「妊娠の異常・病気」について知りたいことや今話題の「妊娠の異常・病気」についての記事をチェック! (5/5)
むくみはなぜ起こるのでしょう。むくみの原因にはさまざまありますが、病気が原因の場合には、腎臓病によるむくみが多いといわれています。むくみが起こるメカニズムむくみは、身体に余分な水分が留まってしまうことで引き起こされます。人間の身体は、体重のおよそ60%が水分といわれており、そのうち3分の2が細胞内にあります。そして、残りの3分の1の水分は血液内などにあるといわれており、その多くが細胞間液になります。細胞間液は血液の血漿(けっしょう)成分でできており、栄養素などを運ぶ役目をします。通常、心臓がポンプのように力強く動くことで、全身の血液を循環させます。その際、身体が必要としている酸素や栄養素などを血液と一緒に動脈を通して、すみずみまで運びます。そして、細胞内で不要となった老廃物などを、静脈やリンパ管を通して心臓へと戻します。しかし、なんらかの原因で、この細胞間液が、うまい具合に静脈やリンパ管に戻れなくなったり、静脈やリンパ管の流れが滞ってしまったりすると、そこで細胞間液も留まってしまい、むくみの原因へと繋がるのです。むくみの原因とはむくみが引き起こされる原因はさまざまです。長時間の立ち仕事やデスクワークなどで、同じ姿勢をとり続けていると、重力などが原因で朝履いた靴が夕方きつくなってしまうようなむくみを引き起こすことがあります。また、締め付けのきつい下着や衣服、ベルトなどは血流を妨げてしまうので、その部分がむくみやすくなる原因にもなります。むくみの原因は重力や身につけている衣類だけではありません。なんらかの病気が原因となってむくみの症状がひきおこされている場合もあります。その場合は、原因となっている病気によって、対処法も変わってくるので、まずは、専門の医師に相談のうえ、原因を明らかにし適切な治療をおこなうことが非常に大切です。むくみと腎臓の関係とはむくみの症状が引き起こされる病気で一番多いといわれているのが腎臓の病気です。腎臓の病気によるむくみは、「腎性浮腫」といわれ、足だけでなく全身に起こります。また、このむくみは腎臓の病気にとって、かなり重症化したサインでもあり、病気がかなり進行していないと腎性浮腫はひきおこされないといわれています。腎性浮腫の原因とは腎臓は、身体の中の水分量を調節したり、老廃物を尿として排出したりする機能を持っています。しかし、病気によってその機能が破壊されてしまうと、余分な水分やナトリウムなどを排出できず、身体に留まってしまいます。この排出できなかった水分や老廃物がむくみを引き起こすことになります。むくみを引き起こす腎臓の病気とは腎臓の病気でも、むくみを引き起こすものとそうでないものがあるといわれています。タンパクを排出するネフローゼ症候群身体の中の老廃物を排泄してくれる腎臓では、毛細血管のかたまりである糸球体(しきゅうたい)が血液の濾過(ろか)装置として機能し、老廃物のみを取り除く仕組みになっています。しかし、この糸球体になんらかの障害が起き、血液中にあるタンパクが大量に濾過されてしまい、尿と一緒にタンパクを排出してしまうことで、血液中のタンパクが減る低タンパク血症で、むくみなどの症状が引き起こされるのがネフローゼ症候群です。低タンパク血症で、血液中のタンパクの量が減ってしまうと浸透圧の関係で血液中の水分などが血管の外へと染み出します。その血管の外に溜まってしまった水分などがむくみとなるのです。ネフローゼ症候群の原因はさまざまで、むくみの症状も、原因や排出されてしまったタンパクの量、年齢などで変わってくるといわれています。少しずつ症状があらわれる場合もあれば、急にあらわれる場合もあり、その原因は、腎臓から組織の一部をとって検査をする腎生検で判明することが多いのです。糸球体腎炎腎臓内の濾過装置である糸球体に炎症が生じ、血尿やタンパク尿が出てしまう症状を糸球体腎炎と呼びます。これには急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎の2種類があり、急性糸球体腎炎の場合は、扁桃炎や咽頭炎などの1〜3週間後に発症するといわれています。むくみのほか、血尿、タンパク尿、尿量の減少、高血圧の症状があらわれます。慢性糸球体腎炎は、1年以上の長期に渡って血尿やタンパク尿などが続くものを指します。急性糸球体腎炎と同じく、むくみ、血尿、タンパク尿、高血圧の症状に加えて、頭痛や倦怠感などの症状もあらわれます。腎臓の働きが低下する腎不全健康な腎臓に比べてその働きが、30%以下にまで低下してしまった状態が腎不全になります。腎炎などで糸球体の細かな網目が詰まってしまい、血液の濾過が十分にできなくなり老廃物を排泄しきれなくなることで腎不全となります。腎不全になると、尿の出が悪くなるだけでなく、全くでなくなったりするため、身体に水分が溜まりむくみとなります。慢性腎不全になると、腎臓の機能を完全に回復するのは不可能ともいわれています。末期症状まできてしまうと、腎臓の機能が低下しすぎて、生命維持にも関わってくるため、腎臓の働きを補うための人工透析や、腎移植が必要となります。ひどい場合は病院へ立ち仕事やデスクワークなどが続くと、むくみの症状はあらわれやすくなるため、少しぐらいのむくみなら、と気にしなくなりがちですが、むくみの裏にはさまざまな病気が隠れている場合もあります。気になるときは、迷わず専門の医師に相談しましょう。監修:川端久雅
2017年04月30日こんにちは、こじらせ美容オタク家のともです。妊娠中は自分のかわいい赤ちゃんと一体感を得られるという幸せな時期でもありますが、その一方で大変なこともたくさんあります。その大変さを理解してくれない夫を見ていると、「男だけ妊娠・出産を経験しないなんて不公平だ」と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、世の夫たちは妻のそんな思いを全く感じてない、というのも事実で、「俺は妊娠・出産できないから関係ない。全部任せるね〜」的な態度を取ってしまう人も多いものです。ただでさえ妊娠中でホルモンバランスが乱れているのに、夫から理解のないイラッとする言動を取られると、ストレスが爆発してしまいます。ということで、今回は妊娠中に言われてイラッとした夫の言動についてお話しします。●(1)「つわりは病気じゃないから大丈夫」『つわりのツラさは出産より壮絶だった。出産はどんなに長くても何日かで終わるけど、つわりの最中の終わりのない地獄で生きているような毎日を思い出すと次の出産に踏み切れない。そしてつわり中、あんなに愛していた旦那に「つわりは病気じゃないし、大丈夫(笑)」と言われ、殺意を抱いたことは今だに思い出す』(20代女性/事務)現代でもミステリー感が払拭できないのが“つわり”。ホルモンバランスの影響から、とは言われているようですが、まだまだ全てが仮説の領域。“つわりが全然なかった”というママもいるため、「あの人はそんなに大変そうじゃなかったのに、そこまでつらいなんて大袈裟なんじゃない? 」と思ってしまう夫もいます。しかし、実際はつわりの強さは人それぞれで、あまりの苦痛に死にたいと思う人だっています。そこまで極端でなくても、ニオイがキツくて冷蔵庫の扉が開けられない、お風呂の湯気すら無理……など日常生活の端々で苦痛を感じている人もいるのです。それなのに、つわりで苦しんでいる妻に「病気じゃないんだし」と言ってしまうのは禁句中の禁句!病気じゃないからこそ理解を得づらく、苦しんでいるということを理解しておきましょう。●(2)「太りすぎ」『「太りすぎたらダメ」なんて産院で耳タコになるぐらい言われている。その上旦那から「太った?顔がまるまるしているよ〜」なんて、お前が一度経験してみろ、って言いたくなる』(30代女性/主婦)「ちょっと太りすぎ?」「顔がパンパンしてる」と軽い気持ちで言う旦那。そもそも妊娠中に太るのは当たり前で、ある程度は太らないとそれはそれで危険なのです。ただ、やはり太りやすくなる時期(水を飲んでも太る人もいる)でもあるので、想像以上に太っていく妻にびっくりする夫は多いかもしれませんね。そんなときでも、妻は産院で毎回体重を測って太っていることは重々承知なので、あえて「太り過ぎじゃない?」などは言わないようにしましょう。自分で「太り過ぎかも……」と悩んでいるときに指摘されると「お前も妊娠中の体重管理のツラさを味わってみろ 」と怒りが湧くものです。●(3)「女の子/男の子が産まれてきてね〜」『妊娠初期から毎日「女の子が産まれてきてね〜」とお腹に話しかけられる。悪気はないかもしれないけど、言ったからってそうなるワケでもないし、産み分けなんて私のコントロールできる範囲でもないのでただのプレッシャーでしかない』(20代女性/パート)「俺は絶対男がいい、一緒にキャッチボールとかしたい」とか「女の子がかわいいからやっぱり女の子がいいな〜」とか性別に対する希望をしつこく言うのもNG 。もちろん、ある程度はお互い性別の希望はあるでしょうが、「絶対にこっちがいい」という押し付けは全くもって無意味であり、そもそも性別なんて自分でコントロールできるものではありません。希望はあったとしても、「母子ともに健康に産まれてくれたら性別はどっちでもいい」と言ってくれるのが優しさというものです。●(4)飲み歩く『妊娠したら少しは飲み歩く回数が減るかと思っていたら、全然変わらず毎晩遅い夫。このまま出産しても変わらなかったら、と思うとゾッとする』(20代女性/産休中)妊娠したというのに独身のときと変わらず飲み歩く夫……。つわりのときの酒の匂いは毒殺されるかのような気持ちにしかなりませんし、そもそも「もしかしたら子どもが産まれてもコイツはこのまま変わらないのではないか? 」と妻側も不安になってしまいます。妊娠中の妻がいるのに、毎晩飲んで遅く帰ってきて体調を心配する様子もない、ではやはりダメ。子どもができる前から“パパとしての自覚”を少しは見せてくれないと、妻にとっても不安要素にしかなりません。妊娠・出産は女性にしかできないものだからこそ、夫側は感謝の気持ちが必要なのです。思いやりの気持ちを常に持ち、産まれてくる赤ちゃんためにも妊娠中もラブラブな夫婦で過ごせることが理想ですね。●ライター/とも(こじらせ美容オタク家)●モデル/神山みき(れんくん)
