スカッと系人気YouTubeチャンネル『パニコレ』から、「年収2千万に目が眩んだ女の末路」を紹介します。パニ子は35歳の主婦。10年前に2歳年上のユウタと結婚し、今では5歳の双子の母です。子どもが生まれる前から勤務していた大手会社の在宅ワーカーとして現在も働いているのですが、最近とある事件に巻き込まれてしまいました……。浮気の一報事の発端は、ママ友のハルミからの電話でした。その内容は、「パニ子さんって、離婚とか考えてる?」というもの。そんなつもりはないと答えたパニ子は、ハルミから衝撃的な事実を聞くことに……。 なんと、ハルミがユウタと付き合っているというのです! パニ子は動揺しますが、ユウタからも話を聞かなければなりません。その日の夜に帰宅したユウタに、ハルミと浮気しているのかと尋ねました。 途端に焦り出すユウタに、パニ子は攻撃の手をゆるめません。子どもたちが幼稚園に行っている時間にハルミを連れてくるよう命令し、部屋を出て行きました。 翌日行われた3人の話し合いの席で、パニ子はハルミとユウタそれぞれに結婚の意志があることを確認。子どもたちの親権はパニ子が持つことで合意をとりました。 それを嬉しそうに聞いていたハルミ。自分も親権を放棄するといい、これから始まる2人だけの生活を夢見ていました。 パニ子は「明日連絡する」と言ってふたりを帰し、実家に向かいました。 年収2千万なのは…?パニ子は実家で、ユウタに浮気されたこと、離婚するつもりであることを打ち明けます。実家の人々はみんなパニ子の味方をしてくれたので、離婚後も安心して実家に戻れそうです。 パニ子は翌日ユウタに電話し、離婚に応じると伝えます。ユウタと一緒にいたハルミは、その会話を聞いて大喜び。パニ子がハルミにも慰謝料を請求すると釘を刺すと、「ユウタがいれば大丈夫」とハルミは余裕の様子でした。 その夜、ユウタとハルミが家にやってきて、離婚について話し合いが行われることに。パニ子は弁護士を同席させ、取れるだけの慰謝料と養育費を請求しました。 それを見たユウタは顔面蒼白でしたが、ハルミは涼しい顔をしています。「来月結婚するの。年収2千万の旦那奪ってごめんね」と、パニ子に言ったのでした。 金に目が眩んだ女の転落数週間後、パニ子の実家にハルミがやって来て、ユウタのお給料がないと騒いでいます。実はユウタはハルミに年収を偽って伝えていたのでした。慰謝料を請求されても余裕の表情を浮かべていたのにも合点がいきます。 年収2千万だと話していたものの、本当はユウタは無収入! ハルミと会うときに使っていたお金は、すべてパニ子からのお小遣いでした。 さらに、収入のないユウタは慰謝料や養育費を闇金から借りて払ったことも発覚し、ハルミはいよいよ焦って大騒ぎ! あまりにひどいのでパニ子は警察を呼び、ハルミを連れて行ってもらうことにしました。 その後のユウタとハルミの生活は、ひどいものでした。闇金から借りた金を返すために、厳しい労働生活を送っているようです。一方、パニ子はふたりの子どもと実家で楽しく暮らしています。 金に目が眩んで人生を台無しにしてしまうとは、何とも残念なことですね。ユウタやハルミのようにならず、堅実に生きていきたいものです。パニコレ記事をまとめて読む▶著者:ライター パニコレ
2023年08月28日2019年に物議をかもした老後2千万円不足問題は、総務省の家計調査から、高齢夫婦の毎月の赤字を約5万5千円と算出。老後を30年として単純計算したものだった。ただ2020年にはコロナ禍の自粛生活で支出が減り、一律10万円給付などもあって、統計上の赤字はいったん解消。2021年も支出の少ない傾向が続いた。しかし、コロナ禍3年目の2022年は全国旅行支援が実施されるなど、“自粛明け”が浸透し、再び消費を楽しむ生活が戻りつつある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはこう語る。「そのうえ、2022年は2万品目以上の食品が平均14%、電気・ガス代は20~30%上がりました。物価高は2023年以降も続きます。もともと年金は物価が上がると、支給額も上がることになっていましたが、今は『マクロ経済スライド』という仕組みで上昇が抑制される。物価が上がっても、年金額は増えないのです。必要な老後資金を見定め、生活コストを見直さないと、老後破綻の危険性もあるのです」そこで本誌は最近の家計調査(2022年1~10月)から高齢者の収支を算出。共に暮らす人数や地域、住居の種類などのライフスタイルに注目して、現時点で公的年金だけだと不足する老後資金の額を試算した。■夫婦2人も、おひとりさまも老後の不足金額に大きな差はない夫婦2人暮らしのケースでは、年金額(公的年金給付)は月22万1131円、支出額は月26万2695円(消費支出22万2695円、非消費支出3万2852円)で、月4万1564円の赤字。生涯(老後30年)で1496万3040円不足することになる。丸山さんによると、気になるのは、教養娯楽費に月2万1053円、交際費に月2万2145円かけていることだ。「このケースはまだまだ節約できると思います。たとえば、楽しむための『教養娯楽費』や『交際費』が合わせて4万円超は使いすぎです」(丸山さん・以下同)意外にも、夫婦2人も、おひとりさまも老後の不足額はさほど変わらない。単身世帯の場合、支出は月14万8982円(消費支出13万6690円、非消費支出1万2292円)に減るが、年金額の平均も11万1890円に下がってしまう。「年金収入は1人分になるのですが、住居費や光熱費など2人世帯の半額には収まらない支出は多いんです」その結果、月々の不足額は3万7092円、生涯で1千335万3120円と、夫婦2人の不足額に近い金額になる。1人だからどうにかなると思わず、資産形成を怠らないことだ。■預貯金だと価値が目減りしていってしまう丸山さんは、円安やインフレが今後も長く続けば必要な老後資金はさらに増えていく可能性が高いという。あくまでも今回試算した金額はひとつの目安にしてほしい。十分な老後資金を作るために、何をしていけばいいのか。「日本は30年ぶりのインフレで、超低金利の預貯金では価値が目減りします。働いて収入のある方は、運用益が非課税で、節税にもなるiDeCoで運用しましょう」40歳から20年間、月2万円をiDeCo口座で利回り3%で運用した場合、元本の480万円が約660万円になる。同時に、年収400万円の人なら、20年で約72万円の税制効果がある。「年金財政は厳しく、受給開始が70歳になるのも時間の問題かと思います」年金頼みでは老後破綻にまっしぐら。節約と運用の両輪で、老後資金を自分で作ろう。
2023年01月10日先日、漫画家の小田原ドラゴンさん(52)が「銀行口座から2千万円以上のお金が“サシオサエ”という名目で抜き取られました」と告白し話題に。国民年金保険料の滞納(以下、国民年金滞納)による年金事務所からの差押さえだったという。「国民年金滞納による差押さえ(強制徴収)は、ここ10年ほぼ右肩上がりに増えています。ただ、いきなり差押さえにはなりませんし、滞納者全員が強制徴収されるわけではありません。支払う能力があるのに、長期にわたって滞納している人が対象です」そう指摘するのは、債務問題に詳しいアディーレ法律事務所の谷崎翔弁護士。そもそも国民年金は、国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が被保険者(加入者)となる。現在、65歳までを納付対象にするという議論の真っ最中だ。国民年金の滞納分が差押さえになるまでの流れは、次のとおり。「滞納を続けると、まず電話や文書、戸別訪問などで『支払ってください』という『納付督励』があります。それでも支払いがないと、自主的な納付を促すための『最終催告状』が届きます」(谷崎さん、以下同)2019年は14万2871件の「最終催告状」が送られた(日本年金機構の資料より・以下同)。「これも無視すると『督促状』が届き、この支払い期限以降は、延滞金が発生します」滞納期間が長くなるほど、延滞金も高額になる。2019年に「督促状」が送られた数は8万9615件。「その後、『差押予告通知』が届き、最終的に『差押』(強制徴収)となります。差押さえ件数は2012年に6208件、2013年は1万476件と年々増え、2019年には2万件を超えました」冒頭の小田原ドラゴンさんは「20年近く未納で、数年前から“電話(納付督励)”があり、ある日を境に“封筒”が届くようになった」と語っている。「1千万円以上の年収があり、連絡がないと目をつけられやすい。必ずしも差し押さえられた口座に入っている全額が取られるわけではなく、滞納分以上の預金が口座に入金されている場合には、滞納分を差し引いたお金が口座に残ることになります」しかし、なぜ国民年金滞納者に対し、差押さえをするほど厳しくなっているのだろう。「かつての社会保険庁による、ずさんな年金記録問題を覚えていますか?この社会保険庁に代わる組織として、2010年に発足したのが日本年金機構です。毎年公開している『業務実績報告書』には一貫して『保険料の負担能力がありながら保険料を滞納している、ほかの被保険者の納付意欲にも影響を与えかねない滞納者に対しては、強制徴収による対応を行う』という旨の記載があります。年金保険料を納めている人の、滞納者への不公平感を排除し、年金行政に対する信頼を確保するべく、徴収体制を厳しくしているのでしょう」とはいえ、滞納者全員が差押さえの対象になるわけではない。「たとえば2014年は税金控除後の年収が400万円以上で13カ月以上滞納している人が対象でした。これが2018年には300万円以上で7カ月以上滞納となり、年々増えています。一昨年と昨年はコロナ禍のため、差押さえ自体を自粛したり、一時的に要件となる年収が上がりましたが、今後また、年収300万円以上に戻ると予想されます」差し押さえられるのは預貯金や給与などに限らないとも。「競売にかけるなど手続きが煩雑なため、私の知る限り個人の滞納に関して事例はないようですが、自宅などの不動産、自動車も差押さえの対象となりえます」そう話す谷崎さんのところには近年、国民年金滞納の相談に訪れる人が増えているという。その事例を見ていこう。■滞納を続けて1年……20万円超の請求が!【滞納分20万円超を支払うため、借金をした50代主婦】「コロナ禍で仕事を頑張ろうと、個人商店に勤務し、年収130万円を超えたことで、夫の扶養枠から外れた主婦。厚生年金には入れず、国民年金への加入手続きについては詳しくなくて、滞納が続きました。1年後、20万円を超える請求が来て驚き、夫に相談できず、貸金業者から借りて、年金の滞納分はなんとか納めましたが、さらに借金がかさんで、相談に。このように滞納していることを家族に言えず一人で悩んでいる人や、離婚をして第3号被保険者を外れた後、国民年金への切替え手続きをしていなくて、知らぬ間に滞納している女性は多いのです」【子どもの滞納分約20万円を請求された50代男性】「『納付督励』の電話がかかってきたことで、30代の息子さんが約1年半、20万円超未納であることを知り、驚かれて相談がありました。『すぐに年金事務所で分納の相談をしてください』と助言しましたが、滞納をしている本人だけでなく、世帯主や配偶者にも支払い義務が生じるという例です」【5年滞納し、約120万円差し押さえられた自営業の50代男性】「商売がうまくいかず5年ほど滞納した男性。督促状もそのままにしていたところ、ある日、通帳記入をすると120万円が『差押』に。銀行口座の残高が急に少なくなり、驚いて通帳記入をしたところで差押さえに気づく人もいます」そこで、保険料を支払う余裕がなくなり、滞納を続けて、ついには差押さえ……などという事態に陥らないためには、どうすればよいのだろう?「失業などで収入が前年より減ってしまい、保険料の納付が困難になったら、まずは年金事務所に相談に行ってください」支払う意思があることと、現実的に困難な状況であることを、伝えることが大切だという。「相談をしたうえで、申請すれば、全額あるいは一部の支払いが免除されたり、猶予される制度があります。また、一括ではなく分納で支払うこともできます。何も手を打たずに放っておくと、支払う意思がないと捉えられ、差押さえの対象になりかねませんので注意してください」滞納による差押さえは、これからますます増えると谷崎さん。「現在の物価上昇で支出が増え、社会保険の負担も重くのしかかってくると思います。だからこそ、家計は家族全体の問題と捉え、お金のことだからと遠慮せず、話し合い、助け合うことが大切です」家計を、そして大切な家族を守るためにも、お金の悩みを一人で抱え込むのは絶対にやめよう。
2022年11月03日「昨年6月に太陽生命が発売した『がん・重大疾病予防保険』は、がんと診断確定された場合、最高2千万円の一時金が受け取れる保険。その金額の大きさには、正直私も驚きました」と話すのは、『NEWよい保険・悪い保険2022年版実名ランキング』の共同監修などでおなじみの“保険のプロ”長尾義弘さん。それまで、がん保険の一時金でもっとも高額だったのは、同年4月発売のオリックス生命「がん保険Wish(ウィッシュ)」の最高600万円。ほかのがん保険の一時金は100万円程度が一般的だった。「今年11月には、一時金最高800万円の三井住友海上あいおい生命『&LIFEガン保険S(スマート)セレクト』も登場。高額一時金をメインとした新たながん保険が増えている大きな要因は、がん治療の進歩です」(以下・コメントはすべて長尾さん)これまで、がん保険といえば、基本は「診断一時金」+「入院・手術給付金」+「特約」の組み合わせがほとんど。ところが、これが実際のがん患者が必要とするものとズレ始めているというのだ。「まず図(1)を見てください。がん治療の進歩で、年々、入院日数が減少しています。以前は手術が中心だったため、入院期間が非常に長くなりました。しかし近年は多様な治療が行われるようになり、手術はせずに抗がん剤治療と放射線治療だけというケースなどもあります。通院での治療も増え『入院・手術給付金』をメインとする保険では出費をカバーしきれないんです」つぎに、がんになると収入が減ってしまう現実も深刻だ。「図(2)を見ると、がんと診断された人の年収は約20%も減少。その理由を示したのが図(3)で、がんの通院治療などで休職したケースが35%、退職した人も25%に上ります。つまりがんになると、長期の抗がん剤治療とその副作用などで、いままでどおりに仕事を続けられなくなる人が多いのが実情。その収入減にがん保険の一時金は心強いサポートです」■高額な一時金は治療費や収入の補塡に充てるなど自由そして図(4)にも注目してほしい。がんの治療は日進月歩。10年ほど前には“見えない光で切らずに治す”陽子線・重粒子線治療が話題になった。その治療費は200万~300万円と高額だが、厚生労働省から先進医療に承認されたことにより、自己負担分は、がん保険の「先進医療特約」でカバーできるようになっている。それでも、いまの最新がん治療は「先進医療特約」ではカバーしきれないという。「いま最も注目されているのが『がんゲノム医療』。がんの遺伝子から、がんの性質を明らかにし、体質や病状に合わせてもっとも効果的な抗がん剤治療を行うものです。この治療法は、条件を満たせば保険診療で受けることができますが、条件を満たすか判断のつかない初期の段階から自分に合った治療法を見つけようとすると自由診療になり、すべて自己負担になります」また「がんゲノム医療」で自分に合った抗がん剤が見つかっても、その抗がん剤が保険適用でない場合には自由診療になり、年間300万~600万円がかかるという。そこで、いまのがん患者の治療や生活を一括でサポートするという流れから登場したのが、今回紹介する高額一時金をメインとした最新のがん保険なのだ。「高額な一時金は、その後の治療費に役立てたり、減少した収入の補塡に充てるなど、本人の裁量で自由に使えるのがメリットです」
