アメリカ・オハイオ州で警察の元にピザの注文が届いた。イタズラかと思ったが、しかし「様子がおかしい」と気づいたことでDV被害が発覚。そして一人の男が逮捕されたと11月23日、NBCが報じている。NBCによると同地の警察のもとに「ピザを注文したい」という連絡が入った。住所も伝えてきたために、オペレーターが「こちら911ですよ」と問いただした。すると電話口の女性は「そうね」と言いながら、続けて部屋番号を伝えた。オペレーターが「間違えてますよ」などと訂正を試みたところ女性は「違うの……。あなたは理解してないようね」と返答。悟ったオペレーターが「男がまだそこにいるね?」と話を遮ると女性は肯いた。そしてオペレーターは医療部隊を送った方がいいか、まだ電話を続けることができるかなどを訊ねた。しかし、女性はどちらも否定。そしてオペレーターは警官に「サイレンを消してアパートに近づくように」と助言し現地に送り出した。電話をかけたのは38歳の女性で、57歳の母親がいた。そして、DVを働いていたのは母の56歳のボーイフレンドであるサイモン・レイ・ロペスだった。サイモンは酔ったまま帰宅すると怒鳴ったり打ったりし、母親に暴力を働いた。サイモンは逮捕されたが「手をあげていない」と否認しているという。ネットでは《賢い女性!偉大な警官!》《グッジョブ》《大ごとにならなくてよかった》といった声が上がっている。似たケースは、14年にイギリスでも起こっている。METROによると「どちらからの通報ですか?」という警察サイドの問いに女性は住所を伝え「ピザを注文したいんです」と切り出した。そして「どれくらいかかりそう」などと返答するうちにオペレーターが察知。さらに伝えられた住所をチェックするとDV事件が報告されていた。そして警官が現地に向かうと、酒に酔った男性とひどく虐げられた女性を発見したという。またイギリスのケースをもとに、アメリカンフットボールの大会・スーパーボウルは“ノーモアDV”キャンペーンの動画を制作した。同じく“ピザの注文を装ってDVを告発する”様子が描写されており15年1月、YouTubeにアップされたところ大きな反響が。現在1,030万回以上の再生回数を記録している。どんな手段を使ってでも、”知らせる”ことが重要だ。
2019年11月25日Instagramで人気のあいさん(@yui_dondon)の出産エピソード第1話。陣痛が始まり、産院に到着しました。でも子宮口はまだ3センチ……! 院内で陣痛に耐えている間、あいさんを精神的に苦しめたものとは? 入院中10何時間、ずっと尿漏れで恥ずかしい思いをしていたのですが、経産婦の友だちに話しても「私はそんなことなかったなー」という子ばかり。肝心の陣痛は進まないし、なんとも恥ずかしい体験でした……。あいさんの出産、育児エピソードはInstagramから更新されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 この投稿をInstagramで見る あい (ゆいどんママ)(@yui_dondon)がシェアした投稿 - 2019年 2月月23日午前7時50分PST 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター あい2018年5月生まれの長女ゆいどんの母。ゆいどんに振り回され毎日ドタバタな日常を送る新米ママデザイナー。育児の大変なことも笑い変えて前向きに!をモットーに、ブログやInstagramで妊娠・出産・子育ての体験記を更新している。
2019年11月03日エルトン・ジョンは、マイケル・ジャクソンが精神的に病んでいたと話している。かなり昔にマイケルに初めて会ったというエルトンは、長年にわたってマイケルのことが心配だったという。自伝『ミー:エルトン・ジョン』からの抜粋の中で、エルトンは「僕はマイケルが13か14歳だった時から知っている。信じられないくらい可愛らしい少年だった」と回顧。「しかし、それから数年間の間にいつの間にかマイケルは世界から自分を隔離するようになり、エルヴィス・プレスリーがしたように現実からも離れていってしまった」とマイケルの変化をつづった。そして、「彼の頭の中では何が起こっていたのか、一体どんな処方薬を摂取していたのか知る由もない。とにかく晩年に僕が彼に会う時は毎回、かわいそうなこの男は正気を失っていると思った。これは気楽に言っているじゃない、本当に精神的に病んでいた。近くにいるとこちらまで心をかき乱されるような人だった」と記した。また、エルトンはマイケルをパーティーに招待した際のこと振り返り、気が付くとマイケルがその場からいなくなっており、エルトンの家政婦の息子と遊んでいるのところを見つけられたことを明かし、「理由は何であれ、彼は大人と一緒にいることができないように見えた」とつづっている。そんな中、今年公開されたダン・リード監督によるドキュメンタリー映画『ネバーランドにさよならを』に関して、マイケルの家族は、同作は完全なるフィクションで茶番だと一蹴。マイケルから性的虐待を受けていたと主張するジェイムズ・セーフチャックとウェイド・ロブソンに焦点が当てられた同作は、先月クリエイティブ・アーツ・エミー賞にてドキュメンタリー/ノンフィクションスペシャル部門を受賞していた。(C)BANG Media International
2019年10月16日配偶者から激しいDVを受け続け、また風俗店で働くことを強要されて、今まで1億円以上のお金を払わされたとのご相談を受けました。具体的にお話をお伺いすると、ご主人は暴力団関係者であり、離婚を切り出しても全く話し合いにならず、連日、お金の支払を要求してくるとのことでした。ご相談にいらっしゃった際は、友達の家に避難をしているという状態で、相談中も電話が鳴りやまないという状況でした。身の危険もあるとのことで直ちに弊所が介入、速やかに最寄りの警察署に被害相談をしたうえで、万が一の時にはすぐに警察が動けるよう体制を整えました。当職が介入した後は、連日、朝から晩まで当職宛に連絡が入り、生活費の請求(本人曰く全く収入がないとのこと)や根拠のない損害賠償請求をしてきました。当職からは根拠のない請求には応じかねる旨伝えましたが、全く話にならず、いつまでも電話を切らせてくれない状態でした。途中、調停などの法的手続も利用しましたが、間に裁判所を挟んでも全く話し合いにならず、警察からの警告も無視、傍若無人なふるまいを続けておりましたが、どんなに揺さぶりをかけてもお金にならないと判断をしたのか、最終的には離婚に応じました。最後にも数千万円の請求をするといった話をしていましたが、時間が経過してもそういった請求は来ていないため、諦めたものと思われます。弁護士も人間である以上、話し合いが全くかみ合わず、連日同じことを何度も繰り返しているうちに消耗してしまうことがあります。そのため、弊所では対応の難しい事案については、複数の弁護士がチームとなって対応しております。配偶者からの暴力や不当な金銭の請求などにお困りの方は、事態が深刻化する前に弁護士にご相談ください。 *執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)*画像はイメージです(pixta)【実録|弁護士は見た!】夫からDVに加え1億円以上払わされていた女性はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【実録|弁護士は見た!】夫からDVに加え1億円以上払わされていた女性はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2019年10月01日結婚して夫婦になれば必ずぶつかるお金の問題。働く女性が増えた今、ひそかに増殖している“経済DV夫”を知っていますか?今回はそんな“経済DV夫”たちの驚きの行動をご紹介します。結婚してしまったら最後、地獄の生活がスタートしてしまうかもしれません……。文・舩山麻美新婚生活を地獄に変えた「経済DV夫」の実態光熱費は自分の使った分しか払わない「仕事が忙しく、毎日帰りが遅い夫は家での滞在時間が私より少ないことを理由に、光熱費が折半なのはおかしい! と怒り出し、結局毎月私が多く出すハメに。二人分の料理を作るのに使うガス代さえも、“使っているのはお前だ”と、めちゃくちゃな理屈で私に払わせようとします。家賃も折半なのに、なんてセコい男なんだろう……とがっかりしてしまいました」(A.Iさん・32歳/会社員)せっかく一緒に暮らしているのに、こんなふうに追いつめられてしまったら悲しいですよね。まずは冷静に話し合って、お互いがストレスなく納得できる解決方法を見つけ出したいものです。親族からもらった結婚のご祝儀を隠す「夫の親戚の家に結婚のご挨拶に伺ったときに、私が見ていないところでご祝儀をもらっていたみたいなのですが、夫はそのことをひとことも私に言わずに、自分の口座に隠していたようです。ところが後日、夫のカバンから空のご祝儀袋を発見! 裏に書いてある金額をこっそり確認してから夫を問いつめたところ、実際もらった金額の半分を申告してきました……! この期に及んでまだウソをつくのかとさらに驚かされました」(Y.Mさん・29歳/看護師)二人の門出をお祝いするために頂いたご祝儀なのに、ウソや秘密にしてしまっては台無しですよね。夫婦の信頼関係を築いていくために、隠しごとは避けたほうがよさそうです。結婚式のサプライズでもらった100本のバラはなんと……!「私は年下の夫に30万円ほど貸していたのですが、催促してもなかなか返してもらえないのが気になりつつも、ひとまず結婚式をすることに。結婚式のクライマックスで夫から100本のバラのサプライズがあり、本当に感動しました。しかし、控え室へ戻った瞬間“これで借金チャラね”と一言。上げられてからの急降下で、めまいがするほどショックでした。結婚式で離婚を決意しました!」(K.Kさん・34歳/事務)借金を返さずに済み、まわりにはいい夫アピールもできるという最高(女性側にとっては最悪)のプランニングですね。借りたものを返してくれない時点で、一度結婚を見直したほうがよかったのかもしれません。男性が“オレのお金をとられたくない!”と思ってしまう気持ちもわかりますが、度を越えたお金への執着は、幸せな結婚生活を乱してしまうことになり兼ねません。経済DV夫に捕まらないためにも、結婚前の見極めがとても大切なようです。©Milos Dimic/Gettyimages©marintasevski/Gettyimages
2019年09月23日【今週の悩めるマダム】夫からDVを受けています。結婚20年、何度も別れようとしました。でも、まだ10代の子どもたちのために離婚すべきではないと思っています。主人も暴力を振るった後は異様に優しくなるので、結局は許してしまいます。子どもたちが成人するまで、私は我慢し続けるしかないのでしょうか。(福岡県在住・40代主婦)これはただちに配偶者暴力相談支援センターに出向き、専門家に相談すべきレベルです。「暴力を振るった後は異様に優しくなる」というのはよくあるケースではないでしょうか。別れる別れないということよりも、この関係性を絶たなければなりません。20年も続いているのであれば、もはや、警察に相談してもいい事態かもしれません。そもそも、人間が暴力によって支配されてはいけないのです。奥様には、人間として幸せに生きる権利があります。我慢するべきことではないし、暴力は許されない行為です。長年連れ添ったご主人への思いはわかりますが、成人前のお子さんたちへの気遣いもわかりますが、それとこれとは別問題。暴力を受けているのに、家族のためであろうとなんであろうと、我慢をしてはいけません。これはしっかりと改善する必要があります。人間の命や尊厳に関わってくる問題だからです。フランスでも、DVがとっても問題になっています。テレビやラジオの番組でよく見聞きしますし、僕の周囲にも被害を受けている人が少なからずいます。友人女性の一人はご主人に足蹴りをされて胸の骨を折りました。彼女は日本人だったので、僕にSOSの電話が入りました。多分、そこは日本人同士ということの安心感があったのでしょうね。ご主人の家族や友達には相談できなかったのかもしれません。そうした経緯で、僕が彼女を車で病院に連れて行くことになりました。フランス人の医師は親切に、というのか、当然のこととして、警察へ提出する詳細な診断書を書いてくださいました。結局、2人は離婚しています。また別の知り合いのご夫婦にも同じような出来事がありました。2人はとっても仲が良く、はた目からは幸せそうに見えていました。でも、実際はご主人が日常茶飯事のように暴力を振るっていたのです。同じようにお子さんのために我慢されていましたが、放置すればするほどにDVが悪化。耐えられなくなってついに警察に相談をされました。その後のことは直接は聞いていませんが、人づてに聞いたところによると、やはり離婚したということです。さらに、ご主人は家族への接近が許されなくなったそうです。僕はその旦那さんのことがとても好きでした。優しい人だったからです。でも警察が判断したことが、正しいと思います。DVというのは、優しいとかそういうこととは関係ないのだと思います。一種の心の病気なのでしょう。命に関わることもあるので対応は早い方がいいと思います。自分以外の人間に不当に虐げられたと感じたとき、僕はいつも「これは誰の人生なのか」と自分自身に問いかけるようにしています。すると「自分の人生じゃないか」と気が付くことができます。奥様の人生は、紛れもなくあなたのものなのですよ。【JINSEIの格言】どのような事情、理由があっても、暴力は容認できません。なので、ただちに警察や相談支援センターにご相談ください。奥様の場合、専門家の冷静な意見が必要なレベルだと思います。この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!
2019年07月30日俳優のジョニー・デップは、元妻で女優のアンバー・ハードが虐待被害をでっち上げたと改めて批判し、また、DVの加害者はアンバーで自分は被害者だと訴えた。現在、2年間の結婚生活で身体的にも精神的にも虐待を受けたと主張するアンバーに対して5000万ドル(約55億円)もの名誉棄損の裁判を起こしているジョニーは、自身に対する訴えを断固として否定し、虐待で荒廃した男女の生活とは何かはっきりとさせたいとする書類を裁判所に提出した。ザ・ブラストが入手した書類の中で、ジョニーは弁護士ではなく自らの言葉でこう述べている。「目撃者や防犯カメラの映像が痣などなかったと証明しているにも関わらず、でっち上げた痣を理由に裁判所から保全命令を引き出そうとした2016年5月以来、ハード氏の主張を否定してきました。残りの人生でも否定し続けるつもりです。ハード氏はおろかいかなる女性も虐待したことなどありません」「(名誉棄損の訴訟を起こした理由は)私の名誉を回復するためだけでなく、虐待で荒廃した生活を送る男女の方々に、そのスポークスパーソンであると称するハード氏が嘘を繰り返しているということをはっきりとさせたいのです」「何年も自分の無罪を主張してきましたが、やっと数々の彼女の作り話を全て否定し、それを証明する段階にたどり着きました」アンバーから数々のDVの被害例を挙げられているジョニーは、新しい証拠品が見つかったことで訴訟に踏み切ったという。さらにジョニーは、アンバーの嘘は矛盾や二転三転の繰り返しであり、宣誓証書や写真、音声、ビデオなどの証拠品によって否定されているとしている。反対に、ジョニーは自身に対するアンバーのDVを訴えており、それにより結婚中に負った怪我の写真もあるそうだ。「ハード氏は私に対して嘘の虐待被害を主張していましたが、実のところ、結婚生活の中で述べられたようなDVはありました。しかし彼女が加害者で、私は被害者でした。処方されたアンフェタミンや市販薬を酒と共に摂取すると、ハード氏は私に例に挙げていたようなDVを働きました。その大半は居合わせた第三者が目撃しており、そのせいでひどい怪我をすることもありました」「付き合い始めてからずっと、ハード氏からDVを受けていました。殴る蹴るの暴行を加えられたものです。また、頻繁に私の体や頭をめがけて、重いボトルやソーダの缶、火がついたキャンドル、テレビのリモコン、(有機溶剤の)シンナーの缶などを繰り返し投げつけてきて、私はひどい怪我を負いました」そしてジョニーは最後に、アンバーの訴えがほぼ証言に基づくものであると指摘し、「#MeToo」運動の一部である「#believewomen」の概念を当てにしていると批判している。(C)BANG Media International
2019年05月22日【元ホステスが語る男ゴコロの裏事情368】あなたの身近に、自己犠牲的な恋愛をしていて「彼との関係が円満」「毎日、幸せ」という人っています?たぶんいないですよね?自己満足するかもしれませんが、精神的には疲れているはずです。筆者の知る限り、自己犠牲的な恋はうまくいきません。ただ、女子の中には自己犠牲が何だかわからず、知らないうちにそういう恋愛になっている人も……。■自己犠牲=あなたも彼もダメになる自分を犠牲にして一生懸命、彼に尽くす女子の中には、そのことを美徳だと思ってる人もいるかもしれませんね。でもそれは勘違い。自己犠牲的な恋愛をすると自分の精神がすり減り、相手はどんどん何もできない人になっていきます。尽くしに尽くすうちに彼の能力を奪い、成長を止めてしまうんです。そう、お互いにいいことなど何ひとつありません。といっても、自己犠牲って何?というのがわかってないと、イメージが湧かないでしょう。もしあなたが、これから紹介するような恋愛スタンスなら、無自覚でも自己犠牲的な付き合い方をしてるので、遅かれ早かれ恋が終わってしまうかも。■予定をキャンセルしてまで彼に会う彼中心の生活をするのはかなりの自己犠牲。彼のためになるべく予定を空けておく、友達と約束してても誘われたらキャンセルして彼に会う、という関係だと必ずどこかで破綻します。彼に会える喜びで帳消しになるのかもしれませんが、全て予定を彼に合わせようとすることは、それなりにストレスになってるはず。恋人との時間は大事ですが、自分の時間も大事です。彼に合わせれば合わせるほど、あなたの精神はすり減り、徐々に破局へのカウントダウンが始まります。彼だって、いつでも自分の都合で会えると思うと、あなたへの態度が適当になるでしょう。■常に「私が悪いんだ」と思う彼との間で何かあるたびに「怒らせた私が悪いんだ」「彼が不機嫌になったのは私のせいだ」と、全てにおいて自分を責めるのも自己犠牲ですね。悪いことをしたわけでもないのに自分を繰り返し責めると、ある日、突然「もう無理だ!私は彼を満たしてあげられない」と疲れ果て、彼との関係を保てなくなります。当事者だとわからないかもしれませんが、自己犠牲的な恋愛というのは、実はひたすらあなたが我慢してる状態です。我慢し続ければ必ずどこかで限界が来るもの。そうなるともう恋の継続は無理です。彼のことが好きすぎて、自分の感情を抑えるような付き合い方をしてては、誰と交際してもうまくいかなくなるでしょう。あなたは気持ちを伝えるのが苦手だったりしませんか?口で上手に伝えられないなら、LINEや手紙でもいいので、しっかり彼に伝えたほうがいいですよ。じゃないと、知らない間に不満がたまっていき、突然、爆発したり、無気力な状態になったりしますから。■自己犠牲な恋で幸せはつかめない彼のためにできる限りのことをしてあげたい、と思うのは素敵なことですが、度を越えれば、それは自己犠牲以外の何ものでもありません。自分を犠牲にした恋愛をしてる間は、幸せにはなれない!ってこと、忘れないでくださいね。
