宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月1日、先月26日から通信が途絶えているX線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について報告した。現在までに通信は復旧しておらず、依然として衛星の詳しい状態は不明であるものの、前回の記者会見から新たに分かったこともあり、より詳しい状況が明らかになってきた。ひとみに何が起きたのか。この難問への正解は残念ながらまだ無い。衛星と通信できない以上、現時点で原因を特定することは難しいが、有力な手がかりとなりそうなのが地上からの観測情報だ。米JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)の発表によれば、ひとみの周辺に5つの物体が観測できたという。これは、ひとみに破片が出るような物理的な破壊があったことを意味する。ただし一方で、その後にひとみからの電波を受信していることもあり、致命的な破壊では無かったと見るのが妥当だ。JSpOCの発表のあと、日本でも独自に観測を試み、ひとみの軌道上に2つの物体を確認した。仮に物体AとBとすると、光学望遠鏡による観測で、物体Aは3~7等級と明るく、物体Bは5~9等級と暗い。またレーダー観測では、物体Aは常時観測でき、物体Bは2回しか観測できなかった。このことから、物体Aの方が大きく、これが衛星本体だと推測される。分離した破片と見られる物体Bが2回しか観測できていないのは、観測限界に近いためと考えられる。レーダーの識別能力は、高度600kmで直径1m程度とのことなので、物体Bの大きさもその程度である可能性が高い。JSpOCのレーダーは、10cm程度まで識別できると言われており、残りの4個については、物体Bよりも小さいということだろう。軌道上の物体の軌道を遡れば、破片がいつ分離したのか推測できる。JSpOCの推測では3月26日の10時42分±11分、日本の推測では同日10時37分頃となっており、両者はほぼ一致。この時間に分離があったと考えてほぼ間違いない。また望遠鏡による光学観測で明るさが不規則に変化していたことから、衛星が回転している可能性が指摘されている。JAXAはこれについて、断定は避けているものの、その可能性は当然認識している。回転により十分な発電ができず、衛星の電源がオンになったりオフになったりしていて通信ができない、というのは十分考えられるシナリオだ。この場合、取れる対策はあまりなく、回転が落ち着くのを待つしか無い。当初は複雑な回転運動をしていても、時間が経過すれば、最大慣性主軸まわりの回転に必ず収束する。ひとみの場合、これは太陽電池パドルに垂直な軸(Y軸)になる。このY軸まわりの回転になれば、太陽電池がどこか1方向を向くようになるというわけだ。回転軸がどちらを向くかは分からない。収束したとき、もしかしたら太陽の反対側を向いているかもしれないが、公転に伴い、いずれは太陽電池に光が当たるようになる。安定して発電できる状態になり、コマンドを送ってテレメトリを得ることができれば、衛星の状態が分かる。そこで原因を推定し、対策を立て、それを実行する。ただし、これはかなり楽観的なシナリオだ。悪い方のシナリオだと、ダメージが大きく、科学観測が不可能になっている場合もあり得る。いずれにしても、すぐに復旧できるような状態とは考えにくく、数カ月単位の長期戦を覚悟する必要がありそうだ。なお、通信異常や姿勢異常の原因を推測するために、JAXAでは現在、FTA(故障の木解析)を進めているという。ただ、現在のテレメトリを取得できないため、解析は難航が予想される。考えられそうな要因としては、「軟X線分光検出器」(SXS)のヘリウムタンク、バッテリ、燃料タンクなどがあるが、通信途絶前に取得したデータからは、特に異常は見られなかったそうだ。記者会見では、デブリが衝突した可能性についての質問もあったが、現時点で、原因をデブリとする証拠は見つかっていない。軌道上にある10cm以上の大きさのデブリは軌道が特定されており、それが接近するという情報は無かった。観測できない10cm以下のデブリだった可能性は残るものの、衛星はある程度の防御もされている。JAXAは衛星内部に原因があったとする立場で原因究明を進める方針。
2016年04月01日三菱電機は3月16日、伝送速度100Gbpsの高速光通信ファイバー通信で使用される送信モジュールの新製品「100Gbps 小型集積EML TOSA」のサンプル提供を7月1日に開始すると発表した。同製品は長距離伝送に適した高消光比・低消費電力の新開発EML素子を搭載し、伝送距離40kmを実現。また、波長の異なる4つの光信号を多重化する送信モジュール内の各構成部品の最適化により、パッケージ体積を従来の約3分の2に縮小したほか、100Gbps用の小型光トランシーバー規格の1つであるCFP 4に適合した。なお、同製品は3月20日~24日に米国アナハイムで開催される「Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2016」に出展される。
2016年03月16日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日ロームグループのラピスセミコンダクタ(ラピス)は3月1日、サブギガ帯域無線通信LSI「ML7345C」を発表した。ML7345Cは、ラピスの無線通信LSIを中国の無線規格で最高特性が出るよう周波数帯域と送信パワー、受信感度をカスタマイズしたもので、スマートメーターやホーム/ビル・セキュリティ、火災報知機・ガス警報器、クラウド農業など、長距離無線通信と低消費電力が必要とされるアプリケーションに適しているとする。中国国内で利用可能な周波数帯域433~510MHzと送信パワー100mW高出力に対応していほか、高周波増幅器を改良したことで、送信パワー変動が動作保証全温度範囲内で±1dB以下と、一般品比で3倍以上の高安定性を実現。これにより、無線ネットワークの簡素化、低コスト化、高信頼化に貢献する。さらに、短時間で受信起動を行う高速電波チェック機能とスリープ電流の大幅削減により、通信時間の大半を占める待ち受け動作において、同社従来品比で48%の平均電流を削減している。同製品は2015年12月より量産出荷を開始しており、今後、在中国パートナーとの協業によって同製品を搭載した無線モジュールの提供も予定している。