2022年11月02日日本女性の2人に1人は90歳以上まで生きるという事実。そして、2019年の金融庁発表をうけての「老後2000万円問題」など、将来への不安を抱く人も多いはず。そんな将来に備えて、今やっておきたいこととは?老後の不足額としてよく出るのが「2000万円」という数字。「この額は夫婦世帯を基に算出されており、シングル女性にはあてはまりません。また、2000万円では正直少ない印象です」と言うのはファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。では、いつまでにいくら持っておけば!?「“いつまでに”は働かなくなるまでと捉えましょう。会社員なら定年を迎え、年金受給開始年齢でもある65歳が目安です。フリーランスは70歳まで働けるといいですね。“いくら”は個人によって大きく変わります。だからこそ、自分自身が老後に必要な額を知ることが大切!多くの人が老後に不安を抱いていますが、その不安は、あまりにも漠然としていて、お金のことをきちんと把握できていないことが大きな原因です。貯めるべき目標額がクリアになれば、無駄な支出を抑えたり、お金を増やそうとしたり、意識的に動くようになれます。そうした一つ一つの積み重ねが、将来の安心に!」~将来に備えて~今、やっておきたいことTO DO LISTやるべきことさえやれば、怯えなくても大丈夫!今、やっておくことの一つひとつが、未来の大きな安心につながるので、「面倒だから…」と後回しにしないで。20~30代の備え1:貯金をする。簡単なのは先取り貯金。使った残りを貯金するのではなく、給与の天引きや積立貯金を設定して、残ったお金の範囲内で暮らす仕組みに。「毎月の貯金額は、家賃やローンの支払いがある人は手取りの10%、ない人は20%が目標です」20~30代の備え2:積立投資を考える。貯金は万が一の備えとして必要だが、ゼロ金利の今、お金を“増やす”には、投資が避けて通れない。毎月一定額で買える投信積立は、投資初心者向け。「利益が利益を生む、複利効果を得るには、早く始めて長期間続けた方が有利です」20~30代の備え3:支出の記録をつける。お金の使い方に自覚的になれば、無駄遣いを減らすことができる。簡単で効果的なのが、毎日レシートを見返す方法。「衝動買いなど本来は不要だった支出に印をつけるだけ。無駄遣いを頭が記憶し、次から気をつけるように」20~30代の備え4:給与明細を細かくチェックする。給与明細は手取り額を見て終わりという人は要注意!「年収によって変わる税金や社会保険料がいくら引かれているのか。稼いだお金に意識を向けることは、お金を貯める出発点であり非常に大事。給与明細は細かく見ましょう」20~30代の備え5:「ねんきん定期便」「ねんきんネット」を見る。毎年、誕生月にはがきで届き、年金額が知れる「ねんきん定期便」。「必ず見て、年金額を把握し、加入期間などに誤りがないか確認を」。「ねんきんネット」は、年金手帳にある基礎年金番号と「ねんきんネット」のIDでアクセスできる。20~30代の備え6:勤務先の福利厚生ガイドをチェック。意外と充実している福利厚生を使わないでいるのは損!「旅行やスポーツクラブの割引があったり、保険も団体割引が利いたり、せっかくある手厚い制度は使ってこそ」。法律上は、派遣社員も正社員と同様の福利厚生が利用できる。40代からの備え1:生活水準を上げすぎない。ひとたび上げると、なかなか下げられないのが生活水準。「特にシングル女性は、自由に使えるお金が多く、収入増に伴い生活水準を上げがちです。できるだけそれまでの生活水準を維持して、増えた分は貯金や投資に回しましょう」40代からの備え2:親の介護や年金などお金について確認する。親子間でもお金の話をするのは気まずい…。「それでも、老後資金や介護について親の備えを知っておくことが、家族のためになります。細かい資産内容や金額はともかく、年金額と万が一に備えて預け先だけでも聞いておきましょう」40代からの備え3:積立投資の額を見直す。一般に、大きなライフイベントが終わり、キャリアも積んで収入が増える40代。「金銭的余裕がある時期が、資産作りを加速させるタイミング。支出額は維持して、積立投資を増額するなどして、将来への不安を減らしましょう」井戸美枝さんファイナンシャルプランナー、経済エッセイスト。『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)第2弾を6月出版予定。※『anan』2022年4月27日号より。イラスト・岡田 丈取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2022年04月21日「老後2,000万円不足問題」「長生きリスク」など、老後資金への不安が一向に解消しない。50代は“老後資金の貯めどき”といわれるが、それどころではない日常に追われ、さらに不安が募る。「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■長く働く、年金の繰下げ、節約で90歳で貯蓄1,000万円会社員のAさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Aさんは同い年夫婦で、退職金で住宅ローンを完済し、貯蓄はゼロ。「貯蓄ゼロだと日々の生活に困りますから、まず働きましょう。また60歳以降も厚生年金に加入すれば、退職後の年金も増やせます」Aさんが70歳まで働く場合の貯蓄額の推移が、グラフ1(画像参照)だ。Aさんは年収360万円、妻は年収180万円で働き、支出が年400万円だと140万円の黒字だから、貯蓄が増えていく。65歳でAさんの勤務日が減り妻は退職するが、年金受給が始まり、さらに貯蓄は増える。だが、70歳でAさんが退職すると赤字生活に陥り、83歳で貯蓄が尽きてしまう。「長く働くだけでは無理があるので、年金を繰り下げましょう」年金の繰下げは先述のとおり年金受給を65歳より遅らせること。1カ月遅らせるごとに受給額が0.7%アップするので、最長70歳までの5年間で0.7%×12カ月×5年間=42%増額になる。「ただAさん夫婦は70歳まで繰り下げると貯蓄が底をつくので、夫婦とも69歳までにしました」こうした見直しで、貯蓄推移はグラフ2(画像参照)のように変わる。「年金は4年間の繰り下げで33.6%アップ。Aさんの年金は216万円→287万円に、妻は85万円→114万円に増えました。あわせて節約にも取り組みました。Aさんが70歳で退職したら、生活費を1割カット。年間支出を400万円→360万円にします」65〜69歳は収入も減り年金もないため赤字で貯蓄を減らすが、年金受給が始まる69歳以降は黒字が続く。70歳でAさんが退職しても、節約効果もあって年41万円の貯蓄ができるのだ。「この生活を続けると90歳で貯蓄が1,000万円を超えます。介護などがあっても心配ないでしょう」70歳以降も夫婦2人で月30万円なら、それほど厳しくないだろう。「少しずつでも貯蓄が増えていく暮らしは、とても安心ですよ」
2022年01月11日「老後2,000万円不足問題」といわれて久しいのに、貯蓄ゼロ世帯は珍しくない!人生100年時代、長く働き、節約を心得、特に“減らない財布” =年金を上手に使おう。長生きリスクも怖くないーー!「晩婚化の影響で結婚・出産が30代だと、住宅購入は40代になるでしょう。50代は役職定年などで収入が減るのに、子どもは大学生で住宅ローンはまだ半分。そんな状態で、老後資金まで手が回らない人が増えています」そう話すのはファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんだ。60歳の人に今の貯蓄額を聞くと、3人に1人が300万円未満というデータも(PGF生命「2021年の還暦人に関する調査」)。「貯蓄ゼロというのも珍しい話ではありません。でも『もう手遅れだ』と悲観しなくても大丈夫。老後資金づくりは60歳からでも間に合います」(長尾さん・以下同)心強い言葉だが、もしや運用を勧めるのでは?「初心者が運用に手を出し、大切な老後資金を減らしては元も子もありません。運用はいっさいせずに、老後資金を増やしましょう」どんな方法だろう。「実はとてもシンプルで、〈1〉長く働く、〈2〉公的年金の活用、〈3〉節約の3つを組み合わせるものです。『なんだ、年金か』と思うかもしれませんが、年金制度は複雑でうまく使いこなせない人が大半です。公的年金制度をフル活用して、年金額を最大化させましょう」年金額が多少増えても、老後の厳しさに変わりないのでは?「たとえば夫婦2人分の公的年金が月20万円で、2人の生活費が月25万円なら、毎月赤字で貯蓄を食いつぶすことになります」年金生活が65〜95歳の30年間続くとすると、月5万円の赤字×12カ月×30年分=1,800万円が老後資金として必要になる。「ですが、公的年金を月25万円に増やせれば生活費月25万円とトントン。貯蓄ゼロでも生活できます。また、生活費を1万円節約できれば、貯金もできますよ」公的年金の受給は65歳からが原則だが、今は60〜70歳までもらい始める時期を選べる。ただ、65歳より早くもらい始める「繰上げ」は受給額が減らされるが、遅くする「繰下げ」を選べば受給額が最大42%増えるのだ。「公的年金の受給は一生涯です。しかも使っても使ってもまた振り込まれる“減らない財布”です。これを生活費がまかなえるくらい大きくできれば、お金の心配がないバラ色の老後になりますよ」■90歳での貯蓄残高は1,000万円以上。100歳まで安心自営業のBさん(60)を例に年金の活用法を見ていこう。Bさんは同い年夫婦で、日々の暮らしに追われ貯蓄はゼロ。会社員には厚生年金があるが、自営業だと国民年金しかない。「国民年金は40年間保険料をかけ続けた満額受給でも年約78万円。老後資金としてはかなり厳しいです。とはいえ、自営業には定年がありませんから、60歳以降もこれまでと同じように70歳まで働く計画を立てました」その結果がグラフ3(画像参照)だ。教育費も終わったので年支出を372万円に抑え、しっかり働き貯蓄を重ねる。65歳からは年金も入るので、貯蓄は一時3,000万円を超えるが、70歳で廃業するとみるみる減少して83歳でゼロに。「60歳以降の貯蓄だけでは難しいので、年金を活用しましょう。実は国民年金の人によくあることですが、Bさんも年金保険料を払っていない時期があり、このままだと満額受給ではありません。60歳以降も国民年金の任意加入をして、満額受給できるまで年金保険料を支払いましょう。あわせて国民年金基金にも加入します」国民年金基金は、老後にもらう年金を上乗せするために、自ら加入する年金制度だ。20〜65歳まで加入でき、保険料は所得控除されるので節税にもなる。長尾さんは、年金が一生受け取れる終身タイプを基本に考えるのがおすすめだという。さまざまな手を尽くした結果が、グラフ4(画像参照)になる。「65歳までは国民年金の任意加入や国民年金基金の保険料を払うため支出が増え、貯蓄がペースダウン。でも、65歳から国民年金基金が受け取れ、貯蓄が進みます。さらに国民年金は任意加入のおかげで満額受給を達成。そのうえ、最長5年間の繰下げで、夫婦とも74万円→111万円に増えました」65歳から夫21万円、妻18万円、国民年金基金の受給が始まる。国民年金は70歳から夫婦それぞれ111万円。70歳以降は月1万円の節約をし、73歳まで少しのんびりと働いて貯蓄を増やす。73歳で廃業後は貯蓄を取り崩す生活だが、年99万円の赤字に抑えると、90歳での貯蓄残高は1,000万円超。100歳まで安心だ。「自営業やフリーランスの人は国民年金だけでは無理があります。国民年金基金などの対策を早めに考えることと、長く働ける健康な体を維持してください」公的年金のフル活用で、バラ色の老後生活を実現しよう。
2022年01月11日「老後資金『2,000万円足りない』問題が金融庁の報告書で指摘されたのが2年前(’19年6月)のこと。多くの人が不安に陥れられましたが、やりくり上手の人のなかには『どうにかなりそう』と安心していた人もいるのでは?しかし、油断をすると、瞬く間に貯蓄は底をつくんです」こう警告するのは、マネー管理術に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。老後には“落とし穴”がたくさん。実例を見ていくとともに、専門家に対処法を聞いていこう。【落とし穴1・田舎移住】夢の代償は1,000万円「夫婦とも都会育ちで、第二の人生は『田舎で暮らそう』と決めていました。夫の退職を機に、住んでいた都内の家を売って、中部地方に畑付きの中古の一軒家を1,000万円で購入。400万円かけてリフォームしました。理想の田舎暮らしが始まると思ったんですが……」そう嘆くのは60代主婦。リタイア後の田舎暮らしにあこがれる人は多い。だが、これも“落とし穴”。「どこに行くにも車が必要でガソリン代がかかります。100円ショップなどもないので、必需品は定価で購入。コンビニもないので、夜は買い物ができません。都内より月5万円ほど生活費が増えました。さらに、地域のつながりも強く、村八分とかではないですが、やはりどこまでもよそ者扱いで……」ストレスに、いずれ車が運転できなくなるという不安も手伝って、3年で家を売却、都内にUターンした。物件も半値ほどでしか売却できず、都内の新しい家の敷金礼金もかかった。気づけば引っ越し前よりも1,000万円も貯蓄が減っていたという。田舎暮らしこそ“高コスト”と話すのは加谷さん。「車なしでは移動できず、ディスカウントショップもありません。都会では電話一本ですぐ来てくれる水道工事も、『町内の水道屋さんに頼んで明日来る』では、不便です。そのような“ストレスフリー”のぶんも含むと考えれば、都会のほうが安上がりだといえます」この夫婦の失敗は、よく検討せずに引っ越したこと。最初は賃貸などで田舎の生活を体験してから、決めるべきだったと言う。〈対処法〉実際に引っ越しをする前に、“田舎体験”を。【落とし穴2・介護】高額交通費で貯蓄減「2年前、九州の実家で独り暮らしをしていた母が骨折して、急に要介護状態に。私たち夫婦が住んでいる東京に呼び寄せようとも思ったのですが、自宅は狭いので受け入れられず、いい施設も見つかりませんでした。とりあえず、独り暮らしを続けてもらいながら、受入れ態勢を整えることに」(60代主婦)介護保険を使えば原則1割の自己負担で介護サービスを受けられるが、細かい日々の雑用や役所の手続きまではやってくれない。「月に2回ほど、実家に帰って面倒を見ないといけなくて……。飛行機に介護割引があるんですが、それでも1往復で2万〜3万円ほどかかります。すぐに東京で受入れ態勢を作るつもりでしたが、コロナ禍などもあって延び延びになって。結局、この2年で貯蓄を150万円以上取り崩しました」加谷さんは「親の介護はいつか来る問題とわかっていても、準備していない人は多い」と指摘する。「この事例のように、けがから急に要介護になる例は多い。親との相談は、すぐにでもやっておいたほうがいい優先課題です」〈対処法〉親が元気なうちに相談を。人生の最後にこんな大誤算が待っているなんて!そんなふうに嘆かないで済むように、落とし穴を知っておこう。
2021年08月20日子どもの教育費が終わりに差し掛かると、急に不安になる老後資金。「2,000万円不足」だとか「2,000万円では足りない」とか不安が募るばかりだが、いずれにしても、退職金が頼みの綱という人が多いだろう。「少しでも多く」と望んでも、コロナ禍のいま、日本は景気低迷のどん底だ。退職金が削られることはあっても、増えることなどないのでは……。「退職金はちょっとした工夫で、手取りを増やすことができます」と言うのは、シニアマネーコンサルタントとしても活躍する税理士の板倉京さん。「退職金を一括で受け取った場合には、『退職所得控除』という大きな非課税枠が設定されています。これを最大限活用することで、退職金の手取りが変わってくるのです」ちょっとした工夫とは、ズバリ受取り日だ。「大きな非課税枠である退職所得控除は、勤続年数によって決まります。勤続20年以下の方なら、退職所得控除は40万円×勤続年数。勤続20年超なら、40万円×20年+70万円×(勤続年数-20年)が非課税となるのです。退職金にかかる税金は、退職金から退職所得控除分を差し引き、さらに2分の1をかけた額に、税率をかけて算出します。つまり、退職所得控除を増やすことができれば、退職金から差し引くことのできる非課税枠が増えて、納税額が減るということです」退職所得控除を増やせばいい、と言うのは理解できたが、どうやって増やすのかが問題だ。「実はもうひとつ、ポイントがあるんです。それは勤続年数の数え方なのですが、『端数切り上げ』なんですよ。たとえば4月1日に入社した方が、翌年の3月31日に退職すると勤続年数は『1年』ですが、4月1日に退職すると『まる1年と1日』ですから、端数を切り上げて『2年』とカウントされるのです」20年以上勤めた方が、勤続年数を1年増やすと、非課税枠が70万円増える。これで納税額を計算すると、退職金の額に応じて変わる所得税率にもよるが、約5万~20万円納税額が減る。ということは、手取りが増えるというわけだ。「会社の規定で、退職日が決まっている場合は仕方ありませんが、自分の都合で退職日を選べる会社も少なくありません。特に、中途退職の方などには自由度が大きいと思います。入社日を確認して、勤続年数を増やすように退職日を設定するだけで、退職金の手取りが増えますから、ぜひ覚えていてください」板倉さんが上梓した「知らないと大損する!定年前後のお金の正解――会社も役所も教えてくれない手取りを増やす45のコツ」(ダイヤモンド社刊)には、ほかにも、目からウロコのお金を増やすコツが登場する。これらを実践して、豊かな老後のためにせっせと蓄えよう。