2017年03月29日日本の国民病というべき病気、癌。以前は不治の病とされていましたが、現在は早期発見早期治療を行えば治すことも可能になりました。それだけに、変調を感じたらすぐに病院にいくことが重要。また、複数の医師から意見を聞くセカンド・オピニオンも早期発見にとっては大事な要素といえます。しかし、わかっていてはいても1回目の病院で「異常なし」といわれれば安心してしまい、別の病院にいくことをやめてしまうもの。安心しきってしばらく過ごしたものの、違和感や痛みがひどくなり2回目の病院検査を受けてみたら、医師から「かなり重篤な癌です。もう少し発見が早ければ」と告げられた。この場合初回の検査を担当し、「異常なし」の結論をだした医師を提訴したくなります。はたしてそのようなことは可能なのでしょうか?医療問題に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士に意見を伺いました。 Q.2回目の検査で重篤な癌が判明した場合、1回目で「異常なし」の判断をした医師を訴えることができる?*画像はイメージです:提訴に踏み切るには十分な事前調査が必要です。「単純な見落としなのか、結果論からすれば初回検査時から癌があったと言わざるを得ないが、初回検査時の発見は難しい状況だったのか、などが問題となります。実務上は、いきなり提訴の前に、まずカルテを取り寄せるとともに、患者側で医療事件を扱っている弁護士に相談し、病院側の考えを聞くところから始めるのが通例です。提訴となると、『初診時に既に癌を発症していたので**の検査をやればわかったはず』『**の検査結果は“癌”と評価すべき』等、医学的知見を立証する必要があるので、医学文献や第三者医師に意見をもらうなど、その点の準備も必要になってきます。医療訴訟は専門的な知見の立証などが必要になり、単純なミスに見えても『医療機関側が専門的な見解では**』と反論するかもしれず、その場合の再反論の手立てなども考えておく必要があり、事前の調査が大事と思います。また、仮に裁判で“ミス”を立証することはなかなか難しいかもしれないという場合でも医療ADRなどで話合いの場を持つことはあり得るところです。医療訴訟での原告(患者)側勝訴率は高いとは言えず、提訴に踏み切るには慎重な検討を要するところです」(伊東弁護士) 簡単に「納得がいかないから提訴」という訳にはいかず、弁護士や第三者医師などの意見を十分に聞いたうえで慎重に検討する必要があるようです。できれば検査段階で複数の病院に通い、多くの医師に意見を聞いておきたいところですね。 *取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年02月17日【ママからのご相談】第二子妊娠中です。上の子が幼稚園に通いだし、いろいろ病気をもらってくるのでこちらもうつらないかヒヤヒヤしています。妊娠中に気をつけなければいけない病気は風疹以外にもあるのでしょうか?●A. 風疹以外にもたくさんあります! 検査と予防が大切。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターの横山かおりです。普段から感染症にはかかりたくないですが、妊娠中はさらに要注意ですね。今回は妊娠中にかかると危険な感染症について、都内小児科に勤める40代の女性医師に聞いてきましたのでご紹介します。●代表的な『風疹』妊娠中に気をつけたい感染症で有名なのは『風疹』です。なぜこれが有名なのか?医師に聞いてみました。『妊娠20週ごろまでに風疹に感染すると、胎児が“先天性風疹症候群 ”という病気になる可能性があります。母体の風疹抗体があることが重要ですが、父親である夫が感染する可能性も。1979年4月1日以前に生まれた男性は風疹の予防接種を受けていません 。家族で風疹にならないように予防接種をしておくことが大切です』ちょうどいま父親になる世代で、風疹の予防接種を受けていない人が多いということですね。男性にも抗体があるかしっかり調べましょう。●最近話題の『ジカ熱』最近海外で話題にのぼることが多かった『ジカ熱』についても伺いました。『ジカウイルスをもった蚊に刺されると感染する“ジカウイルス感染症 ”。中南米や東南アジアで多く感染者が出ていますが、日本国内でも海外で感染し発症した人がいます。症状は発熱、頭痛、関節痛、結膜充血などです。胎児に感染すると、“小頭症 ”の症状が出ると言われているので、妊娠中の女性は注意が必要です。治療薬やワクチンがない ので、予防に徹するしかありません。流行地へ行くことを避け、夫が仕事で流行地に行くことがあった場合、夜の営みはしばらく控えるようにしましょう』ジカ熱は感染しても発症しないことがあると言います。なってしまってからでは遅いので、とにかくかからないように気をつけるのみですね。●他にも妊娠中に気をつけたい感染症はこんなにある他にも気をつけたほうがいい感染症について医師に聞いてみると、こんなにピックアップしていただきました。●おたふくかぜ妊娠初期に発症すると流産率 があがる。●梅毒妊娠中に感染すると流産、死産 の確率があがる。無事生まれても先天梅毒 の可能性が。●りんご病妊娠中に感染すると胎児が心不全 を起こしたり流産 したりすることがある。●性器クラミジア感染症母体が感染していると出産の際胎児が産道を通るとき母体から感染し、結膜炎や肺炎 を起こすことがある。●トキソプラズマ感染症妊娠中に母体から胎児に感染すると流産、死産、水頭症 の可能性が。生肉摂取を控え、野菜や果物もよく洗うことが大切。----------どこかで聞いたことがあるような感染症ばかりですね。このような感染症にならないために、事前に抗体があるか調べておくことが必要です。抗体がない場合は妊娠前にワクチンを受けておくようにしましょう。また、「これって感染症?」と思うような症状があった場合、すぐに婦人科には行かず電話で伝えてから受診する ことが大切です。他の妊婦さんに感染させないように心がけましょう。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)
2016年08月28日●PMS・月経不順・無月経などの生理トラブルに注意20代は、体の機能も若く体力に満ちた時期。しかし、決して病気と無縁というわけではありません。若い女性の場合、知識がないためにトラブルや病気を見過ごして重症化することも多いので、特になりやすい病気の基礎知識だけでも身につけておくことが大切です。○将来の妊娠にも関わる生理トラブルまず20代の女性に気をつけてほしいのは、次に挙げる生理に関するトラブルです。・月経前症候群(PMS)生理の3~10日ほど前から生理が始まるまでの間に起こる、心身の不調のこと。イライラや気分の落ち込みといった精神的な症状が出る人もいれば、頭痛や吐き気などの肉体的な不調となって現れる人もいます。ピルの服用によって症状が緩和するケースもあります。・月経困難症仕事や家事が手につかないほど生理痛がひどい状態のこと。そのうち、原因に子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が絡んでいるものを「器質性月経困難症」、特に病気がないのにホルモンの影響で強い痛みが起こるものを「機能性月経困難症」と言います。特に後者は、10・20代の若い女性に多い病気ですが、通常は、加齢や出産によって徐々におさまっていきます。・月経不順生理が2カ月に一度しかこない、周期がバラバラで安定しない、ダラダラと長く続くなどの症状を「月経不順」と呼びます。主な原因は、ホルモンバランスの乱れ。体が未熟な10代で生理周期が乱れるのはよくあることですが、20代で起こる場合、恋愛や仕事のストレス、無理なダイエットが原因でホルモンバランスが崩れている可能性があります。・続発性無月経それまであった生理が3カ月以上止まってしまうことを「続発性無月経」と言います。何らかの原因で、脳の視床下部や下垂体、または卵巣の機能が正常に働いていない場合に起こります。特に若い女性に多いのは、ストレスや過労のほか、過激なダイエットによる栄養不足が原因で体の機能がストップしてしまうケースです。上記のような生理に関するトラブルがある場合、原因として子宮や卵巣の病気が絡んでいることも考えられます。原因不明の場合でも、放置すると、将来の不妊の原因になる可能性も。「よくあること」と見過ごさず、早めに婦人科で相談しましょう。●20代でも子宮・卵巣の病気が増えている生理のトラブルのほか、次に挙げる病気にも注意が必要です。・卵巣のう腫子宮や卵巣の病気の中でも、10・20代の若い世代に多発しているのが、卵巣にできる良性腫瘍(しゅよう)である「卵巣のう腫」です。初期には自覚症状がほぼありませんが、腫瘍が大きくなると、下腹部にしこりができ、違和感やお腹の張りを覚えることもあります。また、腫れた卵巣がねじれを起こし(卵巣茎捻転)、激しい痛みが生じる場合もあります。・子宮内膜症「子宮内膜症」は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にでき、炎症や癒着を起こす病気です。それによって、ひどい生理痛や経血量の増加といった症状を引き起こします。初潮から年数を増すごとに増加する傾向があり、発症のピークは40代ですが、20代でかかる人も少なくありません。・バセドウ病「バゼドウ病」は、首にある甲状腺という器官から出る甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気で、特に20・30代の若い女性に多い病気です。甲状腺ホルモンには新陳代謝を促す働きがあるため、多すぎると代謝が異常に活発になり、体のかゆみや口のかわき、甲状腺が腫れる、脈拍数が多くなる、食べているのにやせてくる、眼球が出てくるなどの症状が現れます。甲状腺の病気にはほかに、甲状腺ホルモンが少なくなって代謝が低下し、疲れやすくなったり、むくみや体重増加などの症状が出たりする「橋本病」という病気もあります。・子宮頸がん女性特有のがんの中でも、近年、20代の女性の間で増えているのが「子宮頸がん」です。子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできる悪性腫瘍。その発生には、主にセックスを介してうつる「HPV(ヒトパピローマウイルス)」が関係していると考えられています。