認定者)出版社の編集者を経て、2005年4月に女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演など多くのメディアを通じて、女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。「マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう! 」(東洋経済新報社)、「老後に破産しないお金の話」(成美堂出版)などお金の分野での著書は40冊以上に及ぶ。一般社団法人金融学習協会理事。お金との正しい付き合い方が学べる無料マネーセミナーも受付中。
2015年07月21日アフラック(アメリカンファミリー生命保険)は26日、社会貢献の一環として運営している高校生を対象とした奨学金制度の2015年度の新規奨学生が決定したと発表した。決定人数は「アフラックがん遺児奨学金」で121名、「アフラック小児がん経験者奨学金」で20名の合計141名となった。○これまでに2,220名の高校生を支援1995年の制度設立以来、奨学生の総数は2,020名となり、奨学金給付額は累計で13億円を超えた。「アフラックがん遺児奨学金」「がん」で主たる生計維持者を亡くし、経済的理由から修学の機会が狭められている高校生への支援を目的とした奨学金制度。2015年度の募集には、全国から267名の応募があり、このうち121名を新規奨学生として決定した「アフラック小児がん経験者奨学金」小児がんを患った経験を持つ高校生への支援を目的とした制度。全国から79名の応募があり、20名を新規奨学生として決定した2015年度の応募者346名のうち、がん遺児奨学金では約9割が母子世帯。また、小児がん経験者奨学金では4割以上が母子世帯で、現在も継続的な治療を受けている子どもたちは約4割を占めている。遠隔地の自宅を離れて大都市圏の専門病院に入院・通院する場合には、医療費に加え、付き添う家族の交通費や宿泊費など経済的に大きな負担がかかるという。なお、応募者の平均世帯年間収入は、がん遺児奨学金では142万円、小児がん経験者奨学金では313万円で、これは日本の「児童のいる世帯」の平均収入658万円を大きく下回っているという。2010年4月から、国の公立高校無償化や高等学校就学支援金制度により授業料負担が軽減されたものの、入学金や教材費、通学費などの高校生活にまつわる費用の総額は、公立高校で年間約23万円、私立高校で約72万円となっており、がんで主たる生計維持者を亡くした世帯や小児がんを患った経験を持つ子どもがいる家計にとって、教育費が負担になっていることは依然として変わっていないのが実情だという。同社は、多くの人々の「生きる」を創る保険会社として、社会における課題の解決と持続的な成長をめざし、社会と共有できる価値の創造(CSV(Creating Shared Value)経営)に努めていくとしている。
2015年06月29日サイバーエージェントの連結子会社のシーエー・アドバンスと、レキサスは、沖縄県の小学生を対象としたプログラミング学習奨学金制度「CA-Frogs キッズプログラマー奨学金」を設立し、5月20日より奨学生の募集を開始したと発表した。現在沖縄では、情報サービス、ソフトウェア開発などの情報通信産業を、観光に次ぐ注力産業として振興している。同制度は、沖縄の未来を担うIT人材を育成・輩出するためのプログラミング学習奨学金制度だ。沖縄で小学生向けプログラミングスクール「Tech Kids School」を運営するシーエー・アドバンスと、アプリ・Webサービスの企画・開発を行うレキサスが、奨学金の原資提供と企画運営を行う。また、県内の中学生~大学生をシリコンバレーへ派遣して、次世代リーダーの育成を目指している「Ryukyufrogs」が企画運営を支援し、小学生を対象としたプログラミング学習を無償提供する。同プログラムでは今後2名の奨学生を採択し、「Tech Kids School」の協力のもと、半年間で計約100時間のプログラミング学習を行う。Xcodeを使ったiPhoneアプリ開発や、HTML・JavaScriptを用いたWebアプリ開発を学んだ後、2015年12月に、奨学生自身が企画・開発したオリジナルの作品をプレゼンテーションする発表会を行う。学習に係る諸費用はシーエー・アドバンスとレキサスが負担するので、奨学生は無償で学習できる。将来的には、同プログラムで学習した奨学生を、Ryukyufrogsを通じてシリコンバレーに派遣し、より高度なリーダー育成につなげられるよう、発展させていく予定だという。募集期間は5月20日~6月14日18時で、沖縄県内の小学1~6年生、または同様の学齢に該当する人を対象とする。プログラミング経験は不問。
