俳優の柳楽優弥が主演を務める『映画 太陽の子』(8月6日公開)の特別映像が5日、公開された。同作はNHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作。原爆開発を背景に、時代に翻弄される若者たちの苦悩と青春を事実を元に描いた物語となる。終戦記念日の8月15日にNHK総合で放送され大きな反響を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽優弥)・世津(有村架純)・裕之(三浦春馬)それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を、より深く描きだした。今回公開されたのは、福山雅治が歌う主題歌「彼方で」に乗せた特別映像。動画では、柳楽演じる修、有村演じる世津、三浦演じる裕之3人の想い・絆にスポットをあて、彼らが未来へ向けて駆け抜けた300日の日々を紡いでいる。波間を漂うボートの上でどこか遠くを見つめる主人公・修の姿が映し出され、音楽がスタート。修と、幼馴染の世津、修の弟・裕之の3人で過ごすひと夏を切り取った映像とは対照的に、時折挟みこまれる戦時中の記録映像が、戦争の凄惨さや人類の愚かさを突きつける。最後は、「いっぱい未来の話しよう」と固く手をつなぎ合う3人の姿で締めくくられた。同作は日本とハリウッドのキャスト&スタッフが集結した日米合作映画としても話題になっているが、特別映像でも国を超えたコラボレーションが実現した。編集を手がけたのは、MTVビデオミュージックアワードにノミネートされた8億回を超える再生数を叩き出したマシュメロの『Happier』のミュージックビデオや、MGM製作『スターゲイト オリジンズ』シリーズなどを手掛ける、アンジュム・アグラマ。ロサンゼルス出身のアグラマはかねてより親交があったプロデューサーの森コウづてで見た本作に大きな感動を覚え、今回のミュージック動画の制作を買って出た。○アンジュム・アグラマ コメント『映画 太陽の子』を拝見し、すぐさまに、核軍拡競争の史実を伝えながらも、非常に感動的で人間的なアプローチをとっていると感じました。この映画は個人的な問題と世界規模での問題、両方のバランスが上手くとれており、シュウ、ヒロユキ、セツの挑戦と夢に向かう姿に共感することができ、とても楽しむことができました。このプロジェクトに参加できると伺いワクワクしましたし、福山雅治さんの美しい曲に合わせて、『映画 太陽の子』の映像をアレンジするというアイデアがすぐに気に入りました。「彼方で」は、本作の主人公が体験する愛、ノスタルジア、喪失という生身の感情を完璧に捉えているため、編集者としての私の仕事は非常に苦労の少ないものでした。歴史的にとても重要な時代を背景に、シュウ、ヒロユキ、セツの人生の個人的な側面を中心にこのビデオを形作ることができ、とても嬉しく思います。この作品をご覧になる全ての人が、何らかの形で自分自身の人生の点とこの作品の点を繋ぐことができることでしょう。○森コウ プロデューサー コメントこの映画は主題歌「彼方で」があってこそ完成されており、曲の大切さを考えた時に、曲単体で何か形として残したいと思いました。「彼方で」が持っている意味とメッセージを捉えた時に、本作で描かれる若者たち三人の物語を、この曲を通して伝えたいと思い、修、世津、裕之にフォーカスすることをテーマにアンジュムさんとディスカッションしながら、彼女が感じたことを映像に表現してもらいました。今回の日米合作はとても高いレベルで、そのクオリティを考えた時に、今回の動画には技術と情熱とを併せ持つクリエイターが必要で、独特のエッジを持つアンジュムさんがまっさきに浮かびました。彼女はハリウッドのセンスを生かしながらも日本人の感覚も見事に掴んで、楽曲と本作の魅力を最大限に引き出してくれました。何よりアンジュムの作品と歌への思いは非常に熱いものでした。ぜひこの動画で何かを感じていただけたら嬉しいです。(C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
2021年08月05日主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の豪華共演で、”日本の原爆研究”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの等身大の姿を描いた青春グラフィティ『映画 太陽の子』ついに今週、 8月6日(金)に公開となる。太平洋戦争末期に存在した「F 研究」と呼ばれる“日本の原爆研究”。 その事実を基に、3人の若者たちの青春を描く本作の監督・脚本は『青天を衝け』など多くの話題作を手がける名手・黒崎博。彼が10年間大切に温め続けたこの企画に共鳴し、柳楽優弥、有村架純、三浦春馬、田中裕子、國村隼、イッセー尾形、山本晋也、そしてピーター・ストーメアが参加。音楽にはアカデミー賞(R)5部門ノミネートの『愛を読むひと』のニコ・ミューリー、サウンドデザインに『アリー / スター誕生』のマット・ヴォウレスと、ハリウッドスタッフが続々と参加。さらに主題歌を、製作陣の熱い想いを受け止めた福山雅治が担当し、心に沁みるバラード「彼方で」で物語を深く彩る。本作と同様、時代に翻弄されながらも懸命に生きる若者の姿を描いたという点で共通点があるのは、2016年に大ヒットした『この世界の片隅に』だ。18歳で嫁いだ主人公・すずが、戦時下の困難の中にあっても工夫を凝らして心豊かに生きる姿を描いた『この世界の片隅に』。実は『映画 太陽の子』も激動の時代の中、“若者たちの青春姿”が印象的だ。まず共通するのは戦争映画というと戦地での戦闘シーンや、空襲を受けるシーンなど、極限状態に追い込まれ暗く重たい描写が多いが、本作は幼馴染み3人が海に出かけるシーンや縁側で“未来”について語るシーンもあり、当時も今の私たちと何ら変わらない日常がそこにあったこと、そしてその日常がどれほど愛おしいものか、気づかせてくれる点である。また、『この世界の片隅に』で印象的なシーンの一つが料理のシーン。少ない配給の中、野草を使ったり、お米をかさ増しする炊き方を実践したりと、すずが様々な工夫を凝らしながら笑顔で食事を作る姿に、思わず胸がほっこりする和やかなシーンとなっている。同じように、日々の暮らしの営みを丁寧に描くことを大事にしていた『映画 太陽の子』。だからこそ、幼馴染みの世津と修の母・フミがばら寿司を作ったり、おにぎりを握ったりするシーンは、その一つ一つがどれくらいこの物語にとって大事か、スタッフもキャストも理解しており、特にフードコーディネーターの宮田清美は、当時の配給で何が手に入ったのか、白米と玄米との配合なども丹念にリサーチした。少ない食材で子どもたちのためにどこまで考えるか、当時の母親たちと同じように考え抜き工夫を凝らした料理のシーンは、心温まること間違いなしだ。さらに『この世界の片隅に』の主人公・すずの好きなものといえば、絵を描くこと。迷子になった時ですら道に絵を描いてしまうほどだが、戦時下でも好きなものに夢中になる姿や、すずの絵を通じて家族や姪っ子との関係を深める様子は、より一層、すずの存在を身近に感じることができる。一方、『映画 太陽の子』の主人公・修が夢中になってしまうものは“実験”。軍から新型兵器開発の極秘任務を受けた京都帝国大学の学生で、原子物理学を志す科学者である修は、周囲から「実験バカ」と呼ばれるほど情熱的に研究に没頭してしまう。その姿は狂気すら感じるが、修というキャラクターから目が離せずにはいられない。足早く『映画 太陽の子』を鑑賞した『この世界の片隅に』のプロデューサー・真木太郎も、本作で描かれている“日常”に注目。「戦時下という非日常のなかの日常。しかも大事な大事な青春期。だからこそ感じて欲しい日常の大切さ。そうでないと3人の主人公が報われない。ぜひ3人に寄り添ってください」とコメントを寄せている。『映画 太陽の子』8月6日(金)より公開
2021年08月03日主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の豪華共演で、“日本の原爆研究”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの等身大の姿を描いた青春グラフィティ『映画 太陽の子』。本日7月22日(木・祝)の「海の日」に合わせ、本作のロケ地でもある京丹後の美しい海を捉えたメイキング画像が到着した。京都府は盆地にあるため、海のイメージはそう多くないかもしれないが、その北部は日本海に面している。京丹後、天橋立、伊根、舞鶴など、透明度の高い北部の海は関西屈指ともいわれ、多くの作品のロケ地として人気の地。今回解禁された画像には、原爆研究の密命を受けた科学者の修(柳楽さん)と幼馴染の世津(有村さん)、そして戦地から一時帰郷した修の弟・裕之(三浦さん)が、束の間の休息で訪れた海での様子が映し出されている。この海のシーンは、悩みや葛藤を抱える3人が子どものころに戻ったかのようにはしゃぎ、友情を再確認する、本作を語る上でとても重要なシーン。メイキング画像では、真剣に監督の言葉に耳を傾ける柳楽さん、有村さん、三浦さんの姿や、撮影の合間に楽しく過ごす3人の様子をとらえている。“この時期じゃないと見られないブルー”が収められている実はこのロケ地探しは一筋縄ではいかず、かなり苦労したことを黒崎博監督が明かす。「なかなか、これぞという浜辺が見つからなかったんです。別のエリアの海を探したこともあったんですけど、京都の海といえば京丹後の海。やっぱりその土地で探すのがいい」とこだわり抜き、なんとスタッフが兵庫の近辺から京都を超えるあたりまで海岸線をしらみつぶしでロケハン。ようやく、異国情緒思わせるエメラルドグリーンがかった独特なブルーをした京丹後の浜辺を見つけ出した。「日本の海の色じゃないブルーが出ていて不思議だなぁと思っていたら、地元の方が“この時期じゃないと見られないブルーだよ”と教えてくれて、ラッキーだったなと思いました」と監督が語るように、撮影が行われた9月半ばから下旬にかけてしか見られない、“奇跡のブルー”であったことが判明。類まれな美しさだからこそ、戦時下を懸命に生き抜く3人の青春が刹那に輝く印象的なシーンとなっている。『映画 太陽の子』は、8月6日(金)より全国公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:映画 太陽の子 2021年8月6日より全国にて公開©︎2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
2021年07月22日俳優の柳楽優弥が主演を務める映画『映画 太陽の子』(8月6日公開)の場面写真、及びメイキング写真が22日、公開された。同作はNHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作。原爆開発を背景に、時代に翻弄される若者たちの苦悩と青春を事実を元に描いた物語となる。終戦記念日の8月15日にNHK総合で放送され大きな反響を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽優弥)・世津(有村架純)・裕之(三浦春馬)それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を、より深く描きだした。22日が海の日(※東京オリンピック開催に伴い日付が移動)ということで、本作のロケ地でもある京丹後のメイキング画像が公開された。南北に伸びる京都府の北部は日本海に面しており、京丹後、天橋立、伊根、舞鶴など、透明度の高い北部の海は、関西屈指ともいわれ、多くの作品のロケ地として人気となっている。今回解禁された場面写真には、原爆研究の密命を受けた科学者の修(柳楽)と幼馴染の世津(有村)、そして戦地から一時帰郷した修の弟・裕之(三浦)が、束の間の休息で訪れた海での様子が映し出されている。この海のシーンは、悩みや葛藤を抱える3人が子どもの頃に戻ったかのようにはしゃぎ、友情を再確認する、本作を語る上でとても重要なシーンとなっており、真剣に監督の言葉に耳を傾ける柳楽・有村・三浦や、撮影の合間に楽しく過ごす3人の様子をとらえた。実はこのロケ地探しは一筋縄ではいかず、かなり苦労したことを黒崎監督が明かす。「なかなか、これぞという浜辺が見つからなかったんです。別のエリアの海を探したこともあったんですけど、京都の海といえば京丹後の海。やっぱりその土地で探すのがいい」とこだわり抜き、なんとスタッフが兵庫の近辺から京都を超えるあたりまで海岸線をしらみつぶしでロケハン。やっとの思いで、異国情緒思わせる、エメラルドグリーンがかった独特なブルーをした京丹後の浜辺を見つけ出した。「日本の海の色じゃないブルーが出ていて不思議だなぁと思っていたら、地元の方が“この時期じゃないと見られないブルーだよ”と教えてくれて、ラッキーだったなと思いました」と監督が語るように、撮影が行われた9月半ばから下旬にかけてしか見られない、“奇跡のブルー”だったという。
2021年07月22日劇団EXILEの町田啓太が21日、東京ミッドタウン・ホールにて行われた生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」(7月22日〜9月17日)アンバサダー取材会に登場した。同展は葛飾北斎の生誕260年を記念して開催されるもので、北斎の代表作である『北斎漫画』、「冨嶽三十六景」『富嶽百景』の全ページ・全点・全図が一同に会する。町田はアンバサダーを務め、音声ガイドにも登場した。"北斎ブルー"のスーツで表れた町田は「着飾ってきました」と照れた様子。北斎については「富士山と波だったり、北斎ブルーのイメージがあったんですけど、展示を見ると、そこに一緒に描かれている人物達が魅力的。絵の中では富士山を見ている人々だったりが描かれているんですけど、同じような気持ちになりながら見れる美術展だなと思いながら見させていただきました」と感想を述べた。音声ガイドには初挑戦となったが、自身も美術展などで聞くことは「けっこう好き」と明かし、「いつか挑戦させてもらいたいなと思っていたら、こんな素敵な北斎展で初挑戦。お話聞いたときに心躍って、『ぜひやらせてください』と言いました」と快諾したという。「通常だと感情を入れたりはないんじゃないかなと思うんですけど、要所要所に少しだけ、北斎さんの絵にある遊び心と同じような感覚で、セリフ調のところもある」とポイントを説明した。好きな展示について聞かれると「『富嶽百景』だったかな、波が鳥に変わってる作品があるんです」と紹介したが、実は町田の背後にあったのが、まさにその絵。町田は「これ、狙ってなかったです、本当に!」と驚き、「ぱっと見全くわからなかったんですけど、すごいなあと思って。よく見たら『え、鳥!?』しかも本当に一羽一羽表情がある」と絶賛。北斎について「ずっと向上心を持ってやられていた。僕も生涯できるかと考えると、やりたいけどできるか……!? と考えてしまう。だからこそ多くの人の心に残る作品ばかりなんだなと思いました」と感心していた。