2016年03月01日VAIOは9日、NTTコミュニケーションズと協業し、PCのデータ通信に最適化したという通信プランを発表した。同日オープンする直販サイト「VAIOストア」での限定販売で、1年プラン、2年プラン、3年プランの3種類を用意し、LTE対応のデータ通信専用microSIMと合わせて提供する。価格は税別13,800円からのプリペイド式。同社が提供するプランは、1年プラン、2年プラン、3年プランの3種類。いずれも通信速度200kbpsで使い放題の「常時接続モード」、最大150Mbpsの通信が容量限定で行える「高速通信モード」を用意。これは、PCの利用法として、メールやメッセンジャーなどの手軽な通信は常時接続しておき、大量必要な時のみ高速通信する需要があると考えた結果という。各プランは、高速モードで使える容量が異なる。1年間利用できる「手間なし1年間プラン」では、200kbpsの常時接続モードに加え、最大150Mbpsの高速通信モードが32GB分利用でき、価格は税別13,800円。2年間利用できる「手間なし2年間プラン」では、常時接続モードに加え、高速通信モードが64GB分利用でき、価格は税別22,800円。3年間利用できる「手間なし3年間プラン」では、常時接続モードに加え、高速通信モードが128GB分利用でき、価格は税別32,800円。高速通信モードと常時接続モードを切り替えたり、残量確認が行えるPC向けの専用ユーティリティも用意する。料金はプリペイド式で、月額利用料などはない。「VAIOストア」では、通信プラン+SIMカードの単体販売のほか、同日発表した11.6型ノートPC「VAIO S11」との同時購入時も可能。VAIO S11同時購入時は、2,000円割り引かれた特別価格となり、1年プランが税別11,800円、2年プランが税別20,800円、3年プランが税別29,800円。
2015年12月09日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日日本通信は4日、「日本通信、ドコモ訴訟判決を受けて -訴訟継続を無意味にした総務省新方針-」と題する声明文を発表した。少々背景を知らないとわかりにくい面もあるため、かみ砕いて読み解いてみよう。○ドコモとの訴訟の結果を受けて日本通信は1996年からMVNO事業を行っている老舗で、現在は主にNTTドコモとの間でレイヤー2接続でのMVNO事業を行っているのは周知のとおりだ。しかし、ドコモ側から一方的な接続料の値上げを断行されたため、接続料算定式の合意の有無を巡って、2012年4月に東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起していた。この訴訟の判決がようやく先日(11月27日)出されたのだが、接続料算定式の合意があったことは認められたものの、この合意はドコモ側の接続約款における規定により変更可能という判決だった。日本通信ではこれを受けて、控訴するかどうかの対応を協議していたが、その結果が今回の声明文ということになる。○MVNOを巡る環境の変化に期待結論から言えば、控訴はされない。今でこそMVNO事業者は非常に多くなっているが、日本通信が事業を始めたころはMVNOという言葉すらほとんど知られておらず、MVNO事業そのものも、総務省が推進する携帯電話事業のオープン化という方針を受けて、ガイドライン、すなわち電気通信事業法の解釈というかたちで運用されてきた事実がある。これだけ普及してきてはいるが、案外頼りない基盤の上にある制度だったといえる。しかし、今年5月に公布された改正電気通信事業法や省令改正によって、MVNOが法的に認められた立場を持つことになる。また、日本通信との間で問題となっていた接続料算定式についても、接続約款の添付資料として、算出の根拠を説明した書類などと合わせて提出する義務が設けられることになった。これによってMVNO側が一方的に接続料を値上げされるといったことが起きなくなり、MVNO事業者の事業基盤の安定が図れることとなった。さらに11月27日には、MVNO事業者が望んでいたHLR/HSS(ホームロケーションレジスター/ホームサブスクライバーサーバー:電話番号や契約内容と携帯電話の現在位置、通信経路などを管理するデータベース)の接続も開放される方針となり、MVNO事業者にとってはこれまで要求してきたことの多くが解決する流れとなっている。ここにおよび、日本通信も控訴の必要がなくなったと判断したわけだ。MVNO事業者としては、HLR/HSS接続が可能になることで、独自の通話料金(定額制を含む)やローミングサービスを設定できることになる。これまでの「単に安い携帯回線」というだけの位置付けから、さらに高度なサービスが提供できることになり、特に技術力のある事業者にとっては大きく風向きが変わってきたと言える。日本通信としてはこうした背景も踏まえて、前述のような声明文を発表したのだろう。
2015年12月04日ロームは11月27日、同社の特定小電力無線通信モジュールが国際無線通信規格「Wi-SUN」の新たな規格「Wi-SUN Profile for Echonet Single-Hop HAN(Wi-SUN HAN)」の認証を取得したと発表した。「Wi-SUN HAN」は、Wi-SUNアライアンスが策定したHAN(Home Area Network)向けの無線規格で、スマートコミュニティ構築に欠かせないHEMSコントローラやエアコン、照明などのHEMS機器に適しているとされる。従来の「Wi-SUN Echonet Profile」規格がBルートと呼ばれるスマートメーターとHEMSコントローラをつなぐ1対1の通信に対し、「Wi-SUN HAN」ではHEMSコントローラと各家電製品をつなぐ1対多の通信が可能となる。同社は今回、新たに「Wi-SUN HAN」に対応したソフトウェアを開発し、「Wi-SUN HAN」の認証ならびにCTBU(Certified Test Bed Unit)認証を取得した。今後は、同ソフトウェアの提供を開始し、2016年1月に汎用無線通信モジュールとして量産・販売を開始する予定だ。
