睡眠時間には個人差があります。自分にあった自然な睡眠を心がけましょう。「健康づくりのための睡眠指針2014」の第5条では、睡眠時間の目安を示しています。第5 条.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。必要な睡眠時間は人それぞれ睡眠時間は加齢で徐々に短縮年をとると朝型化 男性でより顕著日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番日本の成人の睡眠時間は6時間以上、8時間未満がおよそ6割を占め、これが標準的な睡眠時間と考えられます。だからといって、睡眠時間を厳守しなければならないわけではありません。ポイントは、日中の眠気で困らないことです。季節の移り変わりと、睡眠時間の変化季節の変動を受けて、睡眠時間が変化するのも自然なことです。陽の長い季節(春から夏)では、睡眠時間は短くなり、陽の短い季節(秋から冬)では、睡眠時間は長くなるという変化を示します。20年ごとに睡眠量は30分短くなる一晩の睡眠の量は、成人してからは加齢とともに徐々に減っていきます。10代前半までは8時間以上眠ります。25歳で約7時間、45歳では約6.5時間、65歳で約6時間と、20年を経るごとに30分くらいの割合で減っていくことが分かっています。歳をとると、早寝早起きの傾向が強くなり、生活が朝型になるのも自然なことです。また、加齢による朝型化は、女性より男性に顕著に現れます。加齢による睡眠時間の短縮は、日中の眠気で困らなければ問題になりません。歳をとると、睡眠を司るホルモンであるメラトニンの分泌量は減少します。よって、加齢とともに睡眠時間が短くなることは、自然な現象なのです。睡眠時間は、個人差があるとお話ししましたが、健康のためには睡眠が大切であるからといって、必要以上に長い時間の睡眠をとれば、健康になれるわけではありません。日中の眠気で困らない程度の、自然な睡眠が大切であることを理解しておきましょう。参考文献『厚生労働省第3回健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会』『厚生労働省健康づくりのための睡眠指針2014』Photo by Vic【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月19日睡眠障害は、細かく分類すると90種類に達すると言われています。それを正しく診断し、治療を加えることができるのはやはり睡眠専門のクリニックでしょう。この睡眠専門クリニックはどのようなところなのか、調べてみました!睡眠専門のクリニックとは?5人に1人が睡眠に対して何らかの悩みを抱えているという日本。ただ、悩みがあったとしても、「この程度の悩みで病院へ行っていいものなのか」「そもそもどこへ行けばいいのか」などと考えてしまったり、自分で何とかするもの! と思い込んでいる方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、睡眠専門の病院である「睡眠総合ケアクリニック代々木」に着目し、どのようなところで、どのような時に行けばよいのかを探っていきたいと思います!もしも、毎日1人で悩んでいる方がいましたら、ぜひ参考にしてみてください。歯科や内科もあるのは、なぜ?まず、このクリニックは「総合」と名の付く通り、精神科、歯科、耳鼻咽喉科、循環器内科、呼吸器内科、神経内科、内科の7つの科で構成されています。睡眠専門クリニックなのに歯科? と思われた方もいるかもしれません。このようなさまざまな科がある理由は、睡眠障害の原因は1つではなく、多種多様な疾患が影響することが考えられるからです。その疾患に対して、それぞれ医師と心理士が治療を行う方針をとっているのだそうです。たとえば、睡眠時無呼吸症候群であれば、口腔内装置の使用など専門的歯科の治療が必要になるケースがあるというわけです。臨床心理士によるカウンセリングもう1つの特徴は、診療・治療とは別に「睡眠健康事業部」という診療・治療とは別にカウンセリングを主な目的とした部署があるところです。カウンセリングは臨床心理士が行い、不眠症と睡眠覚醒リズム障害などが対象になっているそうです。最後に、どのような時にこのクリニックへ行けばいいのでしょうか。下記を参考にしてみてください。(1)睡眠の質・量に問題がある(寝付けない、日中眠い)(2)時間帯に問題がある(通常とは睡眠時間が大きく異なる)(3)睡眠中の異常行動(呼吸障害など)上記の症状に心当たりがある場合は、ぜひ睡眠専門クリニックに足を運んでみてはいかがでしょうか。photo by Seattle Municipal Archives
2014年09月17日5人に1人が睡眠に何らかの悩みをもつという日本。そこで今回は睡眠障害の専門医である遠藤拓郎先生がすすめる「快眠のコツ」を5つご紹介したいと思います。今日からできることがたくさんあるかもしれませんよ!睡眠障害の専門医とは?今回は睡眠障害の専門医である遠藤拓郎先生が語る快眠のコツをご紹介します。遠藤先生は医学博士であり、睡眠医療認定医でもあります。また、親子3代にわたり睡眠の研究者というまさに日本を代表する睡眠界の第一人者なのです。そんな遠藤先生が提唱する「快眠のコツ」とは、どのようなものなのでしょうか?まず1つめ。意外ですが、睡眠は満足するよりも少し短くしたほうがよいのだそうです。遠藤先生が推奨するのは、平日は毎日6時間睡眠にして、週末は少し長めに眠ること。ただ、昼間まで寝てしまうとリズムが崩れてしまうので、遅くとも10時ぐらいまでに起床することをすすめています。快眠のコツを紹介!2つめは眠る時間帯。みなさんは何時から何時まで寝ていますか?ベストな時間帯は0時から6時なのだそうです。理由は、ノンレム睡眠とレム睡眠を両方とれるから。0時から3時間は深い睡眠のノンレム睡眠、3時から6時までは浅い睡眠のレム睡眠と両方をじゅうぶんにとることができると考えられています。この時間帯から大きくずれると2種類の睡眠のバランスが悪くなってしまうのだそうです。3つめは朝に太陽の光を浴びること。体内リズムは25時間周期と考えられていて、1日24時間とはずれています。その1時間を解消するため、朝に太陽の光を浴びることが必要だと考えられています。5つのポイントを取り入れてみよう!4つめは運動・ストレッチをすること。体内時計の9割は太陽の光で、残りの1割は運動と食事によって調整されているのだそうです。そのため、毎日の生活に運動をとりいれることが効果的です。ただ、翌日にまで疲れが残るようなハードなスポーツは要注意。おすすめはヨガやウォーキング、ストレッチなどの軽めの運動を夕方~夜の間に行うことだそうですよ。5つめは体温調整。人は体温が下がった時に眠くなるので、寝る前に体温を上げておくと眠りやすくなると言われています。そこで、就寝1時間前を目安に入浴をするとよいのだそうです。今回は5つのポイントをご紹介しました。ぜひ、みなさんも生活に取り入れてみてくださいね!【参考】京都西川「睡眠の専門医遠藤拓郎とは」日立ソリューションズ「CHAPTER1 20代の睡眠事情を探る」
2014年09月15日睡眠を改善したい、そう考えている方も多いのではないでしょうか。その時、まず考えるのは睡眠時間を長くする、ということではありませんか?でも、時間よりも質に注目したほうがよいかもしれません。「四当五落」はもう古い?昔は受験生時代によく「四当五落」ということが言われていました。「四当五落」とは、毎日4時間睡眠で勉強を頑張れば受験戦争を突破できるけど、5時間眠ったら失敗しますよ、ということです。この考えは、現在では間違っていると言われています。昔は睡眠の時間がとにかく重要だと考えられていましたが、現在では睡眠の質の大切さが見直されているからです。睡眠時間よりも質が大切!そもそも考えてみれば、私たちの体調は1日として全く同じ日はありません。そう考えると、日によって睡眠時間が異なるのはとても自然なことと言えるのかもしれません。実際のところ、現在は睡眠の研究では、年齢などによって必要な睡眠時間は人それぞれと考えられています。平均8時間と言われているから、眠くもないのに無理して布団に8時間入ることよりも、朝目が覚めた時に「ぐっすり眠った! 快眠!」と思えることのほうが大切なのだそうです。確かに、たくさん眠ったのに日中だるい日などはありますよね。規則正しい生活が快眠ライフを生むそれでは、睡眠改善=睡眠の質を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?とても基本的なことですが、まず「規則正しい生活を心掛けること」が大切だと言われています。人間には体内時計があり、1日のリズムが刻まれています。自然に眠くなる夜にちゃんと寝て、朝起きて光を浴びることでこの体内時計が正確に進むと考えられているのです。他にも1日3食の食事をとる、適度な運動をする、就寝前にカフェインを含む飲料は控えるなどを心掛けるとよいそうです。早速、今日からでも睡眠改善をして健康的な生活を送りましょう!Photo by Mark K