2020年12月24日社会現象となっている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、公開7週目となる先週末、累計で観客動員2000万人、興行収入は275億円を達成した。TVアニメ「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)とその仲間たちが、“無限列車”を舞台に新たなる任務に挑んでいく本作。公開7週目となる週末の興行成績は、11月28日(土)で観客動員:39万2,017人、興行収入:5億5644万3,300円、29日(日)で観客動員:32万31人、興行収入:4億4806万450円を記録。10月16日(金)から11月29日(日)までの公開45日間の累計興行成績及び累計観客動員数は、全国414館(IMAXシアター 38館含む)で2053万2,177人、275億1243万8,050円に。引き続き数字を伸ばし続けている。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 2020年10月16日より全国にて公開©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
2020年11月30日『TENET テネット』が、アメリカで初週末2,000万ドルを売り上げた。クリストファー・ノーランのキャリアにおいては低い数字だが、現在、アメリカでは、6割ほどしか映画館が再オープンしていない。L.A.、ニューヨークなどの主要都市でも再開が許されておらず、普段と比べることは不可能だ。さらに、開いている映画館も、感染予防対策のため、定員を大きく絞っているという事実もある。この後に予定されていた多くの作品が公開を延期していることもあり、通常よりも長い間、劇場でかけられることになりそうである。シネマスコア社による観客の評価は、B。9月4日に公開された中国でも好調で、ノーランの作品としては過去最大の売り上げを達成した。日本公開は9月18日(金)。文=猿渡由紀『TENET テネット』9月18日(金)公開
2020年09月07日2019年6月に金融庁の報告に端を発した「老後2000万円問題」ですが、老後資金について不安に思ったり、対策を考えたりする機会になった人もいる一方、よく分からないのでそのままという人もいらっしゃると思います。 今回は、「老後2000万円問題」と老後に必要な金額の考え方について、子育て世帯の皆さんが老後資金を考えるきっかけにしていただければと思います。 「老後2000万円問題」とは?「老後2000万円問題」とは、金融庁が2019年6月3日に提出した報告書の中で、95歳まで生きるには平均的な夫婦で約2000万円が必要になるとの試算を示したことに麻生太郎金融担当大臣が金融庁に対して撤回を求め、後に金融庁が撤回したことが話題になり、老後資金が年金だけでは不足することが問題とされた事柄です。 メディア等で「老後に2000万円足りない」のフレーズだけが繰り返し伝えられたため、老後は年金だけでは足りないとの印象が多くの人に残りました。実際には、老後に2000万円足りないかどうかは、ご家族の構成や退職時の年齢、退職金の有無や老後にかけたい費用など条件はそれぞれ異なりますので、2000万円で足りない人もいれば、半分の1000万円でも足りる人もいます。 老後に必要な金額の考え方は?子育て中のご家庭は、お子さんの教育や生活に費用がかかるため、老後まで目が向かないことも多いのですが、ライフプランにおける三大費用(準備資金)は、「教育費用」「住宅費用」「老後費用」の3つといわれています。お子さんが小さいころは「教育費用」「住宅費用」の割合が高いのは問題ありませんが、お子さんの成長とともに「教育費用」から「老後費用」に割合を変えていけるかどうかを早いうちから考えることができるとよいでしょう。老後に必要な資金の考え方は、月の老後の想定生活費(想定できない方は現在の生活費の60%~80%程度)×老後の年数×12カ月+老後の生活費以外のイベント費用(家のリフォーム・旅行費用など)となります。例えば、現在の月額生活費が25万円、老後の生活費を70%の17.5万円と仮定し、老後の年数を25年、老後のイベント費用を300万円とした場合、17.5万円×12カ月×25年+300万円=5,550万円となります。これをすべて用意する必要はなく、年金と退職金を差し引いて不足した金額が老後に必要な金額となります。例として、夫婦で受け取れる年金が年額180万円、退職金が500万円とした場合、180万円×25年+500万円=5,000万円となりますので、不足している金額は550万円となります。 これを一度に用意すると大変ですが、これを30年で用意できるとしたら、利息を0とした場合でも月15,300円の積立で可能です。 上記の計算はあくまでも一例ですので、実際の金額や年数はそれぞれ異なりますので、ご自身やご家族の状況を踏まえて判断しましょう。 現状と将来の予定を確認しましょう老後に必要な金額は人それぞれですが、これを把握するためのポイントは以下のとおりです。【1】現在の生活費を確認しましょう(老後の生活費を想定する場合は子どもの教育費・生活費は含まず計算しましょう) 【2】老後の年数を確認しましょう(年数を決められない場合は、退職から90歳までの年数を目安にしましょう) 【3】老後のイベントを確認しましょう(リフォーム、旅行、趣味、介護など費用から必要なものを設定しましょう) 【4】年金の金額を確認しましょう(ねんきん定期便やねんきんネットで確認・試算をしましょう)【5】退職金制度を確認しましょう(退職金は約8割の企業で実施しています。金額や制度を確認しましょう) 【6】老後までの年数を確認しましょう(不足している老後資金を積み立てできる年数となります) 【1】〜【6】のポイントを前項の計算例に置き換えると、ご自身の老後に必要な概ねの金額が計算できますので、ご参考になさってください。 子育て世代は目の前の教育費や住居費の割合が高いのは一般的ですが、老後はいずれやってきます。お子さんが独立してから準備しても間に合う人もいれば、同時進行で老後資金を準備する必要がある人もいます。この記事をきっかけに老後に必要な金額を確認いただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年08月07日お子さんの教育費、幼稚園から大学卒業までにいくらくらいかかるか、ご存知ですか?1,000万円や2,000万円などという数字を耳にすることも多いと思いますが、前提条件によって大きな差があります。本記事では、私立や公立など、条件別の教育費の平均額をまとめていきます。子どもの学習費の総額・平均(幼稚園〜高校)文部科学省では2年に一度、子どもの学習費に関する調査を行い、発表しています。現段階での最新データは令和元年(2019年)発表のものです。この調査は、子ども1人当たりにかかる1年間の学習費(経費)として、幼稚園、小学校、中学校、高校のそれぞれ公立と私立を対象とし、日本の子どもにかかる費用がどれくらいなのか、一般的な平均として目安になる数字です。以下、その最新の調査結果より、費用の目安となるデータをご紹介します。保育園は厚生労働省の管轄であるため、今回の調査では対象となっていません。また、認定こども園は内閣府の管轄で、同じく今回の調査対象ではありません。幼稚園公立幼稚園の場合:22万3,647円(3年で約66万円)私立幼稚園の場合:52万7,916円(3年で約159万円)幼稚園にかかる費用は、公立と私立では3年間で約93万円の差があります。幼稚園にかかる費用最近の動向として、公立幼稚園の費用は前回の平均とほぼ同等で、私立幼稚園に関しては前回よりも増加していて、近年増え続けているということです。幼稚園に入園後にかかる費用の内訳として、一番割合の大きいものは「授業料」です。公立では、すべての費用のうちほぼ半分の割合を占めており、私立ではさらに上回り6割強を占めています。そのほか「教科外活動費」として、習い事などに関する出費も増えているのが特徴です。公立幼稚園は、全国的に設置数が減りつつあります。近年多いのは、幼稚園のみ私立に通園し、小学校以降から公立で試算するパターンです。教育費にかかるシミュレーションをする場合は、お住まいの地域の公立幼稚園の有無をリサーチした上で参考になさってください。小学校公立小学校の場合:32万1,281円(6年で約192万円)私立小学校の場合:159万8,691円(6年で約954万円)小学校にかかる費用は、公立と私立では6年間で約762万円の差があります。小学校にかかる費用小学校にかかる費用は、幼稚園と同じく、公立に関してはこれまでの調査結果とほぼ同等であるというデータです。一方、私立に関しては前回調査よりも増加しており、近年増加傾向にあるということです。公立と私立の小学校の1年間の費用は約127万円の差がありますが、大きく差をつけている要因は「授業料」です。公立の場合は授業料がかからないのに対して、私立は授業料がかかります。私立小学校の教育費のうち、5割強が授業料です。このほか、公立・私立ともに、小学生になると、塾や習い事にかかる支出が大きくなってきます。中学校公立中学校の場合:48万8,397円(3年で約147万円)私立中学校の場合:140万6,433円(3年で約423万円)中学校にかかる費用は、公立と私立では3年間で約276万円の差があります。中学校にかかる費用公立と私立の教育費の大きな差は、小学校同様に「授業料の有無」です。公立では一切授業料がかからないところ、私立ではすべて負担することになり、私立中学校にかかる教育費のうち約4割を占めています。次に多いのは「補助学習費」として、塾や習い事にかかる費用です。これは、公立・私立ともに全体の教育費の2〜3割程度を占めていますが、公立のほうが私立よりも、若干出費が上回っているという結果です。高校高校の前提条件としては、いずれも全日制であるということです。夜間や通信制は含みません。公立高校の場合:45万7,380円(3年で約138万円)私立高校の場合:96万9,911円(3年で約291万円)高校にかかる費用は、公立と私立では3年間で約153万円の差があります。高校にかかる費用公立高校と私立高校の教育費は、約2倍の差があります。内訳としては、大きな違いがあり、公立高校の支出のうち「授業料」と「学校納入費」の合計が全体の3割程度であるのに対し、私立高校ではこれらの合計だけで全体の6割を占めています。さらに、小学校や中学校よりも、塾や習い事に対する出費が多くなっています。例えば、小学校から同じ塾に通っているとしても、高校生になると月謝が高くなったり、受講する科目が増えたりすることで、出費が増えていると考えられます。私立高校無償化の動き令和2年(2020年)4月より、私立高校授業料の実質無料化が始まっています。教育費の心配をすることなく、どのような状況であっても子どもの学ぶ意欲を損なわないよう、教育費の負担軽減という形で国としてもサポートをしていくということです。大学進学にかかる費用の総額・平均大学にかかる費用の平均(目安)となる数値は、日本政策金融公庫「令和元年度・教育費負担の実態調査結果」を参考に、以下まとめていきます。いずれも4年間在学した場合の平均費用です。[adsense_middle]国公立国公立大学へ進学した場合、以下の教育費がかかります。入学費用:約71.4万円年間の在学費用:約107万円(4年で約428万円)すべての合計:約500万円私立文系私立文系大学へ進学した場合、以下の教育費がかかります。入学費用:約86.6万円年間の在学費用:約157.6万円(4年で約632万円)すべての合計:約720万円私立理系私立理系大学へ進学した場合、以下の教育費がかかります。入学費用:約84.5万円年間の在学費用:約184.3万円(4年で約736万円)すべての合計:約821万円補足・学費の高い学部って?学費の高い学部とは、専門スキルを身につけるものや、芸術系の学部が代表です。医学部、歯学部、薬学部などは、一般的に「学費のかかる学部」として有名ですが、ほかには音楽学部や芸術学部なども学費が高額であることで知られています。医学部、歯学部、薬学部などの医学系は、4年制ではなく6年制で、通常よりも2年多く在籍することになるため、その分費用がかさむとも言えます。親元を離れて進学する場合日本政策金融公庫の調査によると、自宅外通学の学生は、大学生のいる世帯のうち27%ほどにのぼるということです。さらに、都心部よりも地方のほうが自宅外通学の割合が高く、大学の進学費用以外にも、住居費や生活費として大きな出費がともないます。学費以外に年間約102万円自宅外通学(ひとりぐらし)で親元を離れて通学する場合、仕送りの平均額は年間約102万円であるという調査結果があります(日本政策金融公庫より)。月額にすると毎月約8.5万円となり、学費以外でさらにこの金額を捻出するとなると、そう簡単な額ではありません。さらに、同調査によると、自宅外通学をするにあたり入居する物件の諸費用として、平均約39万円必要であるという結果もあります。自宅外通学にかかる費用は、入学する大学が決まらない限り、事前にはなかなか対策の打ちようがない必要経費です。進学する大学が都心部であるか、地方であるかによっても入居時の諸費用には差があります。その大学の学生が住んでいる物件の一般的な家賃などもリサーチし、安心して暮らすことができる物件を選びましょう。幼稚園から大学までの総額幼稚園から大学までの、教育費の平均の総額を算出してみます。ここまでご紹介してきたとおり、私立は公立よりも費用がかさみます。したがって、オール公立の場合の総額が一番安く、オール私立の総額が一番高くなります。教育費の総額の目安として、最低でもオール公立くらいの費用がかかるとし、最高でもオール私立の費用までという風に、ひとつの目安にしていただければと思います。オール公立の場合幼稚園から大学まで、すべて公立とした場合、以下のようになります。幼稚園:約66万円小学校:約192万円中学校:約147万円高校:約138万円大学:約500万円合計:約1,043万円オール私立の場合幼稚園から大学まで、すべて私立とした場合、以下のようになります。私立大学の中でも、文系と理系で学費が違いますので、オール私立の中でも、2つに分けてご紹介します。オール私立(文系)の場合幼稚園:約159万円小学校:約954万円中学校:約423万円高校:約291万円私立文系大学:約720万円合計:約2,547万円オール私立(理系)の場合幼稚園:約159万円小学校:約954万円中学校:約423万円高校:約291万円私立理系大学:約821万円合計:約2,648万円大学の学部や習い事によっては出費増一番教育費が安くなるオール公立で進学しても、最低でも約1,043万円教育費がかかります。さらに、国公立大学の中でも、特に学費が高い学部(医学部など)に進学した場合は、いくら公立とはいえかなりの教育費がかかることが予想されます。また、成長にともない、幼少期から続けている習い事などの月謝は値上がりしていきます。月謝から年間出費を算出し、あらかじめ備えておくと安心です。月額としてかかる学費の目安ここまで、幼稚園から大学卒業までにかかる費用総額(平均値)をご紹介しましたが、あまりに額が大きすぎてなかなかイメージがつかないかもしれません。もう少しわかりやすく、ステージごとに月額単位でまとめますので、ぜひ参考になさってください。[adsense_middle]幼稚園公立の場合:約22万円(年間)÷12か月=約1.8万円私立の場合:約53万円(年間)÷12か月=約4.4万円小学校公立の場合:約32万円÷(年間)12か月=約2.6万円私立の場合:約160万円(年間)÷12か月=約13.3万円高校公立の場合:約46万円(年間)÷12か月=約3.8万円私立の場合:約97万円(年間)÷12か月=約8万円大学大学の場合は、入学費用以外で毎年かかる在学費用のみで計算します。国公立の場合:約107万円(年間)÷12か月=約8.9万円私立文系の場合:約158万円(年間)÷12か月=約13.1万円私立理系の場合:約184万円(年間)÷12か月=約15.3万円教育資金対策としてできることここまで紹介した教育費の平均を基に、あらかじめ教育費としての資金対策をしておくと安心です。具体的には、毎月定額貯金をするなど、家庭全体の預貯金とは分けて、子ども専用の貯蓄をしておくことなどが挙げられます。ほかにも、幼児から小学校低学年くらいまでであれば、子どもを対象としている貯蓄性の高い生命保険などで備えることもお勧めします。子ども保険を活用しよう教育資金対策として、子ども保険(学資保険)なども活用するとよいでしょう。子ども向けの保険は、一般的に保険商品の中でも貯蓄性の高い商品がほとんどです。また、契約者にに万が一のことがあった場合は、その後の保険料の払い込みは免除されますが、保険契約自体は契約期間満了まで継続することができます。保険契約自体が有効ということは、期間中に設定している「成長祝い金」のような節目のお祝い金や、期間満了時に受け取ることのできる満期金も、当初の契約どおりに受け取ることができます。教育費の捻出方法日本政策金融公庫の調査によると、教育費の捻出方法として一番多いのが「節約」でした。ご家族が、学費以外のお金に関して節制することで、学費に回しているということです。主に、食費や旅行・レジャー費を削っているという方が多い結果でした。次に多いのが、生命保険や預貯金を切り崩しているという結果でした。3番目に多いのは「学生本人がアルバイトをしている」という結果でした。近年、アルバイトをしている大学生は多く、その中で友人関係を築いたり、将来の就職に繋がるヒントを得たりと、学費のためだけではない貴重な体験をすることもできます。どのように学費を捻出するか、最適な形を見つけるために、ご家族で話し合ってみることをお勧めします。教育費の平均額・まとめ本記事で紹介した、お子さん1人当たりの幼稚園から大学までの教育費の平均額を参考にしていただき、考えられる範囲で早めに対策を練ることをお勧めします。学資保険や預貯金など、手法はさまざまです。状況によっては、奨学金などのサポートを受けることもできますので、お子さんの成長を楽しみに、将来に備えましょう。
