脚本家の宮藤官九郎氏が13日、都内で行われた『季節のない街シナリオ』(KADOKAWA)のトークイベントを実施。ドラマ版で主人公の半助こと田中新助を演じる俳優・池松壮亮もサプライズで駆けつけた。原作は、山本周五郎の同名小説。誰もがその日の暮らしに追われる、裕福とはいえない“街”を舞台に、弱さやずるさを隠さずにたくましく生きる個性豊かな住人たちの悲喜を紡いだ物語となっており、1970年に黒澤明監督が『どですかでん』のタイトルで映画化したことでも知られる不朽の名作だ。ドラマ版は、宮藤氏が、20代のころからずっと切望していた企画であり、テレ東とディズニーの共同製作によって昨年8月にディズニープラスで先行配信された。今年4月よりテレ東のドラマ25枠(毎週金曜深24:42)にて地上波放送中。傑作小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い、この“街”にやってきた主人公が“街”の住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく青春群像エンターテインメントとなっている。同シナリオブックは、全10話分を充実の監督解説付きで収録。改めてドラマ化までの経緯を聞かれた宮藤氏は「僕が大人計画に入る前に『自分で何かをやらなきゃ』という、若い頃の焦りと衝動の真っ直中で原作に出会ったんです。その時に大阪の西成で暴動があって、その全てがなぜか自分の中でリンクして、突発的に大阪まで見に行ったんですよ。行ったら暴動は収まっていたんですけど(笑)でも、すごくエネルギーを感じる出来事でした」と回想した。その後も原作小説に強い思いを抱いていた宮藤氏は「コロナ禍とかいろいろあって『自分がやりたい作品、やりたかったことってなんだっけな』と考えて、その時に思い出した。皆さん『どですかでん』は知っているけど、実はこれが原作なんですよと。それを『連続ドラマにならないですかね?』ってお願いしたところ、誰も止めなかったのでやることになりました」と明かした。そして重要となるキャスティングについて話題に。「連続ドラマに出てる印象があまりなかった」という池松に「ダメ元」でオファーしたといい、それを受けた池松は「とても光栄でした。宮藤さんがコロナの時期を経てこれを出すんだと。ずっとやりたかった企画で、脚本だけでなく自ら監督もするんだと。そんな重要な作品がなぜ自分に回ってきたのか分からないままとにかく光栄で、もともと黒澤のどですかでんも、山本周五郎も大好きだというのもあって、こんな贅沢な作品で宮藤さんと出会えることが夢のようでした」と回答。スムーズに出演を快諾され、宮藤氏は「騙されてるんじゃないかな?本当に出てくれるんですか?って何度も聞きました(笑)」と冗談めかした。文字通り、笑って、泣けて、感動できるストーリーが多くのファンを魅了している。連ドラだけでなく、“コメディ”のイメージが薄い池松だが、宮藤氏は「普段の会話もそうですけど、間合いとかが上手なんですよね。あとは三人(タツヤ役・仲野太賀、オカベ役・渡辺大知)の空気感だったり、第4話で荒川(良々)くんと増子(直純)さんと一緒のシーンを撮ってるときに(池松が)笑っちゃってるんですよね。でも俺も笑ってるしいいかって。いい具合に抜けてる半助をコメディに転換できてるなと。冷静に考えたら仮設住宅の暮らしをコメディにするなんて誰もやってない。でも、実際は笑い声もあっただろうし、これはこれでいいんじゃないかって。面白いから笑っちゃうよな。それをフリーに演じてもらいました」と話した。絶賛の数々に照れ笑いを浮かべた池松は、宮藤氏の演出について「全体的に答えると素晴らしかったとしか言いようがない」とした上で「人の痛みや悲しさを根底に置きながら、その営みと触れ合いを宮藤さんにしかなし得ない手触りで見事に描ききってくれました。脚本でも、監督としても、その複眼的な視点でスタッフ、キャストをこの物語の世界に引っ張ってくれました」と演者サイドも刺激を受けたと振り返っていた。
2024年04月25日リッチなスイーツの代表格といえる、アイスクリームの『ハーゲンダッツ』。少しばかり値は張りますが、近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも購入できるため、ちょっとしたぜいたくをしたい時の御用達といえます。気分を上げたい時や、『自分へのご褒美』を用意したい時などに『ハーゲンダッツ』を味わうと、自然と笑顔になりますよね。夫が買ってくれた『ハーゲンダッツ』を食べようとして、真顔乙夜(@miridoru)さんは、夫から普段の感謝の気持ちが詰まったプレゼントをもらいました。この日、夫が買ってきてくれたのは、『ハーゲンダッツ』!それも期間限定で新発売された、よりリッチな味わいの『ティラミスクッキークランチ』でした。夫の優しさに心が温まり、笑顔で『ハーゲンダッツ』を食べようとした、乙夜さん。しかし、いざ口にしようとすると、真顔になってしまったのです。なぜならば、いろんな意味で『ハーゲンダッツ』とスプーンの相性がよすぎたのですから…!「なぜだろう…『ハーゲンダッツ』を食べているのに、訓練をしている気分になる…」実は、乙夜さんは予備自衛官。ショベルで掘られる土にしか見えない『ハーゲンダッツ』を前にして、掩体構築(えんたいこうちく)を連想してしまったのです…!掩体構築とは、攻撃から身を守ったり、射撃を行いやすくしたりするための設備を作る動作。大きなショベルを使い、迅速に穴を掘り、土を積み上げる必要があります。過去に乙夜さんは、掩体構築の訓練に励んできた経験があるため、当時の思い出がよみがえってしまったのでした…。茶色い『ティラミスクッキークランチ』の表面は、少し大きめの石も混じった土に見えます。そこに、ショベルを模したスプーンを使えば、自衛官以外の人も、土にしか見えないでしょう。シュールな光景に、ネットからは「それにしか見えなくて吹いた」「完全に園芸じゃん」といった声が相次ぎました。『ハーゲンダッツ』そのものはおいしかったものの、「自衛隊時代の苦い思い出も、ともに掘り返しそうになってしまった」と話す、乙夜さん。この時食べようとした『ティラミスクッキークランチ』は、ティラミスのほろ苦さも再現したフレーバーです。奇しくも、味と思い出がマッチしてしまったのかもしれません…![文・構成/grape編集部]
2024年04月05日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。物語の最後に、恒例の不適切なお詫びテロップが2024年と表記されて出てきたとき、「やられた!」と思わず唸ってしまった。柔らかく、ねっちりと細かく、時に目詰まりを起こす令和の対人関係。ドラマの序盤から「話し合いましょう」と歌いあげ、SNSとの向き合い方を何度も考え、そして「寛容になりましょう」と歌い、息苦しさを横に広げて風通しをよくする方法を今作は提示してきた。そして最後に、今この2024年さえも変化していく時代のごく一部にすぎないと、縦の広がりを見せる。鮮やかで、目からうろこが落ちるようだった。いかにも昭和的な価値観の男が令和にタイムスリップする。そこで経験する騒動を通して、令和と昭和の対比をコメディとして描き、大好評を博した『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜日22時)。最終回では小川市郎(阿部サダヲ)は昭和に、向坂サカエ(吉田羊)とキヨシ(坂元愛登)は令和にとそれぞれの時代に帰った。純子(河合優実)は大学に合格し、パワハラの冤罪で休職していた渚(仲里依紗)は昭和で元気を取り戻して復職し、失恋で落ち込んでいた秋津真彦(磯村勇斗)と新しい恋をする。元の場所に戻りながら、皆それぞれにアップデートして少しだけ幸せになった。同時に、小川市郎が知ってしまった自分と娘の寿命については、解決も変化もしない。回収しなかった部分は、脚本家・宮藤官九郎と作り手が、人の生死とりわけ災害死を描くにあたって尽くした誠意なのだろうと思う。一方で、最終回の回収は、キヨシが昭和で仲良くしていた不登校の友人・佐高(昭和パート榎本司・令和パート成田昭次)のその後である。令和の少年らしい柔らかさでキヨシは佐高に寄り添って、いつも部屋でゆるゆるとゲームをしていた。別れ際、キヨシは「学校なんてさ。自分と気の合わないやつがこの世界には存在するってことを勉強する場所だけどさ…」と、佐高に淡々と話し始める。1人か2人、友達が見つかれば、他は死ぬまで会わなくていい奴らなんだから。俺は佐高くんにあえて良かったし。それは学校のおかげだし。気が合う奴とは繋がれて、合わない奴とは関わらなくてすむ…便利なもの、もうちょっと辛抱すれば沢山出来るからさ。キヨシが令和に帰った後、佐高はキヨシのいない学校に登校するようになり、中学を卒業する。ただ1人でも、真心で思ってくれる誰かがいて言葉が届けば、小さくても一歩を踏み出せる。若い日の母親と出会い、人間関係の悩みを聞いてもらって、子供のように唇についたナポリタンを拭いてもらった渚が、それで元気を取り戻して仕事に戻っていったように。佐高や井上(昭和パート中田理智・令和パート三宅弘城)の卒業式、小川は「お前らの未来は面白いから!」と言って、ヒップホップとともに生徒を送り出す。本ドラマの主題歌『二度寝』を担当する、『Creepy Nuts』の二人が昭和に来て居残りしているという粋な展開であった。爆笑して『二度寝』を聞きながら、胸が熱くなった。旅立ちにあたって、未来は楽しいぞ、良いものだぞと灯火のように明言してくれる誰かがいるというのは本当に幸せなことだ。一見万事に細やかで配慮の行き届いた令和の世の中だけれども、いま、若い世代に未来はいいものになると確信と共に語れる大人は少ないように思う。改めて自分もまた、昔話よりも未来を語れる大人でありたいと思う最終回だった。笑いと悲しみ、華やかな騒々しさと沁みるような感動。様々な混沌を包み込んだこの作品において、阿部サダヲはまさにクドカン作品そのものを体現するような見事な演技を見せてくれた。そして、娘の純子を演じた河合優実は、しなやかな自我と思春期の淡い揺らぎを鮮やかに演じきって、私たちを魅了した。これからのキャリアが非常に楽しみな俳優である。最後に、いつか10年・20年が過ぎた後に、2020年代はどんな時代として語られるんだろうかと思う。あんな面倒くさい社会なのか、あんな効率の悪い社会なのか、あの頃は良かったなのか。そうして遠く俯瞰できるようになった頃に、このドラマをふと思い出すだろうし、その未来でも宮藤官九郎が辺境に立ち続けて書く作品を見て、笑ったり泣いたり出来ていたらいいなと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年04月01日阿部サダヲが主演を務める「不適切にもほどがある!」最終話が3月29日に放送され、「さすが」「面白いにもほどがある」といった声が上がっている。本作は、阿部さん演じる妻を亡くした小川市郎が、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップするタイムスリップコメディ。宮藤官九郎が脚本を務め、市郎とそのひとり娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描く、ヒューマンコメディとしての要素も持つ完全オリジナルストーリーとなっている。市郎の一人娘・純子を河合優実、純子が密かに想いを寄せる相手“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村勇斗、令和で出会うシングルマザー・犬島渚を仲里依紗、市郎とは逆に2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする、社会学者の向坂サカエ役に吉田羊が出演。さらに、山本耕史、古田新太、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、坂元愛登ら個性豊かなキャストが集結している。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。タイムマシンバスが運行できるのも残り1往復。遂に昭和に戻る決心をした市郎(阿部サダヲ)は、令和での身辺整理を着々と進めていた。最後のタイムスリップは落ち込んでいる渚(仲里依紗)のために使おうと決めた市郎は、秋津(磯村勇斗)やゆずる(古田新太)、井上(三宅弘城)らに別れを告げ、渚と共にバスに乗り込み昭和へ向かった。…というのが最終話のストーリー。市郎と渚を乗せたバスが出発し、井上は運転手のマネキンが落ちていることに気付く。市郎と渚がバスを降りると、Creepy Nutsの2人が姿を現し、SNSでは「え?」「Creepy Nuts!!」「どうなってるの?」と冒頭から盛り上がりを見せた。パワハラで訴えられ落ち込んでいた渚は昭和で純子(河合優実)と再会。すきゃんだるでナポリタンを食べながら渚の仕事の話を聞いた純子は「渚がそんなつもりじゃないってわかる」「いつも通りやんなよ」と言い、渚が涙を流す。この2人のやり取りに「渚って言った」「お母さんだ」「泣ける」と感動の声で溢れた。そして、昭和に戻りすっかり真面目な受験生となった純子だけではなく、令和に馴染んだ市郎の内面もまたアップデートしていた。地獄の小川ではなく仏の小川になりケツバットをやめ、昭和マインド全開の中学校の在り様に疑問を持つように。飲み会では教員らの言動に「気持ち悪い」「同調圧力」と言い放ち途中退席してしまう。この姿には「アップデートされてる」と驚きの声が上がった。一方、令和では市郎の仕事をサカエが引き継いだ。キヨシが残していったスマホでサカエと市郎がそれぞれの仕事の愚痴を言い合い、それぞれの時代について「生きづらい」と話していたところから恒例のミュージカルシーンに。「寛容になりましょう」と昭和と令和のキャストが総出演し、SNSでは「オールスターだ」「豪華」という声やゆずるの若かりし頃を演じた錦戸亮の再登場に「錦戸くんきた!!」「嬉しい!!」と盛り上がりを見せる一方で「終わっちゃうんだな」いう声も…。そして、令和に戻ったキヨシが塾から出たところで、大人になった佐高に声をかけられる。キヨシの言葉に救われた佐高は再び学校に行きはじめ、オンラインゲームの会社のCEOになっていた。いつかお礼を言いたくてずっと探していた佐高はキヨシに恩返しがしたいと話し、それを聞いたキヨシは父の開発するタイムマシンのスポンサーになって欲しいと頼み込んだ。ラストでは、渚とキヨシが乗るバスに乗り遅れてしまったCreepy Nutsが中学校の卒業式の日に再登場し主題歌の「二度寝」を披露し、エンディングへ。生歌を披露するCreepy Nutsの姿に「ここできた」「このために乗り遅れたのかww」という声や「最高すぎる!」「鳥肌立った」 と盛り上がった。市郎が昭和に戻る前に秋津の会社の新しいマッチングアプリで秋津と渚をマッチングさせ、2人が付き合い始めた姿や、渚をパワハラで訴えた杉山とのやりとりが流れた。そして、市郎がすきゃんだるでマスターに愚痴ってると、いつの間にかマスターがいなくなりトイレから物音が聞こる。市郎が恐る恐るトイレの扉を開けると壁に大きな穴があき、2054年からやってきたという小野武彦演じる井上が姿を現す。佐高がスポンサーになったおかげでタイムトンネルを開発できたと話し、市郎が井上が開けた穴に入りテロップが表示され最終話が幕を閉じた。市郎がトイレに開いた穴でタイムスリップしていた伏線が回収され、「忘れてた」「流石の伏線回収」という声が上がった。最終話は15分拡大で放送され、放送終了後も「さすが」「面白いにもほどがある」と絶賛する声や「終わっちゃった」「ずっと観てたい」「続編やってほしい」という声で溢れた。(シネマカフェ編集部)
2024年03月30日俳優・阿部サダヲが主演を務める、TBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』(毎週金曜後10:00)の最終回が、29日に放送される。宮藤官九郎氏が書き下ろす、意識低い系タイムスリップコメディー。1986年から2024年の現代へタイムスリップした“昭和のおじさん”小川市郎(阿部)が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくストーリー。■最終回のあらすじタイムマシンバスが運行できるのも残り1往復。遂に昭和に戻る決心をした市郎(阿部サダヲ)は、令和での身辺整理を着々と進めていた。最後のタイムスリップは落ち込んでいる渚(仲里依紗)のために使おうと決めた市郎は、秋津(磯村勇斗)やゆずる(古田新太)、井上(三宅弘城)らに別れを告げ、渚と共にバスに乗り込み昭和へ向かうのだった。昭和に戻り、すっかり真面目な受験生となった純子(河合優実)に再会した市郎。だが、変わったのは純子だけではなく、令和に馴染んだ市郎の内面もまたアップデートしていた。昭和マインド全開の中学校の在り様に疑問を持ちつつ、これから起こる自分たちの未来について思いをめぐらした市郎は…!?
