今回は住民税の金額を安くする為の控除について解説していきます。一般的に節税という言葉は法人が関係しますが、個人でも節税は可能です。ケースによりますが、所得税よりも住民税が高くなる事もありますので、可能であれば対策しておきたい所ですね。では条件や控除の内訳など詳しく解説していきましょう。住民税額算出の仕組みは?はじめに住民税の金額がどの様にして決まっていくのかを解説していきます。この流れの中で今回のテーマが該当してきますので、流れそのものを憶えておいて下さい。前年度の所得から計算される住民税は前年度の所得に応じて計算される「所得割部分」と、所得関係なく一律で課税される「均等割部分」の2つに分けられます。この2つを合わせて住民税と言いますが、今回の控除が関係してくる部分は「所得割部分」です。この所得割部分は課税所得を算出して初めて課税される事になりますので、一番初めに行う事は様々な控除を行う所からスタートします。流れを図解したものが下図になります。流れを箇条書きにするとこんな感じです。給与(売上)の総支給額が確定する所得控除を行い課税所得が判明する所得割部分の税率をかける税額控除があれば差し引く最終的な住民税額が決定する。翌年の6月より支払いが始める重要な項目は②と④今回の控除をテーマにした場合、重要な項目は先程の箇条書き項目の②と④になります。何故なら控除に関しては使える控除項目や使えない(適用されない)項目もありますので、この部分で差が出てきます。また、これまで使ってこなかった項目もあるかもしれません。今回の記事では控除について項目の詳細まで解説していきますので、未使用の項目等あれば是非利用しておきましょう。控除の種類と内容、利用の方法について解説しますここから早速控除の種類、内容に関して解説していきます。流れの中で②に当たる部分から解説していきます。[adsense_middle]誰でも使える控除対象一覧こちらの一覧表をご覧ください。この控除の段階ではサラリーマンや公務員など特別徴収に該当する方は給与所得控除を使い、普通徴収に該当する方は経費を参入し事業所得を計算する流れとなります。尚、来年より給与所得控除の枠が縮小しますので、お気をつけ下さい。この図は住民税控除に関する一覧になります。所得税を計算する際にも同じ控除を使用しますが、控除の金額が異なりますので、参考までに憶えておいて頂ければと思います。また所得税計算と住民税計算において控除額が変わらないものもありますので、合わせて憶えておきましょう。では控除額が変わらないものから一つずつ解説していきますね。所得税・住民税共に控除額が同じ社会保険料控除これは給与明細にも記載があると思いますが、健康保険や介護保険、雇用保険、厚生年金をひっくるめて社会保険と言います。この部分に支払った金額を控除できる部分が社会保険料控除となります。また個人事業主の方が支払った国保の金額も算入する事ができます。支払った金額全額が控除の対象となります。医療費控除住民税計算をされる対象の年に治療などでお金が掛かった場合控除できるものです。最高で200万円が限度となります。また治療費だけでなく、通院に使った交通費、入院した場合の食費も含まれます。但し、個室などに入った際の部屋代(差額ベッド代)は対象外になりますので注意しておきましょう。また平成29年1月よりセルフメディケーション税制がスタートしました。簡潔に言うと、病院にかからず薬局などで購入した医薬品(該当するものとしないものがあります)の金額を控除するというものです。この医療費控除は確定申告を行わなければなりませんので、大きな病気をした際や入院を伴った際は利用しておきましょう。雑損控除あまり利用される事はないかもしれませんが、この控除は震災、風災、火災等災害にあった場合、盗難や横領など被害にあった場合に限り損害額の一部を控除できるといったものです。毎年利用する事はほぼないでしょう。しかし、もし万が一何かあった場合はこの控除を思い出して下さい。小規模企業共済等掛金控除個人事業主が利用できる退職金制度に支払った金額の全額を控除できるものです(上限有り)。個人事業主は国民年金で、年金等もサラリーマンと違って少なくなります。そこで、国の制度として小規模企業共済を作り積立を広く受け入れる様にしました。またこの控除は最近ではiDeCoの拠出金額も対象になりましたので、事業所得メインの個人事業主だけでなく、給与所得者であるサラリーマンも利用する事は可能になりました。次に控除額が所得税と変わるものを解説していきます。所得税・住民税共に控除額が異なる基礎控除これは所得のある方であれば誰でも受けられる控除になります。所得税では38万円、住民税では33万円となっており、主にパート、アルバイトの100万円の壁、103万円の壁などに使われる控除です。配偶者控除・配偶者特別控除これはご結婚されている方のみ使う事が出来る控除です。配偶者の方の所得が103万円以下であれば配偶者控除、38万円以上・123万円以下の場合であれば配偶者特別控除を使う事ができ、控除額も基礎控除と同じ額になります。また、両方同時に使う事はできませんので、どちらかのみ使う事ができます。適用条件の中に納税者本人の所得が1,000万円以下等の諸条件がありますので、高額な所得の方は注意が必要です。扶養控除配偶者以外であり、かつ16歳以上の扶養親族がいる場合に適用できる控除の事です。同居している事が要件ではありますが、お子様が県外へ進学で離れていても適用できる事もあります。また控除の金額も年齢によって異なり、16歳以上から19歳以下の扶養親族の場合は38万円、19歳以上23歳未満は63万円(これを特定扶養親族といいます)、70歳以上のお年寄りで同居の場合は58万円、同居以外は48万円となっております。勤労学生控除先程の扶養控除とは異なり、学生で(この場合小学校、中学校、高校、大学、高専、職業訓練校を言います)給与としての所得がある場合、こちらの控除額を適用する事になります。但し、年間の所得が65万以下である事が条件ですので、年収換算すると130万円以下であれば適用される事になります。所得と年収の違いここで、少し解説を挟みます。年収と所得がごちゃまぜになっている方もいるかもしれませんので、少し整理しておきます。年収は年間に稼いだ金額の総額を指します。例えば毎月の総支給が25万円であれば年収300万円です。この額に課税はされず、年収から控除(上記、以下で解説する控除です)を差し引いた残りが課税所得、いわゆる所得と言います。先程の勤労学生控除は年収130万円ですが、給与所得者であれば最低65万円の給与所得控除がありますので差引65万円の所得になる訳です。障害者控除生計が同一でご家族に障害者の方がいらっしゃる場合に控除できる枠の事です。障害の程度に応じて控除額が変わり、障害者では所得税27万円、住民税26万円(表中)特別障害者は所得税40万円、住民税30万円、同居特別障害者は所得税75万円、住民税53万円の控除額になります。寡婦・寡夫控除配偶者と死別や離別した場合、一定の所得があれば控除できる枠になります。このケースでは再婚していない事が条件の一つになります。生命保険料控除・地震保険料控除生命保険や、火災保険に付帯の地震保険をご加入の方を対象に控除枠を設けたものです。生命保険では新旧保険料の区分があります。主に年末調整で保険会社からのハガキを添付する事が多いのでお馴染みの控除になりますね。寄付金控除個人が社会福祉法人やNPO法人等に寄付を行った場合に控除される枠の事です。よく、ふるさと納税と混同される事もありますが、ふるさと納税は税額控除(課税額を算出する際に最後に行う控除の事)ですので、この所得控除の段階では行いません。控除を沢山利用するメリットや意味はあるのか?これまで控除枠に関して解説してきました。これだけ多くの控除を使ってメリットはあるのか?というご質問を受け付けますが、答えとしてメリットはあります。理由は税金が安くなる事に尽きます。何故なら税の種類は異なりますが消費税に反対の方は多かったと思います。何故でしょう?支払いが増えるし、家計を圧迫しかねないからですよね。同じ理屈で、誰もが税金に前向きでないのが現状ではないでしょうか。少ない控除枠かもしれませんが、使える制度である以上、使っておく事の方が賢い選択だと思います。住民税控除に関するまとめ今回は住民税の控除に関して解説してきました。控除は多くあり、使える方、使えない方と様々です。使える控除は大いに使って節税できればと思います。
2020年01月13日今回は住民税の税額に関する解説を行っていきます。所得のある方であれば殆どの方が課税される住民税ですが、地域によって格差がある事はあまり知られていません。どんな算定方法なのか、また課税の仕組みや納付方法に関して詳しく解説していきますね。住民税の金額はどうやって決まるのか?はじめに住民税に関する基本のところから解説を始めます。住民税はお住いの自治体に納める地方税になり、1月1日時点で住民票を置いてある自治体に納付する事になります。住民税に関する自治体とは、都道府県と市区町村の2つを指し、一般的に都道府県に納める税金を県民税、市区町村に納める住民税を市民税と言います。住民税は前年度の所得に応じて計算される所得割額、一律で課税される均等割額と2つから構成されており、それぞれの算出課税額を県民税、市民税として納める事になります。住民税の具体的な算出方法住民税は前年度の所得と解説しましたが、具体的なイメージは次の図をご覧ください。この様に前の年の所得を算出し、翌年6月から支払いが開始する事になります。ではどんな計算方法で算出されるのか見ていきましょう。住民税はこの様にして決まる先にこちらの図をご覧ください。まず一年間のお給料や売上の総額が12月31日時点で決まります。次に所得控除を行い、課税所得と呼ばれる課税に関して算出しなければならない所得を導き出します。そして住民税額を掛けて、そこに均等割額を足し、最後に税額控除を行い、最終的な住民税額が決まる流れとなります。年収と所得の違いは?ここで、よくある質問ですが、年収と所得の違いについて簡単に解説をしておきますね。年収(年商)は一年間に受け取ったお給料の総額になります。この年収にはボーナスも含まれる事になります。一般的には総支給額や粗(あら)と呼ぶ事が多いです。次に所得ですが、先程の年収から様々な控除額を差し引いた残りの金額の事を指します。額面で判断すると年収が大きく、所得が小さくなると憶えておいて下さい。住民税はどうやって納税するのか?住民税額が決まったら6月から支払いが開始となりますが、納税の方法は2種類のみです。サラリーマンなどの給与を受け取っている方は特別徴収に該当し、個人事業主など確定申告を必要とする方等は普通徴収で納税します。特別徴収での納税は?サラリーマンなどの特別徴収で納税している方は、毎月のお給料から住民税を天引きされています。これは給与支払者である企業が代行し自治体に納税する仕組みを採用しているからです。6月から支払いが始まり、翌年5月まで天引きされる事になります。つまり12カ月に渡って納める事になりますので、月々の負担は軽くなるという事になります。普通徴収での納税は?6月に入ると、自治体から自宅へ納付書という住民税の払込用紙が届きます。これは4期に分割された払込用紙になっていて、6月、8月、10月、1月に分かれています。また納付期限が記載されていますので、期限内に自分でコンビニや銀行、役所へ足を運んで納付する事になります。手続きによっては口座引落やクレジットカードでの納付も可能です。所得控除額について詳しく解説しておきます先程住民税額決定までの流れに触れましたが、ここでは所得控除について詳しく解説しておきます。まず控除は誰でも受ける事が出来る基礎控除や家族構成で変わる控除等多岐に渡ります。また混同し易いのが、所得税と住民税です。給料明細等には所得税と住民税の引落項目の記載があるかと思います。実は住民税は所得税の計算方法と同じ流れを辿ります。しかし、控除の金額が異なる為、また税率が異なりますので、それぞれの金額に差が出ます。こちらがその控除額をまとめた表になりますので、参考にして下さい。控除額を知る事で非課税も見えてくる?少し余談を挟みますが、実は控除額を知っておく事で、パートさん、アルバイトさん等は所得税、住民税が非課税になる事も可能です。どういう事かと言うと、控除額から逆算すれば一年間にどれだけの給料であれば課税されないかという事が見えてきます。具体的に解説すると、年収180万円以内であれば給与所得控除と言って最低でも65万円もの控除額が発生します。ここに所得税控除に関する基礎控除額38万円を足すと、年収103万円になりますよね。つまり年収103万円以下であれば所得税はかかりません。住民税の基礎控除は33万円ですので、65万円に33万円を足すと98万円となります。そのため98万円以下の年収であれば所得税、住民税はかかりません。令和2年以降に改定した給与所得控除を知っておきましょう実は先程の解説は昨年の令和元年までの計算です。本年令和2年より給与所得控除が変わり、年収180万円以下なら控除額が55万円に変更されています。つまり、例年通りのペースで仕事をしたとしても、課税される方が増えます。計算すると所得税が年収93万円、住民税は88万円となりますので、シフト調整などで税金を考慮していらっしゃる方は是非憶えておいて下さい。住民税の地域差について解説します!実は住民税についてお住いの自治体によって差があります。これってどれぐらいの差があるのか皆さん興味があるかと思います。その点を詳しく解説しますので、ご自身の住んでいる都道府県、市区町村について知っておいて下さい。何故地域差が発生するのか?地域によって税金の格差が発生するのには理由があり、これは各自治体の持つ自主課税権といって、自治体は住民税の税額を変更して良い決まりになっています。理由は税収確保が一番ですが、住民税の利用目的は自治体のサービス維持にあります。この税無くして、地域の環境や医療、福祉等の保全は無理なんですね。また少子高齢化が進んで、納税者が将来的に減少していきますので、税収は益々厳しくなる一方です。今はまだ住民税自体高額な自治体は多くありませんが、先々税率改定が発生する事もあるかもしれないと頭の片隅にでも憶えておいて頂けたらと思います。[adsense_middle]住民税の税率が高い自治体ってどこなの?住民税の所得割部分に関する話ですが、全国平均(というより殆どの自治体)が10%という税率を採用しています。(10%を標準税率と呼びます)この標準税率よりも高い自治体は兵庫県豊岡市で10.1%となっており、次に高い自治体は神奈川県の10.025%です。実は標準税率を超えている自治体はこの2つのみで、標準税率以下の自治体は愛知県名古屋市の9.7%のみとなっています。この3つの自治体にお住いのある方は他の自治体に比べ住民税が高かったり、低かったりする事になります。均等割額も地域格差がある次に均等割額に関してですが、標準税率は5,000円です。この5,000円を超える自治体は数多く存在しており、主に環境保全という事で金額の変更が発生しています。高い順番に解説しておきますね。均等割額の上限は今のところ6,200円所得割部分に関しては所得によって異なる為、個人差がありますが、一律課税の均等割部分に関して言えば今の段階では6,200円が上限となっています。しかし先程も解説しましたが、税率の変更によって上限が変わる事もありますので、こまめに自治体の広報誌等に目を通しておきましょう。住民税はいくらなのか&計算方法に関するまとめ住民税に関して地域差について解説してきました。地域によって差はありますが、均等割で言えば最大で年間1,200円の開きです。所得割では最大0.4%となっています。皆さんの価値観ではこの金額が大きいと考えるか、小さいと考えるかという事ではないでしょうか。
2020年01月12日「やばい!住民税支払い忘れてた!どうしよう、お金無いから住民税が支払えない!」こんな事が起きる可能性が先々訪れるかもしれません(脅している訳ではありません)。今回の記事は住民税を滞納・延滞してしまった場合の対処法に関して解説していきます。また滞納しすぎたらどうなるのか等合わせて解説しますので、特に個人事業主になる方はご一読下さい。住民税の納付期限と仕組みをおさらいしておきます今回のタイトルにもありますが、納付を忘れてしまうケースで考えられるのは「普通徴収」の方です。ここで一旦住民税の支払い方法や仕組みについておさらいしておきます。住民税とは住民税はお住いの自治体に納める地方税になり、その年の1月1日時点で住民票を置いてある都道府県と市区町村それぞれに納税しなければなりません。また住民税は前年度の所得に応じて課税額を算出される所得割部分と、一律で課税される均等割部分があり、それぞれを県民税、市民税等の名目で納税していく事になります。所得割の税率は全国の標準税率で10%となっており、均等割の標準税率は5,000円となっています。しかし、自治体によって税率変更できますので、高い地域や安い地域などが存在します。住民税の支払い方法は?住民税の支払い方法は2種類ありますので、ここはしっかりと読み込んでおいて下さい。特別徴収による納税1つ目の支払い方法は特別徴収という方法です。これは一定以上の所得があるサラリーマン、パート、アルバイトさんが該当します。一般的に毎月のお給料から住民税を天引きする仕組みとなっており、従業員に代わって企業が自治体に納税する方法です。この方法によって従業員の皆さんは支払いを忘れる事無く過ごせる為、今回のテーマに該当する事はまず考えられません。また住民税の納税は12ヶ月に渡って分割して支払う為、最低の負担で済むという利点もあります。普通徴収による納税2つ目は普通徴収と呼ばれる納税方法です。こちらは個人事業主や歩合制でお給料を貰っている方(生命保険募集人等)、副業での収入が一定以上ある方等、確定申告を必要とする方の納税方法になります。住民税は普通徴収、特別徴収共に6月から支払いが開始となります。特別徴収は6月から翌年5月に渡って、普通徴収は6月に納付書と呼ばれる振込用紙が自宅に届きます。納税の回数は4回に渡って納める様になっており(6月、8月、10月、1月)、特別徴収と違って1回の金額が大きい事が特徴です。支払いは4回に分けなくても、一括で纏めて支払う事も出来る点はメリットです。納付書を用いて支払いを行う為、役所、コンビニ、自治体指定の銀行でしか使う事はできません。また納付期限の記載がある為、自分で管理しておかなければなりません。役所やコンビニに行くのが面倒な方は口座から引き落としできる手続きがありますので、そちらを利用して頂く事がベストでしょう。今回のテーマに該当し易いので、普通徴収で納めている方は是非最後までお読み頂ければと思います。住民税を延滞・滞納した場合どうなる?では住民税を滞納したり、支払いを忘れて延滞した場合どうなるのかという事ですが、このケースで起こる事は最悪の場合資産を差し押さえられるという事になります。いきなり差し押さえ!?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単に流れを解説しておきます。差押えまでの流れまず納付期限までに納税の確認が取れなければ、督促状が自宅に届きます。これは納税を忘れていませんか?といった優しい口調の書面です。届いたら速やかに支払いましょう。しかしこの督促状を無視した場合、催告書という強めの文章が自宅に届きます。更に支払わなければ、差し押さえ予告通知が届き、それでも支払いに応じなければ差押えとなります。通常はこの流れに従って時間を空けて書面が届きますが、法律上、督促状が届いた日から差押えできるものになっていますので、必ずしも全ての書面が届いて差し押さえになる訳では無い事を憶えておいて下さいね。差押えになった場合どうなる?この様な状況で事業を行う場合、ご自身の資産だけでなく、取引先までに押さえる売上など照会が入る事も考えられます。そうなったら信用問題に発展し、取引が無くなる等の最悪な事も想定されますので、何としてでも支払いはやっておくべきです。住民税を滞納・延滞した場合の対処に関する手続き方法住民税を延滞・滞納した場合、どうすればいいのかという事を解説します。ここは非常に大事な部分ですので、もしその様な事態に陥ったら次の解説文に従って対処して下さい。[adsense_middle]絶対に役所へ相談に行く事!ハッキリ言うと、これは絶対やらなければいけない事です。何故支払えなかったのか、支払いを忘れたのかという事を伝えなければ、住民税を管理している自治体は分かるはずはありません。支払えないなら理由が必ず存在します。その理由を必ず報告に役所へ行きましょう。先程解説しました差し押さえになるケースは、あくまで役所に相談も無く、自分勝手にやり過ごした結果になります。支払い期日を1日遅れた場合、納付書は使えませんので、その場合でもしっかりと役所へ行き、支払いを忘れていましたと正直に話しましょう。実は私も支払いを忘れた事があります実は今回の記事、すごく書きやすいんです。何故なら、私も支払いを忘れた事があるからです(経験済みという事です)。恥ずかしながら、住民税の納付書に目をやると、1日過ぎていて、支払い日を勘違いしていた事が理由でした。慌てて次の日に役所へ行き、新たな納付書を作成して貰い、すぐにコンビニで支払った経験があります。この時、役所の担当の方は怒る事も無く、「あ~そうでしたか。では期限を切りなおしておきますので、なるべく早めにお願いしますね」と対応して下さいました。それからは期限を守って支払う様にしています。住民税の金額が大きい場合どうしたらいいの?普通徴収では4回に分けて支払います。つまり1回の金額が所得によっては大きい場合もありますよね。そんな時どうすれば良いのか?ここでも対処法を解説します。住民税の分納申請を行う1回1回が大きければ、分割納税申請を行いましょう。これは字のままです。特別徴収同様に12カ月間に渡って住民税を納める申請を役所へ申し出ます。もちろん理由も必要ですが、殆どの場合、通ります。こうする事で、負担を軽くしながら納める事が可能になりますので、この申請を行う際も、必ず役所へ行き、しっかりと理由を伝えて下さい。私も分納申請した過去がありますが、断られた事はありません。きつい時はきついと、しっかり伝え、納める意思をしっかりと伝える事が大切です。分納申請に必要なもの必要なものは特にありません。納付書があれば持っていけば直ぐに確認が取れますが、紛失しても、個人の名前、生年月日、本人確認書類があれば問題はありません。この場合、役所から現在のデータを照会され、分割に計算された納付書を渡されます。納付期限が毎月月末になるはずですので、忘れずに納める事が大事です。住民税の分割納税に関するまとめ今回は住民税の分割納税について解説しました。どうしても1回の支払いが困難な場合は迷わず役所へ出向き相談する事が必須です。自分で悩まず、絶対に相談して下さいね。