2020年07月16日2019年に話題となった公的年金の「2000万円足りない」問題。何となく気になっている人は、パパママ世代でも多いかもしれませんね。お金の超プロフェッショナルである横山光昭さんは言います。「2000万円問題は、年金を自分事として考えるいいキッカケなんですよ」この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 第2回「じつは『老後に2000万円必要』とは報告されてなかった!?」 第3回「老後資金『2000万円以上必要な人』と『2000万円かからない人』 の続きです。■今、私たちがやるべきこと2つ本連載の 第2回 では、横山さんに年金を自分事として考えるために、今、私たちがやるべきことを、ポイントを2つに絞って教えてもらいました。●今、私たちがやるべきこと2つ1)自分自身の年金受取額の見込みを把握すること2)今とこれからの社会状況を認識した上で、『将来の自分の場合はどうなのか』を知っておくこと出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) ■自分自身の年金受取額の見込み額を把握するには?今回は、自分の年金受取額の見込み額を把握するための方法からお伝えしましょう。みなさん、お誕生日月に「ねんきん定期便」が送られてきますよね。現役世代では、基本的に次の4パターンで郵送されてきます。●「ねんきん定期便」の郵送パターン1)50歳未満の人(35歳、45歳の人を除く):ハガキ2)35歳・45歳の人:封書3)50歳以上の人:ハガキ4)59歳の人:封書筆者作成大まかに言えば、50歳未満と50歳以上で「ねんきん定期便」の形式が違います。ここで、ひとつ問題点があります。それは、50歳未満の人の場合は、「ねんきん定期便」だけでは、将来の自分の受給予定額がいくらなのかが、わからないんです。■ねんきんネットは、ご存知ですか?「自分の年金額を早めに把握しておくと、現在の生活費と老後を比較したときに、どれだけ足りそうか、足りなさそうかが推測しやすくなります」(横山さん)筆者も、「将来の自分の年金額は早めに知っておくに越したことはない」と思っています。50歳未満の人が、将来の自分の年金を知りたい場合は、「ねんきんネット」を使いましょう。ただ、「ねんきんネット」を見るためには、毎年のねんきん定期便についていくる「お客様のアクセスキー」や基礎年金番号での利用登録が必要です。利用登録をしてユーザーIDを取得すると、自分の年金の試算などができる仕組みになっています。ちなみに、アクセスキーの有効期間は、ねんきん定期便到着後3ヶ月間です。「毎年、お誕生日月に将来の年金額を試算してみる」など、自分の「年中行事」のひとつに組み込んでも良いですね。■年金事務所はご存知ですか?それでも、やはりわからないことはあるはずです。「年金全般に関する不明点があれば、直接近くの年金事務所に足を運んでみたり、ねんきんダイヤルに電話をかけて聞いてみることです。いずれにしても、みずから動いて聞きに行くことが大事です」(横山さん)●ねんきんネット: ●全国の相談・手続き窓口: ●ねんきんダイヤル:0570-05-1165■繰り下げると受給率が増える老齢年金ここまで読んで、「年金、やっぱり、面倒くさい」と、ちょっと憂鬱になってしまいましたか?(笑)。 では最後に、とても大切なことをお伝えして、本連載を終わりましょう。年金は繰り下げると、受給率が高くなる年金を「繰り下げる」とは、年金の受給開始年齢を遅らせることをいいます。次の表のとおり、1ヶ月繰り下げるごとに受給額が0.7%増える計算で、今は、70歳が後ろ倒しにできる最高齢です。ちなみに、70歳から受給を開始すれば、増額率は42%! つまり142%の年金がもらえるんです。なかなか、すごいスゴイ数字だと思いませんか? ●老齢年金の繰り下げ受給の増額率■65歳までに1560万円を!そうは言っても、現状、多くの人の定年は、65歳。年金の繰り下げの恩恵を最大限に利用できる70歳まで年金を受給しないとなると、65~70歳の生活費を確保しておく必要があります。たとえば、第2回でご紹介した 「金融審議会」 のモデル家計を例にとって、65歳~70歳の生活費を試算してみましょう。モデル家計の毎月の生活費は、26万円でしたから、これの5年分。具体的には、1,560万円です。生活費月26万円×12ヶ月×5年=1560万円一言で、「65歳までに1560万円を貯める」といっても、30歳、35歳、40歳では、老後までの持ち時間が違います。そうなれば、毎月の貯蓄目標額も違ってきます。残りの月数から逆算した、毎月の貯蓄目標額を表にしてみました。●スタート年齢から逆算する老後資金貯蓄額(1,560万円の場合)■年金を自分事として考え始めることが大切いかがでしょう? 具体的なベネフィット(それをやることで得られる未来)を知れば、自分年金について少しはヤル気が出てきませんか? こんなふうに、少しずつでも、年金に対しての知識を増やしていくことが、今は大切な時期なのだと筆者は思います。私はマネー記事の取材を通じて、日本の年金制度は、「最低限の生活保障」というカタチになっていくと予測しています。NISAのモデルとなったイギリス、iDeCoのモデルとなったアメリカ、両国ともに年金の自助努力を促すために税制優遇制度を作り、年金は「最低限の生活保障」という位置づけです。NISAやiDeCoが「輸入」されてきたのですから、日本の年金政策はイギリスやアメリカと同じ方向に舵を切っていると考えるのが自然でしょう。老後までの時間が、まだある今だからこそ、「自分らしい老後」を送るために、年金に対して学び始めること。それは、ライフデザインも含めて、「未来の自分」について考えることでもあると思います。●「老後までに2000万円貯められる?」第4回のまとめ1)「ねんきんネット」の利用登録をして将来の年金額を試算してみる2)年金の「繰り下げ」を知る3)まずは、65歳までに1,560万円を貯金しよう※本連載で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月18日「『老後2000万円問題』で不安や疑問を覚えた今こそ、年金について学び始めるチャンスです」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。学び始めると言われても、何をどうやって考え始めればいいの? 最初の1歩がわかりません!! そんな人のために、「2000万円より必要な人、少なくて済む人」の具体例を教えてもらいました。この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 第2回「じつは『老後に2000万円必要』とは報告されてなかった!?」 の続きです。■そもそも「2000万円が不足」って、何?前回の記事で、 「2000万円問題は、ある一組の夫婦の資産の(例)にすぎない」 と、書きました。(例)となっている家計は、下記です。ポイントを3つあげておきましょう。●「2000万円問題」のモデルとなった家計のポイント3つ1)夫が65歳以上で妻も60歳以上。二人とも無職2)年金収入が約21万円なのに対し、支出は約26万円3)月額5万円の赤字が出る筆者作成家計の内訳は、次のとおりです。ご自身の家計と比べてみて、いかがですか? たとえば、この家計の住居費は、月額13,656円です。この金額ですと「家賃」というよりは、「持ち家でローンは完済。固定資産税などを月額割にした数字」なのではないでしょうか?■「どんな生活をしたいか?」で必要な金額は変わるこんなふうに、モデルとなった家計と、「わが家の家計」を照らし合わせてみる作業を、まず始めてみると良いと思います。その上で、「では、自分自身の老後をどんなふうにしたいか?」を、考え始めてみましょう。「まずは自分の老後のビジョンを決めることから始めましょう。そうでないと老後の必要額はわかりません」(横山さん)そう言われても、多くの人は「心配のない老後にしたい」というくらいしか、イメージが沸かないかもしれませんね…。そこで、23,000件以上の家計をみてきた、家計のプロ横山さんの出番です! 今回は、「2000万円」を基準にして、2000万円以上老後資金が必要な人、2000万円までなくても大丈夫な人の、「ありがちな収支パターン」を教えていただきました。●ありがちな収支パターン4例1) Aさん:2000万円では全然たりない人 2) Bさん:2000万円までなくても足りる人 3) Cさん:年金のみでもいける人 4) Dさん:Aさんのバージョン違いの「2000万円ではたりない人」 ※Dさんは、わりとよくみられるパターンだそうです。ここで、今回の「試算の条件」のポイント整理しておきましょう●今回試算条件1)「将来の収支予想の収入」は年金のみの収入で、年金のみで生活した場合2)年金受給額は、今後の加入状況や収入の状況を予測した概算3)予備費用は、リフォーム、介護、病気、旅行費用に充てるための金額筆者作成▼パターン1)Aさん 2000万円では全然たりない人【診断】 高支出メタボ家計Aさんは、こんな人 → ちょっといいもの症候群Aさんは、現役時代の年収が1100万円と非常に高いので、いわば「ちょっといいもの症候群」です。消費では、「ちょっといいもの」を選びがちなので、生活コストがかかります。また、資産形成は、「賢くできるはず!」という気持ちで堅実路線とは言い難いチョイスをしていますが、思うような結果は得られていません。▼パターン2)Bさん 2000万円までなくても足りる人【診断】 無駄のない節約家計Bさんは、こんな人 → 堅実な生活者Bさんの現役時代の年収は500万円で、「堅実な生活者」です。そもそも、現役時代に使えるお金が特別高いわけではないので、消費は、「地に足がついた感じ」です。普通の収入なので、生活もごく質素です。もっとも「質素」と「貧乏くさい感じ」は、まったく違います。家計の収支について、きちんと考えています。▼パターン3)Cさん 年金のみでもいける人【診断】 年金を貯蓄に回せる理想家計Cさんは、こんな人 → 老後は実家の田舎で暮らす予定の人Cさんの現役時代の年収は、600万円。老後は実家に戻って田舎暮らしを始める可能性があるそうです。住宅ローンは返済中ですが、これを完済して持ち家を売れば、1000万円くらいの資産になるかもしれません。田舎に戻ったあとは、親と変わらない近所付き合いをし、食材はもらったり安く買えたりしそうなので、生活コストは低そうです。▼パターン4)Dさん 2000万円より多く必要な人人【診断】 賃貸住宅が老後にも響く赤字家計Dさんは、こんな人 → 「老後の家賃」が厳しいタイプDさんの現役時代の年収は、700万円。比較的慎重派で、何千万もの住宅ローンを組んで持ち家にすることは考えていません。家は必ず買わなくてはいけないというものではありませんが、老後の限られた収入の中でやりくりするときには、家賃は、かなり負担の大きな支出となります。あなたの家計は、どのパターンが近かったですか? この記事をキッカケにして、老後というのは、「どこかの国の誰かの話」ではなく、「今日の私の地続きにある話」というイメージを持つことが、年金を自分事として考える第1歩なのだと筆者は考えます。■老後対策の柱は、3つ「老後生活を送っている自分」のイメージが持てるようになると、ようやく自分年金づくりのスタートラインに立ったということなのだと思います。では、スタートラインに立ったら、何から始めれば良いのでしょうか? 横山さんは、言います。「老後対策は、総じていえば、次の3つのアプローチから手をつけていくと、良いでしょう」●老後対策の柱3つ1)年金以外の収入の道を探る2)支出は現役世代のうちからコントロールする習慣をつける3)運用もできるだけ早いうちから始める出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) ●「老後までに2000万円貯められる?」第3回のまとめ1)「2000万円問題」のモデルケースを知り、自分の家計と比べてみる2)老後は、「今日の私の地続きにある話」である3)「老後対策の柱3つ」を知っておく次回は、いよいよ「自分年金の作り方」について、具体的に考えてみます。※本連載で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月17日2019年は、公的年金だけでは「2000万円足りない」問題が注目されたことにより、「老後について、本気でどうにかしなきゃ!」と、危機感を感じた人も少なくなかったのかもしれません。「老後に2000万円足りないって、本当?」お金の超プロフェッショナルである横山光昭さんにお話しを伺ってきました! この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 の続きです。横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。■老後2000万円足りなくなるって、本当?取材の冒頭、「老後資金が、2000万円足りないって、本当ですか?」という、素朴な疑問を横山さんにぶつけてみました。横山さん曰く、「結論から言えば、ウーマンエキサイトのパパママ世代の方は今から、『自分の場合は?』と、年金を自分事として考え始めれば大丈夫です」とのこと。ほッ! 良かった! では、年金を自分事と考え始めるためには、何が必要なのでしょうか? いわゆる「老後2000万円問題」の整理から始めましょう。コトの発端は、6月上旬に公表された金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書です。全51ページの、たった一文(太線部分)だけが切り取られ、大騒ぎになりました。●金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書年金だけが収入源となる無職のある高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)。夫婦の年金収入が約21万円なのに対して、支出は約26万円かかっています。その収入と支出の差となる不足額が毎月5万円。これが20年間続くとすると、30年間で約2000万円が必要になるという試算です。参考文献: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 (全51ページの21ページ目)■「絶対に2000万円が必要だ」などとは書いていない報告書は、ネット上で誰でも目をとおすことができます。「私も報告書が公表されてすぐに目をとおしましたが、あの報告書では、『老後の生活に、絶対に2000万円が必要だ』とは書かれていません。紹介されていたのは、ある平均的な夫婦の老後の資産(例)です」(横山さん)「ある平均的な夫婦の老後の試算(例)」についての解説は次回行うとして、ここでは、この報告書のポイントを整理しておきます。とても大切な報告書なので。●ウーマンエキサイト世代のパパママが知っておくべき3つのポイント1)長寿化はこれからどんどん進んでいく。2)充実した人生を送るためには年金だけでは足りない。3)自分事として準備しましょうと「自助努力」を促す。筆者作成ところで。皆さんは自分の年金について、「いつから」「どのくらい」もらえるのか知っていますか? 年金について、今、何か準備していることはあるのでしょうか?「自分の年金について考えたことのなかった方、これまで誤った情報に惑わされていた方に、この連載を通じてメッセージをお伝えしたいと思っています」(横山さん)■キーワードは、「人生100年時代」年金の問題を考える時、キーワードは、「人生100年時代」です。今では当たり前のように使われている「人生100年時代」というフレーズですが、そのキッカケは、『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社刊)という本がよく売れたことにあります。