更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第11話。今回は久しぶりに運動したら思いも寄らないことが巻き起こったときのお話です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。私は極度の運動不足中年です。自宅で座り仕事ということもあり、先日はスマホの万歩計が驚愕(きょうがく)の「3歩」でした。逆にどうやったら3歩になるのか謎ですが……。2年ほど前の46歳のころ、このままでは病気になってしまうと思い、健康のために子どもが通う小学校のPTAでスポーツを始めました。女子が参加できるスポーツ部は、卓球とソフトボールとバレーボールがあったのですが、まずは部費が0円の(ゲスくてすみません!)卓球とソフトボールに参加してみました。卓球は、いきの良い学生時代に遊びでして以来だったのですが、思ったよりジャンプ的な動きが多くて、予想外のチョビ漏れ(尿)が……。ソフトボールでは打つとき、走るとき、そしてヒットを打ち1塁に着いて喜びのジャンプをしたとき、大がかりな大漏れ(尿)が……。計画どおり、体をたくさん動かすことはできたのですが、毎回、尿漏れのため早退する羽目に。若いときにCMで見ていたあの「尿漏れパッド」なるものにお世話になる日が来てしまった2年前のお話でした。
2021年04月23日40代も半ばごろになると、それまでとは違う不調を感じやすくなりがちに。でも、「受診するまではつらくないから様子を見るか……」という人もいるでしょう。そこで、自分で気軽に更年期症状のレベルをチェックできるテストを紹介します。まずは自分がどのあたりのレベルなのか知ることから始めましょう!あなたの更年期指数は?更年期症状の重症度を見る方法はいくつかありますが、ここでは婦人科でもよく使われる更年期指数(SMI)を紹介します。以下10項目を見て、とてもそう思うときは“強”、そう思うときは“中”、たまに思うは“弱”、思わないときは“無”として記録をつけてみてください。顔、頭がほてることがある強→10点中→6点弱→3点無→0点汗をかきやすくなった強→10点中→6点弱→3点無→0点手足が冷えやすくなった強→14点中→9点弱→5点無→0点動悸、息切れをするようになった強→12点中→8点弱→4点無→0点よく眠れなくなった(寝つきが悪い、または眠りが浅い)強→14点中→9点弱→5点無→0点すぐにイライラするようになった強→12点中→8点弱→4点無→0点少しのことで落ち込みやすくなった強→7点中→5点弱→3点無→0点頭痛やめまいが増えた強→7点中→5点弱→3点無→0点疲れやすくなった強→7点中→4点弱→2点無→0点肩や首の凝りがひどくなった強→7点中→5点弱→3点無→0点チェックできましたか? 強、中、弱、無で点数が違います。それぞれの項目の点数をカウントし、合計点数を出してみてください。合計点数は何点になりましたか? それでは自分の更年期指数を見てみましょう。合計点数別アドバイスはこれ!一般的な評価は以下のようになります。0~25 点 …… じょうずに更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。26~50 点……食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。51~65 点…… 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けたほうが良いでしょう。66~80 点……長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。81~100 点…… 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。ここで、産婦人科医の駒形依子先生から評価の見方を教えてもらいました。「例えば25点と26点はほぼ同じですし、26点と50点は結構違いますよね。40代前半なのか、50代後半なのか、年齢によっても変わってきます。ですから、この評価の間を取った以下のアドバイスも参考にしてみてください。20点以上……これ以上症状が出ないように注意深く生活しましょう40点以上……これ以上症状が出ないように注意をしていても、つらい症状がある場合は症状に合わせて専門医を受診しましょう。60点以上……それぞれの症状に合わせて専門医の診察や検査を定期的に受けて、過ごしやすいよう工夫を。長期的な治療も含めて相談しましょう80点以上……受診をしていないなら、我慢し過ぎのようです。内科、整形外科、婦人科など今すぐ症状に合わせて受診しましょう。更年期症状の受診の目安は、日常生活に支障が出るほどつらい症状がある場合になります。でも、女性は我慢強いので、実は症状が重いのに大したはことないと自分に言い聞かせていることも。この更年期指数で高めの数値が出た方は早めに検査や受診をしてほしいですね」まとめいかがでしたか? ちなみに私は53点という結果でした。定期健診で高血圧の診断が出たので、近々受診する予定です……。毎日忙しく、なかなか受診に踏み込めない40代、50代ですが、時間をつくって自分をケアしたいですね。取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年04月21日40歳のとき、それまで規則正しくきていた生理が、びっくりするほど大量になり始めました。その治療のために病院を受診。医師からは、経血量が日常の生活に支障を来すような状態なので更年期症状の1つだと言われました。そして、1年くらい前から体感するようになっためまいや疲労感も、実は加齢による更年期症状だったと知りました。私の場合は更年期の症状の1つだとわかった過多月経についての体験をお伝えします。過多月経を治療すべく病院を受診多過ぎる生理の出血やそれに伴う疲労感を根本的に治療すべく、まずは病院を受診しました。医師からは更年期症状の1つである過多月経だと言われました。治療法は、薬でホルモンバランスを整える治療と、子宮腔内をマイクロ波で加熱し、組織を壊死させることによって出血量を減少させるというMEA治療(マイクロ波子宮内膜アブレーション)があるということでした。私は毎月タイミングが分からない上に、いきなり大量に始まる生理に困っていたのでMEA治療を希望しました。詳しく聞いてみると、MEA治療後は子宮がん検診をする際の経腟超音波検査が難しくなるとのこと。私の症状の場合、MEA治療でなくてはならないほど深刻ではなかったため、MEA治療は断念することにしました。過多月経に着目した生理用品の存在薬でのホルモン治療はまれに血栓ができるかもしれないという話を聞き、まずは自分でできることから始めることにしました。ドバッと出る経血対策として、よくフィットして横漏れガードがある生理ナプキンを選んで使用してみましたが、結局は横漏れ……。そこで、過多月経のトラブルに着目した生理ナプキンのエリス「CLINICS(クリニクス)」を使用してみました。分厚く存在感がしっかりあり、数回にわたってドバっと出る経血にも耐えられ、安心して生活を送ることができるようになりました。現在は「CLINICS」を愛用しています。基礎体温を記録して生理のタイミングを知る調べてみたら更年期に入り閉経が近づくと、基礎体温は低温期と高温期の区別がつきにくくなるとありました。毎日の基礎体温の記録を折れ線グラフにすると、高温期と低温期両方がガタガタのグラフになり、さらに低温期から高温期に切り替わる温度差が少なくなるようです。そして、閉経が近づくにつれ高温期が減っていくとのこと。私は基礎体温の変化を見るために、面倒くさがりでもできるようにオムロンの基礎体温計とスマホのアプリ「OMRON connect」を連動させて基礎体温を記録しています。毎朝起きてすぐ10秒程度の計測時間で手軽に測れるので、現在3カ月間、継続して測り続けることができています。やはり私のグラフは安定しないガタガタのグラフですが、生理前になると低温期に入るため体温が低くなっていました。なので、グラフを見て体温の低い日が続いたら、それを目安に多量の経血に備えることができるようになりました。まとめ更年期の症状の1つである過多月経に直面して最初は驚きましたが、自分の体調がどうなのかを知る良いチャンスともなりました。外出先で突然に始まる生理ではなくなったので、気持ちに余裕ができました。病院を受診する際は、不規則であっても生理がどのように起きているのがしっかり伝えられるように記録を準備しておくことも良いと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からのアドバイス】基礎体温は基本的に毎日同じ時間での計測、毎日同じ睡眠時間で3カ月計り続けないと自分の状態を把握できません。計測すること自体がストレスにならないように気を付けましょう。
2021年04月16日20代、30代は元気に動けていたので体の不調を特に意識していませんでしたが、40歳を過ぎたころから疲れやすいと感じるようになりました。自分では「更年期の始まりかな?」と思っていたのですが、実際は病気だったのです。診断される前後の体験をお話ししたいと思います。私は元気、健康だと思っていたら…20代、30代のころは、飲み過ぎや寝不足など多少の無理をしても全然大丈夫だと思っていました。仕事も夜勤が多くあり、昼夜が逆転した生活になってもどこかに「睡眠を取れば大丈夫」という思いがあって、生活リズムなど気にもしていませんでした。本当に私は元気だなと思っていたのです。しかし、40歳を過ぎたころから寝ても疲れが取れない、1日中体がだるいなどの症状が続くように。突然来た体の変化に私は「更年期の始まりかな?」と思っていました。そして、42歳のときに風邪だと思い受診したら肺炎と診断され、そのまま入院となってしまいました。予想もしていなかった現実…肺炎と診断され入院はしたものの、治ればすぐにでも退院できると思っていました。しかし、1週間以上たっても40度近くまで上がった熱は下がらず、体も動かなくなり、焦りと不安でいっぱいに。そして、原因がわからないまま大学病院へ転院となり、検査の結果、膠原病(こうげんびょう)と診断されました。膠原病は厚生労働省によって指定難病とされていて、治りにくいと言われます。主治医から、これからは病気とうまく付き合っていかなければいけない、生活も変えていかなければいけないと言われました。予想もしていなかった現実に、私は驚愕。ステロイド治療をおこないながら2カ月間入院しましたが、ステロイドの影響でムーンフェイス(顔面が満月のように丸くパンパンに腫れ上がってしまう症状)になり、肩は脂肪が付いて盛り上がり、髪は抜け、体にも力が入らず歩行さえ困難に。家に戻ったころにはまったく別の体に変わっていました。まっ、頑張るか!からの最高の出会い家での療養が始まると、免疫抑制剤やステロイド服薬のため、感染症にかかりやすくなりました。外出もしばらくは避けるようにと主治医から言われ、呆然……。しかし、悩んでいても仕方がない、現実を受け止めるしかないと思い始めたら、少し楽しくもなってきました。「まっ、頑張るか」という気持ちで前向きにやっていこうと思ったのです。すると、したいことがいろいろと生まれてきました。例えば、もともと保護犬や馬に関心があったので、犬の保護活動団体や、引退馬の余生を大切にしている協会などを調べ、体調が落ち着いたら触れ合いに行ってみようと思うようになりました。そして自宅療養から1年過ぎたころ、体調も落ち着いてきたので実際に行ってみました。そのとき出会ったのが、多頭飼育崩壊からレスキューされた少し大きめのチワワ2匹です。最初はとてもおびえていたのですが、触れ合っていくうちに懐いてくれるようになりました。そして私のなかで「この子たちと一緒にいたい」という気持ちが強くなり、ついに家に迎え入れることに。犬たちは私の心の支えとなり、ひきこもりがちな日々から楽しい日々に変えてくれました。最高の出会いでした。まとめ健康が当たり前と思っていました。でも、病気を経験したことで、更年期と思い込んでいないで病院に行って検査をおこなうことの大切さを知り、以前なら考えもしなかったことを考えられるようになりました。元気でいられることに感謝しながら、諦めず、日々を楽しみながら前向きにチャレンジしていきたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からのアドバイス】更年期はあくまで症状一つひとつを精査して、何もなかったときにはじめて更年期障害という診断になります。更年期の症状と決めつけずに一つひとつを除外していくようにしないと大きな病気を見逃してしまうため注意が必要です。
