2019年10月17日 18:20
スラム街出身だけど…インド階級差別社会に立ち向かう青年の生きざま
彼は機会を与えられることのなかった人間ですが、一生懸命働いて、息子を大学にまでやることができた。
ムラドも一瞬、ホワイトカラーの仕事を得たじゃないですか。それを捨ててまで、不確かでリスクの高い世界に飛び込むというのは、父親にとっては理解ができないし、恐怖ですらあるわけですよね。そして父親があれほど家庭で暴君のように振る舞っていたのも、外では抑圧されているから。彼が威張れるのは、家の中だけなんです。
--サフィナも裕福な家庭の娘ではありますが、女性ということで行動を制約されてしまいます。
ゾーヤー サフィナはいい家柄の出身で、未来もある少女ですが、ある一定の時期が来ると、彼女を取り巻くルールががらりと変わってしまうんですよね。女性であるがゆえに、親の言うことに従わなくてはいけないし、してはいけない行動が増えてくる。
どんどん縛り付けられていくんです。映画の中ではムラドもサフィナも、それぞれ取り巻く状況と戦っています。
--監督の想いを描くのに、ヒップホップという題材はぴったりだと思いました。
ゾーヤー 今回、2人のラッパーNaezy(ネイズィー)とDevine(ディヴァイン)に出会えたことには、とても大きなインスピレーションを受けました。