2019年05月17日展覧会「デヴィッド・リンチ_精神的辺境の帝国」展が、2019年4月19日(金)から6月23日(日)までの期間、表参道のGYRE GALLERYにて開催される。デヴィッド・リンチ(David Lynch)は、アメリカ・モンタナ州出身の映画監督。また、脚本家やプロデューサー、画家としても活動する。2018年には、デヴィッド・リンチの謎を紐解くドキュメンタリー映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』が公開され、話題を呼んだ。「デヴィッド・リンチ_精神的辺境の帝国」展で紹介される作品は、タイトルにある“精神的辺境の帝国”をコンセプトに選定。リンチの初期の実験映画『イレーザーヘッド』と、その映画ロケ地で、自身が様々なインスピレーションを得た場所でもあるフィラデルフィア工業地帯を振り返りながら、リンチの創作の原点に迫る。会場には、ペインティング7点に加え、ドローイング3点、工業地帯の写真22点、水彩画12点を展示。なお、作品は、本展のキュレーターを務める飯田高誉が、デヴィッド・リンチ本人と何度も話し合いながら厳選した。また、開催場所である「GYRE GALLERY」は、2019年4月19日(金)にリニューアルオープン。本展は、リニューアルを記念した第1弾の展覧会となる。【詳細】「デヴィッド・リンチ_精神的辺境の帝国」展会期:2019年4月19日(金)~6月23日(日)開場時間:11:00~20:00会場:GYRE GALLERY住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1
2019年04月13日ブリトニー・スピアーズが精神療養施設に入所した。「People」誌によると、ブリトニーはこの施設で1か月に渡って心と身体の健康を目指した総合的なケアを受けるという。結腸破裂を患った父の看病に専念し、疲労がたまってしまったブリトニー。約3か月ぶりに更新したインスタグラムの投稿で、「私たちみんな、“自分のための時間”をとることも大事よ」と説き、100万以上の「いいね!」を集めている。妹のジェイミー・リン・スピアーズはブリトニーとの思い出の写真を投稿する形で声援を送り、母のリン・スピアーズは「どんなに状況が悪くても、どんなに行き詰まりを感じても、何日間泣いたとしても、何日間物事の変化を望んでも、どんなに絶望して落ち込んでも、こんなふうに感じることは一生続くわけではない。だから、突き進みなさい」という力強いメッセージをブリトニーに送った。(現在、この投稿は削除されている)。恋人のサム・アスガリも、ブリトニーの投稿をリグラムすることで彼女の決断をサポート。「弱さじゃない。それは間違いなく強さの証なんだ。みんなも刺激を受けるべきだよ。少なくとも、ぼくは受けた」と綴っている。さらに、元夫のケヴィン・フェダーラインも「彼女が立ち止まるべきだと認め、現在の自分の状況にしっかりとした方法で理性的に向き合っていることは称賛に値します。みんなの幸せを願っています」と弁護士を通して声明を発表した。(Hiromi Kaku)
2019年04月05日10年ほど前、知人の勧めにより精神科を受診しました。そのとき明確な診断名はつきませんでしたが、いくつかの向精神薬を処方されました。「飲んだら気持ちが楽になる」。そう思って飲み続け、だんだん薬の種類や量が増えていきました。そんな私ですが、今は減薬を頑張っています。なぜ減薬しようと思ったのか。減薬している時はどのような状態なのか。少しでも多くの方に知ってほしく、この文をしたためています。文・七海向精神薬を飲み始めたときから、量が増えていくまで当時の私は、自分がうつ病だと認めたくありませんでした。だけど、心身の不調は数年間続いていました。そんな時、身近な人に精神科を紹介してもらったのです。「優しい医師で、私の親戚も通っているから」と、そう言っていました。精神科は思ったよりも“普通”でした。待合室にはさまざまな人がいました。保護者に付き添われている制服姿の学生、スーツ姿の男性、子どもを連れた女性、私の祖父母くらいの年齢の人。街中ですれ違うような人がたくさん座っていて、なんだか“安心”したのを覚えています。診察室で何を喋ったのかはあまり覚えていません。心身のしんどさを具体的に伝えた記憶はなく、うつ病といった診断も特におりませんでした。「気分が楽になるから」と、数種類の薬を処方されました。それが、初めて向精神薬を手にしたときです。飲んでみると、ふわふわと浮かぶような感覚になりました。私の場合は、全能感があふれるような感じで、ひどく落ち込んだ気分のときも楽になりました。それからその薬を飲み続けました。しかし、だんだん効いている感覚がなくなってきました。飲まないと焦燥感に駆られるようになり、冷や汗が出ました。薬の量が増え、手もとの薬がなくなったら病院に駆け込みました。そして追加の薬を出してもらい、新しい種類の薬も処方されました。こうして薬の量も種類も徐々に増えていきました。私が減薬をしようと思ったきっかけ精神科以外ではほとんど病院に行っていませんでしたが、お腹に激痛が走り動けなくなったときや、片目の視野が真っ暗になったとき。検査をしたほうが良いのではないかと思ったときに、病院に行ったのです。問診票には飲んでいる薬を書かなければなりませんでした。診察では、薬や精神状態について詳しく聞かれました。すると「薬の副作用だろう」「その症状は気のせいだ」と言われ、検査をしてもらえませんでした。腹痛を訴えたときは「気のせいだから痛み止めも必要ない」と言われました。それまで私は、薬についてほとんど何も調べていませんでした。向精神薬を飲んでいると、精神疾患を持っていると、まともに取り合ってもらえないのかと疑問を抱きました。そして自分なりに薬について調べてみたのです。すると、私が飲んでいる薬のうちのいくつかは、依存性が非常に高く、海外では強く規制されているという情報が出てきたのです。添付文書を読むと、「連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与する」「漫然とした継続投与による長期使用を避ける」などとありました。背筋が凍るような思いがしました。それほどまでに依存性が高いと説明されただろうか。手もとの薬がなくなったとき、いつもすぐに新しく処方されたのはなぜだろうか。私は既にかなり依存しているのではないか。漫然と飲んでいる状態なのではないか。書かれている副作用はさまざまでした。10年ほど飲み続けている私に、どんな副作用があってもおかしくありません。内科などで薬の副作用を疑われるのも、気のせいだと言われるのも、そんなにおかしくない話なのかもしれないと思いました。定期的に血液検査しなければならない薬も飲んでいたのですが、私は一度も検査をしたことがありませんでした。検査が必要だということも知らされていなかったので、当時の主治医に聞きました。なぜ血液検査をしないのか、そして私は漫然と服薬している状態ではないのか、と。医師はほとんど無言で、血液検査については「忘れていた」のひと言でした。「人間だから忘れることもある」と。私は減薬を決意しました。何かの症状で困った時、薬を飲んでいると真っ先に副作用を疑われてしまうこと。そして、単純にその薬の依存性が怖かったこと。一生この薬を飲み続けないと、私は生きていけないのか。薬に生かされているようだと思ったのです。減薬のつらさは想像以上だった精神科は変えました。薬物療法ばかりに頼らない病院を探しました。そうした病院であれば、減薬も理解してもらえると思ったからです。新しい病院では「減薬したほうが良い」とはっきり伝えられました。そして、「こんなに無茶な飲み方をしている患者は珍しい」とも。私が飲んでいる薬には、離脱症状が現れることもあります。依存性のある薬を減量する際に出る症状です。人それぞれですが、幻覚や不眠、痙攣発作などは添付文書に記載されています。私の場合は、何よりも不安感が大きいです。そして、眠れない日もあります。依存してしまっている薬を少しずつ減らし、より依存性の低い薬に置換していくという減薬方法を提案されました。数週間ほど新しい薬に置き換えてみたのですが、強い眠気に襲われました。1日のうち20時間ほど寝続けていることもあります。起きている間は始終ボーッとしていて、頭が働きません。思うように喋れず、ふらついて真っ直ぐ歩けません。しかし、長時間寝ているので、ほとんど薬を飲まない日が続きました。薬を飲まないリズムが強制的にできあがったようです。ただ、新しい薬はあまりにもボーッとして、行動できません。このボーッとする感覚がなくなったとき、新しい薬にもまた依存するのではないかという恐怖心も抱きました。主治医に相談して、減薬方法が固まりました。新しい薬は減薬の導入に使うことにしたのです。薬は徐々に減らしていかなければならないので、減らす段階の初期のみにその薬を飲みます。減らしたリズムができあがったら、その新しい薬は飲みません。この減薬方法は私が主治医と話し合って決めたものなので、イレギュラーかもしれません。しかし、少しずつではあるものの、確実に減薬できています。私に合った減薬方法を見つけてくれる医師にかかれているので、いつかは必要な薬しか飲まないで良い生活ができるのだと希望を抱いています。今まで私は、自分が健康でなくても良いと考えていました。だけど、前向きに生きたい。そう思えるようになったのです。向精神薬を否定するつもりはありません。私自身、服用して助けられた部分があるのですから。しかし、漫然と飲み続けることには疑問を抱くようになりました。症状を良くしたいから、薬を飲んでいます。でも、不必要な量や種類を飲むことで依存性を高めるのはどうなんだろう。副作用の危険性を高めるのはどうなんだろう。他の症状で病院に行った時、門前払いされてしまうのはどうなんだろう。薬とはうまく付き合いたいというのが今の気持ちです。無理な減薬・断薬は、心身に悪影響を与えます。自分の心や体と向き合いながら、不必要な薬を減らしていきたいと考えているところです。薬を減らしていくたびにしんどい思いをします。だけど、前向きに生きるために、私は減薬という道を選びました。その先に本当の幸せがあるのか分からないけれど、今は、選んだ道をゆっくり歩いていこうと思っています。©Anatoliy Sizov/Gettyimages©SARINYAPINNGAM/Gettyimages©KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages©Tzido/Gettyimages
2019年04月02日元日本テレビアナウンサーでフリーアナウンサーの脊山麻理子が30日、東京・秋葉原の書泉ブックタワーで最新イメージDVD&ブルーレイ『魅せられて』(ともに発売中 DVD:4,104円税込 ブルーレイ:5,184円税込 発売元:ラインコミュニケーションズ)の発売記念イベントを行った。2004年から2009年にかけて日本テレビのアナウンサーとして人気を博し、現在はフリーアナウンサーやタレントとして活躍している脊山麻理子。日本テレビ退社後は、グラビア活動にも意欲的で、これまでリリースした多くのグラビア作品ではセクシーさを全面に押し出して話題を集めている。通算7枚目となる同DVDは、昨年9月にバリ島で撮影。清純で上品な女性に扮した脊山が、年上の男性に調教されていくという、ドMな姿が見られるという。DVDの中でも見せた特注のボンデージ衣装姿で報道陣の取材に応じた脊山は「前回の作品ではラバーのキャットスーツを着ました。今日の衣装はその素材と同じもので、お尻が空いているんですけど上品かつエロくてお気に入りです」とファッション解説。作品の内容を「最初は日傘を差して上品な女性として私が登場して、紳士に誘われてSMの色んな世界を体験するというストーリーとなっています」と解説し、「後ろの手を結ばれたり、目隠ししながら氷を舐めるシーンもあります。精神的にもエロさを表現できました」とアピールした。昨年11月にリリースした写真集『S』と『M』でSMの世界観を表現した脊山は「Mな私が見られます」といい、「自分はどっちもあるかな。野球で言えばスイッチヒッター(笑)」と明かした。また、「私がSだったら強い男の子の弱い顔を見たいですね。Mだったら賢い人に精神的に追い込まれてみたいですね」と理想の男性の条件をあげつつ、SとMの男性ともに「相手が信用できる人だと開放的になると思います。プロレスもデスマッチできる相手は信頼できないと出来ませんから」と大好きなプロレスを例えに挙げながら相手に対する信頼度の重要さを説いていた。
2019年03月31日DVにまつわるニュースが世間を駆け巡る昨今。過去にそういった経験をした方はフラッシュバックしてしまう…かもしれません。恋に落ち、結ばれて幸せだったはずなのに、いつの間にかDVの被害者になっていたという方は意外と多いよう。そういう映像を見ただけで、暗い気持ちになったり体調が悪くなったりすることもあると思います。今回は経験者だから言える、DVに悩む全ての人へのメッセージです。■これってDVなの?「これってDVになるの?単なるケンカの延長線上の出来事なのかも…」と思ったり、「こんなに彼を怒らせてしまうのは、わたしが悪いから」と自分を責めていたり。なすがまま暴力を受け続けているなら、思い切って友人や家族、もしくは行政の相談窓口に話すことをオススメします。わたしの場合は友人に話したことから、これはDVなんだと確信を持てました。はじめは「自分が悪いから」と思っていたのですが、「こんなことで怒るのはどう考えてもおかしい」というくらい些細な出来事で暴力を振るわれたのがキッカケとなり、「もしやDV?」と感じるように。とはいえ、相手のことを愛していると、なかなかDVだと思えない…思いたくないかもしれません。そこで、被害者だと確信できない人のために簡易的なDVチェックを。・いつもは温厚で優しいけど、変なところでスイッチが入り、豹変したようにキレる。・携帯をチェックされたり、常に浮気を疑ってきたりと、とにかく束縛がすごい。・たびたび暴力を受ける。そして内容がエスカレートしてきている。・暴力の後はとても優しい。・普段は外面が良く温厚だが、実は私生活がとてもルーズ。・相手を支配したがる。いくつか当てはまったら要注意。本当は暴力を受けた時点で離れるべきなんです。大切な命を守るためにも。■加害者はかわいそうではない実際、わたしもそうだったのですが、加害者である恋人に対し「周りに理解されなくてかわいそう」「本当は弱いんだよね」…自分が傍にいてあげなくてはいけないと思い、離れられない人は多いよう。でもこれはかなり危険なこと。加害者はかわいそうではないし、DVは専門的な治療を必要とするケースが多いのです。そのくらい簡単に「治る」ものではないのでしょう。相手が暴力を振るうのにも、何かしらの原因や理由はあるのかもしれません。でも、被害者側がそれを何とかするなんて無理と言うもの。最悪の事態に発展する前に、少しでも早く離れてください。元カレ含め、DVをする人は、ひとたび「カッ!」となると、自分でも歯止めがきかなくなるみたいです。当時はヒザでお腹を蹴り上げられたり、髪の毛をつかんで壁にたたきつけられたり、レストランで男性の店員さんと会話しただけで飛び蹴りされたり、もうめちゃくちゃでした…。■どうやって別れるといい?わたしの場合は、相手に好きな人ができたので、拍子抜けするほどすんなり別れられましたが、そうでないときは、家ではなく喫茶店など外で別れ話をすることをオススメします。その際、あなたの親か同性の友人に同席してもらうといいかもしれません。当事者だけで自宅のような密室で話し合うと、また暴力に発展する可能性があるからです。そして異性の友人だと恋愛関係を疑われ、嫉妬から逆恨みされることもあると言います。別れた後は必ず引っ越しをして、連絡先も変え、SNSも、居場所がわかる投稿や異性と写った画像をアップするのはしばらく控えましょう。最低でも半年から一年は様子を見てください。DVの加害者は、なぜか相手に固執する人が多いようなので、そういったことも加味して慎重に、念には念を入れて行動しましょう。■大丈夫、絶対立ち直れますこういう経験をすると、異性と付き合うことに恐怖を覚えたり、相手がふざけて軽く頭を小突いただけで、異常に怖がったりしてしまう場合もあるかもしれません。しばらくはそのような状態になりがちですが、怖がらなくても大丈夫。あなたには正々堂々と人生を謳歌する権利があるのです。その権利を取り戻すためにも、勇気を出して誰かに相談してください。身近な人に言えないなら行政などの第三者へ。たくさん傷ついた分、きっと幸せになれると思います。
2019年01月24日“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。精神障害者となった兄を献身的に世話してきた両親は、長い年月をかけて現実を受け入れ、ようやく前向きに人生を歩みだしました。いっぽうで私は、人間関係に悩むようになっていきました。文・心音(ここね)【兄は障害者】vol. 20人と人との “距離”ってなんだろう……?精神を病んだ兄に全てを注いできた両親ですが、祖父母の言葉でありのままの現実を受け入れることができ、心にゆとりを持ち始めました。そのことをとても嬉しく思った私ですが、私自身は人間関係に悩むようになっていました。地元にいる時は、自分の意図と関係なく作られる人間関係も、地元を離れると良くも悪くも関係づくりは「自由」です。仕事で出会った人、飲み会で出会った人、友人の紹介で出会った人——。自分のことを正直に話す必要もなければ、相手のことを深く知ることも「自由」。その場限りの人間関係に対して、兄の話をすることは基本的にはなく、「兄弟っているの?」と家族の話題になれば、笑顔で「ひとりっ子だよ〜」と言ったり、「兄がいるけど遠くに住んでいて、まったく会っていない」と言ったりして適当に流していました。小学生、中学生と幼いときの私は、兄に対して「自業自得だ」と酷く不満を感じていましたが、年齢を重ねるにつれて精神的にも少しずつ大人になり、兄のことを責める気持ちは消えていました。しかし、障害を持つ兄の話題をあえて膨らませる必要はないと思っています。それは今でも変わりません。これらの言動は、相手に対して変な心配をかけないための返答であり、“良い嘘” だと感じていただけると幸いです。心の壁が顕著に出るのは、恋愛だった兄の話を具体的に知っている人は、私の周りに今でも少ないです。本当に気心しれた数人のみ。……良くも悪くも、悩んでいたり落ち込んでいたりする姿を極力見せないようにしてきたおかげで、「いつも笑顔で元気な子」「悩みがなさそう」というイメージで生きてこれたと思っています。仕事の人間関係や女友だちの間柄では、そこまで深く悩むことがなかった私ですが、顕著に心の壁が出てしまう時がありました。それは、大学を卒業しても克服しきれなかった、恋愛——。飲み会やデートはたまにすることはあっても、生涯を一緒に歩むことができる男性をイメージすることは、20代後半になってもできませんでした。学生時代の彼以降、何人かとは恋愛関係にありましたが、今振り返っても “作り物の私”。仕事の合間に時々会って、デート。笑顔で写真を撮っては、「また会おうね」と元気にメッセージを送るだけ。彼から距離を詰められると、「最近は忙しいから」「今週は、予定があるから」など、会う頻度をわざと減らすこともありました。「なんか心音って、心を開いてくれないよね」数年一緒にいた彼からは、同棲の話が出たこともありますが「私は、まだ結婚は考えていない」「一緒に住むのは、まだいいや」「自分の時間を大切にしたい」と、言われたら相手が傷つくであろう言葉をわざと言っている自分に薄々気づきながら、素直に恋愛することを避けていました。「なんでそんなに強がるの?」「もう少し、心を開いてほしい」「悩みがあるなら言ってよ」と言われるほど、私の心は殻に閉じこもっていったのです。その時は、ただ強がることしかできなかったけれど、わざと突き放していた本当の理由は、すべてを知られるのが怖かったから。私が兄の立場だったら、家族にこんなふうに思われるのはとても苦痛です。そんな気持ちを抱いてしまうのはよくないことだと思うけれど、相手がどんな反応を見せるのか……。もしかしたら、嫌われるかもしれない。オブラートに包んではっきりとは言わなくても、距離を置かれるかもしれない。自分には、背負いきれないと思われるかもしれない——。誰からもそんなことを言われていないのに、なぜか私は勝手に不安を感じていました。加えて、悩みや弱い部分を知られたら、自分を保てなくなるのではないか? と崩れる精神状態を恐れて、ある一定の人間関係より深くなる瞬間を感じると、突き放す癖が治らなくなっていきました。結婚や子育てのイメージ世の中では、「婚活」がブームになりましたが、幼い頃から兄の世話で苦労していた両親を見ていた私は、「家庭=大変」というイメージがどうしても拭いきれませんでした。もちろん、最愛の人と結ばれて子どもができて、新しい家族とともに幸せな家庭を作ることは、素晴らしいと頭では理解しています。理屈では消化できていても、心がついていかなかったのです。ずっと、ずっと——。©gilaxia/Gettyimages©ljubaphoto/Gettyimages©fizkes/Gettyimages
