2024年3月25日 19:00
女性たちを描くフランスの巨匠の冒険ミステリー3作品「ジャック・リヴェット傑作選」4月上映
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』1974年
公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことからはじまる奇妙な冒険、そしてある殺人事件のにおい。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作は、セリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。
幻想と現実の境界線を軽やかに飛び越えて自由に入れ替わる主人公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな衣装も楽しく、遊び心に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの人気作。
『デュエル』1976年
現代のパリを舞台に、地上での生を受けるため魔法の石をめぐって太陽の女王と月の女王が対決するファンタジー。リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディといった内容のと称した4部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。
「ジャック・リヴェット傑作選 2024」