2015年11月27日情報通信研究機構(NICT)のワイヤレスネットワーク研究所は11月24日、インド工科大学ボンベイ校(IITB)と共同で、ネットに接続するための無線通信インフラをホワイトスペース技術に基づくLTEシステムの構築実証実験で実証を行ったと発表した。インド国ムンバイ(旧ボンベイ)近郊のネット通信が困難な地域で、集落内の家庭においてWeb検索や子供の教育ビデオ視聴を行った。今回の実験は、NICTが平成24年度から平成26年度の間に総務省から受託した「複数周波数帯の動的利用による周波数有効利用技術の研究開発」の成果を利用したもの。ケーブルなどの通信インフラは、世界のあらゆる場所で十分に展開されておらず、高速なネット接続が利用可能な地域は限られている現状がある。これによって情報の格差が生じ、教育や雇用の機会が不平等になるなどのデジタルディバイド問題が深刻になっている地域があるという。特にインドでは、集落を単位として居住地域が分散して町が形成されており、敷設が高額な光ケーブルをすべての家庭に届けることは現実的ではない。こうした状況からNICTは、インド国内において既にホワイトスペース実証実験の準備を進めていたIITBと共同研究契約を締結し、ホワイトスペースを用いて、家庭にネット接続の提供が可能になる実証実験を準備してきた。今回の実験は、10月7日~15日まで、ムンバイから北に50km離れた郊外Palghar(パラー)の集落において、NICTが開発したホワイトスペース用LTEシステムを利用して実施。ネット接続用の有線ネットワークは集落中心部の電波塔にのみ敷設されており、この電波塔にLTEシステムの基地局とそのアンテナを設置して、集落内の民家からホワイトスペースを利用してこの基地局を介してネットに接続した。今回の実験で、電波塔から半径約5kmの範囲の集落において、1チャネルあるいは2チャネルを同時に使って、下り最大8.2Mbpsと16.5Mbpsを計測した。また、民家においてルーターを介してWi-Fiに切り替えて、市販のPCやスマートフォン、テレビからネットに接続して、Web検索や教育ビデオが視聴可能になったほか、Palgharの集落だけでなく、大都市ムンバイ市内においても、車による時速60kmでの移動通信に併せて成功している。インド国内で、通信効率が良いLTEシステムを用いてホワイトスペース通信の実証を行ったケースは初だという。世界には有線ネットワークの敷設費用などの理由から通信インフラが整備されない地域が多い中で、テレビ帯のホワイトスペースは、地形や障害物に対する電波の伝わり方の特性などから障害物等の影響を受けにくく、都市郊外の広域通信にも適しているため、デジタルディバイド(情報格差)問題の解消に向けての利用が期待されている。
2015年11月25日キーエンスはこのほど、FA(ファクトリーオートメーション)の通信とネットワークについて基礎から学べる情報サイト「接続.com」を公開した。 IoTに注目が集まっている昨今、製造業の現場では、生産性、品質向上を目指すため、ネットワークによる集中監視、データ収集のニーズが高まっている。しかし、FAの通信やネットワークは種類が多く、選定や設定など導入にノウハウが必要とされるため、検討が思うように進まない場合がある。「接続.com」はこうしたニーズに応えるべく開設されたウェブサイトで、通信やネットワークについて初心者でもわかるような解説が加えられている。また、代表的なネットワークの種類や具体的な接続例をわかりやすく解説しており、ラインの自動化、設備の設計などに関わる人にとって有益な内容がまとめられている。具体的な内容としては、「フィールドネットワークの基礎知識の解説」「27種類のフィールドネットワークの解説」「センサー機器などの具体的な接続例」などがあり、同サイトの内容をまとめたPDF資料も無料で提供されている。同社は、今後も、ネットワークの紹介や接続事例などを追加していく予定としている。
2015年11月11日ブラザー工業は9日、通信カラオケの技術を応用した発話訓練システム「スピーチマイスター」を発表した。通信カラオケ「JOYSOUND」の採点機能を応用した発話訓練システム。「音声解析技術」や「採点技術」、「モチベーション維持手法」などを応用しており、スピーチ(発話)が上達するトレーニングが可能となっている。スピーチ練習では、熟練者からの直接指導や、外部の講師に指導してもらうのが一般的だが、本システムでは手本となるスピーチと練習者のスピーチを比較して採点を実行。指導者がいなくても自分の成長度合いを確認しつつ、練習を重ねられる。練習時は、練習者の発話をリアルタイムでグラフ化。練習が終了してから数秒で得点を表示する。このグラフでは、抑揚、音量、速度、滑舌、間の取り方という5項目を、手本データと比較可能。修正すべきポイントを可視化、把握できる。手本データの作成にも対応し、熟練者のスピーチを録音して真似ることで、録音データを手本とした練習が行える。ソフトウェアはWindows 7対応の専用アプリケーション。手本データや練習の履歴はクラウドサーバー上に保管され、管理者はアカウントの付与や手本データの登録などが行える。
2015年11月09日三菱電機は10月19日、トルコの国営衛星通信会社 Turksatから2011年3月に受注した通信衛星「Turksat-4B」の打ち上げに成功したと発表した。同衛星はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から10月17日午前5時40分に打ち上げられ、同日午後2時53分にロケットからの分離に成功。今後、地表から約3万6000km上空の静止軌道まで自律で移動する。なお、Turksatへの引き渡しは静止軌道上での性能確認実験を終える12月以降を予定している。「Turksat-4B」は、同社製の標準衛星バス「DS2000」を使用した9機目の人工衛星。重量は約4.9トンで、設計寿命は15年以上とされている。今回の打ち上げにより、2014年2月に打ち上げた通信衛星「Turksat-4A」との2機体制が確立することとなる。DS2000を使用した人工衛星は現在全て順調に運用されており、2017年までにさらに7機の打ち上げが予定されている。
2015年10月19日共同通信社は10月13日、インティメート・マージャーと新たな広告メニューの開発で協力し、同日より新サービスの販売を開始したと発表した。同サービスは、共同通信社の運営する情報サイトにて、企業の製品やサービスを紹介するタイアップコンテンツを作成・掲載。その後、インティメート・マージャーが提供する約4億件のオーディエンスデータの中から、コンテンツを読んでもらいたいターゲットユーザーを性別や年令、年収、職業、趣味・嗜好、エリア、Web閲覧サイトなどの項目から選定し、同ターゲットにコンテンツを読んだ上でアンケートに回答するようメールで依頼する。同アンケートの結果やコンテンツのPV数などは、レポートとして提供される。共同通信社によると、新広告サービスは、同社のコンテンツ編集力とインティメート・マージャーの持つ膨大なオーディエンスデータを組み合わせ、広告コンテンツと読んでもらいたい読者のマッチングを最適化させた、新しい形のメディアタイアップになるという。
