2002年のチャイコフスキー・コンクール・ピアノ部門で、女性初の、そして日本人初の第1位獲得という快挙を成し遂げた上原彩子。2022年のデビュー20周年に向けた3年がかりのカウントダウン企画第2弾では、自身が名ピアニストでもあったショパンとラフマニノフを弾く(2021年1月13日・東京オペラシティコンサートホール)。「ラフマニノフは、ショパンから最も大きな影響を受けています。ピアノを愛した二人の作曲家を並べることで、ちょっと特別な感覚で聴いていただけると思います」プログラムのメインは、その二人の関係を象徴するような、ラフマニノフの《ショパンの主題による変奏曲》。ショパンの《24の前奏曲集》作品28の第20番ハ短調を主題に、22の変奏で構成された、いわばラフマニノフによるショパンへのオマージュのような作品だ。「演奏される機会の少ない作品も含めてラフマニノフの良さを知ってほしいという気持ちで選びました。今回は前半に、元になったショパンの作品28の全曲も弾くので、面白く聴いてください」ロシア音楽を軸に活躍する上原のショパンは案外レアだ。《24の前奏曲集》は、すべての長・短調である24の調性で書かれた作品集。胃腸薬のCMで使われた第7番や、第15番〈雨だれ〉がよく知られるが、ラフマニノフが主題に用いた第20番も有名で、〈葬送〉の呼び名がある。それぞれが独立した小曲の集まりだが、「24曲全部を聴いてこそわかる」と上原は言う。「わたしのなかでは、始めのほうは長調の曲の幸せな印象が強くて、その春の暖かさが、だんだん暗い影に覆われて、第20番のところでどん底に引きずり込まれます。全曲を通していろいろなドラマがあって、弾いていても聴いていても、それを感じるのが醍醐味です」そしてこの2つの作品のあいだを、さらに二人の前奏曲でつなぐ「前奏曲づくし」の構成。「ショパンの作品45の前奏曲嬰ハ短調からラフマニノフへ。たぶん、作曲家が変わったかどうかわからないぐらいの変化で、不思議な感じでつながります。時代も国も違うのに空気が似ているのです。そしてラフマニノフの前奏曲作品23から2曲。ラフマニノフは、小品のほうが彼の飾らない素の部分が表現されているように感じます。そのシンプルなメロディを弾いていくのは、難しいですがとても大事です」キャリアを重ねるなか、背中など身体全体の使い方を考えるようになり、手の負担が軽減され、音も太くなってきたと感じている。筋トレも欠かさないが、大事なのは音量や打鍵の強さではなく、太く、減衰せずに伸びる音で弾くこと。そのためには余分な力を抜くことが大切なのだと教えてくれた。ますます充実するピアニズム。「ピアノという楽器を、純粋にピアノの音として捉えた作品。ピアノの素晴らしさを感じてもらえるプログラム」と語る今回のリサイタルでも、それが十分に発揮されるにちがいない。(宮本明)
2020年12月21日作曲家、ピアニストの一柳慧。現代音楽の巨匠の軌跡を辿るプロジェクト「Toshi 伝説」が、2021年1~3月に開催される。12月9日、一柳本人と出演者らが出席してオンライン会見が開かれた。「共鳴空間(レゾナントスペース)」「エクストリームLOVE」の公演情報はこちらプロジェクトは一柳の神奈川芸術文化財団芸術総監督就任20周年を記念するもの。一柳は2月に満88歳になるので、日本流にいえば米寿祝いも重なる格好。タイトルの「Toshi 伝説」は、もちろん「都市伝説」と名前をかけたものだが、一柳の音楽が、時代とともに変遷はしても、東京とニューヨークを軸に、常に「都市=都会」の音楽であることを表している。ローマ字表記には、音楽界の重鎮ながら、まったく権威的でない人柄、自由でポップなありようを込めた。プロジェクトは一柳作品と関連作品を並べた3つのイベントからなる。(1)大山エンリコイサム展「夜光雲」内でのコンサート(1月17日・神奈川県民ホール・ギャラリー)。一柳は60年代から美術や建築とのコラボによる芸術表現の可能性を探ってきた。「音幻」と題するチェンバロと笙の共演。(2)一柳の管弦楽作品を3曲集めた「レゾナントスペース(共鳴空間)」(2月13日・神奈川県民ホール)。一柳は、日本人管弦楽作品の年度最優秀賞にあたる尾高賞を5度も受賞している。演奏曲は《ビトゥイーン・スペース・アンド ・タイム》(2002)、ヴァイオリン協奏曲《循環する風景》(1983・尾高賞)、交響曲第8番《リヴェレーション2011》。演奏は鈴木優人指揮東京フィルと成田達輝のヴァイオリン独奏。鈴木には新作のファンファーレ作曲も委嘱されている。(3)室内楽公演「エクストリームLOVE」(3月20日・神奈川県立音楽堂)は、一柳のさまざまな「顔」が見える3部構成。成田のヴァイオリンを中心に一柳が《クロイツェル・ソナタ》のピアノも弾く「Classical」。三味線の本條秀慈郎らの出演で邦楽作品を集めた「Traditional」。そしてピアニスト河合拓始が、一柳初期の前衛時代の代表作《ピアノ音楽》の全7曲を一挙に弾く「Experimental」。ロビーには卓球台をインターフェイスにして音楽を奏でるシステムも設置。試奏可。一柳は、「作曲家では一番強い」と自負する大の卓球好きだ。会見で「まとめ」を求められて一柳。「むしろまとまらない方向で。芸術音楽からジャズ、ロック、歌謡曲まで、演奏者のみなさんが新しい音楽の片鱗を感じさせてくれる。そういう音楽会になるといいなと思っている」と期待を述べた。一柳慧(いちやなぎ とし)●1933年生まれ。19歳で渡米、ジョン・ケージと出会う。1961年、ケージの音楽を最初に日本に紹介した衝撃は「ケージ・ショック」として伝説。徐々に、伝統的スタイルの西洋音楽や、東洋の音楽との接点を見出し、器楽曲、室内楽曲から交響曲、オペラまで、あらゆるジャンルに作品を書き続けている。(宮本明)
2020年12月15日11月18日にリリースされた宮本浩次のカバーアルバム『ROMANCE』から、アルバム1曲目に収録され、今回のアルバムを象徴するともいえる楽曲「あなた」のMusic VideoがYouTubeで公開された。宮本浩次「あなた」Music Video<「あなた」Music Videoについて>“あなた”の不在を狂おしく歌う宮本浩次と、そしてその喪失感を象徴する、演奏者のいないピアノ。それのみで構成されたこのMusic Videoが、「あなた」という楽曲のもつ魅力と宮本浩次の歌を、余すことなく伝える作品になっている。Music Videoの監督は、先行して公開され話題を呼んだ「異邦人」と同じく、児玉裕一氏が担当。また、登場する自動演奏ピアノは、プロデューサーでありレコーディングでもピアノを演奏した小林武史氏が、実際に演奏されたものを使用している。なお、今作『ROMANCE』は、11月30日付オリコン週間アルバムランキングおよび同日付Billboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT ALBUMS” で1位を獲得。1988年にエレファントカシマシでデビューして以来、自身のキャリア初となる1位獲得に、宮本自身も「やはり、名曲は時代をこえて、愛されるのだなぁと、感慨も深く、じんわり感動しております。わたくし個人にとっても 40年以上にわたる、うたの人生で、はじめてのチャート1位なのです。本当にうれしいです。ありがとう!アルバム「ROMANCE」大事にしてやってくれ!」とインスタグラムでコメントしている。リリース情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水) 発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。
2020年12月09日「伝えたいことを伝えようという気持ちが強いです」音楽家にとってシンプルな、しかしとても大切な信条だろう。今あえてそれを口にするのは、今年活動45周年の節目を迎えているヴァイオリンの千住真理子だ。1995年から5年ごとに取り組んでいるJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏会に今年も挑む(横浜、大阪、東京の3公演)。彼女が伝えたいこと。それは公演のタイトルでもある「平和への祈り」だ。「このコロナ禍の中で聴衆の皆さんが集まってくださることを思う時の、心が震える感動。こんな気持ちは今までに味わったことがありません。バッハの音楽の中にある祈りや希望、そして絶望も。それらを通して、今生きていることを感じ合いたい。3時間のバッハの空間を一緒に過ごしたい。自分がバッハを弾き続けることの意味や挑戦という部分は、今回は非常に二次的なことのような気がしています」バッハを弾く時は自分を「無」にしなければならないと語る。「目を閉じて、ひたすら音を聴く。聴くというよりは見つめるという感覚。そうやって弾き進んで行くと、真空の世界に音が広がっていく。音だけの世界。宇宙と言ってもいいかもしれません。そこにすっぽりハマった時に、私というものがなくなって、音楽だけが進んでいく。それがベストの状態です」音は空気の振動だから、真空は無音だ。でも彼女はきっと、そんな物理現象ではない「音」を聴き、見ている。「音楽って、聴覚だけでなく、実は肌でも感じているのだという説があります。音は、そんな底知れない人間の五感で捉えられている。それを特に強く感じるのが、このバッハの無伴奏です、他の作曲家や、バッハでも他の作品だと、実世界の空気の中で伝わるメロディの語らいのようなものも感じるのですが、この作品にそれはありません」春からの長い活動休止を経て、ライブへの思いはいっそう強まった。「ステージの上はお客様の圧を感じます。波のようにわーっと寄せてきたり、すーっと引いたりする不思議な感覚があって、演奏家はそれによって弾かされているというようなところもある。それが心の対話、心の交流というものなのだろうと思います。だから、配信やCDでは伝わらないものも、コンサートでは確実に伝わるんですね。私というフィルターを通して鳴るバッハから、お聴きになったお一人お一人が感じるのは、たぶん私が想像がつかないようなものです。それこそが人間の、あるいは地球という惑星の素晴らしい文化だと思います」最後に「バッハの一番の魅力ってなんでしょうね?」と尋ねると、即座に「救いですね」とひと言。そして少し間を置いて加えた。「私自身にとっても。聴いてくださる方々にも」かつて自身もバッハに救われたという思いを強く持つ彼女。今度は彼女のバッハが、不安な日常をさまよう私たちを救ってくれるはずだ。取材・文:宮本明