2018年07月26日こんにちは、美佳です。女子の中には、彼から「バカ」などのきつい言葉を浴びせられる、男のいる飲み会に行くのを禁止されて常にGPSで監視されている、などなど彼の行き過ぎた言動に対し反発するのではなく「彼は私を愛しているから、私にちょっと厳しいんだ」と、正当化してしまっている人いません?けどそれ、ただのデートDVという可能性も無きにしも非ず・・・。彼の言動が愛情かデートDVか、今一度見直してみましょう。■■デートDVとは5つのタイプDVデートDVとは恋人間の間でおこる暴力のことで、単に殴る、叩くなどの「身体的暴力」だけでなく、「精神的暴力」「行動の制限」「経済的暴力」「性的暴力」の5つのタイプに分けられます。さっくり述べますと、◎「身体的暴力」殴る、蹴る、髪を引っ張る、物を投げる、殴るフリや刃物等で脅すなど、文字通り身体的な暴力。◎「精神的暴力」「バカ」「デブ」等の言葉の暴力。「女のくせに」などの性差別発言。大声で怒鳴る、無視する。「別れたら自殺してやる!」などの心が傷つく暴力のこと。◎「行動の制限」「他の男の連絡先は消せ」「他の男と口きくな」等の行動の制限。GPSで常に居場所を監視する。趣味をやめさせたり、友達との約束を却下するなど、無理やり自分の思い通りにコントロールする暴力。◎「経済的暴力」デート代を支払わせる。高価なプレゼントを要求する。「返すから」と言って返したこともないのにお金を借りる(お金を渡さないとキレる)などの金銭面で相手を苦しめる暴力。◎「性的暴力」体調が悪いからと断っても無理やりエッチさせられる。望まないプレイを強要される。避妊を求めても避妊に協力してくれない。恥ずかしい動画や写真を撮影しようとする。など、望まないエッチをさせられること。「あ、彼に当てはまる・・・・・・」と思った女子!それ、彼の単なる嫉妬とかわがままではなく、デート DVじゃないですか?■■嫌なことを「強要」されるならDVと捉えていいとはいえ、情があると単に彼の嫉妬なのかわがままなのか、それともデートDVなのかわからないこともありますよね?まぁ、嫌なことを強要してくるのならデートDVと捉えていいのではないでしょうか。あなたにきちんと拒否権を行使できるのであれば、嫉妬や愛情ゆえではあるけど、彼の理解が足りなかっただけの言動とも言えるかもしれませんが、普通に考えて、嫌がることを「強要」するって、愛情からくる行動ではないですから。また逆にあなたが彼にデートDVをしてないかも考えてください。彼のスマホ勝手にチェックして女子の連絡先消してません?彼のSNSを常に監視し、気に食わないことがあると激怒したりしてません?「誕生日はエル〇スのバッグじゃなきゃヤダ!」など、無理に高価なもの買わせようとしてません?彼からのデートDVもそうですが、自分も彼を苦しめていないかちょっと気をつけてみてください。■■おわりに「きっと彼は変わってくれるはず!」と、彼のDVに悩まされながらも彼に愛情を注ぎ続ける女子もいるでしょうが、筆者的には、変わってからまた付き合いましょうよ・・・・・・と言いたいところ。とはいえ、好きだとなかなか離れられないですよね。なので、周りの人または相談窓口などでアドバイスをもらうのもいいかもしれませんよ。(美佳/ライター)参考:『デート DV110番』高崎市市政情報DV(デートDV)ってなに?(ハウコレ編集部)
2018年07月05日「付き合ってから精神的にツラい」とか「度々、泣かされることがある」など、彼のいきすぎた言動に傷ついたことがある女子もいるはず。それ、もしかしたらデート DVの可能性が……。いわゆる暴力だけがDVではありません。「私のことを愛してるから厳しいんだ」なんて、彼の言動を正当化しないで。今回はデートDVの特徴をいくつかご紹介しましょう。■彼氏を怖いと思う時がある・傷つく何か気に食わなかったのか、急にあなたをにらみつけてくる。怒っているのか、わざと大きな物音を立てる。機嫌が悪いとひたすら無視する……などなど、彼のことを怖いと思う時があるのなら、それも一種のデートDVかもしれません。また、「バカじゃねーの?」「デブ」「ブス」のような傷つく言い方をしてくるのなら愛情の裏返し云々じゃなく、デートDVと言えるでしょう。男子の中にはジョークのつもりで「バカ」とか「デブ」と言う人もいますが、普通に考えて、冗談でもパートナーに言うべきではないですよね?素直に「傷つくから言わないで」と伝えて、彼が言わなくなるならいいけど、直らないなら離れたほうがいいでしょう。■勝手にスマホチェック&連絡先を消せあなたの許可を得ずにスマホをチェックして「男友達の連絡先を消せ」なんて命令する。交友関係を過剰に制限する。「俺からの電話にはすぐに出ること」と強要する。……という感じで命令、制限、強要をしてくるのなら愛情や単なる嫉妬ではなく、デートDVの可能性大。また、先に友達と遊ぶ予定が入っていて、彼の誘いを「今度にしよう」と断ったら不機嫌になる、友達との約束を却下するなど、あなたの予定を乱す、彼のその行動に愛情はありません。「何よりも俺を最優先しろ!」的な態度は彼の甘えやわがままではなくDVです。■したくないのに無理やりエッチする普段はOKでも、体調不良や生理でエッチしたくない時もありますよね?「今日はちょっと調子悪くて……。ごめんね」と彼の誘いをやんわり断っても、無理やりエッチしようとする彼は、あなたのことなんて微塵も愛していないでしょう。恋人の体調を心配するより、自分の性欲を優先させる彼と一緒にいたら心が荒みますよ?筆者も過去に、お付き合いしてた人に誘われ「今日は疲れたからごめん」と断ったのに、無理やりされたことがあります。その時は心底気分が悪くなり「この人は、自分の性欲を満たすことしか考えてないんだな……。一緒にいるのは時間のムダだ」と思って、翌日別れを告げました。同意のないエッチはレイプと変わりません。思いやりのカケラもない男子に、自分の貴重な時間や心を捧げる必要はないですよ。■お金を巻き上げる・自殺すると脅すあなたから平気で何度もお金を借りる。デートで毎回のように「あ、財布忘れちゃった」とか「おごってよ」と言うのもデートDVの一種でしょう。ムダに負担をかける彼と一緒にいたら、破産してしまうかも。なお、女子の中には彼の言動に我慢できず、ちゃんと(?)別れを考える女子もいるはず。でも、別れ話を切り出すたびに「別れたら自殺してやる!」などと脅してくる男子も一定数います。優しい女子は「私がフったら本当に死んじゃうのかな……」と、不安から別れられないでしょう。でも、自殺をほのめかす男はたいてい口先だけ。なので「自殺をはかろうとしてる人がいますって、警察に連絡するね」とだけ言って、さっさと去ったほうが安全です。■終わりに彼と一緒にいると、その言動が甘えやわがままなのか、それともデートDVなのか、わからなかったりしますよね。上記の通り、暴言、命令、制限、強要、脅し……を感じるのなら、デート DVと思っていいですよ。すっぱり別れるか、上手く別れられないのなら、周りにいる信頼できる人や、相談窓口などに相談しましょうね。
2018年06月28日精神的に被害を受けるモラハラと精神的DV。どちらも被害者の心を蝕ませる行為ですが、このふたつの細かな違いをご存知ですか?一見似ているふたつの精神的被害の違いや、モラハラ・精神的DVを行ってしまう人の特徴についてご紹介します。モラハラと精神的DVの違いとは?モラハラとはモラハラとは「モラル・ハラスメント」の略。その名のとおり「モラル(道徳)」を振りかざし、自分と世間一般の常識が正しく、相手が悪いといった考えかたから振るわれる精神的暴力がこれに当たります。世間一般の常識と比較しながら「こんなことも言われないとわからないのか」「だからおまえはダメなんだよ」といった発言をすることが多い傾向にあるようです。被害者が「悪いのは自分なんだ」「自分が間違っているんだ」という意識を刷り込まれ、被害者であることに気づきにくいのもモラハラの特徴です。精神的DVとは?DV(ドメスティック・バイオレンス)は、夫婦間や広義では近親者間の暴力全般のことを差しますが、そのなかでも精神的な被害を受けるものが精神的DVと呼ばれています。モラハラとの違いは、加害者が正しいと考えているのが単純に自分であること。 加害内容は言動だけに止まらず、夫婦の場合であれば「生活費を渡さない」「お金を勝手に使う」「家計管理を過度に束縛する」といった経済的なものも見られるようです。また、「交友関係を制限され、友人や実家家族に会いに行けない」「人前でバカにする」といった社会的なものも精神的DVのひとつです。モラハラからDVに発展するケースもモラハラの度合いが悪化し、DVに発展してしまうケースもあるようです。一般的なモラハラは外での態度には問題がないことが多く証明しづらいのも特徴ですが、暴力を振るわれた場合は、言い逃れのできない証拠になります。エスカレートしていく可能性も高いため、速やかに家を出る・警察に相談するといった対策をとりましょう。 どうしてモラハラ・精神的DVをしてしまうのかでは、なぜ加害者はモラハラ・精神的DVを行ってしまうのでしょうか。そうした行為を行ってしまう人の性格的な特徴と、それに至る原因を挙げてみます。モラハラ・精神的DVを行ってしまう人の特徴精神的DVは「自分が」、モラハラは「自分を含めた世間が」正しいとする思考によって行われます。原因となる性格には、極端なプライドの高さが挙げられるでしょう。男女を問わず、極端にプライドが高い人はささいなことで攻撃的になることが多いのではないでしょうか。また、異常に「自分だけが大好き」といった人や、自分の言動によって相手がどう感じるのかを想像できない、想像しようとしない人も多く見られるようです。モラハラ・精神的DVを行うに至る原因こうした性質・性格に至るには、生まれつきの気質以外にも原因があります。極端に過保護に育てられた結果、自己愛精神が肥大化してしまったケース。また、ネグレクトや虐待など、適切な愛情を親から受けられなかった場合も、極端な自己愛に陥ってしまう原因になる可能性が高いと言われています。本人には「自分が異常だ」という意識がないことがほとんどで、そのため改善は難しいとされています。周りの人間によって改善に向かう期待値が低く、適切な距離を取ったり、病院での治療を受けさせるといったことが必要になります。 まとめ離婚原因にもなりえるモラハラ・精神的DV。精神的被害は立証が難しいものではありますが、証拠を用意するなど手順を踏めば、慰謝料の請求も可能な被害です。精神的なダメージは回復までに長い時間を要するもの。今回ご紹介したような言動・行為がみられる場合は、「自分は被害者なんだ」という意識を持って対応を考えることをおすすめします。 参考:モラハラ夫・自己中夫の事例と見極め方心が傷つく言葉の暴力!モラハラと精神的dvの違いとは?dvとモラハラの違い
2018年06月22日セフレ、不倫、お金にだらしない彼氏やDV男との恋など、ダメ恋にハマりがちな人は必見!どうすればダメ恋を抜け出して、幸せな恋愛ができるんでしょうか?「私は私。彼は彼」というキッチリした線引きが、何より大事なんです。文・沙木貴咲報われない恋は、本当の恋じゃない!恋愛メンタルアドバイザーの沙木貴咲です。恋愛は楽しいもののはずなのに、不倫したり、DV男と付き合ったりすると、「もう恋なんてしたくない」と思っちゃいますよね。気づけばダメ恋をしているという女性は、どうすれば幸せな恋ができるんでしょうか?不幸な恋をしがちな女性は、こんな思考をしがちかもしれません。「こんなに想っているのに報われない……でも構わない」「私は大好きなのに粗末に扱われる……それも仕方ない」満たされない恋ならやめればいいんですが、不幸な恋をする人は、「それでも彼が好き」と我慢してしまうんです。これは、自己肯定感が低い証拠。自分の価値が正しく把握できず、必要以上に自身を見下してしまいます。もっと幸せになれる恋があっても、なかなか気づけないでしょう。自分がムリをしても、彼に見捨てられたくない。自分が我慢してでも、彼のご機嫌を取ってしまう。彼のお願いに「NO」が言えない。そうした傾向こそ、セフレ、不倫、DVといった不幸な恋の原因になるのです。「私は私。彼は彼」という線引きをしっかり!自己肯定感が低い人は、繊細な心を持ち、他人の気持ちを汲むのが上手です。本来それらは長所といえるんですが、恋愛においては「相手に気を遣いすぎて、ムリをしがち」という短所にすり替わってしまいます。そのため、不幸な恋にハマらないためには、まず「私は私。彼は彼」という線引きをしっかりすることが大事。恋人とはそもそも、保護者でもなければ、ご機嫌取りでもありません。お母さんみたいに彼氏の面倒を見る必要もなく、彼がご機嫌であるよう気を遣わなければいけないわけでもないんです。我慢をして、苦しい思いまでして彼を繋ぎ止めても、それは本当の愛じゃありません。自分の仕事が忙しかったり、体調が良くなかったりすれば、堂々と「NO」と言っていいんです。CASE1:ワガママな彼氏彼氏が終電間際に「会いに来て」と言ってきたけど、明日は朝イチで会議があって、いつもより早く出勤しなければいけない場合。「ごめんね。今夜はちょっと難しいけど、週末だったら会えるよ」と言って、自分の体力とスケジュールを優先してください。そこで彼が機嫌を損ねても、それは彼の問題。「私が彼を不機嫌にさせた」とは思わないように。あなたが自分の仕事を大事にして何がいけないでしょうか? 夜中に会いたい彼の気持ちに、あなたの予定がマッチングしなかっただけ。それ以上でもそれ以下でもありません。CASE2:お金がない彼氏「私がお金を貸さないと、彼は月末まで生活ができない」という場合、金欠はあくまで彼の都合。あなたはお母さんではないので、生活費を渡す必要はありません。恋人関係で生活費をやり取りするのは、依存とみなされてしまう行為。お金がなくて困っていても、「それは彼の都合。彼の責任」と思ってください。それで彼があなたに文句を言っても、悲しまないように。この状況で明らかになったのは、「彼は金銭的な依存があるタイプで、一緒にいても幸せになれない」という短所です。そこに目を向けて、彼に巻き込まれないよう自分を守るんです。CASE3:彼氏に依存してしまう彼氏に振り回されるだけでなく、自分が彼氏に依存して振り回すケースもあるかもしれません。つねに彼と連絡を取り合わないと不安だとしても、四六時中LINEをしたり、彼のツイッターやインスタを監視したりするのは、ちょっと……。重い彼女と思われてしまいます。彼氏とはいえ、赤の他人。彼女も入り込めないプライベートテリトリーはあるものです。また、「彼に気に入ってもらえるよう、彼の色に染まる(彼の中に自分の居場所を作る)」ではなく、「自分らしくすることで、彼を好きにさせる」と考えるようにしましょう。彼の中に自分の居場所を作ると、個性がなくなり、彼への依存が強くなります。でも、対等に良い関係を続けるには、あなたはあなたでいたほうが良いんです。長所を活かして!セフレや不倫、問題のある彼とのお付き合いにハマりがちな人は、愛情深くやさしいタイプ。『私は私。彼は彼』という線引きがしっかりできると、最高の恋愛ができます。我慢をしないでお互いを尊重できる関係が築ければ、大きな幸せになれる恋ができるはずです!©JNemchinova/Gettyimages©SrdjanPav/Gettyimages©Mixmike/Gettyimages©nd3000/Gettyimages
2018年06月03日精神科は行きにくい場所?出典 : 自分や家族が精神的なつらさを感じている、悩みや困りごとをずっと抱えているという方に精神科の受診をすすめると、「病院に行くほどではないから」と断られることがしばしばあります。精神科はもっと深刻な悩みや症状を抱えた人が行く場所ととらえている方や、子供が行く場所ではないのでは…と考えている方も多いのかもしれません。しかし、もしも何らかの病気や障害だった場合、早めに治療を始めれば症状が軽くなったり、対処法を知ることで生きやすくなったりします。自分や家族だけで悩んでいるだけだと、対応策が見つけられないことも多いものです。専門家の診察があってはじめて、状況を理解して良い方向へ進むことができるようになった人もたくさんいます。そこで今回は、どんな病気の人が精神科にかかっているのか、診察はどのように行うのかなどが理解できる本をご紹介します。これらの本を通して、精神科がどんなところかイメージできるようになると、受診しやすくなるかもしれません。「精神科ではどんな病気をみるの?」が分かる本出典 : 冊目にご紹介するのは、精神科医である斎藤環先生・山登敬之先生の共著である『世界一やさしい精神科の本』。「14歳の世渡り術」シリーズとして出版された単行本の文庫版になります。この本は、発達障害やひきこもり、摂食障害、うつ病、統合失調症といった精神科で診療を行うメジャーな病気や障害、症状について解説されたものです。もともと14歳の子どもたちを対象に書かれた本なので、難しい言葉が使われておらず、とても分かりやすい内容になっています。「発達障害って、そもそもどんな特性があるの?」「ADHDやアスペルガー症候群などと言われるけれど、どう違うの?」といった疑問の解決にも役立つ1冊となりそうです。「精神科医は何を考えながら診察をしているのか」が分かる本出典 : 精神科が対象としている病気や障害について理解ができたら、次に読んでみたいのが『精神科医はどのように話を聴くのか』という本です。精神科医である藤本修先生の著書で、「精神科医はどのようなことを考えながら診察をしているのか」について書かれています。精神科医というと、ただ話を聴いて薬を処方する、というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、その行為の裏にはさまざまな思慮が隠されています。同じ病気であっても、詳しく話を聴かないほうがいい場合もあれば、適切な治療をするためにしっかりと聞いたほうがいい場合もあります。また、病気によっては話を聴き過ぎると逆効果になってしまうこともあり、精神科医は場面ごとに見極めながら対応をしているのです。診察中の医師の考えがわかると、受診したときに何を話せばいいのか、医師がなぜそのような対応をするのかなどが理解しやすくなると思います。そうすると、精神科を受診することへのハードルが低くなるかもしれません。巻末には、藤本先生が提案する「聴き上手になるための10箇条」も掲載されています。子供が悩んでいるときにどう接したら良いのかなど、家族と会話をする上での参考書にもなる1冊です。「精神科って行きにくい…」と感じる人に読んで欲しい本出典 : 最後にご紹介するのは、『ラブという薬』。タレントや作家として活躍するいとうせいこうさんと、精神科医でありながらミュージシャンとしても活動している星野概念さんの対談を本にまとめたものです。帯に書かれている、「つらいことを無理に我慢するのではなく、つらいときはもっと気軽に精神科に行こうよ」というメッセージ。精神科ってすごく困っている状況じゃないと受診してはいけないのでは…と思われがちですが、そんなことはありません。実際にいとうさんは、仕事ができなくなるほど深刻な状態ではなかったけれど、診察を受けるようになって楽になったと本書の中で話しています。風邪をひいたら内科へ行くように、怪我をしたら外科へ行くように、心がつらいときは精神科を頼っていい。そのことが腑に落ちると、我慢しすぎていた「きつい現実」が、誰かを頼ってもいいんだという「少しゆるい現実」に変わっていきます。読み物としても非常に面白いので、精神科の本と難しく捉えずに、ぜひ気軽に読んでいただきたい1冊です。まとめ出典 : 「なんだかつらいけれど、これくらいのことで受診していいの?」「病院に行っても、大したことないって言われたらどうしよう…」そんなふうに悩んでいる方もおられるかもしれません。ですが、悩んでいるうちに問題がより深刻になってしまうことも少なくありません。精神科は、こわいところではありません。もし、受診しようかどうか悩んでいるのであれば、今回ご紹介したような本を少し読んでみてください。精神科を受診するためのハードルが、少し低く感じられるのではないかと思います。