2014年09月12日「毎日夢を見る」「すごくリアルな夢を見た」「夢のなかですごく興奮していた」そんな経験は誰しもあること。ぐっすり眠れない夜には、特にそんな夢を見がちかもしれません。でも、それが“夢”に終わっていないとしたら……。あなたには「レム睡眠行動障害」という病気の可能性があるかもしれません。夢を見た!でもこれって現実?人は寝ている間、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。そして、夢を見るのはレム睡眠の最中。つまり比較的浅い眠りの時です。あなたは人からこんなことを言われたことはありませんか?○寝ている時、大声を上げていた。○寝ているのに手足をバタバタさせていた。○寝ているかと思ったら、起き上がって歩き回ったり、物を殴る、蹴るなどしていた。もし、こういったことに思い当たる節があるなら、要注意です!もしかしたらレム睡眠行動障害という病気かもしれません。レム睡眠行動障害って?では実際、レム睡眠行動障害とは、どんな病気なのでしょうか?厚生労働省によると、レム睡眠行動障害とは「睡眠中に夢体験と同じ行動をとってしまう病気」。これは、睡眠中の骨格筋の抑制機構が働かなくなることから、夢の中での行動がそのまま現実の行動となって現れてしまうそうです。そのため眠っているはずなのに、上記のような激しい動作がみられるのです。さらに症状が重いと、窓から飛び出してケガをしたり、人を殴る蹴るなどしてしまうことさえあります。自分では気づきにくいだけに、恐ろしいですよね。原因と治療法レム睡眠行動障害は、脳の加齢変化による神経伝達障害とストレス、過去の嫌な記憶、不安、過度の飲酒など、心身の状態の乱れが結びついたときに起こりやすいとされています。また、パーキンソン病などの神経疾患の発症に先だってレム睡眠行動障害が出てくる場合もあるとのことです。思い当たることのある人は、一度睡眠専門のお医者さんに診てもらうことをおすすめします。また、一人暮らしで不安のある人は、誰かにチェックしてもらうのもいいかもしれません。この病気は、今のところ薬による対症療法しかないようですが、専門の先生にきちんと対処してもらえれば、それほど深刻なものではないそう。日頃から、心身ともに健康管理を心がけたいものです。Photo by hyperboreal
2014年09月10日若年型の寝ぼけがノンレム睡眠時に現れるのに対して、高齢者の寝ぼけはレム睡眠時に現れます。「レム睡眠行動障害」は、放置しておくと、本人や家族がケガを負う危険があります。レム睡眠時に起こる寝ぼけが、「レム睡眠行動障害」です。高齢者に多くみられる症状です。レム睡眠のときは、脳は活発に活動していますが、筋肉は弛緩している状態にあります。ところがレム睡眠時なのに、筋肉の動きを停止させている体の仕組みが異常をきたし、安全装置が外れたように筋肉が活動してしまうのがレム睡眠行動障害です。暴力的な夢に始まり、やがては歩いたり、走ったりするようになるレム睡眠行動障害は、筋肉が活動するので眠っていても、体が動いてしまいます。肉体的な疲労が回復しないだけならまだしも、レム睡眠行動障害では、起き上がって、壁や家具に体をぶつけたり、家族に暴力をふるったりします。はじめは暴力的な夢をみることから始まり、手を動かしたり、腕を動かしたり、やがては立ち上がったり、歩いたり、走ったりするようになります。夢のなかの敵から逃げようとしたり、夢のなかの敵と闘ったりするようになると、眠っている状態にありながら、大声を出したり、起きあがって暴れたりするようになります。そして、悪夢のなかでの行動を、現実の世界でも実行してしまうのです。殴る、蹴る、ときには窓から飛び出してケガを負うこともあります。レム睡眠行動障害では、本人だけではなく、家族がケガを負う危険があるのです。レム睡眠行動障害は、悪化するケースがほとんどレム睡眠行動障害が自然治癒することは希です。さらにレム睡眠行動障害では、症状が悪化していくケースがほとんどなのです。放置しておくと、本人や家族がケガを負う危険性は治まりません。また別の病気へと移行してしまう危険性があるのも、レム睡眠行動障害の特徴です。レム睡眠行動障害の2~3割の人が、パーキンソン病になることが報告されています。パーキンソン病は安静時に手足の震えがとめられず、手足の曲げ伸ばしが困難になる症状を伴う神経系の病気です。また認知症の初期段階の症状へと移行することも多く報告されています。レム睡眠行動障害は、男性に多いレム睡眠行動障害は男性に多く発症し、また高齢者の0.5~0.7パーセントが、レム睡眠行動障害にかかるというデータがあります。レム睡眠行動障害の症状が現れたら、早めに専門医に相談しましょう。参考文献『誰でもスグできる睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する200%の基本ワザ』東京医科大学教授医学博士/井上雄一著日東書院『厚生労働省e-ヘルスネット』Photo by KellyB.【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月10日眠っている間に、立ち上がったり、歩いたり、食べたりしてしまう、「夢中遊行症」。大脳が休息状態にあるノンレム睡眠時におこる睡眠障害の一種です。「夢中遊行症」について、詳しく解説いたします。脳の休息“ノンレム睡眠”と筋肉の休息“レム睡眠”眠りは、ノンレム睡眠とレム睡眠から成り立っています。まず、入眠すると、段階の1と2の浅いノンレム睡眠に入ります。その後、段階3と4の深いノンレム睡眠へと移行していきます。このノンレム睡眠を経て、レム睡眠へと移行し、脳や自律神経の活動は活発で、おもに筋肉を休めるための睡眠状態に移っていきます。ノンレム睡眠は、おもに脳を休息させている睡眠状態です。大脳が休息状態にあり、筋肉は活動できる状態です。ノンレム睡眠では、成長ホルモンの分泌が行われ、免疫機能を活発化しています。ノンレム睡眠の間に、体が勝手に動く!?「夢中遊行症」という睡眠障害の症状があります。覚醒障害の一種で、深いノンレム睡眠から生じる寝ぼけの状態です。寝ぼけて、立ち上がったり、歩いたり、食べたり、ときにはトイレ以外の場所に排泄をしてしまったりする症状を起こします。この「夢中遊行症」は一般的には、寝ぼけているとみられる症状です。小児期から小学低学年の子どもに多く見られるのですが、大人になっても夢中遊行症を発症する人はいます。本人は眠っている状態で、体が勝手に動いてしまう症状です。ノンレム睡眠時のため、本人は行動を記憶していない夢中遊行症に陥っているときは、何らかの覚醒刺激を受けたものの、十分に頭が起きていない状態にあります。ノンレム睡眠状態にあるので、脳は十分に機能していません。目を開いていることが多く、他人からは起きて活動しているように見られます。しかし目はすわり、うつろな表情で、はっきりと覚醒させることが困難です。ときには部屋の外や、家の外に出て行ってしまうこともあります。周囲の人が止めようとしても、本人は覚醒していないので、理解ができず、トイレ以外の場所に排泄したり、外出してしまったりという行動を止められません。寝ぼけて行動している間のことは、覚醒した後の本人は、ほとんど記憶していないのも特徴です。過度の心配はいりませんが、事故には気をつけましょう夢中遊行症は、幼児から小学低学年頃の子ども時代にはよく見られます。しかし、危険が及ばないように親などの周囲の人たちが気をつけてあげれば、問題はありません。小学高学年頃の年齢になると自然と治っていくケースがほとんどです。ただし、大人になっても夢中遊行症が治まらないときや、治ったはずの夢中遊行症が、大人になってから再発するとなると、治療の対象となります。夢中遊行症で気をつけなければならないのは、事故です。階段を降りたり、登ったりしているときの転落事故や、勝手に外出してしまうときの転倒や、ときに交通事故などに遭遇してしまう危険があるからです。夢中遊行症は、睡眠障害の一種です。睡眠の専門医の治療を受けることをお勧めします。参考文献『誰でもスグできる睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する200%の基本ワザ』東京医科大学教授医学博士/井上雄一著日東書院Photo by Peter Alfred Hess【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月07日ダイエットと睡眠秋の夜長は楽しんでばかりはいられない?!マイクロダイエットネットが発表したレポートによると、ダイエットと睡眠には深い関係があることが判明しました。睡眠不足の日は、疲れが取れなかったり集中力が続かなかったりと、体の調子が悪くなることは多くの人が経験済みですが、実はダイエットにも悪影響を及ぼしているのです。7時間半が理想的米シカゴ大学が実験したところ、「寝る子はやせる」と言っても過言ではない結果が得られました。睡眠時間が5.5時間の人よりも8.5時間の人の方が脂肪を良く燃焼し、食欲も抑制されていたことがわかりました。また、米コロンビア大学の調査でも、普段7~9時間眠る人の肥満度が最も低く、ダイエット効果を考えると7時間半が理想的であると報告しています。美肌づくりにもそして、美肌づくりにも質の良い眠りが欠かせません。遅くても12時までには就寝し、肌の再生を促す成長ホルモンの分泌を活発にさせてあげることが大事です。眠りにつきやすいよう就寝1時間前から寝る準備をはじめましょう。PCや携帯の画面は脳を活発化させてしまうのでNG。照明を暗めにし、下着は楽なものを。眠りを味方につけて、ダイエットを成功させましょう!【参考】・マイクロダイエットネット
