漢方薬の「抑肝散」とは?神経発達症(発達障害)のある子どもにも処方される?自閉スペクトラム症には、イライラや過敏、癇癪など、その特性から生じる症状があります。これらを抑えるためには、環境を調整することが大切ですが、それでも難しい場合には、薬が用いられることがあります。抑肝散の「肝」は「怒り」を意味します。このことからも想像できるように、抑肝散は神経の高ぶりを抑える効果があるといわれている漢方薬です。神経の高ぶりを抑えることで、不眠の改善にも効果があります。もともと子どもの夜泣きに使われていたことで知られていますが、現在では大人の精神的な症状に対しても使われています。抑肝散は、神経が高ぶりやイライラを伴う不眠症、子どもの夜泣き、神経過敏などの精神症状に対して処方されます。筋肉の緊張を緩める働きもあるため、けいれんや手足の震え、ひきつけなどへの適応もあります。また、抑肝散によく似た名前の漢方薬に、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」があります。これは、抑肝散にチンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)という成分を加えたもので、胃腸にやさしく、長期服用しやすいのが特徴です。抑肝散の特徴、効能、効果抑肝散は、複数の漢方の生薬を配合した漢方薬です。ブクリョウ、ビャクジュツ(またはソウジュツ)、センキュウ、チョウトウコウ、トウキ、サイコ、カンゾウが配合されています。「抑肝散加陳皮半夏」は、これにハンゲを加えたものです。抑肝散には神経の高ぶりなどを抑えて、筋肉の「つっぱり」「こわばり」などを緩める効果があります。それにより心と体の状態を良いものにしていきます。・イライラ感・不眠などの精神神経症状・手足のふるえ、けいれん・子どもの夜なき、ひきつけ「疳」が強いと言われる子どもに用いられることが多く、腹直筋が緊張していることも使用の目安となります。抑肝散は乳幼児や子ども向けの漢方薬となりますが、神経症、不眠症、さらには認知症や統合失調症、躁うつ病、てんかん、パーキンソン病など、さまざまな精神・神経疾患の補助薬として処方されています。抑肝散を服用すると、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸の働きが抑えられるため、神経を落ち着かせてくれます。セロトニン受容体への作用もあり、攻撃行動や不安を改善して心身を穏やかな状態にします。また、サイコには熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる作用が、カンゾウには筋肉の緊張を緩める作用があります。このように、本来は神経痛や不眠症、子どもの夜泣きなどの改善に用いられていました。しかし、現在では怒りっぽい、興奮しやすいといった認知症の周辺症状への改善効果があることが認められており、認知症に対しても処方されています。抑肝散の用法、容量は?病院で処方してもらえるの?抑肝散は、市販薬として販売されているので薬局で購入できますが、病院でも処方されます。通常、成人ですと1日分の7.5gを2~3回に分けて経口服用します。年齢や体重、症状により適宜増減が必要です。薬の形状は、錠剤、顆粒、内服液があります。飲むタイミングは、食前と食間が基本です。抑肝散に限らず、漢方薬は、食前か食間に服用します。食事の約30分前や空腹時に飲むようにしましょう。しかし、空腹時に胃もたれなどの症状が起こるようでしたら、飲むタイミングを医師や薬剤師に相談し、タイミングを変えるとよいでしょう。一般的に漢方薬の服用量は、成人と比較して、・7歳以上15歳未満:3分の2・4歳以上7歳未満は2分の1・2歳以上4歳未満は3分の1・2歳未満で4分の1以下と規定されています。年齢のほか、体重から量を換算する場合があります。また、病院で処方される場合は、症状や経過を見て量を調整することもあります。自分で増減せず、医師に相談しましょう。また、漢方薬独特の匂いや苦みがありますので、感覚過敏のある自閉スペクトラム症の子どもの場合、長期服用が困難なことがあります。感覚過敏でなくても、子どもにとっては飲みにくい匂いや臭みがあるので、飲み方に工夫が必要です。次のような方法をためすとよいでしょう。・細かくつぶしてココアや溶かしたチョコレートにまぜる・1歳以上ならはちみつに混ぜる(1歳未満の子どもは、「乳児はちみつボツリヌス症」)を発症する恐れがあるため、摂取することはできません)・薬を飲むためのゼリーオブラートに包んで飲む・水に溶かして製氷機で凍らせてから口にふくむ・アイスに混ぜ込んで食べる抑肝散に副作用はあるの?副作用としては、発疹などの過敏症や、食欲不振・胃部不快感・吐き気といった消化器の症状、倦怠感などがあらわれることもあります。重い副作用はまれにしかないと言われていますが、配合されているカンゾウ(甘草)を大量に服用すると、むくみや血圧上昇などの副反応が起きる(偽アルドステロン症)場合があります。カンゾウはほかの漢方薬にも配合されていますので、複数の漢方薬を服用している場合も、注意が必要です。重大な副作用としては、「偽アルドステロン症」のほか、次の4つが挙げられます。・心不全(息苦しさ、動悸、疲れやすいなど)・横紋筋融解症(手足のしびれ、痙攣、力が入らないなど)・間質性肺炎(から咳、息苦しさなど)・肝臓の重い症状(怠さ、食欲不振、吐き気、発熱など)これらの重い副作用は、頻度は高くありませんが、万が一、体の不調を感じたり、このような副作用の恐れがあると感じたりしたときは、服用をすぐに中止して医師や薬剤師に相談しましょう。抑肝散はどのくらいで効果が表れる?即効性が期待できる漢方薬ではありませんので、ある程度の効果が実感できるまでには時間を要します。そのため、2~3ヶ月は継続的に服用するのがよいとされています。しかし、1ヶ月ほど服用しても症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。抑肝散は自閉症スペクトラム症をはじめとした神経発達症の症状の改善に処方されますここでは、子どもの癇癪やイライラ、過敏などの症状にも効果がある漢方薬、抑肝散についてご紹介してきました。自閉スペクトラム症を根本的に治療する薬はありませんが、その特性からあらわれる癇癪やイライラなど、情緒面や行動面の症状をやわらげることはできます。漢方薬である抑肝散の服用もその1つです。抑肝散の歴史は古く、今から500年以上も前の中国の古典には「母子同服」といって、母子が同時に抑肝散を服用することで母子ともに気の高まりを鎮める効果があると記載されています。また、自閉スペクトラム症をはじめとする神経発達症の症状の改善には、環境の調整や、声かけの仕方・関わり方を変えるなどの取り組みもとても大切です。薬の服用と併せてほかの取り組みも行うことが大切だと言えるでしょう。漢方薬は、年齢や体重、症状によって服用する量を調整したり、服用する期間を決めたりします。効果がある薬には、副作用もつきものです。医師や薬剤師に相談し、一人ひとりに合わせて用いるようにしましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日悪魔の3歳児?3歳児の癇癪がひどい理由は?2歳ごろのイヤイヤ期との違い癇癪(かんしゃく)とは、大きな声で泣いたり、激しく叫んだり奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。気持ちのコントロールがうまくできない幼少期に起こりやすいと言われており、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。乳幼児期(0~1歳)ごろはオムツが汚れている、お腹がすいている、眠いなどの生理的に不快な状況がきっかけで癇癪を起こすことが多いです。1歳を過ぎると自分のしたいことがだんだんと分かってきます。保護者のしたことが自分のしたいことと違う場合に癇癪を起こすことも増えてきます。2歳を過ぎると本格的な「イヤイヤ期」に入ってきます。「魔の2歳」なんて言葉も聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。発語も出てくるので、「いや!」と言葉で自分の主張をしてくることも増えるでしょう。3歳になるとより一層知識・思考力が高まり、自分の主張を言えるようになってきます。「魔の2歳」のときよりも言葉も増え、体力もついてきているので「悪魔の3歳児」と呼ばれているなんてことも。このコラムでは、・3歳児の発達の特徴・2歳のイヤイヤ期と3歳児の癇癪との違い・3歳児の癇癪の原因・ひどい癇癪は何歳まで?癇癪が落ち着く時期・定型発達の子どもの癇癪と発達障害のある子どもの癇癪の違い・癇癪がひどい場合の相談場所など、3歳児の癇癪にまつわるギモンから、子どもの癇癪にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】3歳児の癇癪で気になるギモンに小児科医が回答ここでは、小児科医の藤井明子先生に3歳児の癇癪の原因や、ギモン、家庭や園、外出先での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)イヤイヤ期がそろそろ終わるかと思ったら、3歳になって癇癪がパワーアップした気がします。3歳児の癇癪の原因は何ですか?癇癪はいつごろ落ち着くのでしょうか?(回答)3歳になると、言葉がふえ、短い文章で意思を伝えるようになり、感情の表現が豊かになります。運動面では、歩く/走るといった大きい運動(粗大運動)が向上するだけでなく、手先を使った細かい動き(微細運動)、たとえば積み木を積んだりといったことができるようになります。社会性も発達し、他者とのコミュニケーションが進み、自分の気持ち、人との関係性を意識するようになります。3歳の癇癪の原因は、2歳児よりもできることが増え、自分でやりたいという自己主張が増えたり、感情表現がはっきりすることで、癇癪となることがあります。3歳児は2歳児に比べて、言葉が発達し、感情コントロールも向上しているので、癇癪がへる傾向が見られます。しかし、3歳になって入園したり、習い事など集団生活に参加したりと環境の変化の機会もあり、それに伴いこれまでなかった癇癪が起こることもあります。癇癪は、気持ちの言語化ができるようになり、感情のコントロールが向上すると落ち着いてきます。3歳後半から4歳ごろになると落ち着いてくるお子さんが多いです。しかし、子どもの成長や発達は個人差があるため、癇癪が落ち着かない場合には、かかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)無茶苦茶な要求をしては通らないと暴れます。親のしつけが悪いのでしょうか?(回答)癇癪が強いのは、お子さんの感情コントロールの発達の段階がまだ、成長過程だからです。親御さんのしつけのせいではありません。きょうだいを同じように育てても、癇癪が強い場合もあれば癇癪がほどんどない場合もあり、お子さんの個性はさまざまです。無茶苦茶な要求をされても、「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝えましょう。暴れてつらいと思われるかもしれませんが、癇癪を起こしたら、要求が通るという流れにならないように、できないことは、できないと冷静な態度を取るのが良いでしょう。そして、気持ちが落ち着いたら、それまでやっていた活動に戻り、穏やかな時間を共に持ちましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)わが子の癇癪がひどくてしんどいです。よい対応方法、やってはいけない対応方法はありますか?(回答)「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝え、気持ちが落ち着くのを待ちます。外だと癇癪はないのに、家庭内で癇癪が目立つというお子さんもいます。理由として、園などの集団生活では気を張って頑張っている分、家ではリラックスして気持ちを発散していることなどが挙げられます。その場合、家ではリラックスしやすい環境を整えることが大切です。家の中で癇癪を起こした場合には、安全な場所に一定の距離をもち離れ、クールダウンする時間を設けるのも良いでしょう。園でも、落ち着く環境に行き、クールダウンできるよう工夫しましょう。教室から離れて、職員室へ先生と2人で行く、机の下に潜るなど、落ち着く場所はお子さんによってそれぞれです。園の先生と対応について、相談することをおすすめします。外出先では、癇癪が起きた場所から少し離れて、気持ちが落ち着くのを待ちます。短い静かな時間を過ごして、元の活動に戻ります。癇癪が激しいと、お子さんの要求をかなえてあげたくなることがあるかもしれません。しかし、お子さんの要求を叶えると、癇癪を起こすことが、自分の要求を表現する仕方になってしまうので、気持ちの言語化をサポートしながら、落ち着くのを待ちましょう。【発達ナビQ&A】子どもの癇癪にもう限界…周囲の目も気になってしまい発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。癇癪に関する質問とその回答をご紹介します。いつもお世話になってます。診断はまだですが自閉症スペクトラムであろう3歳半の娘がいます。少しでも気に障ったり気に入らないことがあると「バイバイ!!」と言って原因のものを自分から遠ざけます。積み木をしていて、崩れたりすると自分の目の届かないところに持っていかせます。今朝保育園に傘を持っていって、お迎えのときに雨が降っていなかったので、うっかり忘れてしまいました。でも10メートルくらい歩いてすぐ気づいたので「傘忘れたね!取ってこようか」と声をかけたらパニックになってしまいました。傘を取ってきて「バイバイ!」と私に言ってきても、その辺に捨てるわけにもいかず、家まで持って帰ろうとしても大泣きで動いてくれませんでした。その間お友だちやママさんがたくさん通ってすごく辛かったです。まだ言葉の理解が弱く、すぐ癇癪を起こします。いつか落ち着く日はくるのでしょうか。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。引用:(略)幼稚園での出来事についてはしかたないとして、傘とかは、じぶんできづけは、偉いねですが、普段はお母さんが確認してもって帰ってくることにしてはどうでしょうか?お帰りにもう一度戻る、きっと耐えがたい気分なのだと思います。人前で混乱させないには、イレギュラーな出来事に遭遇させないことだと思います。(略)引用:(略)やはり事前告知が一番安定します我が家の場合、長男が文字を読むのが好きだったので、折り紙などの裏にボールペンで予定を2通り書いて選ばせたりしていました例えば、遊びに行く場合だと、11:00が今、お昼は何時かな?(12時!と答えてくれる)、じゃあ12:00〜13:00までお昼だよね。13:00〜遊びだね。と時間軸を横に置いてスケジュールを見える化します。ママはこっちの方がいいと思うんだ!と言いながら、11:00(今)〜12:00をお昼、13:00〜ずーっと遊び。みたいにパッと見ても先にご飯食べた方が途中抜けしないで遊べるよ!とメリットを感覚で理解しやすいように伝えました。(略)参考:発達ナビQ&A(解説)発達障害のお子さんの癇癪は、定型発達のお子さんに比べて、癇癪が強い傾向にあります。それは、こだわりが強かったり、気持ちのコントロールが未熟だったり、見通しが立たないことに不安を感じやすいなどの、特性が関係していることがあります。気持ちの言語化を図り、落ち着かせようとしても、なかなか落ち着かないなどある場合には、発達障害か否かを悩むよりも、かかりつけ医や保健センター、発達相談センターなどに相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン癇癪についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月22日いいなと思う彼にはすでに彼女がいる……なんて話はよくあります。でも、場合によっては諦める必要はないかもしれませんよ!今回は、じつは狙い目な「彼女持ちの男性」の特徴を3つご紹介します。こんな特徴のある男性なら、じつは彼女がいない男性よりも狙い目の可能性がありますよ。別れるきっかけがつかめないだけ「彼と出会ったとき、3年付き合っている彼女の存在が……。諦めようと思ったのですが、彼女の話題になったときに悩みや愚痴がたくさん!どうやら別れるきっかけがつかめない様子だったので、相談に乗る名目で距離を縮めることに。彼が正式にお別れして気持ちが落ち着いた頃を見計らってアタック、見事お付き合いに至りました」(25歳/販売員)長くお付き合いしているからといって、必ずしも順調とは限りません。なんとなく彼女とマンネリになっているケースも少なくないでしょう。彼女とのノロケ話を聞き出すフリをして、彼女との仲を探ってみましょう。もしグチや悩みが多いようなら、相談に乗りつつ彼と距離を縮めるチャンスかもしれませんよ。また、長くお付き合いした彼女と別れたすぐ後にアタックしても振り向いてくれない可能性が。彼の気持ちが落ち着くタイミングを待ってからアプローチしてくださいね。彼女よりも他の予定を優先「同じサークルの彼には、他校に彼女がいました。ある日を境にサークルの集まりやイベントへの参加率がアップ。もしや?と思って彼女との仲をそれとなく聞き出すと、どうやらうまくいっていない様子……。彼を褒めたり話しかけたりして、意識してもらえるように頑張っています!」(20歳/大学生)彼女と上手くいっている場合だと、彼女との予定を優先する男性が多いかもしれません。男友だちや他の予定を優先しているようなら、なんらかの理由がある可能性があるでしょう。「男友だち優先で彼女怒らない?」と聞いてみましょう。彼女の優先順位が下がっているようなら、アプローチのタイミングですよ。彼女の話を突然しなくなる「彼女と付き合い始めは、なにかにつけて彼女の話をしていたバイト仲間。それが急に彼女の話題を出さなくなりました。それとなく聞いてみたのですが、なんとなく彼女の話を避けているよう。しばらくして彼女と別れたという話を聞きました。彼女の話をしなくなったら、雲行きが怪しいということかも!」(21歳/飲食店勤務)彼女とラブラブな時期は、彼女のことが頭の大半を占めています。会話の節々に彼女の話題が出る男性もいるでしょう。それがめっきり話題に出さなくなるということは、あまり会っていないのか、あまり話したくないということ。いずれにせよ、うまくいっていない可能性が高いでしょう。彼女の話題を出さなくなったタイミングなら、距離を縮めるチャンスかもしれませんよ。彼の様子をよく観察して気になる人に彼女がいるとわかっても、すぐに諦めるのは早いかもしれません。もしかしたらその彼は、今の恋愛に悩んでいるタイミングという可能性も。自然に距離を縮めて、さりげなく彼の様子を探ってみましょう。(愛カツ編集部)