2020年12月04日3Dアニメーション映画『STAND BY ME ドラえもん2』が11月20日に公開を迎え、都内劇場で行われた舞台挨拶に声優を務めた妻夫木聡、宮本信子、バカリズム、共同監督の八木竜一、山崎貴が登壇した。2014年に興行収入83.8億円の大ヒットを記録した『STAND BY ME ドラえもん』の続編となる本作。大人になったのび太としずかちゃんの結婚式を大好きなおばあちゃんに見せるべく、のび太とドラえもんが奮闘するが、大人のび太は結婚式直前に失踪してしまい……。コロナ禍による延期を経て、ようやく満員の観客の前での公開を迎え、妻夫木をはじめ、一同ホッとした様子。おばあちゃんとのび太のエピソードに「脚本を読んでる段階からウルッときていた」という妻夫木。試写で作品を見た際、特に宮本の演じたおばあちゃんの声に心を打たれ「おばあちゃんが出てくるだけで泣くという変なスイッチが入ってしまって(笑)、ドラ泣きしまくりでした」と明かす。宮本は、共同監督・脚本を担当した山崎が、夫の故・伊丹十三の組で若い頃に仕事をしていたという縁に触れ「長生きしてよかったなぁと思います」としみじみと語る。本作に関してはあえて試写を見ずにきたとのことで「子どもたちと一緒の同じ劇場の空間で見たい」と笑顔で語っていた。この日は、着ぐるみのドラえもんが登壇陣に、頼りないのび太に対し、しずかちゃんとの結婚生活に向けたアドバイスを求めたが、妻夫木は「いっぱいお話をすること。ちょっとの時間でもいいから」とコミュニケーションの時間を持つことを助言。一方の宮本は「しずかちゃんはしっかりしてるし、のび太くんは素直ですし、こんないいカップルはいないので何も心配していません」と何も変わる必要がなく、そのままでいいとエール!昨年、入籍したばかりのバカリズムは「しずかちゃんがのび太くんを選んだ決め手はダメなところ、ほっとけなさ」と指摘し「あまり成長して立派になり過ぎちゃうと、あまり愛せなくなっちゃうと思うので、これからもほどほどにダメっぽさを出して」と、宮本と同様に「そのままでいい」とアドバイスを送っていた。妻夫木は最後の挨拶でコロナ禍に触れ「とても我慢しないといけなかった年ですが、心を癒してくれる作品になっていると思うし、来年、新しい一歩を踏み出す勇気をくれると思います」と力強く劇場への来場を呼び掛けた。取材・文・写真=黒豆直樹『STAND BY ME ドラえもん2』公開中
2020年11月20日本日11月18日、いよいよ発売日を迎えた宮本浩次初のカバーアルバム『ROMANCE』。その収録曲の中から、「異邦人」のMusic VideoがYouTubeで公開された。今作は、とあるコンサートホールに迷い込んでしまった宮本浩次が楽曲タイトル通り「異邦人」となって彷徨い続ける模様が描かれている。圧倒的な孤独と絶望、行き場の無い気持ちを抱え、どうすることもできず彷徨う男を宮本が演じており、たどり着いたステージでバンドメンバーと共に宮本が歌い続ける中、ホールが崩壊するシーンが展開していく。登場するバンドは同曲のレコーディングメンバーと同じで、キーボードはプロデューサーでもある小林武史、ギターは名越由貴夫、ベースはキタダ マキ、ドラムは玉田豊夢が出演。 MVの監督は、ソロデビュー曲「冬の花」も担当した児玉裕一氏が務めている。宮本浩次「異邦人」MVリリース情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水) 発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。
2020年11月18日【音楽通信】第58回目に登場するのは、エレファントカシマシでの30年を超えるキャリアにして初挑戦、ひとりの歌い手としてカバーアルバムを発表する、宮本浩次さん!【音楽通信】vol.58幼少時代は家族の影響で歌が大好きになるロックシーンを代表する存在として異彩を放ち続けるエレファントカシマシのボーカル、宮本浩次さん。2018年、シンガーとして椎名林檎さん、東京スカパラダイスオーケストラさんの作品に参加。2019年にソロ活動をスタートしました。2020年3月には、1stソロアルバム『宮本、独歩。』を発表。その後、世界中がコロナ禍となるなかで、宮本さんは歌が大好きだった少年時代に親しんでいた楽曲を弾き語り、カバーする作業を行なっていたといいます。そこで録りためた弾き語り音源から精選された12曲が、2020年11月18日に、初のカバーアルバム『ROMANCE』としてリリースされるということで、宮本さんにお話をうかがいました。ーー今回、少年時代に親しんでいた歌をカバーされたアルバムをリリースされるということで、あらためて幼い頃に聴いたり歌ったりしていた音楽から教えてください。母親がすごく歌が好きだったものですから、 私が幼稚園の頃、母がよく歌っていたのを覚えています。私は1966年生まれなので、たとえば梓みちよさんの「こんにちは赤ちゃん」(1963年発表)や、ピンキー&キラーズの「恋の季節」(1968年発表)など昭和の名曲が多かったですね。家族が歌が好きだったから、自然と耳にする機会があって、まだ幼稚園の頃ですから、どういう人が歌っているのか知らないままに、自分でも「恋の季節」はよく歌っていましたね。とにかく歌うことが大好きだったんです。ーー宮本さんは合唱団にも入っていらっしゃったんですよね。小学生のときに、NHK東京児童合唱団に入っていました。NHKの音楽番組『みんなのうた』など、テレビ番組もたくさん出演しました。ーーその後時を重ねて、1988年に結成されたエレファントカシマシはデビュー30周年を超え、今年の3月にはソロアーティストの宮本浩次さんとして、初のソロアルバム『宮本、独歩。』をリリースされました。はい、自分の名前を冠した『宮本、独歩。』というソロアルバムを出しました。ーー「バンドのボーカル」としての宮本さんと「ソロアーティスト」としての宮本さんとは、やはりスタンスが違うものでしょうか。エレファントカシマシというバンドは、12歳で彼らと出会って、中学校の友人同士で組んだバンドです。そこで始めてRCサクセションというロックにも出会って。小学校から中学校にあがって、10代20代といろいろな変化が自分の歴史の中にあるなかで、新しい仲間に出会うというのは、ある種、大人への第一歩といえますよね。そういったときにRCサクセションやザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンといった洋楽を聴いたり、坂本龍一さん、細野晴臣さん、高橋幸宏さんのイエローマジックオーケストラ(YMO)3人組の世界的なテクノユニットがあって、そいういう音楽にも出会いました。でも、歌謡曲が好きだという思いも変わらずあって。童謡を歌う少年からスタートして、エレファントカシマシというものになっていった自分と、一方で宮本浩次としての自分がいて。バンドの宮本浩次は、「エレファントカシマシの宮本浩次」なんですよ。そこでも30年、40年の歴史があるんです。一方で、歌の好きな宮本浩次という54歳のひとりの人間がいて、それはエレファントカシマシとは別の顔。人って、いろんな顔があると思う。友達と一緒のときの顔、恋人と一緒にいるときの顔、電車で他人と一緒にいるときの顔。自分の場合は、大きく分けて、ふたつの柱があるというのかな。エレファントカシマシよりも、歌の好きな自分のほうが古い歴史がある。だから、宮本浩次が好きな歌手、好きな歌を歌うソロ活動と、エレファントカシマシでのバンドとしての立場というのは、外から見るぶんには同じ歌手というふうに見えるかもしれないけれども、自分の中ではまったく違うものなんです。「宮本浩次を表現する」カバーアルバムーー2020年11月18日に、初のカバーアルバム『ROMANCE』をリリースされます。コロナ禍の影響を受けている緊急事態宣言の期間中に、毎日弾き語りでカバーしていたそうですね。実は収録曲の「あなた」(1973年年発表)、「恋人がサンタクロース」(1980年発表)は、すでに昨年レコーディングが終わっていました。以前からカバーを出そうとは決めていたんですが、今年に入って緊急事態宣言があり、自粛生活の中で「人に会わなくてもできることってなんだろう」と考えて「曲を録ろう」と、1日1曲カバーしていったんです。コロナ禍で自粛があるなかでも、古い自分の懐かしい曲と向き合えたことは幸いなことでしたね。エレファントカシマシになってから、音楽の勉強として聴いたレッド・ツェッペリンといったロックではなく、沢田研二さんやもんた&ブラザーズ、クリスタルキング、松田聖子さんは本当にかわいくて素敵だなという、子どものときに素直に感じたこと、幼少時からのルーツ音楽があって。それを「いつかやりたい!」というのが夢だったんです。ソロをやるというのは、「宮本浩次を表現したい」という意味と同じなんですね。ーー聴かせていただいて、宮本さんの歌の力がストレートに心に届き、歌声に感動しました。今回、女心を歌うというのは、自分のなかで封印していた部分というか、いろいろな面があって。もちろん男性にも聴いてほしいんですが、女性の歌なのでとくに女性に聴いてほしいと思っていて。女性の方にそう言っていただけてうれしいです、ありがとうございます。ーー録りためていた弾き語りの音源から、今回の12曲に絞るのは難しかったのではありませんか。レコード会社のみんなと会議をしたときに、まずエレファントカシマシのデビューが1988年だから、それより前のものにしようとなって。そして宮本浩次が生まれたのが1966年。バンド活動を始める以前、そして自分が生まれたあと、という期間の歌ということを原則として考えました。66年から88年までの間の22年間のもの。そうしないといい曲がいっぱいあるので、みんなに募って、友人やレコード会社やいろんな人とたくさん曲を聴いて。最終的には、88年より前の70年代の幼少期の曲も入れて、エレファントカシマシになる前の曲、小学校ぐらいまでの曲が中心に。選曲はどの歌も素晴らしい歌で、自分が慣れ親しんだものが中心になりましたね。だからそんなに選曲は難しくなかった。カバーした曲のなかには、「北の宿から」(1975年発表)という都はるみさんの演歌の名曲もありましたし、細川たかしさんの歌など、子どもの頃は演歌も好きだったから入っていたんですよね。ほかにも、泉谷しげるさんの歌やガロの「学生街の喫茶店」(1972年発表)も歌いましたし。本当にいい歌ばかりだったんですが、だんだん好きな歌っていうものになってきちゃったんです。ある種の女性の好みというか、独特の視点があると思うんですが、歌声がよく響く歌を選んだ気がしますね。ーー「赤いスイートピー」「白いパラソル」と、松田聖子さんの曲だけ2曲ありますね。そうですね(笑)。実は、中島みゆきさんの曲も、ご自身が歌われているものと作詞作曲されているものと3曲ぐらいあったんですが、最終的に1曲に絞って。聖子さんは、松本隆さんの歌詞と、聖子さんのマッチングの素晴らしさがあって、大好きなんです。ーーとくに「赤いスイートピー」はお好きな歌なんですよね。思い出の曲なんですよ。「赤いスイートピー」は、デートをしている大人の曲で、初デートという印象がすごくあって。昔、何していいからわからないから、ひたすら歩くだけというデートをしたことがあった。そういう思い出が、聖子さんの歌声でシーンが浮かぶんです。青春のきらめきを感じる曲で、すごく好きですね。ーー宮本さんのカバーされた曲を通して、たとえば中島みゆきさんの「化粧」という曲など初めて知った曲もあって、こんないい曲があったということを教えられた気がしました。