2021年04月15日生理前の約1週間、私は情緒不安定や集中力の低下はありませんが、1つだけ悩まされている症状があります。それは「睡魔」です。仕事中の睡魔ほどつらいものはありません。今後うまく付き合っていきたいと思い、私なりの対処法を考えました。 生理前に訪れる異常な睡魔私は、生理中に起こるおなかや腰の痛みもひどいですが、生理前の症状にも悩まされていることがあります。それが「異常な睡魔」です。普段は最低7時間睡眠を確保して生活しているのですが、生理前になると8時間や9時間などいつも以上に寝ても日中眠くなってしまうのです。 しっかりと運動をして夜ぐっすり寝ても眠い、栄養のあるごはんを食べてスマホを触らないで寝ても眠い、昼夜関係なく、とにかく常に眠気と闘っている状態なのです。 睡魔のせいで、仕事が進まない…しかし、私も社会人。昼間は仕事をしなければなりません。 とはいえ、生理前の1週間はいつもならすっきりしているはずの午前中もなんだかボーッとしてしまいます。大事な会議があっても、頭がうまく働きません。お昼を済ませてからの午後の時間は特に睡魔との戦いがひどくなります。何度も頭がカックンとなりました。とにかく常に睡魔に邪魔されて、一向に仕事が進まないのです。仮眠をとっても、コーヒーを飲んでも眠たい時間が続くストレスに加え、仕事が進まないイライラも募ります。 「仕事を休んでゆっくり寝られたらな……」と思うこともありましたが、生理休暇を取れたとしても、睡魔で1週間丸々休むことはできるはずもなく、どうすればよいか悩んでいました。 生理前の仕事は、ある「ルール」で生理前の睡魔との付き合いを続けるなかで、私はとある対処法を思いつきました。それは、生理前の時期の仕事は「詰め込みすぎず、余裕のあるスケジュールで」「デスクワークを避け、体を動かすものに」というルールにしたのです。 このように仕事を調整しておくだけで、毎月の睡魔を少し抑えられるようになりました。頭のみではなく、なるべく体を動かす仕事を増やすことで、眠気とのバランスを取りながら仕事ができるようになったのです。そして、自分の気持ちもラクになりました。 以前は、生理前、仕事をしようという気持ちはあるのに実行できないぐらい、強い眠気が襲ってきて、どんなに寝てもなかなか解決できませんでした。しかし、生理前の睡魔はくるものだと構えて準備したことで対処できました。睡魔が調整できないなら仕事のほうを調整する、それが私の対処法でした。 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 監修/助産師REIKO----------著者/黒木美沙
2021年04月12日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第10話。今回は前回に続いて四十肩について。痛めた肩をかばっていたら、なんと……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。前回、第9話で何もない日にいきなり右肩を痛めてしまった私。今回は、その続きのお話です。右肩が痛いということで、何をするにも右肩をかばう生活が始まりました。重いものは左手で持ち、服の脱ぎ着も左手でしました。毎朝の日課であるラジオ体操は、左肩だけ動かして右肩は極力動かさないように気を付けておこないました。そんなある日、今度は左肩が急に上がらなくなったんです……、が〜ん!幸い、右肩の症状は少し和らいでいたのですが、左も右も同時に動かせないのは生活に支障があるので、連日、湿布を貼って何とかやりすごしていました。すると、今度は湿布を貼った場所がかぶれてきたんです。しばらく湿布が貼れないほどにガッツリと真っ赤っ赤に。肩が痛いのに湿布も貼れない日がくるなんて夢にも思いませんでした。次から次へと形を変えて襲ってくる老化スパイラル……。あと1年半くらいで50歳になる私、これからこの老化の波は加速するのでしょうか?近所の焼肉屋さんは50歳になると食べ放題が310円安くなるからと、50歳を楽しみにしてる場合ではない気がしてきました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からアドバイス】湿布薬でかぶれた場合は、鎮痛作用のあるクリームを使用するのもおすすめです。市販もされています。また、片方の肩が痛い場合、痛いほうの肩をかばうと体全体がゆがむ原因になるので、痛みが長引くようなら鍼灸、整体などに行くことも検討しましょう。
2021年03月29日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第9話。今回は四十肩について。ある日突然、いきなり肩が上がらなくなり……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。あるご機嫌な夜。いつもどおりお風呂に入り、いつもどおり髪を洗っているとき、いきなり肩が上がらなくなりました。突然のことに戸惑いつつも、とりあえず、残りのシャンプー&コンディショナーを終わらせて湯船に浸かりながら、その日の昼間に何か肩を痛めてしまう動きをしたかどうかを思い返してみました。朝起きて、子どもたちを送り出したあと、ダラダラと朝ごはんを食べて、ダラダラと仕事をして、ネットフリックスを見ながらダラダラとランチを食べて、またダラダラと仕事をして、晩飯を作ってダラダラと食べて、いつもどおりお風呂に入ったという1日でした……。そうなんです。肩を酷使するようなダラダラではない動きは一切なかったんです。忘れっぽい性質の48歳ということもあり、もしかしたら、昼間にすっごく肩を酷使したことをすっかり忘れてしまっている可能性もゼロではないのですが、思い当たる節がまったくありませんでした。これがウワサの四十肩か……。いや、48歳だからどちらかと言えば五十肩か!?と超ショックを受けました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2021年03月28日めまぐるしく体が変化する更年期。気になることはあるけれど受診するほどではない?という悩みや迷いはたくさんあります。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に、更年期に気になる「これって大丈夫?」という質問に答えてもらいました。Q:閉経後に出血。生理が再開?何かの病気?「病気が心配なら、がん検査やエコーを受けたほうがいいと思います。子宮頸がんは健診でチェックできることも多いですが、子宮体がんや卵巣がんは症状が出ないと検査できません。子宮体がんや卵巣がんは初期症状として出血することがあるので、受診しましょう。また、更年期症状の緩和や美容目的で飲んでいるサプリが作用して出血する場合もあります。サプリの影響でバランスを崩して不正出血ということもあるので、それを含めて受診したほうがいいでしょう」(駒形先生)Q:生理が止まって2カ月。以前も生理が止まって受診した際、内膜が厚くがんの可能性を指摘されたことが…「以前の受診で内膜が厚くなっているという診断があるなら、受診したほうがいいです。本来、剥がれなくてはいけない内膜が子宮に残ると、炎症を起こしやすくなります。子宮体がんや子宮内膜増殖症の疑いも考えられるので、なるべく早く検査したほうが良いでしょう」(駒形先生)Q:閉経後に黄色いおりものが出るように。受診したほうがいい?「閉経後は腟内の分泌物が減って潤いがなくなり、本来持っている自浄作用が減ってしまいます。そのため、雑菌が増殖すると、黄色いおりものが出やすくなってくるのです。黄色いおりものだけで、痛みやかゆみ、強いにおいがなければ様子を見ても大丈夫でしょう。一般的には閉経後はおりものは減りますが、腟に雑菌が入れば外に出すというおりものの効果は変わりません。久々に生理がくる前に量が増えることがあります」(駒形先生)Q:生理不順でいつ生理がくるかがわかりません。生理を管理する方法は?「閉経期は排卵も不定期で、基礎体温を付けてもいつ生理がくるかはわかりません。規則正しい生活を送る、ストレスをためないなどホルモンバランスを崩さないようにするしかありません。ただ、生理が近づくとおりものが増えるのが1つのサイン。もし下着を汚したくないということなら、おりものが増え始めたら布ナプキンを下着にあてておき、出血に備えておいてもいいでしょう」(駒形先生)まとめ閉経期は家事や育児、仕事などに忙しく、気になることがあっても受診は後回しという女性も多いでしょう。でも、「病気かな?」とちょっとでも感じたら、受診したほうが安心です。40代からは今まで以上に自分で自分の体をいたわってあげましょう!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中