2023年06月12日聴覚過敏があるタケル音に過敏で、家の外から聞こえてくる車のクラクションや、排気音、家族が話している声にもいちいちイライラし、時には火のついたように泣いていたタケル。しかし、幼稚園に行くころには、自分が不快な音を聞いたときにひどく怒りを感じたり、泣いたりしていることに気づいたようです。イライラしてくると「何か嫌な音があるのかもしれない」と、自分でその場を離れたり、耳を塞いだりするようになりました。Upload By 寺島ヒロ調子が悪いといつもは平気な音でもダメになる何デシベル以上はダメとか決まっているわけではなく、ある程度の本人の調子の波があり、同じような音でも気にならないときと、気に障って仕方がないときがあるようです。例えば、私と夫が会話している場合、普段は目の前で話していても全く気にしていませんが、調子が悪いときには隣の部屋からでも「ちょっとうるさいよ!」と言ってきます。わが家ではこんなとき、タケルがつらくないよう会話を中断し、連絡事項があった場合はメールなどで伝達することにしています。癇癪を起こす息子に「それは理不尽だ!」なるべく息子に負担をかけないようにしようと心掛けている私ですが、「さすがにこれには…」と思う出来事がありました。息子は4〜5歳のころから眠れなくて困ったり、逆に起きようとしても身体が自在に動かなかったりと、睡眠に困難を抱えるようになりました。9時か10時ごろには布団に入るのに、それから深夜12時か1時まで眠れません。「本を読もうか?」「一緒に寝てあげようか?」などと声掛けしても「自分で眠れる!」と頑なに拒否します。私も夜は漫画の仕事をしていたので、あまり構っている余裕がなく、ふすま越しに隣の部屋で様子をうかがうだけでした。タケルは眠れないでいる間、ずっとゲームをプレイしているときの音楽と効果音を頭の中でリプレイして口ずさんでいます。声が聞こえなくなって、そっと見に行くと、疲れ果てて眠っているといった具合でした。Upload By 寺島ヒロその夜も、9時ごろには布団に入りましたが、全く眠気が来ていないようでした。そしてそろそろ深夜12時になろうかというころ、不意に唸るような声が聞こえてきました。耳を澄まして聞いてみると...どうやらタケルは泣いているようでした...!部屋に入って行って「どうした?キツい?熱測ろうか!」と言うと、タケルは真っ赤な顔でバタバタっと跳ねると「熱ない!うるさくて眠れないんだよ…!」と叫びました。うるさい?いえいえ、もう深夜ですから家の前に車は走ってないし、誰も喋っていませんよ?Upload By 寺島ヒロ背中をさすりながらしばらく話を聞いてみると、タケルは込みあげてくる自分の嗚咽の声が「不快」なのだと言うのです。なんと自分の声がうるさくて眠れなくてパニックになっていたのでした。眠れないプレッシャーで…真面目な性格のタケルは眠れないことを気に病んでいたのでしょう。そのせいで普段なら意識しない自分の声を「不快な音」として脳が捉えてしまったのかなと思いました。結局、その日は幼稚園は休んで良いことにして、一緒に紅茶をいれ夜のおやつを食べました。テーブルに着いたときはコップを持つ手が震えるほどでしたが、コップが空になるころには落ち着き、深夜3時ごろには笑顔で眠りにつくことができたのでした。執筆/寺島ヒロ(監修:初川先生より)タケルくんの聴覚過敏にまつわる「ちょっと面白い(?)」エピソードをありがとうございます。そうか、自分の声(嗚咽)がうるさく感じられて眠れなくなってしまったのですね。私もそのことだけ聞くと、なんと興味深いと思ってしまいますが、当時のタケルくんはそれで本当につらかったのでしょうから、興味深く思ったり、面白がったりしている場合ではないのかもしれないですが…。コンディションの良くないとき(おそらく体は疲れてたでしょうし、そんな状態のときも含め)は、自分の声すら引き金になってしまうのですね。さて、眠りに関して、うまく寝つけない場合、寝つけないことでより一層気持ちが焦ってしまうことなど、さまざま難しさを抱えているお子さんはいますね。生活リズムとして寝る時間はある程度一定にしたいし、ただ、眠くないのに寝ようとしてもつらいしといったところで悩まれる保護者の方も多いように感じます。発達に関する主治医の先生をお持ちの方はその方に、また、主治医がいなくても気になる場合は小児科でご相談されてもいいかもしれません。日中の過ごし方を工夫したり、寝る前にいわゆる入眠儀式としてルーティンを組むといった工夫をしたり。寝ること自体をどう捉えるかを話し合ってみたり(寝ないと幼稚園行けないよ!というルールだと余計焦ってしまうタイプの子もいるかもしれないですね)。いろいろと工夫できるところはあるかもしれませんが、それは長期的な話で、今夜明日どうするというところで言えば、翌日は幼稚園を休むことにしてまずはおだやかな時間を取られた(夜のおやつでほっと一息、気分転換した)とのこと、よかったです。調子の悪いときがあると、それがずっと続くのではないかなどの不安が保護者の方の頭をかすめることもあるとは思いますが、今はそういう時期かもしれないと付き合う(様子を見る)ことで変化していく場合もあります。しかしなかなか様子が変わらない場合は相談や受診をしてみましょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月26日通園・通学ルートや食事にこだわり、気持ちの切り替えができず癇癪など…発達障害があるわが子の「こだわり・癇癪」体験談丸山さとこさんの中学2年生の息子・コウ君にはASDとADHDがあります。幼少期、「ルーティーン」へのこだわりが強かったコウ君の癇癪を防ぐために、できるだけ「ルーティーンになったら困ること」を避けていたそうです。しかし、コウ君が安心して過ごすためには、「いつもと同じ」であることも重要で…。丸山さんは、どのようにバランスを取っていたのでしょうか?SAKURAさんの娘・あーさんには自閉スペクトラム症があります。SAKURAさん夫婦は、あーさんに発達障害があると知ってから、あーさんが自己肯定感を損なうことのないよう気をつけながら育ててきたそうです。その甲斐あって、あーさんは失敗しても落ち込んだり、自信を失ったりすることなく成長。ところが思春期に差し掛かった今、思わぬ結果に…!?カタバミさんの息子・まちゃ君は特別支援学級に通う小学1年生。知的障害と自閉スペクトラム症があり、幼いころはおとなしく、癇癪やこだわりと感じられることは少なかったと言います。ところが、小学生になって一変!通学路にはまちゃ君のこだわりポイントがたくさんあって・・・。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーン。保育園時代は気持ちの切り替えが難しく、思い通りにならないと泣き暴れ・・・毎日が癇癪の連続だったそうです。小学2~3年生になったころ、友達と遊ぶ予定がなくなってしまったときのこと。癇癪を起こすのかと思いきや、息子さんがとった行動は・・・?みんさんの息子・P君には知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。療育園に通っていたころ、新学期の環境変化にとまどい、癇癪を起こす姿が見られていました。そして、不安になるのは親も同じ。なんとか息子の癇癪を防ぎたいと、みんさんはP君の担任の先生に、お気に入りのおもちゃを出してもらえないか聞いてみました。すると、先生の答えは意外なもので・・・。さいごに今回の「こだわり・癇癪」特集では、発達ナビライターさんからさまざまな体験談をお寄せいただきました。「うちの子も、同じようなこだわりがある!」「わが子の癇癪の原因も、もしかしたら○○なのかも?」などと参考になるエピソードも多かったのではないでしょうか。わが子の「こだわり・癇癪」は、困ってしまうこともあるけれど、子どもの自己表現のひとつの形でもありますよね。うまく付き合いながら、親子共に、もっと過ごしやすくなる方法が見つかるといいですね!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日癇癪を起こすのは子どもではなく…母である、私!?Upload By 丸山さとこ最近はほとんど癇癪を起こさなくなった息子のコウです以前はパニックになったり癇癪を起こしたりして周りも本人も振り回されることの多かったコウですが、小学5年生で「もしかして、自分の表現って人より激しいのかな…?」と気づいたことをきっかけに大分落ち着いてきました。人との違いに気がついて自分を客観視できたから落ち着いたのか、落ち着いたから人の様子や自分の姿を見れるようになったのか、どちらが先なのかは今振り返ってもよく分かりません。いずれにせよ、それらの変化はコウにとってよい循環を産んだようです。「0か100か」の白黒思考で極端な発想にいきついたときも、時間を置くことで「さっきの僕は思い込みが激しかったかもしれない」と気づくことが増えたそうです。そんな風にコウが落ち着いてきた一方で、私は癇癪を起こしやすいままだな~と思うことはしばしばです。実は私もコウと同じくASDとADHDがあり、見通しを立てることや物事の優先順位をつけることが苦手です。表面上は大人である保護者として振舞うため『はた目から見て分かりやすい癇癪』は少ないかもしれません。私が「玄関片づけて。服は脱いだらハンガーにかけるかカゴへ。水筒持ってきた?もう3日目ですが?」とガミガミうるさく言う姿は、よくある『イライラしているお母さん』だと思います。ですが、そんなときの私は『親として怒ったり叱ったりしている状態』というよりも、『自分の思うようにならないことに苛立って、ただ文句を言っている状態』になっているのだろうと思います。Upload By 丸山さとこ脱ぎっぱなしの服、出ない提出物、学校に置き忘れた水筒などなど…何度も言い聞かせたり工夫したりするだけではどうにもならず、難しさを感じることは多いです。コウ自身が「どうにかしよう」と思わないと変化は起きにくいだろうなと思います。とはいえ、ASDの特性からセルフモニタリングが難しく、ADHDの特性から注意の向かう先があっちこっちにいきやすいコウにとって、「どうにかする必要があるのだ」と実感することは難しいと理解はしています。ですが、「理解しているかどうか」と「スルーできるかどうか」はまた別の話です。ガミガミ言っても仕方がないと分かりつつ、私自身が子どものころに感じていた『イライラして癇癪を起こしているとき』と同じ気持ちで、イライラして癇癪を起こしてしまう私です。今の私は幼児のようなもの(かもしれない)このようなとき、私は「今の自分って幼児みたいなものなんだろうな」と思うことがあります。「型はめパズルのピースが思うように入らなくてイライラしてる幼児ってこんな気持ちなのかもな」と幼児に一方的に共感することもあります。Upload By 丸山さとこ『こうしたら入るはずだろう』と思ってピースをグリグリと回転させているとき、『こんなに工夫しているのに、何で!?』と思うのかな?と想像したりします。すると、「今の私は、複雑な形のピースを丸や三角形と同じように捉えてやきもきしているのかもしれないな」と思い至ります。「そうであれば、ひたすら同じ働きかけをしても変化がないのは仕方がないことだな」と考えることで、コウに対して「今の自分は強引ではなかったか?」と振り返る気持ちがほんの少し生まれます。このように幼児を通して自分を振り返ってみると、「今すぐどうにかならない現状」を受け入れつつ「どうにかなっていく可能性」を諦めないでいられることが、幼児とは違う大人らしさなのかもしれないな、と思います。焦りや不安から「0か100か」の白黒思考が強まると行き詰りやすくなるのは、コウだけではなく私も同じだな~と感じます。せっかちに結論を焦らず、投げ出さず、自分自身も含めた現状の変化をゆっくり待てるようになりたいなと思います。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:初川先生より)母の癇癪かもしれないという思索のシェアをありがとうございます。拝読して、私はなんと鋭い視点なのだ…!と驚愕しています。それは、「母の癇癪」をさとこさんはご自身の発達障害に由来するものとして捉えていらっしゃいますが、そこは今はいったん置いておくとして、「親として怒ったり叱ったりしている状態」か「自分の思い通りにならないことに苛立っている状態」か、そこを客観視しているということが鋭く、そして素晴らしいなと感じました。ここ、ドキリとしながら読んだ方、多いのではないでしょうか(私もその一人です…)。わが子を叱る際(叱れているならまだしも、感情的に怒ってしまうこともありますね)、それが子どもにとって必要だから叱っているのか、それとも、自分の家事育児が円滑に進むようにとか、自分の虫の居所が悪くてとか、そうした自分のためにわが子を叱っているのか。ときどき、その線引きができなくなっているときって、きっと皆さん心当たりがあるのではと感じます(私は今、私自身のためにわが子を怒ったことを思い出し、一人静かに反省しています…)。子育てをしていると、また子どもが成長していることに気づいていくと、子どもの様子に照射される形で、自分自身の得意不得意やよくやる気持ちの置き所のパターンが見えてくることがありますね。今回、さとこさんはご自身の発達的な特性によるものなのではと考えてみたり(おそらくそういった面もあるのかもしれないですね)、幼児が型はめパズルに苦戦するときの気持ちが思い浮かんだり、改めてふと考えてみると、保護者である自分自身のありようについての視野が広がったのでしょう。日常にまみれたり、一生懸命になりすぎたりしていると、視野は狭くなるのでそうしたことには気づかなかったかもしれません。コウくんの成長を感じたことが今回の気づきにつながったように感じるので、そうした子どもの育ちと親の気づきとの相互作用はとても興味深く感じます。子どもは自分とは別の人間なので、思ったようには動きません。どうしてもはまらない型はめパズルのピースのように、子どもは親の思ったような形になるものではないということです。でも、パズルのピースとは違って、子どもは育つし、変化する存在でもありますね。そうした大事な視点を今回のコラムから再認識させてもらったように感じました。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月01日発達障害とは知らずに過ごした乳幼児のころうちの息子タケルは2000年生まれ。