2014年09月06日9月3日は、「睡眠の日」であるのをご存じですか?この9月3日を含む秋の睡眠健康週間(8月27日~9月10日)には、ホテルの企画プランが発売されたり、市民公開講座などが開催されたりしています。日頃の睡眠を振り返るきっかけとなる睡眠週間には、ぜひ質の高い睡眠を意識して過ごしましょう。9月3日は睡眠の日、その理由は?睡眠の日とは、2011年に精神・神経科学振興財団が日本睡眠学会と協力して定めたという年に2回の日。2回の日とは、3月18日と9月3日のこと。それぞれ、春の「睡眠の日」と、秋の「睡眠の日」として制定されました。3月18日は世界睡眠医学会が「世界睡眠の日(ワールド・スリープ・デー)」と定めている日。一方9月3日は「ぐっすり(キュースリー)」の語呂合わせで制定された日です。睡眠の日には、生活習慣改善のきっかけにしてほしいという啓蒙の意味が込められています。今年も、秋の睡眠の日に睡眠を見直そうという呼びかけがされています。秋の睡眠の日に合わせた企画も睡眠の日である9月3日を迎え、各所で睡眠の日にちなんだ企画が打ち出されています。ホテルレム日比谷とレム秋葉原は、このコンセプト「上質な眠り」をさらに人々に提供するべく、健康と美をテーマにした特別宿泊プランを9月3日の朝10時より販売しています。日頃の疲れをほぐし、プロによるオーラルケアを体験できる、毎日の健康習慣を創造するきっかけづくりを提供する新しいプランです。(2014年9月3日(水)から2015年3月31日(火)まで販売)また、ワコールはザ・プリンスさくらタワー東京と共に、「睡眠科学」というブランドのパジャマと心地良い睡眠と快適なホテル滞在を提供するコラボレーション企画を打ち立て、宿泊プラン「さくらSleep」を9月3日から販売。ゆったりとした客室で、快適な着心地のパジャマで優雅にバスタイムとハーブティーを楽しみ、リラックスタイムを過ごすことができるというプランです。(2014年9月3日(水)から2015年2月28日(土)まで販売)秋の睡眠健康週間に合わせて市民公開講座が開催9月7日(日)には、ベルサール九段で精神・神経科学振興財団による市民公開講座が開催されます。「睡眠は健康のパートナー睡眠障害の予防と治療」と題して、睡眠衛生や睡眠障害の早期発見、各種療法についての講座が予定されています。江戸川大学では、さる8月31日に市民公開講座を開催しました。眠りの正しい姿を専門家が分かりやすく説明。主に子どもの睡眠についての内容で、幼児期、小児期、思春期、青年期それぞれの睡眠に関する講座でした。9月3日、この秋の睡眠の日をきっかけに、自分の睡眠習慣を振り返ってみませんか。Photo by Andrew Hill
2014年09月03日みなさんは、毎日快適な睡眠をとれていますか?自分の睡眠にあまり自信がないという人は、自分の睡眠を管理してみてはどうでしょうか。今回は、睡眠を管理して快適な睡眠につなげられるようなアイテムをご紹介します。パナソニックのエアコンはスマホの睡眠計を利用して快眠を実現!熱帯夜で眠れない夜も快適に眠るためにとエアコンを買ったのに、「明け方冷え過ぎて体がだるい」「睡眠時に冷え過ぎて却って眠れない」と感じたことがある人は多いでしょう。だからといって寝入った頃エアコンが止まるようにタイマー設定して眠って、夜中の暑さで目が覚め睡眠不足になったりと、快適な睡眠環境を作るのはなかなか難しいものです。最近のスマホアプリは睡眠管理までできるほど進化したようです。スマホを枕元に置き寝返りの振動でレム睡眠とノンレム睡眠を記録します。その機能を利用して一緒に室内温度・湿度を測定し、エアコンの温度設定も1時間毎に行えて、アラーム機能も付いている画期的なアプリをパナソニックが開発しました。(スマホの機種やスマホを置く場所で睡眠計の正確度は変わりますので、これらの記録には誤差が生じます。)パナソニックの睡眠計はねむろうくんの「おやすみナビ」がご活躍先述したように、パナソニックのエアコンには「スマートナビ」というアプリ機能がついています。お持ちのスマホに「おやすみナビ」というアプリをダウンロードしてエアコンの型番を登録するだけで、快適な睡眠をサポートしてくれます。「ねむろうくん」を選択すると、快適睡眠環境生活が始められます。あなたの睡眠計となって、毎日の1時間毎の睡眠の状態と、お部屋の温度・湿度を記録し、その日の睡眠の快眠状態まで5つ星で評価してくれるのです。睡眠計で星マークが少ない時間の温度設定は、体が求める快適温度ではないということなので、温度設定を調節して自分で快適な睡眠環境を作り出しましょう。「ねむろうくん」で設定した温度はエアコンに連動します。ねむろうくんで快適な目覚めも得られます「ねむろうくん」の「おやすみナビ」の睡眠計機能で、スマホの機能や睡眠の1時間毎の状況と室温・湿度でその日の睡眠状況が星マークで表示されます。その1日の平均の睡眠と室温の1週間分の記録を見て、自身の快眠に最適な温度設定が毎日の星の数でわかるでしょう。また、「ねむろうくん」の「おやすみナビ」には、目覚まし機能もついています。「ねむろうくん」の睡眠記録を見ると、起きなければいけない起床時間前の直近のレム睡眠の時間帯がわかります。「ねむろうくん」を上手に活用して、レム睡眠の時間帯の中で、目覚ましのアラーム設定をすれば、快適な目覚めが期待できますね。スマホに登録されているお気に入りの音楽をアラームにすると、さらに快適な朝の目覚めが期待できるでしょう。Photo by Brian Warren
2014年09月02日睡眠不足が続いている、いくら寝ても疲れがとれない、夜型の生活が改善できない、仕事中に居眠りしてしまう……。そんな睡眠に関する悩みを持つあなた。けれど、わざわざお医者さんに診てもらうまでもないと思っている方も多いでしょう。そんなあなたにおすすめのWebサイトがあります。睡眠障害とまではいかないから大丈夫、は本当に大丈夫?睡眠に関する悩みを抱える日本人は、5人に1人の割合で存在するという調査結果があります。現在は、睡眠に関する悩みや障害の専門的な治療が受けられる医療施設がありますが、まだまだその数は十分でないのが現状です。けれど、睡眠障害を放っておくと、日中の眠気や倦怠感、仕事の能率低下など、生活そのものの質を落とすことにもなりかねません。実は睡眠障害といっても100種類近くもあるといわれており、自分は睡眠障害ではないと思っていても、何かしら該当するものがあるかもしれません。自分は大丈夫だと思い込まずに、少し自分の睡眠を疑ってみてはいかがでしょうか。本格的に睡眠を診断!「睡眠医療プラットフォーム」「睡眠医療プラットフォーム」というWebサイトでは、「睡眠障害セルフチェック」で睡眠医療に基づいた簡単な診断を受けることができます。質問に答えていくだけで、わずらっている可能性のある睡眠障害を簡易判定してくれるのです。診断結果で睡眠障害が疑われるとわかった場合は、結果シートを印刷してお医者さんに見せて相談したり、専門医療機関を受診して相談したりすることによって役立てましょう。このサイトは国立精神・神経医療研究センターが、全国の代表的な睡眠医療施設、大学、研究機関の専門家と共同して立ち上げたものです。簡易診断は、「500人以上の患者さんに協力してもらうことで、睡眠問題に悩みながらも睡眠医療の専門家を受診できない人向けに開発された」ものだそうです。お医者さんにかかるまでもない……そう思っているあなたに最適!この睡眠医療プラットフォームでは、簡易睡眠診断として、「朝型/夜型診断」と「簡易睡眠チェック」というものが用意されています。それぞれの診断はパソコンやスマートフォンからアクセスして診断を受けることができます。また、このサイトでは、睡眠習慣や睡眠障害についての情報も満載!現在わかっている日本人の睡眠統計データや睡眠にまつわるホルモンのこと、睡眠時間や就床時刻、快眠を得るための方法、食や運動、昼寝などの正しい知識を得ることができます。さらに睡眠障害については、代表的な不眠症や、うつ病による不眠、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群などの説明があり、自分がそうでないかをチェックすることもできます。お医者さんにかかるまでもないけれど、睡眠について悩んでいるあなたに最適のサイトといえそうです。【参考】保健指導リソースガイド「睡眠障害をネットで診断睡眠医療の専門家らがサイト開設」睡眠医療プラットフォームphoto by Strandell
2014年08月29日かつての「ニッポンのお父さん」像は、寝る間も惜しんで働く姿が典型でした。けれど、それに伴って、過労死や数々の睡眠障害、糖尿病などの発症リスクを高めていることが問題視されています。先に改訂された厚生労働省による「健康づくりのための睡眠指針2014」の内容からしても、寝ずに働くことがいいという考え方が変化しつつあるようです。健康に影響を与える睡眠不足とは!?寝る間も惜しんで、ただひたすら働くニッポンのお父さん。そのひたむきな姿は、美徳とされてきました。しかし「過労死」という問題が出てきたことは、その健康リスクを如実に表しているといえそうです。睡眠時間を削れば睡眠障害を引き起こし、さまざまな病の発症リスクを高めるといわれています。最近はテレビや雑誌、インターネットなどで、睡眠の健康面での重要な役割が多く言及されるようになりました。睡眠不足や不眠は健康を害するだけでなく、精神面の不調へも深く結びつく可能性があることは、まだまだ多くの人に認知されていないようです。睡眠キャンペーンとは?皆さんは「睡眠キャンペーン」というものを聞いたことはありますか?睡眠キャンペーンとは、自治体などが行っている、中高年男性の自殺防止を目的とした呼びかけや取り組みです。精神的な問題はなかなか自覚しにくく、また人に相談しにくいことですが、「不眠」は比較的自覚も相談もしやすいものです。そこで「お父さん、眠れてる?」というキャッチコピーを発信し、不眠にフォーカスさせることで、中高年男性が自殺に至るような状況にまで追い込まれないように、自分自身やその家族が精神的な落ち込みを早期に発見できるようにする、というのがこの睡眠キャンペーンの狙いとなっています。睡眠時間を削るリスク睡眠障害の中でも今、多くの人の間で深刻になっているといわれているのが「睡眠不足症候群」です。夜の不眠によって、日中に過度の眠気に襲われたり、集中力や活力が低下したりしてしまいます。現代人の生活では、24時間営業のコンビニエンスストアのような、サービス業に勤務する人たちの交代勤務の不眠についても問題視されています。昼夜逆転した状況では、質の高い睡眠がとれないだけでなく、生体リズムが崩れ、ホルモンの分泌も不活発になることから、病気になりやすくなるといわれています。体だけでなく、精神面の不調も回復してくれる睡眠。決しておろそかにはできません。日本人はやりたいことがあるときに、一番に睡眠時間を削りがちだといわれています。この考え方自体も、どうやら改めるべきときがきているようです。【参考】厚生労働省健康局健康づくりのための睡眠指針2014Photo by Taichiro Ueki
