数年前には110円だったものが120円になり、ジワジワと値段が上がっている自動販売機の飲み物。その一方で、すべて100円で売られている“格安自販機”なるものも存在します。都内における“格安”王者は100円自販機だと思っていたのですが、先日ついに80円自販機(一部100円もあり)を発見しました。自販機で売ってる飲み物の値段は場所によってまちまち。これは一体誰が決めているのでしょうか?そして、値段の表示に使われているものも、機械のプラスチック自体に「120円」と印字されていたり、上から「130円」などのシールがはられていたり、とさまざまです。上記のような格安自販機ではほかではお目にかかれない個性的な値段プレートがつけられています。この値段表記も誰がどうやって作っているのでしょう?一度気になりだしたら止まりません。コブス横丁ライター陣きっての雑学マニアとして確かめてきました!お話を伺ったのは、一般社団法人 日本自動販売機工業会(Japan Vending Machine Manufacturers Association、略称JVMA)の方。JVMAでは自動販売機やATMなどの普及促進・取り締まり等を行っています。――自動販売機の値段は場所によって違いますが、誰がどのようにして決めているのでしょうか?「まず、自動販売機の機械を購入するお客さまは飲料メーカーか、個人経営のたばこ店のような小売店のどちらかです。前者の飲料メーカーの場合、機械を出荷する前日までに場所や何の飲み物を入れるかを決め、あらかじめ値段シールをはりつけて出荷しています。後者の小売店の場合は、自販機に入れる中身が決まっていない状態で機械を出荷しますので、120円・130円・140円など、さまざまな値段のシールを一式セットで、機械と一緒にお送りしています」――値段のシール一式をセットで……?ということは、自販機の値段表記はすべてシールではられているものなのですか?機械のプラスチックに印字されているものがあった気がしていたのですが。「値段の部分は、プラスチックに印字されているように見えますが、実はすべてシールをはりつけているんですよ」――そうなんですか。でも、100円や80円などの格安自販機は明らかにシールではないことが多く、しかも場所によって値段表記にかなり個性がありますよね。「そうですね。値段表記には決まった規定は特にないんです。自販機本体を購入したお客さまが、それぞれ思い思いの値段表記シールなどを発注しているのだと思います。格安自販機の値段に関しても、機械を購入された飲料メーカーさんや小売店の方が、それぞれ自分たちで決めています」格安自販機の個性豊かな値段表記は、安さをアピールするためのこだわりだったんですね。ちなみに、飲料メーカー最大手のひとつ、日本コカ・コーラでは1962年の4月に国内初のびん自動販売機(V-63型)を導入。そのころの自動販売機での購入価格は40円(一般市場価格35円)(190ml)だったそうです。当時の値段には到底敵わないものの、80円や100円の格安自販機はこの不況時代の強い味方。のども潤って、財布も潤う、そんな格安自販機を見つけた際には、値段表記に対するこだわりに思いをはせつつ購入したいと思います。(朝井麻由美/プレスラボ)【関連リンク】日本コカ・コーラ株式会社言わずと知れた飲料メーカー。ホームページは、コカ・コーラの歴史を知れたり、ゲームができたり、お楽しみコンテンツまである盛りだくさんな作り。一般社団法人 日本自動販売機工業会自動販売機に関することなら何でもござれ。自販機界の親玉的存在です。「自動販売機」を販売するってどんな仕事ですか?知られざる「自動販売機」販売の仕事。それは悲喜こもごもな職人の世界。自販機テレビあらゆる自販機情報を集めた珍サイト。略して「自テレ」。ロゴが何かによく似ている。
2009年07月16日