2021年03月25日閉経前後5年間の10年間は更年期とされ、のぼせやほてり、イライラや落ち込みなどさまざまな症状が表れると言います。女性ホルモンが減少することが一番の要因ですが、それに伴う血流の変化も体調不良と関係することがあるそうです。産婦人科医の駒形依子先生にそのメカニズムと対策方法を聞きました。閉経後は子宮に血液が流れにくくなる!?閉経前後に表れやすい、のぼせ、ほてり、イライラ、落ち込みなどの症状。駒形先生によれば、これらは女性ホルモンのエストロゲンの減少はもちろん、子宮の冷えも影響していると言います。子宮が冷えていると、更年期症状のほか子宮筋腫をはじめ生理痛や過多月経、おりものトラブルなど子宮関連の症状にも悩まされてしまいがちです。「血液は、よく使う臓器に流れるようになっています。そのため閉経後は子宮と卵巣の機能が停止するので血液が運ばれにくくなり、冷えやすくなりますではどこに血流が行くかというと上半身に血流が集中して、上半身と下半身の血流のバランスが悪くなるため、のぼせやほてりといった症状が起きやすくなるのです。下半身への血流が減ったままにしておくと子宮の冷えは悪化するので、足先や足首はつねに温かくして冷やさないようにすることが大切です」(駒形先生)全身の血流バランスが悪いと心も不安定にそして、上半身と下半身の血流のバランスは心にも影響を与えると言います。「東洋医学では、気持ちや感情は血液にのって運ばれるという考え方があります。閉経して上半身ばかりに血流が上がると、いわゆる“頭に血がのぼる”状態になりがちです。生理があったときは、ドロドロした気持ちを経血とともに出せるという面もありましたが、生理がないと口から出すしかなくなり、頭に血がのぼってイライラが爆発ということが起こってしまうのです」(駒形先生)。さらに、40代は家事や育児、仕事などストレスが多いことも冷えの原因になるそうです。「日常生活にストレスが多いと筋肉が緊張してかたくなり、体が冷えることがあります。常に体に余計な力が入るため筋肉の緊張状態が続き、血管がいつも収縮した状態になります。温かい血液が流れるためには筋肉が収縮と弛緩を繰り返す必要があり、筋肉を弛緩させるには力を抜いてリラックスする時間が必要です」(駒形先生)気持ちはため込まず、緩めて出す!では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。「まずはひとりで休む時間をつくりましょう。毎日5分でも良いので、何にも考えずに緩める時間をつくってほしいですね。お風呂にゆっくり入る、お昼寝をするなども良いですよ。また、つらい気持ちがあるなら、こまめに出すことが大切です。自分はどんなときに、どんなことでイライラしたり、悲しくなったり、いやな気持になるのかを知って、それをちょっとずつ日常生活から減らしていきましょう。出す、といっても話さなくてもいいんです。例えば、夫に気持ちをうまく伝えられなくて、かえってパートナーシップが壊れたということも少なくありません。思ったこと、感じたことを日記に書き出すだけも良いですよ」(駒形先生)まとめ足は氷のように冷え、頭はカッカと熱く、心はガチガチに固まっている……閉経前後に陥りやすい心と体の状態は、多くの女性が感じたことがあるのではないでしょうか。5分でも、10分でも、自分を大切にする時間を意識的につくっていきたいと思います。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年03月18日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第8話。今回はヘアケアについて。髪のために重い腰を上げて始めたこととは……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお風呂上がりのドライヤー。最後に冷風で仕上げると髪がツヤツヤになるって聞いたことありませんか? 私は幾度となく聞いたことがあります。雑誌で見たこともあるし、テレビやSNSでも見たことがありました。そこで! もう数十年単位で髪の毛がツヤツヤになったことのないこの私も重たい腰を上げ、2年前からツヤツヤ髪を手に入れるために毎日お風呂上がりに実践しています。正直なところ、疲れ切った私の髪にはなんの効果もまったくもって感じられませんが、諦めずに続けています。そして、これからも、このパッシパシでゴッワゴワの手強い髪に一生仕上げ冷風を当て続けていこうと思っています。なぜなら〜信じるものは救われる!と思いたい。そして、これでもしないよりはマシなのかもと一縷の望みをかけて……。
2021年02月23日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第7話。今回は肌の悩みについて。開き切った毛穴をなんとかするべくおこなったことをお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー私は、昔からお肌がきれいだったわけではないのですが、ここ最近、本当に悩まないところがないというくらい爆発的にお肌が汚くて困っています。毛穴は開き切っているし、シミはすごいし、たるみもくすみもすご過ぎる。お風呂に入っているときを除くと、身も心もカッサカサです。今日は、そんな絶望的な気持ちのときに、以前からテレビや雑誌で幾度となく見かけたことのある、まぁまぁ有名メーカーの毛穴に効果が期待できるといううたい文句のオールインワンを購入したときの話を描かせていただきます。広告のように陶器肌になることはなくても、この私のダラけ切った大きい毛穴が少しでも小さくなってくれるのを期待して、来る日も来る日も塗り続けました。ワクワクしながら1週間、ドキドキしながら1カ月……。さすがに効果が出ているであろうと期待した3カ月後も劇的な変化はありませんでした。これって〜効いていてコレ?もし、塗っていなかったら今よりマシだったのか、それともまったく効果がなかったのか? そもそもの私の期待値が大き過ぎたのか……。どうなんでしょう!?
2021年02月22日妊娠したいと思っている場合、妊娠超初期にどのような状態になるのか気になるのではないでしょうか。そこで、妊娠の予兆はいつごろ感じることができるのかや、妊娠超初期に感じられる症状について解説します。妊娠の予兆を感じたときに、どのような点に気をつけるのかについても説明しますので、現在妊娠している可能性がある人も参考にしてみてください。 妊娠の予兆とは?いつから出るの?「妊娠しているかもしれない」と予兆が感じられるのは、だいたいは妊娠4週目以降です。妊娠の周期は、最後に来た生理の1日目から妊娠0週目と数え始めます。排卵は妊娠2週目ごろに起き、受精し着床するのは妊娠3週目ごろです。この妊娠3週目に妊娠の予兆を感じ始めることもあります。しかし、まだ妊娠すると分泌されるhCGホルモンの量は少ない状態です。妊娠4週目ごろになると、hCGホルモンの量が増えて、尿中に排出されるほどになります。 妊娠検査薬はhCGホルモンの量が多いと、妊娠陽性となる仕組みです。そのため、妊娠4週目になると妊娠検査薬が使用可能になり、妊娠の予兆を感じられる人が多くなります。ただ、生理の周期や排卵の時期により、妊娠4週目に必ず妊娠超初期症状を感じられるわけではありません。妊娠超初期症状の現れる時期には個人差があるので注意してください。 妊娠の予兆・妊娠超初期症状の特徴とは・生理が遅れる妊娠超初期に感じられる予兆として、まずは生理の遅れがあります。受精卵が着床すると分泌が始まるhCGホルモンの働きにより、妊娠すると生理はきません。しかし、妊娠していても月経様出血という少量の出血をする人もいるので、注意は必要です。出血があったからといって、妊娠していないわけではありません。いつもの月経とは違う少量の出血であった場合は、この月経様出血の可能性があります。 ・月経様出血がある逆に、月経様出血が妊娠の予兆となるときもあるでしょう。生理にしては少量で、出血する期間が少ないことにより、妊娠したことがわかることもあります。おりものの性質がいつもと変わるということも、妊娠超初期症状のうちのひとつです。妊娠が成立すると、おりものの量が増えた、色が違う、粘り気が強いなど、おりものの色や状態が変化することもあります。おりものの色が茶色い場合は、子宮内で出血が起きている状態です。茶色いおりものが出た場合は、産婦人科に早めに相談することをおすすめします。 ・つわりが始まるつわりは、妊娠5~8週に始まる人が多いです。しかし、4週目ごろの妊娠超初期からつわりのような症状が始まることも珍しくはありません。吐き気や嘔吐も、妊娠超初期症状のひとつです。吐き気や嘔吐まで激しい症状ではなく、むかつきや胸やけ、やたらとゲップが出るという場合もあり、つわりの前兆のような状態になる人もいます。「風邪か食べ過ぎではないか」と思っていたら、妊娠していたということもよくあることです。 ・においに敏感になる妊娠超初期症状として、においに敏感になるという人もいます。今まで平気だったにおいや、むしろ好きだったにおいに対して、急激に不快に感じるようになった場合、それは妊娠初期症状かもしれません。他の人が感じないようなにおいを自分だけ感じてしまったときも、妊娠が原因でにおいに過敏になっているからという可能性もあります。妊娠の予兆として、嗅覚だけではなく味覚の変化はよくあることです。妊娠すると、好物の食べ物が食べたくなくなったり、いつもと味が違って感じることもあります。 ・強い眠気を感じるいつもよりも眠気を感じる、我慢できずに眠ってしまうということにより、妊娠の予兆を感じる人もいます。いつもとは違う異常な眠気を感じる場合、それは妊娠超初期症状かもしれません。生理中や排卵期に胸の張りを感じる人は多いですが、妊娠超初期に胸が張るという人もいます。生理が来ていないのに、胸だけは張っているというときは妊娠しているかもしれません。 ・頭痛やだるいなど体調不良になるまた、頭痛やだるさなどの体調不調を感じる人もいます。微熱や下腹部痛を感じるという人もいて、「風邪か軽い体調不良かな?」といった症状が妊娠超初期症状であるかもしれません。そういった全身症状以外に、下痢や便秘など排便に異常が現れることもあります。妊娠すると、ホルモンバランスが崩れて胃腸の動きが悪くなるので、下痢や便秘は妊娠超初期症状としてよくあることです。 ・精神状態が不安定になる妊娠が原因のホルモンバランスの崩れにより、精神状態が不安定になることもあります。妊娠超初期は、気分の浮き沈みが激しくなり、無性に不安感に襲われ気分が沈んだり、逆にハイ状態になってしまったりと、いつもとは何か違う精神状態になりがちです。また、血圧が低くなったり、逆に高くなる人もいます。そのため、貧血っぽくふらふらする、もしくは動悸、息切れがしやすくなるということが妊娠の予兆となることもあるでしょう。 妊娠超初期症状の特徴として、さまざまな事例をあげました。しかし、妊娠超初期に現れる症状は人それぞれです。人によっては、「妊娠超初期には何も感じなかった」ということも珍しいことではありません。妊娠超初期症状には個人差がありますので、その点には注意しましょう。 予兆に気づいたときに注意してほしい点妊娠超初期症状には、胸の張り、出血、下腹部痛など、生理前の症状と似ている点が多々あります。それらの症状から、「もうすく生理が来るかな?」と思っていたのに妊娠していたという可能性も否定できません。生理前のような状態であっても、妊娠しているかもしれないので注意が必要です。逆に、生理前の症状を妊娠超初期と思い込んでしまうと、生理が来てしまい落ち込んでしまうこともあるかもしれません。妊娠の予兆を感じても、過度に期待しないほうがいいでしょう。 とはいっても、妊娠の可能性はゼロではありません。妊娠の予兆を感じたときは、たばこやお酒、薬などはストップしておきましょう。妊娠超初期症状には、微熱やだるさ、胃の不快感などがあり、自己判断で風邪薬や胃腸薬を飲んでしまう人もいます。妊娠の可能性がある状態で体調不良になってしまったら、自分で薬を服用するのではなく、医師の診察を受けてからにしたほうがいいでしょう。その際には、妊娠の可能性があることを伝えることを忘れないようにしてください。 摂りすぎは良くないとされているカフェインも控えておいたほうが安心です。WHOは、妊婦は1日にコーヒー3~4杯までにすることを呼びかけています。ちなみに、緑茶や紅茶に含まれるカフェイン量はコーヒーの約半分です。妊娠しているのではないかと思ったときは、コーヒーは1日3杯程度まで控えておきましょう。カフェインが多量に含まれるエナジードリンクなどは、1缶もしくは1瓶にコーヒーの2倍のカフェインが含まれています。エナジードリンクの飲用は控えておきましょう。 また、妊娠検査薬についても注意が必要な点があります。市販の妊娠検査薬の多くは、生理予定日の約1週間後から使用可能です。妊娠の予兆を感じてすぐに使用しても、正しい結果が得られない可能性があります。また、妊娠検査薬で陽性がでたとしても、正常に妊娠しているかどうかはわかりません。子宮ではないところに着床してしまう子宮外妊娠や胎盤に腫瘍ができる胞状奇胎などの異常妊娠の可能性もあります。