夏休みといえば、海にプール、花火、旅行に帰省、そして…子どもたちにとってはたっぷりの宿題。なかでも、つい後回しになりがちなのが、「自由研究」ではないでしょうか。わが家でも「今年は何しよう?」の初期段階でブレーキがかかり、夏休みも終盤になってあわてて着手する…という家族マンガあるあるのようなシーンを毎年くり広げていました。そんななかでもおぼろげながら見えてきた、わが家流「自由研究をやっつけっぽくみせない」ポイントをお伝えしたいと思います。■脱・「やっつけ自由研究」の2つのポイントわが家の自由研究との格闘(?)歴は、上の子のときから数えて今年で10年目に突入!ローテンション&スロースターターなふたりの子、そして年々尽きてくるネタ。夏が来るたび「今年の自由研究はどうするんだろう…」とやきもきが止まりませんでした。私の理想は、「子どもが自力で自由研究を仕上げる」こと。さらに欲をいえば、やっつけ感が透けて見えるよりは、「楽しく取り組みました!」が感じられるもの。こんな思いを抱えながら、子どもたちの自由研究につきあってきました。<わが家の自由研究おさえポイント>・その子らしいテーマ・まとめかたに工夫が感じられるこの2つをおさえれば、「宿題だからしぶしぶやりました…」的な印象が薄まり、それなりのでき栄えになるんじゃないか! と気づきました。実際、この2つをポイントをおいたら、子ども自身がわりと楽しみながら進められるようにもなり、親子そろって自由研究プレッシャーから解放! …は言い過ぎですが、それでもちょっぴりラクにはなりました。では、具体的にどうしているのかをお伝えしていきます。■「なんでだろうリスト」大活躍! わが家流テーマの探しかたわが家の場合、最初の高い壁が「テーマ決め」です。実験でも観察でも工作でも調べ学習でも、「自由にやってくださいね」とふわっとした課題なだけに、子どもが「なにしよっかな~」と迷っている間に時がたちます。そこで私は、日々の何気ない会話で子どもが口にした疑問や気づきを、スマホにメモするようにしました。たとえば、こんな具合です。<なんでだろうリスト>・ゾウをさいしょに「ゾウ」って呼び始めたひとはだれなのか・なんでも乾燥させればお茶になるの?・へびは寒いところにも住んでいる?・「無色透明」って、無色も透明も同じ意味なのになんで重ねるの?・こちょこちょされると、くすぐったいのはなぜ?・納豆ってもともと腐っているなら、賞味期限なくてもいいんじゃないの?・毒キノコはなんでカラフルなの? キノコ自身に意思があるの?このリストのなかから子どもがやりたいことを選ぶようにしはじめたら、最初の「テーマ決め」はクリアに。ある年は、リストから「なんでも乾燥させたらお茶になるの?」を取り上げ、家にあるいろんな食材でお茶をつくる実験をしました。衝撃的な味のお茶が量産されて「まずい!」連呼の実験でしたが、それでも楽しそうに取り組んでいました。■コレをするだけで、「ちょっと工夫した感」がプラスできる!実験などの中身さえできれば、あとはまとめて仕上げるだけなのですが、ここもいざとなると作業が進まない難所。これまでの子どもの様子を観察してくると「苦手なこと」が見えてきて、それを克服する方法を編み出していきました。<子どもの苦手を克服するまとめ方>x子どもの様子から、「文字をいっぱい書く」ことが苦手↓○イラストや写真、図解などをメインにして、文字は少なめでまとめることを提案○子どもが「読みやすい、面白い」と思えるページ構成を考える このとき参考にするのが、雑誌や図鑑の構成参考にする本のページ構成に自由研究の内容をあてはめる方式にしたら、スムーズに進められるように。これまでにやってみたまとめかたは、「解体新書風」「プロフィール帳風」など。これらは好きなマンガの作者のおまけページから着想を得ていました。先に例に挙げた「お茶の実験」は、まとめる用紙自体をお茶にちなんできゅうす型にカットしました。味、色、におい、飲んだ感想だけのごく簡潔な内容ですが、「紙をきゅうす型に切ったこと」で、本人の満足度は上がったようでした。まとめかたの工夫で視覚的にメリハリがつくと、それだけで「ちょっと工夫してみた感」と「子どもが楽しく取り組んだ感」がかもし出せる…ような気がしています。今回ご紹介したのはあくまでわが家のケースで、きっと親の手を借りず全部自分でできるお子さんもいらっしゃると思います(うらやましい!)。それでも、「今年の自由研究どうしよう?」と考えているみなさんにとって、少しでもヒントとなる部分があればうれしいです。■どうしてもテーマが決まらないときのお助けアイテムどうしてもテーマが決まらない、初めての自由研究でどうすればいいのかわからない。そんな子どもからテーマを引き出す時間がない場合には、WEBサイトが展開している子ども向けのコンテンツをのぞいてみると、ヒントが得られるかもしれません。<自由研究参考サイト>【イベント】・ 「夏休み2017 宿題★自由研究大作戦」 小学生と保護者のためのイベント東京会場 2017年7月21日(金)~23日(日)仙台会場 2017年7月28日(金)・29日(土)大阪会場 2017年8月3日(木)・4日(金)【自由研究特集サイト一覧】・キッザニア東京: 「わくわく自由研究」 ・ベネッセ 「夏休みの自由研究カンタン解決策特集」 ・学研キッズネット: 「夏休み自由研究プロジェクト2017」 ・パナソニック: 「パナソニックキッズスクール」 ・ヤマハ: 「楽器解体全書」 ・カシオ: 「電卓アドベンチャーアイランド」
2017年07月07日いよいよスタートした「ガス自由化」。2016年4月に先陣を切った「電力自由化」に続き、光熱費の削減が狙えるかも…と期待されています。でも、実際にガス会社を乗り換えた声ってまだほとんど聞かないですよね。本当にイイコトあるの? どうやって乗り換えたらいいの? と疑問はたくさん。そこでここでは、ガス自由化で損しないための知っトク情報をご紹介します。いよいよガス自由化の開始! 2017年4月に始まった「ガス小売全面自由化」により、ガス会社を比較して選べる時代がやってきました。これまでは、住んでいる地域ごとにガス会社が決まっていたため、考える余地なく契約をしてガスを使っていましたよね。ちなみに、都市ガス会社は全国でおよそ200社以上。なかでも大手である東京ガス・東邦ガス・大阪ガス・西部ガスの4社が、多くの地域で独占供給していました。しかし自由化となったいま、「地域に1社」と決まっていた制度が廃止され、新たなガス会社が続々と参入。ユーザーは、そのなかから自由にガス会社を選べるようになったのです。新規参入企業の例としては、東京電力や関西電力などの大手電力会社が挙げられるほか、今後は石油会社や携帯電話会社など異業種からの参入が期待されています。ガス自由化のメリット&デメリット注目と期待を集めるガス自由化。実際、私たちにどんなイイコトがあるのでしょうか。そして逆に悪い影響は? ガス自由化によるメリット・デメリットを見ていきましょう。■ガス自由化のメリット(1)ガス料金の値下げガス自由化で最も期待できるのが、ガス料金の値下げ。これまでは、ガス会社の利益が確保されることを前提に料金が決められていました。しかし、自由化後はこの制度が廃止されるため、ガス会社は本気でコスト削減を目指し、需要と供給のバランスのなかで料金を設定するようになります。また、ガス会社はできるだけ多くの契約を得ようと、他社との差別化のために価格競争を行うことが予想されます。これら2つの理由から、ガス料金の大幅な値下げが見込まれるというわけです。(2)サービスの向上ガス会社同士による競争の土俵は、価格だけではありません。サービス面においても各社それぞれオリジナルの武器を用意するなど、ユーザーにとって魅力的なサービスがどんどん生まれてくるでしょう。(3)都市ガスの普及意外にも、都市ガスの普及率は全国のおよそ50%。ガス導管が自宅まで届いていない世帯では、プロパンガスを使用しているのが現状です。プロパンガスは都市ガスに比べて価格が高いうえ、ガスボンベの交換や定期的な点検などの手間がかかります。それが自由化によってガス導管の整備が始まり、都市ガスを利用できるエリアの拡大が期待されます。いままで仕方なくプロパンガスを使っていた世帯にとって、大変大きなメリットと言えるでしょう。■ガス自由化のデメリット(1)ガス料金が不安定になる可能性先ほど「ガス料金の値下げ」がメリットとお伝えしましたが、実は逆に「値上がり」してしまう可能性も。その理由は、ガスの約97%を輸入している実情が大きく関係しています。これまでは国がガス会社の利益を保証してきたため、原料高騰や世界情勢によってガス料金が急激に値上げされることはありませんでした。しかしこれからは、ガス料金がそうした状況の変化を受けてしまうという可能性も出てきます。(2)複雑な料金体系への混乱電力自由化のときには大手通信会社が電力事業に参入し、電力と携帯電話との「セット割」が話題となりました。ガス自由化でも、このようなセット割が増えることが予想されます。プラン数の多さに、ユーザーは「結局どれを選んだらいいの?」と悩んでしまうかもしれません。どう選ぶ? ガス会社の見極めポイントガスを自由に選べるようになったことで、今後は損をするのも得をするのも自分次第。となると、ガス会社は慎重に選びたいですよね。そこで、ガス会社を賢く選ぶポイントをご紹介します。■料金最も注目したいのが料金プラン。現在契約しているガス会社のプランを基準として、新ガス会社の料金プランと比較してみましょう。このとき気をつけたいのが、現在のプランに割引が適用されているかどうかです。もしも何らかの割引が適用されている場合は、乗り換えると損になることもあるため注意しましょう。■割引対象になるガス設備の充実度ガス会社によっては、使っているガス設備によって割引が受けられる場合があります。ガス設備の代表例としては、「エコジョーズ」や「エネファーム」、「ガス温水床暖房」、「ガス温水浴室暖房乾燥機」など。なるべくおトクに利用するなら、自分が使っているガス設備が割引対象になっているかを確認することがポイントです。住んでいる地域に新ガス会社がないケースも…早速ガス会社を乗り換えたい! そう思っても、実質「選べない」地域もあります。じつは、新ガス会社の多くが、東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、西部ガスといった大手4社の供給エリアにのみ参入。つまり、上記の4社のエリア外では、いまのところ乗り換えの選択肢がない、ということになります。■乗り換えは慌てずにガス自由化は、スタートダッシュを切ったばかり。今後どんどん新規参入企業が増え、おトクなプランが続々と登場するでしょう。大切なのは、自由化によるメリットだけでなく、デメリットもしっかり認識すること。そのうえで、自分に合ったプランを見極めることです。乗り換えは慌てずに、じっくり検討しましょう。【参照サイト】 ガス小売全面自由化|消費者庁 新ガス会社の比較|都市ガス自由化比較サイト 天然ガスはどこから運ばれてくるの|東京ガス
2017年05月15日「ガスの小売りが自由化されたと言ってもピンとこない人も多いと思います。私どもも『自由化で何が変わるの?』という声をよく聞いています。ガスの自由化とは、一言でいうと各家庭で使っているガスの会社を自由に選べるようになることです。契約先や料金プランをうまく選べば、一般的な家庭でも年1~2万円程度、節約することが可能になります」 こう話すのは、光熱費の比較サイトを運営する「エネチェンジ」副社長の巻口守男さん。’16年4月の電力自由化に続き、4月1日から都市ガス自由化がスタートした。一口にガスと言っても、一般家庭で使うガスには「都市ガス」と、「プロパンガス(LPガス)」、そして70戸以上の団地などの敷地に置くガス発生設備から供給する「簡易ガス」の3種類がある。 今回のガス自由化で対象になるのは、都市ガスを使っている家庭だ。都市ガスは、輸入した原料のLNG(液化天然ガス)を陸揚げ後に、気化、臭化などの工程を経て、導管を通して各家庭に供給される。これまでは導管の管理から各家庭にガスを供給するまで一連の業務を、東京ガス、大阪ガス、西部ガスなど、それぞれの地域の都市ガス会社が担ってきた。 「しかし自由化後は、ガス管の管理運営は都市ガス会社の導管部門が引き続き行いますが、ガス販売について新たな会社が参画できるようになります」(巻口さん・以下同) 3月末日現在、家庭用ガスの供給に参入表明している会社が、全国でも13社と少ないのは、販売するためのハードルが高いためだという。1つは、輸入した原料のLNGを陸揚げした後に貯蔵するための設備が必要なこと。当面は、既存の大手都市ガス会社の設備を借りて、急場をしのぐ会社もあるという。 「東京電力や関西電力などの大手電力会社が参入しますが、それらの会社がなぜガスを販売できるのかというと、火力発電をするためのLNGを輸入しているからです。その輸入量は大手ガス会社をも上回るといわれており、それを都市ガスに転用するのです。特に関西電力は自前の燃料調整設備も持っているため、ガスの販売に積極的に取り組んでいます。いっぽう東京電力は燃料調整設備の建設を検討中で、完成するまでは東京ガスの施設を借りるそうです」 ハードルのもう1つは、緊急時にかけつける保安員を確保しなければならないこと。都市ガス会社の営業所は、ガス漏れがあったときなどに備え、30分以内に現場にかけつけられるように各地に展開している。新規参入する場合も、地域ごとに営業所を構えなければならず、プロパンガス販売店と提携することにした会社もあるという。 電力自由化では通信会社や自然エネルギーを発電する会社など約380社が参入したが、それに比べて参入社が極端に少ないのは、ガス特有の事情があるためなのだ。現時点では価格競争も、ほぼ既存の都市ガス会社と大手電力会社との一騎打ち状態にある。そのため選択できるプランも多くはないが、巻口さんは次のように語る。 「2社を比較するだけなので、かえってわかりやすくなりました。電力自由化の際、『電気・ガスのセット割』を設定した会社もたくさんありましたが、電気代だけが値引きされて、ガス代は値引きされませんでした。しかし今回のガス自由化によりガス代も安くなります。セット割にすれば、かなり割引率も高くなるのです」 はたしてあなたの住んでいる地域で、電力会社とガス会社の“セット割”を選択すると、どれだけ光熱費を削減できるのか?検討してみてはいかが。
2017年04月12日’16年4月の電力自由化に続き、4月1日から都市ガス自由化がスタートした。一口にガスと言っても、一般家庭で使うガスには「都市ガス」と、「プロパンガス(LPガス)」、そして70戸以上の団地などの敷地に置くガス発生設備から供給する「簡易ガス」の3種類がある。 今回のガス自由化で対象になるのは、都市ガスを使っている家庭だ。都市ガスは、輸入した原料のLNG(液化天然ガス)を陸揚げ後に、気化、臭化などの工程を経て、導管を通して各家庭に供給される。 「昨年、新しい電力会社に切り替えた人は予想よりも少なかったと言えます。それは、消費者からしてみると、プランを比較するのが面倒だったり、停電が起こったときなど対処してくれるのかどうか不安だったりしたせいだと思います。しかし、今回の自由化を契機に、ガス・電気を同じ会社から買う『セット割』が、さらに安くなります。固定費の削減を考えている人は、面倒くさがらずに検討することをおすすめします」 そう語るのは消費生活アドバイザーの和田由貴さん。電力自由化に比べれば、やや静かにスタートした都市ガス自由化。「セット割」にすればおトクだというけれど、切り替えることに不安を感じる人も少なくないのでは?そこで、和田さんが都市ガス自由化のソボクな疑問に答えてくれた。 【Q1】新しい料金はどうやって調べるの? 「手間がかかりそうで、調べるのは面倒くさい」と考えている人も多いだろうが、インターネットのウェブサイトを使えば、おトクなプランを見つけることができる。調べ方にもコツがあり、まずは比較サイトの「エネチェンジ」や「価格.com」などで、「自分が住んでいる地域でどの会社が参入しているのか」を探してみよう。そして各社のホームページで、もう一度詳しく料金形態やサービス内容をチェックする“2段階”検索がおすすめだという。 「価格.comでは、大阪ガスと東邦ガスエリアでしか検索できませんが(3月27日現在)、手元に検針票の控えがある人は、過去12カ月で使った使用量を月ごとに入力してみましょう。正確に旧プランと新プランの料金が比較できます。またエネチェンジは検針票を持っていなくても郵便番号と使用量の金額がわかれば比較できます」(和田さん・以下同) 【Q2】切り替えのため、必要な手続きは? 契約を切り替えるときは、まず今の契約内容や利用料金が記載してある「検針票」を準備しよう。記載されている「供給地点特定番号」と、「お客さま番号」が必要になってくる。次に比較サイトやウェブサイトで探したプラン名を確認すること。後は会社のウェブサイトや電話、店舗で申し込むだけ。検針票の「供給地点特定番号」と「お客さま番号」がわかればその場で手続きができる。特に印鑑を押したり、身分証明書を用意する必要もない。そして新たな契約先から供給が開始されるわけだが、次の検針日から新会社に切り替わるというケースが多いようだ。 「プランによっては、2年など複数年使い続ける契約となっており、期間中に解約すると違約金を取られることもあるので注意してください」 【Q3】工事は必要ですか? 電力自由化のときには電気メーターを「スマートメーター」に切り替える作業があったが、今回はそういった作業もないという。機器の買い替えや工事も必要ないが、会社によっては、切り替えるための契約事務手数料などが発生するケースもあるので、チェックしておこう。 「新しい会社と契約しても、今まで使っていたガス管をそのまま使用するので、工事は必要ありません。またガス機器の交換も不要です。電力自由化では、ネットワークによって、離れた場所から電気の使用量の確認や供給をコントロールできる『スマートメーター』が新たに導入されました。しかし、ガスの場合は『スマートメーター』に当たるものはありません」 都市ガス自由化は固定費節約の大チャンス。ぜひ利用可能なプランを検討してみよう!