私も「化粧」はまともに聴いたのは今回が初めて。曲、歌詞、歌と、原曲も本当に素晴らしい歌ですよね。中島みゆきさんの歌い方のすごさに虜になっちゃうくらい。中島さんの名曲を自分なりにどうやって歌おうかと何度も聴いて、号泣しつつ、歌詞の主人公に自分がなってしまいながら情景が電撃的に目の前に浮かんだし、女性の主人公にものすごく共感しました。ーー小林武史さんがアルバムのプロデュースをされています。小林さんとは、20年前ぐらいにバンドのアルバムや『宮本、独歩。』を作ったときに収録曲の「冬の花」「ハレルヤ」というふたつのドラマの主題歌も一緒に作っていて。2018年後半から小林さんと作業する時間が多く、2019年10月の時点で、自分のソロアルバムのあとに、カバーアルバムを出すからという話は小林さんにしていて。そういう流れの中で、20曲ぐらいまでを選んで、歌を聴いてもらいました。「アレンジ上がったよ」と小林さんから連絡があって、行ったらもう曲が選ばれて、曲順まで決まっていたんです。「赤いスイートピー」の1曲は、音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんにアレンジをお願いしたんですが、もともと3、4月に予定していた『宮本、独歩。』のツアーのメンバーに蔦谷さんがいたんです。すでに「赤いスイートピー」はツアーのリハーサルとしてやっていたり、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも一緒にこの曲を演奏していたりしたから、この曲はお願いしました。アルバムのなかでも、モダンな面白いアレンジで彩りを添えていると思います。「コンサートを絶対成功させたい」ーー自粛期間に音楽活動以外で、おうちではどのように過ごしていたのでしょうか。まさに「何をやろうか」と考えて、カバーしながら並行して、日課として、インスタグラムをやっていましたね。自分のなかで生活リズムを作りたいという気持ちがあって、発表できるかわからないけれどカバーをやるというのと、インスタグラムで写真日記という名前をつけて日記にしてアップしていると、見る人もいるかなと。カバーをやってからインスタグラムをやるという生活サイクルにしていて、夜遅くまで、7、8時間かかっちゃったりもしてね。写真も、どうやって自撮りをうまく撮るのか、いろいろな角度を試して、けっこうプレッシャーでした(笑)。でも面白がりながら、緊張しながらも、写真をいっぱい撮って。どの角度でどの光で撮るといいかを考えるのが日課。本当に人に会わなかったから、一方的なコミュニケーションじゃないけれども、自分のインスタグラムを見てほしいなと。手書きで書いたものを出したりと、すごく力を込めてやりましたね。みんなに楽しんでもらえたかな。あとは、ビールを飲むのが楽しかったですね。そんなにお酒は強くないんですが、夜はビールを飲みながら、映画を観るのが楽しみでした。だから日課として、カバーをして、インスタグラムあげて、ビールを飲む(笑)。そして映画。衛星放送などで流れている、70年代前後の映画とかね。オードリー・ヘプバーンの『シャレード』という映画はすごく面白かったです。相当リラックスできました。ーーでは最後になりますが、今後の抱負をお聞かせください。コンサートを絶対成功させたいです。エレファントカシマシは毎年、日比谷の野音でコンサートを開催しているんですけれども、今年は31年目を10月4日にやって、それはとても充実していたんです。自分で言っちゃうのもなんですが、魅力的なバンドなんですよ、エレファントカシマシ。だから、このソロ活動も行いながらソロのコンサートをまずやって、バンドのコンサートとも両立させたいですね。取材後記エレファントカシマシのフロントマンとして、日本のロックシーンを牽引してきた宮本浩次さん。ソロとしてのカバーアルバム『ROMANCE』では、昭和の名曲の数々を宮本さんの魂のこもった歌声でカバーされていて、その熱量のすごさは圧巻です。どこか少年のようなピュアさを感じさせる宮本さん、取材時も真摯にご対応くださいました。そんな宮本さんのカバーアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。写真・北尾渉取材、文・かわむらあみり宮本浩次PROFILE1966年生まれ。日本を代表するロックバンド、エレファント カシマシのボーカル&ギター。1981年、エレファント カシマシ結成。1986年、現在のエレファント カシマシとなる。1988年、THE ELEPHANT KASHIMASHIのボーカル&ギターとしてデビュー。以後、バンドで22枚のアルバム、1枚のミニアルバム、50枚のシングルを発表。2017年、30周年イヤーを迎え、NHK『紅白歌合戦』に初出場。2018年、シンガーとして椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラの作品に参加。2019年、ソロ活動開始。2020年3月、1stソロアルバム『宮本、独歩。』発売。6月、配信ライブ「2020 612 宮本浩次バースデイコンサート at 作業場「宮本、独歩。」ひきがたり」敢行。11月18日、初のカバーアルバム『ROMANCE』を発表する。InformationNew Release『ROMANCE』(収録曲)01. あなた02. 異邦人03. 二人でお酒を04. 化粧05. ロマンス06. 赤いスイートピー07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-08. 喝采09. ジョニィへの伝言10. 白いパラソル11. 恋人がサンタクロース12. First Love2020年11月18日発売(通常盤)UMCK-1676(CD)¥3,000(税別)(初回限定盤)UMCK-7089/90(CD+CD)¥3,500(税別)*28Pブックレット(歌詞・クレジットを含む)、スリーブケース仕様。[初回限定盤 ボーナスCD収録曲]「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」01. September02. 思秋期03. 私は泣いています04. あばよ05. 二人でお酒を06. 翼をください
2020年11月16日注目の公演がいよいよ開幕。11月15日(日)に新国立劇場で初日を迎えた《アルマゲドンの夢》は、いま世界で最も注目されている日本人作曲家である藤倉大の新作オペラだ。原作は「SFの父」と呼ばれる英国の作家H.G.ウェルズの『世界最終戦争の夢』(短編ですぐ読めるのでオペラを見る前に一読をおすすめ。電子書籍でも入手可能)。列車のなかで出会った男が未来戦争の悪夢を語るという筋書きで、原作のリアルな登場人物は二人だけだが、藤倉と台本作家のハリー・ロスは、設定を少し変え、原作にない役も加えるなど、巧みにオペラ的にふくらませた。藤倉の音楽は美しく幻想的で、そして雄弁だ。彼のオペラはこれが3作目だが、つねに「メロディ」へのこだわりを感じさせる藤倉の音楽には、オペラこそがふさわしいのかもしれない。「現代音楽だから…」と怖れている人がいたら、それは杞憂。19世紀的な和声の上で展開する旋律でこそないものの、(個人の見解だが)耳に残るメロディのあるアリアや重唱が書かれている。オーケストレーションは多彩でも、巨大な音塊が歌を飲み込んでしまうような場面はなく、歌は終始、言葉まではっきりと聴こえてくる(歌詞は英語。日本語+英語字幕が何気に役に立つ)。当たり前かもしれないが、オペラの主役は歌なのだ。その意味でも、主要役を演じるピーター・タンジッツ(テノール)、ジェシカ・アゾーディ(ソプラノ)、セス・カリコ(バリトン)の3人の外国人歌手たちが、予定どおり出演できたのは大きい。10月の入国制限緩和も幸いし、演出のリディア・シュタイアーら演出チームも含めた海外勢全員が、到着後14日間の自主隔離を受け入れて来日した。加納悦子(メゾ・ソプラノ)と望月哲也(テノール)の二人の日本人歌手もじつに優れた歌唱を聴かせ(望月は赤いハイヒールの女装も熱演)、キャストの水準は相当高い。そして独唱陣に負けない存在感を示しているのが合唱だ。そもそも作品冒頭から、数分におよぶ無伴奏合唱で始まるという型破りなオペラ。作曲の藤倉も演出のシュタイアーも絶賛する新国立劇場合唱団がその実力を存分に発揮する。現在は、歌劇場からアマチュア活動に至るまで世界のすべての合唱に、感染を危惧する逆風が吹くなか、日本でのこの快演は誇らしい。指揮は芸術監督の大野和士(管弦楽:東京フィルハーモニー)。劇場の動画コメントなどからも、大野がこの作品に注ぐ愛情、そしてこの状況下でのオペラ上演にかける熱意がひしひしと伝わってくる。動画だけでも確実に一見の価値あり。ラスト・シーン。ボーイ・ソプラノの澄んだ歌が音楽的なカタルシスをもたらすが、ドラマとしてはそれは暗示的。私たちの前途にあるのは救いか絶望か。その答えの判断は、ぜひ直接ご自身の目と耳で!《アルマゲドンの夢》は残り11月18日(水)、21日(土)、23日(月祝)の3公演。新国立劇場オペラパレスで。(宮本明)
2020年11月16日11月18日にCD発売される宮本浩次カバーアルバム『ROMANCE』。この度、兼ねてより要望があったアナログ盤のリリースが決定した。11月27日正午まで、UNIVERSAL MUSIC STOREとA!SMARTでの限定受注受付となるので、お早めにチェックを。宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』アナログ盤2021年1月27日(水)発売 ※受注生産限定重量盤2枚組ダブルジャケット仕様税抜4,000円SIDE:A(DISC1)1. あなた2. 異邦人3. 二人でお酒をSIDE:B(DISC1)1. 化粧2. ロマンス3. 赤いスイートピーSIDE:C(DISC2)1. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-2. 喝采3. ジョニィへの伝言SIDE:D(DISC2)1. 白いパラソル2. 恋人がサンタクロース3. First LoveUNIVERSAL MUSIC STORE&A!SMART限定受注受付11月27日(金) 正午受注受付締切<お申し込みはこちら>UNIVERSAL MUSIC STORE宮本浩次 カバーアルバム「ROMANCE」スペシャルサイトリリース情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。
