2023年4月1日 06:15
「こだわり」はないほうが生きやすい?登園ルート、弁当のおかず…発達障害息子の「ルーティーン回避」と「安心感」のバランス、試行錯誤の歴史
『些細だけれど生活の中で困るこだわり』を避けるために気をつけていたことの一つに、『同じ道を通らない』というものがありました。
同じ道を通っていると、それがルーティーンとして定着することがあります。例えば、いつも保育園への最短ルートを通っていたのですが、工事やコウが苦手なクモの巣を避けるためなどルートを変更しようとすると、コウは「保育園に行くのはこっちだよ」と言い中々動きませんでした。
工事中の道に対しては看板を読み上げてコウに伝えたところ、ルートの変更を受け入れてくれました。『看板の指示に従うルール』がルーティンより優先されたのかもしれません。
また、ルーティーンの変更を余儀なくさせるほど強かったクモの巣への恐怖心に対しては、コウが自ら『図鑑で知識を得る』という方法で解決してくれました。
Upload By 丸山さとこ
ある日、クモの巣をじーっと見つめていたコウは、「クモの巣はたて糸とよこ糸で性質が違う。よこ糸はくっつくけどたて糸はくっつかない。
クモはたて糸の上だけを歩くので、自分の巣にくっつくことなく動くことができる」と言ってクモの巣の横を通過しました。
看板や図鑑などの文字や絵図による知識は、コウにとって信頼できるものなのだな…と感じた出来事でした。
こだわりで生活上困らないために心がけていたこと
そうして「いつものルートへのこだわりが出ると困ることもあるのだな」と気づいてからは、ときどき別の道を通って登園するようにしました。いろいろなルートを通ることにより、コウが「ほかの道でも大丈夫」と知ってくれたらいいなと思ったからです。
また、コウにとって心地よいことや安心できることを探しつつ、その種類を増やすべく新しい物や行動を取り入れたり提案したりするようにしていました。こだわりの対象以外に『心地よいことや安心できること』が増えると、コウも楽なのではないか?と考えたからです。そうして選択肢や変化を取り入れようとしていた私でしたが、同時に『選択肢を絞ることや変化が少ないこと』はコウにとって安心につながるのだということは覚えておくようにしていました。
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それを特に強く意識させられた出来事がありました。
コウが小学4年生のころ塾の説明会に親子で参加したときのことです。
講師の方から「勉強をすると選択肢がたくさんになるね。