KDDIと増進会出版社、KDDI研究所は8月18日、ICTを活用した学校教育サービスを2015年度中に開始すると発表した。3社は「学校における先生の指導と生徒の学びを支援する」として、ICTを活用した学校教育サービスの提供に関する業務提携契約を締結。文教市場にむけて教育サービスの提案・販売を行う。KDDIはグループのLTEやWiMAXといった移動系ネットワークとFTTH、CATVなどの固定系ネットワーク、Wi-Fiを活用したネットワーク構築、デジタル端末のサポートを行う。グループ会社のKDDI研究所については、一人ひとりの学習習熟度やレベルに応じた効果的な学習を実現する「アダプティブラーニング」に適用できる「理解度推定技術」を開発しており、苦手な学習単元の原因を推定できるという。一方の増進会出版社は、グループ会社にZ会を持ち、通信教育から学校市場での模試、教材販売事業など、幅広い教育サービスを提供している。ほかにもグループ会社に栄光ホールディングスなども抱えている。同社はコンテンツ提供やすでに持つ販売チャネルを活用して私立中学・高校にサービス提案を行う。具体的な事業運営としては、8月下旬より営業の共同提案を開始。年度内に、学校向けの学習コンテンツ、授業支援サービスとICT活用のための学習環境の提供を行う。私立校では、ICT活用が加速すると見込まれていることから、中高一貫校向けの英語検定外教科書で定評のあるZ会の販売チャネルを活用する。また、Z会は2016年春より学校向け学習プラットフォーム「StudyLinkZ(スタディリンクス)」を提供予定で、デジタル教材などをプラットフォームを活用して展開する。また、今後は学習履歴をはじめとする「教育ビッグデータ」を活用した新たな学習環境の提案も検討するとしている。一方のKDDI側では、タブレットを中心としたデバイスの提供と教育の通信環境整備を開始。2016年以降、塾や予備校に通う学生も対象に、家庭利用も含めたライフスタイルに応じたスマートデバイスの提供、通信サービスの開発を目指す。アダプティブラーニングに関しては、「共同研究」として、KDDI研究所の技術を応用して、Z会の多様な教材について最適な学習方法を提示する機能の開発を進め、2016年度以降に提供する。携帯キャリアと文教市場の取り組みでは、ソフトバンクがベネッセとの合弁会社を設立した「Classi」が先行。すでに120を超える学校が導入しており、アダプティブラーニングに関する取り組みも行っている。
2015年08月18日『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』(山崎俊輔著、明日香出版社)の著者は、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を行っている人物。「根拠のある『お金の貯まる習慣』が実行できれば、誰でも『お金がなくなる人』に別れを告げ、『貯まる人』になれる」そんな考え方のもと、本書では誰でも実行でき、その効果が確実に現れる「お金が貯まる習慣」をまとめているわけです。きょうは1章「お金が貯まる人の日常編」に焦点を当ててみましょう。■500円のランチを食べるとお金がなくなるお金がなくなる人の大きな間違いのひとつに、「いつもガマンしないと節約にならない」という思い込みがあると著者は指摘しています。でも実際には「貯まる人」ほど、日々を楽しみながらきちんと節約でき、お金を貯めているのだとか。その点について著者は「ランチ予算が1日500円だった場合はどうか」という問いかけをし、結果について以下のように断定しています。「素直に500円ずつ同じランチを、月曜から金曜まで同じ店で食べるような人は、お金がなくなる人です」■毎日同じランチを食べ続けると飽きる!意外な気もしますが、理由を聞いてみれば確かに納得できる話。つまり、こういうことです。「毎日500円の予算」と思い込むから、毎日500円でランチを食べるしかないわけですが、人間なので、それでは飽きてしまって当然。何ヶ月も続けていると、やがて食事はなんの楽しみもない、ただの作業になってしまいます。■同じ予算で変化をつけるとお金が貯まるしかし「1日500円」と決めつけてしまうからよくないわけで、「1週間で2,500円の予算」と考えれば違ってくることに。たとえば「月・水・木曜日は500円のランチ」「火曜日は吉野家で牛丼(並盛)380円」「金曜日は620円のちょっとだけゴージャスランチ」とすれば、同じ予算で変化が生まれるということ。だとすれば、同じ2,500円で買える満足度も、毎日同じランチよりも少し多くなることでしょう。つまり、同じ金額の消費について、自分の工夫で高い満足度を得たということになるわけです。「お金が貯まる人」は「同じお金で高い満足」を買ったり、「より安いお金でいままでと同じ満足」を買ったりしているのだとか。しかし「なくなる人」は、不満足のままたくさんお金を使ってしまい、同じランチタイムの過ごし方ひとつでどんどん差をつけられてしまうのです。*このように、ユニークな視点に基づいているので、読みごたえも充分。金の貯まる方法を、無理なく身につけられることでしょう。(文/印南敦史)【参考】※山崎俊輔(2015)『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』明日香出版社
2015年08月18日教育は、その国の基盤をつくる大切な要素のひとつ。その重責を担う教師には、ぜひとも優秀な人材を集めたいところです。それでは世界では先生のお給料は、いったいどのくらいなのでしょうか?『INSIDER MONKEY』では、教師の給料が高い国を、その平均年収とともにランキング形式で紹介しています。はっきりいってうらやましい!高収入を目指す先生のみなさん、移住を考えた方がいいかもしれませんよ!■12位:アメリカ/47,165ドル(約565万円)アメリカは世界でもトップクラスの教育水準を誇る国。私立・公立どちらの学校でも教育に力を入れており、学生ひとりにかけるお金も世界トップレベルです。交換留学も盛んに行われているので、外国人教師にも門戸が開かれています。■11位:スコットランド/47,984ドル(約575万円)スコットランドはヨーロッパのなかでもっとも教育に力を入れる国のひとつ。教育の質を維持するために、厳しい監査が行われるのだそうです。そのためスコットランドで教師になるためには、専門のプログラムを受講する必要があります。■10位:韓国/48,181ドル(約578万円)韓国は教師が優遇される国として有名です。そのぶん競争率も高いので、韓国で教師を目指すならそれなりの覚悟が必要です。■9位:オーストラリア/48,937ドル(約587万円)オーストラリアの小学校教師の初任給は34,000ドル(約408万円)と高額。さらに上の学校になると、57,000ドル(約684万円)と上がっていきます。■8位:ベルギー/49,185ドル(約590万円)教育水準が高いベルギーの教師の初任給は31,000ドル(約372万円)。その後は経験に応じて昇給していきます。■7位:デンマーク/53,000ドル(約636万円)教育に力を入れているデンマークの識字率は99%。国として教育に力を入れているだけあって、教師のための特別な学校もあります。さらに、国立大学は学費が原則無料という驚きの取り組みもしています。■6位:アイルランド/54,954ドル(約659万円)アイルランドも識字率が99%の国。教師の初任給は33,000ドル(約396万円)で、教師のレベルを上げるためのプログラムが充実しています。■5位:カナダ/56,422ドル(約677万円)カナダは外国人が教師として働きやすい国。教育水準が高く、初任給も35,500ドル(約426万円)と高水準です。■4位:オランダ/59,894ドル(約718万円)OECD(経済協力開発機構)の定めた水準をはるかに上回る教育水準を誇るのはオランダ。教師として高収入で働きたいならオランダへ行きましょう。■3位:ドイツ/64,289ドル(約771万円)ドイツの教師の初任給はなんと47,000ドル(約564万円)。住宅手当などのサポートも充実しています。そもそも給料が高いので、多少家賃が高くても、好きなところに住めます。■2位:スイス/68,849ドル(約826万円)スイスの教師の給料の平均は、国内の平均約50,000ドル(約600万円)より高くなっています。教育システムは多様で先進的。斬新な授業をしてみたい人は、ぜひスイスへ。■1位:ルクセンブルク/97,808ドル(約1173万円)1位に輝くのは、ヨーロッパの共和国ルクセンブルク。初任給も64,000ドル(約768万円)と高額ですが、15年以上の経験がある教師の給料は仰天するほど高いのだとか。*教師がこんなに高収入で優遇される国があったとは!教員免許などの制度は国によってそれぞれですが、腕に自信のある先生は、海外で働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか?(文/スケルトンワークス)【参考】※12 Countries with Highest Teacher Salaries In The World―INSIDER MONKEY
2015年08月16日教育経済学とは、「データ」に基づき、教育を経済学的な手法で分析する応用経済学の一分野。『「学力」の経済学』(中室牧子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は教育経済学者であり、つまり本書ではそんな立場から、教育についての是非を掘り下げているのです。子どもの教育について、「なにが正しいのか」で悩んでいる方にとって必読の情報が満載された一冊。きょうはそのなかから、気になる「学習時間」についての記述をご紹介したいと思います。■テレビやゲームをやめても学習時間は増えない著者らの分析の結果、テレビやゲームが子どもの肥満や問題行動、学習時間に与える影響は小さいことがわかったそうです。ただし、テレビやゲームと学習時間の間には、負の因果関係があることも示されているのだとか。つまり「テレビやゲームをやめさせれば、子どもの学習時間は増える」という考え方は間違いではないわけですが、問題はその大きさ。なぜなら、テレビやゲームを1時間やめさせたとしても、男子は最大1.86分、女子は最大2.70分しか学習時間が増加しないことが明らかになったからだといいます。■ただしテレビやゲームは学習に悪影響もあるどうしてそんなことになるのでしょうか?理由はいたってシンプルです。テレビやゲームの時間を制限しても、子どもがそのまま机に向かって勉強するようになるわけではないから。テレビやゲームを制限されたら、スマホでチャットするとか、インターネットで動画を見るなど、他の遊びに移行するだけだというわけです。しかしその一方、著者らの研究では、テレビ視聴やゲーム使用の時間が長くなりすぎると、子どもの発達や学習への悪影響が飛躍的に大きくなることが示されているそうです。■テレビやゲームは1日1時間程度なら問題なしそうなると気になるのは、どれくらいのテレビ視聴やゲーム使用なら無害なのだろうかということ。ところが、1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子どもの発達に与える影響は、まったくテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらないことが示されたのだとか。とはいえ、1日2時間を超えると、子どもの発達や学習時間への負の影響が飛躍的に大きくなることも明らかになっているそうです。だとすれば、子どもが1日1時間程度、テレビを観たりゲームをしたりすることで息抜きをするのは、決して悪いことではないということになります。だから、罪悪感を持つ必要はないわけです。「『テレビやゲームは有害だ』というのは、その昔『ロックンロールを聞くと不良になる』といわれたのと同様、単に人々の直感的な思い込みを強く反映した時代遅れのドグマにすぎないのです」著者のこのことばには、なんだか強い説得力があるように思えます。(文/印南敦史)【参考】※中室牧子(2015)『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年08月14日「自分の睡眠データ」を貯めることは、睡眠改善の第一歩。そう主張するのは、『“ぐっすり”の練習ノート』(白濱龍太郎著、実務教育出版)の著者。たとえば「前夜にビールあ杯以上飲んだ翌日の午前中は眠気がひどい」「朝食を和食にした日の夜は寝つきが早い気がする」など、“眠り”について気づいたことを本書の「睡眠ログ」に記録していくことで、自分にとっての快眠の黄金パターンを構築しようという書籍です。