2021年3月25日 19:30
「小津安二郎から常に学んでいる」日本の巨匠がドイツの名匠に与えた影響
そこで、同じくウンディーネの物語に魅了されたこちらの方にお話をうかがってきました。
クリスティアン・ペッツォルト監督
これまでにベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞するなど、ドイツの激動の歴史を描く社会派として知られているペッツォルト監督。今回は、多くの天才アーティストたちに愛されてきた神話の魅力や日本映画から受けている影響などについて語っていただきました。
―「水の精」を描いたこの作品を皮切りに、「火の精」と「地の精」という神話をテーマにした“精霊三部作”を作ろうとお考えのようですが、きっかけから教えてください。
監督実は以前から、1度は三部作を作りたいと思っていました。ただ、僕はもともと怠けやすい人間なので、口に出さないと動けないタイプなんですよ。なので、今回は自分が働くための理由になると思って、最初から「三部作にする」と宣言しました。僕は一旦口にしたことは守るタイプですからね。
そうやって言うことで自分にとって“足かせ”のような意味もあるんですよ(笑)。
―そんな背景もあったんですね。この神話は古代ギリシャ時代から現代まで、多くの芸術家が魅了されています。そこまで長年にわたって多くの芸術家を惹きつける魅力は何だと思いますか?
監督ドイツでウンディーネが人気を集めたのは、産業革命の頃。