2014年08月29日健康と美肌への近道は何と言っても規則正しい生活と睡眠ですが、最近では睡眠時間よりも睡眠の質が重要視されています。長い時間寝ても体がだるかったり、逆に短くても1日シャキッとしていることがありますよね。体だけではなく、睡眠はお肌に大きく影響します。質の良い睡眠をとることにより、健康で美しく、若々しい美肌を手に入れることができます。睡眠時間が極端に少なかったり、睡眠の質が良くないと、頭がぼーっとしてなんだか体が重くなったり、ひどくなると、目まい、便秘、肌荒れ、頭痛、食欲がわかない、集中できないなど不調の原因になります。そして、慢性的な寝不足は、ホルモンバランスを崩し、高血圧や、肥満になりやすく、免疫力の低下、記憶力の低下などの症状も引き起こします。毎日ぐっすり寝ている人は、脳も身体も十分に元気な状態に回復することができるので、肌もつやがあり、化粧ノリも良く、健康的です。質の良い十分な睡眠をとると、風邪もひきにくかったりするようです。睡眠は脳と身体を休ませるために大切な時間です。ストレスを減らしたり、ホルモンが分泌されたりと、睡眠中は体の中で色んな働きがなされています。若返りホルモンも就寝中に分泌されます。■質の良い睡眠を摂るために、寝る前には控えるべき習慣寝酒、パソコンや携帯を触る、寝る前にネガティブなことを考えたり、悩んだりする、などは極力避けたいものです。■良質の睡眠を誘発する為に効果的な食べ物人は暗くなったことを目から察知すると、脳の中から睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌され、身体に「眠りましょう」という信号が送られます。そして、朝になり明るくなるとその分泌が止まります。良質の睡眠を摂るのに必要なメラトニンを食事から摂ることで、睡眠の質を良くすることが可能です。メラトニンが含まれる食べ物は、お米、レタス、白菜、キャベツなどです。メラトニンを合成する為の、トリプトファンを含む食べ物を摂るのも効果的です。トリプトファンは豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品、チーズ、バナナ、アーモンド、カツオやマグロ、牛肉の赤身などに多く含まれます。反対にメラトニンを減らす食べ物や飲み物もあります。コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェイン、そして、タバコやお酒には、メラトニンを抑制する働きがあります。■快眠にオススメのアロマを取り入れる。カモミール、レモンバーム、ラベンダー、マンダリン、イランイラン、ネロリ、ローズ、サンダルウッド、ベンゾイン、ローズウッドなどがオススメです。今回紹介したのは、簡単に取り入れることができることばかりですので、質の良い睡眠を摂り、毎日化粧ノリの良い美肌を手に入れましょう。
2014年05月30日忙しい毎日を送っている現代人は1日をうまくやりくりするために、ついつい睡眠時間を削りがち。睡眠には、1日の活動で疲れた体を休息させ、必要な力を準備するという大切な役割があります。質のよい睡眠についてのお話の前に、睡眠のサイクルについて知っておきましょう。■睡眠のサイクル睡眠には、2つの種類があります。睡眠が浅く、夢をみる「レム睡眠」と、夢はほとんどみず、脳を休ませる「ノンレム睡眠」です。眠りにつくと最初にでるのがノンレム睡眠です。電車で居眠りをした時のうとうと状態がノンレム睡眠の第一段階です。そのまま段々熟睡に入っていきます。そんな深い睡眠のノンレム睡眠の後は、再び眠りが浅いレム睡眠が現れます。睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠がセットになり、約90分周期で4回から6回繰り返され、目覚めに至ります。つまり、睡眠のサイクルは90分。この倍数で睡眠をとると目覚めがすっきりし、また効率よく睡眠がとれるのです。■「レム睡眠」は体の休息レム睡眠は、浅い睡眠のことであり、睡眠全体の20%を占めていて、体の睡眠といわれていますが、眠っていても眼球は高速で動いています。(この急速眼運動(Rapid Eye Movement)の頭文字からレム睡眠といわれています。)レム睡眠中は、オトガイ筋(あごの先の筋肉)が脱力し、姿勢を保つ筋肉もゆるんできます。また、レム睡眠時は大脳が活性化している時間でもあり、夢をみることが多いですが、それと同時に記憶の整理をしています。<レム睡眠の役割>・体の休息・精神の回復、感情の安定・記憶の定着・情報の整理画像:paylessimages/Fotolia.com■「ノンレム睡眠」は脳の休息ノンレム睡眠は寝てから3時間の間に多くでることが特徴です。(睡眠の深さに合わせて4段階に分けられます。)夢はほとんどみず、脳の休息と身体の成長が主な役割です。子供の成長や成人の健康、美肌に必要な成長ホルモンはノンレム睡眠時に多く分泌されます。<ノンレム睡眠の役割>・脳の休息・免疫力の向上・傷ついた細胞の修復・肌質の改善■眠りの力睡眠は単なる休息ではありません。眠っている間には様々なホルモンやホルモンに似た物質が分泌されていることがわかっています。これらによって、脳や体がしっかり休まり、傷ついた細胞が修復し、日中を元気に活き活きと過ごすことができるのです。ただ眠れたらよいのではなく、これらの役割をしっかり果たすには、質のよい睡眠が大切です。寝つきがよく、途中で目が覚めることもなく、朝はすっきり目覚められて、日中の活動に支障がない、そんな睡眠こそ、質のよい睡眠といえます。どうしたら質のよい睡眠をとることができるのでしょうか。【後編】でお伝え致します。
2014年03月15日(画像は、ニュースリリースより)ほとんどの人が睡眠に不満を持っている株式会社フジ医療器が、3回目となる「睡眠に関する調査」を行い、その結果を報告している。1回、2回に引き続き、90%以上の人が、自分の睡眠に対して不満を持っている、と言う結果が出ている。株式会社フジ医療器は、2014年4月に創業60年目を迎えるマッサージチェアのパイオニアとして知られる。その他にも、アルカリイオン整水器など、美容と健康に関わる商品の製造・販売などを行っている。前回と違う新しい結果も今回の「睡眠に関する調査」は、インターネットで全国の10代から80代の男女4,587名を対象に実施された。睡眠に対して一番不満に感じている点を、「寝ても疲れが取れない」と答えている人が、全体の18.5%、847人いた。1日の疲れを取る為に寝ても、翌朝すっきりと起きる事が出来ないと、1日の活動もスムーズに始まらない。良い睡眠を取る為に、快適な寝具を使い、マッサージやストレッチなどで脳と身体をリラックスさせるようにしている、と言うアンケートに対する答えが多かった。昨年よりもマッサージが効果的だと答えている人が増えている。積極的にリラックスさせる事で、疲労回復にもつながり、さらに睡眠で疲れが取れる、と言う相乗効果が生まれる。【参考】▼株式会社フジ医療器▼株式会社フジ医療器ニュースリリース※意中の男性がズキュン!バレンタインデイを最高に美しい肌で迎えるテク
2014年01月28日睡眠不足が引き起こす加齢仕事で夜更かしした後や徹夜で遊んだあとの鏡に映ったげっそりした自分の顔に愕然とした経験は皆多々あるだろう。それに比べて前日しっかり睡眠を取ることのできた翌日のぴーんと張った肌・・私たちが眠っている最中、体の中では一体何が起きているのだろうか。アメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表された研究結果によると、睡眠不足が体重増加や免疫力低下を引き起こすだけでなく、睡眠中に行われる毒素排出と脳内清掃をも妨げてしまうことが明らかになった。ではその脳内清掃とは何か。脳が睡眠状態に入ると、最初の数時間は古くなった細胞の交換、毒素や傷ついたタンパク質の除去が行われる。一旦きれいになると、次は体から、皮膚細胞を修復せよとの命令が下る。この一連の作業を潤滑に行うためには、少なくとも7時間の睡眠が不可欠であると、アメリカ・オハイオ州クリーブランドにあるホスピタルケース・メディカルセンター大学内エスティローダー研究所所長ナディーヌ・ペルノデは話す。「睡眠が5時間以下の被験者と7時間の被験者を比較すると、5時間以下の被験者は4歳から5歳年齢が上に見えることが顕著に見てわかる」また睡眠不足の被験者の肌を観察すると、日中の日光に対する防護力が落ち、メラニンを発生しやすくしてしまい、それによって肌の水分保湿効果、弾力まで失われてしまうという。質のよい睡眠を得るためには?専門家によると、最適な睡眠時間は5時間以下でも9時間以上でもだめで、決まった時間に起き、決まった時間に起きることが、体内の清掃活動を活発にする上で重要な要素になる。夜間仕事をしている人は、明け方決まった時間に寝ることを徹底すれば、夜間に睡眠を取る人と同じ効果を得ることができる。すぐに寝つきやすくする環境作りも重要だ。部屋の温度は最高でも19度に保つ。パソコンやスマートフォンからは日光に近いブルーライトが放出されており体を覚醒させるため見ないようにする。カフェインを控える、などなど。毎日あわただしく仕事をしている現代人にとって定期的な睡眠を得るのは至難の業であることは間違いないが、加齢のスピードを最小限に抑えるために良質な睡眠を獲得することは必須である。【参考リンク】▼elle.fr▼bellaunaturel▼mon espace sommeil