2017年04月12日「電力自由化の際、『電気・ガスのセット割』を設定した会社もたくさんありましたが、電気代だけが値引きされて、ガス代は値引きされませんでした。しかし今回のガス自由化によりガス代も安くなります。セット割にすれば、かなり割引率も高くなるのです」 こう話すのは、光熱費の比較サイトを運営する「エネチェンジ」副社長の巻口守男さん。’16年4月の電力自由化に続き、4月1日から都市ガス自由化がスタートした。一口にガスと言っても、一般家庭で使うガスには「都市ガス」と、「プロパンガス(LPガス)」、そして70戸以上の団地などの敷地に置くガス発生設備から供給する「簡易ガス」の3種類がある。 今回のガス自由化で対象になるのは、都市ガスを使っている家庭だ。都市ガスは、輸入した原料のLNG(液化天然ガス)を陸揚げ後に、気化、臭化などの工程を経て、導管を通して各家庭に供給される。 都市ガス自由化で、最も値下げ競争が激しいのが関西地区。新規参入する関西電力(関電)と大阪ガス(大ガス)が火花を散らしている。昨年の電力自由化で、関電が奪われた電気契約件数は50万件。このうち大ガスに25万件が流れたという。 昨年9月、定例会見で関電の岩根茂樹社長は、「われわれは挑戦者だ。大阪ガスよりは競争力のある料金を意識している」と、宣言。初年度の顧客獲得目標宇は20万件以上を掲げている。顧客を取り込むために、料金比較のためのシミュレーションの受付けをいち早く開始し、豪華賞品が当たる「関電ガスへようこそ!」キャンペーンを3月末日まで実施した。 昨年12月下旬に関電が大ガスの一般料金よりも安いプランを発表したところ、年明けには今度は大ガスが値下げを発表。その1週間後には関電が「電気とガスのセット割」の下げ幅をさらに拡大させる??というように、消費者にはうれしい価格競争が起こっている。 さっそく、気になる料金を見てみよう。エネチェンジの計算によると、3?4人世帯(1年間の電気使用量は5,033kWh、ガス使用量は506立方米と想定)では、1年間の電気代が15万710円、ガス代は8万464円で、合計23万1,174円だった。 これを関電の「なっトクプラン」に切り替えると、年間で1万3,740円も安い21万7,434円に! 「関電は、’18年1月31日までにプランに加入すると翌’19年4月分までのガス料金が1%引きになる『早期契約割引』を実施しているので、割引幅が大きくなりました」(巻口さん・以下同) これに対して大ガスは、「GAS得プランもっと割料金」を発表。同じく3?4人家族のケースで、従来の電気代・ガス代と比較すると、1年間で9,847円安い、22万1,327円となった。単純に比較すると、関電のプランのほうが安いという結果に。 値引きばかりではなく、サービス競争も熾烈だ。 関電は会員サイトに登録すると電気料金1,000円につき8ポイント、ガス料金1,000円につき5ポイントがもらえる「はぴeポイント」を実施。サイトにログインして省エネアドバイスを利用すると、毎月5ポイントたまるオプションもある。たまったポイントは電気・ガス料金の支払いに充てることはできないが、200種類以上のアイテムと交換できたり、waonポイントやnanacoポイントなどと交換できたりするのだ。また水漏れやトイレ詰まりなどのトラブルに24時間365日対応する「はぴe暮らしサポート」を月額108円で利用できる。 いっぽう大ガスは、ポイント還元サービスはないものの、突然の住宅トラブルにかけつけてくれて、故障の診断や簡易手直しをしてくれる「住まいの駆けつけサービス」を無料で利用できるという。さらには健康上の不安などを看護師に相談できる「暮らしの応援サービス」を月216円で提供するなど、オプションも充実している。 はたして、関電の巻き返しなるか。両社の今後に注目したい。
2017年04月12日’16年4月の電力自由化に続き、4月1日から都市ガス自由化がスタートした。一口にガスと言っても、一般家庭で使うガスには「都市ガス」と、「プロパンガス(LPガス)」、そして70戸以上の団地などの敷地に置くガス発生設備から供給する「簡易ガス」の3種類がある。 今回のガス自由化で対象になるのは、都市ガスを使っている家庭だ。都市ガスは、輸入した原料のLNG(液化天然ガス)を陸揚げ後に、気化、臭化などの工程を経て、導管を通して各家庭に供給される。 「首都圏の“台風の目”は東京電力です」と話すのは、光熱費の比較サイトを運営する「エネチェンジ」副社長の巻口守男さん。7月には東京電力ホールディングス傘下の電力小売り会社「東電エナジーパートナー」(東電EP)が都市ガス自由化に参入。4月中にも料金が発表されるという。 「いわば“後出しジャンケン”ですから、かなりの割引になるのではないかと注目を集めているのです」(巻口さん・以下同) その東電を迎え撃つ東京ガス(東ガス)は、すでに超割安プランを発表し、そしてプロパンガス大手の「ニチガス」も参入している。 「電力自由化のときに、ニチガスと東電は連携し、ニチガスはプロパンガスと東電の電気をセットで販売しました。今度もニチガスと東電の2社で連携し、都市ガスを販売するわけです。両社で’19年までに100万件の顧客獲得を目指すというので、価格やサービスの競争は激化するでしょう」 つまり東電・ニチガスvs.東ガスで、シェア獲得にしのぎを削るということに。 気になる料金を見てみよう。エネチェンジの計算によると、3〜4人世帯(1年間の電気使用量は5,033kWh、ガス使用量は506立方米と想定)で、ニチガスの「プレミアム5+」と東電のスタンダードプランのセット割にすると、現行料金が1年間で21万8,025円(電気14万円5,497円、ガス7万2,528円)のところ、6,000円安い21万2,025円に。 これに対して、東ガスの「ずっとも電気」と「ずっともガス」のプランを合わせると、年間19万4,764円。差額は2万3,261円と、ガス自由化に参入する会社の新プランのなかでも断トツに安い。 「電気料金は、最初の120kWhまで第1段階、300kWhまでが第2段階、それを超えると第3段階と分かれています。第1段階の料金は東電のほうが安く、第2段階以降は東ガスのほうが安い。つまり現時点では電気をたくさん使う家庭は、東ガスのほうが安くなる料金設定になっていたのです」 さらに東ガスは、電気料金1,000円につきパッチョポイントが15ポイント、ガス料金1,000円につき15ポイントたまるサービスを実施。たまったポイントは電気代やガス代の支払いには使えないが、T-POINTなどの共通ポイントやグッズなどに交換できる。また料理レシピサイト「クックパッド」の有料メニューが一部無料で利用できたり、ガス機器のトラブルに対して無料で対応してくれたりするサービスも。 これからプランを公表する東電EP。ガスと電気のセット割だけでなく、サービスをどれだけ充実させてくるかも注目だ。
2017年04月12日満を持してスタートしたかに見えた、家庭用電力の小売り完全自由化から、はや1年。しかし、ふたを開けてみれば、この1年弱で電力会社を切り替えた世帯は全国平均でわずか4.97%(電力広域的運営推進機関発表)。わかりにくさや不安感も背景にありそうだが、ポイント制などを考慮に入れず、純粋に電気料金のことだけを見れば、“年間の電気料金が10万円以上の世帯なら、切り替えたほうが得になる”という。 「電気の使用量が多いほど、切り替えたことでの節約効果は高くなります。その分岐点が、年間の電気代で約10万円。これを超える家庭なら、切り替えによって月1,000円以上、料金を安くすることが可能です」 こう話すのは、電力比較サイト「エネチェンジ」の巻口守男さん。そこで、40A契約500Wh使用を条件に東京電力管内と関西電力管内で、電気料金が安くなる新電力会社のプランベスト5を選んでもらった。 ■東京電力管内 【第1位】エルピオでんき「スタンダードプランS」・節約額(年間)1万5,061円【第2位】サニックスでんき「サニックスエコセーバー」・節約額(年間)1万4,395円【第3位】スマ電「どーんと!夜得ホームプラン」・節約額(年間)1万3,891円【第4位】中国電力「ぐっとずっと。プランシンプルコース」・節約額(年間)1万3,818円【第5位】水戸電力「定額プラン」・節約額(年間)1万2,727円 ■関西電力管内 【第1位】洸陽電機「生活フィットプラン」・節約額(年間)2万8,562円【第2位】スマ電「がっちり!夜得ホームプラン」・節約額(年間)2万8,085円【第3位】東京電力エナジーパートナー「プレミアムプラン」・節約額(年間)2万8,031円【第4位】Looopでんき「おうちプラン」・節約額(年間)2万2,535円【第5位】坊ちゃん電力「まいど坊ちゃんプラン」・節約額(年間)2万1,568円 なんと、東電管内でも年間最大1万5,000円以上、関西では3万円近く安くなるという、驚きの結果に!関西はもともと原発依存度が高く、東日本大震災後、電気料金が高騰したため、切り替えによる節約度合いが高いというが、ただ電力会社を変えるだけで、料金がこんなに下がるとは驚きだ。 また、年間の電気料金が10万円以下の世帯でも、切り替えによるメリットは享受できると、巻口さんは語る。 「この場合は、地方でガソリン使用量が多い家庭なら、石油会社が提供しているガソリン代が安くなるプランなど、ご自身の生活に根ざした付帯サービスのほうに着目しましょう」(巻口さん) いよいよ新年度もスタート。生活を見直すためにも、まずは一度シミュレーションをしてみては?
2017年03月31日電化製品を使っていなくてもコンセントに接続しているだけで消費される待機電力は、いわばムダな電力です。しかし、もちろんこのムダな電力にもお金はかかっています。そこで今回は、待機電力を削減して電気料金を削減する6つの効果的な方法をご紹介します。■待機電力って?電化製品が作動していなくても、コンセントにプラグを差し込んでいるだけで消費される電力のことを「待機時消費電力」、または「待機電力」といいます。待機電力とはその名の通り、次の作動を“待機している状態のときに消費する電力です。そのため、リモコン操作が必要な機器、受信・通信のために常に通電していなければならない機器、タイマー機能が付いており電源をオフにしても時間などが表示される機器など、常にスタンバイの状態を保つ必要がある電化製品で消費されています。待機電力は、私たちがより便利に電化製品を使えるように工夫された結果だともいるのですが、電化製品を使用しているわけでもないのに電気を使い続けているとすればこれほどムダな電力はないといわざるを得ません。しかしながら、省エネや節電の話になると頻繁に取り上げられるにもかかわらず、待機電力を節約しようという意識を持っている人はとても少ない印象です。その理由は、多くの人が「待機電力で使用する電力量なんてほんのちょっと。大した節約にはならないのでは?」と考えているからではないでしょうか?待機電力は家庭で消費している電力量の約5.1%を占めています。これを電気代に換算すると、4人世帯の場合では年間で約7,200円になります。4人世帯の1ヶ月にかかる電気代の平均が約12,000円なので、待機電力をすべてカットできればおよそ半月分以上の電気代を節約できることになるのです。このように考えると「たかが待機電力、されど待機電力」であり、待機電力のカットによって節約できる金額も、なかなかバカにならないと感じるのではないでしょうか?以下では、待機電力を節約する効果的な方法をご紹介していきます。「もったいない!」と感じた方はぜひ実践してみてください。■待機電力の効果的な節約方法5つ【方法1】待機電力量が大きい家電製品を把握する待機電力を節約するといっても、家の中に数ある電化製品すべてに節電対策を行うのは大変面倒ですし、継続して行うことも難しくなります。また、電化製品の中には、機器の特性としてこまめな電源のオンオフが適切でないものもあります。そこでまずは待機電力を大きく消費する家電製品、または待機電力を小さくしやすい電化製品を知り、それらに焦点を当てて待機電力量を見直していくのが有効です。いくつかの気になる電化製品だけでも節約対策するだけで、待機電力の大幅カットにつなげることができるでしょう。以下にランキング形式で待機電力が大きな家電製品をご紹介しますので参考にしてみてください。ちなみに、各電化製品のワット数(W)はそれぞれの待機電力を示しています。つまり、その数値にプラグをコンセントにつないでいた時間を掛けることで、待機電力による電力消費量が算出できます。1位:【モデムやホームゲートウェイ機器類】(7.34W)ほとんどの人がスマホやパソコンを所有している現代では、多くのご家庭でモデムなどのネット回線に関わる通信機器は生活に欠かせないものとなっています。しかし、通信機器類は精密機器でもあるため、こまめな電源のオンオフが機械の故障につながる可能性もあります。そのため、回線を使っていないときでも常に主電源をオンにする必要があり、必然的に待機電力が大きくなってしまいます。2位:【ガス瞬間湯沸かし器】(7.05W)ガス瞬間湯沸かし器はガスで瞬間的に水を加熱し、蛇口からお湯が出るようにするための電化製品です。「ガスを使ってお湯を沸かしているのに電力が必要なの?」と疑問に思うかもしれません。しかし蛇口をひねったときの水の流れをセンサーで感知し、水を設定温度に温められるようガスの量を調節し、水圧を制御して水量を一定に保つといった一連の細かな動作はすべて電気によって行われているのです。蛇口をひねればいつでも数秒で適切な温度のお湯が流れてくることを考えると、電源が入っているときには常にスタンバイの状態であり、多くの待機電力を消費していることが想像できます。3位:【ガス給湯器付き風呂がま】(6.65W)ガスを利用していることで盲点になりがちですが、ガス給湯器付きの風呂がまも瞬間湯沸かし器と同様、待機電力が大きい家電の筆頭です。ガス給湯器の場合は、夏場であれば入浴時以外に使う必要があることはほとんどありません。もちろん冬場でも、使わないときは電源をオフにすることを習慣づけましょう。待機電力に加えてガス代の節約にもつなげることができますよ。4位:【パソコンネットワーク機器】(5.92W)パソコンネットワーク機器には、ルーターやコンバータなどが含まれます。こちらもモデムなどと同じく電源を落とすことが適切でない場合が多いため、待機電力量を抑えにくい電化製品だといます。5位:【FAX】(3.43W)FAXには専用機のほか、FAX機能付き電話も含まれます。FAXは電源が入っていれば常に受信待ちの状態であるため、待機電力を大きく消費する電化製品の1つです。データの送受信などは、現在ではパソコンなどを通じて行う場合も多いでしょうから、ほとんど使っていないならば思い切ってコンセントからプラグを抜いてもよいかもしれません。6位:【固定電話】(2.46W)家庭に設置している固定電話も、FAXと同様の理由から常に受信待ちの状態を維持する必要があり、待機電力は比較的高くなっています。ご家族全員がそれぞれにスマホや携帯電話を所有しているならば、設置の必要があるかも一度検討してみるとよいでしょう。7位:【温水洗浄便座】(2.21W)エアコンやテレビ以上と意外にも大きな待機電力を消費しているのが、温水洗浄便座です。夏場など便座や温水の温度がそれほど気にならなければ、プラグを抜いて待機電力を節約することも可能です。8位:【ミニコンポなどのオーディオ機器類】(1.91W)AV機器は以前から待機電力が大きな電化製品として知られています。もちろん、製品性能の向上により数年前に比べて待機電力量が飛躍的に小さくなっていることも事実ですが、オーディオ機器の場合は、タイマー機能などの必要性がなければ使わないときはプラグから抜いてしまうことをおすすめします。9位:【DVDレコーダー】(1.77W)AV機器の中でもDVDレコーダーやテレビなどの場合は、実はプラグを抜いてしまうことでかえって消費電力が大きくなる可能性があります。プラグを抜くと、それまで機器に記録されていたさまざまな情報が一度リセットされてしまうことになります。そのため、いざ使おうとしてプラグをつなぎ電源を入れると、失った情報をもう一度ダウンロードしなければならなくなるのです。このときかなり大きな電力を消費してしまうため、あまりこまめにプラグを抜いてしまうと、削減できる待機電力よりも電源を入れた際に消費する電力のほうが大きくなってしまいます。DVDレコーダーなどの場合は、製品に省エネ機能などがあれば積極的に活用していき、プラグを抜くのは長期間家を空けるときなどに限定するほうが無難です。10位:【冷暖房兼用のエアコン】(1.74W)以前は待機電力量の上位にランクインしていたエアコンですが、近年の製品は性能がよく、他の電化製品に比べて比較的待機電力が小さくなっています。とはいえ、エアコンは春・秋の時期など使わない期間も長い家電製品ですから、長期間使用しないときにはプラグを抜いて待機電力の節約に努めましょう。エアコンと同じく、以前は待機電力量が大きいと考えられていたテレビはランク外。エアコンに続く11位で、待機電力は1.66Wになります。テレビも現在では機能性が向上しており、以前ほど待機電力を消費しないようになっています。一方で、従来通り待機電力が大きい電化製品が給湯機器です。給湯機器は通信機器とは違ってこまめに電源をオンオフすることもできるため、とにかく「使わないときは電源オフ!」を徹底していくことが、待機電力節約の大きなポイントになります。【方法2】主電源をオフにする特にテレビなどのリモコン操作をともなう電化製品は、リモコン操作でスイッチを切ってもスタンバイの状態になっているので、より大きな待機電力を消費します。使わないときは主電源からオフにすることをクセづけましょう。これだけで、待機電力量の約33%を節約することができます。【方法3】コンセントからプラグを抜くある期間しか使わない電化製品(エアコンなど)、こまめにプラグを抜いても機械そのものの機能性に問題がない電化製品(洗濯機など)はプラグを抜いてしまいましょう。プラグとコンセントがつながっていなければ通電することはないため、待機電力は0になります。電化製品を使っていないときだけでもプラグを抜いておくだけで、待機電力の約49%を節約することが可能です。ただしプラグを抜く際には、製品の機能性に影響を及ぼさないかを考慮するのが重要なポイントです。先ほどネット関連の通信機器やDVDレコーダーなどのAV機器にプラグを抜く節電方法が向かないことはご説明しましたが、もう1つ注意してほしい電化製品にエアコンがあります。オフシーズンにプラグを抜いておくことはもちろん待機電力の節電対策として効果的です。しかし、あまりこまめに抜いたりさしたりを繰り返すと、エアコンが故障する可能性があります。特に気をつけるべきは、コンセントにプラグをさした直後です。このときすぐに運転をはじめてしまうとエアコン内部の空気の循環が滞り、エアコンが傷つくおそれがあります。コンセントにプラグをさしてから数時間は、エアコンを使用しないようにしましょう。【方法4】節電タップを効果的に活用する待機電力の節約といえば、多くの人が思い浮かべるのが節電タップではないでしょうか?ひとつひとつの電化製品のプラグをいちいち抜く手間が省けるので、取り組みやすく続けやすい節電対策としてもおすすめできます。しかしながら、節電タップを取り入れることでいったいどれほどの節約効果があるのでしょうか?家庭にある主要家電6つを節電タップにつなぎ、就寝時間などを利用して1日8時間スイッチをオフにしたとすると、年間では1,000円以上もの節約になるそう。一方で、スイッチランプをつけたままにしていた場合に6つの節電タップが消費する電力は、年間約136円になります。この金額を考慮しても十分な節電効果が見込めることが分かりますね。【方法5】長期間家を空けるときはブレーカーを落とすもっとも手っ取り早く待機電力の節電効果も高いのが、すべての電化製品の大元となるブレーカーを落としてしまうこと。もちろん、冷蔵庫など常に運転している必要がある部分まで電源を落とすのでは生活に支障が出るので、必要な部屋のブレーカーを落とすだけでOK。出張や旅行などで長期間家を空けてしまう場合は、安全性を確認したうえで実行してみてください。■省エネ家電に買い替えてみようここまで待機電力を効果的に節約するための5つの方法をご紹介していきましたが、実はもっとも待機電力の節約効果が高いといえるのは、現在使っている家電製品そのものを省エネ家電に切り替えることです。さまざまな家電製品の機能は年々向上し、それにともなって待機電力を削減する仕組みも優れたものになっています。たとえばオートオフ機能。一定時間が経つと自動的に電源が落ちる仕組みになっており、待機電力を最小限に抑えることができます。また、DVDレコーダーなどでは表示オフ機能で省エネできるものもあり、プラグを抜くことで設定が毎回リセットされるといった煩わしさもなくなります。もちろん初期投資は必要ですが、省エネ家電に切り替えることで待機電力だけでなく、消費電力全体を抑えることができます。長い目で考えれば、結局は電気代の節約になることも少なくありません。先ほどご紹介したランキング上位の家電を1つでも省エネのものに切り替えるだけで、大きな節約効果が期待できます。ぜひ検討してみてください。■まとめいかがでしたか?今回は消費電力の中でも特に待機電力について取り上げ、効果的に電気代を節約する方法をご紹介しました。何か1つでもできることからはじめてみて、待機電力の削減、そして電気料金の節約につなげていただければと思います。