通常、初期には症状がまったくなく、進行すると、生理以外の出血、セックスの際の出血、おりものの変化などの症状が出ることがあります。重症化すると命に関わりますが、検診などで早期に発見できれば、比較的治療しやすいがんだと言えます。20代女性がなりやすい病気には、自覚症状がないものや症状がわかりにくいものも多いので、早期発見のためには定期的な検診が不可欠です。ぜひ20代のうちから、気軽に通えて相談しやすい、かかりつけの婦人科を見つけておきましょう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2016年06月28日妊婦から血液を採取して、胎児の先天性異常を診断することができる『新型出生前診断(NIPT)』が大きな注目を集めています。従来の出生前診断と比べて、・早期(妊娠10週前後)に診断できる・母体への影響が軽減される・診断の精度が80〜90%と非常に高いなどの利点があり、より確実に胎児の先天性異常を発見することができるようになっています。しかし、その一方で問題視されているのが、『NIPTコンソーシアム』(新型出生前診断を実施している病院グループ)が発表した「出生前診断で異常が発覚した場合の中絶率は96.5%」というデータ。これを受けて、「出生前診断を受けることは命の選別であり、道徳に反する」という批判が数多く飛び交っています。人によって正解が大きく異なる難しい問題ではありますが、実際にママたちはどう考えているのでしょうか。そこで今回は、パピマミ読者のママに「出生前診断で子どもに異常が出たらどうするか」というアンケートを取ってみました!●出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?■出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?・1位:そもそも診断を受けない……47%(150人)・2位:中絶する……42%(134人)・3位:事実を受け入れて産む……10%(32人)※有効回答者数:316人/集計期間:2016年4月27日〜2016年4月29日(パピマミ調べ)●『そもそも診断しない』が約半数『たとえ異常が見つかっても絶対に産むから診断なんて意味ない』(20代ママ)『子どもは天からの授かり物。それを選別するなんて非人道的な行為 です』(30代ママ)多くのママに共通して見られたのは、「どんな結果であっても産むから診断は意味ない」という意見でした。たしかにそういうママにとっては、事前に異常を知っても不安に思う期間が長くなるだけですよね。深刻に悩んでいるうちに体に大きなストレスがかかり、赤ちゃんに悪影響があるという見方もあります。また、出生前診断は35歳以上の高齢出産ママを対象に行われるため、「妊活で苦労の末授かった命を大切にしたい」という人、「異常と診断されると中絶しそうだから受けない」という人もいました。出生前診断を受けないということは、「わが子を産む」という強い意思表示 とも取れますね。さらに一部コメントでは、出生前診断を受けることを「罰当たり」などと厳しく批判するものもありました。●『中絶する』という人は約4割『正直ダウン症と診断されたら、育てていける自信がない。子どものためにも中絶してしまうかも……』(30代ママ)『私が生きてる間はいいけど、死んだら誰が面倒みてくれるの? っていう不安があるから』(30代ママ)『中絶する』と答えた方の多くは、「産み育てる自信がない」という理由で中絶を選択してしまうようです。たしかに障がい児は通常の子どもと比べて育児の苦労が大きいとも言われており、精神的・金銭的な余裕がなければ過酷な家庭環境になる可能性は高いです。しかし、一方では「中絶した罪悪感は一生消えない」 と言われるほど、女性のわが子への愛情は深いものです。人によっては「中絶する人は命を軽く見ている」などと批判したりしますが、そんなことは決してないでしょう。本当は産みたいという気持ちを抱えながら、子どもの心情や将来のことを隅々まで考え尽くした結果の答えが”中絶”なのであれば、誰にも責めることはできません。●『事実を受け入れて産む』というママは約1割という結果に自分の子どもに先天性異常が見つかっても、「事実を受け入れて産む」と答えたママは約1割となりました。異常が発覚した場合の中絶率は9割を超えますが、なぜ彼女たちは「産みたい」と思うのでしょうか。『どんな障害が見つかろうと自分の子には命が宿っている。中絶なんてできないよ……』(20代ママ)『むしろ育てがいがある 、そうポジティブに捉えると思います』(30代ママ)コメントを見ていると、もはや理屈ではなく“愛情”を信じて産みたいと思っている人が多いように思います。金銭的に余裕がある、子どもの面倒を見てくれる親兄弟が多いなど、環境によっては決断しやすいこともあるかと思いますが、それでも先天性異常を抱えていると知りながら産む勇気はとても偉大だと言えます。----------あなただったらどんな決断を下しますか?どの選択肢を取るにしても、決して間違った決断ではありません。子を思ってこその判断であれば、全てが正解だと言えます。「異常が発覚したらどうするか」という出生前診断の話は、命に関わる問題であるため、議論をすることが非常に難しいテーマです。しかし、障がい者や中絶をする女性への偏見をなくすためには、一人ひとりがこの問題について真剣に考えていく必要があると思います。家族と、ママ友と、同僚と、この問題についてぜひ討論してみてください。【参考リンク】・【アンケート結果(3択)】出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?()(文/パピマミ編集部・上地)
2016年05月05日妊娠糖尿病(糖代謝異常)とは妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値が高くなったり、血糖値が高い状態が初めて発見されたりなどで、その妊婦さんが初めて糖代謝異常(糖尿病になっていないが、糖代謝が正常の範囲内ではない状態)になることです。明らかな糖尿病とは異なります。糖代謝異常とは、食べたものをエネルギーとして全身の細胞に取り込むインスリンというホルモンのはたらきが正常の範囲内ではなくなっている状態です。インスリンは、食事の後に上がる血糖値を下げるはたらきを持ちます。妊娠時には、血糖値を上げやすいはたらきを持つホルモン(インスリン拮抗ホルモン)などが胎盤で作られたり、胎盤からもインスリンを壊す酵素が作られたりするため、妊娠中期以降にインスリンが効きにくい状態になり、血糖値が上がりやすくなります。通常はすい臓からインスリンを多く分泌することで血糖値が上がらないように調節しますが、必要なインスリンが少ない体質の人や、必要量を分泌することができない人の場合に血糖値が上昇し、糖代謝異常になります。妊娠中に発見される糖代謝異常は、肥満体質であったり、高カロリーな食事を続けたり、強いストレスを感じやすかったりなどさまざまな要因で発症すると言われており、ママとお腹の赤ちゃんの健康にさまざまな合併症が生じます。35歳以上での妊娠である場合や、家族に糖尿病の人がいる場合も、妊娠糖尿病につながる糖代謝異常を起こしやすい傾向があります。また、妊娠前から糖尿病を患っていたり、妊娠時に明らかに糖尿病だと診断されたりした場合は糖尿病合併妊娠と呼ばれます。妊娠初期・中期の、妊娠糖尿病(糖代謝異常)の症状妊娠糖尿病につながる糖代謝異常は、初期では自覚症状はほとんどないと言われています。症状が進行すると、のどの渇き、頻尿、倦怠感や体のだるさなどが症状となって現れます。ですがこれらの症状は妊娠症状にもよく見受けられるため、妊娠糖尿病につながる糖代謝異常の自覚として区別されにくいと言われています。また妊娠糖尿病と診断されたり、もともと糖尿病で糖尿病合併妊娠である場合、糖代謝異常が続くことで母子にさまざまな症状が起きたり、合併症が発生しやすくなったりします。妊娠糖尿病や、糖尿病合併妊娠などの糖代謝異常をもつママのリスク巨大児お腹の中で4000g以上育つことを指します。高血糖状態のママから糖を過剰摂取した赤ちゃんはインスリンを多く分泌しており、巨大児になりやすいとされています。巨大児の場合は難産となり、多くは帝王切開となるほか、お産時に赤ちゃんの肩甲骨が引っ掛かり分娩ができなくなる肩甲難産となる可能性があります。肩甲難産では仮死状態出産や骨折、脳や体の神経麻痺などのトラブルを引き起こしたりする恐れがあります。妊娠高血圧症候群高血圧状態が続く疾患です。重症化すると脳出血や肝機能障害などを引き起こします。羊水過多症羊水が増えすぎる病気です。流産や早産、逆子、妊娠中や分娩中に胎盤がはがれる常位胎盤早期剥離などを引き起こします。子宮内発育遅延(胎児発育遅延)赤ちゃんの成長が止まったり遅れたりして、十分に成長できていない症状を指します。新生児低血糖症産前に、高血糖状態のママから糖を過剰摂取した赤ちゃんはインスリンを多く分泌していますが、産後は母体からの糖の供給がなくなるため、低血糖になります。授乳やミルク、糖水などで速やかに血糖値を上げたり治療を行ったりすれば健康に問題はないと言われますが、早期に適切な対処がなされない場合、神経学的後遺症を残す可能性があります。低カルシウム血症血中のカルシウム濃度が低い症状を指します。命にはかかわりませんが、手足のしびれや筋肉のけいれんなどがある場合は治療が必要です。肝臓の機能が低下している場合にも起きる場合があります。多血症血液中の赤血球が異常増加する病気です。血液中の赤血球が多過ぎる状態のことです。血液が濃くなり、毛細血管の血流が悪化してしまうことがあります。その結果、皮膚のかゆみ、目の結膜の充血などのほか、血中に血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性があります。先天奇形中枢神経系、骨格系、心血管系、腎尿路系、消化器系、耳や口など、さまざまな器官で奇形が発生します。もともと糖尿病にかかっている場合は、妊娠初期から高血糖状態が続いたり、血糖コントロールが悪い状態が続いたりする傾向があり、先天奇形が起こりやすくなると言われています。