2018年04月14日心療内科とは出典 : 心療内科とは、何かしらのストレスが招いた体の不調を診ることを専門とする診療科です。「内科」とついているところからも分かるように、頭痛やめまいなど体に表れた症状を主に診ます。精神疾患の中には、症状として頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良が現れるものがあります。しかしその不調の原因が精神的なものと分からないまま対処しても、なかなか症状が改善しないことがあります。そんなとき、症状の原因となる精神的なストレスに、カウンセリングなどを通してケアも同時に行うのが心療内科です。そのため、本来は精神科の領域のものでも程度が軽いものは心療内科でも診てもらえます。心と体の関係を考えながら、体の不調をケアしてくれるのが心療内科なのです。精神科・内科と心療内科の違い出典 : 心療内科は1996年に政令で表示を許された、比較的新しい名称の診療科です。名前のイメージから、精神科や内科と混同する人も多いようです。それぞれの科によって、診療できる疾患や得意とする診断領域、治療のアプローチが異なることもあります。心療内科ともっとも混同しやすいのは精神科ではないでしょうか。心療内科は大きなくくりで言うと内科です。体に表れた症状を治す診療科ですが、原因がストレスにあるため、カウンセリングなどで精神的なケアも行います。体と心の両方にアプローチして治療をするのが心療内科なのです。一方、精神科は不安や落ち込み、イライラなど心に現れた症状に向き合います。対象となる病気は躁うつ病、アルコール依存症、統合失調症などです。とはいえ厳密にはっきりと線引きされているわけではなく、両方の看板を掲げる病院も少なくありません。うつ病など、本来は精神科の範囲にある病気でも症状や程度によっては心療内科で診ることもあり、心療内科で相談したら精神科を紹介されたというケースもあります。心療内科も内科も、体の不調を治療するという点では同じです。違うのは、心療内科は体だけでなく心も含めて治療をするということです。内科はさまざまな症状に対応してくれるイメージもあるため、原因のよく分からない不調はとりあえず内科へ行く人も多いでしょう。そのため内科の検査では異常が見つからず、心療内科を紹介されたというケースもあります。心療内科や精神科ではなく、「メンタルクリニック」「メンタルヘルス科」という看板を掲げる病院も多くあります。これらは病院によって診療内容のとらえ方が違います。「精神科」という名前に抵抗のある人が多いと考え、精神科でありながらあえて名前を変えているケースもあります。また心療内科と精神科の両方の診療をするため、メンタル全般を診るという意味合いで看板を掲げるケースもあります。【参考】みんなのメンタルヘルス|厚生労働省心療内科の専門領域は、ストレスが招く体の不調出典 : ストレスが招く体の不調には以下のようなものがあります。・頭痛・倦怠感・めまい・不眠・過呼吸・食欲減退、過食・吐き気・腹痛、胃痛・動悸・発汗・抜毛頭痛や吐き気など、身近な症状が多く並びます。このような不調の背景には、以下のような疾患が隠れている可能性があるのです。心療内科の対象となる病気や障害など出典 : 心療内科の対象になる病気をいくつか挙げました。症状の程度や原因によっては精神科など、他の診療科を勧められる可能性もあります。何らかの理由で学校や会社にいけない、あるいは行きたくても行けないのが不登校・出社拒否です。登校や出社をしたい気持ちはあるのに、体がそれを拒否して腹痛や頭痛といった症状が表れるというケースもあります。休んで家にいれば症状が落ち着くこともあり、休むための嘘だと思われてしまうこともあります。ですが、子どもの不登校や配偶者の出社拒否から、本人だけでなく周りの人までストレスで体調を崩してしまうことも少なくありません。そのため、早めのケアが重要となります。主な症状は吐き気や腹痛、倦怠感、動悸などです。うつ病の中でも、心の不調が体の不調に隠れてしまっているものが「仮面うつ病」と呼ばれています。うつ病によくある気分の落ち込んだ状態が見られず、頭痛やめまい、不眠といった症状が目立つため、内科で診断を受けても異常は見つからず、単に調子が悪いだけだと思い込んでしまうことも多くあります。腹痛や下痢、便秘といった腸の不調が見られる病気です。日常生活への支障は痛みによる不快感だけではありません。急におなかが痛くなってトイレへ駆け込む、出勤前にトイレから出られなくなる日が多いなど、学校や仕事に影響が出ることもあります。症状を訴える人は男性と比べると女性が約1.6倍多く、年齢では30代までの比較的若い人に多く見られます。【参考】機能性消化管疾患心療ガイドライン2014|日本消化器病学会自律神経とは、体のバランスを整える神経です。その自律神経のバランスが崩れているというのが自律神経失調症ですが、自律神経の働きは検査ではなかなか正確に測れません。そのため、何となく体調が悪いのに検査では異常の見つからない状態が長く続いているものを自律神経失調症と呼んでいます。症状は倦怠感、不眠、めまい、頭痛、動悸、食欲不振などさまざまです。寝込んで起き上がれないほどの症状になることは少なく、多くの人は「なんだか調子が悪い」という状態がずっと続きます。片頭痛は名前の通り頭の片側に起こる頭痛ですが、両側に起こることもあります。ストレスなどにより頭部の血管が収縮、その反動で血管が広がったときにズキンズキンという痛みが起こります。主な症状は頭痛ですが、ひどくなると吐き気をともなうこともあります。頭や体を動かすと痛みが増すこともあるので、光や音の刺激を避けて安静にすると症状が緩和されます。発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。広汎性発達障害、学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、症状や特徴でいくつかの種類に分類されます。不登校やうつ(気分が落ち込んでいる)状態をきっかけに心療内科へ行ったところ、発達障害が判明したというケースもあります。発達障害の場合、環境とのミスマッチや人間関係がストレスとなったりすることも多く、発達障害の二次的な障害として、睡眠障害やうつ、不安障害などが併存するケースもあります。甲状腺の機能異常により起こるのがバセドウ病で、動悸や疲労感、発汗が主な症状です。脈拍も早くなり精神的にも落ち着かないため、「体が常に全力疾走をしている」と形容されることもあります。まぶたの筋肉が緊張することで常に目を見開いているように見えたり、眼球の周りの筋肉が肥大して眼球が突出することもありますが、バセドウ病が必ずしも眼球への変化をきたすとは限りません。突然息苦しさを感じ、呼吸が乱れ、息が入ってこないように感じるのが過換気症候群の特徴です。動悸や胸の圧迫感のほか、手足のしびれや筋肉のけいれんを感じることもあります。発症した場合、呼吸を遅くしたり止めたりすると症状は改善しますが、本人が呼吸をコントロールするのは難しいものです。紙袋などを口に当てて呼吸をするという対処法もありますが、医師の指示を仰ぐのが良いでしょう。【参考】過換気症候群|日本呼吸器学会突然息苦しさや動悸、冷や汗、恐怖感などを感じてパニック状態になり、そのせいで社会生活に支障の出ている状態をパニック障害と言います。電車やエレベーターなど閉鎖された空間では「逃げられない」と感じるため、外出ができず、学校や会社へ行くことができなくなることもあります。状況によってはだれもがパニック状態に陥る可能性はありますが、自宅でテレビを見ているときに突然、寝ているときに突然など、予期しないところで発作が起きるのが特徴です。食事をうけつけなくなる「拒食症」と、無謀な食べ方を繰り返す「過食症」。この両方を合わせて摂食障害と呼びます。食べては吐く、を繰り返すこともあり、その場合は体内のカリウムが下がって不整脈を起こすこともあります。拒食により栄養状態が悪くなり、月経が止まることもあります。拒食と過食、行動は正反対ですが根っこは同じです。拒食から過食へ、過食から拒食へと症状が変化することも少なくありません。「やせたい」という思いから治療を拒むケースもあるため、まずは治療の必要性を理解するところから始まります。生活習慣病と言われる糖尿病ですが、ストレスがホルモンバランスに影響して血糖値を上げることもあります。倦怠感やのどの渇きなどが症状として挙げられます。治療は一般の糖尿病と変わりませんが、運動や食事などの生活コントロールがうまくいかずにストレスをためることにならないよう、注意が必要です。40代以降に見られる、様々な体調不良や情緒面での不安定な状態を更年期障害と呼びます。ホルモンの影響を受けやすい女性に多いのですが、男性にも症状が表れます。症状は自律神経失調症に似ていて、動悸やめまい、疲労感、イライラ、不眠など様々です。ちょうど子どもが就職や結婚で親元を離れる時期と重なることも多く、環境の変化に心がついていけずにうつ状態となることもあります。皮膚に病気や傷がないのに円形に毛が抜けてしまうのが円形脱毛症です。痛みはなく、社会生活に直接の支障はありません。自覚症状がないのが特徴で、美容院で髪を切ってもらうときに指摘され気が付くということもあります。しかし容姿が変わることでショックを受けて、他人の視線が怖くなり外出を拒むなど、間接的に影響が出ることはあります。皮膚に症状が現れるため皮膚科を受診するのが一般的ではありますが、背景にはストレスがかかわっている場合もあります。その点から考えると心療内科で治療を受ける選択肢もあります。心療内科における治療の流れ出典 : 心療内科ではカウンセリングを含めた診察、検査を経てそれぞれの症状に合わせた治療を行います。まずは医師に現状を伝えます。病歴や症状、薬を飲んでいるかなどはもちろん、原因になりそうなストレスや家族との関係、生育歴などを話します。もし同じ病状で他の病院にかかっていた場合はそれも話しておくと良いでしょう。うまくまとめて話せないことも多いため、受診前に簡単に話す内容をまとめてメモしておくとスムーズです。話しているうちに人間関係や仕事の相談をしたくなる気持ちも出てくるかもしれません。ですが、心療内科の医師は体の不調の原因を探るために話を聞いています。悩みを聞いて答えを探してほしいという場合は、カウンセリングルームを利用するという方法もあります。じっくりと話を聞いてもらえますが、保険が適用されないため、1時間で1万円くらいの費用がかかることもあります。問診の後は体の不調の原因や程度を探るため、必要に応じて血液検査、心電図、MRIなどが行われます。心理状態や性格を知るために、心理検査(心理テスト)をすることもあります。簡単な質問に答える検査のほか、カードに描かれた模様を見て何に見えるかを答えるロールシャッハテストなど、あいまいな質問で深層心理を見る検査が行われることもあります。心療内科の対象となる病気は、原因にストレスなどがあると考えられます。そのため、生活習慣や考え方を変えることにより、症状が改善することもあります。内科的な治療としては薬物療法があります。病気やその症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、自律神経調整薬といった薬が使われます。最終的には薬物を使わなくても安定して社会生活を送れるように、徐々に薬を減らしていきます。ほかには患者の無意識を探りストレスの原因をあぶり出す精神分析療法、行動を変えて不安を減らす行動療法、認知のゆがみ(思い込み)を正して心を軽くする認知療法といった心理療法が用いられることもあります。診療にはどのくらい費用がかかる?出典 : 心療内科へ行こうと思ったとき、気になるのは費用ではないでしょうか。内科と違って問診(カウンセリング)の分の時間もかかるので、高額なイメージはあるかもしれません。しかしカウンセリングルームとは違って保険が適用されますし、カウンセリングと言っても何十分も時間をとれるわけではないため、驚くような額にはなりません。保険適用で3割負担のため、初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度です。症状によっては薬や検査代が別途かかることもあります。臨床心理士によるカウンセリングを行っている場合など、別途予約料が必要なところもあります。予約の要不要を含めて、行く前に病院のシステムを調べておくと安心です。心療内科では、子どもが不登校の場合など、本人以外だけで話を聞きたいという要望にも応えてくれます。ただし本人不在の場合は自費診療となるため、費用も高額になってしまいます。パニック障害など、心療内科の対象となる病気には、自己負担が1割となる「自立支援医療制度」が適用されるものもあります。利用には医師の診断書と市町村での申請が必要で、市町村や都市に指定された「指定自立支援医療機関」でなければ適用されません。治療に時間と費用がかかる場合は、制度の適用について医師に相談してみると良いでしょう。【参考】自立支援医療制度|厚生労働省まとめ出典 : 心療内科は、ストレスが原因と考えられる多様な症状に対応してくれます。費用もほかの診療科とそれほど変わらず、特に高額ではありません。症状の中には自覚しづらいものも多くあるので、気になる症状があれば、一人で抱え込まずに一度心療内科へ行ってみるのも良いでしょう。ストレスの内容や症状について話すことで、客観的に自分を見つめることもできます。あわせて普段からストレスをためないような生活を送ることも重要です。ストレスは多くの病気の引き金になります。学校や仕事、人間関係など、ストレスと無縁に生きることはできませんが、できる限りため込まず上手に発散できると良いですね。
2018年04月05日リアーナ&元彼クリス・ブラウンのDV事件をジョークにした広告を掲載してリアーナから痛烈批判を受けた「スナップチャット」が痛い目を見ることになった。同アプリを運営している会社「SNAP」の株価が下落し、約840億円(800万ドル)の損失を出したという。「CNN」などが伝えた。2009年、リアーナは当時交際していたクリスに暴力を振るわれ裁判沙汰に。先週、ゲームアプリ「Would You Rather?」(どっちを選ぶ?)はこの事件をネタとして「リアーナをひっぱたたく」、「クリス・ブラウンをパンチする」という二択の選択肢を表示した広告を作成し、それを平然と「スナップチャット」が掲載していたことからリアーナは激怒、「スナップチャットを削除して!」とファンに呼び掛けていた。世界の歌姫の1人であるリアーナの影響力は大きく、株価は下落。同社は今月のみならず、先月もカイリー・ジェンナーのツイートで大きな痛手を受けた。2,500万人のフォロワーを持つカイリーが、「もうスナップチャットを使ってないのって、私だけかな?悲しいことよね」とツイートしたのだ。カイリーのこの一言で「SNAP」の株価は暴落し、損失額は約1,380億円(13億ドル)に上ったと言われている。当時「スナップチャット」は新デザインを取り入れ、120万人以上のユーザーが「使いにくい」として反対署名を行っていた。(Hiromi Kaku)
2018年03月19日ライター&コラムニストharakoが、実際に既婚女性100人にインタビューをし、結婚までのプロセスや心境の変化をお伝えする連載です。第8回目は、DVが治らず別居まで余儀なくされた、Sさんのお話です。“男性を信じること” が怖くなった、私……。【実録♡ 結婚プロセス100人インタビュー 】vol. 8実は、私バツイチなんです。今は、優しくて大切に守ってくれる新しい旦那がいるので毎日幸せですが、20代は大変な毎日でした。初めての結婚は、大学時代の先輩で、在学中に2年交際していて、卒業後にすぐ入籍しました。彼は、すごくおっとりしている性格で、学校も同じだったし、周りの同級生も知っているし。相手の両親もすごく結婚に対して歓迎してくれていたので、特に将来に不安を感じることもなく、結婚を決めました。しかし、旦那が海外出張を終えてしばらくしたある日、彼が突然仕事をやめてきてしまったんです。相談もなく。とにかく「もう、疲れたから」の一点張りで、何があったのかも詳しく教えてくれませんでした。まじめで堅実な旦那だし、ちゃんと将来のことは考えているはず。おそらく慣れない海外での仕事でストレスを感じたんだろうと思った私は、旦那を追い詰めることなく、次の仕事が見つかるまでは、なんとか家庭を支えようと仕事をたくさん増やしました。徐々に増えていく、旦那の暴力私は、20代の頃からもモデル業をしていたこともあり、短時間でサクッと稼げる、イベントガールやコンパニオンの仕事をしていました。正直、短いスカートを履いてティッシュやアメニティを配る仕事は好きじゃありませんでした。でも、とりあえず旦那が仕事見つかるまでは! と、焦って応募してなんとか食い繋いでいたんです。そんな頃、旦那がお酒を飲むと、部屋のドアや家具に八つ当たりするようになって。挙げ句の果てに、私にも手をあげるようになっていきました。お風呂上がりにドアを開けたままドライヤーをしていると、「うるせーんだよ!」と足蹴りしてきたことも。あんなに優しくてまじめだった彼が、なぜ……? それでも私は、「いや、何かの間違い」「きっと今は仕事が決まらずにストレスなんだ」と自分に言い聞かせていました。その気持ちとは裏腹に、暴力がエスカレートし、ついに殴られ、私の顔にアザができてしまったんです。嘘ばっかりの “大丈夫” に、不信が募る10年近く、そんな生活に耐えていましたが、本当に信じられなくなって、初めて彼の両親に暴力について相談したところ、一度別居することになりました。そして、1年後「もう一度やり直そう!」とリスタートした矢先。たった2週間で、また元の暴力旦那に戻ってしまったんです。「大丈夫、なおすから」「次こそ、大丈夫」そんな、嘘ばっかりの “大丈夫” ばかり並べられて、男性不信になり離婚を決意。夫婦って距離が近いように見えても、相手のことを全然わかっていなかった気がして、なんだか自分の結婚生活が空白に感じた時でもありました。そんな時に、音楽で知り合った男友だちがいました。特に恋愛感情はなかったけれど、一緒にご飯にいきながら好きな音楽ネタで盛り上がるのが楽しくて、よく2人で会うようになったんです。イケイケ男子に、軽い告白を受けたその彼から「結婚ってどう?」と聞かれても、苦笑いで「本人次第だと思うよ〜」なんて上っ面で返事をしていましたね。前の旦那の暴力についてや、離婚理由は特に話していませんでしたが、結婚していたことは知っているので、たまにそんな話題もちらほら。正直、その男友だちはいわゆるイケイケな感じで(笑)。共通の人からは「アイツは遊んでるよ」「近づくのはやめときな〜」なんて、忠告を受けることもありました。そんなある日、男友だちから「ねえ、Sちゃんのことが好きかもしれない」と告白されました。でも、前の旦那に裏切られ続けたこともあり、申し訳ないけど信用できなかったんです。その “好きかもしれない” という言葉が嘘っぽく聞こえて……。どうせみんなに言ってるんでしょ? 噂も聞いてるよ。と心の中では、男性不信が膨れ上がるばかり。楽しくワイワイしているだけが心地よかったし、深い関係にはなりたくなかったので、連絡の頻度を落としながら少しずつ距離を置いていきました。ポロポロ泣きながら、「やっぱり好き」それから1年以上、連絡を控えていたんですが、どうしても連絡をしなければいけない用事があって。「元気にしてる〜?」なんてメッセージから、また連絡を取り始めるようになり再会したんです。彼は、久しぶりに会ったにも関わらず「俺、まだSちゃんが好きなんだよ」「ただ一緒にいて欲しいんだ」と、前と変わらぬ想いをポロポロ男泣きしながら、伝え続けてくれたんです。だんだん、今度は幸せになれるのかな?って期待するようになって。次こそは、温かい家庭を作りたいって……。そんな願いを込めて、交際期間は少ないものの、35歳で再婚を決意。子どもが欲しかったこともあり、妊娠するのに時間がかかることも想定して、入籍と同時に妊活もスタートさせました。その結果、ありがたいことにすぐに妊娠することができました。今は、お腹も大きくなって、生まれてくる子どもが楽しみで待ち遠しい毎日です。次こそ、笑顔あふれる家庭を作っていきたいと思います♡ 前向きに! 一度きりの人生ですから。お話を聞いて……。まじめで温厚な元旦那さんの暴力は、結婚してから2年目くらいから、少しずつ現れるようになったとか。交際中は気づかないことも、結婚して「旦那」になったら変化することもあるんですね。「近い存在だと思っていたけど、本当は相手のことを知らなかった」と、心の内を話してくださいました。現状を飲み込むのに、約10年の月日が流れています。“信じたい気持ち” を手放して、新しい人生を歩まれたSさん、本当に幸せになってくださいね! 赤ちゃんが楽しみです♡(C)martin-dm/Gettyimages(C)yacobchuk/Gettyimages(C)SIphotography/Gettyimages(C)gpointstudio/Gettyimages