親の私が発達障害を疑い始めたのは2005年ごろ、実際に診断を受けたのは2008年になってからです。赤ちゃんのころから、ちょっとしたことでもよく泣いていたタケル。小さな音に敏感で、家の外から車のクラクションの音がすれば泣き、幼稚園で友達から肩を叩かれては泣き、スプーンが落ちた音でも泣いていました。しかも、ひっくり返ったり、突っ伏したりして、それはそれは長く長く泣いているのです。Upload By 寺島ヒロタケルが幼稚園生だった当時は、まだ発達障害という言葉もあまり知られていませんでしたし、私もまさかわが子に発達障害があるとは思わず、「この子は繊細だなあ。こんな調子では大きくなって苦労するだろう。たくましく育てなければ!」と思っていました。泣き+暴れ激しい癇癪にビックリしかし、3歳になっても4歳になっても、音に驚いて泣き出すクセが治ることはなく、身体が大きくなり声も大きくなったことで、より暴れ方が激しくなってきました。「うおー!うおー!」と叫び声をあげて倒れ、そのまま身体をよじりながら泣き続けます。時には1時間も2時間も泣き続けていることもあります。故意に人や物に暴力を加えることはありませんが、机には体当たりするし、床に置いてあったものは粉々です。「どうしたの?何かあった?」と聞いても「あった」とはいうものの、それ以上の説明はわあわあという泣き声に紛れて要領を得ません。そのは私も少し「この子には発達障害があるかも...」と疑っていたので、聞きかじりの知識で「これが癇癪ってやつなのかな!?」と思っていました。癇癪を起こしたときの対処法はうちのタケルの場合は、ずっと感情が爆発して泣いている様子ではあるのですが、得物をもって暴れたりはしなかったので、疲れて小休止を取っている隙を狙いすまして、毛布などで包んで、暗い部屋に放り込むということをやっていました。Upload By 寺島ヒロしかし、泣きやんでから何があったのか、どうして怒ったのかを聞いても、本人はほとんど覚えていないのです。憑き物(つきもの)が落ちたようにケロッとして自分の遊びに戻っていってしまいます。どうしてこんなに激しく怒るのか、そもそも何をそんなに怒っているのかは、ずっと謎のままでした。小学生になっても感情爆発!は止まらない小学生になったタケルは、泣きながら床を転がることこそなくなりましたが、周囲には理解できないことで怒り、何時間も泣いているような「泣き怒り」がしばしばありました。家では布団にくるんでおけば安全ですが、小学校で癇癪が起きると、校庭や廊下で棒立ちのままワンワン泣き続けてしまったり、勝手に家に帰ってきてしまいます。学校で迷惑をかける...ということもあるのですが、泣きながら公道を走って帰宅するわけなので、とにかく事故に遭わないかが心配でした。ですので、息子が学校で泣き始めたら電話をもらうことにして、その都度私が学校まで迎えに行き早退させていました。今思い返してもこの時期が1番忙しかったし、「なんでこんなことしちゃってるんだろう?」と私自身も混乱していたと思います。予定通り進まないと怒るのはASDの特性!?いろいろな謎が解けたのは、2008年以降、タケルに発達障害(アスペルガー症候群、現在はASDに統合)があると分かってからです。発達障害について詳しく知りたいと読んだ本の中に、ASDのある子どもは予定通りに物事が進まないと激しい癇癪を起こす場合があると書いてあるのを見て、私は「これだ!」と膝を打ちました。小さかったころのタケルは「ただ音に驚いたから泣いていた」と私は思っていました。でも、もしかしたら「音が聞こえたことで、自分の心の中の予定が変わったり、やろうとしていたことを忘れたから怒っていたんじゃないか?」と気がついたのです。その日も家で癇癪を起こしたタケルに、早速「何かやろうとしていたことがあったんじゃないの?」と聞いてみました。すると「そうだよ!頭の中に全部できてたのに、お父さんがつけたテレビがうるさいからもう台無しなんだよ!!」と言うではありませんか!ビンゴ!!Upload By 寺島ヒロ発達障害の息子の「自分にとっては当たり前なこと」「いつもそれで怒ってたの?どうして予定通り進まないのが嫌だったと言わなかったの?」と聞くと、「予定が崩れるのは誰だって嫌なものでしょう?」とタケル。学校ではよく先生からの声かけや、子ども同士のボディタッチがありますが、それがタケルにとってはいちいち煩わしく「邪魔をされている」と思っていたようなのです。本人からすると、それはあまりに当たり前のことで、説明する必要もないこと。だから余計「なぜボクがこんなに理不尽な目に合っているのに分かってくれないんだ!」と怒りが募っていたのでしょう。息子のように発達障害のある子どもは「普通の(多くの)人だったら平気」が分かりません。タケルにとっては「自分だったら不愉快だ」が当たり前で「ほかの人もそうだろう」なのです。こういうことは、意外と見過ごしがちになってしまうところだなあ...と反省しました。息子自身が障害を理解することで癇癪を軽減「ほかの多くの人は声かけや音などで邪魔が入ったとは思わないし、することも忘れない」ということを知ったので、タケルは「意地悪されているわけじゃなかったんだ」と他人に怒りを向けることがなくなりました。学校での「泣き怒り」も、ぴたりと止まりました。また「中断がこんなにも不愉快なのは障害の特性」ということを、息子自身が理解したことで、集中して考えたり、手順の多い作業をするときは、静かな環境をつくってリスクを減らしてから取り掛かることができるようになりました。残念ながら、22歳になった今でも「何か邪魔が入ると忘れてしまう」という特性自体がなくなったわけではありません。たまに「あー!考えが飛んでったー!」と言いながらイライラしていることもあります。それでも子どものころに比べたら、本当にたまにのことになりました。一生解決しない問題なのかもしれませんが、うまく折り合いをつけていって欲しいと祈るばかりです。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)タケルさんの癇癪、泣き怒りの理由が、とても長い時間を経て分かったのですね。2000年生まれだと、今よりも発達障害や発達障害の特性について知る機会が少なかったかもしれません。その状況の中、寺島ヒロさんが毛布にくるんでクールダウンする環境を整えたり、泣き怒りの理由を一緒に探ろうと質問されたことで、対処法を探ることができましたね。2~3歳ごろの癇癪スタートの年齢では、癇癪の理由をお子さんが言葉にすることは難しいですが、このように実際のエピソードを共有していただくことで、癇癪の対応に苦慮されている親御さんの手立てになりそうですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月25日かるた大会の練習で泣く発達グレーの長男が以前通っていた保育園では、お正月にかるた大会がありました。当時長男は4歳になったばかり。長男はひらがなが読めるかも怪しい段階だったため、「かるたなんてできるの…?」と少し不安でした。とりあえず家庭で練習をしておこうと思い、私が読み手となってかるたを始めると…長男は最初はちんぷんかんぷんな様子で、やり方を教えてもなんだか分かっていない様子。私も始めのうち優しく教えていましたがいつまでたってもできなくて、長男はできない自分にイライラしながらべそをかき始め、私もだんだんイライラ。最後はギャンギャン泣きわめいて終了。かるたの練習をするたびにいつもそんな調子だったのでお互いに疲れてしまいました。かるた大会当日はもちろん上位の成績ではなかったけれど、3枚ほど取っていたので健闘を讃えたいと思います(笑)。Upload By 星河ばよ近所のお友達と遊んだ帰りに癇癪を起こす近所には同年代のお友達が多く、土日はよくお互いの家に行き来して遊んでいました。ですが、長男が年少~年長のころは帰るときが鬼門で。それまでは楽しく遊んでいたのに、「お友達が帰る」もしくは「自分が帰る」ことに気持ちを切り替えられず、癇癪を起こしていました。お友達のママさんパパさんは優しくなだめてくれましたが、私は申し訳ないやら、毎度変わらぬ長男の様子にイライラするやら。そのうち、お友達と遊ばせるのがなんとなく憂うつになっていました。「バイバイするのが寂しいのね」「また遊ぼうね」などと長男の気持ちをくんだ声かけをすればよかったかもしれませんが、当時の私はとにかく余裕がありませんでした。Upload By 星河ばよお友達と遊べなくて…長男が小学2~3年生になったころのこと。近所のお友達と遊ぶため外に出て行ったのですが、すぐに家に帰って来ました。長男はリビングに入ってくるなり、無言のままソファの隅に腰を下ろしました。理由はお友達と遊べなかったからだったのですが、長男なりに気持ちの切り替えを行なっていたようです。それからもお友達の家に行って断られたときは、家のソファの隅にしゃがみこむことが何度もありました。今までだったら癇癪を起こしていたかもしれませんが、気持ちの切り替えが少しずつできるようになってきたように感じました。Upload By 星河ばよ現在も癇癪はつづく…現在小6の長男。ゲームで負けても泣きわめかなくなり、お友達とバイバイするのもスムーズにできるようになりました。でも起床が少し遅れていつもの時刻に登校できないときは、あからさまに不機嫌をまき散らしてきます。「もう今日は学校行きたくない」ということもしょっちゅう。また、楽しみにしている予定が突然なくなったりするのにも耐えられないようで、心が暴走を始めます。まれに近くの物に当たったりもします。あらかじめ「急な予定変更があるかもしれない」ことを伝えることを心がけ、長男の心の持ち方に振り幅を持たせたいと思っています。執筆/星河ばよ(監修:鈴木先生より)私たちでも予定が急に変わったり、思い通りにいかなかったりすると不安になり、イライラするのと同じなのです。ただ、ASDの特性があると子どもでも大人でもその閾値(いきち)が低く程度が強いことがあります。自分の内側で納めきれずに衝動性も加わって自分の外側へ攻撃してしまうことがあるのです。我々はこれをASDによる易刺激性と診断しています。これは、アリピプラゾール(エビリファイ)のような抗精神病薬で調整は可能です。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月12日発達ナビ大賞へのご応募ありがとうございました!発達が気になるお子さんを日々育てている中、「子どもの癇癪に困ってしまった…」そんな経験はないでしょうか?発達ナビ会員のみなさんをはじめ、多くの方からお寄せいただいたエピソードの中から、印象的だった5つのエピソードを発達ナビ編集部が選びました。また、あわせてお読みいただきたいコラムもご紹介します!※LITALICO発達ナビ「みんなのアンケート」にてご応募をいただいたエピソードについては上記より遷移し、ご覧いただけます息子の癇癪、理不尽に思えることにも理由があるから癇癪と暴言・問題行動と長年向き合っています。困った事だらけで…。大変だったエピソードが多すぎ…(笑)雪が降ったからイライラする。雨が降ったからイライラする。TVを付けたからイライラする。ご飯のタイミングが遅いからイライラする。こどもの声が嫌だからイライラする等々…。こちらからしたら理不尽に思える事も息子からしたらちゃんと理由があるんですよね…。言葉で上手く伝えられないもどかしさ。ストレスが溜まってもうまくガス抜きができない。感情のコントロールを上手くできない。折り合いの付け方が難しい。上手くクールダウンできない。本人が一番きつい。でも、対応する周りもきつい。癇癪が出る前に上手くコントロールできるようになれば理想的です。でもそれが難しい。そしてそれが息子の特性。(HARUKAさん)息子さんの癇癪やイライラなどに長年向き合っているというHARUKAさん。一見理不尽に思えることでも、本人には本人なりの理由がある…。理解できても、日々対応しなければならないのは大変ですね。一人で悩まずに、医療機関、療育機関など、第3者へ相談することも選択肢の一つかもしれません。発達ナビには、癇癪にまつわる疑問を小児科医の藤井先生にお答えいただいたコラムもありますので、ぜひご覧になってみてください。スーパーでの買い物中に癇癪!レジで後ろに並んでいた人の言葉が胸に刺さり…3歳の自閉スペクトラム娘は、視覚的な記憶が強く、いつもと違う状況にひどく戸惑います。例えば、スーパーでの買い物。一度行くとスーパーの売場の地図のようなものが頭に入り、棚に並んでいるものの位置も覚えてしまうようです。そのため、次に行ったときに陳列が変化しているとたちまちパニックに。元のとおりに戻そうと勝手に品物を動かし始めます。本人は正しいことをしていると言わんばかりのドヤ顔で…先日もスーパーのレジ前のお菓子が引き金に。いつもと違っていたようで、せっせと動かし始め、ほかのお客さんにもお店にも迷惑だからやめさせようとするも、おさまらない。そしてレジの順番がきて強制終了となり、床に転がりバタバタしながら泣き騒ぎ始めました。後ろのおばさんの「お菓子買ってあげたらいいのに」という一言が私に刺さる刺さる…「買っておさまるならいくらでも買うよ」とぼやきたいのを我慢しながらレジ通過。棚の並べ方が気に入らずパニックになっているのであって、何か1つ買ったところでおさまらない。そしてそもそも娘は偏食でお菓子は一切食べない…。なかなか一般の方々には伝わらないよなぁ。欲しいお菓子買ってもらえてないって映るんだなぁ。そして会計を終えても癇癪は続き、袋詰めのところでカゴの中身を投げ始め、床にヨーグルトをぶちまけ、ポテトサラダは容器から飛び出し…ほかのお客さんに当たらなかったのが不幸中の幸い。本人も生きづらくつらいんだろうと思うけれど、日常の買い物も癇癪の種にあふれ、いつも緊張状態でいなきゃいけないのは正直つらい!(プラムさん)「いつもと違うといや」で並べ替えたい――お子さん本人がつらいのはもちろんですが、日々の買い物にも神経を使う状況のプラムさん、おつらいですね…。買い物など外出中での癇癪・パニックは、たまたま居合わせた事情を知らない方には、一見「ただのわがまま」に思われてしまうということも、保護者のみなさんが困ってしまう原因の一つだと思います。発達ナビライターのSAKURAさんも、お子さんが小さいころ、外出時の癇癪に悩んでいたそうです。しかし、子どもが癇癪を起こしたときの自分の中の「ルール」を作ったことで、少し気持ちが楽になったとのこと!ぜひ参考にしてみてください。癇癪中に虐待だと思われて児童相談所に通報今は中学1年の息子。癇癪がとにかくひどい子で未だにあります。自分の思い通りにならないときなど酷く、テレビを破壊されたり壁に穴を開けられたりドアが凹んだり、コンセント部分も凹んだり時計を投げつけて壊されたり(涙)ギャーという声がまた全力…。最悪なのは、窓が開いてるのに気づかず癇癪中にこちらも怒鳴っていたら、虐待だと思われて児童相談所に通報されました。ちゃんと話をして納得して同情されましたが、通報までされたことがあまりにも悲しくて相談員の方の前で泣いてしまいました。癇癪中はその場から離れるというアドバイスをドクターからしてもらい実行しましたが、その場を離れている間も暴れて壁に大きな穴を開けられました(泣)息子からしてみると見捨てられたと感じたようです。ドクターからのアドバイスでもその子によって効かない事もあるんだと身をもって感じた瞬間でした。少しづつ良くはなってきましたが、ゼロになる日がくるのかはわかりません。段々と成長してもうすぐ私の身長を抜かします。そうなったときにまだ続いていたらもう止められないので、そのときは警察や児童相談所のお世話になることを覚悟していますし、本人にもいざとなったら警察に通報するから、とは伝えています。そうならない事を祈るばかりです…。(空色さん)虐待を疑われて児童相談所に通報されてしまい、悲しみのあまり涙してしまったという空色さん。さらに「癇癪中はその場を離れる」というお医者さんからのアドバイスに従ったら、壁に大きな穴が開いてしまったとのこと…。保護者としてどのように接したら良いのか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。また、ご近所さんとの関わり方も、気になるところだと思います。空色さんと同じように、癇癪中のお子さんとの向き合い方や、ご近所との関わり方に悩んだというユーザー体験談をご紹介します。お友達を嚙んでしまった!頭を下げ続ける日々1人目が軽度発達障害と言われ落ち込んでいたころ(20年以上前です)、2人目(3歳ぐらい?)を近所にできたショッピングモールに連れて行きました。よくテレビとかで見る、これ買ってくれないと嫌だ~!と地面に寝っ転がって地団駄踏むことを30分近くしてくれました…。1人目とは違う特性だったので、この子どもたちは一体何なんだろう?と本当に悩み疲れ果てていました。