2015年10月14日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日情報通信研究機構(NICT)は9月28日、プロドローン及びサンエストレーディングと共同で、ドローンの飛行制御通信の安全性を強化する技術を開発したと発表した。ドローンの遠隔制御に使われる無線通信は、傍受や干渉、妨害の影響を受けやすく、通信の乗っ取りや情報漏えいなどが懸念されている。しかし、現状、標準的な暗号化すら行われていないケースが多く、ドローンの制御通信における情報セキュリティ対策は十分ではないという。NICTらは、真性乱数を共通の暗号鍵としてドローンと地上局間で安全に共有。制御通信をパケットごとに暗号化することで、制御の乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した。さらに、複数の暗号鍵をドローンに搭載し、対となる暗号鍵を複数の地上局に量子鍵配送ネットワークで配送することにより、複数の地上局間で安全に飛行制御を引き継ぎながら、ドローンを広域で飛行誘導するセキュア制御通信技術を開発した。実証実験についても成功している。同技術を利用した、乱数生成器を地上局に導入してユーザ・機器認証を経て暗号鍵をドローンに供給し、地上局間では手渡しで鍵配送を行う飛行誘導システムは、2年後の商品化を目指すという。
2015年09月30日ルネサス エレクトロニクスは9月29日、車載情報システム向けSoCプラットフォーム「R-Car」の新シリーズとして、車車間・路車間通信(V2X:Vehicle-to-Everything)向け車載無線通信SoC「R-Car W2R」を開発したと発表した。同製品は、欧州ならびに北米地域のITS向け通信規格であるIEEE 802.11pに準拠した5.9GHz帯域の車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)および路車間通信(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)向けSoCで、独自のRFシステム設計技術により、LSIから発生する信号ノイズとなる送信帯域外雑音を-65dBm以下に抑えることに成功。これにより、混線の少ない高品質な信号の送信がさまざまな道路状態において可能となり、例えば周波数が近い欧州版ETCへの干渉を最小限に抑え、共存が可能になるとする。また、独自のアナログ回路の小型化設計技術と、デジタル回路から発生する雑音がアナログ回路へ与える影響を高精度に解析できるアナログデジタル混載設計技術により、RFから物理層、データリンク層までの通信機能を10mm角の176ピン Plastic FPBGAに1チップ化している。さらに、既存のR-Carプラットフォーム「R-Car E2」と組み合わせたV2Xスタータキットも用意。パートナー各社の提供するソフトウェア群と組み合わせることにより、短期間での実証試験環境を構築することが可能だ。なお、同製品は10月1日よりサンプル価格は3000円(税別)でサンプル出荷を開始予定。量産は2016年12月より開始する予定で、2018年12月に月産5万個の出荷を計画している。
2015年09月29日情報通信研究機構(NICT)は9月28日、プロドローンおよびサンエストレーディングと共同で、ドローンの飛行制御通信の安全性を強化する技術を開発したと発表した。ドローンは、その特徴から、さまざまな産業分野での活用が期待されているが、無線により遠隔制御されるため、妨害の影響を受けやすく、通信の乗っ取りや情報漏えいなども懸念されている。そうしたこともあり、ドローンの活用は無線通信で制御できる範囲となる目視圏内が中心であり、広範な安全な飛行には、さまざまな課題が残されていた。今回、研究グループは、ドローンの制御における乗っ取りや情報漏えいを完全に防御することができるセキュアな制御通信技術を開発した。具体的には、2.4GHz帯を用いたシリアル通信の制御信号を、パケットごとに異なる真性乱数を用いて暗号化(ワンタイムパッド暗号化)することで、膨大な計算を必要とせずに、計算遅延のないセキュアな制御通信を低速処理な小型かつ安価なデバイスで実現したという。また、複数の暗号鍵(真性乱数)をドローンに搭載し、対となる暗号鍵(真性乱数)を、複数の地上局に何らかの手段で配送することで、複数の地上局間で安全に飛行制御を引き継ぎしながら、ドローンを広域でセキュアに飛行誘導することが可能だという。実際に、2つの飛行エリアA、B間で安全に制御通信を引き継ぐことが可能な第一世代システムの実証実験に成功したほか、NICTが管理運営する量子鍵配送(QKD)ネットワーク「東京QKDネットワーク」で配送された暗号鍵を2つの地上局に供給し、飛行制御を引き継ぐ第二世代システムも実証実験に成功したとしている。なお、研究グループでは、地上での暗号鍵の配送に信頼できる宅配サービスなどを利用し、通信を使わずに供給する第一世代システムを2年以内に商品化する予定としている、また、第二世代システムの研究開発を継続して行っていくとするほか、従来の電波による方式に加え、レーザー光を使った大容量かつ安全なデータ通信ネットワークを実現するための研究開発にも取り組んでいく予定としている。