実際に記入できる「睡眠ログ」が豊富に掲載されているため、日常生活で多いに役立てることができそう。しかしそれ以前に、「睡眠時間」についてきちんと知っておきたいところではあります。そこできょうは第3章「今夜から始める“ぐっすり”のカイゼンから、睡眠時間に関する記述を引き出してみたいと思います。■最適な睡眠時間は「6時間30分前後」パフォーマンスが最大になる最適睡眠時間は、自分で試行錯誤しながら見つけなければならないのだそうです。たとえば、「23時までに寝る」というような一定のリズムをつくっておく。そこから、睡眠ログを参考にして“黄金の生活パターン”を実行し、翌日にいちばんスッキリする睡眠時間を確認していくわけです。地道な作業ですが、これが自分の最適睡眠時間を見つける唯一の方法なのだそうです。ただし、そうはいってもひとつの目安として意識しておきたいのは、「6時間30分前後」という時間だとか。というのもこれは、人間がもっとも長生きするといわれる睡眠時間なのだそうです。つまり、これだけ寝ておけば、大幅な睡眠不足になる心配はないということ。なお不眠症の方は、逆に「朝起きる時間だけ決める」ことが有効だといいます。なぜなら、きっちり寝る時間を決めてしまうと、かえってストレスになってしまうから。それよりも、眠くなるまで寝室に行かないと決めてしまうのがベストだということです。■毎日最低限の睡眠時間を確保すべきまた、「ショートスリーパーになりたい」という声を聞くことは少なくありませんが、ショートスリーパーになることは、慣れによってある程度は可能だといわれているそうです。とはいえ、傷んだからだを修復するためには、まとまった睡眠をとることが不可欠。それに睡眠不足が続くとネガティブになり、最悪の場合はうつになってしまうこともあるといいますから注意が必要。そうならないためにも、自己管理として最低限の睡眠時間を確保すべきだということです。■“自称不眠症”でも長く眠らなくてOKちなみに、最近では“自称不眠症”の人も増えているのだとか。「昔は8時間眠れたのに、最近は7時間しか眠れない」などと嘆いているような人です。でも成人しているなら、あまり長く眠ることを求めなくても大丈夫だそうです。たとえば70代の方にとっての5時間睡眠は、異常ではないのだそうです。むしろチェックすべきは、「日中の活動に支障があるかどうか」だけだといいます。*睡眠の常識も、その本質はなかなか理解しにくいところ。本書をもとに「睡眠ログ」をつくり、快適な睡眠を心がけてみてはいかがでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※白濱龍太郎(2015)『“ぐっすり”の練習ノート』実務教育出版
2015年08月11日今年、相続税の制度変更があり、過去に例を見ないほど、「生前贈与」が話題になっています。従来からあった住宅取得資金贈与のほか、最近では子どもや孫の教育資金や結婚資金、子育て資金の贈与など、非課税で贈与できる制度はありました。しかし、制度を理解していないと、思わぬ落とし穴を見落とすことになりかねません。○まず、どんな非課税制度があるのかチェックもともと税制において、贈与税は税率が高く、非課税の枠を使わないと高額な税金が課せられる仕組みになっています。贈与税は受け取った人が支払うもので、厚意から贈られたはずなのに、多額の税金を支払うことになるのでは、元も子もありません。どんな非課税制度があるのか、まずはチェックしましょう。非課税の暦年贈与対象者(贈与する人、贈与を受ける人)は特に条件はなく、年間110万円までは基礎控除で非課税となります。住宅取得資金贈与親や祖父母が、子どもや孫の住宅取得のための資金を援助する際、1000万円(一定の基準以上の住宅は1500万円)まで非課税となります。相続時精算課税60歳以上の親や祖父母が20歳以上の子どもに贈与する際、2500万円までは非課税。相続が発生した際に、税額を精算します。住宅取得のために資金を使う場合は、親の年齢制限はありません。教育資金贈与信託親や祖父母が子どもや孫に、教育資金として贈与するもので、学校の入学金や授業料など、使用目的は限定され、金融機関と契約して専用口座で管理します。上限は1500万円。結婚・子育て資金親や祖父母が20歳以上50歳未満の子ども、孫に、挙式費用や新居の家賃、出産費用、不妊治療費、子育てにかかる資金を援助するもので、金融機関と契約して専用口座で管理します。上限は1000万円。○落とし穴(その1) - 非課税の特典を受けるには申告が必要非課税の暦年贈与に関しては、申告の必要はありませんが、前述した非課税の特典を受けるためには、実質的に非課税であっても、贈与があったことを申告する必要があります。これを忘れると、「(贈与額―基礎控除110万円)×税率(最低でも10%)-控除額」で計算された税額が課税され、さらに延滞税がかかる場合もあります。非課税だからと言って、申告しないと、のちのち痛い目にあうので、注意してください。特に、利用者が多い、住宅取得資金贈与については、実際に住宅を取得した後、税務署から「お尋ね」が送られてきて、取得に関しての資金の出どころについての確認が行われます。この時に、申告漏れが発覚するケースが非常に多いのです。なお、申告が必要ない暦年贈与に関しては、毎年110万円を10年にわたって贈与する、といった約束をしてしまうと、一括で1100万円贈与したとみなされる可能性があり、通常の贈与税がかかる場合があります。暦年贈与を利用する場合でも、毎年契約をする、通帳などに贈与の事実を残すなど、形を整えておくようにしましょう。あえて120万円など非課税枠を超えた贈与にし、超えた分の贈与税を支払うという方法も有効です。○落とし穴(その2) - 贈与のタイミングと申告期限に注意贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の3月15日までと期限が決まっています。ここで問題になるのが、住宅取得資金贈与です。この非課税の適用条件のひとつに、贈与を受けた翌年の3月15日までに住宅を取得、入居することというものがあります。たとえば、2015年に贈与を受けた場合は、2016年3月15日までに取得、入居しなくてはならず、さらに、その日までに贈与の申告を済ませなければなりません。申告には登記に関する書類など多数あり、余裕を持って準備する必要があります。ギリギリの入居では、実際のところ申告に間に合わないということです。住宅に関しては、工期が遅れたり、引き渡しが遅れたりということもあり得ます。贈与のタイミングと住宅の取得、入居のタイミングを考えておかないと、非課税のはずだった贈与が一転、税金が重くのしかかってくることになります。頭金の支払いや工事費の支払いなどに充てるために、事前に贈与を受けたい場合もあるかもしれませんが、引き渡しが遅れそうといったケースでは、年が明けてから贈与を受ければ、申告期限は翌年ですから、余裕を持って準備することができるでしょう。○落とし穴(その3) - 非課税の適用期間に終わりがあるものも教育資金と結婚・子育て資金に関しても落とし穴があります。それは、一括で贈与したらそれで終わりではないという点です。教育資金に関しては、子どもが30歳になった時点で精算します。その時に贈与されたお金が口座に残っていた場合、残った金額に対して贈与税がかかるのです。結婚、子育て資金も同様に、子どもが50歳の時点で精算されます。また、贈与されたお金は、専用口座で管理されますが、使用目的が限定されているため、使った分は領収書などが必要で、契約している金融機関に提出しなければなりません。これが数年~数十年続くわけですから、継続してマメに管理できないと、最終的にはお金が残り、贈与税が課せられることになりかねません。以上のように、贈与にはさまざまな非課税制度が設けられていますが、使い方を間違えると思わぬ税金がかかってきます。子や孫への常識的な範囲での結婚費用の援助や学費などの援助は贈与にあたらないので、その都度必要な資金を受け渡すほうが、面倒な手続きをしなくても済む、という考え方もあり、必ずしも、一括で贈与することが得策ではありません。特に相続税対策として、生前贈与を慌てて実行しても、相続開始3年前までの贈与は、相続税の計算時には、課税財産に組み込まれるので、あまり意味がありません。もし、不安なことがあれば、税務署に相談する、税理士に相談するなど、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年08月06日ワイドショー番組での歯に衣着せぬ物言いでたびたび「炎上」を引き起こしてきた古市憲寿さん。だが、実はまっとうで、仲間思いの人なのだ。私室にお邪魔し、人気社会学者の素顔に触れた。* **――7月に刊行したばかりの『保育園義務教育化』は、日本の乳幼児教育、少子化対策の不備をまっすぐに指摘する本です。僕の周りが出産ラッシュだったのと、あとは『ワイドナショー』(ダウンタウンの松本人志さんがメインコメンテーターを務める情報番組。古市さんは準レギュラー)に出たことも大きかったですね。電車でベビーカーが邪魔って話題とか、保育園が騒音公害で迷惑って言われてる問題とか、僕が出演した回はたまたま、子供と社会の軋轢についての話が多かったんです。コメントを求められるうちに、モヤモヤしてきたんですよ。なんでこの社会は「お母さん」や「子供」に対してこんなに冷たいんだろうって。あまりにもおかしいんじゃないかと思って調べ始めたら、実は乳幼児教育がすごく大事だってことがわかったんです。――ノーベル経済学賞受賞のアメリカ人教授が、「5歳までのしつけや環境が、人生を決める」と学問的に証明していた話は衝撃でした。大人の自分はもう、どうしようもないってことですよね……。ありのままを受け入れるしかないんじゃないですかね。有名な言葉があるじゃないですか。「変えることのできるものを変える勇気と、変えることのできないものを受け入れる冷静さを私に下さい」。ホントにそうだと思うんですよ。変えられないものを変えようとするんじゃなくて、変えられる範囲で自分とか周りをより良く変えようとする、それが一番合理的だし現実的だと思うんです。――ちなみに本の中で「今のところ結婚する予定も、子供を持つ予定もない」と書いてましたが。結婚はしたいんですよ。でも、付き合っても長く続かないんですよね。最長でも4か月ぐらい。――短いですね!どうしてなんですかね?付き合ってる最中も、ひとりだけに時間を割くっていうことがあんまりできなくて。前に、仲良くしてた女の子を食事に誘ったとき、向こうは少人数だと思ってたらしいけど、実は50人ぐらい集まるパーティだった、ってことがあって。びっくりされたというか、怒られたんです。付き合ってても意味ない、楽しくないって思われるみたいです。恋愛結婚って、本当はものすごく難しいじゃないですか。最近、自分にはお見合いがいいんじゃないかと思い始めてます。◇ふるいち・のりとし1985年1月14日生まれ。東京都出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。株式会社ぽえち代表取締役。『ワイドナショー』『とくダネ!』でコメンテーターを務める一方、内閣官房「クールジャパン推進会議」委員などの顔も持つ。◇『国家がよみがえるとき持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』(マガジンハウス1500円)はフィンランド人社会学者との共著で、現地学者の論文も多数収録、『保育園義務教育化』(小学館1000円)は、古市流のツッコミ芸が冴え渡る全7章。共に好評発売中。※『anan』2015年8月5日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)インタビュー、文・吉田大助