そのショッピングセンターには半年行きませんでした。(行けませんでした?)遠いところまで買い物に行ったことを思い出します。2人目を連れて行ったのは3年後のことです。あと、幼稚園でのべ6人のお友達をかみました!(一度にじゃないですよ)自分は人様に迷惑をかけたこともないし、謝ったこともなく、子どものためにどれだけ頭を下げまくったか…(遠い目…)。そんな子どもたちも、まだまだ特性がありますが、もう自立できる歳になりました。まだ、3人目が中学生、3人ともそれぞれ違う特性で、いろいろ私にたくさんの経験をさせてくれました。いい思い出とは言えませんが、20年以上たつと親もあきらめることができるようになります(笑)(ゆうママさん)3人のお子さんそれぞれの特性に違いがあり、癇癪だけではなく他害にも悩まれたというゆうママさん。乗り越えられてきた数々の苦労も、いまは思い出となり、お子さんたちも自立できる年齢まで成長されたとのこと。現在進行形で悩んでいらっしゃる方々の励みにもなるエピソードをありがとうございました!発達ナビライターのかなしろにゃんこ。さんの息子・リュウ太くんも、中学生のころまで癇癪が激しかったそうです。そんな「怒りモード」を鎮めるために、リュウ太くん本人が考え出したイライラとの向き合い方とは…?「自分のお金で」ゲームができず癇癪!息子が小3のとき、アーケードゲームをやりたくて自分のお財布を持って行ったはずが、お財布を家に忘れてきてしまいました。「お金貸してあげるから」と、私がお金を出してゲームをやり、一件落着…のはずだったのですが、食料品売り場で買い物をしようとしたら、どうも息子の様子が怪しい。仕方なく買い物を諦めて帰ろうとしたら、暴れながら私の服を掴んで何度も連れ戻すので、大急ぎで買い物をして車に乗り込みました。そこから家までの10分余り、息子は車の中で全力で泣き叫び、私はうるさくて耳が痛い中、とにかく事故を起こさないように必死でした。家に帰ったら、今度は走って家から逃げるし。自分のお金でゲームをしたかったのに、それができなかったこと、買い物をするはずなのに、買い物をせずに帰ろうとしたことが、自分の予定と違っちゃったんでしょうね。その後もゲームセンターへ行くのに忘れ物をして、何度かパニックになったりしましたが、徐々に自分で折り合いをつけられるようになりました。(なまちゃんさん)自分の予定や見通しがかなわなかったことでパニック、癇癪に繋がってしまった、なまちゃんさんの息子さん。少しずつ折り合いをつけられるようになってきたとのこと、良かったですね。発達ナビライターのウチノコさんの息子、ADHDと自閉スペクトラム症のあるむっくんも、小さなころから今から何をするのか分からない状況や急な予定変更が苦手でした。しかし、「見通し」を伝えることを学んでからはずいぶんと過ごしやすくなったそうです。おわりにわが子の癇癪に「困った!」となってしまう場面にも、子どもなりの理由を理解しながら対処されている保護者のみなさまに、頭が下がるエピソードばかりでした!ご紹介したエピソードの中に、みなさんも、共感したり気づいたりしたことがあったのではないでしょうか。大賞に選ばれた5人の方々には、人気エッセイ本をプレゼントいたします。どうぞお楽しみに!発達ナビでは、これからもみなさんに楽しんでいただけるような企画をしていきたいと思っています。次回の発達ナビ大賞もどうぞご期待ください!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年03月01日どうして癇癪(かんしゃく)を起こすの?癇癪にまつわるギモン子育てしていく中のお悩みとして多い「癇癪(かんしゃく)」。大声で泣き叫んだり、壁や床に頭を打ちつけるなど、激しい癇癪への対応に周りの保護者の方もヘトヘトになってしまうという声も多くあります。発達ナビQ&Aコーナーでも、これまで癇癪に関する質問の投稿が1,000件以上寄せられています。発達障害との関係や、家での対応策、服薬するボーダーラインまで、みなさんの疑問とは。「子どもはどうして癇癪を起こすの?」「優しく声をかけてもダメ、怒ってもダメでノイローゼになりそうです。子どもの癇癪はどう対応したらいいのでしょうか」「2歳3ヶ月の癇癪が激しく、切り替えが極端に苦手、落ち着きのないなどの特性もあり、発達障害があるのでは?と感じています」「癇癪がひどく、小児科医で薬を処方されましたが、飲み始めてから子どもの元気がないような気がしていてこのまま飲ませ続けてよいのか心配です」このコラムでは、癇癪のなぜ?から、癇癪への対応、服薬についてなど、体験談や、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。癇癪(かんしゃく)とは具体的にどのような状態のことをいい、原因にはどのようなものがあるのでしょうか。◆癇癪(かんしゃく)とは癇癪(かんしゃく)とは興奮を伴う混乱状態を指します。個人差はありますが、大声で泣き叫ぶ、壁や床に頭を打ちつける、物を投げるなどの激しい行動が見られることが多くあります。赤ちゃんのころから幼児期、児童期にも見られ、人によっては思春期や大人になっても続くこともあります。気持ちのコントロールがうまくできないときに起こりやすく、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。◆癇癪(かんしゃく)の原因赤ちゃんの癇癪は、空腹や眠気、痛み、おむつが濡れたなど生理的に不快な刺激によって引き起こされることが多いです。幼少期以降になると発達段階やその場の状況によって原因は異なるものの、癇癪が起きているときには、「何か不都合を取り除こうとしている」そして「困っているというサインを発している」と考えられます。発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられた、具体的な悩みと解答について紹介します。年少の娘は自閉症です。上手くいかない事があれば、すぐ大声をだしたりグズグズします。原因不明の癇癪や、人形の靴が履かせれないなどなど…ささいな事でキーキー、グズグズ叫んで怒ります。(中略)私も主人もノイローゼになりそうです。助けてください。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 保育園や療育先で相談してもわからないのは辛いですね…わかりやすい癇癪は、例えば自分の要求が通らない時がありますが、他にも大人には理解に苦しむ癇癪が多々ありますよね。まだ生まれて3年です。上手く表現出来ないのです。親としても3年。成長と共に少しずつ理解出来るようになりますよ。例えば息子ですが、保育園時代の昼寝が地獄だったと小学生になってから教えてくれました。 癇癪は言葉で対応しようとしても、興奮していたり、怒っていたりしている場合がほとんどであり、気が立ってる時に働きかけても悪い方向に物事がすすんでいきます。癇癪を起こしてるときは、ものを側におかない、ものをこわしたり投げさせないよう気をつける、頭を叩いたり、ぶつけたりしないように気をつける、などし、興奮がなるべく短い時間に済むようにすることが大事です。癇癪している場合は、さらっとかわす。わたしは、スルー、やり過ごす、これでのりきりました。怒っても、もっとひどくなるだけです。こえかけは火に油になることも多いです。癇癪の対応に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。聞いてみたい質問があればぜひQ&Aコーナーに投稿してみてください!癇癪(かんしゃく)と発達障害の関連とは。自閉スペクトラム症やADHDなどがある子どもの癇癪の特徴は?激しい癇癪に服薬は必要?癇癪にまつわるギモンとして発達障害との関連や薬の服用について気になっている方も多いと思います。発達ナビのQ&Aコーナーにも以下のような投稿が寄せられています。子どもについて初めて投稿します切り替えが極端に苦手、落ち着きのなさ、人を叩く引っ張る噛む等々、上の子よりも激しいことが多々…。特に切り替えの苦手さで言うと、床に寝そべって泣き喚くことは日常茶飯事、何かで釣るのも普段はしないウチですが仮にしたとしても無意味、他の提案も聞いてすらもらえず、機嫌を損ねて癇癪を起こしたら最後で、何をしても無駄です。私は落ち着くのをひたすら待ちます。(中略)診断してほしい!とかうちの子は発達障害!と言い切りたいわけではないのですが、もう少しこの子や周りが上手に楽しく過ごせる方法はないのかな…と日々考えています。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 保育園児さんということで、年齢が分からないので何とも言えませんが、年長さんなら就学相談を含め早めに次の対応を考えられても良いのかな、と思います。年中さんなら、年長に上がる前に、担任や主任の先生とゆっくり、家庭と園の現状について話し合われれ、次のステップにいくかどうか相談されても良いのではないでしょうか。 親が大変かどうかで踏み込んで良いと考えています。「仮に何もなくても、相談して情報が得られるなら」と自治体の保健センターに相談しました。主治医からまさに「親御さんにしか困り感がわからないタイプだね」と言われて支援が始まりました。3歳すぎでASDの診断がおりています。初期の相談から2年経ち、息子も4歳過ぎましたが色々と形を変えた困りごとと向き合い続けているので当時の感覚は合ってたなという結論です。比較的早い年齢での着手でしたが、それでも児童精神科の受診や検査、療育先の契約までにそれなりの待ち時間がかかりました。逆算すればやはり早いに越したことはありません。癇癪がひどくわずかな事にイラつき暴言を吐いたり壁を殴ったりします。ストラテラを服用し始めて約2ヶ月たつのですが すごく改善されていた癇癪がまた元通りになってしまいました。こんな事ってありますか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A. 我が家の主治医からは、薬を服用した際、そのような事例があると聞いていますよ。なお、これはストラテラに限らず、他薬でも似たような結果となる話は聞きます。その薬がどのような働きをするのかなど専門的見解から考えると、現状の癇癪がまた元通りになったというのは、特別おかしな状況ではありません。あくまでも基盤となる生活が毎日同じような繰り返しであっても、些細な気候の変化など様々な動きが生じます。そのなかで、さらに本人自身の体調の変化なども合わさりますと、薬の効果が感じないという事はよくある話でもあり、この場合においてはもう一度病院を受診されるなど、医師にご相談が無難ではと思われますよ。癇癪を頻繁に起こすからといって発達障害があるというわけではありませんが、発達障害のある子どもに見られることが多い傾向が癇癪を起こしやすくしている場合があります。◆癇癪の原因となり得る発達障害のある子どもに見られる傾向・感覚の問題とこだわりの強さ・自分の意思や気持ちを他者に伝えるのが苦手・他者と自分の意図をすり合わせるのが苦手・気持ちのコントロールが難しいこれらの傾向が癇癪のきっかけになり得る場合があります。◆癇癪と自閉スペクトラム症(ASD)自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもには、感覚過敏がある場合が多くあります。周りの子どもにとっては気にならない刺激であっても過敏に反応して癇癪を起こしてしまうことがあります。また、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どものこだわりや不安の強さによって、普段と違うことが起きたり、突然の予定変更に気持ちがついていかず、癇癪につながってしまうこともあります。また、相手の気持ちや意図を理解するのが難しかったり、こだわりが強い、他人のペースに合わせるのが苦手、ということもあります。◆癇癪とADHD(注意欠如・多動症)ADHD(注意欠如・多動症)がある場合は、衝動性から「やりたい」という気持ちを抑えるのが難しいために、相手の気持ちが分かったとしても、その気持ちを譲ることができないことと、感情がすぐに表面化することで、爆発的に怒ってしまうことがあります。【小児科医に聞く】発達障害がある子どもの癇癪(かんしゃく)の対応のコツ、服薬のギモンここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。次に、小児科医の藤井明子先生に発達障害がある子どもへの対応のコツ、服薬のギモンについてお答えいただきます。A. 癇癪を起こす背景として、感覚の問題、こだわりの強さ、気持ちを伝える苦手さなどがあります。癇癪を起こした際に、なぜ癇癪を起こしているのか、お子さんの視線に立って少し考えてみましょう。物事が思い通りに進まなかった、暑かった、いつもと違った順序で嫌だった、など理由が思い当たるかもしれません。癇癪を起こしている最中には、まずはお子さんが落ち着く・クールダウンできるように見守り、少し落ち着いたら、「〇〇できなくて悲しかったね」「思い通りできなくて悔しかったね」と気持ちの言語化を代わりにして、声をかけてみましょう。つい、癇癪を抑えようとして、お子さんの言いなりになりそうになるかもしれませんが、まずはお子さんの言いたい気持ちを受け止めて、言語化してみましょう。事前の対策は、これから起こりうる物事に対して、見通しを持った声かけをしておくと良いでしょう。「今日はいつもと違う道を通って帰るよ」「スーパーに行くけど、おやつは一個だけ買います」など、事前に見通しを立てておくと、気持ちのコントロールの手助けになることがあります。Upload By 専門家インタビューA. 親もヘトヘト、という時点で病院に受診することをおすすめします。特に、お子さんが小さい場合には、親御さんがヘトヘトでも目は離せません。親御さんの疲れがたまると、その皺寄せがお子さんへのイライラにつながってしまうことも多々あります。どうか、一人で悩まずに、医療機関、療育機関などに相談してください。病院に相談したから、すぐに薬の内服が始まるわけではありません。私の外来では、選択肢の一つとしてお薬の話をし、それ以外ご家庭でできる工夫などもお話ししています。また、すぐに癇癪が減るわけではないですが、第3者に相談して、一人でないのだと親御さんが思われるだけでも、少し気持ちに余裕が出てきて、お子さんの癇癪に対して、適切な対応を取れるようになってくる親御さんもいらっしゃいます。Upload By 専門家インタビューA. 服用に際しては、メリット、デメリットについてバランスをみて、服用のメリットがあると判断される場合に処方されます。もし、副作用など疑問があれば、主治医の先生に相談することをおすすめします。小児科で処方する癇癪に対する内服薬は、眠気や怠さなどの副作用が少ない薬を選択することが多いです。副作用があったり、内服中に気になることがあった場合には、主治医の先生と相談のうえ、中止ないし、ほかの薬への変更など考えていきましょう。Upload By 専門家インタビュー癇癪(かんしゃく)の理由は?クールダウン方法や対応は?自閉スペクトラム症など発達障害があるわが子の癇癪エピソード発達ナビライターの方々の癇癪にまつわるエピソードをご紹介します。子どもの癇癪(かんしゃく)で親もつらくなってしまうようなときは、迷わず専門機関に相談を癇癪にまつわるみなさんの疑問や回答、癇癪と発達障害との関係や、癇癪が起こってしまったときのクールダウン方法や事前の対策、病院を受診するタイミングなどをご紹介しました。癇癪が起こると、本人はパニック状態になってしまうため、まずは安全な場所でクールダウンできるように見守り、落ち着いたタイミングで本人の心に耳を傾けることが大切です。また、癇癪には何かしらの理由が隠れています。お子さんがパニックを起こさないで済むように事前に見通しを持てるような説明をしておくことが、癇癪を防ぐことにつながることがあります。癇癪に対して「通院」や「服薬」を聞くと、不安を抱いたり、「自分が我慢すればよい」「そこまで必要かな?」と思うこともあるかもしれませんが、子どもの癇癪で親御さんもつらい状況にある場合は、迷わずに小児科などの専門機関に相談してみてください。Q&Aにぜひ投稿してください!発達ナビはみんなでつくるポータルサイトです。一人ひとりの質問や回答が誰かの支えになっています。参考になる質問や回答を投稿してくださるユーザーの方々いつもありがとうございます!「ぜひ参考にしたい!」というユーザーの方々の声も多いことから話題の投稿などをご紹介し、専門家の先生にもコメントいただければと思っています。子育てに関する疑問や知りたいこと、身近な人には相談しにくいこともあるかもしれません。そんな質問をぜひ発達ナビのQ&Aに投稿してみてください!