妊娠検査薬で陽性がでた場合は、必ず病院の診察を受けましょう。 まとめ妊娠超初期症状は、早い人で妊娠3~4週目に現れます。妊娠超初期症状の具体的な状態は、知られている生理の遅れやつわりのような症状のほかにも、さまざまなものがあります。体がいつもと違う状態で、「体調不良かな?」と思ったら、妊娠を疑ってみてもいいかもしれません。ただ、妊娠超初期に体調に変化が現れるのか、それはどのような状態なのかは、個人によって大きく差があるという点には注意しましょう。 <参考>・厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2021年02月18日閉経して生理がなくなれば、更年期症状も治まるのでしょうか? 更年期症状は治まっても、閉経すると一気に老け込んでしまうのでしょうか? 気になる閉経後の体の変化を産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。いつになったら更年期症状は落ち着くの?更年期とは、閉経の前後5年間を指します。閉経を迎えても、その後5年間は更年期症状が続きます。それでも50代後半にはエストロゲンがない状態に体が慣れ、落ち着くといわれています。女性ホルモンであるエストロゲンの急激な分泌低下に体が慣れるからです。ただし、ストレスや環境などよっても違い、個人差があります。そのため、50代後半になっても症状が治まらないものは更年期によるものではなかった、ということです。日常生活に支障を来すほどのつらさがあれば、一度検査をしてみると良いでしょう。検査で問題がない場合は、自律神経失調症ということになります。自律神経失調症になる原因の多くは、上質な睡眠が足りないことにあります。生活リズムを整え、適度な運動習慣を持つなど、まずはしっかり眠れる生活を習慣にしてみましょう。エストロゲンがなくなると一気に老け込む?エストロゲンがなくなると一気に老け込みそう……と心配になりますが、必ずしもそうとは限りません。60代、70代でも肌ツヤの良い女性はたくさんいます。たしかにエストロゲンは髪のコシや肌のハリ・ツヤを保ったり、肌のターンオーバーを促したりする作用があります。閉経後はエストロゲンの効果には頼れなくなりますが、なくなるのなら自分で補えばいいのです。それならば高級コスメやサプリで!という選択肢もありますが、せっかくの良い成分も、体内に吸収できないのではもったいないもの。閉経後は血流、筋肉量が落ちて栄養成分を運ぶ力が落ち、加齢とともに細胞も衰えていきます。そこで必要な成分を体内に吸収するためには、「胃腸を健康に保つこと」がとても大切です。閉経後もきれいでいるために必要なこととは?胃腸を健康に保つためには①下痢・便秘をしない、②冷やさない、③もたれさせないの3つに注意が必要です。なかでも「もたれさせない」については、何を食べると胃がもたれるかは、個人差があるもの。世間一般で健康に良いとされるものが、必ずしもすべての人の胃腸に合うとは限りません。自分は何を食べるともたれるか、それまでの経験を思い出しつつ、知っておくと良いでしょう。そして、胃腸のケアと一緒におこなうといいのが、水分補給と保湿です。閉経後は血流が減りますが、水分が少ないと血流は増えません。こまめな水分補給とともに、肌への水分保湿もできるだけたくさん、こまめにおこなうと血流改善に効果的です。まとめアラフィフ世代は、「しっかり眠ること」「胃腸をケアすること」「水分をたっぷりとること」が健康で快適に過ごすためには大切ということでした。50代は若かったときよりも努力が必要なんだなと改めて実感しました!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月11日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第6話。今回は前回に続き、更年期の生理不順の治療についてお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー婦人科の医師の方針により、更年期の生理不順の治療を始めたのですが、現役レベルの大量出血の生理に恐れをなした私。この年であの量の経血をさばき切れないと思い、医師に相談して薬をやめてしまいました。とはいうものの、更年期になったら肌が乾燥して荒れやすくなるけど、ホルモン補充の治療で肌にハリやツヤが出ると聞いたことがあったので、自分の決断に自信が持てず、ほかの人たちはどうしているんだろうと気になるように。そこに追い打ちをかけるように、とある美容本の著者の美魔女がホルモン補充の治療をしていると書いてあるのを読みました。やっぱり美人は治療をしているのか!と心がぷるぷると揺れたので、私より前に更年期の症状が出ていると言っていた2人の美人(同級生)に、更年期症状の治療をしているかどうか聞いてみました。19歳で出産して、私の娘と同じ年の孫がいる1人目の美人は、私と同じく治療を始めたものの生理の経血量が多過ぎて嫌でやめたとのこと。若いころから童顔でお肌がもちもちに見えるもう1人の美人は、最初っから婦人科の医師の方針で治療すらしてないことがわかりました。婦人科の先生に、「別に自分が大丈夫なら治療しなくていいよ」と言われたのが、私が治療をやめた100%の理由ですが、美人の同級生の「私も治療してない」発言は、加齢におびえる私の心をとてもラクにしてくれました。ありがとう美人さんたち!グッバイ生理よ!!※更年期症状の治療は医師と相談の上、おこないましょう。
2021年01月27日誰もが迎える「更年期」。私も更年期を迎える年になり、さまざまな変化を経験してきました。特につらかったのは、51歳からの2年間です。この時期は心身ともにとてもつらい時期でした。そう、まさに「更年期障害」真っ只中に入ったのです。今日は、そんな私の更年期に体験したことをお話ししていきたいと思います。まさかの更年期障害!?私が変化を感じたのは、51歳で閉経を迎えたころです。症状としては、「やる気が全く出ない・疲れる・夜中に何度も目が覚め寝られない・理由もなく落ち込む」。このような症状は、普段通りに生活していても起きる症状ですが、何か原因があり、問題が解決すればなくなるはずです。私が「おかしい?」と思ったのは、これらの症状が悩みや問題もないのに毎日続くことです。朝、起きたときが一番ひどく、どん底状態。仕事に行くのもつらく、人に会うのもつらい。仕事中はそれらの症状を隠し、無理して明るく振る舞います。しかし家に戻り、ソファーに座ったら最後。ソファーから起き上がれないほどの倦怠感。ぐっすり寝ることもできず朝を迎え、また気分はどん底からのスタートです。今はこの症状が更年期障害とわかりますが、このころは「うつ」になったのかな……と思うだけで何もできず、ただただつらい毎日を過ごしていました。どこかで私には更年期障害は起きないと思っていたので、まさかこれが更年期障害とは考えも及ばず。今思えば、45歳ころから疲れがひどく変化は始まっていたのだと思います。そんなある日、半年に1度受けているオーソモレキュラーの血液検査で、医師から女性ホルモン値も調べるようにすすめられました。検査結果は、女性ホルモンの数値が0。この結果を受け、婦人科を受診するようすすめられました。ホルモン補充療法で改善したものの…更年期外来があるクリニックを受診すると、つらいならホルモン補充療法が良いだろうとすすめられました。処方されたホルモン剤を服用し始めましたが、症状は改善されません。再びクリニックを受診すると、「ホルモン剤は数種類あるため、自分にあったものを見つける必要がある」と言われ、ほかのホルモン剤を処方されました。これが私にはとてもよく効き、つらかった症状がうそのように消えたのです。それからは以前のように元気になり楽しく過ごしていたのですが、そんな楽しい日々は2カ月で終わりを迎えます。私は子宮筋腫があるのですが、定期的に通っていた婦人科で、筋腫が大きくなってしまうからホルモン補充療法をすぐにやめるように言われてしまったのです……。そのため、ホルモン補充療法をやめてからは症状は治療前に戻り、またつらい日々が続きました。「いつかは終わる」という言葉を支えにホルモン補充療法を中止してからは、更年期障害に良いと言われることをいろいろ試してみました。漢方薬も更年期障害の治療に良いと言われていますが、私には合いませんでした。理由もないのに落ち込み、今まで楽しかったことにも興味が持てず、淡々と過ごす毎日。そんな中、私を支えていた言葉は「いつかは終わる。終わったらなんだったんだろう?というくらいのものよ」という、更年期障害を乗り越えてきた先輩方のお言葉。そして、生き生き人生を送っている姿でした。私は仕事の量を減らし、自分に無理をさせることをやめました。更年期とは、今まで慌ただしく過ごしてきた人生・生活を整理する時期なのかなと最近になって感じています。まだ完全に更年期障害の症状がなくなったわけではありませんが、3カ月ほど前から明らかにつらかった症状がなくなり心身ともにラクになってきました。こんなに違うの!?あの落ち込み、疲れ、やる気のなさはなんだったんだろう?という感じです。まとめ今、更年期障害に苦しんでいる方もいると思います。つらい症状もやる気のなさも自分のせいではなく、女性ホルモンが原因かもしれません。つらい時期は無理をせず、ゆっくり過ごすだけでいいと思います。私を助けてくれたのは、「いつかは終わる」という言葉と運動。そして、「エクエル」のサプリでした。私はもっと早くクリニックを受診し、更年期に備えれば良かったと今は反省しています。ひとりで悩まず、クリニックを受診し、先生に相談しながら自分に合った方法を見つけてみてください。今がどんなにつらくても、必ず終わりが来ますから!※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)
2021年01月27日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第5話。今回は更年期の生理不順の治療についてお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、初めまして。更年期イラストレーターのやましたともこでございます。かかりつけの婦人科の先生の方針で、更年期の生理不順の治療を始めた私。2週間程度(だったと思う)、飲み薬と塗り薬を飲んだり塗ったりしました。先生が「このタイミングで生理がくるから」と言ったタイミングで生理がきたのですが……。ぎゃあぁぁ~~~~!!!!トイレに行ってびっくりしました。もうカラッカラのカッスカスだった私の生理が、若かりしころに体験していた現役レベルの生理になっていたのです。現役やん! 超現役やん!!現役注意報! 現役警報!!ちょろちょろとかわいい出血の中年生理に慣れっ子だった私には、現役レベルの多量の出血が恐怖でしかなく、すっかり心が折れてしまいました。治療、やめたいな~。
