2019年3月7日 19:30
『マイ・ブックショップ』監督が思う、本を読んで得られる「魔法」とは?
今回は、英ブッカー賞受賞作家でもあるペネロピ・フィッツジェラルドの小説『The Bookshop』の映画化に挑んでいます。そこで、原作への思いや読書の大切さについて語ってもらいました。
―まずは原作との出会いから教えてください。
監督10年前にたまたまロンドンの古本屋さんで見つけたの。もともと私は本を読むことも本屋さんに行くことも大好きだから、「ブックショップ」と付くタイトルなら、私が買わなきゃと思って手に取ったのよ。まさに、本が私を見つけてくれた感じだったわ。
―ネットで本を買うのが主流のいまでは味わえない運命的な出会いだったんですね。監督そうね、本屋さんで本を買うというのは冒険でもあるのよ。
だから、私はネットで本を買うのが大嫌いなの(笑)。なかでも必要ないのは、「これに興味がある人は、ほかにもこんなものを読んでいます」という表示。いまの世の中がアルゴリズムで動いているのはわかっているけれど、私にはまったく関係ないことだわ。
本を読むことで得られるものとは?
―確かに、本屋さんでしか味わえないことが失われつつありますが、そういう意味ではいまの活字離れに関しても危機的なものをお感じになっていますか?
監督危機でもあるけれど、非常に愚かな状況でもあると感じているわ。