2015年08月05日日本航空の全パイロットが、コミュニケーションスキルの向上のために受けているという「言語技術」教育。そのカリキュラムは、「対話」「説明」「分析」という3つのプログラムに分かれている。それぞれのプログラムの目的や役立て方について、「言語技術」の指導にあたる2人のパイロット、塚本裕司さんと金子幸市さんにお話を聞いた。○フライトの状況を使った訓練――「説明」ではどんな授業をしていますか?塚本さん:例えば、「フランス国旗について、まったく知らない相手に電話で伝えるとしたら、あなたは何と説明しますか」という例題があります。普通なら「フランス国旗といえば、青と白と赤で……」と言いたくなります。でも、説明のポイントは「概要から詳細に入る」こと。ですからこの場合、「横長の長方形で、それが縦に三等分されていて…」と、全体の形状から始めて、それから色の説明に入っていくのが正解です。――一般の会社でも、このトレーニングはできそうですね塚本さん:そうですね。僕たちはこれをアレンジして、実際のフライトを想定したトレーニングを作っています。例えば、キャビンクルーからの要請を、パイロットが地上スタッフに説明するシーンの例題です。キャビンクルーからパイロットへの要請「機内に具合の悪いお客さまが発生しました。気分が悪そうで、着陸後も歩けそうもないので、空港に車椅子を用意しておいてください」パイロットから地上への説明「車椅子を準備してください。機内に気分の悪い人が発生し、着陸後も歩けないようです。氏名などの情報は、まだ入っていません」このように、概要(車椅子の準備)から理由に入ると、誤解がなく、短い時間で伝えることができます。金子さん:飛行機はものすごいスピードで飛んでいますから、パイロットは限られた時間の中で、言いたいことを取捨選択しなくてはなりません。説明のトレーニングをすることで「短い時間で効率よく話そう」という意識が身につきます。この意識は、ほかの部署や会社でも有効だと思います。とくに会議では、「何分以内で発表して」ということがありますよね。そんなときも、このトレーニングをすれば、「その時間なら、これだけは伝えよう」と状況に合わせた対応ができるようになります。○目指すは"言語侍"――説明のトレーニングをして変わった点は?金子さん:雑誌や新聞の記事や、テレビのニュース番組で、ものごとをどんなふうに説明しているのか、ものすごく気にするようになりましたね。社内文書などの書き方も、「この書き方がベストか、正確か」と、じっくりチェックしてしまいます。塚本さん:一緒にフライトする副操縦士は、僕の「言語技術」教育プログラムを受けた人かもしれないですから、話し方には非常に注意深くなりました。実際、言語技術を学ぶ前と後では、自分の話し方は確実に変わったと思います。実は僕はかつて、コミュニケーションで失敗したことがあるんです。あるフライト中、気流の乱れで機体が揺れそうだと、事前に情報が届きました。それを機内電話でキャビンクルーに「前を飛んでいる飛行機からの情報で、この先、どのくらいの揺れが何分くらい続いて……」と伝えて、話があらかた終わったときに、「わかりました。それで、ベルトサイン(席について、シートベルトを着用してください、というサイン)はつきますか?」と質問されてしまったんですね。クルーにとって大事なのは、揺れのことよりもベルトサインがつくかどうか。それを最初に伝えれば、クルーは安心してほかの情報に耳を傾けてくれたな、と。――「詳細から概要へ」になっていたんですね塚本さん:この失敗にはすぐに気づきましたが、「言語技術」を学んだ後は、どんな順番で説明すればよかったのか、理論的に理解できました。金子さん:緊急事態になればなるほど、時間がないはずですから、普段から、短く、簡潔に話すトレーニングをしていれば、どんな事態に陥っても、安全を確保できるんです。僕たちは講師ですから、どんなに難易度の高い内容でも、3時間と言われれば3時間喋れるし、5分と言われたら5分でも説明できるようになっていたいと思っています。目標は、どんなことでもスパッと説明できる”言語侍(げんござむらい)”ですね(笑)。※次回は「それは"意見"か"事実"か?」。8月3日(月)更新です。
2015年07月31日『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』(金澤悦子著、実務教育出版)の著者は、女性のキャリアを支援する「はぴきゃりアカデミー」代表。これまでに、下は20代から上は60代まで、2,000人以上の働く女性のハッピーキャリア(心もサイフも満たされる生き方)づくりをサポートしてきたのだそうです。つまり本書には、そんな経験から得たノウハウが凝縮されているということ。きょうは第1章「“出会う”ための習慣から、いくつかを引き出してみましょう。苦手だという方もきっと多い「人脈づくり」に、きっと役立ちます。■趣味のつながりから見つけよう人脈づくりというと、ビジネス交流会などをイメージするかもしれません。しかし、仕事以外のグループ、たとえば趣味のつながりも見逃せないそうです。プライベートだからこそ、仕事では接点のない人とも出会える可能性があるということ。そんな場合は、なんのしがらみもなく、自分も相手も本音でつきあえるため、本当の信頼関係が築ける可能性が大いにあるわけです。■好きなことから人脈ができる家でも職場でもない、第三のコミュニティ選びのポイントを挙げるなら、それは「参加すればするほどエネルギーが湧いてくる」コミュニティであること。逆にいえば、参加して気分が重くなるとか、一緒にいてイライラするような人たちとは、いくらメリットがありそうだとしても近づかない方が賢明。だからそんなときは、フェードアウトしてOK。好きなことを楽しむだけで、ストレス解消になって人生も豊かになる。そして人脈もできる。まさに一石三鳥の人脈術だというわけです。■第二印象で勝負することが大事!「交流会に参加しましょう」というようなフレーズをよく見かけますが、現実的には「交流会は得意」という人の方が少ないのではないでしょうか?でも、別に行かなければならないものではありません。もしも交流会が苦手なら、思い切って「行かない」という選択をすることも充分にありだといいます。そもそも交流会で新しいクライアント候補に出会ったとしても、即仕事に結びつくということはまれ。結局は、一から信頼関係を築くことになるはずです。だとしたら、もともと自分の仕事ぶりを知っている人たちに営業する方が早いという考え方もあります。いくら第一印象ばかりを磨いてみても、そこから長いおつきあいをすれば化けの皮は剥がれてしまうもの。むしろ最初から好印象を強調しすぎると、相手の期待値もさらに高まり、些細なことで失望される可能性もないとはいえません。最初は印象が悪くても、つきあっていく過程でじわじわ好印象に持っていくことは可能。期待値をめいっぱい上げておいてあとからガッカリされるよりは、「最初はダメでも挽回できる」というスタンスでいた方が、人づきあいのストレスは軽くなるはず。時間をかけて、「第二印象」を育てていけばいいということです。*本書を読むと、たとえ人見知りだったとしても、なんの問題もないことがわかるでしょう。そういう意味でも、人づきあいで悩んでいる人には格好の一冊だといえます。(文/印南敦史)【参考】※金澤悦子(2015)『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』実務教育出版
2015年07月30日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日学資保険は、お子さまの教育費に備えるのに有効な貯蓄性の高い保険です。なかには、お子さまの医療保障を重視したタイプの学資保険もありますが、ここでは教育資金を備える目的の学資保険に絞ってお話をしたいと思います。さて、学資保険に加入するにはいつがいいのでしょうか?それは、お子さまが生まれたら早いほどよい、というのが一つの答えです。現在販売されている学資保険には、お母さまが妊娠中に入れるものも珍しくありません(出産予定日の140日前から加入できる場合が多いです)。親の年齢による保険料の差はあまりない一般的に保険は、契約者の年齢が上がるほど保険料も上がっていきます。それは学資保険も同じです。けれども、学資保険の場合、例えば契約者(親)が25歳と30歳、30歳と35歳の場合で比べると、その差はたいしたことはありません。満期保険金の額にもよりますが、満期金額が200万円から300万円ぐらいの一般的な学資保険ですと、その差は数十円からせいぜい100円程度です。これが終身払いの生命保険や医療保険ですと、とてもそんな金額差では収まりません。学資保険では、契約者の年齢による保険料の差がとても緩やかなのです。契約者の年齢が上がっても保険料はあまり上がらないのに、なぜ加入は早いほどよいのでしょうか?それは学資保険では、被保険者であるお子さまの年齢が上がるほど、保険料は上がり、返戻率は下がるからです。学資保険は、生命保険や医療保険と違って、必要になる時期がはっきりしています。すなわち、お子さまが高校、大学等に進学するときです。つまり、ゴールが決まっていて、それまでに一定のお金を積み立てることになります。そのため、遅くはじめるとその分、毎月払い込む保険料が増え、また、保険会社が保険料を運用する期間も短くなりますので返戻率も下がるのです。返戻率が下がるということは、同じ満期金を受け取るために必要な保険料総額が上がるということです。具体的には、300万円の満期保険金を受け取るのに、お子さまが0歳のときに加入した場合285万円かかり、5歳のときに加入した場合293万円かかるというイメージです。これでは、5歳や6歳になってから学資保険に入るのは無駄なような気がしてきます。確かに、300万円受け取るのに、293万円かけるより、285万円で済ませたいものです。これが冒頭で、学資保険の加入は早ければ早いほどよい、と述べた理由です。とはいえ、学資保険には、契約者(親)に万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除される特約があるのが一般的です。この特約により、学資保険に加入後は、親に万一のことがあれば、保険料の払い込みはなくなり、満期金額の教育資金は確保されます。これは保険ならではの特長で、貯蓄などにはない魅力ではないでしょうか。そのため、お子さまが5歳、6歳になってからでも、学資保険に加入する価値は十分にあると思われます。学資保険が選ばれる隠れた理由とは時々、学資保険に入らなくても、教育資金の準備をするなら、ほかにいくらでも資産を運用する方法はあるという意見が聞かれます。しかし本当にそうでしょうか?先ほども述べたように、教育資金は必要な時期が決まっています。運用している資産がその時期にプラスの運用になっていれば問題はないですが、もしマイナスになっていたとしても、プラスに回復するまで学費の支払いを先送りすることはできません。また、資産を運用しようと思えば、それなりに時間や手間をかける必要があります。資産の値動きを絶えず見張っていなければなりません。ずっとプラスの運用が続けばそれも楽しいことと思えるかもしれませんが、値動きのあるものは下がることもあります。お子さまが小さく、子育てに一日の大半の時間が費やされるような状況で、投資した資産がマイナスになっていることに気づいて落胆したり、損を取り戻すために別の投資先を考えたりすることは、非常に負担のかかることではないでしょうか?そのような時間や手間をかけるよりも、将来の教育資金をおおむね確定させ、子育てに全力で取り組みたい、というご両親の気持ちが、教育資金準備のために学資保険が選ばれる隠れた理由の一つなのでは、と思われます。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年07月24日米Microsoftは22日(現地時間)、Microsoft Garageで開発されたメッセージングアプリ「Send」を北米で公開した。ビジネスおよび教育機関向けの「Office 365」ユーザーに提供される。現在はiPhone版アプリのみだが、Windows Phone版とAndroid版アプリの提供を予定している。Sendは、Office 365のビジネスや教育機関向けアカウントに接続し、Eメールアドレスを使って、IM(インスタントメッセンジャー)やSMS(ショートメッセージングサービス)のようにメッセージを交換できるコミュニケーションツール。一般的にIMやSMSは、チャット形式ですばやいメッセージの交換が行えるが、あらかじめ相手と同じIMアプリをインストールしたり、相手の携帯電話番号を聞く必要があった。しかし、SendはEメールアドレスを利用して、本文のみを書き込んで送信できる。Sendアプリのメッセージ画面はIMクライアントに似ているが、Office 365を使用しているため、すべての会話はOutlookに統合される。そのため、メッセージの続きはメールで行う事が可能だ。また、相手がSendをインストールしていなくても、相手はメールでメッセージを受け取れる。今後は、対応するメールサービスの拡大も計画している。Microsoft Garageは、Microsoftの従業員がアイディアを幅広く試せる技術インキュベータープロジェクト。一部の成果は、Microsoft GarageのWebサイトで公開している。
