「LGBTQを問題にしたくない」北欧で注目の女性監督があえて声を上げる理由
そこで、作品の裏側についてこちらの方にお話をうかがってきました。
アッリ・ハーパサロ監督
映画のみならず、ドラマやドキュメンタリーなど幅広い作品を手がけ、強い女性たちを描くことを得意とするハーパサロ監督。今回は、フィンランドの女性たちが置かれている状況や男女平等がもたらすメリット、そして不完全な自分の受け入れ方などについて語っていただきました。
―本作では、どのようなところに魅力を感じて監督をしたいと思われたのですか?
監督私が監督として参加した時点で脚本は未完成でしたが、斬新で共感を呼ぶキャラクターが3人も登場するというのがおもしろいと思いました。この作品には脚本を担当したイロナ・アハティとダニエラ・ハクリネンの個人的な経験も反映されていますが、具体的なエピソードではなく、あくまでも10代という多感な時期に抱いていた感情について描かれています。
それは「交際相手と心のつながりを感じられていたのか」とか「相手といることに喜びはあったのか」といったことですが、私たちにとって10代の少女ならではの思いを描くことが非常に大事でした。なぜなら、自分たちがその年代の頃に、同じ悩みを抱えているキャラクターが出てくる映画があまりなかったからです。