2020年01月06日今回は住民税と所得税の違いに関して解説していきます。税金という意味では同じですが、日頃言葉として使う事があまり無いので、区別がつきにくいかもしれません。そこで今回、中身や制度、計算方法等どんな差があるのかを詳しく解説していきますので、最後までお付き合い頂ければと思います。住民税と所得税の関係所得税の納税方法は?納税の方法に関してですが、サラリーマンと個人事業主とで異なります。サラリーマンの場合は源泉徴収制度といい、給与を支払う企業が代行して納税する仕組みです。ここで用語を解説しておきます。源泉徴収制度とは、サラリーマン等給与所得者の納税額の精算に関わる手間を簡略化するために、所得を発生させる源泉から一定の税率を差し引き所得税を納税させる為の制度です。この制度によって確定申告を不要する事が出来る為、企業内部は大変ではありますが、従業員は何も気にする事はありません。毎月の給料から所得税も住民税同様に天引きされている事になります。この天引きは大まかな計算でなされており、最後の12月に1年間の総所得が計算される事になります。この12月の年末調整によって、しっかりと計算され差額の徴収、還付が行われるわけです。対して個人事業主は翌年の2月16日~3月15日までの期間内に確定申告を行い、税金を納めなければなりません。この場合申告期限である3月15日までに現金で納付するか、振替納税といって口座から引き落とす場合は4月20日前後(暦によって日付が異なります)の引落に間に合う様に準備しておかなければなりません。住民税と所得税についてのまとめここまでは住民税と所得税について解説を行ってきました。一旦ここまでを纏めてみたいと思います。上の表のようになります。税率の違いや納付先も違いますね。次にその違いについて触れていきますね。住民税と所得税の違いさて住民税と所得税について解説してきましたが、ここからは大まかな違いについて触れていきたいと思います。税金で身近なもので直ぐに思い出せるのは「消費税」でしょう。その他にはガソリン税や酒税、たばこ税等、生活の中に税は関連しています。税は国民皆さんの生活サービスや医療、福祉、公共事業等様々な事に使われています。税金無くして生活は豊かになる事はありません。その税の中でも、意外にも身近な住民税と所得税について解説を進めます。どんな違いがあるのでしょう?納付先使い道の対象納税のタイミング課税対象期間控除額[adsense_middle]納付先が違う住民税と所得税では税金を納める先が異なります。住民税は地方税ですので、お住いの都道府県、市区町村に納税しなければなりません。対して所得税は国税です。納付先は税務署、つまり国に納税する事になります。この違いもあり、次の使い道の点でも違いが生まれます。使い道の対象が違う住民税と所得税は税金という意味では同義ですが、細かく言うと、住民税は地方税で、所得税は国税に該当します。よく耳にするのは県が管理している、国が管理しているといった事を聞きますが、住民税は自治体管理の分野で利用され、所得税は国が管理している分野で使い分けられる事になります。大きな金額になれば、国がいくら使って、県や市がいくら使うといった事をイメージして頂ければ分かりやすいでしょう。納税のタイミングが違う前述しましたが、住民税と所得税はサラリーマンの場合は毎月のお給料からの天引きとなりますので、大きな違いはありません。しかし個人事業主となると納付期限が違います。住民税は6月からの支払いに対し、所得税は申告期限である3月15日まで、若しくは4月20日前後の振替納税期日までとなっております。所得税の方を先に納税し、後に住民税の徴収が始まると憶えておいて下さい。課税対象期間が違う1年間の所得に対して課税される事は変わりはありませんが、所得税と住民税では対象期間が異なります。ここではサラリーマンの場合を対象に解説しておきます。所得税はその年の所得に対して課税される所得税は、所得が発生すれば早速課税される仕組みとなっていまして、裏を返せば所得が無ければ課税される事はありません。対象期間は収入が発生した月からと憶えておけば問題ありません。源泉徴収され、年末調整で整えられる事を憶えておきましょう。住民税は前年の所得に対し課税、翌年納税対して住民税は、前年の所得に対して課税され、翌年の6月より天引きが開始される事になります。昨年まで収入が無ければ、翌年は課税される事はありません。また年末調整等で還付が受けられるといった性質はありません。課税額が決まったら必ず天引きされる事になりますので、この点も憶えておいて下さい。控除額が違う住民税と所得税は共に所得控除というものが存在します。これは課税額を導き出す過程において、所得に応じて控除されるもの、既婚者か独身者で使える控除枠が違うなど、いたるところで違いは出てきますが、計算過程の控除額の違いについて解説をしていきます。控除の内訳所得控除の内訳は次の通りです。社会保険料控除医療費控除雑損控除小規模企業共済等掛金控除上記4つの控除は控除額が住民税、所得税共に変わらないものです。次に挙げる控除は控除額が異なるものになります。基礎控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除勤労学生控除障害者控除寡婦・寡夫控除生命保険料控除地震保険料控除寄付金控除これまで挙げた14の所得控除を使い課税所得を計算します。所得控除一覧の見方先程解説した、控除額の異なる10の控除の一覧がこちらになります。見方として、左側が所得税についての控除額で、右側が住民税の控除額となっており、例えば基礎控除で見て見ると、所得税控除は38万円ですが、住民税となると33万円と控除額が低くなっている事が分かります。この様に、皆さんの使える控除額は各ご家庭で異なりますので、上記の表を参考にして頂ければと思います。住民税、所得税を計算・比較してみました先程の控除の違い等も含め、住民税、所得税の額を比較してみたいと思います。[adsense_middle]事例①年収450万円の場合次の事例で計算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン無(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無し(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除のみ上記条件で試算した結果、住民税が163,514円所得税が81,757円となりました。このケースでは住民税の方が高い事が分かります。事例②年収800万円の場合では上記の事例で年収を800万円に上げた場合はどうなるか計算してみました。年収が800万円の場合は住民税が426,380円、所得税が425,260円の結果となりました。年収が約2倍になるとご覧の様に税金がかなり跳ね上がる事が分かります。事例③年収1,000万円の場合では年収が1,000万円の場合ではどうでしょうか?試算の結果住民税が584,844円、所得税が742,189円となり、所得税額の方が住民税よりも大きくなりました。先程解説しました、超過累進税率の効果が大きく反映されている事になりますね。税額控除を利用した場合ここでは税額控除を利用したケースで試算してみます。税額控除について解説しておきます。税額控除とは、所得税、住民税の課税額が算出された後に、その金額から更に控除を受けられる制度。所得控除とは異なり、計算の最終段階で控除される事になります。主な控除は住宅ローン控除があります。では先程の家族構成は変えず、年収、住宅ローンがあるという事で次のケースで試算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン控除有(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除、住宅ローン控除残高2,000万円としてみます。上記の条件で試算の結果住民税は65,000円、所得税は非課税となりました。先程事例①でご紹介したケースと比較すると、住民税では98,514円節税されており、所得税に至っては81,757円が節税された事になります。このケースで考えた場合、住宅ローン控除がかなり大きく作用している事がよく分かります。事例②の条件で住宅ローンがある場合は?では先程の事例②に住宅ローンを組み込んだ場合どうなるでしょう?年収が800万円になっています。住宅ローンの残高を3,000万円に変更してみます。試算の結果、住民税は先程の試算と変わらず426,380円、所得税が125,260円になりローン残高の1%の節税効果が発生致しました。この様に、住宅ローン控除を使うと、先に所得税から節税され、使い切れなかった部分が住民税に及びます。個人事業主の方の住民税と所得税についてここまでの記事はサラリーマンの方を中心に書いてきました。では個人事業主の場合ではどうなるのかという点について触れておきます。個人事業主の方は、確定申告で納税額を申告し、納税する事になります。確定申告は所得税の確定申告となっており、本来住民税を申告するものではありません。しかし、控除額が違うだけで、計算過程は全く同じになります。よって確定申告を税務署へ提出した際に、所得などのデータが自治体に渡り、6月に住民税の納付書が送られてくる事になります。特別何かをしなければならないという事はありませんので、ご安心下さいね。住民税と所得税の違いに関するまとめ今回は住民税と所得税の違いについて解説してきました。計算方法は同じでも控除額の違いや使い道、分類等様々な違いがある事がお分かり頂けたかと思います。また税額控除を利用する事も大きな節税効果がある事もありますので、今後住宅購入をご検討の方はしっかりと税金とシミュレーションを行って頂ければと思います。
2020年01月05日今回は住民税の徴収方法の違いについて詳しく解説していきます。2種類しかありませんのでシンプルではありますが、もちろんメリットやデメリットもあります。住民税の仕組みと合わせて解説しますのでお付き合い下さい。住民税とは控除が終わったら、課税所得に税率をかける上記の控除が全て終わったら課税所得が判明します。この課税所得に対して県民税や市民税の税率をかける事になります。住民税の税率は約10%で憶えておけば問題ありません。これで住民税所得割額部分が判明します。ここに均等割部分を足します。これで住民税の納税額が算出されます。最後に税額控除します最後に税額控除といいまして、算出された税金から更に控除が出来る仕組みです。代表的な税額控除は住宅ローン控除です。お住いをお持ちの方は忘れずに行っておきましょう。住民税の金額が決定これで税額が決定し、特別徴収か普通徴収かに分かれて納税を行います。この一連の流れは確定申告の流れと同じです。特別徴収は企業が代りに行っている為、簡単な仕組みとなっている訳ですね。住民税の普通徴収と特別徴収の違いに関するまとめ今回は徴収方法の違いについて解説しました。それぞれメリット・デメリットありますが、納税の金額に変わりは無く、支払い回数と、引落かそうでないかが大きな違いです。使い分ける事はできませんので、仕組みを理解して納税義務を果たしていきましょう。
2019年12月17日毎月のお給料から「住民税」という項目で天引きされていたり、納付書で納めたりと意外に身近にある税金が「住民税」です。私のクライアントさんからは「市民税」と違うんですか?とか「市民税」って何ですか?など質問があります。今回は「住民税」と「市民税」の違いについて詳しく解説を行っていきます。市民税とは?始めに市民税について解説していきます。正式名称は「市町村民税」です。一般的に市民税と呼ばれ、お住いの地域によっては「町民税」と呼んだり「村民税」と呼ばれる事もありますが、全く同じ内容になります。また、例外として東京23区においては市町村では無いため「特別区民税」となり、一般的な呼び方は「区民税」と呼ばれ、市民税と同じ扱いになります。市民税は誰が納めているのか?市民税並びに区民税(以下市民税と呼ぶ)は誰が納税しているかと言いますと、その市区町村にお住いの方々が納税する事になっています。もう少し詳しく解説すると、1月1日時点の住民票が置いてある場所に納税する事になります。引越すと町民税だった方が市民税や区民税等に名称が変わるという事ですね。市民税はどうやって納税しているのか?納税の方法ですが2種類あります。サラリーマンやパート、アルバイトなど企業にお勤めの方は特別徴収という方法で納税します。これは毎月のお給料から税金を天引きされ、企業が代りに自治体に納税する方法です。一方、個人事業主や歩合制のお給料を貰っている確定申告を必要とする方々は普通徴収という方法で納税します。こちらは6月に納付書という払込用紙が送られてきます。4期(6月、8月、10月、1月)に分けて分割して納税するか、纏めて納税する等、自分自身で納める方法です。住民税との違いは何?ここからは市民税と住民税の違いについて解説しますが、先に結論から申し上げますと、住民税の一部を構成しているのが市民税となりますので、住民税と同じ事になります。住民税を詳しく解説します住民税は「都道府県民税」という、いわゆる「県税」と先程解説した「市民税」の2つを合わせたものになります。都道府県民税(以下県民税)はお住いの地域によって「都民税」「道民税」「府民税」「県民税」と呼称が変わりますが、内容は全く同じです。また県民税と市民税には所得に応じて納税金額を算出する「所得割」部分と、所得に左右されず一律で決まっている「均等割」部分の課税があり、これらを総称して住民税と呼びます。納税の方法は市民税と同じく2種類のみの方法から成り立っています。市民税と同様に1月1日時点での住民票をおいてある自治体に納税する事になります。住民税の税率は?住民税の所得割部分の税率に関しては全国で10%となっており、この10%は課税標準額となります。県民税が4%、市民税が6%となっているケースが殆どですが、例外として標準額を超える地域もあります。日本国内で最も高い地域は兵庫県豊岡市の10.1%となっており、県民税は4%、市民税が6.1%で構成されています。次に高い県は神奈川県の10.025%となっており、県民税が4.025%、市民税が6%となっています。逆に最も低い自治体は名古屋市の9.7%となっており、県民税4%、市民税5.7%です。その他の自治体は全て標準税率の10%で課税されるようになっており、税率も自治体によって変更は可能ですので、お住いの税率に関してはたまにチェックしておくのもいいでしょう。所得割合で計算される所得割の計算方法ここからは所得割の計算方法について解説しておきます。皆さんのお給料を元に毎年所得は計算されます。そもそも所得と年収は異なる事はご存知かと思いますので、ここからは計算までの流れを解説します。[adsense_middle]STEP①年収から社会保険料控除や基礎控除などを経て課税所得を出しますまず始めに行うのは様々な控除を行い課税所得を出さなければなりません。課税所得とは、所得税や住民税など計算する際に元となる所得の事を指します。源泉徴収などご確認頂くと記載がありますが、一般的な控除は社会保険料控除、基礎控除、配偶者控除、生命保険料控除等ですね。この様に該当する控除を使い課税所得を導き出します。参考までに控除は次の表になります。知っておきたい所得税計算との控除の違い上記の表は所得税と住民税に控除が分かれています。実は所得税を計算する場合と住民税の計算とでは控除の額が異なりますので注意しておきましょう。特にパート、アルバイトの方は税金がかかるか、かからないかという事を気にされる方もいらっしゃいます。所得税の基礎控除は38万円ですので、給与所得控除65万円と合わせると103万円になりますが、住民税の基礎控除は33万円ですので98万円以下の所得であれば住民税もかかりません。STEP②課税所得に対し税率をかける課税所得が判明したら、次に先程の税率をかけていきます。お住いの自治体によって若干異なりますが、おおよそ10%をイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。STEP③最後に税額控除を行いますSTEP②で所得割額が判明したら、最後に税額控除と呼ばれる控除を行います。この税額控除の代表的なものとして住宅ローン控除が挙げられます。その他に寄付金控除、配当控除等があります。該当する場合は最終的に税額が安くなりますので、お心当たりのある方は必ず控除しておきましょう。以上が所得割を計算するまでの流れになります。所得割額を計算後、均等割額を足して住民税の納税額が決定先程の所得割額を計算した後に均等割額を合計して住民税の納税額が決定します。均等割額の標準額は5,000円が最低ラインとなっており、内訳として県民税が1,500円、市民税が3,500円となっており、この構成がスタンダードです。所得割同様に各自治体で均等割額も変更できます。均等割額の高い地域は?今回の市民税に関するテーマで気になるのは税金の高い地域ではないでしょうか?ここからは均等割の高い地域を挙げておきますので、参考にして下さいね。市民税均等割額の最も高い、低い自治体は?市民税の最も高い自治体は横浜市です。横浜市のみ市民税が4,400円と他を900円上回っており、日本で唯一市民税が高いのは横浜市だけなんです。最も低い自治体は名古屋市で3,300円となっています。その他地域は3,500円の水準で保たれています。参考:県民税はどこが高いのか?テーマから少し外れますが、県民税の均等割が高い自治体も合せてご紹介しておきます。県民税の標準税額は1,500円です。日本で一番高い県は宮城県の2,700円です。次に岩手県・山形県・福島県・茨城県・岐阜県・三重県の2,500円が該当します。次に高いのは秋田県・滋賀県・兵庫県の2,300円と続きます。名目として「森林環境税」とし環境保護に使用する為に徴収されているようです。税金の意味ここまで市民税に始まり、住民税に関する解説を行ってきました。また県民税、市民税共に各自治体で税率を変えられる事もお伝えしました。なぜウチだけ高いの?とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて税金の意味について触れておきます。税金はそもそも納めなければならない義務です。理由は生活を便利にする為です。道路整備、ごみ回収、水源の保全、森林保護、医療、福祉と挙げればキリがありません。この税金を納めなくなった時、民間が事業を行ったとしても、結果納税よりも高い金額を支払わなければならなくなります。私たちの生活を支える上で非常に重要な役割を果たしています。しっかりと納税して後世に繋いでいきたいものですね。住民税と市民税の違いに関するまとめ今回は市民税と住民税の違いについて解説しましたが、違いはありません。呼び方の違いだけですね。またお住いの自治体によって税率が異なる事もお分かり頂けたかと思います。きちんと納税して自治体のサービスの一部を担っているんだなと思って頂ければと思います。
2019年12月16日今回は住民税が払えなくなった場合について解説していきたいと思います。これまでは住民税の仕組みや詳細等解説が主でしたが、実際に支払いに際した場合、うっかり忘れていたや、支払うお金が手元に無い等の諸事情もあるかと思います。そんな時どうすればいいのか?どんなリスクが発生するのかを解説しますので、参考になればと思います。住民税を未納!どうなるの?まずリスクについて解説します。住民税をもしも支払っていなかったらどうなるのでしょう?裁判になるのかな?凄い取り立てに遭うのかな?とネガティブなイメージが先行してしまいますよね。では具体的にどうなるかを解説します。住民税未払い発生!その後の流れでは具体的な流れについて解説します。まず前提として、住民税を支払っていなかったとします。すると、納付期限から10日以内に書面で未納の通知が自宅に届きます。一般的にはこの段階で納付を忘れていたと気づき納付すれば問題はありません。しかし、その通知すら無視したとします。次に届くのは「督促状」です。少し強めの言葉に変わって通知が届きます。また電話連絡も来ますので対応したいところですが・・・更に無視を貫いたとします。次に届くのは「催告書」と呼ばれる督促よりも強い言葉になります。内容は先程とは異なり「法的措置」の文言が記載される事になります。「法的措置」という言葉に免疫が無ければ誰でも驚きますよね。また最近の時流と言いますか、偽造された督促状などで詐欺を働く連中もいますので、身に覚えのない督促状は無視しましょう。ここで用語について解説をしておきたいと思います。督促とは返済や納付すべき金額が支払期限を超え確認できない場合に、返済、納付を促す場合に使われる。ニュアンスとしては請求書に近いですが未納である事には変わりはありません。催告とは督促と異なり、書面にする場合内容証明郵便にて送達される為、送付、受取の記録が郵便局に残ります。「書面を受け取っていません」といった嘘がばれる事は確実です。ニュアンスとして催促に近いです。さて催告書まで無視したとします。次に行われる事は差し押さえです。いきなり差し押さえという事ではなく、「このまま放置すると、あなたの財産を差し押さえなければならなくなります」という通知です。更に更に無視したとします。最終的には「差押え予告通知」が届きます。そこには納付期限が明記されていますが、これすらも無視してしまうと最終的に財産を差し押さえられる事になります。差し押さえまでの期間は最短で1ヶ月!最悪のケースで財産や給与等の差し押さえになりますが、差し押さえに至るまでは未納した日から最短で1ヶ月で実行に移すことが可能です。とは言え、さすがにそこまで短い期間で差し押さえられる事はあまり聞いた事はありませんが、猶予は無いという事だけ憶えておいて下さい。住民税は国民年金や社会保険料と同じ扱い先程は督促状に始まり、全て無視した場合について解説しましたが余程の事情や鋼のメンタルが無ければ起こり得ない事です。ここで少し余談を挟みますが、住民税は地方税に該当し行政が管理する事になっています。行政管理で言えば、国民年金や社会保険料も同じです。民間業者との取引ではありませんので、裁判などを経ることなく差し押さえに踏み切る事が出来る権限があります。私の体験談その①私が差し押さえられた訳ではありませんが、以前勤めていた会社が差し押さえをされた事がありました。法人であった会社は社会保険料や他税金を滞納し督促や催告を無視し続けました。そもそもですが、無視する理由が分かりませんでした。結果、会社の売り上げが入る口座が差し押さえられてしまいました。この時判明した事ですが、実は私の住民税も支払われていませんでした。通常サラリーマンであれば特別徴収といって給与から住民税が天引きされます。個人に代り会社が各自治体に納める事になりますが、約1年分近く滞納の事実が分かりました。退職までに清算してほしい旨伝えましたが、数カ月分の未納を残し退職日となりました。退職後も役場へ確認しましたが、依然支払われてはいませんでした。本来法人が納めるべき税金ですが、滞納の為恐らく差し押さえになっているのではないかと思います。中々出来ない経験でしたね。住民税支払いを無視するとどんなリスクがある?ここまでは住民税の支払いを未納のままにしたらどうなるかという流れについて解説してきましたが、問題はその後です。差し押さえられて「ハイ!お終い!」とはいきません。どんなリスクがあるのか解説します。[adsense_middle]自営業等は取引停止になる事も住民税は個人、法人と納めなければならない税金です。最悪のケースで差し押さえとなった場合ですが、差し押さえに至るまで、財産や預貯金などの調査が行われます。この時、HP等を開設していれば主要な取引先銀行や取引先等を記載している会社等少なくありません。これらを見た行政が銀行や取引先に押さえられる財産の照会を行う事になります。当然照会された会社は「あの会社大丈夫かな?」と思いますよね。銀行預金などに金額が無ければ、売上が発生する元から差し押さえられる事もあります。