2014年01月17日疲れて仕事から帰った夜、思いきり遊んだ夜、ひとりで夜更かしした夜、いろいろな夜がありますが、ぐっすりと眠れていますか。睡眠は毎晩のことだけに、気持ちよく眠れないのは気になるもの。でも、それ以上にいろいろな影響が出ているようです。11月1日、質の高い睡眠を取る必要性、及び質の高い睡眠を得るための工夫や方法を啓発すべく、情報発信を行おうと、 「いい寝!フォーラム」 が立ち上がりました。フォーラムメンバーには、自律神経の専門家である順天堂大学医学部附属 順天堂医院・教授の小林弘幸先生、脳科学と睡眠の専門家である金沢大学医薬保健研究域医学系教授、医師、医学博士の櫻井武先生、睡眠コンサルタント・インナービューティーアドバイザーの友野なおさん、スリープマスターの長谷川夏美さんが参加。フォーラムの活動第一弾として、20代~60代の男女2,400名を対象に、「睡眠のメリットに関する意識調査」が10月にインターネットで行われたそう。それによると、なかなか興味深い結果が表れています。まず、働き盛りの20~40代男性に対し、昨年の個人年収を聞いてみたところ、睡眠満足層は睡眠不満層と比較し、1,000万円以上稼いでいる人の割合が2.5倍多いという結果が。さらに、個人資産額についても、睡眠満足層は睡眠不満層と比較し、「億万長者」の割合が2.5倍多いという結果になりました。気になる男性の金銭状態が知りたければ、睡眠に満足しているか聞いてみるのもいいかも!?女性の場合、気になるのは睡眠が美肌にどう関わるかかもしれません。女性に朝の化粧ノリについて聞いてみると、睡眠満足層は睡眠不満層よりも「良い(良い、まあ良い)」の出現率が高いことがわかりました。睡眠満足層(55.7%)は、睡眠不満層(31%)と比較し、出現率が1.79倍でした。満足な睡眠をとるだけで化粧のノリにも大きな差が出ることが結果から読み取れます。美肌は寝ている間に作られるとも言いますが、もしかしたら事実なのかも。よい睡眠をとって化粧ノリがよくなるのなら、ぜひ毎晩しっかりぐっすり寝たいものです。そして、さらに驚くべきは、質の高い睡眠が幸せのバロメーターになるという結果。日々の生活に満足しているかを聞いたところ、他の問と比較しても大きな差の出る結果に。睡眠満足層では「充実している(充実している、やや充実している)」が66.8%と、半数以上の方が日々の生活が充実していることがわかりました。睡眠満足層(66.8%)の「充実している」出現率を睡眠不満層(34.4%)と比較すると、1.94倍の差があり、良質な睡眠が幸福度と強い相関があることがうかがえます。また、睡眠満足層と睡眠不満層では、睡眠へのこだわりが違うことも判明。睡眠不満層は「自分にあった枕を使う(40.1%)」に回答が集中する一方、睡眠満足層は「自分にあった枕(39.6%)」や「規則的な就寝、起床(34.4%)」、「快適な布団(30.6%)」に回答が分散。睡眠満足層と睡眠不満層の差は「就寝、起床時間」+「快適な布団」と言えそうです。毎晩当たり前のようにとっている睡眠ですが、生活のさまざまなところに影響を及ぼしているのですね。「就寝、起床時間」+「快適な布団」にこだわって、少しでも睡眠に満足をおぼえられるようになれば、化粧ノリや幸福感のアップがねらえるかも?・いい寝!フォーラム 公式サイト
2013年11月11日(画像はイメージです)睡眠中、ブラジャーを着けていますか?株式会社ワコールは、夜の美容習慣について調査を行いました。睡眠中はブラジャーの締め付け感が気になる、でも着けないとバストが垂れないか不安、ワイヤー入りのブラジャーでもいいの?など、女性の皆さんは、夜のブラ習慣については様々な思いがあるかと思います。調査の結果、バストに対する不安から睡眠中もブラジャーを着ける人は約30%でした。ただし、その中でも半数の約53%がワイヤー入りなどの日中と同じブラジャーを着用していました。また、睡眠中にブラジャーを着ける習慣のない女性でも、約半数が「バストの形が崩れそう」「バストが垂れそう」と不安があるとのこと。夜には夜のブラを!女性の夜のビューティーケアでは、スキンケア、ヘアケア、ハンドケア、フットケアは意識が高いのに対し、バストのケアに関しては意識はしているけれど、対策ができていないという人が多いようです。バストは日中の活動中はもちろん、夜の睡眠中も寝返りや重力により、24時間様々な方向に引っ張られています。ワコールでは、睡眠時には専用のブラジャーを着用し、バスト専用の美容液を併用することを勧めています。ノーブラ派のあなたも、夜ブラ習慣、始めてみませんか?【参考リンク】▼ワコール女性の夜の美容習慣に関する調査歳の美魔女が飲んでいたのはコレ!ボロボロ肌を蘇らせる、究極の美容成分「アキョウ」とは?【実証!!】 「1日たったの5分」でむくみ知らずの美脚になる方法とは?1日3粒、運動も食事制限も無し!! 酵素サプリでダイエット肌荒れ、倦怠感、貧血・・・原因不明の「ちっちゃい体トラブル」は、まとめてポイ! 再び注目されている成分とは?
2013年10月30日睡眠不足が続くと、お化粧ノリが悪かったりニキビができてしまったり…。そんな経験はありませんか? 肌細胞は睡眠中に再生するため、睡眠不足は美肌へのダメージがとても大きいのです。特に重要なのは眠り始めの3時間。この最初の3時間に成長ホルモンが分泌され、肌細胞の新陳代謝が行われます。「快眠無くして美肌は手に入らない」と言っても過言ではありません。そこで今回は、美肌を保つ上でとても大切な「美肌を作る睡眠法】についてご紹介いたします。■睡眠前の過ごし方●入浴&軽いストレッチ心地良い眠りにつくために、ぜひ取り入れて欲しいのが、入浴と軽いストレッチです。どちらも筋肉をほぐし血行を良くするため、寝つきがとても良くなります。入浴後1時間が一番眠りやすいタイミング! 入浴中に温まった熱を体外に逃がすと同時に、身体が睡眠のための準備を始めるからです。お風呂の温度は40℃以下、時間は20分程度を目安に。ストレッチも5分程度で十分です。大切なのは、続けること。無理のない範囲で習慣化していきましょう。●寝る前に飲んではイケナイものは? カフェインを含んだ飲み物は出来れば避けたいところ。カフェインの覚醒作用は飲んで30分後から作用し、最大で4~5時間続くと言われています。またアルコールも質の高い睡眠を得るためには向いていません。睡眠中に体内でアルコールが分解されると眠りが浅くなるからです。寝酒派の方はご注意を。■快眠出来る環境作り●枕は5度のカーブを目安に快適な睡眠を得るためには「枕」選びはとても重要です。高すぎると首にシワができてしまったり、気道を狭くし呼吸に障害をきたす事もあります。また低すぎると真上を向いてしまいます。立っている時と同じ様な態勢でいるのがポイントです。枕・布団・シーツ等の寝具は通気性の良いものを選ぶ事も大切です。●寝室の温度 夏は26℃前後・冬は18℃前後美肌をキープするために、夏は除湿・冬は加湿にも気を配りましょう。●快眠へと導くアロマアロマテラピーの効果を利用するのもオススメです。リラックス&肌荒れにも効果があると言われている精油は「ラベンダー・サンダルウッド・ローズ・ローズウッド」等。好みの香りに包まれて素敵な眠りにつきましょう。●携帯電話は出来るだけ遠くへ眠る直前までパソコンやスマートフォンを見ている方も多いのでは? 夜は見ないようにしている…という方も枕元に置いていませんか? 電源をOFFにしていてもかなりの電磁波が本体から発生し、これが睡眠の質を落としているというデータがあります。どうぞご注意下さいね。自分が床に就いた時に「気持ちイイ~、安らぐ~」という感覚を得られるものが、全ての選択の基本となります。自分の美肌を、ひいては質の高い充実した人生につながる「睡眠」について、改めて見直してみましょう。
2013年09月20日食事制限や運動をしてるのに、なかなか思う通りに痩せないと言う人。ちゃんと睡眠はとれていますか? 「え? 睡眠とダイエットって関係あるの? 」という声が聞こえてきそうですが、じつは大いに関係があるのです。最近では、「メタボリックシンドロームと、睡眠不足&睡眠の質の低下が肥満のもとになる」ということが言われ、多くの研究が進められています。ベッドメーカーのパラマウントベッドによると、「ある看護師さんを対象にした実験によると、5時間睡眠のグループが6時間以上睡眠のグループに比べ、体重が重く、さらに年齢を重ねるごとに急激に体重が増加しているという学術調査もある」のだとか。つまり、睡眠不足なほど体重は重くなり、年齢とともにさらに太る傾向が強くなることが分かります。■なぜ、睡眠不足だと太るの? 睡眠が少ないと肥満になりやすい原因は、大きくわけてふたつ。1. 睡眠不足が摂取カロリーの増加を招く2. 消費カロリーの低下まず、(1)について解説すると、夜までダラダラ起きていると何か食べ物を口にする機会が増えます。単に食べる量が増えるだけでなく、寝る前に摂ったカロリーは脂肪に変わりやすいという事実も。また、睡眠が短いと食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌量が減り、食欲亢進ホルモン「グレリン」の分泌が増量。つまり、睡眠が短いだけで空腹を感じやすくなり、日中もカロリーを摂りすぎる傾向になってしまうのです。そして、(2)の消費カロリーの低下は、さらに体重増加を加速させる要因になります。寝不足で身体が疲労すると、必然的に日中の運動量も減ることになります。体内の深部体温が低下することで、女性だと、冷え性やホルモンバランスの崩れまで引き起こす要因ともなり、最悪の場合は婦人科系の病気にも繋がる恐れも出てきます。美容面、特に美肌を守るためにも、睡眠はとても重要なのは、言わずと知れたところですね。年齢とともにくすみがちな肌が、クマなどで一層くすんでしまいかねません。■睡眠時間と睡眠の質を見直してダイエットに必要なのは、まず睡眠時間を見直すことが大切ですね。平均6.5~8時間が最適な睡眠量とされています。そして、睡眠の質を高めることも重要です。眠る前にノンカフェインのお茶で温まり、間接照明の中でアロマを炊くのも効果的ですが、いちばん重視したいのが、寝具の寝心地の良さです。ホテルのベッドでぐっすりと眠れるように、上質な寝具は深い眠りへと誘導します。もちろん、すべての寝具を一気に取り替えるのは大変だけど、取り入れやすく重要なアイテムがあります。それは、枕。最近は、各社から色々な枕が発売されていますが、なかでもおすすめなのが「スマートスリープ」の「スマートフィット ピロー」。なんと、寝返りがしやすいように幅が80センチ! 仰向け、横向き、どちらの寝姿勢にもフィットしてくれて、肩もしっかりサーポートしてくれるので、この枕に変えてから肩こりが緩和されました。寝苦しさで起きることも無くなったので、朝起きたときのスッキリ感が断然違います。これを読んで、睡眠から見直したいと思った人は、ぜひ心地いい枕を試してみてください! 「きちんと寝る」ことで、知らずのうちに健康でスリムな体型が手に入るはずです。スマートスリープ スマートフィット ピロー サイズ全2種 ベージュ ¥16,800/パラマウントベッドお問い合わせ:スマートスリープ 公式サイト