この本の初版は、2016年10月なので、約3年前、にわかに「人生が100年になった」=「長寿化が現実味を帯びた」といったイメージでしょうか。『LIFE SHIFT』の中では、「人生の組み立て方が、今までとは違ってくる」と提言されています。端的に言えば、「教育→仕事→引退」という三つのステージで人生を考えるのは、長寿社会では無理だということなんです。100年という時間を、自分らしく生ききるためには、「学び直し」をしたり、「複数の仕事を同時に持つ」など、これまでの違う考え方で、人生を捉えていく必要があるとされています。■年金だけで暮らせる人は1割私たちの親世代は、「教育→仕事→引退」というライフステージを送り、仕事を引退した後は年金だけで暮らしている人も多いでしょう。けれども、私たちが仕事を引退する頃は、高齢化が進んでいます…。「端的に言っておきましょう。これからの日本では、年金だけではほとんどの人は暮らしていけません。ほとんどいうのは全体の8~9割くらいの人です」(横山さん)つまり、年金だけで暮らせる人は1割。「老後は年金があるから何とかなるだろう」という発想があるとしたら、それ自体、今の現役世代にとっては現実的ではないのです。「この記事をキッカケにして、ぜひ、その考え方から離れて欲しいと思います」(横山さん)■老後に向けて、今、私たちがやるべきこと2つでは、どうしたら良いのでしょうか? 横山さんより、私たちがやるべきことをポイントを絞って2つ教えてもらいました。●今、私たちがやるべきこと2つ1)自分自身の年金受取額の見込みを把握すること2)今とこれからの社会状況を認識した上で、『将来の自分の場合はどうなのか』を知っておくこと出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) 1)の自分自身の年金受取額の見込みを把握する方法については、今後詳しく説明します。まずは、上記の2つをクリアした上で、「自分は将来どういったライフスタイルを目指すのか?」を考え、「そのためには、どうしていけばいいのか?」を、各人が探っていく必要がありそうです。「人に勧められるままに内容を理解せず投資をしたり、極端な節約生活を続けていくのは老後の生活が危ういだけでなく、長続きしません」(横山さん)●「老後までに2000万円貯められる?」第2回のまとめ1)「老後資金2000万円問題」、年金を自分事として考えるキッカケにする2)「人生100年時代」は、今までとは違った生き方をしていく必要がある3)「今、私たちがやるべきこと2つ」を知っておく次回は、年金を自分事として感じられるよう「2000万円より必要な人、少なくて済む人」について、具体的に考えてみます。※本特集で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。<参考サイト>金融庁: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月16日■「老後2000万円問題」は老後が不安になっただけ?こんにちは! ライターの楢戸ひかるです。私は20年ほどマネー記事を書いていますが、昨年の「老後2000万円問題」は、マネー史に残る、インパクトのある「事件」だったと思っています。ママの毎日は、忙しい! いっぱいいっぱいの毎日のなかで、とてもじゃないけれど、老後のことなんて考えられませんよね? それなのに、不安だけ、ポトリと滴のように落とされてしまった……。私個人の感想としては、多くのママにとって、2000万円問題が、「ただ、老後のことが不安になっただけ」なことが、すごく残念です。■老後資金、「知らないから不安」を払拭するにはまずは、「知らないから不安」にエネルギーを奪われないよう、必要な情報を知ることから始めてみませんか? 「知っておく」こと、老後に対してのひとつの有効な備えだと私は思っています。 「老後2000万円問題」については、ァイナンシャルプランナーの横山光昭先生に取材させていただき、詳しい解説をこの後の記事で行っていきます。記事を読んでいただければわかりますが、2000万円問題は、いいキッカケだと思うのです。そういう意味で、一般の人が話題にするレベルまで反響があった、この「事件」を、無駄にしたくないと思いました。■老後資金貯める余裕がないのに、不安がない理由私自身、今、老後資金を貯める余裕は、ほとんどありません。高校生2人、大学生1人の息子の教育費がピークだからです。けれども、「老後が不安だから、お金を貯めなきゃ!」といった感じの漠然とした不安は、それほどないです。なぜ、漠然とした不安がないのか? それは、「知っている」からです。私が何を知っているのか、書き出してみますね。●「老後の漠然とした不安がない」私が知っていること1)1ヶ月いくらあれば、足りるのか? 具体的な毎月の生活コストを把握している2)家電の買い替えやリフォームなど、大まかな生活サイクルと必要額を把握している3)わが家が、いつから老後資金を貯められる家計なのか? ライフプランニング表を書いて、予測がついている4)取材を通じて、「介護」や「老齢期の医療」のイメージを持てるようになりつつある5)投資を経験したことがあり、自分なりの投資方針があるこんなところでしょうか? 情報は力です。30代、40代は、住宅ローンや教育費負担が重い時期。「老後資金を余裕を持って貯めています」というご家庭の方が少ないのでは? と感じます。「知らないから不安」ということ、結構あると思うのです。それだったら、漠然とした不安にシャドーボクシングをしているよりも、具体的に考えてみませんか?■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み)) >> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る\おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月15日「今年6月、“年金だけだと老後資金が2,000万円不足する”とした金融庁の報告書が話題となりました。そして、8月末に厚生労働省が、今後の年金制度の見通しである“財政検証”を発表しました。しかし、いずれもサラリーマン夫と専業主婦の妻というモデル世帯を中心とした分析。独身で、一人暮らしの女性などは、参考にしにくくなっているのです」そう語るのは家計コンサルタントの八ツ井慶子さんだ。7人に1人の女性が生涯結婚しない時代。さらに50歳以上の離婚率は’90年から比べて、2.5倍の5.49%(’17年)にまで増えている。夫との死別なども含め、一人暮らしをしているいわゆる“おひとりさま”は現在、65歳以上女性の5人に1人にあたり(内閣府「令和元年版高齢社会白書」)、今後も増えていく見込みだ。まず、知っておく必要があるのが、将来の年金見通し。「もともと、物価の上昇などにあわせて、年金の支給額も上がっていく仕組みでした。しかし、『マクロ経済スライド』が導入され、寿命の延びなども考慮して、年金支給額の上昇は調整されるようになりました。年金は実質的に“目減り”していくのです」(八ツ井さん・以下同)もらえる金額は変わらなかったり、わすかに上がっていたりしても、物価はそれ以上に上昇していくため、もらえる年金の価値はどんどん減っていく。実際に、どれくらい減るのだろうか?「人口比や寿命の延びから、独自に年金の将来を試算してみました。10年後の’29年には、年金を受け取る65歳以上の人口は3%増加する見込みです。一方、年金の保険料を支払う20〜64歳までの人口は6.5%減ると予想されている。さらに、この20年間の平均余命の伸び率から、10年後の女性の寿命は2.5歳ほど延びると仮定。それらをふまえて計算した結果、10年後の年金支給額は、マイナス11.03%になると試算しました」わずか10年で、約1割以上の減!そんな試算をもとに、タイプ別の“おひとりさま”の年金の今後を見てみよう。「会社員として働いていた女性が現在、受け取っている年金の平均額は、基礎年金と厚生年金をあわせて10万8,776円。しかし、10年後、支給額は、現在の価値に換算して9万6,778円にまで下がってしまう見通しです(以下、10年後の予想額はすべて現在の価値における金額)」最新の家計調査によると、65歳の単身女性の月の支出額はおよそ15万円(総務省2018年「家計調査」)。現在でも4万3,000円ほどの赤字だが、10年後には5万4,643円に。仮に95歳まで生きた場合、単純計算で1,967万円の不足となる。だが、それ以上に厳しいのは、自営業者などの国民年金のみの受給者だ。10年後に予想される基礎年金の額は4万9,663円。今年10月に始まった、年収が87万9,300円以下の条件を満たせば支給される、「年金生活者支援給付金」の5,000円(満額)を足しても、とても年金だけで生活はしていけないだろう。大黒柱だった夫が亡くなった場合の専業主婦はどうだろうか?「たとえば会社員の夫が亡くなり、子どもがいなかった場合、夫がもらえるはずだった厚生年金の4分の3にあたる遺族厚生年金をもらうことができます。これは再婚しなければ一生涯、受け取れます」10年後に年金額が“減った”場合でも、平均で実質12万円の受給。それでも65歳以上の“おひとりさま”の平均支出額からは、月に3万円ほどの赤字で、95歳までの30年で累計1,147万円の不足に。専業主婦がサラリーマンの夫と離婚した場合はどうだろう。「サラリーマンの夫と離婚した場合、“離婚分割”といって、夫の厚生年金の一部を受け取れます。といっても、夫の厚生年金の半分がもらえるわけではありません。婚姻期間中に夫が払った保険料の“実績”の半分をもらえるというもの。対象は厚生年金だけです。当然、婚姻期間が長いほど、もらえる金額は増えますが、分割後に増える金額は、現在でも平均3万1,000円ほどにすぎません」10年後は、その平均が2万7,632円まで目減りするかもしれません。“おひとりさま”平均支出からいえば、月に7万9,126円の赤字で、30年だと2,849万円不足する。かくも厳しい“おひとりさま”の老後生活。しかし、これはあくまでも、平均額をもとにしたモデルケース。個人差があるので、注意してほしい。「一人暮らしは、1人あたりの生活コストが割高になります。世帯の人数が2人から1人になっても、家賃や光熱費は半分になるわけではありませんから。しかし、見直しは十分可能。まずは契約している電力・ガス会社を変えたり、携帯電話のプランを検討して、光熱費や携帯電話代など、毎月必ずかかる“固定費”を見直しましょう。削減の効果は一生涯続きます」さらに、“おひとりさま”には攻めの姿勢が大事かもしれない。「重要なのは、長く働くことです。将来への不安を、働いていない人は働き始めるきっかけに、すでに働いている人は働き続ける動機に変えてみてはいかがでしょうか」金銭的には不安が多い“おひとりさま”。でも、自分のライフプランを自分1人で決められるのも、また“おひとりさま”の特権だ。
2019年10月28日金融庁が「老後には夫婦で2,000万円必要」と金融審議会報告書で公表した際は世の中に大きなインパクトを与えました。「えっ、そんなお金ない……どうしよう!」と焦った人も多いのではないでしょうか?そしてやっぱり気になるのが「皆は老後資金をどのくらい貯めているのかしら?」ということ。総合旅行プラットフォーム「エアトリ」が10代~70代の男女959名を対象に実施した「老後の貯金」に関する調査の結果をご紹介します。■ 「老後に2,000万」で焦った人は23.1%!miya227 / PIXTA(ピクスタ)調査ではまず、「『老後に2,000万円の貯金』のニュースを聞いてどう思いましたか?」と質問。すると、「以前からそうなると思っていた」と回答した人が最多で56.2%。次いで、「焦りを感じた」(23.1%)、「何も感じていない」(20.6%)という結果となりました。ただ、世代によって老後資金に関する考え方は異なるかもしれませんね。20~30代であれば当然「まだまだ先の話だから大丈夫」と焦りを感じていない場合も多いかも。逆に、40代以降でまだお金が貯まっていない場合は焦りを感じるかもしれません。次に、「報道を聞いて何かを始めましたか?」と尋ねると、圧倒的に多かったのは「何もしていない」。全体では74.2%、最初の質問で焦りを感じた人では68.0%という結果でした。焦りを感じた人でも、なかなか行動にまでは結び付いていないようです。次に多かったのは「節約」。最初の質問で焦りを感じた人は19.4%、全体では14.2%という結果となりました。3位以降は「経済やお金に関する勉強」(11.3%/全体7.7%)、「投資」(5.4%/全体5.7%)、「副業」(5.4%/全体3.8%)でした。tomcat / PIXTA(ピクスタ)節約したりお金について学んだり、収入源を増やすといった行動は、本人の焦りが熱意となった結果といえそうです。■ ズバリ!現在の貯金額はいくら?Rina / PIXTA(ピクスタ)では実際、現在いくら位の貯金を持っているのでしょうか?ズバリ「現在の貯金額はいくらですか?」と尋ねると、年代ごとにかなり違う答えが出ました。総合的に見ると、年代が高く老後の生活に近づいている世代ほど貯金額が多いのが分かりますが、30代以下の若い世代でも結構しっかり貯めている人もいるのは心強いですね!50代、60代以上で最も多かったのは「2,000万円以上」で、50代が21.7%、60代が31.7%という結果に。また30代以下では「100万円以上300万円未満」と答えた人が21.8%に上りました。若い世代には結構堅実なタイプが多いのかもしれません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)一方で、30代以下の最多は「50万円以下」で27.3%。しかし、働き盛りともいえる40代も同じ金額が22.6%とトップという驚くべき結果に……。また、50代19.3%、60代以上11.4%と、「50万円以下」と答えた人がかなり多いことが判明。これでは「老後2,000万円」発言に焦るのも無理はないかもしれませんね。freeangle / PIXTA(ピクスタ)みなさんの家庭では、老後のための貯金をしていますか。老後に向けた貯金は早く始めるのが無難でしょう。後々「貯金がない……」とならないよう、しっかり計画を立てたいものですね。【参考】※ 「老後2000万円」報道聞いて7割が「何もしていない」 事が判明 60代以上の貯金額「2000万円未満」は7割 「すべて節約できる」男性24.1%に対し女性は7%と男女で節約に対する意識に大きな差が