2018年03月17日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、発表された。フリーハンド、自由な精神、アートフルなどがキーワードとして挙がった今季は、固定概念から逸脱したような開放的な姿勢が印象的だ。ブランドが得意とする美しいジャカード。サテン、ポンジーなどクラシックなファブリックがテクニカルな糸によって再構築される。肌触りのよいカシミヤの中にはナイロン糸を、ラムウールの中にはキラキラと輝くルレックスを。現代技術を駆使した糸が交わることによって、テキスタイルそのものから新しい可能性を見出している。フォーマルな印象のテーラードやトレンチコート、知的な女性を映し出すロングドレス。これらはシルエットとデコレーションによって遊びを加えた。肩の位置から大きくドロップさせてアームを太くとったり、アームそのものにギャザーを入れて膨らませたり。毛足の長いフェザーをランダムに、そしてアシンメトリーに配して動きをつけたりしている。新鮮に映るのは、テーラードの中にメンズのスポーツウェアの要素が溶け込んでいること。パーカ、ウィンドブレーカー、スキューバウェアの一部などが仕立て服の中に溶け込み、優雅に交わっていく。コレクション全体にリズムをもたらしたプリントシリーズ。描かれた様々なモチーフは、すべてドリスのアトリエで手書きされたものだ。ペンやインク、ボールペンなどでなぐり書きのように描かれたペインティングは、アクセントになると同時に、ハンドクラフトのような温もりももたらしている。
2018年03月11日精神科医って親しみやすさがない、そんなイメージを持っている人は少なくないだろう。今回取材をさせていただいたのは精神科医の星野 概念(ほしのがいねん)先生。精神科医でありながらミュージシャン、執筆活動などマルチに活躍する先生に、「こころ」への接し方をきく。それは同時にユニークな視点を交えたすべての人への生き方のアドバイスでもある。たとえ心の不調を感じても「自分は行くほどではない」「必要がない」そんな風に考えている人は少なくないだろう。また、カウンセリングを受けることに対して「どんなことを聞かれるのだろう」という不安や、「周囲の人間に病気の人という見方をされたくない」という気持ちから抵抗感を抱いている人もいるかもしれない。しかし、実際は様々な人がそれぞれの目的で利用しているということが分かる。「よく分かんないけど最近落ち込んでる」「イケてない」みたいなことをそのまま言ってもらうだけでも構わないんです。じゃあそのよく分かんないっていうのはなんなんですかね、今までの話聞かせてください、って聞いていきます。自分だけでその原因を考えててもわかんないんですよね。それに話すだけ、アウトプットするだけでも違うから僕は気軽に話せる場があればいいなって思う。カウンセリングルームだけじゃなくてたとえば近所のお寺とかでもいいと思う。昔だったら長屋みたいなところに頼れるおじさんがいて…とかあったかもしれないけど、今はそういう機会があまりないじゃないですか。だからカウンセリングは相談の場所として適しているのかなって。うまく話す必要はない。分からないことをそのまま言うだけでいい。そこから患者の心理を紐解いていくのが精神科医や心理学者といったプロなのだ。心に溜まったモヤモヤを自分のなかにしまっておくのは限界があるだろう。だからアウトプットするだけでも気持ちがスッキリしたり、言葉に出してみることでそのモヤモヤが整理されたりする。しかしだからといって星野先生は必ずしもカウンセリングに行くことを勧めているわけではない。自分のことを気軽に安心して話せる相手や場所があるならそれでいい、そういう人や場所を見つけておくことが大事だという。自分や周囲の人が心の不調に陥ったとき、どうすればよいかどう接すればよいのかが分かってきた。では一体、人の心理を紐解くプロは自身がそのような状況に陥った時どう対処するのだろうか。この質問に対して返ってきた答えは「自分を知ること」。自分のことを知っていればもし落ち込んだときでも、落ち込みが浅い段階でわかるし、自分が不調だって分かります。自分がイライラしたときにどういう表現や仕草、言葉遣いをするのか知っておくことが大事なんですよ。準備しておけば、ちょっと落ち込んだ時にすぐ対処ができるから、つまり対処の仕方が分かるような「自分の取扱説明書」を持っておくことが大事というか。例えばこういうお酒を飲むと幸せな気分になれるとか、人によっては場所かもしれないし、本や映画かもしれない。これをしたら気分がよかったっていう経験を調子がいいときに書き留めておくんです。それで不調になったときにそれ見返すと、「あ、あのときこれやったらよかったんだ自分」ってなると思います。自分は何をしている時が一番幸せなのか、どういうときにイライラしてしまうのか。考えて瞬時に答えられる人は意外と少ないだろう。自分のことなのだからよく知っていると思い込んでいても、実際は思うほど自分のことを知らないのかもしれない。自分を知ることとは一見シンプルに見えるが、難しく時間のかかる作業だ。そして他人の言動に気を取られすぎて、その瞬間に自分がどう感じているかをあまり意識していないということもあるかもしれない。他人に対しては敏感なのに自分に対しては鈍感になっていないだろうか。心の不調に陥りにくくなるために、私たちは普段からもっと自分に気づいてあげる必要がある。精神科医とミュージシャンの両立からみえてきたことマルチに活動する星野先生ならではの考え方と言えるかもしれない。自分の持っている素材でしか表現できないけれど、一つの職業に絞らずにやってきたことでいろいろな組み合わせが増えたのだ。だからこその独自の視点がある。もちろん何かの分野の権威になろうとするならば、一つのことに絞るべきかもしれない。しかし職業を絞らずにやりたいと思うことに全力を注げば、その人らしさを表し、ユニークなものへと変わっていく。楽しく上手に生きるために、引き出しのなかに自分の取扱説明書と相談できる場所を持っておくことが大事だ。引き出しにたくさんのものがあればいろいろな組み合わせを考えられる。人生にマニュアルはない。だから自分についてよく知っておく必要がある。自分で自分の感情や行動に意識を向け、新しい自分を発見したら、それを自分の引出しにしまって自由に取り出したり組み合わせたりできるようにしよう。それはきっと人生をより豊かなものにしてくれるはずだ。もし自分に悩み、どうしたらいいのかわからない時は、相談できる場所に行こう。***星野 概念
2017年11月13日厚労省が「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成を決定出典 : 精神障害や発達障害のある人が働きやすい職場作りを促すべく、厚生労働省は今秋から「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成講座の開催を決定しました。企業の経営者や管理職、人事部といった人材に限らず、広く一般従業員を対象にした講座です。実際に職場の同僚となる人たちに、精神・発達障害に関する知識や必要な配慮について学んでもらうことで、より身近で具体的な支援体制を作ることを目的としています。「今年度内に2万人の受講およびサポーターの養成を目指す」(厚生労働省)とのことです。毎年、厚生労働省が発表している「障害者雇用状況の集計結果」によると、精神・発達障害者の雇用は2006年から年々増加しています。そのような中、厚生労働省は精神障害者の雇用義務化に伴ない、今年5月に民間企業に義務付けている障害者の法定雇用率の段階的な引き上げを決めました。今まで以上に精神・発達障害者の雇用機会が増え、その人数も増えることが予想されています。一方で、厚生労働省が行った2013年の障害者雇用実態調査によれば、精神障害者の平均勤務年数は約4年。身体障害者のそれが約10年であることと比べても、職場の定着率は高いとは言えません。主な理由は「職場の人間関係」にあると考えられています。例えば、同調査では、精神障害があり、転職を経験した人のうち、半数以上は転職の理由を「個人的理由」だと回答しています。さらに具体的な理由を複数回答で選択してもらうと、「職場の雰囲気や人間関係」と答えた人が33.8%と最も多い結果となりました。こうした状況を受け、「職場の同僚がその人の障害特性について理解し、共に働く上での配慮をしていくことが重要であろうと考え、人事担当者や障害者雇用担当者を中心に行っていた従来のセミナーに加えて、一般の従業員の方を主な対象に、精神障害、発達障害に関して正しく理解いただき、職場における応援者=精神・発達障害者しごとサポーターになっていただこうと考えました」(厚生労働省障害者雇用対策課)とのことです。厚生労働省は約4,300万円の予算を拠出し、今秋から随時、講座を開催していく予定です。誰が講座を受けられるのかこの講座は、企業の雇用者であれば、誰でも受講可能です。受講時間は2時間程度で、特に企業は受講や受講人数を義務付けられてはいません。有志による受講となっています。修了者には「精神・発達障害者しごとサポーター」として、パソコンにはることができるステッカー(写真)や首からかけるストラップなどの「精神・発達障害者しごとサポーターグッズ」の進呈が予定されています。Upload By 発達ナビニュース精神・発達障害者しごとサポーター養成講座では、具体的に「精神疾患(発達障害を含む)の種類」、「精神・発達障害の特性」、「共に働く上でのポイント(コミュニケーション方法)」を学びます。これらの内容について75分程度の講義で学んだ後、15分から45分程度の質疑応答を行う構成となっています。養成講座の講師は普段から、精神・発達障害のある方の就労支援をしているハローワークの職員が担当します。精神・発達障害者サポーターの役割は?出典 : ここで、改めて理解しておかねばならないのは、「精神・発達障害者しごとサポーター」は特別に何かの義務や責任を負う資格ではないということです。サポーターになったら、「○○をしなければならない」といったことは決まっていません。また、しごとサポーターは障害のある特定の同僚を一人で支援しなければならないといったものでもありません。確かに、精神・発達障害者しごとサポーターがいることで、職場で精神障害のある人や発達障害のある人が働く上で、周囲から正しい理解や配慮が受けられるようになり、より働きやすい職場に変わっていくことが期待されます。しかし、障害の有無にかかわらず、共に働くことができるような職場の実現のためには、精神・発達障害者しごとサポーターに特別な役割を求めるのではなく、講座を受けていない方も一緒に職場の雰囲気作りにかかわっていくことが大切です。精神・発達障害者サポーターに関する問い合わせ先企業に勤めている方であれば、勤務先や身近身近に精神・発達障害者で働いている方がいなくても、誰でも講座に参加できます。「ぜひ参加したい」と思われた方はお住まいの地域の都道府県労働局にお問い合わせください。講座は、厚生省があらかじめ指定した会場で行われるものだけでなく、講師が事業所を訪れて行う「出前講座」も用意されています。出前講座に関しても、問い合わせ先は地域の都道府県労働局となっています。養成講座では、精神・発達障害について学ぶだけでなく、精神・発達障害者を雇用する上での実際の困りごとについて質問したり、ハローワークの精神保健福祉士や臨床心理士などの専門家に相談するきっかけを作ったりできます。以下のサイトで、養成講座に関する各地域の問い合わせ先を確認できます。より詳しい情報や、なにかわからないことがあれば、気軽に問い合わせてみましょう。障害者雇用対策施策紹介事業主の方へ|厚生労働省しごとサポーター養成講座リーフレット
2017年09月25日精神障害とは出典 : 日本語の「精神障害」という言葉には統一された定義がなく、診断基準や法律などの文脈によりそれぞれ意味が異なりますが、大きく分けて医療的意味(disorder)と福祉的意味(disability)の2つに分類できます。disorderもdisabilityも日本語では「障害」と訳されていますが、医療的意味の精神「障害(disorder)」と診断されたからといって、必ずしも福祉的な意味の精神「障害(disability)」があるとは限りません。例えば、軽い症状があり医療の介入が必要でも、服薬などにより障害がない人と同じように働くことができている場合、医療的意味の精神障害(disorder)であっても福祉的なサービスを必要とする精神障害(disability)があるわけではないといえます。また、福祉の対象としての障害disabilityは、環境を変えることにより軽減することもできます。以下それぞれの意味を説明します。医療的な側面からみた「精神障害(disorder)」の意味は、 狭義には、ある特定の生体機能の乱れや個人的苦痛があるが、その病態がはっきりと特定されていないものをいいます。ここで言う精神障害とは精神の不調一般を指すものと考えると分かりやすいかもしれません。参考文献:大野裕/著『精神医療・診断の手引き―DSM-IIIはなぜ作られ、DSM-5はなぜ批判されたか』2014年 金剛出版/刊福祉的な側面から見た精神障害は、精神の不調により継続的に 日常生活または社会生活に相当な制限を受ける方のことを指します。精神の不調そのものへのアプローチは医学的なものになりますが、精神の不調と密接に関係する日常生活や社会生活での困難は行政などによる福祉的なアプローチが必要になります。福祉的な意味で「障害」を捉えると、その障害(disability)から生じる困りごとは、周囲の環境が整っていないために起っている、ともいえるのです。参考文献: 野中猛/著 『心の病 回復への道 (岩波新書) 』 2012年 岩波書店/刊参考文献: 精神保健福祉研究会/監 『精神保健福祉法詳解3訂』 2007年 中央法規出版/刊行政における精神障害者と支援出典 : 行政における精神障害者の意味は、大きく分けて2つに分けられます。1.医療の介入を必要とする、いわゆる精神疾患がある者(医療的意味)2.精神疾患の影響で日常生活面で問題を抱える状態である者(福祉的意味)これらの精神障害者に医療面と福祉面それぞれからの支援を行うため、下記のような法律や制度が定められています。参考文献: 精神保健福祉研究会/監 『精神保健福祉法詳解3訂』 2007年 中央法規出版/刊◇精神保健福祉法(正式名称: 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」)精神保健福祉法は、精神障害がある人の医療と保護や、社会復帰、自立の促進のための援助などにより、精神障害者のための福祉の整備や精神保健の向上を目的とした法律です。精神障害者保健福祉手帳制度や、措置入院、医療保護入院などの入院形態の規定、精神保健福祉センターの設置などが定められています。リンク:精神保健福祉法について|厚生労働省HP◇障害者基本法障害者基本法は、障害がある人の法律や制度についての基本的な考え方を示した法律です。障害があろうとなかろうと、全ての人が互いに尊重し合い共生する社会の実現のために、障害のある人の自立と社会参加を支援する法律や制度に関する基本的な計画(障害者基本計画)を立てることや差別の禁止、療育や職業、雇用、住宅における支援制度を整えることなどが定められています。また、障害者基本法第4条の「差別の禁止」をより具体的に規定した法律に、障害者差別解消法というものがあります。この法律では、障害があるという理由で障害者への商品やサービスの提供を拒否することを「不当な差別的扱い」とし、障害者から配慮を求める意思表明があった場合は過度な負担になりすぎない程度な個別の調整ー「合理的配慮」を行うことが義務付けられています。詳しくは以下の記事をご参照ください。◇障害者総合支援法(正式名称: 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)障害者総合支援法は、障害がある人が基本的人権を享受する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を送ることを目的とし、障害福祉サービスの充実や地域生活支援事業、その他の必要な支援を行うことが規定されている法律です。全国の障害福祉サービス事業所の一覧です。是非ご活用ください。リンク:障害福祉サービス事業所情報|WAM NET HP参考:「障害者総合支援法」制定までの経緯と概要について|WAM NET HP精神障害にはどんな種類があるの?出典 : 精神障害にどんな障害が含まれるのかは診断基準や使用される文脈や制度によっても異なります。ここでは、国で採用している国際的な疾病分類『ICD-10』のなかで、いわゆる心の不調について記されている第五章「精神及び行動の障害」の分類を紹介します。障害者手帳や自立支援医療(精神通院医療)の申請の際に必要な診断書にICDの診断コードの記載が必要となるなど、現在の日本の行政における精神障害の概念として用いられることが多い分類です。ICDでは、身体疾患から精神障害にわたって網羅的な分類を設定し、「ICDコード」と呼ばれるコードを付与しています。以下の表は2003年改訂版ICD-10における「ICDコード」と中間分類項目の名称の対応リストです。F00-F09症状性を含む器質性精神障害F10-F19精神作用物質使用による精神及び行動の障害F20-F29統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害F30-F39気分[感情]障害F40-F48神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害F50-F59生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群F60-F69成人の人格及び行動の障害F70-F79知的障害〈精神遅滞〉F80-F89心理的発達の障害F90-F98小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(引用:第Ⅴ章 精神及び行動の障害(F00-F99) |厚生労働省HP)以上の中間分類の概略などや、下位分類については以下のリンクで確認できます。参考:ICD-10(2013年版)準拠内容例示表|厚生労働省HP参考ページ:第5章 精神及び行動の障害 (F00-F99)|医療情報システム開発センターHP精神障害と知的障害・発達障害との関係は?出典 : 知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を意味します。