2021年07月21日主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬が共演し、”日本の原爆研究”を背景に、時代に翻弄された若者たちの姿を描いた『映画 太陽の子』が8月6日(金)に全国公開される。この度、ハリウッドのスタッフたちが作品を語るフィーチャレット映像が公開された。太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる“日本の原爆研究”。本作は、その事実を基にした青春グラフィティ。監督・脚本は、『青天を衝け』の黒崎博。柳楽、有村、三浦、そして田中裕子、國村隼、イッセー尾形、山本晋也、ピーター・ストーメアがキャストとして参加した。黒崎監督の「もっとほかの国の人たちとも、たくさんこの映画を共有したい」という思いから、本作はキャストのみならず、日米スタッフのタッグが実現。音楽には『愛を読むひと』のニコ・ミューリー、サウンドデザインに『アリー/ スター誕生』のマット・ヴォウレスと、ハリウッドスタッフが参加。さらに主題歌を福山雅治が担当し、バラード「彼方で」で物語を彩る。本作は、東京・京都で撮影、ニューヨークで音楽を作り、トロントでナレーション録音を敢行、最後にロサンゼルスで仕上げられた。公開されたフィーチャレット映像は、その舞台裏をとらえたもの。ミューリー、ヴォウレス、カラリストのアロン・ピーク、ストーメアの姿が映し出される。ミューリーは、「エキサイティングなのは、1940年代が舞台であっても、作り方や見え方、全員の繋がり方が驚くほど現代的だ。曲を書くのは難しかったけどそれだけの価値はあったと思う」、ヴォウレスは「脚本にワクワクし、とてもいいアイデアだと思った」、アロン・ピークは「この映画をアメリカ人に勧めたいね。防御や告発の視点ではない、とても清潔で無垢な視点だ」と、それぞれが強く惹かれたのは物語だったと語る。そして、ハリウッド映画などを多く手がけてきたマットは、「本作はハリウッドアクションとは大きく異なり、全てが小さなディテールの積み重ねだ」と本作のサウンドについて説明し、アロンは「ベースはあくまで自然だった。できるだけ自然で正確な感覚を心掛けた」、ニコは「3人の表情を見つめ、彼らの物語に触れるリアルな感覚がある。作曲家として素晴らしい機会に恵まれた」と明かしている。そして、プロデューサーのコウ・モリも、「最初こそ距離感のあったアメリカのスタッフたちが、黒崎の情熱と才能に刺激されて、圧倒的な熱量を惜しげもなく放っていく姿に心を揺さぶられた」と振り返る。また、日本では『アルマゲドン』『ジョン・ウィック:チャプター2』などで知ら得る名バイプレイヤーのストーメアは、本作でアルベルト・アインシュタインの“声“役で出演。当初はスケジュールに空きがなく、監督は一度は諦めかけたというが、突然「明日、トロントに来てくれるなら」と提案されたことで、急遽トロント行きを決行。一切の妥協のないアフレコ現場で、「何度も『もう1回、もう1回』とリテイクするので、だんだん『どうなってるんだ』という空気になりました(苦笑)。でも繰り返していくうちに、彼らも火がついて、逆にアイデアを出してくれたり、良いテイクがどんどん出てきました」と、黒崎が振り返っている。本作に寄せて、日本、海外から、本作へのコメントが寄せられた。■アミール・ナデリ(映画監督、『CUT』『山(モンテ)』)「非常に繊細な主題を誠実に描いた作品です。優れた演出で作られ、観客は、1945年の世界に引き込まれて行き、歴史を体験することになります。今日の日本の若い方にぜひ見ていただきたい一作です」■べリーナ・ハス・ヒューストン(作家、南カリフォルニア大学演劇学部特別教授)「家族、自国への忠誠、そして善悪に関する己の倫理観への懸念を抱えながらも、ー原子分裂ーという科学者としての目標にむかい懸命に努力する主人公を通じ、人間の普遍的な複雑さを描く作品となっている。愛国心、良心、そして人としての思いやりを探求する感動的な作品である。」■岩井俊二「マンハッタン計画を余すところなく描いた『シャドー・メーカーズ』。戦闘機開発を描いた『風立ちぬ』。『太陽の子』はその同一線上にある作品だ。新兵器開発に挑む科学者、技術者たちの物語。本作においてその研究は失敗に終わる。この挫折には思わず安堵せずにはいられない。主人公たちのその後の人生の平穏なることを祈らずにはいられない。 」■兼重淳(映画監督、『キセキ ―あの日のソビトー』『泣くな赤鬼』)「イカロスは密猟で手に入れた鳥の羽根を蝋で固め、アポロンに近づこうと空を飛んだ。だが、太陽に近付き過ぎたため翼が溶け、海に堕ちて死んでしまった。人類が手にしてはいけない力がある。修の見た廣島の惨状が正にそれだった。」■北村龍平(映画監督、『あずみ』『ルパン三世』)「あたりまえの日常が、不条理に奪われた時代。 過酷な時代を懸命に生きる三人の若者それぞれの選択。 あたりまえがあたりまえでなくなった今この時代だからこそ、深く胸を刺す。」■城定秀夫(映画監督、『アルプススタンドのはしの方』『猫侍』)「戦争の狂気にのまれ、善悪の彼岸で蠢く科学者たちの業。核分裂の末に迎えた闇を、それでも照らす青春のきらめき。泣いた。」■深川栄洋(映画監督、『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』『神様のカルテ』シリーズ)「柳楽優弥は緑色の光を放っている。彼のエネルギーが尽き果てないように。」■前田弘二(映画監督、『まともじゃないのは君も一緒』『婚前特急』)「〈日本のために〉〈世界のために〉と信じ、突き進んでいく者たちの純粋な眼差し。果たして、何が正しいのか。自分の在り方に苦悩する彼らの姿に、胸が締め付けられました。そんな中、世津のある台詞があたたかくて、涙が出ました。その言葉は、正しいと思いました。」また、その他の著名人コメントもこの度あわせて公開された。※五十音順■赤ペン瀧川/映画プレゼンターこの映画に込められた想いをしっかりと受け止めなければいけない。未来を見つめて歩き出す勇気を与えてくれる映画だと思います。この映画に出会えて良かった!■東ちづる(俳優・一般社団法人Get in touch代表)過去を知る映画だと思っていたら、今と向き合う映画だった!今を生きる自分はどうしたいのか、どう生き抜くのか、マスクを濡らしながら考えた。大人にも、大人になる君にも、ぜひ観てほしい!■いとうまい子 (女優・研究者)研究者の多くは主人公の修と同じようにとてもピュアな心を持ち、未来に向かって研究を続けていますが、ふとした事をきっかけに思いもよらぬ方向へ突き進む事もある。青春とは。人生とは。色々と考えさせられました。■SYO (映画ライター)あの年、あの場所で生きていた人々がいた。映画の中で、生き抜いた役者たちがいた。70余年のときを越えて、つながった魂の結晶。 この映画の価値は、いまだけではなく永遠(とわ)なのだと思う。新たなる、不朽の名作が誕生した。■高田亮(脚本家「そこのみにて光り輝く」「まともじゃないのは君も一緒」)勝ちと負け、善と悪、理論と実証、自己犠牲、精神論、戦争の終結、未来への希望、それら全てを超越する科学者のサガ。青春の季節を、自らのサガに奪われていく青年の表情の移り変わりがひたすらに素晴らしい。■奈良橋陽子(作詞家・演出家・映画監督・キャスティングディレクター)黒崎監督は、柳楽優弥さんから最高のパフォーマンスの1つを引き出した。彼に適したこの役で、柳楽さんの純粋さが輝いている。この作品は多くの人が知り得てないであろう実話に基づいており、私たちは社会的、そして国際的な観点からもこの話を知る責任がある。■古川隆久(日本大学文理学部教授(日本近現代史))敗戦という歴史的極限状況の中で、生や真理といった永遠なるものに思いを馳せる人びと。こうした矛盾が静謐の中で共存する2時間は、自分や人類社会の過去と未来に思いを馳せる得がたい2時間になるだろう。■真木太郎(プロデューサー「この世界の片隅に」)戦時下という非日常のなかの日常。しかも大事な大事な青春期。だからこそ感じて欲しい日常の大切さ。そうでないと3人の主人公が報われない。ぜひ3人に寄り添ってください。■松崎健夫(映画評論家)光は人生を照らすが、分け隔てなく平等なわけではない。光があれば、必ず影もあるからだ。光が集まると熱を帯びる。熱は人々の善悪を揺らしながら瓦解させ、再び照らす光となる。そんな循環の中で、私たちは不条理と向き合い生きている。■安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)科学には「力」がある。それは時に、人の営みを根こそぎ奪うほどの威力を持つ。権力者たちは、その「力」を手にしようと躍起になり、その陰で翻弄され続ける人々がいる。この映画に描かれていることは、「過去」の話ではない。■柳澤 秀夫(ジャーナリスト)抗うことができない現実に押し潰されながらも、未来を信じ生き抜こうとする若者たち。その姿はあまりに切なくも愛おしい。戦後76年。戦争の実相が霞みがちな今を生きる私たちが何をなすべきか?鋭く問いかけてくる。『映画 太陽の子』8月6日(金)より全国公開。
2021年07月14日映画『映画 太陽の子』完成披露試写会舞台挨拶が7日に都内で行われ、柳楽優弥、有村架純、國村隼、黒崎博監督が登場した。同作はNHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作。原爆開発を背景に、時代に翻弄される若者たちの苦悩と青春を事実を元に描いた物語となる。終戦記念日の8月15日にNHK総合で放送され大きな反響を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽優弥)・世津(有村架純)・裕之(三浦春馬)それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を、より深く描きだした。柳楽と故・三浦春馬さんが兄弟役で、2人の幼なじみを演じた有村は「お二人とは1度共演したことがあったので、自然と幼なじみという関係性ができていて、現場もすごく穏やかでしたし、撮影の合間はすごく笑顔も多かったかなと思います」と振り返る。有村は「縁側で未来について語り合うシーンがあったんですけど、そこは裕之さんが戦地に戻る前夜ということで、もしかしたら3人で会える最後の夜かもしれないというとても切ないシーンでもあったのですが、未来に対する望みが詰まったシーンになったかなと思って。台本にはなかったんですけど、戦地に送り出す裕之、未来を作ろうとしている修に対して言葉じゃないもので伝えたいなと思って、2人の手を握らせてもらいました」と、自身の提案であることを明かす。「言葉じゃない人間の温かさ、ぬくもり、温度が伝わればいいなと思って提案させてもらって、作れたシーン。3人の空気感は穏やかで、微笑ましいシーンになって良かったなと思っています」と語った。朝ドラ『ひよっこ』でもずっと有村を撮影していた黒崎監督は「有村さんは普段理知的な雰囲気を醸し出している方だけど、演じる時になるとびっくりするような本能的なお芝居をされることがよくある。それはよく存じてましたので、あんまりびっくりしませんでした。『来たな』と思いました」と説明する。「ほんの少しですけど肌と肌が触れあってぬくもりを交換し合うことがどんなに大事か、伝わるシーンになったんじゃないかと思います。今、握手もできないじゃないですか。その時代であのお芝居が撮れたのは、あの瞬間だからできたのかな」としみじみとしていた。
2021年07月07日映画『映画 太陽の子』完成披露試写会舞台挨拶が7日に都内で行われ、柳楽優弥、有村架純、國村隼、黒崎博監督が登場した。同作はNHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作。原爆開発を背景に、時代に翻弄される若者たちの苦悩と青春を事実を元に描いた物語となる。終戦記念日の8月15日にNHK総合で放送され大きな反響を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽優弥)・世津(有村架純)・裕之(三浦春馬)それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を、より深く描きだした。印象に残ってるシーンについて柳楽は「僕が好きだったのは海のシーン」と明かし、「太陽の関係や衣装とか、とても難しいシーンで。海に入ったりするので、一発OKじゃないとだめだという緊張感がありました。前日にしっかりリハーサルして、映画の撮影現場なんですけど、緊張は舞台の本番の初日前みたいな。本編でもそういうシーンを見て、すごく良いシーンになったのはあの緊張感があったからだと、印象に残っていました」と振り返る。また、そのシーンで一緒に演技をした弟役の故・三浦春馬さんについて「春馬くんとは10代前半から一緒にオーディションをしていて、戦友というか、ライバルというか、今回兄弟のような関係で、色々関わらせていただいて」と語る。「春馬くんがこの作品に愛を持って参加してくれたように、僕自身も、今回参加したメンバー皆で、春馬くんをこれからもずっと愛して大切にしていきたいなと思っています。そう思える、大切なシーンです」と思いを表した。