そうなれば仕事での信頼関係は無くなり、取引停止になるケースもあります。先程体験談で話した法人も、取引業者に照会が入り、結果全ての取引が出来なくなってしまいました。個人の場合勤務先等へ照会される事もケースとしては珍しいかもしれませんが、転職した最初の年は給与天引きにならない事もあります。結果自分で納税しなければなりませんが、その際にお勤めの会社へ給与額等の照会をされる事もあります。照会してはいけないルール等ありませんし、むしろ支払わない方が悪いので致し方ありません。この場合、会社の人事や総務に連絡が入る事になりますが、かなり心象は悪くなるのではないでしょうか。滞納すると延滞金が発生するお金を借りたり、CDやDVDレンタルした場合必ず返済や返却期限が決まっています。住民税も同じく納付の期限は決まっていますが、もし遅れた場合どうなるでしょう。お金やレンタル等は延滞料金が発生します。住民税も同じく延滞金が発生します。では具体的にどれくらいになるのか触れていきますね。延滞金の計算式延滞金の計算式は以下の通りになります。滞納税額×延滞金の割合(※)×納期限の翌日から納付の日までの日数÷365※延滞の割合とは納期限から2ヶ月を経過しているか、していないかで税率が変わります。【納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの期間】特例基準割合+1%か7.3%のいずれか低い方【納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以降】特例基準割合+7.3%か14.6%のいずれか低い方上記の様に納付期限から2か月以内かそれ以上かで税率が変わります。ここで特例基準割合について少し解説しておきます。特例基準割合とは日本国内の銀行における貸出約定平均金利として財務大臣が告示する割合に1%を加算したものです。本年は0.6%と告示されているため特別基準割合として年率1.6%となります。毎年変動する数値でもあります。少しややこしいかもしれませんが、2か月以内の滞納であれば2.6%、2か月以上であれば8.9%という率が加わったものが延滞金として納税しなければならない金額となります。なるべく延滞はしない様にしておきましょう。住宅ローンなどの審査に影響が出る厳密に言えば住宅ローンを申し込む際の保証協会やフラット35を利用する場合に「納税証明」を取得しなければなりません。納税証明とはそのままの通り、納税を証明する公的書類です。日頃はあまりお目見えする事はありませんが、住宅購入の様に証明を求められた場合は引っかかる可能性もありますので注意が必要です。住宅ローン等はある程度話が煮詰まってきたら申込等に進みますが、納税証明で躓いては今までの話が台無しになります。購入をご検討の方は前もって役場で確認できますので、念の為取得してみてもいいかもしれませんね。私の体験談その②先程の体験談の続きですが、退職後も住民税に関して以前の会社は全く支払ってはくれませんでした。何かペナルティがあるのかと思い、役場へ確認しました。役場の方は、あくまでも法人が支払う義務を負いますので、私には何のペナルティもありませんと回答して下さいました。しかし、先々納税証明を必要とする時が来たらその時は引っかかる可能性もありますとの事でした。事実上倒産した会社に支払うだけの体力が無い事も分かっていましたので、数か月分は自分の身を助けると思い自身で納める事にしました。特別徴収と信じ切っていましたが、隠れてこんな事になっているとも思わなかったので、何とも税金の大切さや信じた会社への不信感など複雑な心境だった事を思い出しますね。どんな方が未納になりやすい?ここからは未納になり易い又は見落としがちな方を解説したいと思います。通常サラリーマンであれば、余程の会社でない限り特別徴収で給与天引きになっているはずです。ですので見落とす事はまずあり得ません。ではどんな方が未納に陥りやすいのでしょう?[adsense_middle]個人事業主などの自営業者これは徴収の方法が普通徴収と呼ばれる方は未納になり易いのではないかと思います。(かくいう私も今は普通徴収ですが1日遅れた事がありました・・・)個人事業主の方は確定申告と同時に住民税の計算まで完了します。その後忘れた頃に納付書が4枚送られてきます。納期は全てバラバラです。1期ずつ支払う場合、期間が開いてしまうと失念し易い場合もあります。結婚し専業主婦(夫)になった方、退職して一時働かない方例えば結婚前まではバリバリに働いていた方や一旦退職してリフレッシュの為、少し仕事から離れた方等は未納になり易いです。理由は住民税の計算の仕組みにあります。住民税は前年の所得に応じ計算され翌年納税する方法です。例えば平成30年12月31日を以て退職し、翌年からは仕事をしないとします。このケースで言えば、平成31年(令和元年)の6月に納付書が送られてくる事になりますが、退職してしまっているので収入が無いですよね。ある程度の貯蓄があれば問題はないでしょう。収入が無い中での支払いは痛い出費となります。この様に退職後の翌年は大きな出費が予想されますので、退職をお考えの方は住民税の事まで考えておいた方が良いでしょう。住民税の時効の期限実は住民税を支払わなかった場合、時効が存在する事はあまり知られてはいないかもしれませんので、ここで触れておきます。但し、現代のデータ管理において時効はまずあり得ませんので頭の片隅にでも憶えて頂ければと思います。例えば未納が発生し督促状が届くとします。そこから起算して3年間何の音沙汰も無い(この場合督促状や催告書などが全く来ない事を指します)場合時効となります。つまり行政からアクションが無ければという事です。しかし、現在はデータ管理され、自動発送等も完備されてあるでしょうし、アクションが無い事はまず皆無でしょう。また催告書等が次に送られてきますので、到着した日から新たに3年とリセットされますので、憶えておいて下さいね。未納が発生した時の対策は必ず理由を伝える事さて今回の記事の最後になりますが、未納が発生した場合の対策を解説していきます。基本は支払う事が対策になりますが、どうしても厳しい場合は誰しもあるはずです。その場合無視をする事ではなく、しっかりと役場に出向き理由を添え支払いの意思がある事をしっかりと伝える事が大事です。支払いの意思があるのか無いのかでは結果が全く異なります。どうしても一括または4期に跨って支払いが難しければ分割して納める事にしてくれます。督促状や催告書等を変に捉え無視し続ける方が首を絞めてしまいますので、絶対に無視せず相談する事をお勧めします。前述した私の以前の勤務先は、無視に無視を重ね1年後には差し押さえが実行されました。恐らくですが、悪質であると判断されたと推察します。意思も示さず、相談にも来なければ行政も然るべき措置を講じますので、何度も言いますが、絶対に相談に行きましょう。普通徴収の方は口座振替も可能特に失念し易いのが普通徴収の方です。自分で納付しなければなりません。この場合、指定の口座から引き落とす手続きも出来ますので、忘れてしまいがちな方は口座振替に変更する事で支払い漏れを回避できますので、対策としてお考え下さい。住民税の滞納・払えない場合に関するまとめ今回は住民税を滞納してしまった場合等について解説してきました。金額の大小はあるかもしれませんが、「税金」である事に変わりはありません。また相手が行政である以上、逃げ切れる事は無いです。国民の義務でもありますのでしっかり納税しましょう。どうしても困難だという事であれば、必ず相談しましょう。
2019年12月10日今回は退職をされた方向けの住民税に関する解説を行っていきます。これまでは会社が給与天引きで住民税を徴収して納付していましたが、会社を離れるとどうすればいいのか、手続きや納付の方法を解説していきます。住民税の計算の仕組みまず住民税はどの様に算出されるのかを理解しておきましょう。住民税は前年の所得を元に計算され翌年の6月から支払いが開始する仕組みとなっています。サラリーマン等の特別徴収の場合は12ヶ月に渡って給与天引きされます。個人事業主等の普通徴収は4期(6月、8月、10月、1月)に分けて支払うか6月に一括で支払う等の方法になります。図解したものがこちらになります。税金の支払い方法は2種類のみここで支払方法について触れておきます。サラリーマンであれ、個人事業主であれ、または退職者であったとしても住民税の支払い方法は2種類のみとなります。特別徴収とはまず特別徴収ですが、先程も解説しましたようにサラリーマン、パート、アルバイトなど一定の所得がある方はこの徴収方法になります。給与を支払う企業が従業員の住民税を納付する方法です。従業員は毎月の給与から12カ月に分割された住民税を、6月から翌年5月にかけて天引きされる仕組みです。住民税の納付忘れ等が無いため、一般的な納付方法とされています。普通徴収とは個人事業主や歩合制のお給料を貰っている方はこの普通徴収に該当します。計算は特別徴収と同じですが、6月に自宅宛てに納付書と呼ばれる請求書のような用紙が送られてきます。中身は住民税の総額が記載されたもの、4期に分かれた納付期限が記載されてある振込用紙が入っています。普通徴収の場合6月、8月、10月、1月の4回に分けて自分自身で期限までに払うか、6月に一括で4期分まとめて払うか、手続きによって指定の口座から引き落としをかけるかと選択できます。特別徴収と違い自分で管理しなければなりませんので、うっかり納付を忘れる事が無いように注意しましょう。会社を退職後、住民税の手続きはいつまでにどうするのか?ではサラリーマンなどの特別徴収で住民税を納めていた方が退職した場合、どのような手続きが必要なのかを解説していきます。就職先が決まっている場合といない場合を解説しますここからの解説は、就職先が決まっているケース、決まっていないケースでの手続きについて解説していきます。就職先が決まっている場合このケースでは通常、会社同士で情報をやり取りし特別徴収を引き継ぐ事が一般的です。つまり、わざわざ就職先に申請しなくても特別な手続きは不要になります。このケースで気を付けておきたい事気を付けておくべき事は2点あり、1つは手続きに若干時間がかかる為、スムーズに移行できない場合です。その際は一旦普通徴収に切り替えて、その後、特別徴収に戻せば大丈夫です。2つ目は元の勤務先に就職先を知られるという事です。企業間でやり取りを行ってくれる事は非常に助かりますし有難いですが、転職が全て円満でいくとは限らないケースもあります。例えば同業他社に行く場合等、元の勤務先に知られたくない方もいらっしゃるかと思います。その場合は元の勤務先に普通徴収の旨をハッキリ伝えておく事で行き先が判明しなくなりますので、必要な方は上記の措置を取りましょう。就職先が決まっていない場合次の就職先が決まっていない方は退職時に普通徴収の切り替えを伝えておきましょう。その後は普通徴収と同様に自分自身で納める事になります。また何も伝えていなくても、自動的に普通徴収にはなりますので特に手続きは必要ありません。しかし、行き先が分からなければ会社の担当の方も特別徴収にした方が良いのか、普通徴収なのか分かるだけでも業務量が異なりますので、大人の対応としてしっかり伝えておきましょう。就職先が決まっていない方の退職期間で納付方法は変わるここからは就職先が決まっていない方の退職に関するタイミングについて詳しく触れたいと思います。実は退職の時期によって納付方法が変わります。その期間について以下解説をしていきますね。[adsense_middle]納付方法が変わるキーワードは「6月」会社を1月~5月(以下上半期)までの間に退職するか、6月~12月(以下下半期)の間に退職するかという事で納付の方法は変わります。憶えやすい方法として6月より前か後かで憶えておくといいでしょう。上半期に退職した場合上記期間中に退職をした場合、住民税は給与天引きの期間中です。退職した月の給与で残りの残額を一括で徴収される事が一般的です。気を付けるポイントとして、所得が高い場合は一括での引落は大きな出費になります。その場合はお勤め先の会社に相談し普通徴収に切り替えて貰いましょう。切り替える事で一括での支払いを免れる事が可能です。この様に上記期間中は何の手続きも必要無く住民税の精算は完了しますので、特に心配はありません。下半期に退職をした場合この期間中に退職した場合は住民税の支払いがスタートしたばかりですので、パターンとして2つ支払い方法があります。パターン①退職する月まで特別徴収で引き去りを行い、その後は普通徴収に切り替える。この場合はお勤めの会社にその旨を伝えておく方がベストです。気を付けるべきはこれまで天引きでしたが、自分自身で納付する事になる為、納付期限を失念しない事でしょう。パターン②最後の給与または退職金等から、翌年5月までの住民税を一括で引き落としてもらう。こうする事で、来年5月までは支払いの事を考えなくて済みます。但し、大きな金額になる事は間違いありませんので、退職金や給与等と納付額を検討した方が無難でしょう。また今後の生活に必要なお金も残しておかなければなりませんので慎重に計算しておきましょう。このパターンを利用する場合は必ず会社へ相談しなければなりません。就職先の有無に関わらず請求は必ず来る就職先の有無で特に書類の提出や役場へ出向くなど特別な事は何一つありません。意外とスムーズにいくのが住民税の特徴です。しかし就職先が決まっていても、決まっていなくても請求は必ずやってきますので、しっかりと支払いを計算に入れておきましょう。納付期限は変わらない為どの様に支払うかがポイント原則納付期限は変わる事はありませんので、ご自身のお財布事情と照らし合わせて支払い方法を検討して下さい。尚手続きに関しては会社に報告しなければならないパターンばかりです。自分自身で役場に行かなくても問題はありませんが、会社にはしっかりと支払の方法を伝えて退職しておく事が大切です。退職しても前年所得があれば住民税は発生する冒頭でも解説しましたが、住民税は基本的に後払いの感覚です。勤めている間に天引きされているのは昨年度の住民税ですので混同しない様にして下さい。特に次の就職先が決まっていない方、結婚などで専業主婦(夫)になる方、パート、アルバイトになる方等は収入が無い中で納税を強いられます。どれ位納税するかは今天引きされている金額を確認するか、6月に会社から受け取る住民税の決定通知書に記載がありますので、確認しておきましょう。退職後の住民税に関するまとめ今回は退職した後の住民税について解説してきました。特別な手続きなどは必要ありませんが、ちゃんと納税できる様にお金の確保をしておく事が重要ですので、退職前にしっかり確認しておきましょう。
2019年12月09日ふるさと納税を実施すると、一定の基準に従って算定した基準額まではその全額が所得から天引きされます。具体的には、この仕組みにより所得税と住民税が減少します。この2つのうち、特に安くなるのが住民税です。そこで、今回はこの納税を利用することで、主に住民税が安くなる仕組みと計算方法について記述いたします。ふるさと納税のメリット及び所得控除の仕組みふるさと納税の所得控除を行うための手続きふるさとチョイスワンストップ特例の利用方法ワンストップ特例制度を利用するケースでは、通常の場合と違い確定申告をする必要はありません。ただ、その代わりに特例制度の申請書と「マイナンバーおよび本人を確認できる書類の写し」を、ふるさと納税を行った先の市区町村に送付する必要があります。税金の手続き自体は免除されない確定申告不要でも税金に関する手続きが免除になるわけではない点に注意です。また、期限は寄付した翌年の1月10日までです。手続きのタイミングも確定申告より早いので、利用される方は年末から準備しておきましょう。注意点ふるさと納税の所得控除の仕組みで勘違いしやすい部分や間違いやすい部分を、注意事項として下記の4つにまとめました。こちらも上記の部分と合わせて気をつけて下さい。所得控除が二段構えになることをしっかり理解する所得控除というと還付金を想像される方が多いと思います。しかし、上記のようにふるさと納税の所得控除の還付金として返還されるのは所得税のみでその金額は少額です。大半の所得控除は翌年の住民税額から天引きされます。「還付金が少ない!」と翌年になって慌てないように二段構えの所得からの天引きの仕組みをしっかり理解しましょう。確定申告するケースとワンストップ特例制度を利用するケースを混同しない上記の二段構えの所得控除は確定申告時の話で、ワンストップ特例制度利用時は住民税からの天引き一本です。ですので、ワンストップ特例制度を利用した場合は翌年の還付金でふるさと納税分の還付金は一切ありません。これらを混同して「還付金が全くない!」と翌年になって慌てないように気をつけましょう。正確な金額は税理士に相談する上記で計算したのはあくまで概算金額です。住民税額を確認できるシミュレーション機能もご紹介しましたが、これもあくまでシミュレーションであり正確な金額ではありません。正確な金額を確かめたい場合は税理士に相談して確認するようにして下さい。ふるさと納税の趣旨は地方創生ここまで所得控除のメリットについて主に記載してきましたが、ふるさと納税の趣旨は地方創生です。返礼品や所得控除のお得感にだけ目を奪われるのではなく、自分が応援したいと思える市区町村を選ぶことも大切です。ふるさと納税で住民税が安くなる仕組みに関するまとめ所得控除には、医療費控除、住宅関連の控除など様々な種類があります。その中でも、ふるさと納税の所得控除の仕組みは一般の所得控除とは異なります。これをまず念頭に置いた上で控除の仕組みをよく理解し、控除金額の確認をするとよいと思います。ふるさと納税の所得控除の仕組みのポイントを押さえて翌年になって慌てないようにしましょう。
2019年12月09日今回は住民税の均等割について解説していきます。均等割って何?と思う方もいらっしゃるかもしれません。今一度、住民税の内容や仕組みを解説していきますので、最後までお付き合い下さい。住民税とはまず始めに住民税について簡単に解説しておきたいと思います。住民税はその年の1月1日時点において住民票の置いてある自治体に納付する事になる地方税に該当します。都道府県民税と呼ばれるいわゆる「県民税」と市区町村民税と呼ばれる「市民税」の2つで構成されており、それぞれ「所得割」と「均等割」という区分で計算され、これら全てをまとめて「住民税」と言います。納付方法は2種類あり、特別徴収、普通徴収に分かれます。特別徴収はお勤めの企業からの給与天引きとなり12カ月に渡り納める形となります。普通徴収は5月下旬から6月初旬にかけて納付書が自宅に届き、その通知に記載の期限内に納めます。原則6月、8月、10月、1月の4期に分かれており、都度納めるか、6月中に一括で納める事も可能です。住民税の計算方法は前年度の1月1日から12月31日までの課税所得に対して計算される仕組みとなっています。所得割と均等割の違いここからは「所得割」と「均等割」の違いについて解説していきます。所得割とは所得割とは課税所得に対して計算される為、金額に定めはありません。税率に関しては県民税と市民税とで分かれており県民税が4%、市民税が6%となり合計10%となります。またこの税率は平成30年度より政令指定都市のみ県民税2%、市民税8%と変更になっています。また各自治体によって税率を変更する事ができますが、最も高い所でも10.1%(兵庫県豊岡市)最も低い所で9.7%(愛知県名古屋市)でその他の自治体は全て10%になっています。均等割とは次に均等割について解説します。均等割は所得割と違って税率がありません。全国一律で県民税が1,500円、市民税が3,500円の合計5,000円が基準となっています。元々は4,000円でしたが、東日本大震災の復興財源として県民税、市民税にそれぞれ500円ずつ上乗せされています。この措置は2023年まで続きます。また所得割同様に各自治体で均等割額を変更する事ができ、最も高い自治体で6,200円(宮城県全域、神奈川県横浜市)となっています。最も低い自治体は複数ありますが、先程の5,000円が最低になります。参考までに対象の県は北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、福井県、徳島県、香川県、沖縄県が該当しています。ここまでが住民税に関する基本的な部分のお話です。分かりやすくする為、図にまとめましたのでこちらを参照下さい。尚、所得割、均等割は共に課税されますが、所得割は課税されず均等割のみ課税や、いずれも課税されないケースもあります。詳しくは後述していきますね。住民税の課税・非課税の対象基準についてここからは少し掘り下げたお話をしていきます。先程は所得割、均等割の違いについて触れましたが、この2つは課税されるケースと課税されないケースも存在します。これも1つの違いですよね。どんな条件であれば非課税になるのか等詳しく解説していきます。また住民税に関して、個人のみならず法人も対象となります。今回は個人を対象として解説を進めていきますね。[adsense_middle]個人の課税対象者の要件まず先に課税される方はどんな方なのかという事について解説しておきますが、基本的には前年度所得がある方は殆ど対象者となります。つまりサラリーマンはもちろん、個人事業主、パート、アルバイトも対象です。しかしパート、アルバイトの方はある一定の所得に満たなければ課税される事はありません。所得が高いほど税金は高額になる先にこちらの図をご覧ください。住民税が決まるまでの流れです。図の様に1年間の総収入、売上から所得控除を行い課税所得(税金を決める基準の事)を求めます。この課税所得が高ければ税率が10%であっても高い納税額になります。遡って総収入が高い方ほど高くなります。理由は控除にも限界があるからです。年収が高い方程高額納税者であるという事ですね。個人の非課税対象者の要件ここから非課税対象者に関する解説になりますが、少し計算式などややこしくなってきますので、一つずつ解説します。免税対象の世帯は?以下に該当する方、世帯は住民税が非課税となります。生活保護受給者の方障がい者、未成年者、寡婦(夫)で且つ前年度の所得が125万円以下の場合上記の様に経済的に納税が困難な方が主に対象となっています。今回解説している所得割、均等割共に課税される事はありません。非課税になる所得限度額は?先程の解説とは別になりますが、非課税になる所得について解説していきます。とは言え、所得も限度がありますので、一体いくらなら非課税になるのかを解説していきますね。均等割が非課税になるケース非課税対象も均等割と所得割双方に計算式がありますので、まず均等割から解説します。こちらの計算式が均等割が非課税になるケースです。課税所得金額≦35万円×世帯人数+21万円尚、世帯人数が2名以上でなければ21万円は加算されませんのでご注意ください。例えば単身者の場合は21万円が加算される事はありませんから、実際には35万円以下の所得であれば均等割は非課税となります。年収に換算すると、給与所得控除が65万円ありますので、合算すると年収100万円であれば均等割は非課税となる訳です。所得割が非課税になるケースこちらも計算式がありますので、ご紹介しておきます。課税所得≦35万円×世帯人数+32万円均等割非課税の計算式との違いは末尾の21万円が32万円になっている点です。先程単身者で計算しましたが、同じ要領で計算しても年収100万円以内であれば均等割同様に所得割も非課税となります。考え方として、均等割が非課税になれば所得割も同じく非課税になるとお考え頂ければ問題ありません。既婚者の場合は?既婚者でお子さんがいらっしゃるご家庭では計算式が少し複雑になります。一つモデルケースで計算してみたいと思います。夫、妻、子供2人の場合で試算してみます。まず均等割は161万円以下の所得であれば非課税となります。式は次の通りです。35万円×4名+21万円所得割は172万円以下であれば非課税になります。式は次の通りです。35万円×4名+32万円この時172万円と161万円の所得に11万円の差が発生します。もし課税所得が165万円と間に落ち着いた場合、所得割は非課税となりますが、均等割は課税されるという事になります。では次に具体的な年収いくらなら非課税になるのかを解説していきます。非課税になる年収をまとめてみました所得で言っても、分かりやすいのは年収だと思いますので、非課税の年収を表にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。この表に関しては均等割も所得割も非課税になるケースとして作成しています。またお住いの自治体などの計算変更等によっては該当しないケースも出てくる場合もありますので、あくまで参考程度に留めておいて頂ければと思います。また、この表記載の年収に関して、世帯全員が満たす必要がありますので、合わせてご注意下さい。住民税の均等割に関するまとめ今回は均等割に着目して解説してきました。全国一律で課税される為、所得による変動は受け付けません。また非課税に該当する場合とそうでない場合に分かれますので、ご自身の年収が該当するようであれば、事前に計算だけでも行って頂ければと思います。