2020年11月14日11月14日(土)に国宝松江城からオンライン配信される東京スカパラダイスオーケストラの1日限りのライブに、宮本浩次の出演が決定した。ライブを明日に控え、11月13日(金)放送のFM山陰「FRIDAY×FRIDAY」にメンバーの谷中敦が出演。ゲストに決まった宮本について「(ゲストオファーについては)ずっと皆で話ししてました。どうしても来てもらいたい、と。漢の中の漢、お城が似合うなと思うので。」と語り、松江城を背にした野外ライブについては「きれいなお城なので、石垣の前に立てるのが楽しみ。何年経っても忘れないような思い出を明日つくれるんじゃないかな。一人でも多くの人に観てもらいたい!」と意気込んだ。松江城の国宝指定5周年を記念して行われるこのライブ、入場券は島根県および鳥取県居住者限定で販売されソールドアウト。オンラインで楽しめる配信チケットはuP!!!とチケットぴあで販売されている。すでにアナウンスされているさかなクンとともに、宮本がどんなステージを繰り広げるのか、お楽しみに。▼配信情報「国宝松江城5周年記念 東京スカパラダイスオーケストラ in 松江城」スペシャルゲスト:さかなクン/宮本浩次11月14日(土)13:30 STARTPIA LIVE STREAMでリアルタイム配信視聴券 3,300円限定Tシャツ付き視聴券 6,000円
2020年11月13日宮本浩次の初のカバーアルバム『ROMANCE』がいよいよ11月18日に発売される。その収録曲から、本日放送されたフジテレビ系「ミュージックフェア」中島みゆき特集でも歌唱された「化粧」と、これまで歌番組や弾き語りライブでも披露されてきた「赤いスイートピー」が、新たに11月9日より2曲同時に先行配信されることが決定した。アルバム『ROMANCE』からは、すでに「木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-」「ロマンス」「あなた」の3曲が先行配信されている。宮本浩次「化粧」各配信サイトURL宮本浩次「赤いスイートピー」各配信サイトURL※ともに11月9日午前0時より各サイト順次配信開始カバーアルバム『ROMANCE』スペシャルサイト宮本浩次『ROMANCE』全曲ダイジェスト作品情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。
2020年11月07日11月18日に発売される、宮本浩次の初カバーアルバム『ROMANCE』。収録曲から「木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-」「ロマンス」「あなた」が先行配信され、日を追うごとに期待が高まる中、いよいよ全12曲のダイジェストがYouTubeにて公開された。ラストを飾る宇多田ヒカルのカバー「First Love」をはじめ、初公開となる音源も含めて全12曲が6分弱に凝縮されており、ダイジェストながら宮本浩次という歌い手の底知れぬ表現力を物語る内容となっている。宮本浩次 『ROMANCE』全曲ダイジェスト宮本浩次 カバーアルバム「ROMANCE」スペシャルサイト作品情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。
2020年11月02日ピアニスト小川典子のリサイタルは、ロシア音楽だけで構成されたプログラム(11月7日・ミューザ川崎シンフォニーホール)。ラフマニノフの前奏曲集から8曲、プロコフィエフの戦争ソナタ第7番、そしてムソルグスキー《展覧会の絵》を弾く。「スケール大きなイメージのラフマニノフの音楽ですが、実はこの前奏曲ぐらいの長さの作品が最も適している。一度のクライマックスで音楽のシェイプができるので、焦点が定まって、彼の書法をとてもわかりやすくお聴きいただけると思います。プロコフィエフのソナタ第7番は、『非情』という言葉が似合う音楽。その中で、痛みを抱えた切ないフレーズも出てくるし、第3楽章は、7拍子という珍しい、座りの悪いリズムで突進して爆発します。素晴らしいミューザ川崎の響きの中で、どこまでぎんぎんに弾けるか、楽しみです。ムソルグスキーの音楽には、他の二人のような緻密さはありません。でもだからこそロシアの土臭さを感じるし、二人には書けなかった冒険もできる。豪華絢爛なオーケストラ編曲版よりも、原曲のピアノ独奏版のほうが、それがいっそうよく現れます」なお《展覧会の絵》は作曲家の自筆譜に基づいて演奏する。よく知られた出版譜とは微妙に異なっており、随所にハッとする発見があるという。ところで、じつは小川にとって初のオール・ロシア・プロ。しかしラフマニノフの協奏曲などのイメージも強い彼女だけに、もちろんロシア音楽は大好きで、その背景にもずっと興味を持って向き合ってきた。「高校の頃からドストエフスキーが好きだったし、ノーベル賞作家ソルジェニーツィンとソビエト政府の関係にも興味がありました。抑圧された環境で生きる人間の気持ちに関心があって、そんなテーマのドキュメンタリー番組などもよく見ていました」ロシアのピアノ曲には、楽器を鳴らしきるような豊かな音量や厚みのある音色が大事。それはそのまま小川のピアノの魅力の一端でもあるのだが、彼女はさらに、「エッジの効いた音」が必要だと説く。「そういうエッジの効いた音で弾いてこそ効果が出るように音が配列されている。たとえばシューベルトはそんな音で弾いたらダメ。それでは曲にならないように書かれているからです」ピアニストは日々、その作曲家と作品にふさわしい音を探し、見きわめ続けているのだ。そうやって見つけた音が彩る小川のロシア名曲。その音が震わせる空間を直接共有してこそ、より深く共感できるはず。そしてその聴き手の共感がもう一度、演奏にも還元される。「言葉にはできない客席の“気”のようなものはいつも感じて、演奏にも目に見えない反応があります。あえて私のリサイタルを選んでくださる熱心なお客様と一緒に、密度の濃い演奏会になることを楽しみにしています」開演前には音楽評論家・下田幸二とのプレトークも。これも聞き逃せない。余裕を持って、少し早めに会場へ。小川典子の公演情報はこちら取材・文:宮本明
2020年10月29日宮本浩次が11月18日に発売するカバーアルバム『ROMANCE』より、「木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-」「ロマンス」に続き、「あなた」の先行配信が本日10月26日よりスタートした。昨年、NHK BSプレミアム『The Covers’ Fes 2019』でも歌われ、作詞・作曲者である小坂明子さんからも「史上最高のあなた」と絶賛された楽曲。宮本浩次の歌の力が存分に発揮された名カバーとなっている。宮本浩次「あなた」各配信サイトURL(10/26午前0時より各サイト順次配信開始)作品情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本浩次のソロデビュー曲「冬の花」は、宮本が幼き日に親しんだ歌謡曲へのオマージュともいえる作品だった。(「100%歌謡曲、日本の歌を歌いたいっていう気持ちがある」「ROCKIN’ ON JAPAN」2019年2月号より)今回のカバーアルバムの構想は、ソロ活動をスタートさせた時点で既に宮本の中では固まっていたようだ。そして2020年、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、初のソロアルバムを披露する場であった全国ツアー「宮本、独歩。」が無念の中止。さらに緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされる中、宮本は独り自身の作業場で歌うことにした。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲を弾き語る。1日1曲をカバーする、と自身に課した。その作業に没入する中、オリジナルの歌のもつ力、そして歌に登場する主人公たちを愛するあまり、時に号泣しながら宮本は歌っていたという。緊急事態宣言が明け、宮本は録りためた弾き語り音源から精選した10数曲を携えて、信頼するプロデューサー小林武史氏のもとを訪れた。これを受け小林はわずか数日で、ほぼアルバム1枚分のアレンジを完成、歌に向かう宮本と小林の、極めて純粋でひたむきな意志に貫かれたコラボレーションとなった。さらに、宮本が大好きな歌と公言する「赤いスイートピー」を、やはり信頼を寄せる音楽プロデューサー蔦谷好位置氏にアレンジを依頼。こうして信頼する人たちと厳選と研鑽を重ね、カバーアルバム「ROMANCE」は形となっていった。収められた楽曲のオリジナルは、すべて女性が歌った楽曲。1リスナーだった少年時代の宮本が親しんだ楽曲から、今回新たに出会った楽曲までをも含むが、いずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃った。オリジナルの歌に最大限のリスペクトを払いながら、1曲1曲を歌い込んだこのカバーアルバムは、宮本浩次のもつ歌い手としての力、魅力が、最大限に発揮されたものとなり、プロデューサー陣のアレンジ、ミュージシャンの演奏と相まって、カバーアルバムの最高峰と呼べる作品となっている。宮本にとってはもちろん初のカバーアルバム。今年3月に発売したファースト・ソロアルバム「宮本、独歩。」には、30年を超えるバンドとしての活動では、やらなかったこと、できなかったことが詰まっていたが、その意味では本作もその延長線上にある。宮本浩次という、ひとりの歌い手として挑む、“カバーアルバム”30年を超えるキャリアにしての初挑戦であり、金字塔である。関連リンク宮本浩次 HP宮本浩次 Instagram宮本浩次 Twitter宮本浩次 YouTube
2020年10月26日「5年前より良くなっていると、はっきり書いてくれていい」そう手応えを語るのは指揮者の井上道義。総監督を務める、野田秀樹演出のモーツァルト《フィガロの結婚》の再演ツアーが始まっている(東京公演は10月30日&11月1日・東京芸術劇場)。2015年の初演時に大きな話題を呼んだ衝撃的な《フィガロ》だ。理屈抜きに、とにかく楽しい。「前回は僕も病み上がりだったけど(編注:2014年に咽頭がんの治療のため半年間休養した)、今度は元気。それに野田さんが真にオペラを愛するようになった。斜に構えたところがなくなったから、僕も楽になって、お互いの良いところが出ていると思う」物語の舞台を幕末の長崎に設定しているのがこの野田版の一番のポイント。伯爵夫妻とケルビーノは海を渡ってやってきた外国人で、その使用人たちが日本人の「フィガ郎」や「スザ女」たちなのだ。庶民と貴族の対立構造を、幕末の日本人と外国人の関係に落とし込んでいてわかりやすいし、設定に合わせて原語のイタリア語と日本語混在で演じられるのも特色だ。その演出プランをリアルなものにするために、外国人役には外国人歌手を配役することが前提だった。しかしコロナ禍により海外からの入国が不能に。一時は舞台裏で歌う歌手に外国人俳優が口パクで当てぶりする方法も真剣に検討されたというが、最終的には伯爵にヴィタリ・ユシュマノフ、伯爵夫人にドルニオク綾乃という、日本在住の外国人とハーフの歌手を起用した。とくにドルニオクは、抜擢と言っていい。「新しいスターが出てきたことを喜んでほしい。初演からのメンバーは前回みっちり稽古を重ねたので自由自在。新しく入ったメンバーもそれに合わせることができる。とくに大山大輔君(フィガ郎)と小林沙羅さん(スザ女)が中心にいることで、野田さんも安心していた。この二人がいなかったらできなかった」もう一つ、野田の「言葉」へのこだわりも大きなポイント。歌詞や台詞はもちろん、字幕まですべての日本語訳が野田の書き下ろし。単純な直訳ではないから面白い。しかも表面的なウケ狙いでなく、そこにはダ・ポンテの台本を深く読み込んだ結果が反映されているのだという。その野田=ダ・ポンテの世界にモーツァルトの音楽を吹き込むのが指揮者・井上道義の役割。話題が演出に集中しがちなことをどう感じているのだろうか。「構わない。とくに記事にするときにはそれが勝つと思うけど、野田さん自身も『オペラの中心は音楽でしょ』と言っている。オペラの感動は演出ではなく音楽で起きる。それは良い歌手たちとの、その場その場のほんの一瞬の積み重ねでしかできないこと。演出が良いぶん、こっちも頑張らなきゃ」手直しが重ねられ、どんどんパワーアップしているという再演の舞台。初見の人はもちろん、リピーターの人にも思わぬ驚きが待っているはずだ。マエストロも「見ないと取り残されるよ(笑)」と誘う。必見。(取材・文:宮本明)