2021年07月07日グラニフ(graniph)から、葛飾北斎・すみだ北斎美術館とコラボレーションしたTシャツが登場。2021年6月25日(金)より、グラニフ一部国内店舗などで販売される。「冨嶽三十六景」「諸国瀧廻り」を配したコラボTシャツ葛飾北斎は、江戸時代後期に活躍した日本を代表する浮世絵師。浮世絵に風景画のジャンルを確立させたほか、読本挿絵の芸術性を高めるなど、いくつもの功績を残した。グラニフとのコラボレーションTシャツには、すみだ北斎美術館に所蔵されている作品「冨嶽三十六景」と「諸国瀧廻り」シリーズから3作品のグラフィックを採用。「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」は、巨大な浪が水飛沫をあげながら力強く立ち上がる様子を描いた作品。大自然の猛威に翻弄される人間と、超然とたたずむ富士山を、対照的に表現している。世界的にも「Great Wave」の名で親しまれている、葛飾北斎を象徴する浮世絵だ。「冨嶽三十六景凱風快晴」は、「赤富士」と呼ばれる現象を描いたもの。夏から秋にかけての早朝、富士山が朝日を浴びて山肌を赤く染めるわずかな瞬間を巧みに表現している。「諸国瀧廻り」シリーズの中でも珍しい表現手法を取り入れている作品が、「諸国瀧廻り木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」。上部の丸く描かれた滝口は真上から捉え、滝の流れは正面から捉えたとされている。二か所の描き方の違いに着目して、鑑賞を楽しみたい。なお、上記3作品は、7月20日(火)から開催されるすみだ北斎美術館の展覧会「THE北斎 ―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」で展示される。【詳細】グラニフ 葛飾北斎(すみだ北斎美術館)コラボレーションTシャツ発売日:2021年6月25日(金)販売店舗:グラニフ一部国内店舗、グラニフ公式オンラインストア価格:Tシャツ 全3種類 2,750円サイズ:SS/S/M/Lアイテム:・冨嶽三十六景神奈川沖浪裏・冨嶽三十六景凱風快晴・諸国瀧廻り木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧※販売店舗により入荷状況・販売開始時間が異なる。※グラニフ国内店舗では、一度の会計でTシャツを2点以上の購入、またはTシャツと1,078円のアイテムとの買い合せでお得になるセットプライスサービスを実施。(一部商品対象外)※グラニフ公式オンラインストアではセットプライスサービス適用後の価格。
2021年06月28日展覧会「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」が、すみだ北斎美術館にて2021年7月20日(火)から9月26日(日)まで開催される。「冨嶽三十六景」など人気の北斎作品約100点「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」は、葛飾北斎の圧倒的な筆力と発想力を堪能できる展覧会。すみだ北斎美術館が所蔵する二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと、すみだ北斎美術館開館記念展で“約100年ぶりの再発見”として話題となった絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、人気の高い北斎作品約100点を一挙に紹介する。三大錦絵を網羅、「冨嶽三十六景」バージョン違いの比較展示など会場には、葛飾北斎を代表する三大錦絵シリーズ「冨嶽三十六景」全46図、「諸国瀧廻り」全8図、「諸国名橋奇覧」全11図を前期・後期にわけて全て展示する。各シリーズの全貌を楽しめるとともに、1つの主題を多様に描き分けた葛飾北斎の表現力の幅広さを目の当たりにできる。各地から見える富士山の風景を描く「冨嶽三十六景」は、最高傑作としても名高い作品。中でも人気の高い図柄は、摺りの状態が異なるものや変わり図も制作されている。今回は、初めて「冨嶽三十六景 山下白雨」のバージョン違いを並べて展示。初摺に近い作品や、山裾に松林が加えられた変わり図などを比較しながら鑑賞することができる。加えて、日本各地の滝を描いた「諸国瀧廻り」や「諸国名橋奇覧」も登場。「諸国名橋奇覧」では、場所もわからない橋や北斎がいた当時には失われていた橋なども含まれており、想像上の吊り橋を、人物が絶妙なバランスで通行する様子などが描かれている。浮世絵版画の版木を使った火鉢を初公開また、錦絵「桜に鷹」をはじめとする浮世絵版画の版木4種を使用した火鉢を初公開。版画の輪郭線を彫った版木は材質が良く、絵柄の美しいデザイン性から火鉢に再利用されたと考えられている。北斎の一枚摺りの錦絵の版木自体が珍しく、貴重な資料を間近に見られるチャンスとなっている。全長7メートルの肉筆絵巻さらに、“幻の絵巻”として話題を呼んだ、全長約7メートルに及ぶ北斎肉筆の巻物「隅田川両岸景色図巻」も5年ぶりに展示。両国橋付近から新吉原へ向かう隅田川両岸の風景と、新吉原における遊興の様子を描いた北斎の肉筆画に、画中の名所を読み込んだ注文主・烏亭焉馬による横幅76.1cmの狂文があしらわれている。「隅田川両岸景色図巻」は前期・後期で巻替えを行い、通期で展示。江戸時代から観光スポットとして知られる隅田川周辺の景色を、現在の風景と比べながら鑑賞するのも楽しそうだ。グラニフ コラボTシャツも尚、すみだ北斎美術館とグラニフ(graniph)のコラボレーションTシャツが2021年6月25日(金)より全国グラニフ店舗にて発売。展覧会にも登場する「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」「冨嶽三十六景 凱風快晴」「諸国瀧廻り 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」といった作品をモチーフにしたTシャツが揃う。すみだ北斎美術館では販売されないものの、近隣のグラニフ店舗では発売されるので合わせてチェックしてみて。【詳細】THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―会期:2021年7月20日(火)~9月26日(日) ※前後期で一部展示替えあり・前期 7月20日(火)~8月22日(日)・後期 8月24日(火)~9月26日(日)場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2問い合わせ先TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)休館日:毎週月曜日※8月9日(月・振替休日)、9月20日(月・祝)は開館。※8月10日(火)、9月21日(火)は休館。開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)観覧料:一般 1,200円、高校生・大学生 900円、65歳以上 900円、中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下 無料※団体での来館は、当面の間、受付なし。※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。※会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性あり。最新情報は、美術館公式ホームページにて確認。■グラニフ コラボレーションTシャツ発売日:2021年6月25日(金)展開店舗:全国グラニフ店舗、オンラインストア※すみだ北斎美術館ミュージアムショップでは取扱なし。※美術館近隣に位置する3店舗(グラニフ アトレ秋葉原、アトレ上野、アルカキット錦糸町)では、発売から約2か月間、レジにて購入した人に「THE 北斎」展のチラシと同展割引券を配付。店舗準備数がなくなり次第終了。※他割引との併用不可。
2021年06月27日俳優の柳楽優弥が主演を務める映画『映画 太陽の子』(8月6日公開)の場面写真が27日、公開された。同作はNHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作。原爆開発を背景に、時代に翻弄される若者たちの苦悩と青春を事実を元に描いた物語となる。終戦記念日の8月15日にNHK総合で放送され大きな反響を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽優弥)・世津(有村架純)・裕之(三浦春馬)それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を、より深く描きだした。劇中で、療養のため戦地から一時帰郷した裕之を労うために振舞われるのが“ちらし寿司”。ちらし寿司の起源には諸説あるが、備前岡山初代藩主・池田光政が庶民の贅沢を戒める倹約令を出したことがきっかけとされる「岡山のばらずし説」が有力視されている。祭事以外の食事は一汁一菜に限るとしたこの倹約令に庶民は反発し、魚や野菜を目立たせないようにご飯に混ぜ、見た目を一菜にしたのがはじまりといわれている。そして、池田光政の命日である6月27日が“ちらし寿司の日”に制定された。今回この「ちらし寿司の日」を記念して、ちらし寿司を囲み久々の再会を喜ぶ幼馴染3人の場面写真&メイキング写真を公開した。修の弟・裕之の戦地からの一時帰郷を祝うために、母・フミと幼なじみの世津が心を込めたちらし寿司を振る舞うシーンで、久々の再会を皆で喜び語らう、作品の中で最も心安らぐシーンである。ちらし寿司の具材にはそれぞれ意味が込められており、「海老:腰が曲がるまで長生きできるように」「蓮根:穴が開いているので、将来の見通しがきくように」「豆:まめに(勤勉に)働き、まめに(丈夫で元気に)暮らせるように」「錦糸玉子:財宝がたまるように」「にんじん:根を張るように」などの意味があるといわれている。戦時中という時代設定のため質素ではあるものの、劇中にも愛情いっぱいのちらし寿司が登場。黒崎博監督は、フードコーディネーターの宮田清美について「生活を描くうえで、食べ物のシーンがいかに大切かよく分かっていてくださった。戦地から一時帰還した裕之のために母親が作るばら寿司ひとつにしても、材料がない中でいかに工夫して作ったかを表現するために、具を何にするか何度も何度もディスカッションを重ねました」と振り返った。(C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
2021年06月27日生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」が7月22日(木・祝)より、東京ミッドタウン・ホール(六本木)にて開催される。このアンバサダーに俳優・町田啓太が就任した。20歳で浮世絵師としてデビューしてから九十歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。その生誕260年を記念し、本展において代表作である『北斎漫画』や『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図が一堂に会する。町田は今回、音声ガイド・ナビゲーターに初挑戦。一部コンテンツで彼の解説とともに、展示空間を巡ることが可能だ。音声ガイドを監修したのは日本美術を主な領域とするライター・エディターの橋本麻里。さらに豪華クリエイター陣によるスペシャルトラックを収録予定だ。北斎の魅力を五感で感じる本展を、耳からも楽しんでほしい。また本展は7月16日(金)から9月17日(金)まで東京ミッドタウンで開催される「MIDTOWN ART PALETTE」とコラボレーション企画を行う。東京ミッドタウン館内で 5,000 円(税込)以上の買い物をすると、各日先着100名に出展作品や東京ミッドタウンのアート作品が絵柄になったトランプをプレゼント予定だ。さらに本展とのスペシャルコラボメニューとして、北斎の世界からインスピレーションを受けた限定メニューが登場。期間中に本展の半券チケットを東京ミッドタウン内対象ショップへ提示するとお得なサービスが受けられる。詳細は後日、東京ミッドタウンホームページや館内で配布されるパンフレットを確認してほしい。町田啓太・コメントこの度、初めて音声ガイドを務めさせて頂きます。特別展「北斎づくし」を実際に目の当たりにしたとき、そこにどんな世界が広がっているのか楽しみでなりません。今まで偉大すぎて知った気でいた葛飾北斎作品への先入観から解放される森羅万象の驚きを皆様と共に体験できるようにしたいと思います。一緒に北斎ワールドに没入しましょう!■展示情報生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」7月22日(木・祝)~9月17日(金)東京ミッドタウン・ホール(六本木)<チケット情報>混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入。※チケットの販売に関する最新情報は展覧会公式サイトへ。<観覧料>大人:1,800円 / 大学生・専門学校生:1,200円 / 高校生・小中学生:900円<スーパー早割チケット:1,200円>8月9日(月)まで使用できるお得な早割チケットも販売。期間:6月1日(火)~7月7日(水)(予定)連携企画「『富士山づくし』の写真展」7月21日(水)~8月19日(木)会期中無休10:00~19:00会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京入館料:無料※詳細はフジフイルム スクエア「富士山づくし」の公式サイトへ。
2021年06月25日すみだ北斎美術館(東京・墨田区)では2021年7月20日(火)〜9月26日(日)まで、特別展「THE北斎 ー冨嶽三十六景と幻の絵巻ー」を開催する・すみだ北斎美術館が所蔵する二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと、当館開館記念展で約100年ぶりの再発見として話題となった幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、人気の高い北斎作品約100点を一堂に展観。今回はじめて「冨嶽三十六景山下白雨」のバージョン違いを並べて展示、また北斎の錦絵「桜に鷹」等の版木を使用した火鉢を初公開するなど、見どころの多い展覧会となっている。北斎の名作の数々を通して、日本の四季の美しさ、江戸時代より観光スポットとして知られる隅田川周辺の名所を紹介しながら、北斎のたぐい稀な筆力と発想力を堪能してほしい。【開催概要】「THE北斎 ー冨嶽三十六景と幻の絵巻ー」会期:2021年7月20日(火)~9月26日(日)・前期:2021年7月20日(火)~8月22日(日)・後期:2021年8月24日(火)~9月26日(日)※前後期で一部展示替えあり休館日:毎週月曜日※開館:8月9日(月・振替休日)、9月20日(月・祝)、休館:8月10日(火)、9月21日(火)開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)主催:墨田区・すみだ北斎美術館お問い合わせ:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)公式サイト:
2021年06月23日柳楽優弥の主演、有村架純、三浦春馬の豪華共演で、“日本の原爆開発”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの、等身大の姿を描いた青春群像劇『映画 太陽の子』が8月6日(金)に全国公開。この度、柳楽さん演じる石村修と“世界を変えられるかもしれない”極秘の研究に挑む、京都帝国大学の“物理学研究チーム”に実力派&若手注目俳優陣が集結していることが分かった。太平洋戦争末期に、実際に海軍からの密命を受け京都帝国大学・物理学研究室が行っていた「F研究」と呼ばれる新型爆弾開発の事実を基に作られたフィクション作品である本作は、時代に翻弄され、それぞれの葛藤や想いを抱え全力で生きた若者たちの、等身大の姿が描かれる。研究を進めていく“教授陣”には、実力派が揃った。「F研究」のリーダーを務める理学部の助教授・木戸貴一を演じたのは、お笑い芸人としてデビューし俳優に転向した経歴も持ち、『アウトサイダー』『Fukushima50』『朝が来る』などの話題作に出演、いまや日本映画界に欠かせない俳優の一人・三浦誠己。物理学研究室で助手として、葛藤する学生たちを兄貴の様に情熱的に支える清田薫には、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」ほか多数のドラマ、『罪の声』『バイプレイヤーズもしも100人の名脇役が映画を作ったら』など映像世界のみならず、舞台でも活躍している尾上寛之。研究室で工学系の助教授・岡野真三を、『罪の声』で昨年度日本アカデミー賞優秀助演男優賞をはじめ、キネマ旬報ベスト・テンなどで助演男優賞を受賞するなど活躍の場をさらに広げている名バイプレイヤー宇野祥平が演じている。そして、修と共に切磋琢磨し研究に勤しむ“学生役”には、いま出演作が続く俳優たちが出演。修と共に「F研究」に挑む学生・花岡喜一を、ミュージシャンとしても活躍する一方、俳優デビュー作の映画『色即ぜねれいしょん』で第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、『勝手にふるえてろ』『寝ても覚めても』、新ドラマ「イタイケに恋して」など俳優としても出演作品が続く渡辺大知。修と同学年で、結果を見いだせない研究に疑問を持ち戦地へ赴いてしまう堀田茂太郎を、映画『青空エール』『恋は雨上がりのように』『サヨナラまでの30分』などに出演、2018年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ニューウェーブアワード賞男優部門を受賞するなど若手を牽引する葉山奨之。同研究室で彼らと共に研究に携わる村井正史を、劇団「赤堤ビンケ」を旗揚げ、映画『SR サイタマノラッパー』シリーズ3作目『ロードサイドの逃亡者』で映画初主演、『キセキあの日のソビト』『凪待ち』『37セカンズ』『きみの瞳が問いかけている』など、様々な作品で確かな存在感を示す奥野瑛太が演じている。この度到着した、研究室チームの姿をとらえた場面写真には、熱心に研究を指導する教授陣、科学者としてはまだ駆け出しで学生らしいあどけなさもみせる学生たちの姿、そして束の間の談笑など、様々なシーンが切り取られている。『映画 太陽の子』は8月6日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:映画 太陽の子 2021年8月6日より全国にて公開©︎2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
2021年06月13日世界的な画家、葛飾北斎(1760~1849)と人気漫画家のしりあがり寿さんがコラボした展覧会『しりあがりサン北斎サン -クスッと笑えるSHOW TIME!-』がすみだ北斎美術館で開かれています。コロナ禍でちょっとトゲトゲした心をもみほぐしてくれる、脱力系アート満載の展覧会をご紹介!遊び心がいっぱい!【女子的アートナビ】vol. 208本展では、人気漫画家でアーティストのしりあがり寿さんと葛飾北斎が時代をこえてコラボ。しりあがりさんは、2018年に北斎の「冨嶽三十六景」のパロディ作品「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」をすみだ北斎美術館の展覧会で発表。今回はそれらの作品に新作も加え、約160点が紹介されています。北斎の浮世絵をしりあがりさんが楽しく解釈したパロディ作品は、どれも思わずニヤリとしてしまうものばかり。遊び心がいっぱいで、コロナ禍でトゲトゲしくなりがちな気分をもみほぐしてくれます。ちょっと笑える…それでは、展示作品からいくつかピックアップしてご紹介。まずは、北斎のもっとも有名な作品、《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をご覧ください。うねる大波のなかに小舟が浮き、その奥に富士山が見えます。いっぽう、しりあがりさんのパロディ作品《ちょっと可笑しなほぼ三十六景太陽から見た富士山》では、北斎作品の「大波と富士山」を「太陽フレアと地球」に変換。太陽のフレア越しにある地球をよく見ると、日本列島のなかにちゃんと富士山も描かれています。しりあがりさんの新作、《ポテトチップス六景揚げたて》も要チェック。これはポテトチップスの作り方を浮世絵風に描く特別シリーズで、北斎の「大波」が「揚げ油」に変換され、そのなかに薄切りのポテトが浮かんでいます。ちょっと笑える、ゆるい感じが楽しいです。ちなみに、北斎生誕260年を記念して、2020年には期間限定で「すみだ北斎美術館監修 ポテトチップス うすしお味」がカルビーから発売され、しりあがりさんのパロディ作品もパッケージに採用されました。その全4パッケージも展示されています。絶叫マシーンも登場!?もうひとつ、楽しい作品をご紹介。まず、写真右側にある北斎の錦絵《諸国瀧廻り美濃ノ国養老の滝》(パネル)をご覧ください。岐阜県養老郡養老町にある有名な滝を描いたもので、垂直に流れ落ちる滝や水しぶきなど、さまざまな水の表情が表現されている名作です。しりあがりさんのパロディ作品《諸国瀧廻りアトラクション》では、滝が絶叫マシーンのアトラクションに変換されています。マシーンに乗って楽しそうに手をあげているのは、和服を着た江戸の人たち。見ているだけでほのぼのします。3階ホワイエでは、しりあがりさんのセンスで北斎作品をアレンジしたアパレルコレクションを展示。北斎の「諸国瀧廻り」シリーズをもとに作られた「瀧廻りポンチョ」や「飛沫どころか瀧マスク」など、今の時代や世相をクスッと笑い飛ばせるようなゆる~い作品が並んでいます。コロナ疲れをちょっと癒してくれる展覧会は7月10日まで。Information会期:~7月10日(土)会場: すみだ北斎美術館開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日: 月曜日観覧料: 一般¥1,000、高校・大学生¥700、65歳以上¥700、中学生¥300、小学生以下無料
2021年06月09日米「LIFE」誌の「この1000年で最も偉大な功績を残した100人」に日本人で唯一選ばれ、「冨嶽三十六景」が新紙幣のデザインに採用されるなど、誰もが知る数々の名作を残しながらも、その人生については謎に包まれている浮世絵師・葛飾北斎。彼の90年に及んだ生涯を描いた映画『HOKUSAI』が公開されている。「なぜ絵を描くのか?」と自らに問いかけ、傑作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を世に送り出す若かりし頃の北斎を演じるのは柳楽優弥。そして、年齢を重ねてもなお反骨心を失うことなく表現に邁進する老年期の北斎を田中泯が演じている。公開を前に2人に北斎のすごさ、そして自らの表現への姿勢との共通点などについて語ってもらった。――今回、北斎という実在の人物を演じるにあたって、どのような思いで臨まれましたか?柳楽僕は北斎の代表的な絵は知っていたのですが、その人物像については全く意識したことがありませんでした。アーティスト然としたイメージは感じつつも、今回、演じさせていただくこととなり、若い頃をの北斎像を監督と一緒に一からつくりあげていきましした。田中人は死んじゃったら、その人がどんな人だったかなんて本当に残らないものなんですよね。絵から(感じる)といっても、現代よりも個人の“思い”みたいなものは全然違った時代でしょうからね。本当にわからないと思います(苦笑)。みなさん、自分のことを想像しても、人に伝わることなんて残るものなんて数万分の一だと思いませんか? 北斎が一体何を考えていたのか? 一生懸命引きずり出して台本ができているわけですけど、それだけじゃ不十分ですし、なるべく自分の空想の中で北斎をやっているということだろうと思いますけどね…。――江戸時代の絵師である北斎の「独自の表現を追い求めていく」という姿勢、感情は現代を生きる私たちから見て理解できるものとして感じられました。お2人が演じる上で目指した北斎像はどのようなものだったのでしょうか?柳楽作品を観終わった僕の感想でもあり、北斎という人物像について撮影が終わってからも改めて考えて感じたことは、北斎の生きた時代は、絵を描くことすら制限されていましたし、何でも好きなように描くことはできなかったんです。制限がある中で…という環境はどの時代にもあると思いますが、“北斎バイブス”として、激動の時代に、創作意欲までを消される筋合いはねぇんだ! という反骨精神のような気持ちが人一倍強いひとだったのではないかと思います。好きなことにひたむきに向き合い、決して満足せずに絵を描き続けたからこそスター絵師へと上り詰めることができたのかなと思うんです。創作意欲は、表現者や役者だけのものではなく、誰しもに存在する“光”みたいなものだと思うので、そういう大事なものまでを時代に消される必要はないんだということを感じました。それは大切に守らなければならないと思いました。田中北斎は、それまでの絵を描く対象を決定的に変えた人だと思いたいですね、少なくともそう空想することで別の次元で思考するという自分なりの徳を得たい。それはどこからやってきたのか?おそらく若い頃の北斎の中で綿々と悶々と考え、自分の中で育ててきたものなんだと思います。人の共感を得られるかわからない、やれ波だの人の身体だってもの、それも無名の身体をひたすら描く。そこに僕はものすごい前衛を感じますね。いまだって流行りのものに人は群がる、そこからボンっと抜け出して全然視点の違うことをやるって大変なことだと思います。しかもそれを狙ってのことでもない。ましてや江戸の(絵師が)数少ない中で、それぞれが有名で名を成している中で彼はグーっと方向を変えたわけですよね? それは才能以上の“何か”が北斎にあったに違いないって僕は思います。そこが現代にも決定的に通じることだと思います。ワーッと流行で事が流れていく中で、それを通過してなおかつ自分が行くべき方向に向かっていくわけですよね。そんなひと、いまも少ないでしょ? たぶん、この(劇中の)時代よりも絵を描く人は何万倍もいるはずだけど。柳楽バンクシーなどもそういう存在なのでしょうか?田中バンクシーは俺は語れないなぁ、本当のところがわかんないから…。100年後くらいにならないとわからないですね。いま語ってもダメですよね、人気者中の人気者だから。本音がわからないですよ。柳楽なるほど。私生活が見えないところがアーティストのかっこよさでもありますよね。田中うん、ただ、これまでの時代のような作品さえよかったら何をやっててもいいという時代ではないと僕は思ってて、21世紀はそれが崩れる時代だと思ってたんだけど…。例えばね…口では「自然保護」なんて簡単に言っちゃう――そういうことっていっぱいあるんじゃないですかね? それと同じことがアートの世界でも起きていると思うし、作品さえよければ本当にいいんだろうか?ってね!本当にいま、そういう時代だと思いますね。場合によっては非常に古いものが新しいなんて思われているのかもしれない。柳楽優弥――先ほど柳楽さんからも「制限があるからこそ生まれてくるものがある」という話がありましたが、そういうものは表現する立場の人間として実感としてありますか? 逆に「自由に好きなことをやっていい」と言われて、枠にとらわれない表現やアイディアは出てくるものなのでしょうか?柳楽自由過ぎてしまうと逆に不自由さを感じてしまうこともあるのではないかと思うんです。制限された環境の中でいかに自分らしく表現していくか? というところに僕は面白さを感じますし、映画でもメジャーとインディペンデントでは予算や規模も全然違いますが、その中で工夫するインディペンデントの雰囲気も大好きですし、メジャー映画の豪快さも大好きです。(田中に)泯さんはいかがですか?田中晩年の北斎の言葉の中にも世の中とか権力に向かってのものが結構あるんですよね。そもそも士農工商の時代の話ですから、既に社会そのものがハッキリと制限を持っているわけですよね。(現代を生きる)僕らは「自由」と思われがちですけど、いまはまさに「不自由」ですよね。だから制限というものをどう捉えるか?それは個人差があると思うし、それこそいまワクチンの話ひとつとっても「へぇ、こんなに行政区分って厄介なんだ!」というお代官様みたいな存在がいっぱいいるわけじゃないですか。そういう意味では制限というのは本当に考えようによってはどこまでも巨大になっていくし、人によってはもっと身近なところでも自分で制限しているところもあるのかもしれないし。言葉にして整理をつけることができないくらい、混とんとしていると思いますね、いまの時代でも。(映画で描かれる)この時代は「町人は町人」「商人は商人」というふうに何となく自分たちで曖昧にぼかしてはいるかもしれないけど、自分なりの場所というものを持っていたと思うんですよね。