2019年12月05日結婚している間は夫の扶養に入っていた人も、離婚すれば住民税を払うケースが多くなります。母子家庭にはいろいろな優遇制度がありますが、住民税にも優遇があるのでしょうか?ここでは母子家庭の住民税について解説します。母子家庭で住民税が免除になる条件についても説明しますので、シングルマザーの人、これから離婚を考えている人は参考にしていただければ幸いです。母子家庭の住民税が免除になる限度額は?シングルマザーというだけで住民税が免除になるわけではありません。免除になる条件を知っておきましょう。住民税とは?個人が払う住民税とは、道府県民税と市町村民税です。東京都の場合には、都民税と特別区民税になります。両方をまとめて、市町村に払う仕組みになっています。住民税は申告不要住民税は所得税と同様、個人が1年間に得た所得に対して課税される税金です。つまり、所得が発生すると、国に対しては所得税を納め、自治体に対しては住民税を納める必要があります。所得税については、自分で確定申告して納税するか、給与所得者なら源泉徴収により納税します。一方、住民税は所得税の申告時に申告された税額にもとづき、自治体が税額を計算して納税者に通知します。所得税の申告をしていれば、別途住民税の申告をする必要はありません。住民税は前年度の所得にもとづいて計算所得税は、今年度の税額は今年度の所得にもとづき計算する現年所得課税になります。一方、住民税は前年度の所得で今年度の税額が決まる前年所得課税です。住民税の納付方法住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収とは、年税額を4等分して納める方法ですが、一括納付も可能です。一方、特別徴収とは、年税額を12等分して、毎月の給与から天引きする形で納税する方法になります。会社員の場合には特別徴収が原則になりますが、新入社員は前年度の給与がないため普通徴収となり、2年目から特別徴収が開始されます。住民税の計算方法離婚したばかりの人は、住民税がいくらかかるのかが気になると思います。住民税は、均等割と所得割を合わせた金額になります。均等割…所得の多寡にかかわらず一律に課税される金額所得割…所得金額に応じて課税される金額均等割均等割額は次のようになっています。※東京都の場合には、都民税+特別区民税となります。所得割所得割は、次の計算式で計算します。所得割額=(前年分の所得金額-所得控除額)×税率-税額控除等標準税率は、道府県民税4%、市町村民税6%の合計10%です。住民税がかからない年収とは?住民税は収入が多少なりともあれば払わなければならないわけではなく、ある程度の収入までは税金がかかりません。給与収入のみの人の場合、住民税を計算する際には給与所得控除の65万円のほか、各自治体で設定されている35万円程度の非課税限度額を所得から差し引きできます。そのため、パートなどで年収100万円以下なら通常は住民税がかかりません。住民税非課税世帯とは住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税の世帯です。住民税非課税とは、均等割も所得割も課されていない状態を言います。非課税となる年収は家族構成によっても変わります。たとえば、独身の会社員の場合には年収100万円以下で非課税ですが、専業主婦の妻と子供が1~2人いる会社員の場合には、年収200万円を超えていても非課税ということがあります。住民税非課税の人とは?住民税が非課税で、均等割も所得割も免除になる人がいます。具体的には次の要件をみ満たす人です。生活保護法の規定による生活扶助を受けている人障害者、未成年者、寡婦または寡夫に該当する人で、前年の合計所得金額が125万円以下であった人前年の所得金額が(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)×35万円+21万円よりも少ない人、同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合には前年の所得金額が35万円以下の人(東京都23区、大阪市など)寡婦とは、夫と離婚または死別した後に再婚していない女性のことで、シングルマザーが該当します。所得金額125万円以下とは、給与収入のみの場合には204万4,000円未満となります。つまり、年収約204万円以下の母子家庭では、住民税は非課税になります。母子家庭の住民税の確認方法は?住民税は今年の年収で来年の課税が決まるため、年度の終わりには来年の住民税がかかるのかどうかが気になります。住民税の課税の有無について確認する方法を知っておきましょう。[adsense_middle]住民税非課税かどうか確認するにはシングルマザーが住民税非課税かどうかは、給与所得者の場合には源泉徴収票を見ればわかります。源泉徴収票の給与所得控除後の金額が125万円以下なら住民税はかかりません。出典:国税庁(筆者により一部加筆)個人事業主やフリーランスで確定申告をしている人は、確定申告書の所得金額の合計が125万円以下なら住民税非課税となります。出典:国税庁(筆者により一部加筆)令和3年からは所得135万円以下に引き上げにシングルマザーが住民税非課税となる所得は、令和3年以降135万円以下に引き上げになります。ただし、給与所得控除が10万円引き下げになるので、住民税非課税になる年収(204万4,000円未満)は変わりません。未婚のシングルマザーも住民税非課税の対象にこれまで住民税非課税の対象となる寡婦には、未婚のシングルマザーは含まれていませんでした。同じシングルマザーでも、結婚歴がなければ離婚や死別のシングルマザーよりも住民税の負担が大きくなってしまったのです。住民税の課税状況は、公営住宅の家賃や保育料など他の行政サービスの優遇にもつながることから、未婚のシングルマザーは大幅に不利な状況になっていました。自治体によってはこの不平等を解消するために、未婚のシングルマザーにも寡婦控除をみなし適用する形によって対応していたところがあります。税制改正により、令和3年以降は未婚のシングルマザーでも要件を満たせば住民税非課税となります。未婚のシングルマザーが住民税非課税となる要件未婚のシングルマザーが住民税非課税となるには、年収135万円以下で、児童扶養手当を受給している必要があります。事実婚状態である場合には児童扶養手当は支給されないので、年収135万円以下でも住民税非課税にはなりません。母子家庭で住民税を払うときに知っておきたいこと普通徴収の場合には役所から納付書が送られてくるので、納付書を使って銀行やコンビニで住民税を納税します。住民税を納税するときに、得する方法や便利な方法を知っておきましょう。住民税はクレジットカードで払える?住民税は現金以外にクレジットカードで納税ができることもあります。ただし、すべての自治体でクレジットカード納税に対応しているわけではありません。クレジットカード払いができないか、役所のホームページなどで確認してみましょう。住民税をクレジットカードで払うと、ポイントが貯まるというメリットがあります。もちろん、クレジットカード払いした税金分は後で確実に引き落としができるよう口座に入金しておきましょう。住民税をペイジーで払えることも住民税の納付書にPay-easy(ペイジー)マークが付いていれば、インターネットバンキングやATMから納税ができます。特に、インターネットバンキングを使えば、自宅にいながら税金の払込ができるので便利です。セブンイレブンなら電子マネーnanacoで住民税を払える納付書を使って住民税をコンビニで払う場合、セブンイレブンなら現金払い以外に電子マネーnanacoでの支払いが可能です。住民税をnanacoで支払えばポイントが付くため、その分お得になります。住民税が予定通り払えないときには?母子家庭でも、住民税非課税でなければ住民税を払わなければなりません。しかし、普通徴収の場合には年4回の納付なので、1回あたりの納税額がかなり大きくなり、支払いが困難なこともあります。住民税を指定された通りに払えない場合、ほとんどの自治体で1か月ごとの分納が可能です。納付書の金額が払えそうにないときには、役所に分納の相談をしましょう。住民税非課税の母子家庭にはどんなメリットがある?住民税非課税の母子家庭には、様々な優遇があります。[adsense_middle]0~2歳の保育料も無料2019年10月より、国の幼児教育・保育の無償化が開始したことから、幼稚園・保育所・こども園の3~5歳児クラスの利用料は全員無料になりました。さらに、住民税非課税世帯の場合には、0~2歳児クラスも無料になります。母子家庭だからこそ、子供を預けなければならない必要性が高いはずです。住民税非課税なら子供が小さくても保育料の負担なしで働けます。給付型奨学金が利用できる低収入の母子家庭から子供を大学に進学させるときには、奨学金の利用を考えることが多いでしょう。日本学生支援機構の奨学金には返還義務のない給付奨学金があります。給付奨学金を利用するには家計基準として親の収入要件がありますが、住民税非課税世帯もしくはそれに準ずる世帯なら収入要件を満たします。特に、住民税非課税世帯はもらえる金額も多く、子供の進学費用の負担を大きく軽減できます。たとえば、住民税非課税世帯から子供を下宿させて私立大学に通わせる場合には、月額7万5,800円(2020年度)の給付奨学金がもらえます。母子家庭の住民税に関するまとめ母子家庭のシングルマザーは、年収204万円程度まで住民税がかかりません。収入が少ないと生活していく上では大変ですが、住民税非課税の場合には保育料や奨学金などが優遇されます。母子家庭になったら収入を増やしていくことが大事ですが、収入の少ない間は優遇制度を活用して乗り切りましょう。
2019年11月27日今回は住民税納税の方法について解説していきます。どの様な納税の方法があるのか、またメリット・デメリットを含め、また住民税についておさらいしながら進めていきたいと思います。住民税という税金まず住民税という税金について解説をしておきます。住民税はその年の1月1日に住民票を置いてある自治体に納税します。納税額は前年度の所得に応じて計算されます。ここでサラリーマン、パートといった勤務形態の方と個人事業主、フリーランスといった方と納税の方法が異なってきます。サラリーマンと個人事業主の納税の違い納税額が決まったらどうやって納税するかという事になります。お勤めによって異なりますが、サラリーマンの場合は「特別徴収」という納税方法になり、個人事業主の場合は「普通徴収」という方法になります。読み方は違えど納税する事に変わりはありません。どのような徴収方法なのかを次で説明していきます。普通徴収とは先程も説明しましたが、個人事業主、フリーランス、または生命保険募集人などの企業に勤務しているお給料が歩合制の方等が主に該当します。この方々は必ず「確定申告」を行わなければなりません。前年度の売上を元に所得控除等で控除し、更には経費を差し引く事もできます。最終的に残った課税所得に対し所得税や住民税が決定される仕組みとなっています。ここで決定した住民税は普通徴収の場合、「納税通知書」と呼ばれる通知書が6月に自宅に届きます。4期に渡り納税期日が決まっていて、原則6月、8月、10月1月の指定された日付までに納税しなければなりません。納税は各個人で納めなければならず、納税する手段として自治体の役場、地元の銀行、コンビニ、最近ではオンラインでクレジットカード決済も可能となっています。また4期に渡っての納付書が添付されていますが、一括で納税する事も可能ですし、2期分、3期分をまとめて支払う事も可能です。普通徴収のメリット・デメリットは?個人で直接納税する場合のメリットとデメリットについて説明します。メリット余裕があれば一括で納める事ができるので失念するリスクを回避する事ができるクレジットカード決済が可能な為、ポイントが付与されるコンビニ払いだと全国のコンビニで対応できる為、出張先でも納税できる以上がメリットです。やはり一括で納める事が出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。またカード決済ができますので、各カード会社が付与しているポイントが付く事も今の時代では大きなメリットと言えます。デメリット個人で直接納税する為、期日の失念がある期日を超えた場合、延滞金として増額される事もある納税通知書が無ければ納税できない忘れた頃にやってくる以上がデメリットです。特に期日忘れは多く、うっかり忘れていると後日自宅に督促状が届くことになりますので、慌ててしまう事もあります。私も過去普通徴収で納めていた事もありましたが、うっかり忘れて「しまった!」と思った事もありました。この時は延滞金こそかかりませんでしたが、申し訳なかったと反省した記憶があります。また、送られてきた通知書が無ければコンビニも銀行も受付してくれませんので、紛失しない様にしておかなければなりません。3月に確定申告が終わったと思ったら、6月に通知書が来ます。気が緩んだ瞬間でしょうか、通知書が来た時には義務とは分っていても嬉しくないなぁと思った事もありました。また納税をかなり放置してしまうと、資産の差し押さえ等最悪なケースに発展する事もありますので、納付期限は守る事が大事です。一括納付の利点は?割引あるの?普通徴収のメリット・デメリットを解説しましたが、一括で納付する事もできる事を書きました。よくある質問ですが、一括だと割引ありますか?と聞かれます。答えは「ありません」。以前までは若干の割引があったようですが、今はその制度は無くなり、割引という利点は消えています。但し先程も申し上げたように、1年分を一回で支払う事に関しては、支払い忘れが無くなりますので、支払額が問題無ければ一括で納める事が望ましいでしょう。特別徴収とは特別徴収は主にサラリーマンやパート、アルバイトの方が対象になります。お給料を支払う企業が従業員に代り納税する方法が特別徴収です。普通徴収では4期に渡る納付書が送られてきますが、特別徴収は12ヶ月に渡って給与から天引きされる仕組みとなっています。住民税の計算は普通徴収と変わりはありません。また平成29年度より特別徴収の義務化が徹底されました。それまでは特別徴収を導入している企業も多くなく、納税を管理する側の立場からすると、納付の失念や遅延を極力避けたい為、また納税を強化するために義務化となりました。[adsense_middle]特別徴収のメリット・デメリットは?ここからは特別徴収のメリット・デメリットについて説明します。メリット会社が代りに納税してくれる為、支払い忘れが無い12カ月に渡って給与天引きの為、納税の負担が軽いメリットは2つ。共に従業員の方の負担が軽くなるといった点が挙げられます。何より支払い忘れが無い点は普通徴収と比べて大きなメリットと言えます。また強制的に12カ月に渡る事になりますので、負担も軽く、給与から天引きされていますので非常に分かりやすいですね。デメリット給与天引きでクレジットカード納付の方法が取れない副業していれば会社にバレる可能性がある企業側の手続きが大変であるデメリットは3つですが、普通徴収に比べればそこまで大きなデメリットではないかと思います。しかし、最近では副業を行う方も多く、2か所からの給与を得るとなると、それぞれ住民税の計算を行う事になります。結果、勤務先の会社に住民税が合わないという事で副業が明るみになる事も。この場合、特別徴収から普通徴収に切り替えれば大丈夫ですが、会社を通じて申し出なければなりませんので、ご注意下さい。特別徴収と普通徴収に大きな違いは無いこれまで2つの徴収方法について解説してきましたが、税額に違いは無く、どちらかが得をする損をするといったものではありません。誰が支払うのかという事の違いだけですね。後のクレジットカードが使える等の違いはあるにせよ、置かれた状況の中でしっかりと納税を行っていきましょう。個人的なエピソード私もかつて普通徴収で納税していた頃のお話を少しお披露目したいと思います。随分以前になりますが、生命保険募集人をしていた頃、お給料は歩合制でした。前年度のお給料(所得)が高く、翌年の売り上げは低かった為、予想外の住民税に驚きました。4期に渡って納めると言っても、低い売上の中から高額な住民税を納めることは当時の私にとってかなり厳しい金額でした。そこで役場に相談に行き、事情を説明し、何と12カ月に渡って分納する事ができました。役場から貰ったのは12ヶ月に渡る納付書でした。さすがにここまでやって貰って支払い忘れは出来ないと、いつもより気を張っていた事を思い出しました。私の様にケースによっては分割に応じてくれる事もありますので、少し厳しいなと思ったらすぐに相談に行った方が良いですね。住民税の特別徴収に関するまとめ今回は特別徴収と普通徴収の違いについて解説してきました。大きな違いこそありませんが、この税金が無ければ私たちの生活に大きな支障が出る事は必至です。しっかりと納税し有効に使って頂きたいですね。
2019年11月22日今回は会社員向けの記事になります。テーマは住民税です。ご存知の通り日本には様々な税金があります。その中の一つである住民税について知っておくと便利な知識を今回は解説していきますので、特に新社会人になった方、転職をお考えの方は是非ご覧下さい。住民税とはどんな課税?始めに住民税についてお話しておきます。訳も分からず税金を納めるより、分かって納税しておきたいですよね。そもそもですが「税金」の役割は周知のとおり、私たちの生活に纏わる様々なサービスを負担してくれる財源を指します。例えばごみの回収や公共施設の維持管理等です。他には道路の整備、警察、消防、救急等の経費など多岐に渡るものです。その一部を負担しているのが住民税になります。もう少し具体的に解説していきますね。住民税の詳細について1月1日現在に住民票の置いてある自治体に対し納める税金で、「都道府県民税」と「市町村民税」の2つを合わせたものを住民税と言います。住民税は前年度の所得に応じて計算され翌年支払う事になります。計算される過程で「所得割」部分と「均等割」部分に分かれ、合算したものを徴収される事になりますが、徴収の方法としては給与天引きされる特別徴収か、確定申告が必要な方は自分で納める普通徴収となり、今回テーマのサラリーマンであれば殆どの方は特別徴収に該当します。住民税の請求、支払いまでを図解します住民税が計算され、支払いに至る過程を図解説明していきます。後程気を付けておきたい事も解説しますのでご一読下さい。住民税はいつから発生するの?初めて社会人になる方必見!住民税は一体いつから納めなくてはならないのでしょうか?特に新卒の方等は分からない事もあるかもしれませんね。ひょっとするとアルバイト等で住民税を引かれている方もいらっしゃるかもしれません。今一度計算される期間を図にしてみましたのでこちらをご覧下さい。これは今年を対象にした図ですが、2019年に受け取ったお給料をベースに計算される事になります。そして計算された金額は来年の6月からの支払いスタートとなりますので、計算が終わって新年度に入り半年後に支払いが発生するという事になる訳です。前年の年収?給料?所得って何?ここで一度所得について触れておきます。先程の図では前の年の所得を元に計算されるイメージを表しています。混同し易いのが年収という言葉です。ここで改めて用語について解説しておきます。年収はお給料、ボーナスの総額を指します。例えばボーナス無しで毎月総支給額25万円だったとします。年収は25万円×12カ月=300万円になるという事です。ここでは社会保険など引かれる前の金額で計算しますので注意しておきましょう。所得とは年収から所得控除を差し引いた残りの金額を指します。細かく言うとこれを課税所得と呼びます。住民税や所得税等は、この課税所得に対し決められた税率を掛ける事になります。住民税の計算はこんなイメージですこちらの図をご覧ください。先程の図と併せてご確認頂けると分かりやすいかもしれません。まず年収の総額があって、所得控除を差し引きます。主な控除は基礎控除や生命保険料控除、社会保険料控除等様々あり、個々によって利用できる控除は異なってきます。そして課税所得が計算されたら、そこに対し所得割の計算が先に発生します。この所得割に関しての税率はこちらの図をご覧ください。全国で殆ど一律での税率となっており、最も高い所で10.1%、低い所で9.7%となります。平均して10%で考えて頂ければ問題は無いでしょう。この所得割額が計算された後に更に税額控除と言って、身近なものでは住宅ローン減税があり、住宅ローン減税含め約19種類にも登る最終控除が発生し、その後に住民税の納税額が決まる流れとなっています。住民税の支払いは2種類冒頭で触れましたが、計算された住民税を納める方法は2種類ありましたね。もう少し詳しく解説しておきたいと思います。企業が代行して納税する特別徴収サラリーマンやパートさんの方が殆どです。お勤めの企業が従業員に代り、住民税を納める方法です。給料明細などに記載されてある事で納税額を確認する事ができ、給与天引きとなるため支払いの失念が無い事が特徴です。また12カ月に渡って支払う事ができますので、大きく引かれる事もなく支払いの負担は軽いでしょう。納付書を使用し直接納税する普通徴収サラリーマンの中には確定申告を必要とする方も中にはいらっしゃいます。生命保険募集人さんは正にそうでしょう。この場合、自分や税理士を通じ確定申告しますが、この際に計算された課税所得に対し毎年6月に納付書という書類が送られてきます。4期に渡り納付する書類が入っており、6月、8月、10月、1月の納付期限が決められています。この納期に従って住民税を納めますが、一括で4期分納める事も可能です。但し、自分で納めなければならない為、うっかり納期を忘れてしまう事もあります。支払える時に納めておきたいですね。住民税の計算は所得税の計算過程と同じこれまでは住民税の計算期間から計算方法、納税までを解説してきましたが、実は住民税は所得税の計算の流れと全く同じなんですね。違いは税率くらいです。基本的に納税額を計算する場合は先程の図に則り控除を差し引いて計算されます。年収が高い方、控除が少ない方は納税額も高くなりますし、同じ年収でも控除が多い方は納税の金額にも差が出てきます。この年収が高い事による事例を次に解説していきます。転職をお考えの方は是非ご覧ください。[adsense_middle]転職する際に気を付けておきたい事最近では仕事も多様化してきて、転職や自営業になったりと様々な仕事の選択肢があります。その際に気を付けておきたい事を解説します。転職を例に挙げてみると、以前までの勤務先での年収が高い場合、翌年支払う住民税が高いままであるという事です。具体的に言うと、年収800万円あった会社から年収500万円になるケースなどです。これは極端かもしれませんが、住民税は前年度の所得に応じて計算され翌年支払いを開始する仕組みです。前年まで800万円での年収に対する所得は高額な金額が想像できますね。そして年収がダウンして手取り額も下がったタイミングで、前年度の住民税がやってくる事になります。支払い終えるまでは家計にも響くケースだってあるかもしれません。また自営業に転身した場合、売上が少ないタイミングで前年の住民税が大きくのしかかるケースもあります。特に年収が高い方は、しっかりと納める金額を把握して翌年の納税に備えるのがベストだと思います。退職する際にも気を付けて実は退職も気を付けるべき点はあります。退職後、新たに就職先がある場合は大丈夫かもしれませんが、無職でいる場合でも容赦なく住民税の納付はやってきます。前年までは給与もあったけど、今年は仕事せずにゆっくりしたいと思っても、前年に計算された住民税は忘れた頃にやってきますので、納める金額の蓄えはしっかりと持っておきたい所ですね。住民税はいつから納税するかに関するまとめ今回はサラリーマン、新卒の方向けに住民税に関する解説を行ってきました。特に転職や退職時には気を付けておきたい所ではあります。また年収のアップダウンが大きい給与体系なども注意が必要です。税金とは言え、滞納しすぎると大切な財産さえ差し押さえられてしまいますので、退職、転職はしっかり準備して行って下さいね。