2019年10月04日こんにちは、婚活FP山本です。一般的な感覚で言えば年収は1000万円がトップクラスと言えますが、倍の年収2000万円がどのような水準か、ご存じでしょうか。達成できるわけがない別世界の話と感じる方も多いですが、確かに年収2000万円の方は存在します。知ってさえおけば、中には励みになる方もいるかもしれません。そこで今回は、年収2000万円の割合や手取り、生活レベルや注意点についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。年収2000万円の割合は約0.2%まずは、年収2000万円の方の割合についてお伝えします。国税庁の平成29年「民間給与実態統計調査」によると、年収2000万円の方は全体の「0.2%」という結果です。また、この年収を上回る方は全体の「0.3%」ですから、上位0.5%の水準ということになります。なお、男女別に見ると男性では0.4%、女性ではゼロという結果です。女性の最上位は、「年収1500~2000万円」の層で、割合は0.2%となっています。男性でもわずか0.4%ですから、どちらにしても達成は極めて困難な水準でしょう。なんとも厳しい現実ですね……。もし達成できたら、あなたならどうしますか?年収2000万円は極めて困難ですが、決して実現不可能な水準でもありません。まずは達成するための計画を立ててみても良いかもしれませんね。サラリーマンでは滅多に見かけない水準あくまで先ほどの統計は「民間給与」が対象です。公務員や議員は対象外ですし、経営者や芸能人、スポーツ選手などなら億単位で稼ぐ方もいます。しかし少なくともサラリーマンに限れば、滅多に見かけない水準であることは間違いありません。純粋なサラリーマンで言えば、トップクラスの上場企業の部長級以上……といったところでしょうか。そこまで出世する前に、入社するだけでも困難ですから、やはり多くの人には達成が厳しいかもしれませんね。世帯年収でも2000万円は厳しいかも……次に、別角度で年収2000万円をお伝えします。ひとまず、平均年収で2000万円を超えるような職業はありません。芸能人やスポーツ選手であっても、億単位を稼げるのは一握りであり、多くは低い年収に喘いでいます。経営者などであっても、簡単には届かない水準です。また理屈のうえでは、年収1000万円の男女が結婚すれば世帯年収として2000万円を達成できます。しかし年収1000万円の方自体、先ほどの統計によると男性で5.1%、女性なら0.7%という結果です。特に女性で年収1000万円の方を探すのが、極めて困難でしょうね。個人であっても世帯であっても、どちらにしても年収2000万円は到達が厳しいのかもしれません。少なくとも、到達できなくても「当たり前」と自分を納得させていきましょう。職業を問わず「稼ぐ成功者の証」と言える平均年収で2000万円を稼ぐ職業が存在しない中、確かに年収2000万円を稼ぐ方もいます。つまり年収2000万円というのは、職業を問わず「稼ぐ成功者の証」と言えるかもしれません。相応の職業に就き、そのうえで成功を収めないと辿り着けない水準ですからね。どうしても年収2000万円になりたい会社員の方は、トップクラスの大手への転職か、それが望めないなら独立するしかないのかもしれません。一度くらい、検討してみてはいかがでしょうか?年収2000万円の手取り額は月収100万円今度は、年収2000万円の手取り額をお伝えします。結論から言えば、年収2000万円の手取り額はおおよそ1200万円程度です。月収としては、分かりやすく100万円といったところになります。一日に換算すれば、およそ日給3万円を稼げれば……ですね。さすがに年収2000万円ともなると、税金も相応に取られるようになります。このため、一般の方からすれば、「思ったより少ないかも?」と感じる金額かもしれませんね。なお、年収1000万円の手取り額はおよそ700万円ですから、世帯年収2000万円ならもう少し手取り額は増える計算です。毎月100万円のお金が入ってくるとしたら、あなたは何に使いますか?少なくとも年収2000万円に到達していない人にとっては、夢の膨らむ水準かもしれませんね。独身なら「お金の常識」が変わる頃一概には言えませんが、実は年収2000万円というのは「お金の常識が変わる水準」と言えます。特に独身なら尚更です。具体的に言えば、使うだけだったお金を自然と活用したり、増やしたりしようとする年収と言えます。年収そのものも、もっと増やそうとしがちです。その一方で、使う路線についても堅実な方もいるものの、ド派手な使い方をする方も現れ始める頃合いと言えます。ひとまず、年収そのものも含めて「一般的な普通ではない」方が多いのが実情です。年収2000万円の生活レベルは実は低い?さらに、年収2000万円の生活レベルについてお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、統計最上位の「年収1200万円以上の方」の貯金額は、以下の通りです。[adsense_middle]独身者3000万円以上……30%1500万円以上……10%1500万円未満……0%貯金ゼロ………… 50%中央値……………33万円既婚者3000万円以上……44.3%1500万円以上……20.6%1500万円未満……24.5%貯金ゼロ…………3.8%中央値……………2700万円やはり注目すべきは、独身者の「50%が貯金ゼロ」でしょう。適度に貯金している人など基本的におらず、相応に貯金しているか、まったく貯金していないか、両極端という結果です。有名人のお金の使い方を見ていると、何となくイメージできることかもしれませんね。一方の既婚者は、中央値として3000万円近い貯金をしています。年収の1.5~2倍を貯金しているわけです。いくら年収2000万円でも使ってばかりで3000万円は貯まりません。既婚者の場合は、相応に生活レベルを低く抑えていることも多いと言えるでしょう。仕事中心でお金を使うヒマがないとも……そもそも一般論としても、「年収が高い人ほど忙しい」というのは基本です。年収1000万円でも十分に忙しいはずですから、年収2000万円なら倍は忙しくても普通と言えます。それほど忙しいわけですから、生活は仕事中心でお金を使うヒマがなくても不思議はありませんね。一方で、仕事に集中するためにお金を使う方もいます。どちらにしても、一般的な常識は通じにくい水準かもしれません。もし相手にする機会があった時は、自分の常識は忘れて接しましょう。年収2000万円なら当然に税金対策が重要ここからは、年収2000万円の場合のポイントをお伝えします。まずは、やはり「税金対策」が重要です。日本の所得税は、累進課税という「年収が高くなるほど税率が高くなる制度」になっています。具体的には、以下の税率です。年収と課税所得金額は違いますが、相応に2000万円を超えていれば、税率が40%になってしまいます。しかし少し税金対策をすることができれば、税率を33%にできるかもしれません。税率が7%違えば、単純計算で2000万円なら140万円も違ってきます。年収が高くなるほど税率が高くなるわけですから、年収が高いほどに税金対策が欠かせません。無用な損を避けるためにも、これからはしっかり税金についての勉強にも励んでいきましょう。住宅ローン減税等だけでは効果が足りない?会社員でもできる一般的な税金対策と言えば、生命保険料控除や住宅ローン減税などが代表例です。しかし年収2000万円ともなれば、それらの対策だけでは効果が不十分と感じることも多いと言えます。だからこそ、それ以上の対策も調べて実行していくことが大切です。ちなみにワンランク上の税金対策と言えば、やはり「不動産投資」が代表例かもしれません。税理士や不動産業者などとも相談しながら、しっかりと対策を取って自分の資産を守っていきましょう。年収2000万円なら積極的に投資しよう年収2000万円なら「投資」も積極的にすべき大切なポイントです。少なくとも、投資をするための「投資金(貯金)」は十分に用意できるでしょうからね。最終的に6億5000万円ほどの資産を築き上げられれば、3%運用で何もしなくても年収2000万円となります。それに、実は投資は税金面でも有利です。先ほどの通り、年収2000万円なら40%、または33%が税率となります。しかし同じ2000万円の収入であっても、それが投資で得たお金なら税率は20%です。理不尽に思われる方もいるでしょうが、税金上は働くほうが損となります。一口に投資といっても、その方法は様々です。あなたの投資に関する知識や考え方次第で、色んな選択肢があります。投資未経験の方は、まずは少額から試してみる姿勢で挑んでみましょう。自然と貯金との違いを感じることが多い実際に投資をしてみると、自然と貯金との違い、むしろ「投資の優位性」を感じることが多いと言えます。何といっても、今や貯金は増えませんからね。それに、投資は利益金を投資に回すことで、雪だるま式に資産を増やすことも可能です。富裕層に上がるための必須手段とさえ言えます。もちろん投資なので損をすることもありますが、損は利益と相殺することも可能です。将来的に必要なお金を考え、まずはその金額を手に入れるための必要な分だけリスクを取っていきましょう。年収2000万円も「普通に使い切れる年収」ここからは、年収2000万円の場合の注意点をお伝えします。まずは「普通に使い切れる年収」という点です。厳密に言えば、文字通り「普通程度の使い方」をしていれば、年収2000万円なら自然と貯金できます。ここでいう普通とは、年収2000万円の場合の普通です。実際に生活レベルで触れた通り、約半数の人は貯金がありません。現実に使い切っているわけです。この場合、見方を変えれば「生活コストが年2000万円必要」と言えます。もし将来的に、今までは不要だったお金が必要になったら……?すでに余裕がないわけですから、年収2000万円でも支払えないかもしれませんね。人間の生活レベルというのは、当人の年収次第でいくらでも上がりますが、一度上がると簡単には下げられません。年収2000万円でも、将来的に必要な貯金だけは意識して貯めるようにしましょう。少し車やマンションを高級にすれば……?一般の方にはピンとこないかもしれませんが、想像以上に年収2000万円は簡単に使い切れます。分かりやすい例では車やマンションかもしれません。これらを少し高級にすれば、それだけで収入の大半が吹き飛びます。赤字にさえならなければ……という発想の元、いくらでも高級化は可能ですからね。日常の支出においても、年収2000万円だからこその発想でどこまでも高級品を選べます。選べますが、本当に選び続ければ年収2000万円でも破綻の元ですから、強めに注意しましょう。[adsense_middle]年収2000万円も「永遠ではない」年収2000万円も「永遠ではない」という可能性には、最大限の警戒が必要です。先ほどは「年収2000万円でも足りなくなる可能性」をお伝えしましたが、そもそもの年収2000万円も永遠である保障はありません。会社員なら、定年すれば確実に失われるでしょうね。それに経営者でも、いつ経営が狂うかわかりません。スポーツ選手や芸能人ならそもそも短命である可能性が高いです。一度失えば、そう簡単には年収2000万円には戻れないでしょう。年収が高ければ高いほど、それを失った時のダメージも大きくなるのが基本です。なお、年収が低くなる可能性への対策は、「最初から低くなるであろう年収に見合った生活レベルの維持」となります。それ以上については、あくまで「たまの贅沢」に止め、普段の生活では節約を意識しましょう。芸能人や富裕層の没落を反面教師に!大金を稼いでいたはずの芸能人、名の知れた地主・富裕層などが没落したような話を聞いたことはないでしょうか?どんなお金持ちでも収入を失う可能性はあり、にも関わらず生活レベルを落としきれずに破綻した例は、いくらでもあります。億を稼ぐ人でもありえる話ですから、万円程度の稼ぎなら尚更ではないでしょうか。年収は高まるほどにリスクも高まるとさえ言えます。十分に注意や警戒だけはして、豊かな生活を生涯維持していきましょう。年収2000万円の手取り・割合・生活レベルに関するまとめ筆者の感覚では、年収2000万円は「上流階級の最下層」という位置づけです。そもそも中流階級とは基本が違う一方、最下層ゆえの上昇志向や緊張感に溢れています。中流階級の感覚のまま年収2000万円になると「破綻の元」ですから、年収に見合った基本を持ち合わせていきましょう。
2019年09月27日今年の夏に、金融庁ワーキンググループ報告書から「老後資金2000万円不足」という衝撃的な内容が発表されました。しかし、あの資料を全て読んでみると、実は2000万円足りないとされるモデルケースはごく一部であり、実際のご家庭の状況により更に老後資金不足が発生する場合もあります。とはいえ、既に退職後で年金収入のみの世帯の方や間もなく定年を迎える年齢の方は、これから貯金を準備するにも限界があるのではないでしょうか。本記事では、少しでも老後を安心して生活するための理想的な資産や貯める方法についていくつか案内していきます。世帯別平均貯金額老後資金対策としてご自身で貯金を始める前に、一つの目安として「世の中の人はどれくらい貯金をしているのか」を知りたい方は多くいらっしゃいます。ここからは、独身(単身者)と夫婦世帯に分けて参考となるデータを紹介します。単身世帯と夫婦世帯のデータ引用先はそれぞれ別ではありますが、いずれもWeb上で簡単に閲覧することができます。ここでは要点のみをまとめて紹介しますが、詳細について興味を持たれた方は是非それぞれのホームページで詳細をご確認ください。独身(単身世帯)単身世帯の方の貯金に関するデータは、金融広報中央委員会ホームページ内「家計の金融行動に関する世論調査・単身世帯調査」を参考に、以下にポイントをまとめます。年齢が若いほど預貯金や資産を持っていない割合が高い(約半数近くの単身者が貯金ゼロ)。特に20代の半数以上は貯金がない状態である。貯金をしている人の金融商品構成をみると、45%程度が銀行預金(定期預金も含む)である。次点で、有価証券(債券・株式・投資新信託)で30%程度である。夫婦(二人以上の世帯)2人以上の世帯(夫婦・家族)の貯金額に関するデータは、総務省統計局のホームページ内・家計調査年報「世帯属性別に見た貯蓄・負債の状況」より、重要部分を抽出して以下にポイントをまとめます。年間収入の1.5~2倍の額を資産として保有している世帯が多い。貯金の内、預貯金(定期性・通貨性含む)が約6割である。次点で生命保険による貯金で約2割である。住宅ローンを保有しながらも貯金をしている世帯が多い。現役世代は負債も多いが貯蓄も多い現役世代(30~40代)は、いわゆる「働き盛り」と言われる世代で、職場で昇進することで大きく収入が伸びたり、同時にマイホーム購入もこの時期にされる方が多いです。家族世帯の場合で考えるとお子様の教育費もかかる時期ですが、この働き盛りの時期は住宅ローン返済と教育費を支払うだけの十分な収入があるということです。更に、この現役世代の方は貯金や資産運用にも興味が高い方が多く、少しでも増やしたいと考える方が多いようです。やりくり上手の方は、やはり家計簿をキッチリつけていらっしゃいます。何も工夫せずに、なんとなくお金が貯まっている方の方が少ないのではないでしょうか。従来のノートタイプの家計簿で管理する方法もありますが、最近ではご自身のパソコンでエクセル家計簿で管理する方も増えてきました。もっと手軽な方法として、スマートフォンの家計簿アプリを利用し、買い物した直後にレシートを撮影して記録に残す等、続けやすい工夫がされているものもあります。貯金への第一歩として、是非家計簿にチャレンジしてみませんか?年間貯蓄額の目標を決めるコツここまでで、世の中の平均値を知ることができました。ここからはご自身に置き換えて、より具体的に貯蓄するイメージを高めていきましょう。既に預貯金をお持ちの方は、ここから更に上乗せして効率よく資産を増やすためにはどうしたらよいかを考えていきましょう。[adsense_middle]500円玉貯金は有効?貯金を始める際に、例えば貯金箱に500円玉貯金をするのも一つの方法です。ここで一つポイントがあります。簡単に開かない貯金箱を使い「貯金箱が満タンになるまで絶対に開けない!」と決めて、500円玉貯金をするならとても効果があると思います。しかし、いつでも取り出せる状態の容器に500円玉を集めておくと、ついつい財布の中身が心もとない時に、貯めてある500円から拝借する方もいらっしゃいます。そのような状態で続けても、いつまでに、いくら貯まるか先が見えません。他にも貯金や資産運用を取り入れている方がゲーム感覚で行う分には結構ですが、預貯金が少ない方の500円玉貯金はあまり効果がないと言えます。貯金は目的とゴールを決めてはじめようこの「500円玉貯金」の例で何が問題かというと、「何のために貯めているか(目的)」や「いつまでに貯めたいか(期間)」がハッキリしないことでなかなか貯まらないと考えられます。また、一番大きな問題として「いつでも自由に使える状態で貯金をしていること」があります。これを基にして、失敗しない貯金をするためにはどうしたらよいか以下のことがポイントになります。目標をはっきり持つ貯金をしよう。(何のために)いつまでに貯めるかゴールを決めよう。(いつまでに)安全・確実な方法で貯めよう。(自由に取り出せない方が良い)この3つのポイントを軸にしておくと、現金の預貯金だけでなく、他の資産運用商品を選ぶ際の目安にもなります。効率的な資産運用の手法各世帯における平均の貯金額や内容、貯金する際に心がげるべき3つのポイントについて紹介してきました。ここからは具体的に老後対策としてどのような方法・対策をとればベストなのかをまとめていきます。「資産」と「資金」という言葉は、なんとなく同じようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。実はこの二つは大きな違いがあります。「資産」とは、預貯金、不動産、債券など全ての資産を指します。一方「資金」とは資産の内の「お金」のみを指します。つまり「資産運用」というと、現金だけでの運用ではなく、不動産や債券などのあらゆる金融商品を用いて運用して増やすことです。資産運用を始める年齢がポイント貯金は、もちろんスタートが早ければ早いほど多く貯まります。ただし20代~40代にかけては、人生の中でのイベントが集中している時期でもあり、お金を貯めたくても必要かつやむを得ない出費に追われることもあります。結婚し家族が増えると、ご自身の意思だけで自由に貯金をすることも適わない場合もあります。老後のためにコツコツ貯金は優れもの現在独身の方は、なるべく少額でもよいので「先取貯金」、しかも積立タイプのものを始めてみませんか?数千円でも構いません、結婚した後も継続できるくらいの額でコツコツ貯めてみましょう。以下は、その一例です。これは、金利などは一切加味していません。月2000円でもコツコツ継続すればこのような大きなお金になります。老後資金として、約91万円のまとまった資金があれば大変心強いものとなります。年代別・理想的な資産作りはコレ今現在お勤め中の方(現役世代)と、既に退職後で年金が主な収入源である方が、同じ手法で資産運用をしてはいけません。