2015年07月23日KADOKAWA・DWANGOは9日、教育事業発表会を行い、2016年春に「ネットの新しい高校」を設立することを明かした。代表取締役社長の川上量生氏と取締役相談役の角川歴彦氏が登壇し、デジタルネイティブ世代が夢見る理想の高校を目指すと発表した。同社は、両社が培ってきた強みや人材、目的を一つにして、より魅力的なコンテンツの創出や、革新的なサービスの提供を行っていくことを目指す中、その一つとして新たに取り組むのが「教育事業」だという。○「ネットの高校」、きっかけはゲームクリエイターの声発表会の冒頭で川上氏と角川氏は、今回「ネットの高校」を設立することになった経緯を明かした。川上氏「ドワンゴの関連会社のMAGES.に志倉千代丸という者がいて、彼が『角川ドワンゴだから、今の高校生が望むような高校を創れる』と話していた。今不登校が問題ですが、学校に行っていない人って、おそらく『ニコ動』(ニコニコ動画)を見ていたり、角川のライトノベルを読んでいるのではないか。そう考えると、僕達だからこそ解決できることがあるんじゃないかと思って創った次第です」角川氏「ゲーマーの間で著名なクリエイターとして有名な彼が高校を創りたいという話を聞いて、初めは戸惑ったんですが(笑)。趣意書を拝見すると、よくできていて。考えてみると、高校生には、ゲームが好きな人が沢山いて、MAGES.のようなゲーム会社は、優れたクリエイターが欲しい。これからは、スマホを持ってSNSやゲームを楽しむ若い世代から、新たなクリエティブが生まれると思っているので。とはいえ、そういう提案が出たのは、カルチャーショックでしたよ」○なぜ今「ネットの高校」なのか次に、通信教育も増える現代で、「ネットの高校」を設立した社会的背景を語った。角川氏「高校の不登校生は17万人ほどいると言われていて、人口は減少しているが、小・中学校で不登校生数は高止まりしている。そして実は小・中学生の時に不登校生になった人も多いと考えられます。そういう意味で、不登校生って本当に大きな社会問題なんだなあと。それを僕らが参加して解決することが大きなテーマなのだと思います。また、戦後にできた学校教育制度が制度疲労を起こし崩壊しかかっている。例えば、高度経済成長時代、大学は社会が求める経済人として迎えるためのものだった。ところが、経済が多様化すると、大学生は画一化し多様性がなく、高校生さえも"いい大学に行って、いい会社へ行くための予備校"になってしまっている。でも、本当の親の気持ちというのは、自分の子供が夢を見つけて叶えてほしいということだと思うんです」川上氏「今の不登校生の人達は、悪い言い方をすればネットに逃げている。一方で、ネットに救われている部分もある。だからこそ逆に、これからのデジタル時代に、普通の人よりも適性があるのかもしれない。潜在的に日本の隠れた財産として眠っていると思うんです。ドワンゴも、最初はネットをやりすぎて社会からドロップアウトした人達を中心に創った会社だった(笑)。彼らは、社会生活を送る能力はないけど、ネットのものをつくるスキルはあった。そういう人達も、眠っていると思います。特に若い人達であれば、まだまだやり直せるチャンスがある」角川氏「角川とドワンゴはよく似たところがあって、サブカルチャー、ポップカルチャーが好きな人が、両社を好きだったりする。そういう人達が自然に小説家になりたい、アニメ作りたい、ゲーム作りたいと思った時に、受け入れる社会になっていない。国のコンテンツを支えるサブカルチャーには、本当はビジネスチャンスが沢山ある。僕らサブカルチャーが社会問題を解決する。サブカルチャーが経済を豊かにし、仕事の場を与えることができると思う」○ITを活用した授業の優位性とは同社の授業では、インターネットを活用して、豪華な講師陣の授業、職業体験のマッチング、先生や同級生と繋がりながら学習する双方向サービスの3つを提供する予定だという。これまでも通信制の高校や、予備校の映像授業などは存在したが、インターネットを使うメリットとしては2点あり、「数万人相手の授業ができ、ひとつひとつの授業にお金をかけて中身を作り込めることと、単純に映像を流すだけでなくコミュニケーションが取れること。学校というのは、友達と一緒に頑張れるのが大きな意味があると思うので、そこを解決できるのが大きい」と川上氏。また、同校では授業のほかに、学生同士の「コミュニティ」の場も提供するという。これについて、川上氏は「学園生活も、僕らはネット及びリアルを使ってできる仕組みを考えている。高校の文化祭のように、『ニコニコ超会議』で屋台をやってお好み焼きを焼くとか。そんなことをやっても面白いかもしれない」とコメントした。○社会性を培う"キャリア教育"もこのほか、同校では、「キャリア教育」にも力を入れていく。グループ会社のバンタンと連携し、アニメ・イラスト、ゲーム、ファッションなどの各業界のプロによる課外授業も想定しているという。また、ネットを使って、社会の学生を早期にマッチングを図り、全国の地方自治体と連携した職業体験も計画している。同社の今後の教育事業スケジュールとしては、2015年3月に沖縄県に学校設置等に係る計画書を提出し、現在審査中だという。沖縄県にした理由として、川上氏は通信制高校に必要な”スクーリング(面接授業)”に触れ、「いろいろ理由はあり、地域にとっても良いと思ったということもありますが、どうせスクーリングに行かなきゃいけないなら沖縄の方がいいんじゃないかなというのが(笑)」と発言。2016年初春に「双方向学習WEBサービス」をリリース、春に「ネットの高校」開校を目標としている。
2015年07月10日KADOKAWA・DWANGOは7月9日、同社が手がける新たな教育事業として、単位制による通信制(広域)の高等学校設立に向け準備を開始していることを発表した。同社は、これまで提供していた"エンターテインメント性""IT"を活用し、デジタルネイティブ時代の子供たちに向けて「ネットの新しい高校」設立を目指すという。具体的には、同社の強みであるITを活用し、時間や場所を問わない動画学習、双方向性をそなえた学習プラットフォームを提供するほか、各業界のプロによる課外授業や地方自治体と連携した職業体験を実施することで、早期に社会で役立つスキルを身につけてもらいたいとしている。また、早期に社会性を身に着ける活動として、全国の地方自治体と連携してさまざまな職種での職業体験を実施する。職業体験を通じて社会でのリアルなつながりを構築するほか、若手の人材不足とされている地方とのマッチングを図りたいという。社会で即戦力となる授業として、IT教育(プログラミング、リテラシー)に加え、著名なライトノベル作家、ゲームクリエイター、デザイナー、経営者をはじめとした、各業界で活躍するプロによる課外授業を、グループ企業で教育事業を手がけるバンタンと共同で展開する。
2015年07月10日KADOKAWA・DWANGOは9日、新たな教育事業として、デジタルネイティブ時代の子供たちに向けた「ネットの新しい高校」の設立を目指すと発表した。○不登校の生徒高止まりの現状打破へ、IT活用し「ネットの新しい高校」設立現在、日本の教育現場は、人口が減少するなか、不登校の生徒数は高止まりし続けているという状況があるという。また、インターネットの普及により仕事の効率化が進み、求められる仕事や人材にも変化が訪れている。一方で、教育システムや教育方針自体は高度成長期から変わっていない。そこで同社では、今後未来を担う学生が、より自由に自身のやりたいことを見つけ、得意分野を伸ばせる環境づくりに取り組んでいくとして、「ネットの新しい高校」を設立することにした。具体的な施策としては、同社の強みのITを活用し、時間や場所を問わない動画学習や、双方向性を備えた学習プラットフォームを提供する。また、早期に社会性を身に着ける活動として、全国の地方自治体と連携し、様々な職種の職業体験を実施する。これにより、社会でのリアルなつながりを構築できるほか、若手の人材が不足している地方とのマッチングを図る。さらに、教育事業を手掛けるグループ企業のバンタンと共同し、キャリア教育も実施する。課外授業として、IT教育(プログラミング、リテラシー)の他、有名ライトノベル作家や、ゲームクリエイター、デザイナー、経営者をはじめとした、各業界で活躍するプロによる授業を展開するとのことだ。すでに2015年3月に、沖縄県に学校設置等に係る計画書を提出し、現在審査中。2016年初春には、双方向IT学習サービスをリリース、同年春に「ネットの高校」の開校を目指すとしている。
2015年07月09日英BBCは7月7日(現地時間)、2015 Make it Digitalイニシアチブの一環としてコーディング教育向けボードコンピュータ「BBC micro:bit」を提供するプロジェクトの詳細を明らかにした。英国ではプログラマー不足が深刻化しており、若い世代にデジタルスキルを身につけさせ、テクノロジ分野における次世代のパイオニアを育成するためにBBCはmicro:bitの提供に乗り出した。まずは最大100万台を英国内のYear 7(中学1年)の11歳~12歳に無償配布し、2015年後半には販売も開始する。micro:bitの開発・提供は以下の11組織を含む29のパートナーシップによって実現した。ARM: mbedハードウエア、SDK、コンパイラサービスBarclays: 製品流通elements14: 部品調達、製造管理Freescale: センサ、USBコントローラLancaster University: ランタイムMicrosoft: TouchDevelopツール、サービスホスティングNordic Semiconductor: プロセッサSamsung: AndroidアプリScienceScope: iOSアプリTechnology Will Save Us: デザインThe Wellcome Trust: 教育関係者向けサポートmicro:bitは5×4センチ (重さ:8グラム) のコンパクトなボードに、ARM Cortex M0 CPU (32-bit)、3軸の加速度センサ、デジタルコンパス、Bluetooth Smart、Micro-USBコントローラ、Five Ring I/O、5×5に配列された赤色LED、プログラマブル・ボタン×2などを備える。JavaScript、Python、C++、MicrosoftのTouchDevelop言語、ビジュアル言語BlocksなどをサポートするWebベースのエディタを使ってプログラミングし、クラウドでコンパイルしたプログラムをmicro:bitにダウンロードする。Webベースの開発環境はスマートフォンやタブレットでも使用でき、Bluetooth Smart Technologyに対応しているモバイルデバイスからはBluetooth経由で直接micro:bitにフラッシュできる。プログラムされたmicro:bitは単4型電池×2を電源に単独で動作するほか、USBやBluetoothでノートPCやRaspberry Pi、スマートフォン、タブレットなどに接続して外部デバイスとして機能させられる(Tetheredモード)。たとえばセンサーデバイスとして使用したり、音楽やビデオの操作デバイス(再生/一時停止/停止など)として使用できる。Tetheredモードではインターネットに接続できるため、IoT(Internet of Things)オブジェクトのように使うことも可能だ。
2015年07月08日東京都・小平市の武蔵野美術大学美術館は、同大学教授・小野皓一の作家活動の軌跡と同大学での教育・研究成果を展覧する「小野皓一展武蔵野美術大学教授退任記念」を開催する。会期は9月1日~9月26日(日曜・祝日休館、ただし9月21日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、小野氏の在独時から近年の作品まで約60点を一堂に集め、美術作品における物質性を一貫して追求してきた作家活動の軌跡と、同学での教育・研究の成果を展覧するもの。小野氏は、1970年本学油絵学科を卒業後まもなく渡独、国立ベルリン美術大学を修了後ベルリンを中心に制作を続け、2009年に同大学教授に着任し、2017年3月をもって退任する。小野氏は、今日の「絵画」が成立する要因と意味について研究を深め、物質が美術作品となることの境界を明らかにしようと試みてきており、この試みは、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》などのシリーズとして発表され、現在までもその探求は続けられているということだ。なお、同展では、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》、《Plate Tectonics》の中から、ベルリンで制作された70年代の作品から近年の作品までを揃え、その軌跡を通覧することができる。また、《Destroying Squares on Canvases》シリーズのうち、80年代から90年代にかけて制作された5色の大型作品、Earth・Water・Fire・Wind・Emptinessの全作が揃う、初めての機会となるということだ。また、関連イベントとして、和田浩一(宮城県美術館学芸部長)・小野皓一(武蔵野美術大学 通信教育課程教授)による対談が開催される。開催日時は9月3日16:30~18:00。入場無料。