2024年03月29日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ムッチ先輩(磯村勇斗)と並ぶ『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜22時)の癒し枠・秋津くん(磯村勇斗)が何気にアプリ婚活を始めて、その入力条件のあまりの細かさに笑ってしまったけれども、そこまで分類したいのは失敗したくない、いや、できないからなんだろうなと思う。令和のこのご時世、現役世代はトライアンドエラーする余裕がない。そして昭和と令和を繋ぐ、平成の30年間という時間は、ITやSNSの普及で他人の成功も失敗も沢山『見える』のが当たり前になる過程でもあった。恐ろしい失敗例を沢山見てしまう我々は、どこかしら大成功とはいえずとも失敗はしない選択肢に傾いてしまう。そのために分類して要素を細かく分析する。65点あれば上等、当たって砕けられない時代なのである。昭和61年を生きている小川市郎(阿部サダヲ)は中学校の体育教師。情に厚いし面倒見も良いが、多様性にも弱者への配慮にも意識は低く、ガサツだ。その小川市郎が昭和から令和にタイムスリップして、騒動を起こしながらも様々な人たちと関わっていく。そんな中で小川は令和に生きる自分の孫・渚(仲里依紗)と出会い、自分と娘の純子(河合優実)が阪神淡路大震災で死ぬことを知る。知ってしまった娘の寿命に心を痛めながらも、どうすべきかの結論は出ない。一方、小川とは逆に令和から昭和にやってきた向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)は、それぞれ恋に友情にと昭和の暮らしを満喫していたが、それにも異変が起きようとしていた。前回の『失敗したらダメですか』も相当に突き刺さる内容だったが、今回の『分類しなきゃダメですか』もまた、社会に投げかけられた鋭い問いかけの槍だと思う。そしてラベルを貼って、分かりやすく見える部分だけをやたらと持ち上げたり、やたらと叩くという現代の世論の極端さにおいて、分かちがたい要素でもある。9話で、個人的に心に残る好きなシーンがある。純子の墓を囲んで、小川・渚・ゆずる(古田新太)・サカエ・井上(三宅弘城)がそれぞれに純子を想う場面である。父、娘、夫、後輩、それぞれの立場で彼らは純子の人生を想う。それぞれの目線だけれど、そこに体温のある一人の魅力的な女性が浮かび上がる。何もかも上手くいった恵まれた人、パワハラした人、Z世代、老害。それは『そんなんだから』という無責任な言葉と、一面的なレッテルで分類され評価される薄っぺらさとは対になるものだ。それにしても、娘を傷つけられた怒りにまかせて父・ゆずるが歌い出すのはミュージカル『コーラスライン』の名曲『ONE』風の何かだし、歌詞にあろうことか『ワンチャン』などとぶっ込むし、途中で心臓病のゆずるは倒れ込む。倒れ込む背中に渚がかけたガウンを跳ね飛ばして更にキレキレに踊るゆずる、痛々しくも救急車に収容されてもなお歌うゆずるに、小川がかけた言葉は…。「ゆずるくん…ジェームス・ブラウンみたいになってる!(おそらくソウルの帝王・ジェームス・ブラウンのマントプレイを指しているものと思われる)」これこそ宮藤官九郎の『わかるやつだけわかればいい』名場面の一つだと思う。いつにもまして、怒るところか笑うところか泣くところか爆笑するところか、よく分からない混沌としたこの最高の一幕に、クドカンのドラマもまた安易な分類なんか受け付けない無二のものだと痛感するのだった。頑張っているから頑張れと言ってはならないのか、一人で頑張ったら逆に迷惑になるのか、異性への褒め言葉は全て地雷なのか、SNSの人間関係にどう対するか、老害の『害』って何なのか、視聴者としてエンタテインメントの楽しみ方はどこにあるのか、一度失敗したら二度と許されないのか、そして今回、安易に人を分類していいのか。今作の作り手は、決して単に『昭和は良かった』ではなく、令和で多くの個人が持つ配慮や優しさはそのままに、集団心理として過敏になりすぎる息苦しさに何らかの落とし所はないのかと問いかけているように思う。次回はいよいよ最終回である。きっと膝を打つような見事な着地が見られるだろう。切なくて毒が効いていて笑えて愛おしい。このドラマの面白さを分かりやすく説明するのはやっぱり難しい。けれども、見た者にとって忘れがたいドラマになるのは間違いない。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年03月26日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。決して多数派ではないSNSでの意見が、ネットの記事がきっかけで不自然にクローズアップされ、それがSNSにフィードバックされて本格的に火の手が上がる。一度燃えたら、不自然な着火かどうかはもう関係がない。焼け野原になるまで悪評は燃え続けるし、何なら燃え尽きても数年後にまた火がつくこともある。そんな現代の悪意の錬金術を、毒とブラックコメディを散りばめて見事に描きだした『不適切にもほどがある!』第8話だった。時は昭和61年。中学の体育教師、小川市郎(阿部サダヲ)は妻と早くに死に別れ、娘と二人で暮らしている。お節介で心根は熱いが、いかにも昭和の男らしく、配慮やリテラシーはない。そんな小川が偶然令和にタイムスリップしてしまう。昭和とは価値観の違う社会で騒動を起こしつつ、その明快な言動が面白がられたりもしている。しかし小川は、令和で知り合った犬島渚(仲里依紗)が自分の孫であること、そして自分と愛娘の純子(河合優実)が、阪神淡路大震災で死ぬことを知ってしまう。一方、小川とは逆に令和から昭和にやってきた向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)もまた、昭和に居場所を得つつあった。今回のエピソードは、スキャンダルと世間について。一度でも反社会的なスキャンダルで糾弾されたタレントは、二度と元の場所で働くことは許されないのかという問いかけである。一度だけの「魔が差した」不倫で、地位を失った7年目のアナウンサー・倉持を小関裕太が好演している。「なるほどこれは魔が差して流されたなー」という優しい風情で、過去を悔やみ、悩み、詫び続ける普通の感覚の男性である。倉持の表舞台への復帰に最後まで反対する栗田(山本耕史)が、実は自身も不倫の経験者で、妻の知人達から17年も過去の不倫を糾弾され続けていると明かされる。その場面の薄ら寒さ、気味悪さと、そして小川の絶妙なタイミングの「気持ち悪っ」の一言で、全てに合点がいく感覚は何とも言いがたい。その衝撃の食事会の後、倉持は迷いを捨てて表舞台に復帰する。誰に何を償って、どう家族としての時間を生きるか。倉持のようにイバラの道を選んでタフになるか、栗田のように時折攻撃されるのを甘んじて受けて生きるか、それぞれの道なのだろうと思う。ただ、他人からの糾弾にどう向き合うかはそれぞれとして、これは不倫そのものを肯定するエピソードではない。たとえ20年近く経っても、家族にも、属するコミュニティにも噂と傷は残る。おそらくその先も、数十年も残り続ける。なかなかにゾッとする描き方ではあった。過去の宮藤官九郎による作品を演じた名優たちが、ゲストとして次から次に登場するのも今作の大きな楽しみだが、今回ついに『クドカン作品のミューズ』、キョンキョンこと小泉今日子が本人役で登場している。昭和のシーンでは衣装のみ。ちらりと映る赤いチェックのワンピースに、『木枯しに抱かれて』を歌っていた頃かなと懐かしく思った。令和では58歳の小泉今日子として、年齢を重ねた美しさと、茶目っ気をもっての登場だった。思えばキョンキョンはどの年齢の時も、彼女自身を誤魔化そうとしなかった。58歳の今も、ちゃんと年相応に美しくて、素敵だ。おそらく若い世代が見て、年齢を重ねていくのが怖くならない、人生が楽しみになる生き方のお手本のひとりだと思う。そして最後に、ドラマの癒し枠・ムッチ先輩(磯村勇斗)は、依然無垢でおバカな癒し枠のまま令和から昭和に帰っていった。昭和に青春の輝きを放っていたムッチ先輩は令和の今、随分と恰幅のいいおっさん(彦摩呂)になっていた。キョンキョンが素敵なおばさんになって、錦戸亮が古田新太になって、磯村勇斗が彦摩呂になるらしい38年間という時間だけれど、でも生きていたらとりあえずそれでいいよね、と笑い泣きしながら思ってしまう。よくタイムリープの物語では、悪い未来を変えるために過去で奮闘するけれど、小川市郎は過去の自分達の人生が報われる未来であってほしいと願って未来で闘っている。昭和生まれとして時に理解できない今の時代を嘆くより前に、次の世代の為に、そして自分たちの為に、よりよい社会になるようもっと足掻かなくちゃなと、ふと思った。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年03月18日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。勿体ないと思うこと。宮藤官九郎の連続ドラマは、視聴者の評価が高まれば高まるほど、完結に向けて視聴者の輪が閉じる。もちろん作り手としてそんなことは決して意図していないはずだが、緻密な構成が知られているために、未見の視聴者の間に「後から見てもちゃんと分からないでしょ」という空気が醸成されてしまう。面白いと言えば言うほど輪が広がらないもどかしさはファンにもあるが、何より一番もどかしいのは作り手だろう。『不適切にもほどがある!』7話はそんなもどかしさと、視聴者にとっての面白さとは何かについて深く考えさせられる回だった。小川市郎(阿部サダヲ)は昭和の中学の体育教師。『地獄のオガワ』というあだ名の通り、デリカシーも配慮もないが、情に厚い男である。妻とは早くに死に別れ、娘の純子(河合優実)と二人で暮らしている。その小川が偶然、令和にタイムスリップしてしまい、その明快かつ大胆な言動が意外と有り難がられてテレビ局のアドバイザーに。しかし、令和で知り合った犬島渚(仲里依紗)が純子の娘、つまり自身の孫だと知り、更に小川は9年後に自分と純子が阪神大震災で死ぬことを知ってしまう。その事実を純子に言えないまま、小川は純子を令和に連れてきて渚と純子の夫・ゆずる(古田新太)に会わせる。小川の中でも、知ってしまった娘の寿命をどう捉えたらいいのか答えはまだ出ない。一方、令和から昭和へやってきた、向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)はマイペースに昭和での生活を楽しんでいる。キヨシは不登校の同級生、佐高(榎本司)とラジオを通した縁でようやく会えるようになっていた。先週に引き続き、小川は大御所とオワコンの境界線上のベテラン脚本家・エモケン(池田成志)の、新作ドラマの立ち上げに絡んでいる。始まる前から制作側が前評判に神経を尖らせる様子は、いかにも令和のドラマの現場という感じである。SNSでリアルタイムにドラマの感想をポストする人々に対する小川の「そいつら見てねえな!」というツッコミや、「大事なお客さんだし。この人達の承認欲求はここで満たされてるわけですから」という羽村由喜(ファーストサマーウイカ)のセリフが、非常に耳が痛い。SNSと切っても切り離せぬ令和のテレビ制作・視聴を描くこのエピソードで、とりわけ印象深かったのは、純子をデートに連れ出したナオキ(岡田将生)が淡々と語った『好きなドラマ』の評価だった。「ぼく、ドラマって全部通して見たことないんですよね。たまたまテレビつけたらやってて。6話とか7話だけ見て。その回が好きならぼくにとってそれは、好きなドラマです」おそらく今この国で一番巧妙に伏線を張り、ストーリーの美しい多面体を構築する脚本家・宮藤官九郎が書き上げたこのセリフ、複雑な余韻の言葉を噛みしめてみる。本来は一つのフィクションを楽しむのに、初回から画面の隅から隅まで注視してSNSで語りあう楽しみ方も、あるいは言葉として語らず胸の中で噛みしめる楽しみ方も、ナオキのような偶然の断片的な楽しみ方も、正誤も上下もないはずである。楽しみ方に『べき』はない、好きに見てくれればいいというなんとも風通しのいい、力の抜けたセリフ。同時に、どこから入ってもらっても構わないという意味で、プロとしての矜持を感じさせる言葉でもあった。今後、テレビで放送されるドラマがどんな流行を辿るかはともかく、当面はSNSで多くの人々が感想を共有しあう流れは変わらないだろうし、作り手もそれを前提にしてドラマ制作やプロモーションをすることになるのだろう。まるでクドカン本人が来し方行く末を棚卸したかのような今回のエピソードを見て、ドラマのファンとしては語る言葉の有無に関係なく、作品を好きだと思う純度は大切にしたいと思うのだった。そして、この20年、毀誉褒貶(きよほうへん)と視聴率の容赦ない荒波をもがきながら泳ぎ続けるクドカンという脚本家が、やっぱり好きだと思った。令和で純子とナオキは何を見つけに行ったのか、不登校が結んだ少年二人の縁はどこに着地するのか、昭和で始まってしまいそうなサカエの恋愛はどうなるのか、そして知ってしまった娘の寿命を小川はどう見届けるのか。伏線を回収してほしいというより、笑顔と希望のあるラストだといいなと願う。さて、次回はここまでどんなシリアスな展開にも、その天真爛漫さで我々視聴者の笑いの癒し枠だったムッチ先輩がついに令和に降り立つ。その無垢さゆえに、小川市郎以上に危険な不適切の嵐が吹き荒れるかもしれない。楽しみで仕方がない。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年03月12日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。本人にはとても話せない、さしさわりだらけの未来の話題で、小川市郎(阿部サダヲ)が娘に語ったのは、三原じゅん子が国会議員になった話と、加藤茶が年の差婚をしたことと、萩本欽一が老齢で大学に入ったこと。浮き足立つその場が、それで一旦落ち着いた。