2017年03月01日電力自由化により、私たちにとって身近なものになりつつあるスマートメーター。2020年代にはすべての家庭へ設置されることが予定されています。今回はそんなスマートメーターについて、導入のメリットやデメリットなどを解説していきます。■スマートメーターってどんなもの?スマートメーターは電力の自由化にともなって導入が進められている電力量計測器で、いわゆる電気メーターの1つです。スマートメーターの導入以前には2つのタイプの電気メーターを用いていたのですが、これら従来の電気メーターとスマートメーターにはどのような違いがあるのでしょうか?【従来の電気メーターとの違い】電気メーターの種類の1つに、アナログ式誘導型電力量計があります。機械式でメーター内部に円盤が組み込まれていることが特徴です。電力を使用すると電源からメーター内部にも電力が届き、円盤が回転します。円盤の回転数は電力の使用量と連動しているので、回転数を確認すれば電力の使用量を計測することができます。また、電子式電力量計と呼ばれるタイプもあります。メーター内部に電子回路を組み込んだ電気メーターで、オール電化を採用しているご家庭で多く利用されています。アナログ式のようにコイルや円盤、ギアなどはなく内部がすべて半導体で構成されています。より正確に計測できる、計測した電力使用量を複数表示できる、時間帯ごとの電力使用量を記録できる、といったアナログ式にはないメリットがあります。スマートメーターとは、分かりやすくいえば電子式電力量計に通信機能が付加された電気メーターです。しかしながら、30分単位で使用電力量を計測できるほか、電力会社とネットワークでつながっているため遠隔操作も可能であり、電子式電力量計に比べて格段に充実した機能が備わっているといえます。【HEMSとの違い】HEMS(ヘムス)は、より正確には「ホームエネルギーマネジメントシステム」といいます。HEMSはスマートメーターと仕組みがよく似ているので、ここで2つの違いに触れておきます。HEMSとはご自宅のありとあらゆる電化製品を、ネットワークにつないで管理するシステムです。30分単位で電力の使用量を計測・記録してくれる点はスマートメーターと同じですが、スマートメーターが計測するのは家庭全体の消費電力であるのに対し、HEMSはひとつひとつの電化製品の消費電力を計測することができます。つまり、ご家庭にHEMSを導入すると「ある時間帯にどの電化製品がどれだけの電力を消費していたか」をこまかく知ることができるのです。また、スマートフォンと連動させることにより、エアコンなどのオンオフを遠隔操作で行うことが可能になります。さらにより機能性の高いものでは、それぞれの電化製品を自動制御し、消費電力を一定に保つことができるものもあります。スマートメーターはご家庭と電力会社をつなぐもの、HEMSは電化製品全体のまとめ役、と考えれば理解しやすいかもしれません。将来的には、スマートメーターとHEMSを連動させることが期待されています。たとえば、スマートメーターが電力の使用状況を電力会社に送信し、電力会社はその情報に基づいた最適な電気料金プランを提供します。そして契約している電気料金プランに沿って、HEMSが電化製品の稼働状態を管理していくといったことが可能になるのです。■設置や交換にはどれくらいの費用がかかるの?【導入に費用はかからない】電気メーターは各家庭に備え付けられていることから、使用者のものだと思っている方も多いかもしれません。しかし実は、電気メーターは電力会社が所有しているものです。そのため、スマートメーターを含むすべての電気メーターは無料で設置や交換ができます。ただし、外壁不良などがあったときはスマートメーターの設置や交換の際に、ご自宅の修繕工事などが必要になることがあります。その場合は、工事費用は消費者が負担することになるので注意が必要です。【導入までの流れ】スマートメーターの設置や交換は基本的に、家を建てる、引っ越しをする、電力会社を切り替えるなどのタイミングで行われます。電力会社を切り替える場合は、新たに契約する電力会社に申し込みをした後に地域の電力会社(「一般電気事業者」と呼ばれる、東京電力など各地域の電力会社のこと)が日程を調整のうえ設置や交換を行ってくれます。家を建てたり引っ越しをしたりする予定がなく、引き続き地域の電力会社から電力の供給を受ける場合は、既存の電気メーターが10年の耐用年数を迎えたタイミングでスマートメーターへ切り替えることになります。スマートメーターの導入といっても、電気メーターを変更するだけで電線を引き直すといったことはないので工事は短時間で済みますし、原則として立ち合いの必要もありません。基本的には停電となることもありませんが、場合によっては電源を落として工事をすることもあるため、IT機器などをお持ちの方は事前に確認しておきましょう。■どんなメリットやデメリットがあるの?【メリット1】使用電力量の「見える化」で節電現在使っている電化製品を省エネ性能が高いものに買い替えたり、電化製品の使い方を見直したり、電気の代わりにガスや石油を使う製品に移行したりなど、ご家庭で実践できる節電対策はたくさんあります。しかし、これまでは電力会社から毎月送られてくる使用電力量の変動を見るくらいしか節電対策の効果を知る術がなかったのです。スマートメーターを導入すれば、電力の使用量を数値として確認することができ、より効果的な節電対策が行えるようになります。もちろん、スマートメーターだけではひとつひとつの電化製品の使用電力量まで計測することはできません。しかし、30分単位という比較的短い時間で記録されるのでこまかくチェックしていけば、「どの電化製品の消費電力が大きいか」といったこともある程度把握することができるでしょう。【メリット2】ライフスタイルと電気料金プランの適合30分単位で記録された消費電力のデータを管理・分析していけば、どの時間帯にもっとも多くの電力を消費しているのかが分かります。そのため、夜間が安いプラン、早朝が安いプラン、土日が安いプランなどライフスタイルに合わせて最適な料金プランに変更し、効果的に電気代の節約につなげることが可能です。また、それぞれのご家庭でライフスタイルに適した電気の使い方を考えることは、結果としてピークシフト(電力の使用量がピークとなる時間帯を、別の時間帯や曜日に移行すること)にもつながります。そのため電力の需要と供給のバランスが安定し、停電の発生を最小限に抑えることもできます。【メリット3】人件費の削減従来の電気メーターでは、電力使用量を人の目でチェックする必要がありました。現代で電気をまったく使わないご家庭はほとんど0に等しいので、月に一度検針のために必要になる人件費も莫大なものになります。一方で、使用した電力量が電力会社に自動で送信されるスマートメーターでは検針の必要はありません。将来的には、削減された人件費が電気料金の割引に還元される可能性もあるかもしれませんね。【メリット4】契約変更や手続きの簡略化各家庭のスマートメーターは電力会社とネットワークでつながっているため、遠隔操作が可能です。そのため、契約アンペア数の変更や引っ越しによる契約手続きの際にも、わざわざ電力会社の担当者に出向いてもらう必要はありません。これにより立ち合いなどの手間と時間が短縮され、契約の変更や諸手続きは今よりずっと簡単になります。【メリット5】メーターの精度や耐久性の向上従来の電気メーター、特にコイルやギアなどを用いた機械式のアナログ式誘導型電力量計は、経年劣化により計測の精度が低下することが分かっています。そのため、10年の耐用年数が設けられ、10年ごとにメーターの交換が行われていました。一方でスマートメーターに使われている半導体シリコンは、熱に強く故障率も低いといわれています。そのため、従来の電気メーターよりも耐久性が増し、計測の精度も向上すると考えられます。【デメリット】消費者のプライバシーが侵される危険性現代では日常生活において電気が果たす役割は大きく、こまかな時間帯での消費電力の状況は、家庭内でのライフスタイルに直結するといっても過言ではありません。スマートメーターでは、30分ごとの使用電力量がデータとして逐一電力会社に送信されます。そのため、通信環境や電力会社のデータ管理の方法によっては、個々人が意図しないところで個人情報が外部に漏れたり、プライバシーが侵害されたりする可能性も否定できないのです。この点については国もスマートメーター導入における課題の1つとして認識しており、対策についての協議が進められています。■すべての家庭に設置されるって本当?【スマートメーターの導入は国が進める施策】スマートメーターは、実は設置したい人が設置すればいいというものではありません。スマートメーターの導入は、2014年に国が策定した「エネルギー基本計画」の一部として考えられたものです。2020年代にはすべての家庭に導入されることが予定されており、現在も全国10ヶ所の一般電気事業者によって、各家庭への設置が進められています。【導入の背景】国の施策としてスマートメーターの導入を進める背景には、2011年に起こった東日本大震災の影響があります。地震や津波により福島第一原子力発電所が大きなダメージを受けたことは記憶に新しいかと思いますが、その余波で全国各地のほとんどの原子力発電所は現在運転停止の状態です。これにより電力不足が深刻な問題となっているのです。電力不足を解消するには、電力量の供給を増やすよりも全体的な需要を減らすほうが効率的です。そこでスマートメーターを導入し、消費電力量を可視化することで、個々に節電の意識を高めてもらおうという狙いがあります。また、東日本大震災以降は火力発電への依存が高まっており、電力の供給コストが膨らんでいることも大きな問題となっています。国内の供給電力のうち、化石燃料である天然ガス、石油、石炭を利用した火力発電の割合は約87%(2013年現在)に及びます。一方で、国内でまかなえているエネルギー資源はたった6%であり、発電に必要なエネルギー資源のほとんどは国外からの輸入に依存しているのが現状です。そこで注目されているのが再生可能エネルギーです。代表的なものは風力や太陽光などで、これらは一度資源として利用しても比較的短い時間で再度生み出すことができます。つまり、半永久的に枯渇することがない点で、エネルギー資源として大きなメリットがあるといえます。しかし、これらのエネルギー資源には、天候によって電力の供給が左右されてしまうデメリットもあります。そこで電力の供給量が不安定になった場合でも問題なく電力を届けることができるように、需要と供給のバランスを維持することが重要なポイントになります。国はスマートメーターの導入に加えて、2030年には各家庭にHEMSを導入することも目標として掲げています。これにより、将来的には各家庭の生活状況に沿った、適切な時間帯別の料金プラン提供することができるようになります。消費電力のピーク時間帯を分散させることができれば、電力の需要と供給のバランスの維持が可能になるでしょう。【導入の現状】現在、スマートメーターの導入は全国10社の一般電気事業者によって本格的に進められています。2020年代の導入完了が目標として掲げられていますが、より具体的には東京電力で2020年度末、中部電力と関西電力で2022年度末、沖縄電力で2024年度末、それ以外の6つの電力会社で2023年度末の完了を予定しています。しかしながら、2016年3月時点で東京電力ではすでに約10万件の遅れが出ています。また、電力会社が負担している年間300億円にも上る設置費用について、今後どのように対応していくか、導入完了後に各家庭の個人情報をどのように管理していくか、といった課題も見えてきています。■まとめいかがでしたか?スマートメーターの導入は、今後の私たちの生活に密接に関わってきます。導入によるメリットだけでなく、導入にいたった背景にさまざまな問題があることを知り、ひとりひとりが「限りある資源を大切にしながら、生活の質を向上していく」ことを意識していきましょう。
2017年03月01日毎月の電気料金の支払い方法はいくつかありますが、なんとなく選んでいる人も多いのではないでしょうか。実は電気料金の支払いは、方法を選ぶことで今よりも安く抑えられる可能性があります。そこで今回は、どういう場合にどのような支払い方法がお得なのかについて詳しくご紹介していきましょう。■電気料金の支払い方法を見直すメリット電気料金などの公共料金の支払いは毎月あるため、月々の支払い額がたった10円違うだけでも、その状態が1年間続くと120円の差になります。何年も払い続けることを考えれば、「塵も積もれば山となる」の言葉通りそれなりの額を節約できることになるのです。公共料金の中でも電気料金は支払い額が大きくなりがちですから、できる限り安くなる方法を選びたいものです。また、電気料金には支払い期日が定められていて、遅れるとペナルティが課せられるため、より確実に期限内に支払うことができる支払い方法を選ぶのが得策と言えます。電力自由化の前から存在する大手電力会社10社を例として説明すると、支払い期限は検針日の翌日から30日目となっており、支払い期限を過ぎると年利10%の延滞利息が請求されてしまいます。これは1日あたりに直すと約0.03%にあたる数字です。電力会社によっては期限から10日間に限り延滞利息を猶予してくれるところもありますが、いずれにしても毎月欠かさず期日までに支払うというのが節約するための鉄則と言えるでしょう。ちなみに大手10社のうち、例外として中国電力は現在早遅収料金制度となっていますが、平成29年4月から他の電力会社と同様の延滞利息制度に移行する予定とされています。早遅収料金制度では、検針日の翌日から20日間を早収期間としてその期間の支払いには早収料金が適用され、その後の支払いには早収料金に3%を加えた額が適用されます。このようにうっかり支払い期限を過ぎてしまうと、お金を余分に支払わなければなりません。確実に支払うためにも、支払いの手間が少ない方法を選ぶとよいでしょう。支払い方法の変更は少し時間がかかる場合もありますが、一般的には簡単な手続きだけでできます。詳しくは後半にご紹介します。■電気料金の支払い方法は3つ大手電力会社10社の電気料金の支払い方法は、振込用紙による支払い、口座振替、クレジットカードの3種類に分けられます。【振込用紙による支払い】毎月所定の振込用紙が送られてくるので、それを使って銀行やコンビニなどで支払います。支払いができるコンビニは振込用紙の裏面に記載されています。バーコード付きの振込用紙であれば郵便局でも支払いが可能であり、コンビニの場合は土日祝日も含めていつでも支払うことができます。なお、手数料は無料です。ただし、振込用紙による支払いの場合は支払い期日までに支払いに行かなければならず、万が一遅れると振込用紙が使えなくなってしまう場合がある他、延滞利息が加算されたり、送電が止められてしまったりするので注意が必要です。【口座振替】あらかじめ指定した預金口座から、電気料金が毎月自動的に引き落とされます。口座の残金に注意していれば、支払いをうっかり忘れてしまう恐れがなく安心です。また、電力会社によっては口座振替割引サービスがあるため節約になります。【クレジットカード】クレジットカード会社が電気料金を立て替えて支払い、その分がカード利用代金として後から請求されます。こちらも口座振替と同様に、うっかり支払いを忘れる心配がないという利点があります。また、クレジットカードによっては利用金額に応じてポイントが貯まり、そのポイントをギフト券や各種景品の他、マイルや電子マネーなどに交換できる場合もありとてもお得です。大手電力会社10社で電気料金の支払いに使えるカードは、三井住友VISAカード、JCBカード、DCカード、セゾンカードなどをはじめ、各社十数種類から二十数種類あるため、多くの選択肢の中から自分に合ったカードを選ぶことができます。クレジットカードをこれから作る場合や、クレジットカードを複数持っている場合には、還元率の高いものやポイントが貯まりやすいものを選ぶとよいでしょう。また、電気料金に直接関わる特典がなくても、「普段行くスーパーの割引券がもらえる」「よく使うインターネットショッピングサイトでポイントがよく貯まる」など、自分のライフスタイルに合ったカードを選ぶというのもひとつの賢い方法と言えます。以上3つの支払い方法のほかに、一時的なクレジットカード決済が可能な電力会社もあります。例えば関西電力では、振込用紙を失くしたり、振込用紙の支払い期限が過ぎてしまっていたりする場合に、一時的にクレジットカードで支払うことができる「ワンショットクレジットカード決済」というサービスが用意されています。これは、関西電力のウェブサイトにある「ワンショットクレジットカード決済専用フォーム」から支払うものであり、振込用紙に記載されている11桁と4桁の数字が必要になります。振込用紙を失くしてしまって数字がわからない場合には、関西電力に電話で問い合わせると発行してくれます。この手続きをする際に、クレジットカードによる支払いへの変更手続きも同時に行うことができます。東京電力でも、「クレジットカード一時払い」というサービスを提供しています。このサービスは、カスタマーセンターに電話をして手続きを行います。クレジットカード情報の登録は、携帯電話のSMS(ショートメールサービス)に送られてくる受付画面のURLにアクセスして入力する方法と、電話の自動音声ガイダンスに従って入力する方法があります。このサービスを利用すると、次回以降も登録したクレジットカードから支払うことになります。なお、電力自由化後の新規電気事業者の場合は、クレジットカード払い一択のところが多くなっています。■自分にとって一番お得な支払い方法の選び方では、どの支払い方法が一番お得なのでしょうか。まず押さえておきたいのが、振込用紙による支払いには、特に大きなメリットがないというポイントです。それどころか、先述のように支払いをうっかり忘れてしまうと電気料金に延滞利息が加算されてしまうというリスクがあります。もともとの支払い額が大きい場合には、延滞利息による額も大きくなってしまうため特に注意が必要です。つまり、お得な支払い方法は口座振替かクレジットカード決済のどちらかということになります。次に、口座振替とクレジットカード決済についてそれぞれ見てみましょう。口座振替のメリットとしてチェックしておきたいのは口座振替割引です。大手電力会社10社の中では、北海道電力、東北電力、沖縄電力を除く7社で提供されているサービスであり、口座振替による支払いを選択すると毎月54円の口座振替割引が適用されます。指定口座にお金が入っておらず引き落とせなかった場合には適用されないため、残高には注意しておく必要がありますが、支払いを忘れる心配が少ないばかりでなく、1年で合計648円も安くなるというのは、節約の面でも良い方法だと言えるでしょう。一方クレジットカードには、利用額に応じてポイントが貯まるものが多くあります。ポイントの貯まりやすさはカードによってさまざまであり、100円につき1ポイントが加算されるものを還元率1%と表現しますが、還元率は大体0.5%~1.5%が一般的です。ポイント5倍キャンペーンがあったり、公共料金の支払い手続きをすると年会費が無料になったりといろいろな特典が付いているものも多いので、カードの選び方も節約に大きく関わってくると言えます。以上の情報から考えると、口座振替割引がない電力会社の場合はクレジットカード支払いが良いでしょう。口座振替割引がある場合は口座振替を選ぶと割引額54円分安くなり、クレジットカード支払いでは電気料金額にカードの還元率をかけた分がポイントとして返ってくるということになります。つまり、口座振替とクレジットカードのどちらがお得かは、月々の電気料金額とカードの還元率によって異なるというわけです。以下で詳しく見てみましょう。【クレジットカードの還元率が0.5%の場合】例えば電気料金が10,000円だとするとポイントは10,000×0.005=50ポイントとなり、口座振替割引の方がお得です。電気料金が10,800円以上であれば54ポイント以上貯まることになるので、クレジットカード支払いを選んだほうが節約できるということになります。【クレジットカードの還元率が1%の場合】54ポイント以上貯まるのは、電気料金が5,400円以上のときです。単身世帯の場合や、少人数世帯であまり電気を使わない場合などはこれを下回る場合もあるかもしれません。ただし、電気料金は季節によって大きく変動します。ひと月の平均だけを見て決めるのではなく、年単位で電気料金を把握し、クレジットカードの還元率と照らし合わせて考えるとより確実にお得な支払い方法を選ぶことができるでしょう。■支払い方法の変更手続きをするには【東京電力の場合】口座振替への変更は、銀行、郵便局、東京電力の事業所にある窓口で受け付けています。手続きに必要なものは、お客さま番号、銀行や郵便局への届け印、預貯金通帳です。お客さま番号は「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」または「電気料金領収証」に記載されています。クレジットカード支払いへの変更は、インターネット申し込み、申込用紙の郵送、事業所の窓口での手続きの3つの方法があります。インターネット申し込みが最も簡単で、電気の契約情報とクレジットカード情報を登録すれば大抵の場合翌月の支払いから切り替えが可能です。郵送の場合は、申込用紙をホームページから取り寄せ、記入、捺印して、返送します。また、事業所の窓口に直接出向いて手続きする方法もあります。【関西電力の場合】口座振替への変更は、インターネット上での手続きが早くて簡単です。用意するのはお客さま番号、キャッシュカードの暗証番号、預貯金通帳などで、数分で完了します。申込用紙をダウンロードしたり取り寄せたりして郵送する方法もありますが、申し込み完了まで1~2か月かかります。インターネットバンキングを契約している場合はインターネットバンキングのページから直接金融機関に申し込むこともできます。クレジットカード支払いへの変更も、お客さま番号と利用可能なクレジットカードを用意して、インターネット上で手続きするのが最も簡単です。口座振替の申し込みと同様に郵送での手続きもできますが、1~2週間かかってしまいます。■支払い期限を過ぎてしまったときの対処法万が一、電気料金の支払い期限を過ぎてしまうとどうなるのでしょうか。東京電力をはじめとした大手電力会社の多くは、支払い期限は検針日の翌日から30日後に設定されており、支払い期限の10日後までは延滞利息がつかないことは既に紹介しました。それを過ぎると年率10%の延滞利息が加算され、20日後(検針日の翌日から50日後)までに支払わない場合は、事前に通知があった上で送電が止められてしまいます。払い忘れに気づいたら、とにかくできるだけ早く支払うのが得策です。期限が切れてすぐの場合には、コンビニなどで振込用紙がそのまま使える可能性もあるため、支払いを忘れていたことに気づいたらまずはできるだけ早く振り込みに行ってみることをおすすめします。また、振込用紙が使えない場合や失くしてしてしまって手元にない場合などは、電力会社に連絡して振込用紙を再発行してもらうこともできます。支払い期限後10日以内に支払いが完了すれば、特に何の問題もなくそれまで通りに電気が使用できます。支払い期限後10日以降になってしまった場合には、延滞利息を支払う必要性が生じます。延滞利息分は通常、次回の請求時に加算されることになっています。電話での問い合わせや督促状などで電力会社から指示があった場合などを除き、検針時の請求額をそのまま支払います。また、東京電力の場合は最寄りの事業所の窓口で料金を支払うこともできます。ついでに支払い方法変更手続きもできるため、振込用紙による支払いをしている場合には、払い忘れを繰り返さないためにもこの機会に支払い方法を変更してしまうのも良いでしょう。電力自由化後に誕生した新規の電気事業者と契約している場合は、先にも述べたように支払い方法はクレジットカード決済のみの場合が多いため延滞の心配は少ないでしょう。しかし、大手電力会社には最終保障供給の義務があるので延滞しても解約されてしまう恐れはありませんが、新規事業者の場合は電気が一時的にストップするだけでなく、解約となってしまう場合もあります。■まとめ電気料金の支払いは毎月のことなので、ほんの少しの節約でも何年か後には大きな差となります。支払い方法の検討や変更手続きはどうしても行う必要があることではないため、ついつい後回しにしてしまいがちです。しかし、一度手続きをするだけでその後ずっと節約できる上、手続きをするのが早ければ早いほどお得です。ぜひ一度、電気料金の支払い方法を見直してみてください。
