2014年10月2日 07:00
インテリヤンキーの愉快な地元生活 (11) 面白い仕事を長く続けられる。名古屋にいてむしろラッキーでした
○名古屋市を出たのは人生で5ヶ月
「地元」という言葉を使うときにいつもためらいを感じてしまう。2年前からのマンション暮らしで早くも愛着を覚えているのは愛知県蒲郡市だけれど、ここで生まれ育ったわけではない。小学校の4年生まで過ごしたのは埼玉県所沢市で、大学を出るまで居続けたのは東京都の東村山市だ。いずれも旧友が少しいる程度で、とりわけ好きな場所や飲食店などはなく、小中学校時代には良い思い出はあまりない。なお、実家はすでに東村山を離れている。
社会人になってからは杉並区の西荻窪駅周辺に合計8年ほど住んだ。自分と同じ出版業界の人も多く住んでいて、個人経営の小さな店があちこちにある街だ。体の力が抜けるような居心地の良さを感じた。
「西荻」こそ僕の地元だったのかもしれないが、愛知の女性と結婚することになって離れてしまった。
生まれ育った町で、地元意識すらないほど当たり前のように暮らし続けている人たちがいる。「地元の外に広がる世界に出る切符」ともいうべき大学卒業資格を持っているにも関わらず、だ。彼らを「インテリヤンキー」と名付けて愛知県と東京都で訪ね歩いてきた。6人目で最終回となるので、ヘビー級のインテリヤンキーに登場してもらおう。