現実にも気まずい会話の場で時々そういうことはあるから、改めて芸能というものが人々の人生に果たす機能について考えた。このドラマで、クドカンは昭和と令和のテレビを描きながら、時代を超える芸能そのものの役割についても描こうとしているように見える。昭和61年を生きる小川は『地獄のオガワ』とあだ名をつけられる中学の体育教師。妻を早くに亡くし、高校生の娘の純子(河合優実)と暮らしている。昭和の男の典型のごとく、心根は熱いがデリカシーもリテラシーもない。その小川が偶然令和にタイムスリップしてしまう。不適切な言動で騒動を起こしつつ、その明快さが逆に受けてテレビ局でアドバイザーを務めることになる。そんな中で、小川は自身の孫にあたる犬島渚(仲里依紗)と出会い、自分と純子が9年後、阪神淡路大震災で死亡していることを知ってしまうのだった。一方、小川とは逆に、令和の社会学者・向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)は、昭和にやってきて小川の部屋に滞在している。キヨシは不登校でまだ出会ったことのない同級生・佐高を気に掛けていた。前回、小川本人と純子の寿命が明らかになってしまうという衝撃の展開とともにドラマは折り返しを迎えた。それを受けて、6話ではいずれ来ることが分かっている悲しみにどう向き合うか、解決できない問題をどう受け止めるかということが、悲喜こもごも交えながら描かれていた。とりわけ印象深いのは、「どうなるか分かってる人生なんて、やる意味あるのか」と、娘の運命を嘆いた小川の言葉と、それに応えた「今考えてもその時考えても分からないなら、今の日々を楽しく、好きなように生きたらどうだろう?」というサカエの言葉だった。そこにはなぜ生きていくのかという、人生そのものへの問いかけがあり、解決できない不条理や痛みを抱えて生きる人に対し、極力誠実であろうとする返答がある。それにしても、小川とサカエのひそひそ話の最中に寝ぼけて現れた純子は何も聞かなかったのだろうか。純子は、令和で娘の天命を知ってもしばらく知らないふりを通した、小川市郎の娘である。気っぷのよさも愛情深さも、それを素直に言えないところも、小川から受け継いだ娘である。本当に小川とサカエの態度から何も察しなかったのかは、この先に向けて気になるところだ。知ってしまった娘の寿命に親としてどう向き合うか。胸に迫る展開ではあったが、宮藤官九郎らしく容赦ない笑いと心が緩むような優しいエピソードも随所に散りばめられている。令和で制服姿の純子を見て「あばずれてる!」と感極まって泣くゆずる(古田新太)の姿にはもう錦戸亮が重なって見えるし、半ばオワコン化しつつあるベテラン脚本家の代表作に、ギャングが暗躍する公園が舞台のドラマを自虐気味に挙げるところも容赦ない。そして、自分が母の寿命を縮めたのではないかという不安と、シングルマザーの道を選んだのは正しかったのかという迷いに揺れる孫の渚が、純子の率直な言葉に救いを得るラストの3分は、思わず目頭が熱くなった。張りめぐらした伏線の鮮やかな回収もクドカンだけれども、不意打ちでこういう優しさを仕掛けてくるのもまた、クドカン作品の魅力である。目下、このドラマでは柔らかいがどこか息苦しい令和の世を、昭和の明快さで解決する展開が目立つ。けれども令和の柔らかさが、昭和の野蛮さで傷つく誰かを包んで救うことだってあるはずだと思う。見た目は昭和のヤンキーだけど、心は令和の柔軟さを持ったままのキヨシは、学校から弾かれた同級生とどんなやりとりを交わすのか。チェーンロックを外した向こうには、何があるだろうか。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年03月04日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。最初に小さなひっかかりがあった。2話の最後、「今日、正人くんどうしたの」という質問に「お父さんが見ててくれるから大丈夫」と答えた犬島渚(仲里依紗)の言葉。渚の親の世代で、一人で乳幼児をきちんと預かることが出来る老父は珍しいんじゃないかと思った。その小さなひっかかりの答えを、今回知ることになった。1986年に生きる小川市郎(阿部サダヲ)は、生徒に『地獄のオガワ』とあだ名される中学の体育教師。あだ名の通りハートは熱いがガサツ。ジェンダー、パワハラ配慮なし。そんな小川市郎が、令和の現代にタイムスリップしてしまう。令和の世にはあり得ない雑な言動で騒ぎを引き起こすものの、その破天荒さがうけてしまい、テレビ局でアドバイザーを務めることに。小川はテレビ局で働くシングルマザーの渚と意気投合し、いい雰囲気になりかけるが、小川の娘・純子(河合優実)の名前から、渚は小川の孫だと判明する。しかし渚が会ってほしいと連れてきたのは、渚の父親で『ゆずる』と名乗る男(令和・古田新太昭和・錦戸亮)だけだった。二人の話によると純子は離婚して海外に行ったというが、どうも様子が怪しい。そして小川と逆に、令和から昭和へタイムスリップしている向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)は、不登校でまだ出会ったことのない同級生の存在を知る。クドカンドラマの中に潜むのは…ドラマ全体の折り返しに、宮藤官九郎がアクセルを踏み込んできた。怒濤の笑いと胸にせまる悲しみがごちゃ混ぜになって、それをエピソードとしてまとめあげる。その腕は宮藤官九郎ならではだ。そもそも古田新太の若い頃が錦戸亮という無理筋を、前半は『覇者』『肩パッド』『許しを請うダンス』で大笑いさせておいて、それでも最後には見る者を思わず泣かせてしまうのである。クドカンの頭の中では、笑いと哀しみの境界線でどんな化学変化が起きているのかと改めて不思議に思う。軽薄に見えて実は誠実で愛情深かった婿が、最初に作りたいと願ったのが義父の背広なのも、純子が父を東京まで迎えに行ったのも、採寸が上手くいかなかったのも、飲食店で朝まで語り明かしたのも、何もかもそれぞれの愛情ゆえだった。その互いの愛情のベクトルが父と娘をこの世から連れて行ってしまう残酷さに、ただただ胸が詰まる。『あまちゃん』(NHK)『いだてん』(NHK)『俺の家の話』(TBS系)そして今作。クドカンが描くドラマには、ありふれた愛おしい日々の中に影のように災害や死の不条理が潜んでいる。だがその理不尽と同じくらい、そこから日常に立ち戻る人々の営みも丁寧に描かれる。真実を告げ、深々と詫びて頭を下げたゆずるに、小川が「で?背広は?」と力強く促した言葉は、それでもきっとお前はあの背広を縫い上げただろう、絶望の中で仕事を全うしただろうという確信あってのものだった。そして、最後に背広姿の小川を見て、渚が誇らしげに「当たり前だよ!父さんが仕立てたんだから!」と言ったその言葉一つで、父と娘で寄り添って生きた年月が分かって胸が熱くなる。ゆずるが縫い上げたそれは、まさしく『父の背広』であった。スーツでもジャケットでもなく背広。裏地に漢字で名前が縫われた背広。背広を着てタバコを取り出し、火をつける小川市郎は実に格好よかった。タフな昭和のお父さんの格好よさだった。そして、それは令和の今は通用しない失われた格好よさであるからこそ、尚更素敵に見えた。ちなみに宮藤官九郎は、その作品の中で美形を美形に見せなくする名人である。数多くの時代をときめくイケメンたちがクドカンの手にかかると「残念な愛すべきポンコツ」になってしまうのである。錦戸亮は、そんなクドカンの魔力で大いに輝く俳優である。今回も顔は良いのに何だかなあ、な男に見事にハマっていた。やっぱりクドカン作品の錦戸亮は、とてもいい。今回は切ない令和パートではあったが、昭和ではキヨシが見知らぬ不登校の同級生と繋がろうとするエピソードが始まった。このドラマの中で、マスメディアの主流として描かれるテレビとは対照的な魅力を持つメディアとして、ラジオがピックアップされようとしている。そして、仮に自分自身の天命を受け入れたとしても、果たして小川は愛娘の死を黙認できるのだろうか。少しでも光がさす展開になるといいなと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年02月27日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。確かに昭和歌謡は強烈だった。歌姫テレサ・テンの歌の多くは婚外恋愛を前提にした歌詞だし、黒沢年雄の名曲『時には娼婦のように』を子供の頃に歌番組で聴いて、親に「娼婦ってなに?」と無邪気に聞いてしまった昭和世代も多いことだろう。『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜22時)の4話の中では、秋元康プロデュースの代表曲として『セーラー服を脱がさないで』が出ていたけれども、同じ時期の他の秋元康プロデュースのヒット曲のタイトルは『バナナの涙』『象さんのすきゃんてぃ』などである。タイトルからパンチが効きすぎである。現代の感覚だとこれはないなと感じるけれども、そう感じる変化の一線がどこかに明確にあったわけではない。徐々に徐々に、昭和から令和へと私たちの感じる基準は変わっていったのである。1986年、中学の体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)は『地獄のオガワ』と呼ばれるゴリゴリの昭和の教師である。ハートは熱いが、体罰ありセクハラあり配慮なし。妻を早くに亡くし、娘の純子と暮らしている。その小川が、偶然令和の現代にタイムスリップしてしまう。昭和の価値観で令和の世で騒動を引き起こすが、その破天荒さが逆に令和では受けたりもしている。好青年の秋津真彦(磯村勇斗)や、テレビ局で働くシングルマザー犬島渚(仲里依紗)といった、小川を助けてくれる人もいる。そして渚とは妙にいい雰囲気になっている。一方、小川とは反対に令和から昭和に、ひと組の親子がタイムスリップしていた。社会学者の向坂サカエ(吉田羊)と息子のキヨシ(坂元愛登)である。フィールドワークとしてやってきたサカエは昭和で小川の家に居候しているが、息子のキヨシと中学生の頃の夫・井上昌和(中田理智・三宅弘城)が気づかずに仲良くなることに困惑していた。今回のメインは、SNSとの距離感。昭和のオヤジならずとも耳の痛いテーマである。令和でスマートフォンの使い方に慣れてきた小川は、仕事のグループチャットで同僚に絡みまくった挙げ句に既読スルーされて怒りだしてしまう。その様子と対照的に、昭和ではキヨシが授業中に飛び交う折りたたまれたメモに翻弄され、純子との待ち合わせを忘れて会えないままになってしまう。どんな時代であっても、行き交うメモなりSNSなりで小さなコミュニケーションが人を夢中にさせるのは変わらないのと同時に、モバイルがない時代の『人が外で会う』ということの心許なさを描く巧みさが印象に残った。モバイルがない時代の恋愛は、相手と連絡が取りづらいその分、現実にその場に居合わせたかどうか、偶然の要素が今よりもずっと大きく、その分だけ危うかった。モバイルの普及は、恋にせよ仕事にせよそういう『人と会う』ことの不確定要素を小さくしてきたけれども、その分現代の私たちを息苦しくしているのは言うまでもない。だからこそ、純子を部屋から連れ出したキヨシが言った「スマホないのに、純子見つけられた!雨の夜、スマホ使わずに純子に会えた!」という、言葉に詰め込まれた驚きと喜びがストレートに胸に響く。結局のところ、SNSで交わされる小さなやりとりの大半は、昭和の授業中に飛び交ったメモと同じように、楽しかったり気をもんだり悲しかったりもするけれど、後で考えたら漫然として覚えていないようなものかもしれないと思うのだった。そして、現代の私たちはSNSを通じた人間関係の難しさに時折ため息をつくけれども、もしかしたら30年、50年後には「なんであんな息苦しい関係性をみんな我慢していたのだろう?」と不思議に思う日が来るかもしれない。パンチの効いた昭和の歌の歌詞を、「どうしてこれで大丈夫だったんだろう」と今、不思議に思うのと同じように。ここまでに小川市郎と渚が良い雰囲気になりつつも、どうやら血縁なのではないかと匂わせる描写はいくつもあったが、今回のラストで少しだけその答えが提示された。クドカン作品のキーマンを演じてきた古田新太の登場とともに。明らかに闘病中の姿で現れた古田新太演じる男は、渚の父と名乗り、更に小川市郎を『おとうさん』と呼ぶ。あまり幸せそうには見えない様子と、なぜこの場に純子は来ないのかという疑問が不穏に渦巻く。楽天的な昭和の終わりから、バブルの終焉を経て、長い停滞の平成へ。昭和を生きた人々が何を背負ってきたか、何を捨ててきたか、宮藤官九郎は描こうとしている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年02月19日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。遠い遠い昭和の時代、ドラマもバラエティも歌番組も、そこに出ている人たちは人ではあるけれど、なんだか生身の人ではないように感じていた。それは私自身が幼く、人生経験が希薄だというのもあったけれど、同時にその頃はテレビに出ている人たちが、本当はどんな人でどんな生活をしているかを知る機会は今より極めて少なかった。そしてあの頃、随一の巨大なメディアだったテレビに出ている人たちは、画面に映る自分達の『役割』とイメージを良くも悪くも堅固に守っていたのである。昭和を生きるゴリゴリの体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)。妻と死別し、高校生の娘・純子(河合優実)と昭和の父娘らしく衝突したりお互いを思いあったりしながら暮らしている。そんな小川が、偶然令和にタイムスリップしてしまう。昭和らしいコンプライアンスも配慮もない言動で騒動を起こしながらも、小川の言葉は令和の複雑なトラブルを解きほぐしていく。一方、小川とは逆に令和から昭和にタイムトラベルしてきた親子がいた。社会学者の向坂サカエ(吉田羊)と、その息子のキヨシ(坂元愛登)である。