2023年01月09日自閉症スペクトラムの娘、あきちゃんとの日常をマンガで紹介しているさやこさん。今回は娘の癇癪がひどくなって、さやこさんが疲れていたときのこと。さやこさんがある行動に出ると……!?母、思わず涙… 自我が出るとともに、娘の癇癪がひどくなって疲れていたさやこさん。今日は、癇癪を起こす娘の手がさやこさんの顔面を直撃しました。 するとさやこさんは、「いいですか。お母さんはもうあなたが落ち着くまで相手をしません」と言って、娘の見えないところに隠れました。 5分ほどすると、 「おっかあっさーんっ、おちっついったー」 と、娘の呼ぶ声が。その声から頑張って泣き止もうとしているのが伝わってきます。 さやこさんが急いで戻ると、甘えてくる娘。その様子を見て「苦しいのはこの子だ」と思い、さやこさんは目に涙をためながら、娘に離れたことを謝りました。 そして同時娘の成長を実感し、成長を見守ろう、もう少し頑張ろう、と思えたのでした。 ◇◇◇ いつもは1時間ぐらい泣き続ける娘さんが、このときは5分で泣き止んだので、頑張って泣き止もうとしていることがわかったのだそうです。そして娘さんが少しずつ成長していることを感じたのだとか。自分の行動を娘にしっかり「ごめんね」と言えるさやこさん、とても素敵ですね。 さやこさんのマンガは、このほかにもブログやInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心にいろいろと過去の出来事などエッセイマンガを描いてます。
2022年11月17日買い物中にトラブルに巻き込まれ、モヤモヤしたことはありませんか?今回は実際に募集した買い物中のトラブル体験談をご紹介します!母性ってものわかるかな?買い物でモールまで行ったのですが、3歳の息子と0歳児の乳児を抱えていました。3歳の息子が疲れてきたのかかなりの癇癪を起こし、これはもう撤退しかないな…と帰宅することにしました。車に行くためにほぼ無理やり3歳児を連れていく形で、0歳児も大泣き…それを見たベンチに座った初老の男性に「お母さん、母性ってものわかるかな?君がやっていることはいじめだよ」と言い出し、勘弁してくれよ…と泣きそうになっていました。するとペットショップのお姉さんが出てきて「僕、すっごいかわいいワンちゃんがいるから一緒に見てみない?」と誘ってくれ、一瞬で癇癪が引きました。お礼を言って店内に入ったのですが「見てましたよー私も子どもがやっと小学校に行ったんですけど、本当に大変ですよねこの年齢!あのおじさんは子育てしたことないんです。ゆっくり見ていってくださいね」と言ってくださり、本当に救われました。(女性/会社員)あなたの周りでもこんなこと、ありませんか?人に対して嫌な態度を取る人は、放っておいて正解かもしれませんね。反面教師として、自分は周りの人に対して優しくありたいものですね。以上、スカッと体験談でした。次回の「スカッと体験談」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年11月07日今回は娘さんが癇癪を起したときのお話です。ある日、お家で癇癪を起してしまった娘さん。さやこさんは横にいながらも、娘さんには一切触れず、娘さんが落ち着くのを見守っていました。しかし、そこに夫がやってきたかと思うと、泣いている娘さんを抱っこしようとして……!?癇癪を起したときの娘の対応。以前、夫に伝えたはずなのに… 娘さんが癇癪を起こしたとき、とにかく落ち着くまで横にいて見守っていたさやこさん。 (もう少しかな……) そう思っていると夫がやってきて「お父さんが抱っこしような」と言い、娘さんに触れてしまいました。 すると、娘さんは「ギャーーーー!!」と暴れ出してしまったのです。 以前から夫に娘さんが癇癪を起したときの対応などを伝えていたのですが、なぜか見守ることができずに途中で手を出しまった夫。 「触ったらダメだって……」 思わず声が漏れると、「じゃあ何!?ほっといてくつろいでていいの!?」と逆ギレ。 (せっかく落ち着きかけていたのに……) さやこさんは思わずため息を漏らしてしまうのでした。 さやこさんは以前から娘さんの対応については、旦那さんに伝えていたそうなので、「やれやれ……」と思ってしまうのも分かる気がしました。皆さんはどう思いましたか? 著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心に色々と過去の出来事などエッセイ漫画を描いてます。
2022年11月02日ほぺろうくんが3歳ごろ、癇癪がひどく、ぼさ子さんは精神的に追い詰められて限界に……。しかし「大好きだよ」と思いを伝えるようにすると、寝る前の癇癪が落ち着いてきました。「適応できないことがたくさんあって、ほぺろうは大変だな……」と、ほぺろうくんの思いを想像してみることに。 息子の正体を妄想してみたら…!? とにかくいろんなものの感覚が合わなくて、すぐ癇癪を起こすほぺろう。 「そう言えば自閉症児って、宇宙人に例えられることあるよな」と思い想像してみました。 急に「ほぺろうの正体は宇宙人なんじゃ?」と妄想にふける私。 そう思うと「もしかして地球人の体をコントロールできていないのでは!?」という気になってきました。(あくまでもぼさ子の妄想です) 「やりたいことがうまくできなかっただけ」かどうかは定かじゃないけれど、お母さんへの攻撃は「怒り表現」のときもあっただろうし「甘えたいけどうまくできなかった」ときもあったのかもしれない。 ほぺろうは焦っていたのかなって。 ◇◇ ◇ 「体をコントロールできない理由」について考えていると、不意に目つぶしされたことも、突然頭突きされたことも、髪の毛を引きちぎられたことも、なんだか納得いくような気がする……?! 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ぼさ子自閉症と中度知的障害を持つ、2015年生まれの息子を育児をしています。いまだに発語はありませんが、母目線でその成長記録を綴っています。
2022年09月05日自閉症と中度知的障害を持つ2015年生まれのほぺろうくんのママ、ぼさ子さん。ほぺろうくんが3歳ごろ、保育園に入園できたものの癇癪がひどすぎて精神的に追い詰められて限界に……。しかし突然「もしかして、ほぺろうは、ずっと前から私の表情に苦しんでいたんじゃ?」と思いつき、「ほぺろう! 大好きだよー!」と思い切り抱きしめました。 いつも寝るときに大暴れするほぺろうくんですが、このとき、ぼさ子さんがぎゅっと抱きしめると? 「気づかなくてごめんね…」 ほぺろうは言葉もなく、考えていることもよくわからない子だったので 「お母さんのことなんて何とも思ってないんだろうな」 と勝手に決めつけていたのですが、そんなことはなかったのかも……。 この当時のこと思い出すと、本当「うわぁあああーーっ」ってなる。 ほぺろうはずっとお母さんが寄り添ってくれるのを待っていたのかと思うと、私、大罪すぎるー(泣)!!! ◇◇◇ いつも寝るときに大暴れするほぺろうくんですが、このとき、ぼさ子さんがぎゅっと抱きしめると、癇癪がスッと落ち着き、安心したように眠りに落ちたのでした。 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ぼさ子自閉症と中度知的障害を持つ、2015年生まれの息子を育児をしています。いまだに発語はありませんが、母目線でその成長記録を綴っています。
2022年09月03日ほぺろうくんの癇癪がひどかった3歳ごろ、あるとき突然気づいてしまったこととは?障害児を子育てするなかで気づいたこと、心境の変化を綴る「障害のある息子からの学び」を短期連載でご紹介します。ほぺろうくんが2、3歳のころ、癇癪がひどすぎて精神的に追い詰められて限界だったという、ぼさ子さん。 しかし、ひょんなことからの気づきによって、今は母子ともに笑って過ごせる時間が増えたそう。その心境の変化とは? 繰り返される癇癪に、気分は落ち込み… 保育園に入園できたものの、この頃はまだ癇癪がひどかったほぺろう。 でも、パートに行き始めて、ほぺろうと離れる時間を作れたおかげで母(私)のほうが少しずつ変わっていけた気がします。 ◇◇◇ 「なにこの癇癪……」「感覚過敏のせい? 眠いのが理解できないせい?」 暴れながら泣き叫ぶほぺろうくんの癇癪をみて、うんざりしてしまったママ。 しかしその瞬間、気づいてしまった「大切なこと」とは一体? 監修/助産師 REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター ぼさ子自閉症と中度知的障害を持つ、2015年生まれの息子を育児をしています。いまだに発語はありませんが、母目線でその成長記録を綴っています。
2022年09月01日日常では何かと理不尽なことも多く、モヤモヤするような出来事はありませんか?今回は実際に募集したそんなモヤモヤを吹き飛ばしてスカッとさせてくれるエピソード「ヒステリーな上司」を漫画にしてご紹介します!「ヒステリーな上司」出典:lamire威圧的な態度に辟易…出典:lamire上司が勢いよくドアを開けると…!?出典:lamire課長にぶつかった…!出典:lamireみんなの前で厳重注意!出典:lamire人間だれしも負の感情が勝ってしまう日もあるかと思います。しかし、周りに当たるのはよくないですよね…。これを機に自分の機嫌は自分でコントールしてもらいたいですね。以上、スカッと体験談でした。次回の「スカッと体験談」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを漫画化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。(lamire編集部)(イラスト/緋龍高弘)"
2022年08月28日皆さんの周りに、ちょっと厄介なママ友さんはいませんか?そんなママ友とは距離を取って接したいですよね…。 今回は実際に募集したママ友トラブルエピソードをご紹介します!信用できると思ったのに…私の子どもは少し癇癪持ちのところがあり、そのことについて1人のママ友に相談をしていました。そのママ友は、信用できると思って相談をしたのです。ところが幼稚園で、私の子どもと一緒に遊ばないように子どもに伝えていたみたいで、そのことをそのママ友の子どもから聞かされました。出典:lamire信じていただけに、かなりショックを受けました。(女性/会社員)距離を取ったら…アパートに引っ越しをしたときにお隣さんの子どもが同じ歳だったことから仲良くなり頻繫に話をするようになりました。元々は子どもの発育や発達の相談をしていたのですが、気づいたら浮気の相談をされるようになりました。あまり深く関わりたくなくなってきたので相談したりするのをやめて一定の距離を保つことにしたのですがそれが気に食わなかったらしく、私が浮気をしていると共通のママ友に言いはじめ、共通のママ友に無視されるようになりました。出典:lamireただそのママ友が私の話を聞いてくれて、浮気の事実がないことや実は浮気をしているのはお隣さんってことを伝えたら再度仲良くしてくれるようになりました。相談ごとをするのもいいですが一定の距離感は大切にしていきたいと思いました。(女性/会社員)いかがでしたか?こんなママ友だと距離を取って接したいですよね…。狭いコミュニティだからこそ、付き合う人は選びたいと思えるママ友トラブル体験談でした。以上、ママ友トラブルエピソードでした。次回の「ママ友トラブルエピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年06月24日痛みにあまり反応しないむっくんは小さなころから痛みに強い子でした。転んでも泣くことはなく、少々怪我をしてもケロっとしています。実はむっくんの父も痛みにあまり反応しないタイプなので、特性なのか家系なのか、ハイブリッドなのかは分かりませんが、とにかく痛みに鈍感なのです。そんなむっくんは周囲にぶつかりやすかったり、物を踏みやすい傾向があります。こういう場合、ボディイメージの弱さが考えられるという話をきくのですが、むっくんの場合はぶつかっても痛くないから、回避行動をとらない面もあるのでは?と感じることもありました。また、他者の体へ接触するときは自分が痛くないように相手に触れるという、心理的な手加減があるかと思うのですが、むっくんは痛いと思わないからか当たりが強く、ぶつかられた私のほうが悶絶し、本人は涼しい顔をしていることもよくありました。発熱時などもつらそうにふるまうことがないので看病などは弟と比較すると楽だと感じることもありましたが、痛みを伴う重大な怪我や病気に気づけなかったらどうしようという心配もありました。その上、癇癪やパニックを起こしているとこの痛みへの反応の鈍さがますます強くなるのです…。Upload By ウチノコうっかり自分を傷つけてしまうむっくんは小さなころ、癇癪を起こすとひっくり返ってじたばた暴れたり、周囲のものを投げたり殴ったり蹴ったりして全身で体の中で膨れ上がる何かを発散させていました。このときに周囲に力いっぱいぶつかることで、怪我をすることがときどきありました。「自傷」のように自分で自分を傷つけようと思っているわけではないのですが、パニックがおさまって我に返ったらあざができていることもしばしば。冷蔵庫をおもいきり蹴とばしたあとに、歩けないと訴えて病院にかかったこともあります。(捻挫でした)むっくんは癇癪時にはいつも以上に痛みに鈍くなるため、怪我をするかしないかの力加減ができなくなっているのではないかと私は考えています。こういうときは、ぶつかられた私もいつも以上に痛い!手加減なしで暴れるので、怪我をしないように押さえようとした結果、お互いぶつかり合ってそれぞれあざができてしまうこともありました。現在は8歳になり力も強くなったむっくん。成長と共に我を忘れるほどの癇癪は起こりにくくなり、暴れたり物や私への暴力も減ってきています。だけど昨年、自分の感情の爆発をなんとか我慢しようと体を手でぎゅうっと握りしめた結果、爪が食い込んで出血してしまったのです。Upload By ウチノコ鎮めるか発散するか今までむっくんは、癇癪を起こしそうなときにはお風呂に入る、好きな読書をする、静かな場所に行くなどの興奮を鎮める対処をしてきました。だけど、この件を受けてこれから力がますます強くなることを考えると、鎮めるだけではなく、安全に発散することも考える必要があるのだなと感じました。そこで手っ取り早く力をおもいきり使えるように部屋にサンドバックを設置。これは過去に私自身もストレスに対処する方法として児童精神科医の三木先生 からアドバイスいただいています(笑)今のところ、サンドバックを蹴り蹴りしながら邪魔!と言っていますが(笑)それでもカーッと来ると部屋に飛び込んでたまに使っている様子です。ほかにも「大きな声で叫ぶ」もよさそうですし、夫は走る感覚と怒るときの感覚は似てる気がするから、全速力で走るのもいいかも?なんて言っています。これからはむっくんの内なる大きなエネルギーを、怪我しない程度に発散し程よくコントロールする術を身に着けていけたらいいなぁと考えています。Upload By ウチノコ執筆/ウチノコ(監修:三木先生より)おおお、サンドバック設置されたんですね…!たしかに邪魔かもしれませんが(笑)。エネルギーを爆発させる、外に出す方法にはいろいろあります。本人がつらくなく、周りに迷惑ではなく、そしてちゃんと発散になる方法が見つかると、かなり暮らしやすくなると思います。