2017年03月01日新電力(PPS)とは、電力自由化により電気の小売業に新規参入した電力会社のことです。私たちの生活に大きなメリットを生む可能性もある新電力(PPS)。今回はそんな新電力について、既存の大手電力会社と比較しながら理解を深めていきましょう。■電力会社の種類【一般電気事業者】一般電気事業者とは、電力の小売自由化以前から各家庭に電力を供給している地域の電力会社のことです。北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の10社があります。【特定規模電気事業者(新電力、PPS)】2016年4月に一般家庭や個人商店なども含め、電力の小売りが全面的に自由化されました。これにともない、新しく電力会社となった電気事業者のことを特定規模電気事業者、または、新電力やPPSといいます。特定規模電気事業者と名乗るには、1.資源エネルギー庁へ「特定規模電気事業開始届出書」を提出する2.「電力広域的運営推進機関」へ加入するという2つの条件を満たす必要があります。とはいえ、特定規模電気事業開始届出書を提出する際に、資源エネルギー庁の認可を得る必要はありません。また、電力広域的運営推進機関とは、消費者が安定して電力の供給を受けることができるように電力供給のバランスを調整する役割を担う機関です。つまり、電力の小売業をはじめるのに電気事業の実績などは必要なく、言い方を変えればこの2つの条件さえ満たせば、誰でも電気の小売事業者になれるともいえます。現在、特定規模電気事業者として電気事業に参入している企業も、通信会社やガス会社、石油会社、自動車会社、商社など、多岐にわたります。【小売電気事業者】電力会社のことを小売電気事業者という場合もありますが、これは電気小売業を行っているすべての電力会社の総称です。そのため特定規模電気事業者はもちろん、これまで各地域の電力供給を担ってきた一般電気事業者も含まれます。より厳密にいえば、一般電気事業者のすべての部門が小売電気事業者に含まれるわけではありません。電気事業は大きく、発電部門・送配電部門・小売部門の3つに分けられますが、全国10社の一般電気事業者はこれまで3つの部門を一手に引き受けていました。しかし電力自由化後は10社すべてにおいて、2020年をめどに3部門がひとつひとつの事業会社として分割されます。つまり、今後1つの会社として分離する一般電気事業者の小売部門と、新たに電気事業に参入する特定規模電気事業者を合わせて「小売電気事業者」と呼ぶことになります。■新電力(PPS)とは?大手電力会社との違いPPSとは特定規模電気事業者のことで、「PowerProducerandSupplier」と英語で表したときの略称からきています。最近では既存の大手電力会社(一般電気事業者)と区別する意味で新電力と呼ばれることが増えており、新電力の名称のほうがなじみのある方も多いことでしょう。では、新電力と大手電力会社にはどのような違いがあり、どちらを選ぶかによって消費者にはどういったメリットがあるのでしょうか?以下で具体的に見ていきましょう。【発電設備】新電力と大手電力会社には、主に2つの大きな違いがあります。その1つが発電設備の違いです。電気事業の中でも発電部門に関しては、小売自由化以前からすでに自由化がはじまっていました。そのため大手電力会社以外の企業も自由に電気を作ることができていたのですが、新電力の中には自社で発電設備を持たないところも多くあります。自社に発電設備を抱えていない企業が電気事業を展開するには、大手電力会社や発電設備を保有している他の企業から電気を買い取って販売する方法があります。しかし、「大手電力会社から新電力に切り替えれば、電気料金が安くなる」と聞いたことがある方も多いことでしょう。他の電力会社から電力を買い取りつつ電気料金も安くするとすれば、その電気事業者に利益は生まれるのでしょうか?結論からいえば、発電設備を保有していない企業が電気事業を行っても、利益を得ることができます。その仕組みを理解するにはまず、電気の特性を知っておく必要があります。電気はたとえばダムに溜まった水のように、どこか1ヶ所に集めて溜めておくといったことができません。そのため発電しても、使われなければムダになってしまうのです。この使われずに余ってしまった電力のことを、余剰電力といいます。余剰電力は需要がない限り捨てられてしまうも同然なので、通常の電力よりも安い価格で購入することができます。新電力は大手電力会社などから余剰電力として電力を安く仕入れることでコストを抑え、利益を得ているのです。加えて自社に発電設備がないために、設備にかかる維持費などのコストも削減できます。そのため、より低価格で消費者に電力を提供することができます。一方で大手電力会社は、原子力や火力、水力を利用した、新電力にはない大規模な発電設備を自社で保有しているのが特徴です。現在、原子力発電所のほとんどは運転を停止していますが、その分の電力の多くは火力発電で補っています。そのため、日々大きな電力を必要とする企業や工場に対しても高電圧で十分な電力を供給することができますし、一般家庭に対しても常に安定的な供給が見込めます。その代わり、発電に必要な燃料費や設備の維持費といったコストも大きくなります。【送配電線の有無】2つ目の違いは、自社で送配電線を所有しているかどうかの違いです。電気事業のうち、発電部門と小売部門は自由化となっていますが、送配電部門は引き続き大手電力会社が担うことになっています。新電力が自社で発電した電力を供給する場合も、大手電力会社が所有する既存の送配電線を借りて各家庭へ電力を届けることになります。いくら発電力があっても、消費者のもとに届かなければ電気を使うことはできません。そのため、電力の安定供給を確保するという意味で送配電部門は非常に大きな役割を担います。言い方を変えれば、送配電部門を引き続き大手電力会社が管理してくれることで、私たち消費者は新電力からであっても安定して電力を受け取ることができるのです。【電力の質や信頼性は?】前述の通り、契約する電力会社が新電力か大手電力会社かにかかわらず、すべての電力は同じ既存の送配電線を通って消費者のもとに届けられます。また、契約した電力会社が十分な電力を確保できなかった場合は、大手電力会社が不足分を補うシステムが整えられています。そのため、選択する電力会社によって電力の質や信頼性が低下することはありません。■失敗しない電力会社選び5つのポイント新電力(PPS)と大手電力会社(一般電気事業者)では、このように電力を供給する仕組みに大きな違いがあります。そのため、両者の違いも把握したうえで、今より生活の質が向上するような電力会社を選ぶことが重要です。私たち消費者にとって新電力に乗り換える最大のメリットだといえるのは、電気料金が安くなる可能性が高いことです。電気料金は生活費に直接関わってくるものであり、もちろん価格が安ければそれに越したことありません。しかし、価格だけで安易に切り替えると後々後悔することも。気になっている部分があればクリアにし、すべてに納得したうえで契約するようにしましょう。以下に、電力会社を選ぶ際に比較したい5つのポイントをまとめています。切り替えを検討する際はぜひ参考にしてみてください。【ポイント1】基本料金で選ぶ電気料金は通常、基本料金と従量制料金を基本とし、これに燃料費調整が加わった金額が請求されます。従量制料金と燃料費調整の金額は発電にともなうコストが関係しているため、新電力と大手電力会社で大きな差はありません。しかし、基本料金の場合は選択する新電力によっては、現在契約している大手電力会社よりも大幅な値下げとなる場合があります。電力自由化以前は、たった10社の大手電力会社のみで国内すべての電力供給をまかなっていました。そのためそれぞれの大手電力会社が抱える顧客数は非常に多く、しかも広い地域に分散しています。また前述の通り、大規模な発電設備を維持していく必要もあります。そのため、人件費や設備費といったコストがかかり、必然的に基本料金も高くなります。一方で新電力の場合は、発電設備にかかる費用はありません。自社で発電設備を保有している場合も、大手電力会社に比べればずっと小さなコストで済みます。加えて、大手電力会社と比べると自社で対応できる顧客数・地域が限定されるため、人件費も最小限に抑えることができます。このような理由から、大手電力会社よりも基本料金を低く設定している新電力が多くあります。【ポイント2】電気料金プランで選ぶ前述した従量制料金について、もう少し詳しく説明しましょう。従量制料金とは、1kWh当たりの電力量の単価で電気料金を計算する料金制度です。電力会社との契約が1kWh当たり25円だとすると、ある月に200kWhの電力を使用した場合は、その月の電気料金は5,000円ということになります。先ほどもご説明した通り、1kWh当たりの単価そのものが大きく変わることはあまりありません。しかし、各新電力は独自の電気料金プランを提供しており、いくつかの時間帯ごとに区切ってそれぞれに異なる単価を設定しています。つまり、1日で平均すると単価が変わることはなくても、ある時間帯に限っていえば単価そのものを安く抑えることができます。まずは1日のうちでもっとも電力を消費している時間帯を把握し、その時間帯において電力量単価が低く設定されている料金プランがないか探してみましょう。【ポイント3】セット割で選ぶセット割とは、現在契約しているガス会社や携帯会社、ネット会社などと同じ会社から電力の供給を受けることにより、それらと電気料金トータルの金額から割引を受けることができるサービスです。基本料金や電気料金プランが今よりも安い電力会社であれば、セット割も加えることで大きな減額が見込めるでしょう。また、基本料金や電気料金プランではそれほど安くならない場合でも、生活費としてのトータルの支出で見るとおトクになる場合があります。しかし、電力以外の契約期間も関わってくる場合があり、自分の好きなタイミングで電力会社を切り替えられなくなる可能性には注意する必要があります。契約を結ぶ前に、それぞれの契約期間と解約金や違約金の発生の有無などをしっかりと確認しておくと安心です。【ポイント4】電気事業の実績で選ぶ前述した通り、電力自由化後も電力の安定供給を確保するシステムが整えられているため、選択する電力会社によって電力の質や信頼性が変わることはありません。もちろん、自分が契約している電力会社だけ停電が頻繁に起こるなどといったこともありません。とはいえ、万が一予期せぬトラブルが起こった場合には、やはり電気事業者としての経験とノウハウを持っている大手電力会社のほうが迅速かつ適切に対応してくれることが予想されます。安心できることを最優先し、大手電力会社と契約することも1つの選択肢ではあるといえるでしょう。また、一般家庭に対しても電力の小売りが自由化されたのは2016年4月以降ですが、企業や工場などに対してはそれ以前から自由化が進められていました。そのため、新電力の中にも電力の販売実績を持つ企業があります。届け出を出しているだけで未だ電気事業に着手していないという企業も少なからずあるので、「名前も聞いたことがない電力会社と契約するのは心配」という方は電気事業の実績を確認してみるとよいでしょう。【ポイント5】発電方法で選ぶセット割と並んで電力自由化ならではのメリットといえるのが、どのような方法を用いて発電している電力を購入するか消費者側が自由に選択できることです。発電設備を保有している新電力には、環境にやさしい再生可能エネルギーを資源としているところが多くあります。エコへの関心が高い方は、そのような視点で電力会社を選ぶことも可能です。■電気料金プランの比較サイトを有効に活用しよう電力自由化により、現在、数百通りもの電気料金プランが存在するといわれています。ここまで5つの選び方のポイントをご紹介してきましたが、これらをひとつひとつの電力会社と照らし合わせ、その中から自分に最適なプランを選ぶのは、時間も労力も必要とする大変な作業になるでしょう。そこでおすすめしたいのが、電気料金プランの比較サイトの活用です。現在の電力の使用状況、契約内容などいくつかの項目を記入するだけで、自分に合った電気料金プランを提示してくれます。ぜひ一度試してみてください。■まとめいかがでしたか?ここまで、新電力(PPS)と大手電力会社(一般電気事業者)の違いや、電力会社を選ぶ際のポイントなどについて解説してきました。2つの電力会社の違いを把握していると、より自分に合った電力会社や電気料金プランを探しやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。
2017年03月01日日々の暮らしに欠かせない電気。「月々の電気代はそれなりにかさむけれど、電気料金を節約するためには電気を使わないようにするしかない」と思い込んでいませんか?しかし、実は電気料金プランを見直すだけで、電気代を安く済ませられるかもしれません。そこで今回は、電気料金プランの見直し方などについてご紹介していきます。■まずは契約アンペアをチェックして節約電気料金プランの見直しと言っても、どこから手をつけるべきかわからない人も多いのではないでしょうか?最も簡単にチェックできるものとしては、「契約アンペア」が挙げられます。契約アンペアとは、同時に使用できる電気の量の上限を定めたものです。アンペア数によって基本料金が異なるため、契約アンペアを変更することで電気料金を節約できる可能性があるのです。そもそも、電気料金はどのように計算されるのでしょうか?例えば東京電力の場合、以下の式で電気料金が計算されています。《電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金》上記の電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気の使用量に応じて課金されるため、この部分を節約するためには節電をする必要があります。そこで注目したいのが、契約アンペアによって金額が異なる基本料金です。例えば、東京電力の一般家庭向けプラン「従量電灯B」では、以下のように電力量料金が3段階になっています。・120kWhまで…1kWhあたり12.52円・120kWh~300kWhまで…26.00円・300kWh超…30.02円また、基本料金に関しては以下のように設定されています。・10A…280.80円・15A…421.20円・20A…561.60円・30A…842.40円・40A…1,123.20円・50A…1,404.00円・60A…1,684.80円先ほど述べた通り電力量料金は電気の使用量によって決まるので、同じだけ電気を使用した場合には、40Aから30Aに変更することで月々280円を節約できる計算になるのです。ただし、契約アンペアの見直しはすべての人が行えるわけではありません。実は、電気料金にはアンペア料金制と最低料金制の大まかに分けて2つの料金体系があり、電力会社によってどちらのシステムを採用しているのかが異なります。契約アンペア制では、東京電力の例で見たように契約アンペア数ごとに基本料金が定められており、さらに電気使用量に応じて課金されます。北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、九州電力などはこの契約アンペア制を採用しています。契約アンペアの変更ができるのは、こちらの契約アンペア制を採用している電気事業者と契約している場合です。それに対して最低料金制は基本料金が無く、ある一定の量までは一律の最低料金が定められており、それ以上は使用量に応じて課金されます。例えば関西電力では、一般家庭用の「従量電灯A」というプランの場合、以下のように料金が設定されています。・15kWhまで…一律373.73円・15kWh~120kWhまで…1kWhあたり22.83円・120kWh~300kWhまで…29.26円・300kWh超…33.32円このシステムを採用している電力会社としては、関西電力のほかに中国電力、四国電力、沖縄電力などが挙げられます。これらの電力会社を利用している場合には、契約アンペアによる料金の差は無いので、ライフスタイルに合ったお得な料金プランを検討してみると良いでしょう。■契約アンペアを見直すときのポイントまずは、現在契約しているアンペア数を確認しましょう。玄関や洗面所などにある分電盤を見ると、ブレーカーが色分けされていたり、数字が書いてあったりします。色分けは電力会社によって異なるため、わからない場合は各電力会社のウェブサイトなどで調べましょう。また、毎月の電気使用量のお知らせにも記載されています。次に契約アンペア数を見直しますが、ただやみくもに下げればよいというわけではありません。エアコンや照明、テレビ、電子レンジ、掃除機、洗濯機、ヘアドライヤーなど家の中には電化製品がたくさんありますが、これらを一度に使おうとして契約アンペア数以上の電流が同時に流れると、ブレーカーが落ちる仕組みになっています。ブレーカーが落ちても、スイッチひとつで回復する場合が多いですが、あまり繰り返すとブレーカー自体がうまく作動しなくなる恐れがあるのでとても危険です。そのため、同時に使う電気の量を見定めて、必要な分がギリギリ収まるアンペア数を選ぶのが安全に節約をするコツです。同時に使用する電気の量は、1年のうちで一番電気の消費量が多いときを基準にして考えるとよいでしょう。月々の電気料金を比べてみた場合、どの季節に一番多く支払っているでしょうか?一般的に春や秋の電気消費量は少なく、夏と冬に多く消費すると言われています。特に冬は、日が短いことから照明をつけている時間が長かったり、電気ストーブや電気毛布などの暖房器具を使ったり、長袖や厚手の服で洗濯物が増えることから洗濯回数が増えたり、気温が低くて洗濯物が乾きにくいため洗濯乾燥機を使ったりと、電気消費量が増えやすい傾向にあります。一方、夏場もエアコンによる電気消費量が多く、夏の需要全体のおよそ半分を占めると言われています。また、東京電力エナジーパートナーによると、1日の電気消費量をグラフにしてみたときに、夏と冬では電気需要のカーブが異なるとされています。夏は日中にのみエアコンをつけている場合が多いため、昼夜の電気消費量の差が大きくなり、ピーク時の電気消費量は冬に比べて多くなります。それに対して冬は起きて活動を始める朝と、日が暮れて暗く寒くなる夕方の2つのピークがあり、全体的に緩やかなカーブを描きます。電気の使い方は家によってさまざまですが、契約アンペア数を考えるときに重要なのは「一度にどれくらいの電気を使うか」というポイントなので、ピーク時に何アンペアが必要になるのかを考えるとよいでしょう。では、具体的にどんな電化製品がどれくらいの電気を必要とするのでしょうか?まずは、家の中にあるさまざまな電化製品のアンペア数がどれくらいなのかを把握しましょう。アンペアとは、電気の流れる量を表す単位のことで一般的にはAと表します。電化製品の電気消費量というと消費電力(W)が思い浮かぶ人が多いと思いますが、「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」という式に当てはめることで、ワット数からアンペア数を計算することができます。日本の電圧は全国一律100Vなので、例えば1,000Wの掃除機と1,500Wの電子レンジの場合は、以下の式でアンペア数を導き出せます。・1,000Wの掃除機のアンペア数…1,000(W)÷100(V)=10A・1,500Wの電子レンジのアンペア数…1,500(W)÷100(V)=15A東京電力エナジーパートナーによる主な電化製品のアンペア数の目安は、以下の通りとなっています。・掃除機(強)…10A・450リットルクラスの冷蔵庫…2.5A・電子レンジ…15A・ドラム式洗濯乾燥機の乾燥時…13A・IHジャー炊飯器…13A・プラズマ42型テレビ…4.9Aただし、例えばインバータエアコンは暖房使用時の稼働中は6.6Aですが、立ち上がり時などは一時的に20A前後になるなど、使用中に変動がある機器も多いため注意が必要です。さて、これらの電化製品を常に使っているものと一時的に使うものに分けて考えます。例えば、冷蔵庫(2.5A)や照明(1A)、エアコン(6.6A)などを大体いつも使用しているとすると、常時10.1Aは必要だということになります。その上で、一日の生活を思い浮かべてみて、「食器洗浄機(13A)でお皿を洗う一方で洗濯機(13A)を回しながら掃除機(10A)をかける」という場面がある場合、さらに追加で39Aが必要となり総アンペア数は「10.1A+30A=49.1A」となるため、契約アンペアの目安は50Aとなります。一方、一度に使うのはせいぜい「炊飯器(13A)でご飯を炊きながら電子レンジ(15A)でおかずを温める」くらいだとすると、追加で必要なアンペア数は28Aとなり、総アンペア数(10.1A+28A=38.1A)から判断すると契約アンペアは40Aあれば足りることになります。このように、アンペア数の合計が一番大きくなる場合を想定して、現在契約しているアンペア数より一段階下げられそうであれば、その分の基本料金を節約することができるのです。もし、現状ではアンペア数を変更できないというときには、ほんの少しライフスタイルを変えてみてはいかがでしょうか。多くの電気を消費する電化製品を同時に使わないように、食器洗浄機や洗濯乾燥機などは、タイマー機能を使って稼働時間をずらせばアンペア数のピークを抑えることができます。電化製品の機能をフルに使って賢く節約しましょう。■安い時間帯がある電気料金プランで節約契約アンペア制でない場合や、契約アンペアの見直しを済ませてもっと節約をしたい場合には、電気料金プランの変更を検討してみましょう。例えば、時間帯によって電気料金が変わるプランは、複数の電力会社が提供しています。当たり前のことですが、電気の消費は多くの人が活動している昼間に集中しています。一方、発電所はこまめに発電量を調整することができないため、夜間は電気が余りがちになります。そんな電力会社の事情もあり、夜間に電気料金を安く設定したプランが多く見られるのです。夜間以外にも、休日や春・秋など、オフピークに電気料金が安くなるプランは多くの電力会社で用意されているため、ライフスタイルと照らし合わせて検討してみてもよいかもしれません。例えば、以下のようなプランが見られます。【関西電力の「時間帯別電灯」】昼間の電気料金が少し割高になる代わりに、23時から7時の間の電気料金を安く設定しています。関西電力の通常のプラン「従量電灯A」では第2段階(120kWhから300kWhまで)は29.26円ですが、「時間帯別電灯」では日中の料金が31.66円、夜間は13.10円です。