サッカー未経験でコーチ就任、練習時間も少ない中でしっかりM-T-Mを実施するにはどうすればいい?
例えば「ボールを呼んでいない(コーチングできていない)から、つながってないな」「パスミス、コントロールミスが多いな」などでしょうか。動きながら蹴っていることと、止まったボールを蹴るのとでは違うので、そのあたりを解決できるトレーニングをすればいいのです。練習メニューはネットでも、私が書いた本でも、情報はたくさんあります。
つまり「試合をどうみるか?」を考えていくと、指導をレベルアップさせられるでしょう。自分たちの課題が見つけやすくなります。
加えて、一度のトレーニングでうまくなるわけではないということを理解しておきましょう。ブラジルでは「ひとつのことをおぼえるのは3か月くらいかかる」と言われています。しかも、個人差があります。
大人のほうが慌てずにやっていけば、必ず変化は訪れます。
また、設営や片付けに時間のかかるゴールやラインは、必ずしもなくていいと思います。マーカーやコーンだけでどんどんトレーニングできます。試合もすぐにできます。ある道具を工夫してどう使うか。そんなことも考えてください。
■サッカー未経験なことを気にする必要はない
サッカー経験がないことを多少引け目に思っておられるようですが、まったく気にすることはありません。少年サッカー、高校サッカーなどで未経験者が優勝させたり、いいチームを作っています。
未経験でも、経験があっても、指導者として成長するためには、ぜひ「いい試合」を観てください。バルセロナやマンチェスターユナイテッドなど、いいサッカーをしていると言われているチームの試合をいくつか観続けましょう。
そのイメージで、子どもたちのサッカーを見てください。展開や走るスピード、パススピードなどは比べようはありません。見るところは、違うところです。
選手たちはどんなところに動いているのか。
ボールはどうつながったのか。ボールがないときに、選手は何をしているか。
そんな目で海外の試合をみていくと「そういえば、子どもたちって、空いている場所があるのに。固まっているなあ。どうして広がらないの?」などと気づきます。
「空いているのだから、呼んだら?」そうアドバイスができるし、それができるようになるための練習ができます。前述したように、練習メニューはたくさん本が出ています。広がるためにはどうしたらいいかという練習もたくさんあります。
海外の試合をたくさん観ていくと、そこを子どもたちに求めることができます。