2020年10月21日恒例の舘野泉バ舘野泉 公演情報はこちらースデー・コンサートが、今年は演奏生活60周年記念ツアーの一環として開かれる(11月10日・東京オペラシティコンサートホール)。脳溢血の後遺症で右半身に麻痺を残したまま、左手のピアニストとして再起したのが2004年。前を向き続ける不屈の姿勢は、コンサート当日に84歳を迎える今も変わらない。プログラム5曲のうち、なんと世界初演の新曲が3曲も並ぶのだから。光永浩一郎(1966~)の《苦海浄土によせる》、新実徳英(1947~)《夢の王国》、パブロ・エスカンデ(1971~)《悦楽の園》の3作品。「苦海浄土から、夢の王国を過ぎて悦楽の園へ。なんだか物語性があるように見えるけれど、作曲家には何も注文もしていません。はからずも自分の気持ちにぴったりのプログラムになりました」光永はすでに舘野のために左手作品を何曲も書いている熊本出身の作曲家・ピアニスト。新曲は作家・石牟礼道子の代表作『苦海浄土 わが水俣病』に由来する。「彼がピアノを好きなことは、作品からもよくわかります。今回も非常に力のこもった作品。〈海と沈黙〉という第3楽章が本当に素晴らしい。静寂が人々に訴えかけるような音楽です」新実の初めての左手作品となる新曲の楽譜は、「舘野泉 左手のピアノ・シリーズ」(音楽之友社)の新刊として11月出版予定。舘野は、取材前にちょうどその巻頭言を脱稿したところだったそう。「そこにも書いたのですが、熟練、熟知、熟達した作曲家の作品です。『夢』といっても、甘い憧れではなく、夢と現実とが錯綜するような音楽です」そして光永同様、すでに舘野と多く協働しているのが、ブエノスアイレス生まれで関西在住のエスカンデだ。「彼の作品はネオ・バロックとでもいうべき、すごく明晰な書き方。これはヒエロニムス・ボスの祭壇画に従って書かれた作品で、スコアにはそれを示す標題が添えられています。天地創造から始まって、アダムとイヴ、悦楽の園、そして地獄。天国と地獄は表裏一体なんですね」他にバッハ(ブラームス編曲)とスクリャービンを弾く。つねづね「両手で弾いても片手で弾いても音楽は音楽。何も変わらない」と語る。それどころか、作曲し尽くされ、弾き尽くされてきた両手作品と違って、左手作品は一作一作のすべてに新しい世界が広がっていると力を込める。くめども尽きぬ、まさに「泉」なのだ。取材中、新実作品にとても運指が難しい箇所があるのだと楽譜を見せてくれた。そこは少し容易な運指で弾ける別案も選択できるようになっているのだが、「意地でも難しいほうで!」とうれしそうに笑う舘野。ピアニストの命である手の故障にさえ敢然と立ち向かう巨匠に、老いという言葉はまったく無縁のようだ。感染症拡大の影響を受けていた活動もいよいよ10月から本格再開。60周年リサイタルは福岡、札幌、藤沢、福島、東京、大阪と全国を巡る。「自分のペース、自分の生き方を思い出して、また音楽を伝えていきますよ」と自然体で語った。取材・文:宮本明
2020年10月20日先日収録曲とジャケットが公開され、発売前から大きな話題となっている宮本浩次カバーアルバム『ROMANCE』。これまで明かされていなかった、初回限定盤に付属するボーナスディスクの収録曲が本日解禁となった。ボーナスディスクのタイトルは「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」。宮本が緊急事態宣言の期間中に録りためていた、20曲以上の弾き語りデモからセレクトされた音源が収録されることはアナウンスされていたが、今回そのタイトル6曲が発表となった。収録曲は本編CDと同じくオリジナルはすべて女性が歌った楽曲で、6曲のうち5曲は本編CDに収録されていない楽曲となる。「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫作曲:村井邦彦)宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』スペシャルサイト作品情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】「宮本浩次弾き語りデモ at 作業場」1. September(作詞:松本隆 / 作曲:林哲司)2. 思秋期(作詞: 阿久悠 / 作曲: 三木たかし)3. 私は泣いています(作詞:りりィ / 作曲:りりィ)4. あばよ(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)5. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)6. 翼をください(作詞:山上路夫 / 作曲:村井邦彦)【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本がいわゆる緊急事態宣言の期間中に録りためていた、20曲以上の弾き語りデモ音源からセレクトした楽曲を収録。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲に独り作業場の中で向き合い、その歌のもつ力に感動と尊敬を覚えながら1日1曲を録音していた宮本。そのデモ音源を携えて小林武史氏のもとを訪れたことから、このカバーアルバムは始まった。歌のもつ力と楽曲に対する愛情がストレートに伝わる音源であり、宮本浩次という一人の優れたアーティストの非常に貴重な記録となっている。宮本浩次 関連リンク宮本浩次HP : : : :
2020年10月19日黒澤明監督の『生きる』(1952年)が、『Living』(原題)としてイギリスでリメイクされることになった。「The Hollywood Reporter」などが伝えた。監督は、2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス、脚本は日系イギリス人小説家で、ブッカー賞とノーベル文学賞の受賞者カズオ・イシグロ(「わたしを離さないで」)に決定。イシグロ氏は「私たちの多くは毎日長い時間、机やパソコンの画面の前に固定される生活を強いられています。新型コロナウイルスが発生してからはなおさらです。そんななか、全体像を見ようとすると、自分のがんばりがどれだけ役に立っているか可視化できず、悩んでいる人もいます。そういった人たちの心に響く物語になると信じています」と語っている。『キャロル』のプロデューサーコンビのスティーヴン・ウーリー&エリザベス・カールセンが製作を行い、「黒澤プロダクション」も関わる。主演は『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー助演男優賞、『ナターシャの歌に』でゴールデングローブ主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞したビル・ナイが務める。共演者にはNetflixの「セックス・エデュケーション」でエイミー役を演じているエイミー・ルー・ウッドが決まっているという。『Living』の舞台は1952年のロンドンで、主人公は第二次世界大戦後に公務員として働くウィリアム。机の上に山積みになっている書類仕事を目の前にしながら、彼は病により余命わずかだと悟る。死を目前としたウィリアムは、単調な人生に意味を見出だす冒険を始めるのだった。『Living』は来春、イギリスで撮影開始予定。(Hiromi Kaku)
2020年10月16日黒澤映画をミュージカル化した『生きる』が10月9日(金)、東京・日生劇場にて開幕。それに先駆け、主演の市村正親と鹿賀丈史、演出の宮本亞門がコメントを寄せた。本作は、’18年に主演を市村正親・鹿賀丈史(Wキャスト)、音楽をジェイソン・ハウランド、脚本・歌詞を高橋知伽江、演出を宮本亞門というタッグで初演された作品で、今回が2年ぶりの再演となる。自らの余命がわずかと知り、初めて生きようとする主人公・渡辺勘治を演じるのは、初演に続き市村と鹿賀。その息子・光男は新キャスト村井良大が演じる。さらに、新納慎也と小西遼生(Wキャスト)、May’n と唯月ふうか(二役をWキャスト)、山西惇が初演に引き続き出演する。市村が「初演では、あんな耳をつんざくような拍手をもらえるとは思っていなかったのでびっくりしました」、鹿賀が「静かなものすごい熱のあるスタンディングオベーションの光景を目にして、いい仕事ができたなと感じました」と振り返った本作だが、今回の再演はさらに「すごく作品がよくなっている」と宮本。そこには宮本自身の経験も反映されているといい「コロナ禍だから観てほしい作品になった。“生きる”ということをストレートに伝えられる作品になったなと思います」と明かす。市村も「今回の演出は2年前と随分違うんです。渡辺勘治の人間ぽさが出てきたなと感じています。勘治の『今、生きている。生かされている』という台詞があるけど、僕自身も今回すごく『舞台に立たされている、立つことができている』と実感を持って言えるので、とてもしあわせ。だからこそ、この『生きる』の感動をたくさんの人に伝えたいです」、鹿賀は今回「この作品を上演できると聞いた時はすごく嬉しかったです。これ以上の舞台に立つ喜びはなかなか経験できなかったと思います」と明かし、「今回僕が一番気にしているのは“リアリティ”です。台詞も歌も踊りもある中で、どこかに一本、すっと気持ちがつながっていないとと考えました。だから歌も、上手に歌えば十分なのか?と思いまして、普通の音楽監督だったら怒るかもしれないような歌い方もしています。今までのミュージカルとは一味違う、僕は新しいミュージカルだと思っています」と語る。宮本が「これはお芝居なんです。芝居としても、ミュージカルとしても楽しんでいただける作品。映画と違う新たな感動もあると思います。必ずあなたの人生に光が差す瞬間がある舞台だと、大げさじゃなく思います。市村さんと鹿賀さんが凄まじいです。今回の『生きる』は観ないと損です」と語る本作は、10月28日(水)まで東京・日生劇場にて上演後、富山、兵庫、福岡、愛知を巡演。文:中川實穂