電気給湯器を使用している場合はお風呂も夜間に入ったり、洗濯乾燥機や食器洗浄乾燥機などをタイマーで夜間に使ったりすることで節約が期待できます。【東京電力の「夜トク」】夜間の割安になる時間帯が23時から7時と短い「夜トク8」と、21時から9時と長い「夜トク12」があり、夜間の料金がそれぞれ20.78円、22.55円となっています。■自分に合ったお得なプランで節電時間帯別のほかにもお得なプランはあります。特にオール電化の住宅に住んでいる場合には、電気使用量が多い人向けのプランに切り替えた方がお得かもしれません。一般的なプランでは、電気料金は使用量が増えるほど1kWhあたりの値段が高くなります。すると、オール電化住宅などで使用量が多い場合には、電気料金は割高になってしまいます。それに対して、オール電化用のプランはどんなに使っても1kWhあたりの電気料金は変わりません。例えば、以下のようなプランが選択肢として挙げられます。【東京電力の「スマートライフプラン」】1時から6時までの夜間は17.46円、それ以外の昼間は25.33円で固定となっています。夜間蓄熱式機器などを使用したり、タイマー機能で洗濯や食器洗浄を夜に行ったりすれば、効率よく節約することができます。【九州電力の「電化でナイト・セレクト」】昼間と夜間に固定料金が設定されており、夜間10時間が13.02円と割安になるプランです。夜間時間帯を21時~7時、22時~8時、23時~9時から選ぶことができ、夜遅くまで起きている人や朝に家事をする人など、さまざまな生活スタイルに対応しています。また、昼間の電気料金は夏と冬の平日が26.40円、休日が20.88円、春と秋は平日が23.56円、休日が17.55円と平日より休日が安く、夏と冬よりも春と秋に安くなっており、電力需要の少ない時間に電気を使うことで節約ができるようになっています。ほかにも、以下のようにそれぞれの土地の事情に寄り添ったプランが用意されている場合もあります。また、ライフサポートと電気料金がセットになっているプランも登場しています。【北海道電力の「融雪用電力A~D」や東北電力の「よりそうCスノー」など】道路の融雪設備を使用する人向けのプランであり、毎年3か月あまりの間のみ決められた時間に電気を使うことができます。【中部電力の「暮らしサポートセット」】水回りや鍵のトラブルにすぐ対応してくれるサービスや、さまざまな電話相談サービス、ハウスクリーニングの割引などが、電気の基本料金プラス300円で受けられます。注意すべきなのは、電力小売全面自由化した2016年4月を境に、電気料金プランを変更した電力会社が多いことです。それにともなって、今までにあったプランに新規に加入することができなくなっている場合があります。一方で、新しい料金プランができているところもあるので、今まで知らなかったお得なプランが見つかるかもしれません。一度詳しく調べてみることをおすすめします。ここでは紹介しきれませんでしたが、主要電力会社以外にもガス会社や携帯電話会社など新規の電気事業者は多数あり、それぞれさまざまな料金プランやサービスを提供しています。既に集めているポイントがさらに貯まったり、支払いがセットで割引になったりと、自分に合ったプランが見つかる可能性があるので、馴染みの会社が電気事業を始めていたらどんな料金プランがあるのか調べてみましょう。■まとめいかがでしたか?電気料金の節約というと照明をこまめに消したり、エアコンの設定温度を変えたりといった「節電」にばかり目が行きがちですが、電気料金プランを変えるだけでも安く抑えることができる場合があります。電力自由化で選択肢の幅が広がり、これまでよりさらにいろいろな料金プランやサービスが出てきているので、ぜひ一度、調べてみてください。
2017年03月01日こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。電気料の値上がりや電力自由化をきっかけに、オール電化の導入を検討している世帯が増えているそうです。家中のエネルギーを電力一本にしぼるという方法は、果たしてどんなメリットがあるのでしょうか?また、デメリットになり得る部分はないのでしょうか?実際にオール電化を採用している家庭に、話を伺ってみました!●オール電化にしてよかったこと・ガス料金の心配がいらない・深夜電力の使用により、電気代を節約できる・ガス漏れなどによる火災リスクが軽減できる・IHにより楽に掃除ができるオール電化を採用した人の一番の理由は、やはり料金の割安感 にあるようです。プランによって実際の料金は違ってきますが、ガス代がかからず深夜料金で電気を使用できれば、毎月の光熱費がぐっと抑えられる家庭が多いのではないでしょうか?また、IHによってガス漏れや火の消し忘れなどの心配も少なくなることから、高齢者によるオール電化リフォームが増えている ようです。さらにオール電化にプラスして太陽光発電を導入し自宅のエネルギーを自給しようという動きも少しずつ広まっているのだとか。中には自給した電力を売る ことで収入を得ているという人も!?●オール電化にして悪かったこと・昼間の電気代が割高・災害時や停電時にすべてのエネルギーが止まってしまう・初期費用が高額・IH対応の調理器具しか使えない・お湯はタンク貯水から供給されるため、そのままでは飲めない電気の使い方については家庭によって事情が変わるため、やはりオール電化に適さない家庭もあるようです。例えば、昼間でもたくさん電力を必要とする家庭はかえって電気代が上がってしまう恐れがあります。また初期投資がかかる点や調理器具を一新しなければいけない点を考えると、築年数の古い家やガス使用で道具がそろっている世帯がオール電化に切り替えるのはコスパが悪い と言えるかもしれません。さらに衛生面にも少々懸念が。貯水されたお湯はすぐに使えるのでシャワーとしては魅力的ですが、飲み水には適しません から煮沸して使う必要があります。●周りに流されずに、わが家をシミュレーションしてみよう!オール電化を採用したことで家計や生活にプラスとなった人はたくさんいるようです。しかし、周りが得をしているから必ずしもわが家も得をするとは限らないのがオール電化の落とし穴であることがわかりました。オール電化の採用を検討している人は、メーカーや業者さらには家族一人ひとりとじっくり話し合い、わが家にメリットがどれほどあるのか?またデメリットはどれほど抑えられるか?を明確にシミュレーションしてから適合性を決断することが大切です。焦る必要はありません。じっくり何度も考えてみましょう。●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)●モデル/赤松侑里(さゆりちゃん)
2017年02月27日2016年4月から一般家庭においても電力自由化がスタートしましたが、「そもそも電力自由化ってなに?」「どんなメリットがあるの?」と思っている人も多いはず。今回は、そのような疑問を解決すべく、電力自由化について分かりやすく解説していきます。■電力自由化で押さえておくべき4つのポイント■【ポイント1】電力自由化の仕組み2016年4月からスタートした電力自由化とは、一部の電力会社が独占するのではなく、さまざまな事業者が電力を販売できるようになったことを指します。これにより、大きな工場やオフィスビルから個人商店や一般家庭まで、すべての消費者が、各地域の一般電気事業者(東京電力をはじめとする全国10社の電力会社)以外からも、好きな電力会社を自由に選べます。とはいっても、電力の供給システムがこれまでと大きく変わるわけではありません。電力の供給は、主に発電・送配電・小売の3つの部門に分かれています。発電は、火力や水力などを利用して電気を生み出す部門、送配電は電線を利用して電気を届ける部門、小売は消費者と直接契約をして料金プランやサービスを提供する部門です。発電部門は、原則としてすでに自由に参入できるようになっているため、電力自由化によって大きく変わるのは小売部門のみだといえます。送配電部門は、電力自由化後も安定的な電力の供給の確保が求められることから、従来通り一般電気事業者によって管理されます。■【ポイント2】電力自由化の目的電力の自由化には、主に3つの目的があります。①電力を常に安定して供給する東日本大震災以後、原子力発電所は大きな打撃を受け、電力不足は大きな課題となっています。そのような中、電力自由化により、特定の地域で電力が十分に供給できないとなった場合に、別の場所から電力を融通できる仕組みを確立することを目指しています。②電気料金を抑える各地の原子力発電所が運転停止に追い込まれたことで、現在、電気の中心は火力発電が中心となっています。これにより燃料費のコストが上昇し、各地で電気料金が値上げされたことは、記憶に新しいでしょう。電力自由化には、たとえ供給コストが上昇したとしても、各電気事業者の価格競争を促すことで、電気料金を最大限に抑える狙いがあります。③経済の活性化これまで一般電気事業者によって独占されていた電気の小売市場には、およそ7.5兆円という莫大な市場規模がありました。電力自由化によってさらにこの市場が活性化すれば、大きな経済効果が期待できるでしょう。■【ポイント3】電力会社を切り替える方法新規事業者への切り替えは簡単で、原則として誰でも自由に行えます。まずは、切り替えたい電力会社へ電話や窓口、ホームページなどから申し込みをします。このとき、現在ご契約の従来の電力会社との解約手続きは、契約者自身が行う必要はありません。希望する電力会社が、契約者の同意の下、代わりに行ってくれます。なお、電力会社を切り替える際には、必ずスマートメーターの導入が必要です。ご自宅にスマートメーターが設置されていない場合は、新しい電力会社へ申し込みをしたあとに、現在契約を結んでいる地域の電力会社が交換工事を請け負ってくれます。スマートメーターへの交換に際しては、設備の改修が必要になるなど特別な場合を除き、基本的に費用の負担はありません。■【ポイント4】電力自由化の現状男女100人を対象にしたあるアンケート調査によると、電力の自由化にともなって電力会社を変更したいと考えている人は、引っ越しを機に変更したいと考えている人とすでに変更している人を含めると、全体の約75%に上ったそうです。一方で、電力広域的運営推進機関のデータによれば、電力自由化がスタートして半年の2016年9月末時点において、電力会社を変更した人は全体のわずか3%ほどに留まっています。「電力自由化という言葉は知っているし、興味もあるけれど、その実態をよく把握できていない」という方がまだまだ多いのが現状です。電力自由化は、さまざまな事業者にとってビジネスチャンスとなるのはもちろんですが、消費者にとっても大きなメリットがあります。そこで以下では、電力自由化に関するよくある疑問を4つまとめています。電力会社の切り替えを検討する際の参考にしてみてください。■【疑問1】電力会社によって電気の質は低下する?どの電力会社から購入するかにかかわらず、電力は、これまでと同じ送電線や配電線を使って各家庭に供給されます。そのため、電気事業者によって電気の質が低下する、供給電力への信頼性が保障されない、といったことは起こりません。また、火力発電や原子力発電、再生可能エネルギーによる発電など、電気を生み出すにはさまざまな方法がありますが、発電の違いによって電気の質に差が生まれることもありません。■【疑問2】電力会社が倒産したら電気が止まってしまう?新たに契約した電力会社が倒産した場合でも、電気が止まってしまうことはありません。別の電力会社が見つかるまでは、従来のように、住んでいる地域の電力会社が電力を届けてくれるシステムになっています。また、消費者が電力の供給に関する契約を直接結ぶのは小売業者ですが、物理的に電力を届けてくれているのは、送配電に関わる業者です。先ほど少しご説明しましたが、電力自由化後も、送配電は各地域の一般電気事業者が担います。そのため、たとえば契約している電力会社が十分な電力を賄えなかった場合でも、その分を一般電気事業者が補ってくれるため、電力の供給がストップすることはありません。■【疑問3】賃貸やマンションでも電力会社を変更できる?賃貸の場合、現在電力会社と契約を結んでいる名義人がご本人の場合は、自由に変更が可能です。マンションやその他の集合住宅の場合も、それぞれの家庭で個別に契約を結んでいる場合は、電力会社を切り替えることができます。ただし、集合住宅の場合は、管理組合などを通し、マンション全体でまとめて電気を購入していることもあります。購入の契約内容や集合住宅内の規約によっては、個別の契約が制限されることもあるため、確認をとってから切り替えを検討するようにしましょう。■【疑問4】電力会社を自由に選べない地域がある?基本的には、お住まいの地域に、参入している電気の小売事業者があれば、都市圏や地方の山間部など、住んでいる場所にはかかわらず、好きな電力会社から電力の供給を受けることが可能です。ただし、離島の場合は、電力会社を自由に選べる可能性はほとんどありません。電力会社は「離島供給約款」に基づき、日常生活に必ず必要となる電気を離島の各家庭に届ける義務を負っています。そして、日常生活の妨げになったり、島民の負担になったりすることがないように、供給電力の価格や質を変えることはできません。一方で、海を渡って電気を届けることは簡単ではなく、離島への電力の供給にはコストがかかります。そのため、新たな事業者が離島で電力を販売するには、メリットがほとんどありません。離島にお住まいの場合は、今後も継続して現在の電力会社から供給を受けることになるでしょう。■電力自由化のメリット【大きな経済効果が期待できる】電力の販売は、これまで全国各地の一般電気事業者に独占されている状態でした。しかし、電力自由化によって電力小売事業は開かれた市場になり、それぞれが顧客を獲得するために、さまざまな料金プランやサービスを打ち出すことで、激しい競争が繰り広げられるようになります。これにより、経済の活性化が期待できます。【電気料金が安くなる可能性がある】従来は政府による規制があり、定められた料金でしか電力を提供することができませんでした。しかし、電力自由化によって電気料金も完全に自由化され、それぞれの電力会社は顧客獲得のため、戦略的に価格設定を行っています。たとえば、料金単価そのものの値下げのほか、継続して契約するほどより多く割り引かれたり、早朝・深夜や土日の電気料金が安くなったりする料金プランを提供しているところがあります。ライフスタイルを考慮して適切な電力会社を選べば、今よりぐっと電気料金を抑えられる場合もあり、消費者にとっては最大のメリットになるといえそうです。【電力会社独自のさまざまなサービスが受けられる】電力自由化によりさまざまな分野の企業が電気小売事業に参入してきたことで、各電力会社独自のサービスが打ち出されています。特に注目したいのは、「セット割」といわれるサービスです。セット割とは、現在契約しているガス会社やネット会社、携帯会社などと同じ会社から電力の供給を受けることにより、より大きな割り引きが受けられるというもの。電気代だけで見ればそれほど大幅な値下げとはならなくても、セット割を上手に活用することで、生活費全体の支出を抑えられる可能性があります。【クリーンエネルギーを選択できる】現在、国内の発電は火力発電が中心ですが、そのエネルギーを生み出す手段としてはほとんど、石油や石炭などの化石燃料が用いられています。化石燃料は、はるか昔の枯死した植物や微生物の死骸などが、何億年という長い時間をかけて積み重なることで生まれます。ところが現在は、そのプロセスよりもずっと短い時間で大量の化石燃料を消費し続けており、このままでは、石油の場合は40年ほど、石炭の場合は160年ほどで完全に枯渇してしまうといわれています。そこで注目を集めているのが、風力や地熱、太陽光、バイオマスなどのクリーンエネルギーです。これらは、資源として利用しても比較的短い間に再生することができ、半永久的に枯渇しないことから、「再生可能エネルギー」とも呼ばれています。電力自由化によって各電力会社には電力の調達先を表示することが義務づけられているので、地球環境にやさしい発電方法で生み出された電力を、消費者が意識的に購入することが可能になります。■電力自由化のデメリット【電気料金が高くなる可能性がある】政府は電力自由化により電気料金が最大限に下げられることを期待していますが、価格設定が完全に自由化され、規制がないところで各事業者間での競争が激しくなれば、必ずしも価格が安くなるとは限りません。燃料費のコスト上昇や天候の変動などさまざまな要因が重なれば、逆に価格が高騰してしまう可能性もあるのです。事実、すでに電力自由化が進んでいる海外では、電気料金が以前よりも高くなってしまったケースが少なくありません。また、個々のレベルにおいては、電力会社や料金プランの選び方によっても、今より電気代が高くなることがあります。【解約金・違約金が発生する場合がある】従来は、住んでいる地域の一般電気事業者から自動的に電力が供給されるシステムだったため、一応は年間契約としている電力会社がほとんどですが、契約期間がはっきりと定められているわけではありませんでした。しかし電力自由化となった現在では、シェア拡大の戦略として契約期間をしっかりと定めている電力会社も多く、それにともなって、解約金や違約金が発生することもあります。そのため、場合によっては、より柔軟に、好きなタイミングで電力会社を変更できない可能性も出てきます。電力会社を選ぶ際は、契約の前に解約金・違約金の有無をきちんと確認し、本当に自分に合ったプランであるか慎重に検討しましょう。【適切なプランを選ぶ労力がかかる】上記2つのデメリットからも、適切なプランを選ぶことの重要性がお分かりいただけたと思いますが、2016年9月時点ですでに数百に上る料金プランが存在しており、今後ますます増えていく可能性も大いにあります。そのような中で自分の生活にあった料金プランを探すのは簡単ではなく、時間や労力がかかってしまうことも、デメリットのひとつだといえるでしょう。ただし、電力自由化が進められていく中で、さまざまな料金プランを比較しながら検討できるWebサービスなども増えつつあります。そうしたサービスを有効に活用できれば、より多くの人にとって、電力自由化がもっと身近なものになっていくかもしれません。■まとめいかがでしたか?電力自由化は、デメリットをきちんと把握し、電力会社や電気料金プランを適切に選択すれば、消費者にとって大きなメリットを得られるものです。これを機に、自分なりに情報収集し、電力自由化に関する知識を深めていただければと思います。
2017年02月24日月々の電気料金は、「電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金」の計算式で算出されます。また電力量料金の算出式は「電力量料金=電力量料金単価×使用量+燃料費調整単価×使用量」です。このうち「電力量料金単価×使用量」の部分は節約努力によって減額が可能だといえます。■電気料金の内訳は?「電気使用量のお知らせ」といった名前のついた電気料金・電気使用量の明細をじっくり見たことがありますか?よく観察してみると、請求予定金額欄の下部などに、電気料金の内訳が書いてあります。これらは何を意味するのでしょうか。電気料金の内訳は以下のとおりです。この3つの合計が月々の電気料金となっています。◼︎基本料金◼︎電力料金◼︎再生可能エネルギー発電促進賦課金電力料金はさらに以下のように分けられます。◼︎電力量料金単価×使用量◼︎燃料費調整単価×使用量使用量はご家庭のメーターの針から読み取ります。当月の指示数から前月の指示数を引いて、その月の使用電力量が決まります。なお口座振替を利用している場合は上記合計額から割引されることもあります。■基本料金とは基本料金とは、契約アンペアごとに決められた一定の料金のことを指します。契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のことです。一気にいろいろな電化製品を使ってブレーカーが落ちてしまった経験はありませんか?それは、契約アンペアを超えた電気量を使ってしまったことによるものです。たとえばある電力会社を例に挙げると、10アンペアから60アンペアまで5アンペアもしくは10アンペアごとに契約アンペアが定められています。各基本料金は、・10アンペアで280.80円・15アンペアで421.20円・20アンペアで561.60円といった具合です。契約アンペアの色は、アンペアブレーカーの色によって判別できるのが一般的です。たとえばある送配電事業者の場合であれば、契約アンペアが10アンペアの場合は赤色、15アンペアの場合は桃色、といった具合に決まっています。なお色と契約アンペアの組み合わせは送配電事業者によって異なりますので、利用している送配電事業者の色分けをチェックしてみましょう。契約アンペアは任意で変更できます。頻繁にブレーカーが落ちてしまうという人は契約アンペアの変更を検討したほうがよいでしょう。ただし契約は年間契約が基本で、季節的に契約アンペアを変更できないのが一般的です。たとえば、電気をあまり使わない春や秋には15アンペアで契約し、電気を多く使う夏や冬には30アンペアで契約する、といったことは多くの場合できません。したがって契約アンペアを決める際は、1年または1日のなかでもっとも電気を多く使うタイミングを考えて決定しましょう。たとえば電気機器を同時に多く使いがちな夕食前・夕食時、冷暖房機器を使う真夏や真冬などの電気量を想定して決めてください。なおアパートやマンションなどの集合住宅の場合は、契約アンペアを変更する際に所有者や管理人の許可が必要です。契約アンペアを下げると基本料金は下がりますが、上乗せされる電力量料金は変わらなかったり、逆に増えたりすることもあります。基本料金を減らしても合計としての電気料金は必ずしも減るわけではありませんので注意しましょう。■電力量料金単価の仕組み「三段階料金」とは電力量料金単価とは、使用電力1kWhあたりの料金のことです。電力量料金単価は契約種別によって決まります。契約種別とは、電力料金単価を決める電気料金プランのことです。契約種別はおもに以下の3種類に分かれます。①従量電灯24時間一律の電力量料金単価が設定されている契約種別です。もっともオーソドックスな契約種別だといえます。②時間帯別電灯一日を昼夜2つや朝昼晩3つの時間帯に分け、時間帯ごとに異なる電力量料金単価を設定している契約種別です。「夜得プラン」「朝得プラン」のような名前がついているのを見たことのある人もいるでしょう。たとえば日中自宅にいないことが多く、夜に電気を使うことの多い人は、夜間に電力料金単価が低くなる契約種別を選べば、電気料金をその分安く抑えられます。なお時間帯ごとおよび季節(2季節)ごとに電力量料金単価が設定されている契約種別もあります。③ピーク抑制型時間帯別電灯電気使用量がピークになる夏の午後3時間(北海道は冬期の夕方3時間)の電力量料金単価を高めに設定し、それ以外の時間帯の電力量料金単価を低めに設定しているタイプの契約種別です。