くらし情報『村上春樹のトラップ? 芥川賞&直木賞作家もハマった仕掛けとは?』

2019年7月5日 21:00

村上春樹のトラップ? 芥川賞&直木賞作家もハマった仕掛けとは?

日本の近代文学は私小説が多いですが、私は個人の内面よりも情景描写を書きたくて。それこそ一時はカポーティのような潮騒とかの比喩を書きたくて「さざ波のように」って表現をかなり使いました(笑)。

上田:サガンの『悲しみよ こんにちは』は読みました?

島本:はい。でも私、サガンよりもマルグリット・デュラスのほうが好きなんですよね…。

上田:僕、仕事の必要があって最近読み返したんです。あれって、アラフォーの恋愛を17歳の女の子の目線で描いているじゃないですか。19~20歳で読んだ時は少女の視点で読んだけれど、今読むと40歳のほうの目線になるので、大人たちが打算込みでいろいろやっているのがわかる。17歳からは今の僕もこんなふうに見られているのかな、って怖くなりました(笑)。


島本:確かに私も昔、100%少女の視点で読んだので、今読むと感じ方が変わるかもしれない。

上田:サガンよりもデュラスが好きというのは?

島本:昔読んだ時はサガンの主人公はただ生意気だなと思って。デュラスは同じ恋愛を書くにしても、絶望して達観した中に情熱や官能を秘めている。基本的に恋愛ものは絶望があるものが好きです。

上田:絶望のある恋愛もの…。

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