資産運用を行う上での大きな違いは「元本の保証性と安定性」です。現役世代は、万が一資産運用で損益がでてしまったとしても、それを取り戻すだけの収入と期間があります。一方年金世代の方が損益を出してしまった場合、収入は一定の額の年金のみであり、それでも足りない場合は、これまでの預貯金から補わなければいけません。しかし、年金世代の方の年金や預貯金は生活費としての重要な意味のあるお金ですから、資産運用での損益を埋めるために使っては本末転倒です。ここからは、年代別にどのようなことに留意しながら老後資産について検討したらよいのか具体的に解説していきます。[adsense_middle]現役世代の方へオススメ現役世代の方は定年まで十分に時間がありますので、少々リスクがあってもリターンの見込める商品であれば積極的に取り入れると良いでしょう。ただし、資産運用の基本である「分散投資」は忘れないでください。つまり、ひとつの金融商品だけで運用を図るのではなく、複数の金融商品に分けて運用することで万が一のリスクを分散することができます。また、FXなどの専門知識が必要かつリスクが高い金融商品に関しては、よほど余裕資金がある場合や普段から専門性の高い金融商品のやりとりに慣れている方以外は取り入れない方が賢明です。老後資金対策として以下の資産運用商品は優先的に取り入れましょう。NISA(不動産投資信託や海外債券も取り入れると良い)つみたてNISAiDeCo給与天引きで確実に貯めよう貯金が苦手な方、ついつい引き出してしまう方は「財形貯蓄制度・社内預金制度」を利用してみましょう。また、個人年金保険は貯蓄性の高い保険商品ですが、保険料として毎月(または毎年)自動的に引き落としされますので、ご自身でお金を分けなくても勝手に貯蓄ができます。是非積極的に利用してみてください。財形貯蓄は、会社員の現役世代の方のみが利用できる特権です。勤務先の規約に従って、ご自身で決めた一定の額を給与天引きという確実な方法で先取貯金する制度です。また、この制度の利点として「引き出す際に時間と手間がかかること」が挙げられます。銀行預金の様にATMでいつでもピッと現金を引き出せるものではなく、所定の用紙に引き出したい額などを記載し、担当部署へ届けを出してから承認を経て数日後に振り込まれますから非常に手間がかかります。自由に引き出せない特性を逆手にとって上手に貯金しましょう。退職間近の方・退職後の方へオススメ退職間近の方、及び、既に退職され年金が主な収入源となっている方は、今お持ちの預貯金や、新たに資産運用を始めるにあたって元本を守ることを第一に考え、その中で少しでも増やす工夫をしていきましょう。また、ご自身やご家族の万が一の際に、すぐに引き出して活用できる流動資金としても使える自在性の高い運用方法なら、より安心です。以下の資産運用商品は元本の保証性が高い商品で、退職前後の方にオススメです。国債円定期預金NISA(元本の保証性の高い商品やバランス型商品を選ぶと安心)バランス型商品の特性NISAにおけるバランス型商品とは、なにか一つの資産に対して投資をするのではなく、国内や海外の株式・債券・REIT(不動産投資)などを複数合わせて一つの商品にしているものです。バランス型商品のメリットとしては、金融の知識が全くなくても大丈夫ということです。なぜならバランス型商品では、すでに資産運用の基本である「分散投資」の原理が働いているからです。国内と海外という「地域の分散」もできており、債券や株式も全く同じように価格が推移するものではありませんから、バランス型商品の中でお互いのメリット・デメリットを補い合うことにより、極力損を出さない作りになっています。貯金500万円から考える、老後資産と貯金方法についてのまとめいかがでしたか。老後資金対策は、少ない額ずつでも良いので一日でも早くスタートするに越したことはありません。その際、スタートする年代で対策や手法を変えることでより効果が上がります。世の中にはいろいろな貯蓄性金融商品がありますが、ご自身の年齢やライフスタイルではどの商品を選ぶと効果的であるか等も検討しながら選んでみてください。もちろん無理は禁物です。収入と支出のバランスを見ながら、無駄を省き節約を心がけ、無理なくコツコツ実践していきましょう。
2019年09月17日「『老後資金を2,000万円貯めるなんてムリ!』と思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。40代以降から始めても遅くはありません」そう話すのは、『お金のウソ親の常識は、これからの非常識!』(ダイヤモンド社)など、投資に関する著書を多数出版し“積み立て王子”の異名をとるセゾン投信社長の中野晴啓さん。中野さんは、“年金2,000万円不足問題”で話題を集めた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の委員のひとりでもある。「人生100年時代ともなれば、年金だけで老後の資金がまかなえなくなることくらい、みなさんよくご存じです。とくに、年金受給額が少ない方は、2,000万円以上が必要になります」(中野さん・以下同)金融庁の報告書で試算されていたのは、厚生年金の加入者で、月に約19万円の年金が支給される無職の高齢夫婦がモデル。つまり、それより受給額が少なかったり、国民年金のみの加入者の場合は、より多く老後資金が必要になる。「しかし、いまからコツコツ貯金をしていても、0.01%という低金利では、一向にお金は増えません。そこで、私がおすすめするのが、『つみたてNISA』を利用した、長期の積立投資です」つみたてNISAとは、’18年からスタートした金融庁お墨付きの投資制度。さまざまな資産に大勢の投資家から少しずつ資金を集めて分散投資する、投資信託164本が投資対象になっている(7月22日現在)。そのなかから商品を選び、扱っている金融機関につみたてNISA口座を開き、定期的に資産を積み立てていく。口座は1カ所にしか開くことはできないが、複数の商品を購入することは可能。つみたてNISAの最大のメリットは、得た利益に対し、最長で20年間は、通常かかる約20%の税金が、非課税になるという点だ(非課税投資枠は年40万円が上限)。「通常は、10万円利益が出たら、2万円を税金として払わなければなりませんが、つみたてNISAなら支払わなくていい。フルに非課税投資枠を利用すれば、45歳から65歳までの20年で、約1,000万円増やすことも可能です」
2019年08月01日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■加給年金「加給年金」とは、厚生年金に20年以上加入した人が、65歳で年金を受給する際、年下の妻や18歳未満の子どもがいたら受け取れるもの。いわば、年金の「家族手当」です。妻の年収が850万円未満などの条件を満たすと、妻が65歳になって自分の年金を受け取るまで、夫の年金に加給年金がつきます。妻への加給年金は、年22万4,500円。特別加算と合わせると、年39万100円になり、月額では約3万2,500円受け取れます(夫が’43年4月2日以降生まれの場合)。ただし、夫がすべての年金を繰り下げてしまうと、加給年金は受け取れません。妻が5歳年下なら、年約39万円×5年=約195万円もの加給年金が一切受け取れない、残念な結果になってしまいます。【裏ワザ】年金を分ける厚生年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建て、2つの年金は分けて受給でき、加給年金は老齢厚生年金に付随する制度です。年金すべてを繰り下げると加給年金はもらえませんが、年金を分け、老齢厚生年金を65歳から受給すれば、加給年金ももらえます。そのうえで老齢基礎年金だけを繰り下げれば、年金額を増やすこともできます。
2019年07月26日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■65歳以前にもらえる年金60~64歳で受け取れる年金があります。「特別支給の老齢厚生年金」といい、対象は男性なら’61年4月1日までに生まれた方、女性は’66年4月1日までに生まれた方です(年金加入等の条件あり)。受給額は、現役時代の給料と加入月数によります。ただ、年金の繰り上げと混同しがち。働いていても受給できるので、手続き漏れのないように注意しましょう。ところが、60歳以降にたくさん稼ぐと、こうした年金の一部が「在職老齢年金制度」によってカットされることがあります。60~64歳までの年金カットは、年金と給料の合計が月28万円を超えるかどうかで決まります。合計額が28万円超~47万円以下の場合、(年金と給料の合計-28万円)×2分の1がカットされます。たとえば、60歳まで月給が40万円だったAさん。60歳以降は月給が30万円になりましたが、特別支給の厚生年金が10万円あるため、収入は減らないと喜んでいました。ですが、給料と年金の合計40万円は規定の28万円を超えるため、年金カットの対象です。減額分は、合計40万円から28万円を引いた12万円の2分の1で6万円。年金は10万円-6万円=4万円となり、給料30万円と合わせると、収入は34万円になりました。【裏ワザ】パート社員になる年金がカットになる在職老齢年金制度は、厚生年金に加入しながら年金を受け取る方が対象です。つまり、厚生年金に加入しなければ、年金はカットされません。とはいえ、60歳を超えても現役世代並みに働けば、厚生年金加入は義務です。加入をやめるには働く時間を、厚生年金の加入要件である正社員の4分の3未満に減らせばよいのです。Aさんの場合、勤務時間が4分の3未満のパートになれば、フルタイムでの給料30万円も4分の3未満の22万円になるでしょう。厚生年金は非加入になるので、年金はカットされず10万円。給料22万円と合わせると32万円です。先の年金カット後の34万円より収入は減りますが、働く時間も減って生活にゆとりが生まれるでしょう。また、Aさんは次の「高年齢雇用継続給付」も対象となり、収入はさらに増えるのです。■60歳以降は給料が大幅ダウン’13年度以降、希望する方は全員、65歳まで働けるようになりました。とはいえ、いったん定年退職し、嘱託社員として再雇用される方がほとんど。給料は60歳までの5~7割に下がるのが一般的です。【裏ワザ】高年齢雇用継続給付60歳以降の給料がそれまでの4分の3未満に減った場合、「高年齢雇用継続給付」が新給料の最大15%、雇用保険から支給されます。手続きは会社を通じて、ハローワークで行います。先のAさんは、60歳までの給料40万円の55%に当たる22万円に大幅ダウン。新給料22万円の15%、3万3,000円が高年齢雇用継続給付金として支給されます。つまりAさんの収入は、給料22万円と年金10万円に、この3万3,000円を合わせた35万3,000円です。「どんなに裏ワザを駆使しても、月に1万円ほどの違いじゃないか」と思うかもしれません。ですが月々のわずかな差が長い老後に積み重なり、死活問題になることも。だからこそ制度は徹底活用して、もらえるものは1円でも多くもらい、コツコツ貯めることが大切です。私の新刊『荻原博子の貯まる家計』(毎日新聞出版)には、年金以外にも家計改善のコツが満載ですから、参考にしてください。
2019年07月26日こんにちは、婚活FP山本です。最近では老後2000万円問題が大きくクローズアップされていますが、以前から「老後破産」が問題視されていたのをご存知でしょうか?老後2000万円問題で少しは身近な問題になりましたが、まだまだ多くの人は「自分には関係ない事」のようです。その考え方こそが、一番危険なのかもしれませんよ。そこで今回は、老後破産の現実や対策についてたっぷりお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。老後破産になる確率は6~8割?まずは老後破産の現実を、統計を通してお伝えします。総務省の2018年「家計調査」によると、65歳以上の世帯(二人以上)の貯金額は以下のとおりです。100万円未満:8.1%500万円未満:16.0%1000万円未満:15.7%2000万円未満:21.7%、↑合計61.5%4000万円未満:22.1%4000万円以上:16.3%今、言われている「老後2000万円」で考えても、およそ6割を超える人が対象になります。また私を含めた大半の専門家は「2000万円では足りない」と計算しており、実際に必要な額は低くても4000万円です。すると、どうやら8割を超える人が対象となりますね。8割ということは「10人中8人」です。どう少なく考えても、「きっと大丈夫」とは言えないのではないでしょうか。「誰もが老後破産になる可能性がある」と考えるのが自然かと。まずは、この実情をしっかり知っておきましょう。「現実感が沸かない人」こそ筆頭候補!そもそも、あなたは老後破産をご存知ですか?何となく知っていても、まさか自分が陥るとは考えてもいないでしょう。先ほどの貯金2000万円未満の人も、大半は同じです。そうして現実感が沸かないから何の対策も取らず、気づいたら老後破産に陥るのが基本になります。相応に対策を取っていても老後破産する人もいますから、無対策なら尚更で、さらに困窮具合もヒドくなるのが自然です。まずは少なくとも「私にも関係あることなんだ」と、自分事として考えていきましょう。定年後の生活は30年以上も続くもの?次に、老後破産になる理由についてお伝えします。そもそも老後破産とは「老後生活の途中で貯金が尽きる事」です。そして、年金などの範囲での生活になる事を指します。また、老後、つまり定年後は年齢的に満足に働けないことも多いため、基本的に貯金は「減る一方」です。年金の範囲で生活できれば良さげに思えますが、残念ながら多くの人にとって年金だけでは足りません。仮に生活は成り立っても、介護を筆頭とした「生活以外の支出」には貯金が必要です。そんな生活が、定年後に30年程度以上も続きます。40年という事もあり、ほぼ現役時代と変わらない期間です。ちなみに年金額は個人差がありますが、夫婦でも年300万円程度になります。月10万円取り崩すだけで年120万円、30年でも3600万円ですね。月20万円なら……。何となく、老後破産になってしまうのも納得できるのではないでしょうか。老後破産の原因は「発想・想像が貧困」だから?あなたは「80歳頃の自分」を想像できますか?残念ながら、ほとんどの人はできません。考えられるのは、せいぜい「定年頃まで」です。考えられないから考えず、「きっと大丈夫」という発想になり、老後破産してから「こんな風になるとは思ってなかった」となります。つまり、老後破産という現実的な貧困は、「当人の発想や想像の貧困」が最たる原因です。自分で考えられない場合は、代わりに考えてくれる専門家に相談したほうが無難かもしれませんね。年金生活や生活保護=地獄のような人生今度は、老後破産の実情についてお伝えします。これについては動画でも見たほうが早いかもしれません。ぜひ、どこかの動画サイトで見てみて下さい。年金生活や生活保護での生活実態がどのようなものなのか……ほとんどの人は「悲惨・地獄」という感想を持つでしょう。食費は一日300円以下、夏でもエアコンが使えず、お金がないから友人とも会えなくなる……。何より、状況が改善される希望がほぼなく、人生が終わるまで苦しみ続けるだけという絶望の日々になります。しかも、年金も生活保護も「減額の一途」というのが現実です。少なくとも、誰もが「こうはなりたくない」と思うでしょうね。最初に触れた通り、「このままなら6~8割の人が」こうなります。おそらく、あなたも十分に対象に入っているのではないでしょうか。貧困の実例を知り、破綻を避けたい心理を持とう!中には、あまりの悲惨さに逆に現実感が持てない人もいます。お気持ちは察するところですが、老後破産は「確かな現実」です。老後破産が分かりにくいなら、ホームレスや非正規労働者など、まだ身近と思える「貧困の実例」を思い浮かべるのもアリでしょうか。知れば知るほど、現実感も持てて老後破産という生活破綻を避けたいと思えるハズです。まずは「明日は我が身」と思えるまで知り抜いて、その上で避けるための対策を考えて動いていきましょう。[adsense_middle]老後破産の基本対策は、やっぱり貯金?ここからは、老後破産への対策やポイントをお伝えします。まず老後対策としては、やはり貯金が基本です。「いくらあれば足りるか」は個人差がありますが、ともかく十分な貯金さえあれば老後破産は「縁遠い存在」といえます。どんなに貯金があっても「無縁」にはなりませんが……。年齢などによっては十分な貯金ができないこともありますが、その時には「定年後の就労対策」がおすすめです。具体的には「健康・経験(実力)・情報収集」でしょうか。死ぬまではムリでも、働けた分だけ必要な貯金額は減ります。気持ちだけでは働けないことも多いので、現実的な対策を取っていきましょう。