「ピークシフト」などという名前がついています。電力量料金単価の多くは「三段階料金」となっています。三段階料金制度とは、電気の使用量に応じて、電力量料金単価を3段階に変動させる制度のことです。省エネを推進する目的で昭和49年6月から実施されています。第1段階は、国が保障すべき最低限度の生活水準である「ナショナル・ミニマム」の考えにのっとった料金で、比較的低額に設定されています。第2段階は標準的な家庭における月ごとの使用量を踏まえた平均的な料金設定です。そして第3段階は若干割高に設定されています。たとえばある地域で従量電灯Bという契約種別で契約した場合、・第1段階は120kWhまでで19.52円/kWh、・第2段階は300kWhまでで26.00円/kWh、・第3段階はそれ以上で30.02円/kWhと設定されています。もしこの電力量料金単価の地域で、ある月の使用量が60kWhだった場合は、第1段階の料金が適用され、19.52円×60=1171.2円の電力量料金という計算です。以上を見るとわかるとおり、電力量料金単価は使用電力が少ないほど低くなるとともに、使用量に比例して電力量料金が決まることから、「電力量料金単価×使用量」は節約努力によって抑えられる部分といえるでしょう。また契約種別の見直しによっても額を抑えられる部分です。■燃料費調整単価とは燃料費調整制度とは、発電に必要な火力燃料(原油、LNG(液化天然ガス)、石炭)の価格変動を電気料金に反映させるための制度です。火力燃料の価格変動に応じて「燃料費調整単価」が毎月調整されます。電気料金においては、この燃料費調整単価に月の使用量をかけた「燃料費調整額」として反映されています。燃料費調整単価の計算式は以下のとおりです。なお燃料費調整単価は、小数点以下第1位で四捨五入されます。◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を上回った場合はプラスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1,000◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を下回った場合はマイナスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(基準燃料価格-平均燃料価格)×基準単価÷1,000平均燃料価格とは、原油、LNG、石炭それぞれの燃料価格を原油換算1klあたりの価格に換算した計算用の燃料の価格です。原油、LNG、石炭それぞれにおける3か月間の貿易統計価格にもとづいて、毎月算定されます。平均燃料価格は地域によって異なりますが、たとえば関東エリアの場合であれば、以下のような計算式で算出されます。【平均燃料価格(原油換算1klあたり)=(3か月における1klあたりの平均原油価格×0.1970)+(3か月における1tあたりの平均LNG価格×0.4435)+(3か月における1tあたりの平均石炭価格×0.2512)】なおそれぞれの平均価格にかけられている定数は、地域によって異なります。また、上記の式の基準燃料価格は、電力会社が料金設定をする際に前提条件として用いる平均燃料価格のことです。基準燃料価格と平均燃料価格の差額から、燃料費調整単価のプラスマイナスや額の大きさが決まります。たとえば関東エリアの場合であれば、以下のように平成24年1月~3月における平均貿易統計価格から、原油換算1klあたりの基準燃料価格を算出しています。◼︎1klあたりの平均原油価格57,802円◼︎1tあたりの平均LNG価格67,548円◼︎1tあたりの平均石炭価格11,452円→以上3点から算出し、基準燃料価格は原油換算1klあたり44,200円基準単価とは、平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価のことです。たとえば関東エリアでは22.8銭/kWhと決められています。以上を踏まえて、燃料費調整額を具体的に見てみましょう。燃料費調整額は先述したとおり「燃料費調整額=燃料費調整単価×月の使用量」の計算式で算出されます。たとえば使用量60kWhで燃料費調整単価が-4.6円/kWhだった場合、-4.6円×60=-276円がその月の燃料費調整額です。電気使用量や電気料金の明細には燃料費調整単価自体が明記されていることはあまりありませんが、燃料費調整額を使用量で割れば、逆算で燃料費調整単価を導き出せます。なお平均燃料価格、基準燃料価格、基準単価は、電力の提供エリアによって異なるため、この3つから算出される燃料費調整単価も地域によって異なります。ご自身のエリアについて調べてみましょう。以上を踏まえると、燃料費調整額は原油などの燃料の価格に左右され、個人の努力ではあまり節約できない部分であることがわかるでしょう。とはいえ、電気料金を見ることによって燃料の価格増減を身近に感じられるのは興味深いですよね。ニュースなども注意して見て、動向をチェックしておきましょう。■再生可能エネルギー発電促進賦課金とは再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「送配電事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」という法律によって定められている賦課金です。送配電事業者は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーによって発電された電気を、一定の期間中、国が定めた単価で購入することが義務づけられています。この購入に必要な費用については、全国一律の単価で、電気を使用する人全員が負担します。この負担が再生可能エネルギー発電促進賦課金です。なぜ再生可能エネルギー発電促進賦課金は全国一律料金なのでしょうか。再生可能エネルギーの導入については、地域によってばらつきが生じる可能性があります。とはいえ、地域によって賦課金に格差があると不公平感が生まれてしまうでしょう。それを避けるため、全国レベルで電気使用者の負担額を調整する「費用負担調整機関」が設置されています。同機関は、各送配電事業者が全国一律料金で集めた賦課金をいったん回収します。そののち、各送配電事業者の買取費用に応じて、交付金を交付します。このようにして、不公平感を防ぎながら、再生可能エネルギーの導入状況に応じて賦課金が使われるようになっています。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに国が定めます。計算式は以下のとおりです。【再生可能エネルギー発電促進賦課金単価=送配電事業者への交付金の見込額合計÷送配電事業者の想定供給電力量の合計】月々の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の計算式で算出されています。【再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×月の使用量】たとえば使用量が60kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が2.25円/kWhであれば、2.25×60=135円がその月の再生可能エネルギー発電促進賦課金という計算です。再生可能エネルギー発電促進賦課金の部分も、個人の努力で節約できる部分とはいえません。とはいえ、再生可能エネルギー発電促進賦課金の額からは、日本全体の送配電事業者がどれだけ再生可能エネルギーを導入しているかがわかります。賦課金の部分が大きくなるのは電気料金を払う側からすると負担かもしれません。しかし賦課金が大きいということは、それだけ日本の送配電事業者がエコなエネルギーを使うようになっているか、あるいは日本全体の電気使用量が減っているということを意味します。賦課金の額は日本がどれだけエコな電気の使い方をしているかの指標になるといえるでしょう。■まとめ2016年から電力の自由化が実施され、電気料金を見直す機会が増えた人も多いかと思います。電気料金の仕組みを知ることは、電気料金をかしこく節約する第一歩です。毎月の電気使用量・電気料金明細の意味を細部まで理解し、ご家庭の電気料金を見直してみてはいかがでしょうか
2017年02月22日電気料金は、「消費電力×使用時間」の計算式で算出される「消費電力量」を根拠に算出されます。消費電力とは、電気機器を動かすために使われる電力の大きさのことです。家電のラベルやカタログには、定格消費電力や年間消費電力量といった形で消費電力が記載されていることもあります。これらの消費電力から1カ月分の消費電力量を算出し、それに電力量料金単価をかけて基本料金などを加えれば、1カ月間の電気料金が計算できます。■消費電力・消費電力量とは?家電ごとの消費電力目安もご紹介消費電力とは、電気機器を動かす際に使われる電力の大きさを指します。単位はW(ワット)やkW(キロワット)などです。なお1,000W=1kWと換算されます。この電力の大きさで、実際に使われた電力の量が消費電力量です。消費電力量はWh(ワット時)やkWh(キロワット時)という単位で表します。消費電力量を算出する計算式は以下です。・消費電力量=消費電力×使用時間たとえば60Wと書かれてある白熱電球は、消費電力が60Wであることを意味しています。つまりこの電球をオンにするためには60Wの電力が使われるという意味です。この白熱電球を5時間使ったときの消費電力量は以下の計算式から算出できます。・60W×5時間=300Wh白熱電球以外にも、家電などの電気機器のラベルやカタログには、その機器を動かすための消費電力が記載されています。以下はおもな家電の消費電力の目安です。ただし、家電の大きさや型のほか、計算方法によって消費電力の値は異なることがありますので、あくまで参考としてください。◼︎冷蔵庫(「年間消費電力量」の項目も参照)・140リットル以下:48W・141~200リットル:50W・201~250リットル:58W・251~300リットル:62W・301~350リットル:64W・351~400リットル:56W・401~450リットル:60W・451~500リットル:58W・501リットル以上:64W◼︎エアコン・6~9畳用:355W・7~10畳用:508W・8~12畳用:599W・10~15畳用:745W・11~17畳用:905W・14~21畳用:1,220W・15~23畳用:1,730W・17~26畳用:1,890W・20~30畳用:2,490W以上を見てみると、よく電気を使う家電、思ったほど電気を使わない家電などが比較できますよね。アイロンやドライヤーなど、小さいのに多くの電力を使う家電に驚いた人もいるのではないでしょうか。◼︎ドライヤー:800~1200W◼︎アイロン:1,200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎電子レンジ:1,300W◼︎掃除機:1200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎IH調理器(卓上):1,200W◼︎コタツ:600W◼︎食洗器:1,300W◼︎ホットカーペット:500~800W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎炊飯器:300~700W◼︎加湿器:300~500W◼︎液晶テレビ(32型):150W◼︎プラズマテレビ(32型):240W◼︎洗濯機:500W◼︎洗濯機(乾燥機能):800~1000W◼︎デスクトップPC:150~300W◼︎ノートPC:50~150W■ラベルにある「定格消費電力」って?家電のラベルやカタログで消費電力を調べてみると、単に「消費電力」と書かれているのではなく「定格消費電力」と書かれている場合が多いことに気づくかと思います。定格消費電力とは、その電気機器を安全な範囲内で最大限使用した際に消費する電力の大きさのことです。実際の消費電力は一般的に、定格消費電力の90%程度になるよう設定されています。これは安全のため、供給電圧が最大限になった場合でも家電の定格消費電力を超えないようにされていることが理由です。以下で、家電のタイプごとに定格消費電力と消費電力の関係を詳しく見ていきましょう◼︎「オン/オフ」のみの家電電球など「オン」または「オフ」しかない家電における消費電力の目安は、先述したとおり、定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力が60Wの電球の場合、60W×0.9=54Wが実際の消費電力の目安になります。◼︎タイマー機能のみの家電単純な電子レンジやオーブントースターなど、タイマー機能のみの家電についても、実際の消費電力は定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力1000Wのオーブントースターであれば、実際の消費電力は約900Wの計算になります。◼︎「切/弱/強」といったスイッチがついた家電ドライヤーなど強弱の調節ができる家電製品のラベルなどには、「定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W」といった表記が見られます。この場合の実際の消費電力は以下のように考えましょう。・強モードを使った場合の消費電力目安=700×0.9=630W・弱モードを使った場合の消費電力目安=300×0.9=270W◼︎サーモスタット機能のついた家電サーモスタットとは、一定の温度を保つために自動的に温度を調節する機能のことです。たとえばアイロンやコタツなどにはサーモスタットがついています。アイロンを例として仕組みを見てみましょう。アイロンの「高」モードは約200度の設定です。スイッチをオンにすると過熱を開始し、200度に達すると自動でスイッチがオフになります。さらに温度が200度を下回るとまた自動でスイッチがオンになる仕組みです。このような家電の場合は、どのように消費電力を計算すればよいのでしょうか。ホットカーペットを例に考えてみましょう。「強」モードが700W、「弱」モード300W、定格消費電力700Wの場合、30分間の平均消費電力は以下のように計算できます。《強モードの場合》・定格消費電力700Wでスイッチオン→実際の消費電力は約630W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は630Wの約3割~5割→約189~315W《弱モードの場合》・定格消費電力300Wでスイッチオン→実際の消費電力は約270W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は270Wの約3割~5割→約81~135W実際の消費電力は、表記されている定格消費電力の半分以下になる場合もあるとわかります◼︎2種類の定格消費電力が併記されている家電たとえば冷蔵庫には、以下のように記載されていることがあります。・定格消費電力電動機:90W電熱装置:200W「電動機」の部分は普段の最大消費電力を指し、「電熱装置」の部分は霜取り運転をする際の最大消費電力を指します。なお冷蔵庫の場合は、後述する「年間消費電力」の記載を目安にしたほうが正確な電力量が出ることもあります。◼︎定格消費電力の記載がない家電家電製品の中には、定格消費電力の記載がない家電もあります。たとえば掃除機などは、カタログに「消費電力:1000W~300W」などとかなり幅を持って記載してあることがあります。これは掃除機が、使い方によって消費電力が大きく変わる家電であるためです。たとえば集塵部分にほこりがたまった状態で「強」モードの運転をした場合は消費電力1000W程度、集塵部分を掃除してモーターの負荷を軽くした状態で「弱」モードの運転をした場合は消費電力300W程度になるというように解釈しましょう。発電の負荷をできるだけかからないように使うことが、特に消費電力を抑えるポイントになる家電といえます。計算の際には、普段の使用方法を振り返り、記載されている消費電力の範囲内で計算しましょう。温度設定や気温との関係によって消費電力が変わるエアコンも、定格消費電力の記載がないことが一般的です。たとえば、以下のように記載されています。・消費電力:1,200W~150W(700W)括弧内は平均値を表しています。計算の際には、仮に平均値を使って計算するとやりやすいでしょう。テレビやパソコンも、ディスプレイの明るさやステレオの音量によって消費電力が変わるため、定格消費電力の記載がない場合があります。消費電力の目安値や、後述する年間消費電力の値を使って計算するようにしましょう。■テレビや冷蔵庫にある「年間消費電力」って?年間消費電力は、ある家電製品を1年間使った場合の電力量のことです。たとえば冷蔵庫は、扉を開閉する回数や時間によって瞬間の消費電力が異なってくるため、年間消費電力を目安として表示しています。また待機電力も計算しないといけないテレビのような家電についても、年間消費電力が記載されている傾向があります。年間消費電力は、その家電が実際に使われている状況に近い条件になる基準で計算されています。メーカーが異なっていても、測定基準は一定です。年間消費電力の値を使って他の家電と消費電力を比較する際には、以下のように計算します。・消費電力の目安=年間消費電力×1,000÷365日÷24時間この計算式で、1時間当たりの消費電力量目安が出るため、定格消費電力などで消費電力の目安が記載されている家電と比較できるようになります。■1カ月の電気料金を計算してみよう!実際に1カ月の電気料金を、家電の消費電力から計算してみましょう。以下で1カ月を30日とした場合の例をご紹介します。◼︎【1】自宅にある電気製品とその消費電力、使用頻度を列挙して消費電力量を計算する《具体例》・冷蔵庫:417kWh/年(年間消費電力量)消費電力の目安は、417kWh×1,000÷365日÷24時間≒48Wh1日24時間30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、48Wh×24時間×30日=34,560Wh・電子レンジ:1,100W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割の990W1日10分、30日使用するので、990W÷6×30日=4,950Wh・炊飯器:570W(消費電力)1日1時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、570W×1時間×30日=17,100Wh・液晶テレビ(65型):326kWh消費電力の目安は、326kWh×1,000÷365日÷24時間≒37Wh1日4時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、37Wh×4時間×30日=4,440Wh・エアコン:平均700W1日12時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、700W×12時間×30日=252,000Wh・デスクトップパソコン:155W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割で約140W1日3時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、140W×3時間×30日=12,600Wh・掃除機:1,000W~300W(消費電力)実際は「強」モードで、毎回メンテナンスをしながら使うため、消費電力目安は800Wと試算月4回、1回30分使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、800W×0.5時間×4日=1,600Wh・ドライヤー:定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W常に「強」モードで使っているため、実際の消費電力は9割の630W1日10分、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、630W×÷6×30日=3,150Wh・アイロン:1,200W(定格消費電力)実際の消費電力目安は30分間で1,200W×0.3=360W程度1回10分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、360W÷3×15日=1,800Wh・洗濯機:500W1回30分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、500W×0.5時間×15日=3,750Wh◼︎【2】【1】の合計を1,000で割って、1カ月の消費電力量(kWh)を出す(34,560+4,950+17,100+4,440+252,000+12,600+1,600+3,150+1,800+3,750)÷1,000≒336kWh◼︎【3】電力量料金単価に【2】で出た消費電力量をかけるある送配電事業者の従量電灯プランの場合、使用量が300kWを超えた際の電力量料金単価は30.02円/kWhなので、336×30.02=10,086円なお電力料金単価は三段階料金制が採用されていることが多く、電気の使用量によって三段階に変化します。利用している送配電事業者の料金プランを確認してみましょう。◼︎【4】基本料金などを加算して電気料金の合計を出すある地域における送配電業者の従量電灯プランの場合、基本料金が421.20円、燃料費調整単価が4.61円/kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が1.58円/kWhなので、10,086円+421.20円+(4.61+1.58)×336kWh≒12,587円基本料金は電気料金プランである契約種別によって異なります。また燃料費調整単価は地域によって異なり、送配電事業者のホームページや使用量明細に記載してあります。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに決まり、全国一律です。以上の計算で試算額が出ました。1カ月の電気料金試算額は12,587円です。■まとめ今回は、電気料金を消費電力から計算する方法についてご紹介しました。いかがでしたか?実際に計算してみると、電気料金に全体に対してどの家電が多くの割合を占めているかがわかりますよね。消費電力を見直すことは、電気料金の節約の第一歩です。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自宅の電気料金を試算してみてはいかがでしょうか。意外な無駄遣いが見つかるかもしれませんよ!
