子育て情報『サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み<前編>』

2020年9月8日 11:51

サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み<前編>

スポーツの現場での暴言、暴力、ハラスメントは世界中で大きな問題とされています。

7月20日、調査機関ヒューマン・ライツ・ウオッチが、来年開催される予定のオリンピック、パラリンピックに向け「日本のスポーツにおける子どもの虐待」というレポートを発表しました。

これは子どものころにスポーツをしていた50人以上へのインタビュー、400人以上へのオンラインアンケート、スポーツ団体へのデータ提供などで調査を行ったもので、日本の子どもたちがいまだにスポーツの場で暴力・暴言などの被害を受けていることがわかりました。

また、この問題に対する対処と予防の遅れの原因となっている制度上の不十分な点も明らかに。サカイクではこの調査結果を受け、サッカー界での現状・対策方法などについて、日本サッカー協会(以下JFA)リスペクト・フェアプレー委員会、委員長の山岸佐知子さんにお話しを聞きました。

2008年度にリスペクト宣言をし、暴力根絶に向けてとりくんできたJFAの現状とは。
(取材・文:前田陽子)

目次

・サッカー界は他競技に先駆けて2013年に相談窓口を設置
・選手の安全や安全を確保する『ウェルフェアオフィサー』
・親は子どもの話をよく聞いて、解決ができなければ相談窓口へ
・サッカーをプレーしているところに笑顔があふれるように
・子どもたちは大人の背中を見ています


サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み<前編>

親は「我慢が足りない」などと言ってはいけません

■サッカー界は他競技に先駆けて2013年に相談窓口を設置

ヒューマン・ライツ・ウオッチのリサーチを受けて、山岸さんは「正直そうだと思います」と話します。ただ、日本も少しずつ改善されているとも。


JFAでは、暴力行為の早期発見と是正および再発防止をするために2013年に暴力等根絶相談窓口を設置しています。2018年に寄せられた相談総数は120件、2019年は243件と増えています。増えた要因はさまざまなスポーツでの暴力暴言が報道されたことも一因。世間が関心をよせ、暴力や暴言に敏感になったことで相談数も増えているようです。

「件数が増えることは決して悪いことではありません。悩みを抱えている人が、内にこもることなく相談というアクションを起こすことができているのは、いいことだと思います。」

相談内容は暴力、暴言、そのほかのハラスメントと大きく分けていて、2019年は暴力が43件、暴言が127件と暴言の相談が増えています。

「手を上げることはいけない、よろしくないという認識が大分浸透してきていますが、それまでは暴力をしていた指導が暴言にシフトしている可能性もあるのではないかと考えています。受ける側からすると暴力も暴言も同じこと。
特に年齢が低いお子さんにはダメージが大きいです。

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