2022年06月17日ほぺろうの癇癪でつらかった時期、家族はバラバラUpload By ぼさ子自閉スペクトラム症と知的障害のあるわが家の息子ほぺろう。正式に診断が下りたのは3歳のときでした。1歳半ごろから発達の遅れは気になってはいましたが、2歳を過ぎたあたりから手のつけられないレベルで癇癪が激しくなり、いよいよ『ほかの子とは違う』という現実を突きつけられていました。当時の私は障害について検索するのに必死。改善する方法を検索して必死。障害じゃない可能性を検索して必死。…頭がおかしくなるくらい検索漬けの毎日でした。しかも「私は母親なんだから子どものことをしっかりやらなくてはならない!」という変な意地を張っていたので、仕事のあるペー太(夫)に支障がないようにほぼ毎日別室で寝ていたし、ほぺろうのことはほぼ全て私がやっていました。ただでさえ大変なほぺろうに私は24時間つきっきり。ほぺろうが何よりも最優先。ペー太とはすれ違い生活で会話は減り、そのころの夫の記憶がほとんどありません。限界のとき…妻に放たれた夫のセリフ3歳でほぺろうの診断名が出た当時の私の気持ちは、わが子の将来が見えなくて不安と絶望。また「育児は母親が背負うもの」という間違った先入観が邪魔して、「癇癪で大暴れ」や「夜の寝つきが悪い」などなど…ほぺろうと二人っきりの閉鎖的な世界で(他人に会うと迷惑をかけるので)全てを私一人で抱え込んでいました。毎日の癇癪と寝不足で心身はボロボロ。限界でしたが助けの求め方が分かりません。というか、もう正しい判断もできなくなっていたので「母親なんだから助けを求めてはいけない」と思っていました。あるとき、追い詰められていた私はペー太に心配してほしくて「ほぺろうがいなくなっても後悔しないかも…」と心にもない言葉を出してしまいました。でも そんな屈折したSOSを理解する方が難しいでしょう。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子そう言い残し、戸を閉めて行ってしまいました。そのときは、「夫は私やほぺろうに無関心なんだと」思ったし、寄り添ってもらえないと感じました。そして、さらに夫に頼るということができなくなりました。転機!全てのきっかけは私自身にあったその後もずいぶん一人でもがき苦しんでいました。でもやがて、地域のサポートや保育園にお世話になれるようになってから私の気持ちに少しずつ余裕が出てきました。そして就職も私にとって大きな転機だったと思います。決して自慢できませんが、家事がどんどん下手クソになっていったのです!あまりにも上手く家事ができな過ぎて、逆に「ま、いっか!」と開き直るようになったせいか、助けの求め方が分からなかった私が自然にペー太を頼れるようになっていきました。すると不思議なことに、なぜか家族仲が良くなってきました。ほぺろうがお父さんに懐くようになっていきました。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子壁をつくっていたのは私自身だったんだと気づきました。実は誰よりも息子を想っていたペー太ほぺろうが6歳になった現在、今では子煩悩で ほぺろうのためなら何でもやってくれるペー太。最近になって初めて、診断が出た当時の気持ちを聞いてみました。ペー太いわく、「診断が出たときはホッとした。その前からほぺろうはほかの子とは違うとハッキリ感じていたから、早く対策してあげたかった」「診断名が分かったから、ようやく適切なステップを踏めると思った」とのこと。私は衝撃でした。私なんてむしろ障害じゃない可能性を探したりしていたのに、ペー太はスタートラインから心構えが違っていました。全然無関心なんかじゃなかった。診断名を聞いて「よし、これからだ」とペー太は思っていたのに、障害を受け入れられずに悲観してばかりの私を見て「何やってんの」となるのは当然だと思いました。当時、ほぺろうのために何かしたかったのに、私が壁をつくっていたせいで手を出しにくかったらしい…。本当に最近までペー太の気持ちを知らず、対話してみないと分からないものだと実感しました。Upload By ぼさ子現在の気持ちも聞いてみました。ペー太いわく、「障害とは何か?と聞かれたら詳しくはよく分からないけど、”ほぺろうはほぺろう“としか思えない」とのこと。障害と向き合うと言うより、本人そのものと向き合おうとする子育ての本質を、意外にも父親であるペー太の方がつかんでいたことに驚かされました。今ではほぺろうはすっかりお父さんっ子。相変わらず私に対しては優しくない夫ですが(笑)、ほぺろうへの愛情深さは本当に尊敬しています。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:初川先生より)夫婦の思いが分かり合えるに至るプロセスのシェア、ありがとうございます。はじめは、ぼさ子さんがまさに孤軍奮闘している思いだったのですね。お子さんの発達がゆっくりだったり癇癪がすごかったりして、なんかちょっと違うのでは…と思うこと、そして実際に診断が下りること。うすうす感づいてはいても、衝撃と困惑とさまざまあったことと思います。大きな衝撃を受けたときの反応は人それぞれで、読者の方の中にも、ぼさ子さんのように思われる方も多くいらっしゃると思います。そして、“孤軍奮闘”になると、どうしても視野が狭くなってしまうものです。人は頑張りすぎると周りが見えなくなりがちなのはいかなる場合・状況でもそうなるものです。保育園や地域資源の利用、就職などで、さまざまな方のお力を借りる(というか、分業する、子どもと離れる時間を設け、子どもを見る良き支援者が増える)ことで、ぼさ子さんの場合には精神的なゆとりと物理的な支えを得たことが、視野が広がるきっかけだったように思います。ぺー太さんのように、子どもの発達の遅れや診断を「よかった」と受け止める方もいらっしゃいますね。そうしたところについては、夫婦や家族の中であっても、どう受け止めているのかは聞いてみないとわからないものです。話してみたら、意外とわが子を「子」として見ていてくれた(障害の有無にかかわらず「子」として見るって素敵なことです)とのこと、素敵なパートナーさんですね。一緒に子育てを担う方の中に、そうしてどーんと構えて、子どもをかわいがってくれる人がいるというのは心強いですね。
2022年06月13日エビリファイってどんな薬?「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」(以下エビリファイ)は、統合失調症、双極性障害における躁状態の改善、うつ病・うつ状態に効果が期待できる飲み薬です。2016年に「小児期の自閉スペクトラム症(ASD)における易刺激性」もエビリファイの適応症となることが承認されました。易刺激性とは、ささいなことをきっかけに不機嫌になったり、怒ったり、大泣きしたりしてしまう状態のこと。ASDがある子どもは、急に癇癪を起こしたり、攻撃的になったり、あるいは自傷行動をしたりといった症状が見られることがあります。こうした症状は本人も保護者にもコントロールが難しく、日常生活にも支障をきたしてしまうこともあります。エビリファイは、こうした易刺激性をやわらげてくれる抗精神病薬です。エビリファイには、脳内でドパミンホルモン(※)が過剰に放出されているときは、ドパミンをおさえる働きをし、反対にドパミンが少量しか分泌されていないときは刺激する方向に働きます。この働きによってドパミン神経を安定化させ、気持ちを穏やかにしてくれる効果があるのです。(※)ドパミン:神経伝達物質の一つで、快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割を果たしている。参考:ドパミン|e-ヘルスネット 厚生労働省エビリファイは何歳から使える? 用量はどれくらい?小児期のASDに対してエビリファイを用いる場合、対象となる年齢は原則として6歳以上18歳未満とされています。エビリファイは錠剤のお薬ですが、錠剤を飲み込むのが苦手なお子さんには小袋に入った液剤もあります。飲む回数は1日1回。投薬開始時は、1日1mgから始めます。薬を増量する場合は、1日あたりの増量幅は最大3mgまでにとどめます。また、1日あたりの最大量は15mgを超えないようにすることが推奨されています。医師の指示に従い、用法用量を守って正しく服用することが大切です。すぐに効果が出ない場合も、自己判断で中止したり、勝手に薬を増量したりすることにないように、気をつけましょう。副作用の心配や、服用するときに気をつけることは?エビリファイは副作用が少なく、子どもにも安心して使える薬として活用されています。ただ、副作用がまったくない薬というのは存在しません。エビリファイを使用すると、次のような副作用が出ることがあります。日中の眠気体重増加、食欲増加のどの渇き起立性低血圧めまい高血糖注意力や反射運動能力の低下また、別の薬といっしょに飲むと、作用が強くなりすぎたり、お互いの作用が弱まってしまったりすることがあります。ほかに服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。リスパダールとエビリファイの違いは?エビリファイと並んでよく使われる薬に「リスパダール」があります。リスパダールも、エビリファイ同様、ASDが原因による癇癪、衝動性を穏やかにするための治療薬です。2つの薬には、どんな違いがあるのでしょうか。まず、エビリファイとリスパダールでは、働きかける脳内の伝達物質が異なります。エビリファイがドパミンに作用するのに対して、リスパダールはドパミンとセロトニンの両方に働きかけることで、不安や緊張、精神の不安定な状態を抑えます。リスパダールは、原則として5歳から使うことができ、子どもの体重に合わせて用法用量が定められています。エビリファイとリスパダールには錠剤、液剤のほか、注射薬もあります。ただ、注射は統合失調症および双極Ⅰ型障害の方専用で、ASDのある子どもへの適応は今のところ認められていません。エビリファイとリスパダール、どちらの薬剤を使用するかは医師の判断によります。リスパダールの副作用が強かったり、薬が合わなかったりするときに、エビリファイを処方されることもあります。また、リスパダールには、リスペリドンという名前のジェネリック医薬品(後発医薬品)があり、5歳から17歳までのASDのある子どもへの易刺激性に対して投与が認められています。エビリファイにもジェネリックはありますが、まだ小児期のASDがある子どもへの投与は認められていません。医師と相談しながら適切な治療を癇癪やイライラ、気分の落ち込みは、ASDがある本人にとっても、また子どもを見守る保護者にとってもつらいものです。小児期は、薬物療法よりもまず行動療法に取り組んでいくのが一般的ですが、それは決して小児期には薬物療法ができない、という意味ではありません。子どものASDにも使える薬の正しい知識を得ることは、困りごとを解決するための選択肢の幅が広がるステップにもなります。医師と相談しながら、必要な場合には薬を上手に活用していくことも一つの手。心穏やかに、笑顔で過ごせる時間が増えるよう、専門家のアドバイスを受けながら工夫していきましょう。参考文献:お薬を正しくご使用いただくために エビリファイ |大塚製薬株式会社 HPより抗精神病薬 「エビリファイ」 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認|大塚製薬株式会社 HPより
2022年05月20日お友達と一緒に公園へ長女が5歳、長男が2歳のときのお話です。長女は癇癪持ちで、スイッチがはいると1~2時間ほど大声で泣き続けることがしばしばありました。特に室内にいると癇癪がおこることが多いので、なるべく開放的な公園などに遊びに行くことを心がけていました。その日は平日でしたが幼稚園はお休み。ママ友とそのお子さん2人(Aくん5歳、妹3歳)と一緒に公園に遊びに来ていました。公園には小川と池があり、小さな生き物などもいて自然がいっぱいなので子どもたちが大好きな公園で、月に何度も行っていました。5歳の2人は木の側をお家に見立てて遊んでいました。2歳の長男は、長女たちを見守る私の近くでドングリ拾い、ママ友は少し離れた小川で3歳の妹と水遊びをしていました。Upload By 発達ナビ編集部長女がお友達との言い合いから、癇癪モードに突入それぞれ楽しく遊んでいたと思っていたら…「ちがう!!そうじゃない!!」と長女が大きな声で言いました。Aくんと遊んでいる中で意見が合わず、何度話しても折り合いがつかないため、とうとう長女が大きな声を出してしまったのです。ある程度は子どもたちのやり取りを見守りたいと思っていたのですが、次の瞬間、長女がAくんを押そうとしていました。咄嗟に私は長女を止めるために駆け寄りました。長女の手を止め、私はお互いの話を聞いてみようと思いました。ところが、私が介入したことで、長女はヒートアップ!癇癪モードに突入してしまいました。初めはAくんと意見が合わないことで、怒り始めた長女だったのですが、私が介入してしまったことで「お母さんが、嫌」という思考に変換されてしまいました。私が何を言っても「お母さんは言わないで!」「お母さんあっちに行って!」、離れようとすると「行かないで!」「話を聞いて!」…とパニック状態に突入。Aくんもどうしよう…、と困り顔。そのやり取りはしばらく続いていました。長男は、なぜか気にせず、その間夢中でドングリ拾いをしていました。ママ友に助けを求めようと思ったのですが、少し離れた小川にいて声は届きません。そして長女がパニック中なので移動することも難しく、周りの人からの視線もつらく…。イライラするやら、悲しいやら、でも、怒っちゃいけない…と思いながら、冷静を装っていましたが、私もパニックになりそうでした。長男が消えた!そのとき…、私は2歳の長男が側にいないことに気づきました。長女と会話を始めたときには近くでドングリ拾いをしていたのですが、長女と私がヒートアップしていく間にどこかへ行ってしまったのです。Upload By 発達ナビ編集部公園には小川と池があり、すぐそこに車道もあります。「待って、○○(長男)がいない!」と私が言うと、怒っていた娘もハッとして癇癪が収まりました。長男は今まで、私の側を離れていくことはありませんでした。それで安心しきっていたのが私の間違いだったのです。Aくんも状況を分かってくれて、長女とAくんと私で、長男の名前を叫びながら探しました。Upload By 発達ナビ編集部なんで手を握っていなかったんだろう…なんで目を離してしまっていたんだろう…後悔と焦りの中、公園の中を探し、小川のほうに行くと…小川で遊んでいたママ友と、Aくんの妹と一緒にいる長男を発見しました。「○○(長男)くんが、お池のほうに行こうとしていたから、お母さんと一緒にみんなで行こうね、って話してたところだよ」と言うママ友。「よかった~(涙)」と泣く私を見て、慌てるママ友にさっきまでのことを話しました。長女もAくんも「よかった~」と言い、長男はポカンとしていました。Upload By 発達ナビ編集部きょうだいでも個性はそれぞれ長女が2歳ごろのときは私と離れることを怖がっていて、特定のお友達ができてもある程度大きくなるまで私から離れて遊ぶことができませんでした。長男もまた公園に行っても私から離れることはなかったので、長女と同じように「自分から私の側を離れることはないだろう」と思っていました。しかし、この出来事をきっかけに、長男は興味を持ったら「お母さんと離れる」ということを気にせずに衝動的に動いてしまうところがあることに気がつきました。それまで、長男は公園に行っても私の側から離れることはなく、いつも私の側でドングリを拾っていました。それは、長男にとって「母の側」ということが重要だったのではなく、「ドングリ拾い」が楽しかっただけだったようです。そして「ドングリ拾い」に満足した長男はその日、「あっちに池がある」ということに気づき、衝動的に池に向かっていったのだと思います。心から反省する出来事で、思い出すと今でも背筋が凍ります。長男を保護してくれたママ友に今でも感謝しています。長女の癇癪ばかりに目を向けていたことにも反省しました。長男はこのころからどんどん活動的になり、衝動性、多動性が目立っていきました。同じように生活しているきょうだいであっても、子どもは一人ひとり個性が違うことを実感しました。また子どもの傾向を決めつけず、注意深く見ること、そして何より屋外で絶対に目を離してはいけないと胸に刻みました。エピソード参考/カワカワイラスト/taeko(監修:三木先生より)お子さん二人を一人で見るのはとても大変ですよね。特に片方に手がかかっているときは、もう一方のことはうっかり見落としてしまいがちです。そのことに気づいて、でもしばらくすると忘れて、また思い出して、の繰り返しなのかもしれません。こういうきっかけでそのことに気づけたのは、とても良いことでしたね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「祖父母や親戚関係」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「自傷」「学習」「不登校」のお悩みも追加募集!癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開致します!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年05月16日切り替えで大癇癪勉強会で知ったのは…Upload By ゆきみ言葉が遅く、1歳半健診で指摘を受けた長男けんとは、市の発達支援の親子教室に通っていました。「毎日体を動かしましょう」とアドバイスをいただいていたのですが、散歩を嫌い、公園へ行っても座り込んで砂をサワサワ触るだけ。どうにか少しでも歩いてほしいと、大好きなエレベーターと駐車場があるショッピングセンターによく行きました。しかし3歳のころ、大好きなエレベーターに乗りまくったあと、お気に入りの場所である、地下1階にある駐車場の事前精算機の前で動かなくなってしまったのです。帰るために離れようとすると大癇癪!!床をゴロゴロ転がって抵抗し、隙をみてママから逃走してお気に入りの場所へ…。そのころはまだ弟が赤ちゃんだったので、暴れるけんとと2人を抱っこして車に連れていくのが本当に大変で、気がめいってしまいそうでした。そんなときに、親子教室や発達支援施設でおこなわれた勉強会に参加し「視覚支援」というのがあることを知ります。ネットや本でも調べてみて、軽い気持ちでやってみることにしました。視覚優位!?視覚支援がピッタリはまったUpload By ゆきみショッピングセンターに到着。「1 エレベーター」「2 ちゅうしゃけん」「3 くるま」「4 おかし」など、言葉と簡単なイラストも添えて紙を見せてみました。指をさしながら「次は駐車場だね」「次は車だね」と案内していくと、泣くこともせずに自らの足で次の場所まで歩きだしたのです!たった1枚の紙でこんなに違うの?と本当にビックリ!それからというものの「まだ帰りたくない」と癇癪をおこしてしまうような場所へいくときは紙を持っていき、順番を書いて見せることに。その後、4歳ごろに通っていた発達支援施設の臨床心理士の先生に「けんとくんは視覚優位なタイプだと思います」と言われました。文字が読めなかったり、説明するのが難しい場所へ行ったりする場合、予めインスタントカメラやスマートフォンなどで撮影をして、写真を見せるのも有効的かもしれないとアドバイスをいただきました。発達支援施設の先生の案で新たな発見Upload By ゆきみ「いつもと違う行動」というのが苦手なけんと。忘れ物に気がつき、家に引き返そうとしたときや、帰宅途中にコンビニへ寄ろうとしたときに大癇癪をおこしてしまうことがありました。「お店に寄ってから家に帰るよ」と口でいくら言っても泣き止まないのに、紙に「おみせ→いえ」と書いて見せるだけでピタリと泣き止むことも。年長で通っていた発達支援施設では「おわりの会」のときに数人が「今日の感想」を発表するというのがありました。けんとは、これが大好きで毎回発表をしたがったそうです。ですが当番制!毎回は無理です。どうしても発表したいけんとは大号泣。それが何回か続きました。そこで先生が提案してくださったのが、カレンダーを印刷し、けんとの当番の日に丸をつけてくださるというもの。施設に行く前にカレンダーを見ながら「今日は発表だね」と確認してから行くと、泣くことはなくなりました。年齢と共に少し変化!?6歳の現在は…Upload By ゆきみ6歳になった現在は「忘れ物を取りに帰る」「寄り道して帰る」というのがどういう状態なのかというのを理解したようで、文字にせず、口での説明だけでも大丈夫なことが増えてきました。それでも視覚を使わないと理解が難しいことも多く、試行錯誤の毎日です。これは最近分かったのですが、うちの子の場合「なるべく前もって見通しを伝えておく」「予定変更になりそうな予定も含めて伝えておく」というのも大事なポイントのようでした。今から思いかえしてみると、ショッピングセンターで見せた紙の最後をいつも「おかし」にしていたのがお菓子大好きけんとくんは「食べたい!」となり上手くいったのかなーなんて思ったりもします。イラストを書いたり、文字で書いたりと、ひと手間を加えるのは少し面倒なときもありますが、これからも「こんな小さなことで変わる?探し」を楽しむ気持ちでいけたらいいなと思っています。執筆/ゆきみ(監修:初川先生より)視覚支援をめぐる驚いたエピソードの共有をありがとうございます。ASDのあるお子さんは「視覚支援」「見通しを提示する」がピタッとはまることが多いです。視覚的な刺激に引っ張られやすいため、お母さんの声掛けが入りづらかったり、言葉は分かっていても、実際の物事や展開と一致させることが苦手であったりするため、絵や文字で提示するのは有効なことが多いです。また、予期せぬことにパニックになりやすいASDのあるお子さんも多くいらっしゃると思いますが、だからこそ、あらかじめ見通しを提示しておくことは安心感につながります。年齢が上がるにつれ、急な変更が入りやすい場合は、そのことも見通しの中に入れておくことができますし、そういったことにも慣れてくると、急な変更にも少しずつ慣れていくこともあります。「こんな小さなことで変わる!?探し」、素敵ですね。小さな工夫でも本人に合っていればうまく機能することは結構あるかもしれません。ぜひ楽しく探してみてください。