2017年02月22日すでに多くのメディアが取り上げているのでご存知かと思いますが、2016年4月から、電力自由化がスタートしました。簡単にいえば、これまでとは違い、一般家庭でも電力会社を自由に選ぶことができるようになったわけです。ただ、「そこでなにが変わるのか?」については、詳しいことがわからないという方も少なくないはず。そこで目を通しておきたいのが、『電気の選び方-わが家の電力自由化ガイドブック-』(電気新聞著/編集、日本電気協会新聞部)。一般家庭を対象に、失敗しない電気の選び方を紹介した書籍です。電気を選べるようになったのだとしたら、いちばん気になるのはやはり料金。そこで本書から、電気料金について覚えておきたいことを抜き出してみましょう。■電気料金が規制料金から自由料金へ!2016年3月まで、一般家庭の電気料金は、国のチェックを受けた料金だったのだそうです。これは一般的に「規制料金」と呼ばれているもの。一方、電力小売全面自由化が決まった2016年4月以降、新しい電力会社や、地域の電力会社から提供される電気料金は、国の規制を受けない「自由料金」。自由料金の特徴は、料金を上げるのも下げるのも電力会社次第で、国のチェックが入らないということ。そのため、多くの会社が参入し、さまざまな電気料金メニューをアピールしているわけです。■とくに切り替えない場合は従来のままでは、2016年4月以降も電力会社や電気料金メニューを変更しなかったとしたら、どうなるのでしょうか?その場合は、自由化前まで地域の電力会社と契約していたメニュー(従量電灯Bなど)が、自動的に継続されることになるのだといいます。なお自動的に継続される自由化前の電気料金メニューのうち、従量電灯などの標準的な規制料金メニューは、競争が進むまでしばらくの間は維持されることになっているのだそうです(正確には、地域の電力会社の「特定小売供給約款」に記されたメニュー)。これらのメニューでは新たに電気を使いはじめるときに選ぶこともできますし、電力会社を切り替えたあとで、再度戻ることも可能。ただし特定小売供給約款には、自由化前にあったオール電化住宅用の料金メニューや、季節別時間帯別料金メニューなどはないそうです。自由化前に契約していた人はそのまま継続利用できるものの、新たに契約を結ぶ場合は、自由化後にできた電気料金メニューのなかから自分の使い方に合ったものをチョイスすることになるわけです。■把握しておきたい電気料金の基本とはところで新しい電力会社の多種多様な料金メニューも、実は従来の電気料金をベースに設計されているのだといいます。そこで、まずは電気料金の基本的なしくみを把握しておくことが大切。月々の電気料金は、地域によって使用する電気の容量(アンペア=A)で決まる「基本料金制」か、一定の使用量まで定額の「最低料金制」に分かれます。一般に電気料金は、この「基本料金(最低料金)」と、電気の使用量(kWh)によって計算される「電力量料金」との組み合わせで計算されるのだそうです。電力量料金は、使用する電力量に応じて料金単価が3段階に分かれ、使用量が多くなるにつれて単価が高くなっていきます。つまり、経済的に余裕のない人でも電気を利用できるようにしているわけです。なお電力量料金では、使用量に応じて「燃料費調整額」が加算または差し引かれるのだといいます。さらに、使用量に応じた「再生可能エネルギー発電促進料金」も加算されることに。■新しい電力会社の多種多様なサービスまた電力自由化後に登場した電気料金メニューではまったく同じしくみのもののほか、電力量料金単価が2段階になっているものや、基本料金がないものなど、異なるしくみのメニューも登場しています。他業種の参入や企業間の提携により、多種多様なサービスも生まれているとか。安さで勝負する電気料金メニューはもちろんのこと、セット割引、ポイント付与などのメニューが豊富に揃い、新しい体系の電気料金も登場。それだけでなく、ガス、通信、石油元売りなど異業種の参入により、各社の強みを生かした「セット割引も。さらには「Tポイント」「Ponta」「dポイント」など各種のポイントカードと提携し、電気料金の支払いによってポイントを貯められるサービスも登場しています。当然のことながら、ポイントの還元は電気料金の割引とも考えられるので、意識しておいて損はないかもしれません。いずれにしても、ライフスタイルを振り返ったうえで、自分に適した電力会社およびメニューを選ぶことが重要だということです。*他にも電気の選び方や使い方について覚えておきたいことがコンパクトにまとめられているため、きっと役立つはず。電力自由化のメリットを得るためにも、ぜひ読んでみてください。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※電気新聞(2016)『電気の選び方-わが家の電力自由化ガイドブック-』日本電気協会新聞部
2016年08月06日夏休みの自由研究、今年も悩みの種になっていませんか? 自由研究のテーマをなかなか決められないという子には、調べ学習の基本を教えてあげると、スムーズに進められるかもしれません。今回は、夏休みの自由研究のテーマ選びに役立つ、図書館での下調べのやり方について紹介します。図書館は知りたい情報を調べられる学術機関まず、調べもの用のノート一冊と、筆記用具を持って、近くの図書館に行ってみましょう。たとえば、宇宙について調べたいと思ったら、まずは宇宙の本のコーナーに行って、目についたものを数冊めくってみますよね?実は、宇宙のコーナーに行くより先に、格段に調べ物がやりやすくなる場所があるのですが、どこだかわかりますか? それは、子ども向けの百科事典のコーナーです。意外と思われるかもしれませんが、百科事典を活用すると、とても効率的に調べていくことができます。子ども向けの百科事典のコーナーがわからなければ、図書館の人に聞いてみましょう。百科事典を活用して、知りたいテーマをしぼろう(1) 言葉の「定義」をおさえよう百科事典は分冊になっているものと、一冊でまとまっているものがあります。普通の事典と同じようにあいうえお順に言葉が並んでいるので、「う」のページから「うちゅう」を探します。すると宇宙の意味=定義が分かるのです。定義は、その言葉の意味が簡潔にまとめられているエッセンスなので、ここをしっかりおさえるとぐっと理解が深まります。(2) 知らない言葉をどんどん調べて解説文を理解しよう定義のあとは詳しい解説が続きます。文章が理解できないときは、サポートしましょう。わからない言葉、もっと知りたい言葉があれば、また百科事典でひいていきます。たとえば「銀河系」をひい、次に「銀河」を読んだら、その中で出てきた「うずまき銀河」という言葉が気になったので…。といったように、次々に言葉をひいていくと、「銀河系」とは何なのか、だんだん理解が深まって具体的な情報が集まっていきます。(3) 調べものノートを作ろう調べた言葉とその意味は、ノートに書きためていきましょう。長い解説文や図解などのページは、図書館のコピー機でコピーをしてノートに貼り付けるといいでしょう。始めての場合は、申請のやり方なども教えてあげましょう。だいたいノートに情報がまとまったら、解説文をよく読んで、気になる言葉をマークしていきます。たとえば、「宇宙」の解説のページには、星団、星雲、宇宙のはじまり、宇宙ステーション、宇宙探査機といったさまざまなテーマがならんでいます。このように百科事典は、ひとつの事柄についての大まかな重要項目が見渡せるので、研究のテーマを選ぶのにとても便利なのです。たとえば、星座について調べようと思えば、星に関する本を当たってみる、やっぱり、宇宙のはじまりが気になる、と思えばそれについて書かれた本、というように、テーマを絞って本から情報を探すことができます。百科事典のあとは、詳しい本で情報を集めよう百科事典で調べた後は、より詳しく調べるために、専門的に書かれた本から詳しい情報を探します。ほしい情報がどの本に書かれているかわからない場合は、図書館の職員の方に聞いてみましょう。そこにない場合は取り寄せてくれたり、より詳しくわかる施設を教えてくれたり、いろいろな情報を提示してくれますので、ぜひこの機会に活用しましょう。時間のある夏休み、一日じっくり図書館で過ごすつもりで、ネタ探しに行って見ませんか。
2016年08月01日これまでは決められた電力会社との契約しかできませんでしたが、電力自由化により自分たちで電力会社を選べるようになりました。わが家も別の電力会社に切り替えることで年間6,000円の節約ができることを知ったものの、「これまでと何も変わらず電気が供給されるのか」が気になっていました。そこで「物は試し」と実際に切り替えてみることに。新たな電力会社と契約し、電気が供給されるまでの実体験をご紹介しましょう。電力会社選びは「比較サイト」がお手軽電力会社変更の際、とても役に立つのが「電力比較サイト」です。住んでいる地域や家族構成、現在の電気料金などを入力することで、新規参入組を含めた多くの電力会社のプランから「最適なプラン」を知ることができます。年間どのくらい節約できるのかが分かったり、ガスとのセット割ができるサービスもあるなど、具体的な比較材料をもとに電力会社を検討することができます。わが家は「LOOOP電気」にチェンジ!わが家も比較サイトを通じて検討した結果、電気料金が今より年間7,000円程度節約できる「 LOOOP電気 」に電力会社を変更することにしました。こちらの電力会社は電力自由化による新規参入組。通信機能のある、新しい電力量計「スマートメーター」設置の必要があります(立ち合い不要)が、基本料金が無料で解約金がないこと、自然エネルギーの推進をすすめていることを魅力に感じ、決定しました。ちなみにスマートメーターがあると、遠隔地からの検針などが可能になります。2020年度までに、順次・交換が進められていくそうです。申込みはWEBからで、手元に検針票を用意し「お客様番号」や「電力の供給地点特定番号」、「現在の電力プラン」や「契約電力」などを入力すれば完了! 作業にして10分たらずでした。申込みから供給開始までの流れ申込みを行うとすぐにマイページ開設とパスワードのお知らせがメールアドレスに届きます。その2日後には「供給開始日」のお知らせが同じくメールで届き、1週間後には自宅のポストに「スマートメーター設置工事のお知らせ」が入っていました。メーターの設置は各地域の一般送配電事業者が行い、費用負担や立ち合いの必要はありません。そして切り替え日には停電もなく、無事に供給スタート。わが家の場合は申込みから3週間程度で切り替えが完了しました。「これまでと何の変化もなく」快適に生活できています。電力会社の切り替えは、簡単な手続きで節約できるので個人的におすすめできます。ただ、切り替えにより今後は紙の検針票が発行されなくなり、電気使用量などはWeb上での確認となるなど、変更点もありました。電気代節約を考えるなら、各電力会社の特徴やサービスの内容を理解した上で、切り替えを検討してみるのがいいかもしれません。
2016年07月25日大今良時のベストセラーコミックを、『映画 けいおん!』などを生み出してきた京都アニメーションが映画化する『映画 聲の形』のメインキャストが入野自由と早見沙織に決定し、新ビジュアルも公開になった。その他の画像原作は2013年から2014年にかけて『週刊少年マガジン』に連載され、大きな反響を呼んだ作品で、“退屈すること”を何よりも嫌う石田将也と、小学生の時に彼の学校に転校してきた少女・西宮硝子の物語が描かれる。監督・脚本は『たまこラブストーリー』でタッグを組んだ山田尚子と吉田玲子がそれぞれ担当。『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』の西屋太志がキャラクターデザインを務める。将太役の入野は、これまでに『千と千尋の神隠し』のハクや『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の 宿海仁太を演じており、美保役の早見は『バクマン。』亜豆美保役、『響け!ユーフォニアム』小笠原晴香役を務めている。また、本作の音楽を牛尾憲輔が担当することも発表になった。牛尾はソロユニット“agraph”や、ミト(クラムボン)とのDJユニット“2 ANIMEny DJ’s”などの活動でも知られており、2014年にはアニメ『ピンポン』の音楽も担当している。『映画 聲の形』9月17日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2016年05月27日「週刊少年マガジン」にて連載され、数々の賞に輝いた大今良時の同名漫画を映像化する『映画 聲の形』。この度、本作の声優を入野自由と早見沙織が担当することが決定!併せて第2弾ビジュアルも到着した。“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。やがて5年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語――。原作は、「このマンガがすごい! 2015」オトコ編第1位、「マンガ大賞2015」3位、「第19回手塚治虫文化賞」新生賞など様々な賞を獲得し、累計250万部を突破する同名ベストセラーコミック。「日本アカデミー賞」優秀賞受賞の『映画 けいおん!』など、多くの作品を輩出し続けている京都アニメーションにより制作された本作は、『たまこラブストーリー』にて「文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門」新人賞を獲得した、京都アニメーションに所属の山田尚子が監督を務め、「ガールズ&パンツァー」など大ヒットシリーズを手掛ける吉田玲子が脚本を担当している。さらに、キャラクターデザインは「氷菓」「Free!」、『映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』の西屋太志が手がける。そしてこのほど明らかとなったのは、メインキャストの2人。小学生の頃はガキ大将、しかし硝子とのある出来事以来周囲から孤立してしまう石田将也役には、『千と千尋の神隠し』ハク役や、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「ハイキュー!!」「おそ松さん」など様々な話題作に出演する大人気声優・入野さん。そして、先天性の聴覚障害を持つ少女・西宮硝子役には「バクマン。」「響け! ユーフォニアム」の早見さんが決定。また音楽は、ソロユニット「agraph(アグラフ)」としての活動する牛尾憲輔が担当。これまでに、石野卓球や「電気グルーヴ」など様々なアーティストをテクニカルエンジニア、プロダクションアシスタントとして支え、アニメ「ピンポン」の劇伴を手掛けるなど多岐にわたる活動を行ってきたが、映画作品の音楽を全面的に担当するのは今回が自身初となる。併せて到着したビジュアルでは、「大嫌いだった。もう一度、会うまでは。」というコピーと共に、将也が硝子を呼び止めているような一枚。桜が印象的な第1弾ビジュアルとはまた違った仕上がりとなっている。『映画 聲の形』は9月17日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年05月27日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「電力自由化」です。***4月より電気の小売りが全面自由化しました。これまでは東京電力や関西電力など地域の決まった電力会社からしか電気を買えませんでしたが、家庭でも自由に選べるようになったのです。電気は3つのシステムを経て、私たち消費者に届けられます。まずは「発電部門」。水力、火力、風力、原子力、太陽光、地熱などを使って電気を作る部門です。2つ目は「送配電部門」。電線をつなげたり電柱を作ったり、発電所の電気を消費者に届けるまでを担います。3つ目は「小売り部門」。料金設定などを行い、実際に売買をする部門です。これまでは、3つの部門全てを地域の電力会社が担っていました。発電部門はすでに新規参入が許されていましたが、小売り部門がこの4月から自由化されたのです。電力自由化は、ヨーロッパなどではすでに普通に行われていること。規制緩和の一環で、国の負担を減らし、市場競争を促して、経済が活性化することを見込んで進められました。約7兆円の市場が生まれるといわれています。私たちは、何もしなければ、これまで通り既存の電力会社と契約することになりますが、新しい会社に乗り換えることもできます。CMなどで目にするように、東京ガスやau、エネオスなど様々な企業が「電気売ります」と名乗りを上げていますね。契約を新規参入の会社に換えても、「送配電部門」は変わらず地域の電力会社が行いますので、大きな工事の必要はありません。また、万一、契約先が倒産したら、送配電部門が代わりの小売会社と契約しますので、いきなり電気が止まるという心配もありません。ただ、もともと電気は薄利多売。これまでは原油が高騰しても、電気代にすぐ響かないよう、国が値上げ額が妥当かどうか審査してきました。しかし、今後はどうなるかわかりませんね。各社、様々な料金プラン、提携会社のサービスを謳っています。実際、動きだしてみないと、どの会社が良いか決めかねる部分はあると思います。様子を見て、選んでもいいんじゃないでしょうか。これからは「私は原子力発電に反対だから、原発を使わない会社にする」なんて選択もできるんですよ。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年4月27日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年04月26日こんにちは。在宅ワーカーの川中利恵です。2016年4月1日より、電力の小売り全面自由化が実施されましたね。2月ごろから順次申し込みが始まっているようで、Web上でも電力会社比較サイトがいくつかあるようです。平成28年3月25日現在、家庭向け法人向けを合わせた登録小売電気事業者は、東京電力など一般電気事業者を含めるとなんと276社。これまでお住まいの地域では固定されていた家庭用で利用できる電力会社が大幅に増加し、新たな選択肢として名乗りを上げています。地域によって選択できる会社の数は異なりますが、これまで選択肢がなかったのに、一気にこんなに増えてしまうと、さすがに迷ってしまいますよね。そこで今回は、電力会社選択のポイントをまとめてみました。●「電線やメーターは有料」「電力会社を変えたら停電」はウソ!まず、注意してもらいたいのは、電話勧誘 や訪問販売 です。今はWebを検索すれば詳細な情報がたくさん提供されているので、ご自身でしっかり調べてから電力会社を決めたほうがいいと思います。契約の切り替えはいつでもできるものです。また、契約した電力会社が倒産したとしても電気は止まらないし、停電にもならないので安心してください。契約を急がなくても電気は止まりませんから、じっくり選択しましょう。悪質な業者の場合、電線やメーターを有料で設置する必要があると言ってくることがあるようです。しかし、電力会社をどの業者に替えたとしても、メーターや電線を有料で設置する必要は一切ありません 。メーターは順次スマートメーターと呼ばれる新たなメーターに切り替えられます。各家に訪問して人力で行っている検針から自動検針へ切り替えるものですから、原則無料設置です。また、電線はこれまで使用しているものをそのまま使います。そのため、新たに電線を購入する必要もありませんし、万が一契約した電力会社の発電量が下がってしまったとしても、ほかの電力会社から電気が送られる仕組みが出来上がっています。「電力会社を変えたら停電しやすくなるということはない」 ので、このようなことを言い出す業者との契約はやめましょう。消費者庁も平成28年3月に警告を出しています。万が一契約してしまったとしても、契約8日以内であればクーリング・オフできますので、急いで対応しましょう。契約トラブルが起きた場合は、速やかに消費者ホットライン188に連絡してみてくださいね。●各地における電力会社自由化の実態は?これまでお住まいの地域に合わせて決められていた10社から、一気に276社になった電力会社。ただ単純に「自由に選べる」と言われても、困ってしまうことでしょう。さらに地域によっても選択肢の幅が異なり、どの企業がお住まいの地域にフィットしているかどうかも経済産業省資源エネルギー庁のサイトを見てもよくわかりません。実際のところ、自由化によって最も競争が激しくなるのは、東京電力管内の関東です 。次に関西電力管内、それから中部・九州・北海道の順に続きます。残念ながら東北・北陸・中国・四国の場合は選択肢が少なく、限られてしまうようです。また、沖縄電力管内は新規参入がないため、電力会社を変えることはできません。世帯数が多いほど、新規参入電力会社が多いという結果で、今後も競争が難しいのではないかと言われている地域もあります。それでも自治体が電力販売を予定するなど、東日本大震災をきっかけに電力の地産地消を訴えるケースも増えているため、今後の参入はもっと増えることを期待しましょう。●料金やポリシーを見極めて電力会社を選択しよう!では具体的に、電力会社を順番に選択してみましょう。各電力会社は、自由化に当たりさまざまなサービスや割引、ポリシーなどを打ち立てています。そこで、どんなことに着目すればいいかを知っておくとよいでしょう。●(1)利用できる電力会社を調べるまずはご自分の地域で提供されるサービスを確認してみましょう。良さそうなプランがあってもお住まいの地域に対応できなければ意味がないためです。また、詐欺が流行しているようです。本当に国に登録された電力会社かどうか の確認も忘れずに行っておきましょう。●(2)ご自身の選択基準を決めておきましょう各電力会社によって、PRポイント が異なります。具体的には、「とにかく料金が安くなること」「ほかのサービスを利用することで総合的に生活に必要な経費をコストダウンできる」「ポイントなどでアイテムやサービスを受けられる」「時間帯別で安くなるプランがある」など、コストやサービス面のメリットを大々的に打ち出す電力会社です。コストの安さをウリにする電力会社を選択する場合は、「長い目で見たら損だった」ということがないように、頻繁に利用するサービスとの組み合わせをしっかり調べておくとよいでしょう。また「太陽光など再生可能エネルギーの利用比率が高い」「電力の地産地消ができる」ことなどをPRする企業も少なくありません。ご自身が一番重要だと思うポイント に絞れば、より探しやすくなります。●(3)比較サイトを利用すれば効率アップ!多くの電力会社では、現在の電気使用量からどれぐらい価格差があるのかを調べることができるようです。電力会社を絞り込んだら、まずはコストの確認をしてみましょう。それでも選択が難しい、と思われる方も多くいらっしゃるでしょう。その場合は比較サイト を活用してみてください。多くの電力会社との比較が簡単に行えます。----------電力会社によって、契約内容はさまざまです。ケータイ電話の契約のように、期間が設定されており、期間内の解約は手数料がかかるケースもあります。じっくり家族で話し合って、ご家庭ごとに適した電力会社をセレクトしてくださいね。わが家は再生可能エネルギーの使用率が高い電力会社をセレクトしようかなと思っています。【参考リンク】・経済産業省資源エネルギー庁「電力の小売り全面自由化スタート!」()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月10日米国の第三者安全科学機関であるULの日本法人UL Japanは4月6日、ワイヤレス電力伝送装置(WPT)の型式試験および通信局への届出サービスを開始すると発表した。電波が漏洩すると他の無線通信に妨害を与える可能性があるため、高周波利用設備を設置するためには、総務大臣から許可を取得することが電波法100条で定められている。WPTは2016年3月15日付で型式指定の対象となったことで、所定の試験を受けることで総務大臣の許可が不要となった。ワイヤレス電力伝送は今後、携帯端末充電器、家庭用電気製品、情報通信機器などへの採用が予測されており、需要の増加が見込まれている。今回、UL Japanは横輪(三重県伊勢市)、湘南(神奈川県平塚市)、鹿島(千葉県香取市)の全てのEMC試験所で同サービスに対応することで、ワイヤレス電力装置の型式認証対応のニーズに迅速に対応するとしている。