フィールドワークとしてやってきたサカエだが、純子に一目惚れしたキヨシの熱望で昭和に滞在することになる。昭和と令和を行き来する小川と、昭和に滞在している向坂親子。それぞれの価値観を通した過去と未来はどんなふうに見えるか。爆笑とときめきと、時々涙と、そしてなぜか歌とダンスでそれを描き出す『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜22時)。3話で描かれるのは、セクシュアルハラスメントに明確な判断基準はあるのかという、極めて、デリケートな内容である。それは現代の火薬庫である。このエピソードにあたり配役されたのは、善人悪人どんな人物にでも変化する万能の名優・山本耕史。そして『いると場がまとまる』スパイスのようなバイプレーヤー八嶋智人。さらに、ヤバいキャラも不思議な可愛げで『あり』に見せてしまう異能のコメディアン・ロバートの秋山竜次。くせの強さがロイヤルストレートフラッシュのような組み合わせで、脚本含め制作はこのデリケートな回を組み上げた。昭和のエロ全開な深夜番組と、令和の配慮でがんじがらめの情報番組を交互に配し、見る側の『不謹慎』を揺さぶってくる。もちろん、エロ全開の昭和の深夜番組を全肯定するわけでもないし(自分が十代で見ていた頃にも居心地の悪さはあった)、どちらもデフォルメされた描写だと理解しながらも、今のバラエティ番組がなぜ没個性になるのか、今のテレビの萎縮具合が痛感できるエピソードだった。今回興味深く感じたのは、サカエが深夜番組の収録でぽつりと呟いたこの言葉である。「偉いよね、あの子たち。なぜ自分がここに呼ばれ、どう振る舞うべきかちゃんと心得てる。求められる役目を、誇りをもって果たしてる」サカエはフェミニズムの研究者である。だが昭和の露骨で野蛮な性差別に呆れはするものの、その価値観でリアルタイムに生きている昭和の人々を全否定はしない。性的な衝動を想起させる、昭和のバラエティとしての仕掛けを『役割』と見抜きつつ、同時にサカエは女性に対する価値観に混乱を起こす小川に「どんな女性も娘だと思って」と助言を送る。「娘に対するように」というエピソードとしての解答は、もちろん全ての人にアドバイスとして届くわけではないし、女性としては「今まだそこ?」と感じる向きもあるだろう。だが、この言葉は脚本の宮藤官九郎が初歩の初歩として、なるべく多くの人に、とりわけ小川市郎のように戸惑う人に初手として届くように選んだ言葉なのだと思う。エンターテインメントを見る際には、それを担い、演じている人々の役割を全うしている姿を没入して楽しむ。同時に、そうやって演じている人々もまた、その役割の外では誰かの家族であり、誰かに大切に思われている、人として『個の存在』であることを認識する。一見矛盾しているように見えるが、その二つのベクトルが我々にとって令和のテレビ視聴の鍵となるのではないかと、もはや心待ちにしつつあるミュージカルを見ながら思うわけなのだった。さて、セクシュアルハラスメントのガイドラインという、価値観は千差万別、コメディドラマとして難エピソードを描ききったかと思えば、次話ではドラマの濡れ場で問題発生らしい。まだいくかクドカン。そして出演の情報のみ発表されて、未だ何の役か出てこない古田新太。まだ全く油断は出来ないのである。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年02月13日皆さんは就職活動で苦労をした経験はありますか?今回は「失礼な態度をとる面接官」にまつわる物語とその感想を紹介します。※この物語はフィクションです。(CoordiSnap編集部)イラスト:モナ・リザの戯言どうしても働きたい会社主人公は、就職活動中の大学生です。母親の体調が悪く、なるべく近所で働ける就職先を探していました。そんなとき、希望する職種がある新しい会社が近所にできると聞きつけます。その会社の企業理念にも共感した主人公は、選考を受けることに。ところが担当の面接官は、人を見た目で判断する最低な人物だったのです。不愉快な思いをしつつも、我慢して面接を進めた主人公。しかし質疑応答で母親の話がでると、面接官は「お前が残念な見た目なのは母親のせいだろw」と母までバカにしてきて…。さすがに許せない出典:モナ・リザの戯言母のことを悪く言われるのはどうしても許せなかった主人公。エスカレートする面接官の失礼な発言に耐えられなくなり「ドガッ」っと机を殴って面接を辞退しましたが…。そこに騒ぎを聞きつけた社長が現れ、面接官は「しゃ、社長!?」と顔面蒼白になるのでした。読者の感想公正な面接をする気が一切なさそうな面接官に呆れてしまいました。泣き寝入りせず、怒りをぶつけた主人公はかっこいいと思います。(40代/女性)このような面接官がいると、就職してもやっていけるか不安になってしまいますよね…。母のことまで面接でバカにされ、耐えられなくなった主人公の行動を非難することはできないと思いました。(30代/男性)
2024年02月08日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。幼児二人を育児中の知人が、「あのドラマを見ていたら、子供たちがチョメチョメとかニャンニャンとか覚えてしまって。意味も分からず面白がって連呼するの。あれはチビたちのいないところで見なきゃ」とため息をつくのであった。「なるほどねえ」と頷きつつ、幼児の心を捉える昭和の流行語が持つ破壊力や生命力に感心する。そして、その生命力をあのドラマは鮮やかに映し出している。言うまでもなく、あのドラマとは昭和と令和の世を描くタイムスリップコメディ『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜22時)である。昭和61年を生きる中学校の体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)。生徒からつけられたあだ名は『地獄のオガワ』。そのあだ名そのままにガサツで粗暴な男である。性別・マイノリティへの配慮は皆無、だが男気と昔気質の優しさはある。妻と5年前に死別し、高校生の一人娘・純子(河合優実)を育てている。そんな小川市郎が偶然現代にタイムスリップしてしまう。配慮のない小川の言動は現代で騒動を引き起こすが、時に膠着(こうちゃく)している現代の問題を解決する。一方、小川とは逆に令和から昭和にタイムスリップしている親子がいた。社会学者の向坂サカエ(吉田羊)とその息子のキヨシ(坂元愛登)である。研究の一環でやってきたらしいサカエだが、親子が現代に帰る間際、純子に一目惚れしたキヨシが帰りたくないと熱望して残ることになってしまう。それぞれの時代で違う価値観に困惑しつつ、小川と向坂親子は様々な人々に出会う。今週のメインテーマは、働き方改革は本当に人々を幸福にしているのか、である。令和で小川が出会ったのはシングルマザーの犬島渚(仲里依紗)。テレビのバラエティ番組のアシスタントプロデューサーで育休から復帰したばかりである。育児は大変だが、仕事への意欲は高い。そんな彼女を働き方改革による上司・部下との断絶と、その分の仕事のしわ寄せが悩ませる。配慮されているはずなのに、なぜか苦しさばかりが増える。意欲を持って仕事をしたくても、意欲を受け止めてくれる相手がいない。脚本家・宮藤官九郎の鋭い聴覚は、働き方改革の狭間に落ちた人たちの、言葉にならない深いため息を捉えたのだと思う。象徴的なのが「独りで抱え込まないでね」「出来ることがあったらなんでも言ってね」といった、よくある親切かつ配慮に満ちた言葉である。そう、親切だしありがたいが、現実にはあまり問題を解決しない不思議な言葉である。その「役に立たない」言葉を、クドカンは小川の一つのセリフできちんと機能させる。「あんたが今、してほしいことが俺に出来ることだよ!」独りで抱え込む人は希望をうまく言葉に出来ないのだとしたら、それを言葉にさせる為にスイッチを切り替える。そして他人に配慮のない、距離感の近すぎる昭和の男がそのスイッチになった。最終的に「働き方なんて自分で決めさせろ」という結論、排すべきは同調圧力という展開は実に鮮やかで胸熱だった。初回で驚かされたミュージカルの場面も、2話目になって、不思議と「きたきた!」という感じで楽しみになってきた。今回は渚の元夫・谷口を演じた柿澤勇人がメインで朗々と歌い踊り、突然ミュージカルが始まる違和感も粉々に吹き飛ばす豪華さだった。このミュージカルのシーンは、公式HPにまとめてアップしてあり、作り手の力の入れようが伝わってくる。おそらくこの調子で、回を追うごとにミュージカルの場面は楽しみになっていくだろう。もう一つ、2話目で興味深く思ったのが、令和から昭和にやってきた少年・キヨシが意外なほどに昭和を楽しんでいる描写である。純子への想いを賭けてムッチ先輩(磯村勇斗)とタイマンを張り、ダチとして認められ、短ランを譲り受けてイケてるヤンキーにクラスチェンジ。愉快なムッチ先輩を演じる磯村勇斗は、こんなにコメディにハマるのかと驚くほどの快演である。それは、SNSなんかまだどこにもない、人の悪意も善意も単純で野蛮な昭和時代。でもその単純で野蛮な時代が変わっていく必要があったから、今の社会があるはずである。そして昭和よりずっと柔らかで優しいはずの令和でも、人々の多くは幸福に見えない。宮藤官九郎の優しいけれども容赦ない目は、笑いと涙の物語の中でその一端を暴くだろう。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年02月05日社会人として働くうえで、避けて通ることができない面接。多くの企業では、書類審査を通過すると、面接という第2関門が待ち構えています。あがり症の人や口下手な人はもちろんのこと、どんな質問が飛び出るかが分からない面接は、苦手意識を持つ人が多い模様。それでも、希望の仕事に就くために、人は面接に挑みます。4コマ漫画『面接』オカトマト(@tomatokeikakuan)さんがX(旧Twitter)に投稿したのは、今まさに、面接に挑もうとしている男性を描いた創作漫画。しかし、男性は予定されていた面接の時間に遅れてしまいます。これでは「計画性のない人」「時間にルーズな人」とみなされ、落とされてしまう可能性もあるでしょう。そんな彼に対し、面接官は…。男性が面接に遅刻した理由は、面接官である社長を助けたため!「助けた相手は、実は偉い人だった」という流れは、現実でもフィクションでも、時々耳にする王道のパターンです。そんな『あるある』な流れで、社長はお礼として、彼にとっておきの情報を伝えることにします。「この会社には入らない方がいい」一体、この会社では何が起こっているのでしょうか。会社の『闇』を知っている社長は、彼がかわいそうな目に遭う前に助けてくれたのかもしれませんが…。いろいろな想像ができるダークなオチに、多くの声が寄せられました。・「そっちかよ!」ってなったわ。社長の笑顔が意味深で、怖すぎる…。・面接の時点でハッキリと伝えてくれるのは、ある意味最高に優しいな…。しかし闇が深い。・「ブラックだからやめておけ」と「人情を優先する人はいらない」の二通りあって面白い。男性は面接終了後、どのような気持ちで帰路についたのでしょうか。「入る前に教えてもらえてよかった!」と、満面の笑みを浮かべていたかもしれませんね…。grape HIT(グレイプ ヒット)ウェブメディア『grape』で、過去に多くの共感を得た記事や反響の大きかった投稿を再構成してお届けしています。[文・構成/grape編集部]
2024年02月05日SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。おそらく全国あちこちで、2024年1月26日の22時10分あたり、「昭和生まれの中年がメンタル瀕死になっていたのではないか」と思う。「こんなに野蛮な時代だったか?」「こんなにひどい日常だったか?」と思っただろう。だが記憶をぼんやりと辿るに、ドラマとして詰め込んではいたけれど、全部確かに現実にあったことだった。配慮のない会話も、職場で女性の容姿をからかうのも、教育現場での暴力も、残念なほどに全部あった。少しでも品質の良いカセットテープで音楽を録音しようと必死だった。大体、安売りのテープが『のびて』音が悪くなった時の悲しみといったら、非常に切ないものだった。ついうっかりそんなことまで思い出してしまった。そんな人生に疲弊した中年の心をこてんぱんにする怪作『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜日22時)。脚本は、四半世紀近くこの国のエンタテインメントの辺境を開拓してきた宮藤官九郎である。始まりは1986年(昭和61年)、主人公は中学の体育教師で、妻と死別後ひとりで娘を育ててきた小川市郎(阿部サダヲ)。昭和の体育教師という設定を裏切ることなく、周囲への言動は粗雑かつ生徒への指導はスパルタである。その小川市郎が、突如2024年へとタイムスリップしてしまう。現代に張り巡らされたコンプライアンスと配慮の網をことごとくぶち破り、小川の言動はあちこちで騒動を巻き起こす。一方、同時にひと組の親子が逆に2024年から1986年にタイムスリップしてきていた。社会学者の向坂サカエ(吉田羊)と、その息子の中学生のキヨシ(坂元愛登)である。キヨシは小川の娘・純子(河合優実)に一目惚れしてしまい、未来への帰還を拒む。果たして小川は元の時代に戻れるのか、そして向坂親子はどうやって過去にやってきたのか。抱腹絶倒のジェネレーションギャップドラマが始まる。近年、宮藤官九郎は『得体の知れないもの』や『閉じられたもの』に向き合って、それらを見つめるように作品を描いてきた。テレビドラマ『ゆとりですがなにか』(2016年日本テレビ系)では、ゆとり世代とひとくくりにされる世代の複雑さと苦悩を、『監獄のお姫さま』(2017年TBS系)では怒れる女たちの痛みと連帯を、『俺の家の話』(2021年TBS系)では老親の介護という悲しみと困難を。そして今作で宮藤官九郎が掴もうとしているのは、コミュニケーションにおける配慮という、目に見えない『空気』である。