診断の仕方と、診断後の生活について妊娠糖尿病につながる糖代謝異常は、妊娠の早い段階で血糖を計測し、もし血糖値が高いことが分かれば血糖検査(ブドウ糖負荷試験)を行い、結果を見て診断されます。妊娠初期で異常が見られない場合も、妊娠中期にはよりインスリンが効きにくくなるため血糖が下がりにくく、再試験を受けて診断を受ける必要があります。糖代謝異常がみとめられて妊娠糖尿病と診断された場合、主に食事療法で血糖コントロールを行います。健やかな妊娠を維持するのに必要なエネルギーを摂取し、高血糖を起こさない食べ方をするよう管理していきます。血糖値は、食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標とし、エネルギー制限食のほか、一日の食事を4回~6回などに分けて摂る方法などを行います。運動療法も指導されますが、ウォーキングや食後のストレッチや体操を、体調をみながら無理のない範囲で行います。インスリンのはたらきを活発にし、食後高血糖を抑えることができます。場合によっては、赤ちゃんの健康に影響を与えない種類のインスリン注射や、薬による治療が用いられることもあります。もともと糖尿病であったり、糖代謝異常がみとめられて明らかな糖尿病と診断され、糖尿病合併妊娠だと分かったりした場合は、かかりつけ医による治療や血糖コントロールを併用しながら妊娠生活を送ることになります。赤ちゃんの健康に影響を与えない種類のインスリン注射や、薬による治療が用いられることもあります。普段から注意することとは妊娠糖尿病につながる糖代謝異常を予防するには、バランスの良い食生活を送り、食べ過ぎや偏食などを避けることが重要です。妊娠糖尿病と診断されたら、産後すぐでなくても、将来的に糖尿病を発症する可能性が高まります。産後6~12週間後に再び血糖検査(ブドウ糖負荷試験)を受け、妊娠糖尿病が改善しているかの検査が行われます。妊娠中の生活の送り方はもちろん、産後の体質改善も踏まえ、健診医やかかりつけ医の指導のもと、気を付けて付き合っていきましょう。明らかな糖尿病であったり、糖尿病合併妊娠である場合は、あらかじめしっかりと血糖コントロールを行い、糖尿病が引き起こすさまざまな合併症を避ける計画妊娠を行います。ママと赤ちゃんの健康のため、しっかりと管理していきましょう。
2016年04月04日「妊娠したかな?」と思って、まず思い浮かんだのは家族の喜ぶ顔? それとも仕事のこと? 将来、出会う赤ちゃん? これからガラリと生活が変わる予感に、ドキドキしている人もいるかもしれない。そう、妊娠・出産は、女性の転機です!3人の男児を育てるマネーライターの楢戸ひかるが、今後10ヶ月に渡って、月齢ごとに「お金のこと、何を考えればいい?」ということをナビゲーションさせていただきます。 産婦人科に行く前に知っておきたいこと産婦人科で検査をしてもらう前に知っておきたいことは、「妊娠は、病気ではない」ということ。病気ではないので、経過が順調であれば健康保険は使えない。初回の健診時には、健康保険が使えないので、1万円くらいはかかるとみておいたほうが安全だ。検診費は国や自治体の助成が充実「え! 健康保険が使えない?」とビックリしないで! 1回あたり3,000円~5,000円、検査が多いときでは1万円を超える検診費の負担を減らすために、現在はすべての市区町村で14回以上の健診費が助成されている。ただし、助成額は自治体によって違うし、検診費も受診する病院や妊娠の経過によって異なるので、「すべての健診が無料になる」と思うのは危険! まずは、住んでいる自治体の妊婦健診についての最新情報をチェックしてみよう。「妊娠届け」を提出で妊婦健診の受診票がもらえる「どんなかたちで助成を受けられるか?」についても、自治体によって違ってくる。助成のチケット(妊婦健康診断の受診票)に対象となる検査項目が明記されていることが一般的だが、無料券を配布される自治体もある。助成を受ける方法は、妊娠届を出す窓口で説明してもらえるので、遠慮なく聞いてみよう。ここでのポイントは、「受診票もらう前に受けた健診は、さかのぼって助成されない」ということ。それゆえ、できるだけ早く妊娠届を提出するようにしよう。どこで出産するかも考えておくこの時期、もうひとつ考えてみて欲しいのは、「どこで出産するか?」ということ。ちょっと気が早いと思うかもしれないが、「実家に帰るのか、自宅の近辺で生むのか?」はたまた、「総合病院にするのか? 個人病院、助産院にするのか?」といったことは、妊娠初期に決めておくと安心! なぜなら、人気が高い産院は、予約がいっぱいで受付を早々に締め切ってしまうこともあるからだ。(監修:ファイナンシャルプランナー 畠中雅子/文:楢戸ひかる)
2016年04月04日妊娠初期エコーというのは、妊婦に妊娠初期の段階で実施する、超音波検査のことです。超音波検査とは、超音波を発信するプローブを身体にあて、超音波を流し、そこから帰ってくる反射波(エコー)を受診して、コンピューター処理で画像化したものを、モニターなどで見ながら診察するもの。妊娠初期は経膣プローブというスティック状で、膣内へ挿入できるタイプの器具を使用し、子宮内の胎のうや胎児を観察します。高い周波数の超音波が使われ、近位の詳細な画像が得られることが特徴です。これを使って、妊娠6週で1.5cmほどの胎のうを探し、中の胎芽の心拍を確認して妊娠確定をおこないます。妊婦健診では、胎児以外にも子宮や卵巣に異常がないか、子宮内膜の厚さなども調べることがあります。経膣での超音波検査は、おなかの上にあてがう経腹法と違い、排尿後でも検査が可能です。しかし、超音波をあてられる範囲が限られているので、膣から遠くなるほど観察しづらくなるという欠点があります。10cm以上の大きさになると観察できません。みんなどうだった? 妊娠初期の「エコー」の体験談・会社からの帰宅途中に妊娠検査薬を購入しました。微量の出血が続いてたのですぐトイレで妊娠検査薬を使って確認したら、即陽性反応。すぐに病院へ電話して翌日の予約を取って帰宅しました。旦那さんには無事に育っているかを確認してから言おうと思ってたので黙っていました。翌日の夜いきなりエコー写真を見せられた旦那さんは本当に驚いてました。・検査薬にうっすら陽性反応がでて、喜んで病院に行くと、妊娠初期といっても早すぎて、エコーにも袋しか写っていませんでした。10日後にまた来てくださいと言われて、ちょっと恥ずかしかったです。・最近の検査薬は性能がいいので、すぐさま病院に行きたくなりがちですが、早く行ってもまだエコーで見えないとの事で帰されました。ただお金がかかってしまいますので要注意です。・妊娠初期、お医者さんがエコーをみながらマウスで「ココが心臓です。ほら動いているでしょ?」と教えてくれ小さな揺れで心臓がトクトクと動いているところをみて感動し、涙目になってしまいました。・エコーで丁寧に赤ちゃんの様子を教えていただきました。内診室に主人も同席させてもらい夫婦そろって心拍を確認でき感動でした。・エコーにうつらず、子宮外妊娠の可能性があるかもと言われ、次の診察まで不安な気持ちで過ごしました。写ったときは、涙がでました。・妊娠初期にツワリがひどくて脱水症状になってしまいいましたが、エコーで心拍が動いている映像を見て、私も頑張ってツワリを乗り越えないといけないなと感じることが出来ました。 赤すぐ妊娠情報
2016年04月04日病気を抱え、恋愛や結婚を諦めてしまう人もいます。コラムニスト・ひかりさんがそんな悩める女性に対して、アドバイスをします。■病気を理解してくれる人と人生を共にしたい(Aさん・34歳)3年前にブラック企業に転職してしまい、1年半後に無理がたたり精神疾患(双極性障害Ⅱ型)を発症しました。結局は、休職後、退職しました。1年ほど前にやっと医師から就業許可が出て、フルで働けるようになりました。回復したのはよかったのですが、この疾患は完治がなく、最悪な場合、一生薬を飲みながらの生活となります。自分の調子さえ上手くコントロールできず、この疾患に遺伝の可能性もあることから、子どもは諦めています。ただ、できれば恋愛したい、理解してもらえるなら人生を共に歩めるパートナーを見つけたい。でも、病気が病気だけに、なかなか受け入れてくれる人もいないだろうなぁ、と。どう思いますか?■Aさんへの回答私は精神的な病気については知識がないので、それについてはお医者さんとよく相談の上、行動された方がいいと思います。だからここでは一般的な話で言いますが、病気があろうがなかろうが、その人自身に魅力があれば、恋愛や結婚もできる可能性は高いと思いますよ?もちろん、その魅力がなにかは人それぞれ。一緒に話していると、相手の気持ちを楽にさせてあげられるほど、素敵なものの考え方をできるのか。一緒に住む人が、ずっと家にいたくなるほど、掃除が上手でおいしい料理を作れるか。ずっと見ていたいくらい美しいのか。さらに言えば、相手を養えるくらい経済力がある、なんてことも、人によっては魅力かもしれません。もちろん、それ以外のことでもいいでしょうし。Aさんがどんな魅力を持つか、自分の特徴をよく理解して見つけてみては。そして、それを磨いていってみてはどうでしょうか。■“ありのままの自分”を受け止められたい?よく人は、「“ありのままの自分”を受け止められたい」と願います。ただ、その“ありのままの自分”を、自分自身で受け止められているのでしょうか?「自分では受け止められない人を、人には受け止めてもらいたい」というのは、難しい話です。自分でも受け止め、オススメできるくらいの人だからこそ、人も受け止めたくなる、とは思いませんか?自分を受け止めるためにも、「自分のことをよく知る」ことは重要です。そのためにも、「自分の心の声をよく聞き、自己と対話をすること」「自分に嘘をつかずに、自分のいいところも悪いところもきちんと見て、その上で悪いところは責めるのではなく、反省して成長していくこと」といったことが、大事だと思います。自分を責めたところでいいことなんてありません。そのエネルギーがあったら、自分が成長し、変わることに使いましょう。結局は、「どんな思想を持つのか?」が、自分の言動を大きく変えていくものなんですよね。自分を責めるような思想を持っていたら、どんなに健康な人だって心が弱ってきます。まずは自分をもっと大切に、愛してあげてみてはどうでしょうか? それがいい恋をつかむためにも、重要ですよ!■最終回のご挨拶2013年9月から連載していた「ひかりの恋愛お悩み相談」は、今回で最終回となります。人それぞれ、悩みはちがいますが、結局は、「自分」が変われば、「環境」も変わるし、「相手の反応」も変わってくるもの。環境や人のせいにばかりしていないで自分が変わることで状況が好転していくことは結構あるものなんですよね。お悩み相談は、私の公式ブログ 「ホンネのOL“婚活”日記」 で、引き続き募集しています。いままで、どうもありがとうございました。