考えようによってはそれが「自由」かもしれない。のびのびとしてたというか。だから江戸の文化、いやそれ以前からかもしれないけれど、傾いていた。現代は金が開いているけど、花は開いてないかもしれないよね。――改めて、お互いの演じられた北斎を見ての感想を教えてください。柳楽本当に「北斎ってこんな人だったんだろうな」と想像してしまうほどの説得力がありましたし、泯さんが演じられた北斎の青年期を演じさせていただくことができてラッキーだなと感じました(笑)。田中いやいや(笑)。でも「いいのかな?」と思っちゃいますよね。みんながこれを観て「北斎ってこうだったんだ…」と思っちゃうと「いやいや、わかんないよ!」って(笑)。「でもそれくらい強烈だったんだよ、生きることに必死だったんだよ」となればいいけど、収束しちゃうとマズい気がします。それくらい活き活きとしないといけないはずなんじゃないかと思いますね。意地を張ってでも。(柳楽の演じた若い頃は)さぞかし難しかっただろうと思います。(柳楽が演じた若い年代の頃は)ウジャウジャ周りにいるわけですよ、同世代が。その中で自分なりに悩んでいるさまと、同じ表現者としての、何ていうか“無言の関係”みたいなもの――僕はそこにこそ文化って生まれるものだと思うんですけど、面白かったですね、すごく。すごい学習しちゃって。柳楽ありがとうございます。一人の人物の一生を別々の人が演じ分けるということは、あまりないことですよね。田中(若い頃と老年で)時間が飛ぶんでね。こっちは安定したジジイだから(笑)。そのぶん、焦点がガっと見えて生きている“強さ”があるからね。柳楽ベロ藍(※北斎の表現で使われる鮮やかなブルー。映画の中で田中演じる北斎が、ベロ藍を手にし、興奮して雨の中を飛び出していく)を手にして雨の中を踊るあのシーンは、現場で拍手が起きたと聞きました。僕も大好きなシーンで、とても印象的でした。田中一回しかできない一発勝負でしたんで(笑)。柳楽北斎とベロ藍の出会いの衝撃が感じられてすごく好きでした。田中あれくらい狂乱するほど、本人の中に見たい“色”というのがあったんだと思うんですね。実際、高価な「藍」をあんなにふうに使えないのは言わずもがなだけれど、それを見たときの本人の心の動きを監督が「こうやってほしい」と言ってくれて、思い切って挑んでみた。――それぞれに若い頃と老年期の北斎を演じられて、新たに見えてきた北斎の魅力について教えてください。柳楽反骨精神だけではなく、何よりも絵を描くことが大好きなのだと思います。自分自身に満足せず、向き合い続けられるものがあることで人生はとても豊かになるものなのだということを感じました。それは僕だけでなく今の時代を生きる多くの人が共感することのできるテーマであると感じました。田中僕は撮影のプロセスでもそうだったし、改めて北斎の仕事を眺めてみても感じたことだけど、やっぱりそれまでの絵画を含め、決定的にバサーッと縦断したものを持っている。それはたぶん、自然を見る、人々の営みを見るということが彼の表現の中にあって、引っ越しを頻繁にしたり、名前を次々と変えたりするというのも彼の表現に絡んでいるんじゃないかなと思うんですね。人が(北斎の名を)覚えようが覚えまいが関係ないんですよね。ということは、ひょっとしたら「無名でいいんだ」というところにまで行っていたのかもしれない。最後のほうは人が追いかけてくるから、名前をいくら変えても残るわけだけど、名前が浸透しないうちにチョコチョコと名前を変えちゃっていたわけで、名前を覚えろなんてこと思ってもいないんですよね。「有名になろう」という思考すらなかったのかもしれないですよね。「あいつの家はあそこだ」と誰もが知っているような有名性ってあるじゃないですか? そういうものを平気で壊してて、彼がやってるのは、街に出て、人の一瞬の身体を夢中で描くということ。それが北斎漫画に実っていくわけですよね。世界中探しても、北斎ほど人の身体の絵を残している人はいないですよね。――北斎は晩年になっても常に“進化”を感じさせる新たな表現を生み出し続けました。田中さんは肉体で表現される舞踊家ですが、肉体は確実に年齢と共に衰えるものだと思います。それでも年齢を重ねて増していく“凄み”であったり、年齢を凌駕した“何か”があると思うのですが、歳を取ってこそ得られるものとはどういうものなのでしょうか?田中僕は踊りを10代の終わりからずっとやって、やり続けて、休んだことがないんです。そういう意味では僕は“異常”です、おそらく(笑)。ただ北斎は身体に集中していたというより、身体のことなんて忘れて生きていたわけですよね。それでもおそらく90近くまで、あの時代に生きられたということは、身体が北斎に引きずられて、付いて行ったんだと思いますね。回復力もすごかったんだと思いますね。脳梗塞で身体をやられても何とか動けるようにして…いまの時代だったら北斎は生きられなかったかもしれないですよね、周りが大騒ぎして。田中泯――「休まずに踊ってきた」とのことですが、その中で肉体の変化は如実に感じられているかと思います。肉体を超える“何か”を感じられているのでしょうか?田中僕に言えるのは、踊りというのは人前で身体を動かして高度な技術を得て、拍手喝采!というものではないよということですね。それだったら、みんなが踊れないじゃないですか。でも動きの話なんかじゃなくって、それを心と置き換えてもいい、みんなが「踊った」からこそ、いま踊りがあるんですよ。それは間違いないですよね。若い頃にそういうことを感じたかはわかりません。「俺だけの踊りを踊りたい」ってことだったかもしれない。いまは違いますね。身体は本当に20年も前からガッタガタですよ(苦笑)。でもね、身体は動きたいんですよ。要するに、“自分”というものが僕の中にいるわけじゃないですか? でもどこにいるのかわからない――考えてみたら、全部が自分なんですよね。足の裏も何もかもが。それを「私の足」と言っておきながらみんな、それほど気にしてないでしょ? 歩くとき、身体のことを意識して歩く人なんてそうはいなくて、全部自動的に身体がやってくれているんですよね。それを僕は全部意識的に生きてるんです。でも歳を取ってくると、いままでの意識と変えずにやってると、いつのまにか膝が曲げられなくなったり「腰が…」とか「目が…」とか言い始めるし、それは自然な成り行きですよね。その人の暮らしが原因でそうなっていくわけで、それが「老人」というものだという世間の常識ができています。みんな、常識の中に押し込められていくわけですよ。「押し込められている」とは誰も思わないでしょうけどね(笑)。僕は、その常識の中にいると思いたくないんですね。北斎も絶対にそうだったと思います。表現は違いますけど、それは同じですね。これを「痛い」と言って、触らないままでいたら歩けなくなるなってね。そういうのは刻々とありますけど、全部、抵抗してます。――逆に柳楽さんには、“若いときにしか持ちえないもの”についてお聞きしたいと思います。演技でも、年齢を重ねるにつれて備わっていくもの、技術や経験値があると思いますが、そうしたものを超越したもの、初期にしか持ちえない技巧を越えた“衝動”みたいなものの存在は感じますか?柳楽若い頃にしかない感覚はあると思います。僕自身は、自分のことに意識を向けるというよりも、周りが動いていることに付いていくのでいっぱい、いっぱいだったという感覚でした。こうして30代になって、ようやく自分のペースみたいなものを見つけられてきたかなと思います。最近、「10代の頃ってどうでした?」と聞かれることが多いのですが、その時の感覚というのは思い出せないんですよね(笑)、だからこそ、30代でもうひと花咲かせたいという思いもあります。田中“折々の花”というか、その年代、年代で…いや、年代どころかその瞬間、その瞬間で周りの評価ではなく、本人がベストなことをやっているに違いないんですよね、みんな。それをやりおおせていない人と「やれた」という人とでは差はどんどん開きますよね。それをなぜやれたかというと、それだけの気迫と集中力を持っていたからだと思います。それは偶然かもしれないけど、そうやって生きてきたんだと思うし、いまから振り返って、恥ずかしかったり「もう一度、やり直したい」とかいろいろ思うことはあると思います。でもそこには戻れないわけで、いまの一日はどうなの? ということにしかならないわけですよ。彼はある年代、ある場所…それは語るには多すぎるくらい、いろんな記憶があって、それが“花”なんですよ。でも花が多すぎるんですよね。自分の中で「やれた」とか興奮を感じたりするんです。それをいちいち言葉では表現しませんよ。そうやって生きてるんだもの。それはどんな人でもそうだと思う。誰もが「これは譲れない」というものを記憶の中に持って生きてるんだと思います。僕は、彼の若い頃の話はドキュメンタリーでも見てますし、映画も見てますけど、まさかその人とこんなふうに出会うなんて、誰が考えますか(笑)? 当時、僕はまだ俳優もやってなかったしね。柳楽 ありがとうございます。泯さんの言葉に救われました。僕は、取材などでよく10代の頃のことを質問されるのですが、当時は、一生懸命に生きているだけだったので、答えるのが難しくて。田中だから「一番心に残っている作品は?」なんて聞かれても答えられないよね。どれもが一番、一瞬、一瞬が一番なはずなんです。そんな手抜きの人生はやってないんですよ。柳楽いろんなことをやって来たので、自分にとっては全く恥ずかしいことではないですし、その当時は、全力でやっていたと思うんです。周りから「大変でしたよね?」と言われることもありますが、自分としては「ここまで楽しんでやってこれた」という意識のほうが強いんです。『HOKUSAI』公開中取材・文・写真:黒豆直樹
2021年06月09日日本が世界に誇る芸術、浮世絵。数多い絵師のなかでも国内外を問わず、高い支持と評価を得続ける葛飾北斎の、謎多き生涯を見つめた映画『HOKUSAI』が5月28日から公開になった。柳楽優弥とともに、2人ひと役で北斎に扮した田中泯を直撃した。世界的なダンサー、舞踊家であり、『たそがれ清兵衛』(02年)以降は、唯一無二の空気を放つ俳優としても活躍し、本編でまさに“画狂人”と呼ばれる北斎を体現している田中。北斎は、90歳まで生き、死ぬ間際に「あと5年あったら、本物の絵描きになれたのに」と言ったとされるが、現在76歳の田中も、まだまだ表現の道を模索、邁進している。そんな田中が、「芸術家とか表現者は、『私の』踊りなどと言うが、そんなこと言えるはずがない」と持論を語り、2024年から「ブレイクダンス」がオリンピック正式種目となることにも吠えた。○■死ぬ瞬間まで、もっと生きたいと思い続ける人生を送りたい――もともと北斎がお好きだと聞きました。昔、マッチ箱に「冨嶽三十六景」が刷られたことがあって、夢中で集めました。水にちょっと漬けて、パカっと剥がれた絵を台紙に貼って集めてましたね。それにしても北斎は、本当に人間が好きなんだと感じます。あんなに克明に人の体の瞬間を描き続けた人なんて、ほかにいないでしょう。だいたい絵描きといえば、描く対象をじっとさせるわけです。それで絵描きのテンポで描いていく。北斎は逆です。ちょっとした瞬間を逃さず切り取る。もう愛としか言いようがない。好奇心と、愛の力。あんな情熱のある瞬間を生きられるだろうかと思いますよ。――田中さんはずっと踊られてきましたが、北斎と同様、人や自然を見続けてきましたか。もちろん。師匠から教わりました。他者に対して好奇心を持たない人間に、だれが興味を持つんだと。――北斎は90歳まで生きて、死の間際に「あと5年あったら、本物の絵描きになれたのに」と言ったとされています。その思いに共感できますか?うん、できる。どうせ死ぬならそういう風に死にたいですね。死ぬ瞬間までもっと生きたいと思い続けるような人生を送りたい。――常に走り続けたい?別に歩くでもいいんですよ。1日1日、あるいは1年1年でも。とにかく人が語る人生観には乗りたくない。みな自分にとっての新しい瞬間が常にやってくるわけでしょ。それに自分はどうやって付き合っていくか、それだけです。生きるなんて言ってみれば方便です。偶然がもたらしてくれたたくさんのものとともに、自分は一瞬一瞬を過ごすことになる。ほとんど偶然ですよね。自分が決めたものではないものばかりのなかで、生きているわけです。でも少なくとも、自分の1歩、1日、一瞬というのは、自分から始めることができるはずだというのは思います。○■「私の」踊りなんて、そんなこと言えるはずがない――田中さんが映像面で活躍されるようになったのは57歳以降ですが、これまでの表現の仕方とは全く違いますね。映像の世界といってもピンからキリまであるだろうし、これも偶然に近いのかもしれない。そこに集まってきた人たちでチームができる。このチームの形というのは、ひとつとして同じものがないわけです。それが場を作り、瞬間を作り、それが結像したものとして残る。それをさらに編集して宣伝をして人々のところに届く。スリル満点ですよね。一体だれがどうやってコントロールしてものにしているのか。ひょっとしたら偶然のほうが強いかもしれない。――ライブでおひとりで踊っているときより、さらに統制が効かないと思いますが、スリル満点だと。面白いですか?面白いですよ。僕が踊っている踊りは映像にはなりませんと若いときからずっと言い続けてきました。踊りのライブには繰り返して再生していく能力というのは一切ない。そこが映像とは決定的に違うところです。芸術家とか表現者は、「私の」と言いますよね。「私の踊り」とかね。でもそれは僕には本当にバカバカしい。そんなこと言えるはずがない。私のやっている動きなんて、同じことをやっている、やってきた人はごまんといるわけです。でもその時間と、見てくれる人と、場所とさまざまな偶然が形成しているなかで、たまたま私が踊って、無名ではない、みんな名前のある人たち、ひとりひとりが見ていて、そこで成立する。それは二度と起きない。――北斎は絵を究極的に求め続けますが、「自分であること」へのこだわりもある気がします。よくわからないな。――田中さんは踊りは「自分の」踊りではないと。全然自分でなくてかまいません。――北斎は自分であることも求めているような気がするのですが。そうかな。あなた知ってるの? 北斎の頭のなかにあることの何万分の1も僕らは知らないですよ。でも図々しくも映画にしてるわけ。この映画も、これが北斎だという決定版じゃ絶対にありえない。永久に無理です。でもだからこそラッキーにも北斎の作品をこうして映画で観られるのはすごいこと。