2019年11月14日今回は住民税が免除される要件等について解説していきます。基本的に住民税は所得に応じて計算される仕組みです。いくらの所得であれば課税非課税のラインなのか、そもそも所得をコントロールできるのか等様々な疑問について解説しますね。始めに年収と所得の違いをおさらいしますよく「年収」いくらだったらとか、計算では「所得」がいくらであれば非課税になります等、ネットで検索すると出てきますよね。ここでは年収と所得の違いについて先に解説していきます。年収とは1年間で得た収入の総額を指します。サラリーマンの場合総支給額で計算され、ボーナス等も含まれます。ここでは社会保険料など引かれる前の金額を意味しますので比較的計算しやすいでしょう。所得とは、年収から所得控除を引いたものを指します。所得控除には配偶者控除、社会保険料控除、基礎控除、生命保険料控除等様々あり、控除額が大きければその分納める税金も安くなる仕組みとなります。住民税は所得に応じて計算されます。また、各家庭によっては控除の適用も異なる為、一概に年収が同じでも異なる事になります。個人事業主の方は確定申告をしなければなりませんので、所得控除に加え、経費を差し引いて所得を計算します。この経費がいくらかかったかによって所得金額が変わります。コントロールできると言えばできるかもしれませんが、使っていない経費などを計上する事はできませんので、気を付けるべき点ではあります。住民税が非課税になる対象は?ここから本題に入っていきます。住民税が非課税になると言っても内訳は様々あります。こちらの図をご覧ください。ご覧の様に都道府県民税と市町村民税に分かれ、更に均等割、所得割と分類されます。何がどうなっているのか少し詳しくお話しておきます。均等割は一律で課税されるもので、一般的に都道府県民税が1,500円、市町村民税が3,500円となっており、自治体によって税率を変え上乗せで徴収する事もできます。所得割は全国で10%となっており、こちらも均等割同様自治体によって税率を変える事は可能です。一般的には都道府県民税が4%、市町村民税が6%の割合です。均等割、所得割いずれも前年度の所得に応じて計算されますので転職や退職時には気を付けておきましょう。さて、この住民税が非課税になる対象ですが、先に課税されない収入を解説し、後に収入の基準を解説していきますね。課税されない収入は何?課税される事のない収入ですが、失業保険の給付金や生活保護の給付金が挙げられます。国の補助である制度からは課税は免除されます。障害年金や遺族年金も非課税?皆さんは障害年金、遺族年金という言葉をご存知でしょうか?これは国が定める障害認定に該当した場合、国から年金が支給される事になります。また、遺族年金は配偶者のどちらかが亡くなった際に国から年金を受給する事ができる制度ですが、この年金に関して住民税が掛かる事はありません。課税されない世帯や所得基準は?ここからは非課税になる対象世帯や非課税になる対象所得について解説していきます。非課税になる対象世帯は?住民税が非課税になる対象世帯は次に該当する方になります。生活保護を受給している障がい者、未成年者、寡婦(夫)で且つ前年度の所得が125万円以下の場合※寡婦(夫)とは配偶者と死別若しくは離別した独身の方の事です。【前年度の所得が次の金額以下の場合】控除対象の配偶者や扶養親族がいる方35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計)+21万円控除対象の配偶者や扶養親族がいない方35万円上記に当てはまる方は住民税の均等割、所得割共に課税されません。尚、所得割のみ課税されないというケースもありますので以下にその要件を記載します。控除対象の配偶者や扶養親族がいる方35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の合計)+32万円控除対象の配偶者や扶養親族がいない方35万円尚、今回使用した計算式は東京23区の場合です。お住いの自治体によって若干計算式も異なる場合がございますので、ご確認下さい。非課税になる対象所得は?次に非課税になる対象所得について解説します。特にパート勤務等されている方は参考にして頂ければと思います。結論から言えば、前年度の総収入が100万円以下(細かく言うと98万円)であれば住民税は非課税となります。あれ?103万円じゃなかったっけ?とお考え違いの方もいらっしゃるかもしれませんので、補足しておきたいと思います。所得税の103万円の壁と住民税の100万円の壁タイトルの通りですが、103万円は所得税が非課税になる金額の事を指します。住民税は100万円となっており、混同しやすいですよね。何故この様に金額が異なるのかと言いますと控除される額が異なる為です。その計算に関して次で解説しますので、覚えておいて頂ければと思います。控除に関する計算式まず所得を計算するにあたり、基礎控除というものがあります。これは誰でも同じ金額で38万円となっていますが、住民税に関する基礎控除は実は33万円なんです。この差によって103万円と100万円の違いが発生する事になる訳ですね。事例で解説します。パート勤務Aさんの場合Aさんの前年度総収入が98万円でした。翌年の住民税を計算する場合次の計算式になります。年収98万円-所得控除65万円-基礎控除33万円=0この様に0円となりましたので非課税になります。所得税ですと、上記の所得控除と基礎控除の合計金額が103万円になりますので、103万円以下に抑えるという事になります。気を付けるべきは100万円以上103万円未満に年収が収まった場合は住民税が課税される事になりますので、出勤時間などの調整で収入を調整して頂く必要は出てくるかもしれません。所得税と住民税では控除額が異なる今回を機に一つ覚えておいて頂きたいのは所得税と住民税では控除額が異なるという事です。基礎控除もそうですが、身近なものとして生命保険料控除も異なります。少し計算間違いをしやすいですが、気になる方は是非チェックしておきましょう。また余談ですが、来年度から所得税、住民税の基礎控除額が変更となります。しかし103万円、100万円と明らかに変化するものではありませんのでご参考までに。住民税が非課税になるメリット・デメリットは?ここからはメリットとデメリットについて解説していきます。非課税なのは嬉しいけどどうなんだろうと思う方は是非ご一読下さい。[adsense_middle]非課税のメリット住民税が非課税になった場合の主なメリットは以下の通りです。高額療養費制度利用時の自己負担額が少額国民健康保険料の減免NHK受信料の免除保育料の減免上記が主なメリットですが、具体的には1の高額療養費自己負担額は35,400円となります。また国保ですが、これは自治体において申請が必要ですので、お住いの自治体に確認頂く必要があります。そしてNHKの受信料に関しては、世帯構成員のどなたかが、障がい者手帳を保有し、且つ世帯全体が住民税非課税の場合であれば免除されるそうです。お子様のいる世帯でしたら、所得に応じて保育料等も変わりますので役場などに確認されてみて下さい。一番心配な治療が出来るのかという点においては大きいと思いますし、70歳以上であれば24,600円と高額療養費自己負担額が更に減額となりますので、覚えておいて下さいね。非課税のデメリット非課税のデメリットについてはそんなにありませんが、気を付けて頂きたいのは、今流行りの「ふるさと納税」を行っている方は損をするという事です。理由は、そもそもふるさと納税はお住い以外の自治体に納税する事によって住民税の控除が受けられます。しかし、非課税ともなれば控除される事はありませんので、仮に1万円のふるさと納税を行っても、1万円の自己負担なだけになりますのでご注意下さいね。住民税非課税世帯に関するまとめ今回は住民税の非課税に関する解説でした。所得によって非課税になるラインなどがお分かり頂けたかと思います。特にパート収入の方等は金額をしっかりと押さえておいて下さいね。
2019年11月11日かつて高い資産価値を誇っていたはずの不動産も、近年では少子化による「家余り」で売るに売れない「負動産」になるケースが増えているという。「不動産」ならぬ「負動産」とはなんだろう。「一般的に負動産とは、『持っているだけで資産的にマイナスになる不動産』のことを指します。もっともイメージしやすいのは、地方にある戸建ての空き家でしょうか。もともと住んでいた親は亡くなったものの、売却もできず子どもが固定資産税を払い続けているような状態は、負動産の典型例です。また、それに限らず『いまよりも価値が下がっていく不動産』も、大きな枠で負動産に該当すると私は考えています」そう語るのは、負動産問題の専門家で、相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄さん。すでに国内にある「所有者不明」の土地は九州の面積を超す広さに達しているが、藤戸さんは「今後はさらに、マンションも含めた負動産が大幅に増加していくでしょう」と警鐘を鳴らす。具体的に負動産になりやすい物件とはなんだろう。「地方の戸建て」がその典型例というのは冒頭のとおりだが、「そのマイナス面は、資産価値に乏しいことや固定資産税がかかることだけに限りません」と藤戸さん。「木造家屋は湿気に弱く、人が住まなくなると1年足らずで朽ち始めてしまうことも。『特定空家』にならないためには、定期的なメンテナンスが必要です。年に数回、誰も住まない実家の手入れをしに行くというのはよくある話。遠隔地であれば交通費だけでもかなりの出費になりますし、地元の不動産業者に管理を頼めば月々の手数料も発生します」そのほか負動産の典型として藤戸さんが挙げるのが、「老朽化した分譲マンション」と「別荘・リゾートマンション」だ。「高度経済成長時代に大量供給された分譲団地タイプのマンションは老朽化が進み、建て替え問題が発生しています」しかしマンションの場合、一つの建物を複数の権利者で共有する「区分所有」が一般的。「建て替えには原則的に所有者および議決権の5分の4の賛成が必要ですが、入居者の高齢化もあって実現しづらいのが現状です。では、建物を解体して敷地を売却してはどうかというと、こちらは原則全員の同意が必要で、さらにハードルが上がります」こうした物件を相続すれば、売却もままならず困惑する羽目に。さらに相続後に大規模修繕が発生し、数百万円単位の拠出を求められることもありうるという。「別荘については、外国人に人気の一部の場所以外は、過疎地の戸建てと似たような状況です。バブル時代に乱立したリゾートマンションは、価格が暴落しているいっぽうで、温泉など豪華な共用施設にかかる管理費は非常に高額になります。まさに、所有しているだけでお金だけが出ていく負動産です」つづいて藤戸さんが「近い将来、負動産の主流になるのでは」と予測するのが、老親が経営しているアパートだ。「’15年の相続税法改正前に、ハウスメーカーや銀行が『相続税対策』とはやしたてた結果、地方でも古くなった自宅を建て替えてアパートにする人が急増しました。しかし人口は減少しているので、すでに空家率は激増しているというデータもあります。このままでは家賃収入が減るばかりか、アパートを建設したときの借金が返済できなくなる可能性も」さらには開発がつづく都心のタワーマンションですら、将来的には負動産になる可能性を秘めているという。「だいたいマンションは12年に1回程度で大規模修繕を行いますが、3回目の大規模修繕を迎えるころには老朽化によって修繕費は大幅に上がる傾向に。東京の広尾や恵比寿など、よほどいい立地ではない限り資産価値が維持できず、老朽化マンションと似た道をたどると予想されます」最後に、盲点なのが都市部の農地だ。「’92年に『生産緑地法』が改正され、主に大都市圏の市街化区域にある農地は、宅地化を進める農地と、農地として保全する農地(生産緑地)に分けられました。この『生産緑地』に指定されると固定資産税が極めて安くなるなどのメリットがあるのですが、そのいっぽうで30年間は農業を営むことが義務付けられていました。そして、この『生産緑地』の8割が、3年後の’22年に指定から30年目を迎えます。農業を継ぐ人がいなければ固定資産税は跳ね上がりますので、宅地として売却するケースが続出するでしょう。一説によると、東京ドーム2,200個分もの土地が一気に不動産市場に出てくると推測されています」これだけの土地が一気に放出されれば、大都市圏の不動産価格は暴落必至!もはや地方も大都市も戸建てもマンションも関係なく、実家が負動産になりうる時代に突入しているのだ。
2019年09月04日かつて高い資産価値を誇っていたはずの不動産も、近年では少子化による「家余り」で売るに売れない「負動産」になるケースが増えているという。「不動産」ならぬ「負動産」とはなんだろう。「一般的に負動産とは、『持っているだけで資産的にマイナスになる不動産』のことを指します。もっともイメージしやすいのは、地方にある戸建ての空き家でしょうか。もともと住んでいた親は亡くなったものの、売却もできず子どもが固定資産税を払い続けているような状態は、負動産の典型例です。また、それに限らず『いまよりも価値が下がっていく不動産』も、大きな枠で負動産に該当すると私は考えています」そう語るのは、負動産問題の専門家で、相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄さん。すでに国内にある「所有者不明」の土地は九州の面積を超す広さに達しているが、藤戸さんは「今後はさらに、マンションも含めた負動産が大幅に増加していくでしょう」と警鐘を鳴らす。「まず、負動産の増加を語るうえで切り離せないのが空き家問題です。主な原因は2つありますが、1つ目は人口減少と超高齢社会、さらに結婚数の減少による世帯数の減少です。国立社会保障・人口問題研究所が’18年に発表した『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』によれば、日本の世帯数のピークは’23年の5,419世帯と推計され、その後は減少に転じ、’40年には5,076万世帯になる見込み。世帯数が減ればそれだけ必要な家の数も減りますので、おのずと空き家は増えるでしょう」2つ目は、すべての団塊世代が’25年ごろまでに後期高齢者の仲間入りを果たす、いわゆる「2025年問題」。「縁起でもないことではありますが、世帯数が減り始めるのに高齢者世帯が増えるということは、高齢者が亡くなった後の家、イコール、空き家が増え続けるということです。野村総合研究所の’19年の予測によれば、『空家等対策の推進に関する特別措置法の影響や世間の注目により既存の住宅の除却や、用途転換が以前の見込みよりも進み、空き家急増シナリオは避けられたものの、’33年に空き家率は17.94%に上昇する可能性がある』とされています」総住宅数における空き家数および空き家率の推移は、加速度的に増加しているのは明らかだ。「いっぽうで、新築される住宅はそこまで減っていないのです。この先は多少減ると予測されているものの、空き家数の増加を考えると微減にすぎないといえるでしょう。日本は『住宅過剰社会』に突入しています」そこに追い打ちをかけるのが、若い世代の価値観の変化だ。「これまでの日本人は『不動産、とくに土地は、持っていれば将来的に価値は上がりこそすれ、下がることはない』という『不動産神話』のなかで生きていましたが、この神話はバブル崩壊とともに吹き飛びました。バブル崩壊後に生まれた世代もとうに大人になったいま、『子育て世代になったらローンを組んで住宅を購入する』という旧来のライフプランは、主流ではなくなるでしょう」すでに「若者がクルマを持たなくなった」といわれて久しいが、代わりに必要なときだけ利用できるカーシェアリングサービスが、人気を集めるようになった。「住宅も同じように、所有から利用へと変わってきているのです。今後ますます、不動産は供給過剰状態に陥ると予想されます」そうなれば当然、不動産市場全体が下落。藤戸さんは、都心の一等地にある実家でも負動産の予備軍になりえると指摘する。「すでに都心でも、木が鬱蒼と生い茂った空き家を目にするようになりました。相続争いなどの問題もあるのでしょうが、もし所有者や相続人たちが『場所がいいから、売ろうと思えば高く売れる』と思っているのなら大間違いです。需要自体が減っているなか、不動産業者もいつ空き家状況が解消するかわからない物件より、いま売りに出ている土地や家を優先して扱います。都心でさえすでに『その気になればいつでも売れる』などという時代ではなくなっているのです」
2019年09月04日こんにちは、婚活FP山本です。あなたは「独身税」を聞いたことがあるでしょうか?ざっくり「独身なら(割増の)税金が発生」というものです。少なくとも今のところ、そんな税金は日本にはありませんが、将来的には分からないかもしれません。もし実施されるとしたら……あなたはどう思うでしょうか?そこで今回は、この独身税について議論の背景や海外の実例、取り巻く可能性についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。実は日本でも独身税が議論されたことがある!まずは、日本における独身税の背景についてお伝えします。冒頭通り、独身税とは文字通り独身の方にかける税金です。こうすることで独身者に早期の結婚を促すと、少子化対策に繋がるという考えになります。今の日本でも、少子化は深刻な問題ですからね。また「既婚者の負担を軽減する」という目的もあります。結婚すると、特に教育費を中心に独身者よりも支出が増えますからね。既婚者の負担増を独身者に補ってもらいたいというのも税金の理由です。独身者は独身貴族として、少なくとも既婚者よりは余裕があるはずと考えられているのが理由になります。つまり、少子化対策と既婚者支援の一挙両得になりうる策が「独身税」です。どちらも十分な問題ながら効果的な策が中々見つからないため、過去には実際に日本でも独身税が議論されたことがあります。それほど、切羽詰まった状況とも言えるかもしれません。かほく市ママ課のお願いに過ぎなかった…が最近では2017年に、石川県かほく市のママ課(一種のボランティア団体)が、行政との意見交換会で「独身税」を要望したことで議論が再燃しました。「子育てで生活が苦しい。独身者に支援をお願いできないか?」という内容です。結局、実現しませんでしたけどね。あなたは、このママ課の要望をどのように感じましたか?少なくとも、未だに賛否の声があって結論は出ておりませんし、議論さえ進んでいません。もし実際に導入されたら、日本はどのようになるのでしょうね。海外で独身税が導入されたことがあった!次は、海外の実例についてお伝えします。実は海外では、実際に独身税を導入した国がいくつかありました。有名なところでは「ブルガリア」でしょうか。1968~1989年で導入されました。ちなみに導入の理由は、今の日本と同じく「少子化への対策」としてです。その結果は……大失敗となりました。導入前は2.18%だった出生率が1.86%に下がり、さらに結婚数自体も下がってしまったのです。増税で独身者がお金を貯めにくくなり、余計に結婚が遠のく結果になりました。出生率は「形だけの結婚」が増えたため……でしょうか。他にはフランスも有名かもしれません。ただ、どちらも現在は廃止されています。独身税の失敗は他にも原因があるのかもしれませんが、少なくとも上記の理由は十分にありえるでしょう。同じものを日本に導入したら、同じ結末を迎える可能性が高いかもしれません。独身税での結婚は少子化対策にならない?確かに子供を望むなら、まずは前提として結婚があるのは基本です。しかし、結婚したとしても子供をつくるかどうかは別問題と言えます。現に子供のいない夫婦も多いです。前例であるブルガリアのように、偽装のような形だけの結婚が増えるだけかもしれません。また仮に「子ナシ税」のようなものができたとしたら、独身税と同じく余計に子供を育てるお金や気力を失う結果になりかねないでしょう。少なくとも、海外の独身税のままの結婚では、少子化対策にはならないのかもしれませんね。独身税が日本で実現する可能性はゼロではない今度は、独身税が日本で実現する可能性についてお伝えします。結論から言えば、実現の可能性は「ゼロではない」と言えるでしょう。なぜなら「賛成意見も相応にあるから」です。否定意見ばかりならともかく、賛成も多いなら「議論の余地アリ」と言えますからね。そもそも、独身税以上の少子化対策……あなたなら、どんな方法を思いつきますか?「高額な出産祝い金」という手段が言われることもありますが、これはこれで一つの差別ですし財源も問題になります。何も対策を取らなければ、それだけ少子化が進んでしまいますね。既婚者の負担軽減についても、理屈は似ています。必要なだけ消費税を上げるなら、それはそれで問題でしょう。他に有効な策が見つからない以上、独身税が実現する可能性は残ると言えます。憲法違反という理由は変わることもある簡単に言えば、日本の憲法という最高の社会ルールで、国民は「法の下で平等」と保障されています。つまり「不合理な差別は認めない」というわけです。既婚と未婚、子アリと子ナシ、いずれも平等のはずなら、独身税は憲法違反になる可能性が出てくるのかもしれません。しかし憲法も絶対ではありません。直接の変更もあれば、解釈や裁判所の判断などによる変更もありえます。すでに「一定の差」もありますし、これが拡大される可能性もゼロではないでしょうね。年収が低い人ほど結婚すべきなのも事実さらに、独身税の効果である結婚への誘導や既婚者支援についてお伝えします。前者は、基本的にありえません。結婚するもしないも、本人の自由です。また既婚者は自由意志で結婚したはずなので、それで「生活や子育てが苦しい」などと騒ぐのは、自業自得と言えます。……ただ、年収が低い人ほど結婚すべきなのも一つの事実です。最終的に生活に困るのは、むしろ独身者になりますからね。そういう意味で、結婚への誘導は悪いわけではありません。また最終的に支援が必要になるのは独身者だからこそ、まずは既婚者を支援するのもアリと言えます。でないと、同様に自業自得と切り捨てられてしまうかもしれませんからね。結婚したくてもできない人を見捨てるのか?独身税を考える時には、「結婚したくてもできない人」への対処にも悩みます。もはや結婚は、頑張ったら誰もが普通にできることではありませんからね。同様に「本気で年収が低く、上がらない人」も沢山います。だから結婚できない人は、どうやって結婚したらいいのでしょう。少なくとも、皆に結婚を促し、皆で子アリ既婚者を支援すれば良いわけではありません。人も生き方も「多様化の時代」です。ぜひあなたも、あなたなりの意見を考えてみましょう。[adsense_middle]結婚税、独身控除ができる可能性もあるかも?最後に、独身税を考える時の注意点をお伝えします。今のところ、独身税は「独身者負担・既婚者優遇」という方向性です。このため、既婚者ほど独身税を歓迎しがちといえます。しかし今は3組に1組が離婚する時代ですから、「明日は我が身」で考えることも大切です。それに、すでに既婚者は「配偶者控除」「3号被保険者」などで独身者より優遇されています。平等を保つために「結婚税」ができるかもしれませんね。最終的に困るのは独身者だからこそ「独身控除」ができるかもしれません。こんな可能性もゼロではないでしょう。「保育園落ちた。日本死ね」のように、あなたの意見で国が動く可能性もあります。発信はもちろん自由ですが、客観性や思いやりの気持ちは忘れないようにしましょう。目先の税金や損得より長期的ライフプランを!仮に独身税が導入されたら、あなたは独身だったら結婚しますか?結婚税が導入されたら、既婚者なら離婚するのでしょうか?国がどうなるかは誰にもわかりません。ただ大切なことは、目先の税金や損得より、長期的に未来を見据えたライフプランによる判断です。独身税の導入などの可能性も踏まえつつ、しっかり未来を見据えて、結婚を含めた行動を考えていきましょう。独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題です。一方で年収が上がらない事、結婚したくてもできない事、教育費の負担感なども大きな問題といえます。この世は不十分で問題だらけですが、だからこそ国まかせにするのではなく、個人は個人で自助努力に励んでいきましょう。