2015年07月06日国立大学の授業料が私立大学並みに引き上げるという財務省案が発表され、物議をかもしています。現在、私立大の授業料は平均で約85万円。国公立大学の標準額は53万5800円。子どもが生まれたときから、教育費の積み立てを始めても、これからの教育資金は不足してしまうのでしょうか。○高校までは家計から。大学の学費をターゲットに貯蓄する国公立の大学に進学するのか、私立の大学に進学するのか、文系か、理系かで、大学にかかるお金は大きく変わってきます。現状の費用をまとめると以下のようになります。初年度は入学金と授業料の合計。2~4年目は授業料のほか、施設設備費などの費用も含みます。国立初年度納入金 : 82万円2~4年目 : 各54万円合計244万円私立文系初年度納入金 : 122万円2~4年目 : 各98万円合計416万円私立理系初年度納入金 : 163万円2~4年目 : 各137万円合計574万円一般的に、子ども一人の教育にかかるお金は1000万円とも2000万円とも言われますが、まとまった資金が必要になるのは、大学の4年間。国立でも4年間の合計で244万円の資金が必要なのです。小学校、中学校から私立を選択する家庭もあるでしょうし、高校から私立というケースもあります。しかし、学校によってかかる費用に開きはあるものの、私立高校でも国や地方自治体の支援制度を利用すれば、公立と私立の差はほとんどなくなります。高校までは家計から教育費をまかなう、という家庭が少なくないのは、そうした支援制度によるものです。学資保険(こども保険)に加入して、教育費を積み立てていく場合、大学入学時点の17歳、18歳で学資一時金を受け取り、20歳、22歳で満期金を受け取るというプランで加入するか、高校入学時や大学進学後も毎年学資金を受け取るというプランなど家庭の事情によって加入すべきプランが異なります。高校までは家計から捻出するのであれば、学資一時金の受け取りを据え置くという考え方もできるでしょう。いずれにしても、大学入学時にかかるお金は、子どもが生まれたらすぐ、準備を始めなければ、まかなうことができないことに、変わりはないでしょう。○子どもが生まれたときは、親も収入が少ないたとえば、現在30歳の夫婦に子どもが生まれたケースで考えてみましょう。契約者:父親(30歳)、被保険者:男子(0歳)、学資金総額:300万円、保険料払込期間:18年毎月の払い込み保険料:1万3190円保険料払い込み総額:284万9040円高校入学時受け取り額資金:50万円大学入学時受け取り学資金:100万円大学2~4年受け取り学資金:各50万円合計受け取り学資金:300万円国立大学への進学なら、こうした学資保険を利用すれば、なんとかなりそうです。しかし、私立文系、理系となると資金不足になります。同じ条件で学資金総額を600万円にすると、毎月の保険料は2万6380円となります。子どもが生まれたばかりの若い世帯にとっては、少し重い負担かもしれません。また、子どもの教育資金だけを全力で貯蓄をするわけにはいきません。マイホーム購入の予定があれば、頭金づくりも必要。いざというときの予備費も用意しておくことも大事です。子どもが小さいうちは、世帯収入も大きく伸びないかもしれません。子育てが一段落して、妻がフルタイム勤務に復帰するなど、収入がアップするまでは、最低限の教育費を積み立てするということでいいかもしれません。ただ、冒頭で書いたとおり、今後、国立の授業料値上げや、私立でも物価上昇に伴って入学金、授業料値上げの可能性もあるでしょう。現在加入している学資保険だけでは不安という場合は、どのように対応していけばいいのでしょう。○学資保険は7歳まで。その後に追加したい場合は?収入が上がり、家計に余裕がでてきて、学資保険を追加して準備しようと思っても、子どもの年齢によっては加入できないことがあります。たいていは満7歳まで加入可能とする保険会社が多いのです。これ以降に保険商品で加入しようとすると、非常に選択肢が狭まってしまいます。そこで、発想を変えて、貯蓄商品の王道で考えてみましょう。おススメなのは、個人向け国債の変動10。直近の募集では金利が0.3%(税引き前)とあまり高くないように思えますが、銀行の定期預金が5年でも金利0.05%であることを考えれば、十分な金利と言えます。毎月発行で、1万円から購入できるので、たとえば毎月3万円、ボーナス時には10万円購入するといった使い方ができます。基本的に満期は10年ですが、購入から1年経過すれば、ペナルティはありますが、元本割れなく解約も可能です。子どもが大学に進学したら、個人向け国債を毎月解約していきます。もちろんまとめて解約する、満期まで待つことも可能です。毎月解約・満期で戻ってきたお金は、子どもへの仕送りの一部にすることができます。自宅から通えれば、それほど毎月の支出が増えることはありませんが、自宅外となれば、学費の支払いに加えて、毎月の仕送りは相当な負担になります。これを、毎月の家計から捻出するのは、親世帯の家計を厳しいものにしてしまいます。基本の学費は学資保険(こども保険)で確保し、追加で用意するお金や、まとまったお金ができたときに教育資金に回すなら、個人向け国債の利用は一考の価値があるでしょう。家計に余裕がでてきて、あと100万円、あと200万円を、子どもの教育費のために用意したいという人には、ムリのない範囲で積み立てをするイメージで始めてみてはいかがでしょう。(※文中の保険料などは、アフラックの「夢見る子どもの学資保険」をもとに記述しています。保険会社によって保険料や加入の条件は変わります。2015年6月19日現在)(※国立大学のデータは文部科学省令による標準額。私立大学のデータは文部科学省調査による平均額)(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年07月02日連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。○高校までは、教育費を負担しても貯蓄ができる家計を作る!子供が生まれると気になりはじめることのひとつが「将来の教育資金を、いつまでにいくら準備すればよいか?」ということ。下の表は、幼稚園から高校まで年齢別、学年別に1年間で学習費がいくらかかるかを示したものです(平成24年度)。学校に支払うものだけでなく、給食費や塾、教材費、お稽古事などの費用も含んだ金額です。【年齢・学年別の学習費総額(円)】これをみると、公立学校の場合、子供1人あたりの教育費支出は月額2~4万円程度。私立学校の場合は、小学校から高校までは子供1人あたり10~15万円程度かかることがわかります。毎年かかるこれらの費用を、何年もかけて準備することはできません。したがって、高校卒業までの教育費は、毎年・毎月の収入の中から捻出できるようにする必要があります。ただ、大学にかかる費用は、短期間のあいだに多額のお金がかかるため、長期間に渡って準備する必要があります。つまり、子供が高校を卒業までは、収入から教育費を支払ってもなお、大学進学準備のための貯蓄ができる家計運営が必要だということになります。○大学にかかるお金の準備額の目安は、200~300万円【大学の初年度納付金の目安(国立大・私立大昼間部の平均額(円)】大学入学の年に大学に納付する金額は、100~120万円程度です。ただ、受験の年はこの他にも受験料、受験のための交通費や宿泊費、入学しなかった学校に支払う納付金などもあります。これらを40~50万円程度見込むと、受験から大学入学初年度にかかるお金は、150~200万円になります。自宅通学ができない場合には、新生活の準備費用と1年目の仕送り(月額10万円目安)も余分にかかります。なお、2年目以降の学校納付額の目安は以下の通りです。【在学中にかかる授業料・施設設備費納付額の目安(円)】大学入学のための資金は、子供が17歳、あるいは18歳までに準備ができている必要があります。子供が生まれてすぐにスタートして月1万ずつ積み立てると17年間で204万円、18年間では216万円になります。1.5万円ずつだと17年間で306万円、18年間だと324万円です。もちろん、多ければ多いほどよいのですが、家計の状況にも配慮する必要があります。準備額は、大学入学初年度にかかる200~300万円程度を目安に考えればいいでしょう。(※写真画像は本文とは関係ありません)○執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日)→
2015年07月01日日本マイクロソフトは6月26日、北海道大学(北大)が学生約2万名と全教職員が利用する情報基盤として、教育機関向けの統合型情報共有クラウドサービス Microsoft Office 365 Educationを導入したと発表した。また、北大は同時に教育機関向け包括契約(EES)の特典である「Student Advantage」を利用し、全学生が常に最新のMicrosoft Officeを無償で利用可能となる準備を整えた。2026年に設立150年を迎える北大では、学内のICT環境整備を進めており、今回、Office 365 EducationとStudent Advantageを利用することで、教員と学生のOfficeのバージョンを常に最新に保ち、BYODでの学習環境の向上と、トータルコストの削減の両立に成功。これまで個々の教員が購入・管理していたソフトウェアの利用状況の適切な把握や、教職員の退職、異動に伴うライセンス管理の手間の簡略化により、コンプライアンスの向上にもつながる。北大ではすでに、2015年4月より一部の教職員がOffice 365 Educationの利用を開始しており、今後、次期Microsoft Office製品の提供開始時期をめどに、速やかに全学生、全教職員への展開を進める。今後は、学生のBYOD推進に有効と思われるモバイルデバイス管理サービスや、クラウドの活用も検討している。
2015年06月29日プログラミング教育の必要性について議論が盛り上がっている昨今、Life is Tech! やCA Tech Kidsなどプログラミング教室を事業として行う企業も増えてきた。その一方で、総務省の調査結果をみると、プログラミング教室の開催地は都市部に集中しており、地方での開催例は未だ少ない現状もうかがえる。こうした状況のなか、地方からプログラミング教育を盛り上げるべく、Rubyの開発者 まつもとゆきひろ氏が在住する島根県松江市を中心に活動を行っているのが、「Rubyプログラミング少年団」だ。Rubyプログラミング少年団は、毎月第3日曜日の「しまね家庭の日」にあわせて小学3年生以上の児童を対象に1日プログラミング体験教室を開催している。「親と子どもの会話を大切に」という「しまね家庭の日」のコンセプトに沿って、子どもと保護者にそれぞれ1台ずつ用意されたコンピュータを使用し、親子でコミュニケーションをとりながら進めていく形式になっている。プログラミングの作業に用いるのは、小型シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 2」とビジュアルプログラミングツール「Smalruby」。Smalrubyは、ブロックを組み合わせていくことで簡単にゲームやアニメーションを作成できるもので、ボタンひとつでプログラムをRubyコードに変換して確認することが可能だ。1日体験教室には小学3年生の児童も参加していたが、スタッフのサポートを受けながら、オリジナルのゲームを作成することができていた。Rubyプログラミング少年団の代表を務める高尾宏治氏は、自分の子どもにプログラミングを教えたいという思いをきっかけに、2014年2月からSmalrubyの開発を行ってきた。それまでのプログラミング教室では、中学生に向けてRubyのソースコードを“写経”するような講義を行っていたが、Smalrubyによって、対象が小学生まで広がり、また子どもたちが自分で考えたオリジナルのプログラムを作れるようになったため、よりプログラミングの楽しさを伝えることができるようになったという。「都会では、保護者が積極的にプログラミング教室への参加を促しているが、地方では子どもがコンピュータやインターネットを利用することに対して抵抗がある保護者が多く、プログラミング自体にもあまり興味を持っていないように感じている」という高尾氏。親子でのプログラミング体験教室への参加を勧めているのは、保護者に実際にプログラミングを経験してもらうことで、子どもとインターネット社会との関わり方について理解してほしいという狙いがあるためだ。また、1日体験教室でプログラミングに興味をもち、もっと勉強してみたいと思った児童のために、ステップアップのための「プログラミング道場」という月に1回行われる無料のプログラミング教室も用意されている。最近、徐々にプログラミング道場への参加希望者が増えてきており、現在は10名の小学生がスタッフに手伝ってもらいながらそれぞれ自分の考えたゲームを開発している。高尾氏は、「将来的には“スポーツ少年団”のプログラミング版にしていきたい」としている。スポーツ少年団とは、運営元の日本体育協会によると「子どもたちがスポーツを楽しみ、野外・文化・社会活動などを通じて協調性や創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学ぶ」もの。全国大会やプロを目指すというよりは、スポーツをとおして子どもたちの健全な心を育てて行くことを目的としている。プログラミング教育には、次世代のIT人材育成を期待されている面もあるが、Rubyプログラミング少年団としては、まずプログラミングの楽しさを知ってもらい、コンピュータやネットリテラシーを身につけた子どもたちを増やしていくことを主眼に置いている。今後は鳥取にも拠点を広げて行く予定で、「いずれは日本全国の各地域に展開していきたい。地方でプログラミングを教えてみたいと思っている方は、ぜひ問い合わせていただければ」(高尾氏)。今年の秋にも、NPOとしてプログラミング少年団を法人化し、その土台を固めていく考えだ。