北斎の頭のなかに浮かんでいたものが何なのか、想像もできないけれど、少なくともこうして残した絵を見ることはできる。こんなちっちゃな人でもひとりひとりの体をきっちり描いて。こんな作家はいませんよ。○■ダンスがオリンピックの競技に? いい加減にしろよ――北斎は大病したあとも描き続けますが、やはり絵が好きだからでしょうか。好きだからかなんて尋ねますけど、私たちには想像がつきませんよ。どのくらいのことなのか、どういうことなのか。そっちを考えたほうがいいんじゃないですかね。分かりようがないのだから。すごいとしか言いようがない。続けたことだって彼の中では取るに足らないことかもしれないし。でも今の世の中は、一生懸命言葉にして均そうとしてしまう。分かるわけないのに。――確かにそうですね。田中さん自身のこれから先の野望はありますか?野望は好きです。野が好きなので。日本語は本当にすごいなとますます思うようになりましたが、「野」を「望む」と書く。踊りというのは、個人を有名にさせる道具じゃない。今ほど技術を追い求めて、技術が成就すれば踊りになると思っている時代はありません。それはひっくり返したいと思います。それだとスポーツとどこが違うんだと。昔の人は、あの人には踊りの心がある、絵心があると言ってましたが、つまり心があれば踊れるということです。動くだけじゃ半分なんです。同じことをやっていても、「あの子はいいな」と思うことができるでしょう? パリのオリンピック(2024年)からブレイクダンスが競技として加わります。ストリートダンスというのは抵抗の踊りだったはずなんだけど、それがオリンピックの競技になると。いい加減にしろよ、です。田中泯1945年生まれ、東京都出身。74年に勝つ小津を開始し、78年には海外デビューを果たす。スクリーンデビューは02年の『たそがれ清兵衛』。同作で日本アカデミー賞新人俳優賞、最優秀助演男優賞を受賞した。近年ではダンサーとしての活動のみならず、役者としてさまざまな作品で存在感を見せている。主な映画出演作に『隠し剣 鬼の爪』『八日目の蝉』『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『アルキメデスの大戦』。公開待機作に『峠 最後のサムライ』がある。
2021年06月02日8月6日(金)に公開する『映画 太陽の子』より、予告編とポスタービジュアル、主題歌情報が解禁となった。本作は主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の豪華共演で、“日本の原爆開発”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの等身大の姿を描いた青春群像劇。パイロット版と言うべきTVドラマが2020年にNHKで放送され、大きな反響を呼んだ『太陽の子』がドラマ版とは異なる視点と結末が加わり、本映画でついに完結する。作・演出は、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や、大河ドラマ『晴天を衝け』の黒崎博。『太陽の子』は太平洋戦争末期に、実際に海軍からの密命を受け京都帝国大学・物理学研究室が行っていた「F研究」と呼ばれる新型爆弾開発の事実を基に作られたフィクション作品で、極秘任務に携わる科学者・修を、今年『ターコイズの空の下で』『HOKUSAI』と主演作が次々に公開する柳楽優弥が演じる。そして、修とその弟がほのかな想いを寄せる幼なじみの世津を、大ヒット公開中の『花束みたいな恋をした』に出演した有村架純、修の弟で戦地で心に傷を負った軍人・裕之を、『天外者』『ブレイブ -群青戦記-』に出演した三浦春馬。日米合作のスケールの大きさを覗かせる本作にはさらに、田中裕子、國村隼、イッセー尾形、山本晋也らが脇を固め、国際色豊かな演技派俳優陣が顔を揃える。解禁された映像は、笑顔で「いっぱい未来の話しよう」と固く手を結びあう3人の姿から始まる。まずは「今研究しているもんが完成すれば戦争は終わる。世界を変えられる」と未来への可能性を信じ、未知なる世界への研究に目を輝かせ「実験しましょう!」と夢中になる修(柳楽)。続いて「戦争が終わったら仕事する。結婚はその後や!」と現実をしっかり見つめ、未来への強い意志を持つ世津(有村)、「怖いよ、俺だけ死なんわけにはいかん」と戦場への恐怖をさらけ出す裕之(三浦)も確認できる。さらに「俺らがやってることは正しいことですか?間違ってるんですか?」と物理学の魅力を感じながらも、一方で多くの命を奪う兵器開発を担うという葛藤に抗う修の姿も。そして研究を続けようとする修に向かって「科学者とはそんなに偉いんか」と諌める母親・フミ(田中裕子)や「(戦争に)勝っても負けても何も変わらん!」と、強い怒りを顕にする世津、命を顧みず戦場へ向かおうとする研究生に「生きるんや」と強いまなざしで研究室へ残るように促す荒勝教授(國村隼)も映し出された。キービジュアルは1点を見つめる修・世津・裕之それぞれの表情が並ぶ。3人が見つめる先には一体何があるのか、それぞれの想いが溢れ出す、映画本編を観て確かめたくなる1枚だ。また6月4日(金)よりTOHO シネマズ日比谷ほか、一部劇場を除く全国の上映劇場にて、特製クリアファイル付ムビチケも発売開始。そして主題歌は福山雅治「彼方で」に決定した。過去に原子爆弾が投下された故郷・長崎に現存する被爆樹木を通じ「平和への願い、生命の逞しさ」を発信する“KUSUNOKIプロジェクト”のプロデューサーでもある福山。本作品の修と世津、裕之の3人が時代に翻弄されながらも懸命に生きていく姿と、愛する者への思いを描いた本作に共感し、鑑賞後に製作陣とヒアリングや打ち合わせを重ねて製作されたという。福山雅治・コメント僕自身の祖父母、両親は、1945年8月9日の長崎を生きていました。奇跡的に大きな被害を免れましたが、それは恐ろしく苛烈な現実だったと聞いています。『映画 太陽の子』は、そんな過酷な時代を懸命に生きた人たちの物語。人間は、その生まれた時代や逃れられない現実によって、かくも美しく、と同時に、時に愚かな選択をしてしまうのかと。僕にとって本作は、遠い過去の話ではなく、自分ごととして、そして今に続く『平和な世界への願い』という人類の未来へ向けてのメッセージを受け取った映画でした。すべての生命が等しく生きられる世界、また、そういう時代へと、未来へと向かっていくための願いが込められた本作に、歌という形で関わらせていただけるこのオファーを、大切に、光栄に受け止めています。『映画 太陽の子』8月6日(金)公開
2021年06月02日映画『HOKUSAI』(5月28日公開)の公開直前ヒット祈願報告会トークイベントが26日に都内で行われ、柳楽優弥、田中泯、永山瑛太、玉木宏、瀧本美織、橋本一監督が登場した。同作は世界的アーティスト・葛飾北斎の知られざる生涯を描くオリジナル作。その才能は認められながらも、売れない絵師として葛藤の中で筆をとり続けた青年期の北斎を柳楽が、芸術家としての情熱を失うことなく孤独に自らの画才を磨き続けた老年期の北斎を田中がそれぞれ演じる。「人間・北斎」と、彼が描いた「三つの波の秘密」が生まれるに至った物語を描く。晩年の北斎が通ったと言われ、86歳の時に大絵馬に描いた晩年期最大級の肉筆画「須佐之男命厄神退治之図」を奉納したことでも知られる、墨田区にある牛嶋神社に一同揃って大ヒット祈願。関東大震災で現物は焼けてしまったが、神社には今も復元された絵が飾られており、その絵には様々な病気や凶事を起こす厄神たち十五体が須佐之男命にひざまずき、今後悪さをしないよう証文に手形を押されている様子が収められている。柳楽は「今日お伺いした牛嶋神社や先日訪れた小布施のお寺などで北斎の作品を見させて頂いたのですが、北斎の絵には悪いものを跳ね返して断ち切る力が本当にあると思います。大変な時期ですが、この映画の持つ力が悪いものを跳ね返してくれたらいいなと思います」、田中は「86歳の時に描いたと聞いてびっくりしています。凄まじいパワーを感じました」と、北斎の絵に圧倒されていたようだ。現在、一部エリアでは緊急事態宣言下で劇場休業している状況での公開となるが「こんな日だからこそやり遂げたいこと」について問われると、日本映画が大好きと語る柳楽は「映画館で映画を観たい」と願いを口にする。田中は「いつもと変わらずに1日をしっかりと生きることが大切」と語り、永山は「誠心誠意の演技をして日本の人を元気にしたい」、瀧本は「前向きな気持ちを発信し続けていきたい」、先日祖父が100歳を迎えたという玉木は「こんな時だから地方への行き来はできないですが、子どもも生まれたので祖父に会いに行きたい」、監督は「劇場に行きましょう、映画を観ましょう!」とそれぞれ、先の見えない時代だからこそのやり遂げたいことを挙げた。最後に本作を楽しみにしている人々に向けて作品を代表して柳楽が「こういう時期にもかかわらず、公開することができたことをありがたく思います。人はトンネルに入ったら出口を探すと思うんですが、芸術や映画はトンネルでのライトになりうる力があると思います。一日でも早くコロナが収束して皆さんの笑顔が戻ることを思って頑張っています」と真摯なメッセージ。田中も「北斎こそが人々を愛し、人々の体を描写した最初で最後の人だと思っています。ぜひ、北斎に愛されに、映画を見て欲しいです」と作品をアピールした。
2021年05月26日葛飾北斎の知られざる生涯を描く映画『HOKUSAI』の公開直前ヒット祈願イベントが5月26日、都内で行われ、北斎の青年期、老年期をそれぞれ演じた柳楽優弥と田中泯、共演する永山瑛太(柳亭種彦役)、玉木宏(喜多川歌麿役)、瀧本美織(コト役)、橋本一監督が出席した。代表作「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」をはじめ、生涯を通じ、約3万点の作品を残したとされ、19世紀には欧州でジャポニズムブームを巻き起こした江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の知られざる生きざまを映画化。当初は2020年5月29日に公開予定だった本作が、1年の延期を経て5月28日から全国公開される。柳楽は「それもこの映画の運命だと思う」と1年越しの封切りにしみじみ。「僕自身、映画をはじめ、いろいろなアートを通して、勇気をもらってきたし、北斎も時代を超えて、僕たちに刺激を与えてくれる」と語り、「北斎の絵のように、この映画にも(悪い状況を)跳ね返す力があるはず。芸術や表現が、長いトンネルにライトをつけ、出口に誘導する力があると信じて頑張っていきたい」と決意を新たにした。緊急事態宣言の影響で、一部地域の映画館が休業を強いられる状況だが「映画が大好きですし、映画がもつパワーに憧れもしている。どんな状況であっても、映画館で映画を見たい」と力強く訴えた。同席した橋本監督は「個人の考え」とした上で、「基準も理屈もなく、一方的に映画館が開けられないのは、言語道断」と憤りを示し、「映画に触れられない人がたくさんいるのは、間違っているとしか思えない。開けたほうが世のためだと思う」と思いを打ち明けていた。「公開が近づき、かなり緊張しています。きっと届くものはあるはず」と語る田中は、「(芸術が)世界を変えられるかわからないが、それはどう受け止められるか次第」とも話し、「北斎という人は、その時代その時代で、常識と真っ向から対峙した。こんなときだからこそ、まともに常識と向き合うこと。僕らは常識に従順に生き過ぎている」と北斎からの“学び”を熱弁していた。同日、柳楽は晩年の北斎が通ったと言われ、86歳の時に大絵馬に描いた晩年期最大級の肉筆画「須佐之男命厄神退治之図」を奉納したことでも知られる牛嶋神社(東京都墨田区)にて大ヒット祈願を行った。取材・文・写真=内田涼映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年05月26日漫画雑誌『週刊ビッグスピリッツ』で連載中の人気漫画『二月の勝者』が、日本テレビで2021年10月からドラマ化されることが発表されました。\ #二月の勝者 特報映像解禁/主演 #柳楽優弥 が最強で最悪のスーパー塾講師 #黒木蔵人 を演じる映像が初解禁✨黒木蔵人の言葉は辛辣で超現実的。その強烈なキャラクターにどんどん入り込んでいく、柳楽さん‼️10月の放送をお楽しみに #井上真央 #加藤シゲアキ #日テレ #土曜ドラマ pic.twitter.com/FOXhmBw68R — 二月の勝者-絶対合格の教室-【公式】 (@2gatsu_ntv) May 20, 2021 高瀬志帆さん原作の『二月の勝者』は、中学受験をテーマに家族や教育など、現代社会が抱えるさまざまな問題に切り込む社会派漫画。本作の主人公であり、最強で最悪の塾講師・黒木蔵人を柳楽優弥さんが、黒木に反発する新任塾講師・佐倉麻衣役を井上真央さんが演じます。また、黒木の元部下であり過去に因縁をもつ灰谷純役に、アイドルグループ『NEWS』の加藤シゲアキさんがキャスティングされるなど、人気実力ともにトップクラスの俳優陣が集結しました。テレビドラマ『二月の勝者』出演者コメントドラマ放送決定に先駆け、ウェブサイト上では、出演者3人の本作にかける意気込みも公開されています。柳楽優弥さんコメントこのドラマで受験に挑むのは11歳くらいの子供たち。自分がちょうど事務所に入ってこの仕事を始めた頃の年齢です。今回その世代の子どもたちと30歳になった自分が一緒に仕事をするというのは感慨深いです。30代になって一発目の作品が「二月の勝者」になります。「俳優は30代からだ!」と言って下さる人も多いので、30代一発目、チャレンジしていきたい!気合十分で挑みたい!と思っています。二月の勝者-絶対合格の教室-ーより引用井上真央さんコメント受験を経験された方、これから迎える方がご自身と重ねながら共感し、皆さんで楽しんで頂ける作品になればと思っています。子どもたちと共に成長していく思いで頑張りますので、宜しくお願い致します。二月の勝者-絶対合格の教室-ーより引用加藤シゲアキさんコメント黒木の言動により、常識と非常識がぐらぐらと揺れていく心地よさをぜひ楽しんでいただきたいですし、灰谷初め周囲の人間がそれによってどう影響され、どう感じるか。きっとめくるめく展開に、目が離せなくなるはず。特に受験生たち。土曜の夜、この時間だけは勉強の手を休めて、さらに受験への意欲を高めて欲しいと思います。二月の勝者-絶対合格の教室-ーより引用[文・構成/grape編集部]