2019年09月03日固定資産税は、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。一戸建てやマンションを所有している場合には、土地と建物それぞれに固定資産税がかかります。マンションにも同様に課税されます。不動産を共有している場合は、持分に応じて固定資産税がかかります。では、固定資産税はどのように算出されるのでしょうか。■ 1. 固定資産税とは固定資産税は先に述べたとおり、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。3年に1度見直しが行われています。固定資産税の納付書が送られてくるタイミングは、自治体によって多少異なりますが、毎年5〜6月頃に1月1日時点の所有者に対して送られてきます。年4回の指定月が期限となり、1回ずつ納めればいいようになっています。1-1.年の途中で不動産の所有者が変わったら1月1日時点の所有者に対し課税され、たとえ年の途中で不動産の所有者が変わっても支払い義務は1月1日時点の所有者となります。不動産の売買では一般的に、所有権の移転時を起点にし、移転時までを売主、移転後を買主の負担とし、日割り計算で買主が売主に支払うことが多いです。HappyRich / PIXTA(ピクスタ)1-2固定資産税の算定基準は固定資産税評価額固定資産税の税額の算出は、固定資産税評価額が基になっています。固定資産税評価額は実勢価格の70%程度を目安に決められます。実勢価格とは、実際の取引が成立する価格のこと。つまり、不動産の時価のことで、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格です。■ 2.固定資産税評価額hiroshi / PIXTA(ピクスタ)固定資産税評価額を知るにはどうしたらいいのでしょうか。2-1固定資産税課税明細書を確認する不動産の1月1日時点の所有者に対して市町村から送付される固定資産税課税明細書には、固定資産税評価額が記載されていますので、確認することができます。紛失の際には、不動産を管轄する区役所等で所得できます。取得には運転免許証等の身分証明書が必要となります。2-2固定資産税台帳を閲覧する各区市町村が所有する固定資産税台帳を閲覧して確認する方法もあります。毎年4月1日から第1期の納期期限日までの間、自分の土地と建物だけでなく、他の人の土地や建物の評価額も確認すること可能となります。帳簿所有者の情報は掲載されていませんが、評価額は掲載されています。料金は無料です。2-3評価額に納得できないときは評価額を確認して思ったよりも高いなど、納得いかない場合は、「縦覧制度」などで確認をしたうえで、各自治体にある固定資産評価審査委員会に対して不服を申し立てることができます。審査の申し出が可能な期間は決まっていて、その時期は各自治体で異なりますので、申請の際には期限を確認しましょう。■ 3.固定資産税を安くする方法がある評価額が高ければ高いほど、固定資産税は高くなります。居住用の家屋の敷地(住宅用地)については、固定資産税の負担を軽くするために住宅用地の課税標準の特例措置が設けられていますのでうまく使うべきです。特例の条件を満たす物件を購入することで、減税措置を受けることができます。HappyRich / PIXTA(ピクスタ)たとえば「小規模住宅用地」の特例措置があります。200平方メートル以下の部分は評価額の6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1が課税対象になるという制度です。また新築の物件なら、一般の住宅なら3年間、認定長期優良住宅のマンションなら最長7年間、固定資産税が半分になる制度も利用できます。これらの措置を受けるためには、適用要件があるためチェックが必要です。■ 4.まとめkawamura_lucy / PIXTA(ピクスタ)固定資産税は、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。算出は評価額を基に行われます。固定資産税の知識を知ったうえで課税標準の特例に該当する条件を備えた住宅選びを行えば、節税することが可能ですので、自分の土地や建物の評価額がいくらなのか確認しておきましょう。
2019年08月07日社会に出たころの貯金はゼロながら、億単位の資産を持つまでに至った女性がいる。そんな“億女”の言葉には、大いに学ぶべきところがある――。「22歳で結婚した相手は『宵越しの金は持たない』という人。その人の基準に合わせていてはいつまでもお金が貯まらないと思い、専業主婦だったとき、暑い日はエアコンの電気代を節約するためスーパーで過ごすという節約生活をしていたんです。それがある日ふと、生きている意味がわからなくなってしまって(笑)」いまや約5億円の資産を有する“億女”の熊谷和海さん(48)。癒し系の雰囲気をまとい、柔らかな語り口は、話しているだけで福を分けてもらえそうだ。現在、彼女が主宰するサロンや講演を行うセミナーも大人気。そんな熊谷さんの社会人としてのスタートは電話オペレーターの派遣社員。当時の年収は220万円ほどで生活をするのがやっとだった。しかし、今に通じるお金に対するマインドは当時からあった。「出社するとトイレ掃除を率先してやることにしていました。お金に好かれる基本として、家族から教えられていたことだったんです」熊谷さんは、資産管理に長けたおばあちゃんたちから、お金との付き合い方を自然と学ぶ環境で育ったという。「基本は『楽しくお金をつくる、使う』という考え方で、ごもく(京都弁でごみ)を買わないという姿勢は身についたと思います」そんな熊谷さんの転機は25歳のとき。「10年後も楽しく働ける仕事を探そう」と専門学校へ通い、ウェブ制作とコンサルティングを学んだ後、大手製紙企業のグループ会社に転職をはたす。「制作の現場だったので、デザインや技術も学べる絶好の機会だったのですが、ほどなく妊娠が判明。肩たたきにあってしまったんです」その後も夫の転勤に伴い全国を転々。そのたびにキャリアが寸断されてしまう……。悶々とした思いで札幌に赴任した27歳のとき一念発起。全国にいる優秀なデザイナーのマネジメントを行うアウトソーシングの会社を起業する。「そのとき面倒を見てもらっていたメンター(師匠)は仕事で知り合ったコンサルタントの方でしたが、『毎月車1台分くらい稼ぐ自分を想像しなさい』と助言されたんです。成功しているメンターの存在は大きかったですね」当時普及しはじめていたインターネット回線を駆使し、獲得した仕事を全国のワーカーに振り分けていく。ご縁を大事にする熊谷さんの姿勢は出会いを呼び込み、大きな顧客も次々と獲得していった。「家族で食事に行った居酒屋さんに大企業のお偉いさんがいらして、世間話をするうち大きな契約をいただいたこともありました。また、私の会社に優れたクリエーターさんが集まってくれたことも大きかったです。地方では、実力のある方が腕を持て余していたんです」個人事業主として初年度の売り上げは2,000万円。法人化し、年商1億7,000万円を達成。さらに3年後には、年商4億5,000万円に。「事業は順調でしたが、いっぽうでこのままどこまでも拡大していくというイメージはありませんでした。仕事が多忙のあまり体調を崩し、’08年リーマンショックの年に第2子を高齢出産。これを境に仕事中心の生活から子どもたちとの暮らし中心の生活に変更。事業を売却する決断をしました」同時期に離婚。新たなライフステージへ進み、熊谷さんの“億女人生”がはじまる。「その後は培ったお金のノウハウと経験を生かし、不動産投資とコンサル業にシフトしていきました」プライベートではシングルマザーとなったことでワンオペ育児に奮闘し、大変だったこともあったが、仕事と生活に関しては描いた人生の「ロードマップ」をほぼ実現することができたという。「5年後、10年後、いつまでに、どうなっていたいのかを、常に具体的にイメージするようにしています。そのための資産をどうつくるか筋道を立てて考えました。同時に、自分が“死ぬまでにやりたい100の項目”を書き出す『パケットリスト』も記しています」夢をかなえるには漫然と目指すのではなく“スキルと自分の資産の棚卸し”をしながら計画を立てることが大切だと熊谷さんは説く。自分ができること、やりたいことを徹底的に洗い出し、そこからの道筋を立てて、大いに努力する。そうして得たお金は、楽しいと思えることには惜しまず使う。その循環が、熊谷さんがまとう“億女オーラ”の源泉であるようだ。
2019年07月16日「安倍政権において、消費税をこれ以上引き上げることはまったく考えていません」「今後10年ぐらいの間は、上げる必要はないと私は思っている」参議院選挙の公示日前日の7月3日に行われた日本記者クラブ主催の討論会。安倍晋三首相はこう語り、10月から消費税を10%に引き上げることに理解を求めた。「この状況下で“消費税を増税する”というのは“日本経済を破壊します”と言い放っているのに等しいのです。『10年間上げない』という言葉も、はたして額面どおりに受け取っていいかどうか……」そう憤るのは、京都大学大学院教授の藤井聡さんだ。6年にわたり、安倍内閣で内閣官房参与を務めたが、増税などに反対する「言論活動に注力するため」、昨年12月に参与の職を辞している。「すでに安倍政権になってから1世帯当たりの年間の平均所得は実質値で40万円も減少しました。10月の消費増税は、さらなる所得の落ち込みを招くでしょう」消費税は所得が低い人ほど、負担が大きくなる。ファイナンシャル・プランナーの有田美津子さんが解説する。「2%の増税による消費税の負担額は、年収252万円の世帯だと約3万9,000円、年収1,183万円の世帯だと約8万2,000円増えることになります。負担額だけ見れば高所得世帯のほうが大きいんですが、収入に占める負担額の割合は、低所得世帯になるほど、高くなります。年収が252万円の世帯では負担の増加率は1.54%、一方、1,183万円の世帯では0.69%です。つまり、低所得のほうが2倍以上も負担額の割合は増えている。消費増税は、所得が低い世帯ほど家計への影響が大きいんです」だが、これはあくまでも2%の増税が家計に与える直接的な影響にすぎない。所得は増えていないのに、税負担が増えれば、当然、消費を抑えて支出を減らさざるをえないことになる。藤井さんはその影響をこう指摘する。「消費は経済成長のエンジンです。消費が冷え込めば、物価が下落し企業業績も悪化する。その結果、労働者の給与が減ってしまう。’97年に消費税が3%から5%に増税されてから、1世帯当たりの平均所得は多いときで年間20万円減り、’13年にはピーク時より135万円も減少しました」10%への増税は、5%への増税時以上の影響を日本経済に与えるという。「10%という税率だと、買い物する際に、簡単に税額を計算できます。常に、税が意識されることで、消費行動に大きなブレーキをかけてしまうのです。とりわけ女性の場合、5%から8%への3%分の増税より、10%への2%分の増税のほうが、“購買意欲”を減退させる力が4.4倍も高いという研究結果もあります」(藤井さん・以下同)さらに、最悪のタイミングの増税となる。「『働き方改革』のために、残業代が減り、所得は確実に減っています。ここ数年、日本経済を活気づけていた“オリンピック特需”も終わってしまう」世界経済が好調だったおかげで、輸出企業が収益を上げて、日本のGDPは押し上げられていたが……。「米中の貿易戦争に、原油高。世界経済の見通しは立たない状況にあります。これまで日本経済を支えていた外需が、落ち込みつつあるのです。この経済状況下での増税は自殺行為だといっていい。現在、年間の平均所得は550万円ほどですが、10%の心理的効果も相まって、短期的には50万円、長期的には最悪のケースで200万円ほども、所得が減少すると考えています」
2019年07月16日やiDeCo、普通預金・投資信託・外貨建て生命保険・株など、様々な資産運用の方法がありすぎてどれから手を付けて良いかわからない、といった声をよく耳にします。そこで本記事では、資産運用のリスクや注意点などの初歩的な解説から始め、1000万円を運用する場合の就業スタイル別(会社員・自営業など)おすすめ運用方法について紹介したいと思います。そもそも資産運用とは?リスクと注意点についていざ資産運用を始めよう!と思い立っても、どういう基準で何を選んだらよいのか等、何からスタートすれば良いか目安がないと困ってしまいます。ここでは、資産運用を実際に始めようとした際に知っておいて損はない初歩的な内容から、運用の注意点なども交えて解説していきたいと思います。資産運用のポイント①:資産運用って何?資金と資産の違いは?資産運用という言葉は一般的に使われるようになってきましたが、よくよく考えてみると「資産」とは何を指すのでしょうか。「資産」に似ている言葉に「資金」というものがあります。「資産」とは、お金だけでなく不動産や金など、換金性のあるものの総称です。「資金」とは、資産の中の現金部分のみを指している言葉です。つまり「資産運用」とは、現金のやりとりだけで利益を生み出すのではなく、不動産や金などの換金性のあるモノのやりとりも含めた総称的な運用のことを指します。資産運用のポイント②:余裕を持った資金計画がリスクを遠ざける資産運用をスタートする際に必要なのは「余裕を持った資金計画」です。資産運用を始める際、特に初心者の方は「大きな損害が出てしまったらどうしよう」と考える方が多くいらっしゃいます。これは当然の心理と言えます。なぜなら、資産運用だけではなく新しいことをスタートする時は、知らない事ばかりですから怖いに決まっています。この「怖い」という心理を少しでも軽くするためには以下の点を心がけましょう。余裕資金で運用をスタートすること(当面使わなくても生活に困らない資金を運用に充てる)長期運用を心がけ時間の余裕を持つこと(短期的に利益が出なくてもすぐ手放さない)この2つの余裕を持つことで、急な値下がりにも慌てずに長期的な目で運用を考えることができますし、そもそも余裕資金で運用をスタートすることで、万が一損失が出てしまった場合でも生活に与える影響はほぼないと考えられます。資産運用のポイント③:分散投資で賢い運用をしよう1000万円を運用するとして、一つの金融商品に全て使ってしまうと、利益が出た際には良いですが、損失が出た場合には一気に全てを失ってしまうことになりかねません。ではどうすれば良いかというと「分散投資」の考え方が必要です。分散投資とは、運用時期や手法、銘柄を変えて様々なリスクを分散するために行う投資方法です。通常、国内債券は大幅な値上がりは期待できませんが元本保証されており、安定して長期的に増やして保有できるという特性があります。一方、海外債券の場合はその国の情勢などにより価格が左右されますが、国内債券よりは大きな運用益が期待できます。その反面、損失が大きくなるリスクと隣り合わせです。このような商品特性の違いから、それぞれを一点買いするのではなく例えば500万円ずつ購入しておくと、海外債券が大暴落して500万円の全額を損してしまったとしても、国内債券は当初の500万円から少し利益が出ている状態だとすると500万円+αは守られていることになります。一方、1000万円全てを海外債券に費やしていた場合、大きな損害が出ることは免れません。資産運用のポイントまとめ「資産運用」とは、不動産や金などの換金性のあるモノのやりとりも含めた総称的な運用のことを指す余裕を持った資金計画がリスクを遠ざける分散投資で賢い運用をしようリスクを抑えた投資先の選び方資産運用は「期間」と「目的」を定めてスタートすると良いでしょう。教育資金を目標として10年間で少しでも着実に増やして運用したい人と、老後資金に備えるために運用したい人では、当然投資先を選ぶ手段は違ってきます。ここからは、その選択方法の目安となるポイントについて解説していきます。72の法則を知れば必要な利回りがわかる「72の法則」と呼ばれる公式は、預けたお金が2倍になるまでにかかる年数を簡単に知ることができるものです。72÷預金金利(%)=2倍になるだいたいの年数(目安)例えば一般的な定期預金金利が0.01%とすると、「72÷0.01=7,200」。つまり、0.01%の金融商品で預けたお金が2倍になるまで運用しようとすると、7200年かかるということです。これを利用することで、運用期間から逆算して必要な金利を知ることもできます。例えば30年後に資金を2倍にしたい、と考えた場合、「72÷X=30X=72÷30X=2.4」。つまり、金利2.4%の金融商品を選べば運用資金が30年後に2倍になる見込みであると解ります。流動性資金として引き出し可能な運用もしておこう資産運用をスタートする際、余裕資金で始めるのは当然ですが、それでも万が一やむを得ない事情でまとまった資金が必要になる場合もあるかもしれません。そのような事態に備えて「途中解約が可能かどうか」「解約しなくても利用できる制度があるかどうか」は、投資先を選ぶ際に確認しておいた方が良いでしょう。また、1000万円のうち800万円は絶対に解約や途中引き出し不可の投資先を選んでおき、残りの200万円は流動性資金としても使用できる投資先に分けておくことも賢い運用方法だと言えます。途中解約(引き出し)不可の商品の一例としては、iDeCo・円定期預金や外貨定期預金などがあります。[adsense_middle]就業スタイル別・おすすめの1000万円運用方法はコレ!ここから実際に就業スタイル別の1000万円運用方法を具体的に解説していきます。会社員の方:定年時期をゴールに据えて在職中に運用していく方法をご紹介自営業の方:老後資金が国民年金だけでは不安であるという声が多いことから、主に老後資金を増やすことを目標に運用していく方法をご紹介会社員の方向けにおすすめの1000万円運用方法会社員の方は、ご自身のお勤め先の定年が何歳であるかハッキリしています。これまでにも解説してきたように、資産運用では期間を定めることがポイントですので、一旦その定年までをゴールに据えて資産運用を始めてみませんか。そこで、以下のような運用方法をおすすめします。つみたてNISA(最長20年)iDeCo(60歳まで途中解約不可)株式投資(株主優待も楽しみながら経済の勉強もできる)J-REIT(国内不動産投資信託のこと。現物不動産購入ではなく、不動産に対して投資をする。)財形貯蓄や社内預金などの福利厚生のメリットは最大限に生かす(会社員の特権)定年をゴールに在職中に少しでも増やしておこう株式投資やJ-REITは多少のリスクはありますが、会社員の方のように毎月の収入が安定している方はチャレンジする価値のある投資先であると言えます。財形貯蓄や社内預金は給与天引きで自動的に貯金されていくシステムで、これは勤務先の所定の利率によりますが、銀行の普通預金や定期預金に預けておくくらいなら、こちらを利用するべきです。こちらは流動性資金の側面もありますので、万が一必要になった際は取り崩しも可能です。つみたてNISAで税制面のメリットを受けつつ、安定して増やすことを目標に運用する方法も併用すると良いでしょう。また、iDeCoは途中解約不可である老後資金対策の資産運用ですが、これは一年でも早くスタートしておくのが良いでしょう。自営業者の方向けにおすすめの1000万円運用方法自営業者の方は、老後資金が国民年金のみである為、いわゆる「老齢年金の二階部分」がありません。つまり、会社員の方の老後資金よりも少ない年金受給額であるということになります。なおかつ定年退職という概念がありませんので、勇退時期はご自身で決めることになります。自営業者の方におすすめの運用方法は以下の通りです。つみたてNISA(最長20年)iDeCo(60歳まで途中解約不可)外貨建て終身保険(万が一の際は遺族保障にもなり知識がなくても保険会社が外貨運用してくれる)国債(爆発的な値上がりは期待できないが元本保証があり安心)金投資または金の現物購入(金の価値は万国共通で高く安定している。日本だけの貨幣価値に左右されにくい)元本割れリスクを抑えて安全に老後資金を増やそう自営業者の方は、遺族保障についてや元本割れリスクをなるべく抑えた方法で手堅く運用していくのが最適ではないでしょうか。当初余裕資金にて資産運用を始めたとしても、万が一ご自身の病気により働けなくなってしまった場合の休業補償などもご自身で捻出しなければなりません。つみたてNISAを流動性資金と考えて税制面のメリットも受けつつ、万が一の際にすぐ動かせる資金として運用していくと良いでしょう。また、老後資金としてはiDeCoにて手堅く備えておきましょう。外貨建て終身保険は、万が一の際は遺族に遺す保障にもなります。また資産運用という点でいうと、保険会社が安全に外貨にて運用して増やしてくれますので、運用の知識がなくても加入さえしていれば安心です。また、これは生命保険ですので、確定申告の際に生命保険料控除が使えるところもメリットと言えます。国債と金投資に関しては、元本割れリスクは少ない反面、大幅に利益が出るものでもありません。安定的かつ長期的に少しずつ増やしていくイメージです。1000万円で資産運用する方法に関するまとめ資産運用というと難しいイメージを持っている方が多くいらっしゃいます。しかし本記事で解説したように、いくつかのポイントを抑え、タイプ別のおすすめ資産運用法を知ることで、安心して安全に運用していくことができます。必ず余裕資金でスタートし、短期的に利益を生もうとするのではなく長期運用と分散投資を心がけましょう。そうすることで極力リスクを排除できます。さらに会社員か自営業かによって運用方法と目的が変わってきますが、いずれの場合もiDeCoやつみたてNISAといった、長期運用かつ税制面のメリットが大きい制度については積極的に取り入れて欲しいと思います。