2016年04月06日ITホールディングスグループのTISは4月5日、IoT(Internet of Things)技術を活用し、各種機器の消費電力データを収集して消費電力の見える化を実現する「消費電力可視化サービス」の提供を開始した。新サービスは分電盤の配線ごとにクリップセンサを取り付け、機器ごとの消費電力データを収集、そのデータを専用のWEBサイトで容易に閲覧することができるサービス。配線ごとにセンサを取り付けられるため、個々の機器の電力使用量を計測でき、消費する電力をリアルタイムに把握することが可能だという。これらのデータを分析することで、電力消費の抑制に加え、各機器の利用時間帯やオペレーション状況なども把握でき、業務改善も実現できるとしている。新サービスでは、サービス導入コンサルティングからセンサの設定、データ分析、そしてデータ分析から得られた結果をベースに業務改善提案などを顧客の要望に合わせて提供する。例えば、飲食業など多店舗展開する業態の企業の施設管理において各拠点の消費電力を測定し、機器ごとの電気使用量を分析することで、電気料金の削減やオペレーションの改善に活用することができる。多くの拠点を有する企業ほど、多数の分電盤が設置されているため、同サービスを有効に活用できるという。TISでは、新サービスを飲食業や物流業など多店舗展開する業態の施設管理ソリューションとして展開し、2019年までに2万拠点への導入を目指し、今後は取得したデータの分析やBIツール、ERPとの連携なども対応していく方針だ。また、同社が小売電気事業者向けに提供している顧客・販売パートナー向け「エネLink Portal+」のオプションメニューとして新サービスを展開していく予定だ。価格は初期費用が個別見積もり、月額費用は1万3000円(センサ、モバイルルーター、Webサイト、月次レポート含む)。
2016年04月06日ビッグローブは4月4日、BIGLOBE接続サービスの利用者向けの電力サービス「ビッグローブでんき」を開始した。「ビッグローブでんき」第1弾として、中部電力と提携し、「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」を開始。同プランは、BIGLOBE接続サービス利用者向けに中部電力が用意した専用プランで、首都圏エリアから対応を開始する。中部電力 カテエネプランと従来の電気料金を比べると、月に520kwh使用した場合、毎月315円、1年間で3780円得するという。電力と光接続サービス「ビッグローブ光」、高速モバイル通信サービス「BIGLOBE SIM」とのセット割である「光☆でんきセット割」、「光☆SIMでんきトリプル割」では、毎月最大400円を割り引きする。また、従来の電力と光接続サービス、モバイル通信サービスを利用している場合、「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」と「ビッグローブ光」マンションタイプ、「BIGLOBE SIM」に乗り換え、「光☆SIMでんきトリプル割」を適用すると、毎月4735円、1年間で約57000円得するという。
2016年04月04日ソフトバンクは4月1日、「FITNESSでんき」を発表した。同社は4月の電力自由化にあわせ電力サービス「ソフトバンクでんき」をスタート。電気料金と通信料金をセットで提供することで、月額コストを抑えている。今回発表したFITNESSでんきは、電気料金の値下げ……ではなく、フィットネスで身体を動かして発電するというもの。同社は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを用いたFITでんきを提供しているが、FITNESSでんきは体力発電として人間の活力を発電に生かすことで、健康的かつ経済的に効率よく発電を行う。同社広報部に「FITNESSでんき、面白いですね」と感想を伝えたところ「ソフトバンクなら、本当にビジネスにしそうな施策をネタにしてみました」との回答を得ました。つまりは、エイプリルフールネタです。ちなみに昨年は「GOLDEN Pepper」を発表していました。
2016年04月01日4月からの電力自由化で、ついに私たち一般の消費者が電力会社を選べる時代になりましたね。どのように選ぶかについてはさまざまですが、「できれば自然エネルギーで作られた電力を買いたい」という基準で選ぶ方もいるのでは? 今回の自由化で、自然エネルギーで発電された電力を購入するために、知っておきたいことをまとめてみました。100%自然エネルギーで作った電気だけを買うことはできない自然エネルギーとは、太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマス発電などのことで、再生可能エネルギー(以下再エネ)とも呼ばれています。日本では、今のところ約12.6%がこうしたエネルギーによって発電されています。(2014年度 大規模水力発電含む)(注1)風力や太陽光は、天候次第で発電量が大きく変動するから不安定といわれますが、電気の質が変わったり、停電しやすくなったりといった心配はあるのでしょうか。電力会社は、需要と供給の電気の量をつねに一定にしなければいけません。風力や太陽光発電などの大きく変動する電力は、発電量の微調整が可能な火力発電と組み合わせるなど電力会社で調整がおこなわれます。万一、発電所などにトラブルがあった場合も、地域電力会社(東京電力など既存の電力会社)との間で契約しているため、停電の心配はありません。電気の質は原発でも太陽光でも、発電方法に関わらず同じです。2020年に発送電分離が始まるまでは、これまで通り、地域電力会社の送電線を使って送られてきます。電気は送電線で混ざってしまうため、実際には再エネ発電の電力だけが必ず家庭に届くというわけではありません。ですが、再エネ発電事業を行っていたり、再エネ発電の電気を積極的に購入したりしている会社から電力を購入することで、再エネの比率の高い電気を購入することができます。(注1)内訳 水力8.2% 太陽光2.2% バイオマス1.5% 風力0.5% 地熱0.2%出典:自然エネルギー白書2015 サマリー版 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所自然エネルギーで調達した電気=「FIT電気」をチェック電力会社がどういった電力を供給するのかを調べるときは、「電源構成」を調べればわかります。電源構成をみると、「FIT電気」という見慣れない言葉があるかもしれません。この言葉、何のことだかわかりますか?FITは2012年7月にスタートした固定価格買取制度(Feed-In-Tariff)の略称です。「FIT電気」は、この制度によって交付金を受けた再エネ発電による電力のこと。「自然エネルギー」とか「クリーン電力」といった環境にやさしいイメージの言葉を使ってはいけないと決められています。なぜでしょうか。固定価格買取制度(FIT)では、再エネで発電した電力は、電力会社が一定期間、固定価格で買い取らなければなりません。私たちが月々電力会社に支払っている電気料金には、使用した電気料金のほかに「再エネ発電賦課(ふか)金」が課せられていますよね。(平成28年度は2.25円/kWhに決定)利用者全員から徴収した賦課金と、電力会社が発電をしないですんだとみなして算出される「回避可能費用」をもとに、その年の買取価格が決まるというしくみになっています。「国民全体から集めたお金で売買されるFIT電気を、それぞれの会社が環境によさそうな付加価値をつけて販売するべきではない」ということで、「FIT電気」もしくは「FIT(太陽光)」などの表示の仕方が義務化されました。交付金によってまかなわれている電力という意味の「FIT電気」に対して、「再生可能エネルギー」と書かれているものは、FIT制度を利用しないで調達した電力ということになっています。なお、東京新聞の調査によれば、首都圏でホームページなど消費者がみられる形で公表している電力会社は、3割にとどまっているとのこと。(2016年3月26日)今のところ、電源構成の開示は義務ではないため、載せていない電力会社のほうが多いのが現状です。契約を検討している電力会社が開示をしていなければ、問い合わせてみましょう。再生エネの電気代は高くつく?今後どうなっていくのかはわかりませんが、現時点ではこれまでの電気代と同じくらいか、少し安い価格設定が中心で、再エネだからといって特別高いわけではありません。現在の日本のエネルギー自給率はたったの6%。残りの94%は海外からの輸入に頼っているのが現状です。原子力や、CO2排出量の多い化石燃料に頼らず、自然エネルギーで電力を自給自足できるようになれば、社会のしくみも大きく変わっていく…そう考えて未来に投資するつもりで、自分に合った電力会社を探してみるのもひとつの手です。新電力会社で再生可能エネルギーを重視している会社家庭向け電力プランの申し込み受付を始めている、再生可能エネルギーの発電や買取に力を入れている新電力会社をいくつか紹介しましょう。(2016年3月時点の内容です)・ Looopでんき 再生エネ6% FIT電気20% その他74%2016年5月31日申し込み分まで基本料金0円・ みんな電力 ホームページ上での電源構成の公表は準備中FIT電気(太陽光)55% 非FIT電気(太陽光)15% 常時バックアップ30%(2016年2月実績概算)応援したい再生エネ発電所を選ぶと料金の一部が支援される・ ソフトバンクでんき(SBパワー) FITでんきプラン FIT電気57% リサイクル発電5% 卸電力取引所5% その他14%メガソーラー発電所あり・ 株式会社生活クラブエナジー 生活クラブ生協に加入する組合員世帯対象。2016年10月~本格運用開始風力発電所、メガソーラー発電所設置 バイオマス発電提携。再生エネ30~60%予定 ・ 生活協同組合コープさっぽろ(トドック電力) コープさっぽろに加入する組合員世帯対象。FIT電気60%の「FIT電気メニュー」あり。・ エコスタイルでんき ※現状非公開。ホームページ上での公開を検討中。再生可能エネルギーの生産比率は現状12.6%再生可能エネルギーは日本全体で12.6%しか作られていないので、供給量の多い会社ほどFIT電気の比率は低くならざるを得ません。また、現時点では再エネ100%の会社もありません。常時バックアップ用の電力が必要なためです。今後、バイオマスや地熱発電などでバックアップが可能になれば、100%再エネを供給する会社も出てくるかもしれません。ほかにも今後、家庭向けへの配電の準備を進めている電力会社はありますが、地域電力会社による接続保留の問題や、FIT制度の変更によって、苦戦を強いられているところも多いようです。再エネ発電に関心を持つ人が増え、再エネ発電の市場が活発になっていけば、今後もっと選択肢が増えていくことでしょう。
2016年04月01日間もなく始まる電力小売自由化。4月1日の解禁に向け、関係省庁や参入各社が広報活動を活発化させているが、ユーザーの動きはどうなっているのだろうか。マイナビニュースの読者300人に「電力小売自由化」について聞いた。○電力自由化、どれくらいの人が検討している?読者(n=300)に「電力会社の乗りかえを検討しているか」を尋ねたところ、「検討している」は31.6%、「検討していない」は68.3%となった。乗りかえを検討している人(n=95)のうち、「賃貸住まい」は24.3%、「持ち家住まい」は35.9%だった。○どの会社に乗りかえる?続いて「乗りかえを検討している」と回答した人(n=95)に、「具体的な乗りかえ先」について質問した。その結果、「具体的にどの電力会社にする決めている」と回答した人は55.7%、「検討しているが、どの電力会社に乗りかえるかは未定」と回答した人は44.2%だった。それぞれの回答について、まずは乗りかえ先が具体的に決まっている人(n=42人)の意見から紹介する。■エネルギー系・「大阪ガス。セット割引が安い」(建設・土木/事務・企画・経営関連/男性/57歳)・「東京ガス。ガス料金と合わせて払うと今よりもお得になる。Tポイントと交換できるから」(サービス/営業関連/男性/40歳)・「東京電力の価格と東京ガス等の新規価格を比較して、総合的に安ければ乗りかえたいと思っている」(その他/事務・企画・経営関連/男性/50歳)・「東燃ゼネラル石油。全体の料金が下がるから」(その他/その他・専業主婦等/女性/30歳)・「東邦ガス。床暖房割引があるから」(ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職/男性/26歳)・「ガス料金と合わせて払うと今よりも得。今まで競争のない環境下にいた電力会社に、民間会社であることの自覚を持たせたい」(その他/その他・専業主婦等/女性/61歳)■通信系・「SoftBank。Tポイントが貯めやすいから」(その他/その他・専業主婦等/男性/50歳)・「パソコンの電源をずっとオンにしているのでできるだけ安いところを探している。またauひかりを利用しているので、auと東電の比較をしているところです」(ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職/男性/58歳)・「家族全員がau回線を使用しているため、ユーザーとして、auでんきを検討している」(その他/その他・専業主婦等/女性/22歳)・「J:COM。J:COMファン」(建設・土木/IT関連技術職/男性/52歳)■その他・「HTBエナジー(H.I.S.系列)。関西電力よりも常に5%安い価格というのが分かりやすく、今より高くなることはないので安心できるから」(専門店(その他小売)/販売・サービス関連/男性/40歳)・「大和リビング。家賃支払いと一緒の引き落としになり、料金も現行よりも安くなるということで」(その他/その他・専業主婦等/女性/29歳)・「東急(東急パワーサプライ)。沿線に住んでいるから」(通信関連/IT関連技術職/男性/34歳)・「現時点での最有力は東京電力。いくつか試したシミュレートで一番安くできるかもしれないから」(サービス/販売・サービス関連/男性/46歳)○決まっていない人は何を重視する?「検討しているが乗りかえ先はまだ決めていない」という人(n=53)のコメントは以下のとおり。■乗りかえ先は未定だが安くなるから変更したい・「まだ決まっていないが、安い会社に変更をするつもり」(農林・水産/技能工・運輸・設備関連/男性/27歳)・「乗りかえ先は検討中。料金が安く信頼できる企業にしたいと考えている」(広告・出版・印刷/営業関連/男性/55歳)・「乗りかえ先は未定。年間数千円違う会社を探している」(百貨店/販売・サービス関連/女性/42歳)・「現在検討中だが、どこを選んでも現在より安くなると思うので」(その他/その他・専業主婦等/男性/40歳)■その他・「できるだけ公共料金を一本化したい」(その他/その他・専業主婦等/女性/69歳)・「原子力の比重が高い電力会社を止めたいが、乗りかえ先を迷っている」(日用品・雑貨/事務・企画・経営関連/男性/54歳)・「いくつかの選択肢として考えることで、電気料金の勉強にもなる」(ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連/男性/32歳)○総評「電力小売自由化で、8兆円を超える市場に200を超える会社が新規参入し、電力を消費者自身が選べる時代になる」と鈴木淳司経済産業副大臣がイベントで力説したように、電力小売自由化は国をあげて実施される60年ぶりの大改革だ。アンケートの結果、「電力会社の乗りかえはしない」という意見が多数派となったものの、約3人に1人が乗りかえを検討していることがわかった。また、持ち家住民の方が乗りかえに前向きな傾向にあるようだ。新しい電力会社について、乗りかえを検討している人の半数以上は既にどこの会社にするか目星をつけている。具体的には、東京ガスや大阪ガスなど都市ガスが提供するサービスへの乗りかえを検討している人が目立つ。安いだけでなく、公共料金をまとめて支払えるというところも選択の理由にあがった。他にはauやSoftBank、H.I.S.など、セットでお得になるプランを提供する企業も候補に入っている。一方、「乗りかえたいが電力会社はまだ決まっていない」という人は約4割。「今よりも料金が安くなること」を選定基準としている人が多いが、それ以外に重視する要素としては、「信頼性」「利便性」「発電方法」などが寄せられた。各社がポイント付与や独自のセット割り引きなど、魅力的なプランを発表していることもあり、選ぶのは一筋縄ではいかないだろう。ただし、乗りかえ先を焦って決めてしてしまうと、結果的に損をする可能性もある。節約アドバイザーの丸山晴美氏が指摘するように、「抱き合わせでの割引は本当にお得か」「2年縛りなど、解約時のルールはどうなっているか」といったポイントを事前にしっかりとチェックしおく必要がありそうだ。調査時期: 2016年2月29日~3月3日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性191名 女性109名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート※画像は本文とは関係ありません。
2016年03月24日NTTエレクトロニクス(NEL)は3月22日、100Gb/s QPSK長距離および200Gb/s 16QAMメトロ光リンクに適用可能な、超低消費電力デジタルコヒーレント信号処理回路(DSP)の新製品「ExaSPEED 200」を発表した。同製品では、高性能200G DSPコアと低電力100G DSPコアにDELが提携しているBroadcomの16nm CMOS Fin-FETアナログ・デジタル混載技術を組み合わせ、100Gあたり10Wで高性能デジタルコヒーレント変復調処理を実現する。さらに、階段符号(Staircase Code)を用いて訂正能力を強化した誤り訂正符号(EFEC)も集積化したことで、数百kmにおよぶメトロ光リンクにおいてもオープンなネットワーク環境を提供し、機能ごとに光通信機器を分割するディスアグリゲーションに貢献するとしている。また、光トランスポンダ・ブレードの開発を加速するツールキット「Blade Design Suite」も併せて提供する。同ツールキットには、光通信性能を確認できるシミュレータや、回路図や高周波レイアウトを参照できるリファレンスデザイン基板、さらにはブレード制御ソフトウェアにそのまま組み込めるライブラリが含まれている。「ExaSPEED 200」は2016年度の第1四半期にサンプル出荷を開始し、2016年度の後半には量産を開始する予定となっている。
2016年03月23日