2015年09月28日仮想移動体通信事業者(MVNO)の日本通信は9月3日、スマートフォンやタブレット向けのIDS(Intrusion Detection System、侵入検知システム)としては世界初となる「モバイルIDS」を提供すると発表した。都内で行われた記者向けの発表会の模様をお伝えする。同社の代表取締役会長である三田聖二氏は、日本は電波オークションを実施しなかったことで、モバイルインフラの面では世界のリーダーシップを取っていると評価。そこで日本通信では、そのモバイルインフラを使って何をするかという点に長年取り組んできたとのこと。MVNOの市場開拓を先導してきたイメージが強い同社だが、真の役割は「無線通信で情報を安心安全に届けること」にあると、三田氏は話している。これまで日本通信では、無線通信の専用線接続を提供するなど、無線部分のセキュリティに関しては力を入れて取り組んできた。だがそれを利用するデバイスに関しては、まだ取り組みが進んでいなかったとのこと。そこで同社が今回新たに打ち出したのが、企業向けとしては以前より導入が進んでいたIDSを、モバイルの分野にも導入することである。続いて代表取締役社長の福田 尚久氏は、モバイルIDSを実現するに至った経緯を語った。日本通信は2001年、DDIポケット(現在はソフトバンク)のPHS回線を用いたMVNOとして事業を展開し、翌2002年にはM2M(機械間通信)用のデータ通信サービスを提供している。だが、M2Mのサービスを提供してから半年程経過した頃、そのPHS回線がDos攻撃やDDoS攻撃に遭うようになったとのこと。M2M用の機械に重要なデータがある訳ではないが、回線が細いため攻撃を受けることで通信自体が利用できなくなるなどの問題が発生したのだそうだ。そうした経験から日本通信では、無線通信のセキュリティを担保するための取り組みを積極化。通信の部分に関しては、無線専用線の実現によってその問題を解決したが、セキュリティを高めるにはデバイス側の対応も必要になる。そこでモバイルに適したセキュリティ技術を持つ会社を探し、2006年に米国のArxceo社を買収。同社の技術を基に10年間研究を進め、完成したのがモバイルIDSになるそうだ。企業のネットワークと、モバイルのネットワークとの大きな違いは利用のされ方にあると、福田氏は話す。企業ではP2Pや動画の視聴を制限するなど、ポリシーを作ることで均質的な運用がしやすい。だが、モバイルは使われ方が企業や個人によって異なり、多様性があることから特定の機能を一律に制限することは難しい。そうしたモバイルの多様性を保ちながら、IDSの導入を実現するにはどうすべきか、研究を進めた結果、たどり着いたのが「Situation Awareness」、つまり現状を認識することであったと、福田氏は説明している。例えば、町の中で火災が1件起きた場合、それは“火事”と認識される。だが同じ所で数か所の火災が発生した場合、放火の可能性などが疑われる。1つの事象として捉えるか、コミュニティ全体の動向として捉えるかによって認識が変化することから、個別の事象とコミュニティ全体の動向を組み合わせて現状認識することにより、多様な使われ方がなされるモバイルでの検出精度を高めているのだそうだ。今回提供されるモバイルIDSでは、アクセスの状況によって3段階の警告レベルに分類し、検知レポートを出力するとのこと。具体的には、プロトコルのアクセス異常などを知らせる「Warning」、悪意のあるアクセスだが、偵察のみで攻撃はしていない「Severe」、そして悪意ある攻撃を実施する「Attacks」になる。現在モバイルIDSは、法人などの協力を得て3500台が試験運用されているとのことだが、それらの8月31日午前9時から24時間の結果を見ると、モバイル回線で16万件以上、Wi-Fiでは923万件を超えるWarningが発生していたとのこと。モバイル向けに、非常に多くの攻撃がなされていることが分かる。ちなみにモバイルIDSは、端末側に搭載されるクライアント・エンジンと、サーバー側に搭載されるエンジンの2つから成り立っている。だがスマートフォンの場合、OSが制御するデバイスドライバーの段階で通信を把握する必用があるため、アプリケーションレベルで提供するのは難しいという。そのためモバイルIDSは、同社が提供している「VAIO Phone」のファームウェアに組み込む形での提供になるとのこと。もっともモバイルIDSが備えているのは、あくまで侵入を検知する機能のみであることから、不正侵入を防御する企業向けのトータルソリューションも9月18日より提供開始するほか、第3四半期を目途に、防御機能も備えた「モバイルIDPS for VAIO Phone」を提供するとしている。福田氏は今回の発表において、日本通信がメーカーとなってVAIO Phoneを提供したのは「アプリとしては提供でないモバイルIDSを実現するため」と明かしている。Android向けにクライアントエンジンを導入するには、グーグルの認証を獲得し、ファームウェアに特設組み込む必要があった。そこであえて日本通信自身がメーカーとなり、法人からも安心が得やすい日本メーカーであるVAIOのブランドライセンスを受ける形で、VAIO Phoneを提供するに至ったのだそうだ。ちなみにモバイルIDSはスマートフォンだけでなく、Wi-Fiルーターなどにも高いニーズがあるそうで、日本通信では今後スマートフォン以外のハードに対する取り組みも進めていくとのこと。だが、必ずしも自社でスマートフォン開発していくとは限らず、今後は他のメーカーにモバイルIDSをライセンス提供することを主体とし、モバイルIDSの普及を進めていきたいとしている。なおコンシューマー向けに関しては、法人向けより多様な行動をするため一層のデータ分析が必要になるとのこと。そこで日本通信では、既にVAIO Phoneを持っているユーザー、そして9月3日以降に新規契約した20000台のVAIO Phoneユーザーに対してモバイルIDPSを無償提供する「コミュニティ開発プログラム」を提供。そこから得た情報を基にデータ解析を進めていくことで、精度を高めていく考えのようだ。最後に福田氏は、「自分のひ孫くらいの頃には、セキュリティの問題によってインターネット自体が過去の物になってしまうリスクが出てきている」と、インターネットのセキュリティ問題に警鐘を鳴らす。そうした歴史が実現してしまわないよう、日本通信ではモバイルIDSをさまざまなメーカーにライセンスしたり、MVNOに無償でライセンスするなどして、広く利用しセキュリティ対策を進めていきたいとしている。