2015年06月29日ソフトバンクとベネッセホールディングスの合弁会社Classi(クラッシー)は6月24日、教育系大手出版社5社と連携して教材を配信するオプションサービス「プレミアムパック(仮)」の提供を夏より開始すると発表した。Classiは、タブレットやスマートフォン、パソコンで利用できる学習支援クラウドサービスで、授業や面談、家庭学習で利用できる各種アプリケーションを提供している。なかでも、問題選定から生徒への配信・集計までを簡単に行える「Webテスト」は、先生の教材作成や採点などの負荷を軽減し、学習効果も高いことから、小テストや宿題などで利用頻度が高い。これまで「Webテスト」上で活用できる教材はベネッセグループから提供していたが、教育系大手出版社と連携することで、今まで以上に生徒一人ひとりの理解度や目標に応じた教材提供が可能となった。「プレミアムパック(仮)」では、学研教育出版、桐原書店、数研出版、尚文出版、山川出版社から提供される各教科のベストセラー問題集を中心とした問題が、「Webテスト」上で使い放題になり、先生が小テストや宿題で活用するだけでなく、生徒自身が問題を検索して自学自習もできる。また、Classiでは生徒一人ひとりにより最適化した学習支援をしていくために、生徒個別に最適な学習問題を提供する機能の追加を検討している。
2015年06月25日さらなるグローバル化の伸長が予想される2018年、国内の18歳人口が再び減少し始める。教育機関関係者のあいだでは、これを"2018年問題"と呼ぶ(2018年問題をご存知ない方は、前回から読んでいただくことを推奨する)。グローバル化の波を受けた育成人材の変化、アジアを中心とした海外大学の台頭、18歳市場の縮小という時代を背景に、大半の有識者が予測することは、数多くの大学の倒産である。国内の多くの私立大学は総収入の7割~8割を学納金収入に頼っており、学生数の減少が経営に与えるインパクトは大きい。また、学納金収入以外の収入も大半が国や自治体からの補助金であり、学納金収入の減少を補うビジネスモデルも存在していない。加えて、コスト側面でも固定的支出、B/S(貸借対照表)側面でも固定資産が大半を占めており、総じて状況変化に極めて弱い財務体質を有している。この状況を踏まえると、将来起こり得るマイナスの状況変化に対して、多くの大学が経営危機に見舞われると考えることが自然である。一方、アクセンチュアは、国内大学がこの難局を転機として捉え、この先数年間で急速に経営モデル・事業方針を大きく変えるのではないか、そして国内大学の持つ力をもってすれば、2018年問題の影響を感じさせないほど、大きく成長を遂げることが可能なのではないかと考えている。その理由をより容易に理解いただくことを目的に、1980年代に米国の大学を襲った危機と米国の大学の対応についてまずは触れておこう。米国では、1980年代中盤から1990年代に掛けて、今の日本と同様に18歳人口の激減に見舞われた。この時、米国内で予想されていた大学の倒産数は200超。しかしながら、(当然M&Aなどの倒産回避策もあったものの)実際の倒産数は60前後という結果であり、いい意味で予想を裏切った。それ以上に感心すべきは、その後の "世界をリードする米国大学"というイメージを確立する礎を築いたことだ。18歳人口の減少に見舞われた米国の大学では、学生獲得難の克服に向けて、経営モデルそのものを大きく変化させ、各大学で補助金や教育収入に頼らない企業的なモデルを確立した。変革内容はデリバティブなどを利用した投資収益の増加施策や保有する有形固定資産や人的資産を活用した営利事業の展開、国外からの留学生や企業とコラボレートした社会人の受け入れを活性化など多岐にわたった。つまり、それまで培った教育事業を柱に置きつつも、収入源の多角化を積極的に推進したのである。また、支出面でもアウトソーシングなどの外部リソースの活用を積極的に推し進め、コスト圧縮とコスト体質の転換(変動費化)を両立させた。結果、米国の大手大学では総収入に占める学納金(授業料)収入の割合を30%前後まで圧縮させる事に成功し、コスト面も変動コスト割合が高まり、学生数の減少に伴う経営に対するインパクトを極小化させた。加えて、他事業から得た収益を教育に投資する好循環モデルを確立し、現在の"世界をリードする米国大学"の基盤となるROI(投資対効果)を高めたビジネスモデルに転換したのである。では、国内大学も米国の大学同様に事業の多角化を基軸としたビジネスモデルに転換が出来るのだろうか。その可能性については否定こそしないものの、実現までには相当の時間を要すると考えられ、実質的にはよりマーケットの変化に順応することに主眼が置かれたパラダイムシフトになると考えられる。主に以下の4つ側面から、国内大学は大きく転換していくと予測している。○1. 教育プログラムの転換学生獲得競争の激化を背に、各大学は差別化を目的として自学に見合う領域に経営資源を集中的に投下し、"戦える武器"を創りあげる。その結果、現在は主流となる経済学部や法学部、工学部などの汎用性の高い学部は一部の上位大学に残る程度で、多くの学部は就職先の業種や業態、企業、進学先などに直結する極めて専門性の高い内容で構成され、授業内容もこれに沿って実践・実学教育に大きくシフトする。一方、従来は自学で提供していたリベラルアーツ的な教育は、上位大学から先端技術を駆使してクラウド的に提供される。また、卒業などの各種認定においても、汎用的なスキル証明というこれまでの位置づけが崩れ、より細分化された領域・レベルに対して単位や修了を認定するかたちに転換していく。○2. 対象マーケットの転換グローバル化・少子化の煽りを受け、国内の18歳人口を対象とした学生獲得競争が崩壊する。学生獲得競争は社会人や企業研修にまで広がりを見せるとともに、その範囲も東南アジアやBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)などの諸外国にまで拡大し、Inboundでのグローバル化が進展する。○3. 提供場所の転換昨今の急速なデジタル化を背景に、従来のキャンパスに軸を置いた教育スタイルから、大部分の教育の場をインターネットに転換していく大学も増加する。デジタルを活用した授業スタイルとはVirtual Class Roomを指しており、これまでの片方向でコンテンツを提供するeLearningとは一線を画し、教員や他の履修学生と双方向でコミュニケーションを行え、自身の環境があたかも教室にいるような錯覚に陥る環境になる。○4. 経営モデルの転換マーケットの流動性が高まることで、特に小規模の大学は保有していた固定資産の大部分を手放し、自治体や企業などと連携したレンタルキャンパスに移行する。また、人材においても必要最小限の精鋭部隊のみを有し、不足人材はアウトソーシングなどを活用することで経営状況に合わせて柔軟に最適量を調達する。この転換は学生にとって大きな意義をもたらす。学生ひとりひとりが世界中に溢れる多様なコンテンツを自由に組み合わせ、最適な教育を自分自身で確立することができるようになる。そしてそれらのコンテンツは教室だけでなく、バーチャルな世界からもアクセスが可能となり、コンテンツに対する満足度は瞬く間にインターネットを通じて拡散し、次の受講生の重要なインプットとなる。これが学生視点からみた将来の国内大学である。大学経営も企業同様、生き物であり、マーケットの状況が変われば、柔軟に対応をしていく必要がある。国内大学は、グローバル改革やガバナンス改革といった目先の改革も必要ではあるが、中長期を見据えた大きな変化を追求する事も必要になってくるのではないだろうか。実際、近年の大学改革ではこの動きを予兆するかのように、出口戦略に焦点を当てた学部再編や経営改革が相次いで生じている。次号ではこれらの事例を紹介しつつ、2030年に向けた国内大学転換についてさらに深堀していく。(次回は7月下旬の掲載予定です)著者プロフィール根本武(ねもとたける)アクセンチュア株式会社 公共サービス・医療健康本部 マネジャー入社以来、数多くの大学改革案件を主導。経営戦略や教育改革、組織・業務・IT改革に至るまで幅広い分野に精通。保有資格は中小企業診断士、システムアナリスト、テクニカルエンジニア(ネットワーク)など
2015年06月25日現在、アップルのWebサイトでは「iPadですべてが変わる」と題された特設ページが開設されている。「クッキング」「学ぶ」「スモールビジネス」「旅に出る」「模様替え」という5つのシーンで、iPadをどのようなアプリを用いて活用するかを紹介し、その魅力を伝えるというものだ。すべてが変わる、ということで言うと、教育の現場でiPadが採択されるようになり、今まさに大きな変革の時期が訪れている。本稿では三重県松阪市立飯高東中学校が参加したアップルのジュニア向けプログラム「フィールドトリップ」の様子とともに、iPadが学校に齎した「変化」について見て行く。Apple Store, Ginzaで開催された「フィールドトリップ」には、三重県松阪市立飯高東中学校の3年生22名が参加。iPadを利用しプレゼンテーションを行った。同校は松阪市が推進するICT教育で、日頃よりをiPad使った授業に取り組んでいる。この日はまず、iMovieを使ってプレゼンテーションを行う3グループと、Keynoteでプレゼンテーションを行う2グループという5つのチームに別れ、ワークショップ形式でプレゼンテーション用資料を作成していった。同校の修学旅行のプラグラムの一部として取り入れられた「フィールドトリップ」、参加した22人は、新橋駅からApple Store, Ginzaまで徒歩で移動する道中、気になったもの、興味をそそられたものを写真、および動画でiPadに記録していた。今回はそれらの素材を組み合わせて作業にあたる。ここまでは、よくあるiPadを用いたコンテンツ制作のトレーニング風景のように見えるが、実はもう一歩踏み込んだところでテーマが設定されていた。それは、iPadを教員と生徒が学びの場においてインタラクティブなツールとして使うだけでなく、表現力やコミュニケーション力を深めるために利用するというものであった。全校生徒はわずか58人、松阪市の山間部に位置する飯高東中学校は、例えば交通の便があまり良くなかったりするのだが、不便な地域だからこそ、情報収集力を高めていかなければならないし、表現したことを発信する力を養っていく必要があると、同校の平野修教諭は力説する。閉ざされた環境では育みにくいコミュニケーション力を、iPadがどのようにアシストしてくれているのか興味深いところだが、行われたプレゼンテーションを見ていると、それは見事な形で結実しているように思われた。また、出されたお題に沿って、出来上がったものを読み上げるだけではなく、自分達で発見したものを自分達で伝えようとする、本当の意味でのプレゼンテーション力が身についているという印象を受けた。平野教諭は、家庭の中で気がついたことをピックアップしてきて、それらを学校での学びに活かしていくということを最終的な目標にしているので、今回のApple Storeに於ける研修(フィールドトリップ)はそこに繋がる機会となるだろうし、生徒達にとっても良い経験になるだろうとも話す。