2015年05月22日では、 前回 に引き続き、奨学金と教育ローンの基本について解説していきます。■奨学金の種類(2) 無利子または低金利の「貸与型奨学金」卒業後に返済が始まる貸与型奨学金については、9割の学生が借りている日本学生支援機構の場合に沿って説明しましょう。貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。どちらも選考があり、無利子の第一種奨学金のほうが、成績や家庭の収入などの選考基準が厳しくなっています。第二種奨学金は有利子ではあるものの、教育ローンよりは低金利となります。申請のタイミングは3パターンあります。1.予約採用入学前に奨学金を予約する制度。進学する前年に、在学している学校で申し込みます。大学院を除き、進学先が確定していなくても申込みができますが、国立看護大学校など文科省以外の省庁が所管する大学校は、日本学生支援機構の奨学金の対象外となることがありますので、注意しましょう。2.在学採用入学後、毎年春に在学している学校の奨学金窓口で申し込みをします。予約採用で不採用になった人も、再度申込みできます。3.緊急採用、応急採用ご家族の病気や災害など家計の急変で奨学金を緊急に必要とする場合、年間を通じて在学している学校の奨学金窓口から申し込みが可能。第一種奨学金(無利息)は緊急採用、第二種奨学金(利息付)は応急採用という呼び方になります。当たり前のことですが、学ぶ意欲のない学生の場合、奨学金の支給を停止(1年以内)廃止(資格喪失)されることもあります。また・返済義務を負うのは学生本人・毎月定額が「入学後(早くとも5月以降)に」振り込まれるという点にも注意しましょう。■奨学金の種類(3) 教育ローンという選択大学の入学金を支払う時期にお金の準備が間に合わない、という時は、教育ローンという手があります。奨学金と異なり・返済義務を負うのは保護者・審査が通れば一括で支給されることが特徴です。国の教育ローン、民間の教育ローン、大学の提携教育ローンなどがありますが、いずれも成績は特に審査の対象になりません。国の教育ローンの場合は所得制限があり、家計の状況により支払い期間も選べます。ただし、連帯保証人、または財団法人教育資金融資保証基金による保証も必要となります。民間の場合は保護者の返済能力が審査の際に重点的に見られること、そして、比較的融資限度額が大きい反面、国の教育ローンに比べ金利が高いことに注意しましょう。ポイントとしては、「貸与型の奨学金」と「教育ローン」の場合はいずれも借金であるということです。入学金のような大型出費の場合、できれば事前に準備しておくのが一番ですが、事情によって間に合わないこともあるでしょう。もし「間に合わなかった」という時も、「奨学金や教育ローンで借りればいい」と安易に頼るのではなく、学びの機会を得たことに感謝し、一生涯散らない花を咲かせていけるようなライフプランを考えるきっかけにしましょう。
2015年03月25日「サクラサク」――合格発表の吉報は、わが子に限らず嬉しいものですね。いっぽう、入学金をはじめとして、毎年発生するお金のやりくりに頭を悩ませている親御さんも多いよう。今まで志望校に合格するためのサポートで頭がいっぱいだったところに、今度は入学後のお金の問題が現れるわけで、まさに一難去ってまた一難です。日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業までに必要な費用は、平均で子ども1人当たり880万円だそう(「教育費負担の実態調査結果」平成26年度)。せっかく入学できたのに、途中で学費が続かないという事態は極力避けたいものです。今回は、美しく咲いたサクラを満開にするためにも、知っておきたい奨学金情報をお伝えします。■そもそも奨学金とは? 「奨学」とは、学問を奨励すること。奨学金とは読んで字のごとく、学問に励む意欲と能力がありながらも、経済的な事情でそれが難しい学生を応援するシステムです。もっとも多く利用されているのは、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金ですが、ほかにも大学独自の奨学金や地方自治体の奨学金、民間団体の奨学金などもあります。基本は「いつかは返すお金」ですが、なかには返還不要のものもあります。また、奨学金に類似した「教育ローン」というものもあります。それぞれの特徴をおさえておきましょう。■奨学金の種類(1) 返還しなくていい「給付型奨学金」奨学金といえば「貸与型」、つまり卒業後に返済する義務のあるものがよく知られていますが、返還義務のない「給付型」奨学金というものがあるのはご存じでしょうか。少子化で学生の数が減っていく中、優秀な学生を集めたいという意図から、私立大学などで採用するところが増えているようです。企業や財団、自治体などで設定している場合もあります。給付型奨学金の中でも、入学前に申請し、合格時にもらえるかどうかがわかる「予約型」と、入試の成績や入学後の成績が審査対象となる奨学金とがあります。給付額などの詳細は各学校で異なりますが、卒業後の返済がない分、それなりの成績が要件となります。もちろん、卒業後は学んだことをもとに社会への貢献を期待されていることも自覚しましょう。学生の本分である勉学に励んで、なおかつ返還不要な奨学金を取得できるのであれば、学生にとっては一石二鳥。学ぶ意欲と能力があるのに経済的な負担がネックとなっている場合は、この給付型奨学金の存在を知っておいて損はないはずです。ただし、情報を探しにくいのがちょっと難点。事前に、余裕を持ってリサーチしておくことをおすすめします。では、(その2)では、よりメジャーな「貸与型奨学金」と「教育ローン」を解説していきましょう。
