「親が『しない』ことで、子どもは『できる』ようになる」と話すのは、テレビ『情熱大陸』でも紹介されたことがある
「花まる学習会」代表の高濱正伸さん。ママが、「しない」なんて許されるの!? 育児まっただ中のママたちも、「育児の『不要なもの』を捨てること」について、ちょっと立ち止まって一緒に考えてみませんか?
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■「してあげられない」ことを責める必要はなし
「そもそも、ママたちは、『子どもにいろいろとしてあげたい。でも、それをしてあげられない私はダメ』。そんな風に感じる生きものなんです。でも、パーフェクトなママでいられないからって、自分を責める必要はまったくないんですよ」と、高濱さんはいう。
そうアドバイスされたからといって「なるほど!」と、すんなりとは思えないのもママ心。
「むしろ、なんでもかんでも親が整えてあげることで、子どもの成長を妨げてしまうことだってあります。
ですから、今回は、
あえて『しない』という選択をすることで、伸ばせる力について考えてみましょう」(高濱さん)
■「しない」という選択
「しない」ということで伸ばせる力なんて、本当にあるのだろうか。!?
「子育ての中で、『しない』を選択することによってママの時間的負担や、『してあげられていない…』と自分を責めていた気持ちの負担を取り除くことができますよ」(高濱さん)
大切なのは、ママの気持ちが軽くなり、笑顔が増えること。そのニコニコオーラは、必ず子どもにも伝わる。「笑顔がすてきな子どもは、魅力的に育ち、将来自分の力でメシが食えるようになるでしょう」(高濱さん)
つまり、「将来、
自分の力でメシが食えるようになる子ども」を育てるためには、ママの気持ちが軽くなることが、とても大切なことなのだ。
■「しない子育て」と「してはいけない子育て」
ここでとても難しいのは、
「しない子育て」と「してはいけない子育て」の線引き。
たとえば、「しない」の一例として、「集中して遊んでいる子どもの手を止めない」と、高濱さんがアドバイスをしたとする。すると、ママからこんな質問が出る。「生活リズムを整えるためには、集中して遊んでいる子の手を止めないといけません。
早く寝かせるのと、遊ぶ手を止めないこと。どちらを優先すべきでしょうか?」と。
子育ては、矛盾だらけだ。そこで真面目なママたちは、悩む。悩むことで苦しくなり、心に余裕がなくなって、子どもへの声かけもキツイものになってしまう。
「大切なのは、
『ここだけは譲れない』という基準を決めることです。そうすることで、何事も柔軟にとらえることができるようになり、心も少しは楽になるのではないでしょうか?」(高濱先生)。
これからの連載では、『ここだけは譲れない』基準というものをどう考えていけばいいのか、そして「しない」子育てとはどのようなことなのかを紹介していきたい。
■今回取材を受けてくださった高濱正伸さんの著書
『
「しない」子育て」(花まる学習会代表 高濱正伸/KKベストセラーズ)』
(本体1,250円+税)
●高濱正伸
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック委員会理事。
保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30,000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。「情熱大陸」「カンブリア宮殿」など多数メディア出演もしている。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳なぞぺー』など、著書多数。2016年7月からニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカーとして活躍中。
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