くらし情報『【シネマ羅針盤】渋谷再開発、映画館の行方は?――『シング・ストリート』に寄せて』

2016年7月15日 21:30

【シネマ羅針盤】渋谷再開発、映画館の行方は?――『シング・ストリート』に寄せて

Photo by cinemacafe.net

音楽に情熱を捧げる少年の恋と青春を描いた『シング・ストリート未来へのうた』(ジョン・カーニー監督)が7月9日(土)に封切られ、各地の劇場で満席続出の大ヒットを記録している。早くも拡大公開が決定しており、さらなる旋風を巻き起こす予感だ。

『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』といった音楽愛にあふれる秀作を手がけ、日本にもファンが多いカーニー監督が80年代、不況にあえぐ故郷ダブリンで過ごした10代の実体験をベースに生み出した本作は、例えば同じく自身の青春期を映画化したキャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』、ほぼ同時代のイギリス北部を舞台にした名作『リトル・ダンサー』に匹敵するといって過言ではない、今年を代表する感動作だ。

少しだけ個人的な話をすると、カーニー監督とは同世代なので、劇中を彩る80年代ブリティッシュ・ミュージックの数々に胸がときめいてしまう。鬱屈した日常を送る主人公の少年が音楽好きの兄と一緒に、テレビから流れるミュージック・ビデオを“見ながら”瞳を輝かせる姿も当時を思い出させるし、劇中で一目ぼれした年上の女の子を「僕のバンドのMVに出ない?」と誘い、まさかのOKで急きょバンドを結成するシーンも微笑ましい。

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