2020年10月14日ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子どもを育てたという実話に着想を得て制作された映画『チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)』が宮本亞門の演出で、2020年12月~2021年1月、初めて舞台化される。舞台は1979年のウェスト・ハリウッド。シンガーを夢見ながら、ショーパブの口パク・ダンサーとして日銭を稼ぐルディ(東山紀之)と、正義を求めながらも、ゲイであることを隠して生きる検察官のポール(谷原章介)は、母の愛情を受けずに育ったダウン症のある少年マルコ(高橋永/丹下開登のWキャスト)を愛し、大切に育てた。ある日、ルディとポールがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまう。2人の関係を偽っていたことが原因で、マルコは家庭局に連れて行かれる。「今こそ、法律で世界を変えるチャンス」と差別と偏見で奪われたマルコを取り戻すために裁判に挑むことを決心するが……というあらすじだ。演出をする宮本亞門は、原作の映画に「大感動した」といい、「米国でもメジャーなハリウッド映画ではないが、テーマ性があって、意義深い作品。特にルディを演じたアラン・カミングの演技は凄まじかった」と語る。今回、そのルディを演じるのは東山紀之。宮本は「よくぞ引き受けてくれたなと驚いた。アランの演技をみたら、普通だと怖いのではないかと思う」と話しながらも、「でも、そこに飛び込んできてくれた。社会に戦い続け、悩み、歌を歌うルディのような役は、彼も経験がないはず。役者冥利に尽きるし、役者としての評価が試される役」と期待を寄せる。また、ポールを演じる谷原章介については、宮本は「谷原さん自身とても真面目で、優しくて、理知的。ポールと似ているところがある」。そして、「ポールは、ゲイであることをカミングアウトできずに悩んでいるとき、ルディとの出会い、彼の心の旅が始まる。そこをうまく表現できたら」と述べた。コロナ禍での稽古、そして上演。宮本は「コロナの影響で、いろいろなことが浮き彫りになったし、社会の断絶も感じる。だからこそ僕は、愛にあふれた作品を舞台として出すことで、我々が忘れてはならないものや必要なものを感じてほしい。難しい政治の話ではなく、愛の話。エンターテインメントの色合いも含めながら、ぜひ劇場に来ていただければ」と呼びかけた。東京公演は2020年12月7日(月)~30日(水)までPARCO劇場。そのほか、上田市、仙台、大阪、東海市で上演される予定。チケット発売中。取材・文・撮影:五月女菜穂
2020年10月13日宮本浩次が11月18日にリリースするカバーアルバム『ROMANCE』の収録内容の詳細が発表され、併せてジャケットビジュアルが公開された。収録曲「木綿のハンカチーフ」が9月16日に先行配信されると”泣ける“、”こんな歌詞だったのかと新鮮な魅力を感じる”などSNS上で話題に。また、先日放送されたNHK『The Covers』宮本浩次ナイト!で披露されたロックアレンジの「ロマンス」も話題を呼び、カバーアルバム『ROMANCE』への期待が高まる中、いよいよその全貌が明らかになった。収録される楽曲は全12曲。オリジナルはすべて女性が歌った楽曲となり、1リスナーだった少年時代に親しんでいた楽曲を中心に、宮本自身が愛してやまない楽曲が揃った。歌の持つ力と楽曲に対する愛情をストレートに伝える宮本の歌と、プロデューサー小林武史氏をはじめトップミュージシャンによる演奏で、それぞれの楽曲が大胆かつ丁寧に表現されているとのこと。ジャケットアートワークは吉田ユニ氏によるもの。黒を基調にした非常に静謐な雰囲気が漂う中、水玉模様を連想させる赤が非常に印象的なアートワークとなっている。アルバムのスペシャルサイトも本日公開されたので、是非チェックを。宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』スペシャルサイト作品情報宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』2020年11月18日(水)発売『ROMANCE』ジャケット初回限定盤(CD+CD): 税抜3,500円通常盤(CD): 税抜3,000円【収録楽曲】01. あなた(作詞:小坂明子 / 作曲:小坂明子)02. 異邦人(作詞:久保田早紀 / 作曲:久保田早紀)03. 二人でお酒を(作詞:山上路夫 / 作曲:平尾昌晃)04. 化粧(作詞:中島みゆき / 作曲:中島みゆき)05. ロマンス(作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平)06. 赤いスイートピー(作詞:松本隆 / 作曲:呉田軽穂)07. 木綿のハンカチーフ-ROMANCE mix-(作詞: 松本隆 / 作曲: 筒美京平)08. 喝采(作詞:吉田 旺 / 作曲:中村泰士)09. ジョニィへの伝言(作詞:阿久悠 / 作曲:都倉俊一)10. 白いパラソル(作詞:松本隆 / 作曲:財津和夫)11. 恋人がサンタクロース(作詞:松任谷由実 / 作曲:松任谷由実)12. First Love(作詞:宇多田ヒカル / 作曲:宇多田ヒカル)【初回限定盤ボーナスCD】宮本浩次弾き語りデモ at 作業場【カバーアルバム『ROMANCE』について】宮本がいわゆる緊急事態宣言の期間中に録りためていた、20曲以上の弾き語りデモ音源からセレクトした楽曲を収録。エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲に独り作業場の中で向き合い、その歌のもつ力に感動と尊敬を覚えながら1日1曲を録音していた宮本。そのデモ音源を携えて小林武史氏のもとを訪れたことから、このカバーアルバムは始まりました。歌のもつ力と楽曲に対する愛情がストレートに伝わる音源であり、宮本浩次という一人の優れたアーティストの非常に貴重な記録となっています。宮本浩次 関連リンク宮本浩次HP : : : :
2020年10月12日11月18日(水)に発売される宮本浩次のカバーアルバム『ROMANCE』に収録された『ロマンス』が10月12日(月)に緊急先行配信されることが決定した。10月4日(日)に放送された、NHK BSプレミアム「『The Covers』宮本浩次ナイト!第1夜『昭和の歌姫、名曲を唄う』〜太田裕美・岩崎宏美・梓みちよ〜」番組内にて、宮本浩次は『木綿のハンカチーフ』と『ロマンス』を、カバーアルバムでプロデューサーを務める小林武史を含むバンドメンバーとパフォーマンス。『二人でお酒を』は宮本浩次の弾き語りで披露され、放送直後から絶賛の声が挙がった。特にロックサウンドで蘇った岩崎宏美の名曲『ロマンス』は大きな話題となり、好評を受けて今回の緊急配信が決定したとのこと。なお、『The Covers』宮本浩次ナイトは、10月11日(日) 22:50に第2夜が放送される。第2夜では『中島みゆき、高橋真梨子を唄う』と題し、『化粧』『ジョニィへの伝言』が披露される予定。トークゲストには小林も参加するため、こちらも併せて期待してほしい。カバーアルバム『ROMANCE』にはいずれも宮本が愛してやまない楽曲が揃っている。時に号泣しながら、1曲1曲を丁寧に歌い込まれたアルバムは、宮本の持つ魅力が最大限活かされた作品となっている。30年を超えるキャリアにして初挑戦である宮本のカバーアルバムの世界観を、発売に先立ち先行配信された『ロマンス』で味わおう。【作品情報】宮本浩次 カバーアルバム『ROMANCE』11月18日(水) 発売●初回限定盤(CD+CD):税抜3500円 / UMCK-7089/90●通常盤(CD):税抜3000円 / UMCK-1676<収録予定曲>・喝采・ジョニィへの伝言・あなた・二人でお酒を・ロマンス・木綿のハンカチーフ・化粧・異邦人・恋人がサンタクロース・赤いスイートピー※オリジナル発売年順<初回限定盤ボーナス CD収録内容>宮本がいわゆる緊急事態宣言の期間中に録りためていた、20曲以上の弾き語りデモ音源からセレクトした楽曲を収録。 エレファントカシマシとしてデビューするよりもさらに前、歌が大好きな少年宮本浩次が親しんでいた楽曲に独り作業場の中で向き合い、その歌のもつ力に感動と尊敬を覚えながら1日1曲を録音していた宮本。 そのデモ音源を携えて小林武史氏のもとを訪れたことから、このカバーアルバムは始まった。 歌のもつ力と楽曲に対する愛情がストレートに伝わる音源であり、宮本浩次という一人の優れたアーティストの非常に貴重な記録となっている。宮本浩次HP
2020年10月05日10月4日(日)、新国立劇場のオペラ2020/21シーズンが幕を開けた。コロナ禍により結果的に2月で終了を余儀なくされた前季からおよそ7か月ぶり、待望の劇場再開だ。新制作のブリテン《夏の夜の夢》は20世紀の現代オペラだが、音楽も物語も、明るく、また幻想的な、シェイクスピア原作の喜劇。世界の第一線で活躍するカウンターテナー藤木大地の出演が、発表時からの大きな話題だった。入国制限によって海外勢が来日できないため全役が日本人キャストに交代。演出も感染症対策を施して変更し、「ニューノーマル時代の新演出版」と銘打っての上演。しかしそこに「応急」とか「代替」とかのネガティブな疑念をはさむ余地は皆無の、完成されたプロダクションに仕上がった。月に照らされた神秘的な森の中。そこに妖精たちの住む屋根裏部屋のような空間がある。注目の藤木は妖精の王オーベロンを演じて期待に違わぬパフォーマンス。繊細で丁寧な歌唱で存在感を示した。その妃タイターニアの平井香織、妖精たちに翻弄される2組の人間カップルの但馬由香と村上公太、大隈智佳子と近藤圭らの主要役も、海外勢の不在を微塵も感じさせない好演。日本声楽界の充実ぶりを証明した。この舞台はもともと、2004年にベルギーのモネ劇場で制作されたデイヴィッド・マクヴィカー演出のプロダクション。今回はそのオリジナル演出に基づいて、女性振付家レア・ハウスマンが演出を担当した。彼女自身は来日せず、稽古場をオンラインでつないで演出を指示したのだそう。飛沫感染への配慮から歌手同士の距離を空けた「新演出」だが、オリジナル演出からの最も大きな変更は、狂言回し役の妖精パックの演技だ。歌のない台詞役で、オリジナルではデイヴィッド・グリーヴスというアクロバット俳優が演じた。今回も出演予定だった彼は空中ダンスのスペシャリスト。演出もいわば彼への当て書きで、パックが文字通り飛び回る設定だったので、当然そこは変更せねばらなかった。代わって演じたのは若手バス歌手の河野鉄平。飛ばないまでも、台詞だけの役なのだから俳優のほうが適切などと考えたら大間違い。この起用が大当たりだった。23年間アメリカで暮らしたという英語力もさることながら、不気味な怪しい動きの大熱演で、いたずらな妖精を演じ切った。声援を規制された現状の客席ルールさえなければ、間違いなく大きなブラヴォーが飛んだはずだ。また、妖精の合唱の少年たち(FM東京少年合唱団)も、歌だけでなく動きも目を見張るクォリティ。このあたりに、身体表現のプロであるハウスマンの仕事が光っているのだろう。ピットには、急きょ代役を委ねられた飯森範親が指揮する東京フィル。美しく研ぎ澄まされた、でもどこかいびつで不条理な響きが印象的なブリテンのオーケストレーションを、鮮やかに描き出していた。劇場再開を祝うになんら不足がない舞台。新国立劇場が帰ってきた。(宮本明)