発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達が見られない、または年齢相応のスキルが獲得できないことで日常生活に様々な困難が生じ、それらが持続する状態を意味します。ICDやDSMなどの国際的な診断基準においては、知的障害も発達障害も、精神障害(mental disorder)の枠組みに入っています。精神障害は精神の不調一般を指す広い概念であるのに対し、知的障害と発達障害は範囲が限定されているのです。一方、行政や福祉などの場面においては、法律や支援サービスごとに対象となる範囲が異なります。例えば、上述の精神保健福祉法での「精神障害」には知的障害が入っていますが、この法律の手帳制度である精神障害者保健福祉手帳の対象者には知的障害は入りません。行政、福祉面ではそれぞれの法律やサービスごとに、自分が対象であるかどうか見極める必要があります。精神障害者保健福祉手帳出典 : 精神障害者保健福祉手帳とは、所持している人が一定程度の精神障害がある状態であることを認定するものです。精神障害のある方が自立し、社会参加を積極的に行えるよう、様々な制度やサービスの利用をしやすくすることを目的にしています。取得することで様々なサービスや割引・給付が受けられるようになるほか、教育を受けたり就労するにあたり配慮や支援を受けやすくもなる、とても便利な制度です。詳しくは以下の記事をご参照ください。精神障害の等級出典 : 精神障害の程度を定める等級には、精神障害者手帳の等級と障害年金の等級があります。精神障害者保健福祉手帳は1級、2級、3級の3つの区分があります。・1級....精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの・2級....精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの・3級....精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの出典:精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準|厚生労働省HP精神の障害による障害の程度は、国民年金の場合は1級と2級、厚生年金の場合は1級から3級に加え障害手当金という等級もあります。・1級…日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの・2級…日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの・3級…労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの・障害手当金…労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの詳しくは以下のリンクをご参照ください。参考:第8節/精神の障害|日本年金機構HP同じ「等級」という言葉から混同しがちですが、精神障害者手帳の等級と障害年金の等級は別物です。障害年金の等級も、重いものから1級、2級、3級とありますが、制度が異なるので認定基準も異なります。とはいえ、概ね手帳の等級と障害年金の等級は重なるようです。参考:治療や生活に役立つ情報|みんなのメンタルヘルスHP詳しくは以下の記事を御覧ください。以上の等級の他にも、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの種類や量を市町村が決定するための障害支援区分という基準もあります。精神障害のある人が受けられる福祉サービス出典 : ここでは、総合支援法に基づく障害福祉サービスの一部をご紹介いたします。◇行動援護その方が何らかの行動をする際に生じうる危険を回避するために必要な援護を行うサービスです。外出時における移動中の介護や排泄、食事などの介護、その他日常生活での行動の援助が行われます。精神障害による行動上の著しい困難があり、常時介護を必要とする場合に利用できます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。参考:行動援護|独立行政法人福祉医療機構HP◇生活介護生活介護では、介護を常に必要としている方に対し、入浴や排泄、食事などの日常生活の援助や、創作的活動や生産活動の機会の提供、各種相談などを、主に日中において行います。参考:生活介護|独立行政法人福祉医療機構HP◇精神障害者居宅介護等事業(ホームヘルプサービス)家庭など、居住している場所にホームヘルパーを呼び、食事や入浴、その他日常生活の援助を受けることが出来ます。利用対象者は、原則として、精神障害者保健福祉手帳の保持者あるいは、障害者年金を受けている方で、かつ、日常生活に支障がある人です。◇施設入所支援施設入所支援では、主として夜間において、食事や排泄などの日常生活の援助や相談が行われます。日中の訓練などサービスも同じ施設で行われます。障害福祉サービスの内容|厚生労働省HP◇共同生活援助(グループホーム)共同生活援助とは主に夜間において少人数での共同生活を援助するサービスです。個別の支援計画を立てた上で、相談や入浴、排泄などの日常生活の援助を行います。共同生活援助|独立行政法人福祉医療機構HP◇短期入所(ショートステイ)在宅の精神障害者を対象に、介護者の事情で一時的に介護困難の場合利用することができます。夜間を含め施設で、入浴や食事などの日常生活の援助が行われます。利用が可能な期間は基本的に7日以内で、事情がある場合は必要最小限の範囲で延長可能です。グループホームなどの夜間のサービスは、自立訓練や就労移行支援、地域活動支援センターなどの昼間のサービスと組み合わせて利用するのが一般的です。◇相談支援相談支援にはサービス利用支援、継続サービス利用支援、地域移行支援、地域定着支援の4種類あります。障害福祉サービスを利用するには、「サービス等利用計画」を立てる必要があります。この計画を作成するのを支援するのがサービス利用支援で、利用したサービスが効果的かどうかの見直しを行う継続サービス利用支援です。地域移行支援では施設や病院から地域への移行の支援を行い、地域定着支援では地域生活の継続のための支援が行われます。その他の福祉サービスは以下のサイトをご参照ください。参考:サービス一覧/サービス紹介|WAM NET HP障害年金出典 : 障害年金とは、病気やケガにより生活や仕事が制限されている方が受け取れる年金のことで、国から委託を受けている日本年金機構により運営されている制度です。障害年金を受ける条件は、その障害の原因となった病気やけがについて初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金あるいは厚生年金に加入していることです。初診日に国民年金に加入していた方は障害基礎年金、厚生年金に加入していた方は障害厚生年金が受け取ることが出来ます。詳しくは以下の記事をご参照ください。生活保護の障害者加算出典 : 生活保護制度とは、資産や能力など全てを活用しても生活が困難な方を対象としたもので、健康で文化的な最低限度の生活ができるような保護を行い、自立を奨励する制度のことです。障害の程度にもよりますが、精神障害者の方が生活保護を受給した場合、受給費に加算される可能性があります(障害者加算)。加算額は、現在住んでいる場所と障害の程度で決められます。Upload By 発達障害のキホン◇現在住んでいる場所現在住んでいる場所は、在宅の場合と入院や社会福祉施設・介護施設に入所している場合に分けられ、在宅の場合はご自身がお住まいの場所がどの級地に当たるのか調べる必要があります。以下のリンクにて全国の級地区分が調べられます。リンク:級地区分(H.29.4.1)|厚生労働省HP◇障害の程度障害の程度は原則、国民年金法(昭和34年政令第184号)別表に定められる等級により決まるとされていますが、この等級は精神障害者手帳における等級と重なるとされています。参考:精神障害者保健福祉手帳による障害者加算の障害の程度の判定について|厚生労働省法令等データベースサービスHP参考:国民年金・厚生年金保険障害認定基準平成28年6月1日改正|日本年金機構HP参考:第8節/精神の障害|日本年金機構HP参考:国民年金・厚生年金保健精神の障害に係る等級判定がガイドライン|日本年金機構HP精神障害者の雇用・就労支援出典 : 日本において、全ての事業主は一定の割合(法定雇用率)以上の障害者を雇う義務があります。この「障害者」は今まで身体障害者と知的障害者に限られていましたが、平成28年改正障害者雇用促進法により、2018年4月からは精神障害者(発達障害を含む)も加わることになりました。障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要 |厚生労働省HP現在の法定雇用率は以下の通りです。民間企業:2%国、地方公共団体等:2.3%都道府県等の教育委員会:2.2%障害者の法定雇用率が引き上げになります|厚生労働省HP◇就労移行支援事業者就労移行支援は障害がある方の就労をサポートする障害福祉サービスです。就労を希望している障害・難病がある方に対して、働くために必要な知識・能力を身につけるトレーニングや、その人に合った職場探しのサポート、就労後の職場定着までのアフターケアを行います。企業などでの就労または開業を希望する方で、就労が可能であると見込まれる65歳未満の方が対象です。利用期間は原則2年となっています。◇公共職業安定所(ハローワーク)公共職業安定所とは、職業紹介や就労支援のサービスを行う無料で利用できる行政機関です。障害者を対象とした求人情報の提供が受けられます。仕事の探し方など、就職に関する様々な相談に乗ってもらえるだけでなく、職業訓練の仲介なども行っているので、お気軽に御相談ください。全国ハローワークの所在案内|厚生労働省HP◇障害者就業・生活支援センター就業や、それに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者を対象に、相談や職場・家庭訪問などを行い支援する機関です。就労支援の面では就職に向けた準備支援や、求職活動支援、職場定着支援から関係機関との連絡調整などをし、生活支援の面では生活習慣の形成、健康管理、金銭管理などの日常生活の自己管理に関する助言、関係機関との連絡調整などをします。参考:障害者就業・生活支援センター事業について|厚生労働省HP◇地域障害者職業センター各都道府県に設置されています。障害者の就労を支援するために、ハローワークや病院、福祉施設などの関係機関との連携を行いながら、地域に密着した職業リハビリテーションを行う施設です。具体的には、職業能力などの評価や支援計画の作成、就職活動の相談、短期間の作業体験や事業所見学などが行われます。参考:地域障害者職業センターの精神障害者総合雇用支援のご案内|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構HP◇障害者職業能力開発校障害者職業能力開発校は、一般の職業能力開発施設において職業訓練を受けることが困難な重度障害者などにを対象し、その障害に対応した訓練を実施しています。参考:障害者を対象とした職業訓練|厚生労働省HP◇ジョブコーチ支援実施機関職場適応援助者(ジョブコーチ)が、利用者の職場に訪問し、職場への適応・定着を支援します。障害者本人への支援だけでなく、障害者を雇用する事業主や障害者の家族に対する助言などの支援も行います。地域障害者職業センターや、障害者の就労支援をする社会福祉法人や、障害者を雇用する企業に在籍していることがあります。参考:職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について|厚生労働省HP◇就労継続支援A型事業者就労移行支援を利用したが企業への一般就労に結びつかなった等の理由があり、ある程度の支援があれば就労することができる方を対象としたサービスです。施設と利用者で雇用契約を結び、働くことができます。利用期間に制限はありません。◇就労継続支援B型事業者就労移行支援や就労継続支援A型の利用経験がありますが、年齢や体力の面で雇用が困難な方を対象としたサービスです。施設との雇用契約は結びませんが、生産性にこだわらず自分のペースで働くことができます。利用期間に制限はありません。ケースごとの以上の施設を利用する際の流れなどについては以下のサイトをご参照ください。参考:障害者が就職・定着するまでの標準的な支援|厚生労働省HP精神科訪問看護/精神科デイ・ケア(通院以外の治療)出典 : ここでは、通院・入院以外の治療である精神科訪問看護と精神科デイ・ケアを紹介いたします。いずれも在宅での生活を支えるサービスで、自立支援医療(精神科通院医療)制度を利用すると医療費が原則1割負担になります。◇精神科訪問看護自宅などの居住している場所で保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などにより行われる療養上の世話または必要な診療の補助を行うことを指します。具体的には病状の観察と情報収集や日常生活の維持、対人、家族関係の調整や精神症状の悪化の予防、社会資源活用の補助等が行われます。詳細は以下のリンクでご確認ください。訪問看護について|厚生労働省HP◇精神科デイ・ケア精神科デイ・ケアは、社会で生活するために必要な能力の回復を目的として、グループでの治療をおこなうものです。利用時間や利用開始時間に応じてデイ・ケア、ショート・ケア、ナイト・ケア、デイ・ナイトケアなどの種類があります。統合失調症やうつ病などの疾患別プログラムや、高齢者や思春期、青年期などの年代別プログラム、家事能力や復職支援などの目的別プログラムなど、様々な内容があります。施設により内容が異なります。保健所で行っている場合は費用がかかりませんが、その他の場合はかかります。とはいえ、自立支援医療(精神通院医療)を利用すれば、自己負担額は減ります。参考:精神科デイ・ケア等について|厚生労働省HP精神障害について悩んだときは出典 : ◇精神保健福祉センター…各都道府県及び政令指定都市に設置されている精神保健や精神障害者の福祉に関する機関です。こころの悩み全般に専門家がこたえてくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで全国の精神保健福祉センターを検索できます。全国の精神保健福祉センター一覧|厚生労働省HP◇いのちの電話 …一般社団法人いのちの電話連盟では、無料でインターネット相談や電話相談を実施しております。詳しくは以下のリンクをご参照ください。リンク:いのちの電話の相談方法|一般社団法人いのちの電話連盟HP◇地域生活支援センター …身体障害者、知的障害者、精神障害者及びその他の障害者の自立と社会参加や家族の精神的サポートを行うための支援施設で、医療とは異なる視点で解決策を考えてくれます。◇勤労者の相談窓口 …勤務先の保健師や産業医や、産業保健推進センターの相談事業が利用できます。産業保健推進センターでは精神科医や心理士が専門的な相談に乗ってくれます。◇保健室、保健管理センター、教育センター …教育の場でのいじめなどの問題に個別対応してもらえます。◇家族会 …家族会とは、精神疾患に苦しむ身内がいる家族が集まり、悩みを共有したり情報交換をする会です。大きく分けて、病院を基盤とするものや、地域を基盤とするもの、ほかにもたくさんの種類の家族会が存在します。孤立感をなくすという意味でも、参加には価値があります。◇患者会 …同じ病気や障害に苦しむ人たちが集まり、情報交換や交流などの活動を行います。悩みの共有や症状への対処法などを伝えあえる場は、精神的な支えにもなります。参考:Q. 精神科の医療機関以外に、こころの問題の相談に乗ってくれる場所はあるのですか?|日本精神神経学会HP◇こころもメンテしよう厚生労働省で行われた「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告(平成21年9月)を受けて開設された10代、20代向けのメンタルサポートサイトです。こころもメンテしよう|厚生労働省HP◇みんなのメンタルヘルス総合サイト厚生労働省で行われた「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告(平成21年9月)や「自殺・うつ病対策プロジェクトチーム」のとりまとめ(平成22年5月)を受け開設された一般市民向けのサイトです。病気や症状の説明や、医療機関、相談窓口、各種支援サービスなどの紹介がされています。みんなのメンタルヘルス|厚生労働省HP◇こころの耳厚生労働省の委託事業として一般社団法人日本産業カウンセラー協会が開設した働く方向けのメンタルヘルスサイトです。ストレスチェックやこころの病克服体験記、ストレス対処法まで詳しく、分かりやすく紹介されています。ページ下部にある「コンテンツ一覧」から探すとわかりやすいです。こころの耳◇日本精神神経学会公式HP一般の方向けのページでは、一部の精神疾患についての解説や、市民公開講座などの募集がされています。一般の方へ|日本精神神経学会HP◇悩み別相談窓口などの支援情報検索サイト以下のリンクでは、悩み別に相談窓口などの支援情報を検索出来ますのでご活用ください。支援情報検索サイト|厚生労働省HP悩みや状況を選ぶ|いのちと暮らしの相談ナビHPまとめ出典 : 精神障害にかかってしまうと、自ら支援を求めたり、探したりすることはとても難しく思ってしまうこともあるのではないでしょうか?しかし、福祉サービスなどの支援制度を知り、活用すれば、より生きやすくなるかもしれません。ご自身で探すことが難しい場合は、精神保健福祉センターなどの相談窓口に連絡してみることをおすすめします。自分だけでは分からなかった解決策が見えてくるかもしれません。