2015年09月04日アットマークテクノは7月29日、次世代無線通信規格「Wi-SUN」でスマートメーターと通信可能なHEMS(一般家庭向けのエネルギー管理システム)機器向けプラットフォーム「Armadillo-Box WS1(アルマジロボックス ダブリュエスワン)」を発表した。「開発セット」と「量産品」の2種類を提供し、開発セットの価格は3万円(税別)、発売は8月5日。2016年に実施予定の電力自由化を控え、新しいHEMS機器やサービスの実現に向けて、多くの企業が動き出している。特に、従来の電力会社を介さずスマートメーターから直接データを取得するルートである「Bルート」は、電力会社の制約を受けずリアルタイムにデータを取得可能であり、新しいサービスでの利用が期待されているという。新製品は、USB・LAN・Wi-SUNの各モジュールを搭載する省電力のボックス型組み込みコンピュータ。ユーザーが開発したアプリケーションを書き込むと、HEMS機器を実現できる。同社は、HEMSによる新サービスを検討している新電力会社やインターネット・プロバイダ、SIベンダーなどを主なターゲットとして、Bルートに対応したHEMS機器のプラットフォームとしての利用を想定している。同製品は、Wi-SUNでスマートメーターと通信可能であり、また小型サイズのため、場所を選ばず手軽に設置できることが特長。配電盤にCTセンサーを接続する従来型とは異なるスマートメーターとの連携型のため、開発や設置にかかる費用の大幅削減も期待できるという。OSとしてLinuxを採用し、カーネルやデバイス・ドライバなどの基本ソフトウェアはオープン・ソースで提供。また、試作から量産製造まで対応可能なOracle Javaライセンス(JREライセンス)を標準バンドルするため、自由なアプリケーション開発が可能としている。例えば、使用電力量が異常に増えた際に警告メールを送信する機能などの実装が可能で、さらに、クラウド・アプリケーションを開発して連携することで、遠隔からスマートフォン経由で見守り・監視を行うサービスなど各種用途にも応用できる。なお同製品は、ユビキタスが提供するプロトコル・スタックである「Ubiquitous ECHONET Lite」に対応、Wi-SUN Profile for ECHONET Lite(TTC JJ-300.10 A方式)準拠の各社製スマートメーターとの接続が可能。ユビキタスが提供するSDKで開発すると、Armadillo-Box WS1と各社のスマートメーターとの間に加えて、家電や太陽光発電システムなどのECHONET Lite対応機器の間の通信も実現するとしている。なお、Armadillo-Box WS1開発セットの購入者には、同製品で動作するUbiquitous ECHONET Liteのサンプル・アプリケーションをユビキタスから無償提供する。量産向けの「Armadillo-Box WS1量産品」は2015年10月に発売予定であり、100台単価で2万円以下の販売価格を想定している。
2015年07月30日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日Nearbyは、Bluetooth、Wi-Fi、それにデバイス側のスピーカーとマイクを利用した不可聴音を組み合わせ、近接通信を確立する。Proximity APIとNearby Messagesで構成され、iOSとAndroidの両モバイル端末で、近くにいる人とのやりとりが容易に実現するという。最新の「Google Play services 7.8」にはNearby Message APIが含まれており、iOSとAndroid開発者はこれを利用してアプリを開発できるとしている。AndroidはGingerbread(Android 2.3)以上に対応する。Nearbyの利用にGoogle Accountは不要で、最初の呼び出し時に許可を求めるダイアログが表示されるとのことだ。Nearbyの事例として、音楽DJアプリ「Edijing」はDJが近くにいる人にトラックリストを配信できる機能を、タスク管理の「Trello」は近くにいる人と簡単にタスクを共有できる機能を、そしてポッドキャスト「Pocket Casts」は近くにいる人とポッドキャスト情報を共有できる機能を開発しているという。Googleはすでに「Chromecast」のGuest Mode、「Google Play Games」のNearby Players機能、「Google Tone」などの製品にNearby技術を組み込んでいるという。Googleは同日、Nearbyの土台となる独自開発のBluetooth Low Energy(BLE)ビーコン仕様「Eddystone」も発表している。米AppleのiBeacon対抗とも位置付けられており、Googleはこれをオープンソースとして公開、普及を広めていく狙いだ。
2015年07月15日東芝は6月18日、盗聴が理論上不可能な量子暗号通信システムにより、ゲノム解析データの通信を行う実証試験を8月31日から開始すると発表した。実データを用いた量子暗号通信システムの実証試験は、国内初となる。量子暗号通信は、光子の量子力学的な性質を利用する通信手段。通常の光通信では、大量の光子を使い1ビットのデータを送信しているため、いくつかの光子を盗まれても、盗聴に気づくことができない。量子暗号通信では、光子1個に1ビットのデータを載せて送るため、盗聴があると光子の状態が変化し、確実に盗聴を検知することが可能となる。盗聴されていないことが保証された暗号鍵を、次々に更新しながら暗号化することにより、通信データの盗聴は理論上不可能とされている。実証実験では、東芝ライフサイエンス解析センターにおいて、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」で解析したゲノム解析データを、量子暗号通信システムにより暗号化し、7km先の東北大学 東北メディカル・メガバンク機構まで送信する。実証期間は、2017年8月までの2年間で、長期間の運用における通信速度の安定性や天候、温度や光ファイバーの状態など環境条件の影響度などを検証する。
2015年06月18日STMicroelectronicsは、ソフトウェアを含むBluetooth Low Energy(BLE)対応無線通信ICを使用した音声送信ソリューションを開発したと発表した。同ソリューションで提供される新たなBlueVoiceソフトウェアには、 同社の32ビットマイコンである「STM32」や低消費電力ネットワークプロセッサ「BlueNRG」、MEMSマイクロフォンを活用したシステムにおいて、 BLEによる音声伝送に必要なドライバとライブラリがすべて用意されており、スタック可能な開発ボードと組み合わせることで、プロトタイプを簡単に制作することができるという。また、BlueVoiceを搭載したこの開発プラットフォームは、 MEMSマイクとモーション・センサを使用した音声・ジェスチャ制御機能の実装に最適化されており、 より直感的で自然なユーザー・インタフェースを実現することができるとする。さらに、STM32CubeプラットフォームをベースとしたosxBlueVoiceミドルウェアおよび「BlueVoiceLink Software Development Kit(SDK)」は、同社のMEMSデジタルマイクを用いた開発をサポートするopen.AUDIOライセンス・プログラムに含まれているほか、評価・開発用のBlueVoiceLink SDKは、同社Webサイトより無償ダウンロードが可能で、配布パッケージに含まれるライセンス・ウィザード・ツールを使用することで、 簡単にアクティベーションすることができるという。
