2022年7月14日 19:30
依存症、低賃金、ハラスメント…サービス業界が抱える闇に迫る【英映画】
過去には、シェフとしても15年ほど働いていたことがあり、本作は当時の経験からアイディアが生まれた作品となっています。今回は、実体験から痛感している社会的な問題や撮影時の苦労、そして日本から受けている影響などについて、語っていただきました。
―本作で描かれているエピソードというのは、すべて実際にご自身が経験したことや周りから聞いた出来事を基に構成されたのでしょうか。
監督そうですね。この作品では、僕が見たことや経験してきたことすべてを入れています。僕はシェフとして働き始めてから10年で料理長になりましたが、その業界のなかでは早いほうだったので、“集中コース”みたいな感じで働いていました。
もちろん、おもしろさと情熱があったからできたことでしたが、劇中のアンディが経験していたようなストレスもあり、非常に大変な思いをしたことも……。僕がお酒を飲まなくなって7年が経ちますが、キッチンで働いているときはアンディと同じくアルコール依存症になったこともありました。
そういう意味でも、僕自身に近い作品となっています。
みんなが共感できるリアルな映画を作りたかった
―依存症以外にも、過酷な労働環境や低賃金、人種差別、ハラスメントなど、さまざまな問題を描いています。