2017年7月31日 18:20
共感覚とは?種類や判断法、原因は?トレーニングで共感覚になれるのかどうかも解説します。
自閉症スペクトラムと共感覚がどちらも「脳の領域同士の過剰な結びつき」から生じているとすれば、「自閉症スペクトラムと共感覚を同時に引き起こす遺伝子」や、「脳がどのように結びつきを形成するのか決めている遺伝子」を探すという方向性が提示されたことになるからです。
このように、自閉症スペクトラムと共感覚はそれぞれ遺伝的な側面があると考えられ、現在どの遺伝子が原因なのか研究されています。しかし、未だ遺伝子の特定には至っていません。
https://molecularautism.biomedcentral.com/articles/10.1186/2040-2392-4-40
【参考】Simon Baron Cohen ”Is synesthesia more common in autism?” | Molecular Autism
共感覚は後天的に獲得できるのか
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044012000
共感覚は、親子で互いに共感覚が見られるなど遺伝との関わりがあると考えられています。その一方で、目や髪の色とは異なり先天的な遺伝要因だけですべてが決まるわけではなく、教育や幼少期の環境などの後天的要因とも関わりがあると考えられます。
それでは、いま共感覚でない人が、共感覚を体験したり、共感覚を獲得したりすることはできるのでしょうか。
2014年にトレーニングで共感覚を獲得できるかもしれないことを研究した論文が発表されました。
本論文では、共感覚の体験をしたことがない学生を対象にして訓練を行ったら共感覚になるかどうかを調べています。
結果、訓練を行った学生の多くは、共感覚かどうかを調べるテストにおいてハイスコアであるとともに、日常生活の中で共感覚的な経験をしました。
このことから、論文では共感覚は後天的に身につけられる可能性を示唆しています。これは「共感覚は後天的に身につけられる」と断言できるということではありません。ですが、今後のさらなる研究によって共感覚になるメカニズムや後天的に共感覚を身につけられるのかどうかが解明されるかもしれません。
トレーニング以外に、日本で禁止されているLSDと呼ばれる麻薬を服用することで共感覚が疑似体験できたという報告がされています。