2022年11月20日 18:00
アイデンティティの揺らぎを描く『ある男』ほか、“自分とは何か”に切り込む名作をピックアップ
そんな役どころを演じた主演の妻夫木さんも「石川監督の作品は『その人生でいいのか』『自分とは何なのか』と、作品を通して問いかけてくる」と明かす。
石川監督自身も、「現実の中にシュールな異世界への扉がどこかに開いていることが実際にあり、それを描くのが映画」と話すように、本作の重要なテーマであるアイデンティティの揺らぎを、映像でも見事に魅せている。
『FLEE フリー』(2020年公開)
米国アカデミー賞において国際長編映画賞・長編ドキュメンタリー賞・長編アニメーションの3部門に同時ノミネートされるという史上初の快挙を達成した『FLEE フリー』。
アフガニスタンからデンマークへ逃れたアミン。30代半ばとなり、研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていたが、彼には恋人にも話していない20年以上も心に抱え続けていた秘密があった。彼の故郷には、同性愛という言葉すらも存在していなかった。故郷とアンデンティティを失った主人公アミンを通じて、「自らを生きる」という意味に迫る。
『万引き家族』(2018年公開)
家族ぐるみで犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。