少し角度を変えて「熟年離婚対策」も大切です。「離婚したら共倒れ」という理屈があるとしても、感情が上回ることも多々あります。結婚しているなら、改めて夫婦仲の改善を図っていきましょう。サラリーマンこそ貯金より投資での対策がおすすめ老後2000万円問題に関係して、方々で「投資での老後対策」が勧められています。そして投資は、実はサラリーマンの方にこそおすすめです。相応に収入が安定していますし、ものによっては節税にもなりますからね。副業が禁止されていても、投資ならできることも多いので尚更です。もっとも、投資はリスクもありますし、勉強が必須となります。また投資は「長期投資」が基本なので、高齢になるほど老後対策には不向きです。しかしそれでも、興味がある人は勉強から始めてみるのもアリかもしれません。老後対策で忘れがちな「親や子供の存在」次は、老後対策で忘れられやすい盲点をお伝えします。結論から言えば、それは「親や子供の存在」です。親の介護に貯金を出した、離職した。子供の教育費が想像以上だった、引きこもりや出戻りで生活費が増した……。それぞれ単体でも十分な社会問題ですが、あなたの老後破産にも繋がる問題です。また、これらの問題は「少し予測しにくい」ことも特徴といえます。親の資産状況など知らない事も多いですし、子供の引きこもりなどを予測できることも稀ですからね。だからこそ当人の老後対策として後回しにしがちな要素ですが、だからといって無視しても良い要素でもありません。当人達にも「自発的な努力」を早期から促す一方で、頼られる可能性も視野に入れておいたほうが無難です。お金の準備は元より「いつまで、いくらまでなら支援可能か」を事前にしっかり見極めておきましょう。貧困や破産の「連鎖」こそ最恐ポイント!親が貧困や破産に陥ると、子供が勉強不足や経済的負担を強いられるため、結果的に「貧困の連鎖」が発生する傾向にあります。その連鎖は、時に殺人などの「更なる悲劇」に繋がりがちです。しかも最近の連鎖は、子供側が出発点というケースも増えつつあります。ただ一方で、親や子供に助けてもらえる事もあるのも「紛れもない現実」です。あなたがどちらの立場になるか分かりませんが、ひとまず「助ける側」になった時には助けられるよう、備えは常に余裕を持ってしていきましょう。全ての将来・老後対策は「時間」が肝最後に、老後対策における肝となるポイントをお伝えします。結論から言えば、老後対策は「時間」こそが肝です。つまり老後に限りませんが、全ての将来・老後対策は「今日から、少しでも早くから備え始めること」が極めて大切となります。たとえ直接的な準備に至らなくても、です。例えば、2000万円もの大金は準備に何十年もかかります。時間があるほど達成は容易ですが、時間がないほど達成も難しく、負荷も大きくなるでしょう。就労対策でも同じです。中には低年収や長時間労働で、「どうしろって言うんだ」と言いたい人もいるでしょう。冷たいようですが、愚痴っていても対策は何も進みません。ヤケの心境・消極的な姿勢からは何もプラスは生まれません。「どうしたらいいか」を真剣に考え、少しずつでも準備を進めましょう。全てのモデルは無意味!自分だけでも助かろう!学生の多くは「周囲が勉強しているか否か」を気にしますね。そして平均点前後なら安心しますが、今のあなたはこれをどう思いますか?老後は6~8割が破産しますから、周囲に合わせていてはダメといえます。勉強している学生のように黙る必要はありませんが、周囲とは違う周囲以上のことをしてこそ老後対策です。もっとも……何もしていない人を上回るのは簡単ではないでしょうか。できるところから、少しずつでいい訳です。時間を味方につけて、ぜひ今日から老後へ備え始めましょう。老後破産は不可避!無視より「備える安心」を!残念ながら老後破産は無視できず、強引に現実逃避しても老後になれば必ず迫ってきます。そして基本的に誰も助けてくれない以上、備えが大切ではないでしょうか。無視して一時的に安心するよりも、向き合って「本物の安心」を備えて、老後すらも楽しく人生を謳歌していきましょう。
2019年07月11日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」以上が必ずやっておくべきこと。そのうえで、自らの所得や職種に応じて、老後資金を増やす4つの方法を考えよう(※1:加入年の上限や受取時期は国民年金の加入状況等により異なる場合がある。※2:課税所得400万円で上限額まで加入した場合の所得控除による節税効果の例)。【1】国民年金基金掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)現在は予定利率1.5%で運用されている。ライフプランに応じて、受給の種類を選ぶことができて、終身受給のものもある。保険料は所得控除の対象になり、所得税や住民税を節税できる。「国民年金に“上乗せ”して加入することで、65歳以降に受け取れる年金額を増やすことができるのが『国民年金基金』です。厚生年金のない個人事業主のための“2階建て”システムです」自営業のCさん(50)は、1口目の終身年金A型をはじめ計8口を選択し、掛金は約6万7,000円。Cさん自身がこう語る――。「増える年金の額は年齢によって年6万~54万円の間で変動しますが、95歳まで生きた場合、合計1,200万円になる計算です。国民年金だけだと6万5,000円しかもらえないので、60歳までの10年間、上限6万8,000円に近い月額を頑張って掛けることにしました。だいぶ安心できます」【2】iDeCo掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)/運用益非課税金融商品を選んで、自分で運用する。国民年金基金よりも高い利率で運用できる可能性がある一方、元本割れのリスクも。受け取りは分割と一括が選べて、一括の場合、サラリーマンの退職金と同様に、税金が大きく優遇される「退職所得控除」の対象になる。「個人型確定拠出年金。税制面でも優遇された制度です。国民年金基金と併用できますが、月の掛金は2つ合わせて6万8,000円が上限です。元本が保証される『定期預金』『保険』商品か、元本割れのリスクがある『投資信託』から選択できます。非課税メリットは大きいですが、積立期間の満期の60歳まで途中解約できず、引き出せないことがデメリットです」(中村さん)【3】つみたてNISA掛金の上限額(自営業者、年間):40万円加入年の上限(※1):20年(非課税になる期間)受け取れる時期(※1):いつでも節税効果の例:運用益非課税一定の条件を満たした投資信託などを積み立て方式で購入していく。年間40万円、最長20年間で800万円まで投資可能。いつでも売却できて、売却益は非課税。「つみたて型の少額投資非課税制度で、iDeCoとの最大の違いは、途中でいつでも売却して引き出せるという点。事業に必要な資金が急に必要になることが多い人などは、こちらのほうが向いているかもしれません」(中村さん)【4】付加年金掛金の上限額(自営業者、年間):4,800円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):65歳以上節税効果の例:年約1,500円(※2)国民年金保険料に月々400円を足して納めると、将来の年金額が月々200円増える。仮に50歳から10年間払い続けると、年金額は2万4,000円増える。国民年金基金に加入していると、付加年金を払うことはできない。老後のために資金を回す余裕がないという人におすすめがこちら。「付加年金は年金保険料に月400円を加えて払うだけで、納付した月数×200円が終身で増えます。利幅はいちばん大きいですが、国民年金基金と併用することができないのがデメリットです」(中村さん)さまざまな手段がわかったところで、中村さんはこうアドバイス。「それぞれに一長一短がありますので、『国民年金基金とiDeCo』とか、『国民年金基金とつみたてNISA』など、複数のものに分けて、少しずつ運用するという方法を取る人も多い。経験を積みながら、規模をだんだんと大きくしていくのがいいでしょう」
2019年07月05日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」国民年金(満額、夫婦2人):12万9,882円-実支出:26万3,718円(総務省「家計調査」2017年より)=-13万3,836円(不足額)。30年で不足額は4,818万円になる。だが、必ずしも悲観することばかりではないと加谷さんは言う。「会社員と違って、個人事業主に定年はありません。会社員が定年後、働こうと思ったら、今までと別の仕事をしなければいけませんが、個人事業主であれば、慣れた仕事を続けることができる。“人生100年時代”は働き続けることが最大の防衛術になります。とはいえ、一生涯働くことも困難です。いずれ、働けなくなったときに備えて、老後の準備を怠ってはなりません」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」■必ずやっておきたい老後の準備(※令和元年度の金額を基に概算)【家計の見直し】支出が減れば、必要な老後資金も減る。月1万円の節約ができれば、65~95歳の30年で360万円の節約に。【国民年金を満期(40年)に近づける】国民年金の満期は40年。現在の保険料は年間19万6,920円で、納付年数が1年増えるごとに年金受給額は約2万円増加する。未納になっている保険料を過去2年1カ月ぶんを遡って払う「追納」や、60~65歳になるまでの間に総加入年が40年に達するまで納付できる「任意加入」など加入期間を延ばすことができる。老後資金を増やすため、この2つは必ずやっておこう。
2019年07月05日「老後に2,000万円不足」問題が連日取りざたされ、金融庁には「最大3,000万円必要」という試算まであったと物議をかもしている。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「あらゆる角度から家計を点検し消費支出を減らせば、年金+2,000万円も要らないでしょう」と語る。荻原さんが解説してくれた――。■光熱水費の見直しでも4つの工夫があるたとえば、光熱水費の見直しを考えてみましょう。【1】新電力への切り替え’16年に電力が、’17年にガスが自由化されました。ですが契約を変えた世帯は電力が2割超で(’18年9月)、ガスで1割足らずです(’19年5月・いずれも経済産業省)。新電力への切り替えや電気・ガスのセット割などで5~10%は節約できます。切り替えは、電気をたくさん使う夏前がおススメ。【2】契約アンペアの変更契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のこと。家族が減れば、同時に使う電気量も減りますから、契約アンペアを下げても困らないでしょう。東京電力の場合、60Aの基本料金は約1,700円ですが、30Aだと約840円と半額です。【3】家電を上手に使う冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にすると年約1,670円の節約。また、野菜をゆでるときは、ガスより電子レンジのほうが時短で安上がりです。エアコンはフィルターを月1~2回掃除すれば、年約860円節約できます(’17年・資源エネルギー庁)。【4】エコ家電に買い換え家電を買い換えると、電気代の節約になります。特に冷蔵庫は10年前のものと比べると、年約8,000~9,800円節約できます(’18年・東京都)。とはいえ「冷蔵庫は高いから買えない」という方が多いのですが、小さめサイズを選ぶと、値段も抑えられ、食品の買いすぎ防止にもなって一石二鳥です。こうした節約と合わせて、保険の見直しやマイカーを手放すなど固定費カットも重要です。私は工夫次第で、年金だけでも暮らせると思います。
2019年06月28日「老後に2,000万円不足」問題が連日取りざたされ、金融庁には「最大3,000万円必要」という試算まであったと物議をかもしている。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「私は工夫次第で、年金だけでも暮らせると思います」と語る。荻原さんが解説してくれた――。■高齢夫婦と30代世帯の支出はよく似ている。家計はまだまだ工夫の余地あり2,000万円の根拠となった’17年の家計調査には、おもしろいデータがあります。世帯主年代別の家計収支を見ると、30代世帯(2人以上の勤労世帯)と、問題の65歳以上の夫と60歳以上の妻の高齢夫婦がよく似ているのです。まず、月々の生活費に当たる「消費支出」の中身を見ると、「食費」は30代世帯が約6.5万円で、高齢夫婦が約6.4万円。「光熱水費」は30代世帯が約1.8万円で、高齢夫婦は約1.9万円と、ほぼ同じです。次に、消費支出全体を見ても、30代世帯が約26万円で高齢夫婦が約23.5万円。約2.5万円違うものの、30代世帯には高齢夫婦にはない「教育費」が約1.3万円あります。これを除くと30代世帯が24.7万円で、高齢夫婦は23.5万円。その差は1.2万円ありますが、実は、世帯人数が大きく違います。30代世帯は平均3.71人家族で、高齢夫婦は2人。つまり30代世帯は2倍近い家族の生活を、ほぼ同じ支出でやりくりしているのです。とすると、高齢夫婦の家計はまだまだ工夫の余地があり、生活費は抑えられると思いませんか。あらゆる角度から家計を点検し消費支出を減らせば、年金+2,000万円も要らないでしょう。
2019年06月28日世間をにぎわせている金融庁の“2,000万円報告書”。多くの人が、その内容の厳しさに愕然となったが、じつはこれよりも“ヤバい”文書が隠されているのだ――。「新しい『財政検証』をなぜ速やかに出さないのか。出てこない限りは、年金制度の安心が保たれているかどうか、判断できません」金融庁の報告書に端を発した“老後資金2,000万円問題”。6月19日に行われた党首討論では、野党党首が年金問題について、安倍晋三首相を厳しく追及した。冒頭の言葉は、国民民主党の玉木雄一郎代表が、安倍首相に投げかけたものだ。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんが、解説する。「『財政検証』とは、厚生労働省が作成する年金財政の“健康診断”のようなものです。年金制度が持続できるように、5年に1度、検証し、発表することが法律で定められています。財政検証の結果に従い、将来の年金の支給計画が立てられたり、法改正が行われたりする。まさに、年金制度にとって、もっとも重要な文書なのです」話題の“2,000万円報告書”は金融庁の作成。年金だけでは不足する老後資金をどう補うべきか、金融を所有する省庁の立場から“ご提案”したものにすぎない。一方、財政検証は、年金を所管する厚生労働省が作成する調査報告書と計画書を兼ねたようなもの。まさに、年金制度の今後を占う要といってもいい。ところが、その公表が遅れているという。過去2回の財政検証は、内容を議論する専門委員会の最終会合から3カ月ほどで公表された。今年は3月7日に最終会合が行われたので、6月中旬までには公表されると見込まれていた。だが、いまだ公表の予定はない。財政検証を担当する厚労省年金局数理課は、「検証中で、まだ発表時期ではないとしか申し上げられない」と繰り返すのみで、作業の進捗状況すら答えなかった。政治ジャーナリストの角谷浩一さんは、こう分析する。「永田町では『老後2,000万円問題で紛糾するなか、よほど悪い検証結果なので、夏の参院選が終わるまで出さないのではないか』といわれています。厚労省が安倍内閣に“忖度”している、あるいは官邸から公表しないように指示された、そんなふうに見られているのです」今年3月に公表された「2019年財政検証の基本的枠組み」では、厚生年金の適用拡大や、受給開始年齢の選択化も「財政検証」に盛り込むことが予告されている。「政府は、将来的に受給開始年齢を引き上げていく方針です。過去の改正を鑑みると、現在50歳以下の女性は、受給開始が68歳に引き上げられることが予想されます。いずれは65歳定年が法制化され、受給開始は70歳にされるでしょう」(北村さん)われわれの将来を占ううえで、欠かせない「年金財政検証」。角谷さんは語気を強めた。「参院選の前であろうと、後であろうと、財政や数字は変わりません。大事なのは、早急に公表し、この年金不安に対して、どのような対策で取り組んでいくかを議論して、選挙で信を問うことです」経済評論家の加谷珪一さんはこんな懸念をする。「“2,000万円報告書”が批判を浴びたのを受けて、財政検証の内容が書き換えられてしまうのではないか。これまでの例を踏襲しなかったり、悲観的な試算を隠したりと、不正確な財政検証が出たら、将来的に被害を受けるのは、われわれ国民なのです」目の前の選挙や政局のために、われわれの未来がないがしろにされてはならない。
2019年06月27日