それは人と人の間に必要不可欠だけれども、無さすぎれば関係を壊し、有りすぎれば対話を硬直化して錆びつかせる。その、安易に言語化できないものをエンタテインメントとして描きだすために、粗忽(そこつ)さすらも魅力に変えてみせる阿部サダヲの存在は必須である。唯一無二の身体表現で鬱陶しい昭和の中年男に一匙ぶんのかわいげを加味している。居酒屋の一幕、配膳ロボットが延々と炙りシメサバを運ぶ。タッチパネルの誤入力がそのままノーチェックで通ってしまう不条理、さらにロボットが運んだ後で炙りにくるのはアルバイトという、不条理に不条理をたたみかける展開は、宮藤官九郎らしい怒濤の笑いと毒に満ちていて素晴らしかった。さらにクライマックスのミュージカル仕立てのシーンに仰天しつつ、『木更津キャッツアイ』(2002年TBS系)で、時間を逆戻りさせて再度見せる展開に驚いたことを思い出した。他にも篠原涼子を古田新太に変身させてしまう『ぼくの魔法使い』(2003年日本テレビ系)といった「ありなの?」を「面白い!」に昇華させてきたその剛腕で、このミュージカルのシーンも見せ場に磨き上げていくのだろう。そして1986年と2024年を繋ぐゲートを守るのが、40年の芸能人としてのキャリアを信念を持って走り続け、宮藤官九郎作品でも数々の重要な役柄を演じてきた小泉今日子のポスターだというのが、何ともエモい。それにしても、なぜ中学生のキヨシは尾美としのりの名前どころか、生年月日まで知っていたのだろう。昭和のムッチ先輩(磯村勇斗)とそっくりな令和の秋津(磯村勇斗)の関係、小川の娘・純子は令和でどうしているのか、向坂親子はどんな経緯で過去にやってきたのか、そして喫茶『すきゃんだる』に居たシングルマザー(仲里依紗)は何者なのか。何せ物語が進むにつれて点と点が線になり、線と線が面になり、面が立体になる宮藤官九郎のドラマである。これから春まで、昭和パートに悶えつつ、令和になっても決して守りに入らない、名手が描く物語の妙に唸る週末になりそうである。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなSNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2024年01月29日宮藤官九郎の作・演出で2022年秋に平成中村座で上演された『唐茄子屋 不思議国之若旦那(とうなすや ふしぎのくにのわかだんな)』がシネマ歌舞伎となって全国公開される。古典落語「唐茄子屋政談」をはじめとした落語の要素と「不思議の国のアリス」を組み合わせた奇想天外な本作について、中村七之助に話を聞いた。吉原遊びが過ぎて勘当された若旦那・徳三郎(中村勘九郎)が、ひょんなことからパラレルワールド「第二吉原」に迷い込んでいくという、宮藤官九郎テイスト全開の本作。『唐茄子屋 不思議国之若旦那』よりこれまで数多くの古典を上演してきた平成中村座だが、新作歌舞伎の上演は本作が初めて。「(古典演目を多く上演してきたことについて)実はそんなに深い意味はないんです。これまで、その土地々々のものが平成中村座には合っていて、古典がとても似合う小屋だったので、自然と古典作品の上演が中心になっていきました。父(十八世・勘三郎)は『コクーン歌舞伎とかも好きだけど、俺は古典が一番好きで、お客様が振り向いてくださるなら一生古典をやっていたい人間なんだ』と言っていましたが、それがこだわりということではありませんでした」物語に関しても「宮藤さんの脚本の力に疑いはなかったです。最初に聞いた時は、おもちゃ箱みたいな頭の中だなと思って、どうなるのかとワクワクしました。だって、最初がゾンビの話(2009年12月歌舞伎座公演『大江戸りびんぐでっど』)でしたからね(笑)。落語がきたというのは、ちょっとまともなのかなと思ったくらいです」と全幅の信頼を寄せ、宮藤が紡ぎ上げる摩訶不思議な世界に飛び込んだ。役者目線で一番びっくりしたのは甥ふたり「古典へのこだわりはなかった」という言葉にも通じるが、江戸時代の“元祖”中村座が時代の最先端を走り続けたように、平成中村座も“いま”を作品に取り入れていくことに躊躇はない。「僕は、歌舞伎というものはもっと奇天烈なものだと思っていますし、いろんなことにチャレンジできるのが歌舞伎の面白さだと思っています。例えば、(自身が演じた)桜坂は最初、ルンバのような乗り物に乗って出てきますが、江戸時代にあのような乗り物があったとしたら普通に使っていたでしょう。昔はそれこそ、花道を水にしたり、いろいろなことをしていました。いまはさまざまな制約もあり、歌舞伎が高尚な伝統芸能になってしまいましたが、平成中村座は『江戸時代の歌舞伎に戻った』という感覚で、いま生きている歌舞伎ならこういうものになるんじゃないかという考えなので『(新作だから)新しいことができる』という感覚はありませんでした。それこそ、(吉原の)門をくぐったら若旦那が子どもになるなんて“遠見”(※登場人物と同じ扮装をした子役により、人物が遠くにいるように見せる演出)と同じでしょう? そういう考え方って昔からやってきたことなんだなと思いました」『唐茄子屋 不思議国之若旦那』より門をくぐった先の「第二吉原」で小さくなったミニ若旦那、超ミニ若旦那を演じるのは、甥っ子の中村勘太郎と長三郎。「“叔父バカ”ではなく、役者目線で一番びっくりしたのがこのふたりでした」とその柔軟性と吸収力を絶賛する。「長三郎が自由奔放にやるのを宮藤さんも面白がって『じゃあこれはできる?』とどんどん演出が膨らんでいくんですね。兄とも話しましたが、時代が違うのか、僕らの頃は稽古場でやることに恥ずかしさがありました。若い頃、野田(秀樹)さんの作品に出演した時も『自由に何かやってくれ』と言われても恥ずかしくて、父には『稽古場なんて恥かかなきゃダメなんだよ!』とすごく怒られました。あのふたりからはそれが感じられなかったです。毎日が楽しそうで、稽古というより遊びの延長のようで、理想というか、稽古場はいろいろチャレンジする場なのだとあのふたりに教えられました」歌舞伎俳優にとって貴重な“演出をつけられる”経験宮藤や野田ら外部の作家・演出家の作品を上演することは、若い俳優陣にとっても大きな刺激になると語る。「“演出をつけてもらえる”ということが、歌舞伎の世界ではほとんどないんですよね。もちろん稽古はありますし、自分の役を先輩に習うのは自由ですけど、お弟子さんたちは4日間の稽古しかないわけです。昔はよく『主役の邪魔にならないように』なんて言われていました。でも、野田さんも宮藤さんも、ちゃんと名前を呼んで演出をつけてくださる。野田さんは昔の歌舞伎座の3階まで上がって細かく演出してくださったり、主役ふたりが対峙している後ろの腰元たちにも「いま何考えてる? ボーっと座ってるだけだろ? それじゃ場面が死ぬんだよ」と言ってくれる。そうすると彼らも俳優の顔になって、『こうしてみよう』ってどんどんアイディアが出てくるんです」江戸時代の1624年に初代中村勘三郎(猿若勘三郎)が、江戸歌舞伎の始まりとなる猿若座(のちの中村座)を創設して、来年2024年でちょうど400年。十八世・勘三郎の十三回忌とも重なる。1月5日(金)より公開の『唐茄子屋 不思議国之若旦那』に続き、すでに発表されている十八世中村勘三郎十三回忌追善「猿若祭二月大歌舞伎」(歌舞伎座)ほか、2024年も一層の活躍を期待したい。シネマ歌舞伎「唐茄子屋不思議国之若旦那」シネマ歌舞伎『唐茄子屋 不思議国之若旦那』は2024年1月5日(金)より全国公開。取材・文:黒豆直樹★シネマ歌舞伎『唐茄子屋 不思議国之若旦那』の劇場招待券(東劇限定)を【よくばり❣ぴあニスト】限定で5組10名様にプレゼント!()<公演情報>シネマ歌舞伎『唐茄子屋 不思議国之若旦那』2024年1月5日(金) 公開(令和4年10月平成中村座公演)作・演出:宮藤官九郎出演:中村勘九郎、中村獅童、中村七之助、坂東新悟、中村虎之介、中村勘太郎、中村長三郎、中村鶴松、澤村國矢、中村歌女之丞、荒川良々、片岡亀蔵、坂東彌十郎、中村扇雀公式サイト:
2023年12月15日松尾スズキ初の個展、生誕60周年記念 art show「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」が開幕し、特別内覧会に宮藤官九郎、阿部サダヲ、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙らが来場した。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で多くの作品を世に送り出してきた松尾スズキが、生誕60年の節目に初の個展を開催する。若いころ絵を学んでいた松尾が、そもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界、ここでしか出会えない松尾の「マンガとアートの間の揺らぎ」を堪能できる。会場内の音声ガイドは、松尾スズキと吉田羊がナビゲートする。また、個展に合わせて豪華イベントも開催。12月11日(月)・12(火) には10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトークを開催。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水)~15日(金) の3日間は「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」と題して、松尾スズキと同い年の片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチを迎えて、お互いの歴史について語り、歌も披露する。ラスト15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩と共に、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る。<ご挨拶>■松尾スズキコロナ禍で描いた作品の個展を開催することになりました。正直死にそうです。大人計画でイベントをやると大概死にそうになるんですが、なぜ同じ轍を踏みたがるのか……大人計画はバカなんだなと思います。(笑)みなさんどうぞ楽しんでください。<コメント>■宮藤官九郎「あきらかに」最初に見た時に気持ち悪くて、こんな絵ばっかりかと思ったら、意外とこれが一番気持ち悪かったので選びました。(個展を見て)松尾さんの作るお芝居の原型というか、今日見た絵のような演技は実際にはできないから松尾さんは絵で表現するんだろうなと。松尾さんの頭の中で思い描いているお芝居の理想型がこれだとしたら俺らは無理だなと思いました。(笑)■阿部サダヲ「矢印小僧」本格的な個展でびっくりしました!ホワイエにある『ツダマンの世界』の時の屏風の絵がけっこう好きで、松尾さんの絵っておもしろいな、と思っていたんです。お気に入りの一枚は「矢印小僧」。赤い矢印のイヤリングと「矢印良品」(笑)センスが流石です。松尾さん、ぜひ原画売って下さい!!■皆川猿時「エイジ」まさか菅原永二だと思わなくてびっくりしました。(笑)外国の俳優みたいで、単純に絵がかっこよくて、松尾さんの詩も面白かったです。松尾さんのことを知っているからか、余計に松尾さんの頭の中がわからなくなってきました。底知れない人だな、自分の中で松尾スズキっていう人は「わからない」で認識されました。■荒川良々「赤ちゃん雲」ちっちゃくてイイなと思って選びました。松尾さんの個展は好きな絵がたくさんあって、すごい才能の塊でした。■宮崎吐夢「あめのりょう」個展を通して、どの絵も素晴らしかったですが、わたしが選んだのはロンドンブーツの亮さんが雨に打たれて土砂降りになっている「あめのりょう」という作品です。自分もいつ何があるかわかりません。土砂降りの雨に降られたりするようなことがあっても、いつか晴れる日をゆめみて生きていかなければなという気持ちになりました。■平岩紙「あきらかに」もし松尾さんに出会わずにこの個展に来ていたら「わたしの好きな芸術家を見つけた!」と思うだろうなと感じました。好きな作品がたくさん出てきたのですが、最終的に私が好きな作品は「あきらかに」です。タイトルと一緒に書かれている詩もすてきですし、作品を見ながら、唇が真っ青というのが自分が小学校の時にプール入っていたときを思い出しました(笑)。<開催情報>個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル12月8日(金)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00【チケット料金】■前売入場券:1,900円音声ガイド付入場券:2,500円未就学児童:無料(日時指定予約必要)■当日入場券:2,000円■音声ガイド松尾スズキ自身がナビゲートいたします。会場料金:700円チケットはこちら:松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:3,800円(全席指定)【トーク出演】松尾スズキ(両日共)司会:上田智子■トークゲスト12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【上映作品】「生きちゃってどうすんだ」(2012年 ザ・スズナリ)作・演出:松尾スズキ、天久聖一出演:松尾スズキ映像出演:宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、阿部サダヲ、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、少路勇介、新井亜樹声の出演:顔田顔彦、宮崎吐夢、星野源「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」12月13日(水)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:7,500円(全席指定)【12月13日(水)】『松尾✕はいり 彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月14日(木)】『松尾✕KERA 電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月15日(金)】『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)特設HP:
2023年12月08日主演・阿部サダヲ、脚本・宮藤官九郎のタッグで贈る新・金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」に、山本耕史、古田新太、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩のレギュラー出演が決定した。本作は、阿部さん演じる主人公・小川市郎が、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップ、令和では“不適切”なコンプライアンス度外視の発言を炸裂。コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていく意識低い系タイムスリップコメディ。脚本は宮藤さんが務め、妻を亡くした市郎とそのひとり娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描く、ヒューマンコメディとしての要素も持つ完全オリジナルストーリーとなっている。市郎がタイムスリップした令和で出会うシングルマザー・犬島渚役を仲里依紗、1986年に生き、とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動をすべて完コピする男“ムッチ先輩”こと秋津睦実役を磯村勇斗、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする令和の社会学者・向坂サカエ役を吉田羊。また、市郎の娘・小川純子役に河合優実、サカエの息子・向坂キヨシ役に坂元愛登の出演が決定している。▼仲里依紗演じる渚の先輩プロデューサー役として山本耕史EBSテレビでアシスタントプロデューサーとして働く仲さん演じる渚の先輩でプロデューサーの栗田一也(くりた・かずや)を演じるのは山本耕史。山本耕史ドラマや映画、ミュージカルと幅広く活躍し、近年も大河ドラマなど数多くの話題作に出演している山本さん。宮藤さんと磯山晶プロデューサーのタッグ作品には現在配信中のNetflixシリーズ「離婚しようよ」で初出演、地上波ドラマでは今作が初となる。山本さんが演じる栗田は、2024年のテレビ局で情報番組を手掛けるプロデューサー。ある事件が起こったため、担当番組のコンプライアンスを過度に気にしなければいけなくなり、市郎と渚をとんでもないトラブルに巻き込んでいくことになる。▼宮藤官九郎×磯山晶タッグ作品の常連・古田新太は物語のキーパーソン古田新太が演じるのは、物語のキーパーソンとなる“ある男”。古田さんは「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)や「木更津キャッツアイ」(2002年)など、これまで数多くの宮藤×磯山作品に出演しており、いずれも存在感を強く残している。古田新太そんな古田さんが本作でも衝撃的で重要な役柄を演じるという。古田さん演じる“ある男”とは一体何者なのか…? その役どころにも注目だ。▼三宅弘城、袴田吉彦、中島歩ら個性豊かなキャストたちも続々解禁!さらに、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩ら個性豊かなキャストたちの出演も決定。金曜ドラマ「俺の家の話」以来、3年ぶりのTBSドラマ出演となる三宅さんが演じるのは、吉田さん演じるサカエの元夫で、物語の核となるタイムマシン型バスを開発した大学教授・井上昌和(いのうえ・まさかず)。三宅弘城袴田さんが演じるのは、1986年の市郎や純子、地元民の溜まり場となっている喫茶店「すきゃんだる」のマスター。TBSドラマのレギュラー出演は「ママとパパが生きる理由。」(2014年)以来約10年ぶりとなる。袴田吉彦そして、金曜ドラマ初出演となる中島さんが演じるのは、1986年の市郎の同僚である昭和の中学教師・安森(やすもり)。令和からタイムスリップしたキヨシが通うことになる中学校のクラス担任でもあるという役どころ。中島歩なお、12月8日放送の金曜ドラマ「フェルマーの料理」第8話の放送後に、本作の第1弾ティザー映像が初解禁される。金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」は2024年1月、毎週金曜22時~TBS系にて放送。(シネマカフェ編集部)
2023年12月08日宮藤官九郎脚本ドラマ「不適切にもほどがある!」の新たなキャストが発表された。本作は、阿部サダヲ演じる昭和のおじさん・小川市郎が、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップし、令和では不適切なコンプライアンス度外視の発言を炸裂。コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていく、意識低い系タイムスリップコメディ。阿部さんのほかにも、市郎が令和で出会うシングルマザー・犬島渚役で仲里依紗、とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動を全て完コピする86年に生きる“ムッチ先輩”秋津睦実役で磯村勇斗、2024年から86年に息子と共にタイムスリップする向坂サカエ役で吉田羊が出演する。そして今回、市郎の一人娘・小川純子を河合優実。サカエの息子であり、共に86年にタイムスリップするキヨシを坂元愛登が演じることが決定。TBS連続ドラマレギュラー出演は本作が初となる河合さんは、第14回TAMA映画賞最優秀新進女優賞、第44回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第35回日刊スポーツ映画大賞・新人賞など数々の受賞歴をもつ。演じる純子は、非行を繰り返し、市郎とは日々言い争いが絶えない昭和の女子高生。河合さんと阿部さんは、舞台「フリムンシスターズ」と「ドライブイン カリフォルニア」で共演しているが、本格的な共演は今作が初めてだ。河合さんは、「宮藤さん脚本の作品が大好きで、何度も感動し、笑わせてもらってきたので、自分がそんなドラマの一員になれるということがとてもうれしかったです! 宮藤さんが書くセリフを喋れることが今から楽しみです」と参加を喜び、「今を生きる全世代の方に届くようなドラマになればいいなと思っています。全力で3か月間楽しんで頑張るので、みなさんも全力でテレビの前で笑ってください!」と意気込んだ。坂元さんは、『ある男』安藤サクラの息子役に抜擢され映画デビュー、「100万回 言えばよかった」では佐藤健演じる鳥野直木の中学時代を演じた。今回演じるキヨシは、四六時中エロいことを真剣に考えている中学生で、昭和で出会った純子に一目ぼれし、昭和の時代に残りたいと言い始めるが、そのほかにも理由がある様子。時空を超えたキヨシと純子の恋模様にも注目だ。「僕が演じるキヨシは、すごく真っ直ぐで純粋な男の子です。変なことばかり考えているけど優しくて・・・結構子どもな奴だなと思いました(笑)。これまで僕は暗めの役を演じることが多かったんですけど、今回は明るい役になりそうなので、演じることが純粋に楽しみです」と心境を明かした坂元さんは、「年齢に関係なく全ての人が楽しめる作品だと思います。僕も作品の中の役割をちゃんと全うして盛り上げていけたらと思っています。ぜひ見てください!」とコメントしている。「不適切にもほどがある!」は2024年1月、毎週金曜日22時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年11月17日菅野美穂主演ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」に、宮藤官九郎の出演が決定。主人公・ゆりあの禁断の恋の相手・優弥(木戸大聖)の父親を演じる。本作は、菅野さん演じるゆりあが、突然目の前に現れた夫の“彼氏”、“彼女”、“隠し子”と奇妙な同居生活を開始。時にぶつかり合い、時に手を取り合い、みんなで意識不明状態となった夫の介護に勤しみながら、数奇な人生と血の繋がりを越えた家族の絆を編み上げていく。来週から後半戦に突入する本作。夫・伊沢吾良(田中哲司)がついに昏睡状態から目覚める中、ゆりあは便利屋・伴優弥との禁断の恋に、どんどんのめり込み、第6話(11月23日放送)では、ゆりあが優弥の父・伴博と初対面を果たすことに。しかも何やら一波乱起こる気しかしない。そんな父を演じる宮藤さんは、実際に木戸さんと会うと、その人柄に一瞬で惚れ込んだそうで「本当に申し分ない、非の打ち所がない好青年でした。お芝居もナチュラルで柔軟で、とてもやりやすかったです」と称賛。実はその後、ゆりあの心を新たに揺るがすことになるこの初対面。菅野さんと宮藤さんの化学反応にも注目の回となる。かつて、「Wの悲劇」で恋人役、映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』では夫婦役を演じた2人。2017年には宮藤さん脚本の「監獄のお姫さま」には菅野さんが出演し、出演者と脚本家という形でタッグを組んだものの、俳優として共演するのは実に11年ぶり。久々の共演に、菅野さんも「前作から11年ぶりだなんて…! そんなにもお互いに年を取ったんだなって、しみじみしちゃいますね(笑)。今、1月期の脚本を書いておられるそうで、お忙しい中こちらにも来てくださって、本当にうれしいです」と大喜び。撮影でも「抜け感があって飄々としながらも、父親としての思いもしっかりと投げかけてくださって…。宮藤さんは脚本だけでなく、演技も天才だなって改めて思いました!」と感動が止まらなかったそう。宮藤さんは「達者な皆さんが揃っていて、どの場面も面白く、見応えがあるので、僕の場面は“ながら見”できるようにサラっと演じました。久しぶりの俳優業なので、大目に見て下さい」と視聴者へメッセージを寄せている。第6話あらすじ未だ言葉も話せず寝たきりの状態ではあるものの、昏睡状態からは目覚めて徐々に回復の兆しを見せる夫・伊沢吾良(田中哲司)。同居する夫の“彼氏”・箭内稟久(鈴鹿央士)や夫の“彼女”・小山田みちる(松岡茉優)、夫の“隠し子”かもしれないみちるの娘たちと共に介護に勤しむ一方、主婦・伊沢ゆりあ(菅野美穂)はワンオペで息子を育てる若き便利屋・伴優弥(木戸大聖)との“禁断の恋”にのめり込んでいく。その矢先、みちるの長女・小山田まに(白山乃愛)と一緒にバレエを習い始めたゆりあは、みちる親子と別居中のDV夫・小山田源(前原滉)が教室の前をうろつく姿を目撃する。娘に会いたくても、みちるに無視され続け、つい無断で怪しい行動に出てしまったという源。まにのためにも、ゆりあは小山田夫婦に話し合いの場を持たせようとする。一方、稟久も“あらぬ行動”に出る。どんな魂胆か、何かにつけてトラブルメーカーである吾良の妹・伊沢志生里(宮澤エマ)に、自分が吾良の恋人だということはおろか、ゆりあが浮気中であることまでもリーク! しかも、裏事情を知った志生里が暴走!? ゆりあに“とんでもない提案”を投げかけてきて…。さらに、新たな試練も降りかかる。なんと、ゆりあは図らずも優弥の父・伴博(宮藤官九郎)と初対面を果たすことに。しかも優弥が席を外して2人きりになった直後、博が発したある言葉に、恋の幸せで満たされていたゆりあの心は人知れず揺らぎだし…!?「ゆりあ先生の赤い糸」は毎週木曜日21時~テレビ朝日系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月16日来年1月放送予定のTBS新金曜ドラマは、宮藤官九郎脚本・阿部サダヲ主演の「不適切にもほどがある!」に決定。さらに仲里依紗、吉田羊、磯村勇斗も出演することが分かった。宮藤官九郎が脚本を手掛ける本作は、昭和のダメおやじの不適切発言が、令和の停滞した空気をかき回す、意識低い系タイムスリップコメディ。阿部さん、宮藤さんと本作のプロデューサー・磯山晶が組んだTBSドラマは「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(2002年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年)と、今も愛される作品ばかり。「タイガー&ドラゴン」から19年の時を経た令和の時代で3人が新たな作品を生み出していく。なお、阿部さんと宮藤さんが主演と脚本としてコンビを組むのは民放ドラマでは今作が初となる。TBSドラマにレギュラー出演するのは金曜ドラマ「恋する母たち」ぶりとなる阿部さん。本作で演じるのは、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう“昭和のおじさん”小川市郎。中学の体育教師であり、野球部の顧問で、“地獄のオガワ”と恐れられている市郎は、言葉遣いが荒く、不適切な言動を繰り返す。一方で、妻を病気で亡くしており、家では一人娘の非行に手を焼く普通の父親でもある。しかし、そんな市郎の極論が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていくことに。妻を亡くした市郎とその一人娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描くヒューマンコメディでもある。令和で出会うシングルマザー・犬島渚を演じるのは仲さん。時空を超えて出会った市郎と渚がどのような関係性を築いていくのかも大きな見どころのひとつ。そして市郎と同じ86年に生き、とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする、“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村さんが演じる。