2015年03月23日楽天とNPO法人ETIC.(エティック)は8日より、NPO法人でのインターンシップを希望する大学生を対象とした「楽天インターンシップ奨学金」プログラムを開始する。○起業家の右腕として働く学生が対象「楽天インターンシップ奨学金」は、社会的課題を解決する次世代のリーダーを育成することを目的に、楽天とETIC.が共同で提供する返還不要の給付型奨学金プログラム。楽天とETIC.による書類選考で選出した5名を対象に、2015年2月から8月までの6カ月間、1名あたり合計30万円を無償支給する。対象者は、ETIC.が大学生向けに提供する実践型インターンシップ「アントレプレナー・インターンシップ・プログラム」の参加者。同インターンは、社会的課題の解決や新しい価値の創造に挑戦するベンチャー企業やNPO法人で、「期間限定の起業家の右腕」として半年間働くというもの。インターンシップでの派遣先はNPO法人フローレンス、NPO法人かものはしプロジェクト、NPO法人クロスフィールズ、NPO法人Teach For Japan、NPO法人カタリバ、NPO法人 atamista。奨学生の募集開始は8日から。応募方法などの詳細は、6日・7日に開催される「ETIC.インターンシップ・フェア2015 SPRING」で案内予定。
2014年12月08日オンデーズは12月から、深刻化している奨学金滞納問題への取り組みとして、奨学生の負担となる奨学金の返済金を給与に付加し、月々の奨学金返済を企業として加担する「奨学金返金救済制度」を導入する。○社内試験に合格した社員を対象に支給日本学生支援機構(JASSO)によると、奨学金の利用者は年々増加傾向にあり、2003年は約86万人だった貸与人数が、2012年には約134万人にも達した。利用者数の増加とともに、滞納者の数も年々増えており、2012年度の統計では、日本学生支援機構の奨学金滞納者は33万4,000人で、滞納額は925億円にものぼるという。奨学金は、卒業後に返還することで、次の世代のために利用される。滞納の主な原因として挙げられているのは、「不況による収入減と支出増」「安定した仕事に就けない」だ。同社は、企業に就職する新社会人の生活と、次の世代の学生を企業としてバックアップできる体制づくりが必要と考え、新制度の設立に至った。同制度は、独自の社内試験に合格した社員を対象に月々の返済額を給与に上乗せして支給する。対象者は、学生の時に奨学金受給をしており、現在も返済を続けている者で、社内試験に合格することが必要となる。社内試験は、筆記試験、プレゼン、グループワーク、面接を予定している。※画像と本文は関係ありません
2014年12月01日オンデーズは19日、奨学金滞納問題への取り組みとして奨学生の負担となる奨学金の返済金を給与に付加し、月々の奨学金返済を企業として加担する「奨学金返金救済制度」を2014年12月より導入すると発表した。同制度は、独自の社内試験に合格した社員を対象に、月々の返済額を給与に上乗せして支給することで、奨学金の返済分を企業が加担するというもの。対象は、学生の時に奨学金を受給しており現在も返済を続けている人で、かつ社内試験に合格した人となる。社内試験は、筆記試験、プレゼンテーション、グループワーク、面接にて行われる。日本学生支援機構(JASSO)によると、奨学金の利用者は年々増加傾向にあり、貸与人数は2003年には約86万人だったものが、2012年には約134万人に達し、この10年間で約1.5倍に拡大。増加傾向の利用者数と同時に、滞納者の数も年々増えており、2012年度の統計では、日本学生支援機構の奨学金滞納者は33万4,000人、滞納額は925億円で、1998年の15万人に比べると滞納者は倍以上に伸びているという。オンデーズは、学業を終了し、企業に就職する新社会人の生活と、次世代の学生を企業としてバックアップ出来る体制づくりが必要と考え、制度設立に至ったと説明している。