2017年06月30日専業主婦が被害者になることが多いと言われている“経済的DV”ですが、みなさんは具体的にどのようなものかご存知でしょうか?経済的DVには、配偶者に生活費を渡さない、配偶者が働くことを認めない、仕事を辞めさせる、家計の管理をどちらか一方がすべて行う、家庭の財政状況を明かさない、配偶者に無断で借金する、自分は働かずに配偶者だけに働かせる、配偶者に内緒で借金をする、などの行為が該当するそうです。これらの行為によってパートナーの経済的な自由を奪い、相手を追いつめる ことを経済的DVと言います。「もしかして、うちも……?」という心当たりのある方はいらっしゃいませんか?今回はそんな経済的DVについて、被害者の体験談と対処法をご紹介していきたいと思います。●経済的DV被害者の声●仕事を辞めた後も生活費を半分しか出してくれない『妊娠を機に仕事を辞めました。それまで、生活費として毎月お互いにそれぞれ同額で9万円ずつ(家賃分含む)を出し合っていたのですが、私が仕事を辞めてからも夫が出す金額が変わらなかった んです。「働いていないんだから、私の分も出してくれないと足りない」ということを伝え、今まで私が出していた分も出してくれるようにお願いしたのですが、夫は断固拒否。私の貯金から出せと言われました。しかも、それが嫌なら働けと……。夫の収入は30代前半で年収600万円ほどなので、毎月18万円の生活費を出すくらい苦ではないはずなんですが……。子どもが2歳くらいになったら私もまた働く予定なので、それまでは夫の収入だけで生活をと思っていたのですが、まさか私の貯金を崩しながらの生活を強いられる とは思ってもみませんでした』(20代女性/専業主婦)この方、仕事を辞めるときにはもちろん旦那さんに相談したそうです。そのとき、「妊娠中〜子どもが2歳になるまでは働かなくていい」と言われたといいます。けれど、旦那さんは「働かなくていいとは言ったけど、生活費をすべて俺が出すとは言ってない」とのこと。旦那さんは元々、奥さんが働かない期間は奥さんの貯金を切り崩して生活費を出すものと思っていたようです。しかし、専業主婦には収入がないのですから、「働かなくていい」と言われたら、普通は養ってもらえると思ってしまいますよね。●お金の使い方を細かくチェックされる『うちは共働きで、生活費は折半です。貯金額も毎月いくらと夫が決めていて、残った額がそれぞれの自由に使えるお小遣いになります。ただ、夫は私の収入や支出を細かく管理しているのに、私は夫の収入や支出を教えてもらえていません 。聞いても「教える意味がない。俺がしっかり管理してるんだから余計な心配するな」と言います。何よりストレスなのが、私のお小遣いの使い方をいちいち細かくチェックしてくる点。毎月、何にいくら使ったのか報告し、「それは必要ないよね」とか「洋服1着に1万円以上は出さないこと」「まだ使えるのにどうして新しいものを買うの?来月は洋服買うの禁止」など、ダメ出しされるんです。夫の収入で生活しているとか、貯金できていないとかなら言われてもわかりますが、私が稼いだ純粋なお小遣いに口出しされるのはつらいです。お小遣いの使い方まで夫に管理される なんて、うちだけなんじゃないかって思っちゃいます』(30代女性/会社員)この方の旦那さんは自分自身も金銭管理に厳しいそうで、いわゆる「ケチ」なんだそう。外食や旅行もほとんど行かず、貯金が趣味なのだとか……。貯金をしっかりしてくれるのはありがたいことですが、妻のお小遣いの使い道まで管理して自由を奪うのは経済的DVと言えそうです。●働きに出ることを許さない『私は結婚後、夫に「専業主婦になってほしい」と言われて仕事を辞めました。この時代に専業主婦にしてくれる男性なんて珍しいなと感心したのと、それだけの収入があるんだろうなと気楽な気持ちで家庭に入りましたが、ふたを開けてみたらびっくり。夫の年収は300万程度で、しかも私には内緒の借金があった んです。私に渡される生活費は、借金の返済額と家賃、夫の小遣いを抜いた6万円だけ。これじゃ、子どもなんて産めません。将来も不安だし、働きに出たいと言っても許してもらえず。節約して切り詰めた生活をしていますが、お金のない生活に疲れて、夫に内緒でパートに出ました。でも、すぐにバレて辞めさせられちゃいました 。職場の人たちにも迷惑がかかるので、もう怖くて働くことはできないです』(20代女性/専業主婦)妻に専業主婦になってもらいたい場合は、生活に困らないだけの生活費を渡すことは必須条件でしょう。お金がないのに働きに出ることを許さないというのは、まさに経済的DVの特徴だと言えます。また、妻に専業主婦になることを強要する男性、実は少なくないようです。理由としては、子どものそばにいてほしいから、家庭のことを任せて自分は仕事に集中したいから、というものから、働きに出ることで浮気されるかもしれないから、というものまでさまざま。「浮気されるかもしれないから」というのは、男としてどうなのかと思ってしまいますね……。●経済的DVを受けたときの対処法では、経済的DVを受けたとき、どのように対処すればいいのでしょうか。大切なのは、我慢しないことです。経済的DVを行っている本人は、実はそれが経済的DVだと気付いていないことが多いもの。まずは、生活にどれだけお金がかかるのか、貯金額や収入額がどれくらいあるのかなど、具体的な数字を出して夫婦でしっかり話し合うことが必要です。毎月、何にいくら使っていて、いくら足りないのか、赤字額はいくらなのか、このまま行くと貯金がいつ底をつくのかなど、加害者に危機意識を持たせることで現状を理解してもらうことができる場合もあります。夫婦で話し合っても解決しない場合は、親や友達、専門家に相談しましょう。第三者があいだに入ることで解決することもあります。一人で抱え込まず、早めに第三者に相談する ことがおすすめです。●文/パピマミ編集部●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年06月06日精神疾患とは?出典 : 精神疾患とは、広義に解釈すると、 なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。この記事では、こころや脳のはたらき、または発達の過程における問題により引き起こされる、思考、行動、感情のコントロールにおける医療の介入が必要な状態について、ひとまず「精神疾患」という言葉を用いて説明していきます。精神疾患についての詳しい定義やどのような種類があるかについては以下の記事をご覧ください。精神疾患の代表的な症状出典 : 精神疾患には様々な種類の疾患があり、疾患ごとに症状も大きく異なります。また症状の種類も多種多様です。とはいえ、抑うつや不安などに代表されるように、精神疾患の症状のほとんどは一般の人でも経験するよくあるものです。疾患であるかどうかを決めるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。しかし、精神疾患ごとに、それぞれ症状の組み合わせも程度も、判断の目安となる期間も異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状を紹介いたしますが、あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:つらい・悲しい・憂鬱・むなしいなどの気持ちになり、気力がでない状態です。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的ですが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類があります。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくいものです。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態です。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうことを指します。精神疾患をチェックする方法はあるの?出典 : 全ての精神疾患をご自身でチェックする方法はありませんが、うつ病などの個々の病気を評価する尺度はあるので、以下に紹介いたします。ここで注意していただきたいのは、以下に紹介するチェックリストは、何点以上なら病気であると判断するものではないということです。あくまでも、その傾向があるということを示すだけなので、チェック結果の意味づけについては医師と話し合う必要があります。チェックして少しでも不安に思った場合は結果をもって医療機関に相談しましょう。以下のリンクでは、厚生労働省がストレスチェックを実施する際に推奨する「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づいて制作されたテストが簡単に行えます。職場でのストレスレベルを約5分程度で測定することができます。リンク:5分でできる職場のストレスセルフチェック|こころの耳HPCES-Dは一般人がご自身でのうつ病を発見する目的で米国国立精神保健研究所により開発された自己評価尺度です。質問項目は20問で所要時間は10-15分、対象年齢は15歳からとなっています。リンク:CES-Dによるうつ病症状の簡易チェック|せせらぎメンタルクリニックHP精神疾患かな?と思ったら、どの病院の何科に行けばいいの?出典 : まず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状から、患者さんが伝統的精神疾患の分類のどれに属するのか総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。◇精神疾患が心配なら精神科、精神神経科、神経科これらの科は、名前が異なりますが診ている病気は精神疾患で共通しています。◇心理的な問題が関与している身体症状を解消したいなら心療内科心療内科は、心理的な問題が原因で、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。とはいえ、軽いうつ病などの一部のこころの病気を診ている場合もあるので、もし通いたい心療内科がある場合は、事前に電話して、自分が抱える悩みが対象かどうか調べる必要があります。◇認知症やてんかんが疑われるなら神経内科も神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科でも診ています。一部の神経内科では、こころの病気を診ている場合もあるので、気になる場合は電話して聞いてみる必要があります。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やHPで確認するとよいでしょう。参考HP:医療機関の探し方、選び方|厚生労働省HP精神疾患かな?と思った時に、病院を選ぶポイント出典 : どの医療機関を受診するか迷ったときのポイントを紹介いたします。医療機関により、どのような病気を専門としているか異なるので、まず、その医療機関が何を専門としているのか調べる必要があります。以下のリンクでは診療科目や診療日、診療時間、どのような疾患を治療しているかなどの全国の医療機関の詳細を検索できます。是非ご活用ください。医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について|厚生労働省HP精神科医にも、統合失調症に詳しい医師や発達障害の治療に慣れている医師など、それぞれ得意分野があります。受診前に、電話やインターネットのHPなどで問い合わせたり、どのような分野を得意としている医師が在籍しているのか調べたりすることをおすすめします。医療機関の専門性の他に、どのような治療プログラムがあるのかも調べることをおすすめします。医師の診察とは別に、カウンセリング、作業療法、その他様々な治療プログラムを行っている場合があります。また、その医療機関がどのようなスタッフを配置しているのかも医療機関の性質を知る上で参考になります。カウンセリングを通じて心理的な問題を解決に導く臨床心理士 、デイケアなどで心身のリハビリテーションに携わる作業療法士 、言語機能の回復や発達に関わる言語聴覚士、これらの多職種や外部機関との連携をとり社会復帰をサポートする精神保健福祉士など、精神医療に携わる職種は多岐にわたります。自分やご家族には今後どのようなサポートが必要なのか見極め、状況にあった医療機関を選びましょう。作業療法士ってどんな仕事?|日本作業療法士協会HP精神疾患は通院治療が必要な期間が長くなることが多いので、通いやすさを十分考慮する必要があります。駅から遠かったり、受診可能な時間が自分の生活と合わなかったりすると、どうしても通いづらくて治療中断してしまう可能性もあるので、自分が通い続けられる場所かよく調べる必要があります。診察・治療を担当する医師との相性は特に大切です。実際に医師と話してみて、ご自身がどのように感じるのかで相性の良し悪しを判断しましょう。医師に対して不信感を持ったまま診療を続けるより、信頼関係を構築できる医師を見つける方が、治療もうまくいきます。どうしても相性が悪いなと思ったり、医師の説明に納得が行かない場合は、セカンドオピニオンを求めてみるのもひとつの方法です。その場合、紹介状は必ずしも必要ではありませんが、新たに受診してみようとする医療機関に対し、セカンドオピニオン目的での診察を受けてくれるかどうか予め尋ねた方が良いでしょう。最初にかかった医療機関に全てお任せするのではなく、 医療を使いこなすという姿勢 が大切です。どの病院のどの診療科に行けばいいのか迷ったり、そもそも受診すべきか迷ったりすることもあるのではないでしょうか?そんな時は、お近くの精神保健福祉センターや保健所に連絡すると、専門家が相談に乗ってくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで、全国の精神保健福祉センター、保健所を検索できます。全国の精神保健福祉センター一覧|厚生労働省HP保健所一覧|全国保健所長会HP夜間休日精神科救急医療機関案内窓口|厚生労働省HP精神疾患の治療法出典 : 精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法を指します。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、行動をよりよい方向に改善していく行動療法、患者のかたよって硬直した思考パターンを変えていく認知療法、無意識の葛藤や防衛を分析していく精神分析療法、クライエントの訴えを受容することに徹する来談者中心療法などが代表的です。それらの技法をさまざまに取り入れた折衷的な方法が、日本における「カウンセリング」の主流となっています。その他にも自律訓練法、箱庭療法、遊戯療法、森田療法などがあります。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。参考:メンタルヘルス関係|こころの耳HP日本精神神経学会では、精神科の入院が適応となる状態を以下のように記しています。・幻覚妄想状態・著しい興奮状態・躁状態・重症な自殺念慮・長く続いている重症うつ状態などです。(引用:Q.入院が必要となるのは、どのような時でしょうか?|日本精神神経学会HP)入院した場合、身体的治療や狭義の心理的治療に加えて、生活、社会機能の改善を目的に、集団精神療法やレクリエーション療法、作業療法、家族への心理教育プログラムなどがおこなわれます。精神疾患に苦しむ人への対応の仕方出典 : こころの不調に悩む方と接するときに基本となるのは、 話を真摯に聞くことです。その人が今どんな気持ちでいるのか、何に悩んでいるのかじっくりと時間をかけて話を聞きます。自分の価値観を押し付けたり、否定したりせず、ただただ聞き手に徹します。こころの不調に悩んでいるときは、ただ自分の気持ちを聞いてもらい、共感してもらうことで、いくらかでも癒やされるものです。その際、気をつけるべきなのは、本人の苦しみを完全にわかっていると思い込んでしまうことです。本人が味わっている苦しみを、その人と全く同じように感じることは不可能です。「わたしはあなたのことをわかっている」という思い込みは、一方的な価値観の押し付けにつながりやすく、本人を傷つけてしまうこともあります。本人が抱えている問題を完全に理解することはできないことを心に留めつつ 回復してほしいと願っていること、そして、その人が悩んでいる問題は、その人自身の弱さや性格によるものではなく、もしかしたら医学的な問題であり専門家による治療が必要かもしれないこと を伝えます。適切な援助を受けることがどれほど有益なのか具体的に伝え、信頼できる支援者を探す手伝いをすることが大切です。精神疾患に苦しむ方が受けられる経済的な支援出典 : 精神疾患にかかった場合、障害者手帳の交付や医療費助成などの支援を受けられます。自立支援医療(精神通院医療)とは精神疾患がある方で、かつ、通院による継続的な治療が必要な場合、その通院医療にかかわる医療費負担が原則1割になる制度です。詳しくは、以下のリンクをご参照ください。自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省HPこの制度は、負担の上限金額を超えた高額な医療費を支払った際に、その超過分の払い戻しを受けることのできる健康保険制度です。以下のハンドブックの12-15ページをご参照ください。精神障がい者と家族に役立つ社会資源ハンドブック|厚生労働省HP重度の心身の障害がある方が、保険証を使って病院に受診した場合、自己負担金が助成される制度です。各自治体ごとに、対象となる障害やその度合い、支援内容がかなり異なります。また、この助成を受けるにあたり注意点が2つあります。1点目は平成27年8月1日以降に新たに障害者の診断を受けた場合には、助成の対象とならないことです。2点目は、所得制限が定められているため、生計を同じくしている人の所得が一定額以上の場合には助成の対象外となることです。詳しくはお近くの市役所などにご相談ください。精神障害者保健福祉手帳を取得した場合、等級にもよりますが所得税や住民税、贈与税などの控除や生活保護の障害者加算、各種手当てが受けられます。詳しくは以下の記事をご参照ください。「障害年金」とは、障害によって生活の安定が損なわれないように、働く上で、あるいは日常生活を送る上で困難がある人に支払われる公的年金の総称です。障害年金の障害認定基準は障害者手帳の障害認定基準と異なります。そのため障害者手帳で1級でも、障害年金では異なる場合があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。精神疾患に苦しむ方が受けられる生活面の支援出典 : その方が何らかの行動をする際に生じうる危険を回避するために必要な援護を行うサービスです。外出時における移動中の介護や排泄、食事などの介護、その他日常生活での行動の援助が行われます。精神障害による行動上著しい困難があり、常時介護を必要とする場合に利用できます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。参考:行動援護|独立行政法人福祉医療機構HP生活介護では、介護を常に必要としている方に対し、入浴や排泄、食事などの日常生活の援助や、創作的活動や生産活動の機会の提供、各種相談などを、主に日中において行います。参考:生活介護|独立行政法人福祉医療機構HP家庭など、居住している場所にホームヘルパーを呼び、食事や入浴、その他日常生活の援助を受けることができます。利用対象者は、原則として精神障害者保健福祉手帳の保持者、あるいは障害者年金を受けている方で、かつ、日常生活に支障がある人です。施設入所支援では、主として夜間において、食事や排泄などの日常生活の援助や相談が行われます。日中の訓練などサービスも同じ施設で行われます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。障害福祉サービスの内容|厚生労働省HP共同生活援助とは主に夜間において少人数での共同生活を援助するサービスです。個別の支援計画を立てた上で、相談や入浴、排泄などの日常生活の援助を行います。詳しくは以下のサイトをご参照ください。共同生活援助|独立行政法人福祉医療機構HP在宅の精神障害者を対象に、介護者の事情で一時的に介護困難の場合利用することができます。夜間を含め施設で、入浴や食事などの日常生活の援助が行われます。利用が可能な期間は基本的に7日以内で、事情がある場合は必要最小限の範囲で延長可能です。グループホームなどの夜間のサービスは、自立訓練や就労移行支援、地域活動支援センターなどの昼間のサービスと組み合わせて利用するのが一般的です。精神科訪問看護/精神科デイ・ケア(通院以外の治療)出典 : いずれも在宅での生活を支えるサービスで、上記の自立支援医療(精神科通院医療)の対象です。自宅などの居住している場所で保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などにより行われる療養上の世話または必要な診療の補助を行うことを指します。具体的には病状の観察と情報収集や日常生活の維持、対人、家族関係の調整や精神症状の悪化の予防、社会資源活用の補助等が行われます。詳細は以下のリンクでご確認ください。参考:訪問看護について|厚生労働省HP精神科デイ・ケアは、社会で生活するために必要な能力の回復を目的として、グループでの治療をおこなうものです。利用時間や利用開始時間に応じてデイ・ケア、ショート・ケア、ナイト・ケア、デイ・ナイトケアなどの種類があります。統合失調症やうつ病などの疾患別プログラムや、高齢者や思春期、青年期などの年代別プログラム、家事能力や復職支援などの目的別プログラムなど、様々な内容があります。施設により内容が異なります。保健所や精神保健福祉センターで行っている場合は費用はかかりませんが、医療機関の場合はかかります。とはいえ、自立支援医療(精神通院医療)を利用すれば、自己負担額は減ります。参考:精神科デイ・ケア等について|厚生労働省HP精神疾患に苦しむ方が受けられる社会復帰の支援出典 : 地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上などのため、一定の支援が必要な方を対象に、入浴・排泄・食事などの日常生活を営むために必要な訓練や相談などの支援を行います。たとえば、入所施設を退所した方や病院を退院した方、特別支援学校を卒業した方などが例に挙げられます。自立訓練(生活訓練)対象者のうち、就労移行訓練などの日中のサービスを利用している方が対象です。地域での生活に向けて一定期間、住まいの場を提供して帰宅後における生活能力などの維持・向上のための訓練その他支援を行います。一般企業などへ就職を希望する方に、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練を行います。詳しくは、以下の記事をご参照ください。一般企業などでの就労が難しい人に働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のための必要な訓練を行います。雇用型のA型と、非雇用型のB型があります。創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流などを行う通所施設です。まとめ出典 : 精神疾患の症状ははっきり目に見えるものではありません。症状のつらさだけでなく、周囲の方からの理解を得ることができずにつらい思いをされている方も多いのではないでしょうか?もし、長らく精神の不調に苦しまれているのなら、一度医療機関や相談機関に話を聞きに行くことをおすすめします。自身にどのような傾向があるか知り、その対処法を知ることで、自分だけでは気づけなかった突破口が見つかるかもしれません。良い専門家に出会うかどうかで、生活が変わります。自分の苦しさを理解してくれる相性の良い専門家に出会うまで、諦めずに探してみることをおすすめします。難しいことですが、気長に少しずつ、出来ることから着実に、ときには人の手を借りながら問題を一つひとつ解決していく心持ちが必要なのかもしれません。こころの不調は回復に時間がかかることが多いので、支える側の負担も無視できないものとなります。本人と良好な関係を保ち、その方と共に生きていくためには一人で抱え込まないことが大切です。家庭の中だけで解決しようとせず、少し勇気を出して、医療機関や支援サービス、経済的支援や相談窓口などを積極的に活用することをおすすめします。