2015年06月12日ADLINK Technologyは6月9日、極端な環境と屋外通信/ネットワーク・アプリケーション向けに設計された高性能モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)プラットフォーム「ETOS-1000」を発表した。同プラットフォームは、デュアルIntel Xeon E5-2400 v2ファミリプロセッサを採用しているため、通信機器メーカー(TEM)やアプリケーション・プロバイダはネットワークのエッジでデータ・センター・クラスのパフォーマンスを実現することが可能となる。また、データは携帯電話加入者に隣接するラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)環境のエッジで処理されるため、バックホール費用の削減ならびにインフラ効率の改善も可能になるという。さらに、340mm×440mm×44mmのサイズ(重量10kg)で、耐衝撃・振動性、-40℃~+55℃の動作時温度、IP65の防水・防塵規格などを備えており、屋外などの極端な環境にも対応することが可能だという。なおI/Oとしては、10/100/1000BASE-T×2、10G SFP+×2、オンボードブータブルSATAフラッシュ(32GB。オプションで256GBまで拡張可能)、2.5インチドライブベイ×2、USB 2.0×2、COMポート×1となっている。
2015年06月09日KDDI研究所は、60GHz帯とLTEが協調動作して、データ転送する新しい通信方式を開発した。同通信方式では、LTEの通信量を最大約90%削減でき、快適なネットワークを利用できるという。これまで60GHz帯の電波は、1Gps以上の広帯域の伝送路を提供できる一方、遠くまで電波が届きにくい性質を持っているため、移動通信サービスでの利用が難しいとされてきた。解決策として、LTEのような広域通信により補完する方法も考えられるが、現在インターネット接続に広く用いられているTCP/IP通信においては、通信を始める前の処理に時間がかかるため、高周波帯通信とLTEの切り替えに多くの時間を要し、継続的な通信ができないという課題があった。同研究所が新たに開発した通信方式では、LTEエリアであらかじめユーザーが到達するであろう60GHz帯を予測し、必要なコンテンツに先回りすることで、ユーザーが60GHz帯に入るとすぐにコンテンツのダウンロードを開始できる。必要なコンテンツの取得には、新しいネットワークアーキテクチャ技術として研究が進められている「CCN」技術を使用。同技術では、ネットワークが現在転送しているコンテンツを知ることができるほか、サーバーとの接続やネットワーク間での切り替えが不要であるため、60GHz帯とLTEとで最適なデータ転送を結合し、継続的な通信が可能となる。同研究所では、こうした新しい通信方式をLinux OSとAndroid OS上に実装し、動作させることに成功。実機を用いた実証実験では、LTEのみを使った場合と比較して、ダウンロード時間が5分の1以下にまで短縮したほか、LTEの通信量を最大90%削減することもできたという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月25日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日「今日は、これから飲みに行ってきます」 「ジム行ってきた」 男性からそんな連絡が来た経験はありませんか?実はそれ、“俺通信”なんです。何の変哲もない(どうでもいい)日常をつづったメッセージなので、「どう返信したらいいのかわからない」という人も多いでしょう。 ですが、今回、大人のカップル専用アプリ『Pairy』を運営するTimersがおこなった「俺通信男子に関する意識調査」で、“俺通信”が恋人間にもたらす効果について聞いたところ、意外な結果に!なんと1位「連絡頻度が上がる」、2位「コミュニケーションの一環になる」となり、恋人からの“俺通信”は、カップルの絆を深めるツールの1つになっているのです。 また「彼氏から“俺通信”が届いた時にどう思いますか?」と質問したところ、「いろいろ報告してくれてうれしい」「報告してくることが可愛い」と考えている女性が多いことも判明!彼からの“俺通信”を楽しみにしている人が多く、カップルにとっては欠かせないものになりつつありそうです。 カップルの破局原因として多いのが、コミュニケーション不足。お互いの会話を増やすのに役立ちそうな“俺通信”に上手く返信して、彼との交際を長続きさせてくださいね。
2015年05月10日彼氏でもなければ、たいして仲が良いわけでもない男友達から届く「俺通信」。中身のない日常報告や自分語りのメッセージに「知らんがな」と既読スルーやブロックをしたことのある女子も多いのでは。どうでもいい男からの「ひとりよがりな俺通信」は、女性にとってもはや迷惑メールレベル。一方、恋人からの「俺通信」であれば、共感ができるという女性は意外にも多いようです。■俺通信男子が女性に好評なワケカップル専用アプリ「Pairy」の運営会社Timersが実施した「2015年スマホにおける俺通信男子に関する意識調査」によれば、恋人のいる女性の51.6%が「彼氏からの俺通信を受け取ったことがある」と回答しました。男性の2人に1人が送る「俺通信」に対して女性側の反応は、「共感できる」(31.1%)、「共感はしないものの気持ちは理解できる」(33.3%)をあわせると、全体の64.4%が恋人の俺通信を受け入れていることが明らかになりました。アンケートでは、俺通信が恋人間にもたらす効果についても質問したところ、「連絡の頻度があがる」(45.8%)、「コミュニケーションの一環になる」(41.5%)、「互いをより深く知るきっかけになる」(35.2%)、「些細なことも報告できる信頼感を生む」(32%)など、プラスの効果があるとする声が目立ちました。恋人への俺通信は、「マメな男」として女性からの高評価を獲得しやすいようです。