地元の交番と東京の交番の違いをレポートしたグループは、前者では自転車が使われるが、後者ではパトカーが利用されているようだと伝え、外観の違いにも触れた。このグループは普段見慣れているものが、違った場所に行くと実際に違ったものとして現前するということをiPadのカメラでキャッチし、Keynoteの助けを借りながら上手く言い表していた。自動販売機が数多く並ぶ路地を見つけたグループは、それが自分達の暮らす地域にはあまりないと報告してくれた。撮ってきた写真を見ると、都心に住む我々でも驚くくらいの数の自動販売機が設置されており、こんな場所があるのだと感心させられた。表現力、コミュニケーション力に加え、彼らは鋭い観察眼も獲得しているのではないだろうか。iMovieでプレゼンテーション用の動画を作成したチームは、珍しいものや可愛いものを集めてみたとのことだったが、目に映った新鮮な光景を捉え、修学旅行の思い出を纏め上げ、その楽しさを、喜びを余すところなく伝える発表を行った。生徒達だけでなく、教員もiPad導入以前とは変わってきたと平野教諭は言う。ICT機器を使うにあたって、生徒一人に一台渡すということに抵抗感を覚えていたある教員は、導入後、授業のことをよく考えるようになっていったと続け、デバイスの操作に慣れるのはもとより、どう使い、どう授業を進めていくかを熟考するようになってきていると明かしてくれた。元々、生活指導担当だったという同教諭は、フィルタリングの問題など、教育でマイナス面になることも心配していたというが、実際にiPadを取り入れてみると、むしろプラスの面が大きかったと評価する。そして、完璧に守られている状況に真実はないと思うようにもなったそうだ。文科省は5年後に始まる新学習指導要領で、生徒達が主体的に発言したり議論したりする「アクティブラーニング」を採用する方向で準備を進めているが、飯高東中学校はその先鞭をつける形での授業を行っている。さらに文科省の期待を超え、例えそれが実用性のない事柄であったとしても、発見を学びに結びつけようという姿勢も伺える。iPadが何気ない日々に変化を齎し行動規範も変えていく、飯高東中学校の取り組みはその好例であると感じられた「フィールドトリップ」であった。
2015年06月19日子どもが生まれると、考えなければいけないのが教育資金。文部科学省の統計によると、幼稚園から大学まですべて公立でも901.7万円、すべて私立で、理系の大学に進学した場合は2095.0万円も必要になるんです!「そんなお金、いったいどう準備したらいいの?」って不安になっちゃいますよね。そんなママに必見の情報が!なんと、投資で教育資金を用意する新制度が来年スタートするんです。■ついに“ジュニアNISA”が始まる!新制度とは、2016年4月にスタートする“ジュニアNISA”。最近CMでよく聞く“NISA”の子ども版です。NISA(少額投資非課税制度)は、専用の口座から株や投資信託を購入すると、非課税期間内の売買益や配当金にかかる税金20%が免除される仕組み。昨年1月に導入され、ことし3月末時点で879万件のNISA口座が開設されています。ジュニアNISAはその子ども版です。といっても、実際に投資をするのは子どもではありません。子どもに資産運用を学ぶ機会を与えるねらいもありますが、実際には子ども名義で開設した口座で、両親やおじいちゃん・おばあちゃんが運用することになります。「でも、投資とか資産運用って難しそうだしリスクも怖いし、ちょっとハードルが高い……」なんて考えていてはもったいない!賢く使えば貯蓄よりも学資保険よりも大きなリターンが期待できる、まさに新世代のための資金運用制度なんです。■運用益にかかる税20%が非課税にジュニアNISAの基本的な仕組みはNISAと同じです。0歳から18歳以下の子どもが対象で、1年間の限度額は80万円。この80万円を1つの枠として、この枠内の売買益が非課税になるのは1回のみですが、内訳は自由。つまり、80万円相当の株を1銘柄買ってもよし、20万円相当の株を4銘柄でもOK。非課税期間は5年間です。ただし、教育資金づくりを想定しているため、名義人の子どもが18歳になるまでは資金の払い出しに制限があります。たとえば1年目に株を80万円分買い、5年後に100万円で売った場合、利益の20万円には20%の税金=4万円が課されるはずですよね。でも、ジュニアNISA口座なら非課税なので、20万円まるまる手元に残るというわけです(金融機関の手数料は別途かかります)。また、同じ銘柄を5年間持ち続けると、その期間の配当金が非課税になります。投資ですから元本割れリスクへの覚悟は必要ですが、リスクが比較的少ない投資信託の商品を選ぶ方法もあります。なにより、税金20%が非課税になるというのは魅力的!これまで教育資金といえば学資保険など貯蓄性の高い保険が一般的でしたが、これからは、子どもの教育資金も“運用”で積極的に殖やして準備する時代に突入したのです。■難産の末に誕生した本家の制度NISAのモデルは、1999年にイギリスで導入された“ISA”。2011年には子ども版・ジュニアISAが生まれましたが、その誕生までには紆余曲折がありました。当時、すでにイギリスでは教育資金づくりのための公的制度「チャイルド・トラスト・ファンド(CTF)」がありました。子ども1人当たり政府から支給される合計500ポンド(約95,000円=2004年当時)の給付金に親や祖父母が資金を追加してCTF専用口座で運用し、運用益を非課税にするものです。しかし、購入できる金融商品の選択肢が少ないことや自由度の低さ、手数料の高さからCTFは不評。財政難で給付金が削減・停止されるに至り、『The Telegragh』では“お金を預けてはいけない5つのファンド”の1つに挙げています。そうした失敗を乗り越えて生まれた資産運用制度がジュニアISAというわけです。それをモデルに日本でスタートするジュニアNISAは、教育資金づくりの一手段として大きな可能性を秘めています。制度としても、利用するわたしたちも、試行錯誤を重ねてみんなでジュニアNISAを育てていければ、子どもたちの将来大きな武器になり得ます。せっかくの新世代の資金運用、賢く情報を集めておおいに活用したいものです。(文/よりみちこ)【参考】※NISA(少額投資非課税制度)が始まりました!―金融庁※普及が進む英国ジュニアISAの現状と我が国への示唆―野村資本市場研究所※The five worst places to keep your money―The Telegragh
2015年06月18日東京都内にある中高一貫の女子校である品川女子学院は、今年で創立90年を迎える歴史ある学校だが、大学合格という目先の成果を求めるのではなく、28歳になったときに社会で活躍できる人材育成を目指す「28プロジェクト」というユニークな教育プログラムが近年注目を浴びている。その一環として、品川女子学院では、Evernote Businessの導入や、ヤフーなどの企業とのコラボレーション授業を実施するなど、教育現場へのIT活用や最先端のICT教育を積極的に推進している。ヒト型ロボット「Pepper」向けのアプリ開発を手がけるヘッドウォータースは、こういった同校のICT教育に対する熱意に着目。ヘッドウォータースの技術力を生かして何かできないかという思いから今回、同校とのコラボレーション授業の実施に至った。コラボレーション授業には、中学2~3年生の生徒約40名が参加。「学校にいてほしいPepper」をテーマに、5月からPepper用アプリの企画・開発を進めてきた。報道関係者に向けてその様子が公開された6月16日の授業では、主にアプリのプログラミング作業とPepper実機でのテストが行われた。授業で開発するアプリは、「登下校する生徒を笑顔にして写真撮影するPepper」「来校者に対して校内案内するPepper」「保健室に来た生徒を癒すPepper」の3つ。生徒らが授業で考案した数々のアイディアのなかから、「Pepperの特徴を生かしていること」、「学校にいることの価値が見出せること」を基準にヘッドウォータースが選考したものだ。生徒らは授業のはじめに、Pepperにどんな言葉を喋らせるか、どんな動きをさせたいか、各々の意見を発表し、アプリに盛り込む詳細な機能を決定。それぞれの機能に対して、2~3名ずつで開発に入っていった。開発には、Pepperなどのロボット用アプリ開発が行えるソフトウェア開発キット(SDK)「Choregraphe」を利用。Choregrapheでは、ビジュアルプログラミングの方法が採用されており、プログラムのコードを記述できなくても、機能ごとに用意されたボックスをドラッグ&ドロップでつないでいくことで、簡単にプログラムを構築することが可能だ。プログラミングの授業というと、その難しさに音を上げてしまう生徒も出てきそうなものだが、「Pepperの喋り・動き」というわかりやすい成果物と、ヘッドウォータースのスタッフの熱心なサポートのおかげで、PCの画面に向かう生徒らの表情は皆、真剣だ。「生徒を笑顔にするアプリ」を開発していた生徒らは「Pepperを踊らせたい!」と、試行錯誤しながら、Pepperに複雑な動きをさせるプログラムを作成していた。ネスレやみずほ銀行など、さまざまな企業でPepperの導入が進みつつある昨今だが、まだまだその可能性は未知数だ。ヘッドウォータース 人とロボット事業部 事業部長 塩澤正則氏は、「この授業から実用化に至るものが出てくる可能性は十分にある」と、女子中学生ならではの柔軟な発想力に期待しているという。授業の最後に実際にPepperを動かして開発の成果を発表した生徒は、「実際に動かしてみると、頭の中で想像していたものと違った。実物で試しながらプログラミングしていくべきだった」と反省しながらも、「プログラミングをもっと勉強してみたい」と目を輝かせていた。
2015年06月17日KDDIと一般社団法人のソーシャルメディア研究会、兵庫県警察と兵庫県内4市の教育委員会は6月15日、地域一体の産官学連携ケータイ教室を実施すると発表した。4市は、相生市と三木市、養父市、たつの市。この4市の小中学校59校を対象として、携帯電話やスマートフォンの安心・安全な利活用に向けた啓発活動を19日より行う。KDDIはこれまでも「KDDIケータイ教室」として、スマートフォンの正しい使い方やトラブル予防策などを教えてきたが、今回の産官学連携では、より地域に根ざした教育を年度末まで行う。ソーシャルメディア研究会に所属する学生の意見を教室の教材に盛り込み、同会の代表理事を務める兵庫県立大学 環境人間学部教授 竹内 和雄氏が監修を務める。また、兵庫県警が地域で起こっている身近な事例や地域課題を提供し、同様に教育委員会の方針も取り入れた"地域密着型"のケータイ教室教材となっている。これまで各市の教育委員会は、それぞれが情報リテラシー教育の計画を行っており、異なる啓発活動を実施してきたが、今回の取り組みにあわせて管轄の小中学校を一括して、統一的に啓発活動に取り組んでいく。実際のケータイ教室では、教室講師の認定試験に合格した研究会の学生が講師を務める。受講する子どもと年齢の近い学生が講師になることで、「講座の中で自分自身の体験談を交えて注意を促せる」というメリットが生まれる。なお、このケータイ教室は今年度いっぱいの実施だが、アンケートによる意識変化の効果検証を行うことで、次年度以降への改善活動へとつなげていきたいとしている。○小学生の8割がネットに触れる時代竹内氏や各市の教育委員会によると、各市で3割~5割の小学生がスマートフォンを所有しているという。これだけでなく、ネットに接続できる携帯音楽プレーヤーやゲーム機によるアクセスを含めると、約8割がネット文化に触れている可能性がある。「トラブルは他人ごとではなく、実際に地区でトラブルにつながるケースもあるし、一般的な問題として(LINEなどの)"既読無視"、そして最悪の場合には殺人事件に至ったケースもある」(竹内氏)「生徒さんたちは、先生よりもスマートフォンアプリの使い方に詳しい。生徒がトラブルに巻き込まれるだけでなく、加害者の立場になってしまう場合もある」(KDDI 理事 関西総支社長 松尾 恭志氏)今回の取り組みの最大のメリットは、これまで個別に行っていたリテラシー教育を三位一体となって行える点だ。KDDIは通信インフラを担う事業者として、安全で安心なネットの使い方を啓蒙し、教育委員会や県警も倫理教育や社会常識の啓蒙活動を行ってきた。これを「それぞれの強みをうまく融合させること」(竹内氏)で、より効果的に児童や生徒に身につけさせようという取り組みというわけだ。そこで大きな役割を果たすのが、竹内氏の下に集まった大学生や院生たち。実際にスマートフォンが身近にある環境で育ってきた彼らが、実体験をもとに児童や生徒に教えることで、「先生に授業形式で上から説明されるよりも、"お兄さん"や"お姉さん"に教えてもらったほうが真剣に聞いてくれる」とは竹内氏の言葉。KDDIのケータイ教室の講師試験を通った10数名の"先生"が、児童や生徒に教えることになる。KDDIのケータイ教室は、年間で約3300回、KDDI社員ら100名が行ってきたが、今回の取り組みでも、講師試験の基準は社内向けとまったく一緒。小学生や中学生という低年齢の子どもたちに教えるため、「笑顔で優しく教えること」「恐怖感を与えてはダメ」といったポイントも重要になる。「学生の一人は、実際に講師試験を受けたが落ちてしまった。だけど、どこがダメだったのか勉強し直して、もう一度試験にチャレンジしようとしている」(竹内氏)。実際に、記者会見場でも神戸大学大学院の学生が模擬授業を行い、授業内で見せる動画をわかりやすく紹介してみせた。特に「大学のテスト期間中、3時4時まで友達とLINEして、勉強のことを議論していたつもりが、頭に入ってなくて結果がボロボロだった。便利だけど、何も頭に入っていないという体験はある」という実体験は、すでに卒業して何年もたってしまっている親御さんや先生からは聞き出せない貴重な声と言える。竹内氏が「これが日本中に広がってほしい。大人が子供を守れるようにできれば」と強調するように、単なる地方自治体や地域に近い大学が個別に進めるだけの取り組みで終わって良いはずはない。地域の実例を県警から持ち寄って反映するという地域への最適化だけでなく、こうした場の知見を他地域へ応用していくことが重要と言えるだろう。