2020年10月05日鈴木優人プロデュースのオペラ《リナルド》(ヘンデル)が10~11月に横浜と東京で上演される。9月下旬、鈴木と出演者たちが出席してオンライン会見が行なわれた。2017年のモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》に続く、鈴木とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のオペラ・シリーズ第2弾。前回の《ポッペア》は演奏会形式だったが、今回は一歩進んでセミ・ステージ形式。若手演出家の砂川真緒が抜擢された。砂川「バロック・オペラをいかに楽しめるか。エンタテインメントとして考えている。今回、リナルドは現代に生きている少年という設定。鈴木さんが、囚われの身のアルミレーナがピーチ姫みたいだと言っていたことから発想が膨らんだ」題名役は、世界が認めたカウンターテナー藤木大地。鈴木とは20年来の友人で、二人は「死ぬまでにヘンデルのオペラを全部やる」と誓い合った仲。藤木「ちょうど10年前、カウンターテナーに転向する時も優人君に相談した。その頃日本でバロック・オペラの上演は考えられなかった。それがどんどん変わってきて、歌える人も聴きたい人も増えたことに感謝したい。困難な状況のなか、2020年の日本でしか聴けない国際的な《リナルド》をお楽しみに」ヒロインのアルミレーナは、バロックでも卓抜な歌唱を聴かせる美しきプリマ・ドンナ森麻季。森「古楽のスペシャリストのBCJのみなさんとのオペラ全幕を上演できるのは大切な機会。コロナ渦の制約のある演出も、私には楽しみのひとつ。初共演の若い歌手のみなさんからも学びながら、心をひとつにして頑張りたい」そして、プロデューサー・指揮者として公演を束ねる鈴木優人。鈴木「歌と言葉と器楽が融合してドラマを作るのが、ヘンデルのオペラを演奏して楽しいこと。いかに美しく楽しく作れるか。観客に予習なしで楽しんでもらえることが私たちの使命。その創意工夫にすべてを捧げることができるチームであるかどうか。今回のスタッフ、キャストの思いは、きっと舞台で輝くと確信している」エンタテインメントとしてのバロック・オペラ。じっさい《リナルド》は、ファンタジーの要素も強いし、2組の男女の恋のドタバタ劇のようなところもあって、屈託なく楽しめる作品。だからぜひ、音楽史を学ぶような気持ちでなく、大ヒットした300年前のロンドン初演の観客たちと同じように虚心坦懐に楽しみたい。《リナルド》は、のちにイギリスに帰化するヘンデルが、26歳で最初にロンドンを訪れた際に作曲した全3幕のオペラ。舞台は11世紀末のイスラエル。十字軍の英雄リナルド(藤木)は司令官の娘アルミレーナ(森)と恋人同士。ところが敵将アルガンテがアルミレーナに、その愛人の魔女アルミーダがリナルドに一目惚れして、話はもつれる。第2幕で、言い寄るアルガンテを拒絶して歌うアルミレーナのアリア〈私を泣かせてください〉は有名。本公演は、10月31日(土)に神奈川県立音楽堂(木のホール)にて上演。チケット発売中!文:宮本明
2020年10月05日俳優として活躍している中尾明慶(なかお・あきよし)さん。その明るいキャラクターと高い演技力で、多くの人から支持されています。そんな中尾明慶さんのインスタグラムについて、さまざまな情報をご紹介します!中尾明慶のインスタに投稿された、仲里依紗や息子との写真が素敵!中尾明慶さんは2013年に、女優の仲里依紗(なか・りいさ)さんと結婚しました。2010年公開の映画『時をかける少女』での共演をきっかけに出会った、中尾明慶さんと仲里依紗さん。その後、2012年放送のドラマ『つるかめ助産院~南の島から~』(NHK総合)で再共演し、クランクアップ後の同年10月から本格的に交際をスタートさせたといいます。結婚を発表した当時、仲里依紗さんは妊娠3か月でした。そして、2013年10月に、第1子となる男の子が誕生。中尾明慶さんはブログで、「最高の宝物ができました」と喜びをつづっていました。中尾明慶さんのインスタグラムには、仲里依紗さんや息子との写真が数多く投稿されており、幸せな結婚生活を送っていることがうかがえます。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月30日午前5時00分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年10月月18日午前7時27分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年 6月月30日午前5時14分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月6日午前8時01分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 1月月3日午前4時05分PST この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年12月月25日午前5時46分PST写真を見たファンからは、次のようなコメントが寄せられました。・素敵なファミリー!・2人を見ていると、こっちも幸せな気持ちになれます。・一番好きな夫婦!中尾明慶、インスタで息子の誕生日をディズニーでお祝いしたことを報告中尾明慶さんが、2019年10月4日にインスタグラムを更新。息子が6歳の誕生日を迎えたことを報告しました。中尾明慶さんと仲里依紗さんは、息子の6歳の誕生日を東京ディズニーシーと東京ディズニーランドでお祝いしたといいます。この日、中尾明慶さんは、仲里依紗さんと息子との写真を投稿。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2019年10月月4日午前2時11分PDTその中で、息子の成長についてこのようにつづっていました。本日10月4日は我が子の6歳の誕生日です。いやぁ、、、本当に早い!ここまで大きな怪我や病気もなく、育ってくれてありがとう。0歳の頃を思い返すと6歳なんてほど遠いと思ってましたね、、、こんな日が来るなんて。お祝いに東京ディズニーシーとランドに行き、タートルトーク?でまさかの当たってしまい、何も面白い返しが出来ず、照れてしまい、芸能人として致命的な結果を残しました。クラッシュ「子供からこれ何?これどういうこと?って聞かれたことはない?」的な質問。中尾「え?あ、まぁ、えっとありますね、、、」致命的な返し。そんな中隣の息子はしっかりと答え、その姿に涙が出てきた、、、これからも素直に一生懸命に育ってください。ママんもいつもお疲れ様!!!akiyoshi0630nakaoーより引用この投稿を見たファンからは、次のようなコメントが寄せられています。・息子さんの成長が楽しみですね!お誕生日おめでとうございます。・息子さん、こんな素敵なパパとママに囲まれて幸せいっぱいですね!・ずっと憧れの家族です。中尾明慶のインスタは魅力的な投稿ばかり!中尾明慶さんのインスタグラムには、ほかにも魅力的な写真が多数投稿されており、更新を楽しみにしているファンも多いようです。 この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 8月月17日午前12時26分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 8月月7日午前5時20分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 6月月18日午後9時01分PDT この投稿をInstagramで見る AKIYOSHI NAKAO 中尾 明慶(@akiyoshi0630nakao)がシェアした投稿 - 2020年 1月月6日午前3時39分PST仕事もプライベートも順調な様子の中尾明慶さん。これからの活躍も応援しています!中尾明慶と妻・仲里依紗、息子の3ショットが話題に!夫婦の合言葉がヤバい…仲里依紗と中尾明慶はケンカ中でも仲よし?不倫に関する考えかたがスゴい[文・構成/grape編集部]
2020年09月18日今週9月16日にリリースされる宮本浩次のニューシングル『P.S. I love you』。その初回限定盤同梱のDVDに収録される、『2020 612 宮本浩次バースデイコンサートat作業場 「宮本、独歩。」ひきがたり』完全版のダイジェスト映像がYouTubeで公開された。『2020 612 宮本浩次バースデイコンサートat作業場 「宮本、独歩。」ひきがたり 完全版』は、ファースト・ソロアルバム『宮本、独歩。』収録曲全曲に加え、エレファントカシマシの楽曲や貴重なカバー曲まで、全21曲を自身の”作業場“で独りで歌い切った白熱のコンサート全編をノーカットで収録。さらに2020年現段階で唯一となる本コンサートにかける意気込みや今の想いを赤裸々に語ったインタビュー、コンサートに向けてのリハーサルシーンを含めたドキュメント映像も加えた、まさに”完全版”と呼べる映像作品となっている。2020 612 宮本浩次バースデイコンサートat作業場 「宮本、独歩。」ひきがたり 完全版 ダイジェスト宮本浩次 リリース情報「P.S. I love you」NHK ドラマ10「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」主題歌2020年9月16日(水)発売初回限定盤(CD+DVD): UMCK-7072 税抜2,900円通常盤(CD) :UMCK-5693 税抜1,100円【CD】※初回限定盤・通常盤共通1. P.S. I love you2. 木綿のハンカチーフ3. P.S. I love you(Instrumental)4. 木綿のハンカチーフ(Instrumental)【初回限定盤DVD 収録内容】自身の誕生日である2020/6/12 に行われた『2020 612 宮本浩次バースデイコンサートat 作業場「宮本、独歩。」ひきがたり』を完全収録1. 夜明けのうた2. 冬の花3. 孤独な旅人4. 悲しみの果て5. 解き放て、我らが新時代6. going my way7. きみに会いたい-Dance with you-8. 獣ゆく細道9. 俺たちの明日10. 赤いスイートピー11. 珍奇男12. デーデ13. 明日以外すべて燃やせ14. 旅に出ようぜbaby15. 昇る太陽16. ハレルヤ17. 月夜の散歩18. Fight! Fight! Fight!19. 赤い薔薇20. 今宵の月のように21. Do you remember?宮本浩次 公式HP()