2022年04月27日発達ナビユーザーの体験をコミックエッセイ化!発達ナビにて行っている「みんなどんなトラブルで悩んでる?アンケート&エピソード大募集!」。今回はその中で投稿のあった「癇癪」についてのエピソードをコミックエッセイ化してご紹介します。2歳ごろから癇癪が激しかった娘娘は2歳前ころから癇癪が激しく、私の悩みの種でした。癇癪が始まると声が大きくなり、同じ娘だとは思えないような怖い表情になり、顔を真っ赤にしたまま1時間は癇癪モード。2時間くらいになるとさすがに疲れてくるのか、だんだんと落ち着いてくる、というのがほとんどでした。2歳ごろはいわゆるイヤイヤ期なのだろうと思っていましたが、3歳になっても、4歳になっても、5歳になっても落ち着くことはありませんでした。むしろ年齢が上がるごとに声はどんどん大きく出せるようになり、発語もはっきりしてきたため、癇癪を受ける側のダメージはアップしていきました。Upload By 発達ナビ編集部自分の要望が満たされなかったり、本人の予測と違ったことが起きると娘は癇癪になりました。特に癇癪を起こすタイミングは「出かける前」。そして娘が一番癇癪を起こしやすいパターンは「遊びを中断する」ということでした。そのため、出かける前に娘が時間がかかりそうな遊びを始めるのは高リスクでした。娘が遊びに熱中しすぎないように声をかけて気を逸らしたり、短いテレビ番組を流して”観終えたら出発”と約束してみたり、毎日同じ方法ではうまくいかず、とにかく娘がご機嫌に出かけられるようにできることを日々いろいろと考えました。その甲斐もあり「これから出かけるから、一旦遊びは終わらせて一緒に行こう」と落ち着いて話しをして、癇癪を未然に防ぐことができる日もありました。穏やかな朝が一変!掃除機が癇癪の引き金に娘、4歳5ヶ月のころ。その日は、いつもよりも穏やかに1日がスタートしていました。娘は朝の着替えを嫌がることもなく、朝ごはんもおいしそうに食べ、幼稚園に行くというスケジュールも理解していました。普段だったら娘が不機嫌になり、バタバタと出かける準備をしているくらいの時間だったのですが、不思議なくらいスムーズに事が運び、時間に余裕がありました。出発時間まではあと30分ほど。娘が出発前におもちゃを出して遊び始めても、落ち着いて話せば遊びをやめて出かけられそうな雰囲気がありました。時間があったので、私は少し離れたところで掃除機をかけ始めました。この油断がいけなかったのです。この日は、これが癇癪の引き金でした。娘「掃除機しないで!!」母「嫌だった?ごめんね」…娘の表情はみるみる変わっていきました。娘の表情を見たら(ああ、もうこれは癇癪モード突入だ…)とすぐに分かりました。Upload By 発達ナビ編集部癇癪のとき娘は「お母さん、ねえ、聞いて!」と叫ぶのがお決まりでした。「うん、なあに?」「聞いてるよ」と私が言っても、娘は理由などを言うわけでもなく…。娘が話し始めるのを待っていると「だまらないで!」「しゃべって!」と叫びます。そのあと私が「聞いてって言ってたから、待ってたんだよ」と言うと「しゃべらないで!」と娘、そして「お母さん、ねえ、聞いて!」に戻る…という。こんなやり取りが1時間続くというのがいつものパターンでした。こうなると私はもうサンドバッグ状態でした。完全に娘はパニック状態なので、少し距離を置いたほうがいいのかなと思い、そっとその場から離れようとすると「行かないで!」と叫ぶのです。娘が我に返るまで、私はとにかく娘のそばで終わるのを待つしかありませんでした。いつもの癇癪と思って耐えていたら、警察が…その日、癇癪が始まって40分くらいしたとき「ピンポーン」と自宅のインターホンが鳴りました。インターホンのモニターをみると、そこには警察らしき人が映っていました。「ああ、通報されちゃったんだな」とすぐに分かり、涙が出てきました。その日は窓を開けておくと気持ちがいい6月のとある日(しかも私の誕生日…)、大声で「お母さん!」「行かないで!」と言う声が外に響いていたのでしょう。Upload By 発達ナビ編集部突然のインターホンの音と「お巡りさんだ!」という私の声にびっくりして娘の癇癪も収まり、私は娘と一緒に玄関に向かいました。警察の方「○○署の者です。お子さんの泣き声がすると連絡があり…、お母さんどうして泣いているんですか?」私「すみません…。心配していただきありがとうございます。すみません、娘が癇癪を起こしてしまって…」このころ娘の癇癪がない日はほとんどありませんでした。毎日必死で向き合ってきたのに、それは誰にも伝わっていないんだな…と感じ、私はやるせなく涙が止まりませんでした(しかも誕生日なのに…!!)。Upload By 発達ナビ編集部そのあとは警察の方が、娘に「こんにちは」と言うと娘も「こんにちは」と答え、親子と警察の方で少し他愛もない会話を交わしたあと、心配ないと思ってくださったのか、特にほかに何か聞かれることはなく帰っていきました。ご近所の方への感謝と切なさ私は自分の地元を離れ子育てしており、このころご近所付き合いもほとんどありませんでした。ご近所の方は、子どもの激しい泣き声を聞いて、娘を心配して通報してくれたのだということは分かりますし、地域の方が子どものことを気にしてくださることに感謝をしています。ただ、娘がどんな子どもなのか、私がどんな子育てをしていてどんなことで悩んでいるのか、わが家がどんな家庭なのか…このとき心配してくださった方に伝える手段がなかったことが悲しく、少し苦い思い出として残っています。そして、誕生日が来る度に思い出します。この出来事のあと、私は地域の行事に親子で参加したり、地域の方と話す機会を意識してつくるようになりました。娘の激しい癇癪は私(母)に対してがほとんどですが、小学2年生くらいまで頻繫におきました。10歳になった娘は、今でもたまに怒りがコントロールできず「お母さん、ねえ、聞いて!」と言うお決まりのセリフで1時間怒っていることがあります。まさか10歳まで続くとは思っていなかったのですが、理不尽な会話で私がサンドバッグ状態になることはかなり少なくなりました。また怒りが落ち着いたタイミングで「怒る気持ちになると、自分でも言わない方がいいと思うことを言っちゃう」と話してくれるようにもなりました。娘が怒りの気持ちとこれからうまく付き合って行けるように親子でできることをしていきたいなと思っています。エピソード参考/カワカワイラスト/taeko(監修:三木先生)これはとてもつらい経験でしたね。しかし、そんな経験のあとに自分から地域に出ていくという行動を取られたことは驚きと称賛に値すると思います。そういったご苦労のおかげで、いま娘さんはだいぶ落ち着けるようになったんでしょうね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「祖父母や親戚関係」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「自傷」「学習」「不登校」のお悩みも追加募集!癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開致します!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年04月25日親がしてあげたいことと、子どもが求める距離感は違うかも?自閉スペクトラム症と知的障害のある息子ほぺろうは この4月から特別支援学校の1年生!ですが感情のコントロールはまだまだ難しく発語もないので、気持ちを表現できずにイライラしている様子です。ほぺろうが怒っているときは『抱っこ拒否・共感拒否』なので私は触らず喋らず、ただ癇癪につき合わされるだけという日々。せめて気持ちを切り替える為に こちらから働きかけることができたら…と悩んでいます。Upload By ぼさ子三木先生:大人も機嫌が悪いとき、かまって欲しい人、放っておいて欲しい人とかいろいろいますよね。ほぺろう君は放っておいてほしい感じですか?ぼさ子(以降ーー): いや、触らせてくれないくせにつき合ってほしいタイプみたいです。三木先生:なるほど。おそらく、積極的には介入して欲しくないけど側で「うん、うん、」って言ってほしい感じですかね。ホント距離感って人それぞれなので、ほぺろう君の場合は近所の子くらいの距離感を求めているのかも。側に居てほしいけど抱きしめるのはチョット…みたいな。ーーまさにそんな感じです!三木先生:でも親としては近所の子の距離感を求められると切ないっていうのがあるじゃないですか。親なんだからなにかしてあげたいって。自分が思う親の役割を 自分は果たせてないと凹んでしまう親御さんは結構います。だから親側がその気持ちをどう飲み込むかっていうところも考えてた方がいいかもしれないですね。ぼさ子さんはどうですか?そういうのつらいかな?ーーいや、今はあんまり気にしてないです。ただ、癇癪が長引くとほぺろう本人がつらいかなって思っちゃいますね。三木先生:そうですね。でも本人にもどうしようもないって部分はあると思うので、こちら側が子どもの距離感を尊重してあげるのがいいですね。そういう意味では、ぼさ子さんは割り切って接してあげることができていると思います。ーーメンタルによってはできていないですけどね(照)Upload By ぼさ子気持ちの切り替えルートは大きく二つ三木先生:気持ちが切り替わる方法って大きく2つありまして、1.本人の気が済む2.周りの刺激に引っ張られるですね。Upload By ぼさ子1は内側のことなので外部が介入するのは難しいですが、2は本人が刺激を受け入れられる準備ができているかによります。本当にどうしようもないときは待つしかないけど、ピリピリの水準がどれくらい下がったときにどんな刺激を受け入れてくれるか、経験を積み重ねて模索することですね。例えば、子どもがすごく怒っていたとしても「遊園地行こう!」みたいな強烈な報酬があると その刺激に引っ張られて機嫌が直るけど、いつもそういうワケにいかないじゃないですか。親側のコストが少なくて済むように、先入観なしで試行錯誤でいろいろ試してみるといいですね。そうやって経験を積み重ねていくと「今ならこうかな?」っていうのが見つかっていくと思います。あとは、切り替えの刺激になりそうなもののバリエーションを増やすことです。これも先入観なしにいろいろ試してほしいんですけど、大人が興味ないようなことで子どもがすごく喜ぶなんてことあるじゃないですか。例えば小さい子だと、プレゼント放り出して包装紙で遊んじゃうみたいな。ーー確かに子どもってそういうところありますね!三木先生:子どもって大人の価値観で判断しきれないところがあるので、本当にヤケクソでもいいのでやってもみてほしい。マンネリすると刺激が弱くなってしまうので、新しい方法を編み出していくと効果が高いと思います。Upload By ぼさ子おやつ・絵本・ふとんから読み取る、切り替えの『性質』ーーちなみに、今ほぺろうの三大切り替え方法は『おやつ・絵本・ふとんにくるまる』なんです。おやつを食べてお腹いっぱいになったら落ち着く、好きな絵本をじっくり読んでもらうと落ち着く、自分がふとんにくるまっているのを母に横から眺めてもらうと落ち着く…という感じで。三木先生:なるほどね!実はそれ面白いバリエーションがあることが分かるんです。おやつは、食べる行為そのものよりも、食べることで体の状態が変わるってところがポイントなんです。そこを拡張していくと『体の状態変わる』という性質のものを見つけていくといいですね。絵本は、『周りの刺激に引っ張られる』の要素だと思うんですけど、安心できる空気を浴びることによってピリピリ水準を下げる事を間接的に実現してるんだと思います。ふとんもそうで、くるまってる安心感とか圧迫感が好きで、体の状態も変わってくるしピリピリも下がってくるっていうのをゆっくり実現しているんですね。つまりは、そういう系統の刺激で落ち着きやすいという性質のものを探していって、いつもの方法が通じなかったとき、同じ意味を持つ別の方法を見つけておくといいでしょう。Upload By ぼさ子三木先生:あと、ただ見守ることが大切だったりします。親として何かしなければ!と不安にかられる人は多くて、何かしようとして余計悪化しちゃうことはよくあります。ーー案外、何もしないことが正解ってときもあるかもしれませんね。私は、癇癪を抑えるには「絵カード」というイメージがあったんですけど、ほぺろうは絵カードをあまり受けつけてくれなくて…。でも これまでのお話を聞くと、絵カードにこだわらなくてもいいと思えて安心しました。三木先生:方法は目的じゃないんで、目的が達成できるんだったら何でもいいんです。一般的な自閉スペクトラム症のあるお子さんの多数派に当てはまるものはあるけど、その子の特徴だったり、シチュエーションやタイミングによっては使えないものだってあります。Upload By ぼさ子当てはまらないときは「やり方が間違ってる」可能性も振り返ってみる三木先生:ただ、試してもあまりにはまらないときは「やり方が間違ってる」という可能性も頭に置いた方がいいですね。僕もよく反省するんですけど、例えば薬を出しても効かなかったとき「薬が効かなかったのか?僕が効くと思ってた見立てがズレてたのか?」っていうのはいつも振り返るようにしてて、どうしても合わないときは「意味を取り違えてないか?」と考え直したりしています。考え直しても合わないときは「この子には合わない」という結論になったりしますね。ーーやっぱり経験を重ねる事が大事ということですか?三木先生:一般論という近道もありますが、必ずそれが当てはまるというものではないので、やはりウチの子の場合という方法を探すといいですね。感想(みんなと同じじゃなくて大丈夫!!)ーー自閉スペクトラム症のある子どもだからって『全員同じ』というワケじゃないって思っていいんですね。実は、「発達障害のある子どもだったら 普通こうすればできるようにならない?」という意見をもらうことがたまにあって、ほぺろうはほかの発達障害のある子どもができることをできないのかと落ち込むことがあります…。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子三木先生:自閉スペクトラム症のあるお子さんも人それぞれ。あくまでウチの子の場合で考えましょう。気にしなくて大丈夫!!ーーそうですよね!ありがとうございました!執筆/ぼさ子
2022年04月20日癇癪の理由、分かるときはまだいいけど…Upload By ぼさ子自閉スペクトラム症と知的障害のあるほぺろうは、痛い・眠い・空腹などとにかく何でも癇癪で伝えてきます。それらはまだ理由が分かるけど、ニコニコの1秒後に急に怒り出したり原因不明なことも多々あります。癇癪の理由を探るとは、想像のバリエーションを広げることぼさ子(以下、――):癇癪の原因を解消してあげたくても、何もできないときもあって…悩んでいます。三木先生:う~~~ん、まぁ言ってしまうと子どもってそういうものなのかなって気がするんですけど、赤ちゃんへの対応と一緒で思い当たるものを一つひとつ、つぶしていくしかないかな。ただそのとき、こうかな?っていう想像が必要なんですけど、想像を通り越してむしろ『妄想』でもいいくらいです。結局大人の予想とは違ってたってことはよくあるんですけど、想像のバリエーションを幅広く持てると、癇癪の理由を10回のうち1回はつぶせた、2回はつぶせた、というふうに可能性が増えていきます。Upload By ぼさ子三木先生:でも、発語があったとしても6歳なら自分で説明するのは難しいので、ある程度は理解できなくても仕方ない部分もありますね。あとはフラッシュバックしてる可能性もあるかもしれません。ただ、何がフラッシュバックしているのかは本人の頭の中を覗かない限り分からないので、大人側の心の準備としては「フラッシュバックかも」という視点を持っておくことで「理由の分からないものは仕方ない」と思うこともできます。子どもは思うよりワケ分からないもの。突拍子もない想像をしてみよう三木先生:メジャーな理由を考えてもダメだったときは、「突拍子もない想像をしてみる」ことです。「まさかこんな理由で!?」みたいな先入観なしに。ありえないと思う可能性でも意外にスッと当てはまることもあるので、一応頭の隅っこに捨てずに取っておくといいですね。例えば「カラスが鳴いていたのが気に入らなかった」とか、もっととんでもない理由でもいいのですが、そういう可能性を考えておくと積み重ねていくうちに3回目くらいに「やっぱり関係あるかも?」みたいに、その子に対する理解の幅が広がります。Upload By ぼさ子三木先生:結構大人が理解できないようなことで子どもの癇癪は起こるので、先入観がない状態で自由に想像してもらうといいかなって。それでも100%理解するのは絶対ムリなので、気が済むところまで考えたら諦めるのもアリかなと思います。大人同士であっても定型発達の子どもであっても100%は分かり合えないですからね。喋れない子どもだったら余計「分からないものだ」という前提を持っておくことも大事かな。保育園の先生が発見した意外な理由ーー実は、保育園でほぺろうは午睡から起きると機嫌が悪いことが多いのですが、最近先生から「原因が分かりました!」という報告をもらったんです。その原因というのが「午睡後のおやつが好きか嫌いか」だったという…三木先生:原因は昼寝じゃなかったと。ーーはい、寝起きの悪さじゃなかったと。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子三木先生:いやぁ、でも「寝起き」という先入観があるとなかなか気づきにくいですけど、発見した保育士さんたちすごいですね!そういうところまで広げていくと面白い発見がありますよね。感想最近だと「ほぺろうは保育園から帰るとき、どんなに機嫌良くても、自宅の玄関を入った途端に泣き出す」というのが悩みの一つで、私としては理由が全く分からなくて泣き止むのを待つしかない…という毎日なんですけど、三木先生のお話を参考に突拍子もない想像をしてみたいと思います。Upload By ぼさ子ほぺろうはまだ6歳ですし自閉スペクトラム症もある。私の想像をはるかに超えていて当然なのかも知れません。こちらも思い込みを捨てて観察してみると面白い発見がありそうです。そして今回も、お話の中で印象に残った三木先生の言葉があります。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子