2015年06月16日こんにちは!15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。新入社員研修も終わって本配属になる方も多いこの季節。大学生活にも慣れてアルバイトも本腰を入れる季節でもありますね!この季節の筆者のサロンでは「ネイルOKなんですけどどこまでOKかわからなくて・・・」という新人さんと「新人がとんでもないネイルしてきた・・・」とため息をつく教育係の方が交差する季節でもあります。社会に出ると、門に立って生活指導する先生はいなくなる代わりに、全てが自分の判断で自分の責任となってきます。「ダメって言われないし、まぁいっか!」は要注意。おしゃれが人に与えるイメージの大きさって計り知れません。今回は、新人教育担当の方数人に意見を聞いてみました。■蛍光の黄色にピンクの水玉(建設事務業の場合)「昔の新人で蛍光の黄色にピンクの水玉にしてきた子がいて・・・確かに、社則ではネイルOKなんだけど“なんか気持ち悪い爪の新人だね。”て言われることが増えてしまって。本人にも伝えたんだけど“えーかわいいじゃないですかぁ”で聞く耳持たず。」結局、この新人さんのせいで、ネイルに関する社則が出来てしまい、色はピンクかベージュと指定されてしまったのだとか。先輩方はぶーぶーで新人教育担当だったお客様は責められて肩身の狭い想いをしたのだとか。例え社則がなくてもTPOは大切にしたいですね。■ピンクって果てしないよね(一般事務業の場合)「会社の決まりで、ネイルはピンクしかダメなのね。でも、ピンクっていっぱいあるじゃない?ラメラメでギラギラのピンクにしてきた子がいてさ。すぐ外してこいって言ったけど。確かにピンクなんだけどさ・・・」会社の決まりでネイルの色の指定がある、という場合も昔に比べて多くなっています。自由なはずの社会で「決まり」がどんどん増えていくのは、こういったことが原因なのかもしれませんね。■透明だけは守る!せめて、透明だけは!!!(卸会社の場合)「会社でネイルNGになっちゃった・・・新人が、ヒョウ柄とかゼブラ柄とか濃いピンクとかのネイル付けてたのが問題になって。ジェルネイルないと爪が折れちゃうから、みんなで声を大にして“透明に近い色”だけは守ったよ。」行き過ぎたネイルを付けた新人さんのおかげでネイル全面禁止になった、という例もチラホラ聞こえます。透明くらいは塗っておきたいですよね。■お願い。爪くらい綺麗にしてきて(秘書業の場合)「仕事上、清楚であれば問題ないんだけど、清楚=何もしないことと勘違いしてる子もいて、爪は適当にちぎってるのかって思うぐらい長さもバラバラ。あちこち欠けてたり、マニキュアだけは塗っててもどこか剥げてたり・・・爪くらい綺麗にしてきてほしい。」小学校の時ありましたね。身だしなみ検査。思いがけず目につきやすいのが爪です。せめて綺麗に切りそろえるくらいはして欲しいですね。■少しでいいからおしゃれして欲しい(アパレル業界の場合)「なんでうちに就職したのかわかんないんだけど、おしゃれ嫌いらしくてさ。1色でもいいからネイルくらい塗って欲しい・・・頼んでも塗ってくれないんだよね。」アパレル業界は皆さんおしゃれなイメージですもんね。お客様に会う時も同業者に会う時もなるべくおしゃれでいて欲しい先輩の気持ちわかります。■おわり社歴の長い方は「会社の雰囲気」を掴んでいるのもあって、ネイルでの失敗を聞くことは少ないように思いますし、施術中も「あ。これはちょっとやばいかも」と越えてはいけないラインを自分の中で引くのが上手な気がします。自分で考えて自分の境界線をうまくつくれてこそ大人の女性なのかもしれません。「それはダメ」と上司や先輩に言われてしまったらほぼアウトです。先輩の爪を見て、先輩より少し控えめにしておくのが一番ベターなようです。ゆっくり少しずつ、周りの反応を見てから「個性」を出すと失敗が少なくなりそうですね。(川上あいこ/ハウコレ)
2015年06月14日大手3DプリンタメーカーStratasysの日本法人 ストラタシス・ジャパンは2015年5月19日、高校・大学向け3Dプリンティング教育カリキュラム「3Dプリンティング入門:設計~製造編」の日本語版を発表した。同年7月1日(予定)よりストラタシスのWebサイトにて無償ダウンロードを開始するほか、9月より日本大学 芸術学部 デザイン学科への導入が決定している。同カリキュラム提供について、ストラタシス・ジャパンの代表取締役社長 片山浩晶氏に話を聞いた。○産業界における3Dプリンタ活用の変遷3Dプリンタは、従来、試作品をスピーディに作りあげるラピッドプロトタイピングのために主に用いられてきたが、昨今は米国を中心に、製品そのものや治具を作るDDM(ダイレクト デジタル マニュファクチャリング)へと主軸を移してきている。特に、航空宇宙産業、自動車産業、医療機器などのような、高付加価値を求められ、小ロットで多品種であり開発にスピードが必要とされる類のものにめざましい成果をあげている。○教育現場への期待と、導入への障壁3Dプリンティングによるデジタルファブリケーションは、モノづくりの常識を根幹から覆す技術だ。そのため日本でもますます関心が高まっており、2013年に公表された“世界最先端IT国家創造宣言"においては、「学生らが将来を展望した技術を習得できる環境整備」と「教育環境のIT化推進施策」の1つとして3Dプリンタが加えられている。また、経済産業省は、教育機関が3Dプリンタを購入する際の補助金制度を設けるなど、教育現場への導入が大いに期待されている。しかし、国内の教育現場に3Dプリンティングが導入されている例はごくわずかである。導入の障壁となっている理由は大きく分けて2つある。1つは教育者の理解が十分でなく教えられる人が少ないこと、もう1つは3Dプリンタの利用に不可欠な3Dデータが手に入りにくいことだ。ストラタシス・ジャパンは、この2点に対してさまざまな施策を打ち出している。その1つが今回の学校向け教育カリキュラムの提供である。○デジタルファブリケーションのリテラシーを広く浸透させる同カリキュラムは、2014年12月に英語版で発表され、既に米国、オーストラリア、イタリア、中国、シンガポール、インドなど各国の教育機関に導入されている。カリキュラム内容は、「製造業の進化の歴史と転換点」「主要3Dプリンティング技術の特性と制約の理解」「時間とコストカットのための利用機会の特定」「3Dプリンティングが与える経済的な影響」「可動部品を備えたオブジェクトのデザインと3Dプリンティング」など、3Dプリンティングの歴史から紐解き、デジタルファブリケーションとは何かという基本知識から、3Dプリンタが現在から将来に渡って何を可能にするのかを14週間で体系的に学べるようになっている。「デジタルファブリケーションを真に活用できる社会を作っていくためには、3Dプリンティングのデータ設計手法を教える前に、広く一般知識として浸透させることが必要です。このカリキュラムは、その目的に叶ったものになっています。これを用いて、日本の未来を担う学生に、デジタルファブリケーションのリテラシーを広げていきたい。まずは高校・大学への取組をスタートしますが、ゆくゆくは小・中学校も視野に入れています。3Dプリンティング技術によって、ワクワクするようなモノづくりの楽しさに慣れ親しんでもらいたいと考えています」(片山氏)。同カリキュラムは「基礎コース」として位置づけられ、各学校のコースの特色に合わせて、教師が必要な内容を加えていくことが想定されている。9月に導入が決定している日本大学 芸術学部 デザイン学科では、最新のデザイン教育として、以前よりデジタルファブリケーションの教育研究に取り組んでいる。従来のデザイン手法に新しい手法を加えることで、相乗効果を期待しているという。○10年先の日本のモノづくりへストラタシス・ジャパンが見据えているのは、10年先の日本のモノづくりだ。日本のモノづくりは高い品質を担保するため、開発スピードについては他国に比べて弱い感がある。また、人件費を考えると、大量生産の分野で海外に勝つことは困難だ。片山氏は次のように言う。「時代はマスプロダクション(大量生産)から、マスカスタマイゼーション(個別最適化生産)へ変化してきています。個別の要望に応える、つまり消費者の多様化に寄り添う工夫をしたモノづくりです。より付加価値の高いものを、必要な数だけ生産する。3Dプリンティングは、この考え方に最もマッチする技術で、かつスピーディな開発や生産を可能にします」製造技術の競争は世界的に激化しているが、品質における日本製への信頼感は、いまだ世界の人々の中に根強くある。デジタルファブリケーションのリテラシーが国内に広く浸透し、将来的に高品位の3D設計技術者が数多く創出されることが、日本の競争力を高める鍵になりそうだ。
2015年06月12日ディー・エヌ・エーは、2014年10月より佐賀県武雄市の公立小学校1年生に対して、プログラミング教育に関するタブレットPC用の教材アプリケーションの提供および授業の実施を実証実験として行ってきたが、6月9日、2015年度においても、小学2年生向けの新カリキュラムの開発と授業を実施することを決定したと発表した。同社は、2014年10月~2015年2月の期間中、武雄市立山内西小学校の1年生に対し、実証研究授業として全8回のプログラミング教育授業を、放課後の時間を活用し実施。同社が独自に開発した教材アプリケーションの利用方法を学びつつ、児童自身が描いたイラストを使用したオリジナルのゲームやアニメーションを創作し、最終授業でその作品を発表し、保護者やほかの児童に共有するというカリキュラムを提供した。この最終授業後のアンケートの結果を受けて、昨年度受講した山内西小学校の新2年生に、新たに開発したカリキュラムにて授業を実施するという。また、昨年度の授業実施を通じて得られたデータをもとに改修した小学1年生向けカリキュラムを、山内西小学校および武雄市立若木小学校の2校の新1年生に対しても2学期以降に提供する予定だ。
2015年06月09日夏休みになると、自由研究の課題などで何を作るか悩むママとお子さんもいると思います。手先を動かしクリエイティビティを伸ばしてくれる工作。工作は雨の日の暇つぶしにも、お子さんとの絆作りにも役立ちます! そこで、子どもとできる工作アイディアをま…
今も昔も子供の習い事として人気の水泳。体を鍛えらたり、水遊びの時に泳げると安心だったりなどの理由のほか、学校の授業の対策として通っている人も多いようです。そこで、水泳教室に通うメリットや水泳に関する注意点など、子どもの水泳教室についてまと…
大学入学時など、奨学金の存在はとてもありがたいですが、卒業後の返済はなかなか負担がかかるもの。賃金が増えにくい今のご時世、滞納やトラブルになってしまったというケースが多々見られています。わが子が将来利用するかもしれない奨学金制度。返済方法…
子どもができると、家計の中で大きなウェイトを占めるようになる学費。子どもが生まれてから大人になるまで、進路によっては数千万円かかると言われています。これだけの大金ですから、早いうちに計画的に準備しておきたいですよね。そこで、子どもの学費の…