2013年05月25日毎日、十分な睡眠がとれていますか? 女性は、生涯を通じて睡眠のトラブルが非常に多いとされています。その大きな原因のひとつと言われているのが女性ホルモン。月経や妊娠、出産、加齢などのさまざまな要因で変化する女性ホルモンの分泌が、睡眠メカニズムに大きく関わっているのです。女性ホルモンは大きく分けてふたつ。月経周期をコントロールしているエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)。生理初日から排卵前まではエストロゲンが多く分泌される低温期、排卵後にはプロゲステロンが多く分泌される高温期になります。人は、体温が下がることで眠気が起こるため、体温が下がりづらい高温期は、寝つきが悪くなり、寝不足でイライラしたり、日中眠くなったりします。これが最近女性に多いPMS(月経前症候群)の症状のひとつです。睡眠不足は、重要な女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を抑制してしまうのです。睡眠不足の方は要注意です!質の良い睡眠を得るために費やす「眠活」のすすめ。その方法についてご紹介。【眠活のための生活改善1】食生活を見直す必須アミノ酸のひとつトリプトファンは、体内で精神の安定を促す脳内の神経伝達物質セロトニンや睡眠ホルモンであるメラニンに変わり自然な睡眠を促します。牛乳や大豆、チーズ、ごまなどに多く含まれ、朝食に摂るのが理想的です。【眠活のための生活改善2】快適な寝室環境を作る寝室は人生のほぼ3分の1を過ごす空間です。カーテンや寝具には落ち着いた色合いの物を選び、快適な環境を作りましょう。眠る1時間前からは、テレビや携帯電話のライトなど強い光を目に入れないようにします。また、人はひと晩に20~30回寝返りを打つので、できるだけ動きを妨げないゆったりとしたパジャマがおすすめです。【眠活のための生活改善3】入浴は38~40度のぬるめのお湯で快適な睡眠を得るためには、入浴は38~40度のぬるめのお湯にゆったりと20~30分つかるのが理想です。副交感神経が優位になり、気分も落ち着いて眠りやすくなります。入浴剤を入れて保湿効果を高めたり、半身浴でじんわりと汗をかくのもおすすめです。以上3つの事を実践し良質な睡眠をとり女性ホルモンの分泌を安定させて美しくなりましょう。
2013年03月25日かくれ老化と睡眠の関係性「脱かくれ老化™プロジェクト」実行委員会では、『かくれ老化™』と睡眠に関するインターネット調査の結果を報告した。2012年10月、40~50代の「かくれ老化™」該当者と健康な男女1,000名を対象に実施された。『かくれ老化™』該当者の定義は、『かくれ老化™』のチェック項目のうち、該当するものが2つ以上あった人で、健康の定義は、『かくれ老化™』のチェック項目のうち、該当するものが1つ以下の人。※画像は、「脱かくれ老化™プロジェクト」サイトよりかくれ老化が睡眠にも影響を与えている『かくれ老化™』とは、細胞や組織の劣化から体の内部で静かに老化が進行していくこと。自覚症状が少ない分、放っておかれがちだが、30代までは気にならなかったカラダのさまざまな部位に現れ、10年後20年後の身体に確実に変化を表す。今回の調査で、『かくれ老化™』が、良質な睡眠を阻害していることがわかった。眠れない日がある/睡眠が浅くなったと感じるかを調査したところ、健康な方は30%が「あてはまる」あるいは「ややあてはまる」と答えたのに対し、『かくれ老化™』該当者は52.2%が同様に回答していた。良質な睡眠が得られていない人が、健康な人に比べ、『かくれ老化™』該当者の方が1.7倍以上も多いという結果となった。睡眠は、身体の疲れをとるだけでなく、精神状態を安定させるのにも重要な要素をもっている。老化を受け入れながら、精神状態を安定させるためにも、健康であり続ける必要がある。元の記事を読む
2013年01月17日味の素は良質な睡眠が仕事や学習力を高め、スポーツの競技パフォーマンスも向上させる働きがあるとして、「仕事・学習・運動力を上げる睡眠術」を紹介している。同社によると、健康なヒトは一晩に、ノンレム睡眠、レム睡眠を3~5回繰り返すという。特に大切なのが深いノンレム睡眠(徐波睡眠)。この睡眠時には、成長促進作用と疲労回復に大きく関係する「成長ホルモン」が多く分泌される。さらに質のいい睡眠は、睡眠中の脳の中で行われる「記憶の整理や定着(固定化)」にも、いい影響を与えるとされている。そこで同社は、睡眠と競技パフォーマンスの変化についての調査結果を紹介。アメリカの大学のバスケットボール部選手に、5~7週間、1日10時間睡眠を推奨したところ、「282スタートダッシュ」「フリースロー」「スリーポイントシュート」いずれの成績も向上したという。早稲田大学スポーツ科学学術院の内田直教授は、「パフォーマンスを上げるためには、まずトレーニングを積み重ねることが重要」と定義。そして、「睡眠は学習したことを記憶として定着させる働きがある。パフォーマンス向上のためには、“質のいい睡眠”がポイント」と睡眠の重要さについて語った。睡眠による記憶の整理・定着は、スポーツだけでなく、仕事や勉強にも応用できるという。また同社は、良質な睡眠に導く働きがあるという「グリシン」摂取で、疲労軽減と作業効率(脳の作業処理能力)がアップすることも紹介している。仕事や勉強・競技パフォーマンスの向上のために、睡眠の質をよくさせる「グリシン」の摂取も有効な手段のようだ。内田教授は、「パフォーマンスを高める理想的な1日」を紹介。ビジネスパーソンは起床後2~3時間後の体温が上がる時間は記憶容量が増える時間とし、体温がさらに上がる午後は仕事が最もはかどる時間としている。就寝2~3時間前は記憶に適する時間で、資格などの勉強には最適とのこと。またアスリートも、体温が上がる午後が最もいいタイム・演技ができる時間としている。さらに昼寝もパフォーマンス向上に効果的。就寝2~3時間前は、ビジネスパーソン同様、記憶に適した時間のため、日誌などを書くのがおすすめとのこと。いずれも、就寝前はリラックスをし、グリシンを摂取することも睡眠の質を高めるのに大事なことだという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月26日磁気と健康の研究会は9月26日・27日の2日間、30~45歳の男女210人を対象に、「肩こりと磁気に関する意識調査」を実施した。同調査は、慢性肩こりの人(週に一度以上肩こりを感じている人)126名、肩こりのない人84名を対象に実施。最初に、睡眠の質やその低下による日常生活への弊害について調査。その結果、6つの項目において、慢性肩こりの人が睡眠障害やそれによる日常生活の影響を感じていることが分かった。特に「寝つきが悪いことが多い」は慢性肩こりの人は肩こりなしの人と比べて2倍、「夜中に何度か起きてしまう」という中途覚醒は1.6倍だった。さらに日常生活においても、慢性肩こりの人は「集中力が途切れがちでイライラする」ことが2倍多いことが明らかとなった。続いて、疲れやすさについて調査。残暑が厳しかった今年の夏時期の疲れについて尋ねたところ、慢性肩こりの人は肩こりなしの人と比べて、5倍も食欲をなくすほどの夏バテを感じていたことが分かった。慢性肩こりの人は睡眠障害を抱えている傾向があることから、より疲れやすく夏バテになりやすいと考えられる。肩こりと見た目に関する調査では、「実年齢よりも老けて見られるか」「顔色が悪いと言われるか」「猫背であるか」という質問全てで、慢性肩こりの人はその傾向が強いことが分かった。特に「実年齢よりも老けて見られる」は肩こりなしの人と比べて約1.7倍多く、肩こりは見た目の印象にも影響していることが明らかとなった。慢性肩こりの人に磁気治療器について尋ねたところ、使用経験がある人は3割程度で、半分以上が磁気治療器を正しく理解していないことが分かった。磁気治療器は血行を改善してコリをほぐす効果があるが、それとは反対に「磁気治療器は体の負担をかける」と誤解している人も多いようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月21日現代人の5人に1人が睡眠に悩んでいるという不眠大国日本。実際に睡眠不足は身体にどのような影響を与えうるのか?パラマウントベッドが11月15日に開催したセミナーでは、最新の実態と薬に頼らない改善法について発表された。セミナーには、睡眠総合ケアクリニック代々木の井上雄一理事長が登壇。