2019年06月14日「貯金などである程度を資金が貯まったので、100万円ほど資産運用をしたい」という場合、どのような商品で運用を行えばいいのでしょうか。資産運用の目的は、自分の資産を使って効率よくお金を増やすことです。現在の銀行預金の金利は0.001%、定期預金でも0.01%程度です。預金していてもお金はほとんど増えません。資産を増やすためには投資を行う必要があります。今回は、初心者が100万円で資産運用する際におすすめの方法をまとめてみました。初心者はリスクが低い金融商品で資産運用を始めるGPIF国内債券と外国債券を合わせて50%、国内株と外国株式を合わせて50%とバランスよくポートフォリオを組んでいるのがわかります。このように幅広く分散投資していれば、株式が下落しても債券が値上がりするなどして損失をカバーしてくれるので、リスクを抑えた運用が可能です。[adsense_middle]バランス型ファンドとは投資信託にはさまざまな種類がありますが、初心者がGPIFと同じように簡単に分散投資できるのが「バランス型ファンド」です。バランス型ファンドとは、株式だけとか債券だけとか一つの資産に偏るのではなく、国内外の資産に幅広く分散投資するファンドのこと。一般的には、次の4つの投資先を組み合わせます。日本株式日本国内の株式が対象。世界株式世界各国の株式を組み入れます。米国や欧州など先進国がメインですが、新興国に投資するファンドもあります。日本債券日本の国債です。安全度は一番高いものの、金利はほとんどつきません。世界債券米国債など先進国の債券を中心に、新興国の債券を組み入れるファンドもあります。一般的に新興国の方が金利が高くなります。バランス型ファンドにおけるリスクとリターンの関係リスクとリターンの関係は次の通りです。セゾン投信世界有数の資産運用会社であるバンガード社のインデックス(日経平均株価やNYダウなどの指数)ファンドを通じて、世界の株式や債券に分散投資をする投資信託です。株式と債券の比率は半分ずつ、このファンド一本で世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資することができます。信託報酬は年率0.6%。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうためのコストで、保有している間かかる費用です。たとえば、100万円投資していた場合、毎年6,000円の信託報酬がかかります。設定来(2007年)の騰落率は+49.14%。年換算収益率は+3.37%です。セゾン投信eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)基準価額10,536円純資産25,441百万円信託報酬0.1512%運用会社三菱UFJ国際投信ネット証券最大手のSBI証券で一番人気があるバランス型ファンドです。三菱UFJ国際投信株式会社日本を含む世界各国の株式や債券、リート(不動産投資信託)に幅広く分散投資します。各資産の割合を常に12.5%にキープするようにリバランス(銘柄の入れ替え)を行ってくれるので、運用を任せることができます。三菱UFJ国際投信100万円で始める資産運用に関するまとめ100万円はある程度まとまった金額なので様々な金融商品に投資できますが、初心者の資産運用はプロに任せた方が安心です。投資の知識が不要で、頻繁に値段をチェックする必要がないからです。たとえば個別株に投資をすると、「どの銘柄を買うか」、「いくらで買って利食いや損切りはどうするか」などを事前に決めて、株価を常にチェックしなければなりません。手間や時間がかかりますし、仕事にも支障をきたす可能性があります。ですから、保険会社に任せる「貯蓄型保険」か、運用会社に任せる「投資信託」から資産運用を始めるようにしましょう。リスクやリターンは貯蓄型保険よりもバランス型ファンドの方が大きくなります。自分のリスク許容度に合わせて投資対象を選ぶようにしてください。
2019年06月10日「多くの国民が、10月の『消費税増税』が予定通りに行われるかどうかを、気にしています。自民党の選挙公約が発表されましたが、公約が載った資料には、小さな文字でひっそりと『本年10月に消費税率を10%に引き上げます』と書かれているだけ。これで選挙に勝ったら、公約が信任されたといって、増税するつもりなのでしょうか?」(全国紙政治部記者)6月7日、自由民主党は夏の参議院選挙に向けての選挙公約を発表した。党本部で行われた会見で壇上に上がったのは、岸田文雄政調会長だ。「令和の時代になって初めて行われる国政選挙。令和時代の日本の姿を選ぶ選挙というのを念頭に、公約も作成を行いました。表紙にある『日本の明日を切り拓く(ひらく)』というタイトルはそういった思いと決意を込めさせてもらった」そう夏の参院選挙の意義を説明した岸田氏。この日、自民党が公開した資料は『令和元年政策パンフレット』と『令和元年政策BANK』の2つ。いずれも、自民党ホームぺージで閲覧できる。「『政策BANK』が公約の本体。そのなかから、強調したい項目を、6項目にわたって、“特だし項目”として、(『政策パンフレット』で)掲げさせてもらった」そう岸田氏が言うように、24ページある『政策BANK』は小さい文字だけでびっしり公約で埋め尽くされている一方、18ページの『政策パンフレット』は大きい文字と写真で構成されている。自民党が『政策パンフレット』で“重要項目”として掲げたのが、「力強い外交・防衛で、国益を守る」「強い経済で所得をふやす」「誰もが安心、活躍できる人生100年社会をつくる」「最先端をいく元気な地方をつくる」「災害から命・暮らしを守る」「憲法改正を目指す」の6項目だ。各項目で概要が説明されているが、どこにも「消費税」の文字はない。そもそも、『政策パンフレット』には一度も「消費税」という文字は出てこないのだ。「消費税」についての記載があるのは『政策BANK』のみだ。10月の消費税10%が明言されるのは、8ページ目。「2経済再生」という大項目で、5つめの項目である「財政・税制」の2つ目の文章。前出の政治部記者はいう。「要は、自民党は『消費税』を選挙の争点にしたくないということだと思います。よっぽど政治に興味を持っている人くらいしか、『政策BANK』なんて読まないでしょう。10月の消費税増税前の最後の選挙ですし、これだけの国民の関心事なのですから、消費税の増税が正しい政策だと思うのなら、『政策パンフレット』の方にも大きく記載するべきです。これでは“消費税増税隠し”と言われても仕方がない」この日の会見でも、岸田氏は自ら、増税について語ることはなかった。初めて触れたのは会見の開始から30分ほど経ってから。記者の質問を受けてのことだ。「リーマンショック級のできごとがない限り引き上げる。こういったことを再三強調してきました。少なくとも、現在、リーマンショック級のできごとには遭遇していないと、私は認識している」増税を争点化させたくない自民党。一方、野党5党派は、全国に32ある「1人区」の候補者の一本化に向けて動き出しているが、政策でのまとまりはなく、“増税反対”に対する熱量はバラバラだ。このまま波風が立つことなく、10月の消費税増税は行われてしまいそうだ。
2019年06月08日今年10月に予定される消費税の増税まで、いよいよ残り数ヶ月に。増税と聞いて、家計の負担が増えることに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。でも、支払い方法を変えるだけで、出費を抑えられることもあるのです。今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに「増税後にクレジットカードを使うメリット」についてご紹介いただきます。文・山田良政「キャッシュレス」が増税対策に!?いよいよ、消費税10%への増税が迫ってきました。現在の8%から2%増えるわけですが、これが毎回の買い物で積み重なると、予想以上の家計の負担となります。例えば、年間で200万円使っている家庭では、消費税分だけで4万円も負担が増える計算です。しかし、その影響で皆がお金を使わないと経済が冷え込んで、逆に国の税収が減ってしまう可能性もあるのです。そこで政府は、増税による家計や経済への負担を減らすために、クレジットカードやQRコードでのキャッシュレス決済に限り、原則2%分をポイントで還元する軽減税率を施行する予定です。つまり、現金しか使わない人は、増税後は10%の消費税を支払うことになりますが、キャッシュレス決済をすれば、増税後でも2%分のポイントが還元されるので、実質に支払う消費税は8%に近い感覚になります。支払いは現金派というあなたも、この機会にクレジットカードに乗り換えてみてはいかがでしょうか。中小の小売店での商品購入時には5%還元される!また、さらに嬉しいことに、キャッシュレス決済で商品を購入する際、店によっては5%分のポイントが還元されるケースもあるのです!ただし、対象は「中小の小売店」での商品購入時のみ。全ての買い物で5%還元されるわけではないということを覚えておきましょう。ちなみに、5%還元の対象になっている「中小の小売店」とは、中小規模の飲食店、宿泊施設、サービス業などのことを指しています。大手スーパーや、百貨店などで購入した商品に関しては、そもそもポイント還元の対象外になっています。ただし、コンビニの場合はオーナーが中小規模でも、大手の傘下なので2%還元となります。なお、換金性の高い商品券やプリペイドカード、減税対策済みの住宅、自動車などはポイント還元の対象外となっているので注意しましょう。還元率の高いクレジットカードを早めに選ぼうここでひとつ、軽減税率を受ける上で重要なことをお伝えします。それは、この軽減税率が期間限定の政策だということです。政府は、増税前の駆け込み需要と、増税後の経済の冷え込みを抑えるため、増税後9ヶ月間は最大5%ポイント還元を行うと発表しました。つまり、現段階では2020年6月には軽減税率が終了する予定なのです。また、消費税増税の前後にクレジットカードを作ろうとしても、同様の申し込みがカード会社に殺到し、手元にカードが届くまでいつも以上に時間がかかってしまう可能性があります。さらに、ひと言で「クレジットカード」と言っても、年会費があったり、軽減税率分以外のポイントが貯まりにくかったり、貯まったポイントの使い道が限られていたりすると、むしろ損してしまう可能性も……。カード会社に申し込みが殺到する前に、還元率が高く、使い勝手の良いカードを選びましょう。5月現在、ポイント還元の対象となる、キャッシュレス決済業者の登録は完了しており、業者の一覧が公開されています(詳しくは、経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」というページを確認してみましょう)。増税後からカードを使い始めたいと考えている方は、申し込みが殺到する前に、早めに申し込んでおいた方が良いかもしれませんね。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © Kite_rin /shutterstock© Ollyy /shutterstock© Dean Drobot /shutterstock
2019年06月01日みなさんが日々支払っている税金。今年も消費税の増税をはじめ、大きな税制の変更が予定されています。今のうちから、ある程度の知識と対応策を押さえておきましょう。今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに“今年度増税・減税される税金とその対策”についてご紹介いただきます。文・山田良政2019年10月1日に消費税が8%から10%へもうご存知の方も多いと思いますが、今年の10月1日から、消費税が8%から10%になります。ほぼ全ての商品に関わる税金ですので、食費や日用品などが2%分高くなるとあれば、家計への打撃は必至でしょう。車で通勤している方は、ガソリン代や車検・保険代でさらにお金がかさむことに。このタイミングで、支出の見直しを行い、携帯の契約を大手キャリアから格安会社に移行したり、普段買っているものを安売りのときだけ購入したりといった、細かな対策を行うようにしましょう。景気対策として消費税の軽減税率が適用2019年10月の増税では、今までの増税とは異なり、軽減税率が適用されます。軽減税率の対象商品は今まで通り消費税8%のまま。酒類(料理酒やみりんを含む)以外の食品に適用されます。お酒をよく飲まれる方は、これを機にお酒の量を抑えてみても良いかもしれません。また、持ち帰りや出前食品は8%のままですが、席について食べる外食は10%の税率が適用されます。同じものを食べるなら、店内で食べるのではなく持ち帰りにした方がお得ですね!キャッシュレスによる5%ポイント還元がスタート上で紹介した軽減税率以外にも、キャッシュレス決済の場合5%のポイントが還元される施策も検討されています。ただし、これは中~小規模の店での買い物時限定で適用されるものなので、すべて5%還元になる!と思っていると、損してしまう恐れもあります。大手は対象外となっていますが、JRがスイカでのポイント還元を検討するなど、自主判断でポイント還元を行うケースはあるようです。今のうちからアンテナを張っておき、どのカード、サービスを利用するのが一番お得なのか、見極めておく必要がありそうです。自動車税減税&環境性能割の実施これから自動車の購入を検討する方にお得なニュースが。それは自動車税の減税。今年の10月1日以降、新たに登録された車は減税適用されるのです。減税額は、最大年間4,500円で排気量が上がるほど減額されていく仕組みのようです(軽自動車は対象外)。また、同時に自動車取得税が廃止され、燃費基準に応じて課税されていく「環境性能割」が導入されます。「2020年度燃費基準」という指標を+10%以上達成した車種であれば、自動車取得の際の「環境性能割」が非課税になるのです。なお、電気自動車やクリーンディーゼル車、プラグインハイブリッド車も「環境性能割」の非課税対象になります。これから車の購入を検討される方は、ぜひ参考にしてください。消費税はすべての人にかかってくる税金です。物価が上がれば、私たちの生活にも少なからず変化があるでしょう。だからといって、切り詰めすぎるのは良くありません。今回ご紹介した点を意識しつつ、楽しみながら生活を送りしょう。© TunedIn by Westend61 /shutterstock© Africa Studio /shutterstock© George Rudy /shutterstock
2019年05月18日相続が発生したときに、心配になるのが相続税ではないでしょうか?相続税は、場合によっては大きな負担になることがありますが、財産を相続しても相続税がかからないこともあります。今回は、相続税発生の有無を分ける基礎控除の額について説明します。基礎控除額の計算方法を理解しておき、生前の相続対策などに役立てていただければ幸いです。相続税の基礎控除は相続人の数で変わる!相続税発生の基準となるのが、基礎控除です。相続税の基礎控除の意味や基礎控除の金額を計算する方法を知っておきましょう。相続税がかかるケースとは相続税は、相続や遺贈により財産を取得した人に課税される税金です。相続税がかかるかどうかは、相続の規模によって変わります。亡くなった人(被相続人)が残した財産が一定規模以上の場合、その相続で財産を取得した人に相続税がかかるしくみです。相続税の基礎控除とはその相続が、相続税がかかる規模かどうかを判断する基準となるのが基礎控除です。基礎控除は、相続税だけでなく贈与税や所得税にもありますが、課税対象から無条件で差し引きできる金額になります。相続税は、相続税の課税対象となる財産の合計額(課税価格の合計額)から基礎控除額を差し引きした課税遺産総額をもとに計算します。課税価格の合計額が基礎控除額以下の場合には、相続税はかかりません。基礎控除額は、相続税の非課税枠ということになります。相続税の基礎控除の計算式相続税の基礎控除は、次の計算式で計算します。基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数相続税の基礎控除は、2015年1月に改正により引き下げられました。2014年12月以前に発生した相続については、次の計算式で計算します。(旧)基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数相続税の基礎控除の早見表相続税の基礎控除額は、相続人数によって変わります。たとえば、相続人が1人の場合、相続税の基礎控除額は3,600万円ですから、被相続人の残した財産の額が3,600万円を超える場合には相続税がかかります。一方、財産の額が3,600万円を超えない場合、すなわち3,600万円以下の場合には、相続税はかかりません。相続税の基礎控除額を超えているなら早急に遺産分割が必要被相続人の残した財産が相続税の基礎控除額を超えている場合には、相続開始を知った時から10か月以内に相続税の申告が必要です。相続税の申告をする前提として、遺産分割を終わらせなければなりません。基礎控除額を超えており相続税がかかるケースでは、速やかに遺産分割協議を終わらせるようにしましょう。10か月以内に遺産分割が終わらない場合でも、法定相続人が法定相続分で財産を取得したものとして、期限内の申告が必要になります。相続税の基礎控除の「法定相続人」とは?相続税の基礎控除は法定相続人の数によって変わりますが、ここでいう「法定相続人」には民法上の法定相続人すべてが含まれるわけではありません。相続税における法定相続人のカウントの仕方を知っておきましょう。法定相続人に含まれる養子の数には制限がある民法上、養子には実子と同様の相続権があります。子は第1順位の相続人ですから、養子を増やせば法定相続人を増やすことができます。しかし、相続税の基礎控除を計算するときには、養子を全員法定相続人としてカウントできるわけではありません。養子については、次のようなルールがあります。被相続人に実子がいる場合…養子は1人までしか法定相続人に含めることができません。被相続人に実子がいない場合…養子は2人までしか法定相続人に含めることができません。養子を実子とみなす場合相続税の基礎控除の計算においては、次の場合には養子であっても実子とみなします。特別養子縁組により養子となった場合配偶者の連れ子を養子にした場合代襲相続人でもある養子(孫を養子にしており、子が亡くなっている場合)相続放棄した相続人も法定相続人に含める民法上、相続放棄すれば最初から相続人でなかった扱いになり、法定相続人ではなくなります。しかし、相続税の基礎控除の計算では、相続放棄をした人も法定相続人としてカウントします。相続放棄をした人がいても、基礎控除額が減ってしまうことはありません。生命保険金がある場合の相続税の基礎控除は?財産を相続するのではなく、生命保険金として受け取った場合には、一部が非課税になることをご存じでしょうか?相続の際に、生命保険金がある場合の相続税の計算方法や基礎控除との関係を知っておきましょう。生命保険金を受け取っても相続税がかかることがある被相続人が亡くなったことにより、生命保険金(死亡保険金)を受け取ることがあります。生命保険金は、民法上の相続または遺贈により取得した財産ではありません。しかし、生命保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象になります。生命保険金には非課税枠がある相続税の計算において、生命保険金には基礎控除とは別の非課税枠が設けられています。生命保険金の非課税枠は、次の計算式で計算します。500万円×法定相続人の数たとえば、法定相続人が3人の場合、生命保険金は1,500万円まで非課税です。相続人が受け取った生命保険金が1,000万円の場合には、全額非課税になります。もし相続人が受け取った生命保険金が2,000万円なら、500万円のみが課税対象になります。生命保険に加入すれば、相続税の課税対象になる財産を減らすことができます。相続税対策として、財産を現金や預金で残すのではなく、生命保険に加入することは、有効な方法の1つです。生命保険金の非課税枠を計算する際の「法定相続人」とは?相続税において、生命保険金の非課税枠を計算する際の「法定相続人」には、民法上の法定相続人全員が含まれるわけではありません。養子の数について制限があり、相続放棄をした人も「法定相続人」の数に含めることは、基礎控除の場合と同様です。非課税になるのは相続人が受け取った生命保険金だけ生命保険金について、非課税の恩恵が受けられるのは、相続人が受け取ったもののみになります。相続人以外が受け取った生命保険金は、非課税にはなりません。相続放棄をした人が受け取った生命保険金も、非課税枠には含めないことになっています。たとえば、相続放棄をした人が1,000万円の生命保険金を受け取った場合、法定相続人の人数に関係なく、1,000万円全額が課税対象になります。生命保険金がある場合の計算例相続税がかかるかどうかは、課税対象になる財産から生命保険金の非課税分を差し引きした金額が、基礎控除額以下であるかどうかで判断します。たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。被相続人の残した財産額が6000万円で、そのうち相続人が受け取った生命保険金が2,000万円の場合、生命保険金については1,500万円が非課税になりますから、相続税の課税対象になる財産額(課税価格の合計額)は4,500万円です。つまり、このケースでは課税価格の合計額は基礎控除額以下であるため、相続税はかからないことになります。基礎控除の計算方法まとめ相続財産の額が基礎控除額を超えていれば、相続税がかかります。基礎控除額は法定相続人の数によって変わりますが、法定相続人の数はほぼ変えることができません。相続対策としては、相続財産の額を減らすことが有効です。生前贈与をしたり、生命保険に加入したりすることで、課税対象になる相続財産の額を減らせることがあります。相続税が心配なら、あらかじめ対策をしておきましょう。