2017年05月18日精神疾患とは?精神障害とは何が違うの?出典 : 精神疾患とは、広義に解釈するとなんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。この意味合いで、一般に「心の病」や「精神病」、「精神障害」などと呼ばれるものを、より医学的に言いあらわすときに使われることが多い用語です。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。精神疾患がどのような概念を指すのか、つかわれる場面ごとの定義を見ていきましょう。精神疾患という言葉は、mental diseaseの直訳として使われます。精神医学の診断に使われるDSMなどではmental disorderの訳として「精神疾患」が使われることもあります。mental disorderは一般に精神障害とも訳されることがあるため、しばしば混乱を招きます。これらの用語にはどのような違いがあるのでしょうか?◇精神疾患(mental disease) は精神の病を指す医学用語医学における疾患(disease)とは、特定の原因、病態、症状、経過予後などが明確に結びついている場合を指します。しかし、多くの精神の病は原因を特定するのが難しいため、原因が不明な場合でも、病態・症状・経過・予後が特有なものであれば、疾患単位として精神疾患(mental disease)と呼ばれます。例えば統合失調症は、原因は不明ながらも代表的な精神疾患と位置づけられています。ところが、精神的な健康を保てない状態の中には、病態が不明確で疾患とは言い切れないものもあります。そのような場合、より広義な概念である精神障害という言葉が使われることがあります。例えば「適応障害」などです。◇精神障害(mental disorder)は症状や機能的な乱れがある状態像を指す障害(disorder) は、ある特定の生体機能の乱れや個人的苦痛があるが,疾患 (disease)と呼ぶには、その病態がはっきりと特定されていないものをいいます。そもそもdisorderとは、「調子の乱れ」といった意味であり,これに「障害」(差し障りや害がある)という重い訳語が当てられたことが混乱を招いているとも言えますが、ここではそのことを踏まえつつも、行政用語でもある精神障害という言葉を使います。◇『DSM』の日本語版ではmental diseaseを精神疾患と訳している精神医学の診断に使われることの多い診断基準『DSM』では、その第4版であるDSM-Ⅳからこのmental disorderの訳語として「精神疾患」があてられました。しかしDSMでdisorderとして紹介されているものには、狭義の精神疾患だけでなく発達障害や知的障害など疾患とはいえないものや病態が不明瞭なものも含まれています。そのため、時に精神疾患・精神障害の概念についてのあいまいさや誤解のもととなることもあり、この訳語については専門家の間でも議論が分かれています。このように、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は統一された定義がなく、使い分けについても厳密ではない場合があります。翻訳の場合は元の用語が何だったかによっても微妙にニュアンスが変わってきます。そのため、その用語がどのような意図を持っていて、どのような概念を指しているかは、その都度注意深く判断する必要があります。参考:精神看護学2精神障害をもつ人の看護/岩﨑弥生、 渡邉博幸編集/メヂカルフレンド社行政における「精神疾患」の定義も明確なものはありません。医療・福祉に関連する法律や行政は、我が国も加盟するWHOが作成したICD-10(『国際疾病分類』第10版)に準拠することが多く、『ICD-10(国際疾病分類第10版)』の第5章「精神と行動の障害」に該当するものを精神疾患としています。参考:第2回精神保健福祉法に関する専門委員会議事録|厚生労働省HP参考:みんなのメンタルヘルスしかし厚生労働省・文部科学省など担当省庁ごとや、法律などの文脈により定義や概念が異なる場合もあります。精神疾患に含まれる具体的な疾患・障害もそれぞれで異なる場合があり、『ICD-10』の第5章と完全に一致しているわけではありません。また「精神疾患」と「精神障害」の明確な区別もされていない状況です。例えば、精神障害者保健福祉手帳は、第5章には該当しないてんかんとアルツハイマーが交付対象である一方、第5章に該当する薬物依存や知的障害は交付対象ではありません。厚生労働省の患者調査などの統計結果でも、「ここでの精神疾患には、ICD-10で「精神及び行動の障害」に分類されるもののほか、てんかん・アルツハイマー病を含みます。」とされています。「疾患」とは、狭義には原因や経過などが明らかになっている場合を指します。しかし、精神疾患の場合、多くは未だ原因などが解明されてないため、診察などでは精神の病一般という意味で、「精神疾患」「精神障害」のどちらも用いられることが多いようです。このような状況においては、なにが精神疾患でなにがそうでないかということの線引きを正確にすることはできません。この記事では、心や脳のはたらき、または発達の過程における問題により引き起こされる、思考、行動、感情のコントロールにおける医療の介入が必要な状態全般について、「精神疾患」という言葉を用いて説明していきます。精神疾患の種類(分類)出典 : 精神疾患にはどのような種類があるのでしょうか?精神疾患の分類する方法には、大きくわけて2つあります。こころの病を原因から分類する病因論に基づく伝統的診断と、症状から分類する操作的診断です。それぞれの診断方法ごとに分類・名称が異なります。参考:操作的診断基準(精神疾患の)両者にはそれぞれ長所もあれば短所もあるので、現在日本では多くの医師が伝統的診断と操作的診断を併用しています。以下において、それぞれの診断方法における精神疾患の分類と種類を紹介いたします。■伝統的診断における分類19世紀後半、ドイツの医学者クレぺリンは他の身体疾患と同様に、精神疾患を原因別に外因性精神疾患、心因性精神疾患、内因性精神疾患の3つに分類しました。とはいえ、心因性と内因性の区別は極めて曖昧で、明確な区別は難しいとされています。◇外因性精神疾患脳器質的な病変、ないし身体の病変によって生じるもの例:脳腫瘍、脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマー病、感染症(神経梅毒など)、内分泌疾患など◇心因性精神疾患心理的な内面の葛藤あるいはその人をとりまく環境からくるもの例:解離性障害、強迫性障害、ストレス関連障害など◇内因性精神疾患脳の機能異常に基づくが、明白な原因が同定されていない、何らかの遺伝的な素因が関与していることが想定される疾患例:統合失調症、双極性障害などちなみに、クレぺリンは統合失調症と躁うつ病(双極性障害)を二大精神病としました。参考書籍:『精神病』/笠原嘉著/岩波書店/1998年伝統的診断のメリットとして、精神症状に苦しむ本人やそのご家族に病気について説明する際、原因から説明すると理解してもらいやすい点が挙げられます。一方、デメリットとしては、診断する医師により診断名が異なりやすいことがあります。また、診断名が異なるということは、その病気の研究が進まないなどの問題もあります。■比較的新しい操作的診断基準に基づく分類現在普及しているアメリカ精神医学会のDSM-5などは、原因的な面は考慮せず、症状だけから分類した診断基準(操作的診断基準)です。この操作的診断基準を用いた診断のメリットは、基準が細かく明確であることから医師間で診断名の食い違いが少ないことや、福祉職、法律家などの多職種における共有言語となることなどが挙げられます。同じ基準で協力者を集めることにより、疾患の研究が進むことも期待されます。一方、デメリットとしては、症状のみによる診断名であり、疾患の本質が考慮されていないこと、医師から患者や家族への説明がわかりにくくなる、診断基準の改訂により診断名が変わることもある、などの問題点があるとされています。また、もともと操作的診断基準は患者ではなく医療機関側の都合からつくられたこともあり、個々の患者のための診断、治療に有用ではないという批判もあります。なお、現在ある診断基準はどれも暫定的で不完全なものなので、脳科学の進歩などにより確定的な診断基準が完成されることが期待されています。◇DSM-5の分類ここでは、DSM-5における精神疾患の分類(種類)を紹介いたします。・神経発達症群/神経発達障害群・統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群・双極性障害および関連障害群・抑うつ障害群・不安症群/不安障害群・強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群・心的外傷およびストレス因関連障害群・解離症群/解離性障害群・身体症状症および関連症群・食行動障害および摂食障害群・排泄症群・睡眠-覚醒障害群・性機能不全群・性別違和・秩序破壊的・衝動制御・素行症群・物質関連障害および嗜癖性障害群・神経認知障害群・パーソナリティ障害群・パラフィリア障害群・その他の精神疾患群・医薬品誘発性運動症群およびその他の医薬品有害作用・臨床的関与の対象となることのある他の状態DSM-5に関しては、以下のリンクをご参照ください。精神疾患の症状は?出典 : 精神疾患の症状には様々な種類がありますが、そのほとんどは精神疾患でない一般の人でも経験するよくあるものです。ちょっとした気分の落ち込みや漠然とした不安感を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?疾患であるかどうか医師の診断によって決まるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。また疾患名ごとにそれぞれの度合いや組み合わせは異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状の一部を紹介します。症状それ自体は健康な人にも生じうるものであって、これがあるから精神疾患だ、ということではありません。あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:つらい・悲しい・憂鬱・むなしいなどの気持ちになり、気力がでない状態。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的だが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類がある。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくい。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうこと。精神疾患をチェックする方法はあるの?出典 : 全ての精神疾患をご自身でチェックする方法はありませんが、うつ病などの個々の病気を評価する尺度はあるので、以下にいくつか紹介いたします。以下に紹介するチェックリストは、何点以上なら病気であると判断するものではないので注意が必要です。あくまでも、その傾向があるということを示すだけなので、チェック結果の意味づけは医師と話し合う必要があります。チェックをして不安に思った場合は、自分で即断せず、チェック結果を持って医療機関に相談しましょう。■CES-D うつ病(抑うつ状態)自己評価尺度CES-Dは一般人がご自身でのうつ病を発見する目的で米国国立精神保健研究所により開発された自己評価尺度です。質問項目は20問で所要時間は10-15分、対象年齢は15歳からとなっています。(以下のリンクをご参照ください)によるうつ病症状の簡易チェック|せせらぎメンタルクリニックHP■ストレスセルフチェック以下のリンクでは厚生労働省がストレスチェックを実施する際に推奨する「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基いて制作されたテストが簡単に行えます。職場でのストレスレベルを約5分程度で測定することができます。(以下の厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づいて、制作された「5分でできる職場のストレスチェック」をご参照ください)「5分でできる職場のストレスセルフチェック」|こころの耳HP精神疾患の原因は?遺伝との関係はあるの?出典 : 病因論にかわって出てきた精神疾患が生ずる様々なメカニズムのうち、ほとんどの精神疾患にあてはまるといわれているのが、ストレス脆弱(ぜいじゃく)性モデルです。すなわち「その人の病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。一方、ストレスには家庭や職場、学校における人間関係だけでなく、戦争、災害、親族の死などがありますが、個人により何にどの程度ストレスを感じるかは異なります。思春期という、身体が急激に変化する時期は思春期であること自体がストレス因にもなりえます。同じストレスを受けた場合でも、精神疾患を発症する人としない人がいるのは、その人がもつストレスへの脆弱性が低いか高いかによると考えられます。参考書籍:『新・精神保健福祉士養成講座〈1〉精神医学』/日本精神保健福祉士養成校協会 編/中央法規/2009年◇遺伝のしくみ遺伝には、親から病気の遺伝子を受け継ぐ場合と、親から正常な遺伝子を受け継ぎながら子どもの代で遺伝子に変異が起こる場合(突然変異)があります。また、ひとことに「遺伝」といっても、突然変異によるもの、メンデルの遺伝法則に従って遺伝する単一の遺伝子の異常と、複数の遺伝子が作用した上に環境要因も加わり発症する多因子遺伝に分けられます。精神疾患のなかでも遺伝が関与するものは、多因子遺伝によるものと考えられています。◇遺伝だけが発症を左右するわけではない脆弱性(病気のなりやすさ)には遺伝も関係しますが、環境も大きな要因の一つです。精神疾患のなかでも遺伝の影響が強い統合失調症でさえ、遺伝だけが発症の原因というわけではありません。実際、双生児を対象にして、「一方が統合失調症を発症した場合にもう一方が発症する確率」を調べた研究では、遺伝子が完全に一致する一卵性双生児でも48%、遺伝子が通常の兄弟と同じ程度に異なる二卵性双生児の場合は17%という結果が出ています。参考:『分裂病の起源』ゴッテスマン/著内沼幸雄・南光進一郎/監訳この結果は、遺伝の影響だけが発症原因ではないことを意味すると同時に、その人を取り囲む環境が発症に関係する場合もあることを示しています。自分の病気の原因を探し求めても、解決につながるとは限りません。仮に、遺伝や、親の育て方などの環境が関与していることがわかったとしても、それが今更変えられないものであるなら、そこにとらわれていても解決にはつながらないのです。過去ではなく未来に向かい、今何ができるのかを考えることが必要なのかもしれません。まとめ出典 : ◇ご自身がこころの不調に悩んでいらっしゃる方へ精神疾患の経過は人によって様々です。もし仮に一般的に重い病気とされているものに罹っていたとしても、必ずしも自分も同じ道を辿るわけではありません。今はネットなどで色々な情報を調べることは出来ますが、悲観的になりすぎないことが必要です。ご自身が精神的な不調に長らく苦しまれているのなら、少し勇気をだして一度医療機関を受診することをおすすめします。自分だけでは分からなかった解決策が見えてくるかもしれません。◇ご家族がこころの不調に悩んでいらっしゃる方へ家族がこころの不調で悩んでいると、周りの人、とりわけご家族は責任感を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、精神疾患の原因は複合的なもので、決して一つではありません。たとえ家庭内に少し問題があったとしても、それだけが唯一の原因ではないのです。ご自身を責め過ぎず、疲れを感じた場合は休むことも必要です。一人で抱え込まないためにも、医療機関や福祉サービス、家族会などに救いの手を求めましょう。
2017年04月25日アンバー・ハードが雑誌にドメスティック・バイオレンス(DV)についてのエッセイを発表した。アンバーは今年5月にジョニー・デップとの離婚を申請、顔にあざができた写真を公表してジョニーからDVを受けたと主張し、否定するジョニー側と争ったが、8月に離婚の合意に達した。アンバーはファッション誌「Porter」に「あなたは1人じゃない。閉ざされた扉の後ろで1人苦しんでいるかもしれないけれど、あなたは1人じゃない。それを知ってほしい」と、DVに苦しむ女性たちに訴えかけた。「自分に強さがあることを思い出してほしい。あなたを背後から静かに支える何人もの女性たちの数も掛け合わせてきた強さです」「冷たくつらい真実から始めましょう。女性が前に出て、不正や彼女の苦しみについて語ると、助けや尊重、支えの代わりに彼女が直面するのは敵意と懐疑の眼差し、そして恥辱です。彼女の真意や目的は疑われ、真実は無視されます」と綴った。「私は、自立して他者を頼らない人間になるよう育てられました」とふり返るアンバーは誰かが自分を救ってくれるとは思わなかったという。「 “被害者”というレッテルを貼られることに憤慨しました」というアンバーは「今日、これを書きながら、私は沈黙の中で苦しんでいる女性たち1人1人に約束できる。あなたは1人じゃない。私たちの姿は見えないかもしれないけれど、私たちはここにいます」と結んだ。(text:Yuki Tominaga)
2016年12月14日