2016年03月30日こんにちは、ママライターのみいゆです。妊娠は病気ではないと言われますが、人によってはつわりがひどかったり体調が思わしくなかったりと、さまざまな症状が表れます。特に仕事をしている方にとって、妊娠が分かった場合、 「職場にはいつ言おう」「つわりがひどいときはどうしよう」などいろいろと心配事があるのではないでしょうか。今回は女性が妊娠が分かってからの職場での振る舞い方や行動についてご紹介していきましょう。●プレママが仕事をするうえでの心構え4つ●(1)できれば早く妊娠の報告をする妊娠初期は流産するかもしれないというのが一番気がかりですね。そのため職場への報告は安定期を迎えてから、という方もいらっしゃいます。妊娠前とさほど体調の変化も少なく普通に仕事ができる方もいれば、妊娠が分かったくらいからつわりがひどく、以前のように仕事をスムーズにできなくなる方もいます。自分ではコントロールできないため、つわりがピークを迎える妊娠3か月くらいまでには、上司にだけ報告する などしてアピールしておくのも大切なことです。●(2)やれる仕事をきちんとこなす国が定めた労働基準法第六五条に『妊娠中の軽易業務への転換』という法律があります。もし妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならないという決まりです。特に普段は力仕事をしている場合ですと体に負担がかかりますので、座ってできるような軽作業に変更を申し出ることができますね。しかし、妊娠してるからといっていつでも優遇されていては周りの目も気になるところ。今までやっていた仕事にできないものが出てきたら、代わりにできる仕事を率先して探してやりましょう 。そうすれば、具合が悪くて早退やお休みしてしまったときでも、周りの人から不満が出ることはまずないでしょう。●(3)適度に動くことを心がけるいつも座っている仕事やいつも立っている仕事をしていませんか。以前は気にならなかった体勢でも、妊娠してお腹がふくらみはじめると体のあらゆる場所に負担がかかってきます。ここは意識して一時間ごとに座ったり立ったりするなど、適度に体を動かしましょう 。筆者は妊娠中デスクワークをしていて、忙しいのをいいことに長時間座って仕事をしていました。やっと終わったと思って急に立ち上がるとめまいとフラつきで倒れそうに。冬の寒い時期もあって足元はかなり冷えていました。今考えると危険ですので、必ず時間を決めて動くことををオススメします。●(4)効率よく仕事をするクセをつけよう妊娠前は残業をして終わらせたかった仕事も妊娠するとそうもいきません。妊娠しながらのフルタイムの仕事は、自分では気にしていなくても体をとても酷使しているのです。きっと、以前よりも帰宅してからどっと疲れがあふれ出ることがあるでしょう。これが毎日続くと体が悲鳴をあげますし、お腹の赤ちゃんにもあまり良い影響を与えかねません。できれば残業をしないような仕事のやり方 を考えましょう。明日に持ち越せるものは今日は潔く諦める、常に時間を気にしながら、「これをやったら次はあれに取り掛かろう!」など計画を立てながらやると良いですね。効率よくやることにデメリットはありませんし、むしろメリハリがつくことによって、仕事に対する姿勢も良いものに変わっていきます。----------いかがでしょうか。妊娠すると思わぬアクシデントもあるかもしれません。経験していないと妊娠中の女性の体にどんな症状があるかはあまり理解されないものです。そんなときでも気持ちよく仕事をするには、周りの上司や同僚との兼ね合い が大切です。体調の良いときはできることを見つける、体調不良のときは潔く休養を取ること。育児休暇を取る場合、復帰後のことを考えるとなおさらですね。まずは元気な赤ちゃんを産めるように、仕事でムダなストレスをためないよう妊娠期間を乗り越えましょう。●ライター/みいゆ(ママライター)
2016年03月25日こんにちは、齋藤惠です。妊娠中はちょっとした変化にも敏感になってしまうもの。異変を感じたら、すぐにかかりつけの産院や病院へ診てもらうようにしましょう。しかしながら、妊娠は病気ではありません。つわりや便秘、足のむくみや味覚の変化など、体の変化が大きく心配になりがちですが、あまり不安をため込みすぎるのもかえってよくありません。難しいですね。そこで今回は、大葉ナナコさんの著書『体と心にやさしいナチュラルなお産』から、妊婦さんに人気の自然療法を6つご紹介します。プレママの皆さんは、ぜひ日ごろのセルフケアにプラスして取り入れてみてください。●妊婦さんに人気の自然療法6つ●(1)ホメオパシードイツ発祥の『同種療法』 と言われる自然療法です。200年前にハーネマンという医者が唱えた、「症状を発生させる物質は、症状発生時には抑える効果を持つ」という法則を利用して治療を行うものです。英国ではとてもポピュラーで保険診療の対象にもなっているそう。●(2)漢方・東洋医学(中医学)東洋医学は、一人ひとりの体質を細かく見ていく医学で、視診・問診・脈診 などによって不調の原因を探します。漢方は体調不良の際に、生薬の効果で優しく体質改善の手助けをしてくれるので女性にはうれしいですね。つわりのときには『半夏』、冷え性なら『とうきしゃくやくさん』などはご存じの方もいらっしゃるかもしれません。●(3)アロマセラピー芳香療法やアロママッサージなど、香りの効能と植物の精油の持つ力を借りるアロマセラピーは、むくみ、食欲不振、イライラや不安、肩こり腰痛、リラックスのために用いられます。ただ、妊娠中は禁止されているエッセンシャルオイルもあります ので、施術は経験豊富なアロマセラピストか看護師、助産師など医学的知識が豊富な人の判断を仰ぎ、自己流に行うのは避けましょう。●(4)薬膳・食養生薬膳は、『医食同源=全ての食材には身体に良い働きかけや薬効がある』という考え方にそって、その時期の季節や体調に適切な食事を実践するものです。妊娠中の体調・体重管理のためにも食事はとても大切なので、プレママさんは参考になることが多そうですね。●(5)クレニオセイクラルワーク(頭蓋仙骨療法)聞きなれない言葉でしょうか?これはアメリカで生まれた手技療法の一種です。わずか5gほどの圧を手で与え、後頭骨や仙骨の働きを調節し、脳脊髄液の循環を改善すると言われています。逆子 などに効果があるそうです。●(6)母子整体最近はハイヒールを履く生活や歩かない生活などのせいで、骨格がゆがんでいる 女性が急増しています。そのため近年は、助産師が運営している母子整体研究会の骨盤ケアで、妊娠中の腰痛などを解消するプレママが増えているそうです。骨盤のゆがみを治して安全なお産の準備をしたいという方にオススメです。----------いかがでしょうか?試してみたい自然療法はありましたか?ただ、最初にも述べたように、明らかな体の不調を感じたときにはご自身で判断せずに必ず検診先の病院へ相談してくださいね。心にも体にも健康的なマタニティライフをお過ごしください!【参考文献】・『ナチュラルなお産―体と心にやさしい』大葉ナナコ・著●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)
2016年02月22日猫はおしっこの病気になりやすいことは飼い主さんにも広く認知されてきていますが、微妙な言葉の表現に混乱があるようです。細かな違いですが、病気を正しく認識するために、混乱しやすい泌尿器の用語について解説します。○尿路結石、尿道結石、尿管結石の違いこれは解剖の図をみて頂ければ一目瞭然です。尿管は腎臓から膀胱をつなぐ管で、尿道とは膀胱から外にでるまでの管です。そして尿路というのは腎臓から外にでるまで全てを示します。そのため結石が腎臓にあっても膀胱にあっても尿路結石と呼びます。尿道は1本しかないので、結石が詰まった場合はすぐに尿毒症の症状が現れますが、尿管は左右2本あるので片方が詰まっても症状が出ないことがあります。人間の尿管結石は3大激痛の1つと言われるほどですが、猫の場合は必ずしも痛みを伴うとは限らない(または痛みがあっても隠す)ためレントゲンで偶然発見されることもあります。○結石と結晶の違い結晶ができているのと、結石ができているのは大きな違いです。結晶は顕微鏡でしか見えず(尿がキラキラ光ることはある)、結晶が凝集して目に見える結石になります。レントゲンやエコー検査で発見された場合は結石、尿検査で発見された場合は結晶のことが殆どです。基本的には結石の方が強い症状が出やすいですが、結晶があるだけでも膀胱炎の症状が出る猫もいますし、結石があっても全く無症状の猫もいます。結石が見られた場合は詰まると危険なので結石を溶かす治療を行います。猫で頻繁にみられるストルバイトとリン酸アンモニウムマグネシウムは同じものです。ストルバイトは地質学者の名前からとったようです。病気の用語は些細な違いですが、病気の症状や治療法が変わってきますので正確に覚えておくと、病気への理解が深まりますね。■著者プロフィール山本宗伸獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。