2021年01月26日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。45歳のとき(だったと思う)、生理が遅れたことがありました。そのころ、タイムリーに見ていたドラマで、主役の学生の女の子のお母さんが更年期だと思ったら妊娠だった!というお話があったので「私も45歳で妊娠? うれし恥ずかし3人目!?」と薬局で5年ぶりくらいの妊娠検査薬を購入し調べてみたのですが、普通に妊娠ではありませんでした。その後も待てど暮らせど生理が来ないので、怖くなって婦人科に駆け込むと、まさかの更年期でした。先生によると、更年期の生理不順は治療する人としない人がいるらしいのですが、そのときの私は、初めての生理不順で心の準備もできていなかったので、先生の方針に従って薬で治療することになり、薬を何種類か処方していただきました。薬の名前はすっかり忘れてしまいました……。私が更年期って!!と落胆したのと、更年期って薬で治療するの?とびっくりしたのとダブルでショックを受けたのを覚えています。その後、生理不順があったり……という感じで緩やかに進行していってます。
2020年12月31日閉経を迎えるにあたり、心配なことや不安なこと、気になることはたくさんありますね。そのなかでも今回は閉経の時期のこと、閉経後の体調などについて産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。閉経年齢は母親と同じ時期?遺伝する?閉経年齢は遺伝では決まりません。卵巣にある原始卵胞がなくなったときに閉経となるので、閉経年齢は原始卵胞の数で決まります。原始卵胞は胎児のときに一番量が多く、約200万個あります。早産や難産など出産時にストレスが大きいと、原始卵胞が少なくなると言われているので出産時の状況は、閉経年齢と関係があると思います。閉経年齢を早めたり、遅くしたりする方法は?閉経を早める方法には、「偽閉経療法」というものがあります。薬で卵巣機能を止めて、閉経を起こさせるのです。ただし、子宮内膜症や子宮筋腫の手術時の出血を抑えることが目的なので、「生理が面倒だから早めたい」という理由では基本的には使えません。また、卵巣機能を停止させる薬なので、更年期症状が強まる可能性があります。逆に、「ホルモン補充療法」を受けている人は日本人女性の閉経平均年齢(50.5歳)よりも遅いと感じる人が多いようです。ただし、ホルモン補充療法は更年期症状があるだけでは受けられません。生理が不定期で日常生活に支障を来すほどの更年期障害があることが条件となります。血栓などのリスクもあるので「いつまでも若々しくいたい」といった理由では受けられません。閉経後は、体調がラクになるの?閉経前は女性ホルモンが減るという体の変化に慣れなくてつらいということもあります。閉経後は慣れてくるので少しラクになるでしょう。また、「この原因不明の体調不良は更年期症状だったのね」と、納得できることも精神的にはラクになると思います。ただ、更年期症状というのは、閉経前後5年、10年間における自律神経失調症ということ。更年期が過ぎても同じような体調不良が続く場合は、更年期症状が自律神経失調症と名前が変わるだけです。自律神経失調症は生活習慣の改善が欠かせませんが、漢方薬を利用する方法もあります。まとめいかがでしたか? 基本的には閉経は自然に身を任せて待つというもののようです。閉経すると気持ちがラクになるという面もあると聞いて少しほっとした方も多いのではないでしょうか。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月31日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。45歳ごろから更年期の症状だと思われる症状がぼちぼち体に出てきた私ですが、そのうちの1つに「眠れない」というのがありました。私は2人目の娘を41歳で出産したので、子どもがいなかったときのように自分のペースでぐっすりしっかり眠るという生活はしてなかったのですが、その「眠れない」の質がちょっと変わってきたんです。そのころの私は、子どものトイレに起きたついでに自分も用を足すことが習慣になり、子どもがトイレで起きない夜もひとりでトイレに行くようになっていました。一度トイレに起きても、ベットに戻ると今までどおり眠れていたのですが……。ある夜を境に……。一度起きたら眠れない。眠れない。何をどうしても眠れない。そんな夜が続き、2〜3年前に見た韓国ドラマのことを思い出しました。そのドラマには「夜中にパッチリと目を開けた更年期の奥さんが壁にもたれて何をするでもなく座っているのを見た旦那さんが超びっくりする」というシーンがありました。そのとき私も遠い将来、娘たちが大きくなったころに、このドラマの奥さんみたいに更年期に悩まされる日が来るのかな?と漠然と思っていました。が、まさか2〜3年後という近い将来に同じことを経験するとは夢にも思っていなかったので衝撃でした。あのドラマの、あの高校生と浪人生の息子がいる、あのオバちゃんと同世代なのかと!今思えば、更年期を遠い将来だと思っていたあのころの初々しい私が懐かしく、とてもかわいい思い出です♡ ちなみに、この眠れない症状も、私には出たり出なかったりしています。
2020年12月30日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。今をさかのぼること2年ほど前……(だったと思う。記憶に自信がないのですみません)。酸いも甘いも噛み分けていろいろな経験をした(と思っている)更年期真っ只中の私が、人生初めての「アレ」を経験しました。仕事合間にリビングで温かいお茶をズズズとすすっていたときのことです。突然、上半身が暑くなり、普段汗をめったにかかない私が汗だくになっていたのです!こ、これは……更年期の女性が経験するといううわさの「アレ」では……!?あの〜アレ! アレよアレ!あの〜〜〜「ヒートテック!!!!!」正しくは「ホットフラッシュ」というらしいのですが、年のせいか興味がないのかいまだに正しい名前が覚えられません(笑)。このうわさのホットフラッシュ、2年前の春に1〜2週間程度続いたものの、その後、大丈夫になり、今年の秋までまったく音沙汰がありませんでした。今年の秋に再度、2週間程度経験したのですが、私の体には季節の変わり目に出やすいのかな?と勝手な推測をしています。どうせ出るなら、凍えるように寒い冬に出て来てちょうだいな!と思っている今日このごろでございます。
2020年12月29日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、初めまして。更年期イラストレーターのやましたともこでございます。私は1972年生まれ、ねずみ年の48歳です。娘2人(小1と小3)と3歳年下の夫と4人で楽しく暮らしています。2コマ目のようにマンガでは自分を好きなだけ若々しく盛りまくれますが、現実の世界では、数年前から本格的な老化に悩まされ困り果てています。更年期の症状に併せて、病気やけが、さらにはお肌の悩みなどなど、若いころはすぐに治っていたいろいろな症状は、もうすべて治るわけではないんだな……と、最近やっとイヤイヤながら悟りました。私はできれば老化を認めたくなかったイタいタイプだったので、自分の老化に目をつぶり、対策に大きく遅れが生じて、今になって見苦しくあがいてる状態です。このマンガでは、そんな超出遅れのアラフィフの私が老化と向き合う日常と苦悩を紹介させて頂ければと思います。よろしくお願いしま〜す♡よろしくお願いしま〜す♡
2020年12月28日生理が不順になり、そろそろ更年期だなと思ってくると、いろいろな症状を更年期だからと思うことに慣れてしまっていました。そのため不眠、下痢、1回当たりの尿量がたらっと出るぐらいでトイレが近いなど、あとから思えば更年期以外の理由も考えられる症状を見逃してしまいました。そしてある日、急性心不全と診断されてしまったのです。育児と介護で自分のことを考える時間がない結婚と同時に、ほぼ寝た切りの義母の介護が始まりました。介護は覚悟していましたが、41歳という年齢的に子どもはできないと思っていたのに突然の妊娠。ありがたいことですが、人生設計の立て直しを余儀なくされました。義母の介護をしながら仕事に行っていたら切迫流産になり、安静が必要になりました。その後、無事出産。仕事は出産のタイミングで退職したものの、40代での育児は大変でした。出産して4、5年たったころから、ひとり暮らしをしていた足の悪い実母に認知症の症状が現れて実母の介護も加わり、自分のことなど考える暇がありませんでした。更年期症状と思っていたら急性心不全だった50歳で閉経を迎え、不眠、下痢、トイレが近いなどの症状が見られるようになりました。子どものことや義母と実母のことなど自分以外の人に対しては、目配り気配りするけれども、自分の症状は全部更年期のせいだと自分を納得させていました。しかし、ちょっと動くと下痢しやすく、横になっていることが多くなり、咳をしていることが気になった夫がこのままじゃいけないと近所の病院に連れて行ってくれました。自分では気付かなかったのですが、不整脈の1つである心房細動が見られ、血圧が測れない状態に。酸素マスクをして、近所の病院から救急車で救急病院へ搬送され、急性心不全との診断がおりました。命に関わる経験をして思ったことその後入院して、カテーテルという細長い器具を心臓内に挿入する検査をおこない、心房細動を引き起こす部分を高周波電流で焼き切るアブレーションという治療をするなど、合計で25日間入院しました。突然命に関わる状態になったことで、驚きのあまり現実なんだろうかと思いましたが、これまでに思い当たる症状がいくつもありました。医師によると横になって眠れないのは、心臓のポンプ機能がうまく働かないと肺の中に水がたまってしまい、溺れているのと同じ状態になるためで、咳もそのせいだったそうです。下痢も心臓のポンプ作用がうまく働かず腸に水がたまったからで、尿量が少ないのも腎臓にうまく血液が運ばれていないからとのこと。全部更年期のせいだと思い込んでいた自分が今思うと怖いです。退院後は、安静にする時間を設けたりして無理をしないように過ごし、通院をして内服薬と定期的な検査のおかげで、3年後にはパートですが仕事に行くことができました。まとめ私は更年期だからと自分の不調に気付かない振りをしていました。そのなかに大きな病気が隠れているかもしれないと思いながら、こういう状態になるまで放置してしまいました。もし病院に行くのが何日か遅ければ、今この世に存在していない可能性もあります。安易に更年期だからと思わず、定期健診をしっかり受けて自分自身の体と付き合っていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月20日40代になってから、「生理が今までと違う」と感じたことはありませんか? 更年期症状や閉経のことが気になる年代が抱えやすい生理の悩みについて、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。生理がいつもと違う=閉経のサインではない!40代になると卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが崩れ、生理が乱れやすいのは事実です。しかし、だからといって生理不順のすべてが更年期症状であり、閉経のサインというわけではありません。閉経の前後5年間、合計10年間を更年期と呼びますが、閉経前の生理不順が更年期によるものだったとわかるのは閉経になってから。生理不順の原因には、さまざまな病気が隠れていることもあります。閉経が近づくと回数が減っていきます閉経が近づくと、生理の回数が1カ月おき、2カ月おき……と少しずつ減っていくことが多くなります。その後、1年間継続して生理が来なければ閉経となります。ただ、8カ月なかったのに生理が来たという生理不順が潜んでいることもあります。それまで順調に生理が来ていたのに突然止まるというケースは少なく、多少なりとも不安定な時期を経て、閉経に向かっていくと言えます。