2022年03月30日最長で20時間以上、泣いて怒っていたころUpload By かさはらあやこ自閉スペクトラム症と中度知的障害のある息子が3歳のころは、・眠いのにうまく寝つけない・思い通りに遊べない・嫌なことを上手に避けられない・行事などいつもと違う状況・怪我や風邪などの体調不良・気圧や天候、温度や湿度の変化上記のような理由で癇癪を起こし、1~2時間、長い時は3~4時間、最長で20時間以上、泣いて怒る。発語もなく、意思の疎通も難しいので、その時点で理由を推測するしかなく、真相は分からない。という状況でした(きっとどの理由も正しい)。一度スイッチが入ってしまうと、最終的に全力でスルーして耐えるしか策がなく、泣き叫んで暴れるわが子と共に涙を流し、ただただ心が擦り減る日々を過ごしていました。医師と相談してはじめた投薬治療Upload By かさはらあやこ3歳6ヶ月から4歳6ヶ月の一年、偏食は酷くなり、体調もずっと崩しがちで小さな成長すら感じることも少なくなりました。癇癪も、瞬間湯沸かし器のように、一瞬の激しい怒りで床に頭を打ちつけたり、壁に激突したり…。力も強くなったことで怪我の心配もあり、一日中イライラして苦しそうな息子を見ていることもつらく、4歳を過ぎたころから医師と相談して投薬療法を始めました。飲めば、穏やかになり癇癪は起こさなくなる。薬は、それぐらい精神に作用する強烈なもの。息子が息子でなくなったらどうしようという不安と、これでやっと癇癪から解放されるという期待。9ヶ月経った今、どちらも当てはまらず。心配していた副作用も特になく、息子は息子のままで、昼間に何時間も続くような癇癪はなくなったものの、小さなイライラは相変わらず起こっている状態です。薬に完全に頼るのではなく、家での環境も見直し、できるだけ落ち着けるような空間にするために努力したり、母親である自分のメンタルを崩さぬよう仕事をセーブし(コラムもお休みをいただいておりました)、とにかく無理をしないように過ごしています。癇癪を起こす理由が少しずつ分かるようになった出来事Upload By かさはらあやこ息子は12月に入り、年末が近づいてくると荒れる傾向にあります。2020年から2021年にかけての年越しで、起きている間はずっと泣いている、という過酷な状況を経験したこともあり、2021年の年末は気合を入れて臨みました。予想通り昨年もクリスマスを過ぎたころから段々と雲行きが怪しくなり、一日中イライラして泣くようになりました。そんな状態だったある日、キッチンに立っている私を見つめ、息子が「ぐぅにゅー、ぎゅうにゅう」と言ってきたので、コップに牛乳を注いで渡すと、ごくごくと牛乳を飲み干し、満足そうにニコッと笑いました。牛乳を飲まなくなって半年以上経っていたので驚いたのと同時に、彼の中で〝ぎゅうにゅう〟と〝牛乳〟がマッチした瞬間かもしれないと感じました。それをきっかけに段々、言葉と実物がマッチするようになり、癇癪を起こす理由も少しずつ分かるようになってきました。『これじゃなくてあれが食べたいんだ』『いまこのアニメが観たいんだ』『あのおもちゃで遊びたいんだ』今までまったく分からなかった〝怒っている理由〟が分かるようになると、癇癪が起きる前に防ぐことができたり、癇癪を起こしても最短で切り替えさせることに成功したり、おさまるまでただただ耐えながら全力で無視するしかなかった時間に選択肢がうまれました。一瞬のSOSを見逃さないUpload By かさはらあやこ不快な音が流れると耳を塞ぎ、見たくないものがあると隠れたり、目を閉じたり、発語が増えると共に、3歳のころはうまく避けられなかったことも、息子なりに意思表示ができるようになりました。今は、その一瞬のSOSをできるだけ見逃さないように毎日を過ごしています。まだまだ考えても分からないようなことや失敗した!と思うことも山ほどあります。オムライスを出して烈火の如く怒り出した理由が、顔を描いたのがいけなかったのか、チキンライスを卵で巻いたことに腹が立ったのか、ケチャップが嫌いなのか…考えても考えても分からないのだけれど、オムライスが原因で怒っていることが分かっただけ息子と私にとってはとても大きな進歩です。今までは、それが原因だと気づかず、無理やり食べさせようとしつこく口に運び、食べないストレスで叱り、余計に怒らせて長引かせていたからです。でもいつか聞いてみたい。アイスやかき氷をすすめると、食べるまでに警戒して凄く時間がかかるのに、雪に速攻で食らいつくのはなぜ?って。執筆/かさはらあやこ(監修:鈴木先生より)お母さんは息子さんの優秀な通訳になれたのです。もしあなたが今、一人で言葉が違う国へ行ったら、通訳がいないと生活できません。通訳の中でも知識のある通訳は、今晩何を食べたいか3、4種類候補が出るのに対して、知識がない通訳だと今日は1種類しか提示できず選択できなくなります。優秀な通訳ならこちらの言いたいことも察してくれてそろそろトイレですねとか、喉が渇きませんかなどと聞いてくれます。お母さんはそれと同じようなことができたのです。苦手でも相手の立場に立って考えていく努力が実を結ぶのです。癇癪は自閉スペクトラム症の易刺激性が原因の場合があります。ちょっとしたことでイライラしやすく、自他傷行為や汚言などがみられることがあります。環境整備をしても生活や教育に支障が出ている場合は抗精神病薬の投与によって抑えることが可能です。副作用の心配などおありでしょうが、お子さんの将来のことを考えて集団の中でつらい思いをさせないように早めの対策も必要だと思います。
2022年03月29日息子の癇癪パターンはいろいろUpload By かなしろにゃんこ。自分が思い描いた目標に達成できないと怒ったり、何かに夢中になっているところを横から干渉されると癇癪を起こすわが家の息子。学童期は、「もうやだー」と家具を蹴ったりする始末……その度、「あぁ~また始まっちゃった。リュウ太が怒りだすと近所に聞こえるような大きい声で怒鳴るからヤダな~」と母の私も暗くなったりイライラすることがあります(涙)。中学生になっても癇癪のときの声の大きさは変わらず「くそーーーなんでだよーーー!」と何に対して言っているのか分かりませんが、乱暴な言葉で怒鳴り散らすのでたまりませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。成人した息子に癇癪について聞いてみると「暴言は自分に対してだったりするよ、うまくいかない自分に腹が立つ」のだそう。さらに「癇癪はなくすことはできないんだ。『ほかの人は怒るときに大声なんて出さないで怒るんだよ。だからあなたも声を出さないようにしなさい』って親や先生に注意されてきたけれど、オレは声を出さないで怒りを消すことはできないんだ」と話してくれました。息子は、怒りが発生して数秒でピークに到達する→ 怒りをリセットするにはなるべく遠くに怒りを放つ感じで吐き出すから大声になる→ 大声を出すと気持ちが収束に向かうだから怒ると大声を出してしまうんだと知りました。Upload By かなしろにゃんこ。私自身は「怒りの感情」というのが時間をかけてジワジワと来たりします。そのため瞬間湯沸かし器のようになる息子の状態が今まで私には分かりませんでしたが、息子の話を聞いて「自分の中にわいてくる”嫌なもの”を早めに排除する行動だったのね!」と知りました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。息子は、「ものによっては声を出しても怒りが収まらないときがあるけれど、『ま、いっか!』という言葉をつぶやいて全てどうでもいいことに変えるようにしてるよ。『ま、いっか!』は小学生のころからやっていて、”怒り”に区切りをつけることができる」とも言いました。小中学生のころはまだ心のコントロールができていないように見えましたが、息子は自分なりに心の調整をする方法を見つけていたと分かりました。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)「怒りの感情」は、リュウ太さんが言われていたように成長と共に少しずつ制御可能になっていきます。小さいころは「制御する」というよりは、周りの大人が「我慢させようとする」ことが多いかもしれません。子どもの場合、我慢する方法を具体的に教えてあげないと「我慢しなさい」とだけ言われたことが、火に油を注ぎエスカレートして悪循環に陥ることもあります。「叩いたり壊したりするよりは、声に出すほうがいい」「声に出すよりも、走ってみるのはどうか」「壊れないものを投げてみるのはどうか」…など怒りを鎮めるやり方を一緒に考えてあげるといいかもしれません。「怒り」を押さえつけるのではなく、怒りをうまく手なずけるための代替案を一緒に考えたり、うまく怒りを鎮められたときに褒めることが大切だと思います。
2022年03月25日マンガで癇癪を学ぼう!マンガで分かりやすく発達障害が学べる『マンガで学ぶ発達障害』シリーズ。今回は悩んでるご家庭も多い「癇癪」についてまとめてご紹介!癇癪ってどのような状態のこと?原因や背景をはじめ、起こさないようにご家庭でできる環境調整方法、起きてしまったときのクールダウン方法、発達障害との関係性など、公認心理師の井上先生の解説とともにご説明します。癇癪とは、声を荒げて泣いたり、激しく奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。癇癪行動の例やどのような気持ちの変化で起きてしまうのか、癇癪について原因を2つに分けて専門家が解説します。たびたび癇癪が起こるからといって発達障害があるというわけではありませんが、発達障害のある子どもに強く見られる傾向が癇癪が起こるきっかけと絡んでいる場合があります。そんな発達障害のある子どもに見られる4つの傾向と癇癪の関係を解説します。いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、普段の生活から子どもに十分配慮をし、癇癪が起きないように回避することが重要です。癇癪が起きないように気をつけたいポイントや起きてしまったときのクールダウン方法などをご紹介します。まとめ子どもが癇癪を起こす背景には必ず理由があります。普段の生活や癇癪の起きるきっかけなどを探し、子どもに合った配慮を行うことで癇癪を抑えることもできます。もちろん全ての癇癪を抑えることは難しいです。ですが、どのようなときに癇癪が起きやすいか、クールダウン方法を知っておくことで保護者も安心して過ごすことができます。それでも子どもの癇癪に悩むときには一人で悩まずに周りの人や相談できる施設を頼ることが重要です。
2022年03月20日癇癪がない?Upload By まる昨年末に自閉スペクトラム症の診断を受けた息子リュウ(3歳)。今までひどい癇癪やパニックがない、おっとり鈍感タイプだ。友人たちにも「リュウちゃんは本当におっとりしてて優しいよね~」とよく言われる。叱っても泣くのを我慢することがあったり、泣いていてもそんなに長時間泣くことはなく親の私でも驚くほど切り替えが早い。人見知りや場所見知りで困ったこともほとんどない。こう言うとすごい楽な子じゃん!と誤解されがちだがそれなりに心配がある。癇癪などで、嫌な気持ちを今の小さいうちに表現したりすることで気持ちの切り替えや伝え方などを学んでいくと聞く。「小さいうちに体験して学んでおかないと、大人になって力が強くなってから思い通りにいかなくて暴れたりするとママの力じゃ抑えられないから今癇癪がある方がいいんだよ」と言われたことがある。息子はすでによく食べるお陰で年齢よりも大きく成長している、親戚中から将来はお相撲さんかな〜⁇と言われるくらい。これで将来手がつけられない癇癪などされたらたまったもんじゃない。息子が診断される前の私の中の自閉スペクトラム症のイメージが「癇癪、こだわりが強い、多動」などがあった。2歳ごろのリュウは癇癪とこだわりがあまりないが多動ではあった。静かに移動するので外で本当にすぐ見失う。私が買い物の棚を見ているほんの一瞬でいなくなるのだ。忍者か。それは保育園でも同じようで公園などでもそろ~っといなくなるらしい。迎えに行ったときに先生から「静かな多動」といわれて笑ってしまった。息子はおっとりタイプの性格…そうなると保育園ではUpload By まる発達障害かもと言われてから初めて支援センターで心理士さんと面談した際、「この子はおとなしいしぼーっとしているタイプの子なので、大人数の保育園などに入れると放置されやすくなるかもしれない。自ら学びを吸収しようと動くタイプでもない、そうなるとこれまで以上に発達が遅くなる危険があるのでちゃんと大人が一緒に関わるようにした方がいい」と言われた。現在通っている保育園は少人数制で先生の人数も多くよく見てもらえ、息子にとても合っていた。母子家庭ということもあり先生方にもすごく気にしてもらっていたので感謝しかない。2歳児までの保育園なので残念ながら3月で卒業だが、来年度からは、新しい保育園に転園するが、そこでは加配保育士(※)をつけていただけることが決まっている。※加配保育士とは:障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士で、子ども2人につき1人を基準として配置されることが一般的。ついにきたイヤイヤ期(3歳前後)Upload By まるおとなしいと思っていた息子だが、徐々に3歳ごろからイヤイヤで大騒ぎするようになった。バナナを食べると言うのでむいてあげ、黒ずみを見つけたのでそこだけ取ると欠けたバナナが気に入らなくて泣いて投げつけてきたり、パンを食べるときに半分にして渡すと半分にしたことに怒って泣きじゃくったり。お散歩中駅に電車を見にいきたいと道路でひっくりかえって大泣きしたり、スーパーであっちこっち行く息子と買い物ができなくて手をがっちり捕まえると離せと大泣きして転がったり…私も思ったように動けず買いたいものも買えなく、泣きながら帰宅することも多々あった。療育でのイヤイヤもUpload By まる1番大変だったのは2歳9ヶ月ごろ療育に通い出したとき。最初は週1回通っていた(現在週2回)ので慣れるのに時間がかかったせいもあるかもしれない。行くたびにリトミックに参加したくない、教室から出たいと怒って大泣き、なにも参加できず「この療育に通って何の意味があるんだろう」と毎週ぐったりしていた。何ヶ月か過ぎたとき、不機嫌に泣いている息子を見てため息をついていると先生に「癇癪とまではいかないけど、ちゃんと自分の嫌なことは嫌って表現できているから大丈夫よ。それに前より『聞く』ことができていますね。これをお片づけしたらそっちのおもちゃ出そうね、とか聞き分けて自分で納得して動くこともできるようになってきているから!」と言ってもらえて安心したことを覚えている。もうすぐ4歳の息子、最近は…Upload By まるリュウはもうすぐ4歳になる。スーパーや道端で寝っ転がって泣くことやスーパーであっちこっち行くことも、1年ほどの間で少なくなってきた(日によってはある)。お陰で私が泣きながら買い物から帰宅することもなくなったし、療育でもすべてではないが多少参加できるようになってきた。先日療育で絵本の読み聞かせ中に座って居られなくて笑いながら逃げ回っている息子にちょっとイライラしていると先生が「でもさ!リュウちゃん変わったよ!最初のころ思い出してみて!ずっとドアのところで泣いてたんだよ!?」と言われてハッとした。一つできるようになるとできなかったことを忘れてしまう。この記事を書くまでイヤイヤで外で泣いて転がっていたことも忘れていて、うちの子大変なときあったっけ…?と考えていたほどだ。今も大変なことは多いが、少し前を思い出すと成長しているなぁと思える。執筆/まる(監修:井上先生より)癇癪が強いか弱いかというのは、周囲の受け止め方の違いもあったりするので、大きな癇癪がないことに対して過度に気にされる必要はないかと思います。リュウくんはその理由が比較的はっきりしていますね。そのような場合大人も原因が推測できるので、癇癪の代わりになる周囲に伝わる言葉や行動を教えていくチャンスにしていくこともできると思います。ただ、大人の要求水準が高すぎるとバトルになってしまうので、まるさんのように事前に予告をしたり、100%できなくても25%で良しという行動にしたり(25%ルール)、できている部分ややろうとしている部分に注目してそこを少しずつ増やしていけるようにすると良いと思います。まるさんの努力によって、リュウくんも少しずつ自分の感情をコントロールしたり、コミュニケーションに置き換えたりすることができてきたのだと思います。
2022年03月19日