2020年09月14日ショパン・コンクール入賞から30年のピアニスト横山幸雄。ショパンの全曲演奏でギネス記録(24時間でもっとも多い曲数を演奏したアーティスト)を持つ彼が、またも驚きの企画を発表した。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を、2日間で一気に弾き切るという連続演奏会を敢行する[12月5日(土)、6日(日)・東京文化会館大ホール]。【チケット情報はこちら】「僕自身、ベートーヴェン全曲を1日や2日で弾くなんて、絶対やるものじゃない!と言ってきたんです。ショパンは文学でいえば詩のような感じですが、ベートーヴェンは非常にメッセージ性が強くて、いわば演説。それを一日中弾くなんて、普段だったらありえない」それが一転。一大決心に至ったのは、音楽界の現状への憂慮からだった。ベートーヴェン生誕250年の今年、予定されていた関連コンサートが次々に延期・中止。横山自身、7年かけて進めてきた「ベートーヴェン・プラス」の最終回を来年以降に延期した。「このままいくと、本来なら《第九》一色になるはずの12月もどうなるか。ベートーヴェンは12月生まれなので、本当の生誕250年は12月なんですね。このまま2020年を終わらせてしまっては、あまりにもベートーヴェンに失礼じゃないか。海外アーティストの入国規制でホールに空きも出て、やるべき企画さえあれば今からでもできる。そう考えていたら、この演奏会が誕生してしまいました(笑)」全32曲を番号順(作曲順)に弾く。2日間という短時間で向き合うことで、ベートーヴェンの人生と作風の変遷を、より凝縮して俯瞰できるはずだという。「そもそもソナタ第1番は、作品2として、26歳の年に出版されました。モーツァルトだったらすでに相当の数の曲を書いていた年齢です。フランス革命後の混沌とした時代。作曲家デビューしたくてもできなかったという事情もあったのではないでしょうか。音楽家がなかなか音楽をできない現在の状況に、どこか似ている。その後も、ようやくデビューして順風満帆かと思ったら、今度耳が聞こえなくなったりと、いろんな苦難に立ち向かい、それを全部克服していった。やっぱり、いまの状況とすごく重なる部分があるような気がするんです」それを聞くと、ベートーヴェンを象徴する「苦悩を突き抜けて歓喜へ」というモットーが思い浮かぶ。「その性格は、作品のなかにも、そしてベートーヴェン自身のキャラクターや人生にもあると思います。でも聴き手がそこから何をどう受け取るかは、まったく自由です。誰もやったことがない企画だと思いますので、それを聴いたことがある人もいない(笑)。どんな感じで聴くことになるのかを体験するのも面白いと思いますよ」全2日間11部構成・14時間半(休憩含む)というマラソン・コンサート。聴くほうも万全の体調で出かけないと。残念ながら直接足を運べないという方には、オンライン配信(有料)も検討中との事。取材・文宮本明
2020年09月14日パパ友同士である俳優・中尾明慶さんと歌舞伎役者の市川海老蔵さん。そんな2人のリアルな子育てトークがYoutubeチャンネル『中尾明慶のきつねさーん』にアップされています。テーマは『子供の教育について』。Youtubeだからこそ話せる子育て論中尾明慶さんが、日々の子育ての悩みを市川海老蔵さんに聞いていくという、こちらの動画。歌舞伎役者として、父親として、そしてYoutuberとして活躍する海老蔵さんならではの子育て論がふんだんに散りばめられています。中尾さんは動画内で「子供が継続して物事をやり遂げるモチベーション維持の仕方」を海老蔵さんに尋ねています。生まれながらにして歌舞伎役者という、途中で投げ出すことのできない道が決まっていた海老蔵さんの答えはさすがのひと言です。ほかにも父親としての威厳の保ち方や、娘が恋人を連れてきた場合など、ほかでは聞くことのできない話が繰り広げられます。プライベートなパパの顔を多く見せてくれるこちらの動画。パパのみならず、ママも子育てのヒントがつかめるかもしれませんね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年09月14日エレファントカシマシ・宮本浩次がNHK Eテレ番組「SWITCHインタビュー達人達」に出演することが発表され、場面写真が公開された。「SWITCHインタビュー達人達」は、前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、成功への道筋や独自の哲学を語り合うクロストーク番組。今回宮本とトークを繰り広げるのは、職人のイメージを超えた仕事ぶりで知られ、国内外から仕事のオファーが絶えない左官・挾土秀平。前半の舞台は宮本が生まれ育った街であり、どこか昭和の香り漂う東京・赤羽。今は廃業しているが、番組収録にあたりマスターによって特別に開かれた、かつて宮本がよく通った喫茶店にてトークが展開されていく。宮本が舞台で見せるむき出しのパワーは一体どこから来るのか?そして52歳からソロ活動を始めた思いとは?宮本が口にした「真の目標は○○になること」という意外な言葉に挾土は驚く…といった流れ。NHKEテレ「SWITCHインタビュー 達人達」番組写真後半は挾土の活動拠点「秀平組」のある岐阜県・高山市が舞台に。挾土がこれまで作ってきた壁を堪能したのち、とっておきの「秘密の場所」で対談。自然体が最も強いと語る挾土に宮本が返した言葉とは?挾土流の心を込めた「おもてなし」も随所に…進化し続ける異業種の男同士のトークを是非楽しみにしていただきたい。「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」宮本浩次×挾土秀平 放送予定NHK Eテレ 9月19日(土) 午後10:00~10:50/再放送 9月26日(土) 午前0:00~0:50※金曜深夜番組HP: 宮本浩次 リリース情報「P.S. I love you」NHK ドラマ10「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」主題歌2020年9月16日(水)発売初回限定盤(CD+DVD): UMCK-7072 税抜2,900円通常盤(CD) :UMCK-5693 税抜1,100円【CD】※初回限定盤・通常盤共通1. P.S. I love you2. 木綿のハンカチーフ3. P.S. I love you(Instrumental)4. 木綿のハンカチーフ(Instrumental)【初回限定盤DVD 収録内容】自身の誕生日である2020/6/12 に行われた『2020 612 宮本浩次バースデイコンサートat 作業場「宮本、独歩。」ひきがたり』を完全収録1. 夜明けのうた2. 冬の花3. 孤独な旅人4. 悲しみの果て5. 解き放て、我らが新時代6. going my way7. きみに会いたい-Dance with you-8. 獣ゆく細道9. 俺たちの明日10. 赤いスイートピー11. 珍奇男12. デーデ13. 明日以外すべて燃やせ14. 旅に出ようぜbaby15. 昇る太陽16. ハレルヤ17. 月夜の散歩18. Fight! Fight! Fight!19. 赤い薔薇20. 今宵の月のように21. Do you remember?宮本浩次 関連リンクofficial web site()Instagram()Twitter()YouTube()
2020年09月12日9月3日、新国立劇場でのベートーヴェン《フィデリオ》で2020/2021シーズンの幕を開けた東京二期会オペラ劇場。初日前日には、早くもその次の2021/2022シーズン(2021年9月~2022年7月)のラインアップが発表され、6月に新理事長に就任したばかりの清水雅彦氏(経済学者/慶應義塾大学名誉教授)らが出席して記者会見が行なわれた。【チケット情報はこちら】新シーズンのテーマは「誘惑の綾」。さまざまな誘惑が綾なす人間模様に注目だ。各演目ともキャストなど詳細の発表は後日。[2021/22シーズン・ラインアップ]2021年9月●モーツァルト《魔笛》大きな話題を呼んだ2015年宮本亞門演出が待望の再演。リオネル・ブランギエ指揮。2021年11月●J.シュトラウス《こうもり》ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携で制作したアンドレアス・ホモキ演出のプロダクション(2017年)。川瀬賢太郎指揮。2022年2月●R.シュトラウス《影のない女》(新制作)現代屈指の演出家ペーター・コンヴィチュニーと二期会の6作目のコラボ。ボン歌劇場との共同制作だが、東京がワールド・プレミエとなる。アレホ・ペレス指揮。2022年4月●プッチーニ《エドガール》(新制作/セミ・ステージ形式上演)東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ。上演機会の少ないレア作品。指揮はイタリア・オペラの紹介を使命とする鬼才アンドレア・バッティストーニ。2022年7月●ワーグナー《パルジファル》(新制作)開幕の《魔笛》に続いて再び宮本亜門登場で、こちらは新演出。フランス国立ラン歌劇場との共同制作で、すでにフランスでは今年1月に初演されて好評を得ている期待のプロダクションがいよいよ日本で見られる。セバスティアン・ヴァイグレ指揮。なお、感染症拡大の影響で延期された、今年4月上演予定だったサン=サーンス《サムソンとデリラ》(東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ/セミ・ステージ形式)と、7月予定だったベルク《ルル》(カロリーネ・グルーバー演出による新制作)は、それぞれ2021年1月と8月に上演される。これに加えてこの日、公演動画の無料インターネット配信の開始も発表された。当面は、9月の《フィデリオ》以下の数演目を、YouTubeで配信する。これは経済産業省が文化コンテンツの海外展開を支援する助成金「J-LOD」を活用した事業で、英語字幕をつけ、感染予防対策の紹介なども盛り込んだドキュメンタリーとすることで、海外の劇場関係者への情報発信の意味合いも含めたプロジェクト。海外向けではあるが、もちろん国内でも視聴可能だろう。新しい試みに期待したい。なお会見には、今年11月の《メリー・ウィドウ》(沖澤のどか指揮)のハンナ役のソプラノ嘉目真木子と、来年7月の《ファルスタッフ》の題名役に起用されたバリトン今井俊輔も出席。抱負を熱く語って花を添えた。取材・文:宮本明
2020年09月11日