2014年11月20日ファーストリテイリンググループのユニクロは18日、次世代を担う若手人材の育成支援を目的として、米国ハーバード大学院の日本人留学生を対象とした奨学金プログラムを創設すると発表した。これにより、有望な人材が個人の経済事情に関わらず、世界トップレベルの教育機会を得られるよう支援するという。対象は、米国ハーバード大学の経営大学院Harvard Business Schoolおよびデザイン大学院Harvard Graduate School of Designに入学する日本人私費留学生。2015年9月から3年間にわたって、各大学院とも毎年1人、計6人の留学生に対し、総額最大120万米ドル(約1億2,000万円)の奨学金を提供する。経営大学院留学生には、1人当たり最大20万米ドル(約2,000万円)をユニクロが直接供与する。一方、デザイン大学院については、3年間で60万米ドル(約6,000万円)をファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏が個人として大学院が運営する奨学金に寄付し、大学院の奨学金プログラムを通して学生に支給する。選考は面接と書類審査。経営大学院奨学生の最終面接は、柳井氏とHarverd Business Schoolの竹内弘高教授が選考官を務める。また、デザイン大学院の選考過程においても、柳井氏と2015年秋からHarverd Graduate School of Design客員教授に就任する伊東豊雄氏による面接を行う。なお、合格者には留学期間中にファーストリテイリングでのインターンシッププログラムが提供される。
2014年09月18日家計に重くのしかかる教育費。大学進学時におおよその金額が準備できていることが理想だが、そうでない場合には奨学金を利用するという手段がある。しかし、最近では奨学金返済の滞納者が増えている。そこで今回は、ファイナンシャル・プランナーの村松祐子さんにどの程度の額までなら奨学金を借りても大丈夫か教えていただく。○結婚後も長く続く返済奨学金制度を利用する動機としては、大学時代の資金が貯められていなくて、「それなら奨学金を利用すれば」というケースが少なくないようです。ただ、給付型以外の奨学金は返済しなければいけないお金で、借金と一緒です。日本学生支援機構の奨学金制度には、利子がかからない第一種奨学金、利息が付く第二種奨学金があります。第一種奨学金の場合には、貸与された金額を卒業後に返済期間の月数で単純に割った金額を月々返すことになります。利子付きの場合の金利は経済・金融情勢により変動しますが、上限年3%の利息と合わせて借りたお金を返済していきます。今、大学生の約半数が奨学金を利用していますが、就職して結婚してからも夫婦ともに奨学金の返済が終わらず、その返済額に家計が圧迫されているケースもあるのが現実です。例えば、大学院までの借入金額が780万円の場合、0.5%の金利では総返済金額はおよそ822万円。卒業後に20年かけて月3万4200円の返済を続けていくことになります。上限となる年利3%の場合には、総返済額は1000万円を超え、月返済額4万3000円が20年続きます。平成26年1月末の利率は、貸与終了時の利率を返還完了まで適用する利率固定方式で年0.89%となっています。なお、返還中5年ごとに利率を見直す利率見直し方式は0.3%となっており、いずれかの選択制になっています。なお、第二種奨学金は、在学中は無利子で卒業後に利息が発生します。では、奨学金はいくらまで借りていいのか。将来の収入見込額により試算も分かれるところですが、負担を軽減するために、家計と返済率の目安を知っておいた方がよいでしょう。社会へ出て独立し、生活を始める場合、家計費の内訳をそれぞれ使用目的(費目)ごとに割合を決めておくことをお勧めしています。食費13%、住居費25%、水光熱5%、通信費6%、趣味・被服費・交際費15%、日用品3%、保険料5%、お小遣い10%、貯蓄15%という具合です。返済額を最優先し、貯蓄分から5%、趣味・被服費、お小遣いを抑え、返済金に充てるとした場合、世帯収入のおよそ8%までを返済額の限度とすることが堅実ではないでしょうか。学歴別にみた初任給は、大学院卒23万4500円、大学卒20万2000円(出所: 厚生労働省 平成23年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況<学歴別にみた初任給>男女計)。大学院に進んだ場合でも借入金額がおよそ300万円までであれば、全年利のケースで返済期間20年間、返済月額1万5000円から1万9000円となり、収入に対して約8%程度の返済負担率に納まります。旅行したい、住宅を買いたい、子への教育、安心できる老後、人生のあらゆる選択肢を諦めないためにも将来の負担を減らしておきたいですね。