■好意的な「俺通信」の送り方とは?また、「彼氏から『俺通信』が届いた時にどう思うか」という質問に対しては、「いろいろ報告してくれてうれしい」(55.5%)、「報告してくることが可愛い」(52.8%)、「頻繁に連絡が取れていい」(39.8%)、「浮気の心配がなくて安心」(22.4%)など、好意的な意見が多数。一方で、「嫌な気持ちはしないけど、すこしめんどくさい」(18.1%)、「知らんがなと思う」(4.7%)、「うっとうしい」(2.8%)など、なかなか手厳しい意見も一部見られました。恋人同士であれば、「いつでもつながっていたい」と思うもの。「俺通信」は男性だけでなく、女性側からも送るシーンはあるはずですよね。そんなとき、「めんどくさい」と思われないために、どんなポイントに気をつければ良いのでしょうか。前向きな気持ちになる内容・微妙な俺通信:「おはよう!また寝坊したww」・モテ俺通信:「おはよう~!電車の広告を見てて、週末は●●ちゃんと一緒にディズニーに行きたいなぁと思った^^」相手が反応しそうなキーワード・微妙な俺通信:「今日のお昼もラーメン次郎」・モテ俺通信:「カフェなう。●●ちゃんが好きそうなパンケーキ発見!」笑えるネタ・微妙な俺通信:「美容院行ったよ(自撮り写メ)」・モテ俺通信:「女装してみたwなど、インパクトのある画像」そのときに見たものや思ったことをメルマガのように送る「俺通信」には、自己完結している内容が多く、受け手は反応に困ることがあるようです。そんな俺通信を恋人とのコミュニケーションのきっかけにするポイントは、相手が興味のありそうなものや笑いのネタになりそうなものを交えること。どうしても心のつぶやきを恋人に共有したいときは、「以下、どうでもいい内容なので返信不要です」と一言断ってから、送るのもいいかもしれませんね。
2015年04月24日MMD研究所は、「2015年4月格安スマホ通信速度調査」を実施し、4月23日にその結果を発表した。同調査によると、格安スマホは昼になると通信速度が低下し、携帯キャリアの回線とダウンロードスピードに差がでることがわかった。同調査では、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど国内主要キャリアとMVNO(仮想移動体通信事業者)企業のサービスが提供する格安スマホ(計10社)を比較。2015年4月9日、10日、13日~15日の平日5日間に東京・恵比寿のMMD研究所事務所内において、10時~11時、12時~13時、17時~18時の3つの時間帯で計測し、通信速度に違いがでるか調べた。なお、通信速度は「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを利用して計測。平日5日間、朝・昼・夕の時間帯で各5回計測し、最大・最少の値を除く3回の平均値を記録した。調査の結果は次の通り。まず午前の10時~11時の時間帯において、携帯キャリアの通信速度はドコモが18.0Mbps、auが24.1Mbps、ソフトバンクが30.0Mbpsだった。一方でドコモ回線を利用したMVNOではIIJmioが11.7Mbpsで最も速く、au回線のMVNOではmineo、UQmobileが共に10.0Mbpsだった。回線提供元の通信キャリアと格安スマホのダウンロードスピードを比較すると、IIJmioとドコモの通信速度差が最も少なく6.3Mbps。次いでb-mobileが7.8Mbpsだった。トラフィックが集中すると言われている昼の時間帯、12時~13時では、両者のダウンロード平均スピードに差が出た。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア平均が27.6Mbpsだったのに対し、MVNO 10社の平均は1.8Mbpsだった。UQ mobileとb-mobileを除いては1Mbpsを切るまでに速度が低下し、格安スマホにおいて朝、昼、夕でダウンロード平均スピードに差がでる結果となった。一方、通信キャリアは、朝、昼、夕でのダウンロード平均スピードに大きな差は見られなかった。夕方の時間帯、17時~18時は、MVNOによってダウンロード平均スピードに差が出た。最も速かった楽天モバイルおよびUQ mobileは10.3Mbpsで、最も遅かったぷららモバイルLTEの0.5Mbpsと比較すると、9.8Mbpsの差となった。一方で、アップロードスピードについては、MVNOと携帯キャリアに大きな差はなかった。
2015年04月23日KDDI研究所や三菱電機、情報通信研究機構、慶應義塾大学、富士通、イクシアコミュニケーションズ、東陽テクニカの7者は4月20日、通信技術や管理手法など、アーキテクチャの異なる複数のネットワークドメインからなる全国規模の光トランスポートネットワークを構築し、SDN(Software Defined Networking)技術を用いて、これらネットワークドメインをまたがるシームレスな通信フローを動的に生成する相互接続実験に成功したと発表した。この技術では、ネットワークサービスとクラウド上の様々なサービスを融合した、世界規模の統合ネットワークサービス構築への応用が期待されている。全国に構築した異なるテクノロジのトランスポートネットワークを、新世代通信網テストベット「JGN-X」などを用いて接続した大規模トランスポートネットワークを構築。各ネットワークドメインに配備したSDNコントローラが連携制御することで、複数のトランスポートネットワークドメインをまたがる通信フローを設定する相互接続実験に成功した。この実験の内容は、4月20日~22日に那覇市で開催される国際会議11th International Conference on IP + Optical Network(iPOP2015)において、相互デモンストレーションとして公開する予定だ。この公開実験では、関東3拠点(小金井、武蔵野、大手町)と沖縄1拠点(iPOP2015会場)に構築したトランスポートネットワークドメインと、国内広域に展開されているRISEテストベッドのネットワークドメイン(RISE沖縄、RISE関東)、さらに、インターネット経由で米国拠点(ISOCORE※7)の計7拠点を接続したトランスポートネットワークを用意。iPOP2015会場に設置したSDN/OpenFlowベースの制御装置から遠隔制御することで、関東の各拠点とiPOP2015会場を接続する複数の通信フローを設定できることをデモンストレーションする。
2015年04月20日