2023年6月18日 17:00
魔法ワールドに夢中になるのはなぜ? ファンタジー最高峰の物語に迫る
魔法界をヴォルデモートから救った主人公ハリーは、絶対的な救世主=“ヒーロー”として描かれているわけではない。両親を亡くし、いとこの家の階段下の物置同然の部屋で育ったハリーは、友達と喧嘩したり同級生に恋をしたりと普通の学生としても描かれ、ときには大事なことを教えてくれないダンブルドア校長に腹を立てるなど、傲慢な一面も見せる。
主人公ハリーを筆頭に、ロンやハーマイオニーはもちろん、同級生のネビルや優しく心強い先生ルーピン、敵側のマルフォイに至るまで、登場するキャラクターの1人1人が丁寧に描かれているため、どの年代の人も共感できるキャラクターが存在し、まるで自分も魔法ワールドの一員になったかのような気持ちにさせる親近感がある。
◆張り巡らされた伏線と、魔法使いたちの過去や秘密の数々
ハリーを取り巻く魔法使いたちのヒューマンドラマに加え、ファンの心を掴んで離さない秘密は、その伏線の多さと登場人物たち1人1人に隠された過去や秘密にある。
魔法界で最も偉大な魔法使いであり、ホグワーツ魔法魔術学校の校長であるダンブルドア先生は、ハリーら生徒の良き理解者であり導く人として描かれているが、お茶目な一面や清廉潔白な善人であるとは言い切れない顔を見せることも。