2021年05月25日世界で一番有名な日本人アーティスト、葛飾北斎の生涯を映画化した『HOKUSAI』。青年期を柳楽優弥が、老年期を田中泯が担当し、W主演を果たした本作では、北斎がその才能を開花させるまでのもがきと、人気絵師になってからがダイナミックに、肉厚に描かれている。北斎について、青年期についての資料はほぼ残されておらず、柳楽さんが演じる時代は、史実と照らし合わせながらも、オリジナル色の強い脚本に仕上がった。ゆえに、映画を観て「えっ」、「へ~」と多少の驚きと新鮮さを持って楽しめる。柳楽さんが演じたならではのスパイスも、たぶんに効いているのだが。「演じるにあたっては、監督と話し合って僕たちの北斎像を作り上げていきました。北斎は世界中にファンがいる日本を代表するアーティストなので、正直怖いという気持ちもありました(苦笑)。これまで過去に作らた葛飾北斎に関する映像作品を観た印象では、北斎は割と骨太で無骨な印象だったり、ワイルドなイメージが強かったんです。今回、演じさせていただくことが決まって、役柄を通して調べていくと、実は、知的で、情熱的な一面もあった人だったのではないかと思いました。“彼を突き動かしたその原動力は何なんだろう、すさまじいパワーを持つ人だな”と感じていました」。パワフルさは、柳楽さんが憑依したとも言いたくなる、北斎が一心不乱に筆を取る姿に現れている。実のところ、北斎は、当時人気を誇っていた歌麿(玉木宏)や写楽(浦上晟周)に追いつけず、嫉妬と自信喪失でさまよい、たどり着いた海で自らの才能と五感を呼び覚ましたのだ。柳楽さんの演技と北斎のアイデンティティが合体するような、強いインパクトを残す海のシーンは、必見だ。演じた海での出来事を、柳楽さんは北斎目線でやさしく言葉にした。「北斎は“今、すごくいい絵が描けるぞ” というモチベーションで、海に向かったわけではないのか、と僕は思ったんです。納得いかないとか、悔しいとか、ある意味、絶望的だったと思いますし、そこには、アーティストならではの感情がありそうな気がしたんです。監督と僕たちとで、“これだ”という気持ちを持って撮影しました」。「オリジナリティを大切にする」ことへの思い、と葛藤北斎を演じ切り、完成作を観て、ふと感じたこともあったと柳楽さんは話した。「以前、番組でアメリカの『アクターズ・スタジオ』に行かせていただいたのですが、演じる上で、自分自身が経験した哀しかったことや、少しネガティブな感情を引き起こして表現するという、メソッドアクティング(演技法)を勉強したことがあったんです。映画は、哀しい、淋しいという感情が共有されて、少しホッとする様なところがあって、それが良さでもあるのだと思うんです。アーティストや表現者たちは、一見ネガティブとも思える感情から、美しいものを生み出すことができるエネルギーを持っているんだなと、感じたんです」。そして、青年期の北斎は、「ただ描きてぇと思ったもんを、好きに描いただけだ」と言い、美人画が全盛の時代に、波と富士を主題にした「江島春望」で勝負に出て、結果、江戸を席巻していく。今の時代に望まれる、オリジナリティを大切にする、自分らしく、というワードとも通じている印象を受ける。「ニュースなどで“自分らしく生きるとは何か”という問いかけを見て、僕自身は、“自分らしく生きられている方なのかな…?”と思えることもありますが、俳優をやっていると、台本があって、セリフを読んで、そのキャラクターについて考えていく作業なので…日々、葛藤しています(笑)」。監督の望みに寄り添いながら、自分のオリジナリティを出すような演技も披露していく。一朝一夕にはいかない、高度な技術の話だ。「言われたことに応えるのは大事なことだと思っているので、僕は、 “演出されたい”と思うんです。その大切さを理解しながらも“AIのようにはなりたくない”と思うところもあって。2020年を機に、僕個人としての考え方をより明確にさせて、普段のインプットを充実させたいなと考えるようになりました」。そんな柳楽さんが今インプット、というよりも、気分転換にしていることといえば「ピアノ」だと即答した。「今月(※取材日、2021年4月)から始めたばかり。ピアノ教室に通っているんです。先生から“ここはもっと繊細に弾きなさい”と、指導していただいていますね(笑)」と、照れくさそうに微笑んだ。しかし、役者としての感覚を忘れないのも柳楽さんの特色。「俳優でよかったなと思うのは、(役として)いろいろ習う機会があることです。自分がどうステップアップしていくのかが、何となくわかるというか。“あ、できない…”という感じになると、“はいはい、きたきた、コレね!”と実感する瞬間があるんです!」、課題を課題とも思わず楽しそうに超えていく柳楽さんの話を聞くと、どことなく天才肌の北斎に通ずるところがあるような気がしてしまう。「褒められたらうれしい!」けど…引き締める気持ち、柳楽優弥の本音誰もが知る、実力派俳優と世間にも認識されている柳楽さんだが、20代の頃には、「どんな役であってもいただいた役を一生懸命やりきることで認められて、主演を勝ち取っていきたい。主演として呼ばれるようになりたい」という、強い意志も秘めていた。30代に入った今、有言実行を体現している。「10代のときは、ある程度の経験値と、想像力の引き出しを増やすことが必要だと思っていたので、“脇役をやりたい”と思う時期もありました」。「けど」と、柳楽さんは紡ぐ。「いざ、こうしてまた主演をやらせていただくようになってからも、怖いと思うことはあるので、あまり変わらないのだと思います」。演じるということに対して貪欲で、役や作品に対しての理解を突き詰めている、慣れないことへのプライドを持っていると、柳楽さんの言葉を聞いているとわかる。「もちろん、褒められたらうれしいです(笑)。でも、褒められて“ああよかった”と満足してしまうと、人って、怠けてしまうものじゃないですか?例えば、柔術の世界で帯の色が上がったとしても、改めて気を引き締めていきたいというか。自分の経験から常に気を引き締めないとていけないなと思っています」。(text:赤山恭子/photo:Jumpei Yamada)■関連作品:HOKUSAI 2021年5月28日より全国にて公開©2020 HOKUSAI MOVIE
2021年05月24日昨年、放送延期が発表されていた柳楽優弥主演ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」が、10月に放送されることがついに決定。特報映像も公開された。本作は、柳楽さんが最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人を演じる、中学受験を舞台にした人生攻略ドラマ。念願の放送決定に柳楽さんは「とてもドキドキしています。『二月の勝者』という作品に主演として取り組めることがとにかく幸せです」と思いを語り、「正直まだ手探りな部分がありますが、これから放送に向けて“黒木蔵人”を自分なりに完成させていきたいと思います!(黒木蔵人は)痛烈な言葉をズバッというキレ者です。その魅力的なキャラクターをしっかり掴んでいきたいです。黒木のストイックな部分を自分の中に組み込んで、しっかり表現できるように意識していきたいです」と意気込む。また、黒木との出会いと塾での経験を通して成長していく新任講師・佐倉麻衣役の井上真央は「延期となってからのこの一年、受験の世界や家庭内にも様々な変化があったと思います。今、このドラマを通してどのようなメッセージをお届けできるのか、教育という大きなテーマに改めて向き合い、挑んでいくことに微かな緊張も感じております。柳楽さん、加藤さんと共にいろいろな世代の方にも楽しんで頂けるドラマにしていけたらと思います」とコメント。なかなか撮影ができずやきもきしていたという、黒木の元部下で超名門中学受験塾のトップ講師・灰谷純役の加藤シゲアキも「その間も進んでいた原作漫画を面白く読みながら、このドラマに参加できる喜びをずっと温めておりましたので、ようやくこのプロジェクトが動き出すことにわくわくが止まりません。自分なりに、灰谷という役に、これまで感じた思いを込められたらと思っております」と話し、「先行きの分からない生活に多くの方がぐったりしているかと思いますが、そんな方々に、受験を乗り越えようと頑張る受験生の姿や、それを支える家族や講師の姿が、なにかしらの励みになればと思います。受験生にとっても、そうでない方にとっても、楽しい土曜夜10時になるよう、誠心誠意、演じさせていただきます」と語っている。そして今回の放送時期の決定と合わせて、黒木の特報映像も公開された。新土曜ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」は10月期、毎週土曜日22時~日本テレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2021年05月21日映画『HOKUSAI』(5月28日公開)の大波トークイベントが13日に東京・江戸東京博物館で行われ、柳楽優弥、田中泯、紫舟(ゲスト)が登場した。同作は世界的アーティスト・葛飾北斎の知られざる生涯を描くオリジナル作。その才能は認められながらも、売れない絵師として葛藤の中で筆をとり続けた青年期の北斎を柳楽が、芸術家としての情熱を失うことなく孤独に自らの画才を磨き続けた老年期の北斎を田中がそれぞれ演じる。「人間・北斎」と、彼が描いた「三つの波の秘密」が生まれるに至った物語を描く。イベントには世界的書家・紫舟が登場し、北斎の青年期を怨じた柳楽について「筆の所作がものすごく美しい。プロになると呼吸と筆が合ってくる。線を引くときは息を吐きながらじゃないと引くことができない」と絶賛。「呼吸をしながら、手にもしっかりと目がついているような美しい筆の所作だと思い、見とれてしまいました」という紫舟に、柳楽は「汗かいてきちゃった」と照れつつ、「東京芸大の先生が2人現場に来て下さって練習しました」と明かした。一方、田中について紫舟は「目に見えないものが書けるようになった瞬間、風を見つけたときの北斎の泯さんの狂気に満ちたような笑顔がずっと出てきます。熟練された表情だなと思って」と讃える。田中は「笑顔の練習はしたことないんです」と笑わせつつ「風はたしかに目には見えないもので、踊りも本当は目に見えないことが暗躍してるわけですね。そういう意味ではひょっとしたら踊りに対する目線が近いのかもしれません」と自身に寄せて答えた。さらに汗が止まらない柳楽は「僕、すごい汗かいてて、やっぱり北斎の熱量が……。後で誰かハンカチをください」とリクエストしていた。紫舟のライブパフォーマンスも行われ、完成した作品について「この映画を見て、生きる力、もう1回立ち上がってみようか、踏ん張ってみようかという思いを感じました。大きなうねりや波を起こし、太陽のような明るい赤や、降り注いでる光の黄色などを使いながら多くの人に届きますように、『生き抜け』というメッセージを掲げました」と説明する。柳楽は「圧倒される。生き抜けという言葉もこの時代にすごく響く言葉ですし、北斎を通じて生命力を感じられています」、田中「いやあ、いいですね」とそれぞれ感動を表した。
2021年05月13日浮世絵師・葛飾北斎の人生を描く映画『HOKUSAI』の公開を控え5月13日、北斎の生誕の地でもある東京・墨田区にある江戸東京博物館にてトークイベントが開催され、劇中で青年期、老年期の北斎をそれぞれ演じた柳楽優弥と田中泯が登壇。さらに書家の紫舟もゲストで登場し、本作をテーマにしたライブパフォーマンスを披露した。柳楽は北斎について「90歳まで生きて、絵を描くことに人生を集中して、満足しないで絵と向き合い続けた、その姿がかっこいい」と語る。さらに柳楽は舞踊家として76歳のいまも踊り続ける田中に対しても「泯さんは、10代の頃からずっと踊り続けていて、そうやってひとつのことに向き合い続けている大先輩の姿に勇気をもらっています」と尊敬の眼差しを向ける。そんな柳楽の言葉に田中は「(北斎とは)比較にならないんですが…(苦笑)」と照れつつ、北斎の晩年までの創作意欲について「驚異的ですね。あと5年あったら、もっといい絵が描ける――きっと95歳になっても同じことを言ってたんじゃないでしょうか? 果てしないものに立ち向かっていて、想像を絶します」と感嘆する。書家の紫舟は、本作を見てすぐに創作意欲がわき上がってきたそうで「一気に70枚くらいの書を書き上げました。生きる力をたくさんもらえた映画でした」と語る。特に柳楽、田中がそれぞれ体現した北斎を絶賛! 青年期の“柳楽北斎”については「最も難しい筆の所作が美しい! プロになると呼吸と筆が合ってくるんですが、柳楽さんの筆は呼吸をしているようで、美しい所作に見とれてしまいました」と絵師としての姿にお墨付きを与える。一方、晩年の“田中北斎”については「映画の中で、北斎が目に見えないもの――風を捉える瞬間があるんですが、狂気に満ちた笑顔で、さすが熟練された表情でした。北斎の中で表現したいもの、目に見えないものがしっかりとつながって、あの狂気の笑顔になったんじゃないかと思います」とこちらも絶賛していた。この日、紫舟は黒、赤、青、黄、緑のインクを使って、北斎の“大波”をイメージした絵をライブパフォーマンスで完成させた。「生き抜け」と力強く書かれたこの絵について、紫舟は「私たちはいま、困難な中にいますが、この映画を見て生きる力――『もう1回立ち上がってみよう、踏ん張ってみよう』という思いを感じました。大きなうねりや波、太陽の赤や降り注ぐ光の黄色を使い、多くの人に届くように『生き抜け』というメッセージを書きました」と説明。柳楽は「圧倒されました。『生き抜け』という言葉も時代に響くと思います。北斎を通じて、生命力を感じています」と興奮した表情を見せ「改めて、『生きる』ということを考えさせられるこういう状況でも、強く生きていきたいと思います」と自らを奮い立たせるように語っていた。取材・文・写真=黒豆直樹『HOKUSAI』5月28日(金)公開
