2016年10月13日 14:00
「この子は私と違う人間なんだ」発達障害の次男に悩んでいた私が、栗原類さんの手記から学んだこと
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このことに気づいたとき、障害のある子たちの保護者が集まる座談会で、司会者さんから言われたある一言を思い出しました。
「お子さんの良いところを話してください」
保護者の集まりは、ついつい子どもの問題行動やその対処法ばかりが中心になりがちです。
だけどその日は、司会者の方の投げかけにつられて、一人、また一人と参加者が子どものいいところを話し始めたのです。
「うちの子はとても優しくて、自分が疲れていると気にかけてくれるんです」
「お友達がお休みしたときに心配して、お手紙を書いていたことがあったわ」
「そういえば、いつも家の手伝いをよくしてくれます」
お子さんの良いところを話す皆さんに続いて私も、次男のことを話しました。
思いついたのは前述したような、自分が苦手だったけど次男がラクラクとこなすことばかりで。
順番に我が子の良いところを話していき、最後に司会者さんがおっしゃいました。
「その顔を、お子さんに見せてあげて」
ハッとしました。自分の顔の筋肉が緩んでいるのを感じたからです。
見回すと周りのお母さんたちの顔も本当に柔らかい、自然な笑顔でした。
凸凹な親子が一緒に生きるためにも、親自身が自分を見つめること
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栗原さんの手記の中で母の泉さんが繰り返し書かれていたのが、いかに親である自分自身が良い状態を保つかということ。
発達障害児の育児は健常児の何倍も負担が大きい。泉さんご自身も、ご実家や担当医をはじめとした周囲の方の協力を得ながら自分自身のメンテナンスをこころがけ、類さんに対して良い状態で接することができるような自己管理をされている様子が紹介されていました。
"子育てはロングラン。短距離走のように瞬間的に力を発揮しても、あとが続きません。"(本文より)
力を入れ過ぎず抜き過ぎず、自分たちのペースで。私と次男それぞれのペースで。
子どもが自分にちょうどいいタイミングで親から巣立って行くその日までを、一緒に走り抜くためにはどうしたらいいのか。
栗原さん親子のこれまでが綴られたこの手記には、そのためのヒントが詰まっていたように思います。