睡眠不足が身体に与えるうる影響として、井上先生はうつや高血圧症、心臓疾患などのリスクを指摘した。中でも、糖尿病発症率の上昇やメタボリック症候群へのリスクを強調。糖尿病に関しては、45歳から65歳の男性550人を対象にした、新規に糖尿病を発症する相対的危機率を求める調査結果を発表。調査では、飲酒によるリスクを1とした場合、睡眠障害はその5倍ものリスクとなることが分かったという。ちなみに、肥満によるリスクは6.5倍であった。また、18歳から27歳の健康男性11人を、睡眠不足の状態(4時間睡眠×6晩)にして行った調査結果も公表。調査では、糖の抑制をおさえるインスリンの分泌量に変化はなかったものの、朝食後に血糖値が上昇し、耐糖能が悪化したという。その後、睡眠障害のない状態(12時間睡眠×6晩)にすると、朝食後の血糖値は通常の数値に戻った。つまり、健常人でも睡眠不足の状態では、朝食後に血糖値が上昇することが確認されたという。睡眠不足が肥満につながる原因として、井上氏は空腹時の信号となるグレリンが増加し、満腹の信号であるレプチンが減少することを指摘。つまり、睡眠不足であると空腹感が増し、食欲が促され、結果肥満につながると言う。実際に30歳から54歳の成人1,240人を対象に、睡眠時間とメタボリック症候群との関係性について調査を実施した。すると、メタボリック症候群の基準合致率は、睡眠が1日6時間未満の場合が一番高く、標準の睡眠時間である1日7~8時間の場合が一番低い結果となった。ただ、メタボリック症候群においては、1日8時間以上の場合も合致率が高くなる傾向があるようだ。これに関しては現在、科学的な原因は証明されていない。井上先生は、「8時間以上の層の中には、寝つきが悪い(入眠障害)、目が覚めてしまい眠れなくなる(中途覚醒)などの症状を抱えた人が含まれている可能性もある」とコメントした。睡眠障害への対策として、睡眠薬を使用するという方法もある。しかし、睡眠薬に頼らない改善法として、井上先生は以下2つの行動療法をお勧めしている。刺激制御療法眠ろうとする意気込みがかえって頭をさえさせてしまい、睡眠を妨げてしまうことがある。こうした意気込みや刺激を制御することで、睡眠を促す療法。具体的には下記の通り。・眠い時しか寝床に行かない・眠れなければ寝室を出る・毎朝同じ時間に起きる・日中、昼寝をしない睡眠制限療法ベッドの中で過ごす時間(床上時間)を制限し、床上時間と本当に必要な睡眠時間のギャップを少なくする療法。浅い眠りの時間をなくすことで、中途覚醒を減らすこともできる。具体的には下記の通り。・床上時間を平均睡眠時間プラス15分にする・起床時間は毎日一定にし、就床時刻を遅くする・日中、昼寝をしない・目標時間の90%以上眠れたら、床上時間を15分増やす「こうした療法を取り入れるだけで、睡眠薬を用いた場合の約80%もの効果を発揮します。どうしても昼寝がしたい時は、15時前の20~30分を目安にするといいでしょう。また、標準的な睡眠時間は7時間ですが、季節によっても睡眠時間は変わってきますし、高齢の方の場合は6時間でも十分になってきます」(井上先生)。また、自分の睡眠状況・習慣を把握する方法として、パナマウントベッド研究所が開発した睡眠計「眠りSCAN」がある。同研究所では12月3日より、「眠りSCAN」を用いての睡眠改善アドバイスサービス「スマートスリープチェック」を実施する。同サービスは、全国のスマートスリープ直営5店舗で行う。料金は3,150円でサービスの詳細はホームページで案内している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日EAP(従業員支援プログラム)事業を手掛けるピースマインド・イープは3日、現代ビジネスパーソンの睡眠傾向調査の結果を発表した。この調査は、同社EAPサービスを導入する団体の従業員701名を対象に、8月16日から22日まで、Webアンケート形式で行われた。回答者の男女比は男性72%、女性28%。年代は20代以下9%、30代30%、40代43%、50代以降18%。「睡眠不足で仕事に支障が出ていますか?」と質問したところ、「毎日のように出ている」「ときどき出ている」と回答した人は、合わせて56%に上った。「平均睡眠時間」を聞いたところ、71%が「5~6時間台」と回答。NHKが2010年に調査発表した日本人の平均睡眠時間7時間14分と比較し、大幅に短いことが分かった。今回の調査で睡眠時間7~8時間台と回答した人は15%にとどまった。「眠れないとき誰のことを考えていますか」との問いには「仕事関連の人・こと」(21%)が「家族」(18%)を上回り第1位だった。また、仕事関係の人の内訳は「同僚や部下」がもっとも多く、次いで「上司」「取引先担当者」などが挙がった。同社では、良質な睡眠環境を整え十分な睡眠を確保することが、個人のみならず組織にとっても、重要な課題になる分析している。アンケートの詳細は「同社ニュースリリースのページ」で閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月06日日本人の20%が睡眠について不調を抱えている、と言われます。そんな中、睡眠にまつわる言い伝えや都市伝説などをよく耳にしますが、本当のところはどうなのでしょうか。内科医で大阪府内科医会副会長・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生にそれらの真意についてお話を伺いました。■伝説1・眠り始めの3時間ぐらいが大切!?メカニズムとして、正しいのでしょうか。「健康な人の睡眠には、眠りが浅いレム睡眠と、深いノンレム睡眠という状態があります。この2つを合わせて約90分を1サイクルとし、起床まで繰り返すわけです。そこで、最初の2サイクル(約3時間)、いわゆる寝入りばなのノンレム睡眠からレム睡眠へのスムーズな移行がその後の周期、睡眠のリズムに影響すると言われています。また、体の成長や疲労回復に欠かせない成長ホルモンは、入眠後最初にくる深い睡眠時、つまりノンレム睡眠のときに最も多く分泌されます。このことからも、眠ってからの3時間までに深い睡眠に入ることが良質な睡眠と言えるのです」(泉岡先生)■伝説2・一晩で3時間程度の短眠でもぐっすり眠ればOK?いわゆるナポレオンの短眠伝説は本当でしょうか。「『平均寿命と睡眠時間には関連があり、睡眠時間が7~8時間の人が最も平均寿命が高い』という医学的な研究結果があります。これをふまえ、医学的に、人間は最低限4時間の睡眠が必要と言われています。最適な睡眠は生活環境とともに個人によって異なりますが、質とともに量、つまり時間も重要です。睡眠時の心身の働きを考えると、継続的に健康な状態を維持するためには、3時間では量が不足しています」(泉岡先生)■伝説3・食べたあとすぐに寝ると牛になる!?子どものころに散々言われたこの言い伝え。根拠はあるのでしょうか。「もちろん実際に牛になるわけではありませんが、食後すぐの睡眠は太りやすくなる、という意味でそう言われているのでしょう。これには、全身の機能を調節する自律神経が深くかかわっています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、切り替わりながら相互に働き合っています。そのうち、睡眠時や食事中など、心身共にリラックスしているときに働くのは副交感神経のほうですが、これが強く働くと胃腸の消化吸収力が高まります。ですから、食後すぐに寝ると消化吸収力が高まり、それだけ栄養分が蓄えられて太りやすくなると言われるのです」(泉岡先生)■伝説4・寝る直前の入浴は体に悪い!?風呂で温まったらすぐに眠りたいのですが、入浴直後の睡眠は熟睡できないと聞きます。「人の体温にはリズムがあり、夜には下がり始めて早朝には最も低くなり、その後、昼から夕方にかけて高くなります。夜は体が睡眠への準備をしはじめて、体温が下がるのです。睡眠の状態は、この体温のリズムに影響を受けます。風呂上りにバタンキューと寝ると、就寝中に体温が下がって風邪をひく、というのはよくあることです。睡眠直前に熱いお風呂に入ると交感神経が刺激されて体の準備と逆行します。ですから、就寝したい時間の約1~2時間前までに入浴し、ほてりが冷めたころ布団に入るのがぐっすり眠るコツです」(泉岡先生)■伝説5・日光を浴びるとよく眠れる!?日光というと紫外線対策として避けられがちですが、浴びたほうがよく眠れるというウワサはどうなのでしょうか。「日光にあたることによって、感情のコントロールにかかわる『セロトニン』という物質が体内で作られます。このセロトニンは、分解されて睡眠を促す『メラトニン』に変化します。ですから、日光を浴びる時間が長いほど、快眠を得やすくなります。寝つきが悪いという方は、朝の通勤時にひと駅多く歩く、ランチの時間に外に出て歩くなどして、日光浴をすることをお勧めします」(泉岡先生)■伝説6・トシとともに寝つきは悪くなる!?20代同士でも「眠りが浅い」、「年では?」という会話をよくします。「睡眠時に分泌される『メラトニン』は、抗酸化作用や免疫機能を高める働きもある物質で、いわゆる若返りホルモンと言われています。その分泌量は、10代後半から徐々に減少します。このことから、年齢を重ねるごとに、不眠の症状が現れやすい、眠りが浅くなる、夜中に何度も目が覚めるなどということと関係していると考えられています」(泉岡先生)数ある中から6つの伝説を検証しましたが、睡眠のリズムのことを始め、寝入りばなが大事、睡眠の約1~2時間前に風呂に入る、日光を浴びるなど、いずれも快眠へのヒントとなりそうです。監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医。大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。泉岡医院大阪市都島区東野田町5-5-8JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890岩田なつき/ユンブル)
