2016年2月9日 11:00
賢さ増す人工知能、これからのビジネスパーソンに求められるものとは?
スラン氏は「なんでもいいから職業を1つ、人工知能に1年間学習させてみれば、おそらく人間よりも効率的にその仕事をこなせるようになるでしょう」とも言っているのだ。
確かに、一部の創造的な業種を除けば、仕事の大半はルーチンワークだったり、過去の事例から類推できることが多く、これらは人工知能がカバーできる範囲だ。このままいけば、やがて現在の人間の仕事の多くは人工知能に取って代わられてしまうのは避けられないようだ。
○人工知能が新たな身分制を生み出す?
一方で懸念もある。企業内の人員はやがて、方針を決める一部の人間と、会社のオペレーションに必要な最小限の人間、そして大量の人工知能だけで賄われることになり、人工知能を使える人間と、人工知能に使われる人間の2種類に大きく分けられてしまうのではないか。いわば、新たな身分制の登場だ。それによって職を失う人もいるかもしれない。しかしスラン氏は、憂慮ばかりしなくてもいい、とフォローする。
「たとえば農業はテクノロジーが関与したことで、400年前と比べて、98%の仕事がなくなりました。鍬や鋤を使って手作業で行っていたものが、機械に置き換えられたのです。しかし、テクノロジーがあることで、パイロットやプログラマー、サウンドエキスパートといった新しい職種が生まれました。