2019年05月16日消費税増税によってマンションを購入する際の負担はどう変化するのか。消費税増税に伴う住宅ローン控除拡充の内容や控除額の変化などを踏まえながら、マンションを購入するタイミングについて考えていきます。消費税増税によるマンション購入への影響2019年10月に迫った消費税の10%への引き上げは、予定通り実施されればマンションの購入にも影響します。マンション購入価格の上昇消費税増税はマンション購入価格の上昇に直結します。ただし、消費税がかかるのは「建物」部分のみ。「土地」(マンション敷地)や個人が売主となる「中古マンション」にはもともと消費税がかからないため、増税による影響はありません(中古マンションであっても、不動産業者(課税事業者)が売主となるケースでは建物部分に消費税がかかります)。消費税増税により「建物」部分の購入価格が上昇する4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)の新築マンション購入する場合では、消費税の負担は40万円(=建物価格2,000万円×増税分2%)増えます(税率8%適用時:160万円→税率10%適用時:200万円)。仲介手数料の増加中古マンションは一般的に不動産業者を介して売買され、不動産業者に支払う手数料(仲介手数料)が発生します。この仲介手数料は消費税の課税対象であり、消費税増税による影響を受けます。消費税増税により仲介手数料が増える不動産業者へ支払う仲介手数料は宅地建物取引業法で上限(*1)が定められており、売買価格が400万円を超える場合の上限額は「(売買価格×3%+6万円)+消費税」で計算されます。(*1)仲介手数料上限額たとえば売買価格3000万円の中古マンションを購入する場合の仲介手数料上限額は、以下のように変化します。上記の金額は仲介手数料の上限額であり、物件や不動産業者によっても違います。特に不動産業者が売主・買主双方から手数料を受け取れるような場合、交渉によって仲介手数料を下げられる可能性があります。買い手側から交渉しなければそのままということも多く、まずは交渉してみましょう。下がらなかったとしても損はしません。消費税10%が適用されるタイミング消費税は原則として引渡時点の税率が適用されます。今回の増税では2019年9月30日までに引渡しが済めば8%、引渡しが2019年10月1日(増税日)以降となれば10%の税率が適用されます。引渡日2019年9月30日以前:消費税率8%引渡日2019年10月1日以降:消費税率10%消費税増税に伴う住宅ローン控除の拡充2019年の税制改正大綱において住宅ローン控除を拡充する特例が設けられました。この特例は消費税増税に伴う負担の増加と住宅需要減少への対策を目的としたもので、個人が消費税率10%で住宅を購入した場合に適用されます。現行の住宅ローン控除制度の概要住宅ローン控除制度(住宅借入金等特別控除制度)は、住宅ローンを利用して住宅を取得する人の金利負担軽減を図る制度。その内容は、年末時点の住宅ローン残高または住宅の取得対価のいずれか少ないほうの金額の1%を、最長10年間に渡り所得税から控除するというものです(所得税から控除しきれない場合には、翌年度の住民税の一部からも控除できる)。住宅ローン控除の(年間)最大控除額=年末時点住宅ローン残高等×1%住宅ローン控除限度額(2014年4月〜2021年12月居住開始)(*2)売主が個人で消費税が非課税となる場合(*3)前年度所得税課税所得金額の7%まで(上限13.65万円)(*4)前年度所得税課税所得金額の5%まで(上限9.75万円)住宅ローン控除拡充の概要2019年の税制改正では特例によって、消費税率10%が適用される住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合に限り、控除期間が3年間延長されることになりました。消費税率10%が適用される住宅を取得・2019年10月1日から2020年12月31日までに入居→控除期間が3年間延長控除額は1年目〜10年目については現行どおり、11年目〜13年目については以下のいずれか少ないほうの金額となります。【11年目〜13年目の住宅ローン控除(年間)最大控除額】(1)または(2)のいずれか少ないほうの金額(1)年末時点の住宅ローン残高等(*5)×1%(2)住宅の取得価格から含まれる消費税相当額を差し引いた金額(*5)×2%÷3(*5)一般住宅:上限4,000万円/長期優良住宅等:上限5,000万円住宅ローン控除拡充による控除額への影響住宅ローン控除拡充によって控除額はどう変わるのか。以下のような条件でシミュレーションしてみます。シミュレーション条件家族構成:夫(会社員)・妻(専業主婦)・子(8歳・12歳)収入:夫の給与所得600万円(課税所得265万円)*シュミレーション期間中一定で推移すると仮定所得税額(復興特別所得税含む):17.1万円住宅価格:4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)+消費税200万円(諸経費含まず)住宅ローン:借入金額3,200万円/元利金等返済/返済期間30年・ボーナス返済なし/全期間固定金利1.5%住宅ローン残高推移(万円)住宅ローン控除は、(A)所得税と控除対象となる住民税から、(B)40万円(=4,000万円×1%・一般住宅の場合)を上限として、(C)住宅ローンの年末残高×1%と(D)住宅取得価格×2%÷3(11年目〜13年目)のいずれか少ないほうの金額が控除する仕組み。つまり、以下の表の(A)〜(D)のうち最も小さい金額(赤字で示したもの)がその年の実際の控除額となります。実際の控除額(万円)このケースでは10年間の控除額の合計は約271万円、13年間の控除額の合計は約333万円となり、控除の拡充によって控除額は約62万円増えます。すまい給付金の拡充住宅ローン控除は所得税・住民税から控除する仕組みのため、収入が低い(課税額の少ない)人は控除される税金が少なくなり、負担軽減効果が薄いという欠点があります。これを補完する仕組みとして設けられたのが「すまい給付金」制度であり、今回の増税に伴ってすまい給付金の拡充も行われます。すまい給付金は売主が不動産業者等で消費税が課税される場合のみが対象で、個人が売主となる中古マンションの購入では給付を受けられません。(*6)夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において、住宅取得する場合の夫の収入額の目安。実際には都道府県民税の所得割額(市町村発行の個人住民税課税証明書で確認できる)に基づいて決定されます。消費税増税により実質的な負担が減るケースも上記のシミュレーションの条件で4,000万円(消費税込4,200万円・諸経費含まず)の新築マンションを購入する場合、増税による消費税負担の増加分は40万円。一方で住宅ローン控除の拡充によって控除額が約62万円増え、新たに対象となるすまい給付金が30万円とあわせ、控除額は92万円増加します。消費税負担の増加分40万円を控除額の増加分92万円が上回り、このケースでは税率10%で購入することで実質的な負担が52万円減少します。マンション価格の動向人手不足や建築需要の増加によって建築費、人件費は高止まりしており、マンション価格は上昇が続いています。マンション価格の動向は、マンション購入のタイミングを判断する材料となります。マンション価格の推移不動産経済研究所による調査によると、2018年の新築マンションの全国平均価格は4,759万円(㎡単価71.3万円)となっており、1973年の調査開始以来の最高値を更新しました。特に価格上昇の大きい東京23区内では新築マンションの平均価格が7,142万円(2018年)と、平均的なサラリーマンではなかなか購入が難しい水準にあります。マンション価格は今後どうなるのかすでにマンション価格はピークにマンション価格は今後もしばらくは高止まりが続くと見込まれているものの、オリンピックが開催される2020年が近づき、すでにマンション価格はピークにあるとの見方もあります。マンションの売却が増えることも想定マンションの売却益は保有期間が5年を超えると長期譲渡所得(所得税+住民税/税率20%)に該当し、短期譲渡所得(同/税率39%)よりも有利な条件で売却できます。オリンピック開催が決定した2013年からすでに5年が経過し、値上がりを見込んで当時購入したマンションの売却が増えることも想定されます。家余りは長期的なマンション価格の下落要因また税制改正によってタワーマンションを利用した相続税の節税対策ができなくなったことで、投資・節税目的の需要減少によるマンション価格の下落につながる可能性もあります。さらに人口減少に伴って空き家は急増しており、家余りは長期的なマンション価格の下落要因となります。好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くと予想一方で建築費や人件費の高騰でマンションの利益率は低下しており、ディベロッパーは新築マンションの供給数を減らし、利益率の高い好立地の高価格帯マンションの比率を高めています。そのため好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くのではないかと予想されます。結論資産性の高い好立地のマンションであれば、待っていてもあまり値下がりは期待できず、その間の家賃負担などを考えると、早めに購入したほうがいいかもしれません。一方で郊外型のマンションなどは今後値下がりも予想され、不動産価格が落ち着くまで様子を見るのもひとつの選択肢といえます。どのタイミングでマンションを購入すればいいのか新築マンションを購入する場合、住宅ローン控除特例によって消費税10%が適用されるほうが有利となるケースもあります。入居時期を調整できる場合には、税率8%と10%のどちらで購入すれば実質的な負担が減るか、借入金額や収入などをもとに試算して、有利なタイミングを選びたいところ。ただし焦って購入するのは禁物です。マイホームを持つことはリスクも伴い、無計画な住宅購入によってせっかくのマイホームが人生の重荷になってしまうこともあります。ライフプランや返済計画をしっかりと立て、迷いのなくなったタイミングで購入すべきでしょう。
2019年05月09日親が亡くなったときなどに、財産を相続するケースは多いでしょう。財産を相続できるだけならよいですが、相続税の負担は心配なはずです。相続税がどれくらいになるのかを計算するため、相続税の税率を知りたいという人も多いと思います。今回は、相続税の税率や計算方法について説明しますので、参考にしてください。相続税の税率とは?まず、大前提として知っておいていただきたいのは、相続税は、所得税のように所得の額に税率をかけて計算するものではないということです。相続税の税率を知っても、相続税は計算できません。相続税にも税率と呼ばれているものはありますが、相続税の税率は計算の過程で使うものです。相続税の計算方法は、やや複雑です。以下、相続税計算方法について説明しますので、大まかな流れを理解しておいてください。相続税の計算方法相続税は、次のような流れで計算します。手順1. 「課税価格の合計額」を出すまずは、「課税価格の合計額」を出します。「課税価格の合計額」とは、相続税のかかる財産の額を合計したものから、相続税のかからない非課税財産(仏壇・仏具など)及び被相続人の債務・葬式費用を差し引きしたものです。相続税のかかる財産とは、以下のものになります。ア本来の相続財産民法上の相続または遺贈により取得した財産です。イみなし相続財産生命保険金や死亡退職金になります。ただし、生命保険金も死亡退職金も、それぞれ「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。ウ相続開始前3年以内の生前贈与財産相続の際に財産を取得した人が、被相続人から相続開始前3年以内にも生前贈与を受けていた場合、その生前贈与財産も相続税の課税対象になります。エ相続時精算課税による生前贈与財産相続時精算課税を選択して生前贈与された財産は、相続税の課税対象になります。つまり、「課税価格の合計額」は次のようになります。課税価格の合計額=ア+イ+ウ+エ-(非課税財産+債務+葬式費用)手順2. 「課税遺産総額」を出す相続税には、手順1で算出した「課税価格の合計額」から必ず差し引きできる「基礎控除額」があります。相続税の「基礎控除額」は、次の計算式で計算します。基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数「課税遺産総額」とは、「課税価格の合計額」から基礎控除額を控除したものです。この「課税遺産総額」に対して相続税がかかることになります。「課税価格の合計額」が「基礎控除額」よりも少ない場合には、「課税遺産総額」はマイナスになりますから、相続税はかかりません。課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額手順3. 各相続人の「仮の相続税額」を出す手順2で算出した「課税遺産総額」を法定相続人が法定相続分で取得する形で仮に分けます。その上で、各相続人の取得額に対応する「仮の相続税額」を出します。各相続人の「仮の相続税額」は、財産の取得額に税率をかけて計算します(下記「相続税の税率表」参照)。手順4. 「相続税の総額」を出す手順3で計算した各相続人の仮の相続税額を合計し、「相続税の総額」を出します。手順5. 財産を取得した人の「実際の相続税額」を出す手順4で計算した「相続税の総額」を、実際に財産を取得した人(相続人及び受遺者)に取得額に応じて割り振る形で、「実際の相続税額」を出します。相続税の税率の意味相続税は、相続した財産額に税率をかけて出すものではありません。1つの相続が発生すると、財産をどう分けるかに関係なく、「相続税の総額」が決まります。「相続税の総額」を取得額に応じて按分することでそれぞれの人の実際の相続税額が決まります。相続税は「相続税の総額」を按分して出す相続税を出すときには、相続した財産額が基準になるのではなく、「相続税の総額」が基準になります。たとえば、親が亡くなったときに1,000万円を相続したとしても、それだけでは相続税額がいくらになるかはわかりません。相続税の金額を求めるには、その相続の「相続税の総額」を知る必要があります。自分が相続した財産額だけでなく、相続の全体像を知らなければ、相続税の額は出せないのです。税率は相続税の計算の過程で便宜上使うもの相続税の税率は、相続税算出の基礎になる「相続税の総額」を算出する過程で使います。「相続税の総額」は、各相続人の「仮の相続税額」を合計したものです。相続税の税率は、「仮の相続税額」を出すときに使います。なお、ここで税率を使って算出された「仮の相続税額」は、「実際の相続税額」とは異なります。相続税の税率表「仮の相続税額」を出すときに使う相続税の税率表(速算表)は、次のとおりです。なお、下記の表は平成27年1月1日以降の相続・遺贈に関して適用するものです。平成26年12月31日以前の相続・遺贈については別の表を使いますが、今回は省略します。「仮の相続税額」を出すときには、課税遺産総額を法定相続分に応じて分けたときの取得金額を上記の速算表にあてはめ、次の計算式で計算します。仮の相続税額=法定相続分に応じた取得金額×税率ー控除額相続税の税率表のどこにあてはめるかは、法定相続分に応じた取得金額によって決まります。ちなみに、現金や株など相続した財産の種類によって税率が変わることはありません。相続税の税率表は、計算の便宜のための速算表です。控除額というのも、あくまで計算のために使う金額なので、特に意味はありません。仮の相続税は子供でも税率は同じ「仮の相続税」を出すために、相続税の税率表にあてはめるときには、年齢は関係ありません。子供であっても、法定相続分に応じた取得金額のところにあてはめます。相続税の計算例上の手順2までで算出した課税遺産総額が9,000万円と仮定します。法定相続人が、被相続人の妻、長男、次男の計3名の場合、法定相続分は妻2分の1、長男及び次男は各4分の1ですから、法定相続分に応じた取得金額は次のようになります。妻:9,000万円×1/2=4,500万円長男:9,000万円×1/4=2,250万円次男:9,000万円×1/4=2,250万円この金額を上記の速算表にあてはめて、各相続人の「仮の相続税額」を出すと、次のようになります(手順3)。妻:4,500万円×20%-200万円=700万円長男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円次男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円仮の相続税額をもとに計算した「相続税の総額」は、次のとおりです(手順4)。700万円+287万5,000円+287万5,000円=1,275万円なお、実際にも法定相続分どおりに遺産分割した場合、1,275万円を法定相続分で分けることになりますから、各相続人の実際の相続税額は次のようになります(手順5)。妻:1,275万円×1/2=637万5,000円長男:1,275万円×1/4=318万7,500円次男:1,275万円×1/4=318万7,5000円※妻については配偶者の税額軽減が受けられるため、相続税の負担は0円となります。上の計算結果を見ればわかるとおり、「実際の相続税額」は、税率表を使って出した「仮の相続税額」とは異なります。相続税の税率表を使っても、実際の相続税の額を出せるわけではありませんので、注意しておきましょう。相続税の税率や計算方法まとめ相続税の金額は、相続した財産に税率をかけても出せません。相続税の金額を把握したい場合には、手順を踏んで計算する必要があります。相続税の計算は複雑ですから、よくわからない場合には税理士に相談しましょう。
2019年05月08日今年10月には消費税が10%に上がるとされており、すでに生活に身近な食品などの値上げが相次ぎ、家計を直撃している。2月からはレギュラーガソリンの全国平均価格が9週連続で上昇し続け、3月からはアイスクリームやサバ缶などの缶詰類、家庭用すり身製品、牛乳などの乳製品の値段が上がった。5月以降は大手メーカーの値上げラッシュが本格化する。■家計にかかわる主な価格・制度の変更【5月】<サントリー>1日出荷分から1.2リットル以上のペットボトル飲料が一律20円値上げ。<アマゾン>17日からアマゾンプライム年会費が3,900円から4,900円に値上げ。<カルビー>21日納品分からポテトチップスなどスナック菓子を順次値上げ。【6月】<TOHOシネマズ>一般の映画鑑賞料金を1,800円から1,900円に値上げ。<東洋水産>1日出荷分から「赤いきつね」など即席めん約200品目を13~30円値上げ。【7月】<カゴメ>1日出荷分からトマトジュース、野菜ジュースなどが5~10%値上げ。【10月】消費税が10%にアップ(見込み/軽減税率制度により、外食・酒類などを除く飲食料品は8%に据え置き)。中小の小売店でのキャッシュレス決済で最大5%ポイント還元。値段や消費税が上がる前に買うべきものを買っておかないと損してしまう!と駆け込み消費を考える人も少なくない。「あまり慌てずに、いったん冷静になって家計のことを考えてみましょう」そうアドバイスするのは、1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんだ。「消費税が上がっても、家賃や健康保険適応の医療費、保険料などには消費税はかかりません。消費税がかかる支出は光熱費や食費、日用品費など月の生活費の3分の2程度。たとえば、生活費が毎月30万円かかる家計であれば、約20万円分の支出に消費税がかかることになります。現在の8%で計算しますと、消費税は1万6,000円。10%になりますと2万円で差額は4,000円。負担増は4,000円と思えば、それほど苦しいと感じることはないと思います。焦ってストック買いするほうが家計のムダにつながります」(横山さん・以下同)むしろ今から増税前までに準備しておきたいのは、改元を機に家計の“お金の流れ”をきちんと見直して、みるみる貯まる“貯め体質”になること。「一度、支出のすべてを書き出してみましょう。支出は家賃や光熱費、通信費、保険料などの『固定費』と、食費や日用品費、衣服費や娯楽費などの『変動費』に分けられ、支出を書き出すことでふだんの買い物の浪費グセが見つかります。“ムダ支出”を見直すだけでも増税分はカバーでき、さらに貯蓄の分も捻出することもけっして無理ではありません。把握しているつもりの支出も改めて書き出してみると、“なんとなく”“ついつい”使っている支出に気づくもの。元号が変わるタイミングは、そうした“家計の常識”をガラッと見直すのにもよいチャンスです。家計のルールを改めて、貯め体質になりましょう」
2019年05月05日マンションを購入する際に多くの人が利用する住宅ローン。変動金利と固定金利、選ぶ金利タイプによってその後の返済計画は大きく変わります。この記事ではそれぞれの金利タイプの特徴とメリット・デメリット、どういった人に向いているのかを解説します。変動金利型住宅ローン2018年度第1回民間住宅ローン利用者の実態調査変動金利の推移長期的な金利動向も住宅ローンの金利タイプを選ぶ際の参考となります。以下のグラフは、住宅金融支援機構の集計による民間金融機関の住宅ローン金利の推移を示したものです(金利引き下げ前の基準金利・店頭表示金利)。民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)・住宅金融支援機構*主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)*変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータ。これをみると、民間金融機関の住宅ローン金利はバブル期以降大きく低下し、ここ20年以上ほぼ横ばいの状態が続いています。現在の金利水準はほぼ下限に近いと考えられ、今後金利がさらに低下するよりも、上昇するリスクのほうが高いといえます。とはいえ金利がいつ上昇に転じるかはわかりません。金利の変動を正確に予測できない以上、あなた自身のリスク許容度(どの程度金利変動に対応できるのか)に応じて金利タイプを選択あなた自身のリスク許容度(どの程度金利変動に対応できるのか)に応じて金利タイプを選択するべきといえるでしょう。マンション購入のための住宅ローンまとめ住宅ローンを利用する場合には、あなた自身の状況やリスク許容度にあわせて金利タイプを選ぶ必要があります。また返済期間の長い住宅ローンは一度借りて終わりではありません。状況の変化に応じて、借り換えなど適切な対応ができるようにしておくことも大切です。
2019年04月26日兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい
義父母がシンドイんです!