量は多かったり少なかったり、人それぞれ回数は減っていきますが、量については個人差があります。閉経が近づくと量が減っていくと思っている人も多いようですが、必ずしもそんなことはありません。卵巣機能が低下してホルモンバランスが崩れることで急に多くなったり少なくなったりと、経血の量は乱れやすくなります。生理が今までと違うからといって慌てる必要はありませんが、年1回の健康診断は必ず受けてセルフチェックしておきましょう。そのとき、婦人科のがん検診とエコー診断を受けるとさらに安心です。まとめいかがでしたか? 閉経が近づくと、生理の回数や量がそれまでとは違ってくるということがわかりました。ただ、閉経とは関係ないケースもあるということも忘れずに。定期的に健康診断を受けて、セルフチェックすることが大切です。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月20日頭痛にはさまざまな痛みがあり、原因もさまざまです。更年期症状から来る頭痛もありますが、きちんと診察をしないとわかりません。ただ市販薬を飲み続けるのは良くないので、頭痛が続く場合は早めに受診を考えましょう。そこで受診のタイミングや治療法を産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。更年期症状の頭痛はさまざま更年期症状として、頭重感(頭が重くて晴れない、雲がかった感じ)を訴える方は多く見られます。はっきりとした頭痛の多くは緊張型頭痛と片頭痛です。緊張型頭痛とは頭全体がきつく締められるような痛みで、片頭痛は頭の片側がズキズキと脈打つような痛み。片頭痛は光や音に過敏になる、吐き気やおう吐を伴うこともあります。片頭痛は卵巣ホルモン、特にエストロゲンの減少が明らかな誘因の1つといわれ、閉経前に悪化することが多いようです。緊張型頭痛は必ずしもエストロゲンが原因とは言えませんが、閉経後に症状が悪化したというケースが多いようです。そのほかにも頭痛は、高血圧や脳腫瘍、脳血管の異常が原因のケースもあります。また、頭痛の原因には歯のかみ合わせ不良や眼精疲労などもあります。頭痛薬でなかなか治らないなら相談を市販の頭痛薬を飲んでもなかなか治らない場合は、高血圧や脳腫瘍、脳血管の異常など怖い病気が原因のケースもあります。ただ漫然と鎮痛剤を飲み続けるのではなく、医療機関に相談しましょう。神経内科や脳神経外科では、頭痛外来として専門外来をしているクリニックも多くあります。更年期症状の頭重感なら、ホルモン補充療法(HRT)が有効であることもあります。また、鎮痛薬に併用して漢方薬では「葛根湯(かっこんとう)」や「五苓散(ごれいさん)」「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」などが処方されます。激しい頭痛が続く場合はほかの病気の可能性も更年期によくある症状の頭痛ですが、吐き気を伴った激しい頭痛や発熱、首の後ろも痛むような頭痛が続く場合は、ほかの病気が隠れていることもあります。気を付けたい疾患としては、脳出血、髄膜炎、脳腫瘍、脳動脈瘤、くも膜下出血など。自己判断はしないで早めに脳神経外科にかかることがおすすめです。高血圧が原因の場合は内科で相談し、降圧剤や鎮痛剤の薬物治療がおこなわれます。歯のかみ合わせ不良や眼精疲労が原因の頭痛は、歯科や眼科へ相談します。日ごろから睡眠不足やスマホの使い過ぎに注意さまざまな原因が考えられる頭痛ですが、睡眠不足やストレス、スマホやパソコンの使い過ぎ、近いものを長時間見る、運動不足による筋緊張などから頭痛が起こることもあります。そのため普段から、しっかり睡眠を取り、ストレスをうまく解消させ、スマホやパソコンを使う場合は定期的に休憩を挟むなどを心がけることはとても大切です。首や肩の凝りから頭痛につながることもありますので、ストレッチ体操なども効果的です。まとめ頭痛があると、なかなか日常生活がスムーズにいかないもの。更年期に限らず、頭痛はよくあることと市販薬を飲んで済ませることもあるかもしれませんが、やはり頻繁に薬を使う状態は良くありません。症状が続くようなら早めに受診して原因を探り、きちんとした治療を受けることが大切ですね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月03日更年期に現れる全身症状として体が冷えることもあります。もともと女性に多い冷えですが、更年期になるとさらに症状がひどくなることがあるようです。さらに心配なのは、冷えにはさまざまな病気が隠れていることも。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に受診の目安や治療、セルフケア法を聞いてみました。体の「冷え」はなぜ更年期に悪化する?更年期による体の冷えの原因は、卵巣ホルモン(エストロゲン)の急激な分泌低下によって自律神経が乱れ血行不良を招くことです。そのほかにも血液がドロドロ、動脈硬化、糖尿病などによるもの、摂取カロリー不足、運動不足、ストレス、心臓が弱っていることが原因として挙げられます。症状としては、夏でも手足は冷たいまま、カーッとのぼせてもエアコンはつらい、お風呂で湯船につかっても体がなかなか温まらない、厚手の靴下をはいても足が冷たくてなかなか眠れないなどがあります。体の「冷え」がつらいとき、受診は必要?以前よりも体が冷えてなかなか眠れない、体が冷えて体を動かすのもしんどい、家事ができないなど日常生活に支障が出るようなら婦人科への受診を考えましょう。更年期の時期はさまざまな症状が現れるので、どれも更年期が原因と考えがちですが、ほかの病気だったというケースもあります。更年期の症状から来るものかを確認することも大切です。婦人科では生活改善指導と漢方治療から婦人科では、生活改善の指導に加え、エストロゲンを体に補充するホルモン補充療法(HRT)も検討されますが、まずは生活改善の指導と漢方治療を試みることが多いです。東洋医学的に冷えとは瘀血(おけつ/血の流れが悪い・ドロドロ)血虚(けっきょ/貧血・血の質と量が足りない)水毒(水分の巡りが悪い)陽気不足(エネルギー不足で元気がない、ストレス過多)などが原因で、気逆(頭はのぼせ、手足が冷える状態)になるといわれます。漢方症例としては「温経湯(うんけいとう)」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などが処方されます。生活習慣病が疑われたら内科を受診健康診断でコレステロール、血糖値が高かった場合、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病が疑われますので、内科を受診しましょう。まず検査をしてそれらが原因であるのなら、それを治療することで冷えも改善していく可能性があります。冷え改善にはセルフケアも有効冷えは普段からのセルフケアでもかなり改善できるといわれています。基本は血液をサラサラにし、体を温めるような食事を心がけ、運動を定期的におこなうことです。おすすめの食材は根菜類、しょうが、唐辛子、にんにく、ねぎ、味噌、梅干し、酢など。毎日の食事で意識して摂るようにしましょう。また、筋肉量アップのための魚や肉、豆類などのたんぱく質もしっかり摂るように。運動は無理なく毎日続けられるものならなんでも大丈夫。ウォーキングなどがおすすめです。あえて運動の時間が取れないようなら通勤や買い物のときに、少し長めに歩くなどの工夫を。服装は首、手首、足首やおなかや腰などを冷やさないものを身に着けます。血管を収縮させ、血圧上昇につながり心臓に負担をかけるたばこはやめましょう。放っておくとさまざまな不調を引き起こすことも冷えを放っておくと肩凝り、腰痛、胃腸の不調や不眠、生活習慣病などさまざまな体の不調を引き起こすことがあります。通常、体は37度ぐらいの体温で免疫力や代謝機能が一番力を発揮することができます。体が冷えるとその力が落ちてしまうため、不調が出やすくなってしまうのです。冷えを感じたら、まずはセルフケアを実践し、改善が見られないようなら婦人科や内科を受診し、原因を確認し治療を受けましょう。まとめ更年期はさまざまな症状が出るため、受診するタイミングに悩むこともあると思います。まずは自分の症状を把握し、生活習慣なども見直して、それでも改善せず支障が出るようなら我慢せずに受診しましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月02日疲れやすい、疲れが取れない、だるい、やる気が出ないなども更年期の症状の1つですが、自己判断は禁物。必ずしも更年期の症状から来ているとも限りません。原因をきちんと調べ、必要な治療を受けるのがおすすめです。それらの症状には更年期症状なのか、ほかにどんな病気の可能性があるのか、何科にかかればいいのかなど、産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。疲れが取れない、やる気が出ない場合は何が原因?更年期には、疲れやすい、疲れが取れない、だるい、何もやる気が出ないなどの症状が出ることがあります。診療の中で相談されることが一番多いといっても過言ではなく、皆さんが悩んでいる症状と言えます。これは卵巣ホルモン、特にエストロゲンの分泌量が急激に減っていくことが原因です。ただ、全身のだるさや倦怠感は貧血、甲状腺機能低下症などから来ることもあり、何もやる気が出ないのはうつ病から来ているのかもしれません。まずは何が原因でその症状が出ているのかをきちんと診断してもらうことが治療のスタートとなります。どんな状態だったら医療機関への受診が必要?疲れやだるさ、やる気が出ないことで、家事も進まない、出かける気も起きない、自分で気分転換もできないなど日常生活に支障が出るようなら受診を考えましょう。更年期にそれらの症状が出ているようなら、まずは婦人科に相談してみるのが良いでしょう。婦人科ではカウンセリングから働き過ぎ、気づかい過ぎ、睡眠不足、運動不足はないか、食事はしっかり摂れているかなどを問診して、生活習慣の見直しを提案します。検査の結果や症状から他科の受診をすすめられることもあります。婦人科以外の受診をすすめられるケースも婦人科でおこなった検査で、貧血や甲状腺機能の異常がある場合、もしくは更年期症状以外の症状を伴った全身の疲れやだるさがひどい場合は、内科での治療がおすすめされます。何もやる気が出ない、食欲もないということであれば心療内科や精神科への受診も提案されます。診療、治療の流れ・セルフケアは?のぼせ、発汗など、更年期のほかの症状も伴っている場合は、エストロゲンを体に補充するホルモン補充療法(HRT)が有効で、漢方療法も検討します。漢方では、体の元気を補う“補剤”といわれる人参養栄湯(にんじんようえいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが有効である可能性があります。内科では、貧血があるようなら鉄剤の投与、甲状腺機能低下症であれば甲状腺ホルモン剤が投与されます。改善されるまでに2~3カ月かかることもありますので、つらいかもしれませんが長い目で考えましょう。精神科などでうつ病から来るものだと診断された場合は、カウンセリングと併用しながら抗うつ剤が処方されます。また、補助的に漢方薬を処方されることもあります。セルフケアとしては、まず頑張り過ぎないことが大切です。20代、30代と同じように働くことは難しい体になりつつあるのが更年期。周りのため、家族のため、仕事のため、休まず働くのではなく、ぜひ自分のために自分のペースで動きましょう。