昭和に残された市郎の娘が密かに想いを寄せる相手だ。市郎とは逆に、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする、社会学者の向坂サカエ役で吉田さんが出演。サカエは性差別やジェンダー問題の論者としてメディア露出もしているフェミニズムの旗手。令和時代の代弁者として、市郎たち昭和の人間の破天荒さにするどくツッコんでいく役を担う。なお、吉田さんと磯村さんが宮藤さん脚本の作品に出演するのは今作が初となる。コメント全文・阿部サダヲ2020年以来のTBSドラマへのレギュラー出演ですし、宮藤さんが脚本のドラマも久しぶりなので、お話をいただけてうれしかったです。脚本を読んで、宮藤さんはやっぱり面白いことを考えるなと思いました。挑戦するところもあるドラマで、今の時代だからできるようなドラマになるだろうと思っています。今回演じる小川市郎という役は、昭和を知っている方たちが見ると「懐かしい。こういう人いたな」と思うような体育教師なので、僕自身もそういう先生いたなと思いながら役作りをしていこうと思っています。そして、今の時代の方々にも「こういう人っていていいんじゃないか」と思わせてくれるようなキャラクターになれたらいいなと思っています。皆さん(仲、吉田、磯村)とは2020年の金曜ドラマ「恋する母たち」でも共演していて、色んな役を演じられる方たちなので、今回もどういう芝居になるのか、今から撮影が楽しみでしょうがないです。昭和を生きてきた方たちが楽しめるのはもちろん、平成から令和を過ごしている若い方たちにも「こんな時代があったんだな」「こんな時代もかっこよかったな」と思っていただけるようなドラマになると思いますので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います。・仲里依紗「恋する母たち」以来、本当にお久しぶりなみなさまと共演できるということで、前もあたたかい現場だったので、今回も撮影がすごく楽しみです。ポスター撮影のときから「絶対面白くなるな」っていう確信が持てました(笑)。私の役どころは、2024年で市郎さんに出会うシングルマザーでバラエティ番組のAPさんです。私もシングルマザーではないですけど母親なので、ちょっと共感しながら演じられる部分があるのかなと思っています。脚本を読んで、本当に読む手が止まらなくて…。まだ言えないんですけど、「どうやって撮るの?」とすごくワクワクするシーンがいっぱい組み込まれていました。今から撮影が楽しみでもあるし、上手にできるかなというプレッシャーもすごくあります(笑)。すごく元気をもらえるドラマになると思っています。昭和・令和それぞれの世代の方たちが見てもプラスな気持ちになれる、みんなの笑顔につながるようなドラマになればいいなと思っています。頑張ります!・磯村勇斗またみなさまと共演できるのですごく楽しみです!宮藤官九郎さん脚本の作品に参加するのは初めてなので、そこも含めて今からワクワクしています。この時代だからこそ描けるテーマに、宮藤さんの生み出す掛け合いや言葉がすごく面白いので、自分の役がこれからどうなっていくのか楽しみです。「この表現どうするんだろう?」と思う部分もあって、僕らも挑戦的なことをするやりがいのある3か月になりそうだなと思っています。僕の役は、昭和の1986年に生きていて、あるアイドルに憧れているという人物・・・もうそれ以上言えることはないです(笑)。役を通して昭和の時代を体験できるというのも楽しみです。日々、悶々としていたりちょっと悩んでいたり、そういったものが吹っ飛んでいくようなドラマになっていくと思います。登場人物みんなが個性的ですごく魅力的なので、たくさん笑って楽しんでもらえたらうれしいです。・吉田羊宮藤さん脚本のドラマは好きで拝見していたので、選んでいただけてうれしい気持ちでいっぱいです。私が演じるのは令和時代を生きるフェミニストの社会学者です。令和の正義を振りかざしながら市郎さんに斬り込んでいく役どころ。そして、それはきっと視聴者の方の目線と近くなると思うので、私を通して視聴者の方はこのドラマをご覧になっていく、そういう存在になるのかなと思っています。この4人は「恋する母たち」で共演をしたメンバーなので、配信でサイドストーリーをやるのかなと思ったほど(笑)。緻密な計算したお芝居もできる一方で、アドリブで爆発する瞬間的なお芝居もできる方々なので、シーンが膨らんでいくのもすごく楽しみです。令和と昭和を行き来するかなりハチャメチャなドラマですが、非常に面白いです。令和という時代に、その感性を持って生きながらも「でもこれってどうなんだろう?」って思ってらっしゃるような方がいたとしたら、それにほんの少し、もしかしたらヒントをくれるようなドラマになるかもしれません。ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。・脚本:宮藤官九郎阿部くんも僕も53歳。思春期に『夕やけニャンニャン』と『毎度おさわがせします』と『ビートたけしのオールナイトニッポン』で倫理観を設定され、不適切に不適切を塗り重ねて生きてきた世代にとって、日々アップデートを強いられる令和はなかなか生きづらい。「昔は良かった」なんて口が裂けても言いたくない。昭和もそこそこ生きづらかったし、戻りたいとは思わないけど、あの頃の価値観を「古い」の一言で全否定されるのは癪なんです。だって楽しいこともあったし、大人が自由で元気だったし、若者は携帯電話を使わずに友達と待ち合わせできてたし、カセットテープのレーベルを自己流でレタリングするのに命かけてたし。そんな瑞々しく甘酸っぱい記憶を無かったことにはしたくないし、「知らねーし」の一言で片付けてほしくない。だからこんなドラマを考えました。市川森一先生がご存命だったら、こんなタイトルを付けたんじゃないでしょうか。『正しいのはお前だけじゃない』自分と違う価値観を認めてこその多様性。第1話を読んだ関係者から「スカッとした」「痛快です」「溜飲が下がった」などの感想を頂きましたので、おそらくそんな肌触りのドラマになると思います。仲里依紗さん、磯村勇斗くん、そして吉田羊さんが、持ち前のコメディセンスで多少の不適切は笑いに転化してくれそう。楽しみです!宮藤でした。・プロデュース:磯山晶常日頃、出来るだけ適切な言動を心掛けています。特に、高いコンプライアンス意識が必要とされる昨今は、ますます自分の言動が気になってしまう毎日です。だから「昭和から来たおっさん」が、自分の発言のリフレクションを恐れず、傍若無人に意見を言うことで、令和の人々が「今はそんなこと言っちゃダメなんだよ!」と呆れながらも「でもそれってちょっと真理ついてるかも」と考えるきっかけになるような物語を作りたいと思って企画しました。そんな昭和の意識低い系主人公・小川市郎を阿部サダヲさんに演じてもらえることになり、心の底から楽しみです。阿部さんだったら、今は言っちゃダメだけど、本当はちょっと言ってほしいことを言っても許されるキャラクターにしてくれるはずです。阿部サダヲさんという役者を一番光らせるのは、宮藤官九郎脚本だと心から思うし、そんな阿部さんと宮藤さんの信頼関係のフルスイングを間近で見られるなんて幸せです。仲里依紗さん、磯村勇斗さん、吉田羊さんという人気と実力を兼ね備えた役者陣の振り切った演技にもご期待ください。市郎さんがどんな極論を言っても、驚いたり、癒やされたり、突っ込んだりしながら3人が全てを受け止めてくれると信じています。コメディだとか時空を飛ぶとか関係なく、4人の名優が織りなす演技の丁々発止を楽しんでいただけたらうれしいです。今、この世に生み出すべき作品となるよう、精一杯頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。「不適切にもほどがある!」は2024年1月、毎週金曜日22時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年10月27日映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』のハロウィンナイトイベントが25日に行われ、岡田将生、宮藤官九郎(脚本)、水田伸生監督が登場した。同作は日本テレビ系列で2016年4月期に放送された連続ドラマの映画化作。「ゆとり世代」と社会に括られたアラサー男子3人の物語が、夫婦仲はイマイチ、家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田将生)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂桃李)、事業に失敗し、中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽優弥)の前に「Z世代」「働き方改革」「テレワーク」「多様性」「グローバル化」といった新時代の波が押し寄せる。○■「16年想い続けてます」「岡田将生さん大好きです」この日は上映後のティーチインということで、観客から質問を受け付けることに。1人目が「岡田将生さんが大好きで16年想い続けてます」と前置くと、岡田は「また公開告白!? 品川(の舞台挨拶)でも告白されちゃって。照れちゃって照れちゃって。ありがとうございます」と照れながら応える。さらに他の質問者も「二番煎じみたいになっちゃうんですけど、岡田将生さん大好きです」、「私も岡田将生さん大好きです」という前置きで質問するため、岡田は「俺今日死ぬの? 死ぬかもしれない」と顔を覆う。「『ゆとりですがなにか』で影響を受けたことはありますか?」という質問には、「松坂桃李さんと柳楽優弥さんをずっと尊敬していて、終わった後も2人の仕事を追いかけて。2人はそのまま尊敬し合える仲間で、ここに並びたいなという気持ちでずっといたので、全部。『ガンニバル』最高だったよって柳楽の優ちゃんに言ったり。2人に影響は受けてるし、今でもありがとうって思ってます」と回答する岡田。質問に答えてもらったファンが「ありがとうございます。インスタライブ待ってます」と言うと、「『ゆとり』のことだけって言ったでしょう? だめ」ときっぱり断る。さらに、最後の質問者は「私のママが岡田将生さんのファンです」と変化球。水田監督は「さすがだね」と感心し、岡田は「ママありがとう」と感謝していた。
2023年10月25日映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』のハロウィンナイトイベントが25日に行われ、岡田将生、宮藤官九郎(脚本)、水田伸生監督が登場した。同作は日本テレビ系列で2016年4月期に放送された連続ドラマの映画化作。「ゆとり世代」と社会に括られたアラサー男子3人の物語が、夫婦仲はイマイチ、家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田将生)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂桃李)、事業に失敗し、中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽優弥)の前に「Z世代」「働き方改革」「テレワーク」「多様性」「グローバル化」といった新時代の波が押し寄せる。○■映画『ゆとりですがなにか』ハロウィンのコスプレ登壇者陣は作中のキャラクターのコスプレで登場し、岡田は「坂間正和です。あんまり人前に立つことがなくて緊張してるんですけど、どうぞよろしくお願いします」と挨拶。また「山路役の松坂桃李」として紹介された宮藤は、作中の松坂の格好で「山路です。よろしくお願いします」と乗っかる。まりぶ役の柳楽優弥」として紹介された水田監督は「いい加減にしろよ、本当に! ただでさえ恥ずかしいのに、柳楽優弥って言うな」とつっこんでいた。2人の衣装は実際に作中で使用されたものだそうで、水田監督が衣装について「サイズがぴったり。宮藤さんもピッタリですよね」と話すと、宮藤も「これ、本当に着てた衣装みたいなんです。桃李くんが」と明かす。唯一、自分が演じた役の衣装を着ている岡田は「岡田としてコスプレして、坂間さんになってます。出る前から頭こんがらがってきやって。どういう設定なの? よくわかんないや」と戸惑っていた。コスプレした2人について、岡田が「もしかしたら1番後ろの席の方々は本当に桃李さんだと思われてるかも。だって、さっき裏であった時に『あ、桃李さんいる』って思いましたもん」と太鼓判。「だいぶ薄めで、遠くで見てもらえたら」と謙遜する宮藤に、岡田は「横がいいんですよ。横が素敵」と褒めていた。しかし、イベントが進むと宮藤の前髪がいつの間にか七三分けのように。岡田が「宮藤さん、前髪どうしちゃったんですか?」と尋ねると、宮藤は「わかんなくなっちゃって。触っちゃったらもう戻せなくなっちゃって。ギリギリで成立してたんですよ。ここに来てから、『俺、なんなんだっけ?』って」と自身の存在すらよくわからなくなっていたようだった。