2021年05月13日特別展「北斎づくし」が7月22日(木)より、東京ミッドタウン・ホール(六本木)にて開幕する。この度、本展のメインビジュアルが公開となった。20歳で浮世絵師としてデビューしてから九十歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。その生誕260年を記念し、本展において代表作である『北斎漫画』、『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図が一堂に会する。発表されたビジュアルは、アートディレクター / ブックデザイナーの祖父江慎が担当。展覧会のコンセプトである「尽くし」をテーマにデザインされた。使用されているのは、現象を描くことに秀でていた北斎の想像力に着目し、本展の中心となる『北斎漫画』の中から、卓越した風の表現が描かれた『風のいたずら』(十二編)の一図。この図からも感じられる、ずば抜けた想像力やその表現力は、出展作品である『冨嶽三十六景 駿州江尻』でも存分に発揮されている。一方、背景には北斎のまた別側面として、ユーモア全開の『踊独稽古』「悪玉おどり」を使用。まるでアニメーションのように描かれた振付と、リズミカルなセリフが思わず笑いを誘う。なお、本展に協賛している富士フイルム株式会社との連携企画として「『富士山づくし』の写真展」も、東京ミッドタウン1階・FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京にて開催される。こちらにも注目だ。■展示情報生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」7月22日(木・祝)~9月17日(金)東京ミッドタウン・ホール(六本木)<チケット情報>混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入。※チケットの販売に関する最新情報は展覧会公式サイトへ。<観覧料>大人:1,800 円 / 大学生・専門学校生:1,200 円 / 高校生・小中学生:900 円<スーパー早割チケット:1,200 円>8月9日(月)まで使用できるお得な早割チケットも販売。期間:6月1日(火)~7月7日(水)(予定)連携企画「『富士山づくし』の写真展」7月21日(水)~8月19日(木)会期中無休10:00~19:00会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン東京入館料:無料※詳細はフジフイルム スクエア「富士山づくし」の公式サイトへ。※写真展・イベントはやむを得ず中止・変更の場合あり
2021年05月12日柳楽優弥が青年期、田中泯が老年期の葛飾北斎を演じる『HOKUSAI』。この度、北斎が若き天才絵師、東洲斎写楽に追い越され、悔しさを滲ませる本編映像が解禁となった。今回解禁されたのは、絵の本質を掴めず才能がくすぶっている葛飾北斎(柳楽さん)と、彗星の如く現れた天才絵師・東洲斎写楽(浦上晟周)が火花を散らす緊迫のシーンを切り取ったもの。希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)が目をつけた無名の写楽が、舞台役者の「大首絵」で一躍有名になり、闇雲に絵を描き続けるも未だ蔦屋に認められない北斎もその名を聞きつける。「どんなやつか会ってみたくねえか?」と蔦屋に誘われ宴に向かうも、大ヒット作を生み出した写楽が自分よりも年下の少年だったという事実と、周囲から才能をもてはやされていることを目の当たりにし、嫉妬や悔しさで打ちひしがれる北斎。写楽は「ただ道楽で描いたまでです。いつの間にか筆を持ち、興じているうちに描くようになりました。私はただ、心の赴くままに描くだけです。何かお気に障りましたか?」と、見下すようなひと言に思わずイライラ。憤りを隠せない北斎と、そんな北斎を哀れむかのような天才・写楽は険悪なムードに包まれるが、この「絵に関しては誰にも負けたくない」という気持ちこそが、北斎の成長の源になっていく。写楽との屈辱的な対立シーンを演じて「歌麿は先輩で写楽は後輩。その写楽がみんなから称賛されているのを見て、悔しさを感じ、その勢いで写楽に対してキツく当たったら、さらに大きなしっぺ返しをくらってしまうんです(笑)」と柳楽さん。「写楽から言われたことに対して、北斎自身も合ってるかもしれないと、悟ってしまったんだと思います。台本には言い合いの後に『座る』と書いてありましたが、そういう状況の中で座ってしまったら、気持ちが落ち着いてしまうんじゃないかとおもったんです。あのシーンは、言ってみれば喧嘩です。実際に現場に入ってみると、立った勢いで去っていくくらいの気持ちになりました」と明かす。才能が開花し、誰もが認める”葛飾北斎”になるまでがむしゃらにもがき続けた北斎を自身に投影し、感情の赴くままに演じ切った柳楽さんによる青年期の北斎は必見となっている。『HOKUSAI』は5月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:HOKUSAI 2021年5月28日より全国にて公開©2020 HOKUSAI MOVIE
2021年05月11日5月28日(金)に公開を控える映画『HOKUSAI』から、主演・柳楽優弥演じる葛飾北斎と浦上晟周演じる東洲斎写楽が登場する新たな本編映像が公開された。代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちに大きな影響を与え、米 LIFE 誌“この 1000 年で偉大な功績を残した100人”に選ばれた唯一の日本人である北斎の知られざる生涯を初めて描いた映画『HOKUSAI』が公開となる。今回公開されたのは、絵の本質を掴めず才能がくすぶっている北斎(柳楽)と、彗星の如く現れた天才絵師の写楽(浦上)が火花を散らす緊迫のシーンを切り取ったもの。希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)が目をつけた無名の写楽が、舞台役者の「大首絵」で一躍有名になり、闇雲に絵を描き続けるも未だ蔦屋に認めらない北斎もその名を聞きつける。「どんなやつか会ってみたくねえか?」と蔦屋に誘われ宴に向かうも、大ヒット作を生み出したのが自分よりも年下の少年だったという事実と、周囲から才能をもてはやされていることを目の当たりにし、嫉妬や悔しさで打ちひしがれる北斎。これまでの常識を超えた写楽の浮世絵に、納得のいかない北斎は「あれが絵だってのか、あんなものをあんたは欲しがっていたのか?冗談じゃねえ!あんな絵を描くやつは絵師とは呼ばねえ。顔も手も、大きさなんかでたらめじぇねえか!顔だって見ろ、どいつもひょっとこみたいな面してやがる」と蔦屋に声を荒げるのだった。興奮冷めやらぬまま、門下にも属さず、師匠も持たない写楽がどうして絵を描けるのか尋ねると、写楽は「ただ道楽で描いたまでです。いつの間にか筆を持ち、興じているうちに描くようになりました。私はただ、心の赴くままに描くだけです。何かお気に障りましたか?」と北斎を見下すような一言に思わずイライラ。憤りを隠せない北斎と、そんな北斎を哀れむ天才写楽は険悪なムードに包まれるが、「絵に関しては誰にも負けたくない」という気持ちこそが、北斎の成長の源になっていく。年齢やキャリア関係なく、才能を同じ土俵にあげて切磋琢磨させる蔦屋重三郎の厳しさもまた、北斎、歌麿、写楽など錚々たる浮世絵師たちを世に生み出した、名プロデューサーの手腕といえるだろう。写楽との屈辱的な対立シーンを演じて「歌麿は先輩で写楽は後輩。その写楽がみんなから称賛されているのを見て、悔しさを感じ、その勢いで写楽に対してキツく当たったら、さらに大きなしっぺ返しをくらってしまうんです(笑)。写楽から言われたことに対して、北斎自身も合ってるかもしれないと、悟ってしまったんだと思います。台本には言い合いの後に『座る』と書いてありましたが、そういう状況の中で座ってしまったら、気持ちが落ち着いてしまうんじゃないかとおもったんです。あのシーンは、言ってみれば喧嘩です。実際に現場に入ってみると、立った勢いで去っていくくらいの気持ちになりました」と明かす柳楽。才能が開花し、誰もが認める“葛飾北斎”になるまでがむしゃらにもがき続けた北斎を自身に投影し、感情の赴くままに演じ切った柳楽による青年期の北斎に注目してほしい。映画『HOKUSAI』本編映像映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年05月11日映画『HOKUSAI』より、柳楽優弥扮する若かりし北斎と、玉木宏扮する喜多川歌麿の初対面シーンとなる本編映像が公開された。まだ葛飾北斎という名を持たず、勝川春朗という名で絵師をしていた北斎と、江戸中に名を馳せた美人画の大家・喜多川歌麿。才能開花前の原石と売れっ子のプライドがぶつかり合う本映像。北斎は数々の名絵師を世に送り出した希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)を尋ね吉原遊郭へ向かうと、遊郭一の花魁・麻雪(芋生悠)を描く歌麿の姿が。「おめえの描く女には色気がねえ。下手だとは言わねえよ、ただそうだな、てめえの絵は目の前にあるものを似せて描いただけの絵だ。上っ面だけで、命が見えねえ」と歌麿に核心を突かれ、逃げ出そうとする北斎だが、蔦屋の「絵師など他にいくらでもいる」という言葉に踏みとどまり、歌麿が描くモデルの魅力や命が宿った絵を目の当たりにし、周囲に認められるべく闘志を燃やす。そして歌麿もまた、才能を秘めた若い芽に危機感を募らせる。「『面白くないな』という感じですよね。こういう世界では『褒められたい』と思うでしょうし、蔦屋(重三郎)さんが歌麿を称賛するのは相当悔しかっただろうなと思います」と本シーンについて語った柳楽さんは、「それでも、周りの人から刺激を受けることはとても大事なことだと感じたので、北斎の“ハングリー精神”みたいなものを演じるのは楽しかったです」と資料にもほとんど残されていないという知られざる青年期の北斎を、自分なりの解釈で挑んだことを明かしている。一方、天才絵師・歌麿役の玉木さんは「四角い部屋の中で、四者四様それぞれ違う思いを抱えて座っている面白さが詰まったシーンだと思います」と言い、「最初に北斎が部屋に入ってきたときは、上から彼を攻める様な言葉を言っていたのですが、(蔦屋)重三郎が発した一言、『絵師なんて、いくらでもいる』という言葉は歌麿にも当然響いていて、常に新しい人が出てくる危機感というものがあったのだと思うんです。ぬるい気持ちで絵を描くのではなく、自分がヒットを生み出したいという思いも当然あると思うし、『このままじゃヤバい』という危機感のもとスイッチが入って、『見てろよ』と火がついた感じになればいいな、と思って演じました」とふり返っている。『HOKUSAI』は5月28日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:HOKUSAI 2021年5月28日より全国にて公開©2020 HOKUSAI MOVIE
2021年05月10日5月28日(金)より公開となる映画『HOKUSAI』より、新たな本編映像が到着した。代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。本作はゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちを大きな影響を与え、米 LIFE 誌『この1000年で偉大な功績を残した100人』に選ばれた唯一の日本人である北斎の知られざる生涯を初めて描いた映画だ。本日5月10日(旧暦4月18日)は北斎の命日に合わせて公開された本編映像は、まだ“葛飾北斎”という名を持たず勝川春朗という名で絵師をしていた北斎(柳楽優弥)が、江戸中に名を馳せた美人画の大家・喜多川歌麿(玉木宏)と初対面を果たしたシーンを切り取ったもの。北斎は数々の名絵師を世に送り出した希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)を尋ね吉原遊郭へ向かうと、そこには遊郭一の花魁・麻雪(芋生悠)を描く喜多川歌麿の姿が。「上手い魚があるぜ、お前さんも食っていけや!」と迎え入れる歌麿に、北斎は「贅沢な物は口に合わん」と反発すると、「まるで坊さんみてえな野郎だな!だから女に色気がねえんだよ」と歌麿に切り捨てられてしまう。また、「おめえの描く女には色気がねえ。下手だとは言わねえよ、ただそうだな、てめえの絵は目の前にあるものを似せて描いただけの絵だ。上っ面だけで、命が見えねえ」と核心を突かれ、言葉を失いその場から逃げ出そうとする北斎。しかし、蔦屋の「逃げるのか。お前だけじゃねえぞ、絵師など他にいくらでもいる」という言葉に踏みとどまり、歌麿が描くモデルの魅力や命が宿った絵を目の当たりにした北斎は、絵師としての魂が奮い立ち、周囲に認められるべく闘志を燃やす。蔦屋の言葉を聞いた歌麿もまた、才能を秘めた若い芽に危機感を募らせ、誰にも負けないという強い意志とプライドがぶつかり合うふたり。ライバルとして互いを刺激し、切磋琢磨しながら常に高みを目指す向上心の強い彼らからは、投げやりに毎日を過ごす私達をも奮い立たせるシーンとなってなっている。青年期の北斎を演じた柳楽は「『面白くないな』という感じですよね。こういう世界では『褒められたい』と思うでしょうし、蔦屋(重三郎)さんが歌麿を称賛するのは相当悔しかっただろうなと思います。それでも、周りの人から刺激を受けることはとても大事なことだと感じたので、北斎の“ハングリー精神”みたいなものを演じるのは楽しかったです」と、資料にもほとんど残されていないという知られざる青年期の北斎を自分なりの解釈で役作りに挑戦。また、大人の色気溢れる天才絵師・歌麿を演じた玉木も、「四角い部屋の中で、四者四様それぞれ違う思いを抱えて座っている面白さが詰まったシーンだと思います。最初に北斎が部屋に入ってきたときは、上から彼を攻める様な言葉を言っていたのですが、(蔦屋)重三郎が発した一言、『絵師なんて、いくらでもいる』という言葉は歌麿にも当然響いていて、常に新しい人が出てくる危機感というものがあったのだと思うんです。ぬるい気持ちで絵を描くのではなく、自分がヒットを生み出したいという思いも当然あると思うし、『このままじゃヤバい』という危機感のもとスイッチが入って、『見てろよ』と火がついた感じになればいいな、と思って演じました」と、絵師としてのプライドを胸に秘めながら演じたことを明かした。台湾でも2021年夏の公開が決定し、現在も韓国といった東アジアや中南米、ヨーロッパや北米など約30カ国以上からの熱烈オファーを受けている本作。葛飾北斎同様に、世界を超えていく映画『HOKUSAI』の公開まであと少しだ。映画『HOKUSAI』本編映像映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年05月10日