状況的になかなか難しいかもしれませんが、常に余力を残すことが症状緩和のコツです。また、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。睡眠は6時間以上、糖分、油分は控え、ビタミン、ミネラルをたっぷり摂って栄養バランスの良い食事と適度に体を動かすことが大切です。更年期世代はうつ病を発症しやすい更年期の女性は、子どもの進路や夫との関係、親の介護や職場での責任、立場の変化、さらに加齢に伴う身体的な変化など、さまざまなストレス状況が重なり、それが女性ホルモンの急激な減少と複雑に絡み合うため、うつ病の好発年齢といわれます。実際、閉経前と比較すると罹患率がかなり高いというデータもあります。うつ病の治療は薬物療法と精神療法でおこない、近年、依存性の少ない抗うつ薬も普及していますので、悩むよりまずは受診するのがおすすめです。まとめ疲れやだるさ、やる気のなさで病院にかかるのは、なんとなくちゅうちょしてしまうこともありますが、それらが原因で日常生活が立ち行かず、生活習慣が乱れてしまうようであれば、やはり専門家に診てもらうことが必要です。体が動かないということは、体がなんらかの助けを求めているため。自分だけで解決しようとせずに早めに受診しましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月01日更年期症状の1つといわれている首や肩の凝り。ただ、女性ホルモン(エストロゲン)減少だけが原因ではない可能性もありますし、凝りがひどくなると頭痛を引き起こすこともあります。そこでセルフケア法を含め、改善策を産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期の首や肩の凝りの主な原因と症状更年期はエストロゲンの分泌量が低下することで自律神経が乱れ、血液循環が悪くなります。そのため筋肉に酸素や栄養が行き届かず、老廃物や疲労物質の回収などもスムーズにいかず首や肩に凝りが出るといわれています。ただ、それだけではなく加齢による筋肉の衰えも原因の1つです。首や肩の凝りを放っておくと、悪化して頭痛などにつながることもあります。症状緩和のためにまずセルフケア肩や首の後ろがかたくなり頭痛などが起こっているようなら薬物療法が必要になることがありますが、まずはセルフケアや鍼灸、マッサージなどを試してみましょう。首や肩の凝りを緩和するためには血行を良くして筋肉をほぐすことが大切で、手軽に始められるのは毎日のストレッチです。そのほかにも寝具のフィット感を確認したり、運動の習慣をつけることもおすすめです。首・肩甲骨をほぐすストレッチが効果的セルフケアとして、首や肩甲骨をほぐすストレッチが効果的です。以下のものを試してみてください。*肩のストレッチ…肩の高さに腕を横に上げ、片方は手のひらを上に、反対は下に向け、ぞうきんを絞るような要領で両方の手のひらが逆向きになるようにねじります。ゆっくり10回繰り返して。*首のストレッチ…肩の力を抜いて首を回します。同じ姿勢を続けたときなど、右回り、左回りに2~3回ずつ回してみましょう。また、鍼灸やマッサージ、整体やアロマトリートメントなども効果があります。自分が試してみたい、気持ちが良いと感じるものを受けてみましょう。医療機関受診の目安は?セルフケアをおこなっても改善しない、頭痛で毎日の生活に支障を来すような場合には、整形外科や内科、婦人科を受診してみましょう。整形外科では鎮痛剤、筋弛緩剤のほか、赤外線、ホットパックなどの温熱療法、脊椎を伸ばす牽引法などで治療していきます。婦人科や内科では首や肩の凝りの症状に合わせた漢方薬が処方されます。葛根湯は風邪薬のイメージがあると思いますが、肩凝りにも効くとされます。また、肩凝り・頭痛は漢方学的に瘀血・水毒の所見とされ桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)も効果的です。さらに凝りがひどい場合は、麻酔科(ペインクリニック)での治療もあります。痛みを起こす部分(トリガーポイント)に神経ブロック注射をおこない痛みをなくします。ブロック注射は局所麻酔と同様なので、本当に激しい症状のときにおこなう治療法です。起こりやすい病気と注意したいことこの時期に肩凝りと勘違いしやすい症状に、五十肩(肩関節周囲炎)があります。棚の上の物を取ろうとして手を上げたときなどに痛みが出るもので、肩の関節が炎症を起こしている状態です。この場合はもんだりしないで、整形外科を受診して安静にしながら消炎鎮痛剤で痛みを抑えます。その後、再発しないようリハビリ指導などを受け経過を見ます。放っておくと、関節が固まってしまうこともありますので注意しましょう。まとめ首や肩の凝りは更年期でなくても、ずっと抱えてきた人もいるでしょう。ただこの時期は、ホルモンバランスの乱れからさらにひどくなりがちです。以前より意識しながらセルフケアや代替医療などを取り入れると良いようです。放っておいても良いことは1つもありません。ぜひすぐにできることから試してみましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月30日■更年期のイライラや不安どんなときもポジティブでいたいですよね?それなのに、「特別な理由も無く暗い気持ちになったり」「以前は興味があったものが楽しめなくなったり」「些細なことにイライラしてしまったり」。そんなイライラや不安を感じたことはありませんか?女性ホルモンの変化を受けて、気持ちの揺らぎを感じる女性は少なくありません。うつ病が女性に多いことは世界的な傾向でもあります。その中でも特に気をつけたいのが、更年期の時期です! ここで一旦立ち止まって、自分の心の中を見渡してみませんか?■PMS(月経前症候群)と似ている?イライラや不安を感じるタイミングを考えたとき、女性がまず最初に思い浮かぶのは、「PMS(月経前症候群)」ではないでしょうか。生理前についイライラしたり、不安に感じられたりすることってありますよね?女性は一生のうちに、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、妊娠、出産後、更年期と、イライラや不安を感じやすい時期をたくさん経験します。共通点は、エストロゲンやプロゲステロンなど、女性ホルモンの変化です。しかし、PMS(月経前症候群)と更年期障害の症状の現れ方、影響の仕方には、大きく違いがあります。あなたが影響を受けているのはどちらですか?PMS(月経前症候群)月経の10日~数日前から、腰痛や腹痛、乳房痛、むくみ、便秘、下痢、吐き気などの身体症状やうつ状態、イライラ感、不安感、過眠などの精神症状が出ることがあり、月経開始とともに症状が軽くなる特徴があります。月経が始まる前に起こるなど月経周期と連動しているなら、PMS(月経前症候群)が影響しているのかも。更年期障害月経周期に関係なく症状が現れており、ほてりやのぼせ、めまい、動悸、トイレが近くなる、手足の冷え・しびれ、頭痛、肩こり、腰痛、倦怠感、耳鳴り、目のかすみ、息切れ、食欲不振、腹痛などの更年期障害特有の他の症状も感じられている場合は、更年期での身体の変化が影響しているのかも。■更年期のイライラや不安に影響があるのは?更年期の時期に、イライラや不安を感じやすくなる理由として、女性ホルモンの影響も加えて大きく3つ挙げられます。原因はひとつではなく、複数あるかもしれません。原因その1.自律神経系の乱れ更年期に、卵巣機能が低下すると、女性ホルモンは急激に減少します。閉経すると、徐々にゼロに近づき、卵巣からはほとんど分泌されなくなります。女性ホルモンは脳の視床下部によってコントロールされている関係で、同じく視床下部で管理されている自律神経にも影響が出て、イライラや不安感を感じやすくなります。原因その2.女性ホルモン(エストロゲン)の減少閉経に伴って女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すると、脳内の神経伝達物質セロトニンが不足します。エストロゲンには、脳でのセロトニン活性を高めて、不安や焦燥感を抑える役割があります。エストロゲンとセロトニンは同調して動くため、エストロゲンが欠乏するとセロトニンも減少します。セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、興奮や怒りなどの感情を抑えて精神のバランスを保つ役割を担っているため、不足すると、心の安定が崩れ、イライラ、不安、悲しみ、怒り、恐怖、緊張など、さまざまなネガティブな感情が暴走しやすくなり、うつ病の症状にも重なります。エストロゲンが急激に低下するのは、更年期の時期だけでなく、月経前や出産直後も同様です。男性よりも女性の方がうつ病を発症しやすいことの理由のひとつとして、女性が脳内でセロトニン不足を起こしやすいことが挙げられます。原因その3.生活や家庭での役割の変化子どもの成長や巣立ち、夫婦関係や介護の問題などで生活は大きく変わりやすいです。結婚や就職、進学などで子どもが親元を離れ巣立っていくことは喜ばしいことですが、一方で「母親」としての役目が終わってしまったことへの寂しさが喪失感となってうつ状態に陥ることもあります。これは鳥の雛が巣立っていく様子にたとえて「空の巣症候群」と呼ばれます。また、自らの身体の老化を強く意識してしまったり、老後の生活への不安を感じたり、心理的、社会的背景の複雑な絡み合いを受けて、ストレスを感じやすい環境にあることも忘れてはいけません。■まずは自分でできることを1.食習慣を見直す日々の食習慣を整えることも、イライラや不安のためにできることのひとつです。例えば、糖質に偏った食事(スイーツやパスタ、カレーライスなど)や早食い、欠食など習慣化し、血糖値の乱効果を引き起こすと、イライラの原因になります。血糖値が急上昇した分、血糖値を下げるためにホルモン・インスリンが過剰に分泌されることで、今度は血糖値が急降下し、食後4〜5時間後には低血糖になります。急な血糖値の低下は、身体にとって危機的状況のため、自律神経のうち交感神経が優位になってイライラの原因となります。また、セロトニンの材料となるたんぱく質、生成に必要な鉄、マグネシウム、亜鉛などの栄養素を、しっかり摂ることがおすすめです。2.良質な睡眠睡眠には、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンである「コルチゾール」の分泌量を適正化し、ストレスから回復させる働きもあります。イライラや不安することが多かった日は、気持ちの回復のためにもしっかり睡眠をとることがおすすめです。3.ストレス発散・運動一定のリズムを繰り返す運動をすると、心の安定に繋がる「セロトニン」の分泌が高まります。特に、ウォーキング、ジョギング、サイクリングのような一定の動きを繰り返す運動は、セロトニンの活性に適しています。また、意識して行う呼吸法もリズム運動のひとつです。ストレッチやヨガは呼吸法を取り入れているため、これらもセロトニンの活性化が期待できます。よかったら、ここでご一緒にヨガのポーズをひとつチャレンジしてみませんか? 子どものポーズは、心と身体に安らぎを与えるポーズです。1.足の親指を重ねない状態で正座の姿勢をし、背筋を伸ばす。2.両手を前方の床につく。3.息を吐きながら、手を前にすべらせるように、骨盤から上半身を前に倒し、おでこを床につける。4.首や肩の力は抜き、背中や腰は丸くなった状態で柔らかく保つ。