2023年10月25日映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』のプレミアイベントが9日に都内で行われ、岡田将生、松坂桃李、宮藤官九郎、水田伸生監督が登場した。同作は日本テレビ系列で2016年4月期に放送された連続ドラマの映画化作。「ゆとり世代」と社会に括られたアラサー男子3人の物語が、夫婦仲はイマイチ、家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂)、事業に失敗し、中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽優弥)の前に「Z世代」「働き方改革」「テレワーク」「多様性」「グローバル化」といった新時代の波が押し寄せる。○■松坂桃李、外国人約100人とトークセッション同作のタイトル「インターナショナル」にちなみ、約100人の外国人の前にキャスト、監督が登壇した同イベント。松坂は「今日という日を楽しみにしていました。こんな機会なかなかないので皆さんに今、こうしてお会いできることすごく嬉しく思っております」と笑顔で挨拶した。撮影中に“インターナショナル”を感じた瞬間についてトークが進むと、小学校教師を演じた松坂は「今回インターンということで海外から来た小学校の生徒さんが授業を受けるんですけれども、撮影の合間にお母さんと話をされているときがあって。僕のことを指さしながら喋ってるんですよね。悪口言われてるのかなと、だんだん不安になってきて(笑)。指をさされながらその子と目があったので、とりあえずにこやかに笑っておいたんですけど、本当はなんて言ってたんだろうなと……」とエピソードを披露し、撮影を振り返った。また、イベント中盤には、集まった観客からの質問に直接答えるコーナーを実施。「日本人から見ても変だと思う日本の文化は?」という外国人ならではの質問が飛ぶと、岡田は「謝るのが癖になっている」と回答。「ドラマ版でも何の感情もなく、『失礼しましたと』いうセリフがあったりするので、それはドラマ撮影中もずっと思っていました」と説明していた。さらに、同作で描かれた日本の習慣・文化について質問が続き、「日本人の愛情表現が少ないこと」について話が広がると、岡田は「日本人特有というか、まあ本音をなかなか言うことがないということは確かにあります」と納得した様子を見せる。「僕自身もやはりそういう経験がありまして、言葉に伝えないとわからないって言われたことはある。そこから僕も自分の人生の中で感謝していること、思っていることは常々言葉にして相手に伝えていこうという風にしています」とコメントした。このコメントを聞いた水田監督が「桃李くんは心がけなきゃいけないね」と松坂に水を向けると、女優の戸田恵梨香と結婚している松坂は、「おっしゃる通りで……」とタジタジ。「日本の男性は言わなくてもわかるだろう精神がどこかにあるというか……ただ、言葉にするときは絶対に必要だっていうことを学んで実感してはいるんですが、いざ面と向かって言うとなると、恥ずかしくなってしまうのは日本人特有なのかなと思いますね」と照れ笑いを浮かべていた。
2023年10月09日映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』のプレミアイベントが9日に都内で行われ、岡田将生、松坂桃李、宮藤官九郎、水田伸生監督が登場した。同作は日本テレビ系列で2016年4月期に放送された連続ドラマの映画化作。「ゆとり世代」と社会に括られたアラサー男子3人の物語が、夫婦仲はイマイチ、家業の酒屋も契約打ち切り寸前の正和(岡田)、いまだに女性経験ゼロの小学校教師・山路(松坂)、事業に失敗し、中国から帰ってきたフリーター・まりぶ(柳楽優弥)の前に「Z世代」「働き方改革」「テレワーク」「多様性」「グローバル化」といった新時代の波が押し寄せる。○■岡田将生&松坂桃李、海外進出に意欲見せる「そりゃ、飛びつきますよ」今回のイベントは、同作のタイトル「インターナショナル」にちなみ、39の国と地域出身の外国人約100人の前に岡田、松坂らが登壇。会場に漂うインターナショナルな雰囲気に笑顔を見せた岡田は、「こういうイベントがなかなかないので、どういう感じなのかなと思って緊張していたんですけど、皆さんも迎え入れてくれた笑顔がとても嬉しくて、楽しい時間を過ごせたらなと思ってます」と挨拶する。MCから「英語でなにか一言話しますか?」と無茶振りをされると、「あ~大丈夫です~。今日は! 今日は(大丈夫です)……」と手振りを交えてリアクションし、笑いを誘った。改めて、会場の様子について岡田は「海外の映画祭に来ているような感覚。違う違うここ秋葉原だよね? と自分に言い聞かせています」とコメント。続けて、同作について話そうとするもマイクの調子が悪く、松坂がすかさず自身のマイクを手渡しフォローする場面も見られた。また、集まった外国人の観客からの質問に答えるコーナーでは、韓国から来た留学生の男性から「海外からのオファーが来たらどうしますか?」という質問が寄せられる。これに岡田は「そりゃ、飛びつきますよ」と即答し、松坂も「無論、やりたいですね!」と前のめりな姿勢を見せた。さらにMCから「英語が必要になってきます」と言われると、「今日だけ話してないだけなんで!」(岡田)、「普段裏では僕ら英語でやり取りしているんで。今日だけです」(松坂)と息の合ったやり取りを披露し、会場を盛り上げた。
2023年10月09日映画『こんにちは、母さん』(公開中)の公開中舞台挨拶が13日に都内で行われ、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、寺尾聰、山田洋次監督が登壇した。同作は山田洋次監督によるオリジナル作。大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘(永野)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉)は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れると、割烹着を着ていたはずの母親が艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活していることに驚く。恋愛までしているようで戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。○永野芽郁の挑んだシーンに、大泉洋「すごいシーンだった」永野は「山田監督が現場でいつも『(演じた)舞ちゃんのおへそをもうちょっと見せてくれよ!』とおっしゃるので、そのために人生で1番腹筋を鍛えました」と暴露する。この指示について、山田監督は「言ってはいないと思いますけど、1回くらいは言ったかもしれない。大変申し訳ないと思います」と謝罪した。また永野は作中で涙を流すシーンについて「舞が思っていることを初めて告白するシーンだったので、緊張感もありながら撮影していたんですけど、1回目を撮った時に『思ったよりも涙を流してしまったな』なんて思いながらいたら、監督が『舞ちゃんはきれいに泣く必要ないです。顔を崩していいから、もう1度やってみようか』と言ってくださって。そのカットが使われていると思います」と明かす。「きれいに泣かなくていいってのも分かってはいたけど、どこかでセーブしながらやっているところがあったのは、きっと監督が気づいて声をかけて下さったので、自分の中でも思い入れの深いシーンになったなと思います」と語った。そのシーンは大泉も横で見ていたそうで「ウルトラD、Eの難度を見ているようなすごいシーンだったと思います。監督がいろいろ説明して『期待してます、スタート!』という掛け声だったんですよ。それがすごい技だなとおもって。なんでしょうね、本当にワールドカップの選手にテレビを見ている人の感想が届いているような『期待してます!』という言葉と共に『スタート!』と入ったから」と状況を説明。永野も「ちょっとパニックになりますけどね。『期待してます!』と言われると。よかったですけど、無事にできて」と苦笑すると、山田監督は「あんまり覚えてない、僕もちょっとパニック状態になってた」と明かし、会場には笑いが起こっていた。
2023年09月13日映画『こんにちは、母さん』(公開中)の公開中舞台挨拶が13日に都内で行われ、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、寺尾聰、山田洋次監督が登壇した。同作は山田洋次監督によるオリジナル作。大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘(永野)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉)は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れると、割烹着を着ていたはずの母親が艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活していることに驚く。恋愛までしているようで戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。○吉永小百合がお祝いきょう13日に92歳の誕生日を迎えた山田監督は、元気な様子で登場。作中では大泉と宮藤の取っ組み合いの喧嘩シーンがあるが、宮藤は「やってると監督がツラツラって入って来たんですね。『もっと速く速く』とかって言って入ってきて、そうすると助監督さんが『危ない危ない』と引き下げる。で、やってるとまた『違う違う』と入っちゃうんで、『危ない危ない危ない』と言って、3人で喧嘩してるみたいな。すごい楽しかったです」と明かし、大泉も「熱の入った演出だったと記憶してます」と爆笑していた。イベントではこの日の観客とキャストからの寄せ書きメッセージボードも登場し、監督も「わあ、すごいなこれ」と喜ぶ。吉永が「お誕生日おめでとうございます。百寿、そして(監督作)100本を目指して、また歩いていただきたいと思います。私たちもついてまいります。おめでとうございます」とメッセージ。監督は「小百合さんにお祝いを言っていただくのは最高ですね」と喜んでいた。
2023年09月13日みなさんは、外国に出かけたことはありますか。日本語が通じない環境に行くのは、不慣れな人にとっては勇気が要ること。あらゆる事態を想定して、なるべく不安を減らしてから行きたい…という人もいるでしょう。@rootportさんが、海外に出かけた時のエピソードを、X(Twitter)に投稿しました。入国審査で「カンクー?」と、聞かれ続けた結果…投稿者さんが出かけた国は、アメリカ。飛行機を降りて、入国審査に進むと、審査官がこう尋ねてきたといいます。「カンクー?」「カンクー」というと、大阪府大阪市にある関西国際空港を連想する人が多いでしょう。当時、投稿者さんは千葉県成田市にある成田国際空港から来ていたので、「フロム・ナリタ」と答えました。しかし、審査官は再び「…カンクー?」と聞いてきたので、投稿者さんも再び「ナリタ…」と返答。これではらちが明かないと思ったのか、審査官は質問をこのように変えたといいます。「Sightseeing?」そう、審査官が聞きたかったのは入国の目的で、本当は「観光ですか?」といいたかったようです!「あっ、そういうことね!イエス、カンコー!」と投稿者さんが答えると、審査官は笑顔で親指をグッ。投稿者さんも同じように、笑顔とサムズアップで返したのでした。【ネットの声】・分かる!こっちは完全に英語で身構えているのに、フレンドリーに日本語で話しかけてくる審査官。不意打ちに驚くけど、やっぱり好き。・うちの母は、ハワイで審査官が「ハンコ?」といっているように聞こえて、「判子は持ってきてない…どうしよう…」と思ったらしい。・怖そうな審査官に入国の目的を聞かれて、恐るおそる「メジャーリーグの『ニューヨーク・ヤンキース』を観に行く」と答えたら、笑顔で「ヤンキース!ウェルカム!」といわれたことがある。後になれば、審査官は親切に対応してくれていたのだと分かりますが、外国に着いてすぐだと、アワアワしてしまいますよね…!緊張が解けた投稿者さんは、入国した後はリラックスして、アメリカでの日々を過ごしたことでしょう。なお、投稿者さんは漫画『ぜんぶシンカちゃんのせい』の原作をおこなっています。気になる人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。『ぜんぶシンカちゃんのせい』[文・構成/grape編集部]
2023年09月12日映画『こんにちは、母さん』(公開中)の初日舞台挨拶が1日に都内で行われ、主演を務める吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌、山田洋次監督が登壇した。同作は山田洋次監督によるオリジナル作。大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘(永野)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉)は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れると、割烹着を着ていたはずの母親が艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活していることに驚く。恋愛までしているようで戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。○■全身ホワイトの衣装で観客を魅了した永野芽郁全身白の爽やかなコーディネートで登場した永野は「吉永さんの孫、そして大泉さんの娘を演じられて、とても幸せな時間を過ごしました」と撮影を振り返りつつ、挨拶した。今作で123作目の出演作公開となった吉永は、“孫”永野について「芽郁さんの映画はたくさん観ていて、とても素晴らしいお芝居をなさる」と絶賛。「芽郁さんは8歳から子役でやってらっしゃって、私は11歳。その分ちょっと負けてるわけだけど……」と話し、笑いを誘っていた。一方、永野も「私も123作品、目指します!」と力強く語り「頑張ります!」と意気込む。すると、今作で永野の父を演じ「今後、吉永さんの息子は全部私」と宣言した大泉が「親は全部おれでね!」と横やりを入れ、永野は「考えておきます」と見事な返しで会場を盛り上げた。また、イベント中盤には「これから新しく始めたいこと」をテーマにトークし、永野が「家庭菜園」「ルッコラを育てたい」と話すと大泉が反応。大泉は登壇前に田中とルッコラについての話をしていたそうで、「泯さんは家庭菜園じゃない農家の方ですけど……」と、田中のモノマネを交えながら会話を再現して見せた。まさかの偶然に永野も「泯さんのルッコラおいしいんですか!? 食べたーい!」と興奮気味に話した。
2023年09月01日