2014年08月20日リクルート「カレッジマネジメント」と文部科学省科学研究費の共同プロジェクトは、「奨学金制度に関する学長調査」を実施。その結果を発表した。調査は6月14日~7月13日にかけて、全国の大学744校の学長を対象に実施。497校から有効回答が得られた。現在、日本大学支援機構が行う奨学金は、卒業後に返済を行う「貸与型」。しかし、卒業後の返済が滞る例もあるという。このような中、大学が将来返済の必要がない独自の給付型奨学金を増やす動きが出てきている。そこで、「独自の給付型奨学金を導入していますか?」と大学側に尋ねたところ、約8割が「ある」と回答。特に私立大学はその割合が87.4%と、公立・国立大学に比べ高かった。しかし、2011年に大学進学希望者7,502人に、進学関連費用への重視度を尋ねたところ、1位は「授業料の安さ」だった。「奨学金制度が充実していること」は2位で、1位とは10ポイントの開きがあった。対象・人数・金額などの条件が複雑な奨学金よりも、ひと目で分かる授業料の安さを重視しているようだ。このような状況に対し、リクルート進学総研の所長小林浩氏は、「せっかくの独自の給付型奨学金を導入しても、伝えなければ高校生やその保護者がうまく活用できない。いかに分かりやすく伝えられるかが大きな課題」とコメント。大学進学希望者にとっても、進路選択の際には、奨学金にも注目するのが重要なポイントと言える。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日武蔵野銀行は25日、顧客の多様な教育資金をサポートするため「むさしの奨学ローン 教育サポートキャンペーン」を8月1日より実施すると発表した。期間は2013年4月30日まで。同キャンペーンは、借入利率を通常標準金利(年4.85%)より年2.10%金利を差し引き(適用金利2.75%)、さらに本人が同行で「住宅ローン」または「給与振込」を利用している場合は、さらに年0.50%の金利が差し引かれ、最大差し引き幅は2.60%(適用金利年2.25%)となる。融資形式は「当座貸越・証書貸付併用方式」および「証書貸付方式」。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月27日「公益信託アフラックがん遺児奨学基金」「まねきねこダック」のCMが印象的な保険会社のアフラックが、「公益信託アフラックがん遺児奨学基金」で奨学生を募集しています。がんで家庭の主たる生計維持者を亡くし、経済的理由から修学の機会が狭められている高校生のための奨学金制度です。募集期間は11月初旬~翌年の2月末日、月額2万5千円・年額30万円の奨学金は高校卒業まで給付され、返還は不要です。なお、本奨学金制度は、当社の保険契約の有無にかかわらず、日本全国からご応募でき、他の奨学金制度との併用も可能です。未来ある次世代の育成を目的として1995年に当社とその販売代理店組織である「アフラック全国アソシエイツ会」が共同委託者となり、株式会社りそな銀行を受託者として設立しました、とアフラックはしています。応募要件応募要件は以下の要件をすべて満たしていること1. 主たる生計維持者を「がん」(悪性新生物)で亡くしていること。2. 経済的理由によって修学もしくは充実した学校生活が困難であること。3. 奨学金給付開始時に高等学校、特別支援学校の高等部、中等教育学校の後期課程、専修学校の高等課程に在学中であること。(当年度入学希望者を含む)4. 直近の学習成績が評定平均値3.5(5段階評定)以上の方(評定値を付さない学校の在学生についてはこれに相当する方)、または特定の分野において全国あるいは都道府県レベルで特に優れた実績がある方。
2010年12月17日がん遺児のための奨学金制度アメリカンファミリー生命保険株式会社(以下アフラック)と、その販売代理店組織「アフラック全国アソシエイツ会」が共同委託者となった、「公益信託アフラックがん遺児奨学基金」による、平成23年度奨学生の応募が開始されている。期間は明年2月末日まで。これはがんのために主たる生計維持者を亡くしてしまい、経済的に困難な状況にある高校生のための奨学金制度で、1995年に設立された。※画像はイメージ返還不要の月額2万5千円奨学生には高校を卒業するまで、月額2万5千円、年額換算30万円の奨学金が給付され、返還は不要。4月、7月、10月、1月に3か月分がまとめて給付される。平成22年9月末現在で、累計1,511名が奨学生となった。応募には下記のような要件を満たしていることが必要。詳しくは主催者まで。【応募要件】以下の要件をすべて満たしていること1.主たる生計維持者を「がん」(悪性新生物)で亡くしていること。2.経済的理由によって修学もしくは充実した学校生活が困難であること。3.奨学金給付開始時に高等学校、特別支援学校の高等部、中等教育学校の後期課程、専修学校の高等課程に在学中であること。(当年度入学希望者を含む)4.直近の学習成績が評定平均値3.5(5段階評定)以上の方(評定値を付さない学校の在学生についてはこれに相当する方)、または特定の分野において全国あるいは都道府県レベルで特に優れた実績がある方。
2010年12月01日