2015年06月25日昼間、仕事中に異常な眠気に悩まされている方、疲れがたまっていませんか?今はただの疲れでも、進行するとある病気になる可能性もあります。健康を害し、仕事に支障が出てしまう前に、ちょっとチェックしてみましょう!日中に異常な眠気がある方へ朝起きてもなんだかスッキリ目覚められない、全身がだるくて起き上がりたくない。仕事もすぐに疲れてしまい、異常な眠気が襲ってくる。そんな状態になっていたら、あなたはただの「お疲れぎみ」ではなさそうです。特に、しっかり休みは取っているのに疲れがとれなかったり、日中、極度の眠気に襲われる、もしくは、夜は寝付けず眠りも浅い感じがするといった状態が起きていたりするのであれば、ある症候群が疑われます。「慢性疲労症候群」とは?それは、「慢性疲労症候群」。全身が重く、体を動かせなくなるほどの疲労が半年以上の長期間に及ぶもので、日常生活に支障が出る病気です。しかし、血液検査や内臓の検査をしても一向に異常が見つからないのが特徴で、実際、特に大きな疾患は見られないようです。自分ではただ体調が悪い、疲れ気味と感じているかもしれません。この「慢性疲労症候群」の原因は不明といわれており、日本人のうち約0.3%の人が患っていると推定されています。疲れが改善しないことから、仕事への意欲が低下するなど、精神的にも不調になるといわれています。「慢性疲労症候群」の症状を知ろう慢性疲労症候群の症状としては、微熱や悪寒、のどの痛み、頸部やワキの腫れ、筋力低下、筋肉痛、全身の倦怠感、頭痛、関節痛、集中力・思考力の低下、抑うつ、物忘れ、過眠や不眠などの睡眠障害などがあります。これらの症状が6ヶ月以上続き、全身の検査でも異常が見つからないのであれば、慢性疲労症候群を疑われるといわれています。もし似たような症状があるという方は、早めにお医者さんに相談しましょう。日中に異常な眠気が襲ってくるのは、仕事にも差し障ることなので、できるだけ早めに対処したいものですね。【参考】総合南東北病院「何とかしたいこの疲れ~慢性疲労症候群~CFS」林鍼灸院「慢性疲労症候群と中国鍼灸治療」東京脳神経センター「完治された患者の体験記:慢性疲労症候群が治り日常生活へ復帰」
2015年01月29日毎年、健康診断に行っていても、健康的な生活を送っていたとしても、病気にならないという保証はありません。病気はいつ起きるかわからないからこそ、どんな症状が起きたら病院に行ったらよいのかを把握しておきたいですよね。そこで今回は、海外サイト『TODAY Health』から、気になる症状と疑われる病気について紹介します。■1:肩甲骨の間の鋭い痛み=心臓発作かもしれない心臓発作を起こす人の約30%は、胸部圧迫感が起きていません。女性の場合、肩甲骨の間の痛み、顎の痛み、息切れ、吐き気などもよく起こります。このような症状があれば、注意する必要があります。心臓発作は、突発的な激痛のような感じです。その時は救急車を呼んでください。■2:雷鳴のような頭痛=動脈が風船のように膨らんでしまう、動脈瘤かもしれないみなさんも、多少の頭痛は経験がありますよね。通常であれば頭痛薬を飲めば痛みもなくなるはず。しかし、今までにない強い頭痛で、突然発症するような場合は、救急車を呼ぶようにしてください。決して自分で運転して病院に行かないようにしてくださいね。■3:右下腹部の鈍い腹痛=虫垂炎かもしれない虫垂炎は、一般的には盲腸とも言われています。虫垂炎の痛みは通常、腹部中央から始まり、徐々に右に移動します。もし虫垂が破裂すると、危険な合併症を起こすこともありえるので要注意です。■4:目を覚ますほどの歯痛=歯ぎしりかもしれない常習的な歯ぎしりは、神経が炎症を起こしたり、歯のエナメル質が削れたりしてしまう可能性があります。歯医者に行き、問題を解決しましょう。就寝中にナイトガードと呼ばれる歯ぎしり防止のマウスピースを使うことで、歯ぎしりを防ぐことができます。■5:発熱を伴う中背部痛=腎臓の感染症かもしれない発熱、吐き気、背部痛があるときは、おなかの虫のせいだと決めつけないでください。それは腎臓の感染症かもしれません。治療としては抗生物質が適しているため、医者に連絡を取りましょう。■6:薬を飲んでも効かないほどの生理痛=子宮内膜症かもしれない子宮内膜症は、子宮内膜が子宮内腔以外の場所に発生・増殖する病気です。もし、生理痛のときに市販の薬を飲んでも効果が無い場合、この症状が原因かもしれません。ひどい生理痛を持つ女性は、子宮内膜症の可能性もありえます。■7:ふくらはぎに痛みを感じる=深部静脈血栓症かもしれない深部静脈血栓症は、エコノミークラス症候群と呼ばれることもあります。経口避妊薬を飲んでいる人や、長時間車や飛行機に乗った人がなりやすいといわれています。もし長時間、車や飛行機で移動する場合は、1~2時間ごとにストレッチをしたり、歩いたりしましょう。また水分を飲み、脱水症状にならないようにしてください。……以上、7つのサインをご紹介しました。体調が悪くなっても、「今は仕事が忙しいから」「いつか行こう」と理由を付けて、病院に行くのを先延ばしにしている人はいませんか?またインターネットで自分の症状を検索し「これなら大したことない」などと安心して、そのまま放置する人もいますよね。しかし体調不良の状態を放っておくと、症状がだんだん悪化していく可能性もあります。もし自分の体に異変を感じたら、早めに病院へ行き診断してもらいましょう。(文/椎名恵麻)【参考】※7 pains you should never ignore-TODAY.com
2015年01月27日COPDという病気をご存じですか。最近では、有名歌手や高名な落語家もこの病気にかかっていることが報道されています。COPDは40歳以上の喫煙者に多く、ヘビースモーカーほどリスクが高い。つまり、喫煙者には誰にもリスクがある病気なのです。「タバコ病」と呼ばれるCOPDについて、順天堂大学名誉教授の福地義之助先生にうかがいました。○つらい「息切れ」。正常な呼吸ができなくなる!前出の落語家が、酸素吸入器をつけ、車いすで移動している様子がテレビ番組で紹介されていました。「呼吸が苦しい」と言ってかなり辛そうでしたが、COPDとはどんな病気なのですか。「COPDとは、Chronic(慢性的)Obstructive(閉塞性の)Pulmonary(肺の)Disease(病気)の略で、日本語では『慢性閉塞性肺疾患』です。“閉塞性”とはどういうことかというと、気管支の壁に炎症がおき、たんなどで空気の通り道がふさがれたり、気管支の先にある肺胞が壊れてしまい、正常な呼吸ができなくなるのです。『慢性気管支炎』や『肺気腫』と呼ばれていた病気の総称です」「正常な呼吸ができない」状態とは?「肺をゴム風船にたとえるとわかりやすいです。ゴムには弾性があって空気を入れると膨らみ、口を離すとシュッと空気が出ますね。COPDになると肺が古い風船のようになって弾力が弱くなり、新しい風船のようにシュッと早く息が出ない。縮み方も遅く、全部縮み切らず、肺の中に空気が残ってしまう。一言でいえば、息を早く吐こうと思っても吐けなくなります。誰でも階段、坂道を上ると普段より息がはずみますね。COPDでは息を吐くのに時間がかかるから、吐ききらないうちに次の息を吸わなければならない。試しに息を半分吸って止めて。そこからもう一度吸ってみてください。苦しいでしょう。それが歩くたびに積みかさなる。それがCOPDの代表的な症状『息切れ』です。繰り返されるうちに、肺は古い空気でいっぱいになり、新鮮な空気が入らなくなります」実際やってみると、実に苦しいのです。息を吐けないということは吸えないということでもあるのだ、と気づかされます。で、この息切れが、COPDの初期症状の重要なサインなのです。「息切れを年のせいと思い込む人も多いのですが、昨年は何ともなかった人が年のせいだけで息がきれるようにはなりません」○肺だけでなく、全身の病気でもあるでも、人間が生きていくのに、酸素は不可欠。新鮮な空気が入らないのは、体にとってかなり危険な状態ではないかと思うのですが…。「ええ、COPDが進んで血液中の酸素濃度が低下すると、体内でも特に酸素をたくさん使う脳や心臓を始め、全身の臓器が影響を受けます。同じ喫煙者でもCOPDの人では、動脈硬化が進み、2型糖尿病、骨粗鬆症、消化性潰瘍、逆流性食道炎、うつ病のリスクが高くなります。認知症もおそらくそうでしょう。COPDは肺の病気ですが、全身の病気でもあるのです」このCOPDは、進行すれば24時間酸素吸入装置を使う「在宅酸素療法」治療を受ける必要があり、生活は大きく制限されます。しかも、最重症のステージ4になると、5年後の生存率は約40%と、命にかかわる病気でもあります。実際に、COPDは2013年の男性の死亡原因の8位に入っているのです。○原因の95%がタバコの煙。受動喫煙にもリスクが現在、日本には40歳以上の8.6%、530万人のCOPD患者がいると推定されています。この数字は、福地先生たちが行った大規模調査(2001年発表)によるもの。福地先生たちが全国の40歳以上の約2600人に協力してもらい、呼吸機能検査を行ったところ、8.6%にCOPDが疑われる異常が。何とその95%が喫煙者だったことが、COPDが「タバコ病」と呼ばれるゆえんだそうです。「タバコの有害なガスは肺の気管支や肺胞の細胞に炎症を起こすのです。大気汚染の影響もありますが、先進国ではタバコが主たる原因です」どのくらい喫煙歴があるとCOPDのリスクがあるのですか。「1日の本数×喫煙年数で表す『喫煙指数』というのがあります。400(1日20本×20年)以上の人がCOPDになるリスクは20~30%。800以上はハイリスク。1200の人はほとんど既にCOPDだと考えてよいと思います。個人差がありますので、200で発症する人もいます」ちなみに、COPDはタバコの煙による肺の炎症だから、吸っている本人だけではなく、同じ室内で煙を吸う人にもリスクがあります。つまり、受動喫煙でもリスクはあるのです。その理由を、福地先生は次のように説明します。「たとえば、タバコを室内で吸っている人が1人いれば、屋外に注意報が出ているときのPM2.5よりももっと高い濃度になります。喫煙者がいる家庭といない家庭の室内のPM2.5平均濃度には約10倍の差があります」○きれいな肺に戻るには3年。なるべく早く禁煙を自分と家族や周囲の人をCOPDから守る最も効果的な方法、それは「禁煙」。福地先生は、「少しでも早く禁煙を」と訴えます。「禁煙によって、室内のPM2.5を平均して約60%も減らすことができます。既に初期症状が始まっている人も、禁煙後、半年程度でせきや痰は減りはじめます。炎症のない、タバコを吸わない人に近い肺に戻るには3年くらいかかるので、少しでも早く禁煙してほしい」福地先生は「美肺延年」という言葉で、禁煙を呼びかけています。タバコを吸わない、きれいな肺は寿命を延ばす、という意味だそう。「30代でタバコをやめれば寿命は6年延びるし、60代でやめても3年伸びます。タバコをやめるのは早ければ早いほど寿命は延びますが、年をとってからでも禁煙の効果はあります」以前は「治らない病気」と言われていたCOPDですが、今は薬物療法や呼吸リハビリテーションなどの治療で、軽症のまま進行を抑えられる可能性も。COPDの初期はレントゲン撮影では見つかりにくいのですが、スパイロメーターという機器を使った呼吸機能検査を受ければすぐに診断できます。息切れが気になり始めたら、すぐに呼吸器科を受診して検査を。