2012年08月05日アットアロマは天然のエッセンシャルオイルが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを調査するため、睡眠障害を有する成人男女を対象に「ブレンドエッセンシャルオイルの睡眠障害に対する効果についての臨床試験」を実施した。同調査は明治国際医療大学附属統合医療センターの協力のもと、2011年12月から2012年3月にかけて、軽度の睡眠障害を有する成人男女11人を対象に実施。就寝時に同社のエッセンシャルオイル「SLEEP plus(スリーププラス)」を枕元で香らせ、1種類のオイルを1週間継続して使用。その後1週間の未使用期間をはさみながら、計3種のオイルを試す臨床試験を行った。実験後、被験者のうち60.6%の人が「使用した香りの印象が良い」と回答しており、使用した香り自体への評価が非常に良いことが分かった。また、睡眠の印象の変化についても、72.7%の人がアロマが睡眠に良い印象をもたらすと回答しており、アロマが効果的に作用していることが分かった(数値は3種の香り平均値)。特に「ドリームローズ(90.9%)」、「ムーンラベンダー(54.6%)」、「サイレントウッド(72.7%)」が、睡眠への良い印象があったと回答をしている。全体を通して睡眠に悪影響が出たと回答した人はおらず、香りが睡眠にマイナスに働くことは認めらなかった。また、香りがあることによる睡眠以外の変化については、47.4%の人が「気持ちが落ち着く」と回答。「リフレッシュできる」と「部屋のにおいが気にならない」がそれぞれ21.1%という結果になり、睡眠以外でもアロマが効果的に働いたことが分かった。人それぞれの香りの好みや感じ方などの嗜好(しこう)性、香りの広げ方の違いなども考えられるため、同社は今後試験方法のさらなる検討に取り組んでいくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月20日日本自動車連盟(以下JAF)とSASサポートセンターは、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査が自宅でできるサービスを開始した。睡眠中に無呼吸の状態が何度も生じる睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の潜在的な患者は、国内で200万人以上といわれる。高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクが高くなるため、早期発見・早期治療が重要になっている。また、症状のひとつに「日中激しい眠気におそわれる」ことがあり、運転中に重大な交通事故を引き起こしてしまう可能性も高いことから、JAFではSASサポートセンターの協力を得て自宅で簡単に検査できる「SASスクリーニング検査」を開始した。このほどサービスを開始する「SASスクリーニング検査」は、まず自宅に検査機器、問診票等を送付。機器を装着し、指先のセンサーで睡眠中の動脈血の酸素量をモニタリングすることにより、簡易的に判定ができる。その後、検査機器、問診票等を返送すると、約1カ月で自宅に検査データが郵送で届く。検査データは専門医(平田恭信医学博士・東京大学医学部附属病院)が分析・評価・総合判断したもので、要検査判定の場合は医師による紹介状が同封されるとのこと。検査費用(JAF会員優待価格)は4,800円(税込み)。検査機器送料、および代引き手数料は別途必要。※睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)とは、医学的には呼吸が10秒以上停止する無呼吸の状態が一晩の睡眠中に30回以上生じるか、1時間あたり5回以上生じ、かつ自覚症状(苦しくなって起きる)を伴うものをいう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月18日6月28日より3日間にわたり、パシフィコ横浜にて、「日本睡眠学会第37回定期学術集会」が開催され、睡眠にまつわるシンポジウムが多数開かれた。この学術集会は毎年開催されており、睡眠ならびに生体リズムのメカニズムと病態、社会的意義を解明し、実生活に生かすことを目的とし、全国の医学、心理学、看護学などの関係者および臨床家が参加している。今年は過去最多となる45のシンポジウムの開催に加え、5年ぶりの首都圏開催ということもあり、2千名を超える来場者が事前に見込まれた。今回の学術集会では、睡眠学の学際的な進歩を若手研究者はもちろん、睡眠を専門としない医療関係者などにも広く普及することを目的としている。参加者が自由に聴講できるシンポジウムをメインホールと7つの会場で随時開催。28日に開催された「レム睡眠中の情報処理過程と夢」というテーマでのシンポジウムには、立ち見が出るほど大勢の聴講者が集まった。このシンポジウムでは冒頭、進行を務める広島大学大学院総合科学研究科の小川景子氏より、レム睡眠の特徴として、急速眼球運動や呼吸および心拍の不規則な変動などの生理的特徴と、夢を見る体験という心理的特徴があることを基本事項として確認。情報処理という観点から、人の脳機能システムを探求したいという同会の趣旨が説明された。シンポジウムでは4人の学者が解説を行った。福島大学共生システム理工学類神経科学研究室の小山純正氏は「レム睡眠調節の神経機構から夢発現のメカニズムを考える」と題してスピーチした。扁桃体(=脳の側頭葉内側にある神経細胞)は、レム睡眠中の自律神経系の変動、すなわち夢の発現に関与しているという。福島大学共生システム理工学類の高原円氏は「事象関連電位によるレム睡眠中の情報処理過程」と題してスピーチした。睡眠中に光の刺激を与えた場合、猫はひとつずつすべてに反応するが、人は顕著な反応が見えづらいといった実験結果を報告。さらに、扁桃(へんとう)体の活動がレム睡眠中の眼球運動の発生と密接に関連していることを説明した。座長を務める宮内哲氏の講演テーマは、「fMRIと脳波の同時計測によるレム睡眠中の急速眼球運動に伴う脳活動」。頭部を固定した状態で睡眠時の眼球の動きを撮影したという珍しい動画を冒頭紹介するとともに、視覚障害者は視覚体験がないため、視覚の夢はないものの、睡眠中に急速眼球運動が起きていると説明した。そして広島大・小川景子氏は「レム睡眠中の急速眼球運動に伴う脳活動と夢の生成過程」と題してスピーチを行った。小川氏によれば、夢見体験(夢を見ること)は内因性情報処理のひとつとのこと。従来の研究でも急速眼球運動との相関が指摘されていたが、あくまで「観察したら両者が同時に見られた」という主観的な報告であった。これを神経生理学的視点から客観的に検討した結果を報告したいというのが今回のスピーチの趣旨だという。小川氏は覚醒中(=起きているとき)のサッケード、すなわち衝動性眼球運動と、睡眠中の急速眼球運動に伴う脳電位を比較調査した。その結果、直前の睡眠時に夢を見たと答えた人の急速眼球運動密度が57.5%であったのに対し、夢を見なかったと回答した人の急速眼球運動密度は35.3%にとどまった。つまり、急速眼球運動が多いほど、夢見体験が多いことが調査結果から明らかになった格好だ。さらに、急速眼球運動が生じることで、レム睡眠中の脳活動が活発化しているとみられ、急速眼球運動が多いほど夢が鮮明であるとする調査結果も報告された。このことから小川氏は、急速眼球運動がレム睡眠中の脳機能を解明する手がかりとなる可能性があると結んだ。会場では医療器具メーカーなどの製品展示コーナーや、睡眠学に関する書籍の販売コーナーも設けられた。また、学術関係者により制作されたポスター掲示のコーナーも設けられ、学術分野別に研究成果を報告するポスターが数多く壁に貼られた。ユニークな発表も多くあった。たとえば高知大学教育学部環境生理学教室の竹内日登美氏らによる「大学生アスリートの競技力の差異による睡眠習慣の違いと、生活改善の取り組みの効果」と題した報告では、高知県内の大学のサッカー部所属学生を競技力順にグループ分けした上で、睡眠や食事など、生活改善の取り組みを1カ月間にわたって実施してもらった。その結果、短いときでも睡眠時間を6時間確保するなど、競技力の高い学生は健康維持、生活改善に対する意識が高く、競技力の上昇には睡眠習慣や生活リズムの是正が必要であることが示唆されたという。また、福岡浦添クリニックによる「日本人とアメリカ人の睡眠呼吸障害病態の比較」と題した報告では、顎顔面形態の異常が睡眠呼吸障害の原因のひとつであることを踏まえて、佐世保基地や岩国基地の軍人および関係者の協力も経て日米の比較を実施。その結果、アメリカ人は日本人と比べて体格の割に無呼吸の病態が軽度であり、睡眠が深い人が多い傾向が認められたと報告している。そして、その結果から日本人は欧米人と比較して、上気道の解剖学的および機能的な相違が存在することが示唆されるという。さらに、広島国際大学心理科学部臨床心理学科の金子凌太郎氏らによる「羊を数えると本当に眠れるのか?」という報告では、大学生98人への聴き取り調査から、実際に羊を数えて眠れた経験があると回答した学生はわずか9.2%であったと明らかにした。その上で、「腹式呼吸の方が脳の興奮を抑えて心身ともにリラックスでき、早く眠気を催すため、羊を数えるよりは腹式呼吸の方が効果的」と結んでいる。日本睡眠学会では、今回の学術集会の開催に先立ち、学会としてはまだ事例が少ない、FacebookやTwitterを開設し、広く周知した。今後も広く医療関係者への参加を呼びかける方針だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月03日