体の重さに身を任せるようにリラックスする。4.家族や友人に話をする・お薬の助けを借りる心の不調を感じることが多くなったり、長期間症状が続く場合は、ひとりで抱え込まず、誰かに相談したり、病院やお薬の力を借りたりすることももちろん選択肢のひとつです。■病院に行くとしたら?イライラや不安など、精神的に不安定な状態が二週間以上続いたり、「変だな」と感じたとき、まずご家族やご友人など周りの方に相談してみてください。 そして、婦人科や精神科に相談してみることをおすすめします。セルフケア方法を取り入れても、イライラの悩みが改善しない場合は、まずは気軽に婦人科を受診してみてください。エストロゲンを補充するホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方療法やカウンセリングなど、症状やその方にあった治療を選択します。いくつかの治療を組み合わせて最適な治療法を主治医の先生と見つけていきます。そして、更年期障害の症状はうつ病の症状とよく似ており、判別が難しいとも言われています。精神神経症状が強い場合には,「不安神経症」「睡眠障害(不眠症)」「更年期うつ病」という病名の方がふさわしいこともあり,婦人科のみならず心療内科や精神神経科での加療を必要とする場合があります。イライラや不安については、自分でなんとかできると感じられれやすい症状かもしれません。強く自分の意識を持つことで、もしかしたら乗り越えられることもあるかもしれません。しかし、身体の変化として、イライラや不安を感じやすくなっている中で、毎日自分の意思だけで頑張っていると、どうしても心身ともに疲れが出てきてしまします。まずは、生活の中でできることや新しい習慣にトライすること、そして周りにいる方を頼ることは、あなたのひとつの良い選択肢になってくれるかも。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月30日更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。医療機関への受診の目安は?症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。はじめは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。婦人科以外の受診をすすめられるケースものぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診がすすめられます。診断・治療の流れとセルフケアは?治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。HRTはエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状のなかでも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。セルフケアの1つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。【自立訓練法】●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。①気持ちがとても落ち着いている。②手足が重い。③手足が温かい。④心臓が静かに打っている。⑤呼吸がラクになっている。⑥おなかが温かい。⑦額が涼しい。●終了のための消去動作をおこないます。①手足が軽い。②手足の温かさが引いてくる。③おなかの温かさが引いてくる。④額の涼しさが引いてくる。⑤気持ちがとても落ち着いている。●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。起こりやすい病気と注意したいことホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。まとめのぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月29日■更年期になると、しっかり睡眠をとることが難しくなりやすい「しっかり寝たのに、眠気が強い」「疲れているはずなのに、これまでのように寝付けられない」睡眠不足だと、仕事をしているときや家事をしているときなどあらゆる場面で、心身に不調を感じることを想像することができますよね?睡眠は、日中の眠気やだるさなど身体の不調だけでなく、仕事の効率やモチベーションといった気持ちの不調や風邪を予防するための免疫、ダイエットや美容にも大きく影響しています。ですが、更年期女性の多くの方が睡眠障害を感じると言われています。これをきっかけに、睡眠へのこだわりが強くなったり、眠れないことが不安に感じてさらに悪化してしまうこともあるようです。更年期には女性ホルモンが激減するだけでなく、子どもの独立や身体の衰えなど多くのストレスに直面し、さまざまな更年期症状が出現する中で、睡眠をしっかりとることがより難しくなっている状況がみられるようです。■どうして更年期になると寝不足を感じやすいのか ?更年期の時期に寝不足を感じやすくなる原因としては、「更年期障害によるもの」と「加齢に伴うもの」の大きくふたつがあります。原因その1.更年期障害によるもの女性の身体は「月経」「妊娠・出産」「閉経」を通して、大きなホルモン変化があり、それに伴い睡眠も変調をきたしやすいです。ご自身でも振り返って考えてみたとき、これまで生理のリズムと眠気が連動していると感じてきた方も多いのではないでしょうか ? 更年期の時期になると、のぼせ・発汗・動悸・イライラなどの症状がきっかけとなり、睡眠の不調を引き起こす場合があります。また、更年期の時期に女性ホルモンの影響を受ける変化のひとつに「自律神経系の乱れ」があります。交感神経は、仕事をバリバリこなしているときや運動しているときなどに、優位になります。リラックスしているときやまったりしているときなどには副交感神経が優位になります。これらがバランスを保つことで、元気に頑張れたり、ゆっくり休息をとることができるのですが、更年期の時期は、このバランスが乱れやすくなります。・交感神経が勝手に優位になってしまう「夜眠りたいのに眠れない」「深夜のホットフラッシュで目が覚めてしまう」・副交感神経が勝手に優位になってしまう「日中なのに強烈に眠い」「朝起きたいのに起きられない」という状態になりやすくなり、より寝不足を感じやすくなるのです。原因その2.加齢に伴うもの加齢に伴い、夜中に目覚めてしまったり、熟睡感が減ることは自然なことです。睡眠には、レム睡眠・ノンレム睡眠のふたつがあります。・レム睡眠身体を休める眠り(浅い眠り)・ノンレム睡眠脳を休める眠り(深い眠り)一晩寝ている時間に、このふたつが交互に4〜5回繰り返されるのですが、加齢によってノンレム睡眠の最も深い部分が少なくなっていきます。また、年齢を重ねるごとに、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが不安定になっていき、「ぐっすり眠れた」と感じる「熟睡感」を低下させます。更年期障害の症状が出ていないのに、睡眠の不調がある場合は、加齢によるノンレム睡眠(深い眠り)の減少が原因のひとつかもしれません。■生活の中でできること厚生労働省が睡眠障害対処のために出している指針があります。ぜひこの機会に、日々の生活の中で当てはまるものがないかチェックして、今日から実践してみませんか ?1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を取り入れる3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない4.同じ時刻に毎日起床5.光の利用でよい睡眠6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣7.昼寝をするなら、15時前の20~30分8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全■睡眠薬って怖い ?日々の生活を見直しても、忙しいときはどうしても睡眠時間を確保することが難しかったり、なかなかすぐに改善できないときもありますよね。そんなとき、睡眠障害について、次の選択肢となるのは「睡眠薬」です。でも「なんとなく飲みたくないな……」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。癖づいてしまうなどの怖いイメージをもっている方もおられるかもしれませんが、また違った一面もあるようですよ。まず、実際に更年期障害と診断をされた女性のうち、どのくらいの方が睡眠薬を処方されていると思いますか ? 実は、40〜60代まで、おおよそ20%の方は睡眠薬を処方されています。5人にひとりの方に処方されているということを考えると、頻度は多いように思えるかもしれませんが、更年期女性の約半数が不眠といわれていることを考えると、更年期で不眠症状があっても、睡眠薬を飲まない選択肢を選ばれる方も多いようです。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。そう思い込んでいる方もいるかもしれませんが、最近の睡眠薬はそういう心配はありません。かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありましたが、現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使えます。ただし長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません! 医師の指導の元に適切に使用することが大事です。また、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬も売られていますが、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確認されていないので、自己管理で長期間飲み続けることはおすすめできません。主治医の先生の元、適切なお薬で調整してあげてください。■病院に行くとしたら ?病院で睡眠障害について相談すると、基本的に不眠のタイプに応じた「睡眠薬」を使うことが多いです。また、更年期女性の不眠はうつ・不安との関係が強いため、併せて治療をおこなうことが重要です。不安やうつ傾向などがある場合には、「抗不安薬」や「抗うつ薬」を併用します。そして、のぼせなど血管運動神経症状が眠りを妨げている場合には、「ホルモン補充療法(HRT)」が有効といわれています。適切な処方と管理が必要ですので、婦人科医に相談しましょう。睡眠と関係のあるホルモンを調べた研究によると、更年期障害で行われるホルモン補充療法(HRT)により女性ホルモンのエストロゲンの投与をした人は、睡眠の質がよくなったという結果もあります。以前のようにぐっすり眠りたい……。そう感じたときは、日々の食事や運動、生活習慣を見直すチャンスかもしれません。その中で、睡眠薬を使って寝不足を解消することは、安心して使うことができる選択肢のひとつです。また、不安な気持ちがあなたの睡眠に影響を与えている可能性もあります。もし睡眠障害で悩んでいたら、まず最初にこれまでのご自分の様子を振り返り、医師に相談してみるのがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月29日