2014年12月18日仕事中の異常な眠気。今寝てはいけないと分かっていても、どうしてもタイミング悪く眠気が襲ってくることはあるものです。大事な会議中などに寝てしまわないように、日頃からどのような対策をすればいいのでしょうか。それにはまず、その異常な眠気の程度を知ることが必要です。仕事中の異常な眠気病気の可能性は?昼間の異常な眠気には、病気が潜んでいることがあります。しかし、「ただの寝不足だろう」と特に重大なことと捉えていない方も多いのではないでしょうか。そこで、もっと自分の眠気を客観的に知ることのできる方法を紹介します。それは、眠りに関する尺度を利用することです。簡単にいえば、眠りや生活習慣についての簡単な問いに答えていき、その合計点数によって自分の眠気の程度を把握するというものです。過眠症をはかる尺度エップワース眠気尺度眠気をはかる尺度としては、エップワース眠気尺度と、スタンフォード眠気尺度が挙げられます。エップワース眠気尺度とは眠気について調査するもので、8つの設問に対して、「ない」は0点、「時々ある」は1点、「よくある」は2点、「いつもそうだ」は3点と、点数をつけていき、合計します。問いは、読書やテレビ、映画館、会議中、車の中、人と話しているとき、昼食後などに眠ってしまうかどうかを問う内容になっています。合計点数が11点以上の場合、何かの病気が疑われます。しかし、自分ではなかなか判断ができないので、家族に協力して評価してもらうのがいいようです。スタンフォード眠気尺度とは?一方、スタンフォード大学で作成されたという眠気の自己評価尺度であるスタンフォード眠気尺度は、次の7つの状態のうち、どれがもっとも自分の眠気に近いかを選ぶことで、自分の状態が分かるというものです。・やる気があり、活発で、頭がさえていて、眠くない感じ【点数1】・最高とはいえないまでも、頭の働きが活発、集中していられる【点数2】・くつろいで起きているが、どちらかというと少し頭がぼんやりし反応が悪い【点数3】・すこしぼんやりしていて、何かしたいと思わない【点数4】・ぼんやりしている、集中していられない、起きているのが困難【点数5】・眠いので横になりたい、ぼうっとしている【点数6】・まどろんでいる、起きていられない、すぐに眠ってしまいそうだ【点数7】点数が日中、慢性的に3点以上のときがある場合、過眠症の可能性も考えられます。1~2点であれば覚醒状態は良好、2点以上は睡眠不足を抱えている指標になるようです。これらの眠気尺度を試してみて、ちょっと異常な数値だと思ったら、早めにお医者さんに相談しましょう。Photo by 19melissa68
2014年11月22日協和発酵キリンはこのほど、妊娠中の女性特有の病気である「妊娠糖尿病」の病気の症状や原因、リスクの現状について明らかにした。厚労省によると、日本国内で糖尿病と糖尿病予備群の総数は2,050万人と推計されている。糖尿病患者の増加とともに、最近増えているのが「妊娠糖尿病」である。妊娠中は胎児に糖を与えるため、母体はインスリンが効きにくい状態になる。食生活や生活習慣に気をつけていても、糖のバランスが取れず血糖値が高くなり、軽度の高血糖をきたすことがあるという。妊娠糖尿病の診断基準は2010年に大きく変化し、世界共通の診断基準が提唱された。現在、「妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である」と定義されている。妊娠糖尿病の罹患(りかん)率は、全妊婦の10%前後だという。妊娠中に血糖のコントロールができなくなる状態が続くと、早産や尿路感染症、妊娠高血圧症候群、羊水過多症などのリスクが上昇。また、胎児が巨大児になり難産となったり、出生後の赤ちゃんが低血糖を起こしたりする可能性も高くなる。同社では妊娠糖尿病になりやすい主なリスクファクターとして、「糖尿病の家族歴」や「肥満」「35歳以上の高年齢」などを挙げている。「巨大児分娩既往」「原因不明の習慣流早産歴」「原因不明の周産期死亡歴」「先天奇形児の分娩歴」を持つ場合も注意が必要だ。「尿糖強陽性または2回以上反復する尿糖陽性」「妊娠高血圧症候群」「羊水過多症」も罹患するリスクが高いとのこと。妊娠糖尿病は、定期的な検診と適切な治療で血糖値を管理していくことが重要となる。出産後には血糖値は元に戻るが、将来、糖尿病を発症するリスクが高いことが報告されている。
2014年11月18日日中、頭がぼーっとして仕事にならないということはありませんか?異常な眠気を伴うときは、脳疲労の可能性があります。この脳疲労の原因やメカニズムを知れば、自らの対策に役立てることができます。異常な眠気、頭がぼーっとする原因は?仕事中に襲われる異常な眠気。どう対処していますか?眠気がそれほど強くないときも、頭がぼーっとしてしまうことってありますよね。そんなとき、脳はある状態に陥っている可能性があります。それは、脳疲労。過剰なストレスが長時間続くと、脳の働きが低下するといわれているのです。この脳疲労の原因といわれているのがアンモニアです。脳は酷使し続けると、アンモニアが大量に発生し、脳にどんどんたまってしまうのだそうです。アンモニアは、脳を酷使するだけでなく、イライラすることによってもたまってしまうそう。アンモニアは体にとって毒です。それがどんどんたまっていくなんて、想像しただけで恐ろしいものですね。アンモニアでやる気が下がる!?脳にアンモニアがたまるとどうなるのでしょうか。本来、アンモニアは有毒なので、肝臓で無毒化されてから最終的には尿素として体外へ排出されます。しかし、大量発生した毒であるアンモニアに対して危険を察知した脳は、アンモニアをこれ以上増やさないために、脳を疲れさせることでやる気を低下させるのだそうです。なんだかぼーっとする、やる気が起きないというときはアンモニアがたまっているのかもしれないですね。また、血糖値が下がり、脳にエネルギーが足りないときにも脳疲労は起こります。その他、眠気や生あくびが多くなる場合は、酸欠状態が疑われます。脳疲労の対策は?脳疲労には色々な原因がありますが、中でもアンモニアがたまっていることが疑われる場合、どのような対策があるのでしょうか。アンモニアをグルタミンというものに変換して解毒してくれるのは、アミノ酸のグルタミン酸だといわれています。このグルタミン酸を供給するのが、BCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれているそうです。また、アンモニアが無毒化されて体外へ排出されるのを助けるアルギニンというアミノ酸も大事です。肉や魚、大豆製品などに多く含まれているので、意識的に摂取してみてください。また脳の機能を復活させるために必要な、エネルギーの源であるビタミンB群を補給するのも忘れずに。脳疲労が疑われる人は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。Photo by UGL_UIUC
2014年09月21日寝ている間に病気に!なんて、考えてもみなかったかもしれませんね。でも実際、寝ている間に重篤な病気を発症することがあります。残暑が厳しいこの時期、特に注意したい睡眠中に起きる病気について、ご紹介します。あの怖ーい病気は夏に多い!まだまだ暑いこの時期。炎天下で、仕事やスポーツに励む人もいることでしょう。そんなときは、大量の汗をかいたりして、血液中の水分が不足しがち。いわゆる脱水状態に陥りやすくなります。そうなると、血液は濃くなりドロドロ状態になります。これが脳の血管を詰まらせ、あの怖ーい病気、脳梗塞の引き金となるわけですね。脳梗塞は、時として命に関わる重篤な病気。何の前触れもなく、突然発症するのが特徴です。発症リスクを上げる原因となるものは、いくつかありますが、寝ている間も汗をかくこの時期、特に注意が必要です。脳梗塞の起きやすい時間帯は睡眠中!?この怖ーい病気、脳梗塞が起きやすい時間帯ってあるのでしょうか?実はあるんです!脳梗塞は、安静時、特に睡眠中に起きる傾向があり、4割程度は睡眠中に発病すると言われています。また、朝目覚めた時にも多いそう。なぜなら、起きてすぐは血液の濃度が高くなっていますし、加えて、交感神経が緊張することで血圧が上昇しやすい時間帯だからです。高血圧は、脳梗塞の最大の危険因子とされていますから、朝は発症リスクの高い時間帯となるわけです。朝起きた時に、半身の手足が動かしにくい、ろれつが回りにくい、しゃべりにくい、めまいがするといった症状があれば、要注意!すぐに病院に行って検査してもらいましょう!睡眠中の悲劇を招かないために「そんな怖い病気のことを考えたら、うかうか眠っていられない!」、なんて考えないでくださいね。心配するあまり睡眠不足になったら、それこそ本末転倒です。暑くて寝苦しい夜は、「電気代の節約だっ!」と気合いでがんばるより、上手にエアコンを使って体温を下げましょう。他にも、日頃から睡眠中の悲劇を避けるための対策をとっておくことができます。例えば、肉よりも魚介類を多く食べること、塩分を控えめに摂ること、納豆を食べること、梅干しやレモンなどに含まれるクエン酸を摂ることなどは、脳梗塞を予防するのに役立ちます。普段から、こういったことを心がけておきましょう!そうすれば、過度に心配することなく、安心して眠れるでしょう。Photo by Chris March
2014年09月06日猫がかかる病気には様々なものがあります。今回は、その中から恐ろしい病気の一つであるFIPの基礎的な情報について解説いたします。○FIPとはFIPとは猫伝染性腹膜炎(feline infectious peritonitis)の略称です。猫コロナウィルスの感染が原因とされている、若い猫に発生しやすい致死率が非常に高い病気です。FIPは発症する原因が未解明なこと、確定診断が難しいこと、有効な治療方法がないことから飼い主さんにご説明するのが最も難しい疾患の1つです。今回は、非常に混乱しやすいポイントについて解説します。○FIPの原因FIPは猫コロナウィルスが原因ですが、猫コロナウィルスに感染した猫全てがFIPになるとは限りません。これは動物病院でFIPについて説明される中で、最初に混乱しやすいポイントです。猫コロナウィルスに感染していてもピンピンしている猫は日本に沢山います。なぜなら猫コロナウィルスは本来感染してもほとんど症状がでない、病原性の低いウィルスだからです。しかし、稀に猫コロナウィルスが猫の体内で突然変異を起こし、FIPウィルスに変化することがあります。猫コロナウィルスがFIPウィルスに突然変異してしまった猫のみがFIPを発症します。昔は、猫コロナウィルスとFIPウィルスは全く別のウィルスだと考えられていましたが、最近の研究で猫コロナウィルスが体内で変化してFIPを発症していることが分かりました。○なぜFIPウィルスに変化するか?猫コロナウィルスが、なぜ突然変異を起こすのかはわかっていません。若齢の猫で多いこと、免疫が弱った猫で発症しやすいことから、猫コロナウィルスに対する免疫反応が関係していると考えられています。○よくある症状FIPの症状も、混乱しやすいポイントです。腹膜炎という名前が付いていますが必ずしも腹膜炎の症状がでるとは限りません。FIPは体の様々な場所で炎症を起こすので症状も様々です。よく見られる特徴的な症状としては、お腹や胸に水が溜まる(胸水、腹水)、発熱、神経症状(ふらつきや眼振等)、黄疸、眼の異常などです。しかし、中には食欲不振や、元気がない、痩せてきたなど、他の病気でも一般的にみられる症状しかでないこともあります。腹水や、発熱などの特徴的な症状がなくてもFIPの可能性はあるので注意が必要です。腹水などの水の溜まる症状がでるFIPをウェットタイプ、それ以外の症状しかみられないFIPをドライタイプと呼ぶことがあります。しかし、FIPの猫は多かれ少なかれ両方のタイプが組み合わさった症状がでます。そして、どちらかのタイプはそれぞれ他のタイプに変化することもあります。○FIPの検査FIPは様々な場所で炎症を起こすので、血液検査、レントゲン検査、エコー検査など全身の検査が必要です。これらの検査で、FIPによく見られるような検査結果が多いとFIPの可能性が高まります。また、FIPの診断の助けとなる検査にウィルス検査があります。「抗体価測定」や「PCRによる遺伝子検査」などがそうです。そしてこのウィルス検査が最も混乱しやすい点です。これらの検査は、猫コロナウィルスに感染しているかどうかを調べる検査です。しかしウィルス検査ではFIPウィルスと普通の猫コロナウィルスのどちらに感染しているか区別ができません。ウィルス検査結果が陽性であっても猫コロナウィルスに感染しているだけでFIPとは限らないのです。そして、FIPであってもウィルス検査で陰性のこともあるので注意が必要です。○なぜウィルス検査をするの?ウィルス検査は、診断の補助のために行われます。例えば猫コロナウィルスの抗体価では、抗体価がすごく多いという結果がでると、よりFIPの可能性が高いと言われています。反対に抗体価が少ないのならFIPの可能性が低いと考えられます。ここまでの文章で、ずっと「FIPの可能性が高い」と書いているのは、これらの検査結果がFIPと一致しても、まだFIPと確定診断することができないからです。多くの場合、FIPを診断するには猫ちゃんの年齢や、症状などのプロフィールに全身検査とウィルス検査等の結果を加味してFIPと暫定的に診断しています。○確定診断はできないのか?最も診断精度が高いと言われている検査は組織学的検査です。組織学的検査というのは手術でFIPが疑われる病変を一部摘出して行います。そのため全身麻酔をかける必要があります。しかし、FIPが疑われる猫は、総じて状態が悪いため麻酔のリスクを考えなければいけません。そして、病変が脳や眼など、組織検査に適さない場所にしか現れないこともあります。また仮に、組織学的検査によってFIPと診断されたとしても有効な治療方法がないことから、この検査を希望されない飼い主さんが多いです。こういった事情が重なり、多くの猫はFIPと確定診断することが難しいのが現状です。○FIPの治療FIPの根本的な治療方法は「ありません」。治療の目標としては、症状を緩和させてあげることになります。副腎皮質ステロイド製剤や他の免疫抑制剤が使われます。FIPの猫の多くは1~2カ月で亡くなってしまいます。しかし、中には治療の反応が良く数年間生きる猫も報告されています。そして、高齢でFIPに罹った猫の方が、病態の進行が遅いことが多いです。○本当にFIPの治療はないか?FIPは非常にやっかいな病気なので、世界中で多くの獣医師が西洋医学、東洋医学を駆使してFIPの治療法を研究しています。論文でも、少数の研究でFIPのより良い治療法が報告されています。しかし、症例数が少なかったり、他の研究者が同じ治療法をやってみてもうまくいかなかったりなど、獣医師全体の見解が一致する効果的な治療法は現在のところ報告されていません。しかし、これらの少数の報告から効果的な治療方法がみつかる可能性もあるので、色々な治療法をチャレンジすることは無駄だとは思いません。○「FIPの猫が治ったと聞いたのですが?」「FIPの猫が治ったと聞いたのですが?」。確かに、グーグル等で「FIP治った」と検索するといくつかのページがヒットします。FIPの致死率は非常高いですが、どんな病気でも100%とは断言できないので、治ることもあるかもしれません。しかし、注意点としてその猫は「本当にFIPだったのか」と考えなくてはいけません。なぜなら上記のようにFIPは診断がすごく難しい病気だからです。若齢で、黄疸や腹水などFIPの症状に一致しており、全身検査でもFIPを疑う検査結果が多かった猫がいます。猫コロナウィルスの抗体価も高く、これらの情報から考えるとFIPの可能性が高いですが、その猫は治療で元気になりました。その猫は組織検査をしていませんが、FIPではなくFIPのような症状が重なっていただけだった可能性も十分にあると思います。つまり、FIPの可能性が高いと動物病院で言われても、FIPではないこともあります。FIPの可能性が高いと言われたので治療を諦めてしまうのは、判断が早すぎるのではと思います。○予防猫コロナウィルスに感染しないことができれば、それが一番の予防です。しかし猫コロナウィルスは日本国内にも蔓延しており、ブリーダーさんやキャッテリー等猫が集まる施設では、完全に猫コロナウィルスを根絶することは非常に難しいと言われています。ご自宅の猫がまだ猫コロナウィルスに感染していないのであれば、室内飼育を徹底しウィルスとの接触を避けることが重要です。新しい猫を迎える場合は、その猫が猫コロナウィルスに感染していないかチェックしてから迎えましょう。既に猫コロナウィルスに感染していても、焦ることはありません、猫コロナウィルスに感染している猫の殆どはFIPを発症しません。FIPの発症にはストレスが関係していると考えられていますので、ストレスのかからない生活を心がけましょう。多頭飼育では、FIPの発症率が特に高いことがわかっています。5匹以上の同時飼育は避けた方が良いです。また、猫の飼育頭数の基準の1つに、「部屋の数以上に猫の飼育数を増やさないこと」というものがあります。例えば3LDKにお住まいならば、飼育する猫の数は3匹までになります。猫は生まれもっての単独行動動物なので、どんなに同居猫と仲良しでも1匹で休まる部屋を確保してあげて下さい。○ワクチンはないのですか?FIPは、単純なウィルス感染ではなく免疫が関係した病気であるため、ワクチンの開発に苦労しています。アメリカおよび欧州の数カ国でFIPワクチンが販売されていますが、日本国内ではこのワクチンは未承認です。このワクチンは有効性に疑問があるため、海外でも必ず摂取を推奨されるワクチンではありません。FIPはまだまだ未解明なことが多く「予防、診断、治療」全てが難しいのが現状です。2013年に突然変異したFIPウィルスに関する新しい発見が報告されました。近い将来、組織学的検査を行わなくても診断できる検査や、よりよい治療法が発明されるかもしれません。○その他の執筆記事・猫がいる家でアロマをたくと命にかかわる!?・人用の市販薬を猫に飲ませても大丈夫なのか?・猫にも利き手があるって、本当?・猫にもニキビができるって知ってた? -予防とケアを解説■著者プロフィール山本宗伸職業は獣医師。猫の病院「Syu Syu CAT Clinic」で副院長として診療にあたっています。医学的な部分はもちろん、それ以外の猫に関する疑問にもわかりやすくお答えします。猫にまつわる身近な謎を掘り下げる猫ブログ「nekopedia」も時々更新。
2014年01月14日キリンMCダノンウォーターズは、4~10歳の子どもと母親400組に対し、「子どもの体温異常に関する調査」を実施した。調査の結果、約4割の子どもが体温異常を抱えており、睡眠や便通などの生活習慣が乱れている子が半数近くいることが明らかとなった。調査は、4月14日~16日・18日・19日・21日に、イオン大宮店 ファンタジーキッズーナに来店した親子(4歳~10歳の子ども、ならびにその保護者400組)を対象に直接回答方式で実施した。アンケート実施時の子どもの体温は、36℃未満の子どもが18%、37℃以上の子どもが19%。調査を行った時間帯(昼過ぎから夕方まで)の子どもの適性体温は36~37℃であるため、実に4割近くが何らかの体温異常を抱えていることがわかった。また、子どもの運動頻度・運動時間と体温との相関関係についても調査。その結果、運動している子どもほど高体温になりにくい傾向があることもわかった。特に1回の運動時間が1時間以上・3時間未満の子どもは標準体温である割合が高く、体温異常を防ぐには適度な運動が有効と考えられる。さらに、水分摂取させる頻度が多い(1日に9回以上)子どもほど体温異常になる割合が低い傾向にあることもわかった。特に、1日11回以上水分を摂取している子どもは、体温異常を抱えている割合が27.3%と、全体平均よりも10ポイント程度低い。水分補給の回数は子どもの健康を守る上で大切であると考えられる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月31日